JP3953163B2 - 可撓性に富んだ環状連結具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣料品などに値段や品質用の表示札等を取り付けたり、封緘したりする際に使用する環状連結具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、店頭に陳列する衣料品等に対して、値段や品質等を表示するための表示札を取り付ける場合に、図7に示すように表示札9の孔9aに糸91を通して糸のループ92を作り、このループ92を商品8のボタン孔8a等に通して、更に、このループ92の間に表示札9を潜らせて、表示札9を取り付けている。
【0003】
更に、係止片部取付具(取付けガン)を用いてワンタッチで、図8に示すように、頭部96とフィラメント部(線状部)97と、この端部にT形に固定した横棒部98とを一体成型した合成樹脂製の係止片(タグピン)95を、衣服等の生地8に取付けガンで打ち込んで、表示札9を取り付ける方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、表示札9を糸91で括った場合には、糸91が縒れたりして、表示札9を外す際にこの糸91の括りを解くのに手間がかかるという問題があり、見た目も単に表示札9がぶら下がっているだけで装飾性がないという問題がある。
また、係止片95を使用して表示札9を衣服8等に取り付ける場合には、取り付ける際に先端に中空針を持つ専用の取付ガンが必要になる上に、厚手の生地に対しては比較的問題は少ないが、繊細な糸を使用した高級衣服や婦人用下着類等の薄手で弱い布地の場合には、取り付ける際に中空針を衣服等に突き刺すことによって損傷を起こしたり、表示札9が引張られた時に端部の横棒部98で衣料品の生地8を損傷したり、また、展示中に生地8に目ズレを起こしたりして、衣服等の品質を落としてしまうという問題がある。
【0005】
その上、この係止片95で取り付けられた表示札9を取り外すために、フィラメント部97を切断するが、この横棒部98を含む小さなT字形状になった端部が、商品内に残って生地を傷めという問題があり、しかも、この小さな端部を捜し出して始末するには手間がかかるという問題がある。
また、合成樹脂製で係合雄部と係合雌部との間を延伸したフィラメント部で連結した表示札等の取付け具があり、多くの商品で利用されているが、この場合には、合成樹脂を延伸する必要があるため、製造工程に延伸工程が必要になって製造コストがアップする上に、ナイロンやポリプロピレン等の延伸ができる不透明な合成樹脂しか使用できず、メタクリル樹脂やポリスチレンのように透明性のある美観や強度に優れている合成樹脂を使用することができないという問題がある。
【0006】
その上、係合雄部と係合雌部が係合された時に、延伸されたテグスのように硬さのあるフィラメント部が商品の取付け面に突出した曲線を形成するので、見苦しく、また、商品を重ねる時に邪魔となるので、比較的薄物が多い絹製品などの高級品には向かないという問題がある。
しかも、高級品も低価格品と同じように、テグス状の剛直なフィラメント部で表示札等が取り付けられているため、商品から離れて立上がり、高級感がなく、消費者に対する高級イメージのアピール度が足りないという商品表示上の重要な問題があった。このような観点から、ネックレスのように一見して高級感を受けることができる、美観に優れしかも手触りが良く、取り扱いも容易な環状連結具が必要とされている。
【0007】
本発明は前記したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、フィラメント部の代わりにチェーン状部材を使用し、このチェーン状部材の柔軟性を利用して簡単にループを形成することができ、衣料品等への表示札等の取付けに際してチェーン状部材による装飾効果を生かして高級感を演出でき、しかも、延伸できない合成樹脂材料でも成形可能なものであれば使用可能な可撓性に富んだ環状連結具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の可撓性に富んだ環状連結具は、第1リング部(5)を有する合成樹脂製の係合雄部(2)と、第2リング部(6)を有する合成樹脂製の係合雌部(3)と、前記第1リング部(5)に一端が連結され、他端が前記第2リング部(6)に連結される合成樹脂製のチェーン状部材(4)とからなる商品へ表示札の取付けを行うための可撓性に富んだ環状連結具(1)において、前記係合雄部(2)は、頭部(23)と首部(21)と、該首部(21)に接続されたストッパー部(24)と基部(20)と前記第1リング部(5)が、この順序に配置されており、更に、前記首部(21)の周面に固定され、前記ストッパー部(24)側に向かって拡開した2枚の係止部(22,22a)を有しており、
前記係合雌部(3)は、基部(30)に直交して貫通する嵌合孔(31)を持つ枠部(32)と、該嵌合孔(31)の内壁面より中心に向かって突出する環状突起(33)と、前記第2リング部(6)とからなり、前記2枚の係止部(22,22a)が前記環状突起(33)を通過して該環状突起(33)に係止状態にある時、前記ストッパー部(24)は前記環状突起(33)の中心に開口する孔の通過を阻止されるように拡大した寸法に形成されており、前記チェーン状部材(4)は、同形状・同寸法のリングを鎖状に連結して形成されており、前記環状連結具(1)は、係合雌部(3)の嵌合孔(31)に係合雄部(2)を嵌入すると環状に連結され、更に、商品の表示札(9)の取付け孔(9a)に貫通できる小寸法に形成されている。
