JP3940159B2 - ヘッダ圧縮のための効率的ハンド・オフ処理手順 - Google Patents

ヘッダ圧縮のための効率的ハンド・オフ処理手順 Download PDF

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Description

本発明は複数のネットワーク・エンティティと移動端末装置間でのヘッダの圧縮/解凍機能に関する。
[関連出願の相互参照]
本願は、“ヘッダ圧縮ための効率的ハンド・オフ処理手順”という表題の米国仮出願番号60/164,329の出願日(1999年11月9日出願)の利益を享受するものである。“データ・パケット内でのヘッダ・フィールドの圧縮技法”(上記出願と同一日付)という表題の米国特許出願番号09/522,363への参照も行われる。該特許はその全体が本明細書に参考文献として取り入れられている。
リアルタイム・トランスポート・プロトコルの導入以来、IPベースのネットワークを介する実時間のマルチメディア・トラフィックの搬送が大きな関心の対象になっている。無線ネットワークのような低帯域ネットワークでは望ましくないIP/UDP/RTPヘッダのサイズの大きさに起因して、好適なヘッダ圧縮メカニズムが求められている。すべての公知のRTPヘッダ圧縮技法では、圧縮装置(送信機)と解凍装置(受信機)におけるパケットのヘッダの圧縮と解凍に利用されるコンテキスト情報の格納と、ほぼフル・ヘッダの送信による圧縮/解凍処理の初期化が求められる。ヘッダの圧縮/解凍が無線リンクで利用される場合、アップリンク・トラフィックで送信されたヘッダが、移動端末装置により圧縮され、ネットワーク・エンティティにより解凍される。ダウンリンク・トラフィックでは、ネットワーク・エンティティはヘッダの圧縮を行い、移動端末装置はヘッダの解凍を行う。
圧縮/解凍の正常動作時、圧縮用コンテキスト情報によって圧縮されたヘッダの解凍に解凍用コンテキスト情報が利用される場合、元の未圧縮ヘッダが再構成されるという意味で、解凍用コンテキスト情報は圧縮用コンテキスト情報と同期している。到来ヘッダなどに基づいて、圧縮装置と解凍装置により圧縮用コンテキスト情報と解凍用コンテキスト情報の双方をそれぞれ連続して更新することができる。しかし、これら2つのコンテキスト情報は通常同期状態にある。
新しいネットワーク・エンティティへのコンテキスト情報の転送の効率的処理手順が定義されていない場合、移動端末装置が別のネットワーク・エンティティによるサービスを受ける別の無線セルへハンド・オフされると、ヘッダの圧縮/解凍処理は再び再初期化を経て進まなければならない。この再初期化はダウンリンク・トラフィックとアップリンク・トラフィックの双方でフル・ヘッダの送信を必要とする。フル・ヘッダを用いるこのような再初期化は、進行中の通信を破壊し、かつ、エア・インターフェースを介して帯域を費消する。圧縮及び解凍用コンテキスト情報の転送は1つの挑戦である。なぜなら、圧縮/解凍処理は、ハンド・オフ処理に関連して非同期であると同時にハンド・オフ処理から独立しているからである。というのは、前者の圧縮はパケットのフローにより動かされるのに対して、後者の解凍は無線状態により動かされるからである。このため、新しいネットワーク・エンティティが転送されたコンテキスト情報を使用するときまでに、この情報は移動端末装置におけるコンテキストとはすでに同期していていない可能性がある。
図1は、無線ハンド・オフと関連する圧縮及び解凍用コンテキスト情報の転送に関わる従来技術の問題点を例示したものである。ノン・ゼロ・ハンド・オフ準備時間(ST1〜ST2)が存在し、その時間中、古いネットワーク・エンティティによって圧縮及び解凍用コンテキスト情報の更新を行うことが可能であり、この更新により、圧縮及び解凍用コンテキスト情報の転送値は古くなったものにされる。その結果、無線ハンド・オフ後の圧縮と解凍が不正確なものになる。さらに、移動端末装置(MS)が情報交換に関与する場合もあるが、エア・インターフェースを介する情報の転送は最小限に抑える必要がある。
RFC2508では、各パケット内に短いシーケンス番号が含まれ、エラーやパケット紛失の検出が行われるようになっている。解凍装置が、前回の番号から連続しないシーケンス番号を持つヘッダを受信すると、パケット紛失が検出され、或る回復方式が採用されて、圧縮装置と解凍装置の再同期化が行われる。
長い紛失が頻繁に生じる可能性がある無線ネットワークの場合のようなエラーを受け易いネットワークにとって、パケットの紛失を検出するための短いシーケンス番号の使用はロバストではない。長い紛失は、‘シーケンス・サイクル’の紛失すなわち連続する多くのパケットの紛失として定義される。
長い紛失が生じると、解凍装置によって受信されたパケット内のシーケンス番号がラップ・アラウンドを起こす。例えば、シーケンス番号がkビットから成ると仮定すると、シーケンス番号・サイクルは2kパケットに等しくなる。2kのパケットが連続して紛失した場合、連続するシーケンス番号がまだ着信パケットの中で利用できるため、解凍装置はパケットの紛失を検出することはできない。
例えばRFC2508で、S. Casner, V. Jacobsonの“低速直列リンク用IP/UDP/RTPヘッダ圧縮”(インターネット技術タスク・フォース(IETP)、1999年2月)RFC2508(この文献はその全体が本明細書に参考文献として取り入れられている)に記載されているようなIP/UDP/RTPヘッダ圧縮方式は、ヘッダの中で運ばれるある一定の情報フィールドが、1.)変化しない(‘タイプ1’ヘッダ・フィールド)、あるいは、2.)かなり予測可能な方法で変化する(‘タイプ2’ヘッダ・フィールド)という事実を利用するものである。‘タイプ3’ヘッダ・フィールドと呼ばれる別のフィールドは変化するので、すべてのパケットで或る形式で送信を行う必要がある(すなわちこれらの情報フィールドは圧縮可能ではない)。
タイプ1ヘッダ・フィールドの例としてIPアドレス、UDPポート番号、RTP SSRC(同期ソース)などがある。これらのフィールドは、(例えばセッション設定時に転送されるパケットの1部として)受信装置/解凍装置へ1回送信するだけで十分である。タイプ1フィールドは‘不変’フィールドとも呼ばれる。
タイプ2ヘッダ・フィールドの例としてはRTPタイム・スタンプ、RTPシーケンス番号、IP IDフィールドがある。すべては、パケット(n)からパケット(n+1)へある一定量だけ増分する傾向がある。したがって、すべてのヘッダでこれらの値を送信する必要はない。上記増分する振舞いを示す各フィールドと関連する一定の増分値(以後第1オーダーの差分(FOD)と呼ぶ)は受信装置/解凍装置に認知させる必要があるにすぎない。受信装置/解凍装置は、元のヘッダの再構成を行うとき、これらのFODを利用してアップ・ツー・デイトなタイプ2フィールド値の再生を行う。タイプ2フィールドは‘変化する’フィールドである。
タイプ2フィールドは時折ある不規則な方法で変化することを強調しておくべきである。このようなイベントの周波数は、(音声やビデオなどの)送信メディアのタイプや、実際のメディア・ソース(例えば音声の場合、上記振舞いは話し手によって変動する可能性がある)や、同じIPアドレスを同時に共用する接続チャネル数を含むいくつかの要因に左右される。
タイプ3ヘッダ・フィールドの一例としてRTP Mビット(マーカー)があり、これはメディア内での或る境界(ビデオ・フレームの端部など)の発生を示す。メディアは予想できない方法で通常変化するため、この情報はまったく予測不能である。タイプ3フィールドは‘変化する’フィールドである。
解凍装置は、ヘッダの再構成に関連するすべての関連情報を含む解凍用コンテキスト情報を保持する。この情報は主としてタイプ1フィールド、FOD値及びその他の情報である。パケットが紛失したり、破損したりすると、解凍装置は圧縮装置との同期を失う可能性があり、そのためそれ以上パケットの正しい再構成を行うことができなくなる。圧縮装置と解凍装置との間で送信中パケットが脱落したり、破損したりしたとき同期が失われることもある。
上記の現象が生じたとき、圧縮装置はセッションのコース中3つの異なるタイプのヘッダを送信する必要がある:
フル・ヘッダ(FH):すべてのヘッダ・フィールド(タイプ1,2,3)の完全なセットを含む。このタイプのヘッダはそのサイズの大きさ(例えばIPv4の場合40バイトなど)に起因して送信に最も不適なものである。一般に、(受信機でタイプ1データを設定するために)セッション開始時にのみFHパケットの送信を行うことが望ましい。追加FHパケットの送信は圧縮アルゴリズムの効率に悪い影響を与える。圧縮装置は、FHパケットを送信したとき‘FH状態’にあると言われる。
第1オーダー(FO):最低限のヘッダ情報(タイプ3フィールド)と、圧縮装置/解凍装置専用制御フィールド(使用中の圧縮アルゴリズム専用)と、その時点でのFODフィールドの変化を記述する情報が含まれる。FOパケットは基本的にはSOパケット(以下説明する)であり、1以上のタイプ2フィールドに対する新しいFOD情報の設定を解凍装置で行う追加情報が伴う。ヘッダ圧縮がVoIP(インターネット・プロトコルを介する音声)ストリームに適用された場合、FOパケットの送信は、音声内の無音間隔後のトーク・スパート(talk spurt)の発生によりトリガーされる場合がある。このようなイベントの結果、RTPタイム・スタンプ値の或る予期せぬ変化が生じ、その時点でのFOD以外の或る値分だけ受信機でRTPタイム・スタンプの更新を行う必要が生じる。FOパケットのサイズは、変化した第1オーダーの差分(および各変化の絶対値の量)を持つタイプ2フィールドの数に依存する。圧縮装置は、FOパケットを送信したとき‘FO状態’にあると言われる。
第2オーダー(SO):SOパケットは最低限のヘッダ情報(タイプ3フィールドなど)と圧縮装置と解凍装置専用の制御フィールドを含む。圧縮装置と解凍装置の望ましい動作モードは、これらのフィールドの最低限のサイズ(わずか2バイトのオーダー)に起因するSOパケットの送受信である。圧縮装置がSOパケットを送信するとき、装置は‘SO状態’にあると言われる。SOパケットは、現時点のヘッダがFODのパターンにぴったり合った場合にだけ送信される。
本発明は、パケットのヘッダの圧縮と解凍に利用される圧縮及び解凍用コンテキスト情報の転送を行い、第1の古いネットワーク・エンティティ(ANI AD)から第2の新しいネットワーク・エンティティ(ANI AD)への、圧縮/解凍機能の切れ目のないリロケーションを可能にする(第1のネットワーク・エンティティ(ANI AD)が停止したところからエンティティは切れ目無く圧縮と解凍を継続する)ものである。本発明はIP/UDP/RTPヘッダ圧縮に適用可能であるが、これに限定されるものではない。
本発明の第1の実施態様では、リロケーションは無線ハンド・オフと同時に行われる。ダウンリンク・トラフィックの場合、第1のネットワーク・エンティティは移動解凍装置にその解凍用コンテキスト情報を問い合わせる。移動解凍装置はその解凍用コンテキスト情報のスナップ・ショットをとり、第1のネットワーク・エンティティへコンテキスト情報の表現を送信する。第1のネットワーク・エンティティは同期中(in-synchronism)圧縮用コンテキスト情報を導き出し、第2のネットワーク・エンティティへこの情報を送信する。第2のネットワーク・エンティティは、受信したこのコンテキスト情報を第2のネットワーク・エンティティのコンテキスト情報として格納する。第2のネットワーク・エンティティはこの格納された圧縮用コンテキスト情報を利用して、移動解凍装置へ送信された少なくとも1つのパケットのヘッダを圧縮し、移動解凍装置は予め保存された解凍用コンテキスト情報を利用して少なくとも1つのデータ・パケットのヘッダの解凍を行う。アップリンク・トラフィックの場合、第1のネットワーク・エンティティは、その現時点の圧縮用コンテキスト情報のスナップ・ショットをとり、このコンテキスト情報の値あるいはコンテキスト情報の表現を移動圧縮装置へ送信する。移動圧縮装置は、受信情報の中から同期中の圧縮用コンテキスト情報を導き出し、後続の使用のためにこの情報を保存し、第1のネットワーク・エンティティへ肯定応答を返送する。第1のネットワーク・エンティティは上記スナップ・ショット解凍用コンテキスト情報を第2のネットワーク・エンティティへ送信する。移動圧縮装置は、上記保存されたコンテキスト情報を持つ少なくとも1つのパケットの少なくとも1つのヘッダの圧縮を行い、この圧縮された少なくとも1つのパケットの少なくとも1つのヘッダを第2のネットワーク・エンティティへ送信する。第2のネットワーク・エンティティは、受信した少なくとも1つのヘッダの少なくとも1つのパケットを格納された解凍用コンテキスト情報を利用して解凍する。
本発明の第2の実施態様では、コンテキスト情報のリロケーションは無線ハンド・オフ後まで送信が延期される。第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへのコンテキスト情報の転送は無線ハンド・オフ後に行われる。ダウンリンク・トラフィック・モードの場合、パケットのヘッダの圧縮に利用する圧縮用コンテキスト情報は、第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへ転送される。第2のネットワーク・エンティティは受信した圧縮用コンテキスト情報を格納し、その後若干の時間を経て、第2のネットワーク・エンティティによって圧縮された圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットを上記1つの移動解凍装置へ送信する。また、第2のネットワーク・エンティティは、その後若干の時間を経て、第1のネットワーク・エンティティへ圧縮用コンテキスト情報の受信通知を送信し、第1のネットワーク・エンティティは第2のネットワーク・エンティティへの圧縮ヘッダを持つパケットの転送を停止する。アップリンク・トラフィック・モードでは、第1のネットワーク・エンティティにより格納された解凍用コンテキスト情報は第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへ送信される。次いで、第2のネットワーク・エンティティは、移動圧縮装置から受信したパケットのヘッダの解凍に利用する解凍用コンテキスト情報として受信した解凍用コンテキスト情報を格納する。少なくとも1つのパケット(移動圧縮装置から送信された圧縮されたヘッダを持つ第1の受信パケットである必要はない)の受信に応答する第1のネットワーク・エンティティは、第1のネットワーク・エンティティが圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットを受信した旨のフィードバック情報を第2のネットワーク・エンティティへ、次いで、移動圧縮装置へ送信する。さらに、このフィードバック情報に基づいて、第2のネットワーク・エンティティは上記格納された解凍用コンテキスト情報の更新を行う。上記解凍用コンテキスト情報の格納に応じて、上記第2のネットワーク・エンティティは上記移動圧縮装置から受信したパケット内の少なくとも1つの圧縮ヘッダの解凍も行い、解凍された少なくとも1つのヘッダを上記第1のネットワーク・エンティティへ送信する。
本発明の第1の実施態様では、リロケーションは無線ハンド・オフと同時に行われる。第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへのコンテキスト情報の転送は無線ハンド・オフ前及び/又は無線ハンド・オフ中に行われる。ダウンリンク・トラフィックの場合、第1のネットワーク・エンティティは、リロケーション時に使用する圧縮用コンテキスト情報のスナップ・ショットを撮る。第1のネットワークは、このスナップ・ショット圧縮用コンテキスト情報を第2のネットワーク・エンティティへ送信する。第2のネットワーク・エンティティは、このエンティティから上記1つの移動端末装置へ送信されたパケットのヘッダ圧縮に利用する圧縮用コンテキスト情報として、この受信された圧縮用コンテキスト情報を格納する。第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへの圧縮用コンテキスト情報の送信には、圧縮されたヘッダ情報と共に第2のネットワーク・エンティティによって移動解凍装置へ送信される圧縮用コンテキストの識別子が含まれてもよい。次いで、格納されたコンテキスト情報を利用して圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つの受信パケットの解凍に利用する解凍用コンテキスト情報を決定するために、上記1つの移動解凍装置は上記識別子を利用する。アップリンク・トラフィックの場合、第1のネットワーク・エンティティは、上記1つの移動圧縮装置から第2のネットワーク・エンティティへ送信された圧縮ヘッダを持つパケットを解凍するために第2のネットワーク・エンティティが利用する解凍用コンテキスト情報を選択する。この選択された解凍用コンテキスト情報は第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへ送信され、この第2のネットワーク・エンティティによって上記解凍用コンテキスト情報が格納され上記1つの移動端末装置から受信したパケットのヘッダの解凍が行われる。ハンドオフ・コマンドが第1のネットワーク・エンティティから上記移動圧縮装置へ送信されるが、このハンドオフ・コマンドは解凍用コンテキスト識別子を持つものであってもよい。上記1つの移動圧縮装置からの圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットが第2のネットワーク・エンティティへ送信され、第2のネットワーク・エンティティは上記格納された解凍用コンテキスト情報を利用して、移動圧縮装置から受信した圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つの受信パケットの解凍を行う。
本発明は、関連する圧縮または解凍用コンテキスト情報を取得し、新しい第2のネットワーク・エンティティへこの情報を送信する古い第1のネットワーク・エンティティをベースとするものである。移動圧縮装置と移動解凍装置の範囲内で圧縮用コンテキスト情報の転送を行う必要はない。リロケーションが無線ハンド・オフと同時に行われるこれらの実施態様では、移動圧縮装置または移動解凍装置に対してハンド・オフが通知される(該装置が第2のネットワーク・エンティティとの交信を開始したとき)。
ダウンリンク・トラフィックについての第1の実施態様では、第1のネットワーク・エンティティは、解凍用コンテキスト情報のスナップ・ショットから得た圧縮用コンテキスト情報を第2のネットワーク・エンティティへ送信する。上記スナップ・ショット時に、スナップ・ショットで撮られた移動解凍装置における解凍用コンテキスト情報は、通常圧縮用コンテキスト情報と同期している。しかし、第2のネットワーク・エンティティがその圧縮用コンテキスト情報を利用し始めるまでには、移動機におけるスナップ・ショットの解凍用コンテキストがもはやスナップ・ショットの圧縮用コンテキスト情報と同期してない可能性がある。というのは、圧縮用コンテキストがその間に展開している可能性があるからである。したがって、スナップ・ショット時に、ネットワーク・エンティティは移動解凍装置とのハンドシェイクを行って、移動解凍装置が圧縮用コンテキスト情報と同期している上記解凍用コンテキスト情報の格納を保証することも可能である。ハンド・オフの直後に、上記第2のエンティティは第1のネットワーク・エンティティから受信した圧縮用コンテキスト情報を利用し、移動解凍装置はスナップ・ショット解凍用コンテキスト情報を利用する。
アップリンク・トラフィックの場合、第1のネットワーク・エンティティは、現時点での解凍用コンテキスト情報のスナップ・ショットをとり、移動圧縮装置へそのコンテキスト識別子を送信する。移動圧縮装置は、対応する同期中の圧縮用コンテキスト情報を導き出し、この情報を格納し、次いで、肯定応答を返送する。
第1のネットワーク・エンティティは第2のネットワーク・エンティティへ上記スナップ・ショット解凍用コンテキスト情報を送る。ハンド・オフの直後に、上記第2のネットワーク・エンティティは第1のネットワーク・エンティティから受信した解凍用コンテキスト情報を利用し、上記移動圧縮装置は格納された圧縮用コンテキスト情報を利用する。
上記アプローチのすべての利点として、最適の圧縮/解凍オペレーションを行うために、圧縮装置と解凍装置が無線ハンド・オフの前後に該装置のコンテキスト情報の更新を行うことが可能になるという利点が挙げられる。そうであったとしても、スナップ・ショットが撮られたこれらのコンテキストは、スナップ・ショットの圧縮及び解凍用コンテキスト情報が同期しているため後程で使用することも可能である。
