JP3944345B2 - 工具、変速装置、工作機械および工具管理システム - Google Patents

工具、変速装置、工作機械および工具管理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを加工する工具およびこの工具の管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、マシニングセンタ等の主軸を備えた工作機械では、主軸の最大回転速度は主軸を回転自在に保持するメインベアリングの構造や潤滑方式によって決定されるため、この最大回転速度より増速した回転速度で工具を回転させたい場合には、たとえば、増速装置を用いている。
増速装置としては、たとえば、工具を保持し主軸に着脱可能となっており、主軸の回転力を遊星歯車機構等の歯車機構によって増速して工具の回転速度を増速させるものが知られている。
たとえば、マシニングセンタにおいて、一時的に主軸の最大回転速度よりも工具の回転速度を増速させたい場合には、上記のような増速装置を主軸に対して自動工具交換装置によって通常の工具と同様に装着し、工具を高い回転速度で回転させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような歯車機構による増速装置によって工具を主軸の回転速度よりも増速する場合に、数万回転〜数十万回転の超高速回転させると、増速装置の発熱が増大し、加工精度に影響することがある。また、数万回転〜数十万回転の超高速回転では、増速装置からの騒音も増大する。さらに、増速装置は、たとえば、数万回転〜数十万回転の回転に耐えうる信頼性の高い構造にするため、比較的製造コストが高騰するという不利益も存在した。
また、他の増速方法として、主軸を駆動するモータに高周波モータを使用し、この高周波モータに特別に用意された制御装置から駆動電流を供給し、主軸を高速回転させる方法が採られる場合がある、しかしながら、この方法では、工具交換を通常の工具と同様に行うことが難しく、また、設備コストが比較的高いという不利益が存在する。
【0004】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、工作機械の主軸等の加工器械の動力供給源に着脱自在に装着された工具の加工具を動力供給源とは独立して駆動制御することが可能な工具およびこの工具の管理方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係る工具は、ワークを加工する加工具と、前記加工具を駆動する電動機と、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、前記電動機及び前記発電機を回転不可能に保持するとともに前記装着部を回転可能に保持し、回り止め部材を有するケースと、前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報を生成する処理回路と、前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記処理回路により生成された前記情報を示す無線信号の送信を行う送信回路とを有し、前記処理回路は、マイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、前記マイクロプロセッサの演算に必要なデータを記憶保持するRAMとを有し、前記マイクロプロセッサは、前記電動機の駆動電流の検出情報に基づいて異常の有無を監視し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報として、前記加工具の種類及び前記加工具の寸法を含む工具情報と、前記検出情報に基づく異常の有無を示す監視情報ととを含む情報を生成する。
【0006】
適には、二次電池と、前記発電機が発電した電力の一部を前記二次電池へ充電する充電回路とを更に備え、前記処理回路及び前記送信回路は、前記二次電池から供給される電力によって動作する。
【0007】
本発明の第2の観点に係る工具は、ワークを加工する加工具と、前記加工具を駆動する電動機と、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、前記加工具によるワークの加工に関わる情報を示す無線信号の受信を行う受信回路と、前記受信回路により受信した情報に基づいて前記発電機から前記電動機への電力の供給を制御する処理回路とを有し、前記処理回路は、マイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、前記受信回路により受信した情報に含まれ、前記マイクロプロセッサにより実行され、前記電動機の制御を行うための制御プログラムを記憶保持可能なRAMとを有する。
【0008】
本発明の第3の観点に係る変速装置は、加工具が装着される回転軸と、前記回転軸を駆動する電動機と、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、前記電動機及び前記発電機を回転不可能に保持するとともに前記装着部を回転可能に保持し、回り止め部材を有するケースと、前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報を生成する処理回路と、前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記処理回路により生成された前記情報を示す無線信号の送信を行う送信回路とを有し、前記処理回路は、マイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、前記マイクロプロセッサの演算に必要なデータを記憶保持するRAMとを有し、前記マイクロプロセッサは、前記電動機の駆動電流の検出情報に基づいて異常の有無を監視し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報として、前記加工具の種類及び前記加工具の寸法を含む工具情報と、前記検出情報に基づく異常の有無を示す監視情報ととを含む情報を生成する。
【0009】
