JP3957027B2 - ワークへのライニング材装着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、クラッチ,ブレーキ装置等でクラッチシュー又はブレーキシュー等のシュー部材を製造する装置及び方法に関するものであり、特に前記部品を複数製造する場合に全てのライニングを均一な厚さとなるように製造することができるワークへのライニング材装着装置及びその装着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチ(特に遠心クラッチ),ブレーキ装置等のシュー部材を製造するために、従来から一般に金型による製造装置とその方法が用いられている。具体的に述べると、例えばクラッチシュー(ブレーキシューでもよい)を成形する場合にアーム部材となるワーク本体にシューとなるライニング部材を装着するために密封状態の金型内のキャビティにワーク本体を固定する。
【0003】
そして、該ワーク本体の所定箇所にシューとなるライニング部材を当接させ、前記金型のワーク本体を固定するキャビティと連通するガイドにプレスの押圧型を押し込み、該押圧型にてライニング部材をワークに高温を加える等して押圧固着し、シュー部材を製造するものである。
【0004】
一般に、金型は、2又は3個のブロックに分割されたもので、ワーク本体を支持固定するワーク用型枠,ライニング部材を前記ワーク本体の所定位置に位置決めして支持固定する位置決め用型枠、そして前記ライニング部材をワーク本体に押し付けてライニング部材をワーク本体に固着する押圧型から構成される。そして、前記位置決め用型枠はライニング部材の周囲を囲むようにして、略密着且つ密封状態に支持する。
【0005】
また、ライニング部材の位置決め用型枠は、前記ワーク本体のワーク用型枠から突出したライニング装着面の周囲も支持固定する。このときも、ライニング装着面の周囲が位置決め型枠により支持固定されている。そのライニング部材は、高温により貼着力が向上する接着剤が塗布されている。
【0006】
このようにして、ワーク本体のライニング装着面にはライニングが所定位置に正確に配置され且つその位置がずれないように維持されながら押圧型がライニング部材をワーク本体のライニング装着面に押し付けて、押圧固着されるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上述したシュー部材の製造装置(金型)及び製造方法では、まず予め別の金型装置でライニング部材を所定の形状に成形しておく。しかし、そのライニング部材は、若干の寸法誤差を許容範囲とし、規定の寸法通りとならないものが大量に製造される。即ち、予め製造されたライニング部材には、寸法上のバラツキが発生し、寸法が均一でない場合が多い。
【0008】
一方、前述したように型枠のキャビティは、密封状態であるためそのキャビティ内に挿入するライニング部材の寸法がバラツキがある場合、上型の押圧型により圧力を加えて成形する際に、ライニング部材が大きめの場合と、小さめの場合とでは、複数のシュー部材でライニングの厚さが異なってしまい、寸法上のバラツキが生じる。しかも、そればかりでなく、ライニング部材の物性値にもバラツキが生じる。即ち、ライニング部材内部の気孔率が変化し、シュー部材として使用したときのライニングの磨耗,耐久性等を安定したものにすることが困難である。
【0009】
また、一般に一つの金型から複数個のシュー部材が製造できるように金型キャビティを複数個成形し、シュー部材を多数個取りすることができるものとしているが、上述したように密封型のキャビティとした場合、ライニング部材の寸法にバラツキがある場合には、ライニング部材の中で厚さの最も大きなものにより、押圧型のストロークが決定してしまうことになる。
【0010】
即ち、シュー部材を多数個取りができる金型において、ライニング部材を押圧する複数の押圧型は当然ながらベースに一体的に設けられており、各キャビティにベース自体で押圧力を加えて一度に多数のシューのライニングを成形するものである。そして、それぞれのキャビティ内で押し固められて成形されるライニング部材は、全てが規定寸法であるならばその押圧型のストロークも適正となり、前キャビティ内で均一に成形可能である。