移動圧縮装置と移動解凍装置によるコンテキスト圧縮情報とコンテキスト解凍情報の交換は、数値順索引などの圧縮技術により非常に効率的に行うことも可能である。
圧縮ヘッダを持つパケットの送信を行うパケット・ネットワークにおける本発明の通信方法には、上記パケットのヘッダの圧縮と解凍に利用されるコンテキスト情報を上記第1のノードと上記第2のノードに格納することを含む、第1のネットワーク・ノードと第2のネットワーク・ノードとの間の接続を確立するステップと、上記第1のネットワーク・ノードと上記第2のネットワーク・ノードとの間の接続を、上記第2のネットワーク・ノードと第3のネットワーク・ノードとの間の接続へ変更するステップであって、上記第1のノードにより格納され、次いで、上記第3のノードのコンテキスト情報として上記第3のノードにより格納されるコンテキスト情報を表すコンテキスト情報を上記第3のネットワーク・ノードへ転送し、上記第2及び第3のノードでパケットのヘッダの圧縮と解凍を行うために、上記第2のノードと上記第3のノードにおいて上記格納されたコンテキスト情報を利用することを含むステップと、が含まれる。上記格納されたコンテキスト情報は、第1及び第2のオーダーの圧縮ヘッダの圧縮と解凍のために利用してもよい。上記格納されたコンテキスト情報は、上記パケットのヘッダの圧縮に利用する少なくとも1つのタイプの情報と、上記パケットのヘッダの解凍に利用する少なくとも1つのタイプの情報とを含むものであってもよい。上記第3のネットワーク・ノードは、上記第2のノードである移動解凍装置へのダウンリンク・トラフィック時にパケットの送信機であるネットワーク・エンティティであってもよく、上記ダウンリンク・トラフィック時に送信する上記パケットのヘッダの圧縮を行って、上記第3のノードにより上記格納されたコンテキスト情報を利用してもよい。上記第2のノードは、ネットワーク・エンティティである上記第3のノードへのアップリンク・トラフィックのパケットの送信機である移動圧縮装置であってもよく、上記格納されたコンテキスト情報は、上記アップリンク時に上記パケットのヘッダの圧縮を行うために上記移動圧縮装置により利用されてもよい。上記第3のネットワーク・ノードは、移動圧縮装置である上記第2のノードからのアップリンク・トラフィック時にパケットの受信機であるネットワーク・エンティティであってもよく、上記格納されたコンテキスト情報を上記第3のネットワーク・ノードにより利用して、上記アップリンク・トラフィック時に送信される上記パケットのヘッダの解凍を行ってもよい。上記第2のノードは、ネットワーク・エンティティである上記第3のノードからのダウンリンク・トラフィック時にパケットの受信機である移動解凍装置であってもよく、上記格納されたコンテキスト情報を上記移動解凍装置により利用して、上記ダウンリンク・トラフィック時に送信されるパケットの解凍を行ってもよい。上記第2のノードは、上記第3のノードへ送信されるパケットのヘッダを圧縮するために利用されるコンテキスト情報を格納することができ、上記第3のノードにより格納される上記コンテキスト情報は、上記第2のノードにより格納された上記コンテキスト情報から導き出すことができる。上記第3のノードにより格納される上記コンテキスト情報は、上記第2のノードにより格納された上記コンテキスト情報と同一であってもよい。上記第1のネットワーク・ノードは、上記第2のノードである移動解凍装置へのダウンリンク・トラフィック時のパケットの送信機であるネットワーク・エンティティであってもよく、上記格納されたコンテキスト情報は、上記ダウンリンク時に送信される上記パケットのヘッダの圧縮を行うために、上記第3のノードにより利用され上記格納されたコンテキスト情報を上記第1のノードにより利用して、上記ダウンリンク・トラフィック時に送信する上記パケットのヘッダの圧縮を行ってもよい。上記第1のネットワーク・ノードの格納されたコンテキスト情報は、第1または第2の圧縮度まで上記パケットのヘッダを圧縮するために接続の変更に先行して利用される情報であってもよい。上記第2のノードは、ネットワーク・エンティティである上記第1のノードへのアップリンク・トラフィック時に上記接続の変更に先行してパケットの送信機である移動圧縮装置であってもよく、上記格納されたコンテキスト情報を上記移動圧縮装置により利用して、上記アップリンク・トラフィック時に上記パケットのヘッダの圧縮を行ってもよい。上記移動圧縮装置の格納されたコンテキスト情報は、第1または第2の圧縮度まで上記パケットのヘッダを圧縮するために利用される情報であってもよい。上記第1のノードから上記第3のノードへ送信される上記コンテキスト情報は、時間関連のコンテキスト情報構成部を有するものであってもよく、時間に関連する上記コンテキスト情報構成部は、少なくとも1つの前回のパケットのタイム・スタンプと到着時のうちの少なくとも一方に関連する要素を含むものであってもよく、現時点のタイマ値であってもよく、さらに、現時点のタイマ値から構成されるものであってもよい。
1つの移動解凍装置が第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへハンド・オフされるとき、複数のネットワーク・エンティティの中の1つから複数の移動解凍装置の中の1つへのダウンリンク・トラフィックで送信されるパケットのヘッダの圧縮を行うために利用されるコンテキスト情報を転送する本発明による方法には、移動解凍装置が、上記第1のネットワーク・エンティティから上記1つの移動解凍装置へ送信されるパケットの圧縮を行うために利用されるコンテキスト情報であって、上記第2のネットワーク・エンティティへハンド・オフされる時点のコンテキスト情報を上記第1のネットワーク・エンティティに格納するステップと、上記格納されたコンテキスト情報から上記第1のネットワーク・エンティティを上記1つの移動解凍装置へ送信する、あるいは、上記1つの移動端末装置の上記格納されたコンテキスト情報を得るために、上記1つの移動解凍装置によって利用される、上記第1のネットワーク・エンティティに格納された上記コンテキスト情報を表す情報を上記1つの移動端末装置へ送信するステップと、上記格納されたコンテキスト情報、または、上記コンテキスト情報を表す情報を上記1つの移動解凍装置によって受信した旨のフィードバック情報情報を上記1つの移動解凍装置から上記第1のネットワーク・エンティティへ送信するステップと、上記フィードバック情報の受信に応答して、上記第1のネットワーク・エンティティから、上記受信したコンテキスト情報を格納する上記第2のネットワーク・エンティティへ上記コンテキスト情報を送信するステップとが含まれる。上記第2のネットワーク・エンティティは、上記格納されたコンテキスト情報を利用して、上記1つの移動解凍装置へ送信されるパケットのヘッダの圧縮を行ってもよい。上記パケットのヘッダの圧縮を行うために上記第2のネットワーク・エンティティにより利用される上記格納されたコンテキスト情報は、上記ヘッダの第1または第2のオーダーの圧縮を示すことができる。上記1つの移動解凍装置は上記第2のネットワーク・エンティティから送信された上記圧縮パケットのヘッダを解凍することができる。上記第2のネットワーク・エンティティから送信された上記パケットのヘッダの解凍に利用される上記格納されたコンテキスト情報は、第1または第2のオーダー圧縮を持つヘッダの解凍を与えることができる。上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへ送信される上記コンテキスト情報は、時間関連のコンテキスト情報構成部を有するものであってもよく、時間に関連する上記コンテキスト情報構成部は、少なくとも1つの前回のパケットのタイム・スタンプと到着時のうちの少なくとも一方に関連する要素を含むものであってもよく、現時点のタイマ値であってもよく、さらに、現時点のタイマ値から構成されるものであってもよい。
1つの移動圧縮装置が、第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへハンド・オフされるとき、複数の移動圧縮装置の中の1つから複数のネットワーク・エンティティの中の1つへアップリンク・トラフィック時に送信されたパケットのヘッダの圧縮に利用するコンテキスト情報を転送する本発明による方法には、上記1つの移動圧縮装置が、上記1つの移動圧縮装置から上記第1のネットワーク・エンティティへ送信される上記パケットのヘッダの圧縮時に上記1つの移動圧縮装置により利用されるコンテキスト情報の格納を求める旨のリクエストを上記1つの移動圧縮装置へ送信するステップと、上記リクエストに応じて、上記1つの移動圧縮装置に上記コンテキスト情報を格納し、上記格納されたコンテキスト情報または上記格納されたコンテキスト情報を表す情報を上記第1のネットワーク・エンティティへ送信するステップと、上記1つの移動圧縮装置から受信した上記コンテキスト情報から、あるいは、上記1つの移動圧縮装置から受信した上記格納されたコンテキスト情報を表す情報から、上記第1のネットワーク・エンティティにおいて解凍用コンテキスト情報を導き出し、上記解凍用コンテキスト情報を格納する上記第2のネットワーク・エンティティへ上記解凍用コンテキスト情報を送信するステップと、上記1つの移動圧縮装置から受信した上記コンテキスト情報から、あるいは、上記1つの移動圧縮装置から受信した上記格納されたコンテキスト情報を表す情報から、上記第1のネットワーク・エンティティにおいて解凍用コンテキスト情報を導き出し、上記解凍用コンテキスト情報を格納する上記第2のネットワーク・エンティティへ上記解凍用コンテキスト情報を送信するステップと、が含まれる。上記方法には、上記1つの移動圧縮装置から受信した上記コンテキスト情報から、あるいは、上記1つの移動圧縮装置から受信した上記格納されたコンテキスト情報を表す情報から、上記第1のネットワーク・エンティティにおいて解凍用コンテキスト情報を導き出し、上記解凍用コンテキスト情報を格納する上記第2のネットワーク・エンティティへ上記解凍用コンテキスト情報を送信するステップと、上記第2のネットワーク・エンティティへ送信されたデータ・パケットのヘッダを圧縮するために、上記格納された圧縮用コンテキスト情報を上記1つの移動圧縮装置において利用するステップと、がさらに含まれる。上記第1のネットワーク・エンティティは、上記第2のネットワーク・エンティティへの解凍用コンテキスト情報の送信前に、上記第1のネットワーク・エンティティの解凍用コンテキスト情報のフィードバック情報を上記1つの移動圧縮装置へ送信することができる。上記フィードバック情報を上記リクエストと共に上記1つの移動圧縮装置へ送信してもよい。上記パケットのヘッダを圧縮するために上記1つの移動圧縮装置により利用される上記格納された圧縮用コンテキスト情報は、上記ヘッダの第1または第2のオーダーの圧縮を与えることができる。ハンド・オフ後、上記1つの移動圧縮装置は、上記第2のネットワーク・エンティティへ送信されたデータ・パケットのヘッダを圧縮することができ、上記第2のネットワーク・エンティティは、上記格納された解凍用コンテキスト情報を利用して、上記1つの移動圧縮装置から受信した上記データ・パケットのヘッダを解凍することができる。上記コンテキスト情報を表す情報は数値順索引を含むものであってもよく、また、1つのパケットのシーケンス番号であってもよい。上記第1のネットワーク・エンティティは、上記第1のネットワーク・エンティティにコンテキスト情報の格納を求める旨の上記リクエストと関連して上記第1のネットワーク・エンティティが受信したパケットの受信を示すフィードバック情報を上記1つの移動圧縮装置へ送信することができる。上記1つの移動圧縮装置の上記格納されたコンテキスト情報は、上記フィードバック情報を考慮して更新することができる。さらに、上記更新されたコンテキスト情報、または、上記第1のネットワーク・エンティティが上記コンテキスト情報を得るために利用する最後の受信パケットのコンテキスト情報を表す情報を上記第2のネットワーク・エンティティへ送信することができる。上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへ送信される上記解凍用コンテキスト情報は、時間関連のコンテキスト情報構成部を有するものであってもよく、時間に関連する上記コンテキスト情報構成部は、少なくとも1つの前回のパケットのタイム・スタンプと到着時のうちの少なくとも一方に関連する要素を含むものであってもよく、現時点のタイマ値であってもよく、さらに、現時点のタイマ値から構成されるものであってもよい。
圧縮されたヘッダを有するパケット送信の本発明による方法には、パケット・ネットワークの第1のノードに格納された圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮された圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットと、上記圧縮用コンテキスト情報とを上記パケット・データ・ネットワークの第2のノードへ送信するステップと、上記第2のノードに上記圧縮用コンテキスト情報を格納するステップと、上記パケット・ネットワークにおいて上記第2のノードから第3のノードへ圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットを送信するステップと、が含まれる。上記第2のノードは、上記第2のノードが上記圧縮用コンテキスト情報を受信した旨の通知を上記第1のノードへ送信する。上記方法には、圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットの送信後、上記第1のノードが、上記第1のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮された圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つの追加パケットであって、各々が、圧縮されていない対応するヘッダと対を成す追加パケットを上記第2のノードへ送信するステップと、圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つの新しいパケットを形成するために、上記第2のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を利用して、上記第2のノードにおいて圧縮されていない上記少なくとも1つの対応するヘッダを圧縮するステップと、上記第2のノードに格納された上記圧縮用コンテキストから形成される圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つの新しいパケットを上記第2のノードから上記第3のノードへ送信するステップと、をさらに含むものであってもよい。上記第1のノードが上記通知を受信後、上記第1のノードは、上記第1のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報により圧縮されたヘッダの転送を停止することができる。上記第1のノードは、上記第1のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報により圧縮されたヘッダの送信を停止した後、上記第1のノードは少なくとも1つの未圧縮ヘッダを上記第2のノードへ送信することができ、上記第2のノードは、上記第1のノードから受信した上記少なくとも1つの未圧縮ヘッダを上記第2のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮することができ、上記第2のノードは、上記第2のノードにおいて圧縮された上記少なくとも1つのヘッダを上記第3のノードへ送信することができる。上記方法は、上記第1のノードが、上記第1のノードに格納された上記コンテキスト情報により圧縮されたヘッダの転送を停止した後、未圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つの追加パケットが、上記第1のノード以外のソースから上記第2のノードにより受信されるステップと、上記第2のノードが、上記第1のノード以外のソースから上記第2のノードにより受信される、未圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つの追加パケットを上記第2のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮し、圧縮されたヘッダを持つ新しい少なくとも1つの追加パケットを形成するステップと、上記第2のノードが、圧縮されたヘッダを持つ上記新しい少なくとも1つの追加パケットを上記第3のノードへ送信するステップと、を含むことも可能である。上記第1のノードと第2のノードが上記パケット・ネットワーク内のネットワーク・エンティティであってもよく、上記第3のノードが移動端末装置であってもよい。上記第1のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮された圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットを送信する前に上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへの無線ハンド・オフを行うことができる。上記圧縮用コンテキスト情報は、上記第1のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮された圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットの送信の一部として送信することができる。上記第2のノードは、上記第1のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮された圧縮ヘッダと、圧縮されていない対応するヘッダとを持つ上記少なくとも1つの追加パケットの受信前に、上記圧縮用コンテキスト情報を上記第2のノードにより受信してもよい。上記第2のノードにより格納された上記圧縮用コンテキスト情報をフィードバック情報に基づいて更新するフィードバック情報が上記第3のノードから上記第2のノードへ送信される。上記圧縮されたヘッダは第1または第2のオーダー圧縮を持つヘッダであってもよい。上記圧縮用コンテキスト情報は、上記圧縮用コンテキスト情報がどの圧縮されたヘッダに基づいているかを示す識別子によってマークしてもよい。また、上記第2のネットワーク・エンティティは、上記圧縮用コンテキスト情報が依拠するパケットを特定するために上記識別子を利用してもよい。上記第2のノードは、上記第3のノードで受信したヘッダの解凍に利用される解凍用コンテキスト情報のフィードバック情報を第3のノードから受信してもよい。上記フィードバック情報が上記圧縮用コンテキスト情報の前に上記第2のノードにより受信されたとき、上記フィードバック情報は、上記第1のノードと第2のノードとの間の送信遅延時刻よりも古くなく、かつ、上記識別子により特定されるパケットよりも新しい場合にのみ、上記第2のノードに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を更新するために上記フィードバック情報を利用してもよい。上記第1のノードから上記第3のノードへ送信される上記コンテキスト情報は時間関連のコンテキスト情報構成部を含むものであってもよく、また、上記時間関連のコンテキスト情報構成部は少なくとも1つの前回のパケットのタイム・スタンプと到着時に関連する要素を含むものであってもよく、また、現時点のタイマ値であってもよく、現時点のタイマ値から構成されるものであってもよい。
