JP3962851B2 - 揮発損失を内部で補正する粒子質量差モニター - Google Patents

揮発損失を内部で補正する粒子質量差モニター Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、概して流体媒体中に浮遊する粒子状物質の測定に係り、特に、環境空気またはその他の気体環境中、例えばディーゼル排気、鉱山、煙突、産業設備等の中に浮遊する粒子状物質の質量及び濃度の少なくとも一方の測定に関する。
【0002】
粒子状物質とは、自然または人工のプロセスの結果生じ、サイズが小さいため空気または他の流体媒体中に浮遊し得る濃縮固体、半固体、または液体状物質に関する一般的用語である。
【0003】
環境空気中の粒子状物質の測定は様々な理由で重要であるが、その中で最も重要なものは健康への影響である。浮遊する粒子状物質を吸入すると、健康に様々な悪影響を及ぼすことが知られている。その結果、全世界の環境規制機関は、粒子状物質の監視を要請している。そのレベルは、濃度条件で、つまり空気1立方メートル当たりの粒子状物質のマイクログラム単位で測定される。この測定の標準技術は、粒子状物質を捕捉するためのフィルターを利用する質量測定と、一定時間内にフィルターで濾過された空気の全容積で定義されている。時間に対するフィルターを通る流量(したがってサンプリングした空気の容積)を正確に測定するために利用し得る様々な手法があるが、環境中の粒子状物質の性質が複雑であり、フィルター上の堆積量が一定せず、意外にも質量測定は簡単でない。
【0004】
環境空気中の粒子状物質の測定にかかわるこの問題は良く知られている。質量濃度計算の基礎として用いられる粒子の質量は、フィルター上に捕捉された質量で定義されるが、それが必ずしも粒子が環境空気中に存在する場合の質量でないため、この様な不確かさを生じる。主な基準となる大気環境汚染物質の測定と異なり、粒子状物質として定義される物質は、粒子状物質とフィルターを結合させる揮発性物質の獲得または損失の結果、その質量を変化させ得る。大気環境汚染物質は、明確な分子種(SO、O、CO等)として存在するが、粒子状物質は揮発速度、反応性、脱着性、吸収性、そして吸着性の異なった物質の組み合せとなり得る。さらに、フィルター上に沈着する粒子状物質の質量は、フィルター材自体、既にフィルター上に捕集された粒子状物質、フィルターを通過する面速度、そしてフィルターでの圧力損失の他、湿度、温度及び捕集材を通過する気流の組成にも影響される。
【0005】
粒子状物質の質量を定量しようとする努力で、直接及び間接法が用いられてきている。しかしながら、現在用いられているどの方法も、浮遊した形で存在する粒子状物質の実際の質量を測定する上では限界がある。フィルターなどの担体上に捕捉された物質の重量測定で代表される直接質量測定は、例えば温度や圧力変化、そして容易に定量し難い揮発性成分の損失のために計器の影響を受け易い。一方、光散乱等の間接法は、粒子の性質と粒子質量の間に物理的な相関がないため、本質的に不正確である。
【0006】
直接質量測定において計器の影響を補償するため、1対の振動水晶検出器を用いる粒子質量差測定マイクロ天秤が以前に提案されている。この初期のアプローチでは、粒子を含む気流が第1の検出器に衝突し、粒子を含まない気流が第2の検出器に衝突する。第2の質量検出器は、第1の検出器が提供する質量測定値から検出器の計器の影響を無くすためのリファレンスとして用いられる。米国特許第5,571,945号は、1対の粒子状物質捕集器間の差圧を測定するための圧力センサーを用いる同様な測定アプローチを開示している。米国特許第5,349,844号は、フィルター面にほぼ垂直な方向に振動するフィルターを用いる同様なアプローチを開示している。しかしながら、これらの初期のシステムでは揮発損失が評価されていない。
【0007】
上記の難点の結果、米国における現在の基準法は、実際には撹乱されない状態で空気中に存在するものとして粒子質量の正確な測定を必ずしも行えない技術に依存する方法である。基準法は、温度及び湿度条件の一定の範囲でのフィルターの平衡、フィルターの捕集前の重量測定、手動サンプラーへのフィルターの取付け、環境空気のサンプリング(24時間)、サンプリング装置からのフィルターの取外し、前と同じ平衡条件での捕集後コンディショニング、そして最後の捕集後重量測定で構成される。この方法論の意図は、同一試料間で安定した測定セットを提供することである。
【0008】
しかしながら、上記の理由で、この方法に基づく結果は、たとえ大まかであっても精度を特定した測定を行うことはできない。すなわち、フィルターから測定された質量が、大気中に存在する場合の粒子の質量をどの程度正確に現しているであろうか。これは重大な問題であり、これらの測定は、単に粒子レベルを示唆しているに過ぎないことを認めなければならない。その結果、現在の基準法は、単に標準化された手法を現しているに過ぎず、空気中の粒子状物質に対する科学的な根拠のある測定ではない。
【0009】
揮発性成分は、これらの測定に対し混乱させるような影響を与える。フィルターはサンプリング装置に取り付けられているが、フィルター上で行われる反応に影響する温度や湿度等の重要な因子の変動は明確でない。サンプリング中、フィルター上及びフィルターの質量は温度が下がり湿度が上がる期間(夜間)に劇的に増加し、温度が上がり湿度が下がる場合(日中)は、半揮発性物質がかなり減少することがある。これらと同じような影響が、空気質量の変化や、その他の気象上の出来事に付随することもあり得る。さらに、サンプリングが終了し、サンプラーから取外される前や、コンディショニングと重量測定のために実験室へ運ぶ間に、捕集フィルターが広い範囲で変動する高温または低温に曝されることもある。
【0010】
捕集された粒子状物質とフィルターの質量が、それらが曝される条件によって変動するばかりでなく、フィルターを通る空気流がフィルターを介して圧力差を生じ、粒子状物質の揮発性成分を取り去ってしまうこともある。要するに、粒子とフィルターの相互作用は、捕集すると直ちに粒子状物質の性質を変えてしまう傾向があり、そのため粒子状物質が環境空気中に浮遊している場合に比べて粒子状物質の所定の測定の精度に影響を与える。健康に対する関心が高まり、測定装置の感度が高くなるにつれ、より細かい粒子状物質、例えば2.5ミクロン以下の粒子を測定しようとする傾向にある。粒子が小さくなるほど、質量測定値に対する揮発損失の影響がますます重要になる。したがって、環境空気またはその他の大気環境中の粒子状物質の質量または濃度を正確に測定することが可能な測定装置が強く望まれている。
【0011】
本発明は、上記の問題を克服する方法と装置を提供するものであり、環境空気または気体中の粒子状物質の、その揮発性成分を含めた正確な定量分析を可能にする捕集に基づく直接質量測定を初めて提供するものである。本発明の測定法は、検出器の計器の影響を無くすばかりでなく、揮発損失を内部で補正する。この開示の目的では、「揮発損失」とは蒸発、吸収、吸着、脱着、反応性、そして捕集した粒子状物質の質量に影響するその他の効果を含む広い意味で用いられている。
【0012】
本発明には2重検出器バージョンと単一検出器バージョンがある。
【0013】
2重検出器