【0009】
これらの構成により、係合雄部を表示札等の穴を通した後で先端の係合雄部を嵌合部に挿入することにより、綺麗なチェーン状部材の可撓性に富んだループを容易に形成できるので、このチェーン状部材のループにより衣料品へ表示札等の取り付けを簡単、且つ確実に行うことができる。
そして、この美観に優れたチェーン状部材は、平面的に置いた時は、商品等の展示品上に沿って載せられた感じとなり、見た目のフィット感があたかもネックレスのように良いので、商品に柔らかく優しい感じを与えることができるので、また、更には、このチェーン状部材で、簡単なカーブを描き装飾効果を上げることもできるので、展示品に高級品としてのイメージを高める演出を行うことができる。
【0010】
また、延伸したフィラメント部分を使用しないので、ポリアミド(ナイロン等、PA)、ポリプロピレン(PP)等の延伸可能な合成樹脂材料のみではなく、メタクリル樹脂(PMMA)やポリスチレン(PS)等の透明性・光沢・着色性等の美観や強度・耐久性に優れている合成樹脂材料も使用でき、その上、延伸工程が無いので製造が極めて容易となり、製造コストも低下できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づき本発明による可撓性に富んだ環状連結具の実施の形態について説明する。図1と図2に示すように、本発明に係る可撓性に富んだ環状連結具1は、合成樹脂製の係合雄部2の第1リング部5と、この係合雄部2と係合する係合雌部3の第2リング部6との間をチェーン状部材4で一体的に連結して形成される。
【0012】
このチェーン状部材4は環状連結具1の形成するループを可撓性に富んだものにする部分であり、小さなリングの結合によって形成されるが、このリングの形状も長円形のリングや丸形のリングや角形のリング等様々な形状のリングを使用することができる。また、合成樹脂製で、使用する商品や表示札などの図柄に合わせた見栄えのよい材料を使用するのが好ましい。
【0013】
また、係合雄部2は、図1〜図3に示すように、第1リング部25に連結する円筒状の基部20と首部21を介して設けられた頭部23とから形成され、この頭部23の首部21側には拡縮可能な逆進防止の係止部22が設けられている。この係止部22は、嵌合孔31の略中心に設けられた環状突起33部分を通過する際には縮径し、通過後は拡開するように弾性的に拡縮可能に形成される係止片22aを有している。
【0014】
更に、ストッパー部24がこの係合片22aの後端から環状突起33の厚さ分以上後方の基部20に設けられている。このストッパー部24は、環状突起33部分の貫通穴より大きい径で、かつ、嵌合孔31より小さい径で形成される。
そして、嵌合部3は頭部23が嵌入する嵌合孔31を有する枠部32と、この枠部32に連結する円筒状の基部30と、この基部30に連結する第2リング部35とから形成されている。また、上述したように、この嵌合孔31の略中央部分に、嵌合孔31を小径にする環状突起33が設けられている。
【0015】
また、係合雄部2に設けられる係合部22に関しては、図4、図5に示すような構成にすることもできる。即ち、係合部22の突起部分22bの内側に溝部27を設けて、中央部25と側壁部26を形成し、この突起部分22bが嵌合孔31の環状突起部33を通過する時には、この側壁部26が中央部25に寄り添って小径となり、通過させる。通過後は弾性により、元の径に戻り、突起部分22bの後端部22cが逆進を妨げる。また、図5に示す係合部22は中央部25の図面上の下側に中央溝28を設け、この下側の部分も小径となる弾性変形ができるように構成したものである。
【0016】
この係合雄部2と係合雌部3を連結するチェーン状部材4の長さは、取り付ける表示札の大きさや商品や用途にもよるが、約60〜200mm程度で、好ましくは約100mmとし、商品や表示札等を取り付け易く、邪魔にならない長さとする。
この可撓性に富んだ環状連結具の使用方法は、図5に示すように、表示札9の穴9aに係合雄部2とチェーン状部材4を貫通させて、表示札9をチェーン状部材4で支持してから、先端の係合雄部2を嵌合部3の嵌合孔31に通して嵌合し、チェーン状部材4のループを形成し、このループを利用して表示札9を商品、例えば、ハンドバックの把手7等に取り付ける。
【0017】
従って、以上の構成の可撓性に富んだ環状連結具1によれば、チェーン状部材4で簡単にループを形成でき、しかも、このループを形成するチェーン状部材4は、平面的に置いた時は、商品9等の展示品上に沿ってソフトに載せられた感じとなり、見た目のフィット感が良いので、商品に柔らかく優しい感じを与えることができ、高級感を演出できる。また、チェーン状部材4の輪による光の反射やチェーン状部材4の質感により、高級なイメージを高めることができる。
【0018】
