JP3948352B2 - 高炉の操業方法およびベルレス式装入装置 - Google Patents

高炉の操業方法およびベルレス式装入装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の操業方法およびベルレス式装入装置に関する。より具体的には、本発明は、例えば、鉄鉱石やコークス等の主要原料(本明細書では、「高炉主原料」という)と、炉内に少量装入される原料(本明細書では「少量装入原料」という)とを組み合わせて各原料毎に個別に装入する際に好適に用いることが可能な高炉の操業方法およびベルレス式装入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高炉主原料や少量装入原料といった高炉装入原料の炉頂装入装置としてベル式装入装置が用いられていた。しかし、近年、装入物の分布制御性が優れることからベルレス式装入装置が用いられるようになってきた。図16および図17は、いずれも、代表的なベルレス式装入装置を模式的に示す説明図である。
【0003】
図16は、高炉原料を収容するホッパ4aを並列に2ケ設置した、いわゆる並列2ホッパ方式のベルレス式装入装置を示す説明図であり、図16(a) は概略説明図、図16(b) は図16(a) におけるA−A矢視図である。なお、後述する図17および図18においても、それぞれ図17(a) 、図18(a) は概略説明図であり、図17(b) 、図18(b) は、それぞれ図17(a) 、図18(a) におけるA−A矢視図である。
【0004】
しかし、図16(a) および図16(b) に示す並列2ホッパ方式のベルレス式装入装置では、左右のホッパ4a、4aからそれぞれ排出された高炉原料は、各ホッパ4aの排出口が炉体の炉芯軸から等距離だけ偏芯配置されているため、左右のホッパ4a、4aの下方に配置された集合ホッパ9を介して旋回シュート11から落下することとなる。このため、炉内へ排出された高炉原料の円周方向の分布に偏りを生じ易く、炉内原料13の分布が不均一になり易い。
【0005】
かかる欠点を改善するため、例えば特開昭49−103804号公報や特開平4− 36412号公報には、図17(a) および図17(b) に示すように、同容量の3個以上のホッパ4bを炉体の炉芯軸周りに並設したベルレス式装入装置が提案されている。
【0006】
ところで、高炉の炉頂部に設けられる装入装置は、大気圧よりも高い条件での操業、いわゆる高圧操業を行われる。このため、高炉内への原料装入時には、たとえ少量の原料を装入する場合であってもホッパ4b内の均圧操作および排圧操作を行う必要がある。そのため、この提案にかかるベルレス式装入装置を用いて複数種の装入原料を個別に装入する場合、原料を分割して装入すればするほど、1回の装入に長時間を要するようになり、これにより装入チャージ数(回数)が抑制され、3個のホッパ4bを設置したメリットが相殺される。また、3個のホッパ4bの排出部分は炉体の炉芯軸から等距離だけ偏芯して配置されているため、特に装入される高炉原料が少量である場合には、旋回シュート11を介して炉内に落下する際に円周方向へのバランスが悪化し易く、炉内原料13の分布が不均一になり易い。さらに、限られた炉頂のスペースに同一の容量を有するホッパを3個以上配置するには、高炉の上部で炉頂ホッパ等の大荷重を十分に支持し得る強固な炉頂櫓設備や均排圧装置を設ける必要が生じ、設備費が著しく嵩む。
【0007】
そこで、特開平6−271915号公報には、図18に示すように、炉頂にそれぞれ少なくとも2個ずつ設置された、容量が異なる大小2種類のホッパ4c、4dを用いて、主要装入原料および少量装入原料を装入し、原料を分割装入する際における主要装入原料1回当りの最大装入量を大容量ホッパにより確保するとともに、少量装入原料に充当する小容量ホッパにより均排圧時間を短縮したベルレス式装入装置が提案されている。
【0008】
一方、装入される高炉原料としては、コークス、焼結鉱、塊鉱石さらにはペレットに大別されるが、低廉な原燃料を使用したいとの要請の高まりに伴い、その種類や粒度さらには性状等が多様化される傾向にある。また、上述したベルレス式装入装置を用いてこのような高炉原料を効果的に装入しようとする場合、高炉の半径方向の所定の位置に所定の種類の原燃料、所定の粒度の原燃料、所定の性状の原燃料の各々に対して、1回の装入を行うこと(以下、「1バッチ」という)が必要となる。
【0009】
例えば特許第2808343 号公報には、粒径の大きいコークスを特別に高炉中心に装入するには、装入のために通常装入されているコークスとは別に新たに1バッチを設ける必要があることが開示されている。しかし、一般的にかかる特別な目的に使用される原燃料は少量であり、このために新たに1バッチ設けると、ホッパ内の均圧操作および排圧操作に要する時間(以下、「均排圧時間」という)が増加し、装入装置の装入能力が大幅に制限される。
【0010】
そこで、特開2001−192714号公報には、新たに1バッチ設けることなくペレットを高炉炉内の所定の位置に装入すべく、炉頂ホッパ内の予め決められた高さ位置に装入しておき、ホッパからのファンネルフロー排出特性を利用する発明が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来のいずれの発明によっても、所定の原料を所定の位置に低コストかつ高効率で確実に装入することにより炉内における装入物の分布を理想的な状態に近づけることは、できない。
【0012】