圧縮されたヘッダを有するパケット送信の本発明による方法には、パケット・ネットワークの第1のノードから上記パケット・ネットワーク内の第2のノードへ、圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットを送信するステップと、圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットの解凍を行うために、上記第3のノードが利用する解凍用コンテキスト情報を格納する圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットを上記パケット・ネットワークの上記第2のノードから第3のノードへ送信するステップと、上記第3のノードに圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットの受信に応答して、圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットの解凍を行うために、上記第3のノードが利用する解凍用コンテキスト情報を上記第2のノードへ送信するステップと、が含まれる。圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットの送信後、上記第1のノードは、少なくとも1つの追加パケットを送信することができる。上記第2のノードは、圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットの少なくとも1つを上記第3のノードへ送信するものであってもよい。上記第2のノードは、上記第2のノードにより受信された圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つの追加パケットの少なくとも1つを上記格納された解凍用コンテキスト情報を用いて解凍するものであってもよく、上記第2のノードは、上記解凍された少なくとも1つのパケットを上記第3のノードへ送信するものであってもよい。解凍用コンテキスト情報の格納後に上記第2のノードによって受信される上記少なくとも追加のパケットのすべては、上記格納された解凍用コンテキスト情報を用いて上記第2のノードで解凍され、上記第3のノードへ送信されるものであってもよい。上記第2のノードは、上記第2のノードが上記解凍用コンテキスト情報を格納した旨のフィードバック情報を上記第3のノードへ送信するものであってもよい。上記フィードバック情報に応じて、上記第3のノードは、上記第2のノードから受信した圧縮ヘッダの解凍を停止するものであってもよい。上記方法は、上記第2のノードにおいて圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットを受信する上記第3のノードに応じて、上記第3のノードは、圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つの追加パケットの解凍を行う上記第3のノードに基づいて追加の解凍用コンテキスト情報を送信するステップをさらに含むものであってもよい。また、上記第2のノードは、上記受信された、追加の解凍用コンテキスト情報に基づいて上記格納された解凍用コンテキスト情報を更新し、上記第1のノードから受信した圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つの後続して受信されるパケットを上記更新された格納された解凍用コンテキスト情報を用いて解凍する。上記第1のノードは移動端末装置であってもよく、上記第2と第3のノードはネットワーク・エンティティであってもよい。上記少なくとも1つのパケットの上記圧縮されたヘッダは第1のまたは第2のオーダーの圧縮ヘッダを含むものであってもよい。上記第3のノードから上記第2のノードへ送信される上記解凍用コンテキスト情報は、時間関連のコンテキスト情報構成部を有するものであってもよく、時間に関連する上記コンテキスト情報構成部は、少なくとも1つの前回のパケットのタイム・スタンプと到着時のうちの少なくとも一方に関連する要素を含むものであってもよく、現時点のタイマ値であってもよく、さらに、現時点のタイマ値から構成されるものであってもよい。
1つの移動解凍装置が、第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへハンド・オフされるとき、複数のネットワーク・エンティティの中の1つから複数の移動解凍装置の中の1つへのダウンリンク・トラフィックで送信されるデータ・パケットのヘッダの圧縮を行うために利用されるコンテキスト情報を転送する方法には、上記第1のネットワーク・エンティティから上記1つの移動解凍装置へ送信されるパケットのヘッダを圧縮するために、上記移動解凍装置が上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへハンド・オフされる時点に利用される圧縮用コンテキスト情報を上記第1のネットワーク・エンティティに格納するステップと、上記格納された圧縮用コンテキスト情報と、上記第2のネットワーク・エンティティにより格納された圧縮用コンテキスト情報の識別子を上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへ送信するステップであって、上記第2のネットワーク・エンティティから上記1つの移動解凍装置へ送信されるパケットのヘッダを圧縮するために、上記第2のネットワーク・エンティティにより格納された上記圧縮用コンテキスト情報が利用されるステップと、上記第2のネットワーク・エンティティから上記1つの移動解凍装置へ、上記第2のネットワーク・エンティティに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットを送信するステップであって、上記圧縮用コンテキスト情報の識別子が、上記格納された圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮されたヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットを圧縮するために利用されるステップと、解凍用コンテキスト情報を得るために上記1つの移動解凍装置において上記識別子を利用し、さらに、上記第2のネットワーク・エンティティに格納された上記格納された圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットの解凍を行うために上記格納された解凍用コンテキスト情報を利用するステップとが含まれる。上記圧縮されたヘッダは、第1のオーダーまたは第2のオーダーの圧縮ヘッダを含むものであってもよい。上記第1のネットワーク・エンティティによる上記圧縮用コンテキスト情報の格納後、及び、上記第2のネットワーク・エンティティが上記圧縮用コンテキスト情報を格納した後、上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへの上記1つの移動解凍装置の無線ハンド・オフが行われる。上記第2のネットワーク・エンティティから上記1つの移動解凍装置への送信の同期を保持するために、上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮されたヘッダと上記圧縮用コンテキスト情報の複数の識別子とを持つ複数のパケットが上記第2のネットワーク・エンティティから上記1つの移動解凍装置へ送信されてもよい。上記圧縮用コンテキスト情報の上記複数の識別子の送信後、上記第2のネットワーク・エンティティは、任意のコンテキスト識別子の上記送信を停止し、上記圧縮用コンテキスト情報識別子を用いて圧縮されたヘッダの転送を継続してもよい。圧縮用コンテキスト情報の少なくとも1つの識別子の受信に応答する上記移動解凍装置は、上記第2のネットワーク・エンティティへ少なくとも1つのフィードバック情報を送信してもよい。また、少なくとも1つのフィードバック情報の受信に応答する上記第2のネットワーク・エンティティは、任意の識別子を停止し、上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮されたヘッダの転送を継続してもよい。上記少なくとも1つのフィードバック情報が上記1つの移動解凍装置から上記新しいネットワーク・エンティティへ送信される少なくとも1つの肯定応答パケットを含むものであってもよい。上記第2のネットワーク・エンティティは、上記肯定応答パケットの受信に応答して、上記格納された圧縮用コンテキスト情報を更新してもよい。上記識別子はシーケンス番号であってもよく、また、このシーケンス番号は、上記第2のネットワーク・エンティティにより格納された上記圧縮用コンテキスト情報を最後に更新したパケットの識別番号であってもよい。上記第2のネットワーク・エンティティに格納された上記圧縮用コンテキスト情報を用いて圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つのパケットは、上記第1のネットワーク・エンティティから受信した未圧縮のパケット・ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットから形成されたものであってもよい、あるいは、上記第1のネットワーク・エンティティ以外のソースから受信した未圧縮のヘッダを持つ少なくとも1つのパケットから形成されたものであってもよい。上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへ送信される上記コンテキスト情報は、時間関連のコンテキスト情報構成部を有するものであってもよく、時間に関連する上記コンテキスト情報構成部は、少なくとも1つの前回のパケットのタイム・スタンプと到着時のうちの少なくとも一方に関連する要素を含むものであってもよく、現時点のタイマ値であってもよく、さらに、現時点のタイマ値から構成されるものであってもよい。
1つの移動圧縮装置が、第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへハンド・オフされるとき、複数の移動圧縮装置の中の1つから複数のネットワーク・エンティティの中の1つへアップリンクで送信されるデータ・パケットのヘッダの圧縮を行うために利用されるコンテキスト情報を転送する方法には、上記1つの移動圧縮装置から上記第2のネットワーク・エンティティへ送信された圧縮ヘッダを持つデータ・パケットを解凍するために、上記第2のネットワーク・エンティティにより利用される、上記第1のネットワーク・エンティティに解凍用コンテキスト情報を格納するステップと、上記1つの移動圧縮装置から受信したパケットのヘッダの解凍を行うために上記解凍用コンテキスト情報を格納する上記第2のネットワーク・エンティティへ上記解凍用コンテキスト情報を送信するステップと、上記第1のネットワーク・エンティティから上記1つの移動圧縮装置へ上記第2のネットワーク・エンティティにより利用される上記解凍用コンテキスト情報を特定するための解凍用コンテキスト識別子を送信するステップと、上記コンテキスト識別子の受信に応答して、上記1つの移動端末装置が、上記1つの移動圧縮装置から上記第2のネットワーク・エンティティへ送信されるパケットのヘッダの圧縮を行うために利用される圧縮用コンテキスト情報を導き出すステップと、上記1つの移動圧縮装置は、圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットを上記第2のネットワーク・エンティティへ送信するステップと、上記第2のネットワーク・エンティティは、圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つの受信パケットを解凍するために上記格納された解凍用コンテキスト情報を利用するステップと、が含まれる。上記識別子はシーケンス番号であってもよいし、上記シーケンス番号は、上記第2のネットワーク・エンティティにより格納された上記解凍用コンテキスト情報を最後に更新したパケットの識別番号であってもよいし、あるいは、上記1つの移動圧縮装置から、上記第2のネットワーク・エンティティにより格納された上記解凍用コンテキスト情報を最後に更新した上記第2のネットワーク・エンティティへのフィードバック情報の識別子であってもよい。上記圧縮されたヘッダは、第1のオーダーまたは第2のオーダーの圧縮ヘッダを含むものであってもよい。上記第2のネットワーク・エンティティへの上記1つの移動圧縮装置の転送を引き起こす上記第1のネットワーク・エンティティでの上記解凍用コンテキスト情報の格納後、上記第1のネットワーク・エンティティから上記1つの移動圧縮装置へハンドオフ・コマンドが送信されるものであってもよい。上記ハンドオフ・コマンドは、上記1つの移動圧縮装置へ上記解凍用コンテキスト識別子を用いて送信されるものであってもよい。
第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへの解凍機能のリロケーションの前に、複数の移動圧縮装置の中の1つから複数のネットワーク・エンティティの中の1つへアップリンクで送信されるパケットのヘッダの解凍に利用される時間関連のコンテキスト情報構成部を含むコンテキスト情報を転送する本発明による方法には、第2のネットワーク・エンティティを介して上記1つの移動圧縮装置から上記第1のネットワーク・エンティティへ少なくとも1つの圧縮ヘッダを送信するステップと、パケットの受信時刻を格納する上記第2のネットワーク・エンティティにおいてタイマを始動させるステップと、上記第1のネットワーク・エンティティにおいて上記少なくとも1つの圧縮ヘッダを解凍するステップと、上記第1のネットワーク・エンティティにおける上記少なくとも1つの圧縮ヘッダの解凍後、上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへ上記時間関連の解凍用コンテキスト情報構成部の一部分を送信するステップと、上記第2のネットワーク・エンティティにおける上記時間関連の解凍用コンテキスト情報構成部の上記部分を格納するステップと、上記1つの移動圧縮装置から受信された圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つの追加パケットの受信時刻を格納し、上記少なくとも1つの追加パケットを解凍し、上記時間関連の解凍用コンテキスト情報構成部の別の部分を取得する上記第1のネットワーク・エンティティへ上記少なくとも1つの追加パケットを送信するステップと、上記第2のネットワーク・エンティティと関連する時刻である上記解凍用コンテキスト情報構成部の上記別の部分を送信するステップと、上記少なくとも1つの追加パケットの受信時刻、及び、上記時間関連の解凍用コンテキスト情報構成部の上記別の部分を格納後、上記第2のネットワーク・エンティティにおける完全な解凍用コンテキスト情報構成部を格納し、上記格納された、完全な解凍用コンテキスト情報構成部を利用して、上記第2のネットワーク・エンティティで受信された圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットの解凍を行うステップと、が含まれる。上記部分は、TS0とT strideを含む非時間変動時間関連情報を含むものであってもよい。上記別の部分は、少なくとも1つの追加パケットのタイム・スタンプまたは別の情報を含むものであってもよい。識別子は、少なくとも1つの圧縮ヘッダと共に送信されるものであってもよい。上記第1のネットワーク・エンティティはタイム・スタンプと共に識別子を返送するものであってもよい。また、上記第2のネットワーク・エンティティは、上記タイム・スタンプと関連する上記少なくとも1つの圧縮ヘッダのいずれかのヘッダを相関づけ、決定するために上記識別子を利用するものであってもよい。上記識別子はシーケンス番号であってもよい。
第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへの圧縮機能のリロケーションの前に、複数のネットワーク・エンティティの中の1つから複数の移動解凍装置の中の1つへダウンリンクで送信されるパケットのヘッダの圧縮を行うために利用される時間関連のコンテキスト情報構成部を含むコンテキスト情報を転送する本発明による方法には、パケットの受信時刻を格納する上記第2のネットワーク・エンティティにおいてタイマを始動させるステップと、上記時間関連のコンテキスト情報構成部の一部分を含む圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットを上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへ送信するステップと、時間関連のコンテキスト情報構成部の時間関連構成要素の部分を上記第2のネットワーク・エンティティに格納するステップと、受信した圧縮ヘッダと対応する未圧縮ヘッダを持つ上記最少の1つの追加パケットの受信時刻とタイム・スタンプ、または、上記第1のネットワーク・エンティティからの上記対応する未圧縮ヘッダから得られる情報要素を上記第2のネットワーク・エンティティに格納するステップと、上記圧縮されたヘッダを含む少なくとも1つの追加パケットを上記1つの移動解凍装置へ送信し、上記1つの移動解凍装置で上記少なくとも1つの追加パケットの解凍を行うステップと、上記1つの移動解凍装置が、圧縮ヘッダを持つ上記少なくとも1つの追加パケットを解凍した旨のフィードバック情報を上記第2のネットワーク・エンティティへ送信するステップと、フィードバック情報の受信後、上記格納部分が上記時間関連のコンテキスト情報構成部として機能するのに十分であると判定し、上記時間関連のコンテキスト情報構成部として上記格納部分を利用して、上記1つの移動解凍装置へ送信される後続パケットの圧縮を上記第2のネットワーク・エンティティで開始するステップと、が含まれる。上記第2のネットワーク・エンティティが後続パケットの圧縮を開始する旨のフィードバック情報を上記第2のネットワーク・エンティティから上記第1のネットワーク・エンティティへ送信してもよい。さらに、上記第1のネットワーク・エンティティは、上記フィードバック情報に応じて、上記第2のネットワーク・エンティティへの、圧縮ヘッダを持つパケットの送信を停止してもよい。時間に関連する上記コンテキスト情報構成部の上記部分は非時間変動時間関連情報を含むものであってもよく、また、上記部分はTS0とT strideであってもよい。上記第2のネットワーク・エンティティへの上記フィードバック情報により、上記格納部分(少なくとも1つの追加パケットのタイム・スタンプ及び受信時刻)が上記時間関連のコンテキスト情報構成部として機能するのに十分であることを上記第2のネットワーク・エンティティが判定できるようにする。
第1のネットワーク・エンティティから第2のネットワーク・エンティティへの圧縮機能のリロケーションの前に、複数のネットワーク・エンティティの中の1つから複数の移動解凍装置の中の1つへダウンリンクで送信されるパケットのヘッダの圧縮を行うために利用される時間関連のコンテキスト情報構成部を含むコンテキスト情報を転送する本発明による方法には、パケットの受信時刻を格納する上記第2のネットワーク・エンティティにおいてタイマを始動させるステップと、上記時間関連のコンテキスト情報構成部の一部分を含む圧縮ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットを上記第1のネットワーク・エンティティから上記第2のネットワーク・エンティティへ送信するステップと、時間関連のコンテキスト情報構成部の時間関連構成要素の部分を上記第2のネットワーク・エンティティに格納するステップと、上記第2のネットワーク・エンティティを介して、上記第1のネットワーク・エンティティから上記1つの移動解凍装置へ、圧縮ヘッダと、対応する未圧縮ヘッダとを持つ複数の追加パケットを送信するステップと、圧縮ヘッダと、対応する未圧縮ヘッダとを持つ上記第2のネットワーク・エンティティで上記複数の追加パケットを受信後、上記複数の追加パケットから得られる時間関連構成要素である圧縮用コンテキスト情報の第2の部分を上記第2のネットワーク・エンティティに格納するステップと、時間に関連する上記コンテキスト情報構成部の上記格納された第1及び第2の部分後、ヘッダの圧縮を行うために利用される完全な時間関連のコンテキスト情報構成部の取得及び上記第2のネットワーク・エンティティにおける上記構成要素の格納を行うステップと、上記第2のネットワーク・エンティティにおいて少なくとも1つの後続パケットを圧縮するために、時間に関連する完全なコンテキスト情報の上記格納された構成要素を利用し、上記圧縮された少なくとも1つの後続パケットを上記1つの移動解凍装置へ送信するステップと、が含まれる。上記第2の部分は上記複数の追加パケットのタイム・スタンプと受信時刻を含むものであってもよい。上記1つの移動圧縮装置で少なくとも1つの後続パケットを解凍してもよい。上記複数の追加ヘッダの数は、上記1つの移動解凍装置へ送信される上記複数の追加ヘッダの少なくとも1つが上記1つの移動解凍装置により受信される確率が十分高くなるように選択されるものであってもよい。
