JP3947435B2 - パケット通信システムにおけるノード、通信ノード、モビリティアンカポイント、ホームエージェント及びパケット通信システム並びに経路mtu探索方法 - Google Patents

パケット通信システムにおけるノード、通信ノード、モビリティアンカポイント、ホームエージェント及びパケット通信システム並びに経路mtu探索方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおけるノード、通信ノード、モビリティアンカポイント、ホームエージェント及びパケット通信システム並びに経路MTU探索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IP[Internet Protocol]ネットワークは、ノードとノード間を直接接続するリンクの集合からなる。ノードは、コンピュータやコンピュータ間の通信を中継するルータ等の総称である。リンクは、イーサネット(R)、FDDI[Fiber Distributed Date Interface]、ATM[Asynchronous Transfer Mode]等複数存在する。IPネットワークでは、これら複数のリンクが混在しているため、データ通信を行う際に送信元(通信相手)のノードから宛先のノードに至る経路上には異なる種類のリンクが存在している。
【0003】
データをパケット単位で通信するパケット通信システムでは、リンク毎にIPパケットにおける最大伝送単位であるMTU[Maximum Transmission Unit]が定められており、このリンク毎のMTUをリンクMTUと呼ぶ。リンクMTUはリンクによって異なるので、経路の途中で送信中のIPパケットのパケットサイズよりもリンクMTUが小さい場合には、そのパケットを転送できなくなるという問題がある。この問題を回避するために、IP層では、リンクMTUの小さいリンクには、IPパケットを分割してパケットを転送している。しかし、IPパケットを分割化した場合、その分割化したパケットが1つでも失われると、元のIPパケットを再生することができないので、IPパケット全てが失われたことになる。これを避けるために、TCP[Transmission Control Protocol]では、パケットが分割されないような小さなサイズでパケットを送信しているが、その結果、ネットワークの伝送効率が悪化してしまう。これに対処するために、IETF[Internet Engineering Task Force]では、送信元のノードから宛先のノードに至る経路上に存在するリンクの最小のリンクMTU(すなわち、経路MTU)でパケットを送信する方法及び経路MTUを探索するための方法がRFC[Request For Comments]で標準化されている。
【0004】
【課題を解決しようとする課題】
図14を参照して、パケット通信システム101において、(RFC1981)「Path MTU Discovery for IP version6」で標準化されている経路MTU探索を行ったときの動作について説明する。ここでは、パケット通信システム101において、通信相手のノード(以下、CN[Correspondent Node]と記載する)102から宛先のノードとして移動ノード(以下、MN[Mobile Node]と記載する)103にパケットを送信する場合について説明する。MN103は、IPネットワーク内を移動するためのモビリティ制御機能を有する。
【0005】
まず、MN103が移動して接続先としてアクセスルータ(以下、AR[Access Router]と記載する)121からAR122に変えたために、経路MTUが減少した場合について説明する。MN103が接続先であるAR121配下でCN102と経路Aを確立して通信を行い、CN102がMN103に向けて経路Aの経路MTU4352バイトの大きさのIPパケットを送信している。このとき、MN103が移動して接続先としてAR122に切り替え、AR122配下に移動して経路Bを確立したとする。この際、CN102では、MN103がAR122配下に移動後も、MN103に対して4352バイトのIPパケットを送信し続ける。
【0006】
しかし、経路B上のルータ113より先のリンクのリンクMTUが1500バイトのため、ルータ113より先にIPパケットを送信することができないのでIPパケットが破棄される。そこで、ルータ113では、IPパケットの送信先であるCN102に対してICMP[Internet Control Message Protocol] Packet Too Bigメッセージ(以下、ICMPPTBメッセージと記載する)を送信し、ルータ113より先のリンクMTUが1500バイトであることを通知する。その通知を受信したCN102では、通知されたリンクMTUに基づいて経路MTU探索を行い、自身が保持している経路MTUの値を1500バイトに更新する。更新後、CN102では、MN103宛のIPパケットのパケットサイズを1500バイトに変更し、破棄されたIPパケットを再送する。しかし、ルータ114より先のリンクMTUが576バイトであるため、ルータ114より先にIPパケットを送信することができないのでIPパケットが破棄される。そこで、ルータ114では、IPパケットの送信先であるCN102に対してICMPPTBメッセージを送信し、ルータ114より先のリンクMTUが576バイトであることを通知する。その通知を受信したCN102では、再度、通知されたリンクMTUに基づいて経路MTU探索を行い、自身が保持している経路MTUの値を576バイトに更新する。更新後、CN102では、MN103宛のIPパケットのパケットサイズを576バイトに変更し、破棄されたIPパケットを再送する。以上のプロセスにより、移動後のMN103に対してIPパケットが到達する。つまり、経路Bが切り替わった後、CN102で経路MTU探索を2回行わないと、IPパケットをMN103まで送信することができない。
【0007】
次に、MN103が移動して接続先としてAR122からAR121に変えたために、経路MTUが増加した場合について説明する。MN103が接続先であるAR122配下でCN102と経路Bを確立して通信を行い、CN102がMN103に向けて経路Bの経路MTU576バイトの大きさのIPパケットを送信している。このとき、MN103が移動して接続先としてAR121に切り替え、AR121配下に移動して経路Aを確立したとする。この場合、経路Aの経路MTUが4352バイトであるため、経路Bの経路MTU(576バイト)から増加している。しかし、IETFで標準化されている経路MTU探索方法では、前回の経路MTU探索終了後10分間経過した後に、CN102では、保持している経路MTUをCN102からMN103宛にIPパケットを送信する際の次のホップへの送信インタフェースが接続しているリンクのリンクMTUに基づいて再び経路MTU探索を行っている。この再探索によって、CN102では経路MTUの増加に対応している。したがって、経路Aに切り替わって経路MTUが4352バイトに増加しても、前回の経路MTU探索終了後10分間経過しない間は、経路Bのときに保持していた経路MTU576バイトでIPパケットを送信し続ける。そのため、経路Aでは4352バイトのパケットサイズでIPパケットを伝送できるにもかかわらず、前回の経路MTU探索終了後から10分間は576バイトのパケットサイズでIPパケットを伝送することになるので、伝送効率が悪い。
【0008】
つまり、IETFで標準化されている経路MTU探索方法では、以下の問題がある。その一つとして、経路上に異なるMTUを持つリンクが存在した場合、最終的な経路MTUを探索するまでの経路MTU探索回数が多くなる。さらに、経路MTU探索終了後10分経過しないと新たに探索を行わないので、MNが移動して経路上の経路MTUが増減した場合に迅速に対応できない。
【0009】
そこで、本発明は、効率的かつ経路MTUの変化に迅速に対応可能な経路MTU探索を行うことができるパケット通信システムにおけるノード、通信ノード、モビリティアンカポイント、ホームエージェント及びパケット通信システム並びに経路MTU探索方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパケット通信システムにおけるノードは、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、通信ノードが送信するパケットの宛先のノードであって、通信ノードから宛先のノードに至る経路が切り替わった場合、切り替わった後の通信ノードから宛先のノードに至る経路上の各ノードに接続するリンクのリンクMTUの通知を受信するリンクMTU通知受信手段と、リンクMTU通知受信手段で受信したリンクMTUの中から切り替わった後の通信ノードから宛先のノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定手段と、切り替わる前の経路の経路MTUと経路MTU設定手段で設定した切り替わった後の経路の経路MTUとを比較し、経路MTUの探索を実行するか否かを判定する経路MTU探索実行判定手段と、経路MTU探索実行判定手段で経路MTUの探索を実行すると判定した場合、経路MTU設定手段で設定した切り替わった後の経路の経路MTUを通信ノードに通知する経路MTU通知手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