すなわち、特開平6−271915号公報により開示された発明は、小容量のホッパ4dにより均排圧時間を短縮するものである。しかし、本発明者らの検討結果によれば、複数のホッパ4dから排出される高炉原料は、旋回シュート11に至る垂直シュート(図示しない)が1流路しか設けられていないため、高炉原料の炉内排出時間が律速となる。よって、均排圧時間の短縮メリットが相殺されてしまい、多分割装入を行っても、上述したように2ホッパの装入回数しか稼げないこととなる。また、限られた炉頂の空間に大容量の2個の炉頂ホッパ4c、4cおよび小容量の炉頂ホッパ4d、4dを設置するためには、高炉上部で炉頂ホッパ等の荷重を十分に支持し得る強固な炉頂櫓設備や均排圧装置を設ける必要があり、設備費が著しく嵩んでしまう。
【0013】
一方、特開2001−192714号公報に開示された発明では、所定の原料が他の原料と混合されることを回避できず、所定の原料を所定の位置に正確に装入することが難しい。
【0014】
このように、従来のいずれの発明によっても、所定の原料を所定の位置に、低コストかつ高効率で確実に装入することにより炉内における装入物の分布を理想的な状態に近づけることは、事実上、不可能であった。
【0015】
本発明は、従来の技術が有するかかる課題に鑑みてなされたものであり、高炉の操業方法およびベルレス式装入装置を提供すること、具体的には、高炉主原料と少量装入原料とを組み合わせて各原料毎に個別に装入する際に好適に用いることができる高炉の操業方法およびベルレス式装入装置を提供することである。
【0016】
より具体的には、本発明は、所定の原料を所定の位置に、低コストかつ高効率で確実に装入することができる高炉の操業方法およびベルレス式装入装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高炉の炉体の上方に配置された少なくとも2基の第1のホッパにそれぞれ収容された1種または2種以上の高炉主原料を切り換えて炉内に装入する際に、第1のホッパによる高炉主原料の装入タイミング以外の非装入タイミングの全部または一部において、高炉の炉体の上方に配置された少なくとも1基の第2のホッパに収容された少量装入原料を炉内に装入するとともに、この少量装入原料がペレットである場合には、少量装入原料は予め平坦に形成された高炉の炉壁部近傍のテラス部分に装入され、または、少量装入原料がTiO 含有物である場合には、高炉の炉底側壁部の温度の上昇時には高炉の炉壁部近傍にかけて、もしくは高炉の炉底部の温度の上昇時には高炉の中間部近傍から中心部分にかけて、装入されることを特徴とする高炉の操業方法である。
【0020】
量装入原料がペレットである場合には、少量装入原料が予め平坦に形成された高炉の炉壁部近傍のテラス部分に装入されることが、球形の転がり易いペレット炉壁部の所望の位置に着床させることができるため、望ましい。
【0021】
量装入原料がTiO含有物である場合には、高炉の炉底側壁部の温度の上昇時には高炉の炉壁部近傍にかけて、もしくは高炉の炉底部の温度の上昇時には高炉の中間部近傍から中心部分にかけて、装入されることが、より効率的にTiの保護および炉底の目的部位に形成されるため、早期の炉底温度低下と装入TiO原単位低下とが達成でき、コスト的にも望ましい。
【0022】
別の観点からは、本発明は、高炉の炉体の上方に配置された少なくとも2基の第1のホッパにそれぞれ収容された1種または2種以上の高炉主原料を切り換えて、炉内で傾動旋回する傾動旋回シュートを介して、炉内に装入する際に、傾動旋回シュートが傾動旋回している際に、高炉の炉体の上方に配置された少なくとも1基の第2のホッパに収容された少量装入原料である篩下コークスを、傾動旋回シュートを介して炉内に装入するとともに、篩下コークスの炉内への装入が、高炉主原料の炉内への装入途中に、開始されることを特徴とする高炉の操業方法である。
【0024】
えば、少量装入原料が篩下コークスまたは篩下焼結鉱であるとともに高炉主原料がコークスまたは鉱石である場合には、少量装入原料の炉内への装入が、高炉装入原料の炉内への装入が開始される前に、開始されることが、炉壁部の通気抵抗を増加させて炉壁側のガス流を抑制でき、これにより、炉壁側の温度を低下して炉壁の保護を図れるため、望ましい。
【0025】
えば、少量装入原料が篩下コークスである場合には、少量装入原料の炉内への装入が、高炉主原料の炉内への装入途中に、開始されることが、主原料中の劣質鉱石と篩下コークスとの混合を促進し、劣質鉱石の還元反応を助成することができるために望ましい。
【0026】
さらに別の観点からは、本発明は、高炉の炉体の上方に配置されて、1種または2種以上の高炉主原料を収容する少なくとも2基の第1のホッパと、高炉の炉体の上方に配置されて、少量装入原料を収容する少なくとも1基の第2のホッパと、少量装入原料または高炉主原料を切り換える原料切換制御系と、原料切換制御系により切り換えられた少量装入原料または高炉主原料を、炉内で傾動旋回することによって高炉の炉内へ装入する傾動旋回シュートとを備え、原料切換制御系が、高炉主原料の装入タイミング以外の非装入タイミングの全部または一部において少量装入原料を炉内に装入するように、または、傾動旋回シュートが傾動旋回している際に少量装入原料を傾動旋回シュートを介して炉内に装入するように、前記少量装入原料または前記高炉主原料を切り換え可能であるとともに、第2のホッパの容量が、第1のホッパのコーン部の容量よりも小さく設定されることを特徴とするベルレス式装入装置である。
【0027】
この本発明にかかるベルレス式装入装置では、(a)少なくとも1基の第2のホッパが、炉芯軸から偏芯した位置に配置されること、(b)第1のホッパが2基設けられる場合には、第1のホッパは前記高炉の炉体の炉芯軸に対称に配置されること、(c)第2のホッパの容量が、第1のホッパの容量よりも小さく設定されること、(d)第2のホッパの原料排出部の軸が、高炉の炉体の炉芯軸と略平行に設けられること、(e)原料排出部の軸方向長さ(L)と、原料排出部の内径(D)との比(L/D)が1以上であることが、それぞれ望ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる高炉の操業方法およびベルレス式装入装置の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は、本実施の形態におけるベルレス式装入装置0の構成を示す正面図である。図2は、このベルレス式装入装置0の構成を一部省略するとともに透視状態で示す斜視図である。さらに、図3は、図1におけるI−I矢視図である。