上記第3のエンティティが第1のエンティティから上記第2のエンティティへハンド・オフされた後、第2のエンティティから第3のエンティティへ送信されるパケットのヘッダを圧縮する本発明による方法には、第1の複数のパケットから導き出された元の圧縮用コンテキスト情報を上記第2のエンティティに格納するステップと、解凍用として上記第3のエンティティへ送信される新しい圧縮されたヘッダを上記第1の複数のヘッダに加えることにより、複数のヘッダから導き出された上記元の圧縮用コンテキスト情報を利用して、上記第2のエンティティにおいて、未圧縮ヘッダから追加の複数の圧縮ヘッダを形成するステップと、上記複数の追加の圧縮されたヘッダを送信後、上記第1の複数のヘッダ内の上記ヘッダを棄却し、圧縮されたヘッダとして上記第3のエンティティへ送信される、少なくとも1つの後続する未圧縮ヘッダを上記第2のエンティティにおいて圧縮するために、上記複数の追加の圧縮されたヘッダから導き出された圧縮用コンテキスト情報を利用するステップと、が含まれる。上記元の及び追加の複数の圧縮ヘッダは同一番号のパケットを含むものであってもよい。上記元の及び追加の複数の圧縮ヘッダが年齢(age)によって追跡することができ、上記元の複数の圧縮されたヘッダが棄却された後、上記追加の複数の圧縮ヘッダに各新しいヘッダを加え、次いで、上記追加の複数の圧縮ヘッダ内の最も古い圧縮されたヘッダを棄却することにより、各新しいヘッダの受信時に上記追加の複数の圧縮ヘッダを更新することもできる。上記第3のエンティティは、各受信された圧縮パケット内に含まれる識別子と同期する解凍用コンテキスト情報を用いて受信パケットのヘッダを解凍し、上記解凍されるヘッダから上記第3のエンティティにより格納された解凍用コンテキスト情報を更新することができる。上記圧縮用コンテキスト情報は時間関連情報を含むものであってもよい。上記時間関連情報は、タイム・スタンプ、パケットの送信時刻、TS0及びTS strideを含むものであってもよい。上記同一番号のパケットは、上記同一番号のパケットの送信に必要な或る時間間隔の間に、少なくとも1つのパケットが上記第3のエンティティにより受信される或る確率を持つように選択することができる。送信媒体は無線送信媒体であってもよい。上記第3のエンティティの解凍用コンテキスト情報は、上記第2のエンティティにより圧縮された圧縮ヘッダを含む第1の受信パケットを用いて更新されてもよい。
上記第3のエンティティが第1のエンティティから上記第2のエンティティへハンド・オフされた後、第1のエンティティから第2のエンティティへ送信されるパケットのヘッダを圧縮する本発明による方法には、第1の複数のパケットから導き出された元の圧縮用コンテキスト情報を上記第3のエンティティに格納するステップと、解凍用として上記第2のエンティティへ送信される新しい圧縮されたヘッダを上記第1の複数のヘッダに加えることにより、複数のヘッダから導き出された上記元の圧縮用コンテキスト情報を利用して、未圧縮ヘッダから追加の複数の圧縮ヘッダを上記第3のエンティティに形成するステップと、上記複数の追加の圧縮されたヘッダを送信後、上記第1の複数のヘッダ内の上記ヘッダを棄却し、圧縮されたヘッダとして上記第2のエンティティへ送信される、少なくとも1つの後続する未圧縮ヘッダを圧縮するために、上記第3のエンティティにおいて上記複数の追加の圧縮されたヘッダから導き出された圧縮用コンテキスト情報を利用するステップと、が含まれる。上記元の及び追加の複数の圧縮ヘッダは同一番号のパケットを含むものであってもよい。上記元の及び追加の複数の圧縮ヘッダが年齢(age)によって追跡することができ、上記元の複数の圧縮されたヘッダが棄却された後、上記追加の複数の圧縮ヘッダに各新しいヘッダを加え、次いで、上記追加の複数の圧縮ヘッダ内の最も古い圧縮されたヘッダを棄却することにより、各新しいヘッダの受信時に上記追加の複数の圧縮ヘッダを更新することもできる。上記第2のエンティティは、各受信された圧縮パケット内に含まれる識別子と同期する解凍用コンテキスト情報を用いて受信パケットのヘッダを解凍し、上記解凍されるヘッダから上記第2のエンティティにより格納された解凍用コンテキスト情報を更新することができる。上記圧縮用コンテキスト情報は時間関連情報を含むものであってもよい。上記時間関連情報は、タイム・スタンプ、パケットの送信時刻、TS0及びTS strideを含むものであってもよい。上記同一番号のパケットは、少なくとも1つのパケットが上記第2のエンティティにより受信される或る確率を持つように選択することができる。送信媒体は無線送信媒体であってもよい。上記第2のエンティティの解凍用コンテキスト情報は、上記第3のエンティティにより圧縮された圧縮ヘッダを含む第1の受信パケットを用いて更新されてもよい。
図2は、本発明の様々な実施態様の実施が可能な例示のシステムを例示する。しかし、本発明はこの例示システムに限定されるものではなく、その他のシステムのアーキテクチャも同様に本発明の実施に適用可能であると理解されたい。端末装置102はIPネットワーク108と接続されている。端末装置102は、限定なしでRTP/UDP/IPを実行し、IPネットワーク108を介する送信用としてRTPパケットでパケット化された音声サンプルを出力するパーソナル・コンピュータまたは同種のものであってもよい。端末装置102には、RTPパケットのソース及び/又は宛先として、この端末装置(IPアドレス、ポート番号などを含む)を特定するRTPエンドポイント104が含まれる。IPネットワーク108はパケット・ネットワークの一例として提供されるものではあるが、別のタイプのパケット交換方式ネットワークあるいはその類のネットワークも代わりに適切に使用することが可能である。端末装置102には、タイム・スタンプを生成するためのローカル・タイマ103も含まれる。
アクセス・ネットワーク・インフラ・ストラクチャ(ANI)110と120(これらは基地局サブシステム(BSS)内に常駐していてもよい)はIPネットワーク108と接続される。ANIはネットワーク・エンティティでありかつネットワーク・ノードである。エンティティでありかつネットワーク・ノードであり、さらに、移動圧縮装置かつ移動解凍装置(2つの無線端末装置130と150が例示されている)として機能する複数の無線移動端末装置は無線周波数(RF)リンク140を介してANI110と120と結合される。移動端末装置130及び/又は150のうちの一方が移動する場合、一方のANIとの無線接続範囲を越える移動の結果、端末装置が時折もう一方のANIへハンド・オフを行うことが必要になる。ヘッダの圧縮と解凍が利用され、ANIの中にヘッダの圧縮と解凍が配置されている場合、この処理は、例えば、移動端末装置130及び/又は150がANI110からANI120へ移動し、ハンド・オフが行われる場合などに、1つの(古い)ANIから別の(新しい)ANIへの圧縮及び解凍用コンテキスト情報の転送を行って、切れ目のない転送(seamlessness)を達成することも必要となる。この転送は、以下に解説するように、様々な時点で生じる可能性があるが、中断を最小限にするために、新しいANIが古いANIからヘッダ圧縮/解凍の役割を引き継ぐときまでに転送が完了していることが望ましい。新しいネットワーク・エンティティがある時点でこの役割を引き継いだときに、圧縮/解凍機能のリロケーションが生じる。一方、コンテキスト情報の転送は或る時間にわたって拡散する場合があり、リロケーションに先行する。例示されているように、RFリンク140には、(移動端末装置130と150からANI110への)アップリンク・トラフィック142と、(ANI110から移動端末装置130と150への)ダウンリンク・トラフィック144とが含まれる。1以上の移動端末装置がANI120などの別のANIへ移動した場合、ANI110などの1つのANIから移動端末装置130及び/又は150のハンド・オフが行われる。各ANIは、(IPネットワーク108から出力される)有線信号と(端末装置130と150から出力される)無線すなわちRF信号との間の変換を含めて、IPネットワーク108とつながる或る領域内の1以上の無線(すなわち高周波無線)端末装置(端末装置130を含む)とのインターフェースを行う。したがって、各ANIによって、RFリンク140を介するIPネットワーク108から無線端末装置130と150のうちの少なくとも一方へ送受信されるRTPパケット(但しこのパケットに限定されるものではない)などのパケット送信が可能になり、また、RTPパケット(但しこのパケットに限定されるものではない)などのパケット送信をIPネットワーク108によって端末装置130と150から端末装置102などの別の端末装置へ行うことが可能になる。
各ANIには複数のエンティティが含まれる。アーキテクチャ及びネットワークにおけるANIのすべてのオペレーションについての理解を容易にするために、ANI110のさらに詳細な叙述と説明を行う。すべてのANIはANI110と同じアーキテクチャであってもよいが、これらすべてのANIが同程度に詳細に例示されているわけではない。ANI110には、ANI AD112(詳細に例示されている)及びANI_AD114などの1以上のANIアダプタ(ANI AD)が含まれ、これらのANIアダプタの各々にはタイム・スタンプを出力するタイマ113が好適に含まれる。各ANI ADは(ダウンリンク・トラフィックに先行して)ヘッダ圧縮を行い、次いで(アップリンク・トラフィック後)解凍を行う。IPネットワーク108から受信されたRTPパケット用のヘッダ(タイム・スタンプとシーケンス番号などの1以上のヘッダ・フィールド)は、ダウンリンク・トラフィック142を介して端末装置130と150への送信に先行してANI AD112により圧縮される。次いで、移動端末装置130と150から受信されたパケット・ヘッダは、IPネットワーク108への送信前にANI AD112により解凍される。ANI AD110は、送信機/受信機(送受信装置)として、具体的には、送信に先行してデータ・パケットを圧縮する圧縮装置と、受信後データ・パケットを解凍する解凍装置とを備えた圧縮装置/解凍装置115として機能する。ANI AD110は、IPネットワーク108とつながる領域内の特定エリアまたは異なるエリアに配置される端末装置とのインターフェースを行う。ANI AD112にはタイマ・ベースの解凍方法を実施するためのタイマ113が含まれる。ANI AD112には、ネットワーク108を介して受信されるパケット(またはヘッダ)に関してジッタを測定し、過度のジッタを持ついずれのパケット/ヘッダも棄却するように動作するジッタ低減機能(JRF)116も含まれる。
各端末装置には複数のエンティティが含まれる。類似の設計とオペレーションを持つネットワークにおけるすべての移動端末装置130と150の設計とオペレーションについての理解を容易にするために移動端末装置130についてのさらに詳細な説明を行う。移動端末装置の各々は、ANIの110と120を介する具体的には別のネットワークとの通信時に圧縮装置/解凍装置としても機能することができる。移動端末装置130には、RTPパケット用のソース(送信機)及び/又は宛先(受信機)端末装置のIPアドレス、ポート番号などを特定するRTPエンドポイント132が含まれる。移動端末装置130には、(アップリンク・トラフィック142を介して送信を行う対象パケットの)ヘッダ圧縮と、(ダウンリンク・トラフィック144を介して受信されるパケットの)解凍とを行うターミナル・アダプタ(MS AD)136が含まれる。したがって、ターミナル・アダプタ(MS AD)136は、ANI AD圧縮装置/解凍装置と類似するヘッダ圧縮装置/解凍装置(送受信装置)137であると考えることができる。MS ADという術語はADと同じ意味を持つ。
MS AD136には、現時点のヘッダのRTPタイム・スタンプの近似値(または推定値)を計算し、フェージングなどの無線による減損に起因する、端末装置への送信中のパケットの紛失を見つけるために連続して受信されるパケット間の経過時間を測定するためのタイマ134(受信機用タイマ)も含まれる。同時継続の特許出願シリアル番号09/377,913(1999年8月20日出願、本発明と同じ譲受人に譲受)に記載のように、MS AD136は、RTPヘッダ内の追加情報を利用して、タイム・スタンプの近似値の微調整や修正を行うこともできる。上記出願はその全体が本明細書に参考文献として取り入れられている。タイム・スタンプの近似値は、RTPヘッダの中に付与される圧縮されたタイム・スタンプに基づいて修正または調整を行うことができる。このようにして、ローカル・タイマと、圧縮されたタイム・スタンプとを利用して、各RTPヘッダ用の正確なタイム・スタンプの再生を行うことが可能となる。
圧縮ヘッダと未圧縮ヘッダを持つパケットを含むRTPパケットは、データ・リンク(無線リンク140などの)を介して、図2の例示ネットワーク(但しこのネットワークに限定されるものではない)のようなネットワークで送信される。この場合帯域はオプションであり、通常エラーが発生する。本発明は、無線リンクに限定されるものではなく(有線リンクなどを含む)多種多様のリンクに適用可能である。
図3は圧縮用コンテキスト情報と複数の例とを概念的に例示するものである。圧縮用コンテキスト情報は、情報の1つのセット、サブセットまたはサブセットの表示であり、この情報は、圧縮ヘッダを形成するために圧縮アルゴリズムへの入力として圧縮装置が使用するヘッダ内の任意のタイプの情報であってもよいし、1つのエンティティから別のエンティティへの送信であってもよい。もう一方の入力は圧縮対象ヘッダのヘッダ・ソースから得られる。
図4は、解凍用コンテキスト情報と例とを概念的に例示するものである。解凍用コンテキスト情報は、情報の1つのセット、サブセットまたはサブセットの表示であり、この情報は、解凍ヘッダを形成するために解凍アルゴリズムへの入力として解凍装置が使用するヘッダ内の任意のタイプの情報であってもよいし、1つのエンティティから別のエンティティへの送信であってもよい。もう一方の入力は解凍対象ヘッダのヘッダ・ソースから得られる。
圧縮用コンテキスト情報と解凍用コンテキスト情報の双方は動的なものである。更新周波数はヘッダ圧縮方式に依存する。圧縮装置における圧縮用コンテキスト情報の更新という結果をもたらすことができるイベントには、到来ヘッダの圧縮、解凍装置からのフィードバック情報の受信が含まれる。圧縮装置における解凍用コンテキスト情報の更新という結果をもたらすことができるイベントには到来ヘッダの解凍が含まれる。
本発明の実施態様の説明では以下の表記法を使用する:
u:アップリンク・トラフィック方向でヘッダ圧縮用としてMS ADが利用する圧縮用コンテキスト情報
d:ダウンリンク・トラフィック方向にヘッダの圧縮を行うためのANI ADが利用する圧縮用コンテキスト情報
u:アップリンク・トラフィック方向でのヘッダ解凍用としてANI ADが利用する解凍用コンテキスト情報
d:ダウンリンク・トラフィック方向で解凍を行うためのMS ADが利用する解凍用コンテキスト情報
ANI110及び120などのネットワーク・エンティティすなわちノードの範囲内の圧縮装置または移動端末装置130と140は現時点のヘッダを圧縮するために圧縮用コンテキスト情報を利用する。IP/UDP/RTPヘッダ圧縮の場合、圧縮用コンテキスト情報はSOとFO圧縮用コンテキスト情報から構成されるものであってもよい。同様に、解凍用コンテキスト情報はSOとFO解凍用コンテキスト情報から構成される。使用表記法:S FO uとS SO uは、それぞれ、S uのFO及びSO圧縮用コンテキスト情報であり、S u、S_SO_d及びS_FO_dは、S_d、R_SO_u、R_FO_u、R_SO_d,R_FO_dのFO及びSO圧縮用コンテキスト情報である。FO圧縮用コンテキスト情報は常時使用可能であるが、その少ない圧縮状態から見て最適ではない圧縮が結果として生じる場合がある。SO圧縮用コンテキスト情報の利用の結果、さらに最適な圧縮がもたらされるが、現時点のヘッダがSOで指定されているパターンにぴったり合った場合にのみSOを利用するようにしてもよい。
ネットワーク・エンティティすなわちノードの範囲内の圧縮装置は、本発明の様々な実施態様と関連して以下に説明するように、解凍装置からの到来ヘッダ及び/又はフィードバック情報の結果として、FO圧縮用コンテキスト情報を更新するものであってもよい。圧縮装置は、ヘッダ内に観察されるパターン、及び、解凍装置からのフィードバック情報に基づいてSO圧縮用コンテキスト情報の更新を行う。
ANIの110と120などのネットワーク・エンティティすなわちノード、あるいは、移動端末装置130と140などのネットワーク・エンティティすなわちノードの範囲内の解凍装置はFO及びSO解凍用コンテキスト情報を利用して、FO及びSO解凍用コンテキスト情報によってそれぞれ圧縮ヘッダの解凍を行う。圧縮用コンテキスト情報の更新を行う決定は圧縮装置により行われる。FOまたはSO圧縮用コンテキスト情報を更新するとき、圧縮装置は、解凍装置がそのFOまたはSO解凍用コンテキスト情報を更新して同期を保持することができる旨を暗黙のうちにあるいは明白に解凍装置に知らせなければならない。従来技術と関連する上述のような待ち時間に起因して、2つのコンテキスト情報が同期状態にならない短い時間窓を設けてもよい。しかし、ヘッダ圧縮と解凍方式は、ヘッダが解凍する時までに解凍装置と圧縮装置とが一貫した解凍及び圧縮用コンテキスト情報を持つように動作することが求められる。
ハンド・オフ時のコンテキスト圧縮及び解凍用コンテキスト情報を転送する効率的でかつ正しい処理手順により、以下の問題の処理が行われる。
問題1: 古いANI_ADはS_dとR_uを格納し、S_dとR_uを新しいANI_ADへ転送できなければならない。この場合の問題点として、例えば図5、6、7などと関連して以下に説明するように、タイム信号の待ち時間に起因して、S_dとR_uとが格納時の圧縮装置の図と一致しない場合があるということが挙げられる。格納値は、R_u*のようなアスタリスク(*)付きで表示される。
問題点2:コンテキスト情報のリロケーションが無線ハンド・オフと同時に行われて、いったん正しい格納が行われた場合、図6と図7のST1とST2の間で上記古いANI_ADとMS_ADによりそれぞれ更新されるR_u、S_d、R_d、S_uに対処する方法を設ける必要がある。
問題点3:ハンド・オフの前後のエア・インターフェースでの信号を(スペクトル効率ために)最小限にすることが望ましい。
問題点4:古いANI_ADと新しいANI_AD間の圧縮及び解凍用コンテキスト情報転送は、例えば図8、9などに例示されているリロケーションST4前に完了することが望ましい。但し本発明はこれに限定されるものではない。
問題点5:(例えば無線リンクのエラー状態、ANI_AD間の信号送信ネットワークの輻輳状態などに起因して、あるいは、ハンド・オフの実行速度に起因して)図8と9などのリロケーションST4前にエア・インターフェース、信号送信、あるいは圧縮及び解凍用コンテキスト情報の送信を実行することができない場合、バックアップ処理手順を設けて、情報が部分的にしか転送されない場合、あるいは、まったく転送されない場合でさえ、新しいANI_ADが圧縮/解凍を再開できるようにる必要がある。コンテキスト情報の転送の完了後までリロケーションの送信を延期することにより無線ハンド・オフが行われればこの問題は解決される。
例えば図6に例示されているような問題点1及び2に関連するダウンリンク・トラフィックの場合、3つの重要なST1、ST2、ST3で処理が行われる。
ST1で、古いANI_ADはその解凍用コンテキスト情報を求めるクエリを行う。ST2で、MS_ADはその解凍用コンテキスト情報を格納し、コンテキスト識別子を返送する。ST3で、古いANI_ADは対応する圧縮用コンテキスト情報を導き出し、次いで、新しいANI_ADへその圧縮用コンテキスト情報を送信する。
例えば図7に例示されているように、アップリンク・トラフィックの場合にも3つの重要な時刻により処理が行われる。ST1で、古いANI_ADはその解凍用コンテキスト情報のスナップ・ショットをとり、その解凍用コンテキスト情報を識別子としてMS_ADへ送信する。ST2で、MS_ADは、対応する圧縮用コンテキスト情報を導き出し、その圧縮用コンテキスト情報を格納し、肯定応答を返送する。ST3で、古いANI_ADはスナップ・ショット解凍用コンテキスト情報を新しいANI_ADへ送信する。
このダウンリンク・トラフィックとアップリンク・トラフィックの処理手順を組み合わせて単一の処理手順にしてもよい。
上記問題点3に関連して、(スペクトル効率を図るために)ハンド・オフ前後のエア・インターフェースでの信号送信を最小限にすることが望ましい。エア・インターフェースを介して送信される上記情報の中には、(1)ANI_ADからMSへ送信されるクエリと、(2)コンテキスト情報と、(3)コンテキスト情報への肯定応答とが含まれる。上記クエリとコンテキスト情報への肯定応答とはショート・メッセージである。無線帯域を保存するために、コンテキスト情報は(数値順索引などのような)短縮形で好適に符号化され、解凍装置で利用するコンテキスト情報の特定が上記コンテキスト情報により解凍装置において行われる。
