JP3957161B2 - Motor control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PWM制御等の制御によりブラシレスモータを制御するモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の空調装置における送風駆動源には、例えば、駆動回路に設けられたパワートランジスタ等の半導体素子をオン、オフすることで整流した電流をコイルに通電して永久磁石を含めて構成されるロータを回転させるブラシレスモータが採用されており、ブラシレスモータの回転駆動力によって空調装置の本体部分から車両室内へ送風している。
【0003】
一方、このようなブラシレスモータの駆動制御には、すなわち、上述した駆動回路に設けられた半導体素子のオン、オフ制御には、所謂PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)制御が採用されている。また、この種のPWM制御には、ブラシレスモータの巻線(コイル)の上段(コイルに流れる電流の向きに対してコイルの上流側)の半導体素子(以下、便宜上「上段半導体素子」と称する)と、巻線の下段(コイルに流れる電流の向きに対してコイルの下流側)の半導体素子(以下、便宜上「下段半導体素子」と称する)と、を相補的にPWM制御することで、全波整流しつつも任意の波形の通電を行なう方法(以下、便宜上「相補PWM制御」と称する)がある。
【0004】
さらに、この相補PWM制御に対しては、上段半導体素子及び下段半導体素子の何れか一方のみをPWM制御する方法(以下、便宜上「片側PWM制御」と称する)もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、相補PWM制御では、上段半導体素子と下段半導体素子とを交互にオン、オフさせる。理想的には上段半導体素子のオン、オフと下段半導体素子のオフ、オン(上段半導体素子のオフ、オンと下段半導体素子のオン、オフも含む)が同時に行なわれることが好ましいが、現実には、半導体素子のオン、オフ及びオフ、オンには時間的な遅延が発生するため、例えば、上段半導体素子のオン、オフと下段半導体素子のオフ、オンとを同時に行なおうとすると、一時的にではあるが、上段半導体素子と下段半導体素子の双方がオンとなってしまい、その結果、回路に不具合をきたす可能性がある。
【0006】
このような上段半導体素子と下段半導体素子の双方がオンになることを防止するために、通常は、上段半導体素子がオフするタイミングに対して下段半導体素子がオンするタイミングを遅延させ、一時的に双方の半導体素子がオフになる状態、所謂デッドタイムを設けている。
【0007】
しかしながら、デッドタイムの間はコイルへの通電が停止される。上記のようなPWM制御によってブラシレスモータを駆動制御する場合のモータの出力はコイルへの通電時間に応じて大きくなることを考えた場合、デッドタイムを設けることでコイルへの通電が停止されると、この停止時間分だけ出力が低下する。
【0008】
上述した片側PWM制御の場合には、その構造上、デッドタイムが不要であるため、このような問題は生じないが、片側PWM制御は相補PWM制御に比べると、駆動回路や制御回路等を含めた全体の回路構成の規模が大きく複雑であるため、特に、車両に搭載される空調装置用のモータアクチュエータのようにできるだけ小型化が要求される場合には片側PWM制御は不向きである。
【0009】
本発明は、上記事実を考慮して、ブラシレスモータの出力低下を抑制でき、しかも、回路規模を小さくできるモータ制御装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のモータ制御装置は、ブラシレスモータを構成する複数相の巻線に流れる電流に対して前記巻線の上流側に設けられた上段スイッチング素子並びに前記巻線の下流側に設けられた下段スイッチング素子を含めて構成され、前記上段及び下段の各スイッチング素子がスイッチングされることにより前記巻線の何れかの相に特定波形の電流を流す整流手段と、前記所定の信号波を生成して出力し、この所定の信号波に基づき前記上段及び下段の各スイッチング素子を所定時間スイッチングさせる制御手段と、を備えるモータ制御装置であって、前記制御手段は、前記信号波を出力している時間内の所定のタイミングでキャンセル信号を出力して、前記信号波の出力時間の範囲内で前記信号波に基づく前記スイッチングを停止させ、このスイッチングを停止している間に、前記信号波に基づいて前記上段及び下段の何れか一方のスイッチング素子が1回通電されている時間よりも長く連続して前記何れか一方のスイッチング素子を通電させて何れか他方のスイッチング素子の通電を停止させることで、前記上段及び下段の各スイッチング素子が同時に通電停止状態になるデッドタイムの発生を低減させ、更に、前記何れか一方のスイッチング素子の連続通電状態及び前記何れか他方のスイッチング素子の連続通電停止状態の継続時間の長さを前記巻線の通電周期毎に断続的に変化させる、ことを特徴としている。
【0011】
上記構成のモータ制御装置によれば、制御手段にて生成されたパルス信号等の所定の信号波が制御手段から出力されると、基本的にこの信号波に基づいて(より具体的には、信号波がパルス信号であればパルス信号のパルス幅等に基づいて)整流手段では上段スイッチング素子及び下段スイッチング素子が所定時間交互にスイッチングされる。このように、実際に上下段の各スイッチング素子がスイッチングさせることでブラシレスモータの巻線に特定の波形に整流された電流が流れ、ブラシレスモータのロータが回転する。
【0012】
ここで、本モータ制御装置では、上記の信号波が出力されている時間内の所定のタイミングで制御手段からキャンセル信号が出力される。このキャンセル信号が出力されることで、信号波が出力されている時間の範囲内で信号波に基づいた上下段の各スイッチング素子のスイッチングが停止させられる。さらに、このようにスイッチングが停止されている間では、上述した信号波に基づいて上段及び下段の何れか一方のスイッチング素子が1回通電されている時間(上述した所定時間内の一方のスイッチング素子の通電時間の総和ではなく、あくまでも、1回のON状態の時間)よりも長く連続してこの何れか一方のスイッチング素子が通電されて何れか他方のスイッチング素子の通電が停止される。
【0013】
したがって、この一方のスイッチング素子が連続したON状態で他方のスイッチング素子が連続したOFF状態の間にはデッドタイムが存在しない。これにより、上段スイッチング素子及び下段スイッチング素子をスイッチングさせる場合に比べて、巻線の通電時間中におけるデッドタイムの発生回数が減少する。これにより、デッドタイムによるブラシレスモータの出力低下を抑制できる。
【0014】
しかも、この連続通電時間及び連続通電停止時間の長さは、巻線の通電周期毎に段階的に変化するため、巻線に流れる電流が急激に変化することはなく、これにより、急激な電流変化に起因するブラシレスモータの回転数の急変を防止でき、ブラシレスモータの安定した制御が可能となる。
【0015】
請求項2記載のモータ制御装置は、ブラシレスモータを構成する複数相の巻線に流れる電流に対して前記巻線の上流側に設けられた上段スイッチング素子並びに前記巻線の下流側に設けられた下段スイッチング素子を含めて構成され、前記上段及び下段の各スイッチング素子のスイッチングで前記巻線の何れかの相に特定波形の電流を流す整流手段と、所定波形のパルス信号を生成して出力し、このパルス信号のパルス幅に応じて前記上段スイッチング素子及び前記下段スイッチング素子を所定時間スイッチングさせる制御手段と、を備えるモータ制御装置であって、前記制御手段は、前記パルス信号を出力している時間内の複数回の所定のタイミングでキャンセル信号を出力して、前記パルス信号が出力されている時間の範囲内で前記パルス信号に基づく前記上段及び下段の各スイッチング素子のスイッチングを複数回停止させ、このスイッチングを停止している間に、前記パルス信号に基づいて前記上段及び下段の何れか一方のスイッチング素子が1回通電されている時間よりも長く連続して前記何れか一方のスイッチング素子を通電させて何れか他方のスイッチング素子の通電を停止させることで、前記上段スイッチング素子及び前記下段スイッチング素子の双方が同時に通電停止状態になるデッドタイムの発生を低減させる、ことを特徴としている。
【0016】
上記構成のモータ制御装置によれば、制御手段にて生成されたパルス信号が制御手段から出力されると、基本的にこのパルス信号のパルス幅に応じて整流手段では上段スイッチング素子及び下段スイッチング素子が所定時間交互にスイッチングされる。このように、実際に上下段の各スイッチング素子がスイッチングされることでブラシレスモータの巻線に特定の波形に整流された電流が流れ、ブラシレスモータのロータが回転する。
【0017】
ここで、本モータ制御装置では、上記のパルス信号が出力されている時間内の複数回の所定のタイミングで制御手段からキャンセル信号が出力される。このキャンセル信号が出力されることで、パルス信号が出力されている時間の範囲内でパルス信号に基づいた上下段のスイッチング素子のスイッチングが複数回停止させられる。さらに、このようにスイッチングが停止されている間では、上述したパルス信号のパルス幅に基づいて上段及び下段の何れか一方のスイッチング素子が1回通電されている時間(上述した所定時間内の一方のスイッチング素子の通電時間の総和ではなく、あくまでも、1回のON状態の時間)よりも長く連続してこの何れか一方のスイッチング素子が通電されて何れか他方のスイッチング素子の通電が停止される。
【0018】
したがって、この一方のスイッチング素子が連続したON状態で他方のスイッチング素子が連続したOFF状態の間にはデッドタイムが存在しない。これにより、上段スイッチング素子及び下段スイッチング素子をスイッチングさせる場合に比べて、巻線の通電時間中におけるデッドタイムの発生回数が減少する。これにより、デッドタイムによるブラシレスモータの出力低下を抑制できる。
【0019】
また、本モータ制御装置では、連続通電及び連続通電停止が、通常のパルス信号に基づく通電と交互(すなわち、断続的)に行なわれるため、この連続通電及び連続通電停止を行なうタイミングを調節することでブラシレスモータが作動した際に生じる音や振動の周期をブラシレスモータの整流周期に対して高次周期側へ偏らせることが可能となる。これにより、例えば、ブラシレスモータの作動状態で発生する音や振動を低減するための緩衝材の共振点から音や振動の周期が偏るように調整することも可能となり、これによって、防振性能や静粛性能が向上する。
【0020】
さらに、本モータ制御装置では、巻線の通電時間中であっても連続通電及び連続通電停止以外の状態では、上段スイッチング素子並びに下段スイッチング素子に対して通常のスイッチングが行なわれる。このため、巻線に流れる電流の波形を任意の波形に整流することも可能となる。