【0030】
図1〜図3に示すように、本実施の形態のベルレス式装入装置0は、高炉の炉体12における高炉原料の炉頂装入装置であって、第1のホッパ4-1 、4-2 と、第2のホッパ5と、傾斜シュート6と、原料切換制御系14とを備えている。そこで、ベルレス式装入装置0のこれらの構成要素について順次説明する。
【0031】
[第1のホッパ4-1 、4-2]
このベルレス式装入装置0は第1のホッパ4-1 、4-2 を有する。第1のホッパ4-1 、4-2 はコーン部を有し、高炉主原料用として使用されるものであり、この種のホッパとして慣用されるものである。そして、定められた装入スケジュールに従って、装入コンベア1から送られてきた高炉主原料が、切替シュート2を介して選択装入される。
【0032】
また、本実施の形態では、第1のホッパ4-1 、4-2 は炉体12の炉芯軸に対称に2個配置される。なお、図1〜図3においては、図面の理解を容易化するため、これら2個の第1のホッパ4-1 、4-2 に符合A、Bを付してある。
【0033】
第1のホッパ4-1 、4-2 の下部であって炉体12の炉芯軸上に設けられた集合ホッパ9により、第1のホッパ4-1 、4-2 の大容量原料排出口8-1、8-2がそれぞれ固定支持されている。
【0034】
[第2のホッパ5]
このベルレス式装入装置0は、第2のホッパ5を有する。第2のホッパ5は、少量装入原料用であり、第1のホッパ4-1 、4-2 の容量 (高炉主原料1回当たりの最大装入量) よりも小容量である。
【0035】
すなわち、例えば上述した第1のホッパ4-1 、4-2 のような大容量のホッパにより大容量の高炉主原料を受入れて排出する場合、いわゆるアリ地獄状流下に類似したファンネルフローとなる。したがって、大容量のホッパによれば、かかるファンネルフローを利用して、初期粒径は小さく時間の経過とともに大きい粒径とする粒径経時変化をシャープに促進させることができる。
【0036】
しかしながら、大容量のホッパに小容量の高炉主原料を受入れて排出する場合、ホッパ内を占める原料容積が少ないために空間容積が大きくなり、均排圧時間が長くなり、また同一のパージガス量も大きくなってエネルギ動力コストが高くなる。このため、小容量の高炉主原料の装入が必要な場合、大容量のホッパだけを用いて炉頂装入装置を構成することは望ましくない。
【0037】
これに対し、本実施の形態のように、大容量の第1のホッパ4-1 、4-2 とともに小容量の第2のホッパ5を用いてベルレス式装入装置0を構成すれば、小容量の少量装入原料を装入する際にはこの第2のホッパ5を使用することにより、装入時間の短縮とエネルギ動力コストの削減(装入ベルト駆動時間、弁操作およびガスパージ量等)とを図ることができる。
【0038】
また、後述するように、第2のホッパ5は、使用量が制限される少量装入原料、例えば反応性の悪い低品位原料等を好適に装入することができるため、傾動旋回シュート11を1〜4旋回させることにより、円周方向にバランスよく均一に装入できる。
【0039】
また、図1に示す本実施の形態のベルレス式装入装置0によれば、定められた装入スケジュールに従って、装入コンベア1から送られてきた装入原料が、切替シュート2によって選択装入される。
【0040】
本実施の形態では、第1のホッパ4-1 、4-2 および第2のホッパ5のいずれもが、他のホッパに対して、少なくとも均排圧、秤量および原料排出に関して、完全に独立して制御することができるように構成されている。
【0041】
なお、第2のホッパ5を第1のホッパ4-1 、4-2 の間に配設する場所や位置等は、炉頂付近における設置可能な位置であればよく、特定の位置には限定されない。このため、限られた炉頂の空間を有効に利用でき、設備費の削減を図ることもできる。
【0042】
図1〜図3においては、この第2のホッパ5に符合Cを付してある。第2のホッパ5の原料排出部7の軸は、炉体12の炉芯軸と略平行に炉芯軸上に設けられている。
【0043】
さらに、本実施の形態では、原料排出部7の軸方向長さ(L)と、原料排出部7の内径(D)との比(L/D)は1以上であり、これは本実施の形態のベルレス式装入装置0を用いて実用上問題ない操業を行うためには望ましい。
【0044】
図4は、この原料排出部7の近傍を拡大して示す説明図である。同図に示すように、本実施の形態では、第1のホッパ4-1 、4-2 と、第2のホッパ5とを用い、第1のホッパ4-1 、4-2 を炉体12の炉芯軸に対称に並設するとともに第2のホッパ5からの原料排出部7は、後述する傾斜シュート6を介する。このため、排出される高炉原料は、傾斜ベクトルを有して飛散流下することとなる。
【0045】
そこで、かかる傾斜ベクトルを消失させて傾動旋回シュート11への供給を分散することなく、かつ垂直に落下させるため、原料排出部7の垂直方向長さLと、この原料排出部7の内径Dとの比を、ある範囲に限定することが有効である。
【0046】
かかる観点から、本発明者らは、原料排出部7の垂直方向長さLとその内径Dとの比について、高炉原料の飛散防止を図ることができる好適な範囲について、確認試験を行った。すなわち、上述した図4に示す装置の下方にボックス(図示しない)を配置し、このボックスに落下する高炉原料を受け取った。
【0047】
