JP3948362B2 - Liquid crystal panel and liquid crystal display device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルおよび液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン上に画像を投影する投射型表示装置が知られている。この投射型表示装置では、その画像形成に主として液晶パネルが用いられている。
【0003】
このような液晶パネルは、通常、2枚の配向膜と、これらに挟持された液晶層とを有しているが、配向膜、液晶層等の構成材料が、使用環境、使用時間等により、光劣化を生じることがあった。このような光劣化が起こると、配向膜、液晶層等の構成材料が分解し、その分解生成物が液晶の性能等に悪影響を及ぼすことがある。
【0004】
このような悪影響は、紫外線の照射量の多い屋外で用いられる場合に、特に顕著に現れることが知られていたが、近年の投射型表示装置(液晶パネル)の高輝度化等に伴い、紫外線の照射量の少ない屋内等で用いる場合でも、大きな問題になりつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐光性に優れる液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(19)の本発明により達成される。
【0007】
(1) 液晶層と、
前記液晶層の両面側に配設された配向膜と、
前記配向膜の前記液晶層と対向する面とは反対の面側に配設された電極とを有する液晶パネルであって、
前記配向膜と前記電極との間に、前記配向膜と前記電極との接触を防止する、主として無機材料で構成された無機材料膜を有し、
前記配向膜のうち少なくとも一方は、光安定化剤を含むものであり、
前記無機材料膜の平均厚さが5〜10nmであり、
前記無機材料膜は、前記配向膜に密着しCaF2で構成された層と、前記電極に密着しAl2O3で構成された層とを有する積層体であり、
前記無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、前記配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、3.0≦To/Ti≦20の関係を満足することを特徴とする液晶パネル。
【0008】
(2) 光源からの光を入射させて用いる上記(1)に記載の液晶パネル。
【0009】
(3) 少なくとも、前記液晶層の光が入射する面側に設置された前記配向膜中に前記光安定化剤が含まれる上記(2)に記載の液晶パネル。
【0010】
(4) 少なくとも、前記液晶層の光が入射する面側に、前記無機材料膜が設置されている上記(2)または(3)に記載の液晶パネル。
【0011】
(5) 前記無機材料膜は、主として、バンドギャップが4eV以上の材料で構成されたものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0012】
(6) 前記無機材料膜は、気相成膜法により形成されたものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0013】
(7) 前記光安定化剤は、平均分子量Mwが250〜3000である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0014】
(8) 前記光安定化剤は、ヒンダートアミン系化合物である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0015】
(9) 前記光安定化剤は、金属イオンを除去したものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0016】
(10) 前記配向膜中における金属イオン濃度は、5ppm以下である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0017】
(11) 前記配向膜中における前記光安定化剤の含有量は、5wt%以下である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0018】
(12) 前記配向膜は、主としてポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂で構成されたものである上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0019】
(13) 前記配向膜の平均厚さが20〜120nmである上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0020】
(14) 前記無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、前記配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、20≦Ti+To≦120の関係を満足する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0021】
(15) 前記配向膜のうちの一方について、前記液晶層と対向する面とは反対の面側に、マイクロレンズ基板が配設された上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0022】
(16) 画素電極を備えた液晶駆動基板を有する上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0023】
(17) 前記液晶駆動基板は、マトリックス状に配設された前記画素電極と、前記画素電極に接続された薄膜トランジスタとを有するTFT基板である上記(16)に記載の液晶パネル。
【0024】
(18) 上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【0025】
(19) 上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の液晶パネルを備えたライトバルブを有し、該ライトバルブを少なくとも1個用いて画像を投射することを特徴とする液晶表示装置。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の液晶パネルの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。図1に示すように、液晶パネル1Aは、液晶層2と、配向膜3A、3A’と、無機材料膜4A、4A’と、透明導電膜(電極)5、6と、偏光膜7A、7A’と、基板9、10とを有している。
【0035】
液晶層2は、主として、液晶分子で構成されている。
液晶層2を構成する液晶分子としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶など配向し得るものであればいかなる液晶分子を用いても構わないが、TN型液晶パネルの場合、ネマチック液晶を形成させるものが好ましく、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体液晶、ビフェニル誘導体液晶、ビフェニルシクロヘキサン誘導体液晶、テルフェニル誘導体液晶、フェニルエーテル誘導体液晶、フェニルエステル誘導体液晶、ビシクロヘキサン誘導体液晶、アゾメチン誘導体液晶、アゾキシ誘導体液晶、ピリミジン誘導体液晶、ジオキサン誘導体液晶、キュバン誘導体液晶等が挙げられる。さらに、これらネマチック液晶分子にモノフルオロ基、ジフルオロ基、トリフルオロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基などのフッ素系置換基を導入した液晶分子も含まれる。
【0036】
液晶層2の両面には、配向膜3A、3A’が配置されている。配向膜3A、3A’は、液晶層2を構成する液晶分子の(電圧無印加時における)配向状態を規制する機能を有する。
【0037】
配向膜3A、3A’は、通常、主として、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子材料で構成されたものである。前記高分子材料の中でも特に、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。配向膜3A、3A’が、主として、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂で構成されたものであると、製造工程において簡便に高分子膜を形成できるとともに、耐熱性、耐薬品性などに優れた特性を有するものとなる。
【0038】
また、配向膜3A、3A’としては、通常、上記のような材料で構成された膜に、液晶層2を構成する液晶分子の配向を規制する配向機能を付与するための処理が施されたものが用いられる。配向機能を付与するための処理法としては、例えば、ラビング法、光配向法等が挙げられる。
【0039】
ラビング法は、ローラ等を用いて、膜の表面を一定の方向に擦る(ラビングする)方法である。このような処理を施すことにより、膜はラビングした方向に異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
【0040】
光配向法は、直線偏光紫外線等の光を膜の表面付近に照射することにより、膜を構成する高分子のうち、特定方向を向いている分子のみを選択的に反応させる方法である。このような処理を施すことにより、膜は異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
【0041】
上記のような配向処理は、通常、基板上に形成された無機材料膜の表面に、前記材料で構成された膜を形成した後、当該膜に対して施される。無機材料膜の表面に成膜を行う方法としては、例えば、ディッピング、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗装・塗布法、溶射法、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、イオンプレーティング等の乾式めっき法等が挙げられるが、この中でも特に、スピンコート法が好ましい。スピンコート法を用いることにより、均質で、均一な厚さの膜を、容易かつ確実に形成することができる。
【0042】
上述したように、配向膜3A、3A’は、通常、主として、高分子材料で構成されたものであるが、本発明では、配向膜中に、光安定化剤を含有することに特徴を有する。このように、配向膜中に光安定化剤が含まれることにより、液晶パネル全体としての耐光性が向上し、配向膜の耐光性が向上し、光(特に紫外線、可視光)による配向膜の構成材料や液晶層の構成材料等の劣化(分解、変性等)を効果的に防止することが可能となる。これにより、液晶層2が、分解生成物等により汚損されるのが防止され、結果として、液晶パネル1Aの長期安定性が向上し、液晶パネル1Aは、長期間にわたって優れた表示特性を維持することが可能となる。
【0043】
このように、本発明によれば、耐光性に優れた液晶パネルを得ることができる。したがって、本発明は、紫外線の照射量が多い環境(例えば、屋外)や、光源から入射する光量が多い装置(例えば、後述するような投射型表示装置等)に用いられる液晶パネルのような、従来では長期間にわたって安定した特性を得るのが困難であった液晶パネルにも、好適に適用することができる。
【0044】
光安定化剤は、配向膜3A、3A’の両方に含まれているのが好ましいが、これらのうち少なくとも一方に含まれていればよい。この場合、光が入射する側に設置される配向膜中に光安定化剤が含まれているのが好ましい。これにより、光による配向膜の構成材料や液晶層の構成材料等の劣化(分解、変性等)を、より効果的に防止することが可能となる。その結果、液晶パネル1Aの長期安定性がさらに向上する。
【0045】
本発明で用いる光安定化剤は、光の照射による配向膜の構成材料、液晶層の構成材料等の劣化、分解等を防止、抑制する効果を有するものであればいかなるものであってもよい。
【0046】
このような光安定化剤としては、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、サルファイド系化合物、リン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、Ni系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、酸アミン系化合物、グアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール金属塩(例えば、ナトリウム塩)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、これらの光安定化剤について詳細に説明する。
【0047】
[1]フェノール系化合物
フェノール系化合物としては、例えば、N,N’−ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−2−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、スチレン化されたフェノール、スチレン化されたクレゾール、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−シクロヘキシル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール、2,2’−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリ−エチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、2,2’−チオ−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオ−ジエチレン−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフテート、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシヒドロ−シナモイルオキシル)エチル]イソシアヌレート、トリス−(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、エチル−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)リン酸の金属塩(例えばカルシウム塩)、プロピル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、オクチル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、ドデシル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
[2]芳香族アミン系化合物
芳香族アミン系化合物としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ヒドロキノリン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン(高分子化されたものを含む)、アルドール−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
[3]サルファイド系化合物
サルファイド系化合物としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−メチル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル−ステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]サルファイド、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾールや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
[4]リン系化合物
リン系化合物としては、例えば、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、ホスホナスアシッド[1,1−ジフェニル−4,4’−ジイルビステトラキス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデン−ジフェノールアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニル−ビスフェノールA ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)−ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフェート ジエチルエステル、9,10−ジヒドロ−9−エクサ−10−ホスホフェナンスレン−10−オキシド、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸の金属塩(例えば、ナトリウム塩)、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸の金属塩(例えば、ナトリウム塩)、1,3−ビス(ジフェノキシホスホニルオキシ)ベンゼンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】