【0021】
請求項3記載のモータ制御装置は、請求項2記載の本発明において、前記制御手段は、前記連続通電状態及び連続通電停止状態の時間的な長さを、前記巻線の通電周期毎に段階的に変化させることを特徴としている。
【0022】
本モータ制御装置では、巻線への通電時における所定のタイミングでの一方のスイッチング素子に対する連続通電状態及び他方のスイッチング素子に対する連続通電停止状態の時間的な長さが、巻線の通電周期毎に段階的に変化される。このため、巻線に流れる電流が急激に変化することはなく、これにより、急激な電流変化に起因するブラシレスモータの回転数の急変を防止でき、ブラシレスモータの安定した制御が可能となる。
【0023】
請求項4記載のモータ制御装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の本発明において、前記制御手段は、前記連続通電状態及び連続通電停止状態の時間的な長さを、前記巻線の通電周期毎に段階的に長く若しくは短くすることを特徴としている。
【0024】
上記構成のモータ制御装置では、巻線への通電時における所定のタイミングでの一方のスイッチング素子に対する連続通電状態及び他方のスイッチング素子に対する連続通電停止状態の時間的な長さが巻線の通電周期毎に段階的に長くなり、或いは短くなる。このため、巻線に流れる電流が急激に増加或いは減少することはなく、これにより、急激な電流の増加或いは減少に起因するブラシレスモータの回転数の急変を防止でき、ブラシレスモータの安定した制御が可能となる。
【0025】
請求項5記載のモータ制御装置は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の本発明において、前記ブラシレスモータのロータの回転数を検出する回転数検出手段を設け、当該回転数検出手段により検出した前記ロータの実際の回転数と前記設定値との偏差に基づいて前記制御手段が前記連続通電状態及び前記連続通電停止状態の前記所定のタイミング及び時間的長さの少なくとも何れか一方を決定することを特徴としている。
【0026】
上記構成のモータ制御装置では、ロータの回転数が回転数検出手段により検出され、この回転数検出手段により検出された実際のロータの回転数が制御手段にフィードバックされる。上述した連続通電状態及び連続通電停止状態とするタイミングや時間的長さは、フィードバックされた実際のロータの回転数と設定値との偏差に基づいて決定される。
【0027】
これにより、回転数を変化させたい場合に設定値を変化させても、巻線に流れる電流の1周期中におけるデッドタイムの発生回数の急激な増減を防止でき、ブラシレスモータの回転数変化を安定させることができる。
【0028】
請求項6記載のモータ制御装置は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の本発明において、各々で前記複数相の巻線のうち1つの相の巻線に対する前記連続通電及び前記連続通電停止の継続時間の長さが異なる複数のマップデータが記憶された記憶手段を備えると共に、前記複数のマップデータは、各々が前記1つの相の巻線に対応する電気角360度分のデータとされて概念的に前記継続時間が短いものから長いものの順番に1列に並べられ、前記制御手段は、前記1つの相の巻線を除く他の相の巻線に対応する前記継続時間の設定に際して、前記1つの相の巻線対する前記他の相の位相差分だけずらした状態で前記マップデータを読み込むと共に、読み込んだ前記マップデータで前記位相差分だけ不足する分を、読み込んだ前記マップデータに対して概念的に隣接する次の前記マップデータで補う、ことを特徴としている。
【0029】
上記構成のモータ制御装置では、上段スイッチング素子及び下段スイッチング素子の連続通電及び連続通電停止の継続時間に対応するマップデータが予め記憶手段に記憶させられており、制御手段は記憶手段から対応するマップデータを読み込むことで、上段スイッチング素子及び下段スイッチング素子の連続通電及び連続通電停止の継続時間が設定される。
【0030】
このため、巻線に対する全体的な通電周期内における電気角毎の連続通電及び連続通電停止の判定が不用になるため制御手段の負荷が軽減される。これにより、処理速度が比較的遅い制御手段を用いることが可能となり、コストを安価にできる。
【0031】
ところで、本発明において、マップデータは複数相の巻線のうち、1つの相の巻線にしか対応しておらず、しかも、個々のマップデータは電気角で360度分しかない。
【0032】
ここで、本発明では、他の相の巻線に対する連続通電及び連続通電停止の継続時間の設定にも記憶手段に記憶された複数のマップデータを利用するが、他の相の巻線に対する継続時間を設定に際して制御手段はマップデータが用意された1つの相の巻線に対する他の相の巻線の電気的な位相差だけずらしてマップデータを読み込む。
【0033】
さらに、上記のように、マップデータは各々が電気角360度分しかないため、位相差分だけデータが不足するが、本発明では、上記のように、複数のマップデータが連続通電及び連続通電停止の継続時間の短いものから長いものへ概念的に1列に並んでおり、データの不足分は概念的に隣接する次のマップデータで補われる。
【0034】
このように、本発明では、各々が電気角360度分のデータを有する1つの相の巻線に対応するマップデータだけで、スイッチング素子の制御を行なうため、記憶手段に記憶させる全データ量を少なくでき、コストを安価にできる。
【0035】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態の構成>
(車載空調装置用モータアクチュエータ12の構成の概略)
図3には、本発明の第1の実施の形態に係るモータ制御装置10を備えた車載空調装置用モータアクチュエータ12(以下、単に「モータアクチュエータ12」と称する)を一部破断した正面断面図が示されている。
【0036】
この図に示されるように、本モータアクチュエータ12はハウジング14を備えており、その内側にはブラシレスモータ16(以下、単に「モータ16」と称する)とモータ制御装置10の制御基板18が収容されている。
【0037】
図3に示されるように、ハウジング14は一端が開口した浅底の略箱状に形成されており、ハウジング14の開口端には略円筒形状の筒部34がハウジング14に対して一体的に設けられている。
【0038】
また、ハウジング14には略円筒形状の支持部36が設けられており、この支持部36の外周部にはステータ28が一体的に取り付けられている。ステータ28は、薄珪素鋼板等から成る複数枚のコア片を積層して形成されたコア26を備えており、更に、このコア26には各々が巻線としての三相のコイル30A、30B、30Cから成るコイル群30(図2参照)が巻き掛けられている。これらのコイル30A〜30Cは、電気的な位相が120度ずれるように設けられており、これらのコイル30A〜30Cが所定の周期で交互に通電されることにより、ステータ28の周囲に所定の回転磁界を形成する。
【0039】
一方、図3に示されるように、支持部36の内側には一対の軸受38が固定されており、これらの軸受38によってシャフト20が支持部36並びに筒部34に対して同軸的で且つ自らの軸周りに回転自在に支持されている。
【0040】
このシャフト20の軸方向一端側は筒部34を貫通しており、その一端部若しくは一端部近傍にてシャフト20の回転力を受けて回動する図示しない空調装置本体に設けられた送風用のファンへ機械的に連結されている。
【0041】
また、シャフト20の筒部34から貫通した部分にはロータ22が一体的に取り付けられている。ロータ22はハウジング14の開口方向とは反対方向へ向けて開口した筒部34並びに支持部36に対して同軸の有底筒形状に形成されており、このロータ22の上底部をシャフト20が貫通している。
【0042】
このロータ22の内周部には、略円筒形状のマグネット24がロータ22に対して同軸的に固定されている。マグネット24はその軸心を介して半径方向一方の側はN極で他方の側がS極となるように形成されていると共に、自らの軸心周りに所定角度(例えば、60度)毎に磁極の極性が変わるように形成され、その周囲に所定の磁界を形成する。
【0043】
図3に示されるように、このマグネット24は支持部36の半径方向に沿ってステータ28の外側でステータ28と対向する如く設けられており、上述したコイル群30が通電されてステータ28の周囲に回転磁界が形成されると、この回転磁界とマグネット24が形成する磁界との相互作用で支持部36周りの回転力がマグネット24に生じ、これにより、シャフト20が回転する構成である。
【0044】
一方、図3に示されるように、ステータ28よりもハウジング14の底部側には制御基板18が配置されている。この制御基板18は表面及び裏面の少なくとも何れか一方にプリント配線が施されており、複数の抵抗素子やトランジスタ素子、更にはマイクロコンピュータ等の素子が上記のプリント配線を介して適宜に接続されている。
【0045】
(モータ制御装置10の構成の概略)
次に、制御基板18の概略的な構成、すなわち、本モータ制御装置10の概略的な構成について、図1及び図2に基づいて説明する。
【0046】
モータ制御装置10(制御基板18)は、速度指令回路42、電源スタンバイ回路44、パルス信号発生手段であり、また、キャンセル手段として制御手段を構成する速度制御演算部46、ドライバ手段として速度制御演算部46と共に制御手段を構成するプリドライバ回路48、整流手段としての三相インバータ50、昇圧回路52を含めて構成されている。
【0047】
速度指令回路42は、フィルタ回路や増幅回路等の各種回路を含めて構成され、或いは、これらの回路を含めた構成と同等の機能を有するIC等により構成されており、例えば、車両のインパネ等に設けられた空調装置のON/OFF用や風量の切り替え用として用いられる1乃至複数の操作スイッチ54からの操作信号が入力される。
【0048】
電源スタンバイ回路44は、速度指令回路42と後述する速度制御演算部46の間に介在しており、空調装置の停止状態にあっても電源56から空調装置へ流れる微弱な電流を制御して抑制する回路である。
【0049】
速度制御演算部46は、CPU62、記憶手段としてのROM64、RAM66、タイマ68等を含めて構成されたマイコンで、構造的には1乃至複数の集積回路により構成されており、機能的にはコンパレータ回路(比較回路)、増幅回路、乗算回路等の各種回路及びこれらを組み合わせて構成される三角波やのこぎり波等の参照波信号生成回路やPWM(パルス幅変調)回路の機能を有し、最終的には、電源スタンバイ回路44を介して速度指令回路42から入力される速度指令信号に応じたPWM信号を出力する。
【0050】
また、ROM64には、複数のマップデータが記憶されており、CPU62は、ROM64から複数のマップデータのうちの何れかを読み込む。マップデータは、後述するキャンセル信号の生成に供される。
