JP3952424B2 - Gas generant composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアバッグ用ガス発生剤に関するもので、特に、エアバッグ用非アジド系ガス発生剤に関し、発生ガス中の有害成分である窒素酸化物及び一酸化炭素の含有量が少なく、且つスラグ捕集性に優れ、更に自動発火性を有する新規なガス発生剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エアバッグ装置は、自動車の乗員の安全性向上の方策の1つとして、近年広く採用されている乗員保護装置であり、その原理は、衝突を検出したセンサからの信号によりガス発生器を作動させて、エアバッグを乗員と車体との間に展開させるものである。このガス発生器には、有害物を含まずクリーンなガスを発生する事,短時間で必要十分なガスを発生する事という機能が要求されている。
【0003】
一方、燃焼の安定化の為に、ガス発生剤は錠剤状に加圧成形されており、これらの錠剤等は、様々な過酷な環境下においても長期間に亘って初期の燃焼特性を維持する事が要求されている。若し、錠剤等の形状が経年変化や環境の変化等によって崩れたり強度低下を起こした場合には、これら火薬組成物の燃焼特性が初期の燃焼特性よりも異常に速い燃焼特性を示す事になり、自動車の衝突の際に、異常燃焼によりエアバッグが破れたり、ガス発生器自体が破損する恐れがあり、乗員保護の目的を達成できないばかりか、逆に乗員に傷害を与える恐れすら生じる。
【0004】
そこで、これらの機能を満足するものとして、従来よりアジ化ソーダ,アジ化カリウム等のアジ化金属化合物を主成分とするガス発生剤が使用されている。このガス発生剤は、瞬時に燃焼し、且つ燃焼ガス成分が実質的に窒素のみであり、CO(一酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)の如き有害ガスを発生させない事、及び燃焼速度が周囲の環境の影響即ちガス発生器の構造の影響を受け難いのでガス発生器の設計が容易である事、等々の利点から多用されている反面、重金属との接触により生じたアジ化物は、衝撃や摩擦によって容易に爆発する性質を有しており、その取扱いには最大限の注意が必要であった。又、アジ化金属化合物自体が有害な物質であり、更に、水や酸の存在下では分解して有毒ガスを発生するという大きな問題点を有している。
【0005】
そこで、アジ化金属化合物に代わるものとして、例えば特開平2−225159号公報,特開平2−225389号公報,特開平3−20888号公報,特開平5−213687号公報,特開平6−80492号公報,特開平6−239684号公報及び特開平6−298587号公報等々、テトラゾール類,アゾジカルボンアミド類その他の含窒素有機化合物を燃料成分とするガス発生剤が提案されている。特にテトラゾール類は、各種含窒素有機化合物の中でも、熱的に安定であり、しかも分子構造中の窒素原子の比率が高いので、COの発生を本質的に抑制する性質を有しているが、NOxの発生に問題がある。このため、上記特開平2−225159号公報や特開平3−20888号公報に見られる様に、ガス発生器にベンチュリー手段を設けて外部から燃焼ガス中に空気を導入し、これによってNOxの濃度を相対的に低下させる方法が提案されているが、本質的な解決にはなっていない。
【0006】
又、これら含窒素有機化合物を燃料とし、これを燃焼させる酸化剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩素酸塩,過塩素酸塩又は硝酸塩が一般的である。これらのアルカリ金属やアルカリ土類金属は、燃焼反応の結果、酸化物を生成するが、これらの酸化物は、人体や環境に対して有害な物質であるので、エアバッグ内に放出されない様に捕集し易いスラグとなし、ガス発生器内で捕集する必要がある。しかしながら、これら含窒素有機化合物を燃料とするガス発生剤の多くは、2000〜2500ジュール/g以上の高い燃焼熱を有しており、このため発生ガスは高温高圧となる。この結果、燃焼の際に副生するスラグの温度も高くなり、スラグの流動性も高くなって、従来のガス発生器内に内蔵されたフィルタでは、スラグの捕集率が低下する傾向にある。そこで、スラグの捕集率を高める為には、より多くのフィルタ部材を装填して、スラグを冷却固化させる方式が考えられるが、この場合にはガス発生器の寸法が増大し、ガス発生器の小型化,軽量化の流れに逆行する事になる。
【0007】
又、上記アルカリ金属,アルカリ土類金属の酸化物を、フィルタ部にて捕集し易いスラグとして効率よく捕集できる様にするため、スラグ形成剤を添加する種々の方式が提案されているが、塩基性物質であるこれらの酸化物と容易にスラグ反応を生じる酸性物質或いは中性物質として、二酸化珪素或いは酸化アルミニウムを添加する方式が基本的な方式であり、従来のアジ化金属化合物を燃料とするガス発生剤の場合のスラグ形成方式と、思想的には何ら変わるものではない。即ち、前記酸化物を珪酸塩やアルミン酸塩として高粘性或いは高融点のガラス状物質に変えて捕集する方式である。特に、特開平4−265292号では、二酸化珪素に代表される低温スラグ形成物質と、反応温度近傍或いはそれ以上の融点の固体を生成する高温スラグ形成剤(例えばアルカリ土類金属,遷移金属の酸化物等)の双方を添加し、燃焼反応で生成する固形物としての高融点粒子を、溶融状態の低温スラグ形成剤と反応させると共に、反応の結果生じる粒子同士を融着させて捕集効率を高める方式が開示されている。
【0008】
上述の高温スラグ形成性を有する酸化剤としては、硝酸ストロンチウムが特に好適な物質として、前述の特開平4−265292号公報,特開平5−117070号公報及び特開平5−21368号公報に開示されている。確かに、高温スラグ形成性という側面からは有効な手段ではあるが、硝酸ストロンチウムを酸化剤として用いた場合には、燃料成分との化学量論比を如何に変化させても、NOx濃度が望ましいレベルにまで低下しないという実用上の問題点がある。尚、この対応策として、前述の特開平5−117070号公報には、化学添加剤として、燃料成分をアルカリ金属塩又はアルカリ金属の炭酸塩として使用する事が開示されているが、コストアップやガス発生剤のガス化率低下に繋がり、好ましい方法ではない。
【0009】
一方、硝酸ストロンチウムに代えて硝酸カリウムを用いた場合には、NOx濃度を人体に許容される程度にまで低下させる事は可能であるが、硝酸カリウムから生成する酸化カリウムに由来する白煙状のミストによるスラグ流出量が非常に多くなり、エアバッグが、このミストによって溶損し、最悪の場合には穴を開けて乗員に火傷を負わせる可能性があった。このため、多量の二酸化珪素等のスラグ形成物質を添加し、更にガス発生器内のフィルタ部材の厚さを大きくする事により、前述の硝酸ストロンチウムの場合よりもスラグ捕集性能は落ちるが、かなりの程度スラグ流出量を抑える事は可能である。しかしながら、この方式では、ガス発生器の小型化・軽量化という流れに逆行するため実用上の問題がある。
【0010】
以上の様に、硝酸ストロンチウムを用いれば、スラグ流出量を減少させる事はできるが、許容限度を越えてNOxが増加し、NOxの発生を抑えるために硝酸カリウムを使用すれば、今度はスラグ流出量が増加する事になり、この二率背反する問題に対しての解決は、非常に困難であった。
【0011】
更に、ガス発生器の容器材質として、ガス発生器の軽量化のために、従来のステンレス(SUS)製に代わってアルミニウム製を用いる事が普及している。SUS製の場合には、高温強度に優れているので、車両用火災やガス発生器の焼却処理等の昇温時にも、容器の破壊を生じる事なく内部の火薬組成物を燃焼させる事が可能であったが、アルミニウム製の場合には、高温強度が著しく低下するため、車両用火災等によりガス発生器が火炎に晒されて内部の火薬組成物が燃焼すると、その燃焼圧力に耐え切れず、容器が破壊して破片が周囲に飛び散り、乗員や周囲にいる人達を殺傷するおそれがある。そこで、エアバッグ用ガス発生器に要求される項目の中に、係る状況下でも容器の破壊等の危険な状態が生じない様にする事が挙げられている。この対策として、USP4,561,675号に、アルミニウム製容器を用いる場合には、アルミニウムの強度低下が生じる温度よりも低い温度で自動発火する火薬を、容器内面に密着させて配置する方式が提案されている。ここで使用されている自動発火薬は、ニトロセルロースを主成分として構成されているものであり、ニトロセルロース自体は、高温下では長期安定性に欠け、更に、その劣化により自然発火する可能性すらあった。
【0012】
自動発火温度としては、アルミニウムの強度上から150〜210℃が好ましく、それ以下で発火する物質については、長期保存上の安定性に問題がある。係る自動発火組成物については、特開平4−265289号公報,特開平7−232989号公報,特開平8−508972号公報及び特開平8−511233号公報等があるが、先の米国特許と同様に、ガス発生器の内部に何等かの構造物を取り付けたり、点火薬や伝火薬等に組み込んだりする必要があり、構造の複雑化とコストアップの要因になっていた。又、特開平8−508972号公報記載のもの以外は、酸化剤に鋭敏な塩素酸塩を使用するため、製造時の危険性にも問題がある。更に、ガス発生剤自体に自動発火性を保有させるものとしては、特開平7−257986号公報に記載のものがあるが、この組成物の具体例として記載されているものは、70重量%もの無機酸化物を含有するため、ガス発生率が低く、ガス発生器の小型化・軽量化が困難となる問題を有している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、従来のアジ化金属化合物の有害性の問題点を解決する方策として有効な含窒素有機化合物、特に、アミノテトラゾール類を燃料成分とするガス発生剤の酸化剤成分の選択に関する問題、即ち、NOx,CO等の有害ガス発生の問題とスラグ捕集性の相反する問題を解決し、更に、従来の自動発火機構の有する問題をも一挙に解決する事を目的とするものである。
【0014】
具体的には、発生ガス中の有害ガス成分であるNOx及びCOの発生量が低く且つガス化率が高く、更にスラグ流出量が少なく、加えて、ガス発生剤自体に自動発火機能を保持させた新規なガス発生剤組成物を提供する事にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、係る課題を解決するもので、燃料成分と酸化剤と自動発火性発現触媒成分とを主要成分として含有するガス発生剤組成物であって、燃料成分としてアミノテトラゾールを20〜45%(重量%。以下別段の記載がない限り同じ)酸化剤を50〜75%,自動発火性発現触媒成分として三酸化モリブデンを0.05〜5%含有すると共に、前記酸化剤は、硝酸ストロンチウムとアルカリ金属又はバリウムの硝酸塩又は過塩素酸塩とからなり、該酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有量が75〜95%である事を特徴とするものである。これにより、NOx発生量とスラグ流出量が共に少なく且つ自動発火機能を有するガス発生剤組成物となすものである。尚、前記三酸化モリブデンに代えて、モリブデン酸,モリブデン酸ナトリウム,リンモリブデン酸アンモニウム等の加熱により三酸化モリブデンを生成するモリブデン化合物を、三酸化モリブデン換算で、0.05〜5%含有させたものであってもよい。
【0016】
上記燃料成分と酸化剤と触媒成分とからなる組成物に、バインダとして、次式で示されるヒドロタルサイト類を、組成物全体に対して2〜10%混合して成形する事も好ましい組成物である。
〔M2+ 1-x M3+ x (OH)2 〕x+〔An- x/n ・mH2 O〕x-
ここで、
M2+:Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+等の2価金属
M3+:Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+等の3価金属
An-:OH- ,F- ,Cl- ,NO3 - ,CO3 2- ,SO4 2- ,Fe(CN)6 3- ,CH3 COO- ,蓚酸イオン,サリチル酸イオン等のn価のアニオン
x :0<x≦0.33
【0017】
尚、前記ヒドロタルサイト類としては、
化学式:Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 Oで表される合成ヒドロタルサイト、又は、
化学式:Mg6 Fe2 (OH)16CO3 ・4H2 Oで表されるピロウライトを用いるのが好ましい。
【0018】
更に、上記組成物に、スラグ捕集剤としての金属窒化物又は金属炭化物の1種以上を、該組成物全体に対して2〜10%混合してスラグ捕集性を改善したり、或いは前記組成物に、滑剤として、ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸亜鉛,グラファイト,窒化硼素,二硫化モリブデンの1種以上を、該組成物全体に対して0.1〜1%混合して成形性を改善するのも好ましい方式である。特に、上記金属窒化物又は金属炭化物は、前記燃料成分及び酸化剤のいずれか一方又は双方の粉砕時に混合する様になせば、金属窒化物や金属炭化物が均一に分散してスラグ反応の均一化と共に、固結防止剤の役割をもなす効果が期待できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。本発明のガス発生剤の基本構成は、燃料成分としてのアミノテトラゾールと、これを燃焼させる酸化剤混合物と、自動発火性を発現させるための三酸化モリブデンとを主要成分として含有し、更に、これに適宜バインダとしてのヒドロタルサイト類及び他の添加剤を混合してなるものである。
【0020】
