JP3949594B2 - Fullerene isolation method and apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、C60やC70を含むフラーレン類の溶液から、特定フラーレンであるC 60 を単離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の燃焼法、又はアーク法から得られた分子量の異なる多種のフラーレンを含むフラーレン粗原料からフラーレンC60を単離回収する方法としては、吸着剤を用いた固定相と溶離液である移動相の接触を原理としたクロマト単離法が主流であり、また、各フラーレン類の特定溶媒に対する溶解度差を利用し逐次的に抽出する方法も知られている。
例えば、特許文献1には、フラーレン類混合物を連続的に大量に分離精製する方法も開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3134414号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、クロマト単離法においては、吸着剤を再生及び/又は交換しなくてはならないため、連続的に単離を行うことが不可能であり、カラムのスケールアップが困難であることから工業的には適さないという問題があった。
一方、溶解度差を利用した溶解法では1回の処理によって得られるフラーレン結晶は固溶体であることが知られており、その純度は固液平衡によって支配されており、更なる純度を得るためには、再度同様の処理を行わねばならず、極端に回収率が低下してしまい工業的には適さないという問題があった。
さらに、特許文献1においては、フラーレンそのものの蒸気圧が低いため、膨大なエネルギーを要するという問題があった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、工業スケールでC60 からなる特定フラーレンを多大なエネルギーを要せず連続単離するフラーレンの単離方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係るフラーレンの単離方法は、フラーレン類から特定フラーレンを単離するにあたって、特定フラーレンを優先的に取り込んだ物理相に、特定フラーレン以外のフラーレンを優先的に取り込む物理相を向流接触させることにより純度を高めた特定フラーレンを得ている。
ここで、フラーレン類とは例えば、通常の燃焼法、又はアーク法から得られた分子量の異なる同素体からなる数種のフラーレンを含む混合フラーレンをいう。
単離とは、混合物中から1つの物質だけを純粋な形で取り出すことをいうが、純粋に近い形で取り出す場合も含む。
また、向流接触とは対向した流れで接触させることをいう。ここでは沈降する結晶と上昇する溶媒とが逆の流れで接触することをいう。
【0007】
フラーレンの溶解度差を利用した溶解法ではフラーレン結晶は固溶体であることが知られており、その純度は固液平衡によって支配されていることが知られていることから、例えば特定フラーレンを優先的に取り込む物理相が固体で、特定フラーレン以外のフラーレンを優先的に取り込む物理相が液体の場合、特定フラーレンは、固体中だけでなく、液体中にも存在すると同時に、固体中には特定フラーレンだけでなく、特定フラーレン以外のフラーレンも存在することになる。
また、フラーレン類を晶析すると1回の晶析では純粋な特定フラーレン(C60)は得られず、純粋な特定フラーレンを得る為には、晶析を何度も繰り返す必要があることからも、晶析によって得られた特定フラーレンの結晶中には、特定フラーレンだけでなく他のフラーレンも存在していることがわかる。
従って、特定フラーレンを優先的に取り込みながら、同時に特定フラーレン以外のフラーレンも含有した物理相である固体に、特定フラーレン以外のフラーレンを優先的に取り込む物理相である液体を接触させると固体中の特定フラーレン以外のフラーレンは優先的に液相の方へ移行する。
その結果、固体中の特定フラーレンの純度は飛躍的に向上することになる。
【0008】
なお、特定フラーレン以外のフラーレンを優先的に取り込む物理相は特定フラーレン以外のフラーレンを平衡状態で取り込むために、特定フラーレン以外のフラーレンを殆ど含まないものを使用するのが好ましい。
また、ここでは固体と液体について説明したが、物理相が気体あるいは液体の場合も原理は略同じと考えられる。
【0009】
従って、特定フラーレンを優先的に取り込む物理相、及び特定フラーレン以外のフラーレンを優先的に取り込む物理相とは、気体と液体、液体と液体、固体と液体、固体と気体の相のいずれの組合せでもよいし、特定フラーレンがどちらの相に取り込まれる場合でも適用可能である。
ここで、固相(固体の相)とは特定フラーレン単品、混合フラーレン、単独フラーレンの溶媒和、混合フラーレンの溶媒和、吸着剤などフラーレンを吸着又はフラーレンの固化を促進させる物を含む相のいずれか1又は2以上でよい。
液相(液体の相)としては、フラーレンが液体として存在しないため、溶媒を含む溶液状態の相をいう。
気相(気体の相)については、特定フラーレン単品、混合フラーレンの蒸気及び/又はガスを含む。但し、このガスはフラーレンとの反応(例えば酸化)を避けるために不活性ガスであることが好ましい。
【0010】
第2の発明に係るフラーレンの単離方法は、フラーレン類の溶液を加熱して溶媒を蒸発除去した濃縮溶液から飽和溶解度に達した特定フラーレンを優先的に析出させ、析出した特定フラーレンに、前記特定フラーレン以外のフラーレンを優先的に溶かす溶媒を向流接触させることによって、特定フラーレンの純度を高めて単離している。
ここで、フラーレン類を、特定フラーレン以外のフラーレンを優先的に溶かす溶媒で溶解して溶液としているため、溶媒を蒸発除去して溶液が濃縮されると、溶解性の低い特定フラーレンが飽和状態となって優先的に析出する。析出した結晶は特定フラーレンの純度100%の結晶ではなく特定フラーレン以外のフラーレンを含んでいるため、この結晶に特定フラーレン以外のフラーレンを優先的に溶かす溶媒を向流接触させることによって、結晶中の特定フラーレン以外のフラーレンが溶媒中に流出して結晶の特定フラーレンの純度が高まる。
なお、フラーレン類を溶かす溶媒と特定フラーレンの結晶と向流接触させる溶媒とは同じものをしてもよいし、別の溶媒を使用してもよい。
同じ溶媒を使用することによって、連続した一連の作業が可能となるので、同じ溶媒を使用するのが好ましい。
【0011】
