JP3939836B2 - Rubber-modified thermoplastic resin composition - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐衝撃性、耐薬品性、着色性、耐候性、成形外観および成形加工性のバランスに優れたゴム変性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂の耐衝撃性を改良する手段として最も有効なのは、樹脂へゴム成分を導入することである。この手法としては、ゴム成分と樹脂成分の機械的ブレンドや、ゴム成分に樹脂成分をグラフト重合させることなどが広く行われており、ポリブタジエン系ゴムを導入することにより、耐衝撃性を改良したABS樹脂、HIPS樹脂などに代表されるゴム変性熱可塑性樹脂が良く知られている。
また、耐候性を向上させるために、実質的に二重結合を持たないエチレン−α−オレフィンゴムや水添ゴムを導入したAES樹脂などの耐候性樹脂があり、さらに耐薬品性を向上させるためにアクリルゴムを導入したアクリルゴム変性熱可塑性樹脂などがある。
このように、ゴム成分の特性により、このゴム成分を導入した熱可塑性樹脂の性能が大きく左右され、大きな長所を得ることができる反面、欠点もある。例えば、ブタジエン系ゴムで変性されたABS樹脂は、耐衝撃性、成形加工性には優れるが、耐候性に劣り、AES樹脂は、耐候性に優れる特性を有する反面、衝撃強度、成形外観に劣り、アクリル系ゴムで変性した熱可塑性樹脂は、耐候性、耐薬品性に優れるが、耐衝撃性、成形加工性に劣る。
【0003】
これらの欠点を改良するために、従来の方法では、それぞれの特徴あるゴム変性熱可塑性樹脂どうしをブレンドすることにより、欠点を補うとするのが一般的であるが、もとのゴム変性熱可塑性樹脂の特性を犠牲にしたり、あるいは、充分に欠点を改良できないものであり、耐衝撃性、耐薬品性、着色性、耐候性、成形外観および成形加工性のバランスを向上させた熱可塑性樹脂が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたもので、性能の異なる特定の2種以上のゴム質重合体の存在下に、ビニル系単量体成分をグラフト重合させることにより、実質的にゴム質重合体が相溶化し複合化したゴム成分となったゴム変性熱可塑性樹脂を得ることにより、耐衝撃性、耐薬品性、着色性、耐候性、成形外観および成形加工性のバランスを向上させたゴム変性熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、tanδのピーク温度が−30℃以下の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物およびtanδのピーク温度が−30℃を超えるエチレン−α−オレフィン系ゴムを含有するゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物およびその他の共重合可能な他のビニル系単量体の群から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体成分をグラフト重合してなり、得られるゴム分散粒子の少なくとも一部が、上記2種以上のゴム質重合体の相溶化体を形成し、かつ該ゴム質重合体の中間の単一のtanδのピーク温度を示すことを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。ここで、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物は、グラフト率が10〜150重量%であり、かつゴム分散粒子径が0.1〜1μmであるものが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるゴム質重合体は、異なるtanδのピーク温度を有する2種以上のゴム質重合体を併用する。ここで、上記2種以上のゴム質重合体としては、tanδのピーク温度が、−30℃以下のゴム質重合体(イ)と−30℃を超えるゴム質重合体(ロ)を併用する必要がある。上記ゴム質重合体(イ)としては、芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物を用いる。
【0007】
上記芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物は、芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックAと、共役ジエン系化合物単位からなる重合体ブロックの二重結合部分を95モル%以上水素添加して得られる重合体ブロックBからなるブロック共重合体である。ブロック共重合体の芳香族ビニル化合物単位であるAブロックの割合は、ブロック共重合体中の10〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは13〜40重量%である。芳香族ビニル化合物の重合体ブロックが10重量%未満では、樹脂の表面外観が低下し好ましくなく、一方、60重量%を超えると、耐衝撃性が発現されずに好ましくない。上記ブロック共重合体に用いられる芳香族ビニル化合物としては、後記ビニル系単量体成分に用いられる芳香族ビニル化合物と同様である。
【0008】
また、上記ブロック共重合体のブロックBは、共役ジエン重合体ブロックの水添部分からなり、水素添加率は、95モル%以上、好ましくは96モル%以上である。95モル%未満では、グラフト重合中にゲルの発生を招き、安定的に重合できず好ましくない。ブロックBの1,2−ビニル結合含量は、10〜90モル%が好ましく、30〜80モル%がさらに好ましい。10モル%未満では、ゴム的性質が失われ、耐衝撃性の低下を招き好ましくなく、一方、90モル%を超えると、耐薬品性が発現されず好ましくない。
【0009】
上記ブロックBに用いられる共役ジエン系化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、工業的に利用でき、物性の優れた水添ジエン系ゴム質重合体を得るには、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記ブロック共重合体の分子構造は、分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わせでもよく、さらにブロック構造としては、ジブロック、トリブロック、もしくはマルチブロック、またはこれらの組み合わせでもよい。
【0010】
他方、ゴム質重合体(ロ)としては、エチレン−α−オレフィン系ゴムの、tanδのピーク温度が−30℃を超えるゴム質重合体を用いる。中でも、エチレン/α−オレフィンの重量比が90/10〜20/80、好ましくは85/15〜40/60で、ヨウ素価に換算して0〜40の範囲のエチレン−プロピレン共重合体、もしくはエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体(EPDM)、あるいはエチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体などのゴム質重合体が好ましい。
【0011】
以上のゴム質重合体(イ)〜(ロ)の重量平均分子量は、6万〜30万が好ましく、さらに好ましくは7万〜25万である。6万未満では、耐衝撃性が発現されず、一方、30万を超える高分子量のものでは、相溶性が低下し、衝撃強度と成形外観のバランスが悪くなり好ましくない。
【0012】
本発明では、上記の(イ)tanδのピーク温度が−30℃以下の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物および(ロ)tanδのピーク温度が−30℃を超えるエチレン−α−オレフィン系ゴムを含有するゴム質重合体、例えば上記ゴム質重合体(イ)〜(ロ)の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物およびその他の共重合可能なビニル系単量体の群から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体成分をグラフト重合させ、得られるゴム分散粒子の少なくとも一部が、上記のゴム質重合体の相溶化体を形成し、かつ上記ゴム質重合体の中間の単一のtanδのピーク温度を示すことにより、本発明の効果が得られる。すなわち、tanδのピーク温度の異なるゴム質重合体は、グラフト重合時に実質的にこれらのゴム質重合体が相溶化して複合ゴム粒子となって存在することで、使用したゴム質重合体の中間の単一のtanδのピーク温度を示す。
【0013】
このような新たな特性を有する複合ゴム粒子とするためには、使用する2種以上のゴム質重合体、例えばゴム質重合体(イ)と(ロ)自体が相溶化しやすいゴム構造に加え、グラフト重合する際に、均一にグラフト重合が進むような有機過酸化物や溶媒の選択およびゴム質重合体(イ)と(ロ)を均一溶液に溶解し重合を開始したり、あらかじめ溶融混練りしたものを溶液に溶解して溶液重合または塊状重合することや、再乳化したものを乳化重合または懸濁重合することなどの重合方法を工夫することで、目的の複合化したグラフトゴム粒子が得られる。
【0014】
上記グラフト重合に用いられるビニル系単量体成分のうち、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p−t−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、これらは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。好ましい芳香族ビニル化合物は、スチレンまたは芳香族ビニル化合物中にスチレンを50重量%以上含むものである。
芳香族ビニル化合物の使用量は、ビニル系単量体成分中に、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。10重量%未満では、樹脂の熱安定性が低下し、一方、80重量%を超えると、樹脂の靱性が低下し好ましくない。
【0015】
また、上記ビニル系単量体成分のうち、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、好ましくアクリロニトリルである。
シアン化ビニル化合物の使用量は、ビニル系単量体成分中に、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜35重量%である。5重量%未満では、耐薬品性、衝撃強度が低下し、一方、50重量%を超えると、機械的強度が低下し、また樹脂の色調が悪化する。
【0016】
さらに、上記ビニル系単量体成分のうち、その他の共重合可能なビニル系単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステルや、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和酸無水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物などが挙げられ、好ましくはメチルメタクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが挙げられる。これらの他の共重合可能なビニル系単量体は、1種単独で使用するか、あるいは2種以上を混合して、本発明の効果を損なわない程度の量を使用する。
【0017】
上記ゴム質重合体とビニル系単量体成分の使用割合は、2種以上のゴム質重合体、例えばゴム質重合体(イ)〜(ロ)の合計の使用量が好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%である。5重量%未満では、耐衝撃性が発現せず、一方、40重量%を超えると、表面光沢が低下し好ましくない。
【0018】
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物のグラフト率は、好ましくは10〜150%、さらに好ましくは20〜100%、特に好ましくは35〜60%である。グラフト率が10%未満では、耐衝撃性強度が低く、一方、150%を超えると、外観と耐衝撃性のバランスが悪くなり好ましくない。
グラフト率は、重合開始剤の種類・量、重合温度、さらには単量体成分の濃度などによって調整することができる。
ここで、グラフト率(%)は、ゴム変性熱可塑性樹脂組成物1g中のゴム成分重量をx、メチルエチルケトン不溶分重量をyとすると、次式により求められた値である。
グラフト率(%)=〔(y−x)/x〕×100
【0019】
