JP3961441B2 - Soil treatment method and apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚染土壌を加熱して汚染物質を除去・分解する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機系有害物質による土壌汚染が社会的に注目されるようになってきており、その除去・無害化が求められている。汚染物質の例としては、トリクロロエチレン、ベンゼン、PCB、ダイオキシン類、油などがある。
【0003】
これらの有機汚染物質を土壌から除去するための従来からの方法として、汚染土壌を炉に投入して加熱することで、汚染物質を揮発させてガス化し除去する方法がよく知られている。
【0004】
ガス化し土壌から除去された有機汚染物質は、通常、さらに分解して無害化する必要がある。この分解・無害化の方法としてさらに種々の方法が知られている。例えば、特開平07−328595号公報には、ガス状の汚染物質を触媒で分解する方法が開示されている。特開平11−148631号公報には、ガス状の汚染物質を1000℃前後のアフターバーナーでニ次燃焼する分解方法が開示されている。さらに、特開2001−9409号公報には、ガス状の汚染物質を凝縮回収し、化学的分解法で分解する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平07−328595号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−148631号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2001−9409号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、土壌には上記汚染物質以外にも他の有機化合物が数重量%程度含まれる。このため、土壌を加熱して汚染物質を揮発させ、ガス化、除去する工程で、土壌中に含まれている有機化合物が揮発もしくは熱分解し、炭化水素ガスが生成する。
【0009】
従来の触媒による分解方法においては、このようにして発生した炭化水素ガスが触媒を劣化させる問題があった。また、土壌を加熱する際に発生した粉塵、ダスト類が触媒活性面を被覆し、触媒の活性を損なうという問題もあった。さらに、トリクロロエチレン、PCB、ダイオキシン類などのハロゲンを含む有機物質の分解で生成するハロゲン化水素により触媒が被毒し、同様に触媒の活性を損なう問題もあった。
【0010】
ニ次燃焼による分解方法においては、燃焼によって新たにダイオキシン類を生成してしまう問題があった。また、二次燃焼においては、汚染土壌処理施設から燃焼による多量の排ガスが放出され、その処理に多大な処理施設を必要とする。
【0011】
さらに、化学的分解法で分解する方法においては、ガス化し土壌から除去された汚染物質の凝集回収物中に多量に含まれる有機化合物の熱分解生成物が化学反応を阻害してしまう問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の土壌処理方法が抱えるこれら種々問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明は、有機汚染物質を含有する土壌を加熱することによって土壌から有機汚染物質を揮発させて分離する揮発分離工程と、分離された有機汚染物質を高温水蒸気により分解して第一生成物を得る水蒸気分解工程と、第一生成物に残留する可燃性ガスを酸化剤によって分解して第二生成物を得る酸化分解工程とを有する、有機汚染物質を含有する土壌の処理方法である。
【0014】
本発明はまた、土壌を加熱して有機物質を揮発させて分離する加熱分離装置と、分離された有機物質を高温水蒸気によって分解して第一生成物を得る水蒸気分解装置と、第一生成物に含まれる可燃性ガスを酸化剤を用いて分解して第二生成物を得る酸化処理装置とを有する、有機汚染物質を含有する土壌の処理装置である。
【0015】
本発明の方法及び装置によれば、水蒸気分解反応によって、有機物分解反応を緩慢に進行させることができる。このため、従来急激な分解反応で招いていたダイオキシンなどの有害物質の発生、一部のガス成分のみ余分に加熱されることによる温度むらなどが回避され、効率的かつ有効に土壌処理を進めることができる。
【0016】
一旦水蒸気分解工程を経ると、汚染物質は実質的に分解され、一酸化炭素、水素に代表される可燃性ガスなど、除去すべき有機物質以外のガス成分が残存するのみであり、酸素と反応させて酸化分解反応に付しても問題は生じない。
【0017】
また、特に酸化処理装置においては、直接酸化処理反応炉に燃焼ガスを吹き込んで酸化反応を進めるのでなく、酸素など酸化剤となるガスを炉内に注入するが他に燃焼性のガスは追加、添加せず、注入した酸素と水蒸気分解工程からの可燃性ガスとの混合ガスに対して加熱媒体を接触させることによって混合ガスを加熱し酸化分解反応を進行させるいわゆる“間接加熱”の方法を採用することが望ましい。
【0018】
このような方法によって、反応ガス全体の温度の均一性が確保しやすく均一な分解反応の進行が期待できる。また、酸化処理に関わるガス容量が極端に低減され、排ガス量の低減、及び装置のコンパクト化に寄与する。
【0019】
本発明にかかる処理方法、装置によれば、被処理土壌に含まれる有機化合物・ハロゲンによる悪影響を受けることなく、コンパクトな装置で有機汚染物質を含有する土壌の無害化処理を実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る装置の構成を示した概略図である。
【0022】
図示した土壌加熱処理装置は、加熱分離装置1と、水蒸気分解装置2と、酸化処理装置3と、土壌冷却装置4と、排ガス処理装置5と、ブロア6とを有し、この順に、本発明の実施の形態にかかる方法を構成する加熱分離工程、第二の工程である水蒸気分解工程、第三の工程である酸化処理工程、土壌冷却工程、排ガス処理工程に対応する。各々の装置構成要素が対応する各々の工程を実行する。
【0023】
第一の工程である加熱分離工程を実行する加熱分離装置1は、土壌投入装置101、汚染土壌を攪拌・連続加熱処理する炉として回転式スクリューフィーダもしくは回転式キルン102、炉内を外部から間接的に加熱することのできる熱源103、加熱処理後の土壌を土壌冷却工程に送るための装置104、汚染物質を含む揮発ガスを第二の工程に送るための配管105、及び温度制御装置(図示せず)を具備する。
【0024】
第二の工程である水蒸気分解工程を実行する水蒸気分解装置2は、反応炉201、炉内を外部から間接的に加熱することのできる熱源202、反応媒体である水蒸気を添加するための水蒸気発生器203、 第二の工程の出口ガス組成を分析するためのガス組成分析装置204、ガス組成により水蒸気添加量を制御するための水蒸気量制御装置205、水蒸気を炉内に送り込むための配管206、第二の工程の出口ガスを第三の工程に送るための配管207、温度制御装置(図示せず)を具備する。
【0025】
第三の工程である酸化処理工程を実行する酸化処理装置3は、反応炉301、炉内を外部から間接的に加熱することのできる熱源302、酸化剤となるガスを添加するための酸化剤添加装置303、酸化剤となるガスを予熱するための酸化剤予熱装置304、第三の工程の出口ガス組成を検出するためのガス組成分析装置305、ガス組成により酸化剤となるガスの添加量を制御するための酸化剤量制御装置306、酸化剤となるガスを炉内に送り込むための配管307、温度制御装置(図示せず)を具備する。
【0026】
