JP3947172B2 - 可変方向トリガプローブ - Google Patents
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Description
このトリガプローブは、特に、しかし非限定的に、手動または自動の測定器械において、あるいは、例えばフライス盤などの工作機械において、加工された、または加工中の工作物の三次元測定に用いられるためのものである。
トリガプローブは、部品を複製したり、その模型を作成したりする目的で、複雑な形状の部品の三次元測定にも用いられる。
該測定ピンは、伸長した、被測定物と接触されるための軸部の端に、球を含んでいる。
可動アームは、トリガプローブの測定ピンを被測定物または被測定表面に接触させるために、空間内を変位される。
接触の際に、偏向力が測定ピンに加えられ、このとき、該測定ピンは最初の静止位置から外される。
センサが測定ピンのちょっとした変位にも反応して電気信号を発生し、該電気信号は、あるいは光信号の形で使用者に、あるいは機械の制御ソフトウェアに送られる。
そして、測定システムのデータによって、所与の座標系内での接点の座標が決定される。
この目的のために、先行技術においては、電気機械式あるいは光学式のセンサ、または、例えば応力ゲージを含むセンサなどの、異なる原理に基づく変位センサが用いられている。
しかしながら、二次元または一次元のトリガプローブも知られている。
この欠点を解消するために、接触測定ピンを空間内の複数の方向に向けることを可能にするトリガプローブが周知である。
一般的に、考えられる方向全体を扱うには、独立した二本の回転軸が要求される。
このタイプのトリガプローブの一つは、欧州特許出願EP−0392660−A2明細書に記載されている。
この配置によって、測定ピンの方向が変化したつど、測定器械をあらたに検定する必要がさけられる。
トリガプローブの異なる方向付けが要求されたとき、オペレータは、このために備えられた調整ノブまたはレバーを操作して、軸を手動でアンロックし、要求されたとおりにトリガプローブを方向付け、そして、当初の固定位置に調整ノブまたはレバーを再度位置づけて、軸をあらためてロックしなければならない。
これらの操作は、例えば、第二の軸の位置決めの際に、第一の軸が不意に動くことによって、位置決めの誤りを招くおそれがある。
この正味のトルクは、トリガプローブの支えに機械的応力を引き起こし、トリガプローブ全体を動かす可能性がある。
この問題点を避けるために、オペレータは、固定調整ノブを操作するときに、トリガプローブを動かないように維持しなければならず、このため、片手による操作は困難または不可能になる。
上述の欧州特許に記載のトリガプローブは、規則的に離隔された球の冠状部に当接する三つの円筒状のピンによって規定された一連のインデックス位置のうちの任意の一つに、それぞれの軸を固定することを可能にする。
このタイプのトリガプローブは、バネの作用でインデックス球の間に係合する面取りされたピストンの形の、補助位置決め手段も含んでいる。
これらのピストンの目的は、トリガプローブがアンロック位置にあるときでさえも、トリガプローブの二本の軸のために安定した位置を生み出すことである。
これらの安定した位置は、測定ピンの重さの影響でトリガプローブがその方向を自然に変えることを阻止するのに用いられる。
しかしながら、ピストンは、トリガプローブの複雑さとコストを増加させ、インデックス球に擦れて、使用とともに、インデックス精度を低下させる可能性がある。
第1の手段として、
測定装置に対して、測定ピンを方向づけるための可変方向トリガプローブにおいて、
軸の周囲を回転することができる可動部分と、
前記可動部分のいっさいの運動を禁止し、ある固定位置に前記可動部分を維持するための、弾性手段と、
前記可動部分のための所定の、再現可能な多数の角度位置を規定するための、インデックス要素と、
前記インデックス要素が相互に、あるいはトリガプローブの別の部分と接触することなしに前記軸を中心とした前記可動部分の回転を可能にして、前記軸の方向の変位によって前記可動部分を解除し、また、前記可動部分の回転の際に前記インデックス要素の離隔を維持するための、前記弾性手段と対向するアクチュエータとを含むトリガプローブを提案し、
