JP3945731B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時に乗員を拘束するベルトの内部に膨張可能なバッグを収納した乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の衝突時に乗員を拘束するいわゆるシートベルトの内部が膨張して乗員を保護する乗員保護装置として、たとえば、特開平6−262997号公報に開示されたシートベルト装置がある。このシートベルト装置は、シート側に設けたバックルにベルト側に設けたタングを結合する際に、タングと一体のタングパイプをバックルに設けたガス流通路に接続するようになっている。したがって、インフレータが発生するガスをガス流通路からタングパイプを経てベルトに供給する際に、ガス流通路およびタングパイプの接続部にガス漏れが発生しないようにシールを行う必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術においては、バックルおよびタングは、繰り返し着脱される部分であるため、Oリング等の通常のシール部材を用いると、シール部材に邪魔されて着脱が面倒であったり、着脱時の摩擦によりシール部材の耐久性が低下したりする問題がある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、バックルおよびタングの接続部におけるガス流通路のシールを容易かつ確実に行うとともに、着脱時の摩擦により耐久性を損なわない乗員保護装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は、シートに支持したバックル装置に形成されたバックル側ダクトと、ベルトに支持したタング装置に形成されたタング側ダクトとを備え、バックルとタングとを結合することにより、前記バックル側ダクトの出口開口と前記タング側ダクトの入口開口とが接続され、車両の衝突時にインフレータから発せられるガスを、前記バックル側ダクトおよびタング側ダクトを介して、前記ベルトに設けられた膨張可能なバッグに供給することにより、前記ベルトを膨張させる乗員保護装置において、前記バックル側ダクトの出口開口から突き出し、前記タング側ダクトの入口開口に進入するように移動可能であり、前記インフレータから発せられるガスの流通路が形成されているピストンを前記バックル側ダクトに設けるとともに、通常時には、前記ピストンに形成されたガスの流通路を閉塞し、車両の衝突時には、前記ピストンに対してタング側ダクト方向に移動してガスの流通路を形成する蓋部材を前記ピストンに設け、前記蓋部材は前記インフレータからのガスにより前記ピストン内面に対してスライド移動可能であり、車両の衝突時に前記インフレータから発せられるガスにより、前記ピストンが前記タング側ダクトの入口開口に進入して前記バックル側ダクトの出口開口および前記タング側ダクトの入口開口間のシールを行い、かつ前記インフレータから発せられるガスにより、前記蓋部材が前記ピストンに対してタング側ダクト方向にスライド移動したときに、バックル側ダクトとタング側ダクトとが連通することを特徴とする乗員保護装置である。
また、前記ピストンの内部には、前記蓋部材が配置されるとともに、前記蓋部材を係止する内顎部が設けられ、前記蓋部材は、前記内顎部よりもタング側に配置され前記ピストンの内周面に密接する上円板と、前記内顎部よりもバックル側に配置され通風孔を有する下円板と、この上円板と下円板を接続するロッドと、を有し、車両の衝突時に、前記下円板が前記内顎部に係止されることを特徴とする。
また、前記ピストンの外側面は、前記タング側に向かうほど縮径するテーパ状に形成されていることを特徴とする。
【0006】
また、好ましくは、通常時に、前記ピストンが前記バックル側ダクトから突き出さないように、前記ピストンを付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする乗員保護装置である。
本発明によれば、ピストンを付勢する付勢手段の作用により、通常時にピストンがバックル側ダクトから飛び出してしまう事態をより確実に防止することができる。
【0007】
さらに、好ましくは、前記ピストンが前記タング側ダクトの入口開口に進入した際に、前記バックル側ダクトの出口開口と前記ピストンとの間を密閉するシール部材が設けられていることを特徴とする乗員保護装置である。
本発明によれば、シール部材の作用により、バックル側ダクトの出口開口とピストンとの間の気密性をより一層向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、具体的に説明する。