この確認試験では、高炉原料としてはコークスを用い、内径Dを500(mm) とし、傾斜シュート6の傾斜角度θを40°とし、高炉原料の流下流量Vを0.3(m3/sec) とし、ホッパ5-1から炉体12の炉芯軸上相当に4(m) オフセットさせて配置した原料排出部7の垂直方向長さLを適宜変更して、原料排出部7の下端排出口から3(m) 下方の位置における流下原料の拡がり寸法S(mm)を測定した。 (S/D) と (L/D) との関係を図5にグラフにまとめて示す。
【0048】
図5に示すグラフから、比 (L/D) を1. 0以上とすれば、原料排出部7の下端排出口から3m下での流下原料の拡がり寸法Sは安定し、急激な変化は生じないことがわかった。
【0049】
以上の確認試験の結果に基づき、(a) 原料排出部7は炉体12の炉芯軸上に略垂直に設けること、(b) 原料排出部7の垂直方向長さLとその内径Dとの比 (L/D) を1.0 以上とすることが有効であることがわかった。このため、本実施の形態では、原料排出部7の軸方向長さ(L)と、原料排出部7の内径(D)との比(L/D)は1以上としている。また、原料の粒径、形状さらには流量等によっても異なるが、比(L/D)を大きく取り過ぎても、管内閉塞現象が生じるため、同様の観点から、かかる比(L/D)は1.5 程度とすることが望ましい。
【0050】
さらに、本実施の形態のベルレス式装入装置0では、装入原料の多様化に対応して少量装入原料を収容するために小容量の第2のホッパ5を用いているが、この第2のホッパ5を用いた場合にも円周方向にバランスよく均一に装入して円周方向の偏差を抑制して傾動旋回シュート11への原料落下供給を分散させずに行うには、第2のホッパ5から落下供給される少量装入原料を傾動旋回シュート11上へ垂直に落下させて炉内に装入(排出)させる際に、少量装入原料を傾動旋回シュート11を1〜4旋回させることが望ましい。
【0051】
このように比(L/D)を1以下にして飛散防止を図れば、排出原料を炉芯に装入する場合には、傾動旋回シュート11の傾動角を例えば8度ないし11度程度に小さくすれば、傾動旋回シュート11に衝突しないように原料排出部7の排出口から直接炉内に垂下投入することも可能である。
【0052】
さらに、本実施の形態では、第2のホッパ5の容量は、後述するように、第1のホッパ4-1 、4-2 のコーン部の容量以下であり、例えば第1のホッパ4-1 、4-2 の容量の20%以下であることが望ましい。
【0053】
図6は、例えば第1のホッパ4-1 、4-2 のような大容量のホッパに収容された原料の状態を示す説明図であり、図6(a) は、原料が小容量である場合を示し、図6(b) は原料が大容量である場合を示す。
【0054】
図6(b) に示すように、大容量のホッパに大容量の高炉主原料を受入れて排出する場合には、ファンネルフローとなる。したがって、大容量の高炉主原料を排出する場合には、このファンネルフローを利用して、図6(b) 中に示す▲1▼→▲2▼→▲3▼の原料排出順序で、初期粒径▲1▼は小さく時間経過とともに大きい粒径▲3▼とする粒径経時変化をシャープに促進させることが可能である。
【0055】
しかしながら、図6(a) に示すように大容量のホッパに小容量の少量装入原料を受入れて排出しようとすると、大容量のホッパのコーン部内に占める原料容積が少ないため、上述したファンネルフローになり難く、粒径経時変化が抑制される。
【0056】
このため、小容量の少量装入原料を装入する際に、大容量のホッパを用いる必然性は少なく、効率的に短時間で装入するためには、少量装入原料用として、小容量のホッパを用いることが望ましい。
【0057】
このように、ファンネルフローを生じ難いホッパ内の原料の堆積容量は、大容量のホッパのコーン部の容量以下に相当するため、本実施の形態では、第2のホッパ5の容量は、第1のホッパ4-1 、4-2 の容量の20%以下と設定する。なお、通常のホッパでは、大容量のホッパのコーン部の容量は全体の容量の20%以下であることから、本実施の形態では、第2のホッパ5の容量は第1のホッパ4-1 、4-2 の容量の20%以下であることが望ましい。
【0058】
なお、本実施の形態では、第2のホッパ5として小容量のホッパを用いるため、原料排出部7を炉体12の軸芯上に垂直に配置でき、直接軸芯上へ原料供給を行うことができる。
【0059】
また、本実施の形態では、小容量の第2のホッパ5を用いることにより、原料受入および装入準備を短時間で完了することができる。これにより、本実施の形態によれば、原料供給タイミングの選択の自由度を高めることもできる。
【0060】
また、本実施の形態では、小容量の第2のホッパ5を用いることにより、装入時間の短縮と動力コスト削減(装入ベルト駆動時間、弁操作、ガスパージ量等)とを図ることができ、ランニングコストの削減を図ることもできる。
【0061】
[傾斜シュート6]
本実施の形態では、第2のホッパ5の原料排出部7と、第2のホッパ5の本体とは、炉体12の炉芯軸に対して傾斜して配置された傾斜シュート6により連結される。
【0062】
集合ホッパ9により炉体12の炉内に供給された炉内装入原料13は、炉体12の上部に配置された旋回シュート駆動装置10によって傾動旋回される傾動旋回シュート11により、炉内に装入される。
【0063】
[原料切換制御系14]
原料切換制御系14は、少量装入原料または高炉主原料の装入を切り換えるためのものであり、慣用の手段により制御信号を各ホッパーの均排圧弁や排出ゲート等に伝達することにより、少量装入原料または高炉主原料を切り換えて、上述した傾動旋回シュート11に供給する。
【0064】
本実施の形態の原料切換制御系14は、以下に列記するふたつの機能、すなわち(i) 高炉主原料の装入タイミング以外の非装入タイミングの全部または一部において少量装入原料を炉内に装入し、または(ii)傾動旋回シュート11が傾動旋回している際に少量装入原料を傾動旋回シュート11を介して炉内に装入するように、少量装入原料または高炉主原料を切り換える機能を有する。