土壌冷却工程を実行する土壌冷却装置4は、処理後の土壌を連続搬送するための回転式スクリューフィーダ401、土壌を冷却するための装置402、冷却後の土壌を系外に排出するための装置403を具備する。
【0027】
排ガス処理工程を実行する排ガス処理装置5は、残存する水蒸気を凝縮除去するための装置を具備する。またブロア6は、各工程のガスを次工程に搬送するための吸引装置である。
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る土壌加熱処理装置が如何に機能、作用し、本発明の実施の形態に係る土壌加熱処理方法を実施するか、順を追って詳細に説明する。
【0029】
汚染土壌は、加熱分離装置1が具備する土壌投入装置101より投入される。汚染物質としては、各種油類や、現在規制の対象となっているトリクロロエチレン・ベンゼン・PCB・ダイオキシン類など、特にハロゲンを含む有機物質が、本実施の形態に係る装置によって除去されるべき汚染物質である。なお、土壌投入装置101による投入前に破砕・選別などの前処理を適宜おこなってもよい。
【0030】
投入された土壌は、回転式スクリューフィーダもしくは回転式キルンからなる加熱処理炉102に送られる。加熱処理炉102において汚染土壌は撹拌を伴いながら熱源103によって間接的に加熱される。加熱作用によって汚染土壌に含まれる有機汚染物質を含む有機物が揮発・除去される。
【0031】
この際、汚染物質を高効率で除去するため、土壌温度として200〜700℃、温度保持時間10分以上に制御することが望まれる。200℃以下で汚染土壌の処理を行うと、汚染土壌に含まれている有機汚染物質が完全に揮発せずに土壌中に残留してしまう恐れがある。また700℃以上に加熱すると、土壌の質が変化してしまうためこの土壌を再生することが困難になる場合がある。また、温度保持時間が10分未満の処理を行うと、有機汚染物質が完全に揮発せずに土壌中に残留してしまう恐れがある。
【0032】
本発明の実施の形態に係る土壌処理方法及び装置では、200〜700℃で揮発することができる有機汚染物質を処理対象として想定しているし、実際、現在汚染物質として規制の対象となっており土壌から取り除くことが望まれる有機系有害物質は、このような温度で揮発するものがほとんどである。
【0033】
加熱分離工程における加熱手法としては、燃焼ガスを直接吹き込む方法などの直接加熱方式をとらず間接加熱方式をとるのが望ましい。その理由は、直接加熱方式の場合、燃焼ガスの混入による排ガスの増加に起因する装置負荷の増大や排ガス処理工程の大型化、残存酸素の作用によるダイオキシン等の意図せぬ物質の生成や炉内温度の不安定化などの問題が生じるからである。
【0034】
熱源103としては、電気抵抗加熱装置、燃焼加熱装置など、周知の加熱装置を適宜用いることができる。
【0035】
加熱分離装置1において土壌から揮発した汚染物質、有機物、水蒸気等のガス状物質は、ガス配管105を通して水蒸気分解装置2に送られる。
【0036】
水蒸気分解装置2で行われる水蒸気分解工程は、有機汚染物質を含む有機物と水蒸気とが高温下で反応することで当該有機物を分解する工程であり、従来の燃焼処理に代わるものである。分解反応は水蒸気分解反応炉201内で実行される。反応炉201は、耐熱金属、石英ガラス管、或いはセラミック製の炉が、好適に用いられる。
【0037】
従来の燃焼処理においては、有機物の燃焼反応が激しい発熱を伴うため、炉内に高温部・低温部が生じてしまういわゆる温度むらが発生する。このため、分解効率の低下やダイオキシン等の意図せぬ物質の生成などの問題があった。本発明の実施の形態が採用する水蒸気分解反応は、従来の燃焼反応に比べて発熱・吸熱が穏やかであり、そのために温度むらが生じにくく、上記のような問題が発生しない。
【0038】
有機物を高効率で分解するために、熱源202を稼動させ、ガス温度として600〜1300℃、ガス滞留時間2秒以上を実現することが望ましい。
【0039】
600℃以下であると、トリクロロエチレン、ベンゼン、PCB、ダイオキシン類、油類など汚染物質として想定している有機系物質の分解反応が十分進行しない。また1300℃以上であると、水蒸気分解反応炉201が相応の高温に耐えられるものでなければならず構成材料の選定の点で難があるし、熱効率も低下する。また、意図する汚染物の水蒸気分解反応を進行させる目的のために1300℃以上の高温は特に必要とされない。
【0040】
ガス滞留時間が2秒以下であると分解反応は十分進行しない。反対に、滞留時間を更に長くしようとすればそれだけ反応炉201は容積の大きなものが必要である。しかし、分解反応進行の観点からは、滞留時間をより長くとることよる不利益は特に存在しない。典型的には、滞留時間はおよそ5秒程度であり、2秒から10秒程度、或いはさらに5秒から10秒程度が、好適に設定することができる滞留時間の範囲である。
【0041】
水蒸気分解工程において反応媒体となる水蒸気は、土壌中に含まれていた水分が加熱処理工程にて揮発して水蒸気となったものを用いることができる。しかし、不足する場合には、水蒸気発生器203によって新たに水蒸気を発生させ、水蒸気配管206を通して水蒸気分解反応炉201に添加する必要がある。
【0042】
この目的のため、ガス組成分析装置204によって水蒸気分解工程の出口ガス組成を測定し、それにより水蒸気添加量を制御することが有効である。この制御を行うのが、水蒸気発生器203に付随して設けられた水蒸気量制御装置205である。
【0043】
水蒸気量制御装置205が実行する制御法の一つとして、炭化水素濃度を用いた制御法がある。この制御方法は、水蒸気が不足している場合は有機物の水蒸気分解が十分に進まずに炭化水素が残存してしまう現象を利用する。ガス組成分析装置204によって測定された出口ガスの炭化水素濃度がある一定値以下になるように、水蒸気添加量を制御する手法である。
【0044】
例えば、出口ガス中の炭化水素濃度が50ppm以上である場合には水蒸気添加量を増加させて水蒸気分解を促進し、炭化水素濃度が50ppm以下に低下させる。このような制御は、出口炭化水素濃度を基準として水蒸気分解の能力を一定水準以上に保つことのできる有効な手段である。
【0045】
その他の水蒸気添加量の制御法として、水素・一酸化炭素・二酸化炭素など水蒸気分解の結果生成する成分がある一定以上の濃度になるように水蒸気添加量を制御する方法が挙げられる。この場合にも、ガス組成分析装置204によって出口ガスに含まれる水素、一酸化炭素、又は二酸化炭素の濃度を測定し、その測定結果によって水蒸気量制御装置205に水蒸気添加量を制御させればよい。
【0046】
また、処理対象物である汚染土壌の汚染状態がほぼ均一であり、その対象物の処理の経験がある場合には、過去のデータを用いることもできる。過去のデータより単一の成分の正常範囲を予め規定しておく。他方で、その単一成分の出口ガス中の濃度をガス組成分析装置204に分析させる。出口ガス中の単一成分の濃度が正常範囲内になるように、水蒸気量制御装置205を用いて水蒸気添加量を制御する方法である。これらの制御方法、手段を適宜活用できる。
【0047】
なお、水蒸気を外部から添加する場合には、水蒸気量を増加させすぎることにより、炉内での滞留時間が小さくなり、かえって有機物の分解率が低下してしまう可能性もあることを考慮して、添加量を制御することが望ましい。
【0048】
水蒸気分解工程においては、分解反応中、酸素の存在を極力排除できることが望ましい。炉内酸素濃度が大きくなる主要因は、最初に実行する加熱分離工程や、土壌冷却工程等における外気のリークインである。このため、本発明の実施の形態に係る土壌処理装置全体を、綿密に工夫して設計することが有効である。外気のリークインを抑えるということにより、ガス量の増加による装置の巨大化、意図せぬ酸素の存在による炉内温度の不安定化・分解反応の不安定化など、多くの問題を回避することができる。