第3の発明に係るフラーレンの単離方法は、フラーレン類の溶液を縦長の容器からなる晶析塔に入れ、該晶析塔の上部を加熱して該晶析塔の上部の溶媒を蒸発除去し、特定フラーレンを優先的に析出させて該晶析塔の下部に沈降させ、更に、蒸発除去した前記溶媒をコンデンサーにて凝縮させ、その一部又は全部を前記晶析塔の下部に戻して該晶析塔内に上昇流を発生させることにより結晶相と溶媒相を向流接触させ、前記結晶相中の特定フラーレンの純度を高めて単離している。
フラーレン類の溶液を入れる晶析塔は縦長の容器であるため、優先的に析出した特定フラーレンが下部に沈降する間、この結晶相が晶析塔内に発生した溶媒の上昇流と向流接触することによって、下部に沈降した結晶は特定フラーレンの純度が高くなっている。
【0012】
第4の発明に係るフラーレンの単離方法は、第3の発明に係るフラーレンの単離方法において、前記晶析塔の中間部より連続的にフラーレン類の溶液を供給すると共に、該晶析塔の下部から特定フラーレンを取り出している。ここで、特定フラーレンは溶液、結晶、固液混相状態のいずれの状態で取り出してもよい。
晶析塔の下部は特定フラーレンの純度の高くなった結晶が溶媒で溶けて溶液となっており、この特定フラーレンの溶液を連続的に取り出すと共に、晶析塔の中間部より連続的にフラーレン類の溶液を供給して、晶析塔内部の溶液量を略一定に保つことにより、フラーレン類からのフラーレンの単離を連続的に行うことができる。
【0013】
第5の発明に係るフラーレンの単離方法は、第3及び第4の発明に係るフラーレンの単離方法において、フラーレン類はC60及びC70を主体とし、前記晶析塔の下部から特定フラーレンであるC60を主体とする溶液、前記晶析塔の上部からC70を主体とする溶液を抜き出している。
晶析塔の上部からC70を主体とする溶液を抜き出すことによって溶液中のC70の濃度が高くなるのを防ぐことができる。
【0014】
第6の発明に係るフラーレンの単離方法は、第2〜第5の発明に係るフラーレンの単離方法において、前記溶媒は芳香族系の炭化水素である。
芳香属系の炭化水素は、芳香属系炭化水素の一例であるo−キシレン(オルトキシレン)中のフラーレン類の溶解性を示す図3に示すように、単離したい特定フラーレンであるC60と特定フラーレン以外のフラーレンであるC70との溶解性の差が非常に大きい。従って、溶媒中でC60が優先的に結晶化すると共に結晶化したC60に再度o−キシレン溶液を接触させることによって、C60の純度を高めることができる。
芳香族系の炭化水素の一例であるo−キシレン以外にも溶媒として特定フラーレン以外のフラーレンに対して溶解性が高く、特定フラーレンに対する溶解性の低い、例えば、1,2,4,−トリメチルベンゼン等の芳香属系の炭化水素を使用することが好ましい。
なお、第2〜第5の発明で使用する溶媒は、混合フラーレンの組成と濃縮時の操作温度の組み合わせにて単離を図りたい特定フラーレンが最初に溶液中に飽和状態になり優先的に析出する溶媒であれば芳香属系の炭化水素以外でもかまわない。
【0015】
第7の発明に係るフラーレンの単離装置は、分子量の異なるフラーレンが溶解しているフラーレン類の溶液から、特定フラーレンを単離する装置であって、
上部に、前記溶液を加熱して溶媒を気化させる加熱部を有する縦長の容器からなる晶析塔と、前記晶析塔の中間部に原料である前記溶液を供給する溶液供給手段と、前記晶析塔の頂部から排出される気化された前記溶媒を抜き出して液化するコンデンサーと、前記コンデンサーで液化した前記溶媒を前記晶析塔の下部に供給する溶媒供給手段と、溶解度の低い特定フラーレンを前記晶析塔の下部から抜き出す特定フラーレン抜き出し手段と、前記晶析塔の上部から特定フラーレン以外のフラーレン類の溶液を抜き出す溶液抜き出し手段とを有する。
【0016】
第8の発明に係るフラーレンの単離装置は、第7の発明に係るフラーレンの単離装置において、前記晶析塔は上部に特定フラーレンの晶析部を、その下方に沈降する結晶が純化するのに十分な長さの筒状部を有している。
晶析塔の上部の晶析部で晶析された特定フラーレンの結晶は、下部の筒状部が十分な長さを有するため、沈降する間に溶媒と向流接触して純化される。
また、晶析部は、特定フラーレンの結晶の析出や、溶媒の蒸発が十分に行われるように拡径しているのが好ましい。
【0017】
第9の発明に係るフラーレンの単離装置は、第7及び第8の発明に係るフラーレンの単離装置において、前記晶析塔の上部には導入された前記溶液を攪拌する攪拌手段が設けられていると共に、該晶析塔の上部の液面をコントロールするレベルセンサーが設けられ、前記溶液供給手段、特定フラーレン抜き出し手段、及び溶液抜き出し手段のいずれか1又は2以上の手段と連繋して、液面制御が行われている。
晶析塔の上部には、攪拌手段が設けられているため、特定フラーレンの晶析反応を促進させることができ、さらに、液面をコントロールするレベルセンサーが設けられ、溶液供給手段、特定フラーレン抜き出し手段、溶液抜き出し手段のいずれか1又は2以上の手段と連繋して液面制御が行われているので、一定液量を保って連続処理が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るフラーレンの単離装置の概略構成を示す説明図、図2は同装置を用いたフラーレンの単離方法の説明図、図3は溶媒として用いるオルトキシレンの性能についての説明図である。
【0019】
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るフラーレンの単離装置10について説明する。
図1に示すように、フラーレンの単離装置10は、上部に加熱部11を有する晶析塔12と、晶析塔12の上下方向中間位置(即ち、中間部)に原料であるフラーレン類を溶解させた溶液を供給する溶液供給手段13と、晶析塔12の頂部から排出される気化された溶媒を液化するコンデンサー(凝縮器)14と、コンデンサー14で液化した溶媒を晶析塔12の下部に供給する溶媒供給手段15と、晶析塔の上部からC70を主体とする溶液を抜き出す溶液抜き出し手段を備えている。以下、これらについて詳しく説明する。
【0020】
晶析塔12は、耐熱ガラス、ステンレス等の耐熱かつ耐蝕材料を使用した縦長の密閉容器からなってその中間部及び下部を構成する筒状部16と、この筒状部16の上部にあって筒状部16より直径が、例えば2〜6倍程度に大きくなった特定フラーレンの晶析部となる拡径部17とを有している。拡径部17の下部は傾斜面状(例えば、逆円錐台状)となって、晶出したフラーレンが傾斜面に堆積することなく、下部の筒状部16内に落ち込むようになっている。そして、筒状部16は沈降するフラーレン結晶が溶媒の上昇流と向流接触して特定フラーレンの結晶が純化するのに十分な長さになっている。また、溶液供給手段13からの溶液注入口は筒状部16に設けられてもいいし、筒状部16と拡径部17の境に設けられてもよいし、拡径部17の下部分に設けられてもいい。