【0011】
しかし、各キャビティ内に挿入したライニング部材の寸法にバラツキがあれば押圧型は、まず最初に厚さの最も大きいライニング部材のところから当接し、押圧動作が開始される。そして、ライニング部材の伸縮性は極めて小さいことから、押圧型のストローク量は、その大きめのライニング部材の厚さにより略決定されることとなる。
【0012】
従って、押圧型の押圧代が厚く成形されたライニング部材とその押圧型との箇所で決定されてしまうので、厚いライニング部材の挿入されたキャビティの押圧型が他の押圧型に対してストロークを決定し、且つストッパー代わりともなってしまうものである。
【0013】
そのために、大きめのライニング部材に関しては、ワーク本体のライニング装着面にしっかり押圧され、押し固められてライニング部材が成形される。しかし、その大きめのライニング部材より僅かでも小さいめのライニング部材であったり、又は規定通りの寸法としたライニング部材が挿入されたキャビティでは、ライニング部材が押圧型からは十分なる押圧力を受けることができず、ワーク本体に対してしっかりとした装着ができない。このようなことから、ライニング部材の圧縮率もそれぞれ異なり物性値(気孔率)にも差が生じて、製品のバラツキが生じ、品質の一定したシュー部材を製造することが困難となる。
【0014】
従って、出来上がったシュー部材のライニング部材の厚さは、不均一で且つ個着力も最低基準に達していないおそれがあり得る。さらに、前述したように押圧型による押圧力が小さいことにより、ライニング部材の圧縮も不足気味で、気孔率が一定しない。このようなことから、均一なシュー部材を成形するためには、ライニング部材の製造段階から厳しい管理が必要となり、製品の寸法的な品質を安定させ、且つ生産を良好にすることは極めて困難で且つ提供されるシュー部材も極めて高価なものとなる。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、その発明を、ワーク本体のライニング装着面周囲を残して収納される下型枠と、前記ワーク本体のライニング装着面の長手方向両外端箇所を覆う二つのカバー面を形成したカバー開口部と、該カバー開口部の上方に位置して連通し、且つライニング部材を収納するプレス開口部とからなる中型枠と、前記プレス開口部に挿入し前記ライニング装着面にライニング部材を押圧する押圧型部を有する上型枠とからなり、前記カバー開口部とワーク本体との間には型枠の外部に連通する隙間が形成され、前記プレス開口部の幅方向寸法をカバー開口部の幅方向寸法よりも小さく形成し、且つ前記カバー面にはカバー開口部の長手方向に沿って溝条部が形成され、前記隙間はワーク本体と溝条部との間に形成されてなることを特徴とするワークへのライニング材装着装置としたことにより、この金型によって製造される複数個のシュー部材は、ライニング部材の厚さ及び気孔の密度が均一であり、品質を一定に維持することができることにより前記課題を解決しその目的を達成したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明における装置の説明をする。装置の主なる構成である金型は、下型枠A,中型枠B及び上型枠Cによる複数の型枠から構成される(図1,図4等参照)。その金型によって、一度に複数個のシュー部材の製造ができる。
【0017】
まず、下型枠Aには、略直方体状の開口孔形状としたワーク支持孔部1が形成されている。該ワーク支持孔部1の底箇所には、収納底部2が装着されている。該収納底部2には、ワーク支持台3が装着されている〔図3(A),(B)及び図4,図5(B)等参照〕。
【0018】
該ワーク支持台3の幅方向両側箇所とワーク支持孔部1の両内壁面との間に幅方向調整板4,4が装着されている。そのワーク支持台3によりワーク支持孔部1に挿入されたワーク本体10がガタつかないように固定することができる〔図2(B)参照〕。
【0019】