そこで、先ず、本発明で燃料成分として使用するアミノテトラゾールについて説明する。アミノテトラゾールは、分子構造中の窒素原子の比率が高く有害なCOの発生を基本的に抑制する構造を有しており、しかも、安定性及び安全性を含めて取り扱いが容易であり、価格面でも安価であって、各種含窒素有機化合物の中でも、最も好ましい物質である。このアミノテトラゾールの含有量は、組成物全体に対して、20〜45%が好ましい。20%以下ではガス発生量が少なく、エアバッグの展開不良を生じるおそれがあり、又、45%を越えて添加すると、相対的に酸化剤の添加量が少なくなって不完全燃焼を生じ、有害なCOガスを大量に発生するおそれがあり、更に極端な場合には、未燃焼物が生じるおそれがあるからである。
【0021】
次に、本発明のガス発生剤で使用する酸化剤について説明する。前述の通り、アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウムとの組み合わせでは、NOxの発生が多くなり、又、アミノテトラゾールと硝酸カリウムとの組み合わせでは、NOx発生量は低減するが、スラグ流出量が多くなる二律背反の問題点があったが、本発明者等は、種々の検討の結果、硝酸ストロンチウムと硝酸カリウムとを混合して使用した場合に、ある範囲の混合割合においては、両者の加成性にて予測された混合効果とは大きく異なるNOx低減効果とスラグ流出量低減効果が発現される事を発見した。その範囲は、酸化剤全体に対して、硝酸ストロンチウムを75〜95%,硝酸カリウムを5〜25%としたものである。尚、硝酸カリウムに代えて、他のアルカリ金属又はバリウムの硝酸塩或いはアルカリ金属又はバリウムの過塩素酸塩を使用しても同様の効果が得られるが、硝酸カリウムが最も好ましい。又、酸化剤の含有量は、ガス発生剤組成物全体に対して50〜75%が好ましい。酸化剤の含有量が50%未満では、供給酸素量が不足して不完全燃焼を生じ、有害なCOガスを生じたり、極端な場合には燃料に未燃焼物を生じて、エアバッグ展開に必要なガスが供給されず、エアバッグに展開不良を生じるおそれがある。一方、75%を越えると、逆に燃料成分不足が生じる恐れがあり、前述の場合と同様に、エアバッグ展開に必要なガスが供給されず、エアバッグに展開不良を生じるおそれがある。
【0022】
次に、本発明で使用する自動発火性発現のための触媒成分について説明する。前述のアミノテトラゾールと硝酸ストロンチウム及び硝酸カリウムの組成物系に各種金属酸化物,金属硫化物及び金属粉末を添加して、自動発火機能が付与されるか否かを検討したところ、驚くべき事に、唯一三酸化モリブデンのみが、自動発火機能を発現させる性質を有するものである事が判明した。その添加量が、0.05%の極めて少ない添加量でも自動発火機能が発現し、5%までは、その機能が殆ど変化しない事も判明した。従って、自動発火性付与のための触媒成分としての三酸化モリブデンの添加量は、0.05%〜5%の範囲が好ましく、0.05%未満では自動発火機能が発現せず、又、5%を越えるとガス化率が低下する事になる。
【0023】
又、上記三酸化モリブデンと他の燃料成分との組み合わせ或いは他の酸化剤との組み合わせにおいても自動発火機能が発現するか否かを確認したところ、燃料成分が、ニトログアニジン,ジシアンジアミド及びアゾジカルボンアミドでは、自動発火機能が発現せず、又、酸化剤が、硝酸ストロンチウムと硝酸カリウムの組み合わせの場合において、最も優れた自動発火機能を示し、他のアルカリ金属又はバリウムの硝酸塩或いは過塩素酸塩と硝酸ストロンチウムとの組み合わせにおいても自動発火機能が確認されたが、硝酸ストロンチウム単独では、自動発火機能は確認されなかった。この意味から、三酸化モリブデンは、燃料成分がアミノテトラゾールであり、酸化剤が硝酸ストロンチウムとアルカリ金属又はバリウムの硝酸塩或いは過塩素酸塩の組み合わせにおいてのみ、自動発火機能を発現させる特異な触媒であると言える。
【0024】
又、三酸化モリブデンに代えて、モリブデン酸,モリブデン酸ナトリウム,リンモリブデン酸アンモニウム等の、アルミニウムの劣化温度以下の180℃以下の加熱により、三酸化モリブデンを生成するモリブデン化合物であっても、自動発火機能が得られる事が確認されており、本発明においては、これらのモリブデン化合物の使用も可能である。尚、これらのモリブデン化合物を三酸化モリブデンに代えて使用する場合の添加量は、生成する三酸化モリブデン換算で、上記の0.05〜5%の範囲となる様に添加する事が肝要である。
【0025】
次に、本発明で使用するその他の添加剤成分について説明する。本発明で使用する添加剤の1つに、スラグ捕集剤としの金属窒化物或いは金属炭化物がある。先ず、金属窒化物について説明すると、本発明で使用する他の添加物としては、スラグ捕集剤としての金属窒化物があり、この金属窒化物として使用可能なものは、窒化珪素(Si3 N4 ),窒化硼素(BN),窒化アルミニウム(AlN),窒化マグネシウム(Mg3 N2 ),窒化モリブデン(MoN/Mo2 N),窒化タングステン(WN2 /W2 N,W2 N3 ),窒化カルシウム(Ca3 N2 ),窒化バリウム(Ba3 N2 ),窒化ストロンチウム(Sr3 N2 ),窒化亜鉛(Zn3 N2 ),窒化ナトリウム(Na3 N),窒化銅(Cu3 N),窒化チタン(TiN),窒化マンガン(Mn4 N),窒化バナジウム(VN),窒化ニッケル(Ni3 N/Ni3 N2 ),窒化コバルト(CoN/Co2 N/Co3 N2 ),窒化鉄(Fe2 N/Fe3 N/Fe4 N),窒化ジルコニウム(ZrN),窒化クロム(CrN/Cr2 N),窒化タンタル(TaN),窒化ニオブ(NbN),窒化セリウム(CeN),窒化スカンジウム(ScN),窒化イットリウム(YN)及び窒化ゲルマニウム(Ge3 N4 )の群から選ばれた1種以上が使用される。尚、上記金属窒化物の内、窒化ナトリウム(Na3 N)と、従来よりガス発生剤の燃料として使用されているアジ化ナトリウム(NaN3 )とは基本的に異なる化合物であり、本発明でいう金属窒化物には、アジ化ナトリウムは含まれない。
【0026】
これらの内、窒化珪素,窒化硼素,窒化アルミニウム,窒化モリブデン,窒化タングステン,窒化チタン,窒化バナジウム,窒化ジルコニウム,窒化クロム,窒化タンタル,窒化ニオブ等は、ファインセラミックスと呼ばれているものであり、熱的にも安定で高強度の耐熱材料として使用されているものであるが、高温の酸化性雰囲気下では、他の窒化金属と同様に燃焼する性質がある。本発明は、この燃焼する性質を利用して、スラグ形成とガス発生の両方の作用を同時に行うものである。例えば、窒化珪素の場合には、次の(1)式の如き硝酸ストロンチウムとの酸化反応によって窒素ガスと珪酸塩と酸素を生成する。尚、反応式の係数は省略している。
ここで生成した窒素ガスは、燃料成分の燃焼によって生成した窒素ガスや炭酸ガスと共にエアバッグ内に放出されてエアバッグの展開に有効に利用され、酸素ガスは、燃料成分の燃焼に利用される。
【0027】
尚、(1)式では、説明の便宜上、各1分子のSi3 N4 +Sr(NO3 )2 との反応式を示したが、実際には酸化剤として添加される硝酸ストロンチウムの量は、スラグ捕集のために添加される窒化珪素よりも圧倒的に多量であるから、化学量論的には上記反応は部分的には成立するも、次の(2)式で示される硝酸ストロンチウムの分解によって生成する酸化ストロンチウム粒子の表面層に、次式の(3)式で示す如き一般式で示されるストロンチウム珪酸塩が生成すると考えられる。
2Sr(NO3 )2 →2SrO+2N2 +5O2 ・・・・・・・・・(2)
SrO+SrSiO3 →Srx SiOy ・・・・・・・・・・・・・(3)
〔ここで、(x,y)=(2,4),(3,5);反応式中の係数は省略〕
【0028】
又、硝酸ストロンチウムの分解によって生成する酸化ストロンチウムは、高融点(2430℃)の酸化物であり、ガス発生器内では微細な固体粒子として燃焼過程で生成するが、上記(1),(3)式の反応によって、その粒子表面部に融点が1600℃前後の各種珪酸塩が形成される。この珪酸塩は、反応環境温度の下では高粘度の溶融状態にあるので、各微粒子が互いに融着して凝集し、大きな粒子となってガス発生器内のフィルタ部材で捕集され易くなる。
【0029】
又、前記金属窒化物が窒化アルミニウム(AlN)の場合には、上記(1),(3)式は次の様に書き換えられる。尚、(5)式の係数は省略している。
ここで生成するアルミン酸塩も、上記珪酸塩と同様に、固形スラグ(SrO)の表面に高粘度のスラグ層を形成し、スラグ微粒子を融着凝集してフィルタで濾過し易い形態のスラグを形成する。
【0030】
これら金属窒化物の添加量は、ガス発生剤組成物全体に対して0.5〜10%の範囲が好ましく、0.5%以下では、上記したスラグ捕集効果が期待できなくなり、又、10%を越えると、燃料や酸化剤の添加量が制限されるので、発生ガス量不足や不完全燃焼を生じるおそれが出てくる。又、これらの粒径は、細かい程その効果が期待し易いので、個数基準50%平均粒径で5μm以下、好ましくは1μm以下が良い。尚、個数基準50%平均粒径とは、個数基準で粒度分布を表す方法であり、全粒子の個数を100としたとき、小さい方から積算して50個に達したときの粒度をいう。この金属窒化物の微粒子を、前記燃料成分や酸化剤成分の粉砕時に少量添加しておけば、これら粉砕成分の固結防止剤の作用をなすと共に酸化剤や燃料中に均一に分散させる事ができ、前記スラグ反応の均一化も期待できる。尚、これら金属窒化物を固結防止剤として使用する際に、二酸化珪素の微粉末である微粒化シリカと併用する事も可能である。
【0031】
尚、金属窒化物をガス発生剤に用いた例としては、特公平6−84274号に記載されたものがあるが、このガス発生剤は、従来のアジ化金属化合物に代えて窒化アルミニウム,窒化硼素,窒化珪素或いは遷移金属窒化物を用いるものであって、いわゆる燃料成分としてこれら金属窒化物を用いるものであり、本発明のスラグ捕集性を向上させるために金属窒化物を用いるものとは、根本的に思想が異なるものである。
【0032】
次に、前記金属窒化物と同様に、本発明においてスラグ捕集剤として使用する金属炭化物について説明する。本発明で使用する金属窒化物としては、炭化珪素(SiC),炭化硼素(B4 C),炭化アルミニウム(Al4 C3 ),炭化マグネシウム(MgC2 /Mg2 C3 ),炭化モリブデン(MoC/Mo2 C),炭化タングステン(WC/W2 C),炭化カルシウム(CaC2 ),炭化バリウム(BaC2 ),炭化ストロンチウム(SrC2 ),炭化亜鉛(ZnC2 ),炭化ナトリウム(Na2 C2 ),炭化銅(Cu2 C2 ),炭化チタン(TiC),炭化マンガン(Mn3 C),炭化バナジウム(VC),炭化ニッケル(Ni3 C),炭化コバルト(Co2 C,CoC2 ),炭化鉄(Fe2 C/Fe3 C),炭化ジルコニウム(ZrC),炭化クロム(Cr3 C2 /Cr7 C3 /Cr23C6 ),炭化タンタル(TaC),炭化ニオブ(NbC),炭化セリウム(CeC2 ),炭化スカンジウム(ScC2 ),炭化イットリウム(YC2 )及び炭化ゲルマニウム(GeC)の群から選ばれた1種以上が使用される。
【0033】
これらの内、炭化珪素,炭化硼素,炭化モリブデン,炭化タングステン,炭化チタン,炭化バナジウム,炭化ジルコニウム,炭化クロム,炭化タンタル,炭化ニオブ等は、ファインセラミックスと呼ばれているものであり、熱的にも安定で高強度の耐熱材料として使用されているものであるが、高温の酸化性雰囲気下では、他の炭化金属と同様に燃焼する性質がある。本発明は、この燃焼する性質を利用してスラグ形成とガス発生の両方の作用を同時に行うものである。例えば、炭化珪素の場合には、次の(6)式の如き酸化反応によって炭酸ガスと二酸化珪素を生成する。
ここで生成した炭酸ガス及び窒素は、燃料成分の燃焼によって生成した窒素ガス,炭酸ガス及び水蒸気と共にエアバッグ内に放出されて、エアバッグの展開に有効に利用され、酸素は、燃料成分の燃焼に利用される。
【0034】
一方、副生した珪酸塩は、硝酸ストロンチウムの分解によって生じる燃焼残渣としてのSrOと前記反応式(3),(5)の如き反応によってガス発生器内のフィルタ内で捕集し易い高粘性のスラグを形成する事は、前述の場合と同様である。即ち、燃焼残渣として生じるSrOは、上記(6)式で生成する炭酸ガスと次式に示す反応によって炭酸ストロンチウムを生成する。
SrO+CO2 →SrCO3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
この炭酸ストロンチウムも、前述のストロンチウム珪酸塩と同様に、1500℃程度で高粘性の溶融状態になるので、高融点粒子である固体の酸化ストロンチウムの表面に高粘性の炭酸ストロンチウムを形成して燃焼残渣の微粒子を融着凝集し、大きな粒子となってガス発生器内のフィルタ部材で捕集され易くする作用をなす。
【0035】
これら金属炭化物の添加量は、前記金属窒化物と同様に、ガス発生剤組成物全体に対し、0.5〜10%の範囲が好ましく、0.5%以下では、上記したスラグ捕集効果が期待できなくなり、又、10%を越えると、燃料や酸化剤の添加量が制限されるので、発生ガス量不足や不完全燃焼を生じるおそれが出てくる。更に、これらの粒径は、細かい程その効果が期待し易いので、個数基準50%平均粒径で5μm以下、好ましくは1μm以下が良い。これらの金属炭化物の微粒子を、前記燃料成分や酸化剤成分の粉砕時に少量添加しておけば、これら粉砕成分の固結防止剤の作用をなすと共に酸化剤や燃料中に均一に分散させる事ができ、前記スラグ反応の均一化も期待できる。尚、これら金属炭化物を固結防止剤として使用する際に、二酸化珪素の微粉末である微粒化シリカと併用すれば、スラグ捕集効率を一層高められる事は前述の通りである。又、この金属炭化物を前述の金属窒化物と併用してもよい事はいうまでもない。
【0036】
次に、本発明で使用する他の添加剤としては、バインダとしての次の一般式で示されるヒドロタルサイト類がある。
〔M2+ 1-x M3+ x (OH)2 〕x+〔An- x/n ・mH2 O〕x-
