JP3960480B2 - 真空密封容器を「その場で」汚染除去または滅菌する方法およびこの方法を実施する装置 - Google Patents

真空密封容器を「その場で」汚染除去または滅菌する方法およびこの方法を実施する装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば凍結乾燥に際して、特に活性生成物の真空乾燥サイクル後に、密封容器を「その場で(insitu)]汚染除去または滅菌する方法に関するものである。また本発明は前記の方法を実施する装置に関するものである。
不安定な生成物の保存法のうち、凍結乾燥(減圧における氷の昇華)は貯蔵に際して生成物に活性と保存する現在最も確実な方法である。
製薬工業は、水分が過大な時に変成されやすいすべての活性因子に対してこの技術を適用している。凍結乾燥技術は、製造工程の最後の段階で、最終受容体のレベルで適用されれば、それだけ薬剤にとって有効である。
凍結乾燥装置の調整工程は特にNEP法による洗浄および蒸気滅菌に関しては成文化されているが、乾燥タンクの排出に関しては成文化されていない。実際に昇華に際して、活性因子粒子が水蒸気流によって同伴されてタンクの内部ガスの中に不確定に存在する事がありうる。従って生成物を捕集する責任者がこれらのエアロゾルと接触してその健康に大きな危険性を伴う可能性がある。すなわち有効とみとめられない導入経路、呼吸器、眼区域、皮膚露出によって不確定用量の活性因子を吸収する可能性がある。
凍結乾燥された生成物がバクテリア、ウイルスまたは分離された核酸などの複製ポテンシャルを有する生物学的物質を含有する場合には、このような危険状況は特に恐ろしい。これは例えば、凍結乾燥ワクチン調剤、またはコロニー構成のためのウイルスまたはバクテリアの病原性菌種、または獣医学的または農業的用途(動物または植物に対する有害物質の標的寄生)のために製造されたウイルスまたはバクテリアのベクターの場合である。
また、人間の血液中に潜在的に存在する例えばHIVまたはHBVなどの感染性ウイルスおよびその誘導体を含有する生成物の凍結乾燥に際して、ウイルス血症の検査が十分顕著でなく、あるいは仮性マイナスを示し、あるいは信頼できない場合にも危険性が存在する。
また凍結乾燥された薬剤は、相当に低い濃度でも強力な薬剤活性を有する危険性がある。すなわち、抗生物質、抗癌剤、ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制剤、ホルモンの場合である。
これらの物質を含有する受容体が凍結乾燥装置の容器の中で、よく見られるように抵抗力の不足によりまたは自動的閉鎖の結果をして破壊された場合に、このような危険性が非常に大きい。
他方、凍結乾燥装置の容器の排出に際して、その中に周囲環境からのバクテリア、酵素、カビ類を導入する危険がある。
フォルムアルデヒドまたは酸化エチレンなどの滅菌ガスの使用はその用量および凍結乾燥装置の容器中の分布などの微妙な問題を提供する。
これらの手段(蒸気、酸化エチレン、フォルムアルデヒド)によって滅菌された細菌はもはや増殖する事ができないが、その偶発的残留物が毒性の危険を示す。これはグラム陰性菌が破壊されて、可溶性リポポリサッカリドを放出し、注射溶液の中に発熱反応を生じる場合である。
本発明によれば、出願人は凍結乾燥装置の容器の中で凍結乾燥工程そのものにおいて放出されまたは遊離した有害生成物を「その場で」汚染除去する新規な手段によって、または新規な容器滅菌手段によって前記のような危険性を減少させる方法を提供する。
本明細書において、「汚染除去」とは、生物致死活性生成物、発熱物質除去生成物または一般に中和性生成物を使用する事を意味する。
従って本発明は、場合によって病原性の微生物または危険な物質、特に発熱性物質または環境に対して有害な影響を有する物質の存在する真空密封容器の汚染除去法または滅菌法において、前記容器中の条件において蒸発して場合によって病原性の前記微生物に対して殺菌性を示しおよび/あるいは前記危険物質に対して中和性を示す事のできるガスまたは液体を前記容器の中に導入する方法の関するものである。
