JP3952045B2 - 生体光計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体光計測装置及びその装置における画像作成方法、すなわち、生体内部の情報を光を用いて測定し、測定結果を画像化する生体光計測装置及び画像作成方法に関する。
生体内部を簡便かつ生体に害を与えずに測定する装置もしくは方法が臨床医療で望まれている。この要望に対し、光を用いた計測は非常に有効である。その第一の理由は、生体内部の酸素代謝機能は生体中の特定色素(ヘモグロビン、チトクロームaa3、ミオグロビン等)、すなわち、光吸収体の濃度に対応し、この特定色素濃度は光(可視から近赤外領域の波長)吸収量から求められるからである。
第二の理由は、光は光ファイバによって扱いが簡便であるからである。第三の理由は、光計測は、安全基準の範囲内での使用により生体に害を与えないことが挙げられる。
このような光を用いた生体計測の利点を利用して、可視から近赤外の波長の光を生体に照射し、照射位置から10−50mm程度離れた位置での反射光から生体内部を測定する装置が、例えば、公開特許公報、特開昭63−277038号、特開平5−300887号等に記載されている。また、厚さ100−200mm程度の生体を透過した光から酸素代謝機能のCT画像を計測する装置すなわち光CT装置が、例えば公開特許公報、特開昭60−72542号、特開昭62−231625号に記載されている。
特開昭63−277038号公報
特開平5−300887号公報
生体光計測による臨床応用としては、例えば頭部を計測対象とする場合、脳の酸素代謝の活性化状態及び局所的な脳内出血の計測等が挙げられる。また、脳内の酸素代謝に関連して、運動、感覚さらには思考に及ぶ高次脳機能等を計測することも可能である。このような計測においては、非画像よりも画像として計測し表示することにより、その効果は飛躍的に増大する。例えば、局所的な酸素代謝の変化部位の検出等では、画像として計測及び表示することが不可欠である。
しかし、従来技術には以下に示す問題点が存在する。まず、前記反射光による計測では画像化のための計測及び表示の方法が提示されていない。そのため、局所的に酸素代謝が変化した場合、変化部位の検出は困難である。また、透過光を用いた光CT装置は、局所的な変化の検出を画像として検出可能であるが、生体透過光強度は反射光強度に比べて数桁小さくなり非常に微弱であり、検出される透過光信号はランダムな雑音成分に埋もれてしまう。そのため、透過光信号を雑音に対して充分大きくなるように計測するためには、高価な微弱光検出器が必要で、かつ、雑音を除去して透過光信号を抽出するために計測時間すなわち計測の積算回数を増加させる必要も生じる。その結果、計測時間が長くなり、被検体へ精神的負担を与えるだけではなく、装置の稼働効率が低下してしまう。
従って、本発明の目的は以上の課題を解決し、簡易な検出器を用い、さらに短時間での計測で、生体機能の状態を画像化する生体計測装置及びその装置を用いて計測結果を画像化する方法を実現することである。
上記目的を達成するため、本発明の生体計測装置は、被検体に可視から近赤外領域の波長の光を照射する複数の光照射手段と、上記光照射手段から照射され、被検体内部で反射された光を検出する複数の受光手段と、上記受光手段で検出された信号を複数の受光手段毎にかつ経時的に記憶記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶された信号を用いて複数の計測点の計測対象の信号に変換する演算手段と、上記演算手段の出力を上記測定位置を表す二次元表示面に強度信号として表すトポグラフィ画像として表示する画像作成部を設けた。特に、上記複数の光照射手段のそれぞれは波長のことなる複数の光源と、上記複数の光源の光を互いに異なった周波数で変調する変調器と、変調された複数の光を照射位置に導く導波手段とからなり、上記複数の受光手段のそれぞれは上記波長の異なる複数の光源からの光の強度を分離する分離手段をもつ。