【0049】
ここで酸素濃度としては、空気比として0.2以下に抑えることが望ましい。ここで空気比とは、下の式で表わされる値である。
【0050】
空気比=A/B
A:炉入口ガス中の酸素分子量
B:炉入口ガス中の可燃性ガス成分が完全燃焼するのに必要な酸素分子量
空気比が0.2以下の場合には、酸素分子による有機物の酸化反応に比較して水蒸気による有機物の水蒸気分解反応が支配的であり、意図せぬ酸素の存在による炉内温度の不安定化・分解反応の不安定化を回避することができる。
【0051】
なお、炉の熱源202としては、燃焼ガスを直接吹き込む方法などの直接加熱方式をとらず間接加熱方式をとるのが望ましい。その理由は、直接加熱方式ではガス量が増加してしまい、一定の滞留時間を得るための装置サイズの巨大化、排ガス処理装置の巨大化、排ガス処理工程への負荷の増大などの問題があるからである。熱源202としては、電気抵抗加熱装置、燃焼加熱装置など、周知の加熱装置を適宜用いることができる。
【0052】
水蒸気分解装置2が有する水蒸気分解反応炉201で発生したガスは、ガス配管207を通して、第三の工程を実行する酸化処理装置3に導かれる。
【0053】
酸化処理装置3で実行される酸化処理工程は、水蒸気分解工程から出た出口ガスに残存している水素、一酸化炭素を主とする可燃性ガスを酸化処理する工程である。酸化処理は酸化処理反応炉301内で酸化剤を用いて行われる。
【0054】
酸化処理に必要な酸化剤として、空気・純酸素などの酸化性ガスを酸化処理反応炉301内に導入する。その際、水素・一酸化炭素を確実に処理するため、ガス温度600〜1300℃、ガス滞留時間2秒以上を実現することが望まれる。
【0055】
600℃以下であると、水素や一酸化炭素の酸化処理が適切に進行できない。1300℃以上の処理温度を確保するとなると、先の水蒸気分解反応炉201の場合と同様の装置構成上の問題が生じるし、当該酸化分解反応のためには特に必要とされない高温である。
【0056】
酸化剤としては典型的には酸素、特に酸素としては酸素分子のみを含むガス状物質を使用する。酸素濃度は、酸化処理が効率よく進行するよう適切に設定されていることが望ましい。酸素以外の含有成分は、典型的には、燃焼反応に直接寄与しないガス状物質である。水分を多量に含むことは好ましくない。一般の大気、空気は通常このような条件に適合するので、含まれる酸素や水蒸気濃度を考慮した上で、用いることが可能である。
【0057】
酸化処理反応炉301内では、空気比が1.0〜2.0、望ましくは1.2〜1.8になるように酸化剤を添加することが望まれる。ここで空気比とは、下の式で表わされる値である。
【0058】
空気比=X/Y
X:酸化処理反応炉に添加する酸化剤中の酸素分子量
Y:酸化処理反応炉内ガスが完全燃焼するのに必要な酸素分子量
空気比が小さ過ぎると水素、一酸化炭素を完全に処理することが出できない。
空気比が大き過ぎると、ガスを所定の温度に上昇させるための熱効率が低下する。
【0059】
適当な空気比にするための酸化剤添加量は、出口ガス組成を基にした制御が可能である。その制御法の一つとして、一酸化炭素濃度を用いた制御法がある。すなわち、酸化剤が不足している場合は一酸化炭素が十分に処理できずに残存してしまう現象を利用し、一酸化炭素がある一定値以下になるように酸化剤添加量を制御するという手法である。
【0060】
例えば、一酸化炭素濃度が50ppm以下になるように酸化剤添加量を制御することが有効である。その他の制御法としては、水素濃度を一定値以下に保つように制御する方法、ガス全体の発熱量を一定値以下に保つように制御する方法などを適宜活用できる。
【0061】
このような酸化剤の添加制御は、ガス組成分析装置305、分析結果に応じてさらに添加すべき酸化剤の量を決定する酸化剤量制御装置306、実際の添加作業を行う酸化剤添加装置303、予熱装置304並びに酸化剤配管307のフィードバックループによって容易に実現することが可能である。
【0062】
予熱装置304は、熱源302がいわゆる間接加熱方式のものである場合には特に、反応炉301内におけるガス温度を速やかに設定温度にし、均一、迅速な酸化反応処理が実現できるよう、設置することが望ましい。
【0063】
また、反応炉内を間接加熱することが可能な熱源302を持たせることが有効である。一般的に可燃性ガスを酸化処理する場合には、バーナなどの燃焼装置を用意し、被処理ガス自身と酸素の反応による発熱を利用してガス温度を上昇させることが一般的であり、被処理ガスの発熱量が不足している場合には助燃ガスとして燃料ガスを導入する。
【0064】
しかし、このような場合には、温度むらによる効率の低下やダイオキシン等の意図せぬ物質の生成、燃料ガスによるガス量の増加に起因する炉サイズの巨大化などの問題がある。
【0065】
間接加熱が可能な熱源302を持たせることにより、バーナなどの燃焼装置による加熱と比較して温度を均一に保つことが可能であり、また、発熱量が不足している場合にも助燃ガスを用いずに温度を上昇させることが出来る。よって、処理の高効率化、装置のコンパクト化に有効である。
【0066】
酸化処理工程としては、酸化処理反応炉301を用いる装置以外にも、触媒を用いてより低温領域で酸化をおこなう装置などを適宜用いることが可能である。
【0067】
酸化処理装置3において発生した排ガスは、排ガス処理装置5に送られる。排ガス処理装置5では、排ガスを冷却することにより、水蒸気分解工程にて残存した水蒸気および酸化処理工程において生成した水蒸気を凝縮させ、除去する。
【0068】
ガスを冷却する機構としては、熱交換器などを設けて間接的にガスを冷却する方法、水を噴霧しその顕熱・潜熱によりガスを冷却する方法などを適宜組み合わせて用いる。特に熱交換器を用いて排ガスのエネルギーを回収・再利用する方法は省エネルギー対策として有効である。
【0069】
また、処理対象物によっては、汚染物等に含まれているハロゲンに由来するハロゲン化水素を除去することも必要である。さらに、活性炭・スクラバ・アフターバーナ・バグフィルタ・サイクロンなどの排ガス処理機構を適宜選択し組み合わせて用いる。
【0070】
本発明の実施の形態に係る土壌加熱処理装置の出口には、装置内で発生するガスを吸引・搬送するためのブロア6を設ける。
【0071】
ブロア6は、装置内の圧力を一定に保つように動力を制御する方法、常に一定の動力で運転する方法など、適当な方法を用いて制御する。装置内の圧力を一定に保つように動力を制御する場合、一般的には加熱処理装置1の加熱処理炉102内を一定の負圧に保つように制御することが望ましい。また、ブロア6の設置位置は、場合によって排ガス処理装置5と前後してもよい。
【0072】
他方、加熱処理炉102から排出される処理後土壌は、土壌冷却装置402に送られる。土壌冷却装置402における連続搬送機構としては、スクリューフィーダ、ベルトコンベア、キルンなどの連続搬送可能な装置401を適宜用いてよい。
【0073】
土壌の冷却機構としては、冷却装置外部を水冷ジャケットで覆う方法、冷却装置外部を風冷する方法、土壌に直接水を噴霧してその顕熱・潜熱により熱を奪う方法などを適宜用いることが可能である。また、強制冷却する必要がない場合には、特に冷却機構を設けずに処理後土壌を収納する容器のみを設けることも可能である。
【0074】
【実施例】
〔実施例1〕