本発明の実施態様によれば、本発明の方法は、場合によって病原体の微生物および/または危険性物質を含有する閉鎖されまたは開放された単数または複数の受容体が密封容器の中に存在することと、単数または複数の受容体を採取するため密封容器を開く前に前記ガスまたは液体を導入することを含む。
本発明の他の実施態様によれば、例えば2操作間の凍結乾燥装置の容器の無菌性を保証するため、前記容器の装入前にオゾンを噴射する事により前記容器を滅菌する事ができる。
本発明の他の実施態様によれば、場合によって病原性の微生物および/または危険性物質を特に凍結乾燥、霧化または真空乾燥によって脱水する。
汚染除去処理は好ましくは生成物の受ける凍結乾燥サイクル後に実施される。実際に、このプロセスは容器中に生じた真空を利用し、また容器中に含まれる生成物を冷凍しまたは加熱する可能性を与える。汚染除去混合物の温度は−50℃から+150℃の範囲内とする事ができる。危険生成物の正規の凍結乾燥サイクルが終了した時、乾燥した生成物受容体が乾燥タンクの中で自動的に閉鎖される。この閉鎖が不活性ガス中で実施されたならば、容器を再び真空下におく。これは、外部への漏出を防止するためである。また凝縮面を形成するために冷却システムが作動状態に保持される。減圧が存在する場合、液体の蒸発またはガスの導入による汚染除去が容易に実施され、また容器の冷却は汚染除去される受容体の冷却した面上に凝縮を生じる。
もちろん蒸発される液体は、破壊されるべき病原性微生物または中和される危険性物質に適合しなければならない。この液体として水溶液または有機溶液を使用する事ができる。
使用される溶液またはガスとしては、生物致死特性、特に殺菌特性および/または抗ウイルス特性を有するもの、および酸化組成物をあげる事ができる。
特に、過酢酸水溶液、過酸化水素、またはアルコールまたはその混合物、特に過酢酸とH22との混合物またはアルコールとH22との混合物を使用する事ができる。
有機溶液を使用する混合物としては、
−メタノール/クロロフォルムなどの親水性/親油性溶媒の混合物、
−窒素、CO2またはフレオンあるいはその代替物によって不活性化された親油性溶媒(例えばジエチルエーテル)の混合物を使用する事ができる。
本発明の主旨の範囲内において、予め発生されたガスの噴射も、このガスが特に酸化特性と抗ウイルス特性とを有する限り使用する事ができる。これらのガスとして、
−酸素とオゾン、または酸素、オゾンおよび二酸化炭素から成るガス混合物、
−または揮発性溶媒中のガス混合物、例えばフレオン(F22,F11,F113)またはその代替物中に溶解した酸素/オゾン混合物をあげる事ができる。
液相の噴射は、混合物を密封容器中にエアロゾルの形で噴霧する事のできる分散インゼクタを通して実施される。
密封容器に内圧は、
1)不活性化剤の漏出を防止するように外気圧に対して減圧に留まり、また
2)噴射される単数または複数の溶媒のガス相を生じる蒸気圧を保持するのに十分な低い値に保持されなければならない。
処理時間は、所望の汚染除去の性質によって、好ましくは30分乃至手段10時間継続する。
処理時間中、密封容器の熱変動は所望の効果によって調整される。すなわち、汚染除去される生成物の安定性に対応してマイナス温度とプラス温度に調整される。
本発明による汚染除去方法は、受容体の中に気密的に密封されなければ環境に対して危険を生じる可能性のある潜在的に危険な生物学的生成物、すなわちウイルス,バクテリア(胞子型または非胞子型)、菌類、酵素、核酸に適用される。
使用されるガスがオゾンの場合、無菌化処理、汚染除去処理および発熱物質除去処理はオゾンの受ける特定の温度条件および圧力条件で実施される。
オゾンは空気酸素から連続的に発生されるが、生産量と適合性の故にガス原料は純粋酸素とし、これを高圧発生器の中に導入する。酸素流量と加えられる電圧の調整が発生ガスのオゾン濃度を決定する。
従ってオゾンは純粋ガスとして使用されるのでなく、酸素中のオゾンの特定濃度、例えば4μg/ml乃至110μg/ml(4mg/1乃至110mg/ml)の範囲内の特定濃度を発生する発生器によって、酸素、好ましくは空気との混合物として発生される。酸素からのオゾン発生法は公知の技術であって、例えば高圧発生器、紫外線発生器、電気化学電池発生器を使用する事ができる。