本発明の第4の観点に係る変速装置は、加工具が装着される回転軸と、前記回転軸を駆動する電動機と、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、前記加工具によるワークの加工に関わる情報を示す無線信号の受信を行う受信回路と、前記受信回路により受信した情報に基づいて前記発電機から前記電動機への電力の供給を制御する処理回路とを有し、前記処理回路は、マイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、前記受信回路により受信した情報に含まれ、前記マイクロプロセッサにより実行され、前記電動機の制御を行うための制御プログラムを記憶保持可能なRAMとを有する。
【0010】
本発明の第5の観点に関る工作機械は、主軸と、主軸に着脱可能な変速装置とを有し、前記変速装置は、被回転物を駆動する電動機と、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、前記主軸に対して着脱自在に装着され、前記主軸の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、前記電動機及び前記発電機を回転不可能に保持するとともに前記装着部を回転可能に保持し、回り止め部材を有するケースと、前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記被回転物の回転に関わる情報を生成する処理回路と、前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記処理回路により生成された前記情報を示す無線信号の送信を行う送信回路とを有し、前記処理回路は、マイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、前記マイクロプロセッサの演算に必要なデータを記憶保持するRAMとを有し、前記マイクロプロセッサは、前記電動機の駆動電流の検出情報に基づいて異常の有無を監視し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報として、前記加工具の種類及び前記加工具の寸法を含む工具情報と、前記検出情報に基づく異常の有無を示す監視情報ととを含む情報を生成する。
本発明の第6の観点に関る工作機械は、主軸と、主軸に着脱可能な変速装置とを有し、前記変速装置は、被回転物を駆動する電動機と、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、前記主軸に対して着脱自在に装着され、前記主軸の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、前記被回転物の回転に関わる情報を示す無線信号の受信を行う受信回路と、前記受信回路により受信した情報に基づいて前記発電機から前記電動機への電力の供給を制御する処理回路とを有し、前記処理回路は、マイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、前記受信回路により受信した情報に含まれ、前記マイクロプロセッサにより実行され、前記電動機の制御を行うための制御プログラムを記憶保持可能なRAMとを有する。
本発明の第7の観点に係る工具管理システムは、ワークを加工する加工具、前記加工具を駆動する電動機、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機、回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部、前記電動機及び前記発電機を回転不可能に保持するとともに前記装着部を回転可能に保持し、回り止め部材を有するケース、前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報を生成する処理回路、及び、前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記処理回路により生成された前記情報を示す無線信号の送信を行う送信回路を有する工具と、前記工具とは独立に設けられ、前記送信回路から送信された前記情報の受信を行い、かつ、当該情報の管理を行う管理装置とを有し、前記処理回路は、マイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、前記マイクロプロセッサの演算に必要なデータを記憶保持するRAMとを有し、前記マイクロプロセッサは、前記電動機の駆動電流の検出情報に基づいて異常の有無を監視し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報として、前記加工具の種類及び前記加工具の寸法を含む工具情報と、前記検出情報に基づく異常の有無を示す監視情報とを含む情報を生成する。
本発明の第8の観点に係る工具管理システムは、ワークを加工する加工具、前記加工具を駆動する電動機、前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機、回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、前記加工具によるワークの加工に関わる情報を示す無線信号の受信を行う受信回路、及び、前記受信回路により受信した情報に基づいて前記発電機から前記電動機への電力の供給を制御する処理回路を有する工具と、前記工具とは独立に設けられ、前記受信回路への前記情報の送信を行う管理装置とを有し、前記処理回路は、マイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、前記受信回路により受信した情報に含まれ、前記マイクロプロセッサにより実行され、前記電動機の制御を行うための制御プログラムを記憶保持可能なRAMとを 有する。
【0011】
本発明の工具では、発電機を駆動してが発電すると、発電した電力は、電動機に供給され、この電動機によって加工具を駆動するとともに、発電電力の一部は充電回路によって二次電池に充電される。