有機物濃度が5重量%、そのうち汚染物としてPCBを4000mg/kgの濃度で含む土壌を処理対象とし、加熱処理炉として処理容量が400kg/hrである回転式キルンを採用した処理装置を用いて処理を行った。加熱処理炉において土壌温度を500℃、滞留時間1時間となるように制御したところ、第一の工程から発生するガス量は約50Nm3/hr程度で、水蒸気が主な組成であった。
【0075】
処理後の土壌のPCB濃度を測定した結果は0.05mg/kgとなり、99.99%以上のPCBを土壌から抽出することができた。
【0076】
また、水蒸気分解工程における反応炉温度を1100℃に制御し、水蒸気を20kg/hrで添加した。その際、水蒸気分解反応炉における滞留時間は5秒であった。また、水蒸気分解反応炉内の酸素濃度は0.5体積%であった。処理の結果、出口における有機物濃度は30ppmとなった。また、水蒸気分解工程の入口、出口におけるPCB濃度はそれぞれ10000mg/Nm3、0.10mg/Nm3であり、99.99%以上のPCBを分解することができた。
【0077】
酸化処理工程においては、反応炉温度を1100℃に制御し、空気を30Nm3/hrで添加した。その際、酸化処理工程反応炉における滞留時間は2秒であった。処理の結果、入口における一酸化炭素濃度が3.0体積%、水素濃度が2.5体積%であったのに対し、出口における一酸化炭素濃度は20ppm、水素濃度は15ppmとなった。
【0078】
排ガス処理工程としては、アルカリ水シャワーのスクラバー装置を用いた。大気へ放出する排ガス中のPCB濃度は0.010mg/Nm3、ダイオキシン濃度は0.02ng−TEQ/Nm3、塩化水素濃度は0.3mg/Nm3であり、大気汚染防止法の排ガス基準を満たしていた。
【0079】
〔実施例2〕
水蒸気分解工程における温度・滞留時間を何通りかに変化させて土壌の処理を行った。ただし、加熱分離工程等その他の条件については実施例1と同じ条件を用いた。結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
処理結果の判定基準としては、排ガスPCB濃度が0.10mg/Nm3以下であることを合格とした。この値は、PCB等の焼却施設における排ガス中濃度の排出許容限界値である。表1に示された結果は、水蒸気分解工程における温度600℃〜1300℃、滞留時間2秒以上という水蒸気分解工程の設定条件の有効性を明確に示している。
【0081】
以上のように、本発明の実施の形態に係る土壌処理方法および装置によれば、土壌からの有機汚染物質の除去を有効に行うことができ、加熱分離工程と酸化処理工程との間に水蒸気分解工程を行う本発明の実施の形態に係る方法、装置は、従来からの問題点を有効に克服することができる。
【0082】
以上、本発明について実施の形態に沿って説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の改良や置換が可能であることは当業者には明らかである。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、土壌を加熱することで揮発したガス状の有機汚染物質を高温水蒸気を用いて分解でき、さらに残留した可燃性ガスを酸化処理工程において処理することが可能である。温度がより均一な水蒸気分解プロセスで汚染物を分解することにより、分解効率がよく、さらにダイオキシン等の意図せぬ生成物のない処理を実現できる。水蒸気分解プロセスにおける酸素濃度を低濃度に保つようにすることなどによって、装置サイズやコストなどの面でより有利な装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る土壌加熱処理装置の構成を示した概略図である。
【符号の説明】
1 加熱分離装置
2 水蒸気分解装置
3 酸化処理装置
4 土壌冷却装置
5 排ガス処理装置
6 ブロア
101 土壌投入装置
102 攪拌・連続加熱処理炉
103 熱源
104 土壌搬送装置
105 ガス配管
201 水蒸気分解反応炉
202 熱源
203 水蒸気発生器
204 ガス組成分析装置
205 水蒸気量制御装置
206 水蒸気配管
207 ガス配管
301 酸化処理反応炉
302 熱源
303 酸化剤添加装置
304 酸化剤予熱装置
305 ガス組成分析装置
306 酸化剤量制御装置
307 酸化剤配管
401 連続搬送装置
402 冷却装置
403 土壌排出装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method and apparatus for removing and decomposing contaminants by heating contaminated soil.
[0002]
[Prior art]
In recent years, soil contamination by organic harmful substances has been gaining social attention, and its removal and detoxification are required. Examples of pollutants include trichlorethylene, benzene, PCB, dioxins and oil.
[0003]
As a conventional method for removing these organic pollutants from the soil, a method of volatilizing the pollutants and gasifying them by putting the contaminated soil into a furnace and heating it is well known.
[0004]
Organic pollutants that have been gasified and removed from the soil usually need to be further decomposed and rendered harmless. Various other methods are known as methods of decomposing and detoxifying. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 07-328595 discloses a method for decomposing gaseous pollutants with a catalyst. Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-148631 discloses a decomposition method in which gaseous pollutants are subjected to secondary combustion with an afterburner at around 1000 ° C. Furthermore, Japanese Patent Laid-Open No. 2001-9409 discloses a method of condensing and recovering gaseous pollutants and decomposing them by a chemical decomposition method.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 07-328595 A
[0006]
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-148631