従って本発明の原理は凍結乾燥装置の容器の中に弁を通して酸素/オゾン混合物を噴射するにある。この容器は予め真空下に置かれる。(1Pa乃至0.1Pa、すなわち10-2乃至10-3bar)。ガス流量は発生器の出口に加えられる圧力によって測定される。
またこのガス流量は凍結乾燥装置に備えられたガス噴射装置によって調整され、これにより一定のガス添加量に制御する事ができる。
次に密封容器の中に凍結乾燥される生成物を装入し、凍結乾燥サイクルの終了時に汚染除去−無菌化を実施する事ができる。
次にオゾン/酸素混合物を、容器の中において0.8バール(すなわち8×106Pa)の圧力を得るまで所望の濃度(4μg/1乃至110mg/ml)で噴射する。
受容体の支持体の温度は−20℃と30℃との間に調整する事ができる。
オゾン/酸素混合物の滞留時間は4分乃至3時間の範囲内にある。
胞子バクテリアの二、三の場合には、ガスを10−95%水蒸気まで湿潤化する事によってオゾンの無菌化モードが改良される。
同様に、湿潤化されたガス混合物に二酸化炭素を添加する事によって混合物のpHを調整して、酸感性細菌の破壊を促進する事ができる。
無菌化サイクルの場合、すなわち処理されるべき病原性細菌または危険物質の導入前に、下記のように操作する事ができる。
真空状態(1Pa乃至0.1Pa、すなわち10-2乃至10-3mbar)に成された容器の中に、容器中の圧力が0.8バール(すなわち8×106Pa)に上昇するまで、混合物リットルあたり30−70mgのオゾンを含有する酸素/オゾン混合物を噴射する。
支持体温度は+10℃(±20℃)に調整される。
ガス混合物は約1時間(±30分間)、容器と接触状態に保持される。
次にポンプによって容器を再び真空状態にする。ガスの排出路は、例えば活性炭素にフィルタなど、残留オゾンの破壊手段を含む。
複雑な幾何学的形状の容器の場合にはガス分布を均質化するため、第2酸素/オゾン混合物の噴射を同様条件で実施する事ができる。
接触時間は約30分間保持される。
本発明の他の実施態様によれば、一定のオゾン分圧を保持するように凍結乾燥装置に適したガス噴射装置を使用する事によって、オゾン噴射を調整する事ができる。
次に再び酸素/オゾン混合物をポンプ輸送して中和する。
次に再び真空状態に成されたチャンバを無菌不活性ガス(例えば窒素)によって掃気して残留オゾンを除去する事ができる。
汚染除去/発熱物質除去サイクルの場合、生成物に前記のように乾燥化処理を実施した直後に、下記のように操作する事ができる。
真空状態(1Pa乃至0.1Pa、すなわち10-2乃至10-3mbar)に成された容器に中に、容器中の圧力が0.8バール(すなわち8×106Pa)に上昇するまで、混合物リットルあたり50−100mgのオゾンを含有する酸素/オゾン混合物を噴射する。
支持体温度は+10℃(±20℃)に調整される。凍結乾燥エアロゾルから生じる汚染物質または発生された発熱物質とガス混合物との接触時間は30分間乃至3時間である。汚染物質が炭素−炭素二重結合を含有する場合、これは相対湿度10−95%の湿潤ガスの噴射に際して形成されたオゾニドの加水分解を促進するのに有効である。
サイクルの終点において、ガス混合物はポンプによって残留オゾンの除去装置を通して吸収される。
このオゾン除去装置は活性炭素を含むカートリッジから成る。他のオゾン除去手段は業界公知であって、例えば紫外線、ヨウ化カリウム、熱分解である。
この場合、容器は残留オゾン痕迹を除去するため不活性ガス(例えば窒素)によって掃気される。
また本発明は医学および獣医学の薬理活性生成物に関するものであり、特に処理される生成物が酸化感性である事が知られている場合に有効である。
これは特に下記の二、三の薬剤クラスの場合である。
−抗生物質:
・二重結合C=Cとジエンを含有するオリゴマイシン、
・分子中に芳香核、または二重結合、または硫黄原子を含むペニシリン、
−免疫抑制剤:
・二重結合を含むシクロスポリン、
−抗癌剤:
・芳香核を含むメルファラン、
−コルチコイド:
・二重結合を有するデキサメタゾン、
−ホルモン:GHRH
−キレート化剤:
・ダイマーカプトル、
−プロスタグランジン。