[5]サリシレート系化合物
サリシレート系化合物としては、例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニルサリシレートや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
[6]ベンゾフェノン系化合物
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】
[7]ベンゾトリアゾール系化合物
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾール金属塩(例えば、カリウム塩)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
[8]ヒンダートアミン系化合物
ヒンダートアミン系化合物としては、例えば、フェニル−4−ピペリジニルカーボネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、コハク酸と4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの共重合体、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−トリデシル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−トリデシル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0055】
[9]Ni系化合物
Ni系化合物としては、例えば、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルジブチル−ジチオカルバメート、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル(II)、ニッケル−ビス(オクチルフェニル)サルファイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル酸モノエチルエステル−Ni錯体、2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)トリエタノールアミンニッケル(II)や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0056】
[10]シアノアクリレート系化合物
シアノアクリレート系化合物としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
[11]オキザリックアシッドアニリド系化合物
オキザリックアシッドアニリド系化合物としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリドや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0058】
[12]シュウ酸誘導体
シュウ酸誘導体としては、例えば、シュウ酸−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、N,N’−ビス{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミドや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
[13]サリチル酸誘導体
サリチル酸誘導体としては、例えば、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,12−ドデカン酸−ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0060】
[14]ヒドラジド誘導体
ヒドラジド誘導体としては、例えば、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸−ビス[2−フェノキシプロピオニルヒドラジド]や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0061】
[15]その他
その他の光安定化剤としては、例えば、酸アミン系化合物、グアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール金属塩(例えば、ナトリウム塩)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0062】
以上説明したものの中でも、光安定化剤としては、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、サルファイド系化合物、リン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、Ni系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体のうち少なくとも1種を含むものが好ましく、ヒンダートアミン系化合物を主とするものがより好ましい。光安定化剤としてこのような材料を用いることにより、上述した効果がさらに顕著なものとなる。
【0063】
特に、光安定化剤として、ヒンダートアミン系化合物を主とするものを用いた場合、用いる光源(例えば、後述する投射型表示装置の光源やバックライト)の波長領域での耐光性が、特に優れたものとなる。また、耐光性の向上とともに、耐熱性も向上し、熱分解反応の発生等も効果的に防止することができる。その結果、液晶パネル1A全体としての安定性がさらに優れたものとなる。
【0064】
また、ヒンダートアミン系化合物は、上述した配向膜の主成分(例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子材料)との相溶性が特に優れており、また、配向膜の主成分との化学反応等を生じ難い。このため、光安定化剤として、ヒンダートアミン系化合物を主とするものを用いることにより、配向膜として求められる機能を十分に保持しつつ、液晶パネル1Aの耐光性をさらに優れたものとすることができる。
【0065】
光安定化剤の平均分子量Mwは、250〜3000であるのが好ましく、400〜2500であるのがより好ましい。光安定化剤の平均分子量Mwが前記下限値未満であると、光安定化剤が液晶層2等に移行し易くなり、液晶層2の機能が低下する可能性がある。一方、光安定化剤の平均分子量Mwが前記上限値を超えると、高分子材料で構成された配向膜との相溶性が低下し、均一な高分子膜が形成できない可能性がある。
【0066】
また、配向膜中に含まれる光安定化剤は、金属イオンを除去したものであるのが好ましい。これにより、液晶パネル1Aの長期安定性がさらに向上する。金属イオンの除去は、例えば、イオン交換樹脂を用いた精製等により行うことができる。
【0067】
配向膜中の金属イオン濃度は、5ppm以下であるのが好ましく、0.5ppm以下であるのがより好ましく、0.10ppm以下であるのがさらに好ましい。このように、金属イオン濃度を十分に低くすることにより、上記のような効果はさらに顕著なものとなる。一方、配向膜中の金属イオン濃度が大きすぎると、金属イオンが液晶層2等に移行し易くなり、電圧保持率の低下等の液晶層2の機能低下を生じる可能性がある。
【0068】
配向膜中における光安定化剤の含有量は、例えば、5wt%以下であるのが好ましく、0.2〜3.0wt%であるのがより好ましく、0.5〜1.5wt%であるのがさらに好ましい。
【0069】
配向膜中における光安定化剤の含有量が前記下限値未満であると、液晶表示パネルの使用環境等によっては、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。一方、配向膜中における光安定化剤の含有量が前記上限値を越えると、配向膜としての特性が低下し、電圧無印加時における液晶分子の配向特性が低下する可能性がある。
【0070】
このような配向膜は、その平均厚さが20〜120nmであるのが好ましく、30〜80nmであるのがより好ましい。
【0071】
配向膜の平均厚さが前記下限値未満であると、配向膜に十分な配向機能を付与するのが困難になるとともに、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。
一方、配向膜の平均厚さが前記上限値を超えると、駆動電圧が高くなり、消費電力が大きくなる可能性がある。
【0072】
なお、光安定化剤は、配向膜中に均一に分散したものであってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、配向膜は、その厚さ方向に、光安定化剤の含有率が変化するものであってもよい。
【0073】
また、配向膜は、例えば、その少なくとも一部が、配向膜と一体化したものであってもよい。
【0074】
また、光安定化剤が、配向膜3Aおよび配向膜3A’に含まれる場合、光安定化剤の含有量は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
【0075】
配向膜3Aの外表面側(液晶層2と対向する面とは反対の面側)には、透明導電膜(電極)5が配置されている。同様に、配向膜3A’の外表面側(液晶層2と対向する面とは反対の面側)には、透明導電膜(電極)6が配置されている。
【0076】
透明導電膜5、6は、これらの間で通電を行うことにより、液晶層2の液晶分子を駆動する(配向を変化させる)機能を有する。
【0077】
透明導電膜5、6間での通電の制御は、透明導電膜に接続された制御回路(図示せず)から供給する電流を制御することにより行われる。
【0078】
透明導電膜5、6は、導電性を有しており、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)等で構成されている。
【0079】
ところで、このような透明導電膜の構成材料は、優れた導電性と透明性とを兼ね備えており、従来から液晶パネルに適用されてきた。しかしながら、このような材料は、光量の大きい光や紫外線領域の光により、例えば、有機材料の分解反応等を促進する光触媒としての作用を発揮する。このため、近年における、液晶パネルの高輝度化や使用環境の多様化(例えば、屋外での使用)に伴い、透明導電膜(電極)の構成材料が、配向膜等の構成材料を分解し、液晶パネルの表示特性に悪影響を与えることがある。
【0080】
そこで、本発明では、配向膜と透明導電膜(電極)との間に、主として無機材料で構成された無機材料膜を配設することにした。これにより、配向膜と電極との接触が防止される(配向膜と透明導電膜とが遮断される)。したがって、前記光触媒反応等による配向膜の分解等が防止され、その結果、液晶パネル全体としての耐光性、長期安定性が向上する。
【0081】
図1に示すように、本実施形態では、配向膜3Aと透明導電膜(電極)5との間には、無機材料膜4Aが配置されており、同様に、配向膜3A’と透明導電膜(電極)6との間には、無機材料膜4A’が配置されている。
【0082】
無機材料膜は、主として無機材料で構成されたものであり、特に、後に詳述するように、配向膜に密着しCaF2で構成された層と、電極に密着しAl2O3で構成された層とを有する積層体である。
【0083】
無機材料膜は、300〜500nmの波長領域の光の吸収率が、20%以下であるのが好ましく、10%以下であるのがより好ましい。300〜500nmの波長領域の光の最大吸収率が20%を超えると、緑色〜青色の光の透過率が相対的に低下し、液晶パネルの高輝度化が困難になる場合がある。また、300〜500nmの波長領域の光の最大吸収率が20%を超えると、無機材料膜自体が光触媒として作用し、配向膜の分解反応等を十分に防止することが困難となる場合がある。
【0084】
また、無機材料膜は、主として、バンドギャップが、4eV以上の材料で構成されたものであるのが好ましく、6〜15eVの材料で構成されたものであるのがより好ましい。無機材料膜が4eV未満の材料で構成されたものであると、無機材料膜自体が光触媒として作用し、配向膜の分解反応等を十分に防止することが困難となる場合がある。
【0085】
上記のような条件を満足するような材料としては、例えば、MgF2、CaF2、BaF2、Al2O3、SiO2、MgO、LiF、CsI、HfO2等が挙げられる。この中でも特に、MgF2、MgO、Al2O3、CaF2が好ましい。
【0086】
無機材料膜は、その平均厚さが5〜10nmである。
【0087】
無機材料膜の平均厚さが前記下限値未満であると、無機材料膜の機能が十分に発揮されない。すなわち、成膜後の塗膜上にピンホールが多く存在し、電極材料の光触媒としての作用を十分に防止することができない。一方、無機材料膜の平均厚さが前記上限値を超えると、無機材料膜における光の吸収率が高くなるとともに、駆動電圧が上昇し消費電力が大きくなり、さらに焼付き現象を起こし易くなるなど、液晶パネルとしての特性が低下する。
【0088】
また、無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、20≦Ti+To≦120の関係を満足するのが好ましく、30≦Ti+To≦90の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、消費電力を低く保ちながら、耐光性に優れた液晶パネルを形成できる。
【0089】
また、無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、3.0≦To/Ti≦20の関係を満足する。このような関係を満足することにより、消費電力を低く保ちながら、耐光性に優れた液晶パネルを形成できる。
【0090】
無機材料膜の形成方法は、特に限定されないが、真空蒸着、スパッタリング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、イオンプレーティング等の気相成膜法が好ましい。気相成膜法を用いることにより、均一で緻密な薄膜が得られ、配向膜と透明電極の接触が完全に遮断される。このような効果は、真空蒸着を用いたときにより顕著に表れる。
【0092】
無機材料膜は、複数の層の積層体である。これにより、例えば、無機材料膜の、前記波長領域の光の吸収率を、容易かつ確実にコントロールすることができる。また、無機材料膜を積層体として形成することにより、隣接する部材(配向膜、透明電極)との、密着性を特に優れたものにすることができる。
そして、本発明では、特に、配向膜側の層の構成材料としてCaF2を用い、かつ、透明電極側の層の構成材料としてAl2O3を用いる。このような材料の組み合わせとすることにより、配向膜および透明電極との、密着性を特に優れたものにすることができるとともに、無機材料膜全体としての、前記波長領域の光の吸収率を特に低いものにすることができる。
【0093】
透明導電膜5の外表面側(無機材料膜4Aと対向する面とは反対の面側)には、基板9が配置されている。同様に、透明導電膜6の外表面側(無機材料膜4A’と対向する面とは反対の面側)には、基板10が配置されている。
【0094】
基板9、10は、前述した液晶層2、配向膜3A、3A’、無機材料膜4A、4A’、透明導電膜5、6、および後述する偏光膜7A、8Aを支持する機能を有している。基板9、10の構成材料は、特に限定されず、例えば、石英ガラス等のガラスやポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料等が挙げられる。この中でも特に、石英ガラス等のガラスで構成されたものであるのが好ましい。これにより、そり、たわみ等の生じにくい、より安定性に優れた液晶パネルを得ることができる。なお、図1では、シール材、配線等の記載は省略した。
【0095】
基板9の外表面側(透明導電膜5と対向する面とは反対の面側)には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)7Aが配置されている。同様に、基板10の外表面側(透明導電膜6と対向する面とは反対の面側)には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)8Aが配置されている。
【0096】
偏光膜7A、8Aの構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。また、偏光膜としては、前記材料にヨウ素をドープしたもの等を用いてもよい。
【0097】
偏光膜としては、例えば、上記材料で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いることができる。
【0098】
このような偏光膜7A、8Aに配置することにより、通電量の調節による光の透過率の制御をより確実に行うことができる。
【0099】