本発明の原理によれば、粒子を含む気流中の粒子状物質の質量を測定するための装置は、第1の質量検出器、第2の質量検出器、及び粒子を含まない以外は前記粒子を含む気流と実質的に同一である粒子を含まない気流を提供する第1の手段が含まれる。切り替え手段により、連続する測定期間中、前記粒子を含む気流と前記粒子を含まない気流とが交互に前記第1の質量検出器と前記第2の質量検出器とに選択的に通流される。前記連続する測定期間の各々に対する第1の質量検出器によって得られた測定値と第2の質量検出器によって得られた測定値との差が計算される。この差が測定期間中に生じる揮発損失を内部で補正する。粒子を含む気流中の粒子状物質の質量または濃度は、この差から決定される。
【0014】
前記粒子を含まない気流を提供する第1の手段は、前記粒子を含む気流から実質的に全ての粒子状物質を除去するための粒子除去手段を有するのが有利である。前記粒子除去手段は、前記粒子を含む気流から気流の温度、圧力、及び流量に殆ど影響を与えず、粒子状物質を除去することが最適である。この様な粒子除去は、電気集塵機を用いて行われることが好ましい。前記電気集塵機は、陽性コロナ及び低電流で操作されることが好ましい。
【0015】
前記第1及び第2の検出器は、各々、振動素子マイクロ天秤を有する。各検出器は、素子の自由末端部で支持されたフィルターと共に、クランプフリーモードで振動する中空素子を備えている。前記第1の質量検出器は、前記粒子を含む気流を検出器に通流させた場合、この気流から粒子状物質を捕集する役割を果たす。流体制御手段は、各測定期間中に各検出器のフィルターで実質的に同一の気流の流量を維持することができるのが有利である。振動素子マイクロ天秤の形態において、質量検出器により得られた質量の測定値は、時間毎の振動素子の振動周波数の変化に基づくことが有利である。
【0016】
本発明の他の態様では、質量測定装置の切り替え手段により(a)連続する測定期間の各偶数番号期間中は、粒子を含む気流を第1の質量検出器に通流させ、同時に粒子を含まない気流を第2の質量検出器に通流させ、(b)連続する測定期間の各奇数番号期間中は、前記粒子を含む気流を第2の質量検出器に通流させ、同時に前記粒子を含まない気流を第1の質量検出器に通流させる。粒子を含む気流を通流させる検出器は、獲得質量を測定し、一方、粒子を含まない気流を通流させる検出器は、粒子状物質の揮発性成分による損失質量を測定する。粒子状物質を定量するため、測定された損失質量が測定された獲得質量に加算される。連続する各測定時間の継続時間は短く、好ましくは15分間であり、現在最も好ましいと考えられるのは1分以下である。
【0017】
本発明の他の態様では、第1及び第2の質量検出器によって得られる測定値は、各々質量比であり、質量測定におけるキャリブレーション誤差の蓄積を制限することができる。
【0018】
本発明のまた別の態様では、第1及び第2の質量検出器からの質量比を組み合せた補正された質量比から、補正質量濃度が算出される。
【0019】
また、本発明は、現在の粒子質量差測定システムに対し大きな改良が行われている。この様なシステムでは、粒子を含む気流を第1の質量検出器に通流させ、粒子を含まない気流を第2の質量検出器に通流させる。第2の質量検出器は、第1の質量検出器で得られた測定値から検出器の計器の影響を無くすためのリファレンスとして用いられる。本発明によれば、この様な粒子質量差測定システムは、連続する測定期間中に粒子を含む気流と粒子を含まない気流を交互に第1の質量検出器と第2の質量検出器とに通流させる切り替え手段を含めることにより提供される。この様な方法で、連続する測定期間中に生じる揮発損失に対する補正が内部で行われる。
【0020】
本発明のさらに別の態様では、粒子を含む気流中の、揮発成分を含む粒子状物質の質量を測定するための装置が提供される。この装置には、粒子を含む気流を第1の気流と第2の気流に分ける手段、第1の気流を導いて第1の質量検出器に継続的に通流させ、第2の気流を導いて第2の質量検出器に継続的に通流させる手段、及び対応する粒子除去手段を作動させた場合、第1及び第2の気流それぞれから実質的に全ての粒子状物質を除去するための第1及び第2の気流粒子除去手段が含まれる。連続する測定期間中、制御手段は、第1の気流粒子除去手段及び第2の粒子除去手段の一方のみを交互に作動させる。連続する各測定期間中、第1の質量検出器で得られる第1測定値と、第2質量検出器で得られる第2測定値の差が測定される。この差により、測定期間中に生じる揮発損失が内部で補正される。この差から粒子を含む気流中の粒子状物質の質量または濃度が決定される。
【0021】
本発明のさらに別の態様によれば、粒子質量差測定法が改良される。公知の方法では、粒子を含む気流を第1の質量検出器に通流させる。第1の質量検出器は目下の測定期間中に気流から目下の粒子試料を捕集し、それによる獲得質量を測定する。第2の質量検出器は、リファレンスとして用いられ、検出器の計器の影響を無くす。本発明は、第2の質量検出器が前記現在の測定期間中に生じる粒子の性質の変化も測定することによってこの方法を改良する。この粒子の性質の変化は、通常、捕集された揮発性粒子の揮発による損失質量を含む。第2の質量検出器で測定される揮発による質量損失が、第1の質量検出器で測定される獲得質量に加算され、目下の測定期間に対する補正された粒子質量測定が行われる。測定された損失質量は、初期に捕集された粒子試料において、目下の測定期間中に生じるが、この初期に捕集された粒子試料は、第2の質量検出器によってそれ以前の測定期間中に捕集されたものである。目下の測定期間とそれ以前の測定期間とは、初期に捕集された試料と目下の粒子試料との前記目下の測定期間中の揮発量が実質的に同じになるように、十分に短いことが好ましい。
【0022】
本発明は、様々な大きな利益と利点を提供する。これらの中で最大のものは、測定期間中に生じる揮発損失に対する本質的な補正である。短い測定時間を用いることは、質量測定が様々な環境温度条件を含む任意の選ばれた温度下で捕集された粒子に関わる揮発質量の正確な表示を含むことを確実にする。両方の質量検出器は、同じ捕集器(例えばフィルター)と装置のアーチファクトを常時観測しているので、一方の検出器の測定値を他の検出器の測定値から差し引くと、装置の影響に対する補償は、有効かつ完全になる。粒子除去のため電気集塵機を使用することは、圧力の乱れを防止する上で好ましく、揮発性が異なることにより、一方の質量検出器が他方の質量検出器を妨害することはない。さらに、電気集塵機は、機械的な動作の必要なしに、電気的オン−オフで即座に気流の粒子成分を切り替えるのを容易にする。また、気流の切り替えは、単一捕集器システムと比較して、捕集器の寿命を効果的に2倍長くする。さらに、もし、動作が異なる2台の測定装置が、本発明の原理にしたがって、1台は環境温度で、もう1台はかなり高温で並らべて駆動されたならば、環境中の粒子状物質の揮発性と不揮発性の区別が可能になる。
【0023】
単一検出器