ここで、M2+:Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+等の2価金属。
M3+:Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+等の3価金属。
An-:OH- ,F- ,Cl- ,NO3 - ,CO3 2- ,SO4 2- ,Fe(CN)6 3- ,CH3 COO- ,蓚酸イオン,サリチル酸イオン等のn価のアニオン。
x :0<x≦0.33
【0037】
このヒドロタルサイト類は、結晶水を有する多孔質の物質であって、含窒素有機化合物系のガス発生剤のバインダとして極めて有効である。即ち、ヒドロタルサイト類をバインダとして含有するガス発生剤は、本発明の出願人の先願に係る特願平8−277066号に詳細に記載されている様に、低い打錠圧力においても、特に、アミノテトラゾールを主成分を燃料成分とした場合には、一般のアジド系ガス発生剤の錠剤硬度10〜15kg(モンサント型硬度計)よりも遙かに高い硬度(25〜30kg)を得る事が可能となる。これは、ヒドロタルサイト類が共通して水分を吸着し易い性質を有しており、この性質が組成物の各成分を強固に結合させる作用をなすものと考えられる。又、このバインダを用いた錠剤は、高温・低温の繰り返しによる熱衝撃に対しても錠剤の特性及び燃焼特性に変化がなく、従って実際に車両に搭載した後の経年変化が少なく、極めて特性の安定した錠剤を得る事が可能となる。
【0038】
尚、ヒドロタルサイト類の代表的なものとしては、
化学式:Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 Oで表される合成ヒドロタルサイト、又は、
化学式:Mg6 Fe2 (OH)16CO3 ・4H2 Oで表されるピロウライトがあるが、入手の容易性及び価格面から合成ヒドロタルサイトが好ましい。
【0039】
このヒドロタルサイト類は、ガス発生剤の燃焼に際し、例えば合成ヒドロタルサイトの場合には、次の反応式に示す様に分解するので、有害ガスを発生せず、又、反応自体は吸熱反応であるので、ガス発生剤の発熱量を低減させる効果もある。
Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 O
→ 6MgO+Al2 O3 +CO2 +12H2 O・・・・・・・・・(8)
更に、分解反応で得られるMgOやAl2 O3 は、前記スラグ形成性金属成分の高融点の酸化物であり、前記窒化物や炭化物中に含有される金属成分の珪酸塩(例えばSrx SiOy )と前記合成ヒドロタルサイトの分解により生じるMgOとが次式の如く反応して容易にフィルタで濾過可能なガラス状のマグネシウムの珪酸塩の複塩がスラグとして生成される。
MgO+Srx SiOy →MgO・Srx SiOy ・・・・・・・・(9)
又、合成ヒドロタルサイトの分解生成物自体も、次式に示す酸・塩基反応であるスラグ反応によって容易に濾過可能なスピネルを形成する。
MgO+Al2 O3 →MgAl2 O4 ・・・・・・・・・・・・・(10)
【0040】
このヒドロタルサイト類をバインダとして添加する場合には、ガス発生剤組成物全体に対して、2〜10重量%の範囲で含有させる。2%より少ないとバインダとしての機能が達成し難く、10%を越えると、他の成分の添加量が少なくなってガス発生剤組成物としての機能が果たし難くなるからである。特に3〜8%の範囲で添加されるのが好ましい。
【0041】
次に、ガス発生剤組成物は、直径4〜10mm,厚さ2〜5mmの錠剤或いは適宜寸法のディスク状に成形して使用されるのが一般的であり、その成形時の粉体の流動性を改善する目的で、例えば、ステアリン酸,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸アルミニウム,二硫化モリブデン,グラファイト,窒化硼素の群から選択された1種以上の滑剤を、ガス発生剤全体に対して0.1〜1%添加するのが好ましい。これにより成形性を一層改善する事が可能となる。
【0042】
又、上記成形して得られたガス発生剤成形体を、成形後に100〜120℃の温度で2〜24時間程度熱処理する事により、経時変化の少ないガス発生剤を得る事ができる。特に107℃×400時間の過酷な耐熱老化試験を行う場合に、この熱処理は極めて有効である。尚、熱処理時間は、2時間未満では熱処理が不十分であり、24時間を越えると、それ以上は意味のない熱処理となるので、2〜24時間の範囲で適当に選定するのが良い。好ましくは5〜20時間が良い。又、熱処理温度は、100℃以下では効果が少なく、120℃を越えると却って劣化のおそれがあるので、100〜120℃の範囲で適当な値を選定する事になる。好ましくは105℃〜115℃程度が良い。
【0043】
次に、本発明の各成分の好ましい組み合わせについて説明する。先ず、燃料成分としては、安定で且つ安全性の高い物質であり、分子構造中の窒素原子の比率が高く、その結果分解して多量の窒素ガスを放出し、しかも有害なCOの発生を本質的に抑制する機能を有する5−アミノテトラゾールが好ましい。又、酸化剤としては、NOx 発生を抑制する作用を有する硝酸塩が好ましく、特に、捕集し易い高粘性スラグを生成する硝酸ストロンチウムと、NOxの低減効果及びアミノテトラゾールと三酸化モリブデンとの組み合わせで自動発火機能を発現させる硝酸カリウムとの混合物が最適である。尚、これらの含有量については、前述の通りである。
【0044】
又、金属窒化物としては窒化珪素が好ましく、又、金属炭化物としては炭化珪素が好ましい。これは珪素分が燃焼過程で二酸化珪素を生成し、この二酸化珪素が、硝酸ストロンチウムから生成する酸化ストロンチウム、或いはバインダとして添加するヒドロタルサイト類に含有されている金属成分とスラグ反応を生じて容易に捕集し易い高粘性のスラグを形成するからである。尚、これらの添加量については前述の通りである。
【0045】
次に、これらの粒子混合物を結合して成形するためのバインダとしては、高融点酸化物であるMgOとAl2 O3 を生成し得る合成ヒドロタルサイトが最も好ましい。これらは窒化珪素又は炭化珪素から生じる得る二酸化珪素とスラグ反応を生じて、ガス発生器のフィルタ部で捕捉され易い高粘性のスラグを生成する。又、成形性を改善するための滑剤としては、ステアリン酸マグネシウムが最適である。尚、これらの添加量については前述の通りである。
【0046】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明する。尚、実施例中の%は全て重量%である。
〔実施例1〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾールを32.2%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウムを53.4%と硝酸カリウムを5.8%(酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有率:90.2%)と,触媒成分としての三酸化モリブデンを0.5%と、金属窒化物としての窒化珪素を3.3%と、バインダとしての合成ヒドロタルサイトを4.6%及び滑剤としてのステアリン酸マグネシウムを0.2%とを夫々配合し、V型混合機により乾式混合した。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウムと硝酸カリウムには、夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を、夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理した。この混合物を、回転式打錠機でプレス成形して直径5mm,厚さ2.3mm,重量100mgのガス発生剤の錠剤を得た。次に、この錠剤を110℃で10時間、熱処理を行った。
【0047】
得られた錠剤46gを、図1に示す構造の試験用ガス発生器1に装填した。この試験用ガス発生器1は、点火器2と伝火薬3とが配置された中央点火室7と、その周囲の、ガス発生剤4が装填された燃焼室8と、更に、その外側の金属フィルタ5が配置された冷却フィルタ室9とから構成され、燃焼ガスは、冷却フィルタ室9を経て、ハウジングのガス噴出孔6から外部に噴出する様になっている。このガス発生器1を用いて60リットルタンクテストを行った。このテストは、内容積60リットルの高圧容器内にガス発生器を装着して作動させ、容器内にガスを放出させて、図2に示す如き容器内圧力の時間的変化と、容器内への流出スラグ量の測定を行うものである。尚、図2において、縦軸は容器内圧力P,横軸は時間tであり、P1は容器内の最大到達圧力(Kpa),t1は点火器2への通電からガス発生器の作動開始までの時間(ms:ミリ秒),t2はガス発生器の作動からP1に至るまでの所要時間(ms)を示している。この60リットルタンクテストの結果を表1に示す。又、この試験用ガス発生剤を用いて自動発火性試験も行い、その結果も併せて表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
表1において、スラグ流出量は、前記試験用ガス発生器のガス放出孔6から噴出した固体残渣を容器内から集めた重量(g)を示している。又、人体に有害なガスとしてCOとNOx (NO及びNO2 を含む)の量(ppm)は、ガス発生器作動後の60リットル容器内に溜まったガスを、所定のガス検知管による分析によって求めた。更に、AI機能は、自動発火機能を意味するもので、前記試験用ガス発生器を、外部火災試験と呼ばれる方法で試験し、火災等に対する自動発火機能の有無を示している。尚、外部火災試験は、積み上げた木材の上に試験用ガス発生器を載置し、木材に灯油をかけて着火し、火炎の中にガス発生器を10〜30分間放置しておき、ガス発生剤の燃焼によってガス発生器が破損するか否かを試験する方法である。因みに、実施例1の試験用ガス発生器の場合には、木材に着火後、約8分後にガス発生剤の燃焼が生じたが、ガス発生器は破損せず、実施例1のガス発生剤組成物は、自動着火機能を有する事が確認された。
【0050】
〔実施例2〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾールを32.2%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウムを48.4%と硝酸カリウムを10.8%(酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有率:81.8%)と、三酸化モリブデンを0.5%と、窒化珪素を3.0%と、合成ヒドロタルサイトを4.9%及びステアリン酸マグネシウムを0.2%とを夫々配合し、実施例1と同様の方法で混合及び成形を行い、ガス発生剤の錠剤を得た。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウムと硝酸カリウムには、夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を、夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理している。得られた錠剤を用いて実施例1と同様の試験を行い、その結果を上記表1に示す。
【0051】
〔実施例3〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾールを32.0%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウムを50.4%と硝酸ナトリウムを9.0%(酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有率:84.3%)と、三酸化モリブデンを0.5%と、窒化珪素を3.6%と、合成ヒドロタルサイトを4.3%及びステアリン酸マグネシウムを0.2%とを夫々配合し、実施例1と同様の方法で混合及び成形を行い、ガス発生剤の錠剤を得た。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウムと硝酸ナトリウムには、夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を、夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理している。得られた錠剤を用いて実施例1と同様の試験を行い、その結果を上記表1に示す。
【0052】
〔実施例4〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾールを31.6%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウムを53.6%と過塩素酸カリウムを6.2%(酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有率:90.5%)と、三酸化モリブデンを0.5%と、窒化珪素を4.0%と、合成ヒドロタルサイトを3.9%と滑剤としてのステアリン酸マグネシウムを0.2%とを夫々配合し、実施例1と同様の方法で混合及び成形を行い、ガス発生剤の錠剤を得た。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウム及び過塩素酸カリウムには、夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を、夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理している。得られた錠剤を用いて実施例1と同様の試験を行い、その結果を上記表1に示す。
【0053】
