JP3953394B2

JP3953394B2 - Polychromatic composite structure phosphorescent fiber

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Publication number: JP3953394B2
Application number: JP2002260841A
Authority: JP
Inventors: 高比良　　淳; 雅之宮本; 秀樹中園; 明浩川原; 省吾牟田神
Original assignee: KB Seiren Ltd
Current assignee: KB Seiren Ltd
Priority date: 2002-09-06
Filing date: 2002-09-06
Publication date: 2007-08-08
Anticipated expiration: 2022-09-06
Also published as: JP2004100058A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暗所では識別可能な充分な明るさの発光が見られ、明るい所では様々な色の選択が可能な、蓄光性能を有し、かつ、極めて多色な色展開が可能な多色性複合構造蓄光繊維に関する。
【０００２】
【従来の技術】
これまで、明るいところで光を蓄え、暗所でも視認が可能な蓄光繊維はその特徴から釣り糸、ロープなどに用いられており、これらの用途では、特にファッション性を要求されないため、蓄光性顔料自体による色で充分であり、他の色を着ける必要性はなかった。
【０００３】
しかし、最近では、ファッション性が要求される分野でも蓄光繊維の利用が広がってきている。ただ、蓄光繊維に用いられる蓄光性顔料はそれ自体が特定の色調を有するため、色の自由度が得られ難い現状がある。
【０００４】
色の着いた蓄光繊維として、繊維自身に蓄光性顔料が均一に練り込まれた繊維（例えば、特許文献１参照。）、芯に蓄光性顔料を含有し、鞘に着色顔料を含有する芯鞘構造の繊維（例えば、特許文献２、３参照。）、２種類の互いに異色性を示す糸を混繊するに際して、混繊する糸に蓄光性顔料を入れた繊維（例えば特許文献４参照。）が知られている。
【０００５】
【特許文献１】
特開平１−１１１０７５号公報
【特許文献２】
特開２００１−２１４３３３号公報
【特許文献３】
特開２０００−９６３４９号公報
【特許文献４】
特開２００１−２２６８４３号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の技術には以下に示す問題点がある。
繊維自身に蓄光性顔料が均一に練り込まれた繊維（例えば、特許文献１参照。）の場合には、着色顔料によって蓄光性顔料の蓄光及び発光が阻害されたり、蓄光剤自身が水分などに弱い場合にはあらためて繊維表面を撥水性樹脂で覆わなければならないという問題点がある。
【０００７】
さらに、芯に蓄光性顔料を含有し、鞘に着色顔料を含んだ芯鞘構造の繊維（特許文献２、３参照。）では、その構造上以下の問題点がある。
【０００８】
すなわち、ある程度の色の選択は可能であるが、蓄光性顔料を含む芯成分を、着色顔料を含んだ鞘成分が覆っているので、鞘部分に含む着色顔料の量を制限しないと、蓄光性顔料の蓄光・発光が不充分になる問題があるため、どうしても淡色に限られる。さらに、鞘成分が芯成分を覆っているため、暗所で発光する際に、鞘成分の着色顔料の色と芯成分の蓄光性顔料による発光が混ざった色が確認される。
【０００９】
加えて、淡色の場合、糸が太い場合に限って上記の方法を採ることが可能だが、衣料用、縫い糸、刺繍糸のような繊度が２５０ｄＴ以下の細い糸の場合、着色顔料の粒子によって、蓄光性顔料の粒子が吸光する時には吸光が阻害され、発光する時には発光が遮られる割合が多くなり、蓄光剤の吸光・発光性能を阻害する問題がある。
【００１０】
さらに、蓄光性顔料を含む糸と着色顔料を含む糸を混繊した場合（特許文献４参照。）にも、両糸が均一に混在するため、明るいところでは、一般の繊維と変わらない色を持ちながら、暗所では、発光がしっかり見える、多色性複合構造蓄光繊維にはならない。
【００１１】
このように、蓄光繊維がファッション性の要求される分野で使用される場合、暗所では、蓄光性顔料による発光がしっかり見えることが求められ、一方、明るいところにおいてはむしろ一般の繊維と変わらないさまざまな色のバリエーションが求められるのに対し、従来は上記の問題点がある。本発明では、以上の問題点を解決した多色性の蓄光繊維を提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明は、蓄光性顔料を含有する蓄光繊維と着色糸が、下記（１）乃至（３）を満足する条件で、合撚されていることを特徴とする多色性複合構造蓄光繊維であって、上記蓄光性顔料を蓄光繊維全体に対し２．５〜２５重量％含有する多色性複合構造蓄光繊維である。
【００１３】
（１）蓄光繊維の鮮度（Ｄ）と着色糸の繊度（ｄ）の比率が、２：１〜１０：１
（２）（Ｄ＋ｄ）^１／２＊ｔで表される撚り係数Ｔが、８０００〜１８０００
但し、Ｄ＝蓄光繊維のトータル繊度（デシテックス）、ｄ＝着色糸のトータル繊度（デシテックス）、ｔ＝蓄光繊維と着色糸とを撚り合わせる上撚り回数（回／ｍ）
（３）多色性複合構造蓄光繊維の繊度は、１００ｄＴ以上５００ｄＴ以下
【００１４】
【発明の実施の形態】
本発明の多色性複合構造蓄光繊維は蓄光繊維と着色糸が特定条件下で合撚されているものである。
本発明の蓄光繊維は、蓄光性顔料を含有するものである。
【００１５】
蓄光性顔料は、可視光や紫外光等の各種光（励起源）を吸収し、エネルギーとして蓄え、励起源が停止した後、前記エネルギーにより暗所で発光するものをいう。ちなみに、発光は暗所でのみ視認できるものであり、また、光の吸収と発光を繰り返すことができる。
【００１６】
蓄光性顔料の成分としては、アルミン酸ストロンチウム(SrAl₃O₄)、硫化亜鉛，酸化亜鉛等があげられるが、なかでも、ジスプロシウム、ユーロピウムで付活されたアルミン酸ストロンチウム(SrAl₃O₄:Eu,Dy)を用いることが好適である。すなわち、上記ジスプロシウム、ユーロピウムで付活されたアルミン酸ストロンチウム(SrAl₃O₄:Eu,Dy)は、発光特性に優れ、しかも紫外線による劣化が少なく、耐久性に優れているとともに、放射性物質を含まないため、人体への影響がないという利点を有するからである。
【００１７】
蓄光性顔料の平均粒径は０．１〜１０μｍであることが好ましい。より好ましくは０．３〜５μｍ、最も好ましくは０．５〜２μｍである。１０μｍを超える粗大粒子は紡糸、延伸の製糸工程にて断糸を誘起し好ましくない。また、０．１μｍより小さい粒子は凝集しやすくポリマー中に粒子を均一分散することが非常に困難となる。また、一般に蓄光性顔料の粒子は粒径が小さくなるほど蓄光性能が著しく低下することが多く、性能の面でも好ましくない。