本発明の原理によれば、粒子を含む気流中の粒子状物質の質量を測定する装置には、質量検出器、そして粒子を含まない以外は前記粒子を含む気流と実質的に同一である粒子を含まない気流を提供する第1の手段が含まれる。切り替え手段により、連続する測定期間中、前記粒子を含む気流と前記粒子を含まない気流とを交互に前記質量検出器に通流させる。目下の測定期間中に質量検出器で得られる測定値と、連続する測定期間中に質量検出器で得られる測定値との差が算出される。この差は、目下の測定期間中に生じる揮発損失を内部で補正する。この差から粒子を含む気流中の粒子状物質の質量または濃度が定量される。粒子を含まない気流を提供するための第1の手段は、前記粒子を含む気流から実質的に全ての粒子状物質を除去するための粒子除去手段を有することが有利である。前記粒子除去手段は粒子を含む気流から、気流温度、圧力、そして流量に影響せずに粒子状物質を除去することが最適である。この様な粒子除去は、電気集塵機を用いて行うことが好ましい。電気集塵機は、好ましくは、陽性コロナ及び低電流で操作される。
【0024】
質量検出器は、振動素子マイクロ天秤であってもよい。検出器は、素子の自由末端部で支持されたフィルターと共に、クランプフリーモードで振動する中空素子を有する。気流を検出器に通流させる場合、フィルターは、粒子を含む気流から粒子状物質を捕集する役割を果たす。各測定期間中、流体制御手段により、検出器のフィルターで実質的に一定の気流の流量を維持するのが有利である。振動素子マイクロ天秤の形態において、質量検出器で得られる質量の測定値は、時間毎に検出された振動素子の振動周波数の変化に基づくのが有利である。
【0025】
本発明の他の態様では、質量測定装置の切り替え手段により(a)連続する測定期間の偶数番号期間中、粒子を含む気流を質量検出器に通流させ、(b)連続する測定期間の奇数番号期間中、粒子を含まない気流を質量検出器に通流させる。検出器に粒子を含む気流を通流させる場合、検出器は獲得質量を測定する。検出器に粒子を含まない気流を通流させる場合、検出器は粒子状物質の揮発性成分の揮発による損失質量を測定する。測定された損失質量を測定された獲得質量に加算し、粒子状物質の質量を決定する。連続する各測定期間は、短時間継続するが、好ましくは15分以下であり、現在最も好ましいと考えられるのは約1分以下である。
【0026】
本発明発明の別な態様では、質量検出器で得られる各々の測定値は、質量比であり、質量測定におけるキャリブレーション誤差の蓄積を制限する。
【0027】
本発明のまた別な態様では、補正された質量濃度は、連続する2つの測定期間中に質量検出器から得られた質量比の測定値を組み合せることで補正された質量比から算出される。
【0028】
また、本発明は、従来の粒子質量差測定システムに対し大きな改良を行う。この様なシステムでは、粒子を含む気流を第1の質量検出器に通流させ、粒子を含まない気流を第2の質量検出器に通流させる。第2の質量検出器が、第1の質量検出器で得られた測定値から検出器の計器の影響を無くすためのリファレンスとして用いられる。本発明によれば、粒子質量差測定システムは、連続する測定期間中に粒子を含む気流と粒子を含まない気流とを交互に1台の質量検出器に通流させるための切り替え手段を含むことで改良される。この様にして、装置のアーチファクト及び連続する測定期間中に生じる揮発損失に対する補正が内部で行われ、複数の検出器のキャリブレーションやマッチングを行う必要を無くし、測定装置の複雑化やコストを低減する。
【0029】
本発明のまた別な態様では、粒子を含む気流中の粒子状物質の質量を、その揮発性成分を含めて測定する装置が提供される。この装置には、質量検出器、気流を導いて継続的に質量検出器に通流させる手段、そして作動させた場合、気流から実質的に全ての粒子状物質を除去する粒子除去手段が含まれる。制御手段により、連続する測定期間中に粒子除去手段を交互に作動させる。質量検出器で得られる第1測定値と、連続する測定期間中に質量検出器で得られる第2測定値の差が測定される。この差は、測定期間中に生じる揮発損失を内部で補正する。この差から気流中の粒子状物質の質量または濃度が決定される。
【0030】
本発明のさらに別な態様によれば、粒子質量差測定法が改良される。公知の方法では、粒子を含む気流を第1の検出器に通流させる。第1の質量検出器は、粒子試料を目下の測定期間中の気流から捕集し、その獲得質量を測定する。第2の質量検出器は、検出器の計器の影響を無くすためのリファレンスとして用いられる。本発明は検出器の計器の影響を無くすばかりでなく、前記目下の測定期間中に生じる粒子の性質の変化を効果的に測定するために1台の質量検出器を用いることにより、この方法を改良する。この粒子の性質の変化は、通常、捕集された揮発性粒子の揮発による損失質量も含む。質量検出器で測定された揮発による損失質量が、質量検出器で測定された獲得質量に加算され、目下の測定期間中の補正された粒子質量測定値が得られる。測定された損失質量は、初期に捕集された粒子試料において連続する測定期間中に生じ(つまり、目下の測定期間の直前または直後の期間中)、この初期に捕集された粒子試料は、それ以前の測定期間中に質量検出器で捕集されている。目下の測定期間及びそれに連続する測定期間は、初期に捕集された試料と目下の粒子試料との前記それに連続する測定期間中の揮発が実質的に同一であるために、十分に短いことが好ましい。
【0031】
本発明は様々な大きな利益と利点をもたらす。これらの中の最大のものは、測定期間中に生じる揮発損失の本質的な補正である。短い測定時間を用いることは、粒子質量測定が環境温度の変化を含む任意の選ばれた温度の下で捕集された粒子に関連する揮発性質量の正確な表示を含むことを確実にする。質量検出器は、1組みの連続する測定期間中に、実質的に同一の捕集器(例えばフィルター)と装置のアーチファクトを観測しているので、ある測定期間中の測定値を他の測定期間中の測定値から差し引いたとき、計器の影響の補償は、有効かつ完全である。粒子除去のために電気集塵機を使用することは、圧力の乱れを防止する上で好ましい。電気集塵機は、機械的な動作が不要で、電気的なオン−オフで即座に気流中の粒子成分を切り替えることを容易にする。さらに、気流の切り替えは、連続的な粒子捕集器システムと比較して捕集器の寿命を効果的に2倍長くする。さらに、本発明の原理にしたがって異なる動作の2台の測定装置を、1台は環境温度、もう1台はかなり高温で並べて駆動した場合、環境中の粒子状物質の揮発性と不揮発性の区別を行うことができる。1台の検出器を使用することにより、コスト及び信頼性の上でさらに利点がある。
【0032】
添付の図面と関連させて読むことにより、本発明の様々な態様、特徴、及び利点が好ましい実施態様の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【0033】
本発明のゴールは、環境空気(または他の気体環境)中に浮遊した粒子状物質の質量を、その揮発性成分を含め正確に測定することである。2重検出器の実施形態では、粒子を含む気流と、これと実質的に同一であるが粒子を含まない気流とを、連続する測定期間中に交互に第1質量検出器と第2質量検出器とに通流させることで行われる。十分に短い測定時間で第1及び第2質量検出器で得られる測定値間の差をとり、捕集された粒子状物質の測定された獲得質量に測定期間中の揮発による損失質量を加算することで、全粒子質量の正確な測定が行われる。
【0034】