偏光膜7A、8Aの偏光軸の方向は、通常、配向膜3A、3A’の配向方向に応じて決定される。
【0100】
図2は、本発明の液晶パネルの第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。
以下、図2に示す液晶パネル1Bについて、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0101】
図2に示すように、液晶パネル(TFT液晶パネル)1Bは、TFT基板(液晶駆動基板)17と、TFT基板17に接合された無機材料膜4Bと、無機材料膜4Bに接合された配向膜3Bと、液晶パネル用対向基板12と、液晶パネル用対向基板12に接合された無機材料膜4B’と、無機材料膜4B’に接合された配向膜3B’と、配向膜3Bと配向膜3B’との空隙に封入された液晶よりなる液晶層2と、TFT基板(液晶駆動基板)17の外表面側(無機材料膜4Bと対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜7Bと、液晶パネル用対向基板12の外表面側(無機材料膜4B’と対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜8Bとを有している。配向膜3B、3B’は、前記第1実施形態で説明した配向膜3A、3A’と同様なものであり、無機材料膜4B、4B’は、前記第1実施形態で説明した無機材料膜4A、4A’と同様なものであり、偏光膜7B、8Bは、前記第1実施形態で説明した偏光膜7A、8Aと同様なものである。
【0102】
液晶パネル用対向基板12は、マイクロレンズ基板11と、かかるマイクロレンズ基板11の表層114上に設けられ、開口131が形成されたブラックマトリックス13と、表層114上にブラックマトリックス13を覆うように設けられた透明導電膜(共通電極)14とを有している。
【0103】
マイクロレンズ基板11は、凹曲面を有する複数(多数)の凹部(マイクロレンズ用凹部)112が設けられたマイクロレンズ用凹部付き基板(第1の基板)111と、かかるマイクロレンズ用凹部付き基板111の凹部112が設けられた面に樹脂層(接着剤層)115を介して接合された表層(第2の基板)114とを有しており、また、樹脂層115では、凹部112内に充填された樹脂によりマイクロレンズ113が形成されている。
【0104】
マイクロレンズ用凹部付き基板111は、平板状の母材(透明基板)より製造され、その表面には、複数(多数)の凹部112が形成されている。凹部112は、例えば、マスクを用いた、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等により形成することができる。
【0105】
このマイクロレンズ用凹部付き基板111は、例えば、ガラス等で構成されている。
【0106】
前記母材の熱膨張係数は、ガラス基板171の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)であることが好ましい。これにより、得られる液晶パネルでは、温度が変化したときに二者の熱膨張係数が違うことにより生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。
【0107】
かかる観点からは、マイクロレンズ用凹部付き基板111と、ガラス基板171とは、同種類の材質で構成されていることが好ましい。これにより、温度変化時の熱膨張係数の相違によるそり、たわみ、剥離等が効果的に防止される。
【0108】
特に、マイクロレンズ基板11を高温ポリシリコンのTFT液晶パネルに用いる場合には、マイクロレンズ用凹部付き基板111は、石英ガラスで構成されていることが好ましい。TFT液晶パネルは、液晶駆動基板としてTFT基板を有している。かかるTFT基板には、製造時の環境により特性が変化しにくい石英ガラスが好ましく用いられる。このため、これに対応させて、マイクロレンズ用凹部付き基板111を石英ガラスで構成することにより、そり、たわみ等の生じにくい、安定性に優れたTFT液晶パネルを得ることができる。
【0109】
マイクロレンズ用凹部付き基板111の上面には、凹部112を覆う樹脂層(接着剤層)115が設けられている。
【0110】
凹部112内には、樹脂層115の構成材料が充填されることにより、マイクロレンズ113が形成されている。
【0111】
樹脂層115は、例えば、マイクロレンズ用凹部付き基板111の構成材料の屈折率よりも高い屈折率の樹脂(接着剤)で構成することができ、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルエポキシ系のような紫外線硬化樹脂等で好適に構成することができる。
【0112】
樹脂層115の上面には、平板状の表層114が設けられている。
表層(ガラス層)114は、例えばガラスで構成することができる。この場合、表層114の熱膨張係数は、マイクロレンズ用凹部付き基板111の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)とすることが好ましい。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114の熱膨張係数の相違により生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。このような効果は、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114とを同種類の材料で構成すると、より効果的に得られる。
【0113】
表層114の厚さは、マイクロレンズ基板11が液晶パネルに用いられる場合、必要な光学特性を得る観点からは、通常、5〜1000μm程度とされ、より好ましくは10〜150μm程度とされる。
【0114】
なお、表層(バリア層)114は、例えばセラミックスで構成することもできる。なお、セラミックスとしては、例えば、AlN、SiN、TiN、BN等の窒化物系セラミックス、Al2O3、TiO2等の酸化物系セラミックス、WC、TiC、ZrC、TaC等の炭化物系セラミックスなどが挙げられる。表層114をセラミックスで構成する場合、表層114の厚さは、特に限定されないが、20nm〜20μm程度とすることが好ましく、40nm〜1μm程度とすることがより好ましい。
なお、このような表層114は、必要に応じて省略することができる。
【0115】
ブラックマトリックス13は、遮光機能を有し、例えば、Cr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti等の金属、カーボンやチタン等を分散した樹脂等で構成されている。
【0116】
透明導電膜(電極)14は、導電性を有し、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)等で構成されている。
【0117】
TFT基板17は、液晶層2の液晶を駆動する基板であり、ガラス基板171と、かかるガラス基板171上に設けられ、マトリックス状(行列状)に配設された複数(多数)の画素電極172と、各画素電極172に対応する複数(多数)の薄膜トランジスタ(TFT)173とを有している。なお、図2では、シール材、配線等の記載は省略した。
【0118】
ガラス基板171は、前述したような理由から、石英ガラスで構成されていることが好ましい。
【0119】
画素電極172は、透明導電膜(共通電極)14との間で充放電を行うことにより、液晶層2の液晶を駆動する。この画素電極172は、例えば、前述した透明導電膜14と同様の材料で構成されている。
【0120】
薄膜トランジスタ173は、近傍の対応する画素電極172に接続されている。また、薄膜トランジスタ173は、図示しない制御回路に接続され、画素電極172へ供給する電流を制御する。これにより、画素電極172の充放電が制御される。
【0121】
無機材料膜4Bは、TFT基板17の画素電極172と接合しており、無機材料膜4B’は、液晶パネル用対向基板12の透明導電膜14と接合している。また、配向膜3Bは、無機材料膜4Bと接合しており、配向膜3B’は、無機材料膜4B’と接合している。
【0122】
液晶層2は液晶分子を含有しており、画素電極172の充放電に対応して、かかる液晶分子、すなわち液晶の配向が変化する。
【0123】
このような液晶パネル1Bでは、通常、1個のマイクロレンズ113と、かかるマイクロレンズ113の光軸Qに対応したブラックマトリックス13の1個の開口131と、1個の画素電極172と、かかる画素電極172に接続された1個の薄膜トランジスタ173とが、1画素に対応している。
【0124】
液晶パネル用対向基板12側から入射した入射光Lは、マイクロレンズ用凹部付き基板111を通り、マイクロレンズ113を通過する際に集光されつつ、樹脂層115、表層114、ブラックマトリックス13の開口131、透明導電膜14、液晶層2、画素電極172、ガラス基板171を透過する。このとき、マイクロレンズ基板11の入射側に偏光膜8Bが設けられているため、入射光Lが液晶層2を透過する際に、入射光Lは直線偏光となっている。その際、この入射光Lの偏光方向は、液晶層2の液晶分子の配向状態に対応して制御される。したがって、液晶パネル1Bを透過した入射光Lを偏光膜7Bに透過させることにより、出射光の輝度を制御することができる。
【0125】
このように、液晶パネル1Bは、マイクロレンズ113を有しており、しかも、マイクロレンズ113を通過した入射光Lは、集光されてブラックマトリックス13の開口131を通過する。一方、ブラックマトリックス13の開口131が形成されていない部分では、入射光Lは遮光される。したがって、液晶パネル1Bでは、画素以外の部分から不要光が漏洩することが防止され、かつ、画素部分での入射光Lの減衰が抑制される。このため、液晶パネル1Bは、画素部で高い光の透過率を有する。
【0126】
この液晶パネル1Bは、例えば、公知の方法により製造されたTFT基板17と液晶パネル用対向基板12とに、それぞれ、無機材料膜4B、4B’を接合し、さらに、これらの表面に、配向膜3B、3B’を接合し、その後、シール材(図示せず)を介して両者を接合し、次いで、これにより形成された空隙部の封入孔(図示せず)から液晶を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞ぐことにより製造することができる。
【0127】
なお、上記液晶パネル1Bでは、液晶駆動基板としてTFT基板を用いたが、液晶駆動基板にTFT基板以外の他の液晶駆動基板、例えば、TFD基板、STN基板などを用いてもよい。
【0128】
次に、本発明の液晶表示装置の一例として、上記液晶パネル1Bを用いた投射型表示装置(液晶プロジェクター)について説明する。
【0129】
図3は、本発明の液晶表示装置(投射型表示装置)の光学系を模式的に示す図である。
同図に示すように、投射型表示装置300は、光源301と、複数のインテグレータレンズを備えた照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備えた色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)24と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)25と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)26と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面211および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面212が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)21と、投射レンズ(投射光学系)22とを有している。
【0130】
また、照明光学系は、インテグレータレンズ302および303を有している。色分離光学系は、ミラー304、306、309、青色光および緑色光を反射する(赤色光のみを透過する)ダイクロイックミラー305、緑色光のみを反射するダイクロイックミラー307、青色光のみを反射するダイクロイックミラー(または青色光を反射するミラー)308、集光レンズ310、311、312、313および314とを有している。
【0131】
液晶ライトバルブ25は、前述した液晶パネル1Bを備えている。液晶ライトバルブ24および26も、液晶ライトバルブ25と同様の構成となっている。これら液晶ライトバルブ24、25および26が備えている液晶パネル1Bは、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されている。
【0132】
なお、投射型表示装置300では、ダイクロイックプリズム21と投射レンズ22とで、光学ブロック20が構成されている。また、この光学ブロック20と、ダイクロイックプリズム21に対して固定的に設置された液晶ライトバルブ24、25および26とで、表示ユニット23が構成されている。
【0133】
以下、投射型表示装置300の作用を説明する。
光源301から出射された白色光(白色光束)は、インテグレータレンズ302および303を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレータレンズ302および303により均一にされる。光源301から出射される白色光は、その光強度が比較的大きいものであるのが好ましい。これにより、スクリーン320上に形成される画像をより鮮明なものとすることができる。また、投射型表示装置300では、耐光性に優れた液晶パネル1Bを用いているため、光源301から出射される光の強度が大きい場合であっても、優れた長期安定性が得られる。
【0134】
インテグレータレンズ302および303を透過した白色光は、ミラー304で図3中左側に反射し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光(G)は、それぞれダイクロイックミラー305で図3中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラー305を透過する。
【0135】
ダイクロイックミラー305を透過した赤色光は、ミラー306で図3中下側に反射し、その反射光は、集光レンズ310により整形され、赤色用の液晶ライトバルブ24に入射する。
【0136】
ダイクロイックミラー305で反射した青色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミラー307で図3中左側に反射し、青色光は、ダイクロイックミラー307を透過する。
【0137】
ダイクロイックミラー307で反射した緑色光は、集光レンズ311により整形され、緑色用の液晶ライトバルブ25に入射する。
【0138】
また、ダイクロイックミラー307を透過した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)308で図3中左側に反射し、その反射光は、ミラー309で図3中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ312、313および314により整形され、青色用の液晶ライトバルブ26に入射する。
【0139】
このように、光源301から出射された白色光は、色分離光学系により、赤色、緑色および青色の三原色に色分離され、それぞれ、対応する液晶ライトバルブに導かれ、入射する。
【0140】
この際、液晶ライトバルブ24が有する液晶パネル1Bの各画素(薄膜トランジスタ173とこれに接続された画素電極172)は、赤色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路(駆動手段)により、スイッチング制御(オン/オフ)、すなわち変調される。
【0141】
同様に、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ25および26に入射し、それぞれの液晶パネル1Bで変調され、これにより緑色用の画像および青色用の画像が形成される。この際、液晶ライトバルブ25が有する液晶パネル1Bの各画素は、緑色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御され、液晶ライトバルブ26が有する液晶パネル1Bの各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御される。
【0142】
これにより赤色光、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ24、25および26で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用の画像がそれぞれ形成される。
【0143】
前記液晶ライトバルブ24により形成された赤色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ24からの赤色光は、面213からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211で図3中左側に反射し、ダイクロイックミラー面212を透過して、出射面216から出射する。