〔比較例1〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾールを32.2%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウムを59.2%(その他の酸化剤を含まず)と、三酸化モリブデンを0.5%と、窒化珪素を3.3%と、合成ヒドロタルサイトを4.6%と滑剤としてのステアリン酸マグネシウムを0.2%とを夫々配合し、実施例1と同様の方法で混合及び成形を行い、ガス発生剤の錠剤を得た。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウムには夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を、夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理している。得られた錠剤を用いて実施例1と同様の試験を行い、その結果を上記表1に示す。
【0054】
〔比較例2〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾールを32.2%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウムを30.2%と硝酸カリウムを29.0%(酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有率:51.0%)と、三酸化モリブデンを0.5%と、窒化珪素を3.3%と、合成ヒドロタルサイトを4.6%及び滑剤としてのステアリン酸マグネシウムを0.2%とを夫々配合し、実施例1と同様の方法で混合及び成形を行い、ガス発生剤の錠剤を得た。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸ストロンチウム及び硝酸カリウムには、夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を、夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理している。得られた錠剤を用いて実施例1と同様の試験を行い、その結果を上記表1に示す。
【0055】
〔比較例3〕
燃料成分としての5−アミノテトラゾールを33.7%と、酸化剤としての硝酸カリウムを56.6%(酸化剤中に硝酸ストロンチウム含有せず)と、三酸化モリブデンを0.5%と、窒化珪素を4.2%と、合成ヒドロタルサイトを4.8%と滑剤としてのステアリン酸マグネシウムを0.2%とを夫々配合し、実施例1と同様の方法で混合及び成形を行い、ガス発生剤の錠剤を得た。尚、混合に際し、予め5−アミノテトラゾールと硝酸カリウムには、夫々窒化珪素の微粉末(個数基準50%平均粒径で0.2μm)を夫々の重量に応じて略比例配分した量を添加し、個数基準50%平均粒径で12μm程度に粉砕処理している。得られた錠剤を用いて実施例1と同様の試験を行い、その結果を上記表1に示す。
【0056】
上記表1から明らかな様に、全ての実施例及び比較例の燃料成分が同一であり、いずれも良好に燃焼する条件での組成物を選択しているので、t2及びP1に関しては大差は見られない。同様に、COについても、燃料成分が全て5−アミノテトラゾール(5−ATZ)であり、前述の通り、構造的にCOの発生を抑制する性格を有しているので、いずれの例においても大差は見られず且つ人体に有害なレベルではない。
【0057】
次に、酸化剤としての硝酸ストロンチウムと硝酸カリウムについて見ると、酸化剤として硝酸ストロンチウムのみを使用した比較例1では、スラグ流出量を低く抑える効果があるが、NOxは無視し得ぬレベルにある。一方、酸化剤として硝酸カリウムのみを使用した比較例3では、NOx発生量は低い値に抑えられているが、スラグ流出量は、高い値を示している。この事は、前述した通り、両者の関係が二律背反の関係にある事を示している。
【0058】
そこで、酸化剤としての硝酸ストロンチウムと硝酸カリウムの混合によるNOx低減効果について見ると、酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有量が0%であり硝酸カリウムが100%の比較例3では、NOx含有量は、最低の80ppmであり、酸化剤中の硝酸ストロンチウムが100%の比較例1では、最高の650ppmである。一方、両酸化剤を約半々に混合している比較例2を見ると、両酸化剤の混合比率とNOx発生量との間に加成性が成立するならば、比較例2の場合には、両者の中間の360〜370ppm程度を示す事になるが、実際には120ppmであり、両酸化剤の混合によるNOxの発生量は、加成性のラインから大きく外れて、予期せぬ低減効果が確認された。これは、実施例1,2の、酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有量が、80〜90%の高比率の場合でも、NOx含有量は150〜170ppmと、前記加成性のラインからNOxの低能度側に大きく外れている事が分かる。又、硝酸ストロンチウムと併用する酸化剤が、硝酸ナトリウム(実施例3)及び過塩素酸カリウム(実施例4)の場合でも、同様に、前記加成性のラインからNOxの低能度側に大きく外れており、これらの酸化剤の併用でも有効な事が分かる。
【0059】
次に、スラグ流出量について見ると、全ての実施例及び比較例に、スラグ捕集剤としての窒化珪素を適量配合しているので、いずれの場合にも、極端なスラグ流出量は認められない。そこで、前述のNOxの場合と同様に、酸化剤中の硝酸ストロンチウムと硝酸カリウムとの配合比率とスラグ流出量との関係について見ると、酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有量が0%(硝酸カリウムが100%)の比較例3では、スラグ流出量は、最高の8.0gであり、酸化剤中の硝酸ストロンチウムが100%の比較例1では、最低の1.4gである。一方、両酸化剤を約半々に混合している比較例2を見ると、両者の中間の4.6gであり、この領域では、両酸化剤の混合とスラグ流出量との間に加成性が成立すると見られるが、実施例1,2における酸化剤中の硝酸ストロンチウム含有量が、80〜90%の高比率の領域では、スラグ流出量は1.8〜2.2gと、前記加成性のラインからスラグ流出量の低減側に外れており、スラグ流出量においても、両酸化剤の混合に、予期せぬ効果が確認された。尚、硝酸ストロンチウムと併用する酸化剤が、硝酸ナトリウム(実施例3)及び過塩素酸カリウム(実施例4)の場合でも、同様に、スラグ流出量は、低い値に抑えられている事が分かる。
【0060】
因みに、COについて見ると、酸化剤として硝酸ナトリウムを併用した場合には(実施例3)、他の例に比してCO発生量の低減効果がある事が分かる。又、酸化剤として過塩素酸カリウムを併用した場合には(実施例4)、t2が最も小さな値を示し、燃焼速度の向上に有効である事が分かる。
【0061】
次に、自動発火性能について見ると、実施例1〜3のものは、外部火炎試験において、ガス発生器を破壊する事なく、木材に点火後10分以内にガス発生剤の燃焼が生じている。比較例2,3についても同様である。一方、比較例1の場合には、木材に点火後23分を経過した時点で、大音響と共に爆発し、ガス発生器は粉々になって破片が飛び散っていた。この事から、自動発火性触媒の三酸化モリブデンの存在下でも、酸化剤が硝酸ストロンチウム単独では、その効果が期待できず、三酸化モリブデンと硝酸カリウム/硝酸ナトリウム/過塩素酸カリウムの共存下で、自動発火機能が生じる事が分かる。
【0062】
〔実施例5〕
次に、自動発火機能についての各種試験結果について説明する。前述の実施例1と同一のガス発生剤組成物、即ち、燃料成分としての5−アミノテトラゾールを32.2%と、酸化剤としての硝酸ストロンチウムを53.4%と硝酸カリウムを5.8%と、自動発火性発現触媒成分としての三酸化モリブデンを0.5%と、金属窒化物としての窒化珪素を3.3%と、バインダとしての合成ヒドロタルサイトを4.6%及び滑剤としてのステアリン酸マグネシウムを0.2%とを用いて、実施例1と同様にして成形したガス発生剤の錠剤と、上記実施例1の組成の内、燃料成分(X),酸化剤中の硝酸カリウム(Y)及び触媒成分としての三酸化モリブデン(Z)を他の成分に1種類づつ変更し、実施例1と同様にして成形したガス発生剤の錠剤とを用いて自動発火性能試験を行い、その結果を表2に示す。検討した成分としては、燃焼成分(X)では、アミノテトラゾール,ニトログアニジン,ジシアンジアミド,アゾジカルボンアミドの4種類であり、酸化剤(Y)では、硝酸カリウム,硝酸ナトリウム,硝酸ストロンチウム,硝酸バリウム,過塩素酸カリウムの5種類であり、触媒成分(Z)では、三酸化モリブデン,酸化鉄,四三酸化鉄,酸化ニッケル,五酸化バナジウム,酸化銅,酸化カルシウム,二酸化マンガン,酸化タングステン,酸化クロム,過マンガン酸カリウム,モリブデン酸,モリブデン酸ナトリウム,リンモリブデン酸アンモニウム,二硫化モリブデン,硫化鉄,硫化亜鉛,アルミニウム,鉄,モリブデン,硫黄,活性炭,グラファイトの21種類である。
【0063】
自動発火性能試験の方法は、図3に示した自動温度調節装置付きシリコンオイルバス11を用意し、ヒータ12によって自動温度調節可能になっているオイルバス14中に、内径2cm,長さ20cmの有底鉄管10を浸漬し、オイルバスの温度が200±2℃に安定している状態で、該鉄管10内に、前記各種ガス発生剤の錠剤1粒を投入し、発火するまでの時間を測定して自動発火性能を確認した。自動発火試験の判定結果として、表2には、錠剤投入後、3分以内で発火したものを○,5分以内のものを△,それ以外のものを×で示している。尚、図3中、13は温度計である。
【0064】
【表2】
【0065】
表2から明らかな様に、燃料成分がアミノテトラゾールで、酸化剤が硝酸ストロンチウムと硝酸カリウム/硝酸ナトリウム/硝酸バリウム/過塩素酸カリウムで、触媒成分が三酸化モリブデン/モリブデン酸/モリブデン酸ナトリウム/リンモリブデン酸アンモニウムの組み合わせにおいてのみ、自動発火性能が確認されている。尚、モリブデン酸,モリブデン酸ナトリウム及びリンモリブデン酸アンモニウムの場合には、200℃の加熱によって分解し、三酸化モリブデンが生成するため、その時点から自動発火性能が生じるものと考えられ、そのため、三酸化モリブデンとして添加した場合に比べて、発火時間が多少遅れている。
【0066】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明のガス発生剤組成物によれば、以下の如き顕著な効果が期待できる。即ち、
(1)有害ガスであるCOの発生を基本的に抑制できるアミノテトラゾールを燃料成分にもちいているので、COの発生の少ないクリーンなガスでエアバッグの展開が行われ、乗員に対する安全性が向上する。
(2)アミノテトラゾールと酸化剤とを主成分とするガス化率の高いガス発生剤において、酸化剤の主成分を硝酸ストロンチウムとなし、これにスラグ捕集剤として金属窒化物或いは金属炭化物を添加する事により、生成スラグの捕集性が著しく高まり、スラグ流出量が少なくなって、クリーンなガスでエアバッグの展開を行う事が可能となる。更に、スラグ捕集のためのフィルタ部材の量も少なくできるので、ガス発生器の小型化・軽量化に寄与する事になる。
(3)又、金属窒化物或いは金属炭化物は、分解して窒素ガスや炭酸ガスを生成するが、これは、エアバッグ展開に有用なガス成分としてエアバッグの展開に寄与するので、燃料成分としてのアミノテトラゾールの含有量を節約でき、この結果、ガス発生器の小型化,軽量化に寄与する事が期待できる。
(4)硝酸ストロンチウムをベースとする酸化剤に、少量の硝酸カリウム,硝酸ナトリウム,硝酸バリウム又は過塩素酸カリウムを添加した混合酸化剤となす事により、硝酸ストロンチウムのみでは抑制困難であったNOxの発生を大幅に低減させる事が可能となる。
(5)更に、上記組成物に、少量の三酸化モリブデン又は加熱して三酸化モリブデンを生成するモリブデン化合物を添加しておく事により、ガス化率を落とす事なくガス発生剤自体に自動発火機能を発現させる事が可能となるので、従来の様にガス発生器内に別途自動発火機構を設ける必要がなくなり、ガス発生器の構造の簡素化とコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用したガス発生器の概略断面図である。
【図2】60リットルタンクテストにおける時間(t)と容器内圧力(P)との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例で使用した自動発火性試験装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 ガス発生器
2 点火器
3 伝火薬
4 ガス発生剤
5 冷却フィルタ部材
6 ガス放出孔
7 中央点火室
8 燃焼室
9 冷却フィルタ室
10 有底鉄管
11 シリコンオイルバス
12 ヒータ
13 温度計
14 オイルバス
P1 最大到達圧力
t1 作動開始までの時間
t2 作動からP1 に到るまでの時間[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a gas generating agent for an air bag, and more particularly to a non-azide gas generating agent for an air bag, which has a low content of nitrogen oxides and carbon monoxide, which are harmful components in the generated gas, and slag. The present invention relates to a novel gas generant composition that is excellent in trapping property and further has autoignition properties.