上記問題点4及び5に関連して、転送される圧縮及び解凍用コンテキスト情報は最小限に保持され、高速リンクが2つのANI_AD間に想定される。ダウンリンク・トラフィック(それぞれのアップリンク・トラフィック)の場合、新しいANI_ADが圧縮及び解凍用コンテキスト情報を得たとき、MS_ADとのハンドシェイクが成功した場合にのみ、圧縮及び解凍用コンテキスト情報が新しいANI_ADへ転送されるので、MS_ADが、解凍(それぞれ圧縮)を行うために、対応する解凍用コンテキスト情報を持っていることを安全に想定することが可能となる。失敗の唯一のケースとしては、新しいANI_ADが、何らかの理由で、古いANI_ADから上記コンテキスト情報を得られなくなったケースが考えられる。その場合、ヘッダの圧縮/解凍処理はフル・ヘッダを用いて再開される。
ハンド・オフの応用の一例として、フィードバック情報(以下のような肯定応答ベースのヘッダ圧縮の実施態様)について考察することにする。
圧縮装置の3つの動作状態
肯定応答を用いるFO及びSO状態への遷移
肯定応答(ACK)パケットには通常、正しく受信/解凍されたヘッダを特定するためのコンテキスト識別子(CID)とシーケンス番号(CD_SN)とが含まれる(但し、他のオプション情報を運ぶことも可能である)。
新しいセッションが始まると、少なくとも1つのFHパケットを受信した旨を示す解凍装置からの肯定応答(ACK)を受信するまで圧縮装置はFH状態で動作する。解凍装置がFHパケットを受信するとすぐにFHパケットにACKを行うことは解凍装置の役割であり、それによって圧縮装置はFH状態からFO状態への推移を行うことが可能となる。
FO状態では、圧縮装置はFOパケットを送信し、解凍装置はFOパケット(必ずしもすべてのFOパケットであるとはかぎらない)に対して確認応答を行うものと予期されている。圧縮装置が、解凍装置が(肯定応答に基づいて)FODを確立したと判断し、次いで、FODが、送信中の現時点のヘッダと最後に送信されたヘッダとの間のFODと同じであると判断した場合、圧縮装置はSO状態へ進み、SOパケットの送信を開始する。SOを用いて圧縮が可能な一連のヘッダは列と呼ぶことができる。
上述の理由のため、圧縮装置はSO状態からFO状態へ後退する場合もある。しかし、システム・ラッシュに起因して解凍装置がその解凍用コンテキスト情報を失う場合などのような何らかの例外的イベントが生じない限り、圧縮装置が元のFH状態へ推移することは決してない。圧縮装置は、FO状態にあるときはいつでも上述のようなSO状態への進行を試みる。
長い紛失を検出するための周期的肯定応答
ラップ・アラウンド/長い紛失問題を処理するために、解凍装置は、通常seq_cycleヘッダ毎に少なくとも1回ACKを受信できるように十分密接間隔の規則的に離間した間隔で肯定応答の送信を行う(但しseq_cycle=2k)。
送信遅延を考慮するために、解凍装置は周期的肯定応答の送信時期の予想を行う。解凍装置は、十分早めに周期的肯定応答を送信して、圧縮装置が、通常、1seq_cycle毎に少なくとも1回肯定応答を受信するようにする。往復時間を考慮に入れて、解凍装置は(seq_cycle−N_RT)ヘッダ毎に少なくとも1回ACKを送信しなければならない。この場合、N_RTとは往復時間(RTT)中に圧縮装置により送信される予測ヘッダ数である。
圧縮装置は、seq_cycle以内に肯定応答を受信しなかった場合、シーケンス番号を運ぶためにl_extended>kビットを利用する。RTTがその上限に達した場合でも、l_extendedビットがラップ・アラウンドしないように選択される。さらに一般的アプローチとして、シーケンス番号の可変長符号化(VLE)を利用する、以下検討するアプローチがあることに留意されたい。このアプローチでは、マルチ・レベル符号化は2レベル符号化の代わりに使用される。VLE符号化された値での長さフィールドは、さらに多くのビットを要する可能性があるので、レベルの数は注意深い選択を行うことが望ましい。
デルタ符号化による肯定応答ベースの実施態様
FOヘッダ内の各変化フィールドの符号化方法は、デルタ符号化か可変長符号化(VLE)のいずれか、もしくは別の好適な方法を利用することが可能である。
デルタ符号化に関しては、圧縮値vが(v_v_ref)として送信される。但しv_refは、確認応答を受けた基準ヘッダ内の値である。解凍では同じ基準ヘッダが用いられる。
その場合:
S_FO_uはS_RFH_uに対応する(S_RFH_uはANI_ADによって確認応答を受けたヘッダであり、MS_ADにより圧縮されてFOヘッダになる基準ヘッダとして使用される)。
S_SO_uはS_DFODに対応する(MS_ADにより使用されるFODであって、圧縮されてSOヘッダになる)。
R_FO_uはR_RFH_uに対応する(R_RFH_uはS_RFH_uと同じ内容を持ち、基準ヘッダとしてANI_ADにより使用されFOヘッダの解凍を行う)。
R_SO_uはR_DFODに対応する(ANI_ADにより使用されるFODであって、SOヘッダの解凍を行う)。
S_FO_dは、S_RFH_dに対応する(S_RFH_dは、MS_ADにより確認応答を受けたヘッダであり、基準ヘッダとしてANI_ADにより使用され、圧縮されてFOヘッダになる)。
S_SO_dは、S_DFODに対応する(ANI_ADにより使用されるFODであって、圧縮されてSOヘッダになる)。
R_FO_dはR_RFH_dに対応する(R_RFH_dはS_RFH_dと同じ内容を持ち、基準ヘッダとしてMS_ADにより使用されてFOヘッダの解凍を行う)。
R_SO_dはR_DFODに対応する(MS_ADにより使用されるFODであってSOヘッダの解凍を行う)。
効率を図るために、初めてネットワーク・エンティティにより受信されていないすべてのコンテキスト圧縮及び解凍用コンテキスト情報(圧縮または解凍用コンテキスト情報を予め格納していない新しいANIのような新しいネットワーク・エンティティ)は、制限なく、圧縮ヘッダの列内のシーケンス番号であってもよい数値順索引の場合と同様に、圧縮または解凍用コンテキスト情報の表現としてエア・インターフェースを介してMS_ADと古いANI_ADとの間で好適に交換される。S_FO_uまたはS_FO_dには、フル・ヘッダと同じフィールドが実質的に含まれる。S_FO_uまたはS_FO_dは、数値順索引(確認応答を受けたフル・ヘッダに対応するRTPまたは短縮シーケンス番号)として好適に符号化される。S_SO_uまたはS_SO_dは、現時点の列または最も新しい列に属するすべてのヘッダが一致するパターンを指定する成分を持つベクトルである。列とは、SOとして圧縮可能な一続きのヘッダである。この列は、数値順索引(確認応答を受けたヘッダに対応するRTPまたは短縮シーケンス番号)として符号化される。古いANI_ADは、フル・ベクトルとして圧縮または解凍用コンテキスト情報を新しいANI_ADへ送信する。
VLEによる肯定応答ベースの実施態様
VLEを用いる場合、圧縮対象値vはそのk最下位ビットとして送信される。前述のヘッダ圧縮方式でFOパケットのフィールドを符号化するために、肯定応答を利用して、kの値と、圧縮装置により保持されているヘッダの可変スライディング・ウィンドウ(VSW)のサイズとを小さくすることが可能である。基本的に、このような肯定応答の受信時に圧縮装置は以下のようなアクションをとる:
解凍装置から特定のvに対する肯定応答を受信すると、圧縮装置は、vよりも古いVSW内のいずれの値も削除し、次いで、v_minとv_maxを更新する。
VLEを用いて、FOヘッダのいくつかのフィールドの符号化が可能である。VLEは、v(n)_k(v(n)のk最下位ビット)の送信により、ヘッダ(n)のフィールドF(表示v(n))を圧縮する。ビット数kは、圧縮装置により前回圧縮され、送信された値:v(m),v(m+1),...,v(n−1)を持つウィンドウVSWの関数として圧縮装置により選択される。
v_maxとv_minをウィンドウの最大値及び最小値とする。圧縮された所定値vに対して、r=max(|v−v_max|,|v−v_min|)とする。圧縮装置は天井(ログ2(2*r+1))としてkを選択する。圧縮装置は、VSWの中へvを加算し、v_minとv_maxを更新する。この場合、x.yの形の任意の数について、y=0ならば、天井(x.y)=x、y≠0ならば、天井(x.y)=x+1である。
解凍装置は、v_refに最も近い値を解凍値として選択する。最も近い値のk LSBは受信した圧縮値に等しい。
この場合、このような各フィールドFについて、コンテキスト圧縮と解凍情報のフィールド(VLEフィールドと呼ばれる)がVLEにより符号化される場合:
S_FO_uは、MS_ADにより保持される(v_min,v_max)の対を含む。但し、格納値S_FO_u*は、図7などに例示されているようなアップリンク・トラフィック処理手順のST1で確認応答を受けたヘッダ内のフィールド値vである。ハンド・オフ後、MS_ADは圧縮用としてv=v_min=v_maxを利用する。新しいANI_ADは解凍用基準値と同じ値v(R_FO_u*)を利用する。
S_SO_uはS_DFODに対応する(MS_ADにより使用されるFODであって、圧縮されてSOヘッダになる)。
R_FO_uはANI_ADにおいて最も新しく受信した値vを含む。
R_FO_u*はS_FO_u*に等しい。
R_SO_uはR_DFODに対応する(ANI_ADにより使用されるFODであって、SOヘッダの解凍を行う)。
S_FO_dは、ANI_ADにより保持される(v_min,v_max)の対を含む。
S_FO_d*は最後に確認応答を受けたヘッダ内のフィールド値vである。ハンド・オフ後、新しいANI_ADはv=v_min=v_maxを用いて圧縮を再開する。MS_ADは基準値(R_FO_d*)と同じ当該vを用いて解凍を行う。
S_SO_dはS_DFODに対応する(ANI_ADにより使用されるFODであって、圧縮されてSOヘッダになる)。
R_FO_dは、MS_ADにおいて最も新しく受信した値vを含む。
R_FO_d*はS_FO_d*に等しい。
R_SO_dはR_DFODに対応する(MS_ADにより使用されるFODであってSOヘッダの解凍を行う)。
効率を図るために、デルタ符号化の場合のように、エア・インターフェースを介してMS_ADとANI_ADとの間で交換されるすべての圧縮及び/又は解凍用コンテキスト情報は数値順索引として符号化されることが望ましい。これらのコンテキストはR_SO_d、R_FO_d、R_SO_u、R_FO_uである。これらのコンテキストはフル・ヘッダと同じフィールドを実質的に含み、数値順索引として符号化が可能である(確認応答を受けたフル・ヘッダに対応するRTPまたは短縮シーケンス番号)。
古いANI_ADはフル・ベクトルとして新しいANI_ADへこのコンテキストを送信する。
本発明の実施態様は、無線ハンド・オフと同時に行われる圧縮と解凍、あるいは、無線ハンド・オフの完了後に行われる圧縮と解凍を行うネットワーク・エンティティの切れ目のないリロケーションを提供するものである。
この動作モードでは、無線ハンド・オフ後リロケーションの送信が延期されるとき移行期間が存在し、この移行期間中、古いネットワーク・エンティティ(ANI_AD)の中を通り、新しいネットワーク・エンティティ(ANI_AD)へ向かうダウンリンク・トラフィックとアップリンク・トラフィックのパス・フローが生じる。一般に、このモードでは、ハンド・オフ処理手順は、MS_ADが別の無線セルへ移動する第1の無線ハンド・オフに関与するが、古いANI_ADはそのままヘッダの圧縮/解凍を行う。その後、圧縮用コンテキストと解凍用コンテキスト情報は古いANI_ADから新しいANI_ADへ転送される。最終的に、この圧縮及び解凍用コンテキスト情報の転送完了後、新しいANI_ADによる圧縮/解凍を開始される。すなわち、リロケーションが行われる。
リロケーション後、圧縮対象ヘッダを含むパケットを新しいANI_ADへ直接送信するためにネットワークの再構成を行ってもよい。上記送信延期モードの実施態様では、新しいANI_ADは、古いANI_ADとMS_ADとの間に圧縮ヘッダを持つデータ・パケットをリレーする機能を実行し、一方、新しいANI_ADからMS_ADへ送信されるデータ・パケットを持つヘッダを圧縮するために最終的に利用される上記コンテキスト情報は、古いANI_ADから新しいANI_ADへ徐々に転送される。
図8は、無線ダウンリンク・トラフィックの場合の上記一続きのイベントを例示するものであり、このイベントの中で、圧縮用コンテキスト情報は無線ハンド・オフ後に古いANI_ADから新しいANI_ADへ送信される。例示されているように、最初の圧縮ヘッダ(4)は、古いANI_ADから新しいANI_ADを介してMS_ADへ送信され、該MS_ADは、古いANI_ADにより圧縮されたものとして或る形で上記圧縮ヘッダ(4)を受信する。ST1で、古いANI_ADは、圧縮ヘッダ(5)プラス圧縮用コンテキスト情報を新しいANI_ADへ送信し、この新しいANI_AD(5)は上記圧縮ヘッダと上記圧縮用コンテキスト情報との組合せをST2で受信する。ST1での送信は、圧縮ヘッダ(5)と圧縮用コンテキスト情報との組合せであることに留意されたい。しかし、上記とは別に、例示されているように、本実施態様に従って、圧縮ヘッダ(6)と元の未圧縮ヘッダ(6)の受信時点までの任意の時刻に、新しいANI_ADにより上記圧縮用コンテキスト情報の受信を行ってもよい。ST2で、新しいANI_ADは、圧縮用コンテキスト情報を受信した旨の通知を古いANI_ADへ返送する。この通知の受信後のある時点に、古いANI_ADは新しいANI_ADへの圧縮ヘッダの送信を停止する。しかし、例示されているように、古いANI_ADは、ヘッダ圧縮機能を実行する新しいANI_ADへ未圧縮ヘッダをリレーするヘッダ・ソースとしての機能の継続が可能であり、古いANI_AD以外のパケット・ソースが圧縮対象ヘッダを持つパケットを提供することができる。ST2で、新しいANI_ADはこの圧縮用コンテキスト情報を格納し、この圧縮用コンテキスト情報によって新しいANI_ADは後程ヘッダ圧縮機能に着手することが可能になり、古いANI_ADからMS_ADへ圧縮ヘッダ(4)の転送を行う。その後、圧縮ヘッダを含む追加パケットを設けてもよい(例示されているように、圧縮ヘッダ(6)と(7)、及び、元の未圧縮ヘッダ(6)と(7)は、古いANI_ADから新しいANI_ADへ送信される)。圧縮されたヘッダと元の未圧縮ヘッダの双方のデュアル送信により、新しいANI_ADが十分な情報を任意の時点に得ることが可能になり、古いANI_ADが圧縮ヘッダの送信を中止する時点に無関係に(非同期的に)新しいANI_ADは未圧縮ヘッダの圧縮機能に着手できるようになる。例示されているように、圧縮ヘッダ(6)と(7)とは、新しいANI_ADで圧縮され、新しいANI_ADからMS_ADへの送信が行われる。最終的に、上述のように、新しいANI_ADによりヘッダの圧縮機能が想定された後、任意のソースから得られる元の未圧縮ヘッダ(6)、(7)、(8)の圧縮が新しいANI_ADにより行われる。該任意のソースとは、例示されているように、未圧縮ヘッダ(6)と(7)用としては古いANI_ADであり、また、未圧縮ヘッダ(8)用としては古いANI_ADまたはパケット・ソースであってもよい。
ANI_ADがST2で生成された通知を受信していないことから明らかなように、何らかの理由のために、ST1で始まる圧縮用コンテキスト情報の転送開始が無効となった場合、古いANI_ADは、上に説明したような圧縮用コンテキスト情報の転送の再試行を1回以上試みることが可能である。これらの新しい試行は、新しいANI_ADから通知が受信されなかったことにより証明されるような或る期間の期限切れ後に行われる。
到来ヘッダの連続するフローに起因して、古いANI_ADから送信された圧縮用コンテキスト情報は変化する可能性があり、そのため、圧縮ヘッダ(5)と共にリレーする圧縮用コンテキスト情報の更新がST1で必要となることを理解されたい。しかし、ヘッダ(5)の後で、新しいANI_ADは古いANI_ADから未圧縮ヘッダを利用できるので、新しいANI_ADは受信した圧縮用コンテキスト情報に対して更新を行うことができる。
圧縮用コンテキスト情報にタグを付けて、圧縮ヘッダ(5)などからその圧縮用コンテキスト情報をどの時点でとったかを示すようにしもよい。その結果、新しいANI_ADにより、ヘッダ(5)に後続する任意のヘッダを用いて受信した圧縮用コンテキストの更新が行われる。元の未圧縮ヘッダの値を利用して、更新された圧縮用コンテキスト情報を提供するようにしてもよい。
使用するヘッダ圧縮メカニズムに応じて、圧縮用コンテキスト情報が基づいているANI_ADの圧縮ヘッダに関する情報を新しいANI_ADに与える適時要件のために、圧縮ヘッダ(5)などのような圧縮用コンテキスト情報と関連するヘッダに後続するいずれかのヘッダの受信前に、新しいANI_ADによる圧縮用コンテキスト情報の受信が必要となる。上記の環境で、新しいANI_ADは、ヘッダ(6)より前に圧縮用コンテキスト情報を受信した場合にのみ通知を送信する。これを行う1つの方法として、ヘッダ(5)に圧縮用コンテキスト情報を付け、高帯域を用いて単一の送信として上記情報全体の送信を行う方法がある。しかし、圧縮されたヘッダ及びそれと関連する圧縮用コンテキスト情報の送信時点を分割する別のアプローチも可能である。
別のヘッダ圧縮方式として、たとえヘッダ(6)に関する上記例よりも後に圧縮用コンテキスト情報を受信した場合であっても、新しいANI_ADは、受信した圧縮用コンテキスト情報に対して遡及的に更新を適用することが可能であり、その場合、上記圧縮用コンテキスト情報が圧縮ヘッダ(5)と関連して送信されるが、上記圧縮用コンテキスト情報の送信時点は、送信ヘッダ(6)の送信時点と同じ位遅い時点であってもよい。この場合、この新しいANI_ADはそのメモリの中に最も新しく受信した元の未圧縮ヘッダを保持し、圧縮用コンテキスト情報を更新するために適切なヘッダの検索を行う。図8に例示されているようにヘッダ番号は、RTPシーケンス番号とは無関係であり、ヘッダの番号付けは古いANI_ADにより行われる機能であることに留意されたい。
図9は、圧縮の実施態様の一部として、図8と関連して上述したような、MS_ADから古いANI_ADへのダウンリンク・トラフィックの場合の上記フィードバック情報の利用を例示する図である。肯定応答(ACK(1))の形での上記第1のフィードバック情報がMS_ADと、ST1前に受信された古いANI_ADとの間で行われる。この時刻より前に、第4の圧縮ヘッダ(4)を持つパケットが新しいANI_ADへ送信され、この新しいANI_ADによりパケットはMS_ADへリレーされる。肯定応答ACK(1)の受信により、MS_ADが受信した圧縮ヘッダの受信状態を古いANI_ADに知らせる情報が古いANI_ADに与えられる。ST1で、古いANI_ADは、圧縮ヘッダ(5)、及び、図8と関連して上述したものと類似しているが、圧縮用コンテキスト識別子[1]をさらに含む圧縮用コンテキスト情報を送信する。識別子[1]は、圧縮用コンテキストが、ACK(1)を考慮に入れているが、ACK(1)より若い肯定応答は考慮していないことを新しいANI_ADに対して示す。ST2で、新しいANI_ADは圧縮用コンテキストを格納する。しかし、図8の通信シーケンスの場合とは異なり、第2の肯定応答(ACK(2))の形のMS_ADからのフィードバック情報が新しいANI_ADにより受信される。このことにより、新しいANI_ADは、上記第2のフィードバック情報(ACK(2))で受信した上記情報に基づくよりもむしろ、圧縮ヘッダ(5)と関連する圧縮用コンテキスト情報と関連する識別子[1]に基づいて、新しいANI_ADの圧縮用コンテキスト情報の更新を行うことが可能になる。古いANI_ADは、MS_ADから受信した(ACK(1))の最後のフィードバック情報のシーケンス番号から圧縮用コンテキストの識別子を生成する。MS_ADにより解凍された最後のヘッダに関する最新の情報は最後のフィードバック情報により提供されるので、最後のフィードバック情報だけしか利用されない。したがって、ST2で、新しいANI_ADは、最後に受信したフィードバック情報(ACK(2))と共にこのコンテキスト情報を格納する。新しいANI_ADは、ST2より前にいずれかの別のフィードバック情報を受信したかどうかのチェックも行う。ST2は、古いANI_ADと新しいANI_ADとの間の通信用往復時間として定義されるT1秒未満の値であるが、T1の別の時間設定も可能である。新しいANI_ADがT1秒未満の時点ST2より前に何らかのフィードバック情報を受信した場合、受信した上記フィードバック情報が例えば上記第1のフィードバック情報(ACK(1))などの基準フィードバック情報よりも若いかどうかを調べるチェックが行われる。上記フィードバック情報が新しいものである場合、新しいANI_ADに格納された圧縮用コンテキストはそのフィードバック情報を用いて更新される。これらの更新値は受信されるフィードバック情報の順に適用される。ST2後、新しいANI_ADは、(ACK(n))として特定された、MS_ADから受信した任意のフィードバック情報を用いて圧縮用コンテキストを連続して更新する。図9に例示されている信号フローの残り部分は図8の信号フローと同一であるが、例図を簡略化するために削除されている。