このパケット通信システムにおけるノードによれば、経路上のノードからリンクMTUの情報を収集し、その収集したリンクMTUによって経路MTUを設定する。そして、宛先のノードでは、その設定した経路MTUに基づいて経路MTU探索の必要性を判定し、必要な場合には設定した経路MTUを通信ノードに通知する。そのため、通信ノードでは、経路上に異なるMTUを持つリンクが多数存在しても、その通知された経路MTUにより保持している経路MTUを更新することにより、宛先のノードが収集した範囲内のリンクMTUの数分の経路MTUの探索回数を削減できる。
【0012】
本発明の上記パケット通信システムにおけるノードは、パケット通信システム内を移動可能な移動ノードとし、リンクMTU通知受信手段を通信ノードから移動ノードに至る経路上に存在するとともに移動ノードのローカルな移動を管理するモビリティアンカポイントのリンクMTUを検索するように構成してもよい。
【0013】
このパケット通信システムにおけるノードによれば、移動ノードの移動により経路が切り替わった際にモビリティアンカポイント(以下、MAP[Mobility Anchor Point]と記載する)が増減して経路MTUが変わった場合、経路上のMAPからリンクMTUの情報を収集し、その各MAPのリンクMTUの情報に基づいて経路MTUを設定し、その経路MTUを通信ノードに通知する。そのため、通信ノードでは、移動ノードの移動によって経路上に異なるMTUを持つリンクの数が増減した場合でも、通知された経路MTUを用いて保持している経路MTUを更新すればよいので、MAPの数(異なるMTUを持つリンクの数)の増加に応じて経路MTU探索を行わなくてもよいし、また、MAPの数の減少によって経路MTUが増大又は減少してもその増減した経路MTUに迅速に更新できる。
【0014】
本発明の上記パケット通信システムにおけるノードは、リンクMTU通知受信手段をMAPからのリンクMTUの通知により経路上に存在するMAPのリンクMTUを検索するようにし、経路MTU設定手段をリンクMTU通知受信手段で検索したMAPのリンクMTUの中で最小値のリンクMTUを経路MTUと設定するようにし、経路MTU探索実行判定手段を移動ノードの移動前後における各経路MTUを比較し、移動前後で経路MTUが異なる場合に経路MTUの探索を実行すると判定するようにし、経路MTU通知手段を経路MTU設定手段で設定した経路MTUをバインディングアップデートメッセージ(以下、BU[Binding Update]メッセージと記載する)により通知するように構成してもよい。
【0015】
このパケット通信システムにおけるノードによれば、移動ノードの移動により経路が切り替わった場合、MAPからの通知によって、切り替わった経路上のMAPのリンクMTUを迅速に検索でき、その検索したリンクMTUの中から最小値を抽出するだけで簡単に経路MTUを設定できる。さらに、このノードでは、その移動前後の経路MTUを比較するだけで、経路MTU探索を実行するか否かを迅速にかつ簡単に判定できる。
【0016】
本発明に係るパケット通信システムにおける通信ノードは、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、上記宛先のノードにパケットを送信する通信ノードであって、上記経路MTU通知手段から通知された経路MTUに基づいて、自身が保持する経路MTUを更新することを特徴とする。
【0017】
このパケット通信システムにおける通信ノードによれば、宛先のノードから通知された経路MTUによって自身が保持する経路MTUを更新することによって、その更新した経路MTUには宛先のノードで収集した経路上の各ノードのリンクのリンクMTUの情報が加味されている。したがって、通信ノードでは、経路上に異なるMTUを持つリンクの数に応じて経路MTU探索を行わなくてもよい。なお、この経路MTUの更新には、通知された経路MTUによりそのまま更新する場合及び通知された経路MTUを用いて経路MTU探索を行い、再探索した経路MTUで更新する場合を含むものとする。
【0018】
本発明に係るパケット通信システムにおける通信ノードは、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、上記移動ノードにパケットを送信する通信ノードであって、移動ノードが移動して接続先を変更した場合、上記経路MTU通知手段から通知された経路MTUに基づいて自身が保持する経路MTUを更新し、その更新した経路MTUに基づいてパケットサイズを変更し、変更したパケットサイズからなるパケットを移動ノード宛に送信することを特徴とする。
【0019】
このパケット通信システムにおける通信ノードによれば、移動ノードの移動により経路が切り替わった場合に経路上に異なるMTUを持つリンクの数が増減しても、通知された経路MTUに基づいて自身が保持する経路MTUを更新することによって、その更新した経路MTUには移動ノードで収集したMAPに接続するリンクのリンクMTUの情報が加味されている。したがって、MAPの数(異なるMTUを持つリンクの数)の増加に応じて経路MTU探索回数が増加しないし、また、MAPの数の減少によって経路MTUが増加又は減少してもその増減した経路MTUに迅速に更新できる。
【0020】
本発明に係るパケット通信システムにおけるMAPは、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、上記移動ノードのローカルな移動を管理するMAPであって、MAPに接続するリンクのリンクMTUを移動ノードに通知するリンクMTU通知手段を備えることを特徴とする。
【0021】
このパケット通信システムにおけるMAPによれば、自ノードに接続するリンクのリンクMTUを移動ノードに通知するので、移動ノードでは簡単に経路上のMAPのリンクMTUの情報を収集できる。
【0022】
本発明の上記パケット通信システムにおけるMAPは、リンクMTU通知手段を移動ノードから送信されたBUメッセージに対する確認メッセージにリンクMTUを付加して通知するように構成してもよい。
【0023】
このパケット通信システムにおけるMAPによれば、移動ノードではMAPに対してBUメッセージを発行することにより、その確認メッセージによってMAPのリンクMTUの情報を収集できる。
【0024】
本発明に係るパケット通信システムにおけるホームエージェント(以下、HA[Home Agent]と記載する)は、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、上記移動ノードのグローバルな移動を管理するHAであって、HAが通信ノードから移動ノードに至る経路上に存在するか否か判定する経路上存在判定手段と、HAに接続するリンクのリンクMTUに基づいて通信ノードから移動ノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定手段と、経路MTU設定手段で設定した経路MTUを通信ノードに通知する経路MTU通知手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
このパケット通信システムにおけるHAによれば、自ノードが通信ノードから移動ノードに至る経路上に存在する場合、自ノードに接続するリンクのリンクMTUに基づいて経路MTUを設定し、その経路MTUを通信ノードに通知する。そのため、通信ノードでは、経路上にHAが存在する場合でも、そのHAに接続するリンクのリンクMTUに基づいて経路MTUを再探索する必要がない。
【0026】
本発明の上記パケット通信システムにおけるHAは、経路MTU設定手段を移動ノードから通知された経路MTUに基づいて経路MTUを再設定するようにし、経路MTU通知手段を経路MTU設定手段で設定した経路MTUを含むICMPPTBメッセージを通信ノードに送信するように構成してもよい。
【0027】