これらのすべての物質は、オゾンと反応し、次に場合によって過酢酸または過ギ酸と反応して、薬理面では不活性の誘導体を生じる事ができる。
また本発明は、例えばフォルマリンまたはエンドトキシンなどの活性生成物の中に偶然に存在しうる望ましくない化合物の除去にも適用される。
また本発明は前述のような方法の実施する装置に関するものである。
本発明の方法を実施するための汚染除去混合物の噴射制御装置は、汚染除去される生成物の単数または複数の支持体を配置された容器と、単数または複数の冷却手段および加熱手段と、減圧手段とを含み、前記容器は、前記のようにガスまたは液体を供給するための単数または複数の手段と、前記ガスまたは液体の単数または複数の排出手段とを含む事を特徴とする。
好ましくは、前記装置は前記ガスまたは液体の排出を促進するための単数または複数の掃気ガス供給手段を含む。また前記装置は制御量のガスを導入するためのガス噴射制御システムを含む。
単一の付図は本発明の方法を実施するための装置の概略断面図である。この装置1は容器2から成り、この容器の中に凝縮器5が配置され、この凝縮器の上方適当距離に、受容体を受けるための加熱支持体4が配置されている。容器の上壁体13に圧力ゲージ3が固着されている。また前記容器はその側壁14のレベルに、オゾン発生器(図示されず)に対して導管12によって接続された導入口6と、不活性ガス導入口7とを備えている。下壁体15は、導管16によって真空ポンプ11に接続された排出口8と、ドレン17によって真空ポンプ11に接続された他の排出口9とを備え、前記排出口9とポンプ11との間に活性炭フィルタ10が装着されている。前記の各導管およびドレインはそれぞれ締め切り弁18を備える。
以下、本発明を図面に示す実施例について詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
実施例 I
バクテリオファージ科のウイルスMicroviridiaeφ×174の懸濁液をゲル化し凍結乾燥する。この懸濁液は最初、PFU/mlで表示してmlあたり107の感染性粒子を含有する。
滴定システムは、寒天上で成長されたE.Coliの均一コロニーによって実施される。
ウイルス懸濁液を10倍づつ順次希釈する事によって、播種された寒天の18時間、37℃の保温後に現れた溶菌区域の数が30乃至300になった時に出発滴定濃度が得られる。
凍結乾燥後に70%エチルアルコール500mlを容器中に噴射し、30分間接触させる。
凍結乾燥装置のテーブルは−40℃に調整される。
結果:
真空中の閉鎖された凍結乾燥対照: 106PFU/ml 70%アルコールと接触する
開放フラスコ: 2.1X102PFU/ml
実施例 II
実施例Iと同様条件で、500mlの30倍希釈過酸化水素を噴射する。10分間接触させる。
真空中の閉鎖された対照ウイルス懸濁液は凍結乾燥後に105PFU/mlを含有していた。
過酸化水素と接触する開放フラスコは30PFU/mlしか示さない。
得られるウイルス滴定濃度の減少率は4.5logである。
実施例 III
実施例Iと同様条件で、凍結乾燥後に、まず500mlの30倍希釈過酸化水素を噴射して10分間接触させ、次に500mlの70%エチルアルコールを噴射して30分間接触させる。
この実施例において、凍結乾燥は故意に、滴定生成物の中に大きな残留水分(>20%)を残すように実施された。
この場合の処理によって得られたウイルス滴定濃度の減少率は1.1Logにすぎない(真空閉鎖された対照=4×105PFU/ml;不活性化剤と接触させられたフラスコ=3×104PFU/ml)。
この実施例は、処理生成物が予め乾燥されて水を除去して不活性化剤を吸収しなければならない事を示す。
実施例 IV
実施例Iと同様条件で、まず500mlの30倍希釈過酸化水素を噴射し、次に70%エチルアルコール500mlを噴射する。凍結乾燥された対照フラスコは5X103PFU/mlを含有する。
不活性化剤と接触するフラスコは検出可能の感染性粒子を含有しない。得られたウイルス滴定濃度の減少率は≧3.7Logである。
実施例 V
ウイルスバクテリオファージφ×174の懸濁液を実施例Iと同様にしてその保存媒質の中で凍結乾燥する。