拡径部17の周囲は加熱部11を構成し、内部に例えば140℃〜170℃に加熱された熱媒が循環するジャケット部18が設けられている。このジャケット部18に供給する熱媒は、内部に循環ポンプを備えた周知の熱媒加熱装置18aから送られている。
【0021】
拡径部17の中央には、攪拌羽根19が設けられ、拡径部17の半球状の天井板を貫通し、モータ20によって例えば100〜500rpmで回転駆動される回転軸21に連結されている。なお、回転軸21と前記した天井板とは軸封されて、内部の気体が外部に漏れないようになっている。攪拌羽根19、モータ20及び回転軸21で攪拌手段が構成されている。
また、拡径部17の下部又は筒状部16の上部には、溶液供給手段13からの溶液を入れる給液口22が設けられていると共に、拡径部17には液面センサー23が設けられて、溶液供給手段13と給液口22とを連結する管路24に設けられた開閉電磁弁25を制御し、拡径部17内に常時一定レベルの溶液が貯留されるようになっている。なお、26は液面センサー23の制御部を示しており、液面センサー23、液面センサー制御部26でレベルセンサーを構成している。
【0022】
溶液供給手段13は、C60、C70を含むフラーレン類を、特定フラーレン以外のフラーレンを優先的に取り込む物理相の一例である溶媒(例えば、オルトキシレン)に溶解させた溶液を貯留するタンク27を有し、外部から圧縮エア(Air)を加えて、管路24に押し出す構造となっている。
前記拡径部17の頂部には、加熱部11によって加熱されてガス化した溶媒を取り出すガス排出口28を備え、排出されたガスをコンデンサー14に導き、液化している。コンデンサー14には図示しない冷却水の配管が設けられると共に、液化しないガスを外部に排出する排気管29が設けられている。
【0023】
コンデンサー14で液化した溶媒の全部又は一部は、溶媒供給手段15を介して、晶析塔12を構成する筒状部16の下部に設けられた部屋30に供給される。この溶媒供給手段15は、溶媒の貯留タンク31と、貯留タンク31からの溶媒を送るポンプ32とを有し、部屋30に供給された溶媒はこのポンプ32によって、上昇流となり、上部から沈降する特定フラーレンの結晶と向流接触することになる。
なお、貯留タンク31にも溜まったガスを外部に排出する排気管33が設けられている。
筒状部16の下部に設けられた部屋30には、上から沈降する特定フラーレンであるC60を多量に含む固体(結晶粒)、即ち特定フラーレンを優先的に取り込む物理相(結晶相)が沈殿する。この沈殿した固体は、貯留タンク31から送られる純度の高い溶媒に溶けて、その一部は特定フラーレン抜き出し手段の一例である配液管34を介して系外に排出され、更に図示しない別の濃縮装置で濃縮されて結晶化したC60を主体とするフラーレンが回収される。
【0024】
一方、拡径部17では、加熱されて溶媒が気化するので、C60等の溶解度の低いフラーレンは晶析されて下方に沈降し、C70等の溶解度の高いフラーレンの濃度が高くなる。そこで、拡径部17の側部に溶解度の高いフラーレンであるC70を主体とする溶液を系外に排出する溶液抜き出し手段の一例である排液管35が接続されている。この排液管35によって取り出された溶液を濃縮して、C70を多量に含むフラーレンを回収することもできる。
一方晶析されて筒状部16を下方に沈降するC60を多量に含む固体(結晶粒)は沈降して下部の部屋30に到達する間に、部屋30に供給され、ポンプ32によって上昇流となった溶媒相と向流接触して結晶中のC60は十分な濃度に純化される。
ここで、ポンプ32の強さを調節することによって、上昇流の速度を調節し、結晶の沈降速度を調節することによっても、結晶の純化が図れる。
【0025】
また、本発明の実施の形態では、原料を供給する溶液供給手段13を制御して晶析塔の液面レベルを一定に保ったが、特定フラーレン抜き出し手段の一例である配液管34、又は、溶液抜き出し手段の一例である排液管35を制御して液面レベルを一定に保ってもよいし、溶液供給手段13、特定フラーレン抜き出し手段、又は、溶液抜き出し手段のいずれか1又は2以上の手段と連繋して晶析塔12の液面レベルを一定に保って連続運転を続けることも可能である。
また、本実施の形態では晶析して沈降した特定フラーレンを貯留タンク31から送られた溶媒で溶解して溶液として取り出したが、下に沈降させて結晶の形でとりだしてもよいし、他の方法で固相で取り出しても、固液混相の形で取り出す場合も本発明方法に含まれる。
【0026】
【実施例】
続いて、図1及び図2を参照しながら、このフラーレンの単離装置10を用いたフラーレンの単離方法について実施した結果を以下に説明する。
ジャケット付きガラスセパラブルフラスコ(600ml、直径80mm)の底部にガラスの単管(直径8mm、長さ450mm)を設けたものを晶析塔12として使用する。セパラブルフラスコが本実施の形態の拡径部17(濃縮晶析部)にあたり、ガラス単管が筒状部16、ガラス単管の底部の結晶が沈降している部分が部屋30にあたる。
原料となるフラーレン類21gを溶媒となるo−キシレン2700gに完全溶解した溶液は下記の組成からなる。
原料
(1)混合フラーレン 21g
酸化C60 1.64wt%
C60 66.62wt%
酸化C70 0.61wt%
C70 26.01wt%
高次フラーレン 5.12wt%
(2)o−キシレン 2700g
【0027】
操作手順は以下のとおりである。
(1)晶析塔12にo−キシレン600mlを入れる。
(2)晶析塔12の塔頂部を回転軸21によって攪拌する。
(3)熱媒過熱装置18aの一例である恒温槽によって、晶析塔12の塔頂部を160℃まで昇温する。
(4)溶媒が蒸発し始めた時点で、気化された溶媒をコンデンサー14によって凝縮し貯留タンク31からポンプ32で部屋30に送り上昇流とする還流を、2mリットル/分とする。
(5)更に蒸発温度が上がり、塔内の液面が下がり始めたら液面レベルを保つ為に溶液供給手段13から原料を晶析塔12に供給する。
(6)原料が全て入れられた時点で恒温槽の温度を150℃まで下げ、蒸発速度を下げる。ここで、還流量(2ml/分)と蒸発速度が等しくなるように恒温槽温度を調整する。これによって、全還流の状態が保てる。
(7)上記の状態で10時間程度運転を継続する。
【0028】