図示された実施例では、ワーク本体10の外形に沿った形状の円弧状膨出部が形成されており、ワーク本体10を安定した状態で支持することができる〔図5(A),(B)参照〕。また前記幅方向調整板4,4は、ワーク本体10の幅方向を支持固定し、幅方向のガタつきを防止する。また、前記収納底部2とワーク支持台3には、押出し軸5,5が装着されている。
【0020】
該押出し軸5,5により、ライニング部材11を装着完了したワーク本体10を下型枠Aより押し出すものである。ワーク本体10をワーク支持孔部1に挿入したときにはワーク本体10のライニング装着面10a1 の周囲箇所がワーク支持孔部1の開口箇所より突出する〔図2(A),(B)参照〕。
【0021】
中型枠Bには、カバー開口部6とプレス開口部7とから構成され、カバー開口部6とプレス開口部7とは連通して一体的な貫通孔となっている。カバー開口部6には、カバー面6a,6aが形成されている。該開口孔部7には、上型枠Cの押圧型部9が挿入する〔図3(A),(B)参照〕。そのカバー面6a,6aは、カバー開口部6の長手方向両壁面の下部にて略ハ字形状となるように開いて形成されたものである〔図5(A)参照〕。
【0022】
該カバー面6a,6aは、凹み状の円弧状面として形成され、ワーク本体10のライニング装着面10a1 の長手方向における両外端箇所に近接且つ非接触にて被覆する〔図2(B)参照〕。また、カバー開口部6の幅方向両側には、ワーク導入部6b,6bが形成されている。該ワーク導入部6b,6bは、カバー開口部6の幅方向の両壁面の下部が広がるように傾斜状に凹むように形成されたもので、ワーク本体10がライニング装着面10a1 からスムーズに挿入することができるようになっている(図4参照)。
【0023】
その中型枠Bは、前記下型枠A上に配置し、前記ワーク支持孔部1に挿入されたワーク本体10を被覆するようにして中型枠Bが被せられる。このとき、中型枠Bのカバー開口部6内にはワーク本体10のワーク支持孔部1から突出した部分が挿入するとともに、カバー開口部6とワーク本体10のライニング装着面10a1 の周囲との間には常時隙間cが生じるようになっている〔図6(A),(B),(C)参照〕。
【0024】
該隙間cは、カバー開口部6のカバー面6a,6aがワーク本体10のライニング装着面10a1 の長手方向外端箇所を非接触状態で覆うことにより、カバー面6a,6aとワーク本体10との間に生じる。その隙間cは、後述する上型枠Cの押圧型部9によりライニング部材11をライニング装着面10a1 に押圧して接合装着するときに生じるライニング部材11のはみ出し部分が入り込む逃げ箇所としての役目をなすものである。
【0025】
その隙間cは、型枠内部の空気を金型の外部に排出可能となるように外部と連通している。即ち、金型によりシュー部材を製造する際に、後述する上型枠Cによるプレス時に金型の内部に溜まる空気が抵抗となり良好なるプレス成形が行われなくなる不都合が少なからず起きうることがある。
【0026】
そこで、その空気を金型の外部に排出するために上記のような構成とする。具体的には、前記下型枠Aと中型枠Bとを組み合わせた状態で、ワーク本体10とカバー面6aとの間に生じる隙間cが、金型外部に空気の排出が可能となるように大気連通部jを設けている。
【0027】
該大気連通部jの具体的な構成としては、中型枠Bの下面側に一部を残して略全面を偏平状に凹ませたものとし、その中型枠Bを下型枠A上に載置した状態で離間する部分が存在する構造とし、その離間部分を大気連通部jとしている〔図1或いは図2(A),(B)等参照〕。
【0028】
また、大気連通部jの別の実施例としては、図15(A),(B)に示すように、中型枠Bの下面に略半円形状の溝状通路を形成し、該溝状通路を大気連通部jとしたものである。また、溝状通路を偏平長方形状とした実施例も存在する〔図15(B)参照〕。
【0029】
次に上型枠Cは、プレス部8と押圧型部9とから構成されたもので、プレス部8に複数の押圧型部9,9,…が形成されたものである。該押圧型部9は、前記中型枠Bのプレス開口部7に挿入し、該プレス開口部7内を上下方向に移動するものである。その押圧型部9はライニング部材11の外側面形状に対応して凹み状の円弧形状に形成されたものである。また、押圧型部9の上下方向の寸法は、ワーク本体10のライニング装着面10a1 にライニング部材11が規定の厚さとなるように決定される。