二次電池は、たとえば、処理回路や送受信回路等の電動機以外の被電力供給部に電力を供給する。したがって、発電機による発電が停止した状態であっても、被電力供給部は動作可能である。また、二次電池に充電しておけば、工作機械の主軸等の動力供給源に工具を装着した時点から被電力供給部を動作させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用される工作機械の一例としてのマシニングセンタの構成図である。
図1においてマシニングセンタ1は、門型のコラム38の各軸によって両端部を移動可能に支持されたクロスレール37を備えており、このクロスレール37上を移動可能に支持されたサドル44を介してラム45が鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。
【0013】
サドル44には、水平方向にクロスレール37内を通じて図示しないねじ部が形成されており、このねじ部に送りねじ軸41が螺合している。
送りねじ軸41の一端部には、サーボモータ19が接続されており、送りねじ軸41はサーボモータ19によって回転駆動される。
送りねじ軸41の回転駆動によって、サドル44はY軸方向に移動可能となり、これによってラム45のY軸方向の移動および位置決めが行われる。
【0014】
さらに、サドル44には、鉛直方向に方向に図示しないねじ部が形成されており、このねじ部に送りねじ軸42がねじ込まれている。送りねじ軸42の端部には、サーボモータ20が接続されている。
サーボモータ20によって送りねじ軸42が回転駆動され、これによりサドル44に移動可能に設けられたラム45のZ軸方向の移動および位置決めが行われる。
【0015】
ラム45内には、主軸モータ31が内蔵され、この主軸モータ31はラム45に回転自在に保持された主軸46を回転駆動する。
主軸46の先端には、エンドミルなどの工具Tが装着され主軸46の回転によって工具Tが駆動される。
ラム45の下方には、テーブル35がX軸方向に移動可能に設けられている。テーブル35には、図示しないねじ部が形成されており、これにX軸方向に沿って設けられた図示しない送りねじ軸が螺合しており、この図示しない送りねじ軸にサーボモータ18が接続されている。
テーブル35は、サーボモータ18の回転駆動によってX軸方向の移動および位置決めが行われる。
【0016】
また、2本の門型コラム38には、図示しないねじ部がそれぞれ形成されており、これに螺合する送りねじ軸32aをクロスレール昇降用モータ32によって回転駆動することによりクロスレール37は昇降する。
【0017】
自動工具交換装置(ATC)39は、主軸46に対して各種工具Tを自動交換する。
この自動工具交換装置39は、たとえば、図示しないマガジンに工具ホルダによって保持された各種工具Tを収納しており、主軸46に装着された工具Tを図示しない工具交換アームによってマガジンに収納し、必要な工具Tを主軸46に工具交換アームによって装着する。
【0018】
NC装置51は、上記のサーボモータ18,19,20、クロスレール昇降用モータ32および主軸モータ31の駆動制御を行う。
NC装置51は、具体的には、予めNCプログラムで規定されたワークの加工手順にしたがって、サーボモータ18,19,20による工具Tとワークとの間の位置および速度制御を行う。また、NC装置51は、NCプログラムにおいて、たとえば、Sコードで規定された主軸31の回転速度を解読することにより主軸46の回転速度の制御を行う。
さらに、NC装置51は、NCプログラムにおいて、たとえば、Mコードで規定れた工具Tの交換を動作を解読することにより、各種工具Tの自動交換を実行する。
【0019】
図2は、本発明の工具の一実施形態の構成を示す断面図である。
図2において、工具61は、装着部62と、ケース部材66,67および68からなるケース65と、発電機70と、電動機80と、刃具100と、二次電池110とを備えている。
ここで、装着部62は本発明の装着部の実施態様であり、発電機70は本発明の発電機の実施態様であり、電動機80は本発明の電動機の実施態様であり、刃具100は本発明の加工具の実施態様であり、二次電池110は本発明の二次電池の実施態様である。また、工具61が装着される上記の主軸46が本発明の動力供給源の実施態様である。
【0020】
装着部62は、把持される把持部62aと、上記の主軸46の先端部に形成されたテーパスリーブ46aに装着されるテーパシャンク部62bと、このテーパシャンク部62bの先端部に形成されたクランプ部62cと、ケース部材66に回転自在に保持される軸部62dとを備えている。
【0021】
この装着部62の把持部62aは、上記した自動工具交換装置39の工具交換アームによって、自動工具交換装置39のマガジンから主軸46に装着される際および主軸46から自動工具交換装置39のマガジンへ搬送される際に把持される。
【0022】
装着部62のテーパシャンク部62bは、主軸46のテーパスリーブ46aに装着されることによって、中心軸が主軸46の中心軸と同心になる。
【0023】
装着部62のクランプ部62cは、装着部62が主軸46のテーパスリーブ46aに装着されると、主軸46に内蔵された図示しないクランプ機構によってクランプされる。なお、主軸46に内蔵されたクランプ機構は周知技術であるので詳細については省略する。
【0024】
装着部62の軸部62dは、ケース部材66の内周に複数の転がり軸受72を介して回転自在に保持されている。
【0025】
ケース部材67の内周には、保持部材73を介して発電機70および電動機80が保持されている。
ケース部材67の外周には、後述する送受信回路140に接続されたアンテナ141が設けられている。
発電機70は、入力軸71が装着部62の軸部62dと同心に連結されており、この発電機70には主軸46の回転力が装着部62を介して入力される。
発電機70には、たとえば、三相同期発電機を用いることができる。
【0026】
電動機80は、図示しない導電ケーブルによって、発電機70で発電された電力が供給される。この電動機80は、発電機70から供給される電力によって駆動する。
電動機80の出力軸81は、カップリング87によって回転軸90に連結されている。