また、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物中のゴム分散粒子径は、好ましくは0.1〜1μm、さらに好ましくは0.2〜0.7μmである。0.1μm未満では、衝撃強度が著しく低下し、一方、1μmを超えると、光沢の低下を招く。ここで、ゴム分散粒子径は、例えば溶液重合に際しては、溶媒量、ゴム量や、重合中の剪断力により、任意に調整することができる。また、乳化重合にあっては、ホモミキサーなどの乳化分散機器の剪断力、乳化剤の種類・量や分散剤の種類・量などの調整で、あらかじめ乳化再分散することによって、任意に調整することができる。
【0020】
なお、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物のマトリックス成分であるメチルエチルケトン可溶分の固有粘度〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中で測定)は、好ましくは0.2〜0.7dl/g、さらに好ましくは0.22〜0.65dl/g、特に好ましくは0.23〜0.6dl/gである。この固有粘度〔η〕が0.2dl/g未満であると、耐衝撃性強度が低くなり、一方、0.7dl/gを超えると、フローマークの発生や光沢低下を招き好ましくない。
上記固有粘度〔η〕は、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、溶剤などの種類や量、さらに重合時間、重合温度などを変えることにより、容易に制御することができる。
【0021】
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物は、上記(イ)および(ロ)を含有するゴム質重合体の存在下に、上記ビニル系単量体成分を乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などでラジカルグラフト重合を行い、製造することができる。好ましくは溶液重合である。なお、上記ラジカルグラフト重合には、重合溶媒(溶液重合の場合)、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤(乳化重合の場合)などが用いられる。また、ゴム変性熱可塑性樹脂組成物を製造するのに用いるゴム質重合体および単量体成分は、ゴム質重合体全量の存在下に、単量体成分を一括添加して重合してもよく、分割もしくは連続添加して重合してもよい。また、これらを組み合わせた方法で、重合してもよい。さらに、ゴム質重合体の全量または一部を、重合途中で添加して重合してもよい。
【0022】
溶液重合法では、溶剤が用いられる。この溶剤は、通常のラジカル重合で使用される不活性重合溶剤であり、例えばエチルベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、ジクロロメチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素などが用いられる。溶剤の使用量は、上記ゴム質重合体およびビニル系単量体成分の合計量100重量部に対し、好ましくは20〜200重量部、さらに好ましくは50〜150重量部である。
【0023】
上記重合開始剤は、重合法に合った一般的な開始剤が用いられる。
溶液重合に際しては、例えばケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が重合開始剤剤として用いられる。また、重合開始剤は、重合系に、一括または連続的に添加することができる。重合開始剤の使用量は、ビニル系単量体成分に対し、通常、0.05〜2重量%、好ましくは0.2〜0.8重量%である。
また、乳化重合に際しては、重合開始剤として、クメンヒドロキシパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどで代表される有機ハイドロパーオキサイド類と含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方などで代表される還元剤との組み合わせによるレドックス系、あるいは過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物が使用される。好ましくは、油溶性開始剤であり、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドと含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方などで代表される還元剤との組み合わせによるレドックス系がよい。また、上記油溶性開始剤と水溶性開始剤とを組み合わせてもよい。組み合わせる場合の水溶性開始剤の添加比率は、全添加量の好ましく50重量%以下、さらに好ましく25重量%以下である。さらに、重合開始剤は、重合系に一括または連続的に添加することができる。重合開始剤の使用量は、単量体成分に対し、通常、0.1〜1.5重量%、好ましくは0.2〜0.7重量%である。
【0024】
また、連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィド、四塩化炭素、臭化エチレンおよびペンタフェニルエタンなどの炭化水素類、またはアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、α−メチルスチレンのダイマーなどが挙げられる。これらの連鎖移動剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の使用方法は、一括添加、分割添加、または連続添加のいずれの方法でも差し支えない。連鎖移動剤の使用量は、単量体成分に対し、通常、2.0重量%以下程度である。
【0025】
乳化剤を使用する場合は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。このうち、アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、リン酸塩系、脂肪酸塩などが挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられる。さらに、両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩を、カチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩などを持つものが挙げられる。
乳化剤の使用量は、単量体成分に対し、通常、0.3〜5.0重量%程度である。
なお、グラフト重合の際の重合温度は、10〜160℃、好ましくは30〜120℃である。
【0026】
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物は、目的に応じて、下記の他の重合体をブレンドすることができる。
すなわち、他の重合体としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフィンの単独重合体や、これらの共重合体などが挙げられる。代表例としては、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのポリエチレン類、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン−ジエン系化合物共重合体などのポリプロピレン類、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1などが挙げられる。これらの中で、結晶性ポリエチレン、結晶性ポリプロピレンが好ましい。
【0027】
上記結晶性ポリエチレンとしては、市販の結晶性を有する高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレンを使用することができる。ポリエチレンの分子量は、特に限定されないが、数平均分子量が1,000〜20,000のものが好ましい。
また、結晶性ポリプロピレンとしては、例えば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体や、エチレン単位の含量が少ないエチレン−プロピレン共重合体からなる共重合部とから構成された、いわゆるプロピレンブロック共重合体として市販されている、実質上、結晶性のプロピレンとエチレンとのブロック共重合体、あるいはこのブロック共重合体における各ホモ重合部または共重合部が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる、実質上、結晶性のプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが好ましく挙げられる。
【0028】
また、上記他の重合体としては、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物以外のゴム変性されたスチレン系樹脂が挙げられる。このゴム変性スチレン系樹脂としては、例えばハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、アクリルゴム強化AS樹脂などが挙げられる。これらの樹脂を、少量の官能基で変性した官能基変性スチレン系樹脂であってもよい。これらの中で、好ましくはABS樹脂、AES樹脂、アクリルゴム強化AS樹脂である。
さらに、上記他の重合体としては、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
これらの他の重合体は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0029】
なお、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物やこれを用いた組成物に対し、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤や、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、難燃剤、増強剤など、通常使用される添加剤を配合することができる。
【0030】
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物に、上記他の重合体や添加剤を配合するには、各種押し出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダールーダーなどを用い、各成分を混練りすることにより得られる。好ましい製造方法は、押し出し機、バンバリーミキサーを用いる方法である。各成分を混練りするに際しては、各成分を一括して混練りしてもよく、数回に分けて添加混練りしてもよい。混練りは、押し出し機で多段添加式で混練りしてもよく、またバンバリーミキサー、ニーダーなどで混練りし、その後、押し出し機でペレット化することもできる。
【0031】
このようにして得られる本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、シート押し出し、真空成形、異形成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形などによって、各種成形品に成形することができる。
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、耐薬品性、着色性、耐候性、成形外観および成形加工性のバランスに優れており、これらの特性を生かして、OA・家電分野、電気・電子分野、雑貨分野、サニタリー分野、自動車分野などの各種パーツ、ハウジング、シャーシー、トレーなどに使用することができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に何等制約されるものではない。
なお、実施例中、部および%は特に断らない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価は、次のようにして測定したものである。
【0033】
重量平均分子量(分子量)
ウオーターズ(WATERS)社製、150C型ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置で、東ソー(株)製、Hタイプカラムを用い、o−ジクロロベンゼンを溶媒として、120℃で測定した。得られた分子量は、標準ポリスチレン換算値である。
水添率