【0144】
また、前記液晶ライトバルブ25により形成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ25からの緑色光は、面214からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211および212をそれぞれ透過して、出射面216から出射する。
【0145】
また、前記液晶ライトバルブ26により形成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ26からの青色光は、面215からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面212で図3中左側に反射し、ダイクロイックミラー面211を透過して、出射面216から出射する。
【0146】
このように、前記液晶ライトバルブ24、25および26からの各色の光、すなわち液晶ライトバルブ24、25および26により形成された各画像は、ダイクロイックプリズム21により合成され、これによりカラーの画像が形成される。この画像は、投射レンズ22により、所定の位置に設置されているスクリーン320上に投影(拡大投射)される。
【0147】
以上、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0148】
例えば、前述した実施形態では、液晶層の両面側にそれぞれ、無機材料膜が設けられた構成について説明したが、少なくとも、1つの無機材料膜を有するものであればよい。この場合、少なくとも、光源からの光が入射する側に、無機材料膜が設置されているのが好ましい。
【0149】
また、前記光安定化剤は、配向膜以外の部位(例えば、無機材料膜中や液晶層中等)にも含まれていてもよい。これにより、液晶分子等の光劣化をより効果的に防止、抑制することが可能となり、液晶パネル、液晶表示装置としての長期安定性は、さらに優れたものとなる。
【0151】
また、前述した実施形態では、液晶表示装置の一例として投射型表示装置について説明したが、本発明の液晶表示装置は、これに限定されない。本発明を適用することが可能な液晶表示装置としては、この他に、例えば、携帯電話や腕時計およびワープロやパソコンなどの電子機器や屋外に設置される液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0152】
また、前述した実施形態では、投射型表示装置(液晶表示装置)は、3個の液晶パネルを有するものであり、これらの全てに本発明の液晶パネル(光安定化剤を含む配向膜と、無機材料膜とを有する液晶パネル)を適用したものについて説明したが、少なくともこれらのうち1個が、本発明の液晶パネルであればよい。この場合、少なくとも、青色用の液晶ライトバルブに用いられる液晶パネルに本発明を適用するのが好ましい。
【0153】
【実施例】
[液晶パネルの製造]
以下のようにして、図2に示すような液晶パネルを製造した。
【0154】
(参考例)
まず、以下のようにして、マイクロレンズ基板を製造した。
【0155】
厚さ約1.2mmの未加工の石英ガラス基板(透明基板)を母材として用意し、これを85℃の洗浄液(硫酸と過酸化水素水との混合液)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。
【0156】
その後、この石英ガラス基板の表面および裏面に、CVD法により、厚さ0.4μmの多結晶シリコンの膜を形成した。
【0157】
次に、形成した多結晶シリコン膜に、形成する凹部に対応した開口を形成した。
【0158】
これは、次のようにして行った。まず、多結晶シリコン膜上に、形成する凹部のパターンを有するレジスト層を形成した。次に、多結晶シリコン膜に対してCFガスによるドライエッチングを行ない、開口を形成した。次に、前記レジスト層を除去した。
【0159】
次に、石英ガラス基板をエッチング液(10wt%フッ酸+10wt%グリセリンの混合水溶液)に120分間浸漬してウエットエッチング(エッチング温度30℃)を行い、石英ガラス基板上に凹部を形成した。
【0160】
その後、石英ガラス基板を、15wt%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に5分間浸漬して、表面および裏面に形成した多結晶シリコン膜を除去することにより、マイクロレンズ用凹部付き基板を得た。
【0161】
次に、かかるマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成された面に、紫外線(UV)硬化型アクリル系の光学接着剤(屈折率1.60)を気泡なく塗布し、次いで、かかる光学接着剤に石英ガラス製のカバーガラス(表層)を接合し、次いで、かかる光学接着剤に紫外線を照射して光学接着剤を硬化させ、積層体を得た。
【0162】
その後、カバーガラスを厚さ50μmに研削、研磨して、マイクロレンズ基板を得た。
なお、得られたマイクロレンズ基板では、樹脂層の厚みは12μmであった。
【0163】
以上のようにして得られたマイクロレンズ基板について、スパッタリング法およびフォトリソグラフィー法を用いて、カバーガラスのマイクロレンズに対応した位置に開口が設けられた厚さ0.16μmの遮光膜(Cr膜)、すなわち、ブラックマトリックスを形成した。さらに、ブラックマトリックス上に厚さ0.15μmのITO膜(透明導電膜)をスパッタリング法により形成し、液晶パネル用対向基板を製造した。
【0164】
このようにして得られた液晶パネル用対向基板の透明導電膜上に、無機材料膜を真空蒸着(EB法)により形成した。
真空蒸着は、蒸発源として酸化マグネシウム(MgO)を用い、EB電流値:200mA、成膜時間:44秒間、液晶パネル用対向基板温度:200℃、ベース圧力:5.00×10−3[Pa]という条件で行った。形成された無機材料膜の平均厚さTiは、20nmであった。また、形成された無機材料膜の、300〜500nmの波長領域の光の最大透過率は、10%であった。なお、酸化マグネシウムのバンドギャップは、7.8eVである。
【0165】
次に、上記のようにして形成された無機材料膜の表面に配向膜を以下のようにして形成した。
まず、ポリイミド系樹脂の溶液(日本合成ゴム株式会社製:AL6256)を用意し、これに光安定化剤として旭電化工業株式会社製のアデカスタブ LA-63P(ヒンダートアミン系化合物:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ぺンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(平均分子量Mw:約2000)を主とする光安定化剤)を加えた。このようにして得られた組成物中における光安定化剤の添加量は、樹脂固形分に対して0.5wt%とした。
次に、上記のようにして得られた組成物を用いて、スピンコート法により、無機材料膜の表面に、平均厚さ50nmの膜を形成した。
このようにして形成された膜に、プレチルドが2〜3°となるように、ラビング処理を施し、配向膜(平均厚さTo:50nm)とした。
【0166】
また、別途用意したTFT基板(石英ガラス製)の表面にも、上記と同様にして、無機材料膜、配向膜を積層した。
【0167】
無機材料膜、配向膜が形成された液晶パネル用対向基板と、無機材料膜、配向膜が形成されたTFT基板とを、シール材を介して接合した。この接合は、液晶層を構成する液晶分子が左ツイストするように配向膜の配向方向が90°ずれるように行った。
【0168】
次に、配向膜−配向膜間に形成された空隙部の封入孔から液晶(メルク社製:MJ99247)を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞いだ。形成された液晶層の厚さは、約3μmであった。
【0169】
その後、液晶パネル用対向基板の外表面側と、TFT基板の外表面側とに、それぞれ、偏光膜8B、偏光膜7Bを接合することにより、図2に示すような構造のTFT液晶パネルを製造した。偏光膜としては、ポリビニルアルコール(PVA)で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いた。なお、偏光膜7B、偏光膜8Bの接合方向は、それぞれ、配向膜3B、配向膜3B’の配向方向に基づき決定した。すなわち、電圧印可時には入射光が透過せず、電圧無印可時には入射光が透過するように、偏光膜7B、偏光膜8Bを接合した。
【0181】
(実施例)
無機材料膜を、フッ化カルシウム(CaF2)からなる層(透明導電膜側の層)と、酸化アルミニウム(Al2O3)からなる層(液晶層側の層)との2層からなる積層体として形成した以外は、前記参考例と同様にして液晶パネルを製造した。
無機材料膜の形成は、以下のようにして行った。
まず、蒸発源としてフッ化カルシウム(CaF2)を用い、EB電流値:150mA、成膜時間:25秒間、液晶パネル用対向基板温度:200℃、ベース圧力:5.00×10−3[Pa]という条件で真空蒸着を行うことにより、フッ化カルシウム(CaF2)からなる層を形成した。
引き続き、蒸発源として酸化アルミニウム(Al2O3)を用い、EB電流値:160mA、成膜時間:30秒間、液晶パネル用対向基板温度:200℃、ベース圧力:5.00×10−3[Pa]という条件で真空蒸着を行うことにより、酸化アルミニウム(Al2O3)からなる層を積層した。形成された無機材料膜の平均厚さTiは、10nmであった。また、形成された無機材料膜の、300〜500nmの波長領域の光の最大透過率は、8%であった。なお、フッ化カルシウム(CaF2)、酸化アルミニウム(Al2O3)のバンドギャップは、それぞれ、9.41eV、8.95eVである。
【0182】
(比較例1)
無機材料膜を形成せず、また、光安定化剤を用いずに配向膜を形成した以外は、前記参考例と同様にして液晶パネルを製造した。
【0183】
(比較例2)
無機材料膜を形成せず、また、配向膜中における光安定化剤の含有量を0.5wt%とした以外は、前記参考例と同様にして液晶パネルを製造した。
【0184】
[液晶パネルの評価]
上記参考例、実施例および各比較例で製造した液晶パネルについて、光透過率を連続的に測定した。光透過率の測定は、各液晶パネルを50℃の温度下に置き、電圧無印加の状態で、15lm/mm2の光束密度の白色光を照射することにより行った。
【0185】
表1には、配向膜、無機材料膜の条件とともに、光透過率の測定の結果をまとめて示した。なお、表1中のA[%]は、製造直後(光透過率の連続測定開始直後)の光透過率を示し、B[%]は、白色光の照射開始から3000時間後の光透過率を示す。
【0186】
【表1】
【0188】
表1から明らかなように、本発明の液晶パネルにおいては、光透過率はほとんど減少していない。
【0189】
これに対して、比較例の液晶パネルでは、経時的な光透過率の減少が著しかった。特に、比較例1の液晶パネルでは、白色光の照射を開始してから650時間程度で、目視で確認できる変色(やけ)を生じ、光透過率が大きく減少し、白色光の照射開始900時間後程度で、光透過率は0%になった。
【0190】
[液晶プロジェクター(液晶表示装置)の評価]
上記参考例、実施例および比較例で製造したTFT液晶パネルを用いて、図3に示すような構造の液晶プロジェクター(投射型表示装置)を組み立て、5000時間連続駆動させた。
【0191】
その結果、実施例の液晶パネルを用いて製造された液晶プロジェクター(液晶表示装置)は、長時間連続して駆動させた場合であっても、鮮明な投射画像が得られた。
【0192】
これに対し、比較例の液晶パネルを用いて製造された液晶プロジェクター(液晶表示装置)では、駆動時間に伴い、投射画像の鮮明度が明らかに低下した。
【0193】
また、光安定化剤の種類をフェノール系化合物(トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、平均分子量Mw:784)、芳香族アミン系化合物(N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、平均分子量Mw:260)、サルファイド系化合物(ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、平均分子量Mw:683)、リン系化合物(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、平均分子量Mw:647)、サリシレート系化合物(4−t−ブチルフェニルサリシレート、平均分子量Mw:270)、ベンゾフェノン系化合物(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、平均分子量Mw:326)、Ni系化合物(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル酸モノエチルエステル−Ni錯体、平均分子量Mw:713)、シアノアクリレート系化合物(エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、平均分子量Mw:277)、オキザリックアシッドアニリド系化合物(2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、平均分子量Mw:369)、シュウ酸誘導体(シュウ酸−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、平均分子量Mw:292)、サリチル酸誘導体(1,12−ドデカン酸−ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、平均分子量Mw:498)、ヒドラジド誘導体(N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、平均分子量Mw:552)に変更した以外は、前記と同様にして、液晶パネル、液晶表示装置を製造し、これらについて前記と同様の評価を行った。
【0194】
その結果、これらの光安定化剤の含有量が、0.1〜7.0wt%の範囲においては、いずれの液晶パネルも、B/Aの値が0.88以上であり、前記と同様の効果が確認された。
【0195】
また、これらの液晶パネルを用いた液晶プロジェクター(投射型表示装置)は、実施例による液晶プロジェクターと同様、5000時間連続駆動させた後でも、鮮明な投射画像が得られた。
【0196】
これらの結果から、本発明の液晶パネル、液晶表示装置は、耐光性に優れ、長期間使用しても安定した特性が得られるものであることが分かる。
【0197】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、耐光性に優れた液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することができる。
【0198】
したがって、本発明によれば、入射する光量が多い環境で用いられる液晶パネルおよび液晶表示装置であっても、特に優れた長期安定性を確保することができる。
【0199】
このような効果は、光安定化剤の組成、分子量や、配向膜中の金属イオン濃度、無機材料膜の厚さ等を調整することにより、さらに優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶パネルの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。
【図2】 本発明の液晶パネルの第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。
【図3】 本発明の投射型表示装置の光学系を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1A、1B……液晶パネル 2……液晶層 3A、3A’、3B、3B’……配向膜 4A、4A’、4B、4B’……無機材料膜 5……透明導電膜 6……透明導電膜 7A、7B……偏光膜 8A、8B……偏光膜 9……基板 10……基板 11……マイクロレンズ基板 111……マイクロレンズ用凹部付き基板 112……凹部 113……マイクロレンズ 114……表層 115……樹脂層 12……液晶パネル用対向基板 13……ブラックマトリックス
131……開口 14……透明導電膜 17……TFT基板 171……ガラス基板 172……画素電極 173……薄膜トランジスタ 300……投射型表示装置 301……光源 302、303……インテグレータレンズ 304、306、309……ミラー 305、307、308……ダイクロイックミラー
310〜314……集光レンズ 320……スクリーン 20……光学ブロック 21……ダイクロイックプリズム 211、212……ダイクロイックミラー面 213〜215……面 216……出射面 22……投射レンズ 23……表示ユニット 24〜26……液晶ライトバルブ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid crystal panel and a liquid crystal display device.