本発明の粒子質量測定装置の2重検出器の一実施形態が図1に図示される。装置10は、2個の同一なサイド”A”及び”B”を有する(したがって、各サイドに関連する符号もそれにしたがって付けられている)。装置10の各サイド”A”及び”B”は、選択的に作動し得る粒子除去器14と質量検出器16とに空気が通流可能に連通している導入口12を含んでいる。装置10の各サイド”A”及び”B”で、粒子を含む気流18が各々の導入口12に入り、選択的に作動し得る各粒子除去器14を通過し、各質量検出器16に絶えず通流する。「通流」と言う用語は本明細書では、気流と質量検出器の相互作用を広く暗示するために用いられる。この様な相互作用は、使用する質量検出器の性質によって異なった形であり得る。
【0035】
導入口12は、通常、粒子を含む気流から、予め定められた「カットオフ」サイズより大きい粒子を事前に分離するためのセパレーターが含まれる。例えば、PM10及びPM2.5セパレーターの少なくとも一方を有する導入口は、公知であり、市販されている。
【0036】
次いで、導入口12に入る粒子を含む気流は、選択的に作動し得る粒子除去器14を通流して通り抜ける。作動させた場合、粒子除去器14は、気流の温度、圧力、そして流量に殆ど影響せず、実質的に全ての粒子状物質を気流から除去する。この様な粒子の除去は、空気清浄装置で通常用いられているものと同じ汎用タイプの電気集塵機を用いて行うのが有利である。オゾン生成を減少させるため、陽性コロナそして極めて低い電流、例えば数十ナノアンペア程度で作動する電気集塵機が好ましい。電流は、電気集塵機に実質的に全ての粒子状物質を除去させるのに十分なものでなければならない。
【0037】
粒子除去器14A、14Bは連続する測定期間中、選択的に交互に作動し、連続する測定期間中、一方の気流18A、次いでもう一方の気流18Bから粒子状物質を除去する必要がある。例えば、最初の測定期間中は粒子除去器14Aがオンになり、粒子除去器14Bがオフになる。次の測定期間中は粒子除去器14Bがオンになり、粒子除去器14Aがオフになる。連続する測定期間中、この交互の作動パターンが継続する。各期間は相対的に短い時間持続するのが有利であり、好ましくは15分以下程度であり、より好ましくは5分以下程度であり、最も好ましくは1分以下程度である。粒子除去器14A、14Bから流出してくる気流18A、18Bは、連続する測定期間中、各々対応する質量検出器16A及び16Bに絶えず通流される。
【0038】
質量検出器16は、水晶マイクロ天秤、β線吸収モニター、圧力損失モニター等の他の直接または間接質量検出器を用いることもできるが、テーパー状中空素子振動マイクロ天秤が好ましいと考えられる。後者の装置は、質量に対する感度が高く、リアルタイム測定が可能で、直接慣性に基づく質量測定であり、濾過を利用することで高い捕集効率であるため好ましい。
【0039】
測定する必要のある質量がマイクログラム及びサブ−マイクログラムの範囲であるので、質量に対する高い感度が重要である。質量揮発が短い時間枠で生じるので、リアルタイム測定が重要である。直接質量測定は、測定された値の曖昧さを避け、さらに、質量標準による追跡可能なキャリブレーションを可能にするので望ましい。濾過は、高い捕集効率を保証する。適切なテーパー状素子振動マイクロ天秤は、米国特許第3,926,271号におけるさらに背景となる情報と共に、米国特許第4,391,338号に記載されている。これら2つの特許の教示は、それらの全てが、本明細書に参考として含まれる。
【0040】
好ましいマイクロ天秤では、テーパー状中空素子がクランプフリーモードで振動する。素子の自由末端部にフィルターが取り付けられ、粒子を含む気流から粒子状物質を捕集する役割をする。この気流は、フィルター、次いで中空素子を通過し、中空素子の振動周波数はフィルターの質量負荷で変化し、質量測定値に変換可能となる。本発明の目的では、各測定期間に関連して振動素子の振動周波数の変化が質量比に変換され(つまり測定時間間隔に関する質量変化)、以下に詳細に記載される様に補正された質量濃度が得られる。
【0041】
テーパー状中空素子振動マイクロ天秤が好ましいが、他の形式または形状のもの、例えば非テーパー型、音叉型またはU−字型、またはクランプフリーモード等の他のモードで作動するもの、または捕集器の面にほぼ垂直な方向に振動する捕集器、衝突プレート、またはその他の粒子捕集器も質量検出器として使用し得る。
【0042】
操作中、粒子除去器14Bは、粒子除去器14Aがオフの場合オンであり、また粒子除去器14Aがオンの場合オフである。粒子除去器14Aがオフである場合、時間Δtでの質量変化及び計器の影響に起因する周波数変化により、質量検出器16Aは有効質量を測定する。
Aeff=M+MPv+αM+βΔT+γΔP (1)
ここで、
=粒子質量の不揮発性成分
Pv=粒子質量の揮発性成分
αM=フィルターの吸着/脱吸着及び析出物質の揮発による気体の獲得または損失質量
βΔT=時間Δtの間の温度変化ΔTによる周波数変化の有効質量当量
γΔP=時間Δtの間の圧力変化ΔPによる周波数変化の有効質量当量(βΔTとγΔPは主な計器アーチファクトを示す)
同じ時間Δtの間、サイド”B”では、その粒子除去器14Bがオンであり、MとMPvは除去され質量検出器16Bでは検出されない。また、
BeffαM +βΔT+γΔP (2)
したがって、
Aeff−M Beff
=M+MPv+αM+βΔt+γΔP−(αM+βΔT+γΔP)
=M+MPv (3)
次の測定期間または測定間隔中、粒子除去器14Aはオン、粒子除去器14Bはオフである。例えば気流中の気体または蒸気の吸着/脱着効果が同程度で、正確な引算が可能である様に、両方の検出器で同じ粒子状物質の履歴を保つため、これらの時間間隔は比較的短い。
【0043】
粒子の測定時間中に作動しない粒子除去器14に対応する質量検出器16は、その期間中に捕集された粒子状物質の質量を示す質量の測定値、すなわち獲得質量を提供する。その期間中の揮発による損失質量の測定値は、粒子を含まない(粒子除去器の作動による)気流が通流するもう一方の質量検出器により提供される。2つの質量測定値を差し引き、測定された獲得質量に損失質量を実質的に加算すると、補正された粒子状物質の質量の正確な測定値が得られる。
【0044】
実際には、測定は、適当な時間基準で切り換え時間を利用することで質量比に基づいて行うことができる。全質量測定とは異なり、質量比を差し引くことにより、測定システムの僅かなキャリブレーション誤差は、結果的に、同程度の最終誤差しか生じないであろう。質量を厳密に用いた場合、この誤差はモニタリング時間の継続に伴って許容し得ないレベルにまで蓄積し、両方の検出器での全質量が、相互に変動すると考えられる。
【0045】
図2は、本発明の装置の検出器16A、16Bで測定した、連続する4回の測定期間にわたって質量がどのように変化するかという例を示す。補正された質量濃度を以下の関係式にしたがって計算することができる。
(−1)n+1(Δm/Δt)+(−1)(Δm/Δt)
=(Δm/Δt) (4)
及び
(MC)=(Δm/Δt)(1/F)=Δm/ΔV (5)
ここで、Δtは測定期間中の時間間隔を表し、nは測定時間指数を表し、偶数のnに対して粒子を含む気流は第1(”A”)質量検出器に通流され、奇数のnに対して粒子を含む気流は第2(”B”)質量検出器に通流され、Δm/Δtは第1質量検出器で測定した質量比を表し、Δm/Δtは第2質量検出器で測定した質量比を表し、Δm/Δtは補正された質量比を表し、ΔVは測定期間nの間にサンプリングされた気体の容積を表し、Fは流量を表し、MCは補正された質量濃度を表す。上式(4)で、(−1)への指数付けすることは、測定値の引き算を実施するためである。