図1は、本発明に係る乗員保護装置を備える車両のフロントシート部の側面図、図2は、その正面図、図3は、本発明に係る乗員保護装置の斜視図、図4は、タング装置とバックル装置の接続部分の断面図、図5は、タング側ダクトとバックル側ダクトの接続部分の拡大断面図、図6は、タング側ダクトとバックル側ダクトの接続部分の分解斜視図である。
【0009】
図1〜図3に示すように、乗員保護装置は、乗員、例えばドライバーを車両の前部右側のシート1に拘束するものであり、センターピラー2の下部に設けられたショルダーベルト用リトラクタ3と、このショルダーベルト用リトラクタ3の下側に設けられたラップベルト用リトラクタ4とを備えている。ショルダーベルト用リトラクタ3からは、センターピラー2の上部に設けたスリップガイド5を迂回して延びるショルダーベルト6が引き出されている。ラップベルト用リトラクタ4から引き出されるラップベルト7の端部には、タング装置8が固定されており、タング装置8が結合されるバックル装置9がシート1の左下のシートベース10に固定されている。また、バックル装置9には、インフレータ11が一体になって取り付けられている。
【0010】
ショルダーベルト用リトラクタ3およびラップベルト用リトラクタ4は、それぞれショルダーベルト6およびラップベルト7を引き出し可能に巻き取るもので、図示しない加速度センサが所定のしきい値以上の加速度を検出していない通常時には、両ベルト6,7を引き出し可能にして乗員の身体の移動を許容する。そして、車両の衝突時に、加速度センサがしきい値以上の加速度を検出すると、両リトラクタ3,4が、両ベルト6,7をそれぞれ引き出し不能にロックして、矢印F方向に投げ出されようとする乗員を拘束するようになっている。また、インフレータ11は、加速度センサがしきい値以上の加速度を検出したときに点火し、推薬の燃焼による高圧ガスを発生する。
【0011】
ラップベルト7は通常の合成繊維の平織ベルトから構成される。一方、ショルダーベルト6のうちの乗員の胸部に接触する部分は、図3に示すように、筒状に形成されたゴム製のバッグ12と、その外側を覆うカバー13とから構成される。バッグ12およびカバー13は通常時には偏平な帯状になっているが、車両の衝突時にインフレータ11からバッグ12にガスが供給されると、ショルダーベルト6のうちのバッグ12およびカバー13が、図1および図2に示す状態に膨張して乗員を柔らかく拘束する。
【0012】
さらに、図4〜図6を参照して説明すると、バックル装置9におけるバックルハウジング14は、下部にインフレータ11が固定されているとともに、上部にバックル15が固定されている。このバックルハウジング14には、ボルト16によってアンカー部材17の上端部が固定されており、このアンカー部材17の下端は、支点ピン18を介してシートベース10に前後揺動自在に支持されている。また、バックルハウジング14の上側部には、出口開口が形成されており、この出口開口とインフレータ11とが、バックルハウジング14の内部に形成されたガスの通路20により連通している。これら出口開口およびガスの通路20などにより、本発明のバックル側ダクトが構成される。
【0013】
また、バックルハウジング14における出口開口には、中空である略円筒形状の係止部材21が埋設され固定されている。この係止部材21の内側には、上フランジ21Aと下フランジ21Bが形成されており、これら上フランジ21Aと下フランジ21Bの間に、中空である略円筒形状のピストン22が挿設されている。ピストン22の外側下縁部には、係止部材21におけるフランジ21A,21Bによって係止される外鍔部22Aが形成されている。また、ピストン21の内側上端部近傍には、ピストン22の内部に挿設される蓋部材23の円板23A,23Bを係止する内鍔部22Bが形成されている。なお、ピストン22の中空部位がガスの流通路となる。
そして、通常時は、ピストン22の外鍔部22Aが係止部材21の下フランジ21Bに係止されて落下しないように支持されている。また、ピストン22の外鍔部22Aの外周面は、係止部材21の内周面に密接し、この密接部位における摺動摩擦によりピストン22が動かないようになっており、振動などが原因となって、ピストン22がバックル側ダクトから突き出すことがないようになっている。
【0014】
さらに、ピストン22の内部には、蓋部材23が配設されている。この蓋部材23は、上円板23Aと下円板23Bとが、ロッド23Cによって接続されて構成されている。また、下円板23Bには、ガスを通過させるための複数の通風孔23D,23D,…が形成されている。そして、通常時には、上円板23Aがピストン22の内鍔部22Bに係止され、蓋部材23が落下しないように支持されている。また、円板23A,23Bの外周面がピストン22の内周面に密接してピストン22におけるガスの流通路を閉塞しており、この密接部位における摺動摩擦により、蓋部材23がバックル側ダクトから突き出さないように構成されている。