[0007]
[Patent Document 3]
JP 2001-9409 A
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In general, the soil contains about several percent by weight of other organic compounds in addition to the pollutants. For this reason, the organic compound contained in soil volatilizes or thermally decomposes, and hydrocarbon gas produces | generates in the process of volatilizing, gasifying and removing a pollutant by heating soil.
[0009]
In the conventional cracking method using a catalyst, there is a problem that the hydrocarbon gas generated in this way deteriorates the catalyst. In addition, there is a problem that dust and dust generated when heating the soil covers the catalytic activity surface and impairs the activity of the catalyst. Furthermore, there is a problem that the catalyst is poisoned by hydrogen halide generated by decomposition of an organic substance containing halogen such as trichlorethylene, PCB, dioxins, and the activity of the catalyst is similarly impaired.
[0010]
The decomposition method by secondary combustion has a problem that dioxins are newly generated by combustion. In the secondary combustion, a large amount of exhaust gas is released from the contaminated soil treatment facility, and a large amount of treatment facility is required for the treatment.
[0011]
Furthermore, in the method of decomposing by the chemical decomposition method, there is a problem that the pyrolysis product of the organic compound contained in a large amount in the aggregated collection of pollutants removed from the gasified soil inhibits the chemical reaction. .
[0012]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations to solve these various problems of conventional soil treatment methods, the present inventors have completed the present invention.
[0013]
The present invention includes a volatilization separation process for volatilizing and separating organic pollutants from the soil by heating the soil containing the organic pollutants, and decomposing the separated organic pollutants with high-temperature steam to produce a first product. A method for treating soil containing organic pollutants, comprising: a steam decomposition step to obtain; and an oxidative decomposition step to decompose a combustible gas remaining in a first product with an oxidant to obtain a second product.
[0014]
The present invention also provides a heat separator for heating and separating soil to volatilize and separate an organic substance, a steam cracking apparatus for decomposing the separated organic substance with high-temperature steam to obtain a first product, and a first product The soil processing apparatus containing an organic pollutant which has the oxidation processing apparatus which decomposes | disassembles the combustible gas contained in this using an oxidizing agent, and obtains a 2nd product.
[0015]
According to the method and apparatus of the present invention, the organic matter decomposition reaction can be allowed to proceed slowly by the steam decomposition reaction. For this reason, generation of harmful substances such as dioxins, which has been caused by rapid decomposition reactions in the past, and uneven temperature due to excessive heating of only some gas components are avoided, and soil treatment is promoted efficiently and effectively. Can do.