このパケット通信システムにおけるHAによれば、移動ノードから通知された経路MTU及び自ノードに接続するリンクのリンクMTUに基づいて、簡単に経路MTUを設定することができる。また、通信ノードでは、経路上に異なるMTUを持つリンクが多数存在しても、宛先のノードが収集した範囲内のリンクMTUの数分及びHAのリンクMTU分の経路MTUの探索回数を削減できる。
【0028】
本発明に係るパケット通信システムは、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムであって、通信ノードが送信するパケットの宛先のノードは、通信ノードから宛先のノードに至る経路が切り替わった場合、切り替わった後の通信ノードから宛先のノードに至る経路上の各ノードに接続するリンクのリンクMTUの通知を受信するリンクMTU通知受信手段と、リンクMTU通知受信手段で受信したリンクMTUの中から、切り替わった後の通信ノードから宛先のノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定手段と、切り替わる前の経路の経路MTUと経路MTU設定手段で設定した切り替わった後の経路の経路MTUとを比較し、経路MTUの探索を実行するか否かを判定する経路MTU探索実行判定手段と、経路MTU探索実行判定手段で経路MTUの探索を実行すると判定した場合、経路MTU設定手段で設定した切り替わった後の経路の経路MTUを通信ノードに通知する経路MTU通知手段とを備え、通信ノードは、経路MTU通知手段から通知された経路MTUに基づいて、自身が保持する経路MTUを更新することを特徴とする。
【0029】
このパケット通信システムによれば、宛先のノードでリンクMTUの情報に基づいて設定して通知した経路MTUによって、通信ノードが自身で保持している経路MTUを更新できるので、経路上に異なるMTUを持つリンクが多数存在しても、通信ノードでは宛先のノードが収集した範囲内のリンクMTUの数分の経路MTUの探索回数を削減できる。
【0030】
本発明に係るパケット通信システムにおけるノードでの経路MTU探索方法は、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、通信ノードが送信するパケットの宛先のノードでの経路MTU探索方法であって、通信ノードから宛先のノードに至る経路が切り替わった場合、切り替わった後の通信ノードから宛先のノードに至る経路上の各ノードに接続するリンクのリンクMTUの通知を受信するリンクMTU通知受信工程と、リンクMTU通知受信工程で受信したリンクMTUの中から切り替わった後の通信ノードから宛先のノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定工程と、切り替わる前の経路の経路MTUと経路MTU設定工程で設定した切り替わった後の経路の経路MTUとを比較し、経路MTUの探索を実行するか否かを判定する経路MTU探索実行判定工程と、経路MTU探索実行判定工程で経路MTUの探索を実行すると判定した場合、経路MTU設定工程で設定した切り替わった後の経路の経路MTUを通信ノードに通知する経路MTU通知工程とを含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の上記パケット通信システムにおけるノードでの経路MTU探索方法は、宛先のノードをパケット通信システム内を移動可能な移動ノードとし、リンクMTU通知受信工程において移動ノードのローカルな移動を管理するMAPからのリンクMTUの通知により通信ノードから移動ノードに至る経路上に存在するMAPのリンクMTUを検索するようにし、経路MTU設定工程においてリンクMTU通知受信工程で検索したMAPのリンクMTUの中で最小値のリンクMTUを経路MTUと設定するようにし、経路MTU探索実行判定工程において移動ノードの移動前後における各経路MTUを比較し、移動前後で経路MTUが異なる場合に経路MTUの探索を実行すると判定するようにし、経路MTU通知工程において経路MTU設定工程で設定した経路MTUをBUメッセージにより通知するように構成してもよい。
【0032】
本発明に係るパケット通信システムにおける通信ノードでの経路MTU探索方法は、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、上記経路MTU探索方法により経路MTUを通知可能なノードにパケットを送信する通信ノードでの経路MTU探索方法であって、上記経路MTU通知工程から通知された経路MTUに基づいて、自身が保持する経路MTUを更新する経路MTU更新工程を含むことを特徴する。
【0033】
本発明に係るパケット通信システムにおける通信ノードでの経路MTU探索方法は、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、上記経路MTU探索方法により経路MTUを通知可能な移動ノードにパケットを送信する通信ノードでの経路MTU探索方法であって、移動ノードが移動して接続先を変更した場合、経路MTU通知工程から通知された経路MTUに基づいて自身が保持する経路MTUを更新する経路MTU更新工程と、経路MTU更新工程で更新した経路MTUに基づいてパケットのサイズを変更するパケットサイズ変更工程と、パケットサイズ変更工程で変更したパケットサイズからなるパケットを移動ノード宛に送信するパケット送信工程とを含むことを特徴する。
【0034】
本発明に係るパケット通信システムにおけるMAPでの経路MTU探索方法は、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、上記経路MTU探索方法により経路MTUを通知可能な移動ノードのローカルな移動を管理するMAPでの経路MTU探索方法であって、MAPに接続するリンクのリンクMTUを移動ノードに通知するリンクMTU通知工程を含むことを特徴とする。
【0035】
本発明に係るパケット通信システムにおけるHAでの経路MTU探索方法は、ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、上記経路MTU探索方法により経路MTUを通知可能な移動ノードのグローバルな移動を管理するHAでの経路MTU探索方法であって、HAが通信ノードから移動ノードに至る経路上に存在するか否か判定する経路上存在判定工程と、移動ノードから通知された経路MTU及びHAに接続するリンクのリンクMTUに基づいて通信ノードから移動ノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定工程と、経路MTU設定工程で設定した経路MTUを通信ノードに通知する経路MTU通知工程とを含むことを特徴とする。
【0036】
上記した各経路MTU探索方法では、上記したパケット通信システムにおけるノード、通信ノード、MAP又はHAと同様の作用効果を奏する。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係るパケット通信システムにおけるノード、通信ノード、MAP、HA及びパケット通信システム並びに経路MTU探索方法の実施の形態を説明する。
【0038】
本発明は、効率的かつ経路MTUの変化に迅速に対応可能な経路MTU探索を実現するために、MNがCNとの経路上に存在する各ノード(特に、MAP)に接続するリンクのリンクMTUを収集し、その収集したリンクMTUの最小値を経路MTUとしてCNに通知する。そのために、本発明では、MAPがMNからのBUメッセージに対する確認メッセージによってリンクMTUをMNに通知する。特に、本発明では、HAがMNとCNとの経路上に存在する場合、HAが自ノードに接続するリンクのリンクMTU及びMNから通知された経路MTUに基づいて経路MTUを再設定し、CNに通知する。
【0039】
本実施の形態では、本発明を、パケット通信システムにおけるCNからMNへのパケット送信においてMNの移動により経路が切り替わった場合の経路MTUの探索に適用する。本実施の形態には、2つの実施の形態があり、第1の実施の形態では経路Aから経路Bに切り替わって経路上に存在するMAPが増加して経路MTUが減少した場合かつ経路A,B上にHAが存在しない場合であり、第2の実施の形態では経路Bから経路Aに切り替わって経路上に存在するMAPが減少して経路MTUが増加した場合かつ経路A,B上にHAが存在する場合である。
【0040】
まず、第1の実施の形態について説明する。図1を参照して、第1の実施の形態に係るパケット通信システム1の全体構成について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るパケット通信システムの全体構成図である。