乾燥サイクル後に、凍結乾燥タンクの中に10%(vol/vol)過酢酸溶液を噴射する。
真空中で閉鎖された対照フラスコは1.85X104PFU/mlを含有する。
不活性化剤と接触するフラスコは検出可能の感染性粒子を含有しない。
ウイルス滴定濃度減少率は≧4.3Logである。
実施例 VI
潜在的感染性生成物に不活性化処理を実施するため、ヒトの血漿から抽出された免疫グロブリン溶液に対して、ウイルスバクテリオファージφ×176の懸濁液を混合した。100mlのヒト免疫グロブリン溶液は、1.52X107PFU/mlのバクテリオファージφ×174の懸濁液20mlを含有する。
生成物の凍結乾燥後に、凍結乾燥タンク中に、順次、30倍希釈された過酸化水素500mlを噴射し、次に10分の接触後に、500mlの70%エチルアルコールを噴射する。
観察された減少率は1.52Logである。
実施例 VII
実施例VIと同様に、ヒトの血漿から抽出された免疫グロブリン溶液に対して、
ウイルスバクテリオファージφ×174を添加する。
100mlのヒト免疫グロブリン溶液は、3.7X108PFU/mlのバクテリオファージφ×174の溶液20mlを含有する。
最終溶液はなお4.5X104PFU/mlを含する。ウイルス滴定濃度の減少は使用された免疫グロブリン調剤中に存在する特異抗体によるものである。
凍結乾燥後に、100%無水アルコールの最終濃度が70%となるように過酸化水素によって10倍に希釈された混合物を凍結乾燥タンクの中に噴射する。
不活性化剤と接触するフラスコは検出可能の感染性粒子を含有しない。
ウイルス滴定濃度減少率は≧4.65Logである。
実施例 VIII
ヒト血漿から抽出された注射可能アルブミン50g/lを含有するアルブミン溶液50mlに、6.55X108PFU/mlのバクテリオファージφ×174の懸濁液10mlを添加する。
溶液の凍結乾燥後に、酸素とオゾンを含有するガス混合物を容器の中に噴射する。オゾンは純粋酸素流中の高圧放電によって得られる。オゾン発生量は40μg/mlである。噴射は容器中に−0.2バールの圧が得られるまで実施される。混合物を凍結乾燥装置中に30分間保持する。
次にガスをヨウ化カリウムから成る中和剤を通して吸引する。
次にタンクを大気圧に戻す。凍結乾燥装置中で処理されたどのフラスコも検出可能の感染性粒子を含有しない。
得られたウイルス滴定濃度の減少率は≧8.8Logである。
実施例 IX
ヒト血漿から抽出された免疫グロブリン溶液が、ファルマコペーによって推奨されるテストに際して、特にウサギに対する発熱効果に関して不適合である事が明かになった。
凍結乾燥されたこの不適合生成物を凍結乾燥装置の容器の中に配置し、真空状態とする。
次に実施例VIIに記載のようなエチルアルコール/過酸化水素混合物を噴射する。
30分の接触時間後に、タンクを掃気し、処理されたフラスコを真空中で閉鎖する。
ウサギに対する発熱物質テストは、3匹のウサギに対して不適合生成物を注射すると1°45の体温上昇を示す。
実施例Xの実施態様によって処理された生成物を注射しても、3匹のウサギに対して0.7℃の最小限体温上昇しか示さない。
従ってこの処理された生成物は発熱物質テストに関して規則に適合している。
実施例 X
ヒト血漿から抽出された凝固因子FVIIIの溶液がバクテリア起源のエンドトキシンによって偶然に汚染された。凍結乾燥されたフラスコを凍結乾燥装置のタンクの中に配置し、真空状態に排気する。
実施例VIIIと同様にして得られた酸素/オゾン混合物を噴射する。
このガス混合物を30分間、生成物と接触させる。
フラスコを大気圧に戻した後に、これらのフラスコを特異テスト(Limulus Amebocyte Lysate:LAL)によってエンドトキシン含有量を滴定する。濃度は対照エンドトキシンに対してエンドトキシン単位/ml(EU/ml)で表わされる。
処理されていないフラスコは327EU/mlを含有し、実施例Xによって処理された生成物は116EU/mlを含有する。すなわちエンドトキシンの含有率は64.5%減少する。
実施例 XI
mlあたり106のE.Coliを含有する栄養培地懸濁液を紙フィルタのストリップ上で乾燥する。