【００１８】
蓄光繊維の断面形状は限定されないが、風合いや光沢性などの必要に応じて丸断面以外の三角断面、四角断面およびそれ以外の異形断面形状とすれば良い。また、単に一本の繊維に所定量の蓄光性顔料を分散させた単独糸でも良いが、製糸工程、その後の加工工程及び製品としての使用時に、蓄光性顔料が脱落したり、水、熱の影響を受けないように、蓄光性顔料を存在させた芯成分ポリマーと熱可塑性の鞘成分ポリマーとが接合された芯鞘構造を有している複合繊維が好ましい。
【００１９】
また、芯部の構造は１芯でも多芯でも構わない。ただし、含有する蓄光性顔料の平均粒子径を考慮すると、１芯型が好ましい。
【００２０】
芯成分ポリマーはポリオレフィンで構成されるのが好ましい。これは、蓄光材料が熱水によって蓄光性能を失活するため、吸水性が低い芯成分ポリマーによって蓄光材料が水分と触れないようにするためである。
【００２１】
鞘成分ポリマーは、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンの群から選ばれるすくなくとも１種類の熱可塑性ポリマーが好ましい。
【００２２】
さらに、これら芯成分ポリマーと鞘成分ポリマーの複合比率は、その断面積の比率で規定され、芯成分ポリマー：鞘成分ポリマー＝２０〜８０：８０〜２０が好ましい。
【００２３】
蓄光性顔料の含有量は、繊維状ポリマーの種類によるが蓄光繊維全体に対し２．５〜２５重量％である。特に、上述の芯鞘構造の場合の芯成分に対する蓄光性顔料の含有量は、１０〜３０重量％が好ましい。含有量が少ないと蓄光性能が弱く、目的の性能が得られ無い。また３０重量％以上になっても、蓄光性能は大差が無く、多くの異物が混入されることによる繊維形成性が低下する傾向となる。
【００２４】
一方、着色糸の種類としては、先染め糸、原着糸もしくはラメ糸が好ましい。先染め糸とは、蓄光繊維に巻きつける前に糸の状態で染料で染色した糸を示す。原着糸とは、繊維状ポリマー製造時あらかじめ着色顔料などを加えて着色・製造された糸を示す。ラメ糸とは、樹脂フィルム層の上に、金属加工層及び、または、着色層を設けた後、スリットカットされた外見上光沢を有する細幅フィルム糸のことである。上記金属加工は、金属蒸着層や金属薄膜層を設けることで、着色層とは、例えば、顔料や染料を含んだ樹脂・接着剤層を設けることである。ラメ糸は、耐摩耗性が必要な場合は金属加工層や着色層が、保護層で覆われているほうが好ましく、金属加工層や着色層が基材樹脂層に挟まれたいわゆるサンドイッチ構造のものが更に好ましい。ラメ糸は金属加工層や着色層と平行軸方向の長さが直交軸方向の長さより長く、長軸／短軸の比率は１／１〜５／１が好ましい。
【００２５】
原着糸の着色に使用する着色顔料または、先染め糸の染料としては、着色糸に用いられるポリマーとの相性を考慮する必要があるが、原則としては、着色しようとする色に応じて自由に選択され、一般的なものであれば特に限定されない。着色顔料または染料の量は着色糸に使われるポリマーの性質を考慮する必要があるが、原則としては自由である。また、一色とは限らず、多色でもかまわない。
【００２６】
色を濃く見せるために着色糸に濃色を使用することも可能である。その場合蓄光の度合いが低めになるが、暗くしたときには充分発光が見える程度であり特段問題にならない。ただし、蓄光性能を最大限発揮させるには着色糸の濃度は適宜選定する。
【００２７】
また、蓄光繊維、着色糸どちらのポリマーにも必要に応じて蛍光剤、艶消し剤、耐候剤、ＵＶ吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、殺菌剤、吸湿剤、吸水剤、撥水剤、防臭剤、消臭剤、芳香剤、などを混入させてもよい。
【００２８】
蓄光繊維は細すぎると、充分な発光性が得づらくなり、必要量の蓄光剤を混入させると蓄光剤の粒子が繊維表面から突き出すなど問題となる。そのため、蓄光繊維の単糸繊度は１ｄＴ以上２５０ｄＴ以下が好ましい。ただし特にこの範囲に限定されるものではない。
【００２９】
さらに、蓄光繊維の繊度（Ｄ）と着色糸の繊度（ｄ）の比率は、２：１〜１０：１に限定される。一般に着色糸の物性のほうが蓄光繊維に比較すると良く、例えば、引っ張り強度などは着色糸のほうが強い。そのため、あたかも、蓄光糸の周りに着色糸が巻付いているように見える形態のほうが好ましく、また、あまりに蓄光糸の繊度が小さすぎると充分な発光が得づらいこととその強度が保てないためである。
【００３０】
加えて、（Ｄ＋ｄ）^1/2＊ｔで表される撚り係数Ｔは８０００〜１８０００の範囲に限定される。但し、Ｄ＝蓄光繊維のトータル繊度（デシテックス）、ｄ＝着色糸のトータル繊度（デシテックス）を表し、ｔ＝蓄光糸と着色糸とを合わせる上撚り回数（回／ｍ）を表す。これは、上述の繊度の比率と併せて、多色性複合構造蓄光繊維の見え方に大きく影響する。撚り係数は、低すぎると明るい場所で色がまばらに見え、いわゆる一見色に見えない。撚り係数が高すぎると蓄光繊維が着色糸に覆われすぎて暗所で充分な発光が得られない。
【００３１】
蓄光繊維と着色糸は、引き揃え合撚、カバーリング、蛇腹撚りで合撚されていることが好ましい。
【００３２】
蓄光繊維と着色糸が共に丸断面の場合には、引き揃え合撚、カバーリングが好ましい。
【００３３】
引き揃え合撚とは、２本もしくは２本以上の糸を引き揃えて撚る方法である。中でも無撚の糸を撚り合わせる片撚りではなく、下撚りのかかった糸を撚り合せる諸撚りが好ましい。さらに好ましくはきれいに巻かれて、巻きのトルクが残らないようにするために、同じ向きに下撚りした糸を逆向きに上撚りする諸撚りがよい。ただ、諸撚り糸の嵩高さ向上など必要に応じて逆向きに下撚りした糸を用いても良い。下撚りに対する上撚りの撚り回数の比率は０．３〜１．０が好ましい。
【００３４】
カバーリングとは、芯糸に対し、その糸の外側を、他の糸を回転させながら鞘糸を巻き付ける方法であり、この場合、芯糸、鞘糸のどちらに蓄光糸を用いても良いが、生産性、品質安定性を考え芯糸に蓄光糸を用いるのが好ましい。
【００３５】
ラメ糸のように異形度が高い糸を着色糸として用いる場合には、蛇腹撚り、丸撚り、羽衣撚りなどが一般的であるが、合撚糸の品位、生産効率を考えると蛇腹撚りが好ましい。
【００３６】
蛇腹撚りとは、異形度の高い偏平の糸を捩れないように巻付け、巻き付けた糸と巻き付けられている糸が一定間隔で交互に現れるように巻き付ける方法である。
【００３７】
丸撚りとは、異形度の高い偏平の糸を捩りながら隙間なく巻き付けていく方法である。羽衣撚りとは、異形度の高い偏平の糸を捩りながらあらく巻き付けていく方法である。
【００３８】