電動機80には、たとえば、三相誘導電動機を用いることができる。
【0027】
回転軸90は、ケース部材68の内周に複数の転がり軸受92を介して回転自在に保持されている。
回転軸90の先端側は、ケース部材68に抜け止め部材94によって抜け止めされている。
また、回転軸90の先端部には、上記した工具が装着される工具装着部95が設けられている。
【0028】
刃具100は、工具装着部95に保持されており、この刃具100はワークを加工する。
刃具100は、具体的には、ドリル、エンドミル等の各種の刃具である。
【0029】
ケース部材66、67および68は、たとえば、ボルト等の締結手段によって連結されており、これらケース部材66、67および68がケース65を構成している。
ケース部材66の外周には、回り止め部材85が設けられている。
この回り止め部材85は、装着部62が主軸46のテーパスリーブ46aに装着されることにより、主軸46側の、たとえば、ラム45等の非回転部47に形成された嵌合穴47aに先端85aが挿入される。
これにより、ケース部材66、すなわち、ケース65は、主軸46が回転しても回転が規制される。
【0030】
二次電池110は、ケース部材67の内側に固定されている。この二次電池110は、発電機70の発電した電力の一部を充電する。二次電池110には、たとえば、ニッケルカドミウム二次電池を用いることができる。この他にも、ニッケル水素系、リチウム系の二次電池や、小型の鉛蓄電池を使用することができる。
【0031】
図3は、上記の工具61の電気系の構成と、この工具61を使用した工具管理システムの構成を示す図である。
図3において、工具61は上記した発電機70、電動機80および二次電池110を備えるとともに、充電回路120と、処理回路150と、送受信回路140とを備える。
また、本実施形態に係る工具管理システムは、工具61とパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)400とから構成される。
【0032】
充電回路120は、発電機70の発電した電力の一部を二次電池110に充電する。この充電回路120は、発電機70の発電した交流電圧を整流する整流回路と、この整流回路の出力電圧に含まれるリプルを平滑化し二次電池110に対して適切な電圧に変換する平滑回路等から構成される。
二次電池110は、充電回路120によって充電された電力を処理回路150および送信回路140からなる被電力供給部160に電力を供給する。
【0033】
処理回路150は、二次電池110から供給される電力によって動作し、刃具100によるワークの加工に関わる情報を処理する。
ここで、刃具100によるワークの加工に関わる情報には、たとえば、工具を識別するための予めフォーマットの定まった工具情報や、刃具100による加工中の発電機70や電動機80の監視情報等が含まれる。
工具情報は、たとえば、ドリル、エンドミル等の工具の種類、その工具の直径や長さ等の寸法、補正番号等の情報である。
監視情報は、発電機70や電動機80に、たとえば、断線やショートが発生していないか、あるいは、過負荷が掛かっていないか等の情報である。
処理回路150は、上記の予めフォーマットの定まった工具情報をまず生成する。また、処理回路150は、たとえば、発電機70の発生電流70sや電動機80の駆動電流80sを検出し、これら検出情報に基づいて、発電機70や電動機80に異常がないかを監視し、この監視情報も予めフォーマットの定まった工具情報に付加し、送受信回路140に送る。
【0034】
送受信回路140は、処理回路150からのデータを無線信号としてアンテナ141から、パソコン400に送信する。
【0035】
上記の充電回路120、処理回路150および送受信回路140は、工具61のケース65に内蔵することができる。なお、充電回路120、処理回路150および送受信回路140をボックスに収容し、これをケース65の外部に外付けすることも可能である。また、ケース65に凹凸を形成して、これら充電回路120、処理回路150および送受信回路140を収容する構成としてもよい。
【0036】
パソコン400は、アンテナ401を備えており、アンテナ141からのデータを受信する。パソコン400は、受信したデータから工具61の監視および管理を行うためのユーティリティプログラムを内蔵している。なお、パソコン400は本発明の管理装置の実施態様である。
また、パソコン400は、図1に示すように、NC装置51と接続されており、工具61に故障等の異常が発生した場合等には、NC装置51にこの異常情報を送信する。
【0037】
ここで、上記構成の工具61の動作の一例について説明する。
自動工具交換装置39によって、工具装着部95に刃具100を保持した工具61をマシニングセンタ1の主軸46に装着すると、工具61は、回り止め部材85の先端部85aが非回転部47の嵌合穴47aに嵌合挿入され、ケース65の回転が規制される。
【0038】
この状態から、主軸46を回転速度N0 で回転させると、工具61の装着部62が回転し、主軸46の回転力が発電機70に伝達される。
発電機70に、たとえば、三相同期発電機を用いると、三相交流電力が発電される。
この三相交流電力の一部は、充電回路120により二次電池110に充電される。
【0039】
三相同期発電機の発生する三相交流電力の周波数fは、三相同期発電機の極数をP1 とし、主軸46の回転速度をN0 〔rpm〕とすると、次式(1)によって表される。
【0040】
【数1】
f=P1 ×N0 /120〔Hz〕 …(1)
【0041】
したがって、主軸46を回転速度N0 で回転させると、上記(1)式で表される周波数fの三相交流電力が電動機80に供給される。
【0042】
ここで、電動機80に三相誘導電動機を用いたとすると、この三相誘導電動機の極数がP2 とすると、三相誘導電動機は3相交流の1サイクルで2/P2 回転することから、すべりがないときの三相誘導電動機の同期速度N1 は、次式(2)で表される。
【0043】
【数2】
1 =120×f/P2 〔rpm〕 …(2)
【0044】
したがって、主軸46の回転速度N0 に対する工具の回転速度N1 は次式(3)によって表される。