【0046】
図3は、本発明の粒子質量差測定装置の別な実施形態を示す。測定装置40において、粒子を含む気体42は、通常の構造の粒子径選択導入口44に引き込まれ、次いで3つの気流46A、46B、及び46Cに分岐される。粒子を含む気流46A及び46Bは、任意のドライヤーまたは除湿器47(例えばPerma Pure Inc、Toms River、New Jerseyより市販されるNafion製Perma Pure PDTMシリーズガスドライヤー)、次いで選択的に作動し得る粒子除去器(例えば電気集塵機)48A、48Bの各々を通って流れ、次いで質量検出器(例えばテーパー状素子振動マイクロ天秤)50A及び50Bの各々に通流する。ドライヤー47を用いて気流46A及び46B中の水蒸気を減少、制御、または除去することが有利である。気流46Cは、バイパス流であり、導入口44を通る流量を調節することができる。フローコントローラー52A、52B、及び52Cは、気流46A、46B、及び46Cの各々を所望の一定流量に保ち、各質量検出器50A、50Bにおける流量を均等にする役割を果たす。例えば、導入口44の流出流量が16.7リッター/分である場合、フローコントローラー52A及び52Bは、気流46A及び46B各々の流量を2.0リッター/分に保つことができ、フローコントローラー52Cは、気流46Cの流量を12.7リッター/分に保つことができる。フローコントローラーと連動して作動する共通の真空ポンプにより、所望の流量が得られる。粒子除去器スイッチ56が、コントローラー58の指令により粒子除去器48A、48Bの1つを連続する測定期間中に交互に作動させる。マイクロコンピューター、または他の公知のプロセッサーにより容易に制御されるコントローラー58が周波数カウンターデータアナライザー60も制御し、質量検出器50A、50Bから周波数測定値を受け取り、公知の方法でこの周波数測定値を質量測定値に変換する。これらの質量測定値から、粒子を含む気流42中の粒子状物質の質量及び濃度の少なくとも一方が前述の様に定量され、出力装置62に送られる。当業者が容易に理解し得る様に、コントローラー58、データアナライザー60、出力装置62、及び本装置のその他の構成部品は様々な異なる形態にすることができる。
【0047】
装置40の運転は、装置10に関して先に述べたものと同じである。装置40では、補正質量濃度データを得るために単一の導入口と制御システムを用いることができる点で構成を簡素化できる。
【0048】
図4は、本発明の粒子質量差モニターと、同じ期間の間に同じ場所で操作される単一のテーパー状素子振動マイクロ天秤による実際の試験結果を示す。プロット64は、質量差モニターで測定した環境温度における濃度を表し、プロット66は、50℃に保たれた単一のテーパー状素子振動マイクロ天秤から得られた濃度測定値を表す。予期される様に、内部で揮発損失を補正する本発明の質量差モニターがより高い濃度レベルを示す。
【0049】
好ましい2重検出器の実施形態が本明細書に記載され、説明されたが、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更、置換、追加等を行い得ることは当業者に自明のことである。例えば、所望の粒子を含まない気流を生成するために、2個の粒子除去器を用いる代わりに1個の粒子除去器を用いることができる。第1及び第2質量検出器において、粒子を含まない気流と粒子を含む気流とを切り替えることは、1個の粒子除去器を気体流路の間で機械的に切り替えるか、2個の質量検出器の間で1個の粒子除去器の出口を例えばバルブで機械的に切り替えるか、または2個の検出器の位置を機械的に切り替えることで行うことができる。電気集塵機に代えて、フィルター、例えば低圧力損失エレクトロレットフィルターまたは他の粒子除去器を用いることもできる。意図する用途及び操作条件によっては、気体成分を減少させるデヌーダー、温度と湿度の少なくとも一方の制御装置(PCT/US99/00687に教示されているように)、及びその他の気流と粒子状物質の少なくとも一方のコンディショニング装置も、粒子質量差モニターと一緒に使用することができる。2個の質量検出器で得られる測定値は、周波数、質量、質量比、質量濃度、及びその他のパラメーターを含む。
【0050】
本発明の単一検出器に関する実施形態では、粒子を含む気流と、それと実質的に同一であるが粒子を含まない気流とが、連続する測定期間中、質量検出器に交互に通流される。適当な短い測定時間で質量検出器で連続して得られる測定値間の差を取り、捕集された粒子状物質の測定された獲得質量に、測定期間中の揮発による損失質量を加算することで、気流中の全粒子質量の正確な測定値が得られる。
【0051】
本発明の粒子質量測定装置の単一検出器の一実施形態が図5に図示される。装置10’は、選択的に作動する粒子除去器14と質量検出器16とに空気が通流可能に連通している導入口12を含んでいる。粒子を含む気流18が導入口12に入り、選択的に作動する粒子除去器14を通過し、質量検出器16と継続的に交合する。
【0052】
導入口12は通常、所定のカットオフサイズより大きい粒子を粒子を含む気流から予備分離する分離器を含む。例えば、PM10及び/またはPM2.5分離器を有する導入口葉公知であり、市販されている。
【0053】
粒子を含む気流が流入する導入口12は次に選択的に作動し得る粒子除去器14に連結し、それを通り抜ける。作動した粒子除去器14は、気流の温度、圧力及び/または流量に殆ど影響せず気流から実質的に全ての粒子を除去する。この様な粒子除去は、市販の空気清浄装置で一般に用いられているものと同じタイプの電気集塵機を用いて行うことが有利である。オゾンの生成を減らすため、陽性コロナ及び極めて低い電流、例えば数十ナノアンペア程度で作動する電気集塵機が好ましい。電流は析出器に実質的に全ての粒子状物質を除去させるに十分でなければならない。
【0054】
粒子除去器14はその後の交互の測定期間中に選択的に作動し、その後の交互の測定期間中に気流18から粒子状物質を除去する。
【0055】
例えば、最初の測定期間中、粒子除去器をオンにし、次の測定期間中、粒子除去器14をオフにする。この交互の作動パターンが連続する測定期間中継続する。各測定期間は比較的短く、好ましくは15分間程度以下、より好ましくは5分間程度以下、最も好ましくは1分間程度以下であることが有利である。
【0056】
粒子除去器14から発生する気流18は、連続する測定期間中を通じて継続的に質量測定器16と交合する。
【0057】
水晶マイクロ天秤、β線吸収モニター、圧力損失モニター等の他の直接または間接質量検出器も用いられるが、好ましいと考えられる質量検出器16はテーパー状中空素子振動マイクロ天秤である。質量に対する感度が高く、リアルタイム測定が可能で、直接慣性に基づく質量測定であり、高い捕集効率を利用して濾過するため、後者の装置が好ましい。
【0058】