【0015】
一方、タング装置8におけるタングハウジング24の上部外周面には、ショルダーベルト6のバッグ12およびカバー13が嵌合しており、それらの外側に重ね合わされたラップベルト7とともに環状のホルダー25で締め付けられて固定される。タングハウジング24の内部には、タング26の上半部が埋め込まれており、ホルダー25、ラップベルト7、カバー13およびバッグ12を貫通するボルト27でタングハウジング24に固定されている。
【0016】
タングハウジング24には、ショルダーベルト6に連通するガスの通路28が形成されており、タングハウジング24の下面には、この通路28へ通じる入口開口が形成され、ここに円筒部材29が埋設され固定されている。このタングハウジング24におけるガスの通路28の入口開口は、タング26をバックル15に嵌入したときに、バックルハウジング14内でガスの通路20における出口開口と向き合い、かつ若干の隙間を開けて配置されている。そして、円筒部材29の内径はピストン22の外径とほぼ同一であり、車両の衝突時にバックル側ダクトから突き出したピストン22が円筒部材29に進入するようになっている。これらの通路28および円筒部材29などにより、本発明のタング側ダクトが構成される。他方、バックルハウジング14には、バックル15に結合されたタング26を分離するためのリリースボタン30が設けられている。
【0017】
また、タングハウジング24の下面における入口開口が形成されている側の反対側には、中空の排気用ピストン31が設けられている。この排気用ピストン31は、ショルダーベルト6のバッグ12における余剰のガスを排出するためのもので、排気用ピストン31の下端部には、開口部31Aが形成され、バックルハウジング14の上側端部には、排気用ピストン31の下端部が進入可能となるように、切欠き32が形成されている。これらは、ショルダーベルト6にベントホールを備える代わりに設けられており、ガスベント機能を発揮するものであって、ショルダーベルト6にガスが供給されると、その圧力により、排気用ピストン31がバックルハウジング14方向(図4における下方向)に押し出される。そして、ショルダーベルト6内と、バックルハウジング14の外部とが、排気用ピストン31の開口部31Aおよび切欠き32を介して連通し、ここからショルダーベルト6内の余剰のガスが排出される。
【0018】
次に、本実施の形態に係る乗員保護装置において、インフレータ11から発せられるガスをショルダーベルト6に供給する際の作用について説明する。
車両の走行前、乗員がタング26をバックル15に嵌入させてシートベルトを装着すると、図7(a)に示すように、バックルハウジング14におけるガスの通路20とつながる出口開口と、タングハウジング24におけるガスの通路28の入口開口が向き合って配置される。通常時、すなわち車両が普通に走行しているときは、図7(a)に示すように、係止部材21とピストン22間の摺動摩擦およびピストン22と蓋部材23間の摺動摩擦により、ピストン22および蓋部材23がバックル側ダクトから突き出さないようになっている。
【0019】
そして、事故などによる車両の衝突時、図示しない加速度センサがしきい値以上の加速度を検出してインフレータ11からガスが発せられると、図7(b)に示すように、ガスGがピストン22を急激かつ強力に押圧する。ピストン22は、この押圧力により、係止部材21との間の摺動摩擦に抗して、タングハウジング24方向(図面上方向)に移動し、バックル側ダクトから突き出して、タングハウジング24の入口開口から円筒部材29内に進入する。ここで、ピストン22の外径は、円筒部材29の内径とほぼ同一であるので、ピストン22と円筒部材29間がシールされる。
また、蓋部材23は、下円板23Bに形成された通風孔23D,23D…をガスGが通過するので、ピストン22と一体となってタングハウジング24側に移動する。したがって、この時点では未だタングハウジング24におけるガスの通路28には、ガスGは供給されていないため、バックルハウジング14におけるガスの通路20とタングハウジング24におけるガスの通路28の間が連通し、シールされる前に、ガスGが通過することはない。
【0020】