[0002]
[Prior art]
The air bag device is an occupant protection device that has been widely adopted in recent years as one of the measures for improving the safety of occupants of automobiles, and its principle is that a gas generator is operated by a signal from a sensor that detects a collision. Thus, the airbag is deployed between the occupant and the vehicle body. This gas generator is required to have a function of generating clean gas without containing harmful substances and generating necessary and sufficient gas in a short time.
[0003]
On the other hand, in order to stabilize combustion, the gas generant is pressure-molded into tablets, and these tablets maintain their initial combustion characteristics over a long period of time even in various harsh environments. Things are required. If the shape of tablets, etc. collapses due to aging or environmental changes, or the strength decreases, the explosive properties of these explosive compositions exhibit abnormally faster combustion characteristics than the initial combustion characteristics. In the event of a car collision, the airbag may be torn due to abnormal combustion, or the gas generator itself may be damaged, and not only the purpose of occupant protection cannot be achieved, but there is even the risk of injury to the occupant.
[0004]
Therefore, as a material satisfying these functions, a gas generating agent mainly composed of a metal azide compound such as sodium azide or potassium azide has been conventionally used. This gas generating agent burns instantaneously and the combustion gas component is substantially only nitrogen, does not generate harmful gases such as CO (carbon monoxide) and NOx (nitrogen oxide), and has a burning rate. The azide generated by contact with heavy metals is not used because it is difficult to be influenced by the influence of the surrounding environment, that is, the structure of the gas generator, and the design of the gas generator is easy. It has the property of exploding easily due to friction and friction, and the utmost care was required for its handling. Further, the metal azide compound itself is a harmful substance, and further has a great problem that it decomposes in the presence of water or acid to generate a toxic gas.
[0005]
Therefore, as an alternative to the metal azide compound, for example, JP-A-2-225159, JP-A-2-225389, JP-A-3-20888, JP-A-5-213687, JP-A-6-80492. Japanese Laid-Open Patent Publication No. 6-239684, Japanese Laid-Open Patent Publication No. 6-298487, and the like have proposed a gas generating agent containing tetrazole, azodicarbonamide and other nitrogen-containing organic compounds as fuel components. Tetrazoles in particular, among various nitrogen-containing organic compounds, are thermally stable and have a high ratio of nitrogen atoms in the molecular structure, and therefore have the property of essentially suppressing the generation of CO. There is a problem with the generation of NOx. For this reason, as seen in the above-mentioned JP-A-2-225159 and JP-A-3-20888, venturi means are provided in the gas generator to introduce air into the combustion gas from the outside, whereby the concentration of NOx Although a method for lowering the relative value has been proposed, it is not an essential solution.
[0006]
In addition, as an oxidant for using these nitrogen-containing organic compounds as fuel and combusting them, alkali metal or alkaline earth metal chlorates, perchlorates or nitrates are generally used. These alkali metals and alkaline earth metals produce oxides as a result of the combustion reaction, but these oxides are harmful to the human body and the environment, so they are not released into the airbag. It is necessary to collect in the gas generator because it is easy to collect slag. However, many of the gas generating agents that use these nitrogen-containing organic compounds as fuel have a high combustion heat of 2000 to 2500 Joules / g or more, so that the generated gas becomes a high temperature and a high pressure. As a result, the temperature of the slag produced as a by-product during combustion increases, and the fluidity of the slag also increases, and the slag collection rate tends to decrease in a filter built in a conventional gas generator. . Therefore, in order to increase the slag collection rate, a method of loading more filter members and cooling and solidifying the slag can be considered, but in this case, the size of the gas generator increases, and the gas generator It goes against the trend of miniaturization and weight reduction.
[0007]
Further, various methods of adding a slag forming agent have been proposed in order to efficiently collect the alkali metal and alkaline earth metal oxides as slag that is easily collected in the filter section. The basic method is to add silicon dioxide or aluminum oxide as an acidic or neutral substance that easily causes a slag reaction with these basic oxides. The slag formation method in the case of the gas generating agent is not different from the idea. That is, the oxide is collected as silicate or aluminate instead of a highly viscous or high melting point glassy substance. In particular, Japanese Patent Laid-Open No. 4-265292 discloses a low temperature slag forming material typified by silicon dioxide and a high temperature slag forming agent that generates a solid having a melting point near or above the reaction temperature (for example, oxidation of alkaline earth metals and transition metals). The high melting point particles as solids produced by the combustion reaction are reacted with the molten low temperature slag forming agent, and the particles resulting from the reaction are fused together to increase the collection efficiency. A method for enhancing is disclosed.
[0008]
As the above-mentioned oxidizing agent having a high temperature slag forming property, strontium nitrate is disclosed as a particularly suitable substance in the above-mentioned JP-A-4-265292, JP-A-5-111700 and JP-A-5-21368. ing. Certainly, it is an effective means from the aspect of high-temperature slag formation, but when strontium nitrate is used as the oxidizing agent, the NOx concentration is desirable no matter how the stoichiometric ratio with the fuel component is changed. There is a practical problem that it does not drop to the level. As a countermeasure, the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-117070 discloses the use of a fuel component as an alkali metal salt or an alkali metal carbonate as a chemical additive. This leads to a decrease in the gasification rate of the gas generating agent and is not a preferred method.
[0009]
On the other hand, when potassium nitrate is used instead of strontium nitrate, it is possible to reduce the NOx concentration to a level acceptable to the human body, but it is caused by white smoke-like mist derived from potassium oxide generated from potassium nitrate. The amount of slag outflow was so great that the air bag could be melted by this mist, and in the worst case, a hole could be made and burn the passenger. Therefore, by adding a large amount of slag forming material such as silicon dioxide and further increasing the thickness of the filter member in the gas generator, the slag collection performance is lower than in the case of strontium nitrate, but it is considerably It is possible to reduce the amount of slag outflow. However, this method has a practical problem because it goes against the trend of reducing the size and weight of the gas generator.
[0010]
As described above, if strontium nitrate is used, the slag outflow can be reduced, but NOx increases beyond the allowable limit, and if potassium nitrate is used to suppress the generation of NOx, this time the slag outflow is increased. It was very difficult to solve this contradictory problem.
[0011]
Further, as a container material of the gas generator, use of aluminum instead of conventional stainless steel (SUS) is widely used in order to reduce the weight of the gas generator. In case of SUS, it has excellent high-temperature strength, so it is possible to burn the internal explosive composition without destroying the container even when the temperature rises during fires for vehicles or incineration of gas generators. However, in the case of aluminum, the high-temperature strength is significantly reduced, so if the gas generator is exposed to flame due to a vehicle fire etc. and the internal explosive composition burns, it cannot withstand the combustion pressure. If the container breaks, debris scatters around and the passengers and people around them may be killed. Thus, among the items required for the gas generator for an air bag, it is mentioned that a dangerous state such as destruction of a container does not occur even under such a situation. As a countermeasure, USP 4,561,675 proposes a method in which an explosive that automatically ignites at a temperature lower than the temperature at which the strength of aluminum is lowered is placed in close contact with the inner surface of the container when an aluminum container is used. Has been. The auto-ignition agent used here is composed mainly of nitrocellulose, and nitrocellulose itself lacks long-term stability at high temperatures and may even spontaneously ignite due to its deterioration. there were.
[0012]
The auto-ignition temperature is preferably 150 to 210 ° C. from the viewpoint of the strength of aluminum, and substances that ignite below that have a problem in stability during long-term storage. Examples of such autoignition compositions include JP-A-4-265289, JP-A-7-232929, JP-A-8-508972, and JP-A-8-511233, which are the same as the previous US patents. In addition, it is necessary to attach some structure to the inside of the gas generator, or to incorporate it into an igniting agent, a transfer agent, etc., which has been a cause of complicated structure and increased cost. In addition to those described in JP-A-8-508972, chlorates that are sensitive to oxidants are used, so there is a problem in the risk during production. Further, the gas generating agent itself has an autoignition property as described in JP-A-7-257986. A specific example of this composition is 70% by weight. Since it contains an inorganic oxide, the gas generation rate is low, and it is difficult to reduce the size and weight of the gas generator.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, nitrogen-containing organic compounds effective as a solution to the problem of the harmfulness of conventional metal azide compounds, in particular, problems related to the selection of the oxidant component of the gas generant that uses aminotetrazole as a fuel component, That is, the object is to solve the problems of the generation of toxic gas such as NOx and CO and the problem of slag trapping and to solve the problems of the conventional automatic ignition mechanism at once.
[0014]
Specifically, the generation amount of NOx and CO, which are harmful gas components in the generated gas, is low, the gasification rate is high, the slag outflow amount is small, and in addition, the gas generating agent itself has an automatic ignition function. It is another object of the present invention to provide a novel gas generant composition.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The present invention solves such a problem, and is a gas generant composition containing, as main components, a fuel component, an oxidant, and an auto-ignitable expression catalyst component, wherein 20 to 45% of aminotetrazole is used as the fuel component. (% By weight, the same unless otherwise specified) 50-75% oxidizer, 0.05-5% molybdenum trioxide as an auto-ignitable expression catalyst component, and the oxidant includes strontium nitrate It consists of nitrate or perchlorate of alkali metal or barium, and the strontium nitrate content in the oxidizing agent is 75 to 95%. As a result, the amount of NOx generated and the amount of slag outflow are both small, and the gas generating composition has an automatic ignition function. Instead of molybdenum trioxide, a molybdenum compound that generates molybdenum trioxide by heating such as molybdic acid, sodium molybdate, ammonium phosphomolybdate, and the like was contained in an amount of 0.05 to 5% in terms of molybdenum trioxide. It may be a thing.
[0016]
It is also preferable that the composition comprising the fuel component, the oxidant, and the catalyst component is mixed with 2 to 10% of the hydrotalcite represented by the following formula as a binder and molded. It is.
[M2+ 1-xM3+ x(OH)2]x +[An- x / n・ MH2O]x-
here,
M2+: Mg2+, Mn2+, Fe2+, Co2+, Ni2+, Cu2+, Zn2+Divalent metals such as
M3+: Al3+, Fe3+, Cr3+, Co3+, In3+Trivalent metals such as
An-: OH-, F-, Cl-, NOThree -, COThree 2-, SOFour 2-, Fe (CN)6 3-, CHThreeCOO-, N-valent anions such as oxalate ion and salicylate ion
x: 0 <x ≦ 0.33
[0017]
In addition, as the hydrotalcite,
Chemical formula: Mg6Al2(OH)16COThree・ 4H2A synthetic hydrotalcite represented by O, or
Chemical formula: Mg6Fe2(OH)16COThree・ 4H2Pyrolite represented by O is preferably used.