【0041】
パケット通信システム1は、多数のノードとリンクからなるIPネットワーク上に構成されている。ノードは、各種コンピュータ、固定電話、携帯電話、これらの装置間の通信を中継するルータ等の中継装置等である。リンクは、ノード間を接続し、例えば、公衆電話回線、イーサネット(R)、FDDI、ATM等である。
【0042】
パケット通信システム1では、CN2がMN3に経路Aでデータを送信している際に、MN3が移動して接続先としてAR21からAR22に切り替え、経路Bに切り替わった。この際、CN2からMN3に至る経路Aには1つのMAP11が存在し、そのMAP11に接続するリンクのリンクMTU4352バイトが経路Aの経路MTUであった。したがって、CN2は、経路MTUとして4352バイトを保持しており、パケットサイズ4352バイトでMN3に対してパケットを送信していた。一方、CN2からMN3に至る経路Bには3つのMAP12,13,14が存在し、MAP12のリンクMTUが4352バイト、MAP13のリンクMTUが1500バイト、MAP14のリンクMTUが576バイト、MN3のリンクMTUが5000バイトである。ちなみに、パケット通信システム1には、MN3のグローバルな位置情報を管理するHA4が存在するが、経路A、経路B上に存在していなかったとする。
【0043】
CN2は、MN3等とデータをパケット単位で送受信する通信装置であり、例えば、パーソナルコンピュータ、電話等である。CN2では、データを送信する際、その宛先のノードに至る経路の経路MTUを探索し、その経路MTUを記憶装置(図示せず)に保持している。そして、CN2では、その保持している経路MTUからなるパケットサイズでデータをパケットに分割し、パケット単位でデータを送信している。
【0044】
特に、CN2では、MN3等のデータの宛先のノードからICMPPTBメッセージを付加したBUメッセージを受信すると、保持している経路MTUをICMPPTBメッセージに示されている経路MTUに更新し、更新した経路MTUを記憶装置に保持する。
【0045】
図2及び図3も参照して、MN3について説明する。図2は、MNの構成図である。図3は、MNが送信するICMPPTBメッセージ付きのBUメッセージのフォーマットである。
【0046】
MN3は、CN2等とデータをパケット単位で送受信する通信装置であり、かつ、IPネットワーク内で移動可能な移動体であり、例えば、モバイルコンピュータ、携帯電話等である。MN3では、データを受信中に移動して経路を切り替えた場合、切り替えた経路上に存在するMAPに接続するリンクのリンクMTUの情報を収集し、その収集したリンクMTUの最小値を経路MTUとして通信相手(CN2)に通知する。そのために、MN3は、アンテナ3a,送受信機3b、記憶装置3c及び処理装置3dを備えている。特に、処理装置3dには、リンクMTU通知受信機能3e、経路MTU設定機能3f、経路MTU探索実行判定機能3g、経路MTU通知機能3hが構成されている。なお、処理装置3dにおける各機能3e〜3hは、専用プログラムをコンピュータで実行することによって構成される。
【0047】
リンクMTU通知受信機能3eでは、移動して接続先のARを切り替えて経路が切り替わった場合、IPネットワークに存在するMAPに対してBUメッセージを送受信機3bを用いてアンテナ3aから送信する。そして、リンクMTU通知受信機能3eでは、そのBUメッセージを受信した各MAPからそのBUメッセージに対する確認メッセージをアンテナ3a及び送受信機3bを介して受信する。さらに、リンクMTU通知受信機能3eでは、その確認メッセージに基づいて通信相手(CN2)との経路上に存在するMAPを検索し、その検索したMAPからの確認メッセージからリンクMTUを取得し、記憶装置3cに保持する。
【0048】
経路MTU設定機能3fでは、リンクMTU通知受信機能3eで取得して記憶装置3cに保持しているリンクMTU(すなわち、MN3とCN2との経路上に存在するMAPに接続するリンクのMTU)及びMN3自身のリンクMTUの中から最小値を抽出し、その最小値を経路MTUとして設定し、記憶装置3cに保持する。
【0049】
経路MTU探索実行判定機能3gでは、記憶装置3cで保持している切り替わる前の経路の経路MTUと経路MTU設定機能3fで設定した切り替わった後の経路の経路MTUとを比較する。そして、経路MTU探索実行判定機能3gでは、切り替わる前の経路MTUと切り替わった後の経路MTUとが異なる場合には経路MTU探索の実行が必要と判定し、同じ場合には経路MTU探索の実行が不要と判定する。
【0050】
経路MTU通知機能3hでは、経路MTU探索実行判定機能3gで経路MTU探索の実行が必要と判定した場合に、BUメッセージにICMPPTBメッセージを付加し、そのBUメッセージを送受信機3bを用いてアンテナ3aからCN2に送信する。この際、経路MTU通知機能3hでは、ICMPPTBメッセージに経路MTU設定機能3fで設定した経路MTUを書き込んでいる。
【0051】
図3に示すように、ICMPPTBメッセージを付加したBUメッセージは、IPv6基本ヘッダからHome address optionまでのデータ構成についてはMobile IPv6で用いられるBUメッセージと同じフォーマットであり、更に、そのデータ構成にICMPPTBメッセージを付加したメッセージである。ICMPPTBメッセージには、経路MTU設定機能3fで設定した経路MTUがMTUフィールドd2に書き込まれている。なお、BUメッセージでは、BU optionヘッダのNext Headerフィールドd1の値が2に設定されている場合にICMPPTBメッセージが付加されていることを示す。
【0052】
なお、ICMPPTBメッセージは、経路上のノードにおいてパケットサイズが大きすぎてそのパケットを転送できない場合に送信するエラーメッセージであるが、ここでは経路MTUを通知するために用いるので、エラーメッセージとしての意味を持たない。
【0053】
図4及び図5も参照して、MAP11〜14について説明する。図4は、MAPの構成図である。図5は、MAPが送信するICMPPTBメッセージ付きの確認メッセージのフォーマットである。なお、MAP11〜14は、同様の構成を有するので、MAP11の構成を代表して説明する。
【0054】
MAP11は、IPネットワーク上を流れるのデータを中継する装置であり、例えば、ルータである。また、MAP11では、MN3のローカルな位置情報を管理しており、MN3がMAP11が設置されている配下の領域でローカルに取得したアドレスを登録しており、MN3宛にパケットが転送されてくると、そのパケットをMAP11に登録されているMN3のアドレス宛に転送する。その際、送信元をMAP11、宛先を登録されているMN3のアドレスとしたIPヘッダを転送されてきたパケットに付加する。また、MAP11では、MN3等からのBUメッセージを受信すると、そのBUメッセージの確認メッセージによりリンクMTUを通知する。そのために、MAP11は、アンテナ11a,送受信機11b及び処理装置11cを備えている。特に、処理装置11cには、リンクMTU通知機能11dが構成されている。なお、処理装置11cにおける機能11dは、専用プログラムをコンピュータで実行することによって構成される。
【0055】
リンクMTU通知機能11dでは、アンテナ11a及び送受信機11bを介してBUメッセージを受信すると、そのBUメッセージの確認メッセージにICMPPTBメッセージを付加し、確認メッセージを送受信機11bを用いてアンテナ11aからBUメッセージの送信元(MN3)に送信する。この際、リンクMTU通知機能11dでは、ICMPPTBメッセージに自ノードに接続するリンクのリンクMTUを書き込んでいる。
【0056】
図5に示すように、ICMPPTBメッセージを付加した確認メッセージは、は、IPv6基本ヘッダからBA optionヘッダまでのデータ構成についてはMobile IPv6で用いられるBinding ACKnowledgementメッセージと同じフォーマットであり、更に、そのデータ構成にICMPPTBメッセージを付加したメッセージである。ICMPPTBメッセージには、リンクMTUがMTUフィールドd4に書き込まれている。なお、確認メッセージでは、BA optionヘッダのNext Headerフィールドd3の値が2に設定されている場合にICMPPTBメッセージが付加されていることを示す。
【0057】