四塩化エチレンを溶媒として用い、15%濃度で測定した。100MHZの 1H−NMRスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少から算出した。
【0034】
スチレン(ブロック)含量
13C−NMRを用いて、ST(スチレンブロック)とEB(ブタジエン部分が水添されたエチレン−ブチレンブロック)の組成比率から求めた。
エチレン含量
エチレン−α−オレフィン系共重合体を、 1H−NMR、13C−NMRを用いて、エチレン/α−オレフィン組成比を求め、これとあらかじめ求めておいた赤外分析の結果との関係を示す検量線を作製した。この検量線を基に、得られる共重合体の組成を求めた。
【0035】
グラフト率
グラフト共重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂組成物)の一定量(x)をアセトン中に投入し、振とう機で2時間振とうし、遊離の共重合体を溶解させる。遠心分離器を用いて、この溶液を15,000rpmで30分間、遠心分離し、不溶分を得る。次に、真空乾燥により、120℃で1時間乾燥し、不溶分(y)を得る。グラフト率は、次式より算出した。
グラフト率(%)={〔(y)−(x)×グラフト共重合体のゴム分率〕/〔(x)×グラフト共重合体のゴム分率〕}×100
固有粘度
メチルエチルケトン(MEK)可溶分を、MEK30℃で測定した。
ゴム分散粒子径
グラフト共重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂組成物)30mgをアセトン30mlに溶解し、(株)堀場製作所製、粒度分布測定装置LA−910で測定し、そのメジアン径(μm)をゴム分散粒子径とした。
【0036】
tanδのピーク温度
180℃でプレス成形した試験片(2.2×5.2×5mm)を、DMTA動的粘弾性測定機(Polymer Laboratories社製)を用い、以下の条件で測定した。
測定温度;−80℃〜+100℃
歪みをかける速度;10Hz
昇温速度;3℃/min
【0037】
アイゾット衝撃強度
ASTM D256に準拠して測定した(断面1/4×1/2インチ、ノッチ付き)。
落錘衝撃強度
デュポンインパクトテスターを用い、打撃棒先端R=1/2″で、厚み1.6mmの成形品の落錘衝撃強度を測定した。
【0038】
耐候性
カーボンアークを光源とするサンシャインウェザメーター〔スガ試験機(株)製、WEL−6XS−DC〕に1,000時間曝露し、アイゾット衝撃強度を測定し、保持率を算出した。
試験条件;
ブラックパネル温度 63±3℃
槽内湿度 60±5%RH
降雨サイクル 2時間毎に18分
カーボン交換サイクル 60時間
アイゾット衝撃強度 ASTM D256
【0039】
着色性
グラフト共重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂組成物)を下記配合処方で配合し、押し出し機を通して着色ペレットを得た。これをさらに成形して、色調評価プレートを得た。なお、黒色配合物の着色性については、色差計により明度を測定し、マンセル色数値(値が大きいほど、着色性が悪い)で表した。他の着色配合については、彩度を目視で判定した。
黒色配合;
樹脂 100部
カーボンブラック 0.5部
ステアリン酸カルシウム 0.3部
赤色配合;
樹脂 100部
ベンガラ 1.0部
ステアリン酸カルシウム 0.3部
判定基準;
◎;非常に鮮明である。
○;鮮明である。
△;○と×の間
×;鮮明さが不足
××;鮮明さがない。
【0040】
フローマーク
型締め圧力120トンの射出成形機を用い、肉厚2.5mm、縦横の長さがそれぞれ150×150mmの平板を成形し(成形温度210℃)、フローマークの発生状況を目視で判定した。
○;フローマークの発生が全く無い。
×;フローマークの発生がある。
表面光沢
ASTM D523(450)の方法に準拠して測定した。
【0041】
耐薬品性
黒色配合ペレット(配合樹脂100部、カーボンブラック0.5部、ステアリン酸カルシウム0.3部)による成形品を、JIS 6号灯油(灯油温度80℃)に浸漬し、1時間放置後、表面を拭き取り、乾燥させたのち、以下の目視判定で評価した。
○;変化および光沢低下が全く無い。
×;白化、光沢低下などの劣化が見られる。
【0042】
参考例(ゴム質重合体の製造)
実施例・比較例で用いられるゴム質重合体を、以下のようにして調製した。
ゴム質重合体−1(水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体);
窒素置換したオートクレーブ中に、シクロヘキサン400部、1,3−ブタジエン15部、テトラヒドロフラン0.05部、n−ブチルリチウム0.04部を加え、60℃で4時間重合したのち、スチレンを10部加え、60℃で4時間重合し、さらに1,3−ブタジエンを65部加え、60℃で4時間重合し、最後にスチレンを10部加え、60℃で4時間重合した。
得られた活性重合体をメタノールで失活させ、重合体溶液をジャケット付きの反応器に移し、水添触媒として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.15部、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.07部と、n−ブチルリチウム0.15部およびジエチルアルミニウムクロリド0.28部を添加し、水素ガスで10kg/cm2 の圧力にて1時間反応させた。スチームストリッピングにより、溶剤を除去し、乾燥後、水添ブロック共重合体を得た。このゴム質重合体−1の重量平均分子量は15万、水添率は99.9%、スチレンブロック含量は20%であった。
なお、得られたゴム質重合体−1の温度とtanδとの関係を図1に示す。
【0043】
ゴム質重合体−2(水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体);
窒素置換したオートクレーブ中に、シクロヘキサン400部、スチレン15部、テトラヒドロフラン0.05部、n−ブチルリチウム0.04部を加え、60℃で4時間重合したのち、1,3−ブタジエンを70部加え、60℃で4時間重合し、最後にスチレンを15部加え、60℃で4時間重合させた以外は、ゴム質重合体−1と同様に行い、ゴム質重合体−2を得た。このゴム質重合体−2の重量平均分子量は15万、水添率は99.9%、スチレンブロック含量は30%であった。
【0044】
ゴム質重合体−3(水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体);
窒素置換したオートクレーブ中に、シクロヘキサン500部、1,3−ブタジエン70部を仕込んだのち、n−ブチルリチウム0.05部を加え、50℃で重合を行った。重合転化率が31%になったのち、テトラヒドロフラン0.25部を加え、80℃で4時間重合した。重合転化率がほぼ100%になったのち、スチレンを30部加えて、1時間反応させた以外は、ゴム質重合体−1と同様に行い、ゴム質重合体−3を得た。このゴム質重合体−3の重量平均分子量は12万、水添率は99.9%、スチレンブロック含量は30%であった。
【0045】
ゴム質重合体−4(エチレン−プロピレン共重合体);
窒素置換した内容積20リットルのオートクレーブに、精製トルエン8リットル、精製トルエン40ml中に溶解したアルミニウム原子換算で60mmolのメチルアルモキサンを加え、40℃に昇温したのち、エチレン1.5リットル/時間、プロピレン3.5リットル/時間を連続的に供給した。次いで、精製トルエン12ml中に溶解したジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド12マイクロモルを添加して重合を開始した。
反応中は温度を40℃に保ち、連続的にエチレン、プロピレンを供給しつつ、20分間反応させた。その後、メタノールを添加して反応を停止させ、水蒸気蒸留によりクラム状のゴム質重合体−4を回収した。
このゴム質重合体−4の重量平均分子量は、20万、エチレン含量は78%であった。
【0046】
ゴム質重合体−5(エチレン−ブテン共重合体);
プロピレンを1−ブテンに代えた以外は、ゴム質重合体−4と同様にして、ゴム質重合体−5を得た。このゴム質重合体−5の重量平均分子量は、19万、エチレン含量は80%であった。
なお、得られたゴム質重合体−5の温度とtanδとの関係を図1に示す。
ゴム質重合体−6(エチレン−オクテン共重合体);
プロピレンを1−オクテンに代えた以外は、ゴム質重合体−4と同様にして、ゴム質重合体−6を得た。このゴム質重合体−6の重量平均分子量は、20万、エチレン含量は80%であった。
【0047】
ゴム質重合体−7(水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体);
窒素置換したオートクレーブ中に、シクロヘキサン500部、1,3−ブタジエン70部を仕込んだのち、n−ブチルリチウム0.05部を加え、50℃で重合を行った。重合転化率が31%になったのち、スチレン15部とテトラヒドロフラン0.25部を加え、80℃で4時間重合した。重合転化率がほぼ100%になったのち、スチレンを15部加えて、1時間反応させた以外は、ゴム質重合体−1と同様にして、ゴム質重合体−7を得た。このゴム質重合体−7の重量平均分子量は14万、水添率は99.9%、スチレンブロック含量は30%であった。
【0048】
ゴム質重合体−8(スチレン−ブタジエンランダム共重合体);
窒素置換したオートクレーブ中に、シクロヘキサン500部、1,3−ブタジエン70部、スチレン30部を仕込んだのち、n−ブチルリチウム0.05部を加え、50℃で重合を行った。水を加え触媒を失活させ、脱溶しゴム質重合体−8を得た。このゴム質重合体−8の重量平均分子量は15万、スチレン含量は30%であった。
【0049】
ゴム質重合体−9(スチレン−ブタジエンブロック共重合体);
窒素置換したオートクレーブ中に、シクロヘキサン500部、1,3−ブタジエン70部を仕込んだのち、n−ブチルリチウム0.05部を加え、50℃で重合を行った。重合転化率がほぼ100%になったのち、スチレン15部を加えて、1時間反応させた。水を加え触媒を失活させ、脱溶しゴム質重合体−9を得た。このゴム質重合体−9の重量平均分子量は15万、スチレンブロック含量は30%であった。
以上のゴム質重合体−1〜9のtanδのピーク温度(℃)を表1に示す。
【0050】
【表1】

Figure 0003939836
【0051】
実施例1
リボン型攪拌翼を備えた内容積10リットルのステンレス製オートクレーブに、ゴム質重合体−1を13部、ゴム質重合体−5を13部、スチレンを52部、アクリロニトリルを22部、トルエンを120部仕込み、攪拌後、昇温し、ゴム質重合体を完全に溶解し、均一な溶液を得た。次いで、t−ドデシルメルカプタン0.1部とベンゾイルパーオキサイド0.5部、ジクミルパーオキサイド0.1部を添加し、95℃に一定に制御しながら、攪拌回転数200rpmにて重合反応を行った。反応開始後、6時間目から1時間を要して120℃まで昇温し、さらに2時間反応を行って終了した。重合転化率は97%であった。
100℃まで冷却後、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−ブチルフェノール0.2部を添加したのち、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により、未反応物と溶媒を留去し、細かく粉砕したのち、40mmφのベント付き押し出し機(220℃、700mmHg真空)にて、実質的に揮発分を留去するとともに、重合体をペレット化した。
得られたペレットを用い、上記評価に供した。結果を表2に示す。
また、得られたグラフト共重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂組成物)の温度とtanδとの関係を図1に示す。図1から明らかなように、実施例1で得られたグラフト共重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂組成物)は、ゴム質重合体−1とゴム質重合体−5とが相溶化体を形成し、かつ該ゴム質重合体の中間の単一のtanδのピーク温度を示している。
【0052】
実施例2〜8
使用するゴム質重合体の種類、量、使用する単量体成分の組成比率を変更して、各実施例の樹脂を得た。結果を表2に示す。
【0053】
比較例1
ゴム質重合体−1のみを用いた以外は、実施例1と同様にしてグラフト共重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂)を得た。結果を表3に示す。
比較例2