図10は、古いANIから新しいANIへの解凍用コンテキスト情報の転送に先行して無線ハンド・オフが行われる場合のアップリンク・トラフィックでの動作を例示する。MS_ADは、古いANI_ADへリレーされる新しいANI_ADを介して少なくとも1つの圧縮ヘッダを送信する。上記第1の圧縮ヘッダ(1)は新しいANI_ADから古いANI_ADへ転送される。ST1で、新しいANI_ADへ送信するために、古いANI_ADはその解凍用コンテキスト情報のスナップ・ショットをとる。ST2で、新しいANI_ADは解凍用コンテキスト情報を受信し格納する。その後、新しいANI_ADはMS_ADから受信した後続のヘッダ(4)、(5)、(6)のいずれをも解凍する。送信シーケンスで、上記第1の3つのヘッダ(1)、(2)、(3)は、ヘッダのいずれの解凍も新しいANI_ADで行うことなくMS_ADから新しいANI_ADを介して送信される。しかし、解凍用コンテキスト情報の時刻ST2での格納の結果、次に受信されるヘッダはST3で解凍が行われ古いANI_ADへ送信される。解凍されたヘッダの受信に起因して、古いANI_ADは新しいANI_ADから受信したヘッダの解凍を停止する。ヘッダ圧縮方式がフィードバック情報に基づくものである場合、古いANI_ADはMS_ADへフィードバック情報を送信してもよい。その場合、新しいANI_ADにより、上記フィードバック情報はMS_ADへリレーされ、また、上記フィードバック情報(図10のACK(2))に基づいてその解凍用コンテキストの更新も行われる。
様々な実施態様でオプションとして利用されるコンテキスト識別子は、コンテキスト構成部の識別子のコレクションである(これらの識別子は、複数のコンテキスト構成部に共通のものであれば繰り返し使用する必要はない)。
図11と12は、それぞれ、古いANI_ADから新しいANI_ADへの圧縮機能(ダウンリンク・トラフィック)と解凍機能(アップリンク・トラフィック)の、無線ハンド・オフと同時に行われるリロケーションを例示するものである。本実施態様は、古いANI_ADが圧縮または解凍用コンテキスト情報を取得し、MS_ADへ/から転送される情報を要求することなく、新しいANI_ADへ上記解凍用コンテキスト情報を送信するステップに基づいているが、新しいANI_ADとその交信を行うことを考慮して、MS_ADの圧縮装置/解凍装置機能がハンド・オフを行うようにアドバイスを受ける実施態様である。
図11に例示されているように、古いANI_ADは、CC_Dで示される圧縮用コンテキスト情報を格納し、識別子CC_D_IDを持つこの圧縮用コンテキスト情報CC_Dを新しいANI_ADへ送信する。新しいANI_ADは圧縮用コンテキスト情報CC_Dと識別子CC_D_IDとを格納する。無線ハンド・オフの直後、上記格納された圧縮用コンテキスト情報の利用開始時に、新しいANI_ADは、圧縮ヘッダの中に圧縮用コンテキストCC_Dの識別子を含め、この圧縮ヘッダと、及び、MS_ADに格納されたコンテキスト識別子CC_D_IDとをMS_ADへ送信する。識別子CC_D_IDにより、MS_ADは、新しいANI_ADにより利用される圧縮用コンテキストに対応する正しい解凍用コンテキストの検索を行って、受信ヘッダの解凍を行うことが可能になる。ヘッダ圧縮の実施態様に基づくフィードバック情報(肯定応答など)で、MS_ADから、MS_ADの解凍用コンテキスト情報の新しいANI_ADへ肯定応答(ACK)が送信される。いったんフィードバック情報が受信されると、MS_ADへ送信する圧縮ヘッダの中にCC_D_IDを含める必要はもはやなくなるが、ヘッダ圧縮方式に依っては、CC_D_IDを含めてもよい。CC_D_IDはパケット列のシーケンス番号であってもよい。
図12は、アップリンク・トラフィック時の古いANI_ADから新しいANI_ADへの、無線ハンド・オフと同時に行われる解凍機能のリロケーションを例示する。古いANI_ADは、新しいANI_ADへ送信する解凍用コンテキストDC_uと解凍用コンテキストのDC_u_ID識別子を選択する。新しいANI_ADは解凍用コンテキストDC_uを格納する。例示されているように、古いANI_ADは、解凍用コンテキスト識別子DC_u_IDと共にハンドオーバー・コマンドをMS_ADへ送信する。MS_ADはこの識別子を用いて、対応する圧縮用コンテキストCC_uを導き出し、この圧縮用コンテキストCC_uの格納を行うが、本発明はハンドオーバー・コマンドとDC_u_IDとのジョイント送信に限定されるものではない。無線ハンド・オフ後、MS_ADは解凍用として直ちにCC_uを利用する。新しいANI_ADはDC_uを用いて解凍を行う。ハンドオーバー・コマンドは、ハンド・オフを行うために必要なメッセージであることに留意されたい。したがって、量DC_u_IDはハンドオフ・コマンドにピギーバックされるものであるため、新しいメッセージを必要としない。
圧縮及び解凍用コンテキスト識別子は、それらがシーケンス番号などの数値順索引に基づいていることを考慮して効率的に符号化される。
図13は解凍装置がヘッダ(n)の受信に基づいてその解凍用コンテキストの更新を行う一例を例示するものである。数値順索引はシーケンス番号、または、何らかの別のシーケンス番号であってもよい。数値順索引は上記コンテキスト情報を特定するために利用される。新しい圧縮装置は、ヘッダ(n)の受信に基づいてその解凍用コンテキストを更新するヘッダ解凍装置へ圧縮ヘッダ(n)を送信する。数値順索引nは更新された解凍用コンテキストの表現として利用される。その後、ヘッダ解凍装置は肯定応答(ACK(n))の形でフィードバック情報を送信し、この肯定応答(ACK(n))により、圧縮装置は特定の肯定応答の受信に基づいてその圧縮用コンテキストの更新を行い、新しく更新されたコンテキストの表現として数値順索引nが利用される。
古いANI_ADとMS_ADとの間で送信される圧縮及び/又は解凍状態を効率的に更新するために必要な情報量は、全部の圧縮または解凍情報の代わりに、圧縮または解凍用コンテキスト識別子などの圧縮及び/又は解凍情報の表現の送信により減らすことができる。この表現は上述したコンテキスト識別子であってもよい。
完全なIP/UDP/RTPヘッダ圧縮の実施態様では、元のヘッダ(RT PTS、RT PSNなど)の各フィールド及びすべてのフィールドの圧縮が行われる。圧縮対象のヘッダ・フィールドに応じて、様々な圧縮技法の利用が可能である。したがって、完全なヘッダ圧縮は、個々の圧縮技法の様々なの組合せであってもよい。例えば、ヘッダ圧縮方式は、RTP SNフィールドを圧縮するVLEによる圧縮技法を用いるものであってもよいし、IPアドレス・フィールドを圧縮する暗黙の符号化技法を用いるものであってもよい。各技法について、圧縮装置は圧縮を行うための何らかの情報を必要とする。同様に解凍装置も解凍を行うための何らかの情報を必要とする。この情報は、それぞれ、圧縮用コンテキスト構成部及び解凍用コンテキスト構成部と呼ばれる。この場合、この圧縮(それぞれ解凍)コンテキストは、個々の圧縮(それぞれ解凍)コンテキスト構成部のコレクションである。コンテキスト識別子はコンテキスト構成部の識別子のコレクションである(これらの識別子は、複数のコンテキスト構成部に共通のものであれば繰り返し使用する必要はない)。上述の例と同じ例を用いる場合、圧縮用コンテキスト情報は、VLE技法によりRT PSNを圧縮するための圧縮用コンテキスト構成部を含むものであってもよいし、暗黙の符号化技法によりIPアドレスを圧縮するための圧縮用コンテキスト構成部を含むものであってもよい。
上記暗黙の符号化技法は固定フィールド、すなわちヘッダによる変化が生じないフィールドに対して適用される。圧縮値としてデータの送信を行う必要はない。圧縮用コンテキスト構成部はこの固定値から構成される。解凍用コンテキスト構成部は圧縮用コンテキスト構成部と同一である。
デルタ符号化の場合、所定のフィールドについて、圧縮装置は対応する基準ヘッダ内の値を基準とする元の未圧縮ヘッダ内の値の差分を圧縮値として送信する。例えば、元の未圧縮ヘッダのRTPタイム・スタンプが500で、基準ヘッダのRTPタイム・スタンプが450である場合、圧縮されるRTPタイム・スタンプは50となる。解凍装置は、基準ヘッダ(450)のRTPタイム・スタンプに、受信した解凍値(50)を加算することにより解凍を行う。この場合、圧縮及び解凍用コンテキスト構成部は、基準ヘッダ内のRTPタイム・スタンプの内容と同一であり、基準ヘッダ内のRTPタイム・スタンプの内容に等しい。コンテキスト構成部識別子は、基準ヘッダのRTPシーケンス番号であってもよいし、あるいは、基準ヘッダから成る或る短縮形であってもよい。
VLEの場合、圧縮装置は、圧縮された、ウィンドウWに属する元の未圧縮の値の範囲V_min、V_maxを追跡しつづける。上記フィードバック情報を伴うVLEでは、ウィンドウWは、最後に確認応答を受けた値からずっと未圧縮の形で圧縮されてきた値から構成される。フィードバック情報を伴わないVLEでは、ウィンドウはL個の最も最近圧縮された値(但しLはパラメータである)から構成される。圧縮装置は、元の未圧縮の値のk最下位ビットを圧縮値として送信する。値kはV_minとV_maxの関数として計算される。解凍装置は最後の解凍値V_lastを保持する。設計により、V_minはV_last及びV_max以下とする。解凍装置は、V_lastに最も近い値である解凍値を用いてヘッダの解凍を行ためにV_lastを使用する。上記最も近い値のk最下位ビットは上記圧縮値に一致する。圧縮用コンテキスト構成部は、圧縮用コンテキスト構成部が(V_min,V_max)の一対の値であるため、解凍用コンテキスト構成部とは異なる。これに対して、解凍用コンテキスト構成部は単一のvalue_V_lastである。この場合、解凍用コンテキスト構成部は、(V_min,V_max)を選択することにより圧縮用コンテキスト構成部から導き出すことが可能である(但し、V_min=V_max=V_last)。
図14−17は、圧縮及び解凍用コンテキスト情報と識別子とに関連する符号化技法の利用を要約するテーブルである。
タイマと基準値に基づく実施態様
A.概観
タイマと基準値に基づく実施態様は、以下の(1)及び(2)の観察に基づくものである。(1)RTPソースで生成された場合、RTPタイム・スタンプはパケット間の経過時間の線形関数と相関する。(2)RTP TSは式TS0+index*TS strideで表される。但し、TS0とTS strideは定数であり、indexは整数である(本明細書では以後このindexをパックされたRTP TSと呼ぶことにする)。したがって、正常動作時に、解凍装置で受信されたRTPタイム・スタンプも連続的に増分するタイマと相関することになり、その場合、ソースと解凍装置間の累積ジッタにより生じる歪みが発生する。累積ジッタには、“ネットワーク”ジッタ(ソースと圧縮装置間のジッタ)と、“無線”ジッタ(圧縮装置と解凍装置間のジッタ)とが含まれるため、観察されたネットワーク・ジッタに無線ジッタの上限値を加算することにより、圧縮装置は累積ジッタの上限値の計算が可能となる。次いで、圧縮装置によって、圧縮されたRTP TSとしてパックされたRTP TSの“k”最下位ビットが単に送信される。解凍装置ではまず近似値が計算され、次いで、圧縮されたRTP TS内の上記情報を用いてこの近似値を微調整することによりRTP TSの解凍が行われ、正確な値が決定される。前回解凍されたヘッダを受信したときからの経過時間に比例する値を前回解凍されたヘッダのRTP TSに加算することにより上記近似値が得られる。RTP TSの正確な値は上記近似値に最も近い値として計算される。対応するパックされたRTP TSの上記最も近い値のk最下位ビットは上記圧縮されたRTP TSに一致する。圧縮装置は、累積ジッタの上限値に基づいて、解凍装置が正しく解凍を行うことが可能になるような許される最小値として値kを選択する。
B.音声の場合
まず、タイマと基準値に基づく実施態様について音声との関連で説明する。一例として、連続音声サンプル間の時間間隔が20ミリ秒の場合、ヘッダnのRTPタイム・スタンプ(時刻n*20ミリ秒に生成された)=ヘッダ0のRTPタイム・スタンプ(時刻0に生成された)+TS stride*nとなる(但し、TS strideは音声コーデックに依存する定数であり、Tミリ秒毎のRTP TS増分値である)。したがって、解凍装置の中へ入ってくるヘッダ内のRTP TSは、時間の関数として調整された線形パターンにも従う。但し、ソースと解凍装置間の遅延ジッタに起因して厳密に従うものではない。正常動作時(クラッシュや故障が存在しない場合)には、実時間通話トラフィックの要件を満たすために遅延ジッタに制限が設けられる。
本実施態様では、解凍装置でタイマが使用され、現時点のヘッダ(解凍対象ヘッダ)のRTP TSの近似値が取得され、次いで、圧縮ヘッダで受信した追加情報によりこの近似値の微調整が行われる。
例えば、以下のように仮定する:
Last headerは最後に解凍に成功したヘッダである。但し、TS lastは最後のRTP TSであり、p TS lastは(解凍装置で)最後にパックされたRTP TSである。
Tは、2つの連続音声サンプル間の通常の時間間隔である。
TS strideはTミリ秒毎のRTP TSの増分値である。
current_headerは解凍対象の現時点のパケットのヘッダである。但し、TS_currentは現時点のRTP TSであり、p_TS_currentは現時点のパックされたRTP TSである。
RFHは、圧縮装置から肯定応答を受信したヘッダのシーケンス番号である。但し、TS_RFHはRTP TSであり、p_TS_RFHはパックされたRTP TSである。
タイマはTミリ秒毎に増分されるタイマである。但し、圧縮装置と解凍装置の双方は各々そのTimer(S_timerとR_timerでそれぞれ示され、タイマ113と134であってもよい)を保持する。
T_RFHはRFHを受信したときのTimerの値であり、T_currentはCurrent_headerを受信したときの同じTimerの値である。
N_jitter(n,m)は、ヘッダmを基準として観察されたヘッダnのネットワーク・ジッタである(ヘッダnはヘッダmに後続して受信される)。
但し、N_jitter(n,m)は圧縮装置により以下のように計算される:
N_jitter(n,m)=Timer(n,m)−(ヘッダnのパックされたRTP TS−ヘッダmのパックされたRTP TS)
但し、Timer(n,m)は、Tミリ秒の単位で表されるヘッダmからヘッダnへの経過時間である。N_jitter(n,m)は正または負の値をとり得る。圧縮装置におけるN_jitterは、Tミリ秒の単位で量子化されたネットワーク・ジッタである。
R_jitter(n,m)は、圧縮装置により予測されるヘッダmを基準とするヘッダnの無線ジッタである。R_jitterは圧縮装置−解凍装置チャネル(CD−CC)の特性により決められる。R_jitterの正確な計算を行う必要はない。R_jitterの十分な上限値があれば十分である。例えば、既知であれば、上限値としてMax−R_jitter(CD−CCでの最大ジッタ値)を用いてもよい。
したがって、上述の仮定により、パケットの累積ジッタは、以下のようにネットワーク・ジッタと無線ジッタの和として計算される:
Jitter(n,m)=N_jitter(n,m)+R_jitter(n,m)
さらにRTP TSは以下のように計算される:
RTP TS=TS0+index*TS_stride、
但し、TS0<TS_strideであり、indexは整数とする。
したがって、TS_last=TS0+index_last*TS_stride、かつ,TS_current=TS0+index_current*TS_stride
1.圧縮装置
圧縮装置は、p_TS_currentのk最下位ビットを圧縮ヘッダの形で送信する。
圧縮装置はkを決定するために以下のアルゴリズムを実行する:
Max_network_jitterを計算する。
J1=Max_network_jitter+Max_radio_jitter+Jを計算する。
但し、J=2は、圧縮装置と解凍装置においてTimerにより生じる量子化によるエラーを考慮する係数であり、このエラー値は+1または−1の値をとる可能性がある。
以下の条件を満たす最小の整数kを見つける:
(2*J1+1)<2k
圧縮装置におけるネットワーク・ジッタは3つの異なる方法に従って計算が可能であり、第1の方法は図18時に、第2の方法は図19に、第3の方法は図20に例示されている。上記第2及び第3の方法について、それぞれ、オプション1及びオプション2として以下説明する。第1の方法はネットワーク・ジッタの計算に適している。しかし、圧縮装置におけるネットワーク・ジッタの好ましい計算方法は、オプション1及びオプション2として以下それぞれ説明する第2及び第3の方法である。
図18に例示しているように、上記第1の方法に従って圧縮装置における特定のパケットについてネットワーク・ジッタは、直前のパケットと関連する情報を利用して計算される。したがって、例えば、パケット2(j2)のネットワーク・ジッタは、パケット1と関連する情報を利用して計算され、パケット3(j3)のネットワーク・ジッタは、パケット2と関連する情報を利用して計算され、パケット4(j4)のネットワーク・ジッタは、パケット3と関連する情報を利用して計算され、パケット5(j5)のネットワーク・ジッタは、パケット4と関連する情報を利用して計算される。
したがって、図18に従って、パケット2のネットワーク・ジッタは計算されたジッタj2に等しく、パケット3のネットワーク・ジッタは計算されたジッタj3に等しく、パケット4のネットワーク・ジッタは計算されたジッタj4に等しく、パケット5のネットワーク・ジッタは、計算されたジッタj5に等しくなる。
オプション1
オプション1の第2の方法用としてネットワーク・ジッタの計算に使用されるステップが、図19に例示されている。オプション1では、特定のパケットについてのネットワーク・ジッタが基準パケットと関連する情報を利用して計算される。したがって、パケット2を基準パケットと仮定すると、図19に例示されているように、パケット3のジッタj3は基準パケット2と関連する情報を利用して計算され、パケット4のジッタj4は基準パケット2と関連する情報を利用して計算され、パケット5のジッタj5は基準パケット2と関連する情報を利用して計算される。
図19に例示されているようなオプション1の第2の方法に従って、ジッタj3=2、ジッタj4=3及びジッタj5=−1と仮定されば、パケット5に先行して、N_jitter_min=2かつN_jitter_max=3となり、これに対して、パケット5では、N_jitter_min=−1かつN_jitter_max=3となる。したがって、パケット5における最大(Max)ネットワーク・ジッタ=N_jitter_max−N_jitter_min=4となる。したがって、パケット5のネットワーク・ジッタは4である。オプション1の方法に準拠するネットワーク・ジッタの計算式及びその計算式についての解説を以下行う。
現時点のパケットのネットワーク・ジッタは、以下のようなオプション1の方法に従って計算される:
N_jitter(Current_header,RFH)=(T_current−T_RFH)−(p_TS_current−p_TS_RFH)
N_jitter_maxとN_jitter_minを更新する。但しN_jitter_maxはMax{N_(j,RFH)}として定義される(すべてのヘッダについて、jはRFHから送信されたRFHを含む)。N_jitter_minは、Min{N_jitter(j,RFH)}として定義される(すべてのヘッダについて、jはRFHから送信されたRFHを含む)。
Max_network_jitter=(N_jitter_max)−(N_jitter_min)を計算する
N_jitter_maxとN_jitter_minは正または負の値をとり得るが、(N_jitter_max)−(N_jitter_min)は正であることに留意されたい。
オプション2