[0018]
Further, the above composition may be mixed with 2 to 10% of one or more metal nitrides or metal carbides as a slag collecting agent to improve the slag collecting property, or the above One or more of magnesium stearate, zinc stearate, graphite, boron nitride and molybdenum disulfide as a lubricant is mixed with the composition in an amount of 0.1 to 1% to improve the moldability. This is also a preferable method. In particular, if the metal nitride or the metal carbide is mixed at the time of grinding one or both of the fuel component and the oxidizer, the metal nitride and the metal carbide are uniformly dispersed to make the slag reaction uniform. At the same time, the effect of acting as an anti-caking agent can be expected.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below. The basic structure of the gas generating agent of the present invention contains, as main components, aminotetrazole as a fuel component, an oxidant mixture that burns the aminotetrazole, and molybdenum trioxide for exhibiting autoignition. And a hydrotalcite as a binder and other additives as appropriate.
[0020]
First, aminotetrazole used as a fuel component in the present invention will be described. Aminotetrazole has a structure in which the ratio of nitrogen atoms in the molecular structure is high and has a structure that basically suppresses the generation of harmful CO, and is easy to handle, including stability and safety. However, it is inexpensive and is the most preferable substance among various nitrogen-containing organic compounds. The content of aminotetrazole is preferably 20 to 45% with respect to the entire composition. If it is less than 20%, the amount of gas generated is small, and there is a possibility of causing poor development of the airbag. If it is added over 45%, the amount of oxidant added is relatively small, causing incomplete combustion and harmful. This is because a large amount of CO gas may be generated, and in an extreme case, unburned matter may be generated.
[0021]
Next, the oxidizing agent used in the gas generating agent of the present invention will be described. As described above, the combination of aminotetrazole and strontium nitrate increases NOx generation, and the combination of aminotetrazole and potassium nitrate reduces NOx generation but increases slag outflow. However, as a result of various studies, the present inventors have found that when strontium nitrate and potassium nitrate are mixed and used, in a certain range of mixing ratio, the mixture predicted by the additivity of both It has been found that NOx reduction effect and slag outflow reduction effect that are greatly different from the effect are manifested. The range is 75 to 95% strontium nitrate and 5 to 25% potassium nitrate with respect to the entire oxidizing agent. The same effect can be obtained by using other alkali metal or barium nitrate or alkali metal or barium perchlorate instead of potassium nitrate, but potassium nitrate is most preferable. Further, the content of the oxidizing agent is preferably 50 to 75% with respect to the entire gas generant composition. If the oxidizer content is less than 50%, the amount of supplied oxygen will be insufficient, causing incomplete combustion, producing harmful CO gas, and in extreme cases, producing unburned material in the fuel, which will lead to airbag deployment. Necessary gas is not supplied, and there is a risk of causing poor deployment of the airbag. On the other hand, if it exceeds 75%, there is a risk that the fuel component will be insufficient. Similarly to the case described above, the gas required for airbag deployment may not be supplied, and the airbag may be poorly deployed.
[0022]
Next, the catalyst component for automatic ignition expression used in the present invention will be described. When adding various metal oxides, metal sulfides and metal powders to the composition system of aminotetrazole, strontium nitrate and potassium nitrate as described above, and examining whether or not the automatic ignition function is given, surprisingly, Only molybdenum trioxide was found to have the property of developing an auto-ignition function. It was also found that the auto-ignition function was developed even when the addition amount was as small as 0.05%, and that the function hardly changed up to 5%. Therefore, the addition amount of molybdenum trioxide as a catalyst component for imparting automatic ignition is preferably in the range of 0.05% to 5%. If it is less than 0.05%, the automatic ignition function does not appear, and 5 If it exceeds 50%, the gasification rate will decrease.
[0023]
In addition, when it was confirmed whether or not the auto-ignition function was exhibited even in the combination of molybdenum trioxide and other fuel components or in combination with other oxidants, the fuel components were nitroguanidine, dicyandiamide and azodicarbonamide. In this case, the auto-ignition function does not appear, and when the oxidizing agent is a combination of strontium nitrate and potassium nitrate, it exhibits the best auto-ignition function, and other alkali metal or barium nitrate or perchlorate and nitric acid. An automatic ignition function was also confirmed in combination with strontium, but an automatic ignition function was not confirmed with strontium nitrate alone. In this sense, molybdenum trioxide is a unique catalyst that develops an auto-ignition function only when the fuel component is aminotetrazole and the oxidant is a combination of strontium nitrate and an alkali metal or barium nitrate or perchlorate. It can be said.
[0024]
Also, instead of molybdenum trioxide, even molybdenum compounds that produce molybdenum trioxide by heating below 180 ° C below the degradation temperature of aluminum, such as molybdic acid, sodium molybdate, and ammonium phosphomolybdate, are automatically It has been confirmed that an ignition function can be obtained, and in the present invention, these molybdenum compounds can be used. In addition, when using these molybdenum compounds in place of molybdenum trioxide, it is important that the amount added is within the range of 0.05 to 5% in terms of the generated molybdenum trioxide. .
[0025]
Next, other additive components used in the present invention will be described. One of the additives used in the present invention is a metal nitride or metal carbide as a slag scavenger. First, the metal nitride will be described. Another additive used in the present invention is a metal nitride as a slag collecting agent, and silicon nitride (Si) can be used as the metal nitride.ThreeNFour), Boron nitride (BN), aluminum nitride (AlN), magnesium nitride (Mg)ThreeN2), Molybdenum nitride (MoN / Mo2N), tungsten nitride (WN)2/ W2N, W2NThree), Calcium nitride (CaThreeN2), Barium nitride (BaThreeN2), Strontium nitride (Sr)ThreeN2), Zinc nitride (ZnThreeN2), Sodium nitride (NaThreeN), copper nitride (CuThreeN), titanium nitride (TiN), manganese nitride (MnFourN), vanadium nitride (VN), nickel nitride (NiThreeN / NiThreeN2), Cobalt nitride (CoN / Co2N / CoThreeN2), Iron nitride (Fe2N / FeThreeN / FeFourN), zirconium nitride (ZrN), chromium nitride (CrN / Cr2N), tantalum nitride (TaN), niobium nitride (NbN), cerium nitride (CeN), scandium nitride (ScN), yttrium nitride (YN), and germanium nitride (Ge)ThreeNFour1) or more selected from the group of). Of the above metal nitrides, sodium nitride (NaThreeN) and sodium azide (NaN) which has been conventionally used as a fuel for gas generantsThree) Is basically a different compound, and the metal nitride referred to in the present invention does not contain sodium azide.
[0026]
Among these, silicon nitride, boron nitride, aluminum nitride, molybdenum nitride, tungsten nitride, titanium nitride, vanadium nitride, zirconium nitride, chromium nitride, tantalum nitride, niobium nitride, etc. are called fine ceramics, Although it is used as a heat-resistant material that is thermally stable and has high strength, it has a property of burning in the same manner as other metal nitrides in a high-temperature oxidizing atmosphere. The present invention makes use of this burning property to simultaneously perform both slag formation and gas generation. For example, in the case of silicon nitride, nitrogen gas, silicate, and oxygen are generated by an oxidation reaction with strontium nitrate represented by the following formula (1). In addition, the coefficient of the reaction formula is omitted.
The nitrogen gas generated here is released into the airbag together with nitrogen gas and carbon dioxide generated by the combustion of the fuel component and is effectively used for the deployment of the airbag, and the oxygen gas is used for the combustion of the fuel component. .
[0027]
In the formula (1), for convenience of explanation, one molecule of Si eachThreeNFour+ Sr (NOThree)2The amount of strontium nitrate added as an oxidizing agent is actually much larger than that of silicon nitride added for slag collection, so stoichiometrically. Although the above reaction is partially established, the surface layer of the strontium oxide particles produced by the decomposition of strontium nitrate represented by the following formula (2) is represented by a general formula as represented by the following formula (3). Strontium silicate is considered to be produced.
2Sr (NOThree)2→ 2SrO + 2N2+ 5O2(2)
SrO + SrSiOThree→ SrxSiOy(3)
[Where, (x, y) = (2, 4), (3, 5); the coefficients in the reaction formula are omitted]
[0028]
Further, strontium oxide produced by decomposition of strontium nitrate is an oxide having a high melting point (2430 ° C.), and is produced in the combustion process as fine solid particles in the gas generator. (1), (3) By the reaction of the formula, various silicates having a melting point of around 1600 ° C. are formed on the particle surface. Since this silicate is in a high-viscosity molten state under the reaction environment temperature, the respective fine particles are fused and aggregated with each other, and become large particles that are easily collected by the filter member in the gas generator.
[0029]
When the metal nitride is aluminum nitride (AlN), the above equations (1) and (3) can be rewritten as follows. In addition, the coefficient of (5) Formula is abbreviate | omitted.
The aluminate produced here also forms a slag in a form that forms a high-viscosity slag layer on the surface of solid slag (SrO), melts and aggregates slag fine particles, and is easy to filter with a filter, as in the case of the silicate. Form.
[0030]
The addition amount of these metal nitrides is preferably in the range of 0.5 to 10% with respect to the entire gas generant composition, and if it is 0.5% or less, the above-described slag collecting effect cannot be expected. If the amount exceeds 50%, the amount of fuel or oxidant added is limited, and there is a risk of insufficient gas generation or incomplete combustion. Further, the smaller the particle size, the more easily the effect can be expected. Therefore, the number-based 50% average particle size is 5 μm or less, preferably 1 μm or less. The number-based 50% average particle size is a method of expressing the particle size distribution on the number basis. When the number of all particles is 100, it means the particle size when 50 particles are accumulated from the smallest. If a small amount of the metal nitride fine particles is added during the pulverization of the fuel component or the oxidant component, it can act as an anti-caking agent for the pulverized component and be uniformly dispersed in the oxidant or fuel. In addition, the slag reaction can be expected to be uniform. When these metal nitrides are used as anti-caking agents, they can be used in combination with finely divided silica which is a fine powder of silicon dioxide.
[0031]
An example of using a metal nitride as a gas generating agent is described in Japanese Patent Publication No. 6-84274. This gas generating agent can be replaced with a conventional metal azide compound, aluminum nitride, nitride. What uses boron, silicon nitride, or transition metal nitride, and uses these metal nitrides as so-called fuel components, and what uses metal nitrides to improve the slag collecting property of the present invention The idea is fundamentally different.
[0032]
Next, similarly to the metal nitride, the metal carbide used as the slag collecting agent in the present invention will be described. Examples of the metal nitride used in the present invention include silicon carbide (SiC) and boron carbide (BFourC), aluminum carbide (AlFourCThree), Magnesium carbide (MgC2/ Mg2CThree), Molybdenum carbide (MoC / Mo2C), tungsten carbide (WC / W)2C), calcium carbide (CaC2), Barium carbide (BaC)2), Strontium carbide (SrC2), Zinc carbide (ZnC2), Sodium carbide (Na2C2), Copper carbide (Cu2C2), Titanium carbide (TiC), manganese carbide (MnThreeC), vanadium carbide (VC), nickel carbide (NiThreeC), cobalt carbide (Co2C, CoC2), Iron carbide (Fe2C / FeThreeC), zirconium carbide (ZrC), chromium carbide (CrThreeC2/ Cr7CThree/ Crtwenty threeC6), Tantalum carbide (TaC), niobium carbide (NbC), cerium carbide (CeC)2), Scandium carbide (ScC2), Yttrium carbide (YC)2And at least one selected from the group of germanium carbide (GeC).
[0033]
Among these, silicon carbide, boron carbide, molybdenum carbide, tungsten carbide, titanium carbide, vanadium carbide, zirconium carbide, chromium carbide, tantalum carbide, niobium carbide, etc. are called fine ceramics and are thermally Is used as a stable and high-strength heat-resistant material, but has the property of burning in the same manner as other metal carbides in a high-temperature oxidizing atmosphere. In the present invention, both the slag formation and the gas generation are performed at the same time by utilizing this burning property. For example, in the case of silicon carbide, carbon dioxide gas and silicon dioxide are generated by an oxidation reaction such as the following equation (6).
Carbon dioxide and nitrogen produced here are released into the airbag together with nitrogen gas, carbon dioxide and water vapor produced by the combustion of the fuel component, and are effectively used for the deployment of the airbag. Oxygen is the combustion of the fuel component. Used for
[0034]
On the other hand, the by-produced silicate is highly viscous and easily collected in the filter in the gas generator by the reaction of SrO as a combustion residue generated by decomposition of strontium nitrate and the reaction formulas (3) and (5). The formation of the slag is the same as that described above. That is, SrO produced as a combustion residue produces strontium carbonate by the reaction shown in the following equation with the carbon dioxide gas produced by the above equation (6).