【0030】
図7(A)は、上型枠Cの押圧型部9にてライニング部材11をワーク本体10のライニング装着面10a1 に押圧して固着しようとする状態を示すもので分布荷重となる押圧力p,p,…がかかり、ライニング部材11が圧縮され、そのはみ出し部分が隙間cに逃げ込む様子を示している。
【0031】
そして、例えば、ライニング部材11は、前記押圧型部9が当接した状態からのストロークsの分量だけ圧縮されることにより、ライニング部材11は適正なる厚さ寸法dを有してワーク本体10のライニング装着面10a1 に固着されることができる。この厚さ寸法dは、押圧型部9にてライニング部材11が圧縮されたときのはみ出し部分が隙間cに逃げ込むことにより得られるものであり、常に一定の均一した寸法となる〔図7(B)参照〕。
【0032】
上記のようなことから、図1,図9(A)等に示すように、複数個のキャビティ(ワーク支持孔部1,カバー開口部6等)が具備され一度に複数個のシュー部材を製造することができる金型(下型枠A,中型枠B及び上型枠C)において、ワーク本体10,10,…に装着されるライニング部材11,11,…は、全て均一な厚さ寸法dとすることができ、且つ一定の品質のシュー部材を製造することができる。
【0033】
ここで、ワーク本体10への未装着状態でのライニング部材11の厚さ寸法をd+Δdとし、その分量Δdを上型枠Cの押圧型部9の押圧による圧縮量に等しいものとする。また、それぞれのライニング部材11,11,…における各分量Δdの数値にはバラツキが存在し、即ち、それぞれのライニング部材11,11,…における寸法上のバラツキとなる〔図9(A)参照〕。
【0034】
例えば、それぞれのライニング部材11,11,…において、厚さ寸法が最も小さいものをd+Δd1 〔図9(B)参照〕とし、また厚さ寸法が最も大きいものをd+Δd2 〔図9(C)参照〕とすれば、そのΔd1 及びΔd2 の数値の大小にかかわりなく、そのライニング部材11は、前記Δd1 及びΔd2 に対応する分量だけ押圧型部9の押圧により圧縮され、そのはみ出し部分が隙間cに逃げ込むことになる。従って、それぞれのライニング部材11,11,…は、全て均一の厚さ寸法dにすることができる。なお、分量Δd(Δd1 及びΔd2 )は、押圧型部9がライニング部材11に当接して押圧を開始してからのストロークsの分量に対応する。
【0035】
ワーク本体10については、図5(C)に示すように、クラッチシュー及びブレーキシューとして使用される部材であり、揺動アーム部10aと回動中心部10bとから構成されている。その揺動アーム部10aの表面にライニング装着面10a1 が形成される。ライニング部材11は、シューとなる部分であり、予め別の金型にて成形される。そして、ライニング部材11にはライニング装着面10a1 に沿って載置可能な形状となっている〔図5(D)参照〕。
【0036】
次に、金型の第2実施形態として、カバー面6aには、溝条部6a1 が形成されることもある。該溝条部6a1 は、カバー開口部6の長手方向に沿うようにしてカバー面6aに形成されるものであり、且つ溝条部6a1 の幅方向寸法は、カバー面6aの幅方向寸法よりも小さく形成されたものである〔図11(B),(C)参照〕。
【0037】
第2実施形態の金型によれば、図11(A),(D)に示されているように、ライニング部材11の幅方向寸法はワーク本体10のライニング装着面10a1 の幅方向寸法より小さい。また、第2実施形態の金型にも前述した大気連通部jが存在し、前記溝条部6a1 箇所が型枠の外部に連通する大気連通部jに連続している。
【0038】
次に、金型の第3実施形態として、前記中型枠Bにおいてプレス開口部7の幅方向一端とカバー開口部6の幅方向一端とを同一位置に揃え、且つカバー開口部6の幅方向他端側に逃げ凹条6a2 が形成されたものが存在する〔図12(C),図13(A),(B)参照〕。前記隙間cは、ワーク本体10と溝条部6a1 及びワーク本体10と逃げ凹条6a2 との間に形成される。