オプション2の第3の方法用としてネットワーク・ジッタの計算に使用されるステップが、図20に例示されている。オプション2では、特定のパケットにおけるネットワーク・ジッタは、関心対象パケットと、所定数の先行パケットの各々との間のジッタ計算値を用いて計算される。この所定数の先行パケットはウィンドウとして定義されるものであり、このようなウィンドウは任意の値とすることが可能である。図20に例示されている例では、このウィンドウは4つの先行パケットを示す値を有する。ウィンドウは、例えば7パケットなどのような任意の別の値に設定することも可能である。さらに、このウィンドウは、例えば、最後の基準パケットからのパケット数に等しい値になるような設定も可能である。
図20に例示のように、パケット5用のネットワーク・ジッタは、パケット1、j(5,1)、パケット2、j(5,2)、パケット3、j(5,3)、パケット4、j(5,4)に関する情報を用いて計算される。図20に例示されているように、各パケットに関連するパケット5について計算されるネットワーク・ジッタが、パケット1がj(5,1)=−2、パケット2がj(5,2)=3、パケット3がj(5,3)=4、パケット4がj(5、4)=7である場合、Max_network_jitter=7となる。オプション2の第3の方法及びその記述に従うネットワーク・ジッタの計算式を以下に記載する。
現時点のパケットのネットワーク・ジッタは、オプション2の方法に従って以下のように計算される:
現時点のヘッダ前に送信され、かつ、ウィンドウWに属するすべてのヘッダjについて、N_jitter(Current_header,j)=(T_current-T_j)−(p_TS_current−p_TS_j)を計算する。但し、T_jはヘッダj受信時のタイマ値であり、p_TS_jはヘッダjのパックされたRTP TSである。
ウィンドウW内のすべてのjについて、Max_network_jitter=|Max_N_jitter(Current_header,j)|を計算する。
解凍装置から得られるフィードバック情報が利用可能な場合、ウィンドウWには、最後のヘッダ(確認応答などによって、正しく受信されたことがわかっている)から送信されたヘッダが含まれる。フィードバック情報が存在しない場合には、ウィンドウWには送信された最後のL個のヘッダが含まれる。但し、Lはパラメータである。
2.解凍装置
Current_headerのRTP TSを解凍するために、解凍装置は、Last_headerが受信されてからの経過時間をTミリ秒の単位で計算する。その時間、Timer(Current_header,Last_header)にp_TS_lastが加算され、p_TS_currentの近似値が与えられる。次いで、解凍装置は、上記近似値に最も近い値を選択することによりp_TS_currentの正確な値を計算する。この最も近い値のk最下位ビットは圧縮されたRTP TSに一致する。TS_currentは、TS0+(p_TS_current)*TS_strideとして計算される。
Timer(Current_header,Last_header)は、(T_current−T_last)として計算可能である。但し、T_currentとT_lastは、Current_headerとLast_headerとがそれぞれ受信されたときのR_timerの値である。
3.正しさの証明
タイマ及び基準値に基づく実施態様の正しさを証明するため、以下のことが仮定されている:
Approx_TSは、p_TS_last+Timer(Current_header,Last_header)として解凍装置により計算されるp_TS_currentの近似値である。
Exact_TSは、p_TS_currentの正確な値である。次いで、上記仮定に基づいて:
|Approx_TS−Exact_TS|≦|Jitter(Current_header,Last_header)|
圧縮装置におけるMax_network_jitterの定義により、
|Jitter(Current_header,Last_header)|≦J1
但し、J1=Max_network_jitter+Max_radio_jitter+J
Jは、圧縮装置と解凍装置においてTimerにより生じる量子化によるエラーを考慮して加算される係数である。したがって、J=2で十分である。
したがって、以下の結果が得られる:
|Approx_TS−Exact_TS|≦J1
曖昧さのないExact_TSの計算を行うためには、(2*J1+1)<2kという条件が満たされるようにkを選択すれば十分である。
4.圧縮装置の前のパケットの順序の間違いの場合
パケットの順序の間違いは、RTPシーケンス番号(RTP_SN)を減らすことにより検出可能である。このパケットの順序の間違いが生じた場合、圧縮装置はVLEなどの異なる方式を用いて、パックされたRTP TSの符号化を行うことができる。解凍装置は、圧縮ヘッダ内の適切な表示ビットにより、この異なる符号化についての通知を受ける。
別のオプションとして、通常のTimer値と基準値とに基づくアルゴリズムの適用がある。パケットの順序の間違いにより、さらに大きなkの値が結果として生じることが予想される。
5.アップリンク
無線システムでは、アップリンク方向の場合、ネットワーク・ジッタはゼロ(これは、RTPソースと圧縮装置の双方が無線端末装置内に配置されていることに起因する)であり、無線ジッタは、一般に、非常に小さな値になるように限界が設けられ、制御される。したがって、予想されるkは非常に小さな定数となり、それによってヘッダ・サイズの変動が最小限になる。アップリンクの場合、端末装置は、ネットワークから広い帯域を通常要求しなければならないため、ヘッダ・サイズの変動が最小限になることは、帯域管理のために非常に有意義な利点である。さらに、パケットの順序の間違いが発生しない。したがって、タイマに基づくこの方式はアップリンク用として非常に好適である。
6.ダウンリンク
ダウンリンク方向の場合、ネットワーク・ジッタはゼロではなく、ジッタ全体が実時間要件を満たすように一般に小さな値となる。予想されるkは小さな値のままとなり、通常定数である。さらに多くのkの変動が生じる場合もあるが、ネットワークにより帯域の割当てが制御されるので、帯域管理は問題になる程のものではない。
7.ハンド・オフ
セルラー・システムでは、MSからネットワークへの無線リンクと、ネットワークからMSへの無線リンクとが存在し、それぞれ、アップリンク及びダウンリンクとして表される。圧縮/解凍がセルラーリンクに適用されると、MSベースの機能、MS_AD(MSアダプタ)が起動し、この機能によりアップリンクとダウンリンク用の圧縮及び解凍がそれぞれ行われる。ANI_AD(アクセス・ネットワーク・インフラ・ストラクチャ・アダプタ)と呼ばれるネットワーク・ベースのエンティティが存在し、このエンティティによりアップリンクとダウンリンク用の圧縮及び解凍がそれぞれ行われる。
考慮する特定のハンド・オフのケースは、ANI_AD間ハンド・オフであり、その場合、古いANI_ADから新しいANI_ADへの切替えにより生じる瞬断が発生する場合もある。問題となるのは、ハンド・オフ後、MS_ADと新しいANI_ADにおける圧縮/解凍が瞬断を伴わずに続くように、ハンド・オフを通じてずっと情報の継続性を保持する方法である。
ハンド・オフを行うための、以下に説明する2つの代替方法が存在する。
a.第1の方法
第1の方法では、ANI_ADとMS_ADとの間で交換されるコンテキスト情報の前述のスナップ・ショットがハンドシェイク法を用いて利用される。RTP TS用として、上記コンテキスト情報には、基準ヘッダの全RTP TSが含まれる。ハンド・オフの直後に、圧縮装置(アップリンク用MS_ADと、ダウンリンク用ANI_AD)は、タイマ・ベースの方式の利用を一時的に中断し、基準値と関連して圧縮されたRTP TSの送信を行う。いったん肯定応答が受信された場合、圧縮装置はRFHとして確認応答を受けた値を使用し、元のタイマ・ベースの方式へ切替えを行う。
b.第2の方法
第2の方法では、ハンド・オフの両端にわたってタイマ・ベースの実施態様が利用される。
i.ダウンリンク
MSである受信機側には中断は生じない。圧縮装置の役割は1つのANI_ADから別のANI_ADへ転送される。ハンド・オフ後、古いANI_ADの代わりに新しいANI_ADの中を貫通する新しいパスでヘッダの経路指定が行われる。
圧縮装置
古いANI_ADにより、以下の情報のスナップ・ショット、すなわち、T_RFH、p_TS_RFH、S_timerの現在値、TS0及びTS_Strideのスナップ・ショットがハンドシェイク法を用いて新しいANI_ADへ転送される(スナップ・ショット値はT_RFH*のようなアスタリスク(*)付きで表示される)。新しいANI_ADは、古いANI_ADから受信したS_timerの現在値を用いて、新しいANI_ADのS_timerの初期化を行い、Tミリ秒毎にこのタイマの増分を開始する。古いANI_ADのS_timerの現在値を用いるS_timerの初期化は概念的記述である。多数のフローにより共有される単一のS_timerが存在する場合、実際のS_timerの再初期化が行われることはない。代わりにS_timerと古いANI_ADから得られる値との間のオフセット値が記録される。このオフセット値は将来の計算時に考慮される。ハンド・オフ後、一番最初のヘッダを圧縮するために、新しいANI_ADによりp_TS_currentのk最下位ビットの送信が行われる。上記新しいANI_ADにより、使用ビット数kの計算が以下のように行われる:
J2=N_jitter(Current_header,RFH*)の上限値+Max_radio_jitter+J
但し、kは(2*J2+1)<2kという条件を満たすように選択される。
上記では、Max_radio_jitterは、新しいANI_ADとMS_AD間のセグメントに関する最大ジッタである。
N_jitter(Current_header,RFH*)の上限値は以下のように計算される:
|Timer(Current_header,RFH*)−(p_TS_current−p_TS_RFH*)|+T_transfer
但し、Timer(Current_header,RFH*)は(T_currentーT_RFH*)である。
T_currentは、Current_header受信時の新しいANI_ADにおけるS_timerの値である。
T_RFHは、古いANI_ADからの受信値である。
T_transferは、古いANI_ADから新しいANI_ADへ上記コンテキスト情報を転送するための、Tミリ秒の単位で表現される時間の上限値である。
J=2
解凍装置
Current_headerのRTP TSの解凍を行うために、解凍装置は、RFHを受信してからの経過時間をTミリ秒の単位で計算する。その時間、Timer(Current_header,RFH)にp_TS_RFHが加算され、p_TS_currentの近似値が与えられる。次いで、解凍装置は、上記近似値に最も近い値を選択することによりp_TS_currentの正確な値を計算する。上記近似値に最も近い値のk最下位ビットは圧縮されたRTP TSに一致する。TS_currentは、TS0+(p_TS_current)*TS_strideとして計算される。
RFHを受信してからの経過時間は(T_current-T_RFH)として計算可能である。
i.故障の場合
新しいANI_ADへ上記コンテキスト情報を適時に転送できない場合、新しいANI_ADは、肯定応答が受信されるまで全RTP TSの送信を行う。
ii.アップリンク
解凍装置の役割は1つのANI_ADから別のANI_ADへ転送される。圧縮装置はMSに固定されている。
解凍装置
古いANI_ADは、以下の情報のスナップ・ショット、すなわち、T_RFH*、p_TS_RFH*、R_timer*の現在値、TS0及びTS_Strideのスナップ・ショットをハンドシェイク法を用いて新しいANI_ADへ転送する。新しいANI_ADは、古いANI_AD2から受信したR_timerの現在値を用いて、そのR_timerの初期化を行い、Tミリ秒毎にそのタイマの増分を開始する。古いANI_ADのR_timerの現在値を用いるR_timerの初期化とは、概念的記述にすぎない。多数のフローにより共有される単一のR_timerが存在する場合、実際のR_timerの再初期化が行われることはない。代わりにR_timerと古いANI_ADから得られる値との間のオフセット値が記録される。このオフセット値は将来の計算時に考慮される。ハンド・オフ後、一番最初のヘッダを解凍するために、新しいANI_ADは、Timer(Current_header,RFH)を計算し、このTimer(Current_header,RFH)にp_TS_RFH*を加算して、p_TS_currentの近似値を算出する。次いで、解凍装置は、上記近似値に最も近い値を選択することによりp_TS_currentに対する正確な値を計算する。上記近似値に最も近い値のk最下位ビットは圧縮されたRTP TSに一致する。TS_currentは、TS0+(p_TS_current)*TS_strideとして計算される。
Timer(Current_header,RFH)は(T_current−T_RFH*)として推定することができる。T_currentは、Current_header受信時のR_timerの値である。
圧縮装置
MS_ADはp_TS_currentのk最下位ビットの送信を行う。MS_ADは使用ビット数kの計算を以下のように行う。
kが(2*J2+1)<2kの条件を満たすように選択されたとき、J2=N_jitter(Current_header,RFH*)+Max_radio_jitter+Jの上限値を計算する。
ここで、Max_radio_jitterは、新しいANI_ADとMS_ADとの間でのセグメント上の最大ジッタである。
N_jitter(Current_header,RFH*)の上限値は、|Timer(Current_header,RFH*)−(p_TS_current−p_TS_RFH*)|+T_transferとして計算される。
但し、Timer(Current_header,RFH*)は(T_current−T_RFH*)である。
T_currentは、現時点のヘッダ受信時の新しいANI_ADでのS_timerの値である。
T_RFH*は古いANI_ADからの受信値である。
T_transferは、古いANI_ADから新しいANI_ADへ上記コンテキスト情報を転送するための、Tミリ秒の単位で表現される時間の上限値であり、
J=2である。
故障の場合
新しいANI_ADへ上記コンテキスト情報を適時に転送できない場合、新しいANI_ADは、MS_ADに通知を行い、MS_ADは肯定応答が受信されるまで全部のRTP TSの送信を行う。
8.パフォーマンス
実時間通話要件に起因して、正常動作時の累積ジッタは、多くてTミリ秒の数倍にすぎないと予想される。したがって、16〜32個までの音声サンプルのジッタの修正が可能なので、4乃至5ほどのkの値で十分である。
本実施態様の利点は以下の通りである:
圧縮ヘッダのサイズは一定でかつ小さい。圧縮ヘッダには、メッセージのタイプ(k1ビット)を示すメッセージ・タイプと、どのフィールドが変化しているかを示すビット・マスクと、index_currentのk最下位ビット(kビット)を含むフィールドとが一般に含まれる。4ビットMSTIビット・マスクとk1=4が使用されると仮定すると、RTP TSが変化する場合(このケースが最も頻度が高い)の圧縮ヘッダのサイズは1.5バイトとなる。さらに、このサイズは無音間隔の長さの関数として変化しない。
タイマ処理と解凍処理との間の同期は必要なものではない。
圧縮ヘッダ内の部分的RTP TS情報としての、エラーに対するロバスト性が自給され、解凍用タイマと組み合わされて、十分なRTP TS値がもたらされるようにする必要があるにすぎない。ヘッダの紛失あるいは破損に起因して後続する圧縮ヘッダが無効になることはない。
圧縮装置はメモリ情報を保持する必要がほとんどない:
オプション1では、T_RFH、p_TS_RFH、N_jitter_max、N_jitter_min、TS0、TS_Stride、及び、ウィンドウW内のすべてのjについて{T−j,p−TS−j}、さらに、オプション2では、TS_Stride
C.ジッタ削減
実時間通話要件に起因して、上述の様々なジッタは、正常動作時に数Tミリ秒のオーダーのものであることが当然予想される。しかし、ジッタがさらに大きくなり、したがってさらに大きなkが必要となるケースを除外することはできない。例えば、RTPソースから受信機へのパスで異常事態(故障など)が生じ、その間ジッタが過大になる可能性がある。また、kの定数値が、所望の値または望ましい値であるケースが生じる場合もある。これらのケースに対処するために、フロント・エンドとして圧縮装置にジッタ削減機能を設けて過大なジッタ(或る閾値を上回るジッタ)を持つパケットをフィルターして取り除くようにすることも可能である。
(ハンド・オフが行われない)固定時のケースでは、ジッタはJ1として計算され、以下のような固定閾値と比較される:
J1=(N_jitter_max-N_jitter_min)+Max_radio_jitter+J
ハンド・オフの場合、ジッタはJ2として以下のように計算され、ハンド・オフ閾値と比較される。
J2=|Timer(Current_header,RFH*)−(p_TS_current−p_TS_RFH*)|+T_transfer+Max_radio_jitter+J
ハンド・オフが行われない固定時のケースと関連する主な相違点として、T_transferの加算がある。実際には、ハンド・オフの実行を100ミリ秒以内に可能にするためには、T_transferを約100ミリ秒に制限する必要がある。従って、Tミリ秒の単位(T=20ミリ秒)では、T_transfer=約5乃至6となる。k=5の値で十分である。
固定閾値とハンド・オフ閾値とは同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
D.ビデオのケース
RTPのビデオ・ソースの場合、一定の時間間隔が存在することは必ずしも真であるとはかぎらない。RTP TSは、1つのパケットから次のパケットへ必ずしも一定のペース(stride)だけ増分するとはかぎらないからである。しかし、RTP TS、及び、パケット間の時間間隔は離散的である。したがって、以下のようになる:
パケットのRTPタイム・スタンプm=(時刻0に生成された)パケット0のRTPタイム・スタンプ+TS_stride*[index+adjust(m)]
但し、TS_Strideはコーデックに依存する定数であり、adjust(m)は、mに依存し、音声の場合と同様、線形的振舞いと関連する差分を反映する。また、2つの連続するパケット間の時間間隔はTミリ秒の倍数の整数となる。
以下では、RTPソースにおける上記振舞いは調整された線形的振舞いと呼ばれる。音声の場合と同じ表記法を使用すれば、TS_last=TS0+TS+stride*[index_last+adjust(index_last)]、及び,TS_current=TS0+TS_stride*[index_current+adjust(index_current)
Adjustパラメータは正または負の値をとり得る。したがって、音声と比較した主な相違点として加算項Adjustがある。
解凍装置の中へ入ってくるヘッダ内のRTP TSは、時間の関数として調整された線形パターンにも従うが、これは、ソースと解凍装置間の遅延ジッタに起因して厳密なものではない。正常動作時(クラッシュや故障が存在しない場合)には、実時間通話トラフィックの要件を満たすために遅延ジッタに制限が設けられる。
上記のように、Current_headerのパックされたRTP TS=index_current+adjust(index_current)であることが仮定されている。例えば、p_TS_currentに関して同じ表記法を使用することにする。
圧縮装置
圧縮装置は、p_TS_currentのk最下位ビットを圧縮ヘッダで送信する。kの決定アルゴリズムは音声の場合と同じである。
解凍装置
使用アルゴリズムは音声の場合と同じである。
1.ハンド・オフ
音声について説明したハンド・オフの2つの代替方法がビデオについても同様に適用される。
2.kの値
音声の場合、k=4乃至5で十分である(2k=16乃至32)ことを示した。ビデオの場合には、Adjustに起因してさらに大きなkの値が必要となる。ビデオは毎秒30個のフレームで構成されているため、|Adjust|<30となる。したがって、正常動作時にk=7乃至8ビットで十分であることが望ましい。