[0002]
[Prior art]
A projection display device that projects an image on a screen is known. In this projection display device, a liquid crystal panel is mainly used for image formation.
[0003]
Such a liquid crystal panel usually has two alignment films and a liquid crystal layer sandwiched between them, but the constituent materials such as the alignment film and the liquid crystal layer depend on the use environment, use time, etc. There was a case where light deterioration occurred. When such photodegradation occurs, constituent materials such as the alignment film and the liquid crystal layer are decomposed, and the decomposition products may adversely affect the performance of the liquid crystal.
[0004]
Such an adverse effect has been known to be particularly prominent when used outdoors with a large amount of ultraviolet irradiation. However, with the recent increase in the brightness of projection type display devices (liquid crystal panels), ultraviolet rays have been shown. Even when used indoors where the amount of irradiation is small, it is becoming a big problem.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The objective of this invention is providing the liquid crystal panel and liquid crystal display device which are excellent in light resistance.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
Such an object is achieved by the present inventions (1) to (19) below.
[0007]
(1) a liquid crystal layer;
An alignment film disposed on both sides of the liquid crystal layer;
A liquid crystal panel having an electrode disposed on a surface opposite to the surface facing the liquid crystal layer of the alignment film,
Between the alignment film and the electrode, an inorganic material film mainly composed of an inorganic material that prevents contact between the alignment film and the electrode,
At least one of the alignment films contains a light stabilizer,
The average thickness of the inorganic material film is 5 to 10 nm,
The inorganic material film adheres to the alignment film and is CaF. 2 A layer composed of Al and adhered to the electrode 2 O 3 A laminate having a layer composed of
A liquid crystal satisfying a relationship of 3.0 ≦ To / Ti ≦ 20, where the average thickness of the inorganic material film is Ti [nm] and the average thickness of the alignment film is To [nm]. panel.
[0008]
(2) The liquid crystal panel according to (1), which is used by making light from a light source incident.
[0009]
(3) The liquid crystal panel according to (2), wherein the light stabilizer is contained in at least the alignment film disposed on a surface side on which light of the liquid crystal layer is incident.
[0010]
(4) The liquid crystal panel according to (2) or (3), wherein the inorganic material film is disposed at least on a surface side on which light of the liquid crystal layer is incident.
[0011]
(5) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (4), wherein the inorganic material film is mainly composed of a material having a band gap of 4 eV or more.
[0012]
(6) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (5), wherein the inorganic material film is formed by a vapor deposition method.
[0013]
(7) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (6), wherein the light stabilizer has an average molecular weight Mw of 250 to 3000.
[0014]
(8) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (7), wherein the light stabilizer is a hindered amine compound.
[0015]
(9) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (8), wherein the light stabilizer is obtained by removing metal ions.
[0016]
(10) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (9), wherein a metal ion concentration in the alignment film is 5 ppm or less.
[0017]
(11) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (10), wherein the content of the light stabilizer in the alignment film is 5 wt% or less.
[0018]
(12) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (11), wherein the alignment film is mainly composed of a polyimide resin or a polyamideimide resin.
[0019]
(13) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (12), wherein an average thickness of the alignment film is 20 to 120 nm.
[0020]
(14) When the average thickness of the inorganic material film is Ti [nm] and the average thickness of the alignment film is To [nm], the above (1) to (13) satisfying the relationship of 20 ≦ Ti + To ≦ 120. The liquid crystal panel according to any one of the above.
[0021]
(15) The liquid crystal according to any one of (1) to (14), wherein a microlens substrate is disposed on one surface of the alignment film on a surface opposite to the surface facing the liquid crystal layer. panel.
[0022]
(16) The liquid crystal panel according to any one of (1) to (15), further including a liquid crystal driving substrate including a pixel electrode.
[0023]
(17) The liquid crystal panel according to (16), wherein the liquid crystal driving substrate is a TFT substrate having the pixel electrodes arranged in a matrix and thin film transistors connected to the pixel electrodes.
[0024]
(18) A liquid crystal display device comprising the liquid crystal panel according to any one of (1) to (17).
[0025]
(19) A liquid crystal display device having a light valve including the liquid crystal panel according to any one of (1) to (18), and projecting an image using at least one light valve.
[0033]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a liquid crystal panel and a liquid crystal display device of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
[0034]
FIG. 1 is a schematic longitudinal sectional view showing a first embodiment of the liquid crystal panel of the present invention. As shown in FIG. 1, the
[0035]
The
As the liquid crystal molecules constituting the
[0036]
[0037]
The
[0038]
In addition, as the
[0039]
The rubbing method is a method of rubbing (rubbing) the surface of the film in a certain direction using a roller or the like. By performing such treatment, the film has anisotropy in the rubbed direction, and the alignment direction of liquid crystal molecules constituting the liquid crystal layer can be regulated.
[0040]
The photo-alignment method is a method of selectively reacting only molecules in a specific direction among polymers constituting the film by irradiating light such as linearly polarized ultraviolet light near the surface of the film. By performing such treatment, the film has anisotropy, and the alignment direction of the liquid crystal molecules constituting the liquid crystal layer can be regulated.
[0041]
The alignment treatment as described above is usually performed on the film after forming a film made of the material on the surface of the inorganic material film formed on the substrate. As a method of forming a film on the surface of the inorganic material film, for example, various coating and coating methods such as dipping, doctor blade, spin coating, brush coating, spray coating, electrostatic coating, electrodeposition coating, roll coater, thermal spraying method, etc. Examples thereof include wet plating methods such as electrolytic plating, immersion plating, and electroless plating, chemical vapor deposition methods (CVD) such as vacuum deposition, sputtering, thermal CVD, plasma CVD, and laser CVD, and dry plating methods such as ion plating. Of these, the spin coating method is particularly preferable. By using the spin coating method, a uniform and uniform film can be formed easily and reliably.
[0042]
As described above, the
[0043]
Thus, according to the present invention, a liquid crystal panel having excellent light resistance can be obtained. Therefore, the present invention is a liquid crystal panel used in an environment with a large amount of ultraviolet irradiation (for example, outdoors) or a device with a large amount of light incident from a light source (for example, a projection display device as described later), The present invention can also be suitably applied to a liquid crystal panel that has conventionally been difficult to obtain stable characteristics over a long period of time.
[0044]
The light stabilizer is preferably included in both of the
[0045]
The light stabilizer used in the present invention may be any as long as it has an effect of preventing or suppressing deterioration, decomposition, etc. of the constituent material of the alignment film and the constituent material of the liquid crystal layer due to light irradiation. .
[0046]
Such light stabilizers include phenolic compounds, aromatic amine compounds, sulfide compounds, phosphorus compounds, salicylate compounds, benzophenone compounds, benzotriazole compounds, hindered amine compounds, Ni compounds. Cyanoacrylate compounds, oxalic acid anilide compounds, oxalic acid derivatives, salicylic acid derivatives, hydrazide derivatives, acid amine compounds, guanidines, mercaptobenzothiazole metal salts (for example, sodium salts), etc. Among them, one kind or a combination of two or more kinds can be used.
Hereinafter, these light stabilizers will be described in detail.
[0047]
[1] Phenolic compounds
Examples of the phenolic compound include N, N′-disalicylidene-1,2-propanediamine, 2,6-di-t-butylphenol, 2,4-di-t-butylphenol, 2-t-butyl-4- Methoxyphenol, 2-t-butyl-4,6-dimethylphenol, 2,6-di-t-butyl-4-methylphenol, 2,6-di-t-butyl-4-ethylphenol, 2,4, 6-tri-t-butylphenol, 2,6-di-t-butyl-4-hydroxymethylphenol, 2,6-di-t-butyl-2-dimethylamino-p-cresol, 2,5-di-t -Butylhydroquinone, 2,5-di-t-amylhydroquinone, n-octadecyl-3- (3 ', 5'-di-t-butyl-4'-hydroxyphenyl) -propionate, 2,4-bis- ( n-octylthio) -6- (4-hydroxy-3,5-di-t-butylanilino) -1,3,5-triazine, styrenated phenol, styrenated cresol, 2-t-butyl-6 -(3'-t-butyl-5'-methyl-2'-hydroxybenzyl) -4-methylphenyl acrylate, 2,2'-methylene-bis- (4-methyl-6-t-butylphenol), 2, 2'-methylene-bis- (4-ethyl-6-tert-butylphenol), 2,2'-methylene-bis- (6-cyclohexyl-4-methylphenol), 2,2'-methylene-bis-6- (1-methylcyclohexyl) -p-cresol, 2,2′-ethylidene-bis- (2,4-di-t-butylphenol), 2,2′-butylidene-bis- (2-t-butyl-4-) Methylph Nol), 4,4'-methylene-bis- (2,6-di-tert-butylphenol), 4,4'-butylidene-bis- (3-methyl-6-tert-butylphenol), 1,6-hexane Diol-bis- [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) -propionate], tri-ethylene glycol-bis- [3- (3-t-butyl-5-methyl-4- Hydroxyphenyl) propionate], N, N′-bis- [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyl] hydrazine, N, N′-bis- [3- (3,5 -Di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyl] hexamethylenediamine, 2,2'-thio-bis- (4-methyl-6-tert-butylphenol), 4,4'-thio-bis- (3 -Methyl-6 t-butylphenol), 2,2'-thio-diethylene-bis- [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], bis [2-t-butyl-4-methyl- 6- (3-t-butyl-5-methyl-2-hydroxybenzyl) phenyl] terephthalate, 1,1,3-tris- (2-methyl-4-hydroxy-5-t-butylphenyl) butane, 1, 3,5-trimethyl-2,4,6-tris- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, tris (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl) isocyanate Nurate, tris [2- (3 ′, 5′-di-tert-butyl-4′-hydroxyhydro-cinnamoyloxyl) ethyl] isocyanurate, tris- (4-tert-butyl-2,6-dimethyl-3) - Roxybenzyl) isocyanurate, tetrakis- [methylene-3- (3 ′, 5′-di-t-butyl-4′-hydroxyphenyl) propionate] methane, ethyl- (3,5-di-t-butyl-4 -Hydroxybenzyl) phosphoric acid metal salts (eg calcium salts), propyl-3,4,5-tri-hydroxybenzene carbonate, octyl-3,4,5-tri-hydroxybenzene carbonate, dodecyl-3,4 , 5-tri-hydroxybenzene carbonate, 2,2′-methylene-bis- (4-methyl-6-tert-butylphenol), 4,4′-methylene-bis- (2,6-di-tert-butylphenol) ), 1,1-bis- (4-hydroxyphenyl) -cyclohexane, 1,1,3-tris (2-methyl-4-hydroxy-5-tert-butylphenol) Nyl) butane, 1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, 3,9-bis [1,1-dimethyl- 2- {β- (3-tert-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl) propionyloxy} ethyl] -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane and derivatives thereof ( For example, alkyl and aryl substituents) can be used, and one or more of these can be used in combination.
[0048]
[2] Aromatic amine compounds
Examples of aromatic amine compounds include alkylated diphenylamine, N, N′-diphenyl-p-phenylenediamine, N, N′-diaryl-p-phenylenediamine, 6-ethoxy-2,2,4-trimethyl- 1,2-hydroquinoline, N-phenyl-N′-isopropyl-p-phenylenediamine, N-phenyl-1,3-dimethylbutyl-p-phenylenediamine, 2,2,4-trimethyl-1,2-di Hydroquinone (including polymerized ones), aldol-α-naphthylamine, N-phenyl-β-naphthylamine, N, N′-di-2-naphthyl-p-phenylenediamine, 4,4′-dioctyl-diphenylamine And derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituents) and the like, and one or more of these are combined. It can be used in conjunction.