ゴム質重合体−2のみを用いた以外は、実施例1と同様にしてグラフト共重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂)を得た。結果を表3に示す。
比較例3
比較例1および比較例2で製造したグラフト共重合体を重量比で1/1でブレンドし、評価した。結果を表3に示す。
比較例4〜5
使用ゴム質重合体の種類、仕込み単量体成分、有機過酸化物量、分子量調節剤量、重合温度などを調整し、それぞれのグラフト共重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂組成物)を得た。結果を表3に示す。
【0054】
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物(実施例1〜8)は、いずれも、耐衝撃性、耐候性、成形外観などの物性バランスに優れている。
これに対し、比較例1〜2は、それぞれ1種類のゴム質重合体のみを用いた例であり、比較例1では衝撃強度が低く、比較例2では成形外観が劣る。
比較例3は、比較例1および比較例2で得られたグラフト共重合体を重量比で1/1でブレンドしたものであるが、ブレンド後のtanδは1つの中間のtanδのピーク温度を示さず、2つのそれぞれのグラフト共重合体のtanδのピーク温度となっているため、本発明の意図した複合化ゴム粒子になっておらず、耐衝撃強度と成形外観が実施例1に比べて劣る。
比較例4〜5は、使用した2種類のゴム質重合体の相溶性が悪く、グラフト重合後のゴムの複合化が行われておらず、tanδのピーク温度も1つにならず、耐衝撃性強度と成形外観のバランスが悪く、特にフローマークが発生し成形外観が劣る。
【0055】
【表2】
Figure 0003939836
【0056】
【表3】
Figure 0003939836
【0057】
【発明の効果】
本発明のゴム変性熱可塑性樹脂組成物は、性能の異なる特定の2種以上のゴム質重合体の存在下に、ビニル系単量体成分をグラフト重合させることにより、実質的にゴム質重合体が相溶化し複合化したゴム成分となったゴム変性熱可塑性樹脂であり、耐衝撃性、耐薬品性、着色性、耐候性、成形外観および成形加工性のバランスに優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム質重合体あるいはグラフト共重合体(ゴム変性熱可塑性樹脂組成物)の温度とtanδとの関係を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rubber-modified thermoplastic resin composition having an excellent balance of impact resistance, chemical resistance, colorability, weather resistance, molding appearance and molding processability.
[0002]
[Prior art]
The most effective means for improving the impact resistance of a thermoplastic resin is to introduce a rubber component into the resin. As this technique, mechanical blending of a rubber component and a resin component, graft polymerization of a resin component to a rubber component, and the like are widely performed, and ABS having improved impact resistance by introducing a polybutadiene rubber. Rubber-modified thermoplastic resins typified by resins and HIPS resins are well known.
In addition, in order to improve weather resistance, there are weather resistant resins such as ethylene-α-olefin rubber having substantially no double bond and AES resin into which hydrogenated rubber is introduced, in order to further improve chemical resistance. There are acrylic rubber-modified thermoplastic resins in which acrylic rubber is introduced.
As described above, the performance of the thermoplastic resin into which the rubber component is introduced is greatly influenced by the characteristics of the rubber component, and a great advantage can be obtained. For example, ABS resin modified with butadiene rubber is excellent in impact resistance and molding processability, but is inferior in weather resistance, and AES resin is inferior in impact strength and molding appearance, while having excellent weather resistance. A thermoplastic resin modified with an acrylic rubber is excellent in weather resistance and chemical resistance, but inferior in impact resistance and moldability.
[0003]
In order to remedy these drawbacks, the conventional methods generally compensate for the disadvantages by blending each characteristic rubber-modified thermoplastic resin, but the original rubber-modified thermoplastics. A thermoplastic resin that does not sacrifice the characteristics of the resin or cannot sufficiently improve the defects, and has an improved balance of impact resistance, chemical resistance, colorability, weather resistance, molding appearance and molding processability. It has been demanded.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in the background of the above-mentioned problems of the prior art, and is substantially achieved by graft polymerization of a vinyl monomer component in the presence of two or more specific rubbery polymers having different performances. By obtaining a rubber-modified thermoplastic resin that has become a rubber component in which a rubbery polymer is compatibilized and compounded, the balance of impact resistance, chemical resistance, colorability, weather resistance, molding appearance and molding processability can be achieved. It is an object of the present invention to provide an improved rubber-modified thermoplastic resin composition.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
  The present inventiona hydrogenated aromatic vinyl compound-conjugated diene block copolymer having a tan δ peak temperature of −30 ° C. or less and an ethylene-α-olefin rubber having a tan δ peak temperature exceeding −30 ° C.Grafting at least one vinyl monomer component selected from the group of aromatic vinyl compounds, vinyl cyanide compounds and other copolymerizable vinyl monomers in the presence of a rubbery polymer At least a part of the rubber dispersed particles obtained by polymerization forms a compatibilized body of the two or more rubber polymers, and has a single tan δ peak temperature in the middle of the rubber polymers. Provided is a rubber-modified thermoplastic resin composition characterized byThe here,The rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention preferably has a graft ratio of 10 to 150% by weight and a rubber dispersed particle size of 0.1 to 1 μm.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  As the rubbery polymer used in the present invention, two or more rubbery polymers having different tan δ peak temperatures are used in combination. Here, as the two or more kinds of rubbery polymers, a rubbery polymer (ii) having a peak temperature of tan δ of −30 ° C. or less and a rubbery polymer (b) exceeding −30 ° C. are used in combination.There is a need to.As the rubbery polymer (a)The fragranceOf hydrogenated aromatic vinyl compound-conjugated diene block copolymerIs used.