測定されるべき質量はマイクログラム及びサブマイクログラム程度であるので、高い質量感度が重要である。質量揮発が短い時間枠で生じるので、リアルタイム測定が重要である。測定された価の曖昧さを避け、同時に質量標準を追跡して補正するために直接質量測定が望ましい。濾過は高い捕集効率を保証する。適当なテーパー素子振動マイクロ天秤は特許権を共有する米国特許第4,391,338号に記載され、それ以上の情報は米国特許第3,926,271号で提供される。これら2つの特許の知見は本明細書に参考文献として含まれる。
【0059】
好ましいマイクロ天秤では、テーパー状中空素子がクランプフリーモードで振動する。素子の自由末端にフィルターが取り付けられ、粒子を含む気流から粒子状物質を捕集する役割をする。この気流がフィルター、次いで中空素子を通過した場合、中空素子の振動周波数はフィルターの質量負荷で変化し、質量測定値に容易に変換可能となる。本発明の目的では、各測定期間に関する振動素子の振動周波数の変化が質量比に変換され(即ち測定時間間隔に関する質量変化)、以下により詳細に記載される様に補正された質量濃度が得られる。
【0060】
テーパー状中空素子振動マイクロ天秤が好ましいが、他の形式または形状のもの、例えば非テーパー型、音叉型またはU−字型、またはクランプフリーモード等の他のモードで作動するもの、または一般的に捕集器の面に垂直に振動させる捕集器、または衝突プレートまたはその他の粒子捕集器も質量検出器として使用し得る。
【0061】
操作中、粒子除去器14をオフにして、質量検出器16は質量変化と計器の影響由来する周波数変化による有効質量MAeffを、Δt時間にわたり測定する
Aeff=M+M +αM+βΔt+γΔP (1)
ここで
=粒子質量の非揮発性成分
=粒子質量の揮発性成分
αM=フィルターの吸着/脱吸着及び析出物質の揮発による気体の獲得または損失質量
βΔt=時間Δt中の温度変化Δtによる周波数変化の有効質量当量
γΔP=時間ΔP中の圧力変化ΔPによる周波数変化の有効質量当量(βΔtとγΔPは主な装置人工産物を表す)
その後の時間Δt中、粒子除去器14がオンであり、MとM は除去され質量検出器16では検出されない。また
Beff=βΔt+γΔP (2)
したがって
Aeff−M Beff =M+M +αM+βΔt+γΔP−(αM+βΔt+γΔP)=M+M (3)
これらの測定期間Δtは粒子濃度の変化率、及び温度及び圧力等の質量測定に影響する因子と比較して相対的に短く保たれ、そのため、揮発の影響、気流中の気体または蒸気の吸着/脱吸着効果、及び圧力変化の影響はその後の2回の測定期間中は同程度のままとなり、正確な引算が可能になる。
【0062】
粒子除去器14が特定の測定期間中に作動しない場合の質量検出器16は、その期間中に捕集された粒子状物質の質量の代表値である質量の測定値、すなわち獲得質量を提供する。その同じ期間中の揮発による損失質量の有効な価は、その間に質量検出器16が粒子を含まない(粒子除去器が作動した)気流と交合する、連続する測定期間中に質量検出器によって提供される。2つの質量の測定値を差し引き、測定された獲得質量に損失質量を有効に加算し、粒子状物質の質量の補正された正確な値が得られる。
【0063】
実際には、切り替え時間を便利な時間の基準として用いて、測定を質量比に基づいて行うことができる。質量比を差し引くことにより、測定システムの僅かな補正誤差は結果に同程度の最終誤差を生じるのみとなる。質量を直接用いた場合は、モニタリング時間が続くにつれてこの誤差は許容できないレベルに蓄積し得る。
【0064】
図6は、図5の装置の検出器16で測定して、質量がその後の4回の測定期間中にどのように変化するかという例を示す。補正された質量濃度を以下の関係式にしたがって計算することができる。
【0065】
(−1)n+1(Δm/Δt)+(−1)(Δm/Δt)=(Δm/Δt) (4)
及び
(MC)=(Δm/Δt)(1/F)=Δm/ΔV (5)
ここで
Δtは測定期間中の時間間隔を表し、
nは測定時間指数を表し、
偶数のnに対し粒子を含む気流は第1(A)質量検出器と交合し、
奇数のnに対し粒子を含む気流は第2(B)質量検出器と交合し、
Δm/Δtは第1質量検出器で測定した質量比を表し、
Δm/Δtは第2質量検出器で測定した質量比を表し、
Δm/Δtは補正された質量比を表し、
ΔVは測定期間n中にサンプリングされた気体の容積を表し、
Fは流量を表し、
MCは補正された質量濃度を表す。
【0066】
上の式(4)で、(−1)に対する指数付けにより測定値の引算が行われる。
【0067】
図7は本発明の単一検出器粒子質量差測定装置の別な実施態様を示す。粒子を含む気流42が従来の構造の粒子サイズ選択導入口44を通って測定装置40’中に引き込まれ、次いで2つの気流46A及び46Cに分割される。粒子を含む気流46Aはオプションであるドライヤーまたは除湿器47(例えばPerma Pure Inc、Toms River、New Jerseyより市販されるNafion製Perma Pure PDTMシリーズガスドライヤー)、次いで選択的に作動し得る粒子除去器(例えば電気集塵機)48を通って流れ、次いで質量検出器(例えばテーパー素子振動マイクロ天秤)50と交合する。ドライヤー47を用いて気流46A中の水蒸気を減少、制御または除去することが有利である。気流46Cはバイパス流であり、導入口44を通る流量を調節することができる。フローコントローラー52A及び52Cは気流46A中と質量検出器50における所望の一定流量に保つ役割を果たす。例えば、導入口44の流出速度が16.7リッター/分である場合、フローコントローラー52Aは気流46Aの流量を2.0リッター/分に保つことができ、フローコントローラー52Cは気流46Cの流量を14.7リッター/分に保つことができる。フローコントローラーと関連して作動する共通の真空ポンプにより、所望の流量が得られる。粒子除去器スイッチ56により、コントローラー58の指令取りに連続する測定期間中に粒子除去器48が作動する。マイクロコンピューターまたは他の公知のプロセッサーにより容易に制御されるコントローラー58が周波数カウンターデータアナライザー60も制御し、質量検出器50から周波数測定値を受け取り、公知の方法でこの周波数測定値を質量測定値に変換する。これらの質量測定値から粒子を含む気流42中の粒子状物質の質量及び/または濃度が先に述べた様にアナライザー60により定量され、出力装置62に送られる。当業者が容易に理解し得る様に、スイッチ56、コントローラー58、データアナライザー60、出力装置62及び本装置のその他の構成部品は様々な異なった形式であることも可能である。
【0068】
装置40’の操作は装置10’について先に記載したものと同一である。
【0069】
本明細書では好ましい単一検出器の実施態様を記載し説明したが、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更、置換、追加等を行い得ることは当業者に自明のことと思われる。例えば、質量検出器に関する粒子を含まない気流と粒子を含む気流の切り替えは、粒子を含む気流と粒子を含まない気流間の機械的切り替え、例えばバルブ、または検出器の位置の機械的切り替え等、様々な別なアプローチでも行うことができる。電気集塵機よりはむしろ、フィルター、例えば低圧力損失エレクトロレットフィルターまたは他の粒子除去器を用いることも可能である。意図する用途及び操作条件によっては、気体成分を減少させるデヌーダー、温度及び/または湿度制御装置(特許権を共有するPCT/US99/00687に開示されるもの等)、及びその他の気流及び/または粒子状物質コンディショニング装置も、粒子質量差モニターと一緒に使用することができる。質量検出器が提供する測定値は、周波数、質量、質量比、質量濃度及びその他のパラメーターを含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の2重検出器粒子質量差測定装置の1実施態様の簡単な模式図を示す。