丸撚りの場合には異形度が高い着色糸が隙間なく巻付いているため、蓄光糸が見えなくて問題がある。羽衣撚りの場合には、蓄光糸に巻きつけられた着色糸の間に隙間はあるが、異形度が高い着色糸が糸の解舒撚りで捩れて蓄光糸に巻かれているため、表面に段差ができ、風合いを損ねたり、例えば、刺繍糸として使用する場合は、針孔やガイドにひっかかり、糸切れや、撚りダマリができやすく問題が発生しやすい。
【００３９】
蛇腹撚りに適する異形度の高い糸の形状は偏平、楕円形、田型等四角断面、十文字型断面などが好ましい。
【００４０】
また、光沢感や風合いの改良など必要な場合には、蓄光繊維の異形度が高くても良く、その場合、絡み撚り、たすき撚りでも良い。
【００４１】
絡み撚りは異形度の高い偏平の糸の周りを異形度の高い糸よりも細い糸を、一本だけ巻き付けていく方法である。
【００４２】
たすき撚りは異形度の高い偏平の糸の周りを異形度の高い糸よりも細い糸を、巻き付けの方向が逆になるように２本巻き付ける方法である。
【００４３】
好ましい撚り方法を選択した場合にも、巻き付けるピッチがずれていると色が均一に見えないため、巻き付けるピッチを均一にした方が好ましい。
【００４４】
蓄光繊維と着色糸とは蓄光・発光性能、ガイド・針孔通過性などの操業性の点で、密着して巻き付いていることが好ましい。種々の条件により蓄光繊維と着色糸の間に間隙が生じる場合でも多色性複合蓄光繊維の見かけ上の直径が密着して巻き付いている場合の２０％増し以内、好ましくは１０％以内であることが好ましい。
【００４５】
例えば、芯糸に鞘糸が巻き付いている場合に（芯糸、鞘糸がそれぞれ蓄光繊維、着色糸のどちらかを示す。）、巻き付けのテンションが緩かったり、巻き付けた状態ではテンションがしっかりかかっていても、鞘糸の収縮率が芯糸の収縮率より小さいために熱セット後に一部鞘糸が芯糸から浮き上がっている状態や、鞘糸がラメ糸の場合にテンションはしっかりかかっているものの、幅方向に浮き上がっている部分がある状態は避けるほうが好ましい。そのため、しっかり巻き付けることは当然であるが、芯糸の沸水収縮率と鞘糸の沸水収縮率の差が１０％以下のほうが好ましい。加えて、鞘糸がラメ糸の場合にラメ糸の幅方向に浮き上がっている部分の芯糸との距離は浮き上がっていない部分の多色性複合蓄光繊維の直径の２０％以内、好ましくは１０％以内であることが好ましい。
【００４６】
さらに、蓄光繊維、着色糸はそれぞれ１本づつである必要はなく、どちらか、もしくは両方が１本以上でもよい。
多色性複合構造繊維の繊度としては、１００ｄＴ以上５００ｄＴ以下、好ましくは２００ｄＴ以上５００ｄＴ以下である。
【００４７】
以下、製造方法の一例について説明する。ただし、製造方法に関しては、以下の方法に限定されるものではない。
蓄光繊維は、例えば、芯鞘構造を有している場合には以下の方法で製造する。まず、充分に乾燥された蓄光性顔料を芯成分となるポリマーと混合してマスターバッチを作る。できたマスターバッチと鞘成分の熱可塑性ポリマーとを所定の割合で口金に導入し、溶融紡糸を行ない、芯鞘構造の蓄光繊維を得る。
【００４８】
着色糸は、例えば、原着糸の場合には以下の方法で製造する。まず、着色顔料を原着糸となるポリマーと混合してマスターバッチを作る。できたマスターバッチと着色糸となるポリマーとから、溶融紡糸を行ない、着色糸を得る。
【００４９】
次に、以上の方法で製造された蓄光繊維と着色糸を、引き揃え合撚、カバーリング、蛇腹撚り、絡みより、たすき撚りなど、それぞれの方法で巻き付ける。
【００５０】
本発明により得られた多色性複合構造蓄光繊維は、衣料用、生活雑品に使用可能である。例えば、カーテン、ロールスクリーン、壁掛け、壁クロス、ランプのシェード、蛍光燈の傘、ベッドカバー、布団カバー、カーペット、トイレカバー、マット、帽子、造花、各種紐類、細幅テープ、標識、作業用ロープ、テント用ロープ、非常通路用カーペット、スリッパ、一般衣料、スポーツウェア、レインコート、夜間作業衣、人形用衣装、ブライダル衣装などに使用できる。なかでも染色工程を省略できる刺繍糸、レース糸用に好適である。
【００５１】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。まず、評価方法について説明する。
（多色性評価）
複合繊維の多色性に関しては、試作した「多色性複合構造蓄光繊維」をアルミの板に糸が３重に重なるように巻き付け、蓄光糸と着色糸が縞模様に見えない、所謂一見色に見えるか否かを１０人の人間が目視で判断し、５段階評価で表した。
＜評価＞
５：１０人全員が一見色に見えると判断
４：８〜９人が一見色に見えると判断
３：６〜８人が一見色に見えると判断
２：４〜６人が一見色に見えると判断
１：２〜４人が一見色に見えると判断
【００５２】
（発光性評価）
発光性は、試作した「多色性複合構造蓄光繊維」をアルミの板に糸が３重に重なるように巻き付け、２４時間以上遮光保存した後、常用光源蛍光ランプＤ６５を用いて、約１０００ルクスの照度で３０分間照射して励起させ、照射停止後、真っ暗闇の状態で、サンプルが光っているか否かを１０人の人間が目視で判断し、５段階評価で表した。
＜評価＞
５：１０人全員が発光を確認できる（サンプルの位置を特定出来る）と回答
４：８〜９人が発光を確認できる（サンプルの位置を特定出来る）と回答
３：６〜８人が発光を確認できる（サンプルの位置を特定出来る）と回答
２：４〜６人が発光を確認できる（サンプルの位置を特定出来る）と回答
１：２〜４人が発光を確認できる（サンプルの位置を特定出来る）と回答
【００５３】
（操業性評価）
試作した「多色性複合構造蓄光繊維」をポリエステル布帛に刺しゅうをした時の、糸の解舒性・ガイド通過性・刺繍針孔の通過性・糸切れ性を３段階（○、△、×）で評価した。
【００５４】
以下実施例、比較例において蓄光性顔料には、ジスプロシウム、ユーロピウムで付活されたアルミン酸ストロンチウム（ＳｒＡｌ₃Ｏ₄：Ｅｕ，Ｄｙ、平均粒子直径１．０μｍ）を使用した。
【００５５】
蓄光繊維のトータル繊度（Ｄ、デシテックス）、着色糸のトータル繊度（ｄ、デシテックス）、互いの繊度比率、蓄光繊維と着色糸とを合わせる上撚り回数（ｔ、回／ｍ）は一般的な方法で測定を行ない、撚り係数（Ｔ）は（Ｄ＋ｄ）^1/2＊ｔの式にて計算した。
【００５６】
＜実施例１＞
蓄光性顔料を２０重量％添加したポリプロピレンポリマーを芯成分、６−ナイロンを鞘成分とし、溶融紡糸で、芯鞘型の複合繊維（コンジュゲート繊維）を紡糸した。得られた蓄光繊維は、芯：鞘比率が１：３の１００Ｔ（デシテックス）／１２ｆ（フィラメント）極淡黄色の糸（沸水収縮率８％）であった。
【００５７】
着色糸は、市販の４４Ｔ／１４ｆマリンブルー色、６−ナイロンを成分とする先染め糸（沸水収縮率２％）を用いた。
【００５８】
まず、１００Ｔ／１２ｆの蓄光繊維にＳ６５０ｔ／ｍの下撚りを入れ、この糸を２本と４４Ｔ／２４ｆ着色糸を合撚機でＺ６５０ｔ／ｍの上撚りを入れ、６５℃＊２０分の熱セットを実施し、２４４Ｔの複合繊維を得た（表１）。
【表１】