【0051】
ここで、キャンセル信号は、上記のPWM信号をキャンセルして、予め設定された長さだけ後述するMOSFET70A〜70C、72A〜72Cを連続して通電し、又は通電を停止するための信号である。
【0052】
この連続通電及び連続通電停止の継続時間は、後述するホールIC素子78A〜78Cでの検出結果から得られる実際のロータ22の回転数と、設定されたロータ22の回転数との偏差に基づいて決められ、連続通電状態及び連続通電停止状態の継続時間が短いものから長いものへの順番に用意されたマップデータの少なくとも一部としてROM64に記憶されている。
【0053】
ここで、図6には、上記のマップデータを概念的に表した図が示されている。この図に示されるように、マップデータは、マップデータ1からマップデータNまで複数設けられている。マップデータ1は、上述した連続通電及び連続通電停止の継続時間の時間的長さが「0」とされ、マップデータ2、マップデータ3、・・・の順番で、継続時間の時間的長さが漸次若しくは段階的に増加し、マップデータNで連続通電及び連続通電停止の継続時間の時間的長さが最大となる。
【0054】
また、これらのマップデータは、概念的にマップデータ1からマップデータNまで1列に順番に並んでいる。さらに、マップデータ2からマップデータN−1までは、基本的に1つずつしか用意されていないが、上記継続時間の時間的長さが「0」のマップデータ1と、上記継続時間の時間的長さが最大となるマップデータNは2個ずつ用意されており、図6に示されるように、概念的に1列に並んだマップデータは、先頭に2つのマップデータ1が並ぶと共に最後に2つのマップデータNが並ぶ。
【0055】
さらに、マップデータはROM64にはコイル30A〜30Cの各相のうち、コイル30Aに対応した相のマップデータデータしか用意されていない。しかも、各マップデータは電気角で360度分しか有していない。
【0056】
三相インバータ50は、各々が上段スイッチング素子(若しくは、上段半導体素子)としての3つのNチャンネル・パワーMOS電界効果トランジスタ70A、70B、70Cと、各々が下段スイッチング素子(若しくは、下段半導体素子)としての3つのNチャンネル・パワーMOS電界効果トランジスタ72A、72B、72Cとを備えている(以下、これらのNチャンネル電界効果トランジスタ70A〜70C、72A〜72Cを、便宜上「MOSFET70A〜70C、72A〜72C」と称する)。
【0057】
これらのMOSFET70A〜70C、72A〜72Cのうち、MOSFET70Aのソース及びMOSFET72Aのドレインはコイル30Aの端子へ接続されている。また、MOSFET70Bのソース及びMOSFET72Bのドレインはコイル30Bの端子へ接続されており、MOSFET70Cのソース及びMOSFET72Cのドレインはコイル30Cの端子へ接続されている。
【0058】
プリドライバ回路48は、速度制御演算部46と三相インバータ50との間に介在する回路で、上述したMOSFET70A〜70C、72A〜72Cの各ゲートへ接続されており、速度制御演算部46からのPWM信号に基づいて三相インバータ50の各MOSFET70A〜70C、72A〜72Cへ「HIGH」レベル若しくは「LOW」レベルのスイッチング信号をMOSFET70A〜70C、72A〜72Cの各ゲートへ出力する。従来周知のようにMOSFET70A〜70C、72A〜72Cは「LOW」レベルのスイッチング信号がゲートに入力された状態ではOFF状態で基本的に電源56からの電流がドレインからソースへ流れることはないが、「HIGH」レベルのスイッチング信号がゲートに入力されることでON状態となり電源56からの電流がドレインからソースへ流れる。
【0059】
昇圧回路52は、プリドライバ回路48へ接続された回路で、MOSFET70A〜70Cへ出力するスイッチング信号の電圧レベルを、電源56の電圧レベルよりも高くするための回路である。
【0060】
一方、本モータ制御装置10は回転数検出手段としての回転検出装置74を備えている。
【0061】
この回転検出装置74は、センサマグネット76と3つのホールIC素子78A、78B、78Cとを含めて構成されている。
【0062】
センサマグネット76は、シャフト20の軸方向他端側にシャフト20に対して同軸的且つ一体的に固定されている。このセンサマグネット76もまた永久磁石で、その軸心周りに所定角度(例えば、60度)毎にN極とS極とが交互に位置する多極磁石とされており、その周囲に特定の磁界を形成する。
【0063】
一方、ホールIC素子78A〜78Cはセンサマグネット76の半径方向外側でセンサマグネット76の軸心周りに120度毎に設けられており、各々の位置でセンサマグネット76の磁界を構成する磁力線を検出する。
【0064】
これらのホールIC素子78A〜78Cは各々が上述した速度制御演算部46へ接続されている。
【0065】
また、本モータ制御装置10は電流センサ82、電圧センサ84、温度センサ86等の各種のセンサを備えている。電流センサ82は三相インバータ50に流れる電流の電流値を検出し、また、電圧センサ84は三相インバータ50に印加される電圧を検出する。さらに、温度センサ86は三相インバータ50等の温度を検出する。これらの電流センサ82、電圧センサ84、温度センサ86等の各種のセンサは、速度制御演算部46のCPU62へ接続されており、検出値に対応した信号はCPU62へ出力され、電流、電圧、温度が正常であるか否かを判定し、仮に各センサ82〜86が異常な電流、電圧、温度の何れかを検出した場合にはCPU62がモータ16を停止させる。
【0066】
<第1の実施の形態の作用、効果>
(基本的な動作の概略)
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0067】
本モータ制御装置10は、所謂「相補PWM制御」でモータ16の駆動制御を行なっている。相補PWM制御に関しては基本的に周知の技術であるので詳細な説明は省略して以下に簡単に説明する。
【0068】
本モータ制御装置10では、空調装置のON/OFF若しくは風量切り替えのために操作スイッチ54が操作されると、操作スイッチ54から所定電圧の操作信号が出力されて速度指令回路42に入力される。
【0069】
速度指令回路42に入力された操作信号は速度指令回路42で速度制御演算部46のCPU62にて比較等を行ないうる設定値としての速度指令信号に変換されたのち電源スタンバイ回路44を介して速度制御演算部46へ出力される。
【0070】
速度制御演算部46に入力された速度指令信号と、別に速度制御演算部46にて生成された三角波やのこぎり波等の参照波信号の各々は、コンパレート回路と同等の処理がなされ、更に、速度指令信号と原信号に基づいて操作指令信号レベルに応じたパルス幅を有するパルス信号としてのPWM信号が生成され、プリドライバ回路48へ出力される。
【0071】
プリドライバ回路48では、昇圧回路52と共にPWM信号のレベル及びパルス幅に基づいて各MOSFET70A〜70C、72A〜72Cの各々をON/OFFしうる駆動信号としてのパルス状のスイッチング信号が生成され、このスイッチング信号が三相インバータ50の各MOSFET70A〜70C、72A〜72Cのゲートへ出力される。
【0072】
上述したように、MOSFET70A〜70C、72A〜72Cの各々は入力されたスイッチング信号が「LOW」レベルであれば、OFF状態となって基本的にドレインからソースへの電源56からの電流を遮断し、「HIGH」レベルであれば、ON状態となって電源56からの電流がドレインからソースへ流れることを許容する。ここで、スイッチング信号は上記のPWM信号に基づいて生成されることで、MOSFET70A〜70Cの何れかとMOSFET72A〜72Cの何れかとが交互にON状態となり、これにより、図4に示されるような矩形波の電流が整流されてコイル30A〜30Cに流れる。
【0073】
このようにしてコイル30A〜30Cの周囲に所定の磁界が形成され、コイル30A〜30Cが形成する磁界とマグネット24が形成する磁界との相互作用によってマグネット24が回転し、更に、マグネット24と一体のシャフト20が回転する。上述したように、シャフト20はハウジング14の外側で空調装置のファンに連結されているため、シャフト20が回転することでファンが回転し、これにより、空調装置から送風される。
【0074】
一方、シャフト20が回転することでセンサマグネット76が共に回転する。上記のようにセンサマグネット76は多極磁石を形成しており、その周囲に特定の磁界を形成しているが、センサマグネット76が回転することで、センサマグネット76の周囲に対するセンサマグネット76の磁界が変動する。
【0075】
センサマグネット76の周囲における磁界の変動は、センサマグネット76の周囲における特定位置での磁力線の強度変化となる。センサマグネット76が形成する磁界の磁力線は、センサマグネット76の周囲に配置されたホールIC素子78A〜78Cにより検出されており、検出した磁力線の強度に応じた回転信号がホールIC素子78A〜78Cから速度制御演算部46に出力される。
【0076】
速度制御演算部46では、各ホールIC素子78A〜78Cから入力された回転信号に基づいて実際のロータ22(シャフト20)の回転方向と回転数が算出される。さらに、速度制御演算部46において、この算出結果に基づいた実回転信号と上述した速度指令信号の各々はコンパレート回路と同等の処理がなされて偏差がとられる。速度制御演算部46では、この偏差に基づいたPWM信号を生成し、プリドライバ回路がこのPWM信号に基づいてMOSFET70A〜70C、72A〜72Cをスイッチング操作することで、シャフト20の回転数が補正される。
【0077】
(本実施の形態の特徴的な作用、効果)
ここで、本モータ制御装置10では、例えば、速度制御演算部46に算出された実回転信号と速度指令信号との偏差に基づいて決められたPWM信号が所定範囲を超えない場合には、先ず、速度制御演算部46のROM64に記憶された複数のマップデータのうち、連続通電状態及び連続通電停止状態の継続時間の時間的長さが「0」のマップデータ1がCPU62に読み込まれる。
【0078】
ここで、この状態では基本的にマップデータ1に基づいて速度制御演算部46でキャンセル信号が生成され、PWM信号に対して割り込んでプリドライバ回路48に出力される。が、上記のように、マップデータ1は、連続通電状態及び連続通電停止状態の継続時間の時間的長さが「0」であるため、キャンセル信号がプリドライバ回路48に入力されたことによる実質的な変化は生じず、PWM信号に基づいてスイッチング信号をプリドライバ回路48が生成してMOSFET70A〜70C、72A〜72Cに対して出力する。
【0079】