上記生体計測装置を用いて、生体内部の機能を計測する場合、上記複数の光照射手段の光照射位置を被検体の測定部に分布して配置し、かつ分布して配置された光照射位置のそれぞれの周辺部に上記複数の受光手段の受光部を複数個配置し、上記複数の受光手段で検出された光信号を上記光の照射位置と検出位置との中点で、かつ生体表面に対する生体内部への垂線上の任意の位置を計測点として設定する。上記計測点及び上記計測点に対応した検出された光信号強度を2次元画像上に表示する。また、トポグラフィ画像として表示する場合に、測定されていない位置の信号を上記計測点の補間信号によって得るようにしてもよい。
上記被体が生体である場合、上記照射位置と検出位置との距離は10から50mm程度が望ましい。
本発明は計測の位置の情報は光照射手段の被検体への光照射位置及び受光手段の位置によってほぼ一義的に決定されるので、トポグラフィ画像として表示するための信号処理が簡単かつ高速に行える。また、受光手段の位置が光照射位置から10〜50mm程度の近くで、反射光を利用することになり、100から200mm程度の生体を透過した光に比べて検出強度が充分に大きい。そのため、簡易な光検出器で、かつ、短い時間での計測が可能となる。
例えば、計測対象(被検体)を頭部とした場合、照射位置と検出位置の距離が少なくとも30mmであれば、検出光は皮膚及び頭蓋骨を通過して脳の表面部、すなわち大脳皮質に到達していることが知られていることが、例えば、パトリック・ダブリュ・マコーミック(Patrick W. McCormick)他による「赤外光の大脳内浸透(Intracerebral penetration of infrared light)」,1992年2月発行のジャーナルオブニューロサージェリ、第76巻、第315−318項(J Neurosurg. ,76, 315 (1992))により報告されている。また、照射及び検出位置の中点から生体表面に対する生体内部への垂線上の位置での情報が、このような位置で検出された光には最も多く含まれていることが、生体中の光伝播特性から知られている。この特性として例えば、シェカオ・フェン(Shechao Feng)他による「多重散乱媒体中での光子移動路分布のモンテカルロシミュレーション(Monte Carlo simulationsof photon path distribution in multiple scattering media)」、1993年エス・ピィ・アイ・イー発行の会議録第1888巻、ランダム媒体及び生体組織における光子移動と画像、第78ー89項(SPIE, Proceedings of photon migration and imaging in random media and tissues, 1888, 78 (1993))により報告されている。
本発明の生体光計測装置では、多数位置の測定を行うには、多数の光照射手段と受光手段を必要とするが、後述の実施例に示すように、部分的位置の測定には、効果があり、複数の計測点に対して得られた計測結果を、各計測点ごとに補間する簡単な演算処理で高速にトポグラフィ画像が得られる。
本発明では、低コストの光照射手段、光検出器を用い、簡単な演算処理であるため経済的な装置で高速の処理ができ、被定測体の形状を表す平面画像と対応づけた生体機能を画像化ができるので、特に生体の局所定な機能の測定に有効な手段となる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明による生体光計測装置の一実施例の構成を示す。本実施例は、生体光計測装置を、脳機能に伴う血液動態変化(酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量)の計測に適用した例である。脳の特定部位は生体の特定機能(例えば指等身体の一部を動かす等)の制御に関連しており、その特定機能を動作することで、脳の特定部位の血液動態が変化する。上記特定機能が働くような負荷、例えば、指を動かす等を加え、血液動態変化を計測し、脳の部位を表す2次平面画像に等高線図として表示することが本実施例の生体光計測装置を用いて行うことができる。