[0049]
[3] Sulfide compounds
Examples of the sulfide compound include dilauryl-3,3′-thiodipropionate, ditridecyl-3,3′-thiodipropionate, dimyristyl-3,3′-thiodipropionate, distearyl-3,3. '-Thiodipropionate, distearyl-3,3'-methyl-3,3'-thiodipropionate, lauryl-stearyl-3,3'-thiodipropionate, bis [2-methyl-4- { 3-n-alkylthiopropionyloxy} -5-t-butylphenyl] sulfide, pentaerythritol-tetrakis- (β-lauryl-thiopropionate), 2-mercaptobenzimidazole, 2-mercapto-5-methylbenzimidazole, And derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituents) and the like. Others may be used in combination of two or more.
[0050]
[4] Phosphorus compounds
Examples of phosphorus compounds include tris (isodecyl) phosphite, tris (tridecyl) phosphite, phenyldiisooctylphosphite, phenyldiisodecylphosphite, phenyldi (tridecyl) phosphite, diphenylisooctylphosphite, diphenylisodecyl Phosphite, diphenyltridecyl phosphite, phosphonas acid [1,1-diphenyl-4,4′-diylbistetrakis [2,4-bis (1,1-dimethylethyl) phenyl] ester, triphenyl phosphite, Tris (nonylphenyl) phosphite, 4,4′-isopropylidene-diphenol alkyl phosphite, tris (nonylphenyl) phosphite, tris (dinonylphenyl) phosphite, tris (2,4-di-t- Tilphenyl) phosphite, tris (biphenyl) phosphite, distearyl pentaerythritol diphosphite, di (2,4-di-t-butylphenyl) pentaerythritol diphosphite, di (nonylphenyl) pentaerythritol diphosphite, Phenyl-bisphenol A pentaerythritol diphosphite, tetratridecyl-4,4′-butylidene-bis- (3-methyl-6-tert-butylphenol) -diphosphite, hexatridecyl 1,1,3-tris (2- Methyl-4-hydroxy-5-t-butylphenyl) butane triphosphite, 3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl phosphate diethyl ester, 9,10-dihydro-9-exa-10-phosphophenance Ren-10- Metal salt of oxide, bis (4-t-butylphenyl) phosphate (for example, sodium salt), metal salt of 2,2′-methylene-bis (4,6-di-t-butylphenyl) phosphate (for example, Sodium salt), 1,3-bis (diphenoxyphosphonyloxy) benzene, and derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituents). Among these, one or more of these are used in combination. be able to.
[0051]
[5] Salicylate compounds
Examples of salicylate compounds include phenyl salicylate, 4-t-butylphenyl salicylate, 2,4-di-t-butylphenyl-3,5′-di-t-butyl-4′-hydroxybenzoate, 4-t -Octylphenyl salicylate, derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituents) and the like can be mentioned, and one or more of these can be used in combination.
[0052]
[6] Benzophenone compounds
Examples of the benzophenone compound include 2,4-dihydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone-5-sulfonic acid, 2-hydroxy-4-n-octoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-n-dodecyloxybenzophenone, 2-hydroxy-4-benzyloxybenzophenone, bis (5-benzoyl-4-hydroxy-2-methoxyphenyl) methane, 2,2'-dihydroxy-4-
[0053]
[7] Benzotriazole compounds
Examples of the benzotriazole compounds include benzotriazole, tolyltriazole, tolyltriazole metal salts (for example, potassium salt), 2- (2′-hydroxy-5′-methylphenyl) benzotriazole, and 2- [2′-hydroxy. -3 ′, 5′-bis (α, α-dimethylbenzyl) phenyl] benzotriazole, 2- (2′-hydroxy-3 ′, 5′-di-t-butylphenyl) benzotriazole, 2- (2 ′ -Hydroxy-3'-t-butyl-5'-methylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-t-butylphenyl) -5-chlorobenzotriazole 2- (2′-hydroxy-3 ′, 5′-di-t-amyl) benzotriazole, 2- (2′-hydroxy-5′-t-octylphenyl) ben Triazole, 2,2′-methylene-bis [4- (1,1,3,3-tetramethylbutyl) -6- (2N-benzotriazol-2-yl) phenol] and derivatives thereof (for example, alkyl , Aryl substituents) and the like, and one or more of these can be used in combination.
[0054]
[8] Hindered amine compounds
Examples of hindered amine compounds include phenyl-4-piperidinyl carbonate, bis- (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinyl) sebacate, bis- (N-methyl-2,2, 6,6-tetramethyl-4-piperidinyl) sebacate, bis- (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidinyl) -2- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl) ) -2-n-butyl malonate, poly [[6- (1,1,3,3-tetramethylbutyl) imino-1,3,5-triazine-2,4-diyl] [(2,2, 6,6-tetramethyl-4-piperidyl) imino] hexamethylene [(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) iminol]], tetrakis (2,2,6,6-tetramethyl-4 -Piperidyl -1,2,3,4-butanetetracarboxylate, 1,1 ′-(1,2-ethanediyl) bis (3,3,5,5-tetramethylpiperazinone), succinic acid and 4-hydroxy- Copolymer with 2,2,6,6-tetramethyl-1-piperidineethanol, 2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl-1,2,3,4-butane-tetracarboxylate, 2,2,6,6-tetramethyl-4-tridecyl-1,2,3,4-butane-tetracarboxylate, 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl-1,2,3 , 4-butane-tetracarboxylate, 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-tridecyl-1,2,3,4-butane-tetracarboxylate, 1,2,3,4-butanetetracarboxylic Acid and 1,2,2,6 -Condensates of pentamethyl-4-piperidinol with β, β, β, β-tetramethyl-3,9- (2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane) diethanol, and these Derivatives (for example, alkyl and aryl substituents) and the like can be mentioned, and one or more of these can be used in combination.
[0055]
[9] Ni-based compounds
Examples of Ni compounds include [2,2′-thio-bis (4-t-octylphenolate)]-2-ethylhexylamine nickel (II), nickel dibutyl-dithiocarbamate, [2,2′-thio. -Bis (4-t-octylphenolate)]-n-butylamine nickel (II), nickel-bis (octylphenyl) sulfide, 3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl acid monoethyl ester-Ni Complex, 2,2′-thio-bis (4-t-octylphenolate) triethanolamine nickel (II), derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituents) and the like. Alternatively, two or more kinds can be used in combination.
[0056]
[10] Cyanoacrylate compounds
Examples of cyanoacrylate compounds include ethyl-2-cyano-3,3-diphenyl acrylate, 2-ethylhexyl-2-cyano-3,3′-diphenyl acrylate, butyl-2-cyano-3-methyl-3- (P-methoxyphenyl) acrylate, derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituted products) and the like can be mentioned, and one or more of these can be used in combination.
[0057]
[11] Oxalic acid anilide compounds
Examples of the oxalic acid anilide compound include 2-ethoxy-2′-ethyl oxalic bisanilide, 2-ethoxy-5-tert-butyl-2′-ethyl oxalic bisanilide, and the like. Derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituents) and the like, and one or more of these can be used in combination.
[0058]
[12] Oxalic acid derivative
Examples of oxalic acid derivatives include oxalic acid-bis (benzylidenehydrazide), N, N′-bis {2- [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyloxyl] ethyl} Oxamide and derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituents) can be used, and one or more of these can be used in combination.
[0059]
[13] Salicylic acid derivative
Examples of the salicylic acid derivative include 3- (N-salicyloyl) amino-1,2,4-triazole, 1,12-dodecanoic acid-bis [2- (2-hydroxybenzoyl) hydrazide], N-salicyloyl-N ′. -Salicylidene hydrazine, derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituents) and the like can be mentioned, and one or more of these can be used in combination.
[0060]
[14] hydrazide derivatives
Examples of hydrazide derivatives include N, N′-bis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyl] hydrazine, isophthalic acid-bis [2-phenoxypropionyl hydrazide], and these Derivatives thereof (for example, alkyl and aryl substituents) and the like, and one or more of these can be used in combination.
[0061]
[15] Other
Examples of other light stabilizers include acid amine compounds, guanidines, mercaptobenzothiazole metal salts (for example, sodium salts) and the like, and one or more of these may be used in combination. it can.
[0062]
Among those described above, as the light stabilizer, phenolic compounds, aromatic amine compounds, sulfide compounds, phosphorus compounds, salicylate compounds, benzophenone compounds, benzotriazole compounds, hindered amine compounds, Preferred are those containing at least one of Ni compounds, cyanoacrylate compounds, oxalic acid anilide compounds, oxalic acid derivatives, salicylic acid derivatives, and hydrazide derivatives, more preferably those based on hindered amine compounds. . By using such a material as a light stabilizer, the above-described effects become more remarkable.
[0063]
In particular, when a light stabilizer mainly comprising a hindered amine compound is used, the light resistance in the wavelength region of the light source used (for example, the light source and backlight of a projection display device described later) is particularly high. It will be excellent. In addition, the light resistance is improved, the heat resistance is improved, and the occurrence of a thermal decomposition reaction can be effectively prevented. As a result, the stability of the
[0064]
The hindered amine compound is particularly excellent in compatibility with the main component of the alignment film described above (for example, a polymer material such as polyimide resin, polyamideimide resin, polyvinyl alcohol, polytetrafluoroethylene, etc.) It is difficult to cause a chemical reaction with the main component of the alignment film. For this reason, the light stabilizer of the liquid crystal panel 1 </ b> A is further improved while sufficiently maintaining the function required as the alignment film by using a light stabilizer mainly composed of a hindered amine compound. be able to.
[0065]
The average molecular weight Mw of the light stabilizer is preferably 250 to 3000, and more preferably 400 to 2500. When the average molecular weight Mw of the light stabilizer is less than the lower limit, the light stabilizer easily moves to the
[0066]
The light stabilizer contained in the alignment film is preferably one from which metal ions have been removed. This further improves the long-term stability of the
[0067]
The metal ion concentration in the alignment film is preferably 5 ppm or less, more preferably 0.5 ppm or less, and even more preferably 0.10 ppm or less. As described above, by sufficiently reducing the metal ion concentration, the above-described effect becomes more remarkable. On the other hand, if the metal ion concentration in the alignment film is too large, the metal ions are liable to migrate to the
[0068]
For example, the content of the light stabilizer in the alignment film is preferably 5 wt% or less, more preferably 0.2 to 3.0 wt%, and 0.5 to 1.5 wt%. Is more preferable.
[0069]
If the content of the light stabilizer in the alignment film is less than the lower limit, the effects of the present invention may not be sufficiently obtained depending on the usage environment of the liquid crystal display panel. On the other hand, when the content of the light stabilizer in the alignment film exceeds the upper limit, the characteristics as the alignment film may be deteriorated, and the alignment characteristics of the liquid crystal molecules may be deteriorated when no voltage is applied.
[0070]
Such an alignment film preferably has an average thickness of 20 to 120 nm, more preferably 30 to 80 nm.
[0071]
If the average thickness of the alignment film is less than the lower limit, it may be difficult to impart a sufficient alignment function to the alignment film, and the effects of the present invention may not be sufficiently obtained.
On the other hand, when the average thickness of the alignment film exceeds the above upper limit value, the driving voltage becomes high and the power consumption may increase.
[0072]
The light stabilizer may or may not be uniformly dispersed in the alignment film. For example, the alignment film may change the content of the light stabilizer in the thickness direction.
[0073]
Further, for example, the alignment film may be at least partly integrated with the alignment film.