それでは、パケット通信システム1において、CN2がMN3に経路Aでデータを送信している際に、MN3が移動して、接続先としてAR21からAR22に切り替えて経路Bに切り替わった場合の動作について図6のフローに沿って説明する。特に、MAP12〜14での動作を図7のフローチャートに沿って説明し、MN3での動作を図8のフローチャートに沿って説明する。図6は、第1の実施の形態に係るパケット通信システムにおける経路Aから経路Bに切り替わったときのMN、MAP、CNの動作を示すフローである。図7は、第1の実施の形態に係るMAPにおける経路MTU探索方法のフローチャートである。図8は、第1の実施の形態に係るMNにおける経路MTU探索方法のフローチャートである。
【0058】
前提として、CN2では、経路MTU探索によって経路Aの経路MTU4353バイトを求め、記憶装置(図示せず)に保持するとともにその経路MTUに基づいてパケットを送信している。
【0059】
MN3では、接続先をAR21からAR22に切り替えると、経路B上に存在するMAP12〜14のリンクMTUを収集するために、IPネットワーク上に存在するMAPにBUメッセージを各々送信する(図6のA10,A12,A14)。
【0060】
MAP14では、MN3からのBUメッセージを受信すると、ICMPPTBメッセージに自ノードに接続するリンクのリンクMTU(576バイト)を書き込み、そのICMPPTBメッセージをBUメッセージの確認メッセージに付加する(図7のS10)。そして、MAP14では、その確認メッセージをMN3に送信し(図6のA11)、処理を終了する(図7のS10)。
【0061】
また、MAP13では、MN3からのBUメッセージを受信すると、ICMPPTBメッセージに自ノードに接続するリンクのリンクMTU(1500バイト)を書き込み、そのICMPPTBメッセージをBUメッセージの確認メッセージに付加する(図7のS10)。そして、MAP13では、その確認メッセージをMN3に送信し(図6のA13)、処理を終了する(図7のS10)。
【0062】
また、MAP12では、MN3からのBUメッセージを受信すると、ICMPPTBメッセージに自ノードに接続するリンクのリンクMTU(4352バイト)を書き込み、そのICMPPTBメッセージをBUメッセージの確認メッセージに付加する(図7のS10)。そして、MAP12では、その確認メッセージをMN3に送信し(図6のA15)、処理を終了する(図7のS10)。
【0063】
MN3では、各MAPから確認メッセージを受信すると、その確認メッセージに基づいて経路B上に存在するMAP12〜14を検索し、その検索したMAP12〜14からの確認メッセージからMAP12〜14に接続するリンクのリンクMTUを各々読み込む(図8のS20)。この際、MN3では、MAP12のリンクMTUとして4352バイト、MAP13のリンクMTUとして1500バイト、MAP14のリンクMTUとして576バイトを読み込む。
【0064】
そして、MN3では、MAP12〜14の各リンクMTUと自ノードに接続するリンクのリンクMTU(5000バイト)から最小値を求め、その最小値を経路MTUとして設定するとともに記憶装置3cに保持する(図6のA16)(図8のS21)。この際、MN3では、MAP12〜14の各リンクMTU4352バイト、1500バイト、576バイト及びMN3のリンクMTU5000バイトの中から576バイトを最小値として求め、576バイトを経路MTUとして設定する。
【0065】
続いて、MN3では、設定した経路MTUと接続先をAR21からAR22に切り替える前の経路Aの経路MTUとが異なるか否かを判定する。そして、MN3では、異なる場合には経路MTU探索の実行を必要と判定してステップS23の処理に移行し、同じ場合には経路MTU探索の実行を不必要と判定して処理を終了する(図8のS22)。この際、MN3では、切り替え前の経路MTU4352バイトと設定した経路MTU576バイとで異なるので、経路MTU探索の実行が必要と判定する。
【0066】
最後に、MN3では、経路MTU探索の実行を必要と判定した場合、設定した経路MTUを示したICMPPTBメッセージを付加したBUメッセージを生成し、そのBUメッセージをCN2に送信し(図6のA17)、処理を終了する(図8のS23)。この際、MN3では、ICMPPTBメッセージとして経路MTU576バイトを示している。
【0067】
CN2では、MN3からICMPPTBメッセージを付加したBUメッセージを受信すると、保持している経路MTUをICMPPTBメッセージに示されている経路MTUに更新し、その更新した経路MTUを記憶装置(図示せず)に保持する。そして、CN2では、更新した経路MTUに基づいて送信パケットサイズを変更してMN3宛にパケット送信する。この際、CN2では、MN3から通知された経路MTU576バイトを経路MTUとして再設定し、576バイト単位でパケットを送信する。ちなみに、MAP13,14にパケットが転送されてきた場合でも、CN2ではパケットサイズを576バイトに更新してパケットを送信しているので、MAP13,14では、そのパケットを転送可能であり、CN2に対してICMPPTBメッセージを発行しない。したがって、CN2では、経路MTUを再探索しない。
【0068】
なお、経路上の全てのMAPからリンクMTUを収集できないために、MN3において経路上の一部のMAPからのリンクMTUに基づいて経路MTUを設定した場合、その経路上の一部のMAP以外のMAPにおいてパケットを転送できないためにCN2に対してICMPPTBメッセージを発行する場合がある。その場合、CN2では、その経路上の一部のMAP以外のMAPからのICMPPTBメッセージを受信した場合にのみ経路MTUを再探索すればよいので、この場合でも経路MTUの再探索回数が削減する。
【0069】
第1の実施の形態に係るパケット通信システム1によれば、MN3では通信相手のノード(CN2)との経路上に存在するMAPのリンクMTUの情報を収集し、その収集した範囲内の情報により経路MTUを設定してCN2に通知するので、CN2では経路上で異なるMTUを持つリンクが複数存在する場合でもMN3で収集したMAP(リンクMTU)及びMN3の数分の経路MTUの探索回数を削減できる。特に、MN3が移動して経路が切り替わった場合に経路上に存在するMAPの数が増加しても、CN2では、その増加したMAPの数分の経路MTU探索を行わなくてもよいとともに、MN3から通知された経路MTUにより迅速に経路MTUを更新できる。さらに、CN2では迅速に経路MTUを更新できるので、最適なパケットサイズによりデータを送信でき、ネットワーク上の伝送効率も向上する。
【0070】
また、第1の実施の形態に係るパケット通信システム1によれば、MAPからのBUメッセージに対する確認メッセージに付加されたICMPPTBメッセージによってMAPに接続するリンクのリンクMTUの情報を収集できるので、MN3で迅速かつ確実に経路上のリンクのリンクMTUの情報を収集できる。
【0071】
次に、第2の実施の形態について説明する。図9を参照して、第2の実施の形態に係るパケット通信システム31の全体構成について説明する。図9は、第2の実施の形態に係るパケット通信システムの全体構成図である。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係るパケット通信システム1の構成と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
パケット通信システム31は、第1の実施の形態に係るパケット通信システム1と同様に、多数のノードとリンクからなるIPネットワーク上に構成されている。パケット通信システム31では、CN2がMN3に至る経路Bでデータを送信している際に、MN3が移動して、接続先としてAR22からAR21に切り替えて経路Aに切り替わった。この際、CN2からMN3に至る経路Bには3つのMAP12〜14及びHA4が存在し、そのうちのMAP14に接続するリンクのリンクMTU576バイトが経路Bの経路MTUであった。したがって、CN2は、経路MTUとして576バイトを保持しており、576バイト単位でMN3に対してパケットを送信していた。一方、CN2からMN3に至る経路Aには1つのMAP11及びHA4が存在し、MAP11のリンクMTUが4352バイト、HAのリンクMTUが3000バイトであり、MN3のリンクMTUが5000バイトである。
【0073】
CN2は、第1の実施の形態と同様の構成及び動作を有するが、特に、第2の実施の形態では以下の動作も行う。CN2では、MN3宛にパケットを送信後、HA4からのICMPPTBメッセージを受信すると、第1の実施の形態でMN3からのICMPPTBメッセージを付加したBUメッセージを受信したときと同様の動作を行う。
【0074】