図に示すように、本実施例は、波長の異なる複数の光源2a〜2d(光源2aと2c及び光源2bと2dはそれぞれ可視から近赤外領域の同波長)と、上記複数の光源2a及び2b(2c及び2c)の光ををそれぞれ互いに異なった周波数の発振器1a及び1b(1c及び1d)で強度変調する変調器と、強度変調された光をそれぞれ光ファイバー3a及び3b(32c及び3c)を通して結合する結合器4a(4b)からの光を光ファイバー5a(5b)を介して被検体である被検者6の頭皮上の異なる位置に照射する複数の光照射手段と、上記複数の光照射手段の光照射位置の近くに上記光照射位置から等距離(ここでは30mmとする)の位置に先端が位置するように複数の光検出用光ファイバー7a〜7d及び光検出用光ファイバー7a〜7dのそれぞれに設けられた光検出器8a〜8fからなる複数の受光手段とが設けられてる。6本の光検出用光ファイバー7a〜7fで、生体通過光を光ファイバーに集光し、それぞれ光検出器8a〜8fで生体通過光が光電変換される。上記受光手段は被検体内部で反射された光を検出し電気信号に変換すもので、光検出器8としては光電子増倍管やフォトダイオードに代表される光電変換素子を用いる。
光検出器8a〜8fで光電変換された生体通過光強度を表わす電気信号(以下、生体通過光強度信号とする)は、それぞれロックインアンプ9a〜9hに入力される。ここで、光検出器8c及び8dは、光ファイバー5a及び5bの両方から等距離にある光検出光ファイバー7c及び7dで集光される生体通過光強度を検出しているため、光検出器8c及び8dからの信号を2系統に分離し、ロックインアンプ9cと9e及び9dと9fに入力する。ロックインアンプ9a〜9dには発振器1a及び1b、そして、ロックインアンプ9e〜9hには発振器1c及び1dからの強度変調周波数が参照周波数として入力されている。従って、ロックインアンプ9a〜9dからは光源1a及び1bに対する生体通過光強度信号が分離されて出力され、ロックインアンプ9e〜9hからは光源1c及び1dに対する生体通過光強度信号が分離されて出力される。
ロックインアンプ9e〜9hの出力である分離された各波長毎の通過光強度信号をアナログ−デジタル変換器10でアナログ−デジタル変換した後に、計算機11の内部又は計算機11の外部にある記憶装置12に格納する。計測中あるいは終了後、計算機11は上記記憶装置に記憶された通過光強度信号を使用して、各検出点の検出信号から求められる酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量を演算し、複数の計測点mの経時情報として記憶装置12に格納する。上記演算については後で詳しく説明する。表示制御部30は上記記憶手段12に記憶された信をCRT等の表示装置13の表示信号に変換し、表示装置13に表示する。
上記表示信号は測定位置を被検体の表示平面の座標に変換し、その座標位置の強度信号(酸化又は還元ヘモグロビン濃度の相対変化量)等高線表示する信号とする。
本実施例による生体光計測装置を用いることで、生体中の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量を簡易かつ高速に計測することができる。光入射点(光照射位置)及び光検出点を増やす構成は、光源の強度変調周波数及び光源及び光検出器及びロックインアンプを増やせば良いので拡張は容易である。本生体光計測装置を用いると、分光及び光照射位置は強度変調周波数で分離することが可能であるため、光照射位置を増加した場合でも、各光照射位置での照射光の波長数が計測される吸収体数と同数あれば良く、特に光照射位置毎に照射光の波長を換える必要はない。従って、用いる照射光の波長数が少なく、波長によって異なる散乱の影響による誤差を小さくすることができる。
図2は、生体光計測装置を使用した本発明による画像作成方法の一実施例を説明するための図で、上記方法における光入射点、光検出点及び計測点の関係を示す。本実施例の画像作成方法は、被検者の頭部における酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量のトポグラフィ画像を作成する方法で、被検者の右手指の運動機能に関与している左側頭部に各4点の入射及び検出点を設けて生体通過光強度を計測し、右手指の運動と左手指の運動を負荷として与えた場合の測定結果を画像化する方法である。