定期的(60分間隔程度)に塔底溶液をサンプリングし、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)にて分析し、計時変化を追う。実施データを図2に示す。
なお、実施データの数値はC60+C70中のC60の%値である。
実施データに示すとおり、実際の実施例では濃縮に時間を要するため、実施初日(7日9時)に原料を仕込み、約5時間後に、特定フラーレンであるC60の結晶の析出が見られ始めた。これは晶析塔のオルトキシレンの濃度が濃縮されてC60が飽和状態になって析出を始めるまで、時間がかかったものと思われる。その時点での塔底のC60の濃度は87%程度まで上昇した。その日は午後7時頃に実験を中止し、そのまま放置して翌日の10時に実験を再開した。再開時の塔底のC60の濃度は75%であった。これはそのまま、実施を放置したため結晶となって沈降したC60もまた、溶媒に溶けてC60の濃度は、実施の出発点の近くまで戻ったためと思われる。
【0029】
実施翌日は10時間程度全還流の状態で運転した。その結果は実施開始後、1時間程度でC60の濃度は75%から約87%まで上昇した。これは溶媒の濃度が既に上昇しているため、溶媒の蒸発除去を始めると時間を掛けずにC60の結晶の沈降が始まったためと思われる。途中で塔底のC60の濃度が下降したのは、原料が全て入れられた時点で恒温槽の温度を150℃まで下げ、蒸発速度を下げる処置をしたためと思われる。
翌8日の実施開始から10時間後のC60の濃度は約95%まで上昇した。
10時間の全還流運転後の塔底フラーレン組成を以下に示す。
酸化C60 0.6wt%
C60 89.9wt%
酸化C70 0.0wt%
C70 4.4wt%
高次フラーレン 5.2wt%(含む未特定物質)
【0030】
図2及び、上記データに示すように、実施開始時の原料組成ではC60が66.6wt%であったものが、10時間の全還流運転後の塔底のフラーレン組成はC60が89.9%となった。
上記実施例においては、塔底の特定フラーレンを配液管34から抜き出さず、10時間の全還流運転でC60の純度が89.9%となったが、塔底の特定フラーレンを系の外に抜き出し、溶液供給手段13で原料を供給して連続運転を続けると、C60の純度を更に上げることが可能である。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものでなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能である。
例えば、本発明の実施の形態では、晶析塔に上部が拡径した晶析塔を使用したが、晶析塔の上部を加熱して、溶媒を蒸発除去し、飽和した特定フラーレンが晶析できるものであればよく、例えば、上部の拡径はなく全体として径の太い晶析塔を使用する場合も本発明方法の権利範囲に含まれる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1〜6記載のフラーレンの単離方法及び請求項7〜請求項9記載の単離装置によって、フラーレン類からC60 からなる特定フラーレンを高純度で単離することができることになった。
特に請求項4記載の方法及び9記載の装置により、連続的な処置が可能となり、膨大なエネルギーを必要としない工業的規模での特定フラーレンの単離が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフラーレンの単離装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】同装置を用いたフラーレンの単離方法の説明図である。
【図3】溶媒として用いるオルトキシレンの性能についての説明図である。
【符号の説明】
10:フラーレンの単離装置、11:加熱部、12:晶析塔、13:溶液供給手段、14:コンデンサー、15:溶媒供給手段、16:筒状部、17:拡径部、18:ジャケット部、18a:熱媒加熱装置、19:攪拌羽根、20:モータ、21:回転軸、22:給液口、23:液面センサー、24:管路、25:開閉電磁弁、26:液面センサーの制御部、27:タンク、28:ガス排出口:29:排気管、30:部屋、31:貯留タンク、32:ポンプ、33:排気管、34:配液管、35:排液管[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention, from a solution of fullerenes containing C 60 and C 70, a method of isolating a C 60 is a specific fullerene.
[0002]
[Prior art]
As a method for isolating and recovering fullerene C 60 from a fullerene raw material containing various fullerenes having different molecular weights obtained from a normal combustion method or arc method, there are a stationary phase using an adsorbent and a mobile phase which is an eluent. The chromatographic isolation method based on the principle of contact is the mainstream, and a method of sequentially extracting by utilizing the solubility difference of each fullerene with respect to a specific solvent is also known.
For example, Patent Document 1 also discloses a method for continuously separating and purifying a fullerene mixture in large quantities.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3134414 [0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the chromatographic isolation method, since the adsorbent must be regenerated and / or exchanged, it is impossible to perform continuous isolation and it is difficult to scale up the column. There was a problem that it was not suitable.