第2の手段として、
前記アクチュエータが、前記トリガプローブの軸に垂直な方向で前記アクチュエータに加えられた、必須的に対称で相対する二つの外力の作用によって、前記可動部分を解除することを特徴とする、第1の手段に記載のトリガプローブを提案し、
第3の手段として、
手の熱がトリガプローブ内に伝導するのを防止するための、外側の断熱層を含む、第1の手段に記載のトリガプローブを提案し、
第4の手段として、
前記外側の断熱層が、前記トリガプローブのケースおよび/または前記アクチュエータに貼り付けられる、第3の手段に記載のトリガプローブを提案し、
第5の手段として、
前記可動部分に対して第二の可動部分を回転させるための第二の軸によって前記可動部分に接続されている、第二の可動部分と、
前記第二の可動部分の回転を禁止し、ある固定位置に前記第二の可動部分を維持するための、前記弾性手段とは独立して作動可能な第二の弾性手段と、
前記第二の軸を中心とした前記第二の可動部分の回転を可能にし、前記第二の可動部分を解除するための、前記アクチュエータとは独立した第二のアクチュエータと、
前記第二の可動部分に接続された、トリガプローブの測定ピンとを含む、第1の手段に記載のトリガプローブを提案するものである。
−図1aは、本発明によるトリガプローブの第一の実施態様を示している。
−図1bは、図1aに示した本発明によるトリガプローブの、固定部分を示している。
−図1cと図1dは、図1aに示した本発明によるトリガプローブの、第一の軸のインデックス機構を示している。
−図1eは、図1aのトリガプローブの第一の軸を解除するために使用される減速機構を示している。
−図2a、図2bと図2cは、図1aのトリガプローブの、第二の軸のインデックス用および減速用機構の断面と、斜視図を示している。
−図3と図4、図5a、図5b、図5cは、本発明によるトリガプローブの第二の実施態様を示している。
固定部分250は、その下面に、円周にそって規則的に配置され、部分的に下方に突出している二十四個の球256を有する。球256は、第一のインデックス要素を構成するものであり、後述のごとく、トリガプローブ20の第一回転軸211に対してインデックスされ、15度ずつ離された、二十四個所の位置を定義する。もちろん、所望のインデックス位置の数に従って、異なる数の球を用いることもできる。
第一の弾性手段としての平バネ215が、第一の可動部分210を固定部分250に押し付ける。
この状態で、ピン217のそれぞれは、球256の二つに押し付けられ、結果としての六つの接点が、正確かつ再現可能な仕方で、固定部分250と可動部分210の相対的位置を決定する。
同じ結果は、同等な他の配置によって、例えば、球を可動部分に、ピンを固定部分に配置して、あるいは、ピンまたは球の球形または円筒状の表面を斜面に置き換えて、あるいはまた、円筒状のピンのそれぞれが球の一つとただ一つの接点しか持たないような六つのピンを用いることによっても、得ることができる。
さらに、平バネ215を同等の弾性手段、例えば、弦巻バネまたは板バネに、あるいは弾性合成材料製の部分に代えることもできる。
第一アクチュエータ300による伝達機能は、四つのラック305と螺旋状の斜面302とによって駆動される歯車301で構成される。
離隔位置では、球256はピン217に触れることなしにその上を越え、第一回転軸211の周囲の回転が可能になる。
この特定の実施態様において、平バネ215は、合計押力がおよそ30N、すなわち六つの接点のそれぞれについて約10Nになるように寸法決定するが、それは、押し付けが軸に対して60度で実施されるからである。
この理由のために、斜面302の傾きは、ボタン310にかかるラジアル方向の力と、平バネ215の弾性に相対する軸方向の力との間に十分な減速比を与えるように選択される。
減少比が1:2のとき、ボタン310に対する操作力は、約15N、すなわち、およそ1.5Kgfになり、使用者は大きな困難なしにその力をかけることができる。
ボタン310の行程は、この減少比では、数ミリメートルの範囲にとどまる。
状況に応じて、例えば、トリガプローブの質量と寸法に応じて、異なる値を選択することも可能となるものである。