【0039】
その第3実施形態の金型によるシュー部材は図12(A),(B)に示されている。このような構成としたことにより、ライニング部材11の幅方向一端側がライニング装着面10a1 の幅方向一端に揃えることができ、且つ長手方向及び幅方向他端側にライニング部材11のはみ出しによる逃げ部が形成され押圧型部9による成形を容易にすることができる〔図12(C)及び図13(A),(B)参照〕。第3実施形態の金型にも前述した大気連通部jが存在し、前記溝条部6a1 及び逃げ凹条6a2 箇所が型枠の外部に連通する大気連通部jに連続している〔図13(A)参照〕。
【0040】
次に、第4実施形態の金型としては、前記第3実施形態の構成において、逃げ凹条6a2 のみが形成され、溝条部6a1 が形成されないものである〔図14(C)参照〕。従って、上型枠Cによるプレス時のライニング部材11のはみ出し部分の逃げは、逃げ凹条6a2 のみであり、製造されたシュー部材のライニング装着面10a1 に装着されたライニング部材11は、図14(A),(B)に示された形状となる。第4実施形態の金型にも前述した大気連通部jが存在し、前記逃げ凹条6a2 が大気連通部jに連続する〔図14(C)参照〕。
【0041】
図10(A),(B)は、ワーク本体10のライニング装着面10a1 には長手方向に沿って逃げ溝10a2 を形成したものである。前記隙間cはその中型枠Bのカバー面6a,6aと逃げ溝10a2 との間に形成される〔図10(C),(D)参照〕。この実施例において、ライニング部材11の圧縮によるはみ出し部分は、逃げ溝10a2 に逃げ込む〔図10(E)参照〕。それゆえに、この実施例では、中型枠Bには何ら工作する必要がない。
【0042】
次に、製造方法について述べると、まず、下型枠Aのワーク支持孔部1にワーク本体10を挿入する。このとき、ワーク本体10のライニング装着面10a1 周囲はワーク支持孔部1の開口から突出している。次に、中型枠Bが下型枠A上に載置されるようにして被せられる。
【0043】
ここで、中型枠Bのカバー開口部6内に前記ワーク本体10の突出部分が挿入する。ここで、カバー開口部6とワーク本体10のライニング装着面10a1 周囲との間には隙間cが存在する。その隙間cは、カバー開口部6のカバー面6a,6aとライニング装着面10a1 の周囲との間に生じる。また、下型枠Aと,該下型枠A上に載置された中型枠Bとの間には大気連通部jが形成され、前記隙間cがその大気連通部jに連通されている。
【0044】
なお、金型の第3,第4の実施形態では、その隙間cは、カバー開口部6の長手方向両端箇所或いは幅方一端側に存在することもある。次に、中型枠Bのプレス開口部7からライニング部材11を投入し、その中型枠Bのプレス開口部7に上型枠Cの押圧型部9を挿入させ、ライニング部材11をワーク本体10のライニング装着面10a1 に向かって押圧する(以上の過程は図8参照)。
【0045】
そして、上型枠Cの押圧型部9にて押圧されたライニング部材11は、ワーク本体10のライニング装着面10a1 に固着されるとともに、押圧による圧縮で生じるはみ出し部分が隙間cに逃げ込み、適正なる厚さ寸法を有するライニング部材11となり、品質が一定した均一なシュー部材が製造される〔図7(A),(B)参照〕。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ワーク本体10のライニング装着面10a1 周囲を残して収納される下型枠Aと、前記ワーク本体10のライニング装着面10a1 の長手方向両外端箇所を覆う二つのカバー面6a,6aを形成したカバー開口部6と,該カバー開口部6の上方に位置して連通し,且つライニング部材11を収納するプレス開口部7とからなる中型枠Bと、前記プレス開口部7に挿入し前記ライニング装着面10a1 にライニング部材11を押圧する押圧型部9を有する上型枠Cとからなり、前記カバー開口部6とワーク本体10との間には型枠の外部に連通する隙間cが形成され、前記プレス開口部7の幅方向寸法をカバー開口部6の幅方向寸法よりも小さく形成し、且つ前記カバー面6a,6aにはカバー開口部6の長手方向に沿って溝条部6a1 ,6a1 が形成され、前記隙間cはワーク本体10と溝条部6a1 との間に形成されてなるワークへのライニング材装着装置としたことにより、まず第1にライニング装着面10a1 に装着されたライニング部材11は常に一定の厚さにすることができ製品の品質を維持することができるし、第2にライニング部材11の物性値(気孔率)を安定させることができる等の効果を奏する。