[0016]
Once through the steam cracking process, the pollutants are substantially decomposed, leaving only gas components other than organic substances to be removed, such as flammable gas represented by carbon monoxide and hydrogen, and reacting with oxygen. No problem arises even if it is subjected to an oxidative decomposition reaction.
[0017]
In particular, in the oxidation treatment apparatus, the combustion reaction gas is not directly blown into the oxidation reaction furnace to advance the oxidation reaction, but a gas that becomes an oxidizing agent such as oxygen is injected into the furnace, but other combustible gas is added. A so-called “indirect heating” method is used in which the heating gas is brought into contact with the mixed gas of the injected oxygen and the combustible gas from the steam cracking process without heating and the mixed gas is heated to advance the oxidative decomposition reaction. It is desirable to do.
[0018]
By such a method, it is easy to ensure the uniformity of the temperature of the entire reaction gas, and the progress of a uniform decomposition reaction can be expected. Further, the gas capacity related to the oxidation treatment is extremely reduced, which contributes to the reduction of the amount of exhaust gas and the compactness of the apparatus.
[0019]
According to the treatment method and apparatus according to the present invention, it is possible to realize the detoxification treatment of soil containing organic pollutants with a compact apparatus without being adversely affected by the organic compound / halogen contained in the treated soil. .
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
[0021]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the configuration of an apparatus according to an embodiment of the present invention.
[0022]
The illustrated soil heat treatment apparatus includes a heat separation apparatus 1, a
[0023]
The heat separation apparatus 1 that executes the heat separation process, which is the first process, includes a
[0024]
The
[0025]
The oxidation treatment apparatus 3 that executes the oxidation treatment step, which is the third step, includes a
[0026]
The soil cooling device 4 that executes the soil cooling step includes a
[0027]
The exhaust
[0028]
Hereinafter, how the soil heat treatment apparatus according to the embodiment of the present invention functions and acts to implement the soil heat treatment method according to the embodiment of the present invention will be described in detail in order.
[0029]
The contaminated soil is input from a
[0030]
The input soil is sent to a
[0031]
At this time, in order to remove pollutants with high efficiency, it is desired to control the soil temperature to 200 to 700 ° C. and a temperature holding time of 10 minutes or more. When the contaminated soil is treated at 200 ° C. or lower, the organic pollutants contained in the contaminated soil may not completely evaporate and remain in the soil. Moreover, since it will change the quality of soil when it heats above 700 degreeC, it may become difficult to reproduce | regenerate this soil. In addition, when a treatment with a temperature holding time of less than 10 minutes is performed, the organic pollutants may not completely volatilize and remain in the soil.
[0032]
In the soil treatment method and apparatus according to the embodiment of the present invention, an organic pollutant that can volatilize at 200 to 700 ° C. is assumed as a treatment target, and is actually subject to regulation as a current pollutant. Most organic harmful substances that are desired to be removed from the soil are volatilized at such temperatures.
[0033]
As a heating method in the heat separation step, it is desirable to adopt an indirect heating method instead of a direct heating method such as a method of directly blowing combustion gas. The reason for this is that, in the case of the direct heating method, an increase in the equipment load due to an increase in exhaust gas due to the mixing of combustion gas, an increase in the size of the exhaust gas treatment process, the generation of unintentional substances such as dioxins due to the action of residual oxygen, This is because problems such as temperature instability occur.
[0034]
As the
[0035]
Gaseous substances such as pollutants, organic substances, and water vapor volatilized from the soil in the heating / separating apparatus 1 are sent to the
[0036]
The steam cracking process performed in the
[0037]
In the conventional combustion treatment, since the combustion reaction of organic matter is accompanied by intense heat generation, so-called uneven temperature is generated in which a high temperature portion and a low temperature portion are generated in the furnace. For this reason, there existed problems, such as the fall of decomposition efficiency and the production | generation of unintended substances, such as dioxin. The steam cracking reaction employed in the embodiment of the present invention has a mild exotherm and endotherm compared to the conventional combustion reaction, so that temperature unevenness hardly occurs and the above-mentioned problems do not occur.
[0038]
In order to decompose the organic matter with high efficiency, it is desirable to operate the
[0039]
When the temperature is 600 ° C. or lower, the decomposition reaction of organic substances assumed as pollutants such as trichlorethylene, benzene, PCB, dioxins, oils does not proceed sufficiently. Further, if it is 1300 ° C. or higher, the steam cracking
[0040]
If the gas residence time is 2 seconds or less, the decomposition reaction does not proceed sufficiently. On the other hand, if the residence time is further increased, the
[0041]
As the water vapor used as a reaction medium in the water vapor decomposition step, water obtained by volatilizing water contained in the soil in the heat treatment step to form water vapor can be used. However, if it is insufficient, it is necessary to newly generate steam by the
[0042]
For this purpose, it is effective to measure the
[0043]
One of the control methods executed by the water vapor
[0044]
For example, when the hydrocarbon concentration in the outlet gas is 50 ppm or more, the steam addition amount is increased to promote steam decomposition, and the hydrocarbon concentration is reduced to 50 ppm or less. Such control is an effective means capable of maintaining the steam cracking ability at a certain level or higher based on the outlet hydrocarbon concentration.
[0045]
As another method of controlling the amount of added water vapor, there is a method of controlling the amount of added water vapor so that the components generated as a result of steam decomposition, such as hydrogen, carbon monoxide, and carbon dioxide, have a certain concentration or more. In this case as well, the concentration of hydrogen, carbon monoxide, or carbon dioxide contained in the outlet gas may be measured by the
[0046]
In addition, when the contaminated state of the contaminated soil, which is the object to be treated, is almost uniform and there is experience in treating the object, past data can be used. A normal range of a single component is defined in advance from past data. On the other hand, the
[0047]
In addition, when adding water vapor from the outside, considering that the residence time in the furnace is shortened by increasing the amount of water vapor too much, there is a possibility that the decomposition rate of organic matter may be reduced. It is desirable to control the addition amount.