次にE.Coliの培養を開始するため、このストリップを再び栄養培地の中に浸漬する。
9%NaCl(9g/l)によって順次に希釈された溶液をトリプトン−大豆寒天プレート上に接種して残留細菌を計数する。
次にストリップを凍結乾燥装置の中に配置する。
オゾン滅菌を前記のプロセスによって実施する:
50μg/ml 03、 T°=10℃、接触30分間。
このプロセスによって処理されたストリップを再び培養した後に、37℃の栄養培地と7日間接触した後においてもバクテリアE.Coliは検出されない。
前記のテストと同様にして枯草菌の培養について、ストリップテストを繰り返す。
オゾン無菌化条件:50μg/ml、T°=10℃、接触時間60分で処理されたストリップを栄養培地と7日間接触させた後に、枯草菌の発芽はまったく見られない。

Claims (10)

  1. (a)複製可能性を有する生物学的物質または(b)発熱性物質または環境に対して有害な影響を有する物質といった危険物質、を含む、少なくとも1つの真空密封容器の汚染除去法または滅菌法であって、この方法は、以下の工程、
    (i)前記(a)複製可能性を有する生物学的物質または(b)発熱性物質または環境に対し有害な影響を有する物質といった危険物質を真空下脱水する、
    (ii)脱水後、真空を維持しながら、(c)過酢酸水溶液、過酸化水素水溶液、過酢酸と過酸化水素との混合水溶液、アルコールと過酸化水素との混合水溶液、からなる群より選定される水溶液または(d)酸素と湿潤オゾンの混合ガス、二酸化炭素と酸素と湿潤オゾンの混合ガス、からなる群から選定される真空下蒸発可能な水性ガス、を(c)水溶液または(d)水性ガスが、(a)脱水された生物学的物質または(b)発熱性物質または環境に対して有害な影響を有する物質といった危険物質と接触し続けるように容器中に導入し、
    (iii)前記(c)水溶液または(d)水性ガスを−50℃〜+150℃の温度範囲内に調整し、
    (iv)前記接触を維持し、前記水溶液または水性ガスを物質上に凝縮させる、を含む方法である、汚染除去または滅菌法。
  2. 前記生物学的物質または危険物質が凍結乾燥、霧化または真空乾燥によって脱水される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水溶液は、蒸留水中の過酢酸水溶液である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ガスは、酸素と湿潤オゾンの混合物である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記水溶液は、前記容器の中に、インゼクタ/分散器を介して導入される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記真空密封容器は、凍結乾燥容器である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記容器の内圧は、外気圧に対して減圧に留まり、前記水溶液のガス相またはガスを得るのに十分な蒸気圧を保持する程度に低い値に保持される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記凝縮物は、汚染除去または滅菌される物質と、3分〜6時間接触状態に保持される、請求項1に記載の方法。
  9. 汚染除去または滅菌される物質を支持する1つまたは複数の支持体(4)の配置された容器(2)と、1つまたは複数の加熱手段(4)と、1つまたは複数の冷却手段(5)と、真空手段(8)とから成る、請求項1の方法を実施するための汚染除去または滅菌用水溶液またはガスを噴射し制御する装置(1)であって、
    前記容器は、前記単数または複数のガスまたは水溶液の供給手段(6)と、前記ガスまたは水溶液の単数または複数の排出手段(9)とを備えることを特徴とする、装置。
  10. 前記ガスまたは水溶液の排出を促進する掃気ガスを供給する単数または複数の手段を含む、請求項9に記載の装置。
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