【００５９】
＜実施例２＞
蓄光性顔料を２０重量％添加したポリプロピレンポリマーを単独で溶融紡糸した。得られた蓄光繊維は、１００Ｔ（デシテックス）／１２ｆ（フィラメント）極淡黄色の糸であった。
【００６０】
着色糸は、市販の４４Ｔ／１４ｆマリンブルー色、６−ナイロンを成分とする先染め糸を用いた。
【００６１】
まず、１００Ｔ／１２ｆの蓄光繊維にＳ６５０ｔ／ｍの下撚りを入れ、この糸を２本と４４Ｔ／１４ｆ着色糸を合撚機でＺ６５０ｔ／ｍの上撚りを入れ、６５℃＊２０分の熱セットを実施し、２４４Ｔの複合繊維を得た（表２）。
【表２】

【００６２】
＜実施例３〜４＞
蓄光糸の鞘成分ポリマーをポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンとした以外その他の条件は全て実施例１と同条件で、２４４Ｔの複合繊維を作成した（表３）。
【表３】

【００６３】
＜実施例５＞
実施例１で、着色糸に市販の７８Ｔ／２４ｆの６−ナイロンを成分とした原着糸を用いて、撚り回数Ｚ６００ｔ／ｍで引き揃え合撚し、２７８Ｔの複合繊維を得た（表４）。
【表４】

【００６４】
＜実施例６＞
実施例１で用いた１００Ｔ／１２ｆの蓄光繊維にＳ６５０ｔ／ｍの下撚りを入れ、この糸２本をＺ４００ｔ／ｍで引き揃え合撚し、２００Ｔ／２４ｆ蓄光繊維を作成した。これを芯糸とし、市販の７８Ｔ／２４ｆの６−ナイロンを成分とした原着糸をＺ６００ｔ／ｍでカバーリングし、２７８Ｔの複合繊維を得た（表５）。
【表５】

【００６５】
＜実施例７〜８、比較例１＞
実施例６の２００Ｔ／２４ｆ蓄光繊維２本と、市販の７８Ｔ／２４ｆ原着糸１本を引き揃えて、以下の上撚り数で引き揃え合撚し、４７８Ｔの複合繊維を得た。
Ｚ１０００ｔ／ｍ (比較例１)、Ｚ８００ｔ／ｍ (実施例７) 、Ｚ４００ｔ／ｍ (実施例８)、（表６）。
【表６】

【００６６】
＜実施例９〜１０、比較例２〜３＞
実施例７〜８で、着色糸に市販の４４Ｔ／２４ｆ先染め糸を使用し、以下の上撚り数で引き揃え合撚し、４４４Ｔの複合糸を得た。
【００６７】
Ｚ１０００ｔ／ｍ（比較例２）、Ｚ８００ｔ／ｍ（実施例９）、Ｚ４００ｔ／ｍ（実施例１０）、Ｚ３００ｔ／ｍ（比較例３）、（表７）。
【表７】

【００６８】
＜実施例１１〜１２、比較例４〜５＞
実施例６の２００Ｔ／２４ｆ蓄光繊維を芯糸とし、着色糸として市販の４４Ｔ銀ラメ糸（１２０切り、ベースフィルム：ポリエステル、蒸着金属：銀、保護層として樹脂コーティング）を使用し、蛇腹撚り手法で、芯糸に以下の上撚り数で巻き付け、２４４Ｔの複合糸を得た。
【００６９】
Ｚ１４００ｔ／ｍ（比較例４）、Ｚ１０００ｔ／ｍ（実施例１１）、Ｚ８００ｔ／ｍ（実施例１２）、Ｚ４００ｔ／ｍ（比較例５）、（表８）。
【表８】

【００７０】
＜実施例１３〜１６＞
２００Ｔ／２４ｆ蓄光繊維に、着色糸として、有色の４４Ｔラメ糸（１２０切り、基材フィルム層に染料又は顔料を混ぜた接着剤層と樹脂コーティング又はフィルムラミネートの保護層を有する）で、黄色（実施例１３）、黄緑（実施例１４）、ベージュ（実施例１５）、ピンク色（実施例１６）を有するラメ糸を使用し、蛇腹撚り手法で、芯糸に上撚りＺ８００ｔ／ｍで巻き付け、２４４Ｔの複合糸を得た（表９）。
【表９】

【００７１】
＜実施例１７〜１８＞
実施例１で、芯成分ポリプロピレンポリマーへの蓄光剤添加量を１０重量％、とした以外は同条件で２４４Ｔの複合繊維（実施例１７）を得た。又、添加量を３０重量％とした複合繊維を実施例１８とする（表１０）。
【表１０】