図に示すように、被検者16の左側頭部に光入射点17a〜17dと検出点18a〜18dを配置した。ここで、各光入射点と各検出点の対応関係は、17a−18a、17a−18b、17b−18a、17b−18b、17b−18c、17b−18d、17c−18b、17c−18c、17d−18c、17d−18dの10組ある。また、各対応する光入射点と検出点の距離は30mmである。さらに、各検出点の計測信号から求められる酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量の時間変化は、前記シェカオ・フェン(Shechao Feng)他による「多重散乱媒体中での光子移動路分布のモンテカルロシミュレーション(Monte Carlo simulationsof photon path distribution in multiple scattering media)」、1993年エス・ピィ・アイ・イー発行の会議録第1888巻、ランダム媒体及び生体組織における光子移動と画像、第78−89項(SPIE, Proceedings of photon migration and imaging in random media and tissues, 1888, 78 (1993))に記載されているように、各対応する入射点と検出点の中間の情報を最も多く反映しているので、計測点19a〜19jを各入射点と検出点の対応関係の中心に設定する。計測点19a〜19jの情報を求め、その情報も大きさを図2に示すような二次元平面に等高線、濃淡、色識別図として表示する。
次に、本発明による上記各光検出点における計測信号から各ヘモグロビン濃度の相対変化量、すなわち生体の特定機能(例えば指等身体の一部を動かす等)が動作することによる脳の特定部位のモグロビン濃度の変化を求める方法の一実施例についてについて説明する。
図3は、図2の上記実施例における生体光計測装置の検出点18a〜18dの1つの点における計測信号14と計測信号14から求められる予測無負荷信号15の経時変化を表すグラフである。グラフの横軸は計測時間を表わし、縦軸は相対濃度変化量を表わしている。予測無負荷信号15は、計測信号14から、負荷を与えた時間(負荷時間)Ttと負荷後信号が元に戻るまでの時間(緩和時間)T2における信号を除き、負荷前時間T1と負荷後時間T2における計測信号14に対して任意関数を最小二乗法を用いてフィッティングし求たものである。本実施例では、任意関数を5次の線形多項式、各時間はT1=40秒,T2=30秒,Tt=30秒,T3=30秒として処理している。
図4は、1つの計測点における酸化及び還元ヘモグロビンの濃度の相対変化量(以下、それぞれΔCoxy(t)信号20及びΔCdeoxy(t)信号21とする)の時間変化を表わすグラフである。グラフの横軸は計測時間を表わし、縦軸は相対濃度変化量を表わしている。また、斜線で示した時間が負荷印加時間(右手指の運動期間)である。上記相対変化量は図2に表示される2波長の計測信号14と予測無負荷信号15から、酸化及び還元ヘモグロビン(HbO2,Hb)の濃度の負荷印加による相対変化量を以下の演算処理で求める。
波長λにおける予測無負荷信号Str(λ,t)と光源強度I0(λ)の関係は、生体中での光減衰を散乱と吸収に分離することで、以下の(2)式で示される。なお、(2)(3)式は、「光を使った生体計測−光CTへの道」第2回
O plus E 1987年6月号、61頁(8)式からも導出できる。
−Ln{Str(λ,t)/I0(λ)}
=εoxy(λ)・Coxy(t)・d+εdeoxy(λ)・Cdeoxy(t)・d+A(λ)+S(λ)・・・・・(2)
ここで、
εoxy(λ):波長λにおける酸化ヘモグロビンの吸光係数
εdeoxy(λ):波長λにおける還元ヘモグロビンの吸光係数
A(λ):波長λにおけるヘモグロビン以外による吸収による減衰
S(λ):波長λにおける散乱による減衰
Coxy(t):計測時間tにおける酸化ヘモグロビン濃度
Cdeoxy(t):計測時間tにおける還元ヘモグロビン濃度
d:生体内での(注目領域における)実効的光路長
である。
また、計測信号Sm(λ,t)と光源強度I0(λ)の関係は、以下の(3)式で示される。
−Ln{Sm(λ,t)/I0(λ)}
=εoxy(λ)・{Coxy(t)+C'oxy(t)+Noxy(t)}・d
+εdeoxy(λ)・{Cdeoxy(t)+C'deoxy(t)+Ndeoxy(t)}・d+A'(λ)+S'(λ)・・・(3)
ここで、