これに対して、速度制御演算部46にて算出された上記偏差に基づいて決められたPWM信号が、所定範囲を超える場合には、速度制御演算部46のROM64に記憶された複数のマップデータ1からマップデータNのうち、フィードバックされた実際のロータ22の回転数(すなわち、ホールIC素子78A〜78Cでの検出信号に基づくロータ22の実回転数)と、速度指令信号との偏差に基づいて決められたPWM信号に対応するマップデータがCPU62に読み込まれる。これにより、CPU62が読み込んだマップデータに基づいて、図5に示されるように、速度制御演算部46にてコイル30A〜30Cのトータル的な通電時間よりも充分に短く且つ1回の通電時間よりも長いキャンセル信号がPWM信号に割り込んでコイル30A〜30Cの各相に対応して生成され、コイル30A〜30Cへの通電開始から終了するまでの間の略中間部に対応してPWM信号に割り込むようにキャンセル信号がプリドライバ回路48へ出力される。
【0080】
キャンセル信号が入力されたプリドライバ回路48は、このキャンセル信号に対応したMOSFET70A〜70C、72A〜72Cに対してキャンセル信号入力直前の信号を連続的に出力し続ける。すなわち、キャンセル信号入力直前がON状態であったキャンセル信号に対応するMOSFET70A〜70C、72A〜72Cは、キャンセル信号が終了するまでの間ON状態を維持し、キャンセル信号入力直前がOFF状態であったキャンセル信号に対応するMOSFET70A〜70C、72A〜72Cは、キャンセル信号が終了するまでの間OFF状態を維持する。
【0081】
さらに、速度制御演算部46からのキャンセル信号の出力が終了すると、その直後に再びPWM信号が速度制御演算部46からプリドライバ回路48へ出力され、再び、MOSFET70A〜70C、72A〜72Cがスイッチング操作される。
【0082】
この状態から更に速度制御演算部46にて算出された上記偏差に基づいて決められたPWM信号が所定範囲を超える場合には、上記継続時間の時間的長さが長いマップデータに基づいてキャンセル信号が生成されてプリドライバ回路48へ出力される。但し、この場合でのキャンセル信号の長さは、コイル30A〜30Cの通電時間以下の長さで、速度制御演算部46にて算出された上記偏差に基づいて決められたPWM信号が所定範囲を超える状態が引き続き継続することで漸次(段階的に)キャンセル信号が長くなり、最終的にはコイル30A〜30Cの通電時間と同じとなる。
【0083】
ここで、上記のようなキャンセル信号が生成されて出力され、これに基づき、スイッチング操作が停止されるが、コイル30A〜30Cに通電されていることに変わりはない。このため、基本的にはスイッチング操作を行なった場合と同様にモータ16のシャフト20が回転する。
【0084】
但し、キャンセル信号に基づいてスイッチング操作が停止している状態では、MOSFET70A〜70Cのうちキャンセル信号に対応した素子は連続的にON状態若しくはOFF状態となり、MOSFET72A〜72Cのうちキャンセル信号に対応した素子は連続的にOFF状態若しくはON状態となるため、対応するコイル30A〜30Cには連続して電流が流れ、その結果、スイッチング操作時とは異なりデッドタイムが無くなる。
【0085】
このデッドタイムの間は、MOSFET72A〜72Cの何れかの素子及びこの何れかの素子に対応するMOSFET70A〜70Cの双方がOFF状態となり、対応するコイル30A〜30Cに電流が流れず、その結果、モータ16の出力は、このデッドタイムの総和に対応して低下する。
【0086】
しかしながら、本モータ制御装置10では、上記のように一時的にではあるがデッドタイムが無くなるため、モータ16の出力低下を抑制できる。
【0087】
しかも、上記偏差に基づいて決められたPWM信号が所定範囲を超える状態が継続している場合には、キャンセル信号が漸次(段階的に)長くなり、最終的にはコイル30A〜30Cの通電時間と同じになる。したがって、上記偏差に基づいて決められたPWM信号が所定範囲を超える状態が継続していれば、デッドタイムは漸次(段階的に)減少し、最終的には最長のキャンセル信号(すなわち、マップデータNに基づくキャンセル信号)によってデッドタイムが消滅し若しくは最小となる。このため、より一層、モータ16の出力低下を抑制できる。
【0088】
また、通常のPWM信号がプリドライバ回路48へ出力された直後に最長のキャンセル信号をプリドライバ回路48に出力しデッドタイムの発生回数を急激に減少させることが可能である。しかしながら、デッドタイムの減少分に対応してコイル30A〜30Cへの通電電流が増加することを考慮すると、デッドタイム発生回数の急激な減少はコイル30A〜30Cの通電電流の急激な増加となり、その結果、モータ16の回転数が急変し、制御性が悪くなる。
【0089】
ここで、本モータ制御装置10では、段階的にキャンセル信号を長くすることで段階的にデッドタイムの発生回数を減少させているため、コイル30A〜30Cの通電電流が段階的に増加され、モータ16の回転数を急変させることなく制御できる。
【0090】
さらに、本モータ制御装置10以外の構成であっても本モータ制御装置10と同様の効果を得ることは可能である。しかしながら、同様の効果を得るための構成と比べると相補PWM制御を行なう本モータ制御装置10は回路規模を小さくでき、その結果、コストを安価にでき小型化も可能となる。
【0091】
ところで、上述したキャンセル信号は、コイル30A〜30Cの各相に応じて生成される。これに対して、キャンセル信号の生成に用いられるマップデータは、コイル30Aに対応したマップデータしかROM64に記憶されておらず、しかも、マップデータの各々は電気角360度分しか有していない。
【0092】
ここで、本実施の形態では、コイル30Bに対応するキャンセル信号を生成する際にも、CPU62はコイル30Aに対応したマップデータを用いる。但し、コイル30Aとコイル30Bとでは、電気角で120度だけ位相がずれているため、コイル30Bに対応するキャンセル信号を生成する際にCPU62は、この位相差分だけずれた状態でマップデータを読み込む(図6の概念図を参照)。
【0093】
しかしながら、上記のように、各マップデータは電気角360度分しか有していないため、コイル30Bに対応するキャンセル信号を生成する際にCPU62は、この位相差分だけデータが不足する。
【0094】
ここで、本実施の形態では、上述したように、各マップデータは、キャンセル信号の時間的長さ(連続通電及び連続通電停止の継続時間の時間的長さ)が短いものから長いものへ概念的に順番に1列に並べられているため、CPU62は、上記の不足分を隣接する次のマップデータで補うように隣接する2つのマップデータを跨いでROM64から読み込む。
【0095】
同様に、コイル30Cに対応したキャンセル信号を生成する際には、コイル30Aとコイル30Cとの位相差分(電気角で240度)だけずれた状態でCPU62がROM64からマップデータを読み込む(図6の概念図を参照)。
【0096】
さらに、位相差分に対応したデータの不足分は、CPU62が隣接する次のマップデータで補うように隣接する2つのマップデータを跨いでROM64から読み込む。
【0097】
また、上記継続時間の時間的長さが「0」であるマップデータ1と上記継続時間の時間的長さが最大になるマップデータNはそれぞれ2つずつ用意されており、図6に示されるように、マップデータ1同士、及び、マップデータN同士が概念的に並んでいる。このため、上記継続時間の時間的長さを「0」とする場合及び上記継続時間の時間的長さを最大とする場合には、最初(先頭側)のマップデータ1又はマップデータNに基づいてコイル30Aに対応したキャンセル信号を生成することで、コイル30B、30Cに対応したキャンセル信号が後方で隣接するマップデータに跨っても、この後方側で隣接するマップデータは同一のマップデータ1又はマップデータNとなる。このため、この状態では、コイル30A〜30Cの各々に対応した全てのキャンセル信号による上記継続時間の時間的長さを「0」又は最大にできる。
【0098】
このように、本実施の形態では、コイル30A〜30Cの各々(各相)に対応したキャンセル信号を生成するにあたり、予め、キャンセル信号に含まれる連続通電及び連続通電停止の継続時間に対応するマップデータ1〜マップデータNを用意して、これらのマップデータ1〜マップデータNを連続通電及び連続通電停止の時間的長さが短いものから長いものへ概念的に1列に順番にROM64に記憶させているため、各コイル30A〜30Cでの通電波形の位相角に連続通電及び連続通電停止の判定をCPU62が行なわなくてよい。このため、CPU62の負荷を軽減でき、比較的処理速度が遅いCPU62でも充分に用いることができるため、コストを安価にできる。
【0099】
また、本実施の形態では、上記のように、ROM64に記憶させたマップデータの各々は、コイル30Aに対応したマップデータしか備えていない。しかも、各マップデータは、電気角で360度分しか有していないことから、ROM64での記憶量を効果的に軽減できるため、記憶容量の少ないROM64を適用でき、この意味でコストを安価にできる。
【0100】
<第2の実施の形態>
図7には本実施の形態に係るモータ制御装置110の構成がブロック図により示されている。この図に示されるように、モータ制御装置110は前記第1の実施の形態における速度制御演算部46に代わり制御手段を構成する速度制御演算部112を備えている。この速度制御演算部112の構造的な構成は基本的に速度制御演算部46と同じであるが、速度制御演算部112で生成されるキャンセル信号の態様が速度制御演算部46で生成されるキャンセル信号とは異なる。
【0101】
すなわち、本モータ制御装置110では、速度制御演算部112により算出された実回転信号と速度指令信号との偏差に基づいて決められたPWM信号が、所定範囲を超える場合には、速度制御演算部112にてコイル30A〜30Cの通電時間よりも充分に短いキャンセル信号がPWM信号の生成に割り込んで生成されるが、図8に示されるように、コイル30A〜30Cの通電時間に対応したPWM信号に複数回に分かれて段階的に割り込むように生成される。
【0102】
したがって、本モータ制御装置110では、MOSFET70A〜70C及びMOSFET72A〜72Cの何れか一方がONを維持して何れか他方がOFFを維持する状態が、コイル30A〜30Cの通電時間内に複数回出現する。
【0103】
さらに、本実施の形態でも前記第1の実施の形態と同様に上記偏差に基づいて決められたPWM信号が所定範囲を超える状態が継続することで段階的にキャンセル信号が長くなる。
【0104】
このように本モータ制御装置110でも、キャンセル信号に基づいてMOSFET70A〜70C及びMOSFET72A〜72Cの何れか一方がONを維持して何れか他方がOFFを維持した状態ではデッドタイムが無くなるため、基本的には前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0105】
