JP3958714B2 - 携帯通信機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機などの携帯通信機器、特に、アプリケーション実行機能を有する携帯通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、Java(TM)などのアプリケーション実行機能を搭載した携帯通信機器が知られている。このようなJava(TM)搭載機器において、アプリケーション起動中に電話やメールが着信すると、アプリケーションの動作が停止され、電話切断後に再度Java(TM)アプリケーションが起動されていた。あるいは、電話やメールが到着したときに、自動的にJava(TM)アプリケーションが一時停止されるようになされていた。
また、従来のJava(TM)搭載携帯通信機器においては、Java(TM)アプリケーションをユーザ操作によりタイマ起動できるようにタイマ設定を行うことが可能とされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のJava(TM)搭載携帯通信機器におけるタイマ設定のシーケンスを図9に示す。
Java(TM)搭載携帯通信機器には、移動機ネイティブ環境上にJava(TM)実行環境が実装されており、このJava(TM)実行環境上においてJava(TM)アプリケーションが実行可能とされている。Java(TM)アプリケーションのタイマ起動の設定を行う際には、図9に示すように、ユーザは移動機の表示部にJava(TM)メニューを表示してネイティブ環境上の起動タイマの設定を行うことにより、Java(TM)アプリケーションを起動させる時刻を設定する。この起動タイマは、アプリケーション実行環境が停止されていても動作するよう移動機ネイティブ環境上で実行されるネイティブタイマであり、タイマ設定処理も移動機ネイティブ環境上で実行される移動機処理とされる。なお、図9に示すようにタイマ設定処理はアプリケーション実行環境が停止中に行われている。
【0004】
そして、設定された時刻に達してネイティブタイマがタイムアップすると移動機ネイティブ環境からJava(TM)実行環境にJava(TM)起動要求が通知される。これにより、一時停止中のJava(TM)実行環境が起動されてその動作が再開され、Java(TM)アプリケーションに対してJava(TM)起動要求を通知する。次いで、起動要求を受けたJava(TM)アプリケーションが起動されるようになる。これにより、Java(TM)アプリケーションが壁紙を表示するアプリケーションであった場合には、タイムアップした際にJava(TM)の壁紙が表示部に表示されるようになる。そして、アプリケーション実行環境はJava(TM)アプリケーションの起動完了を移動機ネイティブ環境に通知する。
【0005】
このように、Java(TM)アプリケーションを起動させるタイマは移動機ネイティブ環境におけるネイティブタイマとされており、そのタイマ設定はユーザが手動で行っており、Java(TM)アプリケーションから起動タイマの設定をすることができず、Java(TM)アプリケーションの主導の基で所望のタイミングで動作させることができないという問題点があった。そこで、Java(TM)アプリケーションをタイマ起動させることなく所望のタイミングで動作可能なように、Java(TM)アプリケーションの動作を継続させて動作させるようにすると、消費電力が大きくなりJava(TM)アプリケーションを間欠的に動作させる状態に比べて待ち受け時間が短縮されるという問題点が生じることになる。
【0006】
そこで、本発明は、アプリケーションからネイティブ環境上のタイマのタイマ設定を行えるようにした携帯通信機器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の携帯通信機器は、ネイティブ環境上にアプリケーション実行環境を実装し、該アプリケーション実行環境上でアプリケーションを実行することが可能な携帯通信機器であって、前記アプリケーション実行環境は、前記アプリケーションからのタイマ設定要求に基づいて、用意されたクラスライブラリを使用して前記ネイティブ環境に対して該ネイティブ環境上で実行される起動タイマの設定要求を行う機能を有し、前記ネイティブ環境は、前記アプリケーション実行環境からの前記クラスライブラリを使用した前記起動タイマの設定要求に基づいて前記起動タイマの設定を行う機能と、前記起動タイマが満了した際に一時停止あるいは終了されている前記アプリケーション実行環境および前記アプリケーションを起動するよう制御する機能とを少なくとも有している。