さらに、ライニング装着面10a1 の幅方向両側に非装着箇所を有するライニング部材11の装着にすることができる。
【0047】
上記効果を詳述すると、ワーク本体10は下型枠Aと中型枠Bのカバー開口部6に形成された二つのカバー面6a,6aにカバーされることにより固定されるものであり、前記カバー開口部6とワーク本体10との間には隙間cが形成され る。また、カバー開口部6と連通するプレス開口部7から上型枠Cの押圧型部9を押し込むことにより、押圧されたライニング部材11のはみ出し部分が前記隙間cに逃げ込むことができる。
【0048】
また、隙間cが型枠の外部に連通しているので、隙間c内部にプレス時のガスが溜まることなく、ガスによる抵抗も生じないので、隙間cによるライニング部材11のはみ出し部分の吸収が極めて良好に行われる。従って、上型枠Cの押圧型部9のストロークが常時安定し、ライニング装着面10a1 に装着されたライニング部材11の厚さが常時一定し、製品の品質を一定の水準に維持することができる。
【0049】
また、ライニング装着面10a1 に装着されたライニング部材11の厚さが均一となることによりライニング部材11の厚さ方向における圧縮率が一定するので、ライニング部材11の物性値(気孔率)が安定したものにできる。従って、ライニング部材11の磨耗速度も一定にすることができる。
【0050】
また、従来では、複数のキャビティを有する金型で一度に多数個のシュー部材を製造するときに、未装着状態のライニング部材11,11,…の中で厚さ寸法の最も大きなものが押圧型部9に対するストッパー代わりとなり、その押圧ストロークがこれによって決定されてしまうものであった。
【0051】
そのために製造された多数個のシュー部材の固着力の状態にバラツキが生じるし、またライニング部材11,11,…のそれぞれの厚さ寸法も不均一となりがちであった。しかし、本発明では、隙間cにライニング部材11の圧縮された分量が逃げ込む構造としていることにより、その厚さ寸法のバラツキに影響されることなく、押圧型部9による押圧ストロークを常時,一定とすることができ、全てのライニング部材11の厚さ寸法が均一なるシュー部材を製造することができる。
【0052】
次に、請求項2の発明は、請求項1において、前記プレス開口部7の幅方向一端とカバー開口部6の幅方向一端とを同一位置に揃え、且つプレス開口部7の幅方向他端側に逃げ凹条6a2 が形成され、前記隙間cはワーク本体10と逃げ凹条6a2 との間、又はワーク本体10と溝条部6a1 及びワーク本体10と逃げ凹条6a2 との間に形成されてなるワークへのライニング材装着装置としたことにより、ライニング部材11の幅方向一端側がライニング装着面10a1 の幅方向一端に揃えることができ、且つ長手方向及び幅方向他端側にライニング部材11のはみ出しによる逃げ部が形成され押圧型部9による成形を容易にすることができる。
【0053】
次に、請求項3の発明は、請求項1において、前記ワーク本体10のライニング装着面10a1 には長手方向に沿って逃げ溝10a2 を形成し、前記隙間cは前記カバー面6a,6aと逃げ溝10a2 との間に形成されてなるワークへのライニング材装着装置としたことにより、その逃げ溝10a2 とカバー面6a,6 aとで隙間cを構成するとともに、ライニング装着面10a1 はカバー面6a,6aと当接可能となり、該カバー面6a,6aがワーク本体10を支持する役目をなすことができ、下型枠Aとともにワーク本体10の支持状態をより一層良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】下型枠,中型枠及び上型枠の斜視図