また、本モータ制御装置110では、コイル30A〜30Cの通電時間に対応したPWM信号に対してキャンセル信号を複数回に分けて割り込ませることで、モータ16が作動した際に生じる音や振動の周期をモータ16の整流周期に対して高次周期側へ偏らせることが可能となる。したがって、例えば、モータ16の作動状態で発生する音や振動を低減するために、ゴム材を用いたゴム・アイソレーション構造を採用した場合に、ゴム材の共振点から音や振動の周期が偏るように調整することも可能となり、これによって、防振性能や静粛性能が向上する。
【0106】
さらに、本モータ制御装置110では、コイル30A〜30Cの通電時間中であってもキャンセル信号が割り込んでいない範囲ではMOSFET70A〜70C及びMOSFET72A〜72Cに対して通常のスイッチング信号がプリドライバ回路48から出力される。このため、コイル30A〜30Cに流れる電流の波形を任意の波形に整流でき、例えば、擬似的な正弦波等を作ることも可能である。
【0107】
なお、上記の各実施の形態では、PWM信号に割り込むようにキャンセル信号をプリドライバ回路48へ出力されることで、このキャンセル信号に基づいてMOSFET70A〜70C及びMOSFET72A〜72Cの何れか一方のONを維持して何れか他方のOFFを維持する構成である。しかしながら、本発明の観点からすれば、本発明がこのようなPWM信号をキャンセルするキャンセル信号を割り込ませる構成に限定されるものではなく、例えば、所謂シーケンス制御によって、所定のタイミングでMOSFET70A〜70C及びMOSFET72A〜72Cの何れか一方のONを維持して何れか他方のOFFを維持する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るモータ制御装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】整流手段(三相インバータ)の構成と周囲との関係の概略を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るモータ制御装置を適用したブラシレスモータアクチュエータの構成の概略を示す断面図である。
【図4】コイルに流れる電流波形を示すタイムチャートである。
【図5】コイルに流れる電流波形とキャンセル信号との対応を示すタイムチャートである。
【図6】記憶手段としてのにROMに記憶させたマップデータとマップデータを読み込むCPUとの関係を概念的に示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るモータ制御装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図8】第2の実施の形態においてコイルに流れる電流波形とキャンセル信号との対応を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10・・・モータ制御装置、16・・・ブラシレスモータ、22・・・ロータ、30A、30B、30C・・・コイル(巻線)、46・・・速度制御演算部(制御手段)、64・・・ROM(記憶手段)、48・・・プリドライバ回路(制御手段)、50・・・三相インバータ(整流手段)、70A、70B、70C・・・MOSFET(上段スイッチング素子)、72A、72B、72C・・・MOSFET(下段スイッチング素子)、74・・・回転検出装置(回転数検出手段)、110・・・モータ制御装置、112・・・速度制御演算部(制御手段)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a motor control device that controls a brushless motor by control such as PWM control.
[0002]
[Prior art]
An air blower drive source in a vehicle air conditioner includes, for example, a rotor that includes a permanent magnet by energizing a coil with a current rectified by turning on and off a semiconductor element such as a power transistor provided in a drive circuit. A brushless motor that rotates the motor is employed, and air is blown into the vehicle compartment from the main body of the air conditioner by the rotational driving force of the brushless motor.
[0003]
On the other hand, so-called PWM (Pulse Width Modulation) control is adopted for the drive control of such a brushless motor, that is, for the on / off control of the semiconductor elements provided in the drive circuit described above. . In addition, in this type of PWM control, a semiconductor element (hereinafter referred to as “upper semiconductor element” for convenience) in the upper stage of the winding (coil) of the brushless motor (upstream of the coil with respect to the direction of current flowing in the coil). And the lower part of the winding (downstream of the coil with respect to the direction of the current flowing in the coil) (hereinafter referred to as “lower semiconductor element” for the sake of convenience) by complementary PWM control, There is a method (hereinafter referred to as “complementary PWM control” for the sake of convenience) of energizing an arbitrary waveform while rectifying.
[0004]
Furthermore, for this complementary PWM control, there is also a method of performing PWM control on only one of the upper semiconductor element and the lower semiconductor element (hereinafter referred to as “one-side PWM control” for convenience).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the complementary PWM control, the upper semiconductor element and the lower semiconductor element are alternately turned on and off. Ideally, it is preferable that the upper semiconductor element is turned on / off and the lower semiconductor element is turned off / on at the same time (including the upper semiconductor element is turned off and on and the lower semiconductor element is turned on / off). Since the semiconductor element is turned on, off, off, and on, a time delay occurs. For example, if the upper semiconductor element is turned on and off and the lower semiconductor element is turned on and off at the same time, However, both the upper semiconductor element and the lower semiconductor element are turned on, and as a result, the circuit may be defective.
[0006]
In order to prevent both the upper semiconductor element and the lower semiconductor element from being turned on, normally, the timing at which the lower semiconductor element is turned on is delayed with respect to the timing at which the upper semiconductor element is turned off. A state in which both semiconductor elements are turned off, that is, a so-called dead time is provided.
[0007]
However, energization of the coil is stopped during the dead time. Considering that the output of the motor when the brushless motor is driven and controlled by PWM control as described above increases in accordance with the energization time of the coil, if the energization to the coil is stopped by providing a dead time The output is reduced by this stop time.