【0065】
このようにして原料切換制御系14によって切り換えられた少量装入原料または高炉主原料は、炉内で傾動旋回する傾動旋回シュート11に送られ、この傾動旋回シュート11によって炉体12の内部へ装入される。
【0066】
本実施の形態のベルレス式装入装置0は、このように2基の第1のホッパ4-1 、4-2 と第2のホッパ5とを有するものであり、2基の第1のホッパ4-1 、4-2 には大容量の高炉主原料、すなわちコークスCおよび鉱石Oを順番に貯留排出する間に割り込んで任意のタイミングに第2のホッパ5に少量装入原料Mを貯留、排出することができる。
【0067】
すなわち、本実施の形態では、炉体12の上方に配置された2基の第1のホッパ4-1 、4-2 にそれぞれ収容された2種の高炉主原料を切り換えて炉内に装入する際に、第1のホッパ4-1 、4-2 による高炉主原料の装入タイミング以外の非装入タイミングの全部または一部において、炉体12の上方に配置された第2のホッパ5に収容された少量装入原料を炉内に装入しながら、高炉の操業を行うことができる。
【0068】
前述した図3に示すように、本実施の形態では、各ホッパA、B、Cに対して、各ホッパA、Bに装入するC、O1、O2 (O1、O2はOを分割したもの) と、Cに装入するMは、以下の例に列記するように決定すればよい。
【0069】
(a) 装入回数を2回とする場合:C↓O↓(ここでC:コークス、O:焼結を含む鉱石とする)
Figure 0003948352
【0070】
(b) 装入回数を3回とする場合:C↓M↓O↓(ここでC:コークス、M:少量装入原料、O:焼結を含む鉱石とする。ここで、MはCの後で定期的に装入する場合の例を示す。)
Figure 0003948352
【0071】
(c) 装入回数を4回とする場合:C↓M↓O1↓O2↓(ここでC:コークス、M:少量装入原料、O1:普通粒径の焼結鉱、O2:細粒の焼結鉱とする。ここで、MはCの後で定期的に装入する場合の例を示す。)
Figure 0003948352
なお、少量装入原料Mは定期的に高炉主原料C、O1 、O2 の間に割り込む例を示したが、任意のタイミングにランダムに割り込ませてもよい。
【0072】
なお、図7は、装入回数を4回とした場合の各ホッパA〜Cに各原料C、M、O1、O2 (Mは定期的に) を装入する順序を経時的に示す説明図である。
このように、装入回数を2回とした場合 (上記(a) 項参照) 、および装入回数を3回とした場合 (上記(b) 項参照) には、第1のホッパAおよびBで受け入れる高炉主原料C、Oのローテーションは固定されることとなる。
【0073】
これに対し、装入回数を4回とした場合 (上記(c) 項参照) には、第1のホッパAおよびBで受け入れる高炉主原料C、O1、O2のローテーションは固定されず、順次入れ替わる。このように、本実施の形態によれば、高炉主原料C、O1、O2が特定のホッパに固定されずに順次入れ替わりながら使用されるため、炉体12の炉内に装入された際に円周方向への供給バランスが不均一になり難くなり、高炉への装入物の偏差の発生を解消することができる。このため、本実施の形態によれば、図16(a) および図16(b) を参照しながら説明した並列2ホッパ型ベルレス装入装置の欠点である装入偏差を確実に解消することができる。
【0074】
このため、本実施の形態によれば、層内において、高炉主原料および少量装入原料の分布状況を、これまでには得られなかったような理想的な分布に改善することができた。
【0075】
このように、本実施の形態では、第1のホッパ4-1 、4-2 および第2のホッパ5を有するとともに、原料排出部7の軸方向長さ(L)と、原料排出部の内径(D)との比(L/D)が1以上であるように構成したため、少量装入原料を高炉内の所望の位置に高精度で装入できるという極めて優れた効果を得られる。
【0076】
このように、本実施の形態により、所定の少量装入原料を、他の原料と混合することなく所定の位置に、低コストかつ高効率で確実に装入するための高炉の操業方法およびベルレス式装入装置を提供できた。具体的には、本実施の形態によれば、所定の少量装入原料を所定の位置に、低コストかつ高効率で確実に装入することができる高炉の操業方法およびベルレス式装入装置を提供できた。
【0077】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、以降の各実施の形態は、
上述した第1の実施の形態と同じベルレス式装入装置0を用い、高炉の操業を行うものである。そこで、ベルレス式装入装置0の構造に関する説明は省略し、相違する部分だけを説明する。
【0078】
本実施の形態では、図1〜図7を参照しながら説明した第1の実施の形態のベルレス式装入装置0を用いて、
(i) 第2のホッパ5に収容される少量装入原料が、Fe含有量が80質量%以上の還元鉄、細断スクラップ、塊コークスまたはこれらの混合物である場合には、この少量装入原料を高炉の中心部近傍に装入し、
【0079】
(ii)第2のホッパ5に収容される少量装入原料が、細粒の鉱石、細粒のコークスまたはこれらの混合物である場合には、この少量装入原料を、高炉の炉壁部近傍に装入し、
(iii) 第2のホッパ5に収容される少量装入原料がペレットである場合には、この少量装入原料を、予めフラットに形成された高炉の炉壁部近傍のテラス部分に選択的に装入し、または
【0080】
(iv)第2のホッパ5に収容される小量装入原料がTiO2含有物である場合には、この少量装入原料を、高炉の炉底側壁部の温度の上昇時には高炉の炉壁部近傍にかけて、または高炉の炉底部の温度の上昇時には高炉の中間部近傍から中心部分にかけて、選択的に装入するものである。以下、この(i) 項〜(iv)項について順次説明する。