[0007]
  the aboveThe hydrogenated aromatic vinyl compound-conjugated diene block copolymer comprises 95 mol% or more of the double bond portion of the polymer block A composed of aromatic vinyl compound units and the polymer block composed of conjugated diene compound units. It is a block copolymer composed of a polymer block B obtained by hydrogenation. The proportion of the A block which is an aromatic vinyl compound unit of the block copolymer is preferably 10 to 60% by weight, more preferably 13 to 40% by weight in the block copolymer. If the polymer block of the aromatic vinyl compound is less than 10% by weight, the surface appearance of the resin is undesirably lowered. On the other hand, if it exceeds 60% by weight, the impact resistance is not exhibited, which is not preferable. The aromatic vinyl compound used in the block copolymer is the same as the aromatic vinyl compound used in the vinyl monomer component described later.
[0008]
The block B of the block copolymer comprises a hydrogenated portion of a conjugated diene polymer block, and the hydrogenation rate is 95 mol% or more, preferably 96 mol% or more. If it is less than 95 mol%, gel is generated during graft polymerization, and stable polymerization cannot be achieved. The 1,2-vinyl bond content of block B is preferably 10 to 90 mol%, more preferably 30 to 80 mol%. If it is less than 10 mol%, the rubbery properties are lost and the impact resistance is lowered, which is not preferable. On the other hand, if it exceeds 90 mol%, chemical resistance is not exhibited, which is not preferable.
[0009]
Examples of the conjugated diene compound used in the block B include 1,3-butadiene, isoprene, 1,3-pentadiene, chloroprene, and the like, but hydrogenated diene rubbers having industrial properties and excellent physical properties. In order to obtain a polymer, 1,3-butadiene and isoprene are preferred.
The molecular structure of the block copolymer may be branched, radial, or a combination thereof, and the block structure may be a diblock, a triblock, a multiblock, or a combination thereof.
[0010]
  On the other hand, as the rubbery polymer (b), ethylene-α-olefin-basedRubber, A rubbery polymer having a tan δ peak temperature exceeding −30 ° C.Use. InsideEvenAn ethylene-propylene copolymer having a weight ratio of len / α-olefin of 90/10 to 20/80, preferably 85/15 to 40/60, in the range of 0 to 40 in terms of iodine value, or ethylene Rubber polymerization of propylene-nonconjugated diene copolymer (EPDM), ethylene-butene copolymer, ethylene-octene copolymer, etc.Body ispreferable.
[0011]
The rubbery polymers (a) to (b) preferably have a weight average molecular weight of 60,000 to 300,000, more preferably 70,000 to 250,000. If it is less than 60,000, impact resistance is not expressed, while if it has a high molecular weight exceeding 300,000, the compatibility is lowered, and the balance between the impact strength and the molded appearance is unfavorable.
[0012]
  In the present invention, the above(A) a hydrogenated aromatic vinyl compound-conjugated diene block copolymer having a peak temperature of tan δ of −30 ° C. or less, and (b) an ethylene-α-olefin rubber having a peak temperature of tan δ exceeding −30 ° C. containsIn the presence of a rubbery polymer, for example, the above rubbery polymers (a) to (b), selected from the group of aromatic vinyl compounds, vinyl cyanide compounds and other copolymerizable vinyl monomers. At least a part of the rubber dispersed particles obtained by graft polymerization of at least one vinyl monomer component isOfThe effect of the present invention can be obtained by forming a compatible polymer of rubbery polymer and showing a single tan δ peak temperature in the middle of the rubbery polymer. That is, the peak temperature of tan δ differsRubberWhen the polymer is polymerized, these rubbery polymers are substantially compatibilized and present as composite rubber particles, so that the single tan δ peak temperature in the middle of the rubbery polymer used can be reduced. Show.
[0013]
In order to obtain composite rubber particles having such new characteristics, in addition to a rubber structure in which two or more types of rubber polymers to be used, for example, rubber polymers (A) and (B) themselves are easily compatible with each other, are used. In the graft polymerization, the organic peroxide and solvent are selected so that the graft polymerization proceeds uniformly, and the rubbery polymers (a) and (b) are dissolved in a uniform solution to start the polymerization, By devising a polymerization method such as solution polymerization or bulk polymerization by dissolving the kneaded material in a solution, or emulsion polymerization or suspension polymerization of the re-emulsified one, the target composite graft rubber particles can be obtained can get.
[0014]
Among the vinyl monomer components used in the graft polymerization, aromatic vinyl compounds include styrene, α-methylstyrene, methylstyrene, vinylxylene, monochlorostyrene, dichlorostyrene, monobromostyrene, dibromostyrene, and fluorostyrene. , Pt-butyl styrene, ethyl styrene, vinyl naphthalene, and the like. These may be used singly or in combination of two or more. A preferred aromatic vinyl compound is styrene or an aromatic vinyl compound containing 50% by weight or more of styrene.
The amount of the aromatic vinyl compound used is preferably 10 to 80% by weight, more preferably 20 to 70% by weight in the vinyl monomer component. If it is less than 10% by weight, the thermal stability of the resin is lowered, whereas if it exceeds 80% by weight, the toughness of the resin is lowered, which is not preferable.
[0015]
  Among the vinyl monomer components, examples of the vinyl cyanide compound include acrylonitrile and methacrylonitrile, with acrylonitrile being preferred.
  The amount of the vinyl cyanide compound used is preferably 5 to 50% by weight, more preferably 10 to 35% by weight, in the vinyl monomer component. If it is less than 5% by weight, the chemical resistance and impact strength are lowered, whereas if it exceeds 50% by weight, it is mechanical.StrengthDecreases and the color tone of the resin deteriorates.
[0016]
Furthermore, among the above vinyl monomer components, other copolymerizable vinyl monomers include methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, amyl acrylate, hexyl acrylate, octyl acrylate, 2-ethylhexyl. Acrylic acid alkyl esters such as acrylate, cyclohexyl acrylate, and phenyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, amyl methacrylate, hexyl methacrylate, octyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, dodecyl methacrylate, octadecyl methacrylate, Phenyl methacrylate, benzyl methacrylate Any methacrylic acid alkyl ester; unsaturated acid anhydride such as maleic anhydride or itaconic anhydride; unsaturated acid such as acrylic acid or methacrylic acid; maleimide, N-methylmaleimide, N-butylmaleimide, N-phenylmaleimide, N Examples include imide compounds of α, β-unsaturated dicarboxylic acid such as -cyclohexylmaleimide, preferably methyl methacrylate, N-phenylmaleimide, and N-cyclohexylmaleimide. These other copolymerizable vinyl monomers are used singly or in combination of two or more so that the effects of the present invention are not impaired.
[0017]
The use ratio of the rubber polymer and the vinyl monomer component is preferably a total use amount of two or more rubber polymers, for example, the rubber polymers (A) to (B), preferably 5 to 40 wt. %, More preferably 10 to 35% by weight. If it is less than 5% by weight, the impact resistance is not exhibited.
[0018]
The graft ratio of the rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention is preferably 10 to 150%, more preferably 20 to 100%, and particularly preferably 35 to 60%. If the graft ratio is less than 10%, the impact strength is low. On the other hand, if it exceeds 150%, the balance between the appearance and the impact resistance is unfavorable.
The graft ratio can be adjusted by the kind and amount of the polymerization initiator, the polymerization temperature, and the concentration of the monomer component.
Here, the graft ratio (%) is a value obtained by the following formula, where x represents the weight of the rubber component in 1 g of the rubber-modified thermoplastic resin composition and y represents the weight of insoluble matter in methyl ethyl ketone.
Graft rate (%) = [(y−x) / x] × 100
[0019]
The rubber dispersed particle size in the rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention is preferably 0.1 to 1 μm, more preferably 0.2 to 0.7 μm. When the thickness is less than 0.1 μm, the impact strength is remarkably reduced. On the other hand, when it exceeds 1 μm, the gloss is lowered. Here, the rubber dispersed particle diameter can be arbitrarily adjusted by, for example, the amount of solvent, the amount of rubber, and the shearing force during polymerization in solution polymerization. In addition, in emulsion polymerization, it can be adjusted arbitrarily by pre-emulsifying and redispersing it by adjusting the shearing force of the emulsifying and dispersing equipment such as a homomixer, the type and amount of the emulsifier, and the type and amount of the dispersant. Can do.
[0020]
In addition, the intrinsic viscosity [η] (measured in methyl ethyl ketone at 30 ° C.) of a methyl ethyl ketone soluble component which is a matrix component of the rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention is preferably 0.2 to 0.7 dl / g, More preferably, it is 0.22-0.65 dl / g, Most preferably, it is 0.23-0.6 dl / g. When the intrinsic viscosity [η] is less than 0.2 dl / g, the impact strength is lowered. On the other hand, when it exceeds 0.7 dl / g, flow marks are generated and the gloss is lowered.