【図2】 図2は補正された質量濃度が、本発明の粒子質量差測定装置の2重検出器の質量比測定値からどのように導かれるかを理解する上で有用なグラフ表示である。
【図3】 図3は本発明の2重検出器装置の別な実施態様を示す。
【図4】 図4は本発明の粒子質量差測定装置で得られた実際の粒子状物質濃度測定と、単一テーパー素子振動マイクロ天秤で得られた測定のグラフ上での比較を表す。
【図5】 図5は本発明の単一検出器粒子質量差測定装置の1実施態様の簡単な模式図である。
【図6】 図6は補正された質量濃度が本発明の粒子質量差測定装置の単一検出器の質量比測定値からどのように導かれるかを理解する上で有用なグラフ表示である。
【図7】 図7は本発明の単一検出器装置の別な実施態様を示す。
【符号の説明】
12 断熱ブロック
15 可撓性を有する断熱発泡材からなる複数の層
26 圧力覆い

Claims (25)

  1. 粒子を含む気流(46A)中の粒子状物質を測定する装置(40’)であって、
    質量検出器(50)、及び
    粒子を含まない以外は粒子を含む上記気流と実質的に同一である粒子を含まない気流を提供するための第1手段(48)を有し、
    連続する複数の測定期間のそれぞれの測定期間に、粒子を含む上記気流と粒子を含まない上記気流を交互に上記質量検出器(50)と交合させる切り替え手段(56)を有し、さらに、
    上記質量検出器(50)が提供する粒子を含む上記気流が交合された第1の測定期間にける第1測定値と、上記質量検出器(50)が提供する粒子を含まない上記気流が交合された第2の測定期間における第2測定値との差を求め、該差は第1測定値に含まれる揮発損失が補正された第1測定値に相当するものであり、該補正された第1測定値に基づいて粒子を含む気流中の粒子状物質の質量又は濃度を定量する第2手段(60)を有する装置(40’)。
  2. 上記質量検出器は第1質量検出器(50A)と第2質量検出器(50B)を有し、
    上記切り替え手段(56)により、粒子を含む上記気流と粒子を含まない上記気流を上記第1質量検出器(50A)と上記第2質量検出器(50B)に、上記複数の測定期間の測定期間ごとに互い違いに交合させ、
    上記第2手段(60)は、各測定期間において第1質量検出器(50A)が提供する第1測定値と、第質量検出器(50B)が提供する第2測定値との差を求め、該差は粒子を含む上記気流が交合された前記測定期間における上記第1測定値又は上記第2測定値の獲得質量に含まれる揮発損失が補正された獲得質量に相当するものであり、該補正された獲得質量に基づいて粒子を含む気流中の粒子状物質の質量又は濃度を定量することを特徴とする請求項1に記載の装置(40)。
  3. 上記第1手段(48)は実質的に全ての粒子状物質を粒子を含む上記気流から除去し、粒子を含まない上記気流を提供するための粒子除去手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(40、40’)。
  4. 気流の温度、圧力及び流量を実質的に同一に保ちながら、上記粒子除去手段は粒子を含む上記気流から上記粒子状物質を除去することを特徴とする請求項3に記載の装置(40、40’)。
  5. 上記粒子除去手段は電気集塵機であることを特徴とする請求項4に記載の装置(40、40’)。
  6. 上記粒子除去手段は低電流、陽性コロナモードで作動することを特徴とする請求項5に記載の装置(40、40’)。
  7. 上記第1手段(48)は1対の電気集塵機(48A、48B)を有し、上記切り替え手段(56)はその後の上記測定時間中、上記1対の電気集塵機の一方のみを交互に制御して作動させる手段を有することを特徴とする請求項2に記載の装置(40)。
  8. 各質量検出器(50)は振動素子マイクロ天秤を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置(40、40’)。
  9. 粒子を含む気流及び粒子を含まない気流中の水蒸気を減少させるためのドライヤー(47)を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置(40、40’)。
  10. 各質量検出器(50)が提供する測定値は質量比測定値であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置(40、40’)。
  11. 測定期間中、各検出器(50A、50B)において実質的に同一の気流を維持するための流量制御手段(52A、52B)をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の装置(40)。
  12. 上記切り替え手段(56)は
    (a)上記複数の測定期間の偶数番目の測定期間中、粒子を含む上記気流を上記第1質量検出器(50A)と交合させ、粒子を含まない上記気流を同時に上記第2質量検出器(50B)と交合させ、
    (b)上記複数の測定期間の奇数番目の測定期間中、粒子を含む上記気流を上記第質量検出器(50B)と交合させ、粒子を含まない上記気流を同時に上記第質量検出器(50A)と交合させる装置(40)であって、
    上記第1測定値及び上記第2測定値は、測定期間の偶数番目の測定期間中の獲得質量と損失質量をそれぞれ表し、
    上記第1測定値及び上記第2測定値は、測定期間の奇数番目の測定期間中の損失質量と獲得質量をそれぞれ表し、
    上記第2手段(60)は、各測定期間中損失質量を獲得質量に加算して、粒子を含む気流中の粒子物質の質量又は濃度を定量することを特徴とする請求項2に記載の装置(40)。
  13. 上記切り替え手段(56)は、
    (a)上記複数の測定期間の偶数番目の測定期間中に粒子を含む気流を質量検出器(50)と交合させ、
    (b)上記複数の測定期間の奇数番目の測定期間中に粒子を含まない気流を質量検出器(50)と交合させる装置(40’)であって、
    検出器(50)に粒子を含む気流を交合させる場合、検出器は獲得質量を測定し、検出器(50)に粒子を含まない気流を交合させる場合、検出器は損失質量を測定し、
    第2手段(60)は、測定した獲得質量を測定した損失質量に加算して、粒子を含む気流中の粒子状物質の質量又は濃度を定量することを特徴とする請求項に記載の装置(40)。
  14. 損失質量は上記粒子状物質の揮発性成分に相当することを特徴とする請求項12又は13に記載の装置(40、40’)。
  15. 上記各測定期間は約15分間以内、継続することを特徴とする請求項14に記載の装置(40、40’)。
  16. 上記各測定期間は約1分間以内、継続することを特徴とする請求項14に記載の装置(40、40’)。
  17. 粒子を含む気流中の粒子状物質の定量値は、以下の関係式により計算された補正質量濃度を有することを特徴とする請求項に記載の装置(40):