[0048]
In the steam decomposition step, it is desirable that the presence of oxygen can be eliminated as much as possible during the decomposition reaction. The main factor that increases the oxygen concentration in the furnace is the leak-in of outside air in the first heating separation step, the soil cooling step, or the like. For this reason, it is effective to devise and design the entire soil treatment apparatus according to the embodiment of the present invention. By suppressing the leak-in of the outside air, it is possible to avoid many problems such as the enlargement of the equipment due to the increase in gas volume, the instability of the furnace temperature and the instability of the decomposition reaction due to the unintended presence of oxygen. it can.
[0049]
Here, the oxygen concentration is desirably suppressed to 0.2 or less as the air ratio. Here, the air ratio is a value represented by the following expression.
[0050]
Air ratio = A / B
A: Molecular weight of oxygen in the furnace inlet gas
B: Oxygen molecular weight required for complete combustion of combustible gas components in the furnace inlet gas
When the air ratio is 0.2 or less, the steam decomposition reaction of the organic substance with water vapor is dominant as compared with the oxidation reaction of the organic substance with oxygen molecules, and the furnace temperature becomes unstable due to the unintended presence of oxygen. -Destabilization of the decomposition reaction can be avoided.
[0051]
The
[0052]
The gas generated in the steam cracking
[0053]
The oxidation treatment step executed in the oxidation treatment apparatus 3 is a step of oxidizing the flammable gas mainly composed of hydrogen and carbon monoxide remaining in the outlet gas discharged from the steam decomposition step. The oxidation treatment is performed using an oxidant in the
[0054]
An oxidizing gas such as air or pure oxygen is introduced into the
[0055]
When the temperature is 600 ° C. or lower, the oxidation treatment of hydrogen and carbon monoxide cannot proceed appropriately. If a treatment temperature of 1300 ° C. or higher is secured, the same problem in the apparatus configuration as in the case of the steam
[0056]
As the oxidant, oxygen is used, and in particular, a gaseous substance containing only oxygen molecules is used as oxygen. It is desirable that the oxygen concentration is appropriately set so that the oxidation treatment proceeds efficiently. Components other than oxygen are typically gaseous substances that do not directly contribute to the combustion reaction. It is not preferable to contain a large amount of moisture. Since general air and air usually meet such conditions, it can be used in consideration of the concentration of oxygen and water vapor contained therein.
[0057]
In the
[0058]
Air ratio = X / Y
X: Molecular weight of oxygen in the oxidizer added to the oxidation treatment reactor
Y: Oxygen molecular weight necessary for complete combustion of oxidation process reactor gas
If the air ratio is too small, hydrogen and carbon monoxide cannot be completely processed.
When the air ratio is too large, the thermal efficiency for raising the gas to a predetermined temperature is lowered.
[0059]
The amount of oxidant added to achieve an appropriate air ratio can be controlled based on the outlet gas composition. One of the control methods is a control method using carbon monoxide concentration. That is, when the oxidant is insufficient, the amount of oxidant added is controlled so that the carbon monoxide is not sufficiently treated and remains, and the carbon monoxide is below a certain value. It is a technique.
[0060]
For example, it is effective to control the amount of oxidant added so that the carbon monoxide concentration is 50 ppm or less. As other control methods, a method for controlling the hydrogen concentration to be kept below a certain value, a method for controlling the calorific value of the entire gas to be kept below a certain value, or the like can be used as appropriate.
[0061]
Such addition control of the oxidant includes a
[0062]
The preheating
[0063]
It is also effective to have a
[0064]
However, in such a case, there are problems such as a decrease in efficiency due to uneven temperature, generation of unintended substances such as dioxin, and an increase in the furnace size due to an increase in the amount of gas due to fuel gas.
[0065]
By providing the
[0066]
As the oxidation treatment step, in addition to an apparatus that uses the
[0067]
The exhaust gas generated in the oxidation treatment device 3 is sent to the exhaust
[0068]
As a mechanism for cooling the gas, a method of indirectly cooling the gas by providing a heat exchanger or the like, a method of spraying water and cooling the gas by sensible heat / latent heat, and the like are used in combination as appropriate. In particular, a method of recovering and reusing the energy of exhaust gas using a heat exchanger is effective as an energy saving measure.
[0069]
Further, depending on the object to be treated, it is also necessary to remove hydrogen halide derived from halogen contained in contaminants. Further, exhaust gas treatment mechanisms such as activated carbon, scrubber, afterburner, bag filter, and cyclone are appropriately selected and used in combination.
[0070]
At the outlet of the soil heat treatment apparatus according to the embodiment of the present invention, a blower 6 is provided for sucking and conveying the gas generated in the apparatus.
[0071]
The blower 6 is controlled using an appropriate method such as a method of controlling the power so as to keep the pressure in the apparatus constant or a method of always operating with a constant power. When controlling the power so as to keep the pressure in the apparatus constant, it is generally desirable to control the
[0072]
On the other hand, the treated soil discharged from the
[0073]
As a soil cooling mechanism, a method of covering the outside of the cooling device with a water cooling jacket, a method of cooling the outside of the cooling device with air, a method of spraying water directly on the soil and taking heat away from its sensible heat or latent heat, etc. are appropriately used. Is possible. When there is no need for forced cooling, it is also possible to provide only a container for storing the treated soil without providing a cooling mechanism.
[0074]
【Example】
[Example 1]
Treated with a processing apparatus that employs a rotary kiln with a processing capacity of 400 kg / hr as a heat treatment furnace, treating soil with a concentration of 5% by weight of organic matter, including PCB as a contaminant at a concentration of 4000 mg / kg. Went. In the heat treatment furnace, the soil temperature was controlled to be 500 ° C. and the residence time was 1 hour, and the amount of gas generated from the first step was about 50 Nm. 3 Water vapor was the main composition at about / hr.
[0075]
The result of measuring the PCB concentration of the treated soil was 0.05 mg / kg, and 99.99% or more of PCB could be extracted from the soil.