【００７２】
それぞれの性能評価を表１１に示す。
【表１１】

【００７３】
【発明の効果】
上述の通り、本発明の多色性複合構造蓄光繊維は、着色糸と蓄光繊維を一定条件で重ね合わせることによって、明るい場所では巻き付いた着色糸の色と同系色に見え、暗くなると蓄光性顔料の色に発光しているように見える。さらに、巻き付いた着色糸の色を選択する事で、極めて多色の色展開が可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
In the present invention, light emission having sufficient brightness that can be discerned in a dark place can be seen, and various colors can be selected in a bright place. The present invention relates to a luminescent composite structure luminous fiber.
[0002]
[Prior art]
So far, phosphorescent fibers that can store light in bright places and can be seen in the dark have been used for fishing lines and ropes due to their characteristics. In these applications, fashionability is not particularly required. Color was sufficient and there was no need to wear other colors.
[0003]
However, recently, the use of phosphorescent fibers has been expanding in fields where fashionability is required. However, since the phosphorescent pigment used for the phosphorescent fiber itself has a specific color tone, it is difficult to obtain a degree of color freedom.
[0004]
As a colored phosphorescent fiber, a fiber in which a phosphorescent pigment is uniformly kneaded into the fiber itself (see, for example, Patent Document 1), a core sheath containing a phosphorescent pigment in the core, and a colored pigment in the sheath Fibers having a structure (for example, see Patent Documents 2 and 3) When two kinds of yarns having different colors are mixed, a fiber in which a phosphorescent pigment is added to the mixed fibers (for example, see Patent Document 4). It has been known.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-111075 [Patent Document 2]
JP 2001-214333 A [Patent Document 3]
JP 2000-96349 A [Patent Document 4]
Japanese Patent Laid-Open No. 2001-226843
[Problems to be solved by the invention]
However, these conventional techniques have the following problems.
In the case of a fiber in which a phosphorescent pigment is uniformly kneaded into the fiber itself (see, for example, Patent Document 1), the color pigment inhibits phosphorescence and light emission of the phosphorescent pigment, or the phosphorescent agent itself is exposed to moisture. If it is weak, there is a problem that the fiber surface must be covered with a water-repellent resin.
[0007]
Furthermore, the core-sheath structure fiber (see Patent Documents 2 and 3) containing a phosphorescent pigment in the core and a colored pigment in the sheath has the following problems in structure.
[0008]
That is, although a certain color can be selected, the core component containing the luminous pigment is covered with the sheath component containing the colored pigment. Therefore, unless the amount of the colored pigment contained in the sheath portion is limited, the phosphorescent property Since there is a problem that the light storage and emission of the pigment is insufficient, the color is inevitably limited. Further, since the sheath component covers the core component, when light is emitted in the dark, a color in which the color of the color pigment of the sheath component and the light emission by the phosphorescent pigment of the core component are mixed is confirmed.
[0009]
In addition, in the case of a light color, it is possible to adopt the above method only when the yarn is thick, but in the case of a fine yarn having a fineness of 250 dT or less, such as for clothing, sewing thread, embroidery thread, depending on the color pigment particles, When the phosphorescent pigment particles absorb light, the light absorption is inhibited, and when light is emitted, the ratio of the light emission is increased, which impairs the light absorption / light emission performance of the phosphorescent agent.
[0010]
Furthermore, even when yarns containing phosphorescent pigments and yarns containing colored pigments are mixed (see Patent Document 4), both yarns are mixed uniformly, so that in bright places, colors that are the same as ordinary fibers are used. In the dark, it does not become a polychromatic composite structure phosphorescent fiber that shows light emission securely in the dark.
[0011]
In this way, when phosphorescent fibers are used in fields where fashionability is required, it is required that light emitted by the phosphorescent pigments be seen firmly in the dark, while it is not different from ordinary fibers in bright places. While various color variations are required, there are conventional problems as described above. An object of the present invention is to provide a polychromatic phosphorescent fiber that solves the above problems.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention, light-storing fibers and colored yarn containing phosphorescent pigment, under conditions satisfying the following (1) to (3), met polychromatic composite structure light-storing fiber characterized in that it is Goyo Thus, the polychromatic composite structure phosphorescent fiber containing 2.5 to 25% by weight of the phosphorescent pigment with respect to the entire phosphorescent fiber .
[0013]
(1) The ratio between the freshness (D) of the phosphorescent fiber and the fineness (d) of the colored yarn is 2: 1 to 10: 1.
(2) The twist coefficient T represented by (D + d) ^1/2 * t is 8000 to 18000.
Where D = total fineness of the phosphorescent fiber (decitex), d = total fineness of the colored yarn (decitex), t = number of times twisted to twist the phosphorescent fiber and the colored yarn (times / m)
(3) The fineness of the polychromatic composite structure phosphorescent fiber is 100 dT or more and 500 dT or less.
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polychromatic composite structure phosphorescent fiber of the present invention is one in which the phosphorescent fiber and the colored yarn are twisted under specific conditions.
The phosphorescent fiber of the present invention contains a phosphorescent pigment.
[0015]
A phosphorescent pigment refers to a pigment that absorbs various light (excitation source) such as visible light and ultraviolet light, stores it as energy, and emits light in a dark place by the energy after the excitation source is stopped. Incidentally, light emission can be visually recognized only in a dark place, and light absorption and light emission can be repeated.
[0016]
Examples of phosphorescent pigments include strontium aluminate (SrAl ₃ O ₄ ), zinc sulfide, and zinc oxide. Among them, strontium aluminate (SrAl ₃ O ₄ : Eu activated by dysprosium and europium) , Dy) is preferred. That is, strontium aluminate (SrAl ₃ O ₄ : Eu, Dy) activated by the above dysprosium and europium has excellent luminescent properties, little deterioration due to ultraviolet rays, excellent durability, and contains radioactive materials. This is because there is an advantage that there is no influence on the human body.
[0017]
The average particle diameter of the luminous pigment is preferably 0.1 to 10 μm. More preferably, it is 0.3-5 micrometers, Most preferably, it is 0.5-2 micrometers. Coarse particles exceeding 10 μm are not preferred because they induce yarn breakage in the spinning and drawing process. Also, particles smaller than 0.1 μm are likely to aggregate and it is very difficult to uniformly disperse the particles in the polymer. In general, as the particle size of the phosphorescent pigment particles decreases, the phosphorescent performance often decreases significantly, which is not preferable in terms of performance.
[0018]
The cross-sectional shape of the phosphorescent fiber is not limited, but may be a triangular cross-section other than a round cross-section, a square cross-section, and other irregular cross-sectional shapes as required, such as texture and gloss. In addition, a single yarn in which a predetermined amount of a luminous pigment is dispersed in a single fiber may be used, but the luminous pigment may fall off during use in the yarn making process, the subsequent processing step, and the product. A composite fiber having a core-sheath structure in which a core component polymer in which a phosphorescent pigment is present and a thermoplastic sheath component polymer are joined is preferable so as not to be affected.
[0019]