ハンド・オフ実施態様の、タイマ・ベースの圧縮実施態様への適用
以下の記載は、タイマ・ベースの実施態様をRTP TSの圧縮に利用する場合の様々なハンド・オフの実施態様の適用方法について解説するものである。
様々なハンド・オフ実施態様として以下のものがある:
ダウンリンク及びアップリンク・トラフィックでの、ハンドシェイクを伴うハンド・オフ(図8と9)
ダウンリンク及びアップリンク・トラフィックでの、ハンドシェイクを伴わないハンド・オフ(図10と12)
ダウンリンク及びアップリンク・トラフィックでの、ハンドシェイクを伴わないハンド・オフ(図と7)
タイマ・ベースの実施態様には以下のような3つのオプションがある:
オプション1
Max_network_jitterは、(N_jitter_max)−(N_jitter_min)として計算される。但し、N_jitter_maxとN_jitter_minとは、それぞれ、ウィンドウW内のすべてのヘッダjについての、基準ヘッダのヘッダjのジッタの最大値及び最小値である。ウィンドウWは、基準ヘッダを含む、基準ヘッダの送信後に送信されたヘッダから構成される。基準ヘッダとは確認応答を受けたヘッダである。
オプション2
Max_network_jitterは、ウィンドウWに属するすべてのヘッダjについて、ヘッダjに対する現時点のヘッダのジッタの最大値として計算される。フィードバック情報があるか否かに応じて2つのサブオプションが存在する。
オプション2a:解凍装置からのフィードバック情報が存在する。Wは確認応答を受けた最後のヘッダを含む、該最後のヘッダ以来送信されたヘッダから構成される。
オプション2b:解凍装置からフィードバック情報が存在しない。Wは最後のL個のヘッダから構成される。但しLはパラメータである。
テーブル形式の図21〜26は本発明の実施態様の動作を例示するものである。
一例として、以下の技法が用いられるヘッダ圧縮の実施態様について考察する:
・ 固定フィールドを圧縮する暗黙の符号化技法
・ RTP_SN及びIP_IDを圧縮する、フィードバック情報を利用する圧縮技法を用いるVLE
・ RTP TSを圧縮するタイマ・ベースのオプション2aの圧縮技法
・ その他のフィールドのための直接符号化技法(すなわちその他のフィールドは圧縮されずにそのまま送信される)
圧縮用コンテキスト情報はFOコンテキスト情報及びSOコンテキスト情報である。順番に、各圧縮技法では圧縮用コンテキスト構成部が利用される。解凍用コンテキスト情報についても同じである。
図27〜28は、圧縮及び解凍用コンテキスト情報のそれぞれについて、FOコンテキスト情報構成部及びSOコンテキスト情報構成部の要約を示すものである。
コンテキスト転送の最適化
本発明によるコンテキスト転送の最適化を示す実施態様が図29に例示されている。図29に例示のコンテキスト情報は、時と共に変化するRタイマ及びSタイマの値だけを持つ時間関連情報である。現時点のR_timerあるいはS_timerの値は、上記コンテキスト情報の中に含まれると、古いANI_ADから新しいANI_ADへ可能な限り短時間の内に転送されて、新しいANI_ADのタイマと、古いANI_ADのタイマとの間でいずれのスキューも最少化されることが望ましい。本実施態様では、R_timerあるいはS_timerの現時点の値はコンテキストの残り部分から別々に送信される。したがって、この値は、その他のコンテキスト情報と共に送信される場合よりも高速な転送が可能となる。時間関連のコンテキスト情報の残り部分はT_RFH、p_TS_RFH、TS0及びTS_Strideである。本実施態様は、時間と関連するコンテキスト情報に加えて、古いANI_ADから新しいANI_ADへ送信される非時間関連のコンテキスト情報を用いて実施可能なものであると理解されたい。
古いANI_ADからの肯定応答の待機
図30に例示されている本発明の別の実施態様は、アップリンク・トラフィックの場合の無線ハンド・オフ後に定義されるリロケーションのケースを表すものである。少なくとも1つの圧縮ヘッダ(1)が、MS_ADから新しいANI_ADを介して古いANI_ADへ送信される。ST1で、古いANI_ADは、TS0とTS_Strideを含む、時間関連の解凍用コンテキスト構成部の第1の部分を新しいANI_ADへ送信する。この第1の部分は解凍用コンテキスト構成部のサブセットである。解凍用コンテキスト構成部のこの第1の部分は固定時間に関連する情報であり、この情報は、送信開始時を考慮することなく、あるいは、図29に関して上述した実施態様の考慮事項である送信必要時間を考慮することなく送信が可能である。ST2で、新しいANI_ADはそのR_timerを開始し、古いANI_ADへリレーされるすべての後続圧縮ヘッダのタイマ値を記録する(ヘッダのタイマ値とは、ヘッダ受信時のR_timerの値である)。リレーされる各ヘッダは、新しいANI_ADにより割り当てられ、古いANI_ADへ送信されるANI_ADシーケンス番号[4]及び[5]と関連づけられる。ST3及びST4で記録された到着タイマ値(T-3及びT-4)を持つ複数の圧縮ヘッダ(3)及び(4)がMS_ADから新しいANI_ADへ送信される。圧縮ヘッダ(3)及びシーケンス番号(4)(このシーケンス番号(4)はRTPシーケンス番号ではない)に応じて、古いANI_ADは、圧縮ヘッダ(3)を解凍し、パックされたタイム・スタンプp_TS_3と、シーケンス番号(4)とを含むフィードバック情報を肯定応答の形で新しいANI_ADへ送信する。ST5で、新しいANI_ADはシーケンス番号(4)を利用して、パケットのタイム・スタンプをヘッダと相関づけ、パケットのこのタイム・スタンプ値をタイマ値と関連づける。これによって解凍用コンテキスト情報構成部の第2の部分とサブセットとが創成され、完全な解凍用コンテキスト情報構成部が得られる。新しいANI_ADは、上記のようにして得られる格納された完全な解凍用コンテキスト構成部を利用して、ST5後に受信された圧縮ヘッダの解凍を行う。
本実施態様にはいくつかの利点がある。古いANI_ADから新しいANI_ADへの上記コンテキスト情報のリロケーションには切れ目が生じない。タイマ値(R_timerまたはS_タイマの現在値)の送信を行う必要がない。本実施態様は、ヘッダ圧縮方式が肯定応答ベースであるか否かに拘らずすべてのケースで機能する。オプション2bでは、新しいANI_ADは、ANI_ADのシーケンス番号とタイム・スタンプとを肯定応答から取り除いた後、肯定応答をMS_ADへリレーすることができる。
オプション1と2aでは、新しいANI_ADは、肯定応答からそのANI_ADのシーケンス番号とパケットのRTP TSとを取り除き、その結果をMS_ADへリレーする。
MS_ADからの肯定応答の待機
MS_ADからの肯定応答の待機を示す実施態様が図31に例示されている。ST1で、TS0とTS_Strideとから成るコンテキスト情報構成部が送信される。ST2の新しいANI_ADにより、そのS_timerが始動され、MS_ADへリレーされたすべての圧縮ヘッダのタイマ値とRTP TSとが記録される(ヘッダのタイマ値とは、ヘッダ受信時のS_timerの値である)。量RTP TSとRTP_SNとは元の未圧縮ヘッダからMS_ADにより取り出される。その後、新しいANI_ADがMS_ADから肯定応答(6)を受信し、この肯定応答(6)が新しいANI_ADによりリレーされたヘッダに関係づけられると、ST4の新しいANI_ADにより、肯定応答(6)がリレーされ、RFH以後リレーされたヘッダのウィンドウを用いて圧縮が開始される。RFHとは確認応答を受けたヘッダである。オプション1では、上記時間関連のコンテキスト情報構成部には(p_TS_RFH,T_RFH,N_jitter_max,N_jitter_min,TS0,TS_Stride)が含まれる。オプション2では、上記時間関連のコンテキスト情報構成部には{ウィンドウW内のすべてのヘッダjについての(p_TS_j,T_j),TS0,TS_Stride}が含まれる。量p_TS_jとT_jはヘッダjのRTP TSとタイマ値である。
ウィンドウ・フルの待機
図32の実施態様は、新しいANI_ADが、圧縮開始が可能になる前に、(肯定応答を待機するのではなく)L個のリレーされたヘッダを待機しているという点を除けば、図31のMS_ADからの肯定応答の待機の実施態様と同じである。ウィンドウWは、新しいANI_ADがヘッダ(6)、(7)、(8)、(9)をリレーするにつれて徐々に構成され、RTP TSパケット値p_TS_6、p_TS_7、p_TS_8、p_TS_9とタイマ値T_6、T_7、T_8、T_9を記録する。時間関連部分である上記コンテキスト情報の圧縮には{ウィンドウW内のすべてのヘッダjについての(p_TS_j,T_j),TS0,TS_Stride}が含まれる。量p_TS_jとT_jは、ヘッダjについてのRTP TSとタイマ値である。本実施態様は、上記実施態様と同じ利点を持つものであり、ヘッダ圧縮が肯定応答ベースのものではない場合に機能する。
ウィンドウ管理
図33と34には、ウィンドウ管理を利用する実施態様が例示されている。この実施態様はダウンリンクとアップリンクに対して適用可能である。本実施態様では、無線ハンド・オフの直後に新しい圧縮装置が作動する。無線リンクは、送信中1以上のパケットが時々紛失するように動作すると想定されている。上記新しい圧縮装置は、初期化されたウィンドウがいくつかの要素を持っている状態で始動する。新しく圧縮された各ヘッダがこのウィンドウに追加され、L個のヘッダが送信されるまでCC_D_Idと共に送信される。L個の無線パケットを送信する場合、このウィンドウのサイズは、当該パケットの受信時に少なくとも1つの無線パケットが受信されること、及び、解凍装置が時間に関連するその解凍用コンテキスト情報の更新が可能であることが保証されるように選択される。ウィンドウは、最も最近送信されたL個のヘッダとCC_D_IDだけを含むようにリセットされ、これらはそれ以上は送信されなくなる。その後、圧縮装置は、次の各送信パケットを用いて、圧縮装置の圧縮用コンテキスト情報の更新を行う。本実施態様はフィードバック情報なしで機能するものである。
図35は、ヘッダのVLEと時間関連の圧縮とを含む本発明の実施態様を例示する。図35は、図8と図31とを組み合わせたものである。
ST1で、古いANI_ADにより送信される圧縮用コンテキストは、SO圧縮用コンテキスト情報と(TS0,TS_Stride)とのサブセットである。ST4で、VLEのコンテキスト情報構成部は、ヘッダ(6)のRTP_SNのV_min=V_max_valueと、ヘッダ(6)のIP_IDのV_min=V_max=valueとして確定される。タイマのコンテキスト情報構成部は(p_TS_6,T_6,TS0,TS_Stride,S_timerの値)として確定される。
図36は、VLEとヘッダの時間関連解凍とを組み合わせた本発明の実施態様を例示するものである。図36は図10と図30との組合せを例示する。ST1で、古いANI_ADにより送信された解凍用コンテキスト情報は、SOの解凍用コンテキスト情報と、VLE用解凍用コンテキスト情報構成部と、(TS0,TS_Stride)とのサブセットである。ST4で、古いANI_ADは解凍用コンテキスト情報(p_TS_3)の別のサブセットを肯定応答の形で送信する。新しいANI_ADにより(p_TS3,T_3)はタイマのコンテキスト解凍用情報構成部に追加される。新しいANI_ADは、肯定応答からANI_ADシーケンス番号を取り除き、この肯定応答をMS_ADへリレーすることが可能となる。
古いANI_ADが圧縮ヘッダの送信を停止する時点は、例えばST2や通信(新しいANI_ADからの通知など)の受信後のような時点であってもよい。さらに、新しいANI_ADは、解凍用コンテキスト情報(ST2など)の転送後いつでも解凍を開始してもよい。
アップリンクとダウンリンクでは、多くの可能な変形例が可能である。特に:
解凍用コンテキスト情報は必ずしも古いANI_ADから直接到来する必要はない。解凍用コンテキスト情報は、上記情報を保持するいずれのエンティティからでも到来が可能である。さらに、たとえコンテキストが古いANI_ADから到来したものであっても、解凍用コンテキスト情報は別のノード/エンティティの中を通って推移するものであってもよい。
古いANI_ADから新しいANI_ADへの(TS0,TS_Stride)の転送は、必ずしも、ST1で行われるとはかぎらない。この転送は、上記情報が新しいANI_ADにより受信されるならば、ANI_ADによる解凍開始前のいつでも行うことが可能である。
転送された情報は(TS0,TS_Stride)である必要はない。パックされたTSと同等の何らかの情報(元のRTP TSまたはこのRTP TSの何らかの機能)の利用が可能である。この情報は“タイム・スタンプ同等情報”と呼ばれる。パックされたRTP TSとは異なるものを使用する場合、ST1で、(TS0,TS_Stride)の代わりに何らかの別の情報を送信することも可能である。ST1で送信された上記情報は、元のRTP TSとタイム・スタンプ同等情報との間の変換に利用される。
ダウンリンク環境においてのみ、古いANI_ADが返送する圧縮ヘッダと肯定応答と共に、ST3で新しいANI_ADにより送信されるANI_ADシーケンス番号は、タイム・スタンプ同等情報のヘッダとの相関づけを新しいANI_ADに可能にさせるメカニズムのほんの一例にすぎない。別のメカニズムも可能である。
本発明についてその推奨実施態様と関連して解説してきたが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、本発明に対する多くの修正が可能であると理解されたい。例えば、時間関連または非時間関連の一般的情報内容を持つコンテキスト情報と関連して本発明について解説してきたが、解説のような本発明の実施態様はいずれかの特定タイプのコンテキスト情報の転送に限定されるものではないと理解されたい。パックされたRTP TSの代わりに元のRTP TSを用いる場合、(TS0,TS_Stride)の転送は必要ではない。かかる修正のすべては添付の請求項の範囲内に属するものとする。
スナップ・ショット後のコンテキスト情報の更新によって生じる古くなったコンテキスト情報という従来技術の問題を例示する。 本発明の実施が可能な例示のシステムを例示する。 圧縮用コンテキスト情報を概念的に例示する。 解凍用コンテキスト情報を概念的に例示する。 信号の待ち時間によって生じる古くなったコンテキスト情報という問題を例示する。 ダウンリンク・トラフィック時の本発明の実施態様の動作を例示する。 アップリンク・トラフィック時の本発明の実施態様の動作を例示する。 ダウンリンク・トラフィック時の本発明の実施態様の動作を例示する。 本発明の実施態様のフィードバックが移動解凍装置から生じる場合の、ダウンリンク・トラフィックの場合の動作を例示する。 アップリンク・トラフィック時の本発明の実施態様の動作を例示する。 ダウンリンク・トラフィックの場合の本発明の実施態様の動作を例示する。 アップリンク・トラフィックの場合の1実施態様を例示する。 コンテキスト情報を特定するために数値順索引を利用する方法を示す一例を例示する。 ダウンリンク・トラフィックの場合の本発明によるコンテキスト情報の利用を例示するテーブルである。 アップリンク・トラフィックの場合の本発明によるコンテキスト情報の利用を例示するテーブルである。 ダウンリンク・トラフィックの場合の本発明によるコンテキスト情報の利用を例示するテーブルである。 アップリンク・トラフィックの場合の本発明によるコンテキスト情報の利用を例示するテーブルである。 第1の方法に従ってネットワーク・ジッタの計算ステップを例示する図である。 オプション1である第2の方法に従ってネットワーク・ジッタの計算を行うステップを例示する図である。 オプション2である第3の方法に従ってネットワーク・ジッタの計算を行うステップを例示する図である。 本発明によるコンテキスト情報の利用を要約するテーブルである。 本発明によるコンテキスト情報の利用を要約するテーブルである。 本発明によるコンテキスト情報の利用を要約するテーブルである。 本発明によるコンテキスト情報の利用を要約するテーブルである。 本発明によるコンテキスト情報の利用を要約するテーブルである。 本発明によるコンテキスト情報の利用を要約するテーブルである。 本発明による圧縮と解凍を行うための符号化用FO及びSOコンテキスト情報を要約する。 本発明による圧縮と解凍を行うための符号化用FO及びSOコンテキスト情報を要約する。 本発明によるコンテキスト転送の最適化を例示する。 古いANIからの肯定応答を待つ本発明の実施態様を例示する。 MSからの肯定応答を待つ本発明の実施態様を例示する。 ウィンドウ・フルの実施態様の待機を例示する。 ウィンドウ管理を利用する本発明の実施態様を例示する。 ウィンドウ管理を利用する本発明の実施態様を例示する。 複数のタイプのコンテキスト情報を含む、ダウンリンク時及びアップリンク時のそれぞれの本発明の実施態様を例示する。 複数のタイプのコンテキスト情報を含む、ダウンリンク時及びアップリンク時のそれぞれの本発明の実施態様を例示する。

Claims (6)

  1. 圧縮ヘッダを持つパケットの送信を行うパケット・ネットワークにおける通信方法において、
    第1のネットワーク・ノードと第2のネットワーク・ノードとの間の接続を確立するステップであって、上記第1のネットワーク・ノードと上記第2のネットワーク・ノードにおけるパケットのヘッダの圧縮と解凍に利用されるコンテキスト情報の格納を含むステップと、
    上記第1のネットワーク・ノードと上記第2のネットワーク・ノードとの間の接続を上記第2のネットワーク・ノードと第3のネットワーク・ノードとの間の接続へ変更するステップであって、上記第1のネットワーク・ノードにより格納され、次いで、上記第3のネットワーク・ノードのコンテキスト情報として上記第3のネットワーク・ノードにより格納される上記コンテキスト情報を上記第3のネットワーク・ノードへ移動解凍装置がハンド・オフされる時点に転送し、上記第3のネットワーク・ノードから上記移動解凍装置への送信の同期を維持するために、上記第3のネットワーク・ノードに格納された上記コンテキスト情報を用いて圧縮されたヘッダと上記コンテキスト情報の複数の識別子とを持つ複数のパケットを上記第3のネットワーク・ノードから上記移動解凍装置へ送信し、上記複数の識別子のうちの少なくとも1つの識別子の受信に応答して上記移動解凍装置から上記第3のネットワーク・ノードへ少なくとも1つのフィードバック情報を送信し、上記フィードバック情報の受信に応答して上記第3のネットワーク・ノードにより該第3のネットワーク・ノードに格納された上記コンテキスト情報を更新し、上記第2及び第3のネットワーク・ノードにおいて上記パケットのヘッダの圧縮と解凍を行うために、上記第2のネットワーク・ノードと上記第3のネットワーク・ノードに格納された上記コンテキスト情報を利用することを含むステップと、を有することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、上記識別子はシーケンス番号であることを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、上記シーケンス番号が、上記第3のネットワーク・ノードに格納された上記コンテキスト情報を最後に更新したパケットの識別番号であることを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、上記第3のネットワーク・ノードに格納された上記コンテキスト情報を用いて圧縮されたヘッダを持つ上記複数のパケットのうちの少なくとも1つのパケットは、上記第1のネットワーク・ノードから受信した未圧縮のパケット・ヘッダを持つ少なくとも1つのパケットから形成されたもの、あるいは、上記第1のネットワーク・ノード以外のソースから受信した未圧縮のヘッダを持つ少なくとも1つのパケットから形成されたものであることを特徴とする方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の方法において、上記第1のネットワーク・ノードから上記第3のネットワーク・ノードへ送信される上記コンテキスト情報は、時間関連のコンテキスト情報構成部を有することを特徴とする方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、前記時間関連のコンテキスト情報構成部は、少なくとも1つの前回のパケットのタイム・スタンプと到着時のうちの少なくとも一方に関連する要素を含むことを特徴とする方法。
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