On the other hand, in the dissolution method using the difference in solubility, it is known that the fullerene crystal obtained by one treatment is a solid solution, and its purity is governed by the solid-liquid equilibrium. The same treatment must be performed again, and there is a problem that the recovery rate is extremely lowered and is not industrially suitable.
Furthermore, in patent document 1, since the vapor pressure of fullerene itself was low, there existed a problem of requiring enormous energy.
[0005]
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object thereof is to provide a method for isolating and apparatus of fullerene that apart continuous single without requiring a great deal of energy to specific fullerene consisting C 60 on an industrial scale .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In the isolation method of fullerene according to the first invention that meets the above-mentioned object, when isolating a specific fullerene from fullerenes, a fullerene other than the specific fullerene is preferentially taken into a physical phase preferentially taking in the fullerene. Specific fullerenes with increased purity are obtained by bringing the physical phase into countercurrent contact.
Here, fullerenes refer to, for example, mixed fullerenes containing several types of fullerenes having different molecular weights obtained by a normal combustion method or an arc method.
Isolation means that only one substance is removed from a mixture in a pure form, but also includes a case in which the substance is removed in a nearly pure form.
Further, the countercurrent contact refers to contact in an opposed flow. Here, the precipitated crystals and the rising solvent come into contact with each other in a reverse flow.
[0007]
In the dissolution method using the solubility difference of fullerene, it is known that fullerene crystals are solid solution, and the purity is known to be governed by solid-liquid equilibrium. When the physical phase to be incorporated is a solid and the physical phase to preferentially capture fullerenes other than the specific fullerene is a liquid, the specific fullerene exists not only in the solid but also in the liquid. However, fullerenes other than specific fullerenes are also present.
In addition, when fullerenes are crystallized, pure specific fullerene (C 60 ) cannot be obtained by one crystallization, and in order to obtain pure specific fullerene, it is necessary to repeat crystallization many times. It can be seen that not only the specific fullerene but also other fullerenes are present in the crystal of the specific fullerene obtained by crystallization.