【0081】
(i) 項について
▲1▼第2のホッパ5に、少量装入原料として、Fe含有量が80質量%以上の還元鉄を収容しておき、この少量装入原料を所定量 (例えば20Kg/pt 程度) 、炉体12の中心部近傍に装入する。
【0082】
このようにして、少量装入原料を装入した場合の炉内温度の分布の一例を、図8にグラフで示す。なお、以降のデータは、全て、計算機を用いて行ったシミュレーションにより得られた結果である。
【0083】
同図にグラフで示すように、本実施例により、炉体12の炉芯部の活性化、すなわち、溶銑滴下による炉芯部の温度上昇を図ることができる。これは、炉中心部のガス温度の上昇により確認することができる。
【0084】
▲2▼第2のホッパ5に、少量装入原料として、30mmで篩った篩上大径コークスを収容しておき、この少量装入原料を所定量(30kg/pt) 、炉体12の中心部近傍に選択的に装入する。
【0085】
このようにして、少量装入原料を装入した場合の炉内温度の分布の一例を、図9にグラフで示す。
同図にグラフで示すように、本実施例により、炉体12の炉芯部の活性化、すなわち炉芯心部の温度上昇を図ることができる。これは、炉中心部のガス温度の上昇により確認できる。
【0086】
なお、本例▲1▼で用いたFe含有量が80質量%以上の還元鉄、▲2▼で用いた塊コークス以外に、細断スクラップ、またはこれらの混合物を少量装入原料として装入しても、同様の効果を得ることができる。
【0087】
(ii)項について
第2のホッパ5に、少量装入原料として、3〜10mmの細粒の焼結鉱を収容しておき、この少量装入原料を所定量 (例えば30Kg/pt 程度) 、高炉炉壁部近傍に装入する。
【0088】
このようにして、少量装入原料を装入した場合の炉内温度の分布の一例を、図10にグラフで示す。
同図にグラフで示すように、本例により、炉壁部のガス流を抑制することができ、これにより、炉壁部のガス温度低下(炉壁保護)を図ることができる。
【0089】
なお、本例で用いた3〜10mmの細粒焼結鉱以外に、他の細粒の鉱石、細粒のコークスまたは細粒のコークスまたは細粒の鉱石と細粒のコークスとの混合物を少量装入原料として装入しても、同様の効果を得ることができる。
【0090】
(iii) 項について
第2のホッパ5に、少量装入原料として、従来、C↓O↓O↓のO↓のいずれかに混入させて装入していたペレット(ペレット比15%換算)を収容しておき、この少量装入原料を、予めフラットに形成された高炉炉壁部近傍のテラス部分に選択的に装入する。
【0091】
このようにして、少量装入原料を装入した場合の炉内温度の分布の一例を、図11にグラフで示す。
同図にグラフで示すように、本例により、炉壁部へのペレットの安定着床を図ることが可能となり、これにより、炉壁部のガス温度の安定化を図ることができる。
【0092】
(iv)項について
高炉炉底部の煉瓦侵食防止対策として、TiO2を多量に含む少量装入原料を装入することは一般的に良く知られている。通常、C↓O↓O↓のO↓のいずれかにTiO2を多量に含む少量装入原料を混入させて装入する。
【0093】
しかしながら、高炉炉底部の煉瓦侵食防止対象部位は、側壁部および底部の2箇所に大別され、各々の部位の保護目的によりTiO2を多量に含む少量装入原料の装入方法は変更すべきであるものの、従来の方法によっては、かかる制御は困難であった。
【0094】
これに対し、本実施例によれば、TiO2含有物である少量装入原料を第2のホッパ5に収容しておき、高炉炉底側壁部の温度の上昇時には高炉炉壁部近傍にかけて、または高炉炉底部の温度の上昇時には高炉中間部近傍から中心部分にかけて、装入する。
【0095】
これにより、より効率的にTiの保護層を炉底の目的部位に確実に形成することができる。
このように、本実施の形態では、少量装入原料がFe含有量が80質量%以上の還元鉄、細断スクラップ、塊コークスまたはこれらの混合物である場合には、少量装入原料を高炉の中心部近傍に装入する。これにより、この中心部の高温ガス流量の増加、および滴下溶銑量の増加により、炉芯部の昇温活性化を図って高炉の安定操業を達成することができる。
【0096】
また、本実施の形態では、少量装入原料が細粒の鉱石、細粒のコークスまたはこれらの混合物である場合には、少量装入原料を高炉の炉壁部近傍に装入する。これにより、炉壁部の通気抵抗を増加させ、炉壁側のガス流を抑制できるため、炉壁側の温度を低下して、炉壁の保護を図ることができる。
【0097】
また、本実施の形態では、少量装入原料がペレットである場合には、少量装入原料を予め平坦に形成された高炉の炉壁部近傍のテラス部分に装入する。これにより、球形の転がり易いペレットを炉壁部の所望の位置に着床させることができる。
【0098】
さらに、本実施の形態では、少量装入原料がTiO2含有物である場合には、少量装入原料を、高炉の炉底側壁部の温度の上昇時には高炉炉壁部近傍にかけて、もしくは高炉の高炉炉底部の温度の上昇時には高炉中間部近傍から中心部分にかけて、装入する。これにより、より効率的にTiの保護層を炉底の目的部位に確実に形成することができるため、早期の炉底温度の低下と装入TiO2原単位の低下とを達成することができ、コスト低減を図ることができる。
【0099】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、図1〜図7を参照しながら説明した第1の実施の形態のベルレス式装入装置0を用いて1回の装入の間に、(v) 第1のホッパ4-1 または4-2 から高炉主原料を排出した後に第2のホッパ5からの少量装入原料の排出を開始するか、(vi)第2のホッパ5から少量装入原料を排出した後に第1のホッパ4-1 または4-2 からの高炉主原料の排出を開始するか、または(vii) 第1のホッパ4-1 または4-2 からの高炉主原料の排出途中に、第2のホッパ5からの少量装入原料の排出を開始する。以下、この(v) 項〜(vii) 項について説明する。