MN3は、第1の実施の形態と同様の構成及び動作を有するが、特に、第2の実施の形態では以下の動作も行う。MN3の経路MTU通知機能3hでは(図2参照)、経路上にHA4も存在する場合には、HA4にICMPPTBメッセージを付加したBUメッセージを送信する。
【0075】
図10も参照して、HA4について説明する。図10は、HAの構成図である。
【0076】
HA4は、MN3のグローバルな位置情報を管理する装置であり、例えば、ルータである。HA4では、MN3がHA4配下のネットワークから離脱して他のネットワークに接続している場合にMN3宛にパケットが転送されてくると、そのパケットをHA4に登録されているMN3が現在一時取得しているアドレス宛に転送する。その際、HA4では、送信元をHA4、宛先をMN3が現在一時取得しているアドレスとしたIPヘッダを転送されてきたパケットに付加する。また、HA4は、MN3からICMPPTBメッセージが付加されたBUメッセージが送信された場合、CN2とMN3との経路上に存在すると判断し、経路MTUを再設定してCN2に通知する。そのために、HA4は、アンテナ4a、送受信機4b及び処理装置4cを備えている。特に、処理装置4cには、経路上存在判定機能4d、経路MTU設定機能4e及び経路MTU通知機能4fが構成されている。なお、処理装置4cにおける機能4d〜4fは、専用プログラムをコンピュータで実行することによって構成される。
【0077】
経路上存在判定機能4dでは、MN3からBUメッセージをアンテナ4a及び送受信機4bを介して受信する。そして、経路上存在判定機能4dでは、BUメッセージにICMPPTBメッセージが付加されている場合、自ノード(HA4)がCN2とMN3との経路上に存在していると判定する。なお、ICMPPTBメッセージには、MN3で設定した経路MTUが示されている。
【0078】
経路MTU設定機能4eでは、経路上存在判定機能4dで自ノードがCN2とMN3との経路上に存在していると判定した場合、ICMPPTBメッセージに示されている経路MTUと自ノードに接続しているリンクのリンクMTUとを比較する。そして、経路MTU設定機能4eでは、小さい値の方を経路MTUとして再設定し、記憶装置(図示せず)に保持する。
【0079】
経路MTU通知機能4fでは、経路MTU設定機能4eで経路MTUを設定した場合にMN3宛のパケットが転送されると、そのパケットを破棄し、ICMPPTBメッセージを送受信機4bを用いてアンテナ4aからCN2に送信する。この際、経路MTU通知機能4fでは、ICMPPTBメッセージに経路MTU設定機能4eで設定した経路MTUを書き込んでいる。なお、このICMPPTBメッセージには、図3に示すICMPPTBメッセージのデータ構成と同様のデータ構成により、経路MTUを書き込んでいる。
【0080】
それでは、パケット通信システム31において、CN2がMN3に経路Bでデータを送信している際に、MN3が移動して、接続先としてAR22からAR21に切り替えて経路Aに切り替わった場合の動作について図11のフローに沿って説明する。特に、MN3での動作を図12のフローチャートに沿って説明し、HA4での動作を図13のフローチャートに沿って説明する。図11は、第2の実施の形態に係るパケット通信システムにおける経路Bから経路Aに切り替わったときのMN、MAP、HA、CNの動作を示すフローである。図12は、第2の実施の形態に係るMNにおける経路MTU探索方法のフローチャートである。図13は、第2の実施の形態に係るHAにおける経路MTU探索方法のフローチャートである。
【0081】
前提として、CN2では、経路MTU探索によって経路Bの経路MTU576バイトを求め、記憶装置(図示せず)に保持するとともにその経路MTUに基づいてパケットを送信している。
【0082】
MN3では、接続先をAR22からAR21に切り替えると、経路A上に存在するMAP11からリンクMTUを収集するために、IPネットワーク上に存在するMAPにBUメッセージを各々送信する(図11のA20)。
【0083】
MAP11では、MN3からのBUメッセージを受信すると、ICMPPTBメッセージに自ノードに接続するリンクのリンクMTU(4352バイト)を書き込み、そのICMPPTBメッセージをBUメッセージの確認メッセージに付加する。そして、MAP11では、その確認メッセージをMN3に送信する(図11のA21)。
【0084】
MN3では、各MAPから確認メッセージを受信すると、その確認メッセージに基づいて経路A上に存在するMAP11を検索し、その検索したMAP11からの確認メッセージからMAP11に接続するリンクのリンクMTUを読み込む(図12のS30)。この際、MN3では、MAP11のリンクMTUとして4352バイトを読み込む。
【0085】
そして、MN3では、MAP11のリンクMTUと自ノードに接続するリンクMTU(5000バイト)から最小値を求め、その最小値を経路MTUに設定するとともに記憶装置3cに保持する(図11のA22)(図12のS31)。この際、MN3では、MAP11のリンクMTU4352バイト及びMN3のリンクMTU5000バイトの中から4352バイトを最小値として求め、4352バイトを経路MTUとして設定する。
【0086】
続いて、MN3では、設定した経路MTUと接続先をAR22からAR21に切り替える前の経路Bの経路MTUとが異なるか否かを判定する。そして、MN3では、異なる場合には経路MTU探索の実行を必要と判定してステップS33の処理に移行し、同じ場合には経路MTU探索の実行を不必要と判定して処理を終了する(図12のS32)。この際、MN3では、切り替え前の経路MTU576バイトと設定した経路MTU4352バイとで異なるので、経路MTU探索の実行が必要と判定する。
【0087】
最後に、MN3では、経路MTU探索の実行を必要と判定した場合、設定した経路MTUを示したICMPPTBメッセージを付加したBUメッセージを生成し、そのBUメッセージをHA4に送信し(図11のA23)、処理を終了する(図12のS33)。この際、MN3では、ICMPPTBメッセージとして経路MTU4352バイトを示している。
【0088】
HA4では、MN3からBUメッセージを受信すると、BUメッセージにICMPPTBメッセージが付加されているか否かを判定する(図13のS40)。そして、HA4では、ICMPPTBメッセージが付加されている場合には経路MTUを再設定するためにステップS41の処理に移行し、ICMPPTBメッセージが付加されていない場合には処理に終了する(図13のS40)。
【0089】
ICMPPTBメッセージが付加されている場合、HA4では、ICMPPTBメッセージに示されている経路MTUと自ノードに接続しているリンクのリンクMTUとの最小値を経路MTUとして再設定する(図11のA24)(図13のS41)。この際、HA4では、通知された経路MTU4352バイトとHA4のリンクMTU3000バイトの中から3000バイトを最小値として求め、3000バイトを経路MTUとして設定する。
【0090】
最後に、HA4では、CN2からMN3宛にパケットが転送されてくると(図11のA25)、再設定した経路MTUを示したICMPPTBメッセージを生成し、その生成したICMPPTBメッセージをCN2に送信し(図11のA26)、処理を終了する(図13のS42)。この際、HA4では、ICMPPTBメッセージとして経路MTU3000バイトを示している。
【0091】
CN2では、MN3宛にパケットを送信した後、HA4からのICMPPTBメッセージを受信すると、保持している経路MTUをICMPPTBメッセージに示されている経路MTUに更新し、その更新した経路MTUを記憶装置(図示せず)に保持する。そして、CN2では、更新した経路MTUに基づいて送信パケットサイズを変更してMN3宛にパケット送信する。この際、CN2では、HA4から通知された経路MTU3000バイトを経路MTUとして再設定し、3000バイト単位でパケットを送信する。ちなみに、経路Bから経路Aに切り替わって経路MTUが576バイトから3000バイトに増加しても、CN2では、HA4からのICMPPTBメッセージにより経路MTUを更新しているので、経路MTUを再探索する必要がない。したがって、経路MTUの再探索を行うまでの10分間を待つことなく、増加した経路MTUに応じたパケットサイズによりパケットが送信されるので、ネットワーク上の伝送効率が良い。
【0092】
第2の実施の形態に係るパケット通信システム31によれば、第1の実施の形態での効果に加えて、CN2とMN3との経路上にHA4が存在した場合でも、HA4で自ノードのリンクMTUの情報も考慮して経路MTUを再設定するので、CN2ではHA4のリンクMTUを考慮した経路MTUを探索しなくてもよい。特に、MN3が移動して経路が切り替わった場合に経路MTUが増加しても、CN2では、通知された経路MTUにより迅速に経路MTUを更新できる。