Therefore, when a specific fullerene is preferentially taken in and a liquid that is a physical phase preferentially incorporating a fullerene other than a specific fullerene is brought into contact with a solid that is also a physical phase containing a fullerene other than a specific fullerene, the specific in the solid is identified. Fullerenes other than fullerenes preferentially move toward the liquid phase.
As a result, the purity of the specific fullerene in the solid is remarkably improved.
[0008]
The physical phase that preferentially captures fullerenes other than the specific fullerene is preferably used in order to capture fullerenes other than the specific fullerene in an equilibrium state, so that it contains almost no fullerene other than the specific fullerene.
Moreover, although solid and liquid were demonstrated here, when a physical phase is gas or a liquid, it is thought that a principle is substantially the same.
[0009]
Therefore, the physical phase that preferentially takes in the specific fullerene and the physical phase that preferentially takes in fullerenes other than the specific fullerene may be any combination of gas and liquid, liquid and liquid, solid and liquid, and solid and gas phase. It is also possible to apply the specific fullerene in any phase.
Here, the solid phase (solid phase) is a specific fullerene, a mixed fullerene, a solvation of a single fullerene, a solvation of a mixed fullerene, a phase containing a substance that adsorbs fullerene or promotes solidification of fullerene, such as an adsorbent. Or 1 or 2 or more.
The liquid phase (liquid phase) refers to a solution state phase containing a solvent since fullerene does not exist as a liquid.
The gas phase (gaseous phase) includes specific fullerenes alone, mixed fullerene vapors and / or gases. However, this gas is preferably an inert gas in order to avoid a reaction with fullerene (for example, oxidation).
[0010]
In the method for isolating fullerene according to the second invention, specific fullerene having reached saturation solubility is preferentially precipitated from a concentrated solution obtained by heating a solution of fullerenes to evaporate and remove the solvent, By isolating contact with a solvent preferentially dissolving fullerenes other than the specific fullerene, the purity of the specific fullerene is increased and isolated.
Here, since the fullerenes are dissolved in a solvent that preferentially dissolves fullerenes other than the specific fullerene to form a solution, when the solvent is evaporated and the solution is concentrated, the specific fullerene having low solubility is saturated. And preferentially precipitate. The precipitated crystals are not crystals with a specific fullerene purity of 100% but contain fullerenes other than specific fullerenes. By bringing this crystal into contact with a solvent that preferentially dissolves fullerenes other than specific fullerenes, Fullerenes other than the specific fullerene flow into the solvent, and the purity of the specific fullerene in the crystal is increased.
Note that the solvent for dissolving the fullerenes and the solvent for countercurrent contact with the specific fullerene crystals may be the same, or another solvent may be used.
It is preferable to use the same solvent because using the same solvent allows a continuous series of operations.
[0011]
The fullerene isolation method according to the third aspect of the invention is that a fullerene solution is placed in a crystallization tower comprising a vertically long container, and the upper part of the crystallization tower is heated to evaporate and remove the solvent at the upper part of the crystallization tower. The specific fullerene is preferentially precipitated and settled at the bottom of the crystallization tower, and the solvent removed by evaporation is condensed in a condenser, and part or all of the solvent is returned to the bottom of the crystallization tower. By generating an upward flow in the crystallization tower, the crystal phase and the solvent phase are brought into countercurrent contact, and the purity of the specific fullerene in the crystal phase is increased and isolated.
Since the crystallization tower containing the fullerene solution is a vertically long vessel, while the specific fullerene deposited preferentially settles at the bottom, this crystalline phase is in countercurrent contact with the solvent generated in the crystallization tower. By doing so, the crystal | crystallization which settled to the lower part has the high purity of specific fullerene.
[0012]
A fullerene isolation method according to a fourth invention is the fullerene isolation method according to the third invention, wherein a solution of fullerenes is continuously supplied from an intermediate portion of the crystallization tower, and the crystallization tower is The specific fullerene is taken out from the lower part. Here, the specific fullerene may be taken out in any state of a solution, a crystal, and a solid-liquid mixed phase.
In the lower part of the crystallization tower, crystals with high specific fullerene purity are dissolved in a solvent to form a solution. The fullerene solution is continuously taken out, and fullerenes are continuously extracted from the middle part of the crystallization tower. Thus, fullerene can be continuously isolated from fullerenes by keeping the amount of the solution in the crystallization tower substantially constant.
[0013]
The fullerene isolation method according to the fifth invention is the fullerene isolation method according to the third and fourth inventions, wherein the fullerenes mainly comprise C 60 and C 70 , and the specific fullerene is formed from the lower part of the crystallization tower. solution of C 60 mainly is, are extracted solution consisting mainly of C 70 from the top of the crystal析塔.
It can be prevented from becoming higher the concentration of C 70 in the solution by extracting the solution consisting mainly of C 70 from the top of the crystal析塔.
[0014]
The fullerene isolation method according to a sixth aspect of the present invention is the fullerene isolation method according to the second to fifth aspects of the present invention, wherein the solvent is an aromatic hydrocarbon.
As shown in FIG. 3 showing the solubility of fullerenes in o-xylene (ortho-xylene), which is an example of aromatic hydrocarbons, aromatic hydrocarbons are C 60 and a specific fullerene to be isolated. difference in solubility between the C 70 is a fullerene other than the specific fullerene is very large. Accordingly, C 60 is preferentially crystallized in the solvent, and the purity of C 60 can be increased by bringing the o-xylene solution into contact with the crystallized C 60 again.