【0008】
また、上記本発明の携帯通信機器において、前記ネイティブ環境は、前記起動タイマが満了して前記アプリケーションを起動した時に、前記タイマ設定要求で設定されたタイマイベントを前記アプリケーションに対して通知する機能を有し、前記起動タイマが満了した際に前記アプリケーションにおいて前記タイマイベントに基づく処理が実行されるようになされていてもよい。
【0009】
さらに、上記本発明の携帯通信機器において、前記ネイティブ環境は、前記ネイティブ環境上で実行される前記起動タイマをユーザ操作によりユーザ設定する機能を有し、当該ユーザ設定に基づいて前記起動タイマが満了した際に一時停止あるいは終了されている前記アプリケーション実行環境および前記アプリケーションを起動するよう制御するようにしてもよい。
さらにまた、前記ユーザ設定に基づいて前記起動タイマが満了した際の制御が、前記アプリケーション実行環境からのタイマ設定要求に基づいて前記起動タイマが満了した際の制御より優先して実行されるようにしてもよい。
【0010】
このような本発明によれば、アプリケーションからのタイマ設定要求に基づいて、ネイティブ環境上で実行される起動タイマの設定要求をアプリケーション実行環境からネイティブ環境に対して行うことにより、ネイティブ環境においてタイマ設定が行われるようにしたので、アプリケーションからネイティブ環境上の起動タイマのタイマ設定を行うことができるようになる。これにより、アプリケーション自身によりアプリケーション起動のタイミングを制御することができるため、アプリケーションの主導の基で所望のタイミングでアプリケーションを動作させることができようになる。また、アプリケーションを動作し続けることなく所望のタイミングでアプリケーションが動作可能となることから、待ち受け時間が短縮されることを防止することができるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態における携帯通信機器(以下、「移動機」という。)のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
図1において、1は移動機100の全体の制御を行うCPU(中央処理装置)、2はオペレーティングシステムやネイティブプログラムなど各種制御プログラム、Java(TM)実行環境プログラム、各種のJava(TM)アプリケーションプログラム、各種のアプリケーションプログラムおよび各種データなどを記憶するROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、DRAMなどの揮発性メモリから構成される記憶部、3は表示部、4はキー入力部である。また、5はアンテナ、6は高周波増幅器、受信ミキサ、中間周波増幅器および復調部などからなる受信部、7は変調部、送信ミキサおよび送信電力増幅部などからなる送信部、8は前記受信ミキサおよび送信ミキサに高周波信号を供給する周波数シンセサイザ、9は音声信号処理などを行う信号処理部、10は送話用マイク(MIC)、11は受話用スピーカ(SP)である。
【0012】
本発明においては、このように構成された移動機100上にJava(TM)仮想マシン環境を実装し、Java(TM)アプリケーションプログラムを動作させることができるようになされている。図2はこのようなJava(TM)仮想マシン機能を持つ移動機(Java(TM)移動機)のソフトウェア構造の概要を示す図であり、図3はソフトウェア構造をより詳細に示す図である。
これらの図に示すように、移動機ネイティブ環境101の上にJava(TM)実行環境102が実装されており、その上でJava(TM)アプリケーション103が実行される。Java(TM)アプリケーション103は、3D(3次元)待ち受け用やゲーム等のアプリケーションプログラム、表示部3に表示する壁紙用等のアプリケーションプログラムとされる。移動機ネイティブ環境101は、移動機ハードウェア、オペレーティングシステム、および、ブラウザやネットワーキングコンポーネントなどのネイティブソフトウエアが含まれる移動機プラットフォームライブラリからなる。通常の電話機能やウェブサービスは、これらを使用して実行される。
【0013】
Java(TM)実行環境102は、Java(TM)移動機ソフトウェア構造のミドルウェアに位置し、上位のJava(TM)アプリケーション103と下位の移動機ネイティブ環境101におけるプログラムの実行と管理に必要なライブラリとプログラムを提供する。ここでは、組み込み機器をターゲットにしたJava 2 Platform Micro Edition(J2ME)が採用されており、Java(TM)仮想マシンであるKVM(K Virtual Machine)、クラスライブラリ、および、Java(TM)アプリケーションの実行制御機能および管理機能を有するアプリケーションマネージャが含まれている。