    (−1)n+1(Δm/Δt)+(−1)n(Δm/Δt)=(Δm/Δt)
    及び (MC)n=(Δm/Δt)(1/F)=Δm/ΔV
    ただし、Δtは測定期間の時間間隔を表し、
    nは測定期間指数を表し、
    奇数のnに対しては粒子を含む気流を第1質量検出器(50A)と交合させ、
    偶数のnに対しては粒子を含む気流を第質量検出器(50B)と交合させ、
    Δm/Δtは第1質量検出器(50A)で測定された質量比を表し、Δm/Δtは第2質量検出器(50B)で測定された質量比を表し、 Δm/Δtは補正質量比を表し、
    ΔVは測定期間n中の気体試料の容積を表し、
    Fは流量を表し、
    MCは補正質量濃度を表す。
  18. 粒子を含む気流中の粒子状物質の定量値は、以下の関係式により計算された補正質量濃度を有することを特徴とする請求項に記載の装置(40’):
    (−1)n+1(Δm/Δt)+(−1)n(Δm/Δt)=(Δm/Δt)
    及び (MC)n=(Δm/Δt)(1/F)=Δm/ΔV
    ただし、Δtは測定期間の時間間隔を表し、
    nは測定期間指数を表し、
    奇数のnに対しては粒子を含む気流を質量検出器(50)と交合させ、
    偶数のnに対しては粒子を含む気流を質量検出器(50)と交合させ、
    Δm/Δtは質量検出器(50)で測定された質量比を表し、Δm/Δtは質量検出器(50)で測定された質量比を表し、
    Δm/Δtは補正質量比を表し、
    ΔVは測定期間n中の気体試料の容積を表し、
    Fは流量を表し、
    MCは補正質量濃度を表す。
  19. 粒子を含む気流を第1質量検出器(50A)と交合させ、粒子を含まない気流を第2質量検出器(50B)と交合させ、上記第2質量検出器の第2測定値は、上記第1質量検出器が提供する第1測定値から質量検出器の計器の影響を相殺するための標準として使用される粒子質量差測定システム(40)において、
    粒子を含む上記気流と粒子を含まない上記気流を、連続する複数の測定期間中の測定期間ごとに上記第1質量検出器(50A)と第2質量検出器(50B)に互い違いに交合させる切り替え手段(56)を有し、
    各測定期間において第1質量検出器(50A)が提供する第1測定値と、第2質量検出器(50B)が提供する第2測定値との差を求めて、粒子を含む上記気流が交合された測定期間における上記第1測定値又は上記第2測定値の獲得質量の揮発損失を補正した獲得質量を求める手段を有することを特徴とするシステム。
  20. 粒子を含む気流中の揮発性成分を含む粒子状物質の測定装置(40’)であって、
    質量検出器(50)、及び
    上記質量検出器(50)と絶え間なく交合するために上記気流を導く手段を有し、
    上記質量検出器の上流に置かれ粒子を含まない気流を生成する粒子除去手段(48)であって、粒子除去手段を作動させたときに粒子状物質が上記気流から除去され、
    連続する複数の測定期間のそれぞれの測定期間に交互に上記粒子除去手段(48)を作動させる制御手段(58)を有し、
    上記質量検出器(50)が提供する粒子を含む上記気流が交合された第1の測定期間における第1測定値と、上記質量検出器(50)が提供する粒子を含まない上記気流が交合された第2の測定期間における第2測定値との差を求め、該差は上記第1測定値の獲得質量に含まれる揮発損失を補正するものである測定装置(40’)。
  21. 粒子を含む気流中の揮発性成分を含む粒子状物質の測定装置(40)であって、
    粒子を含む上記気流を第1気流(46A)及び第2気流(46B)に分ける手段、
    第1質量検出器(50A)及び第1質量検出器(50B)
    第1気流(46A)を絶え間なく上記第1質量検出器(50A)と交合させるために気流を導く手段と、第2気流(46B)を絶え間なく上記第2質量検出器(50B)と交合させるために気流を導く手段、
    上記第1質量検出器(50A)の上流に置かれた第1気流粒子除去手段(48A)であって、この第1粒子除去手段を作動させたとき、粒子状物質を上記第1気流(46A)から除去する第1気流粒子除去手段(48A)、
    上記第2質量検出器(50B)の上流に置かれた第2気流粒子除去手段(48B)であって、この第2粒子除去手段を作動させたとき、粒子状物質を上記第2気流(46B)から除去する第2気流粒子除去手段(48B)、
    上記第1気流粒子除去手段(48A)及び上記第2気流粒子除去手段(48B)の一方のみを連続する複数の測定期間の測定期間ごとに交互に作動させるための制御手段(58)、
    上記第1質量検出器(58A)が提供する第1測定値と、上記第2質量検出器(58B)が提供する第2測定値の差を求めて、粒子を含む上記気流が交合された測定期間における上記第1測定値又は上記第2測定値の獲得質量の揮発損失を補し、該補正された獲得質量に基づいて粒子を含む気流中の粒子状物質の質量又は濃度を定量する手段(60)を有する装置(40)。
  22. 上記粒子除去手段(48)は電気集塵機であることを特徴とする請求項20又は21に記載の装置(40、40’)。
  23. 粒子を含む気流中の粒子状物質の質量を測定する装置(40)であって、
    第1質量検出器(50A)及び第2質量検出器(50B)
    粒子を含まない以外は上記粒子を含む気流と実質的に同一である粒子を含まない気流源を有し、
    連続する測定期間中に上記粒子を含む気流と上記粒子を含まない気流を上記第1検出器(50A)と上記第2検出器(50B)それぞれと交互に交合させる切り替え手段(56)と、
    上記測定期間のそれぞれにおいて、上記第1質量検出器(50A)と上記第2質量検出器(50B)の一方によって上記粒子を含む気流が交合されたときに提供される第1測定値と、上記第1質量検出器(50A)と上記第2質量検出器(50B)の他方によって上記粒子を含まない気流が交合されたときに提供される第2測定値との差を求め、該差は粒子を含む上記気流が交合された前記測定期間における上記第1測定値の獲得質量に含まれる揮発損失を補正するものであり、その差から上記粒子を含む気流中の粒子状物質の質量又は濃度を定量するデータ解析装置(60)を有する装置(40)。
  24. 粒子を含む気流を質量検出器(50)と交合させ、現在の測定期間中に上記質量検出器が現在の粒子試料を上記気流から捕集し、それによる獲得質量を測定する粒子質量測定方法であって
    上記現在の測定期間中における捕集した揮発性粒子の揮発による損失質量を、粒子を含まない以外は上記粒子を含む気流と実質的に同一である粒子を含まない気流を質量検出器に交合させることによって測定し、
    上記損失質量を上記獲得質量に加算して上記現在の測定期間中における補正された粒子質量を測定する改良された粒子質量測定方法。
  25. 上記損失質量が上記現在の測定器間の後の測定期間中に同じ質量検出器(50)で測定されるか、又は現在の測定期間中に第2質量検出器(50B)で測定されることを特徴とする請求項24に記載の改良された粒子質量測定方法。
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