In addition to o-xylene, which is an example of an aromatic hydrocarbon, the solvent has high solubility in fullerenes other than specific fullerenes and has low solubility in specific fullerenes, for example, 1,2,4, -trimethylbenzene It is preferable to use aromatic hydrocarbons such as
In addition, the solvent used in the second to fifth inventions is preferentially precipitated because the specific fullerene to be isolated by the combination of the composition of the mixed fullerene and the operation temperature during concentration first becomes saturated in the solution. Any aromatic hydrocarbon may be used as long as it is a solvent to be used.
[0015]
A fullerene isolation device according to a seventh invention is an apparatus for isolating a specific fullerene from a solution of fullerenes in which fullerenes having different molecular weights are dissolved,
A crystallization tower comprising a vertically long container having a heating part for heating the solution to vaporize the solvent, a solution supply means for supplying the solution as a raw material to an intermediate part of the crystallization tower, and the crystal A condenser for extracting and liquefying the vaporized solvent discharged from the top of the crystallization tower; a solvent supply means for supplying the solvent liquefied by the condenser to the lower part of the crystallization tower; and a specific fullerene having low solubility. Specific fullerene extraction means for extracting from the lower part of the crystallization tower, and solution extraction means for extracting a solution of fullerenes other than the specific fullerene from the upper part of the crystallization tower.
[0016]
The fullerene isolation device according to an eighth aspect of the present invention is the fullerene isolation device according to the seventh aspect of the invention, wherein the crystallization tower purifies the crystallized portion of the specific fullerene in the upper part and crystals that settle below it. It has a cylindrical part of sufficient length.
The specific fullerene crystals crystallized in the upper crystallization part of the crystallization tower are purified by countercurrent contact with the solvent during settling because the lower cylindrical part has a sufficient length.
Moreover, it is preferable that the crystallization part is expanded in diameter so that the crystal of the specific fullerene is precipitated and the solvent is sufficiently evaporated.
[0017]
A fullerene isolation device according to a ninth invention is the fullerene isolation device according to the seventh and eighth inventions, wherein a stirring means for stirring the introduced solution is provided at an upper portion of the crystallization tower. And a level sensor for controlling the liquid level at the top of the crystallization tower is provided, connected to any one or more of the solution supply means, the specific fullerene extraction means, and the solution extraction means, Liquid level control is performed.
Since the stirring means is provided at the top of the crystallization tower, the crystallization reaction of the specific fullerene can be promoted. Further, a level sensor for controlling the liquid level is provided, and the solution supply means and the specific fullerene are extracted. Since the liquid level control is performed in connection with one or more of the means and the solution extraction means, continuous processing is possible while maintaining a constant liquid amount.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings for understanding of the present invention.
FIG. 1 is an explanatory diagram showing a schematic configuration of a fullerene isolation device according to an embodiment of the present invention, FIG. 2 is an explanatory diagram of a fullerene isolation method using the same device, and FIG. 3 is a solvent. It is explanatory drawing about the performance of the orthoxylene to be used.
[0019]
First, a
As shown in FIG. 1, a
[0020]
The
The circumference of the
[0021]
A stirring
Further, a
[0022]
The solution supply means 13 is a
A
[0023]
All or part of the solvent liquefied by the
The
The
[0024]
On the other hand, in the expanded
On the other hand, the solid (crystal grains) containing a large amount of C 60 which is crystallized and settles downward in the
Here, the crystal can be purified by adjusting the strength of the
[0025]
Further, in the embodiment of the present invention, the solution supply means 13 for supplying the raw material is controlled to keep the liquid level of the crystallization tower constant, but the
In the present embodiment, the specific fullerene crystallized and settled is dissolved in the solvent sent from the
[0026]
【Example】
Subsequently, the results of the fullerene isolation method using the
A glass single tube (diameter 8 mm, length 450 mm) provided at the bottom of a jacketed glass separable flask (600 ml,
A solution in which 21 g of fullerenes as raw materials are completely dissolved in 2700 g of o-xylene as a solvent has the following composition.
Raw material (1) 21g of mixed fullerene
Oxidized C 60 1.64 wt%
C 60 66.62 wt%
Oxide C 70 0.61wt%
C 70 26.01 wt%
Higher order fullerene 5.12 wt%
(2) 2700 g of o-xylene
[0027]
The operation procedure is as follows.
(1) Put 600 ml of o-xylene into the
(2) The top of the
(3) The temperature of the top of the
(4) When the solvent starts to evaporate, the reflux of the vaporized solvent is condensed by the
(5) When the evaporation temperature further rises and the liquid level in the tower begins to drop, the raw material is supplied from the solution supply means 13 to the
(6) When all the raw materials are put, the temperature of the thermostatic bath is lowered to 150 ° C., and the evaporation rate is lowered. Here, the thermostat temperature is adjusted so that the reflux rate (2 ml / min) and the evaporation rate are equal. Thereby, the state of total reflux can be maintained.
(7) The operation is continued for about 10 hours in the above state.