そして、ピストン22における外鍔部22Aが係止部材21の上フランジ21Aに係止されその移動が規制されると、図7(c)に示すように、ガスGの押圧力により、蓋部材23がピストン22との摺動摩擦に抗して、タングハウジング24方向に移動する。すると、蓋部材23の上円板23Aがピストン22から離れて、ピストン22の内鍔部22Bに蓋部材23の下円板23Bが係止され、その移動を規制されるまで蓋部材23が移動する。そして、蓋部材23が開いてピストン22に形成されたガスの流通路を介してバックルハウジング14におけるガスの通路20とタングハウジング24におけるガスの通路28間が連通する。それから、タングハウジング24におけるガスの通路28を通じて、ショルダーベルト6(図4参照)にガスGが供給されて、ショルダーベルト6が膨張し、乗員を柔らかく保護する。
【0021】
このように、インフレータ11から発せられるガスにより、ピストン22が円筒部材29内に進入してシールし、その後、蓋部材23が移動してガスの流通路が連通するので、ガスの流通路のシールを容易かつ確実に行うことができる。また、ピストン22と円筒部材29は若干の隙間を開けて配置されているため、シートベルトの着脱時に摩擦が生じることはなく、もって、摩擦による耐久性の低下が生じることはない。さらに、通常時には、ピストン22や蓋部材23は、バックルハウジング14内に収納されており、円筒部材29がタングハウジング24から突出しているようなこともないので、タング26をバックル15に嵌入する際の妨げとなることはない。
【0022】
上記実施の形態の変形例を図8を用いて説明すると、図8(a)に示すように、係止部材21′の内側に挿設されたピストン22′として、外側にテーパを付与したものを用いることもできる。この場合、蓋部材23′が若干小径となる。同図では、ピストン22′がバックル側ダクトから突き出した状態を示しているが、かかる態様によれば、タング側ダクトにおける円筒部材29内に、ピストン22′をより確実に進入させることができる。しかも、バックル側ダクトの出口開口とタング側ダクトの入口開口を、確実にシールすることもできる。
また、図8(b)に示すように、係止部材21とピストン22″の間の空気を排出するための排出路22a,22aを外鍔部22Aに形成したピストン22″を用いることもできる。この排出路22a,22aを形成することにより、ピストン22″の突き出しの際に係止部材21とピストン22″の間の空気が排出路22a,22aを介して抜けるため、ピストン22″の移動を妨げることがなく、したがってピストン22″の移動をよりスムーズに行うことができる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、図9(a)に断面図を、(b)に分解斜視図を示すように、係止部材21とピストン22の間に伸長スプリング33を介在させるとともに、ピストン22と蓋部材23の間にも、伸長スプリング34を介在させる。この伸長スプリング33により、ピストン22がバックル側ダクトから突き出さない方向(図面下方向)に付勢する。すなわち、上述した実施の形態では、係止部材21とピストン22間の摺動摩擦のみで、通常時にピストン22がバックル側ダクトから突き出さないようにしていた。これに対して、本実施の形態のように、伸長スプリング33によりピストン22を付勢することにより、より確実に通常時にピストン22が突き出すことを防止することができる。また、同様の理由により、ピストン22と蓋部材23の間に伸長スプリング34が介在され、通常時に蓋部材23がバックル側ダクトから突き出さないように、蓋部材23を付勢している。このとき、係止部材21とピストン22の間に介在される伸長スプリング33として、バネレートが、ピストン22と蓋部材23の間に介在される伸長スプリング34のバネレートよりも小さなものを用いることにより、ピストン22が移動し、その後、蓋部材23が移動するという動きが確実に行われることになる。
【0024】
続いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、図10(a)に断面図を、(b)に分解斜視図を示すように、係止部材21とピストン22の間にゴム製でリング状のシール部材35が介在されている。上述した実施の形態では、係止部材21とピストン22が密接することによってインフレータ11から発せられたガスが係止部材21とピストン22間から漏れることを防止していたが、本実施の形態のように、シール部材35を介在させることにより、気密性をより一層向上させることができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この他にも種々の変形が可能である。例えば、上述の各実施の形態では、ショルダーベルト6を膨張させる構成としたが、ラップベルト7を膨張させる構成とすることもできる。