[0074]
When the light stabilizer is included in the
[0075]
A transparent conductive film (electrode) 5 is disposed on the outer surface side of the
[0076]
The transparent
[0077]
Control of energization between the transparent
[0078]
The transparent
[0079]
By the way, the constituent material of such a transparent conductive film has the outstanding electroconductivity and transparency, and has been applied to the liquid crystal panel conventionally. However, such a material exhibits an action as a photocatalyst that promotes, for example, a decomposition reaction of an organic material by light having a large light amount or light in an ultraviolet region. For this reason, with the recent increase in brightness of liquid crystal panels and the diversification of usage environments (for example, outdoor use), the constituent material of the transparent conductive film (electrode) decomposes the constituent material such as the alignment film, The display characteristics of the liquid crystal panel may be adversely affected.
[0080]
Therefore, in the present invention, an inorganic material film mainly composed of an inorganic material is disposed between the alignment film and the transparent conductive film (electrode). Thereby, the contact between the alignment film and the electrode is prevented (the alignment film and the transparent conductive film are blocked). Therefore, decomposition of the alignment film due to the photocatalytic reaction or the like is prevented, and as a result, the light resistance and long-term stability of the entire liquid crystal panel are improved.
[0081]
As shown in FIG. 1, in this embodiment, an
[0082]
The inorganic material film is mainly composed of an inorganic material. In particular, as described in detail later, the inorganic material film adheres closely to the alignment film and is CaF. 2 A layer composed of 2 O 3 It is a laminated body which has the layer comprised by these.
[0083]
The inorganic material film preferably has an absorptance of light in a wavelength region of 300 to 500 nm of 20% or less, and more preferably 10% or less. When the maximum absorption rate of light in the wavelength region of 300 to 500 nm exceeds 20%, the transmittance of green to blue light is relatively lowered, and it may be difficult to increase the brightness of the liquid crystal panel. In addition, if the maximum absorption rate of light in the wavelength region of 300 to 500 nm exceeds 20%, the inorganic material film itself acts as a photocatalyst, and it may be difficult to sufficiently prevent the decomposition reaction of the alignment film. .
[0084]
In addition, the inorganic material film is preferably mainly composed of a material having a band gap of 4 eV or more, and more preferably composed of a material having 6 to 15 eV. If the inorganic material film is composed of a material of less than 4 eV, the inorganic material film itself acts as a photocatalyst, and it may be difficult to sufficiently prevent the decomposition reaction of the alignment film.
[0085]
As a material that satisfies the above conditions, for example, MgF 2 , CaF 2 , BaF 2 , Al 2 O 3 , SiO 2 MgO, LiF, CsI, HfO 2 Etc. Among these, especially MgF 2 , MgO, Al 2 O 3 , CaF 2 Is preferred.
[0086]
The inorganic material film has an average thickness of 5 to 10 nm.
[0087]
When the average thickness of the inorganic material film is less than the lower limit, the function of the inorganic material film is not sufficiently exhibited. That is, there are many pinholes on the coating film after film formation, and the action of the electrode material as a photocatalyst cannot be sufficiently prevented. On the other hand, if the average thickness of the inorganic material film exceeds the upper limit, the light absorption rate in the inorganic material film increases, the drive voltage increases, the power consumption increases, and the image sticking phenomenon is more likely to occur. The characteristics as a liquid crystal panel are deteriorated.
[0088]
Further, when the average thickness of the inorganic material film is Ti [nm] and the average thickness of the alignment film is To [nm], it is preferable to satisfy the relationship of 20 ≦ Ti + To ≦ 120, and 30 ≦ Ti + To ≦ 90. It is more preferable to satisfy the relationship. By satisfying such a relationship, a liquid crystal panel excellent in light resistance can be formed while keeping power consumption low.
[0089]
Further, when the average thickness of the inorganic material film is Ti [nm] and the average thickness of the alignment film is To [nm], the relationship of 3.0 ≦ To / Ti ≦ 20 is satisfied. By satisfying such a relationship, a liquid crystal panel excellent in light resistance can be formed while keeping power consumption low.
[0090]
A method for forming the inorganic material film is not particularly limited, but a chemical vapor deposition method (CVD) such as vacuum deposition, sputtering, thermal CVD, plasma CVD, and laser CVD, and a vapor deposition method such as ion plating are preferable. By using the vapor deposition method, a uniform and dense thin film is obtained, and the contact between the alignment film and the transparent electrode is completely blocked. Such an effect becomes more prominent when vacuum deposition is used.
[0092]
The inorganic material film is a laminate of a plurality of layers. Thereby, for example, the light absorptance in the wavelength region of the inorganic material film can be easily and reliably controlled. Further, by forming the inorganic material film as a laminate, it is possible to particularly improve the adhesion with adjacent members (alignment film, transparent electrode).
In the present invention, in particular, CaF is used as a constituent material of the layer on the alignment film side. 2 And Al as the constituent material of the layer on the transparent electrode side 2 O 3 Is used. By using such a combination of materials, the adhesion between the alignment film and the transparent electrode can be made particularly excellent, and the light absorption rate in the wavelength region as the whole inorganic material film is particularly high. Can be low.
[0093]
A
[0094]
The
[0095]
A polarizing film (polarizing plate, polarizing film) 7A is disposed on the outer surface side of the substrate 9 (the surface side opposite to the surface facing the transparent conductive film 5). Similarly, a polarizing film (polarizing plate, polarizing film) 8A is disposed on the outer surface side of the substrate 10 (the surface side opposite to the surface facing the transparent conductive film 6).
[0096]
Examples of the constituent material of the
[0097]
As a polarizing film, what extended | stretched the film comprised with the said material to the uniaxial direction can be used, for example.
[0098]
By disposing the
[0099]
The direction of the polarization axis of the
[0100]
FIG. 2 is a schematic longitudinal sectional view showing a second embodiment of the liquid crystal panel of the present invention.
Hereinafter, the liquid crystal panel 1B shown in FIG. 2 will be described with a focus on differences from the first embodiment, and description of similar matters will be omitted.
[0101]
As shown in FIG. 2, a liquid crystal panel (TFT liquid crystal panel) 1B includes a TFT substrate (liquid crystal driving substrate) 17, an
[0102]
The
[0103]
The microlens substrate 11 includes a microlens concave substrate (first substrate) 111 provided with a plurality of (many) concave portions (microlens concave portions) 112 having a concave curved surface, and the microlens
[0104]
The substrate with concave portions for
[0105]
The substrate with
[0106]
The thermal expansion coefficient of the base material is preferably approximately the same as the thermal expansion coefficient of the glass substrate 171 (for example, the ratio of the thermal expansion coefficients of the two is about 1/10 to 10). As a result, in the obtained liquid crystal panel, warpage, deflection, peeling, and the like caused by differences in the thermal expansion coefficients of the two when the temperature changes are prevented.
[0107]
From this point of view, it is preferable that the
[0108]
In particular, when the microlens substrate 11 is used in a high-temperature polysilicon TFT liquid crystal panel, the
[0109]
A resin layer (adhesive layer) 115 that covers the
[0110]
The
[0111]
The
[0112]
A
The surface layer (glass layer) 114 can be made of glass, for example. In this case, it is preferable that the thermal expansion coefficient of the
[0113]
When the microlens substrate 11 is used in a liquid crystal panel, the thickness of the
[0114]
In addition, the surface layer (barrier layer) 114 can also be comprised, for example with ceramics. As ceramics, for example, nitride ceramics such as AlN, SiN, TiN, and BN, Al 2 O 3 TiO 2 And oxide ceramics such as WC, TiC, ZrC, and TaC. When the
Such a
[0115]
The
[0116]
The transparent conductive film (electrode) 14 has conductivity, for example, indium tin oxide (ITO), indium oxide (IO), tin oxide (SnO). 2 ), Antimontin oxide (ATO), indium zinc oxide (IZO), and the like.
[0117]
The TFT substrate 17 is a substrate that drives the liquid crystal of the
[0118]
The
[0119]
The
[0120]
The
[0121]
The
[0122]
The
[0123]
In such a liquid crystal panel 1B, normally, one
[0124]
Incident light L incident from the liquid crystal
[0125]
As described above, the liquid crystal panel 1 </ b> B has the
[0126]
In the liquid crystal panel 1B, for example, an
[0127]
In the liquid crystal panel 1B, the TFT substrate is used as the liquid crystal drive substrate. However, a liquid crystal drive substrate other than the TFT substrate, for example, a TFD substrate or an STN substrate may be used as the liquid crystal drive substrate.
[0128]
Next, as an example of the liquid crystal display device of the present invention, a projection type display device (liquid crystal projector) using the liquid crystal panel 1B will be described.
[0129]
FIG. 3 is a diagram schematically showing an optical system of the liquid crystal display device (projection display device) of the present invention.
As shown in the figure, the
[0130]
The illumination optical system includes
[0131]
The liquid crystal light valve 25 includes the liquid crystal panel 1B described above. The liquid
[0132]
In the
[0133]
Hereinafter, the operation of the
White light (white light beam) emitted from the
[0134]
The white light transmitted through the
[0135]
The red light transmitted through the
[0136]
Green light out of blue light and green light reflected by the
[0137]
The green light reflected by the
[0138]
Further, the blue light transmitted through the
[0139]
As described above, the white light emitted from the
[0140]
At this time, each pixel (the
[0141]
Similarly, green light and blue light are incident on the liquid
[0142]
As a result, red light, green light, and blue light are modulated by the liquid
[0143]
The red image formed by the liquid crystal
[0144]
Further, the green image formed by the liquid crystal light valve 25, that is, the green light from the liquid crystal light valve 25, enters the
[0145]
Further, the blue image formed by the liquid crystal
[0146]
Thus, the light of each color from the liquid
[0147]
While the liquid crystal panel and the liquid crystal display device of the present invention have been described based on the illustrated embodiments, the present invention is not limited to these.
[0148]
For example, in the above-described embodiment, the configuration in which the inorganic material film is provided on each of both surfaces of the liquid crystal layer has been described. However, any structure having at least one inorganic material film may be used. In this case, it is preferable that an inorganic material film is provided at least on the side where light from the light source is incident.
[0149]
Further, the light stabilizer may be contained in a portion other than the alignment film (for example, in an inorganic material film or a liquid crystal layer). This makes it possible to more effectively prevent and suppress photodegradation of liquid crystal molecules and the like, and the long-term stability as a liquid crystal panel and a liquid crystal display device is further improved.
[0151]
In the above-described embodiments, the projection display device has been described as an example of the liquid crystal display device, but the liquid crystal display device of the present invention is not limited to this. Other examples of the liquid crystal display device to which the present invention can be applied include electronic devices such as mobile phones, wristwatches, word processors and personal computers, and liquid crystal displays installed outdoors.
[0152]
In the above-described embodiment, the projection display device (liquid crystal display device) has three liquid crystal panels, and all of them have the liquid crystal panel of the present invention (an alignment film containing a light stabilizer, Although the liquid crystal panel having the inorganic material film is applied, at least one of them may be the liquid crystal panel of the present invention. In this case, it is preferable to apply the present invention to at least a liquid crystal panel used for a blue liquid crystal light valve.
[0153]
【Example】
[Manufacture of LCD panels]
A liquid crystal panel as shown in FIG. 2 was manufactured as follows.
[0154]
(Reference example)
First, a microlens substrate was manufactured as follows.
[0155]
Prepare a raw quartz glass substrate (transparent substrate) with a thickness of about 1.2 mm as a base material, and wash it by immersing it in a cleaning solution (mixed solution of sulfuric acid and hydrogen peroxide solution) at 85 ° C. The surface was cleaned.
[0156]
Thereafter, a polycrystalline silicon film having a thickness of 0.4 μm was formed on the front and back surfaces of the quartz glass substrate by a CVD method.
[0157]
Next, an opening corresponding to the recess to be formed was formed in the formed polycrystalline silicon film.
[0158]
This was done as follows. First, a resist layer having a concave pattern to be formed was formed on the polycrystalline silicon film. Next, the polycrystalline silicon film was dry-etched with CF gas to form openings. Next, the resist layer was removed.