The intrinsic viscosity [η] can be easily controlled by changing the type and amount of a polymerization initiator, a chain transfer agent, an emulsifier, a solvent, and the like, as well as the polymerization time and the polymerization temperature.
[0021]
  The rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention isContains (i) and (b) aboveIn the presence of a rubber polymer, the vinyl monomer component can be produced by performing radical graft polymerization by emulsion polymerization, suspension polymerization, solution polymerization, bulk polymerization or the like. Solution polymerization is preferred. In the radical graft polymerization, a polymerization solvent (in the case of solution polymerization), a polymerization initiator, a chain transfer agent, an emulsifier (in the case of emulsion polymerization) and the like are used. Further, the rubbery polymer and the monomer component used for producing the rubber-modified thermoplastic resin composition may be polymerized by adding the monomer component all together in the presence of the total amount of the rubbery polymer. The polymerization may be carried out by dividing or continuously adding. Moreover, you may superpose | polymerize by the method of combining these. Furthermore, all or part of the rubber-like polymer may be added and polymerized during the polymerization.
[0022]
In the solution polymerization method, a solvent is used. This solvent is an inert polymerization solvent used in ordinary radical polymerization. For example, aromatic hydrocarbons such as ethylbenzene and toluene, ketones such as methyl ethyl ketone and acetone, and halogenated hydrocarbons such as dichloromethylene and carbon tetrachloride. Etc. are used. The amount of the solvent used is preferably 20 to 200 parts by weight, more preferably 50 to 150 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the total amount of the rubber polymer and the vinyl monomer component.
[0023]
As the polymerization initiator, a general initiator suitable for the polymerization method is used.
In the solution polymerization, for example, an organic peroxide such as ketone peroxide, dialkyl peroxide, diacyl peroxide, peroxy ester, hydroperoxide is used as a polymerization initiator. The polymerization initiator can be added to the polymerization system all at once or continuously. The usage-amount of a polymerization initiator is 0.05-2 weight% normally with respect to a vinyl-type monomer component, Preferably it is 0.2-0.8 weight%.
In the case of emulsion polymerization, as polymerization initiators, organic hydroperoxides represented by cumene hydroxy peroxide, diisopropylbenzene hydroperoxide, paramentane hydroperoxide and the like, sugar-containing pyrophosphate prescription, sulfoxylate prescription, etc. Or a redox compound in combination with a reducing agent represented by the formula (1) or a peroxide such as persulfate, azobisisobutyronitrile, or benzoyl peroxide. Preferably, it is an oil-soluble initiator and is a redox system comprising a combination of cumene hydroperoxide, diisopropylbenzene hydroperoxide, paramentane hydroperoxide and a reducing agent typified by a sugar-containing pyrophosphate formulation, a sulfoxylate formulation, etc. Is good. Moreover, you may combine the said oil-soluble initiator and a water-soluble initiator. The ratio of the water-soluble initiator added in combination is preferably 50% by weight or less, more preferably 25% by weight or less of the total amount added. Furthermore, the polymerization initiator can be added to the polymerization system all at once or continuously. The usage-amount of a polymerization initiator is 0.1-1.5 weight% normally with respect to a monomer component, Preferably it is 0.2-0.7 weight%.
[0024]
Moreover, as a chain transfer agent, mercaptans such as octyl mercaptan, n-dodecyl mercaptan, t-dodecyl mercaptan, n-hexadecyl mercaptan, n-tetradecyl mercaptan, t-tetradecyl mercaptan, tetraethylthiuram sulfide, carbon tetrachloride , Hydrocarbons such as ethylene bromide and pentaphenylethane, or acrolein, methacrolein, allyl alcohol, 2-ethylhexyl thioglycolate, α-methylstyrene dimer, and the like. These chain transfer agents can be used alone or in combination of two or more. The method of using the chain transfer agent may be any of batch addition, divided addition, or continuous addition. The amount of chain transfer agent used is usually about 2.0% by weight or less based on the monomer component.
[0025]
  When using an emulsifier, anionic surfactant, nonionic surfactant, and amphoteric surfactant are mentioned. Among these, anionic surfactants include, for example, sulfates of higher alcohols, alkylbenzene sulfonates, fatty acid sulfonates, phosphorusAcid saltAnd fatty acid salts. Further, as the nonionic surfactant, an ordinary polyethylene glycol alkyl ester type, alkyl ether type, alkylphenyl ether type, or the like is used. Further, examples of the amphoteric surfactant include those having a carboxylate, sulfate ester, sulfonate, and phosphate ester salt as the anion moiety, and an amine salt, quaternary ammonium salt, and the like as the cation moiety.
  The usage-amount of an emulsifier is about 0.3 to 5.0 weight% normally with respect to a monomer component.
  In addition, the polymerization temperature in the case of graft polymerization is 10-160 degreeC, Preferably it is 30-120 degreeC.
[0026]
  The rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention can be blended with the following other polymers depending on the purpose.
  That is, other polymers include, for example, simple α-olefins such as ethylene, propylene, butene-1, 3-methylbutene-1, 3-methylpentene-1, 4-methylpentene-1.SinglenessExamples thereof include copolymers and copolymers thereof. Representative examples include high-density, medium-density, low-density polyethylene, linear low-density polyethylene, ultrahigh molecular weight polyethylene, ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene-ethyl acrylate copolymer, and other polyethylenes, propylene alone Polypropylenes such as polymers and propylene-ethylene-diene compound copolymers, polybutene-1, poly-4-methylpentene-1 and the like can be mentioned. Among these, crystalline polyethylene and crystalline polypropylene are preferable.
[0027]
As the crystalline polyethylene, commercially available high-density polyethylene, medium-density polyethylene, low-density polyethylene, and linear low-density polyethylene having crystallinity can be used. The molecular weight of polyethylene is not particularly limited, but a number average molecular weight of 1,000 to 20,000 is preferred.
In addition, as the crystalline polypropylene, for example, a so-called propylene block copolymer composed of an isotactic propylene homopolymer having crystallinity and a copolymer part composed of an ethylene-propylene copolymer having a low content of ethylene units. A commercially available block copolymer of crystalline propylene and ethylene, or each homopolymerization part or copolymerization part in this block copolymer further contains an α-olefin such as butene-1. Preferable examples include substantially crystalline propylene-ethylene-α-olefin copolymers made of a copolymer.
[0028]
Examples of the other polymer include rubber-modified styrene resins other than the rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention. Examples of the rubber-modified styrene resin include high impact polystyrene, ABS resin, AES resin, ACS resin, acrylic rubber reinforced AS resin, and the like. These resins may be functional group-modified styrene resins modified with a small amount of functional groups. Among these, ABS resin, AES resin, and acrylic rubber reinforced AS resin are preferable.
Further, the other polymers include polyvinyl chloride, polyphenylene ether, polycarbonate, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyacetal, polyamide, polyvinylidene fluoride, polystyrene, styrene-methyl methacrylate copolymer, styrene-maleic anhydride. Examples include copolymers and chlorinated polyethylene.
These other polymers can be used singly or in combination of two or more.
[0029]
For the rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention and compositions using the same, hindered phenol-based, phosphorus-based, sulfur-based antioxidants, light stabilizers, ultraviolet absorbers, lubricants, coloring Commonly used additives such as an agent, a flame retardant, and an enhancer can be blended.
[0030]
In order to blend the above-mentioned other polymers and additives into the rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention, various components are kneaded using various extruders, Banbury mixers, kneaders, rolls, feeder ruders, etc. Is obtained. A preferred production method is a method using an extruder and a Banbury mixer. When kneading each component, each component may be kneaded at once or may be added and kneaded in several times. The kneading may be carried out by a multistage addition method using an extruder, or may be kneaded using a Banbury mixer, a kneader or the like, and then pelletized using an extruder.
[0031]
The rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention thus obtained is molded into various molded products by injection molding, sheet extrusion, vacuum molding, profile forming, foam molding, injection press, press molding, blow molding, and the like. be able to.
The rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention has an excellent balance of impact resistance, chemical resistance, colorability, weather resistance, molding appearance and molding processability. Taking advantage of these characteristics, the OA / home appliance field It can be used for various parts in the electrical / electronic field, sundries field, sanitary field, automobile field, etc., housing, chassis, tray, etc.
[0032]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to the following examples unless it exceeds the gist.
In Examples, parts and% are based on weight unless otherwise specified. Various evaluations in the examples were measured as follows.