クラスライブラリには、コンフィギュレーションと呼ばれるコアクラスライブラリ(CLDC:Connected, Limited Device Configuration)とプロファイルと呼ばれる機器の種別に応じたクラスライブラリが含まれており、CLDC標準ライブラリ、携帯電話用プロファイルの標準であるMIDP(Mobile Information Device Profile)、拡張クラスライブラリ、および、移動機ネイティブ環境への組み込み用に特化した実行環境管理ライブラリが含まれている。この実行環境管理ライブラリには、メモリ管理機能、ストレージ管理機能、低レベルグラフィック機能、イベント制御機能、タイマ機能、時間管理機能、ネットワーク通信機能、システムプロパティ機能などが標準機能として含まれており、デバイスコントロール機能、メディアコンポーネント機能(メディアプレイヤ)、サウンド機能、スプライト機能、3Dポリゴン機能などが拡張機能として含まれている。
【0014】
上述した各ライブラリ及びソフトウェアを使用するために、図3に示すようにクラスライブラリ・アプリケーション・インターフェース(AP Class Library API)、移動機プラットフォーム・インターフェース(MS Platform API)、アプリケーションマネージャ・インターフェース(AM API)が規定されている。これにより、前記Java(TM)アプリケーション103は、クラスライブラリ・アプリケーション・インターフェースを介してAPクラスライブラリ(CLDC+MIDP+拡張クラスライブラリ)を使用し、Java(TM)実行環境102の管理プログラムは、移動機プラットフォーム・インターフェースを使用して移動機ネイティブ環境101内の移動機プラットフォーム・ライブラリを使用し、移動機ネイティブ環境101は、アプリケーションマネージャ・インターフェースを使用してアプリケーションマネージャの機能を使用することができる。
また、外部イベントなどが発生したときには、移動機ネイティブ環境101から前記実行環境管理ライブラリ中のイベント管理部に通知される。
【0015】
Java(TM)アプリケーション103は、1つのJAR(Java Archive)ファイルとそれに対応する1つのJAD(Java Application Descriptor)ファイル(記述子ファイル)で構成されている。
JARファイルは、Java(TM)アプリケーション103の実行に使用される圧縮/非圧縮のバイナリファイルであり、Java(TM)アプリケーション103で使用される全クラスファイル、Java(TM)アプリケーション103が使用する画像や音声などのリソースファイルおよびマニフェストファイルがまとめられたものである。マニフェストファイルは、アプリケーション名、バージョン、ベンダ名、クラス名、プログラムファイル名、コンフィギュレーション名、アプリケーションの説明などを記述したテキストファイルであり、Java(TM)アプリケーションの識別、インストール、および、JADファイルに記載されていない属性を使用するためにJARファイルに含まれているものである。
JADファイルは、対応するJARファイルの説明(属性)が記述されたテキストファイルであり、アプリケーション名、アプリケーションのバージョン、ベンダ名、JARファイルの存在する位置、JARファイルのサイズなどの各種情報が記述されている。
【0016】
前述のように、アプリケーションマネージャ110は、Java(TM)アプリケーション103の実行制御機能を有しており、移動機ネイティブ環境101は、このアプリケーションマネージャ110を使用してJava(TM)アプリケーション103の実行を制御する。このJava(TM)アプリケーション103の実行制御について図4を参照して説明する。
Java(TM)アプリケーション103を起動するとき、移動機ネイティブ環境101は、Java(TM)実行環境102を立ち上げ、前記アプリケーションマネージャ・インターフェースで定められるアプリケーション起動関数を呼び出すことにより、Java(TM)アプリケーション103を起動する。
【0017】
Java(TM)実行環境102およびJava(TM)アプリケーション103を外部からの何らかの理由(着信イベントなど)で一時停止させるときには、移動機ネイティブ環境101は、アプリケーションマネージャ・インターフェースで定められるアプリケーション一時停止関数を呼び出してJava(TM)アプリケーション103を一時停止させる。