[0008]
In the case of the above-described one-side PWM control, such a problem does not occur because the dead time is unnecessary due to its structure, but the one-side PWM control includes a drive circuit, a control circuit, and the like as compared with the complementary PWM control. Further, since the scale of the entire circuit configuration is large and complicated, the one-side PWM control is not suitable particularly when miniaturization is required as much as a motor actuator for an air conditioner mounted on a vehicle.
[0009]
An object of the present invention is to obtain a motor control device that can suppress a decrease in the output of a brushless motor and can reduce the circuit scale in consideration of the above facts.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The motor control device according to
[0011]
According to the motor control device configured as described above,Generated by the control meansPredetermined signal waves such as pulse signals are controlledOut ofIs basically based on this signal wave (more specifically, based on the pulse width of the pulse signal, etc. if the signal wave is a pulse signal).)Flow meansThenUpper stage switching element and lower stage switching elementButSwitching alternately for a predetermined timeThisThein this wayActually, the upper and lower switching elementsButBy switching, a current rectified into a specific waveform flows through the winding of the brushless motor, and the rotor of the brushless motor rotates.
[0012]
Here, in this motor control device,The above signal wave is outputIn timeofAt a given timingA cancel signal is output from the control means. By outputting this cancel signal, switching of the upper and lower switching elements based on the signal wave is stopped within the time range in which the signal wave is output. Further, while the switching is stopped in this way, the time during which one of the upper and lower switching elements is energized once based on the signal wave described above (one switching element within the predetermined time described above). Is not the sum of the energization times of the first, but only one of the switching elements is energized continuously longer than the time of one ON state), and the energization of the other switching element is stopped.
[0013]
Therefore, there is no dead time between the one switching element being continuously ON and the other switching element being continuously OFF. Thereby, compared with the case where the upper stage switching element and the lower stage switching element are switched, the number of occurrences of dead time during the energization time of the winding is reduced. Thereby, the output fall of the brushless motor by dead time can be suppressed.
[0014]
In addition, since the length of the continuous energization time and the continuous energization stop time changes step by step for each energization cycle of the winding, the current flowing through the winding does not change abruptly. A sudden change in the rotation speed of the brushless motor due to the change can be prevented, and the brushless motor can be stably controlled.
[0015]
The motor control device according to
[0016]
According to the motor control device configured as described above,Generated by the control meansPulse signalOut of control meansThe rectifying means basically depends on the pulse width of this pulse signal.ThenUpper stage switching element and lower stage switching elementButSwitching alternately for a predetermined timeThisThein this wayActually, the upper and lower switching elementsButSwitchedThisAs a result, a current rectified into a specific waveform flows in the winding of the brushless motor, and the rotor of the brushless motor rotates.
[0017]
Here, in this motor control device,The above pulse signal is outputIn timeofMultiple predetermined timesA cancel signal is output from the control means. By outputting the cancel signal, switching of the upper and lower switching elements based on the pulse signal is stopped a plurality of times within the time range in which the pulse signal is output. Further, while the switching is stopped in this way, the time during which one of the upper and lower switching elements is energized once based on the pulse width of the above-described pulse signal (one of the above-mentioned predetermined time). This is not the sum of the energization times of the switching elements, but only one of these switching elements is energized continuously for longer than the time of one ON state), and the energization of either of the other switching elements is stopped. .