[0033]
Weight average molecular weight (molecular weight)
Using a 150C type gel permeation chromatography (GPC) apparatus manufactured by Waters and using an H type column manufactured by Tosoh Corporation, the measurement was performed at 120 ° C. using o-dichlorobenzene as a solvent. The obtained molecular weight is a standard polystyrene conversion value.
Hydrogenation rate
Measurement was made at a concentration of 15% using ethylene tetrachloride as a solvent. 100MHZ1It calculated from the spectrum reduction | decrease of the unsaturated bond part of a H-NMR spectrum.
[0034]
Styrene (block) content
13Using C-NMR, it was determined from the composition ratio of ST (styrene block) and EB (ethylene-butylene block hydrogenated with a butadiene moiety).
Ethylene content
An ethylene-α-olefin copolymer,1H-NMR,13Using C-NMR, the ethylene / α-olefin composition ratio was determined, and a calibration curve showing the relationship between this and the result of infrared analysis determined in advance was prepared. Based on this calibration curve, the composition of the resulting copolymer was determined.
[0035]
Graft rate
A certain amount (x) of the graft copolymer (rubber-modified thermoplastic resin composition) is put into acetone and shaken for 2 hours with a shaker to dissolve the free copolymer. This solution is centrifuged at 15,000 rpm for 30 minutes using a centrifuge to obtain an insoluble matter. Next, it is dried at 120 ° C. for 1 hour by vacuum drying to obtain an insoluble matter (y). The graft ratio was calculated from the following formula.
Graft rate (%) = {[(y)-(x) × Rubber fraction of graft copolymer] / [(x) × Rubber fraction of graft copolymer]} × 100
Intrinsic viscosity
Methyl ethyl ketone (MEK) soluble matter was measured at MEK 30 ° C.
Rubber dispersion particle size
30 mg of a graft copolymer (rubber-modified thermoplastic resin composition) is dissolved in 30 ml of acetone, and measured with a particle size distribution measuring device LA-910, manufactured by Horiba, Ltd., and the median diameter (μm) is the rubber dispersed particle size. It was.
[0036]
tan δ peak temperature
A test piece (2.2 × 5.2 × 5 mm) press-molded at 180 ° C. was measured using a DMTA dynamic viscoelasticity measuring device (manufactured by Polymer Laboratories) under the following conditions.
Measurement temperature: −80 ° C. to + 100 ° C.
Distortion speed: 10Hz
Temperature increase rate: 3 ° C / min
[0037]
Izod impact strength
Measured according to ASTM D256 (cross section 1/4 × 1/2 inch, notched).
Drop weight impact strength
Using a DuPont impact tester, the falling weight impact strength of a molded product having a thickness of 1.6 mm was measured with a striking rod tip R = 1/2 ″.
[0038]
  Weatherability
  Sunshine weather with carbon arc as light source-It was exposed to a meter [WEL-6XS-DC, manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd.] for 1,000 hours, Izod impact strength was measured, and retention was calculated.
  Test conditions;
  Black panel temperature 63 ± 3 ℃
  Humidity in the tank 60 ± 5% RH
  Rainfall cycle 18 minutes every 2 hours
  Carbon exchange cycle 60 hours
  Izod impact strength ASTM D256
[0039]
Colorability
A graft copolymer (rubber-modified thermoplastic resin composition) was blended according to the following blending recipe, and colored pellets were obtained through an extruder. This was further molded to obtain a color tone evaluation plate. In addition, about the coloring property of a black compound, the brightness was measured with the color difference meter, and it represented with the Munsell color numerical value (coloring property is so bad that a value is large). For other colored blends, the saturation was visually determined.
Black formulation;
100 parts of resin
Carbon black 0.5 part
Calcium stearate 0.3 part
Red formulation;
100 parts of resin
Bengala 1.0 part
Calcium stearate 0.3 part
Judgment criteria;
A: Very clear.
○: Clear.
△; Between ○ and ×
×: lack of clarity
Xx: There is no clearness.
[0040]
Flow mark
Using an injection molding machine with a clamping pressure of 120 tons, a flat plate having a wall thickness of 2.5 mm and a length and width of 150 × 150 mm was formed (molding temperature 210 ° C.), and the occurrence of flow marks was visually determined.
○: No flow mark is generated.
X: Flow mark is generated.
Surface gloss
The measurement was performed according to the method of ASTM D523 (450).
[0041]
chemical resistance
A molded product made of black blended pellets (100 parts of blended resin, 0.5 part of carbon black, 0.3 part of calcium stearate) is immersed in JIS No. 6 kerosene (kerosene temperature 80 ° C), left for 1 hour, and then the surface is wiped off. After drying, it was evaluated by the following visual judgment.
○: No change and no gloss reduction.
X: Deterioration such as whitening and gloss reduction is observed.
[0042]
Reference example (production of rubbery polymer)
Rubber polymers used in Examples and Comparative Examples were prepared as follows.
Rubber polymer-1 (hydrogenated styrene-butadiene block copolymer);
In a nitrogen-substituted autoclave, add 400 parts of cyclohexane, 15 parts of 1,3-butadiene, 0.05 part of tetrahydrofuran and 0.04 part of n-butyllithium, polymerize at 60 ° C. for 4 hours, and then add 10 parts of styrene. The mixture was polymerized at 60 ° C. for 4 hours, 65 parts of 1,3-butadiene was further added, polymerized at 60 ° C. for 4 hours, and finally 10 parts of styrene was added and polymerized at 60 ° C. for 4 hours.
The obtained active polymer was deactivated with methanol, the polymer solution was transferred to a jacketed reactor, and 0.15 part of 2,6-di-t-butyl-p-cresol, bis ( Cyclopentadienyl) titanium dichloride 0.07 part, n-butyllithium 0.15 part and diethylaluminum chloride 0.28 part are added, and hydrogen gas is 10 kg / cm.2The reaction was carried out at a pressure of 1 hour. The solvent was removed by steam stripping, and after drying, a hydrogenated block copolymer was obtained. The rubbery polymer-1 had a weight average molecular weight of 150,000, a hydrogenation rate of 99.9%, and a styrene block content of 20%.
The relationship between the temperature of the rubber polymer-1 obtained and tan δ is shown in FIG.
[0043]
Rubbery polymer-2 (hydrogenated styrene-butadiene block copolymer);
In a nitrogen-substituted autoclave, add 400 parts of cyclohexane, 15 parts of styrene, 0.05 part of tetrahydrofuran, 0.04 part of n-butyllithium, polymerize at 60 ° C. for 4 hours, and then add 70 parts of 1,3-butadiene. Polymerization was performed at 60 ° C. for 4 hours, and finally 15 parts of styrene was added, followed by polymerization at 60 ° C. for 4 hours. The rubbery polymer-2 had a weight average molecular weight of 150,000, a hydrogenation rate of 99.9%, and a styrene block content of 30%.
[0044]
Rubber polymer-3 (hydrogenated styrene-butadiene block copolymer);
In a nitrogen-substituted autoclave, 500 parts of cyclohexane and 70 parts of 1,3-butadiene were charged, 0.05 part of n-butyllithium was added, and polymerization was carried out at 50 ° C. After the polymerization conversion reached 31%, 0.25 part of tetrahydrofuran was added and polymerization was carried out at 80 ° C. for 4 hours. After the polymerization conversion rate became almost 100%, rubbery polymer-3 was obtained in the same manner as rubbery polymer-1, except that 30 parts of styrene was added and reacted for 1 hour. The rubbery polymer-3 had a weight average molecular weight of 120,000, a hydrogenation rate of 99.9%, and a styrene block content of 30%.
[0045]
  Rubber polymer-4 (ethylene-propylene copolymer);
  To an autoclave with an internal volume of 20 liters purged with nitrogen, 8 liters of purified toluene and 60 mmol of methylalumoxane in terms of aluminum atoms dissolved in 40 ml of purified toluene were added, the temperature was raised to 40 ° C., and then 1.5 liters / hour of ethylene Propylene was continuously fed at 3.5 liter / hour. Next, purified toluene12mlPolymerization was initiated by adding 12 micromoles of dicyclopentadienylzirconium dichloride dissolved therein.
  During the reaction, the temperature was kept at 40 ° C., and the reaction was continued for 20 minutes while continuously supplying ethylene and propylene. Thereafter, methanol was added to stop the reaction, and crumb-like rubbery polymer-4 was recovered by steam distillation.
  The rubbery polymer-4 had a weight average molecular weight of 200,000 and an ethylene content of 78%.