また、Java(TM)アプリケーション103が自ら所定の関数を発行することにより、移動機ネイティブ環境101がアプリケーション一時停止関数を呼び出してJava(TM)アプリケーション103を一時停止させることもできる。
一時停止中のJava(TM)アプリケーション103を再開させるときは、移動機ネイティブ環境101は、アプリケーションマネージャ・インターフェースで定められるアプリケーション再開関数を呼び出し、Java(TM)アプリケーション103の実行を再開させる。
【0018】
ユーザからの終了要求などにより、Java(TM)アプリケーション103を終了させるときは、移動機ネイティブ環境101が、アプリケーションマネージャ・インターフェースで定められるアプリケーション終了関数を呼び出し、Java(TM)アプリケーション103を終了させる。
さらにまた、終了要求、一時停止要求などに対してJava(TM)実行環境102から応答がない場合等には、移動機ネイティブ環境101は、アプリケーションマネージャ・インターフェースで定められるアプリケーション強制終了関数を呼び出すことにより強制終了処理を行う。
ところで、本発明にかかる移動機100において特徴的なことは、Java(TM)アプリケーション103がタイマ設定要求を発行することにより、移動機ネイティブ環境101上で実行される起動タイマとされるネイティブタイマのタイマ設定を行えるようにしたことであり、この際に使用するクラスライブラリがAPクラスライブラリ(CLDC+MIDP+拡張クラスライブラリ)112に用意されている。
【0019】
次に、本発明のJava(TM)搭載の移動機100における移動機ネイティブ環境101上で実行されるネイティブタイマのタイマ設定処理のシーケンスを図5ないし図7に示す。ただし、図5はタイマ満了時にJava(TM)アプリケーションが一時停止状態になっている場合のシーケンス図であり、図6はタイマ満了時にJava(TM)アプリケーションが終了状態になっている場合のシーケンス図であり、図7はタイマ満了時にJava(TM)アプリケーションが起動を継続している場合のシーケンス図である。
図5に示すシーケンス図におけるタイマ設定処理を以下に説明する。Java(TM)アプリケーション103が起動中に、Java(TM)アプリケーション103がネイティブタイマのタイマ設定処理を開始すると、Java(TM)アプリケーション103はタイマ設定要求をJava(TM)実行環境に発行する。これを受けたJava(TM)実行環境102は、移動機ネイティブ環境101に対してタイマ設定要求を発行し、これにより、移動機ネイティブ環境101においてJava(TM)アプリケーションから指定された起動時刻がネイティブタイマにセットされる。
【0020】
この場合、移動機ネイティブ環境101におけるネイティブタイマに対するタイマイベントの設定は、設定時間からxx秒後に起動するという形で設定される。設定可能時間は、例えば1〜86400秒の範囲とされ、1つのJava(TM)アプリケーションにつき1イベントのみ設定可能とされる。ただし、ユーザ操作に基づく移動機ネイティブ環境101からのネイティブタイマの起動設定はこれとは独立して設定することができる。なお、タイマイベントはそのタイマ設定が解除されない限りJava(TM)アプリケーション103が終了した場合や、移動機100の電源をOFFにした場合にも解除されないようになされている。すなわち、これらの場合にはJava(TM)アプリケーション103が終了した時点でタイマのカウントを中断せずに継続して行なうようにしている。
【0021】
ここで、Java(TM)アプリケーション103から一時停止要求がJava(TM)実行環境102に発行されると、これを受けたJava(TM)実行環境102は、移動機ネイティブ環境101に対してJava(TM)アプリケーション103を一時停止させる一次停止開始要求を発行する。これを受けた移動機ネイティブ環境101は、Java(TM)実行環境102にJava(TM)アプリケーション103を一時停止させる一時停止要求を発行する。この一時停止要求の発行は、アプリケーションマネージャ・インターフェースで定められるアプリケーション一時停止関数を呼び出すことにより行われる。これにより、Java(TM)アプリケーション103およびJava(TM)実行環境102が一時停止される。Java(TM)実行環境102は、一時停止する際に移動機ネイティブ環境101に対して一時停止完了通知を発行し、移動機ネイティブ環境101はJava(TM)アプリケーション103およびJava(TM)実行環境102が一時停止されたことを知る。