このように、トリガプローブに働く外力は必須的に正対し、かつ第一回転軸211に対して垂直であって、合力と結果としてのトルクは必須的にゼロであり、したがって、トリガプローブのいっさいの不意の動きが防止される。
この操作はきわめて直感的であり、片手の二本の指で容易に実施できる。
この条件において、球256とピン217の間の離隔距離は、インデックス表面の接触または摩擦のいっさいを防止するのに十分であり、このようにしてインデックス位置の位置決め精度を維持できる。
したがって、アンロックからトリガプローブの回転に移行し、ついで再度トリガプローブをロックするためにボタン310を離す必要がない。
この実施態様において、いったんアンロックされると、第一の可動部分210は安定した位置を持たず、第一回転軸211を完全に自由に回転することができることが分かる。
実際、この構造では、安定位置は必要ではない。
なぜなら、アンロックには、使用者が常にボタン310を押したままで維持する必要があるからである。
このため、使用者は、第一の可動部分210の位置を常に制御している。
該第二の可動部分220は、公知のタイプの可動の測定ピン30が固定された、第一回転軸211に垂直な第二回転軸212の周囲を回転することができる。
測定ピン30は、この実施態様においては、接触用球体32と針体31とスイッチ35とを含む。
第二のインデックス要素を構成する球226の冠状部は、可動部分220の垂直面上に実現され、そして、第一の可動部分210に隣接する面に配置された(図示されていない)円筒状の三つのピンと相互作用して、第一の可動部分210について先に説明したものと類似の仕方で、所定の数の、正確に再現できるインデックス位置を定義する。
解除は、二つのボタン411と410を押すことで実行される。
部品470の周囲を軸方向に摺動することができるボタン410に加えられた軸方向の力は、二つのレバー430、レバー450、水平アーム440によって伝達され、増幅され、ピン461と軸部460によって、圧縮バネ225にかけられて、バネを圧縮し、それによって第二の可動部分220と第一の可動部分210の間の接触力がなくなる。
この実施態様においては、第一の可動部分210についてと同様に、1:2の操作力の減少比を得るようにレバー430、レバー450の不均等なアームの寸法が選ばれる。
図2aに示すように、ボタン410と部品470の間に置かれた第二バネ475が、第二の可動部分220を図2aの右に軸方向に押して、その時にその回転を可能にする。
回転力は、図示されていないピンによって部品470と角度が一体化されているボタン410を介して、オペレータによって印加される。
実際は、ボタン411は可動部分220と角度が一体化されており、該可動部分とともに回転される。
必須的に相対する二つの力を使用することによって、トリガプローブの支えへ応力を伝達することと、トリガプローブ全体が動くことが避けられる。
第一の可動部分210とまったく同様に、第二の可動部分220は、安定したアンロック位置を持っていない。
この場合でも、使用者は、ボタン410とボタン411を押すことによって、可動部分がアンロックされたときに、第二の可動部分220の位置を常に制御している。
その結果、該ソフトウエアは、測定システムのデータによって、所与の座標系内の接点の座標を決定する。
該保護部分の役割は、被測定物に対する、あるいは支え台に対する衝撃からインデックス機構を保護することにある。
保護部分218は、金属製シェル内に直接加工されたパッキン、あるいは、例えばゴム製やエラストマ製など、衝撃吸収に適した材料の追加部分とすることができる。
この角度は、第一の可動部分210が可能な360度の回転と組み合わせて、半空間内に均一に分配されたある数の方向に測定ピン30を向けることを可能にする。
しかしながら、本発明の装置を、一般的な数のインデックス位置と、それらの間の任意の離隔をとって実現することも可能である。
その結果、固定部分250と可動部分210の間の離隔と、コネクティングロッド320の間の角度とともに、減少比が増加する。
この減少比の可変性は有利であるが、なぜなら、行程の終わりにボタンを押されたままにしておくために必要な力は最小であり、それによって測定ピン30の微細な方向付け作業が容易になるからである。