[0046]
Rubber polymer-5 (ethylene-butene copolymer);
A rubbery polymer-5 was obtained in the same manner as the rubbery polymer-4 except that propylene was replaced with 1-butene. The rubber-like polymer-5 had a weight average molecular weight of 190,000 and an ethylene content of 80%.
In addition, the relationship between the temperature of the obtained rubber-like polymer-5 and tan-delta is shown in FIG.
Rubbery polymer-6 (ethylene-octene copolymer);
Rubber polymer-6 was obtained in the same manner as rubber polymer-4 except that propylene was replaced with 1-octene. The rubbery polymer-6 had a weight average molecular weight of 200,000 and an ethylene content of 80%.
[0047]
Rubbery polymer-7 (hydrogenated styrene-butadiene block copolymer);
In a nitrogen-substituted autoclave, 500 parts of cyclohexane and 70 parts of 1,3-butadiene were charged, 0.05 part of n-butyllithium was added, and polymerization was carried out at 50 ° C. After the polymerization conversion reached 31%, 15 parts of styrene and 0.25 part of tetrahydrofuran were added, and polymerization was carried out at 80 ° C. for 4 hours. After the polymerization conversion rate was almost 100%, rubber polymer-7 was obtained in the same manner as rubber polymer-1, except that 15 parts of styrene was added and reacted for 1 hour. The rubbery polymer-7 had a weight average molecular weight of 140,000, a hydrogenation rate of 99.9%, and a styrene block content of 30%.
[0048]
Rubbery polymer-8 (styrene-butadiene random copolymer);
In a nitrogen-substituted autoclave, 500 parts of cyclohexane, 70 parts of 1,3-butadiene and 30 parts of styrene were charged, 0.05 part of n-butyllithium was added, and polymerization was carried out at 50 ° C. Water was added to deactivate the catalyst, and desolubilization gave rubber polymer-8. The rubbery polymer-8 had a weight average molecular weight of 150,000 and a styrene content of 30%.
[0049]
Rubbery polymer-9 (styrene-butadiene block copolymer);
In a nitrogen-substituted autoclave, 500 parts of cyclohexane and 70 parts of 1,3-butadiene were charged, 0.05 part of n-butyllithium was added, and polymerization was carried out at 50 ° C. After the polymerization conversion rate was almost 100%, 15 parts of styrene was added and reacted for 1 hour. Water was added to deactivate the catalyst, and desolubilization gave rubber polymer-9. The rubbery polymer-9 had a weight average molecular weight of 150,000 and a styrene block content of 30%.
Table 1 shows the peak temperature (° C.) of tan δ of the rubber polymers-1 to 9 described above.
[0050]
[Table 1]
Figure 0003939836
[0051]
Example 1
In a stainless steel autoclave with a ribbon-type stirring blade and having an internal volume of 10 liters, 13 parts of rubber polymer-1, 13 parts of rubber polymer-5, 52 parts of styrene, 22 parts of acrylonitrile and 120 parts of toluene After part charging and stirring, the temperature was raised and the rubbery polymer was completely dissolved to obtain a uniform solution. Next, 0.1 part of t-dodecyl mercaptan, 0.5 part of benzoyl peroxide and 0.1 part of dicumyl peroxide were added, and the polymerization reaction was carried out at a stirring rotational speed of 200 rpm while being kept constant at 95 ° C. It was. It took 1 hour from the 6th hour after the start of the reaction, the temperature was raised to 120 ° C., and the reaction was further completed for 2 hours. The polymerization conversion rate was 97%.
After cooling to 100 ° C., 0.2 part of 2,2-methylenebis-4-methyl-6-butylphenol is added, the reaction mixture is extracted from the autoclave, and unreacted substances and solvent are distilled off by steam distillation. After pulverization, the volatile matter was substantially distilled off and the polymer was pelletized with a 40 mmφ vented extruder (220 ° C, 700 mmHg vacuum).
The obtained pellets were used for the above evaluation. The results are shown in Table 2.
FIG. 1 shows the relationship between the temperature of the obtained graft copolymer (rubber-modified thermoplastic resin composition) and tan δ. As is apparent from FIG. 1, the graft copolymer (rubber-modified thermoplastic resin composition) obtained in Example 1 is formed by compatibilization of rubber polymer-1 and rubber polymer-5. And a single tan δ peak temperature in the middle of the rubbery polymer.
[0052]
Examples 2-8
Resin of each Example was obtained by changing the kind and amount of the rubbery polymer used and the composition ratio of the monomer component used. The results are shown in Table 2.
[0053]
Comparative Example 1
A graft copolymer (rubber-modified thermoplastic resin) was obtained in the same manner as in Example 1 except that only rubber polymer-1 was used. The results are shown in Table 3.
Comparative Example 2
A graft copolymer (rubber-modified thermoplastic resin) was obtained in the same manner as in Example 1 except that only rubber polymer-2 was used. The results are shown in Table 3.
Comparative Example 3
The graft copolymers produced in Comparative Example 1 and Comparative Example 2 were blended at a weight ratio of 1/1 and evaluated. The results are shown in Table 3.
Comparative Examples 4-5
The type of rubber polymer used, the charged monomer component, the amount of organic peroxide, the amount of molecular weight regulator, the polymerization temperature, and the like were adjusted to obtain respective graft copolymers (rubber-modified thermoplastic resin compositions). The results are shown in Table 3.
[0054]
The rubber-modified thermoplastic resin compositions (Examples 1 to 8) of the present invention are all excellent in the balance of physical properties such as impact resistance, weather resistance and molded appearance.
On the other hand, Comparative Examples 1 and 2 are examples in which only one kind of rubber polymer is used. Comparative Example 1 has low impact strength, and Comparative Example 2 has poor molding appearance.
Comparative Example 3 was obtained by blending the graft copolymers obtained in Comparative Example 1 and Comparative Example 2 at a weight ratio of 1/1, and tan δ after blending showed one intermediate tan δ peak temperature. In addition, since the tan δ peak temperatures of the two respective graft copolymers are obtained, the composite rubber particles intended by the present invention are not obtained, and the impact strength and the molded appearance are inferior to those of Example 1. .
In Comparative Examples 4 to 5, the two types of rubbery polymers used were poorly compatible, the rubber after graft polymerization was not combined, the peak temperature of tan δ was not one, and impact resistance The balance between the property strength and the molded appearance is poor.
[0055]
[Table 2]
Figure 0003939836
[0056]
[Table 3]
Figure 0003939836
[0057]
【The invention's effect】
The rubber-modified thermoplastic resin composition of the present invention is substantially a rubbery polymer obtained by graft polymerization of a vinyl monomer component in the presence of two or more specific rubbery polymers having different performances. Is a rubber-modified thermoplastic resin that has become a rubber component that is compatibilized and compounded, and has an excellent balance of impact resistance, chemical resistance, colorability, weather resistance, molding appearance and molding processability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between the temperature of a rubbery polymer or graft copolymer (rubber-modified thermoplastic resin composition) and tan δ.

Claims (2)

tanδのピーク温度が−30℃以下の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物およびtanδのピーク温度が−30℃を超えるエチレン−α−オレフィン系ゴムを含有するゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物およびその他の共重合可能な他のビニル系単量体の群から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体成分をグラフト重合してなり、得られるゴム分散粒子の少なくとも一部が、上記2種以上のゴム質重合体の相溶化体を形成し、かつ該ゴム質重合体の中間の単一のtanδのピーク温度を示すことを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂組成物。Rubber polymer containing hydrogenated aromatic vinyl compound-conjugated diene block copolymer having a tan δ peak temperature of -30 ° C or less and an ethylene-α-olefin rubber having a tan δ peak temperature exceeding -30 ° C In the presence of the polymer, graft polymerization of at least one vinyl monomer component selected from the group of aromatic vinyl compounds, vinyl cyanide compounds and other copolymerizable other vinyl monomers. Wherein at least a part of the obtained rubber dispersed particles form a compatibilized body of the two or more kinds of rubbery polymers, and exhibit a single tan δ peak temperature in the middle of the rubbery polymers. A rubber-modified thermoplastic resin composition. グラフト率が10〜150重量%であり、かつゴム分散粒子径が0.1〜1μmである請求項1記載のゴム変性熱可塑性樹脂組成物。 The rubber-modified thermoplastic resin composition according to claim 1 , wherein the graft ratio is 10 to 150% by weight and the rubber dispersed particle diameter is 0.1 to 1 µm.
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