【0045】
【数3】
1 =N0 ×P1 /P2 〔rpm〕 …(3)
【0046】
(3)式からわかるように、主軸46の回転速度N0 は、上記(3)式で表される回転速度N1 に変速される。
(3)式で示すように、三相同期発電機の極数P1 と三相誘導電動機の極数P2 との比を適宜設定することにより、主軸46の回転速度N0 に対する工具の回転速度N1 の変速比を任意に設定することが分かる。
すなわち、主軸46の回転速度N0 を増速したい場合には、極数比P1 /P2を1より大きくし、減速したい場合には、極数比P1 /P2 を1より小さくなるように、三相同期発電機の極数P1 および三相誘導電動機の極数P2 を予め選択すればよい。
【0047】
たとえば、上記のマシニングセンタ1の主軸46の最大回転速度Nmax が3000rpmであるとすると、通常の工具を用いたワークの加工では、主軸46の回転速度は上記の最大回転速度Nmax の範囲で十分である場合が多い。
一方、主軸46の最大回転速度Nmax が3000rpmのマシニングセンタ1を使用し、たとえば、ワークにアルミニウム合金材を用いてこれを高速加工したい場合には、工具の回転速度を、たとえば、30000rpmに増速させたいような場合がある。
このような場合のために、マシニングセンタ1の自動工具交換装置39のマガジンに工具61を予め収容しておく。なお、工具61は、増速比が10となるように、上記の極数比P1 /P2 が10である三相同期発電機および三相誘導電動機を内蔵させる。
【0048】
自動工具交換装置39によって、主軸46に通常の工具と同様に工具61を自動装着する。
主軸46を主軸モータ31を駆動して回転させるが、工具61に保持された工具の回転速度は、主軸46の回転速度によって制御する。すなわち、NC装置51にダウンロードするNCプログラムにおいて、主軸46の回転速度をSコードで指定することにより、工具61の刃具100の回転速度を規定しておく。
たとえば、工具61の刃具100を30000rpmで回転させたい場合には、NCプログラムにおいてSコードで主軸46の回転速度を3000rpmに指定しておく。
【0049】
主軸46を3000rpmで回転させると、発電機70は主軸46の回転速度および極数P1 に応じた周波数の三相交流を発生する。
電動機80は、発電機70から供給される三相交流によって駆動され、工具61の刃具100は、略30000rpmの回転速度で回転する。
これにより、主軸の最大回転速度Nmax が制限されるマシニングセンタ1を使用し、ワークにアルミニウム合金材を用いても、高速加工が可能となる。
【0050】
一方、処理回路150および送受信回路140は、二次電池110が充電されることにより動作可能となる。
処理回路150は、動作可能な状態になると、予めフォーマットの定まった工具情報を生成し、この工具情報を送受信回路140に送信する。
送受信回路140は、予めフォーマットの定まった工具情報をパソコン400に送信する。
【0051】
刃具100によるワークの加工中に発電機70や電動機80に異常が発生した場合には、工具情報に加えて、異常情報がパソコン400に送信される。
また、処理回路150および送受信回路140は、二次電池110が充電されていれば、主軸46の回転が停止したのちであっても、工具情報や異常情報等の各種のデータのパソコン400への送信が可能である。
【0052】
パソコン400は、たとえば、送受信回路140から異常情報を取得した場合には、NC装置51にこの異常情報を送信する。NC装置51では、異常情報が送られてくると、マシニングセンタ1の主軸46から工具61を取り外すように自動工具交換装置39を制御する。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、通常の工具と同様にユニット化された工具61に発電機70および電動機80を内蔵し、発電機70で発生した電力で電動機80を駆動することで、主軸46に対する工具の回転速度を増速させるため、主軸46を高速回転させても歯車装置のように発熱が増大せず、加工精度の低下が抑制される。
【0054】
さらに、本実施形態によれば、ユニット化された工具61に二次電池110を内蔵し、この二次電池110に蓄えられた電力を電動機80以外の被電力供給部160に使用できるため、工具61に内蔵または付加された各種の回路を主軸46の回転によらず動作させることが可能であり、主軸46の停止中にも、データの送受が可能となる。
【0055】
さらに、本実施形態によれば、パソコン400によって、工具61からの情報を収集することにより、工具61の工具情報、異常情報を含めた総合的な管理が可能となる。
【0056】
第2の実施形態
図4は、本発明の第2の実施形態に係る工具の電気系の構成および工具管理システムの構成を示す図である。
なお、本実施形態に係る工具の機械的構造については、上述した第1の実施形態と同様とする。
上述した第1の実施形態では、工具61の刃具100の回転速度を主軸46の回転速度、すなわち、発電機70の入力回転速度で制御される構成としたが、本実施形態では、発電機70の入力回転速度に関わらず刃具100を独立に駆動制御可能な構成について説明する。
さらに、上述した第1の実施形態では、パソコン400は工具61からデータを受信するのみであったが、本実施形態では、パソコン400と工具との間でデータを互いに送受信可能な構成について説明する。
【0057】
図4に示すように、本実施形態に係る工具は、交流発電機からなる発電機70および電動機80を備えるとともに、整流回路200と、電力逆変換回路210と、充電回路120と、被電力供給部160とを備える。
また、整流回路200、電力逆変換回路210、充電回路120および被電力供給部160は、上記ケース65に内蔵されている。なお、これら整流回路200、電力逆変換回路210、充電回路120および被電力供給部160のうちいずれかまたはすべてを箱に収容し、この箱をケース65の外部の非回転部分に取り付けてもよい。また、ケース65に凹凸を形成して、これら整流回路200、電力逆変換回路210、充電回路120および被電力供給部160を収容する構成としてもよい。