C'oxy(t):計測時間tにおける負荷印加による酸化ヘモグロビン濃度の変化
C'deoxy(t):計測時間tにおける負荷印加による還元ヘモグロビン濃度の変化 Noxy(t):雑音又は計測時間tにおける酸化ヘモグロビン濃度の高周波揺らぎ
Ndeoxy(t):雑音又は計測時間tにおける還元ヘモグロビン濃度の高周波揺らぎここでは、A(λ)及びS(λ)が負荷印加及び負荷非印加の状態で変化しないとすれば、すなわち、負荷により生じる計測信号変化は酸化及び還元ヘモグロビン濃度の変化のみによるとすれば、(2)及び(3)式の差分は以下(4)式で示される。
Ln{Str(λ,t)/Sm(λ,t)}=εoxy(λ){C'oxy(t)+Noxy(t)}d
+εdeoxy(λ){C'deoxy(t)+Ndeoxy(t)}d・・・・・(4)
ここで、負荷による酸化及び還元ヘモグロビン濃度相対変化量の時間変化をそれぞれΔCoxy(t)、及びΔCdeoxy(t)で表し、以下の式で定義する。
ΔCoxy(t)={C'oxy(t)+Noxy(t)}d
ΔCdeoxy(t)={C'deoxy(t)+Ndeoxy(t)}d・・・・・・・・・・・・・・・(5)
ここで、普通dを特定することは困難であるため、これらの濃度変化量の次元は濃度と距離dの積となっている。
しかし、(5)式で距離dはΔCoxyとΔCdeoxy同様に作用するため、(5)式を各ヘモグロビン濃度の相対変化量とする。計測に二波長用いると、得られる(4)式は、ΔCoxy(t)及びΔCdeoxy(t)に対する二元連立方程式となり、各波長毎の予測無負荷信号Str(λ,t)及び計測信号Sm(λ,t)から、ΔCoxy(t)及びΔCdeoxy(t)が求まる。さらに、負荷時間及び緩和時間以外におけるΔCoxy(t)及びΔCdeoxy(t)が表わすものは、C’oxy(t)=0, C’deoxy(t)=0とおけるので、雑音もしくは生体起因の酸化ヘモグロビン濃度及び還元ヘモグロビンの高周波揺らぎを表わしていることになる。上述の処理によって時間0〜140秒にわたって求めたものが図4のΔCoxy(t)信号20及びΔCdeoxy(t)信号21である。
図5及び図6は、それぞれ被検者の左手指及び右手指の運動を負荷として、上記各計測点の酸化ヘモグロビン濃度の相対変化量の時間変化から作成した等高線画像(トポグラフィ画像)を示す。トポグラフィ画像を作成する方法は、負荷印加時間(図4の斜線期間)中の相対変化量ΔCoxy(t)信号20の時間積分値(時間平均値でもよい)を計算機11で計算し、各計測点間の値はX軸方向及びY軸方向に線形に補間して作成したものである。トポグラフィ画像としては、図5及び図6に示すような等高線の他に、白黒濃淡画像、色彩による識別表示してもよい。図5及び図6の画像の比較から、明らかに右手運動時に特定の位置において酸化ヘモグロビン濃度が増加していることがわかる。この様な空間的分布の情報を画像として表示することにより計測結果の認識を迅速かつ容易にしている。また、図5及び図6に示した画像は、負荷印加時間中の濃度相対変化量の時間積分値で作成したが、同一計測時間毎の各計測点の酸化ヘモグロビン濃度の相対変化量によって同様にトポグラフィ画像を作成することも可能である。前記作成した複数のトポグラフィ画像を、計測時間の順に従って表示あるいは動画として表示すれば、酸化ヘモグロビン濃度の相対変化量の時間変化を捉らえることができる。
さらに、任意1計測点の酸化ヘモグロビン濃度の相対変化量の時間変化と自他計測点の酸化ヘモグロビン濃度の相対変化量の時間変化の自己及び相互相関関数を計算し、各計測点における相関関数よりトポグラフィ画像を作成することもできる。各計測点における相関関数は、時間ずれτで定義される関数であるから、同一時間ずれτにおける相関関数の値よりトポグラフィを作成し、τの順に従って表示あるいは動画として表示すれば、血液動態変化が伝播していく様子を可視化することができる。
ここでは、酸化ヘモグロビン濃度の相対変化量を代表的に用いて説明しているが、還元ヘモグロビン濃度の相対変化量あるいは酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量の和で計算される総ヘモグロビン濃度相対変化量も同様にトポグラフィを作成することができる。