[0159]
Next, the quartz glass substrate was immersed in an etching solution (mixed aqueous solution of 10 wt% hydrofluoric acid + 10 wt% glycerin) for 120 minutes to perform wet etching (etching temperature 30 ° C.), thereby forming a recess on the quartz glass substrate.
[0160]
Thereafter, the quartz glass substrate was immersed in a 15 wt% tetramethylammonium hydroxide aqueous solution for 5 minutes to remove the polycrystalline silicon film formed on the front and back surfaces, thereby obtaining a substrate with concave portions for microlenses.
[0161]
Next, an ultraviolet (UV) curable acrylic optical adhesive (refractive index of 1.60) is applied without bubbles on the surface of the substrate with concave portions for microlenses, and then the optical adhesive is used. A cover glass (surface layer) made of quartz glass was bonded to the optical adhesive, and then the optical adhesive was cured by irradiating the optical adhesive with ultraviolet rays to obtain a laminate.
[0162]
Thereafter, the cover glass was ground and polished to a thickness of 50 μm to obtain a microlens substrate.
In the obtained microlens substrate, the thickness of the resin layer was 12 μm.
[0163]
With respect to the microlens substrate obtained as described above, a light shielding film (Cr film) having a thickness of 0.16 μm in which an opening is provided at a position corresponding to the microlens of the cover glass by using a sputtering method and a photolithography method. That is, a black matrix was formed. Further, an ITO film (transparent conductive film) having a thickness of 0.15 μm was formed on the black matrix by a sputtering method to manufacture a counter substrate for a liquid crystal panel.
[0164]
An inorganic material film was formed by vacuum deposition (EB method) on the transparent conductive film of the counter substrate for a liquid crystal panel thus obtained.
Vacuum deposition uses magnesium oxide (MgO) as an evaporation source, EB current value: 200 mA, film formation time: 44 seconds, counter substrate temperature for liquid crystal panel: 200 ° C., base pressure: 5.00 × 10 -3 It was performed under the condition of [Pa]. The average thickness Ti of the formed inorganic material film was 20 nm. Moreover, the maximum transmittance | permeability of the light of the wavelength range of 300-500 nm of the formed inorganic material film | membrane was 10%. The band gap of magnesium oxide is 7.8 eV.
[0165]
Next, an alignment film was formed on the surface of the inorganic material film formed as described above as follows.
First, a polyimide resin solution (manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd .: AL6256) was prepared, and Adekastab LA-63P (hindered amine compound: 1, 2, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.) was used as the light stabilizer. 3,4-butanetetracarboxylic acid, 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidinol and β, β, β, β-tetramethyl-3,9- (2,4,8,10- Tetraoxaspiro [5.5] undecane) condensate with diethanol (light stabilizer mainly composed of average molecular weight Mw: about 2000) was added. Thus, the addition amount of the light stabilizer in the obtained composition was 0.5 wt% with respect to resin solid content.
Next, using the composition obtained as described above, a film having an average thickness of 50 nm was formed on the surface of the inorganic material film by spin coating.
The film thus formed was rubbed so that the pretilt was 2 to 3 ° to obtain an alignment film (average thickness To: 50 nm).
[0166]
In addition, an inorganic material film and an alignment film were laminated on the surface of a separately prepared TFT substrate (made of quartz glass) in the same manner as described above.
[0167]
The counter substrate for a liquid crystal panel on which the inorganic material film and the alignment film were formed and the TFT substrate on which the inorganic material film and the alignment film were formed were joined via a sealing material. This bonding was performed such that the alignment direction of the alignment film was shifted by 90 ° so that the liquid crystal molecules constituting the liquid crystal layer were twisted to the left.
[0168]
Next, liquid crystal (Merck Co., Ltd .: MJ99247) was injected into the gap from the gap hole formed between the alignment film and the alignment film, and then the gap was closed. The formed liquid crystal layer had a thickness of about 3 μm.
[0169]
Thereafter, a
[0181]
(Example)
The inorganic material film is made of calcium fluoride (CaF 2 ) Layer (layer on the transparent conductive film side) and aluminum oxide (Al 2 O 3 A liquid crystal panel was produced in the same manner as in the above Reference Example except that it was formed as a laminate composed of two layers (a layer on the liquid crystal layer side).
The inorganic material film was formed as follows.
First, as an evaporation source, calcium fluoride (CaF 2 ), EB current value: 150 mA, film formation time: 25 seconds, counter substrate temperature for liquid crystal panel: 200 ° C., base pressure: 5.00 × 10 -3 By performing vacuum deposition under the condition of [Pa], calcium fluoride (CaF 2 ) Was formed.
Subsequently, aluminum oxide (Al 2 O 3 ), EB current value: 160 mA, film formation time: 30 seconds, counter substrate temperature for liquid crystal panel: 200 ° C., base pressure: 5.00 × 10 -3 By performing vacuum deposition under the condition of [Pa], aluminum oxide (Al 2 O 3 ). The average thickness Ti of the formed inorganic material film was 10 nm. Further, the maximum transmittance of light in the wavelength region of 300 to 500 nm of the formed inorganic material film was 8%. In addition, calcium fluoride (CaF 2 ), Aluminum oxide (Al 2 O 3 ) Are 9.41 eV and 8.95 eV, respectively.
[0182]
(Comparative Example 1)
A liquid crystal panel was produced in the same manner as in the above Reference Example except that the inorganic material film was not formed and the alignment film was formed without using the light stabilizer.
[0183]
(Comparative Example 2)
A liquid crystal panel was produced in the same manner as in the above Reference Example except that the inorganic material film was not formed and the content of the light stabilizer in the alignment film was 0.5 wt%.
[0184]
[LCD panel evaluation]
The light transmittance was continuously measured for the liquid crystal panels produced in the above Reference Examples, Examples and Comparative Examples. The light transmittance was measured by placing each liquid crystal panel at a temperature of 50 ° C. and applying no voltage to 15 lm / mm. 2 It was performed by irradiating white light with a luminous flux density of.
[0185]
Table 1 summarizes the results of the measurement of light transmittance along with the conditions of the alignment film and the inorganic material film. In Table 1, A [%] indicates the light transmittance immediately after production (immediately after the start of continuous measurement of light transmittance), and B [%] indicates the light transmittance after 3000 hours from the start of white light irradiation. Indicates.
[0186]
[Table 1]
[0188]
As is apparent from Table 1, the light transmittance is hardly reduced in the liquid crystal panel of the present invention.
[0189]
On the other hand, in the liquid crystal panel of the comparative example, the decrease in light transmittance over time was remarkable. In particular, in the liquid crystal panel of Comparative Example 1, discoloration (discoloration) that can be visually confirmed occurs about 650 hours after the start of the white light irradiation, the light transmittance is greatly reduced, and the white light starts to be irradiated for 900 hours. Later, the light transmittance became 0%.
[0190]
[Evaluation of liquid crystal projector (liquid crystal display)]
A liquid crystal projector (projection type display device) having a structure as shown in FIG. 3 was assembled using the TFT liquid crystal panels manufactured in the reference examples, examples and comparative examples, and was continuously driven for 5000 hours.
[0191]
As a result, the liquid crystal projector (liquid crystal display device) manufactured using the liquid crystal panel of the example obtained a clear projected image even when it was continuously driven for a long time.
[0192]
On the other hand, in the liquid crystal projector (liquid crystal display device) manufactured using the liquid crystal panel of the comparative example, the sharpness of the projected image clearly decreased with the driving time.
[0193]
In addition, the type of light stabilizer is selected from phenolic compounds (tris (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl) isocyanurate, average molecular weight Mw: 784), aromatic amine compounds (N, N ′ -Diphenyl-p-phenylenediamine, average molecular weight Mw: 260), sulfide compound (distearyl-3,3'-thiodipropionate, average molecular weight Mw: 683), phosphorus compound (Tris (2,4-di -T-butylphenyl) phosphite, average molecular weight Mw: 647), salicylate compound (4-t-butylphenyl salicylate, average molecular weight Mw: 270), benzophenone compound (2-hydroxy-4-n-octoxybenzophenone) , Average molecular weight Mw: 326), Ni-based compound (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzine) Acid monoethyl ester-Ni complex, average molecular weight Mw: 713), cyanoacrylate compound (ethyl-2-cyano-3,3-diphenyl acrylate, average molecular weight Mw: 277), oxalic acid anilide compound (2- Ethoxy-5-t-butyl-2'-ethyloxalic acid bisanilide, average molecular weight Mw: 369), oxalic acid derivative (oxalic acid-bis (benzylidene hydrazide), average molecular weight Mw: 292), salicylic acid derivative (1 , 12-dodecanoic acid-bis [2- (2-hydroxybenzoyl) hydrazide], average molecular weight Mw: 498), hydrazide derivative (N, N′-bis [3- (3,5-di-t-butyl-4) -Hydroxyphenyl) propionyl] hydrazine, average molecular weight Mw: 552) In the like, the liquid crystal panel, to produce a liquid crystal display device was subjected to the same evaluation on these.
[0194]
As a result, when the content of these light stabilizers is in the range of 0.1 to 7.0 wt%, all the liquid crystal panels have a B / A value of 0.88 or more, which is the same as described above. The effect was confirmed.
[0195]
Moreover, the liquid crystal projector (projection type display device) using these liquid crystal panels was able to obtain a clear projected image even after being continuously driven for 5000 hours, like the liquid crystal projector according to the example.
[0196]
From these results, it can be seen that the liquid crystal panel and the liquid crystal display device of the present invention are excellent in light resistance and can obtain stable characteristics even after long-term use.
[0197]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a liquid crystal panel and a liquid crystal display device excellent in light resistance.
[0198]
Therefore, according to the present invention, particularly excellent long-term stability can be ensured even in a liquid crystal panel and a liquid crystal display device used in an environment with a large amount of incident light.
[0199]
Such an effect can be further improved by adjusting the composition of the light stabilizer, the molecular weight, the metal ion concentration in the alignment film, the thickness of the inorganic material film, and the like.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic longitudinal sectional view showing a liquid crystal panel according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic longitudinal sectional view showing a second embodiment of the liquid crystal panel of the present invention.
FIG. 3 is a diagram schematically showing an optical system of a projection display device of the present invention.
[Explanation of symbols]
1A, 1B ...
131 …… Open 14 …… Transparent conductive film 17 ……
310-314 …… Condensing
Claims (19)
前記液晶層の両面側に配設された配向膜と、
前記配向膜の前記液晶層と対向する面とは反対の面側に配設された電極とを有する液晶パネルであって、
前記配向膜と前記電極との間に、前記配向膜と前記電極との接触を防止する、主として無機材料で構成された無機材料膜を有し、
前記配向膜のうち少なくとも一方は、光安定化剤を含むものであり、
前記無機材料膜の平均厚さが5〜10nmであり、
前記無機材料膜は、前記配向膜に密着しCaF2で構成された層と、前記電極に密着しAl2O3で構成された層とを有する積層体であり、
前記無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、前記配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、3.0≦To/Ti≦20の関係を満足することを特徴とする液晶パネル。A liquid crystal layer;
An alignment film disposed on both sides of the liquid crystal layer;
A liquid crystal panel having an electrode disposed on a surface opposite to the surface facing the liquid crystal layer of the alignment film,
Between the alignment film and the electrode, an inorganic material film mainly composed of an inorganic material that prevents contact between the alignment film and the electrode;
At least one of the alignment films contains a light stabilizer,
The average thickness of the inorganic material film is 5 to 10 nm,
The inorganic material film is a laminate having a layer made of CaF 2 in close contact with the alignment film and a layer made of Al 2 O 3 in close contact with the electrode,
A liquid crystal satisfying a relationship of 3.0 ≦ To / Ti ≦ 20, where the average thickness of the inorganic material film is Ti [nm] and the average thickness of the alignment film is To [nm]. panel.
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