また、蓋部材23としては、ピストン22に対して移動するものを用いたが、この態様に限らず、例えば、ピストン22の上端部においてヒンジで止めて、開くようにした蓋体を設けたり、あるいは、インフレータ11から発せられるガスの圧力により破けることによって開く、例えばゴム製の薄い蓋体を用いることなどもできる。
さらに、ピストン22などに金属製のものなど、丈夫な素材を用いることができ、このような素材を用いることにより、埃などの外乱に対して強じん性があり、もって安定した性能を保つものとすることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、バックルおよびタングの接続部におけるガス流通路のシールを容易かつ確実に行うことができる。しかも、着脱時の摩擦により耐久性を損なうことがないようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗員保護装置を備える車両のフロントシート部の側面図である。
【図2】本発明に係る乗員保護装置を備える車両のフロントシート部の正面図である。
【図3】本発明に係る乗員保護装置の斜視図である。
【図4】タング装置とバックル装置の接続部分の断面図である。
【図5】タング側ダクトとバックル側ダクトの接続部分の拡大断面図である。
【図6】タング側ダクトとバックル側ダクトの接続部分の分解斜視図である。
【図7】本発明に係る乗員保護装置において、インフレータから発せられるガスをショルダーベルトに供給する際の作用を示す断面図である。
【図8】(a)は本発明の変形例を示す断面図、(b)はさらに別の変形例を示す断面図である。
【図9】(a)は本発明の第2の実施の形態の断面図、(b)はその分解斜視図である。
【図10】(a)は本発明の第3の実施の形態の断面図、(b)はその分解斜視図である。
【符号の説明】
1 シート
2 センターピラー
6 ショルダーベルト
8 タング装置
9 バックル装置
10 シートベース
11 インフレータ
14 バックルハウジング
15 バックル
20 (ガスの)通路
21 係止部材
22 ピストン
23 蓋部材
24 タングハウジング
26 タング
28 (ガスの)通路
29 円筒部材
Claims (3)
- シートに支持したバックル装置に形成されたバックル側ダクトと、ベルトに支持したタング装置に形成されたタング側ダクトとを備え、バックルとタングとを結合することにより、前記バックル側ダクトの出口開口と前記タング側ダクトの入口開口とが接続され、車両の衝突時にインフレータから発せられるガスを、前記バックル側ダクトおよびタング側ダクトを介して、前記ベルトに設けられた膨張可能なバッグに供給することにより、前記ベルトを膨張させる乗員保護装置において、
前記バックル側ダクトの出口開口から突き出し、前記タング側ダクトの入口開口に進入するように移動可能であり、前記インフレータから発せられるガスの流通路が形成されているピストンを前記バックル側ダクトに設けるとともに、
通常時には、前記ピストンに形成されたガスの流通路を閉塞し、車両の衝突時には、前記ピストンに対してタング側ダクト方向に移動してガスの流通路を形成する蓋部材を前記ピストンに設け、
前記蓋部材は前記インフレータからのガスにより前記ピストン内面に対してスライド移動可能であり、
車両の衝突時に前記インフレータから発せられるガスにより、前記ピストンが前記タング側ダクトの入口開口に進入して前記バックル側ダクトの出口開口および前記タング側ダクトの入口開口間のシールを行い、かつ前記インフレータから発せられるガスにより、前記蓋部材が前記ピストンに対してタング側ダクト方向にスライド移動したときに、前記バックル側ダクトと前記タング側ダクトとが連通することを特徴とする乗員保護装置。 - 前記ピストンの内部には、前記蓋部材が配置されるとともに、前記蓋部材を係止する内顎部が設けられ、
前記蓋部材は、前記内顎部よりもタング側に配置され前記ピストンの内周面に密接する上円板と、前記内顎部よりもバックル側に配置され通風孔を有する下円板と、この上円板と下円板を接続するロッドと、を有し、
車両の衝突時に、前記下円板が前記内顎部に係止されることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。 - 前記ピストンの外側面は、タング側に向かうほど縮径するテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置。
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