【0100】
(v) 項について
大容量の第1のホッパ4-1 または4-2 から装入する塊コークスの一部を第2のホッパ5に振り分けておき、第1のホッパ4-1 または4-2 からの塊コークスの装入1バッチ内の最終のタイミング、すなわち炉中心部への装入タイミングで、第2のホッパ5からの塊コークスの排出を開始することにより、炉体12の中心部の通気抵抗の低減を図ることができ、これにより、炉体12の中心部のガス温度の上昇を図ることができる。
【0101】
表1は、第1のホッパ4-1 、4-2 のみを用いて塊コークスを装入した従来例のコークス装入方法を示すものであり、表2は、第1のホッパ4-1 、4-2 および第2のホッパ5を用いて塊コークスを装入した本発明例のコークス装入方法を示すものである。また、図12は、この従来例および本発明例について、炉内温度の分布の一例を示す説明図である。
【0102】
【表1】
Figure 0003948352
【0103】
【表2】
Figure 0003948352
【0104】
なお、表1および表2におけるノッチ1〜ノッチ11とは、傾動旋回シュート11の傾動位置で、各々の傾動位置での傾動角度を50°〜10°の範囲で順次角度を減じて割りつけられたことを示すものである。また、表1および表2における傾動角の下の欄の数字は、各々の傾動位置(傾動角)での傾動旋回シュートの旋回数を示す。
【0105】
表1、表2および図12に示すように、本実施の形態によれば、炉体12の中心部のガス温度上昇を図ることができ、より安定した高炉操業を実現することができる。
【0106】
(v) 項の2例目について
大容量の第1のホッパ4-1 、4-2 から装入する塊コークスの一部を第2のホッパ5に振り分けておき、第1のホッパ4-1 または4-2 からの鉱石の装入1バッチ内の最終のタイミング、すなわち炉中心部への装入タイミングで、第2のホッパ5からの塊コークスの排出を開始することにより、炉体12の中心部の通気抵抗減を図ることができ、これにより、炉体12の中心部のガス温度上昇を図ることができる。
【0107】
表3は、第1のホッパ4-1 、4-2 のみを用いて鉱石を装入した従来例の鉱石装入方法を示すものであり、表4は、第1のホッパ4-1 、4-2 を用いて鉱石を第2のホッパ5を用いて塊コークスを装入した本発明例の鉱石装入方法を示すものである。また、図13は、この従来例および本発明例について、炉内温度の分布の一例を示す説明図である。
【0108】
【表3】
Figure 0003948352
【0109】
【表4】
Figure 0003948352
【0110】
なお、表3および表4におけるノッチ1〜ノッチ11、傾動角の下の欄の数字は、いずれも表1における場合と同じである。
表3、表4および図13に示すように、本実施の形態によれば、炉体12の中心部のガス温度上昇を図ることができ、より安定した高炉操業を実現することができる。
【0111】
(vi)項について
塊コークス装入1バッチ内で、第1のホッパ4-1 、4-2 からの塊コークス装入前に、第2のホッパ5に収容した粒度の小さい篩下コークスを装入し、続いて大容量バンカーから塊コークスを装入する。これにより、炉壁側の通気抵抗の増加を図り、壁側のガス温度の低下による炉壁保護を図ることができる。
【0112】
表5は、本実施例の篩下コークス装入方法を示すものである。また、図14は、従来例および本発明例について、炉内温度の分布の一例を示す説明図である。
【0113】
【表5】
Figure 0003948352
【0114】
なお、表5におけるノッチ1〜ノッチ11、傾動角の下の欄の数字は、いずれも表1における場合と同じである。
表5および図14に示すように、本実施の形態によれば、炉壁側の通気抵抗の増加を図り、これにより、壁側のガス温度の低下による炉壁保護を図ることができる。
【0115】
(vii) 項について
鉱石装入1バッチ内で、第1のホッパ4-1 、4-2 の鉱石内の予め決められたレベルに劣質鉱石を収容しておき、図15にグラフで示す劣質鉱石排出タイミングを、第1のホッパ4-1 、4-2 におけるファンネルフロー排出特性に基づいて予め予測しておき、そのタイミングに合わせて、第2のホッパ5に収容しておいた篩下コークスを同タイミングに排出装入した(表6参照)。表6で篩下コークスは鉱石の3ノッチの3旋回の最後の旋回の時に混合して排出され、5ノッチの2旋回の最初の1旋回目で同じタイミングに排出が完了することを示す。傾動旋回シュートの旋回数は合計10旋回で、このうちの4旋回は同じタイミングに排出を開始したことを示している。
【0116】
【表6】
Figure 0003948352
【0117】
表6および図15に示すように、本実施の形態によれば、劣質鉱石と篩下コークスとの混合を促進することができ、劣質鉱石の還元反応を篩下コークスにより助成することができる。このため、劣質鉱石による高炉内の通気性阻害を防止することができる。
【0118】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、高炉主原料と少量装入原料とを組み合わせて原料の分割装入を行う際に好適に用いることができるベルレス式装入装置と、ベルレス式装入装置を用いた高炉の操業方法とを提供することができた。具体的には、本発明にかかるベルレス式装入装置および高炉の操業方法により、所定の原料を、他の原料と混合することなく所定の位置に、低コストかつ高効率で確実に装入することができる。
【0119】