Further, the structure of the core part may be one core or multiple cores. However, in consideration of the average particle size of the luminous pigment to be contained, the single-core type is preferable.
[0020]
The core component polymer is preferably composed of polyolefin. This is because the phosphorescent material deactivates the phosphorescent performance by hot water, so that the phosphorescent material does not come into contact with moisture by the core component polymer having low water absorption.
[0021]
The sheath component polymer is preferably at least one thermoplastic polymer selected from the group consisting of polyester, polyamide and polyolefin.
[0022]
Furthermore, the composite ratio of the core component polymer and the sheath component polymer is defined by the ratio of the cross-sectional area, and the core component polymer: sheath component polymer = 20-80: 80-20 is preferable.
[0023]
The content of the phosphorescent pigment is 2.5 to 25% by weight based on the whole phosphorescent fiber although it depends on the type of fibrous polymer. In particular, the content of the luminous pigment with respect to the core component in the case of the above-described core-sheath structure is preferably 10 to 30% by weight. If the content is small, the luminous performance is weak and the desired performance cannot be obtained. Moreover, even if it becomes 30 weight% or more, there is no big difference in luminous storage performance, and there exists a tendency for the fiber formation property to fall by many foreign materials being mixed.
[0024]
On the other hand, as the type of the colored yarn, pre-dyed yarn, original yarn or lame yarn is preferable. The pre-dyed yarn refers to a yarn dyed with a dye in a yarn state before being wound around a phosphorescent fiber. The original yarn refers to a yarn that is colored and manufactured by adding a coloring pigment or the like in advance when the fibrous polymer is manufactured. Lame yarn is a narrow film yarn having an apparent gloss that is slit-cut after a metal processing layer and / or a colored layer is provided on a resin film layer. The metal processing is to provide a metal vapor deposition layer or a metal thin film layer, and the colored layer is to provide, for example, a resin / adhesive layer containing a pigment or a dye. The lame yarn is preferably a so-called sandwich structure in which the metal working layer and the colored layer are covered with a protective layer when wear resistance is required, and the metal working layer and the colored layer are sandwiched between the base resin layers. Is more preferable. The length of the lame yarn in the parallel axis direction to the metal-worked layer or the colored layer is longer than the length in the orthogonal axis direction, and the ratio of major axis / minor axis is preferably 1/1 to 5/1.
[0025]
The coloring pigment used for coloring the original yarn or the dye of the pre-dyed yarn needs to be compatible with the polymer used for the colored yarn, but in principle it is free according to the color to be colored. If it is a general thing, it will not specifically limit. The amount of the colored pigment or dye needs to take into account the nature of the polymer used in the colored yarn, but is in principle free. Also, it is not limited to one color, and it may be multicolor.
[0026]
It is also possible to use a dark color in the colored thread to make the color appear darker. In this case, the degree of light storage is low, but when it is darkened, the light emission is sufficiently visible and does not cause any particular problem. However, the concentration of the colored yarn is appropriately selected in order to maximize the luminous performance.
[0027]
In addition, fluorescent agents, matting agents, weathering agents, UV absorbers, antioxidants, antibacterial agents, disinfectants, hygroscopic agents, water absorbing agents, water repellents, as required for polymers of phosphorescent fibers and colored yarns. You may mix a deodorizer, a deodorizer, an aromatic, etc.
[0028]
If the phosphorescent fiber is too thin, it is difficult to obtain sufficient light-emitting properties, and if a necessary amount of phosphorescent agent is mixed, particles of the phosphorescent agent protrude from the fiber surface. Therefore, the single yarn fineness of the phosphorescent fiber is preferably 1 dT or more and 250 dT or less. However, it is not particularly limited to this range.
[0029]
Furthermore, the ratio between the fineness (D) of the phosphorescent fiber and the fineness (d) of the colored yarn is limited to 2: 1 to 10: 1. In general, the physical properties of the colored yarn are better than those of the phosphorescent fiber. For example, the colored yarn has a higher tensile strength. For this reason, it is preferable that the colored yarn is wound around the phosphorescent yarn, and if the phosphorescent yarn is too fine, it is difficult to obtain sufficient luminescence and the strength cannot be maintained. It is.
[0030]
In addition, the twist coefficient T represented by (D + d) ^1/2 * t is limited to a range of 8000 to 18000. However, D = total fineness (decitex) of the phosphorescent fiber, d = total fineness (decitex) of the colored yarn, and t = number of times of upper twisting (times / m) for combining the phosphorescent yarn and the colored yarn. This greatly affects the appearance of the polychromatic composite structure phosphorescent fiber together with the fineness ratio described above. If the twist coefficient is too low, the colors appear sparse in bright places and do not look like the so-called colors. If the twist coefficient is too high, the phosphorescent fibers are too covered with the colored yarn, and sufficient light emission cannot be obtained in the dark.
[0031]
It is preferable that the phosphorescent fiber and the colored yarn are twisted together by draw twisting, covering, and bellows twisting.
[0032]
In the case where both the phosphorescent fiber and the colored yarn have a round cross section, draw-twisting and twisting are preferable.
[0033]
Draw and twist is a method in which two or more yarns are drawn and twisted. Of these, various twists are preferable, in which a twisted yarn is twisted rather than a single twist in which untwisted yarn is twisted. In order to prevent the winding torque from remaining even more preferably, it is preferable to use twists in which the yarn twisted in the same direction is twisted in the opposite direction. However, you may use the thread | yarn twisted in the reverse direction as needed, such as the bulkiness improvement of various twisted yarns. The ratio of the number of twists of the upper twist to the lower twist is preferably 0.3 to 1.0.
[0034]
Covering is a method in which a sheath yarn is wound around the core yarn while rotating the other yarn around the outside of the yarn. In this case, a phosphorescent yarn may be used for either the core yarn or the sheath yarn. In view of productivity and quality stability, it is preferable to use a phosphorescent yarn as the core yarn.
[0035]
When a yarn having a high degree of deformation such as a lame yarn is used as a colored yarn, bellows twisting, round twisting, garment twisting, etc. are generally used, but bellows twisting is preferred in view of the quality of the twisted yarn and production efficiency.
[0036]
The bellows twisting is a method in which a flat yarn having a high degree of deformity is wound so as not to be twisted, and wound so that the wound yarn and the wound yarn appear alternately at regular intervals.
[0037]
Round twisting is a method of winding a flat yarn having a high degree of irregularity without twisting. Hagoromo twisting is a method of winding a flat yarn with a high degree of irregularity while twisting it.
[0038]
In the case of round twisting, a colored yarn having a high degree of deformity is wound without any gap, and therefore there is a problem that the phosphorescent yarn cannot be seen. In the case of Hagoromo twist, there is a gap between the colored yarns wound around the phosphorescent yarn, but the colored yarn with a high degree of deformity is twisted by unwinding and twisting the yarn and wound around the phosphorescent yarn. When a step is formed, the texture is lost, or when used as an embroidery thread, for example, it catches on a needle hole or a guide, and thread breakage or twisting is likely to occur and problems are likely to occur.