さらに、延伸したフィラメント部を不要にすることができるので、延伸できないが透明性・光沢・着色性等美観や強度や耐久性に優れている合成樹脂材料も使用可能にでき、合成樹脂で作られる部分の美観や強度及びコスト等を改善できる。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の可撓性に富んだ環状連結具は、係合雄部を係合雌部に挿入することにより、綺麗なチェーン状部材の可撓性に富んだループを容易に形成できるので、このチェーン状部材のループにより衣料品へ表示札等の取り付けを簡単、且つ確実に行うことができる。
【0020】
そして、このループを形成する美観に優れたチェーン状部材は、平面的に置いた時は、商品等の展示品上に沿って載せられた感じとなり、見た目のフィット感が良いので、あたかもネックレスのように商品に柔らかく優しい感じを与えることができ、更に、このチェーン状部材で、簡単なカーブを描き装飾効果を上げることもできるので、展示品の高級品としてのイメージを高めることができ、消費者の購買心を刺激できるので、販売効果を上げることができる。
【0021】
また、延伸したフィラメント部分を使用しないので、ポリアミド(ナイロン)、ポリプロピレン等の延伸可能な合成樹脂だけでなく、メタクリル樹脂やポリスチレン等の透明性・光沢・着色性等の美観や強度や耐久性に優れている合成樹脂も使用できるようになり、材料の選択範囲を大幅に拡大できる。その上、延伸工程を省いて成形工程だけにすることができるので、製造工程が極めて容易となり、製造コストを低下できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可撓性に富んだ環状連結具の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明に係る係合雄部と係合雌部の係合状態を示す部分断面図である。
【図4】本発明に係る係合部の第2の実施の形態を示す部分斜視図である。
【図5】本発明に係る係合突起部の第3の実施の形態を示す部分斜視図である。
【図6】本発明に係る可撓性に富んだ環状連結具の使用状態を示す説明図である。
【図7】従来技術の糸のループを使用した表示札等の取付方法を示す説明図である。
【図8】従来技術の合成樹脂製の係止片(タグピン)を使用した表示札等の取付状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 … 可撓性に富んだ環状連結具
2 … 係合雄部 3 … 係合雌部
4 … チェーン状部材 5 … 第1リング部
6 … 第2リング部 7 … 商品(ハンドバックの把手)
9 … 表示札 9a… 取付け孔
20 … 基部 21 … 首部
22 … 係止部 23 … 頭部
24 … ストッパー部 25 … 中央部
26 … 側壁部 27 … 溝部
28 … 中央溝部 30 … 基部
31 … 嵌合孔 32 … 枠部
Claims (1)
- 第1リング部(5)を有する合成樹脂製の係合雄部(2)と、第2リング部(6)を有する合成樹脂製の係合雌部(3)と、前記第1リング部(5)に一端が連結され、他端が前記第2リング部(6)に連結される合成樹脂製のチェーン状部材(4)とからなる商品へ表示札の取付けを行うための可撓性に富んだ環状連結具(1)において、
前記係合雄部(2)は、頭部(23)と首部(21)と、該首部(21)に接続されたストッパー部(24)と基部(20)と前記第1リング部(5)が、この順序に配置されており、更に、前記首部(21)の周面に固定され、前記ストッパー部(24)側に向かって拡開した2枚の係止部(22,22a)を有しており、
前記係合雌部(3)は、基部(30)に直交して貫通する嵌合孔(31)を持つ枠部(32)と、該嵌合孔(31)の内壁面より中心に向かって突出する環状突起(33)と、前記第2リング部(6)とからなり、
前記2枚の係止部(22,22a)が前記環状突起(33)を通過して該環状突起(33)に係止状態にある時、前記ストッパー部(24)は前記環状突起(33)の中心に開口する孔の通過を阻止されるように拡大した寸法に形成されており、
前記チェーン状部材(4)は、同形状・同寸法のリングを鎖状に連結して形成されており、前記環状連結具(1)は、係合雌部(3)の嵌合孔(31)に係合雄部(2)を嵌入すると環状に連結され、更に、商品の表示札(9)の取付け孔(9a)に貫通できる小寸法に形成されていることを特徴とする可撓性に富んだ環状連結具。
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JP32289197A JP3953163B2 (ja) | 1997-11-25 | 1997-11-25 | 可撓性に富んだ環状連結具 |
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JPH11152120A JPH11152120A (ja) | 1999-06-08 |
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- 1997-11-25 JP JP32289197A patent/JP3953163B2/ja not_active Expired - Fee Related
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