【0058】
整流回路200は、発電機70で発電された交流電流を直流電流に整流して電力逆変換回路210に供給する。
【0059】
電力逆変換回路210は、整流回路200から供給された直流電流を電動機80を駆動するのに必要な交流電流に変換するインバータであり、たとえば、PWMインバータで構成される。
【0060】
充電回路120は、発電機70の発電した電力の一部を二次電池110に充電する。この充電回路120は、発電機70の発電した交流電圧を整流する整流回路と、この整流回路の出力電圧に含まれるリプルを平滑化し二次電池110に対して適切な電圧に変換する平滑回路等から構成される。
二次電池110は、充電回路120によって充電された電力を被電力供給部160に電力を供給する。
【0061】
被電力供給部160は、処理回路部304と、送受信回路140とから構成され、二次電池110から供給される電力によって動作する。
送受信回路140は、刃具100によるワークの加工に関わる情報を示す無線信号をパソコン400との間で送受信する。
【0062】
処理回路部304は、刃具100によるワークの加工に関わる情報を処理する場所であって、マイクロプロセッサ305と、ROM(Read Only Memory)306と、RAM(Random Access Memory)307と、カウンタ回路308と、A/D変換回路310と、D/A変換回路309とを備えている。
【0063】
ROM306は、電動機80の駆動制御、たとえば、ベクトル制御による電動機80の可変速制御をするための制御用プログラムを記憶保持している。また、ROM306は、予め定められたフォーマットの工具情報を生成したり、工具の異常を監視したりするためのプログラムや、各種データを送受信回路140との間で送受するためのプログラム等を記憶保持している。
RAM307は、マイクロプロセッサ305の演算に必要なデータや、送受信回路140から送信されたデータ等を記憶保持する。
【0064】
マイクロプロセッサ305は、ROM306に記憶されたプログラムを実行し、たとえば、各種演算を行ってD/A変換回路309を介して電力逆変換回路303に制御信号304sを出力したり、送受信回路140にデータを送信したり、送受信回路140からデータを受信する等の処理を行う。なお、制御信号304sは、たとえば、PWM制御信号である。
【0065】
A/D変換回路310は、電流検出器312で検出された電力逆変換回路210から電動機80に供給される電流値をディジタル信号に変化してマイクロプロセッサ305に出力する。
【0066】
電動機80には、回転位置検出器311が設けられており。この回転位置検出器311には、たとえば、光学式ロータリエンコーダやレゾルバが使用される。。
カウンタ回路308は、回転位置検出器311の検出した電動機80の回転量に応じたパルス信号をカウントしてマイクロプロセッサ305に出力する。
【0067】
工具61が主軸46に装着され、主軸46が回転すると、二次電池110には電力が充電回路120から充電される。これにより、被電力供給部160は二次電池110から供給される電力によって動作可能となる。
処理回路部304には、電動機80の回転量および駆動電流がフィードバックされるため、処理回路部304のROM306に予め所要の制御プログラムを用意しておくことにより、電動機80の各種の駆動制御が可能となる。
また、この制御プログラムは、パソコン400から工具61に向けて送信し、これを送受信回路140で受信してRAM307に記憶することも可能である。
【0068】
処理回路部304のマイクロプロセッサ305は、予め定められたフォーマットの工具情報を生成し、送受信回路140を通じてパソコン400にこの工具情報を送信する。パソコン400では、この工具情報を管理する。
また、マイクロプロセッサ305には、電動機80の回転位置情報や駆動電流情報がフィードバックバックされるため、これらの情報を上記の工具情報とともに、逐次パソコン400に送信することも可能である。
パソコン400では、工具500の回転数、トルク等をモニターすることができ、たとえば、これらのモニターした各種のデータから工具の折損等をリアルタイムに検出することが可能となる。また、工具500の使用時間も容易に管理可能となる。
【0069】
さらに、処理回路部304のマイクロプロセッサ305は、交流発電機70や電動機80の状態を監視することにより、異常が発生した場合にはこの異常情報をパソコン400に送信する。パソコン400は、異常情報を取得した場合には、NC装置51にこの異常情報を送信する。NC装置51では、異常情報が送られてくると、マシニングセンタ1の主軸46から工具500を取り外すように自動工具交換装置39を制御する。
【0070】
以上のように、本実施形態によれば、工具61を駆動制御するプログラムを処理回路部304に設けることにより、主軸46と独立に工具61を駆動制御することが可能となる。
また、パソコン400からプログラムを工具61に送り、工具61から単なる工具情報だけでなく加工中の各種の状態情報をパソコン400に送ることにより、工具61を緻密にかつ高度に管理することが可能となる。
【0071】
上述した実施形態では、回り止め部材85をケース65に設けることによって、装着部62が主軸46に装着され、かつ、発電機70に回転力を伝達する構成としたが、回り止め部材85を設けずに工具61を主軸側に装着する装着部と、発電機70に回転力を伝達する伝達部とをそれぞれ工具61に別個に設ける構成とすることも可能である。
また、上述した実施形態では、加工具として刃具100を挙げたが、他の加工具を適用することも可能である。
上述した各実施形態では、本発明の工具を工作機械の主軸に適用する場合について説明したが、主軸に限らず発電機に動力を供給する動力供給源であれば適用可能である。
さらに、発電機の動力供給源として主軸に限らず、水圧、空圧、油圧、クーラント等の工作器械に備わっている動力供給源を用いて発電する構成としてもよい。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、工作機械の主軸等の加工器械の動力供給源に着脱自在に装着された工具の加工具を動力供給源とは独立して駆動制御が可能となる。加えて、非接触で工具に関する情報を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される工作機械の一例としてのマシニングセンタの構成図である。