[0039]
The shape of the yarn having a high degree of irregularity suitable for bellows twisting is preferably a flat shape, an elliptical shape, a square shape such as a rice field, or a cross shape.
[0040]
Moreover, when improvement of a glossiness or a texture is required, the irregularity degree of the phosphorescent fiber may be high, and in that case, entangled twist or braided twist may be used.
[0041]
Tangled twisting is a method in which only one thin thread is wound around a flat thread having a high degree of irregularity, which is thinner than a thread having a high degree of irregularity.
[0042]
Tasashi twisting is a method of winding two yarns that are thinner than a highly deformed yarn around a flat yarn having a high deformity so that the winding direction is reversed.
[0043]
Even when a preferred twisting method is selected, it is preferable to make the winding pitch uniform because the color does not appear uniform if the winding pitch is shifted.
[0044]
It is preferable that the phosphorescent fiber and the colored yarn are closely wound around each other in terms of operability such as phosphorescence / light emission performance and guide / needle passage ability. Even if a gap occurs between the phosphorescent fiber and the colored yarn due to various conditions, the apparent diameter of the polychromatic composite phosphorescent fiber is within 20% of the case where it is closely wound and preferably within 10%. Is preferred.
[0045]
For example, when a sheath thread is wound around the core thread (the core thread and sheath thread indicate either phosphorescent fiber or colored thread, respectively), the winding tension is loose or the tension is tight when wound. However, since the shrinkage rate of the sheath yarn is smaller than the shrinkage rate of the core yarn, the tension is firmly applied when the sheath yarn is partially lifted from the core yarn after heat setting or when the sheath yarn is lame yarn. It is preferable to avoid a state where there is a portion that is raised in the width direction. Therefore, although it is natural to wind it tightly, the difference between the boiling water shrinkage of the core yarn and the boiling water shrinkage of the sheath yarn is preferably 10% or less. In addition, when the sheath yarn is a lame yarn, the distance from the core yarn of the portion floating in the width direction of the lame yarn is within 20%, preferably 10% of the diameter of the polychromatic composite phosphorescent fiber of the non-lifted portion. Is preferably within.
[0046]
Furthermore, it is not necessary for each of the phosphorescent fibers and the colored yarns to be one, either one or both may be one or more.
The fineness of the polychromatic composite structural fibers, or 100dT 500dT less, preferably Ru der least 500DT less 200DT.
[0047]
Hereinafter, an example of the manufacturing method will be described. However, the manufacturing method is not limited to the following method.
For example, when the phosphorescent fiber has a core-sheath structure, it is manufactured by the following method. First, a sufficiently dried phosphorescent pigment is mixed with a polymer as a core component to make a masterbatch. The master batch thus produced and the thermoplastic polymer of the sheath component are introduced into the die at a predetermined ratio, and melt spinning is performed to obtain a phosphorescent fiber having a core-sheath structure.
[0048]
For example, in the case of an original yarn, the colored yarn is manufactured by the following method. First, a color batch is mixed with a polymer to be an original yarn to make a master batch. From the master batch and the polymer that becomes the colored yarn, melt spinning is performed to obtain the colored yarn.
[0049]
Next, the phosphorescent fiber and the colored yarn produced by the above method are wound by respective methods such as pulling and twisting, covering, bellows twisting, tangle twisting and so on.
[0050]
The polychromatic composite structure phosphorescent fiber obtained by the present invention can be used for clothing and daily necessities. For example, curtain, roll screen, wall hanging, wall cloth, lamp shade, fluorescent umbrella, bed cover, duvet cover, carpet, toilet cover, mat, hat, artificial flower, various strings, narrow tape, sign, work It can be used for ropes, tent ropes, emergency walkway carpets, slippers, general clothing, sportswear, raincoats, night work clothes, doll costumes, bridal costumes, etc. In particular, it is suitable for embroidery threads and lace threads that can omit the dyeing process.
[0051]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. First, the evaluation method will be described.
(Multicolor evaluation)
Concerning the polychromaticity of the composite fiber, the prototype “polychromatic composite structure phosphorescent fiber” is wound around an aluminum plate so that the yarns overlap three times, so that the phosphorescent yarn and the colored yarn do not look like a striped pattern. 10 people visually judged whether or not it was visible, and expressed by a five-step evaluation.
<Evaluation>
5: Judgment that all 10 people seem to have a color at a glance 4: Judge that 8-9 people seem to have a color at a glance 3: Judge that 6 to 8 people look a color at a glance 2: If 4-6 people look a color at a glance Judgment 1: Judging that 2 to 4 people seem to have a color at first glance [0052]
(Emission evaluation)
The light-emitting property is approximately 1000 lux using the prototype “polychromatic composite structure phosphorescent fiber” wrapped around an aluminum plate so that the threads overlap three times, stored for 24 hours or more, and then light-shielded for more than 24 hours. Excitation was performed for 30 minutes at an illuminance of 10 minutes, and after the irradiation was stopped, whether or not the sample was shining in a dark state was visually judged by 10 humans and expressed in a five-step evaluation.
<Evaluation>
5: All 10 people can confirm the luminescence (specify the position of the sample). Answer 4: 8-9 people can confirm the luminescence (specify the position of the sample). Answer 3: 6-8 people emit the luminescence. If it can be confirmed (specify the position of the sample), answer 2: 4-6 people can confirm the luminescence (specify the position of the sample), and answer 1: 2-4 people can confirm the luminescence (specify the position of the sample) Can answer) answer [0053]
(Operability evaluation)
When the prototype "polychromatic composite structure phosphorescent fiber" is embroidered on a polyester fabric, there are 3 levels (○, △, ×) of thread unwinding, guide passing, embroidery needle hole passing, and thread breakage ).
[0054]
In the following examples and comparative examples, strontium aluminate (SrAl ₃ O ₄ : Eu, Dy, average particle diameter 1.0 μm) activated with dysprosium and europium was used as the phosphorescent pigment.
[0055]
The total fineness (D, decitex) of the phosphorescent fiber, the total fineness (d, decitex) of the colored yarn, the mutual fineness ratio, and the number of times of twisting (t, times / m) for combining the phosphorescent fiber and the colored yarn are general methods. The twist coefficient (T) was calculated by the equation (D + d) ^1/2 * t.
[0056]
<Example 1>
A core-sheath type composite fiber (conjugate fiber) was spun by melt spinning using a polypropylene polymer added with 20% by weight of a luminous pigment as a core component and 6-nylon as a sheath component. The obtained phosphorescent fiber was 100T (decitex) / 12f (filament) ultra-light yellow thread (boiling water shrinkage rate 8%) having a core: sheath ratio of 1: 3.
[0057]
As the colored yarn, a commercially available 44T / 14f marine blue color, dyed yarn containing 6-nylon as a component (boiling water shrinkage 2%) was used.
[0058]
First, put a S650t / m twist into a 100T / 12f phosphorescent fiber, put two of this yarn and a 44T / 24f colored yarn with a twister at Z650t / m, and heat at 65 ° C for 20 minutes. The set was carried out to obtain 244T composite fibers (Table 1).
[Table 1]