【0022】
ここで、移動機ネイティブ環境101において実行中のネイティブタイマにセットされている時刻に達してタイマ満了となった場合に、表示部3に待ち受け画面が表示されている状態の時は、移動機ネイティブ環境101はJava(TM)実行環境102に対してJava(TM)起動要求を発行する。これにより、Java(TM)実行環境102が起動されて、Java(TM)実行環境102はJava(TM)アプリケーション103に対してJava(TM)起動要求を発行する。このJava(TM)起動要求は、移動機ネイティブ環境101がアプリケーションマネージャ・インターフェースで定められるアプリケーション再開関数を呼び出すことにより行われる。これにより、一次停止されていたJava(TM)アプリケーション103が再開されるようになる。
【0023】
Java(TM)実行環境102は起動に伴い、移動機ネイティブ環境101に対して起動完了通知を発行し、これを受けた移動機ネイティブ環境101はタイマ満了したタイマイベントをJava(TM)実行環境102に対して発行する。これを受けたJava(TM)実行環境102は、Java(TM)アプリケーション103に対してタイマイベントを発行し、Java(TM)アプリケーション103においてタイマイベントにより割込処理が開始されて実行されるようになる。この割込処理では、Java(TM)アプリケーション103に割込処理として用意されているプログラムが実行される。
【0024】
また、タイマ満了となったタイミングで、表示部3に待ち受け画面以外の画面(例えば、メニュー画面、メール画面、カメラ画面等)が表示されている状態とされている場合は、その画面から待ち受け画面に遷移したタイミングで移動機ネイティブ環境101がJava(TM)起動要求を発行する。これにより、Java(TM)実行環境102およびJava(TM)アプリケーションが再開されて、移動機ネイティブ環境101はタイマイベントをJava(TM)アプリケーション103に通知する。
【0025】
次に、図6に示すタイマ満了時にJava(TM)アプリケーションが終了状態になっている場合のシーケンス図におけるタイマ設定処理を以下に説明する。
Java(TM)アプリケーション103から移動機ネイティブ環境101上で実行されるネイティブタイマのタイマ設定処理については図5に示すシーケンスと同様であるのでその説明は省略する。ここで、ユーザからの終了要求などにより、Java(TM)アプリケーション103を終了させるときは、移動機ネイティブ環境101はJava(TM)実行環境102に対して終了要求を発行する。これにより、Java(TM)実行環境102が終了されて、Java(TM)アプリケーション103が終了される。終了要求の発行は、移動機ネイティブ環境101がアプリケーションマネージャ・インターフェースで定められるアプリケーション終了関数を呼び出すことにより行われる。Java(TM)実行環境102は、終了する際に移動機ネイティブ環境101に対して終了完了通知を発行し、移動機ネイティブ環境101はJava(TM)アプリケーション103およびJava(TM)実行環境102が終了したことを知る。
【0026】
ここで、移動機ネイティブ環境101において実行中のネイティブタイマにセットされている時刻に達してタイマ満了となると、移動機ネイティブ環境101はJava(TM)実行環境102に対してJava(TM)起動要求を発行する。これにより、Java(TM)実行環境102が起動されて、Java(TM)実行環境102はJava(TM)アプリケーション103に対してJava(TM)起動要求を発行する。このJava(TM)起動要求は、移動機ネイティブ環境101がアプリケーションマネージャ・インターフェースで定められるアプリケーション起動関数を呼び出すことにより行われる。これにより、Java(TM)アプリケーション103が起動される。そして、Java(TM)実行環境102は、移動機ネイティブ環境101に対して起動完了通知を発行し、これを受けた移動機ネイティブ環境101はタイマイベントをJava(TM)実行環境102に対して発行する。これを受けたJava(TM)実行環境102は、Java(TM)アプリケーション103に対してタイマイベントを発行し、Java(TM)アプリケーション103においてタイマイベントにより割込処理が開始されて実行されるようになる。この割込処理では、Java(TM)アプリケーション103に割込処理として用意されているプログラムが実行される。