【図2】本発明の工具の一実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る工具の電気系の構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る工具の電気系の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…マシニングセンタ
31…主軸モータ
39…自動工具交換装置
46…主軸
51…NC装置
61…工具
62…装着部
65…ケース
66,67,68…ケース部材
70…発電機
71…入力軸
80…電動機
81…出力軸
95…工具装着部
100…刃具
400…パソコン

Claims (9)

  1. ワークを加工する加工具と、
    前記加工具を駆動する電動機と、
    前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
    回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、
    前記電動機及び前記発電機を回転不可能に保持するとともに前記装着部を回転可能に保持し、回り止め部材を有するケースと、
    前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報を生成する処理回路と、
    前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記処理回路により生成された前記情報を示す無線信号の送信を行う送信回路と
    を有し、
    前記処理回路は、
    マイクロプロセッサと、
    前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、
    前記マイクロプロセッサの演算に必要なデータを記憶保持するRAMと
    を有し、
    前記マイクロプロセッサは、
    前記電動機の駆動電流の検出情報に基づいて異常の有無を監視し、
    前記加工具によるワークの加工に関わる情報として、
    前記加工具の種類及び前記加工具の寸法を含む工具情報と、
    前記検出情報に基づく異常の有無を示す監視情報と
    を含む情報を生成する
    工具。
  2. 二次電池と、
    前記発電機が発電した電力の一部を前記二次電池へ充電する充電回路と
    を更に備え、
    前記処理回路及び前記送信回路は、前記二次電池から供給される電力によって動作する
    請求項に記載の工具。
  3. ワークを加工する加工具と、
    前記加工具を駆動する電動機と、
    前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
    回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、
    前記加工具によるワークの加工に関わる情報を示す無線信号の受信を行う受信回路と、
    前記受信回路により受信した情報に基づいて前記発電機から前記電動機への電力の供給を制御する処理回路と
    を有し、
    前記処理回路は、
    マイクロプロセッサと、
    前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、
    前記受信回路により受信した情報に含まれ、前記マイクロプロセッサにより実行され、前記電動機の制御を行うための制御プログラムを記憶保持可能なRAMと
    を有する工具。
  4. 加工具が装着される回転軸と、
    前記回転軸を駆動する電動機と、
    前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
    回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、
    前記電動機及び前記発電機を回転不可能に保持するとともに前記装着部を回転可能に保持し、回り止め部材を有するケースと、
    前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報を生成する処理回路と、
    前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記処理回路により生成された前記情報を示す無線信号の送信を行う送信回路と
    を有し、
    前記処理回路は、
    マイクロプロセッサと、
    前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、
    前記マイクロプロセッサの演算に必要なデータを記憶保持するRAMと
    を有し、
    前記マイクロプロセッサは、
    前記電動機の駆動電流の検出情報に基づいて異常の有無を監視し、
    前記加工具によるワークの加工に関わる情報として、
    前記加工具の種類及び前記加工具の寸法を含む工具情報と、
    前記検出情報に基づく異常の有無を示す監視情報と
    を含む情報を生成する
    変速装置。
  5. 加工具が装着される回転軸と、
    前記回転軸を駆動する電動機と、
    前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
    回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、
    前記加工具によるワークの加工に関わる情報を示す無線信号の受信を行う受信回路と、
    前記受信回路により受信した情報に基づいて前記発電機から前記電動機への電力の供給を制御する処理回路と
    を有し、
    前記処理回路は、