図7は上記記載の方法で作成されたトポグラフィ画像22を、被検者の脳表面画像23と重ねあわせた表示例を示す。トポグラフィ画像22は、生体の機能に関連して変化した脳の血液動態の変化であるため、脳表面画像と重ねあわせて表示することが望ましい。脳表面画像23は3次元MRIあるいは3次元X線CTで計測し表示する。トポグラフィ画像22は、各計測点の座標を脳表面に位置するように座標変換し、座標変換した後の各計測点間の値を補間してトポグラフィ画像を作成する。作成したトポグラフィ画像22と脳表面画像23を重ねあわせて表示する時、重ねたトポグラフィ画像22の色を半透明として、下に位置する脳表面画像が透けて見えるようにする。
図8は、計測点座標変換方法を説明する図を示す。3次元MRIあるいは3次元X線CTの形態画像を撮影する際に、生体光計測装置で設定する計測点にマーカーを配置して撮影すると、撮影した形態情報から皮膚及び骨像24と脳像25とマーカー像26を表示することができる。上記撮影像は、3次元的な座標情報を有している。そこで、マーカー像26が示す計測点27を通り、計測点27における皮膚表面もしくはマーカー像26の底面に対して垂線28を計算し、脳像25と交わる点を座標変換した計測点29とする。本実施例で示したように、脳機能の計測の場合には、負荷に相関のある血液動態変化は、主に脳表面(大脳皮質)で生じていることがわかっている。前記理由より、生体の形態情報を用いることで、計測点を座標変換する深さを知ることができる。しかし、計測対象を筋肉等他の生体器官とした場合には、形態情報から座標変換する深さを知ることができない場合がある。前記の様な計測に本方法を用いる場合には、モンテカルロ法による数値計算で、生体内の光伝播をあらかじめ計算し、計測信号に最も大きく寄与する深さを求め、前記求められた深さに計測点を座標変換する。
本発明による生体光計測装置の一実施例の構成を示すブロック図 上記生体光計測装置を使用した画像作成方法の一実施例を説明するための図 上記実施例の一計測点における計測信号と計測信号から求められる予測無負荷信号15の経時変化を表す図 上記実施例の一計測点におけるヘモグロビン濃度相対変化量の時間変化を示す図 本発明による生体光計測装置の一実施例におけるトポグラフィ画像を示す図 本発明による生体光計測装置の一実施例におけるトポグラフィ画像を示す図 本発明による生体光計測装置の一実施例におけるトポグラフィ画像の表示例を示す図 本発明による生体光計測装置の他の実施例本発明おける座標変換方法を説明する図
符号の説明
1:発振器、2:光源、3:光ファイバー、4:結合器、5:光ファイバー、
6:被検者、7:光検出光ファイバー、8:光検出器、9:ロックインアンプ、10:アナログ−デジタル変換器、11:計算機、12:記憶装置、
13:表示装置、14:計測信号、15:予測無負荷信号、16:被検者、
17:入射点、18:検出点、19:計測点、20:ΔCoxy(t)信号、
21:ΔCdeoxy(t)信号、22:トポグラフィ画像、
23:脳表面画像、24:皮膚及び骨像、25:脳像、26:マーカー像、
27:計測点、28:垂線、29:座標変換した計測点。

Claims (19)

  1. 被検体頭部に対し光を照射する複数の光照射手段と、
    前記光照射手段から照射され、前記被検体内部で反射された光を検出する複数の受光手段と、
    前記受光手段で検出された信号から計測対象の信号の空間分布を算出する演算手段と、
    前記空間分布を表示する表示手段とを有し、
    前記演算手段は、前記光照射手段と前記受光手段との略中点である計測点の位置と形態画像から得られる皮膚表面の位置を対応づけ、
    前記対応づけられた皮膚表面上の計測点の位置に対応する形態画像上の脳像の表面近傍位置を、前記計測点を通る皮膚表面に対する垂線を引き、前記脳像と交わる点を算出して求める座標変換処理を行い、
    前記表示手段は、前記形態画像の前記脳像の表面近傍位置に前記空間分布を重畳して表示することを特徴とする脳の血液動態変化を計測するための生体光計測装置。