【0027】
次に、図7に示すタイマ満了時にJava(TM)アプリケーションが起動を継続している場合のシーケンス図におけるタイマ設定処理を以下に説明する。
Java(TM)アプリケーション103から移動機ネイティブ環境101上で実行されるネイティブタイマのタイマ設定処理については図5に示すシーケンスと同様であるのでその説明は省略する。ここで、Java(TM)アプリケーション103が実行中に、移動機ネイティブ環境101において実行中のネイティブタイマにセットされている時刻に達してタイマ満了となると、移動機ネイティブ環境101はタイマイベントをJava(TM)実行環境102に対して発行する。これを受けたJava(TM)実行環境102は、Java(TM)アプリケーション103に対してタイマイベントを発行し、Java(TM)アプリケーション103においてタイマイベントにより割込処理が開始されて実行されるようになる。この割込処理では、Java(TM)アプリケーション103に割込処理として用意されているプログラムが実行される。
【0028】
以上説明したように、本発明の移動機100においてはJava(TM)アプリケーション103から起動タイマであるネイティブタイマのタイマ設定を行うインタフェースが追加されていると共に、起動タイマがタイムアップした際に起動要求を発行するだけではなくタイマイベントを送出するインタフェースも追加されている。
また、ネイティブタイマのタイマ満了時に、移動機100の電源がOFF状態とされていた時には、移動機100の電源がONされた後、待ち受け画面に遷移された時点で即時にJava(TM)実行環境102およびJava(TM)アプリケーション103を起動させ、タイマイベントを通知するようになされている。
【0029】
なお、Java(TM)アプリケーション103を起動するネイティブタイマのタイマ起動設定は、ユーザ操作によっても行うことができユーザ設定によるタイマ満了時にJava(TM)アプリケーション103を起動させることができる。ユーザ操作によるネイティブタイマのタイマ起動設定が、Java(TM)アプリケーション103によるネイティブタイマのタイマ起動設定と競合する場合は、ユーザ設定によるタイマ起動設定が優先する。すなわち、移動機ネイティブ環境101によるタイマ起動設定の起動タイマが満了した時に、Java(TM)アプリケーションのタイマ起動設定によるJava(TM)アプリケーションが起動していた場合は、そのJava(TM)アプリケーションは自動的に終了される。そして、Java(TM)アプリケーションによるタイマ起動設定による起動タイマが満了した時に、移動機ネイティブ環境101のタイマ起動設定によるJava(TM)アプリケーションが起動していた場合は、当該Java(TM)アプリケーションが終了するまで、Java(TM)アプリケーションのタイマ起動設定によるJava(TM)アプリケーションを起動しないようにしている。この様子を図8に示す。
【0030】
図8に示すように、Java(TM)アプリケーションAはJava(TM)アプリケーションAからのネイティブタイマによるタイマ起動設定がなされている。この場合、タイマ起動設定の起動条件が満了した際に、他のJava(TM)アプリケーションが起動していないことを条件にJava(TM)アプリケーションAが図示するように起動される。
また、Java(TM)アプリケーションBは移動機ネイティブ環境101からのネイティブタイマによるタイマ起動設定がなされている。そして、このタイマ起動設定の起動条件が満了すると、起動中のJava(TM)アプリケーションAが終了されて、Java(TM)アプリケーションBが優先して起動されるようになる。さらに、Java(TM)アプリケーションCはJava(TM)アプリケーションCからのネイティブタイマによるタイマ起動設定がなされている。この場合、タイマ起動設定の起動条件が満了しても、優先される移動機ネイティブ環境101によりタイマ起動されたJava(TM)アプリケーションBが起動していることからJava(TM)アプリケーションBの動作が継続され、Java(TM)アプリケーションCのは起動は保留される。そして、Java(TM)アプリケーションBが終了したタイミングで、Java(TM)アプリケーションCが起動されるようになる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、アプリケーションからのタイマ設定要求に基づいて、ネイティブ環境上で実行される起動タイマの設定要求をアプリケーション実行環境からネイティブ環境に対して行うことにより、ネイティブ環境においてタイマ設定が行われるようにしたので、アプリケーションからネイティブ環境上の起動タイマのタイマ設定を行うことができるようになる。