    マイクロプロセッサと、
    前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、
    前記受信回路により受信した情報に含まれ、前記マイクロプロセッサにより実行され、前記電動機の制御を行うための制御プログラムを記憶保持可能なRAMと
    を有する変速装置。
  6. 主軸と、
    主軸に着脱可能な変速装置と
    を有し、
    前記変速装置は、
    被回転物を駆動する電動機と、
    前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
    前記主軸に対して着脱自在に装着され、前記主軸の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、
    前記電動機及び前記発電機を回転不可能に保持するとともに前記装着部を回転可能に保持し、回り止め部材を有するケースと、
    前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記被回転物の回転に関わる情報を生成する処理回路と、
    前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記処理回路により生成された前記情報を示す無線信号の送信を行う送信回路と
    を有し、
    前記処理回路は、
    マイクロプロセッサと、
    前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、
    前記マイクロプロセッサの演算に必要なデータを記憶保持するRAMと
    を有し、
    前記マイクロプロセッサは、
    前記電動機の駆動電流の検出情報に基づいて異常の有無を監視し、
    前記加工具によるワークの加工に関わる情報として、
    前記加工具の種類及び前記加工具の寸法を含む工具情報と、
    前記検出情報に基づく異常の有無を示す監視情報と
    を含む情報を生成する
    を有する工作機械。
  7. 主軸と、
    主軸に着脱可能な変速装置と
    を有し、
    前記変速装置は、
    被回転物を駆動する電動機と、
    前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機と、
    前記主軸に対して着脱自在に装着され、前記主軸の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、
    前記被回転物の回転に関わる情報を示す無線信号の受信を行う受信回路と、
    前記受信回路により受信した情報に基づいて前記発電機から前記電動機への電力の供給を制御する処理回路と
    を有し、
    前記処理回路は、
    マイクロプロセッサと、
    前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、
    前記受信回路により受信した情報に含まれ、前記マイクロプロセッサにより実行され、前記電動機の制御を行うための制御プログラムを記憶保持可能なRAMと
    を有する工作機械。
  8. ワークを加工する加工具、
    前記加工具を駆動する電動機、
    前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機、
    回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部、
    前記電動機及び前記発電機を回転不可能に保持するとともに前記装着部を回転可能に保持し、回り止め部材を有するケース、
    前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記加工具によるワークの加工に関わる情報を生成する処理回路、及び、
    前記ケースに保持され、前記発電機が発電した電力によって動作し、前記処理回路により生成された前記情報を示す無線信号の送信を行う送信回路
    を有する工具と、
    前記工具とは独立に設けられ、前記送信回路から送信された前記情報の受信を行い、かつ、当該情報の管理を行う管理装置と
    を有し、
    前記処理回路は、
    マイクロプロセッサと、
    前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、
    前記マイクロプロセッサの演算に必要なデータを記憶保持するRAMと
    を有し、
    前記マイクロプロセッサは、
    前記電動機の駆動電流の検出情報に基づいて異常の有無を監視し、
    前記加工具によるワークの加工に関わる情報として、
    前記加工具の種類及び前記加工具の寸法を含む工具情報と、
    前記検出情報に基づく異常の有無を示す監視情報と
    を含む情報を生成する
    工具管理システム。
  9. ワークを加工する加工具、
    前記加工具を駆動する電動機、
    前記電動機を駆動させる電力を発生する発電機、
    回転する動力供給源に対して着脱自在に装着され、前記動力供給源の回転を前記発電機に伝達して入力し前記発電機に発電させる装着部と、
    前記加工具によるワークの加工に関わる情報を示す無線信号の受信を行う受信回路、及び、
    前記受信回路により受信した情報に基づいて前記発電機から前記電動機への電力の供給を制御する処理回路
    を有する工具と、
    前記工具とは独立に設けられ、前記受信回路への前記情報の送信を行う管理装置と
    を有し、
    前記処理回路は、
    マイクロプロセッサと、
    前記マイクロプロセッサにより実行されるプログラムを記憶保持するROMと、
    前記受信回路により受信した情報に含まれ、前記マイクロプロセッサにより実行され、前記電動機の制御を行うための制御プログラムを記憶保持可能なRAMと
    を有する工具管理システム。
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