【0093】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では経路Aと経路Bとの間で経路を1回切り替える場合に適用したが、MNが移動して接続先のARを次々と切り替えて経路が次々と切り替わった場合にも適用可能であり、その場合には切り替わる毎に経路MTUをCNに通知する。
また、本実施の形態では経路上の全てのMAPからリンクMTUの情報を収集できた場合について適用したが、経路上のMAPがリンクMTU通知機能を備えていない等によって経路上の一部のMAPからリンクMTUの情報を収集できない場合でも適用可能であり、その一部のMAPからICMPPTBメッセージが送信された場合にはCNではMNから通知された経路MTUとその経路上の収集できなかった一部のMAPのリンクMTUに基づいて経路MTUを探索すればよい。
また、本実施の形態ではHAではICMPPTBメッセージにより経路MTUを通知したが、ICMPPTBメッセージを付加したBUメッセージにより経路MTUを通知してもよい。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、宛先のノードで経路上のノードから収集したリンクMTUの情報に基づいて経路MTUを設定し、通信ノードに通知するので、経路上に異なるMTUを持つリンクが複数存在した場合でも、通信ノードではその通知された経路MTUにより最終的な経路MTUを探索するまでの経路MTU探索回数を削減できる。特に、宛先のノードが移動して経路が切り替わった場合、経路上のノードが増加してもその増加に応じて経路MTU探索回数が増加しないし、経路MTUが増減しても経路MTUを迅速に更新できる。そのため、本発明では、非常に効率的かつ経路MTUの変化に迅速に対応して経路MTU探索を行うことできる。
【0095】
また、本発明によれば、モビリティアンカポイントがバインディングアップデートメッセージに対する確認メッセージによりリンクMTUの情報を通知するので、宛先のノードでは迅速かつ確実にリンクMTUの情報を収集できる。
【0096】
また、本発明によれば、ホームエージェントで自ノードのリンクMTUを考慮して経路MTUを再設定して通信ノードに通知するので、ホームエージェントが経路上に存在する場合でも、通信ノードでおいてホームエージェントのリンクMTUを考慮して経路MTUを再探索しなくてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るパケット通信システムの全体構成図である。
【図2】図1の移動ノードの構成図である。
【図3】図1の移動ノードが送信するICMPPTBメッセージ付きのBUメッセージのフォーマットである。
【図4】図1のモビリティアンカポイントの構成図である。
【図5】図1のモビリティアンカポイントが送信するICMPPTBメッセージ付きの確認メッセージのフォーマットである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るパケット通信システムにおける経路Aから経路Bに切り替わったときの移動ノード、、通信ノードの動作を示すフローである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るモビリティアンカポイントにおける経路MTU探索方法のフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る移動ノードにおける経路MTU探索方法のフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るパケット通信システムの全体構成図である。
【図10】図9のホームエージェントの構成図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るパケット通信システムにおける経路Bから経路Aに切り替わったときの移動ノード、、ホームエージェント、通信ノードの動作を示すフローである。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る移動ノードにおける経路MTU探索方法のフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るホームエージェントにおける経路MTU探索方法のフローチャートである。
【図14】従来のパケット通信システムの全体構成図である。
【符号の説明】
1,31…パケット通信システム、2…通信相手のノード(通信ノード)、3…移動ノード、3a…アンテナ、3b…送受信機、3c…記憶装置、3d…処理装置、3e…リンクMTU通知受信機能、3f…経路MTU設定機能、3g…経路MTU探索実行判定機能、3h…経路MTU通知機能、4…ホームエージェント、4a…アンテナ、4b…送受信機、4c…処理装置、4d…経路上存在判定機能、4e…経路MTU設定機能、4f…経路MTU通知機能、11,12,13,14…モビリティアンカポイント、11a…アンテナ、11b…送受信機、11c…処理装置、11d…リンクMTU通知機能、21,22…アクセスルータ

Claims (16)

  1. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、通信ノードが送信するパケットの宛先のノードであって、
    前記通信ノードから前記宛先のノードに至る経路が切り替わった場合、切り替わった後の前記通信ノードから前記宛先のノードに至る経路上の各ノードに接続するリンクのリンクMTUの通知を受信するリンクMTU通知受信手段と、
    前記リンクMTU通知受信手段で受信したリンクMTUの中から、切り替わった後の前記通信ノードから前記宛先のノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定手段と、
    切り替わる前の経路の経路MTUと前記経路MTU設定手段で設定した切り替わった後の経路の経路MTUとを比較し、経路MTUの探索を実行するか否かを判定する経路MTU探索実行判定手段と、
    前記経路MTU探索実行判定手段で経路MTUの探索を実行すると判定した場合、前記経路MTU設定手段で設定した切り替わった後の経路の経路MTUを前記通信ノードに通知する経路MTU通知手段と
    を備えることを特徴とするパケット通信システムにおけるノード。
  2. 前記宛先のノードは、前記パケット通信システム内を移動可能な移動ノードであり、
    前記リンクMTU通知受信手段では、前記通信ノードから前記移動ノードに至る経路上に存在するとともに前記移動ノードのローカルな移動を管理するモビリティアンカポイントのリンクMTUを検索すること
    を特徴とする請求項1に記載するパケット通信システムにおけるノード。
  3. 前記リンクMTU通知受信手段では、モビリティアンカポイントからのリンクMTUの通知により、前記経路上に存在するモビリティアンカポイントのリンクMTUを検索し、
    前記経路MTU設定手段では、前記リンクMTU通知受信手段で検索したモビリティアンカポイントのリンクMTUの中で最小値のリンクMTUを経路MTUと設定し、
    前記経路MTU探索実行判定手段では、前記移動ノードの移動前後における各経路MTUを比較し、移動前後で経路MTUが異なる場合に経路MTUの探索を実行すると判定し、
    前記経路MTU通知手段では、前記経路MTU設定手段で設定した経路MTUをバインディングアップデートメッセージにより通知すること
    を特徴とする請求項2に記載するパケット通信システムにおけるノード。
  4. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、請求項1〜3のいずれか1項に記載するノードにパケットを送信する通信ノードであって、
    前記経路MTU通知手段から通知された経路MTUに基づいて、自身が保持する経路MTUを更新すること
    を特徴とするパケット通信システムにおける通信ノード。
  5. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、請求項2又は3に記載する移動ノードにパケットを送信する通信ノードであって、
    前記移動ノードが移動して接続先を変更した場合、前記経路MTU通知手段から通知された経路MTUに基づいて自身が保持する経路MTUを更新し、その更新した経路MTUに基づいてパケットサイズを変更し、変更したパケットサイズからなるパケットを移動ノード宛に送信すること