[0059]
<Example 2>
A polypropylene polymer added with 20% by weight of a luminous pigment was melt-spun alone. The obtained phosphorescent fiber was a 100T (decitex) / 12f (filament) ultra-light yellow yarn.
[0060]
As the colored yarn, a commercially available 44T / 14f marine blue color, dyed yarn containing 6-nylon as a component was used.
[0061]
First, put S650t / m under-twist into 100T / 12f phosphorescent fiber, put 2 pieces of this yarn and 44T / 14f colored yarn with a twister at Z650t / m, and heat at 65 ° C for 20 minutes. The set was carried out to obtain 244T composite fibers (Table 2).
[Table 2]

[0062]
<Examples 3 to 4>
A 244T composite fiber was prepared under the same conditions as in Example 1 except that the sheath component polymer of the phosphorescent yarn was polyethylene terephthalate and polypropylene (Table 3).
[Table 3]

[0063]
<Example 5>
In Example 1, an original yarn composed of a commercially available 78T / 24f 6-nylon as a colored yarn was used as a colored yarn, and the yarns were twisted and twisted at Z600 t / m to obtain a 278T composite fiber (Table 4). ).
[Table 4]

[0064]
<Example 6>
A 100T / 12f phosphorescent fiber used in Example 1 was put with a S650t / m twist, and two yarns were drawn and twisted together at Z400t / m to prepare a 200T / 24f phosphorescent fiber. This was used as a core yarn, and a commercially available original yarn comprising 78T / 24f 6-nylon as a component was covered with Z600 t / m to obtain a 278T composite fiber (Table 5).
[Table 5]

[0065]
<Examples 7 to 8, Comparative Example 1>
Two 200T / 24f phosphorescent fibers of Example 6 and one commercially available 78T / 24f original yarn were aligned, and aligned and twisted at the following number of upper twists to obtain a 478T composite fiber.
Z1000 t / m (Comparative Example 1), Z800 t / m (Example 7), Z400 t / m (Example 8), (Table 6).
[Table 6]

[0066]
<Examples 9 to 10, Comparative Examples 2 to 3>
In Examples 7 to 8, a commercially available 44T / 24f pre-dyed yarn was used as the colored yarn, and it was twisted and twisted at the following upper twist number to obtain a 444T composite yarn.
[0067]
Z1000 t / m (Comparative Example 2), Z800 t / m (Example 9), Z400 t / m (Example 10), Z300 t / m (Comparative Example 3), (Table 7).
[Table 7]

[0068]
<Examples 11-12, Comparative Examples 4-5>
A bellows twisting method using a commercially available 44T silver lame yarn (120 cuts, base film: polyester, vapor deposition metal: silver, resin coating as a protective layer) as a colored yarn using the 200T / 24f phosphorescent fiber of Example 6 as a core yarn. Then, the core yarn was wound with the following number of upper twists to obtain a 244T composite yarn.
[0069]
Z1400 t / m (Comparative Example 4), Z1000 t / m (Example 11), Z800 t / m (Example 12), Z400 t / m (Comparative Example 5), (Table 8).
[Table 8]

[0070]
<Examples 13 to 16>
200T / 24f phosphorescent fiber, colored 44T lame yarn (120 cut, with adhesive layer mixed with dye or pigment in base film layer and protective layer of resin coating or film laminate) as a colored yarn, yellow ( Example 13) Lame yarn having yellowish green (Example 14), beige (Example 15), pink color (Example 16) is used, and the core yarn is wound at an upper twist of Z800 t / m by a bellows twisting method. 244T composite yarn was obtained (Table 9).
[Table 9]

[0071]
<Examples 17 to 18>
A 244T composite fiber (Example 17) was obtained under the same conditions as in Example 1 except that the amount of the phosphorescent agent added to the core component polypropylene polymer was 10% by weight. Also, you a composite fiber in which the added amount of 30 wt% as in Example 18 (Table 10).
[Table 10]

[0072]
Each performance evaluation is shown in Table 11.
[Table 11]

[0073]
【The invention's effect】
As described above, the pleochroic composite structure phosphorescent fiber of the present invention appears to be similar to the color of the wound colored yarn in a bright place by superimposing the colored yarn and the phosphorescent fiber under certain conditions, and the phosphorescent pigment when dark It seems to emit light in the color. Furthermore, by selecting the color of the wound colored yarn, it is possible to develop an extremely multicolored color.

Claims

Phosphorescent fiber and colored yarn containing phosphorescent pigment, a multi-color composite structure light-storing fibers that are twisted if the condition satisfying the following (1) to (3), the entire light-storing fibers the phosphorescent pigment A polychromatic composite structure phosphorescent fiber containing 2.5 to 25% by weight based on the weight .
(1) The ratio between the freshness (D) of the phosphorescent fiber and the fineness (d) of the colored yarn is 2: 1 to 10: 1.
(2) The twist coefficient T represented by (D + d) ^1/2 * t is 8000 to 18000.
Where D = total fineness of the phosphorescent fiber (decitex), d = total fineness of the colored yarn (decitex), t = number of times twisted to twist the phosphorescent fiber and the colored yarn (times / m)
(3) The fineness of the polychromatic composite structure phosphorescent fiber is 100 dT or more and 500 dT or less.

Phosphorescent fibers, core-sheath structure composite fiber der which a core component polymer and a thermoplastic sheath component polymer are joined containing phosphorescent pigment is, contains phosphorescent pigment is 10 to 30 wt% with respect to the core component multicolor composite structure light-storing fibers according to claim 1, wherein that.

The polychromatic composite structure phosphorescent fiber according to claim 2, wherein the core component polymer is a phosphorescent fiber which is a polyolefin.

The polychromatic composite structure phosphorescent fiber according to any one of claims 2 and 3, wherein the sheath component polymer is at least one thermoplastic polymer selected from the group consisting of polyester, polyamide and polyolefin.

The polychromatic composite structure phosphorescent fiber according to any one of claims 1, 2, 3, and 4, wherein the colored yarn is a dyed yarn, an original yarn, or a lame yarn.

The pleochroic composite according to any one of claims 1, 2, 3, 4 and 5, wherein the colored yarn and the phosphorescent fiber are twisted in a form of any one of draw twisting, covering, and bellows twisting. Structural phosphorescent fiber.