[0028]
The bottom solution is sampled periodically (at intervals of about 60 minutes), analyzed by HPLC (High Performance Liquid Chromatography), and the time change is followed. Implementation data is shown in FIG.
The numerical implementation data is percentage of C 60 in C 60 + C 70.
As shown in the data, it takes time to concentrate in the actual embodiment, charged raw materials in the practice day (7:00 days 9), after about 5 hours, started observed precipitation of crystals of C 60 is a specific fullerene It was. It seems that it took time until the concentration of ortho-xylene in the crystallization tower was concentrated and C 60 became saturated and precipitation started. At that time, the C 60 concentration at the bottom of the column rose to about 87%. On that day, the experiment was stopped at around 7pm, and the experiment was resumed at 10:00 the next day. The C 60 concentration at the bottom of the tower at the restart was 75%. This seems to be because the C 60 precipitated as crystals because the operation was left as it was also dissolved in the solvent, and the concentration of C 60 returned to the vicinity of the starting point of the operation.
[0029]
On the next day, the operation was performed at a total reflux for about 10 hours. As a result, the C 60 concentration increased from 75% to about 87% in about 1 hour after the start of the operation. This is presumably because the concentration of the solvent had already increased, so when the evaporation of the solvent was started, the precipitation of C 60 crystals started without taking much time. The reason why the C 60 concentration at the bottom of the tower dropped during the process seems to be because the temperature of the thermostatic bath was lowered to 150 ° C. and the evaporation rate was lowered when all the raw materials were added.
The C 60 concentration 10 hours after the start of the next 8 days increased to about 95%.
The bottom fullerene composition after 10 hours of total reflux operation is shown below.
Oxidized C 60 0.6wt%
C 60 89.9 wt%
Oxide C 70 0.0wt%
C 70 4.4 wt%
Higher order fullerene 5.2wt% (including unspecified substances)
[0030]
As shown in FIG. 2 and the above data, the raw material composition at the start of the implementation had C 60 of 66.6 wt%, but the fullerene composition at the bottom of the tower after the total reflux operation for 10 hours had a C 60 of 89. 9%.
In the above embodiment, not withdrawn specific fullerene bottoms from
[0031]
As mentioned above, although embodiment of this invention was described, this invention is not limited to this embodiment, The change in the range which does not change the summary of invention is possible.
For example, in the embodiment of the present invention, a crystallization tower having an enlarged diameter is used as the crystallization tower, but the upper part of the crystallization tower is heated to evaporate and remove the solvent. For example, the use of a crystallization tower having a large diameter as a whole without an upper diameter expansion is also included in the scope of the right of the method of the present invention.
[0032]
【The invention's effect】
Isolation device isolation method of fullerene according to claim 6 wherein and claims 7 to claim 9, wherein, were supposed to be able to isolate specific fullerene consisting C 60 from fullerenes in high purity.
In particular, the method according to claim 4 and the apparatus according to claim 9 enable continuous treatment and isolation of specific fullerenes on an industrial scale that does not require enormous energy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing a schematic configuration of a fullerene isolation device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram of a fullerene isolation method using the same apparatus.
FIG. 3 is an explanatory diagram of the performance of ortho-xylene used as a solvent.
[Explanation of symbols]
10: fullerene isolation device, 11: heating section, 12: crystallization tower, 13: solution supply means, 14: condenser, 15: solvent supply means, 16: cylindrical section, 17: expanded diameter section, 18: jacket Part, 18a: heating medium heating device, 19: stirring blade, 20: motor, 21: rotating shaft, 22: liquid supply port, 23: liquid level sensor, 24: pipe line, 25: open / close solenoid valve, 26: liquid level Sensor control unit, 27: tank, 28: gas outlet: 29: exhaust pipe, 30: room, 31: storage tank, 32: pump, 33: exhaust pipe, 34: liquid distribution pipe, 35: drain pipe
Claims (9)
上部に、前記溶液を加熱して溶媒を気化させる加熱部を有する縦長の容器からなる晶析塔と、
前記晶析塔の中間部に原料である前記溶液を供給する溶液供給手段と、
前記晶析塔の頂部から排出される気化された前記溶媒を抜き出して液化するコンデンサーと、
前記コンデンサーで液化した前記溶媒を前記晶析塔の下部に供給する溶媒供給手段と、
溶解度の低い特定フラーレンを前記晶析塔の下部から抜き出す特定フラーレン抜き出し手段と、
前記晶析塔の上部からC70を主体とする溶液を抜き出す溶液抜き出し手段とを有することを特徴とするフラーレンの単離装置。An apparatus for isolating a specific fullerene from a solution of fullerenes in which fullerenes having different molecular weights are dissolved,
In the upper part, a crystallization tower comprising a vertically long container having a heating part for heating the solution and evaporating the solvent,
Solution supply means for supplying the solution as a raw material to an intermediate part of the crystallization tower;
A condenser for extracting and liquefying the vaporized solvent discharged from the top of the crystallization tower;
Solvent supply means for supplying the solvent liquefied by the condenser to the lower part of the crystallization tower;
A specific fullerene extraction means for extracting a specific fullerene having low solubility from the lower part of the crystallization tower;
Isolation device fullerene characterized by having a solution withdrawal means withdrawing a solution consisting mainly of C 70 from the top of the crystal析塔.
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