  2. 前記演算手段は、前記計測点上に配置されたマーカーの位置を参照し、計測点の位置と形態画像から得られる皮膚表面の位置を対応づけることを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  3. 前記形態画像は、三次元MRIまたは三次元X線CTにより撮像されたものであることを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  4. 前記表示手段は、形態画像として、皮膚及び骨像及び脳像を表示することを特徴とする請求項1に記載の生体光計測装置。
  5. 前記表示手段は、前記計測対象の信号を計測時間の順に従って、あるいは動画像として表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  6. 前記光照射手段が照射する光を所定の変調周波数で強度変調する変調器と、
    前記変調器が変調した光を変調周波数ごとに分離する分離手段とを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  7. 前記光照射手段は波長の異なる複数の光を照射することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  8. 前記光照射手段が照射する光の波長の数は、計測対象の吸収体の数と同じであることを特徴とする請求項6記載の生体光計測装置。
  9. 前記光照射手段が照射する光を、波長ごとに異なる変調周波数で強度変調する変調器と、
    前記変調器が変調した光を変調周波数ごとに分離する分離手段とを有することを特徴とする請求項7または8に記載の生体光計測装置。
  10. 前記分離手段は前記変調器の変調信号で駆動するロックインアンプで構成されることを特徴とする請求項6または9のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  11. 前記計測対象の信号は、酸化ヘモグロビンまたは還元ヘモグロビン濃度の相対変化量であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  12. 前記表示手段は、前記計測対象の信号を酸化ヘモグロビンまたは還元ヘモグロビン濃度の相対変化量の時間積分値または時間平均値として表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  13. 前記表示手段は、前記計測対象の信号を脳機能に伴う血液動態変化を表す分布として表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  14. 前記表示手段は、前記計測対象の信号を等高線、または強度信号を表す色の濃淡、または色彩による識別表示により表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  15. 前記光照射手段が照射する光は、可視から近赤外領域の波長の光であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  16. 計測点は前記光照射手段と前記受光手段の略中点であり、
    前記演算手段は、複数の前記計測点間における前記計測対象の信号を、前記計測点における前記計測対象の信号から演算処理により補間信号として算出し、
    前記表示手段は、前記補間信号を表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  17. 前記光照射手段は波長の異なる光源および、前記光源から照射された光を照射位置に導く導波手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  18. 計測点は前記光照射手段と前記受光手段の略中点であり、前記演算手段は、第一の前記計測点における前記計測対象の信号強度の時間変化と、第二の前記計測点における前記計測対象の信号強度の時間変化との相互相関関数を求める計算手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の生体光計測装置。
  19. 前記表示手段は、前記相互相関関数の値を表示することを特徴とする請求項18記載の生体光計測装置。
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