これにより、アプリケーション自身によりアプリケーション起動のタイミングを制御することができるため、アプリケーションの主導の基で所望のタイミングでアプリケーションを動作させることができようになる。また、アプリケーションを動作し続けることなく所望のタイミングでアプリケーションが動作可能となることから、待ち受け時間が短縮されることを防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における携帯通信機器のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるJava(TM)仮想マシン機能を持つ移動機のソフトウェア構造の概要を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるJava(TM)仮想マシン機能を持つ移動機のソフトウェア構造の詳細を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる移動機のJava(TM)アプリケーションの実行制御について説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる移動機におけるネイティブタイマのタイマ設定処理のシーケンス図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる移動機におけるネイティブタイマのタイマ設定処理の他のシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる移動機におけるネイティブタイマのタイマ設定処理の他のシーケンス図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる移動機におけるタイマ満了時の起動競合を示す図である。
【図9】従来の移動機におけるネイティブタイマのタイマ設定処理のシーケンス図である。
【符号の説明】
1 CPU、2 ROM/RAM、3 表示部、4 キー入力部、5 アンテナ、6 受信部、7 送信部、8 シンセサイザ、9 信号処理部、10 MIC、11 SP、100 移動機、101 移動機ネイティブ環境、102 Java(TM)実行環境、103 Java(TM)アプリケーション、110 アプリケーションマネージャ、111 KVM、112 クラスライブラリ
Claims (4)
- ネイティブ環境上にアプリケーション実行環境を実装し、該アプリケーション実行環境上でアプリケーションを実行することが可能な携帯通信機器であって、
前記アプリケーション実行環境は、前記アプリケーションからのタイマ設定要求に基づいて、用意されたクラスライブラリを使用して前記ネイティブ環境に対して該ネイティブ環境上で実行される起動タイマの設定要求を行う機能を有し、
前記ネイティブ環境は、前記アプリケーション実行環境からの前記クラスライブラリを使用した前記起動タイマの設定要求に基づいて前記起動タイマの設定を行う機能と、前記起動タイマが満了した際に一時停止あるいは終了されている前記アプリケーション実行環境および前記アプリケーションを起動するよう制御する機能とを少なくとも有していることを特徴とする携帯通信機器。 - 前記ネイティブ環境は、前記起動タイマが満了して前記アプリケーションを起動した時に、前記タイマ設定要求で設定されたタイマイベントを前記アプリケーションに対して通知する機能を有し、前記起動タイマが満了した際に前記アプリケーションにおいて前記タイマイベントに基づく処理が実行されるようになされていることを特徴とする請求項1記載の携帯通信機器。
- 前記ネイティブ環境は、前記ネイティブ環境上で実行される前記起動タイマをユーザ操作によりユーザ設定する機能を有し、当該ユーザ設定に基づいて前記起動タイマが満了した際に一時停止あるいは終了されている前記アプリケーション実行環境および前記アプリケーションを起動するよう制御することを特徴とする請求項1記載の携帯通信機器。
- 前記ユーザ設定に基づいて前記起動タイマが満了した際の制御が、前記アプリケーション実行環境からのタイマ設定要求に基づいて前記起動タイマが満了した際の制御より優先して実行されることを特徴とする請求項3記載の携帯通信機器。
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