    を特徴とするパケット通信システムにおける通信ノード。
  6. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、請求項2又は3に記載する移動ノードのローカルな移動を管理するモビリティアンカポイントであって、
    前記モビリティアンカポイントに接続するリンクのリンクMTUを前記移動ノードに通知するリンクMTU通知手段
    を備えることを特徴とするパケット通信システムにおけるモビリティアンカポイント。
  7. 前記リンクMTU通知手段では、前記移動ノードから送信されたバインディングアップデートメッセージに対する確認メッセージに前記リンクMTUを付加して通知すること
    を特徴する請求項6に記載するパケット通信システムにおけるモビリティアンカポイント。
  8. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、請求項2又は3に記載する移動ノードのグローバルな移動を管理するホームエージェントであって、
    前記ホームエージェントが前記通信ノードから前記移動ノードに至る経路上に存在するか否か判定する経路上存在判定手段と、
    前記ホームエージェントに接続するリンクのリンクMTUに基づいて、前記通信ノードから前記移動ノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定手段と、
    前記経路MTU設定手段で設定した経路MTUを前記通信ノードに通知する経路MTU通知手段と
    を備えることを特徴とするパケット通信システムにおけるホームエージェント。
  9. 前記経路MTU設定手段では、前記移動ノードから通知された経路MTUに基づいて、経路MTUを再設定し、
    前記経路MTU通知手段では、前記経路MTU設定手段で設定した経路MTUを含むICMP Packet Too Bigメッセージを前記通信ノードに送信すること
    を特徴とする請求項8に記載するパケット通信システムにおけるホームエージェント。
  10. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムであって、
    通信ノードが送信するパケットの宛先のノードは、
    前記通信ノードから前記宛先のノードに至る経路が切り替わった場合、切り替わった後の前記通信ノードから前記宛先のノードに至る経路上の各ノードに接続するリンクのリンクMTUの通知を受信するリンクMTU通知受信手段と、
    前記リンクMTU通知受信手段で受信したリンクMTUの中から、切り替わった後の前記通信ノードから前記宛先のノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定手段と、
    切り替わる前の経路の経路MTUと前記経路MTU設定手段で設定した切り替わった後の経路の経路MTUとを比較し、経路MTUの探索を実行するか否かを判定する経路MTU探索実行判定手段と、
    前記経路MTU探索実行判定手段で経路MTUの探索を実行すると判定した場合、前記経路MTU設定手段で設定した切り替わった後の経路の経路MTUを前記通信ノードに通知する経路MTU通知手段と
    を備え、
    前記通信ノードは、前記経路MTU通知手段から通知された経路MTUに基づいて、自身が保持する経路MTUを更新すること
    を特徴とするパケット通信システム。
  11. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、通信ノードが送信するパケットの宛先のノードでの経路MTU探索方法であって、
    前記通信ノードから前記宛先のノードに至る経路が切り替わった場合、切り替わった後の前記通信ノードから前記宛先のノードに至る経路上の各ノードに接続するリンクのリンクMTUの通知を受信するリンクMTU通知受信工程と、
    前記リンクMTU通知受信工程で受信したリンクMTUの中から、切り替わった後の前記通信ノードから前記宛先のノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定工程と、
    切り替わる前の経路の経路MTUと前記経路MTU設定工程で設定した切り替わった後の経路の経路MTUとを比較し、経路MTUの探索を実行するか否かを判定する経路MTU探索実行判定工程と、
    前記経路MTU探索実行判定工程で経路MTUの探索を実行すると判定した場合、前記経路MTU設定工程で設定した切り替わった後の経路の経路MTUを前記通信ノードに通知する経路MTU通知工程と
    を含むことを特徴とするパケット通信システムにおけるノードでの経路MTU探索方法。
  12. 前記宛先のノードは、前記パケット通信システム内を移動可能な移動ノードであり、
    前記リンクMTU通知受信工程では、前記移動ノードのローカルな移動を管理するモビリティアンカポイントからのリンクMTUの通知により、前記通信ノードから前記移動ノードに至る経路上に存在するモビリティアンカポイントのリンクMTUを検索し、
    前記経路MTU設定工程では、前記リンクMTU通知受信工程で検索したモビリティアンカポイントのリンクMTUの中で最小値のリンクMTUを経路MTUと設定し、
    前記経路MTU探索実行判定工程では、前記移動ノードの移動前後における各経路MTUを比較し、移動前後で経路MTUが異なる場合に経路MTUの探索を実行すると判定し、
    前記経路MTU通知工程では、前記経路MTU設定工程で設定した経路MTUをバインディングアップデートメッセージにより通知すること
    を特徴とする請求項11に記載するパケット通信システムにおけるノードでの経路MTU探索方法。
  13. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、請求項11又は12に記載する経路MTU探索方法により経路MTUを通知可能なノードにパケットを送信する通信ノードでの経路MTU探索方法であって、
    前記経路MTU通知工程から通知された経路MTUに基づいて、自身が保持する経路MTUを更新する経路MTU更新工程
    を含むことを特徴するパケット通信システムにおける通信ノードでの経路MTU探索方法。
  14. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、請求項12に記載する経路MTU探索方法により経路MTUを通知可能な移動ノードにパケットを送信する通信ノードでの経路MTU探索方法であって、
    前記移動ノードが移動して接続先を変更した場合、前記経路MTU通知工程から通知された経路MTUに基づいて自身が保持する経路MTUを更新する経路MTU更新工程と、
    前記経路MTU更新工程で更新した経路MTUに基づいてパケットのサイズを変更するパケットサイズ変更工程と、
    前記パケットサイズ変更工程で変更したパケットサイズからなるパケットを移動ノード宛に送信するパケット送信工程と
    を含むことを特徴するパケット通信システムにおける通信ノードでの経路MTU探索方法。
  15. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、請求項12に記載する経路MTU探索方法により経路MTUを通知可能な移動ノードのローカルな移動を管理するモビリティアンカポイントでの経路MTU探索方法であって、
    前記モビリティアンカポイントに接続するリンクのリンクMTUを前記移動ノードに通知するリンクMTU通知工程
    を含むことを特徴とするパケット通信システムにおけるモビリティアンカポイントでの経路MTU探索方法。
  16. ノード及びリンクから構成されるパケット通信システムにおいて、請求項12に記載する経路MTU探索方法により経路MTUを通知可能な移動ノードのグローバルな移動を管理するホームエージェントでの経路MTU探索方法であって、
    前記ホームエージェントが前記通信ノードから前記移動ノードに至る経路上に存在するか否か判定する経路上存在判定工程と、
    前記移動ノードから通知された経路MTU及び前記ホームエージェントに接続するリンクのリンクMTUに基づいて、前記通信ノードから前記移動ノードに至る経路の経路MTUを設定する経路MTU設定工程と、
    前記経路MTU設定工程で設定した経路MTUを前記通信ノードに通知する経路MTU通知工程と
    を含むことを特徴とするパケット通信システムにおけるホームエージェントでの経路MTU探索方法。
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