[0076]
Moreover, the reactor temperature in the steam decomposition process was controlled to 1100 ° C., and steam was added at 20 kg / hr. At that time, the residence time in the steam cracking reactor was 5 seconds. The oxygen concentration in the steam cracking reactor was 0.5% by volume. As a result of the treatment, the organic substance concentration at the outlet was 30 ppm. The PCB concentration at the inlet and outlet of the steam cracking process is 10000 mg / Nm, respectively. 3 0.10 mg / Nm 3 It was possible to decompose 99.99% or more of PCB.
[0077]
In the oxidation treatment step, the reactor temperature is controlled to 1100 ° C. and air is 30 Nm. 3 / Hr. At that time, the residence time in the oxidation treatment process reactor was 2 seconds. As a result of the treatment, the carbon monoxide concentration at the inlet was 3.0% by volume and the hydrogen concentration was 2.5% by volume, whereas the carbon monoxide concentration at the outlet was 20 ppm and the hydrogen concentration was 15 ppm.
[0078]
As the exhaust gas treatment process, an alkaline water shower scrubber device was used. PCB concentration in exhaust gas released to the atmosphere is 0.010 mg / Nm 3 The dioxin concentration is 0.02 ng-TEQ / Nm 3 The hydrogen chloride concentration is 0.3 mg / Nm 3 And satisfied the exhaust gas standards of the Air Pollution Control Act.
[0079]
[Example 2]
The soil was treated by changing the temperature and residence time in the steam cracking process in several ways. However, the same conditions as in Example 1 were used for other conditions such as the heat separation step. The results are shown in Table 1.
[0080]
[Table 1]
As a judgment standard of the processing result, the exhaust gas PCB concentration is 0.10 mg / Nm. 3 The following was considered acceptable. This value is a discharge allowable limit value of the concentration in exhaust gas in an incineration facility such as PCB. The results shown in Table 1 clearly show the effectiveness of the setting conditions for the steam cracking process, ie, a temperature of 600 ° C. to 1300 ° C. and a residence time of 2 seconds or longer in the steam cracking process.
[0081]
As described above, according to the soil treatment method and apparatus according to the embodiment of the present invention, it is possible to effectively remove organic pollutants from the soil, and water vapor between the heat separation step and the oxidation treatment step. The method and apparatus according to the embodiment of the present invention for performing the decomposition step can effectively overcome the conventional problems.
[0082]
Although the present invention has been described above with reference to the embodiments, it is obvious to those skilled in the art that the present invention is not limited to these descriptions and various improvements and substitutions are possible.
[0083]
【The invention's effect】
According to the present invention, gaseous organic pollutants volatilized by heating the soil can be decomposed using high-temperature steam, and the remaining combustible gas can be treated in the oxidation treatment step. By decomposing the contaminants by a steam decomposition process with a more uniform temperature, it is possible to realize a treatment with good decomposition efficiency and free from unintended products such as dioxins. By maintaining the oxygen concentration in the steam cracking process at a low concentration, an apparatus that is more advantageous in terms of apparatus size and cost can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the configuration of a soil heat treatment apparatus according to an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Heating separation device
2 Steam cracker
3 Oxidation equipment
4 Soil cooling device
5 Exhaust gas treatment equipment
6 Blower
101 Soil input device
102 Stirring / continuous heat treatment furnace
103 heat source
104 Soil conveyor
105 Gas piping
201 Steam cracking reactor
202 heat source
203 Steam generator
204 Gas composition analyzer
205 Water vapor amount control device
206 Steam piping
207 Gas piping
301 Oxidation reactor
302 heat source
303 Oxidizing agent addition device
304 Oxidant preheating device
305 Gas composition analyzer
306 Oxidant amount control device
307 Oxidant piping
401 Continuous transfer device
402 Cooling device
403 Soil discharging device
Claims (7)
前記有機汚染物質を揮発させて分離した後に、分離された前記有機汚染物質を高温水蒸気により分解して第一生成物を得る水蒸気分解工程と、
前記第一生成物に残留する可燃性ガスを酸化剤によって分解して第二生成物を得る酸化分解工程
とを含むことを特徴とする有機汚染物質を含有する土壌の処理方法。A volatile separation step of volatilizing and separating the organic pollutant from the soil by heating the soil containing the organic pollutant;
A vapor decomposition step of volatilizing and separating the organic pollutant and then decomposing the separated organic pollutant with high-temperature steam to obtain a first product;
A method for treating soil containing organic pollutants, comprising: an oxidative decomposition step of decomposing a combustible gas remaining in the first product with an oxidizing agent to obtain a second product.
水蒸気を添加する工程と、
前記第一生成物の組成を分析する工程と、
前記分析の結果に基づいて前記水蒸気の添加量を制御する工程
とを有し、なおかつ、前記酸化分解工程は、
前記酸化剤を添加する工程と、
前記第二生成物の組成を分析する工程と、
前記分析の結果に基づいて前記酸化剤の添加量を制御する工程
とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機汚染物質を含有する土壌の処理方法。The steam cracking step includes
Adding water vapor;
Analyzing the composition of the first product;
And a step of controlling the amount of water vapor added based on the result of the analysis, and the oxidative decomposition step includes:
Adding the oxidizing agent;
Analyzing the composition of the second product;
The method for treating soil containing organic pollutants according to any one of claims 1 to 3, further comprising a step of controlling an addition amount of the oxidant based on a result of the analysis.
分離された前記有機物質を高温水蒸気によって分解して第一生成物を得る水蒸気分解装置と、
前記第一生成物に含まれる可燃性ガスを酸化剤を用いて分解して第二生成物を得る酸化処理装置
とを備えることを特徴とする有機汚染物質を含有する土壌の処理装置。A heating separation device that heats the soil to volatilize and separate organic substances;
A steam decomposing apparatus that decomposes the separated organic substance with high-temperature steam to obtain a first product;
Processor soil containing an organic contaminant, characterized in that it comprises an oxidizing apparatus for obtaining a second product was decomposed with an oxidizing agent to combustible gas contained in the first product.
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