SrO + CO2→ SrCOThree(7)
This strontium carbonate is also in a highly viscous molten state at about 1500 ° C., similar to the above strontium silicate, so that high-viscosity strontium carbonate is formed on the surface of solid strontium oxide, which is a high melting point particle, and combustion residue The fine particles are fused and aggregated to form large particles that are easily collected by the filter member in the gas generator.
[0035]
The addition amount of these metal carbides is preferably in the range of 0.5 to 10% with respect to the entire gas generant composition, as in the case of the metal nitrides. If it cannot be expected, and if it exceeds 10%, the amount of fuel or oxidant added is limited, and there is a risk that the amount of generated gas will be insufficient or incomplete combustion will occur. Further, the smaller the particle size, the more easily the effect can be expected. Therefore, the number-based 50% average particle size is 5 μm or less, preferably 1 μm or less. If these metal carbide fine particles are added in a small amount at the time of pulverization of the fuel component and the oxidant component, they can act as an anti-caking agent for these pulverized components and be uniformly dispersed in the oxidant and fuel. In addition, the slag reaction can be expected to be uniform. As described above, when these metal carbides are used as an anti-caking agent, the slag collection efficiency can be further enhanced if used in combination with finely divided silica that is a fine powder of silicon dioxide. Needless to say, this metal carbide may be used in combination with the aforementioned metal nitride.
[0036]
Next, as other additives used in the present invention, there are hydrotalcites represented by the following general formula as a binder.
[M2+ 1-xM3+ x(OH)2]x +[An- x / n・ MH2O]x-
Where M2+: Mg2+, Mn2+, Fe2+, Co2+, Ni2+, Cu2+, Zn2+Divalent metals such as
M3+: Al3+, Fe3+, Cr3+, Co3+, In3+Trivalent metals such as
An-: OH-, F-, Cl-, NOThree -, COThree 2-, SOFour 2-, Fe (CN)6 3-, CHThreeCOO-, N-valent anions such as oxalate ion and salicylate ion.
x: 0 <x ≦ 0.33
[0037]
These hydrotalcites are porous substances having crystal water, and are extremely effective as binders for nitrogen-containing organic compound-based gas generants. That is, the gas generant containing hydrotalcite as a binder is described in detail in Japanese Patent Application No. 8-277666, which is a prior application of the applicant of the present invention, even at a low tableting pressure. In particular, when aminotetrazole is used as a fuel component, a hardness (25-30 kg) much higher than a tablet hardness of 10-15 kg (Monsanto hardness tester) of a general azide-based gas generating agent can be obtained. Is possible. This is because hydrotalcites have the property of easily adsorbing moisture, and this property is considered to function to firmly bind the components of the composition. In addition, tablets using this binder have no change in tablet characteristics and combustion characteristics even with thermal shock caused by repeated high and low temperatures, and therefore, there is little change over time after actual mounting in a vehicle. A stable tablet can be obtained.
[0038]
In addition, as a typical thing of hydrotalcite,
Chemical formula: Mg6Al2(OH)16COThree・ 4H2A synthetic hydrotalcite represented by O, or
Chemical formula: Mg6Fe2(OH)16COThree・ 4H2Although there is pyrolite represented by O, synthetic hydrotalcite is preferable from the viewpoint of availability and price.
[0039]
These hydrotalcites are decomposed when the gas generating agent burns, for example, in the case of synthetic hydrotalcite, as shown in the following reaction formula, so that no harmful gas is generated, and the reaction itself is an endothermic reaction. Therefore, there is also an effect of reducing the calorific value of the gas generating agent.
Mg6Al2(OH)16COThree・ 4H2O
→ 6MgO + Al2OThree+ CO2+ 12H2O ... (8)
Furthermore, MgO and Al obtained by decomposition reaction2OThreeIs a high melting point oxide of the slag-forming metal component, and a silicate (for example, Sr) of the metal component contained in the nitride or carbide.xSiOy) And MgO produced by the decomposition of the synthetic hydrotalcite react as shown in the following formula, and a glassy magnesium silicate double salt that can be easily filtered by a filter is produced as slag.
MgO + SrxSiOy→ MgO · SrxSiOy(9)
Further, the decomposition product of the synthetic hydrotalcite itself forms a spinel that can be easily filtered by a slag reaction that is an acid / base reaction represented by the following formula.
MgO + Al2OThree→ MgAl2OFour(10)
[0040]
When adding these hydrotalcites as a binder, it is made to contain in 2-10 weight% with respect to the whole gas generating composition. When the content is less than 2%, the function as a binder is difficult to achieve. When the content exceeds 10%, the amount of other components added is small, and the function as a gas generant composition is hardly achieved. In particular, it is preferably added in a range of 3 to 8%.
[0041]
Next, the gas generant composition is generally used after being formed into a tablet having a diameter of 4 to 10 mm and a thickness of 2 to 5 mm or a disc having an appropriate size. For example, one or more lubricants selected from the group consisting of stearic acid, zinc stearate, magnesium stearate, calcium stearate, aluminum stearate, molybdenum disulfide, graphite, and boron nitride are used for gas generation. It is preferable to add 0.1 to 1% with respect to the whole agent. This makes it possible to further improve the moldability.
[0042]
Moreover, the gas generating agent obtained by the above molding can be heat-treated at a temperature of 100 to 120 ° C. for about 2 to 24 hours after molding to obtain a gas generating agent with little change with time. This heat treatment is extremely effective particularly when a severe heat aging test at 107 ° C. × 400 hours is performed. Note that the heat treatment time is less than 2 hours, and the heat treatment is insufficient. If the heat treatment time exceeds 24 hours, the heat treatment is meaningless. Preferably 5 to 20 hours is good. The heat treatment temperature is less effective at 100 ° C. or less, and if it exceeds 120 ° C., there is a risk of deterioration. Therefore, an appropriate value is selected in the range of 100 to 120 ° C. Preferably about 105 to 115 degreeC is good.
[0043]
Next, preferred combinations of the components of the present invention will be described. First, as a fuel component, it is a stable and highly safe substance, and the ratio of nitrogen atoms in the molecular structure is high. As a result, it decomposes and releases a large amount of nitrogen gas, and it is essential to generate harmful CO. 5-aminotetrazole having a functionally suppressing function is preferred. In addition, as an oxidizing agent, NOxNitrate having an action of suppressing generation is preferable, in particular, strontium nitrate that generates high-viscosity slag that is easy to collect, and potassium nitrate that expresses an NOx reduction effect and an automatic ignition function by a combination of aminotetrazole and molybdenum trioxide. A mixture of is optimal. In addition, about these content, it is as above-mentioned.
[0044]
Further, silicon nitride is preferable as the metal nitride, and silicon carbide is preferable as the metal carbide. This is because silicon generates silicon dioxide in the combustion process, and this silicon dioxide easily causes slag reaction with metal components contained in strontium oxide generated from strontium nitrate or hydrotalcite added as a binder. This is because a highly viscous slag that is easy to collect is formed. These addition amounts are as described above.
[0045]
Next, as a binder for bonding and molding these particle mixtures, high melting point oxides MgO and Al2OThreeMost preferred are synthetic hydrotalcites capable of producing. These cause a slag reaction with silicon dioxide, which can arise from silicon nitride or silicon carbide, to produce a highly viscous slag that is easily captured by the filter section of the gas generator. As a lubricant for improving moldability, magnesium stearate is optimal. These addition amounts are as described above.
[0046]
【Example】
Examples of the present invention will be described below. In addition, all% in an Example is weight%.
[Example 1]
52.2% 5-aminotetrazole as a fuel component, 53.4% strontium nitrate as an oxidant, and 5.8% potassium nitrate (strontium nitrate content in the oxidant: 90.2%), 0.5% of molybdenum trioxide as a catalyst component, 3.3% of silicon nitride as a metal nitride, 4.6% of synthetic hydrotalcite as a binder, and magnesium stearate as a lubricant of 0. 2% was blended and dry-mixed with a V-type mixer. In mixing, 5-aminotetrazole, strontium nitrate, and potassium nitrate were each preliminarily proportionally distributed with fine powder of silicon nitride (number-based 50% average particle size 0.2 μm) according to the respective weights. Was added and pulverized to about 12 μm with an average particle size of 50% based on the number. This mixture was press-molded by a rotary tableting machine to obtain a gas generant tablet having a diameter of 5 mm, a thickness of 2.3 mm, and a weight of 100 mg. Next, this tablet was heat-treated at 110 ° C. for 10 hours.
[0047]
The obtained tablet 46g was loaded into the test gas generator 1 having the structure shown in FIG. The test gas generator 1 includes a central ignition chamber 7 in which an
[0048]
[Table 1]
[0049]
In Table 1, the slag outflow amount indicates the weight (g) of collecting the solid residue ejected from the
[0050]
[Example 2]
32.2% 5-aminotetrazole as a fuel component, 48.4% strontium nitrate as an oxidant and 10.8% potassium nitrate (strontium nitrate content in the oxidant: 81.8%), The same method as in Example 1 with 0.5% molybdenum trioxide, 3.0% silicon nitride, 4.9% synthetic hydrotalcite, and 0.2% magnesium stearate, respectively. Were mixed and molded to obtain a gas generant tablet. In mixing, 5-aminotetrazole, strontium nitrate, and potassium nitrate were each preliminarily proportionally distributed with fine powder of silicon nitride (number-based 50% average particle size 0.2 μm) according to the respective weights. And is pulverized to about 12 μm with a 50% average particle size. Using the obtained tablets, the same test as in Example 1 was performed, and the results are shown in Table 1 above.
[0051]
Example 3
52.0% of 5-aminotetrazole as a fuel component, 50.4% of strontium nitrate as an oxidizing agent, and 9.0% of sodium nitrate (the content of strontium nitrate in the oxidizing agent: 84.3%) In the same manner as in Example 1, 0.5% molybdenum trioxide, 3.6% silicon nitride, 4.3% synthetic hydrotalcite, and 0.2% magnesium stearate were blended. Mixing and molding were carried out by the method to obtain a gas generant tablet. In addition, when mixing, fine powder of silicon nitride (50% average particle diameter of 0.2% in number basis) was distributed approximately proportionally to 5-aminotetrazole, strontium nitrate, and sodium nitrate in accordance with the respective weights. The amount is added and pulverized to about 12 μm with a 50% average particle diameter based on the number. Using the obtained tablets, the same test as in Example 1 was performed, and the results are shown in Table 1 above.
[0052]
Example 4
51.6% of 5-aminotetrazole as a fuel component, 53.6% of strontium nitrate as an oxidizing agent, and 6.2% of potassium perchlorate (the content of strontium nitrate in the oxidizing agent: 90.5%) ), 0.5% molybdenum trioxide, 4.0% silicon nitride, 3.9% synthetic hydrotalcite, and 0.2% magnesium stearate as a lubricant. Mixing and molding were carried out in the same manner as in Example 1 to obtain a gas generant tablet. When mixing, preliminarily proportional to 5-aminotetrazole, strontium nitrate and potassium perchlorate, respectively, fine powder of silicon nitride (number-based 50% average particle size 0.2 μm) according to the weight of each. The distributed amount is added and pulverized to about 12 μm with an average particle size of 50% based on the number. Using the obtained tablets, the same test as in Example 1 was performed, and the results are shown in Table 1 above.
[0053]
[Comparative Example 1]
52.2% 5-aminotetrazole as a fuel component, 59.2% strontium nitrate as an oxidant (excluding other oxidants), 0.5% molybdenum trioxide, silicon nitride A gas generating agent was prepared by mixing 3.3%, 4.6% of synthetic hydrotalcite, and 0.2% of magnesium stearate as a lubricant, and mixing and molding in the same manner as in Example 1. Pills were obtained. In addition, when mixing, a quantity of silicon nitride fine powder (number-based 50% average particle diameter 0.2 μm) in proportion to each weight was added to 5-aminotetrazole and strontium nitrate in advance. The pulverization process is performed to about 12 μm with a 50% average particle diameter based on the number. Using the obtained tablets, the same test as in Example 1 was performed, and the results are shown in Table 1 above.