【図2】(A)は金型にワーク本体及びライニング部材を装着した一部断面とした斜視図
(B)は金型にワーク本体及びライニング部材を装着した一部側面を有する断面図
【図3】(A)は金型の断面斜視図
(B)は金型に断面図
【図4】金型の要部の分解断面斜視図
【図5】(A)は金型の分解断面図
(B)は(A)のX1 −X1 矢視断面図
(C)はワーク本体と装着されたライニング部材の斜視図
(D)はワーク本体とライニング部材の分解斜視図
【図6】(A)はワーク本体を装着した金型の断面図
(B)は(A)左側に形成された隙間の要部拡大断面図
(C)は(B)右側に形成された隙間の要部拡大断面図
【図7】(A)はワーク本体を装着した金型の断面図
(B)は(A)の要部拡大断面図
【図8】本発明の工程図
【図9】(A)は金型の全体断面略示図
(B)は金型の断面図
(C)は金型の断面図
【図10】(A)はワーク本体に逃げ溝を形成した実施例の斜視図
(B)は(A)のX2 −X2 矢視断面図
(C)は(A)のワーク本体を内装した下型枠と中型枠の断面図
(D)は(C)のX3 −X3 矢視断面図
(E)は(A)のワーク本体にライニング部材を固着する状態を示す断面図
【図11】(A)は第2実施形態の装置により形成されたシュー部材の斜視図
(B)は中型枠のプレス開口部から見た要部平面図
(C)は(B)のX4 −X4 矢視断面図
(D)は第2実施形態における金型によりシュー部材を形成する要部断面図
【図12】(A)は第3実施形態の装置により形成されたシュー部材の斜視図
(B)は(A)のX5 −X5 矢視断面図
(C)は第3実施形態における中型枠のプレス開口部から見た要部平面図
【図13】(A)は図12(C)のX6 −X6 矢視断面図
(B)は図12(C)のX7 −X7 矢視断面図
【図14】(A)は第4実施形態の装置により形成されたシュー部材の斜視図
(B)は(A)のX8 −X8 矢視断面図
(C)は第4実施形態における中型枠のプレス開口部から見た要部平面図
【図15】(A)は別の実施例の大気連通部を形成した型枠の要部斜視図
(B)は(A)の大気連通部の形状を示す金型の要部側面図
(C)は大気連通部を偏平長方形状とした実施例を形成した金型の要部側面図
【符号の説明】
A…下型枠
B…中型枠
C…上型枠
c…隙間
6…カバー開口部
6a…カバー面
6a1 …溝条部
6a2 …逃げ凹条
7…プレス開口部
9…押圧型部
10…ワーク本体
10a1 …ライニング装着面
10a2 …逃げ溝
11…ライニング部材

Claims (3)

  1. ワーク本体のライニング装着面周囲を残して収納される下型枠と、前記ワーク本体のライニング装着面の長手方向両外端箇所を覆う二つのカバー面を形成したカバー開口部と、該カバー開口部の上方に位置して連通し、且つライニング部材を収納するプレス開口部とからなる中型枠と、前記プレス開口部に挿入し前記ライニング装着面にライニング部材を押圧する押圧型部を有する上型枠とからなり、前記カバー開口部とワーク本体との間には型枠の外部に連通する隙間が形成され、前記プレス開口部の幅方向寸法をカバー開口部の幅方向寸法よりも小さく形成し、且つ前記カバー面にはカバー開口部の長手方向に沿って溝条部が形成され、前記隙間はワーク本体と溝条部との間に形成されてなることを特徴とするワークへのライニング材装着装置。
  2. 請求項において、前記プレス開口部の幅方向一端とカバー開口部の幅方向一端とを同一位置に揃え、且つプレス開口部の幅方向他端側に逃げ凹条が形成され、前記隙間はワーク本体と逃げ凹条との間、又はワーク本体と溝条部及びワーク本体と逃げ凹条との間に形成されてなることを特徴とするワークへのライニング材装着装置。
  3. 請求項において、前記ワーク本体のライニング装着面には長手方向に沿って逃げ溝を形成し、前記隙間は前記カバー面と逃げ溝との間に形成されてなることを特徴とするワークへのライニング材装着装置。
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