この条件において、インデックス表面の摩耗は必要最小限に抑えられ、インデックス精度が経時的に維持される。
反対に、オペレータがボタン310の一つだけを非対称的に押すと、合力の水平方向の成分が軸部253とスリーブ219の間に大きい摩擦を生じ、第一の可動部分210の解除が阻止される。
この有利な特徴は、不意の不所望の操作を防止することを可能にする。
該環状保護膜330は、汚れや埃から内部機構を保護するだけでなく、インデックス精度に悪影響があるかもしれない、オペレータの手の熱が内部インデックス機構へ伝達されるのを防止する機能も有する。
同じ目的で、第二回転軸212の回転と解除に用いられるボタン410とボタン411も、好適には、優れた断熱特性を有する合成材料で実現される。
トリガプローブのケースも、また、断熱層で覆うことができる。
本発明の以下の実施態様において、本発明によるトリガプローブは、前記インデックス要素としての球256,ピン217が、相互に、あるいはトリガプローブの別の部分と接触することなく、前記第一回転軸211を中心とした前記可動部分の回転を可能にし、前記可動部分の回転の際に前記インデックス要素の離隔を維持するための機構を含むことなしに、前述のように断熱層を含んでいる。
この場合、トリガプローブが取り得るすべての方向で最良の可視性を可能にするために、二つの窓が必要である。
このインパルスは、図示されていない電子処理回路を介して、測定器械の制御装置と接続するためのコネクタ70(図5c参照)と、発光性の警告灯の役割をはたす発光ダイオード50(図5b参照)に伝達される。
この実施態様において、警告灯には発光ダイオードが使用されるが、例えば、シート状または線状のエレクトロルミネセンスなどの、公知の他の発光体を代わりに使用することもできる。
発光ダイオードには、光学式の散光器が載置され、広角の観察範囲内で、発射された光を見ることを可能にする。
この場合、上述のインデックス機構は、温存することも、あるいは、所期の用途についてサーボモータの位置決め精度で十分であれば、なくすこともできる。
30 測定ピン
31 針体
32 接触用球体
35 スイッチ
40 窓
41 窓
50 発光ダイオード
70 コネクタ
210 可動部分
211 第一回転軸
212 第二回転軸
215 平バネ
217 ピン
218 保護部分
219 スリーブ
220 可動部分
225 圧縮バネ
226 球
250 固定部分
251 ネジ山付軸部
253 軸部
256 球
300 第一アクチュエータ
301 歯車
302 斜面
305 ラック
310 ボタン
320 コネクティングロッド
323 中心点
330 環状保護膜
400 第二アクチュエータ
410 ボタン
411 ボタン
430 レバー
440 水平アーム
450 レバー
460 軸部
461 ピン
470 部品
475 第二バネ
Claims (4)
- 測定装置に対して、測定ピンを方向づけるための可変方向トリガプローブにおいて、
軸の周囲を回転することができる可動部分と、
該可動部分の運動を禁止し、ある固定位置に可動部分を維持するための、弾性手段と、
前記可動部分のための所定の、再現可能な多数の角度位置を規定するための、インデックス要素と、
該インデックス要素が、相互に、あるいはトリガプローブの別の部分と接触することなしに軸を中心とした前記可動部分の回転を可能にして、軸の方向の変位によって可動部分を解除し、また、前記可動部分の回転の際に前記インデックス要素の離隔を維持するための、前記弾性手段と対向する前記可動部分に設けられたアクチュエータとを含む、可変方向トリガプローブ。 - 前記アクチュエータが、トリガプローブの軸に垂直な方向でアクチュエータに加えられた、対称で相対する二つの外力の作用によって、可動部分を解除することを特徴とする、請求項1に記載のトリガプローブ。
- 手の熱がトリガプローブ内に伝導するのを防止するための、外側の断熱層を含む、請求項1に記載のトリガプローブ。
- 前記外側の断熱層が、トリガプローブのケースおよび/またはアクチュエータに貼り付けられる、請求項3に記載のトリガプローブ。
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