[0054]
[Comparative Example 2]
32.2% 5-aminotetrazole as a fuel component, 30.2% strontium nitrate as an oxidant, and 29.0% potassium nitrate (strontium nitrate content in the oxidant: 51.0%), Example 1 was formulated with 0.5% molybdenum trioxide, 3.3% silicon nitride, 4.6% synthetic hydrotalcite, and 0.2% magnesium stearate as a lubricant. Mixing and molding were performed in the same manner to obtain a gas generant tablet. In mixing, 5-aminotetrazole, strontium nitrate, and potassium nitrate were each preliminarily proportionally distributed with fine powder of silicon nitride (number-based 50% average particle size 0.2 μm) according to the respective weights. And is pulverized to about 12 μm with a 50% average particle size. Using the obtained tablets, the same test as in Example 1 was performed, and the results are shown in Table 1 above.
[0055]
[Comparative Example 3]
53.7% 5-aminotetrazole as a fuel component, 56.6% potassium nitrate as an oxidizing agent (not containing strontium nitrate in the oxidizing agent), 0.5% molybdenum trioxide, silicon nitride Of 4.2% of synthetic hydrotalcite, 4.8% of synthetic hydrotalcite and 0.2% of magnesium stearate as a lubricant were mixed and molded in the same manner as in Example 1 to generate gas. Drug tablets were obtained. In addition, when mixing, in advance to 5-aminotetrazole and potassium nitrate, an amount of silicon nitride fine powder (number-based 50% average particle diameter of 0.2 μm) approximately proportionally distributed according to the respective weights is added, It is pulverized to about 12 μm with a 50% average particle diameter based on the number. Using the obtained tablets, the same test as in Example 1 was performed, and the results are shown in Table 1 above.
[0056]
As is clear from Table 1 above, since the fuel components of all the examples and comparative examples are the same, and the compositions are selected under the conditions of good combustion, there is no significant difference regarding t2 and P1. I can't. Similarly, as for CO, the fuel component is all 5-aminotetrazole (5-ATZ), and, as described above, structurally has the property of suppressing the generation of CO. Is not seen and is not harmful to the human body.
[0057]
Next, regarding strontium nitrate and potassium nitrate as oxidizing agents, Comparative Example 1 using only strontium nitrate as an oxidizing agent has an effect of reducing the slag outflow amount, but NOx is at a level that cannot be ignored. On the other hand, in Comparative Example 3 using only potassium nitrate as the oxidizing agent, the NOx generation amount is suppressed to a low value, but the slag outflow amount shows a high value. This indicates that the relationship between the two is a trade-off, as described above.
[0058]
Therefore, when the NOx reduction effect by mixing strontium nitrate and potassium nitrate as an oxidizer is seen, in Comparative Example 3 in which the strontium nitrate content in the oxidizer is 0% and the potassium nitrate is 100%, the NOx content is the lowest In Comparative Example 1 in which the strontium nitrate in the oxidizing agent is 100%, the maximum is 650 ppm. On the other hand, looking at Comparative Example 2 in which both oxidants are mixed in about half, if additivity is established between the mixing ratio of both oxidants and the amount of NOx generated, in the case of Comparative Example 2, In the meantime, it shows about 360 to 370 ppm, but the actual amount is 120 ppm, and the amount of NOx generated by mixing the two oxidants deviates significantly from the additivity line, resulting in an unexpected reduction effect. Was confirmed. This is because, even when the strontium nitrate content in the oxidizing agent of Examples 1 and 2 is a high ratio of 80 to 90%, the NOx content is 150 to 170 ppm, and the low ability of NOx from the additive line. You can see that it is far off to the degree side. Similarly, even when the oxidizing agent used in combination with strontium nitrate is sodium nitrate (Example 3) and potassium perchlorate (Example 4), the NOx low-efficiency side greatly deviates from the additive line. It can be seen that a combination of these oxidizing agents is also effective.
[0059]
Next, with regard to the slag outflow amount, since an appropriate amount of silicon nitride as a slag collecting agent is blended in all the examples and comparative examples, no extreme slag outflow amount is observed in any case. . Therefore, as in the case of the above-mentioned NOx, the relationship between the mixing ratio of strontium nitrate and potassium nitrate in the oxidant and the slag outflow amount is 0% (potassium nitrate is 100%). In Comparative Example 3), the maximum slag outflow amount is 8.0 g, and in Comparative Example 1 in which 100% of strontium nitrate in the oxidizing agent is used, the minimum amount is 1.4 g. On the other hand, looking at Comparative Example 2 in which both oxidizers are mixed approximately in half, it is 4.6 g in the middle of both. In the region where the content of strontium nitrate in the oxidizing agent in Examples 1 and 2 is a high ratio of 80 to 90%, the slag outflow amount is 1.8 to 2.2 g. The slag outflow amount was reduced to the side where the slag outflow was reduced, and an unexpected effect on the mixing of both oxidants was also confirmed in the slag outflow. In addition, even when the oxidizing agent used together with strontium nitrate is sodium nitrate (Example 3) and potassium perchlorate (Example 4), it can be seen that the slag outflow amount is suppressed to a low value. .
[0060]
Incidentally, when looking at CO, when sodium nitrate is used in combination as an oxidizing agent (Example 3), it can be seen that there is an effect of reducing the amount of CO generated as compared with other examples. In addition, when potassium perchlorate is used in combination as an oxidizing agent (Example 4), t2 shows the smallest value, and it can be seen that it is effective for improving the combustion rate.
[0061]
Next, regarding the automatic ignition performance, in Examples 1 to 3, in the external flame test, combustion of the gas generating agent occurs within 10 minutes after ignition on the wood without destroying the gas generator. . The same applies to Comparative Examples 2 and 3. On the other hand, in the case of the comparative example 1, when 23 minutes passed after igniting the wood, it exploded with a loud sound, the gas generator was shattered, and fragments were scattered. Therefore, even in the presence of molybdenum trioxide, an auto-ignitable catalyst, the effect of strontium nitrate alone cannot be expected. In the presence of molybdenum trioxide and potassium nitrate / sodium nitrate / potassium perchlorate, It can be seen that an automatic ignition function occurs.
[0062]
Example 5
Next, various test results regarding the automatic ignition function will be described. The same gas generant composition as in Example 1 described above, that is, 32.2% 5-aminotetrazole as a fuel component, 53.4% strontium nitrate as an oxidant, and 5.8% potassium nitrate. 0.5% molybdenum trioxide as an auto-igniting catalyst component, 3.3% silicon nitride as a metal nitride, 4.6% synthetic hydrotalcite as a binder, and stearin as a lubricant A gas generant tablet formed in the same manner as in Example 1 using 0.2% magnesium oxide, and among the compositions of Example 1 above, fuel component (X), potassium nitrate (Y ) And molybdenum trioxide (Z) as the catalyst component are changed one by one to the other components, and an auto-ignition performance test is performed using a gas generant tablet formed in the same manner as in Example 1. Is shown in Table 2.As the components examined, the combustion component (X) includes four types of aminotetrazole, nitroguanidine, dicyandiamide, and azodicarbonamide, and the oxidizing agent (Y) includes potassium nitrate, sodium nitrate, strontium nitrate, barium nitrate, and perchlorine. There are five types of potassium acid, and catalyst components (Z) include molybdenum trioxide, iron oxide, iron tetroxide, nickel oxide, vanadium pentoxide, copper oxide, calcium oxide, manganese dioxide, tungsten oxide, chromium oxide, There are 21 types of potassium manganate, molybdate, sodium molybdate, ammonium phosphomolybdate, molybdenum disulfide, iron sulfide, zinc sulfide, aluminum, iron, molybdenum, sulfur, activated carbon, and graphite.
[0063]
The automatic ignition performance test method includes a
[0064]
[Table 2]
[0065]
As is apparent from Table 2, the fuel component is aminotetrazole, the oxidant is strontium nitrate and potassium nitrate / sodium nitrate / barium nitrate / potassium perchlorate, and the catalyst component is molybdenum trioxide / molybdate / sodium molybdate / phosphorus. Only in combination with ammonium molybdate, automatic ignition performance has been confirmed. In the case of molybdic acid, sodium molybdate, and ammonium phosphomolybdate, it decomposes by heating at 200 ° C. to produce molybdenum trioxide, so that it is considered that automatic ignition performance occurs from that point. Compared to the case where it is added as molybdenum oxide, the ignition time is somewhat delayed.
[0066]
【The invention's effect】
As described above, according to the gas generant composition of the present invention, the following remarkable effects can be expected. That is,
(1) Since aminotetrazole, which can basically suppress the generation of CO, which is a harmful gas, is used as a fuel component, airbags are deployed with clean gas with little CO generation, improving safety for passengers To do.
(2) In a gas generator with a high gasification rate mainly composed of aminotetrazole and an oxidizing agent, the oxidizing agent is mainly composed of strontium nitrate, and a metal nitride or a metal carbide is added thereto as a slag collector. By doing so, the trapping property of the generated slag is remarkably increased, the amount of slag outflow is reduced, and the airbag can be deployed with clean gas. Furthermore, since the amount of the filter member for collecting slag can be reduced, it contributes to the reduction in size and weight of the gas generator.
(3) In addition, metal nitride or metal carbide decomposes to generate nitrogen gas or carbon dioxide gas, which contributes to the deployment of the airbag as a gas component useful for airbag deployment. The content of aminotetrazole can be saved, and as a result, it can be expected to contribute to the reduction in size and weight of the gas generator.
(4) By using a mixed oxidant with a small amount of potassium nitrate, sodium nitrate, barium nitrate or potassium perchlorate added to an oxidant based on strontium nitrate, it is possible to prevent the generation of NOx, which was difficult to suppress with strontium nitrate alone. It can be greatly reduced.
(5) Further, by adding a small amount of molybdenum trioxide or a molybdenum compound that generates molybdenum trioxide by heating to the above composition, the gas generating agent itself has an automatic ignition function without reducing the gasification rate. Therefore, it is not necessary to provide a separate automatic ignition mechanism in the gas generator as in the prior art, and the structure of the gas generator can be simplified and the cost can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view of a gas generator used in an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between time (t) and container internal pressure (P) in a 60-liter tank test.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view of an automatic ignition test apparatus used in an example of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Gas generator
2 igniters
3 Gunpowder
4 Gas generating agent
5 Cooling filter members
6 Gas discharge hole
7 Central ignition chamber
8 Combustion chamber
9 Cooling filter chamber
10 Bottomed iron pipe
11 Silicon oil bath
12 Heater
13 Thermometer
14 Oil bath
P1 Maximum ultimate pressure
t1 Time to start operation
Time from t2 operation to P1
Claims (9)
〔M2+ 1-x M3+ x (OH)2 〕x+〔An- x/n ・mH2 O〕x-
ここで、
M2+:Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+等の2価金属
M3+:Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+等の3価金属
An-:OH- ,F- ,Cl- ,NO3 - ,CO3 2- ,SO4 2- ,Fe(CN)6 3- ,CH3 COO- ,蓚酸イオン,サリチル酸イオン等のn価のアニオン
x :0<x≦0.33Claims formed by adding 2 to 10% by weight of a hydrotalcite represented by the following formula as a binder to the composition comprising the fuel component, the oxidant, and the catalyst component, and mixing them. Item 4. The gas generant composition according to any one of Items 1 to 3 [M 2+ 1-x M 3+ x (OH) 2 ] x + [A n− x / n · mH 2 O] x−
here,
M 2+ : Divalent metal such as Mg 2+ , Mn 2+ , Fe 2+ , Co 2+ , Ni 2+ , Cu 2+ , Zn 2+ M 3+ : Al 3+ , Fe 3+ , Cr 3 +, Co 3+, 3-valent metal of in 3+, etc. a n-: OH -, F - , Cl -, NO 3 -, CO 3 2-, SO 4 2-, Fe (CN) 6 3-, CH 3 n-valent anion x such as COO − , oxalate ion, salicylate ion, etc .: 0 <x ≦ 0.33
化学式:Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 Oで表される合成ヒドロタルサイト、又は、
化学式:Mg6 Fe2 (OH)16CO3 ・4H2 Oで表されるピロウライトである請求項4に記載のガス発生剤組成物The hydrotalcites are
A synthetic hydrotalcite represented by a chemical formula: Mg 6 Al 2 (OH) 16 CO 3 .4H 2 O, or
The gas generant composition according to claim 4, which is a pyrolite represented by the chemical formula: Mg 6 Fe 2 (OH) 16 CO 3 · 4H 2 O.
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