[0018]
Therefore, there is no dead time between the one switching element being continuously ON and the other switching element being continuously OFF. Thereby, compared with the case where the upper stage switching element and the lower stage switching element are switched, the number of occurrences of dead time during the energization time of the winding is reduced. Thereby, the output fall of the brushless motor by dead time can be suppressed.
[0019]
Further, in this motor control device, continuous energization and continuous energization stop are performed alternately (that is, intermittently) with energization based on a normal pulse signal, so the timing for performing this continuous energization and continuous energization stop is adjusted. Thus, the period of sound and vibration generated when the brushless motor is operated can be biased toward the higher order period with respect to the rectification period of the brushless motor. As a result, for example, it is possible to adjust so that the period of the sound and vibration is deviated from the resonance point of the buffer material for reducing the sound and vibration generated in the operating state of the brushless motor. Silent performance is improved.
[0020]
Further, in the motor control device, normal switching is performed on the upper switching element and the lower switching element in a state other than continuous energization and continuous energization stop even during the energization time of the winding. For this reason, the waveform of the current flowing through the winding can be rectified into an arbitrary waveform.
[0021]
According to a third aspect of the present invention, there is provided the motor control device according to the second aspect, wherein the control means sets the time length of the continuous energization state and the continuous energization stop state for each energization cycle of the winding. It is characterized by changing it.
[0022]
In this motor control device, the time length of the continuous energization state for one switching element and the continuous energization stop state for the other switching element at a predetermined timing when energizing the winding is determined for each energization cycle of the winding. It is changed step by step. For this reason, the current flowing through the winding does not change abruptly, thereby preventing a sudden change in the rotation speed of the brushless motor due to a sudden change in the current, and the brushless motor can be stably controlled.
[0023]
The motor control device according to claim 4 is the motor control device according to any one of
[0024]
In the motor control device configured as described above, the time length of the continuous energization state for one switching element and the continuous energization stop state for the other switching element at a predetermined timing when energizing the winding is the energization cycle of the winding. Each time it becomes longer or shorter step by step. For this reason, the current flowing through the winding does not increase or decrease suddenly. This prevents a sudden change in the rotational speed of the brushless motor caused by a sudden increase or decrease in the current, and enables stable control of the brushless motor. It becomes possible.
[0025]
According to a fifth aspect of the present invention, there is provided the motor control device according to any one of the first to fourth aspects, further comprising a rotational speed detecting means for detecting the rotational speed of the rotor of the brushless motor, and the rotational speed detecting means. The control means determines at least one of the predetermined timing and the length of time of the continuous energization state and the continuous energization stop state based on the deviation between the actual rotational speed of the rotor and the set value detected by It is characterized by deciding.
[0026]
In the motor control device having the above configuration, the rotational speed of the rotor is detected by the rotational speed detection means, and the actual rotational speed of the rotor detected by the rotational speed detection means is fed back to the control means. The timing and time length of the continuous energization state and the continuous energization stop state described above are determined based on the deviation between the actual rotor speed fed back and the set value.
[0027]
This makes it possible to prevent a sudden increase or decrease in the number of dead time occurrences during one cycle of the current flowing through the winding even if the set value is changed when the number of rotations is to be changed, and to stabilize the change in the number of rotations of the brushless motor. Can be made.
[0028]
According to a sixth aspect of the present invention, in the motor control device according to any one of the first to fifth aspects, the continuous energization with respect to one phase winding of the plurality of phase windings and The storage means stores a plurality of map data having different durations of the continuous energization stop, and the plurality of map data includes an electrical angle of 360 degrees corresponding to the winding of the one phase. The control means is arranged in a row in the order of the shortest duration to the longest duration, and the control means corresponds to the windings of the other phases except the windings of the one phase. When setting the time, the map data is read while being shifted by the phase difference of the other phase with respect to the winding of the one phase, and the amount of the read map data that is insufficient by the phase difference is read. Ma Supplemented by conceptually following the map data adjacent against Pudeta is characterized by.
[0029]
In the motor control device having the above configuration, the map data corresponding to the continuous energization time and the continuous energization stop time of the upper switching element and the lower switching element is stored in the storage unit in advance, and the control unit maps the corresponding map from the storage unit. By reading the data, the continuous energization and continuous energization stop time of the upper switching element and the lower switching element are set.
[0030]
This eliminates the need for continuous energization and continuous energization stop for each electrical angle within the overall energization cycle of the windings, thereby reducing the load on the control means. As a result, it is possible to use a control means having a relatively low processing speed, and the cost can be reduced.
[0031]
By the way, in the present invention, the map data corresponds to only one phase winding among the plurality of phase windings, and the individual map data is only 360 degrees in electrical angle.
[0032]
Here, in the present invention, a plurality of map data stored in the storage means is also used for setting the duration of continuous energization and continuous energization stop for the windings of other phases. When setting the time, the control means reads the map data while shifting the electrical phase difference of the winding of one phase with respect to the winding of one phase for which the map data is prepared.
[0033]
Further, as described above, since each map data has only an electrical angle of 360 degrees, the data is insufficient by the phase difference. However, in the present invention, as described above, a plurality of map data are continuously energized and continuously energized. Are arranged in a row conceptually from the shortest to the longest, and the lack of data is supplemented by the next map data conceptually adjacent.
[0034]
As described above, in the present invention, since the switching element is controlled only by the map data corresponding to the winding of one phase each having the data for the electrical angle of 360 degrees, the total amount of data stored in the storage means is reduced. It can be reduced and the cost can be reduced.
[0035]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
<Configuration of First Embodiment>
(Outline of configuration of
FIG. 3 is a front sectional view in which a
[0036]
As shown in this figure, the
[0037]
As shown in FIG. 3, the
[0038]
The
[0039]
On the other hand, as shown in FIG. 3, a pair of
[0040]
One end of the
[0041]
Further, the
[0042]
A substantially
[0043]
As shown in FIG. 3, the
[0044]
On the other hand, as shown in FIG. 3, the
[0045]
(Outline of configuration of motor control device 10)
Next, a schematic configuration of the
[0046]
The motor control device 10 (control board 18) is a
[0047]
The
[0048]
The power
[0049]
The speed
[0050]
The
[0051]
Here, the cancel signal is a signal for canceling the PWM signal and continuously energizing
[0052]
The duration of the continuous energization and the continuous energization stop is based on the deviation between the actual rotation speed of the
[0053]
Here, FIG. 6 is a diagram conceptually showing the map data. As shown in this figure, a plurality of map data are provided from
[0054]
Further, these map data are conceptually arranged in a line from
[0055]
Furthermore, the map data is prepared in the
[0056]
The three-
[0057]
Among these
[0058]
The
[0059]
The
[0060]
On the other hand, the
[0061]
The
[0062]
The
[0063]
On the other hand, the
[0064]
Each of these
[0065]
Further, the
[0066]
<Operation and Effect of First Embodiment>
(Outline of basic operation)
Next, the operation and effect of the present embodiment will be described.