かかる効果を有する本発明の意義は極めて著しいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本実施の形態における高炉のベルレス式装入装置の構成を示す正面図である。
【図2】第1の本実施の形態のベルレス式装入装置の構成を一部省略するとともに透過した状態で示す斜視図である。
【図3】図1におけるI−I矢視図である。
【図4】原料排出部の近傍を拡大して示す説明図である。
【図5】 (S/D) と (L/D) との関係をまとめて示すグラフである。
【図6】第1のホッパのような大容量のホッパに収容された高炉主原料の状態を示す説明図であり、図5(a) は、高炉主原料が小容量である場合を示し、図5(b) は高炉主原料が大容量である場合を示す。
【図7】装入回数を4回とした場合の各ホッパA〜Cに各原料C、M、O1、O2を装入する順序を経時的に示す説明図である。
【図8】少量装入原料を装入した場合の炉内温度の分布の一例を示すグラフである。
【図9】少量装入原料を装入した場合の炉内温度の分布の一例を示すグラフである。
【図10】少量装入原料を装入した場合の炉内温度の分布の一例を示すグラフである。
【図11】少量装入原料を装入した場合の炉内温度の分布の一例を示すグラフである。
【図12】従来例および本発明例について炉内温度の分布の一例を示す説明図である。
【図13】従来例および本発明例について炉内温度の分布の一例を示す説明図である。
【図14】従来例および本発明例について炉内温度の分布の一例を示す説明図である。
【図15】劣質鉱石の排出タイミングを示すグラフである。
【図16】代表的なベルレス式装入装置を模式的に示す説明図である。
【図17】代表的なベルレス式装入装置を模式的に示す説明図である。
【図18】特開平6−271915号公報により提案されたベルレス式装入装置を示す説明図である。
【符号の説明】
0:ベルレス式装入装置
1:装入コンベア
2:切替シュート
3:装入シュート
4:大容量ホッパ
5:小容量ホッパ
6:小容量原料傾斜シュート
7:小容量原料排出口
8:大容量原料排出口
9:集合ホッパ
10:旋回シュート駆動装置
11:傾動旋回シュート
12:炉体
13:炉内原料

Claims (8)

  1. 高炉の炉体の上方に配置された少なくとも2基の第1のホッパにそれぞれ収容された1種または2種以上の高炉主原料を切り換えて炉内に装入する際に、
    該第1のホッパによる前記高炉主原料の装入タイミング以外の非装入タイミングの全部または一部において、該高炉の炉体の上方に配置された少なくとも1基の第2のホッパに収容された少量装入原料を炉内に装入するとともに、
    前記少量装入原料がペレットである場合には、該少量装入原料は予め平坦に形成された前記高炉の炉壁部近傍のテラス部分に装入され、または
    前記少量装入原料がTiO 含有物である場合には、前記高炉の炉底側壁部の温度の上昇時には該高炉の炉壁部近傍にかけて、もしくは該高炉の炉底部の温度の上昇時には該高炉の中間部近傍から中心部分にかけて、装入されること
    を特徴とする高炉の操業方法。
  2. 高炉の炉体の上方に配置された少なくとも2基の第1のホッパにそれぞれ収容された1種または2種以上の高炉主原料を切り換えて、炉内で傾動旋回する傾動旋回シュートを介して、炉内に装入する際に、
    前記傾動旋回シュートが傾動旋回している際に、前記高炉の炉体の上方に配置された少なくとも1基の第2のホッパに収容された少量装入原料である篩下コークスを、該傾動旋回シュートを介して炉内に装入するとともに、
    前記篩下コークスの炉内への装入は、前記高炉主原料の炉内への装入途中に、開始されること
    を特徴とする高炉の操業方法。
  3. 高炉の炉体の上方に配置されて、1種または2種以上の高炉主原料を収容する少なくとも2基の第1のホッパと、
    該高炉の炉体の上方に配置されて、少量装入原料を収容する少なくとも1基の第2のホッパと、
    該少量装入原料または前記高炉主原料を切り換える原料切換制御系と、
    該原料切換制御系により切り換えられた前記少量装入原料または前記高炉主原料を、炉内で傾動旋回することによって前記高炉の炉内へ装入する傾動旋回シュートとを備え、
    前記原料切換制御系は、前記高炉主原料の装入タイミング以外の非装入タイミングの全部または一部において前記少量装入原料を前記炉内に装入するように、または、前記傾動旋回シュートが傾動旋回している際に前記少量装入原料を該傾動旋回シュートを介して前記炉内に装入するように、前記少量装入原料または前記高炉主原料を切り換え可能であるとともに、
    前記第2のホッパの容量は、前記第1のホッパのコーン部の容量よりも小さく設定されること
    を特徴とするベルレス式装入装置。
  4. 前記少なくとも1基の第2のホッパは、前記炉芯軸から偏芯した位置に配置される請求項3に記載されたベルレス式装入装置。
  5. 前記第1のホッパが2基設けられる場合には、該第1のホッパは前記高炉の炉体の炉芯軸に対称に配置される請求項3または請求項4に記載されたベルレス式装入装置。
  6. 前記第2のホッパの容量は、前記第1のホッパの容量よりも小さく設定される請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載されたベルレス式装入装置。
  7. 前記第のホッパの原料排出部の軸は、前記高炉の炉体の炉芯軸と略平行に設けられる請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載されたベルレス式装入装置。
  8. 前記原料排出部の軸方向長さ(L)と、該原料排出部の内径(D)との比(L/D)は1以上である請求項3から請求項7までのいずれか1項に記載されたベルレス式装入装置。
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