[0067]
The
[0068]
In the
[0069]
The operation signal input to the
[0070]
Each of the speed command signal input to the speed
[0071]
The
[0072]
As described above, each of the
[0073]
In this way, a predetermined magnetic field is formed around the
[0074]
On the other hand, when the
[0075]
The fluctuation of the magnetic field around the
[0076]
The speed
[0077]
(Characteristic action and effect of this embodiment)
Here, in the
[0078]
In this state, basically, a cancel signal is generated by the speed
[0079]
On the other hand, when the PWM signal determined based on the deviation calculated by the speed
[0080]
The
[0081]
Further, when the output of the cancel signal from the speed
[0082]
If the PWM signal determined based on the deviation calculated by the speed
[0083]
Here, the cancel signal as described above is generated and output, and based on this, the switching operation is stopped, but the
[0084]
However, when the switching operation is stopped based on the cancel signal, the elements corresponding to the cancel signal among the
[0085]
During this dead time, any one of the
[0086]
However, in the present
[0087]
In addition, when the state where the PWM signal determined based on the deviation exceeds the predetermined range continues, the cancel signal becomes longer (in steps) and finally the energization time of the
[0088]
Further, immediately after the normal PWM signal is output to the
[0089]
Here, in this
[0090]
Furthermore, even with a configuration other than the
[0091]
By the way, the cancellation signal mentioned above is produced | generated according to each phase of
[0092]
Here, in the present embodiment, the
[0093]
However, since each map data has only an electrical angle of 360 degrees as described above, the
[0094]
Here, in the present embodiment, as described above, each map data has a concept that the time length of the cancel signal (the time length of the continuous energization and continuous energization stop time) is short to long. Therefore, the
[0095]
Similarly, when generating a cancel signal corresponding to the
[0096]
Further, the data deficiency corresponding to the phase difference is read from the
[0097]
Further, two pieces of
[0098]
As described above, in the present embodiment, a map corresponding to the duration of continuous energization and continuous energization stop included in the cancel signal in advance when generating the cancel signal corresponding to each (each phase) of the
[0099]
In the present embodiment, as described above, each piece of map data stored in the
[0100]
<Second Embodiment>
FIG. 7 is a block diagram showing the configuration of the
[0101]
That is, in the
[0102]
Therefore, in the
[0103]
Further, in the present embodiment, similarly to the first embodiment, the cancellation signal becomes longer stepwise by continuing the state where the PWM signal determined based on the deviation exceeds the predetermined range.
[0104]
As described above, even in the
[0105]
Moreover, in this
[0106]
Further, in the
[0107]
In each of the above embodiments, a cancel signal is output to the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing an outline of a configuration of a motor control device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing an outline of the relationship between the configuration of a rectifying means (three-phase inverter) and the surroundings.
FIG. 3 is a cross-sectional view schematically showing a configuration of a brushless motor actuator to which the motor control device according to the first embodiment of the present invention is applied.
FIG. 4 is a time chart showing a waveform of a current flowing through a coil.
FIG. 5 is a time chart showing a correspondence between a waveform of a current flowing through a coil and a cancel signal.
FIG. 6 is a diagram conceptually showing the relationship between map data stored in a ROM as a storage means and a CPU that reads the map data.
FIG. 7 is a block diagram showing an outline of a configuration of a motor control device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a time chart showing a correspondence between a current waveform flowing in a coil and a cancel signal in the second embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記所定の信号波を生成して出力し、この所定の信号波に基づき前記上段及び下段の各スイッチング素子を所定時間スイッチングさせる制御手段と、
を備えるモータ制御装置であって、
前記制御手段は、前記信号波を出力している時間内の所定のタイミングでキャンセル信号を出力して、前記信号波の出力時間の範囲内で前記信号波に基づく前記スイッチングを停止させ、このスイッチングを停止している間に、前記信号波に基づいて前記上段及び下段の何れか一方のスイッチング素子が1回通電されている時間よりも長く連続して前記何れか一方のスイッチング素子を通電させて何れか他方のスイッチング素子の通電を停止させることで、前記上段及び下段の各スイッチング素子が同時に通電停止状態になるデッドタイムの発生を低減させ、更に、前記何れか一方のスイッチング素子の連続通電状態及び前記何れか他方のスイッチング素子の連続通電停止状態の継続時間の長さを前記巻線の通電周期毎に断続的に変化させる、
ことを特徴とするモータ制御装置。An upper switching element provided on the upstream side of the winding with respect to the current flowing in the plurality of phases of the winding constituting the brushless motor, and a lower switching element provided on the downstream side of the winding, rectifying means for supplying a current of a particular waveform to either phase of the winding by the switching elements of the upper Dan及 beauty lower is switched,
Wherein a predetermined signal is generated waves and outputs, and control means for causing a predetermined timed switching the switching elements of the upper and lower on the basis of the predetermined signal wave,
A motor control device comprising:
The control means outputs a cancel signal at a predetermined timing within a time during which the signal wave is output, stops the switching based on the signal wave within a range of the output time of the signal wave, and performs this switching While one of the switching elements of the upper stage and the lower stage is continuously energized longer than the time during which the switching element of the upper stage or the lower stage is energized once based on the signal wave. By stopping energization of one of the other switching elements, the occurrence of dead time when the upper and lower switching elements are simultaneously de-energized is reduced, and further, the continuous energization state of either one of the switching elements is further reduced. In addition, the duration of the continuous energization stop state of either one of the other switching elements is intermittently changed every energization cycle of the winding.
The motor control apparatus characterized by the above-mentioned .
所定波形のパルス信号を生成して出力し、このパルス信号のパルス幅に応じて前記上段スイッチング素子及び前記下段スイッチング素子を所定時間スイッチングさせる制御手段と、
を備えるモータ制御装置であって、
前記制御手段は、前記パルス信号を出力している時間内の複数回の所定のタイミングでキャンセル信号を出力して、前記パルス信号が出力されている時間の範囲内で前記パルス信号に基づく前記上段及び下段の各スイッチング素子のスイッチングを複数回停止させ、このスイッチングを停止している間に、前記パルス信号に基づいて前記上段及び下段の何れか一方のスイッチング素子が1回通電されている時間よりも長く連続して前記何れか一方のスイッチング素子を通電させて何れか他方のスイッチング素子の通電を停止させることで、前記上段スイッチング素子及び前記下段スイッチング素子の双方が同時に通電停止状態になるデッドタイムの発生を低減させる、
ことを特徴とするモータ制御装置。An upper switching element provided on the upstream side of the winding with respect to the current flowing in the plurality of phases of the winding constituting the brushless motor, and a lower switching element provided on the downstream side of the winding, rectifying means for switching of the switching elements of the upper Dan及 beauty lower electric current of any phase the particular waveform of the winding,
Generates and outputs a pulse signal of a predetermined waveform, a predetermined time switching causes the control means to the upper stage switching element and the lower stage switching elements according to the pulse width of the pulse signal,
A motor control device comprising:
The control means outputs a cancellation signal at a predetermined timing a plurality of times within the time during which the pulse signal is output, and the upper stage based on the pulse signal within the time range during which the pulse signal is output. The switching of each switching element in the lower stage and the lower stage is stopped a plurality of times, and while the switching is stopped, either one of the switching elements in the upper stage or the lower stage is energized once based on the pulse signal. A dead time in which both the upper switching element and the lower switching element are simultaneously stopped by energizing one of the switching elements and stopping energization of the other switching element for a long time. Reduce the occurrence of
The motor control apparatus characterized by the above-mentioned .
当該回転数検出手段により検出した前記ロータの実際の回転数と前記設定値との偏差に基づいて前記制御手段が前記連続通電状態及び前記連続通電停止状態の前記所定のタイミング及び時間的長さの少なくとも何れか一方を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のモータ制御装置。A rotation speed detecting means for detecting the rotation speed of the brushless motor rotor;
Based on the deviation between the actual rotational speed of the rotor detected by the rotational speed detection means and the set value, the control means has the predetermined timing and time length of the continuous energization state and the continuous energization stop state. The motor control device according to claim 1, wherein at least one of them is determined.
前記複数のマップデータは、各々が前記1つの相の巻線に対応する電気角360度分のデータとされて概念的に前記継続時間が短いものから長いものの順番に1列に並べられ、
前記制御手段は、前記1つの相の巻線を除く他の相の巻線に対応する前記継続時間の設定に際して、前記1つの相の巻線対する前記他の相の位相差分だけずらした状態で前記マップデータを読み込むと共に、読み込んだ前記マップデータで前記位相差分だけ不足する分を、読み込んだ前記マップデータに対して概念的に隣接する次の前記マップデータで補う、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のモータ制御装置。A storage means for storing a plurality of map data having different durations of the continuous energization and the continuous energization stop for one phase of each of the plurality of phase windings;
The plurality of map data are data for 360 electrical angles each corresponding to the winding of one phase, and are conceptually arranged in a row in the order of the shortest duration to the longest,
In the setting of the duration corresponding to the windings of the other phases excluding the windings of the one phase, the control means is in a state shifted by the phase difference of the other phases with respect to the windings of the one phase. Reading the map data and supplementing the read map data with the next map data conceptually adjacent to the read map data, the amount of the phase difference that is insufficient.
The motor control device according to claim 1, wherein the motor control device is a motor control device.
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