デジタルTV放送やインターネットなど有線を使用した放送では、圧縮動画を放送(配信)している。その共通の基本フォーマットであるトランスポートストリーム(MPEG−TS)は、パケットの管理データ部分とペイロードに分かれる。ペイロードには、再生されるべき対象のデータがスクランブルの掛かった状態で含まれている。一方、デジタル放送方式の1つであるARIB(Association of Radio Industries and Businesses)によると、PAT(Program Association Table)やPMT(Program Map Table)やSI(Service Information)に関しては、スクランブルされていない。ここでは、PMTやSIの内容(SDT:Service Description Table、EIT:Event Information Table、BAT:Bouquet association Table)を利用して、さまざまな管理情報を作成できるようになっている。
デジタル放送された内容の再生対象としては、MPEGビデオデータやDolby・AC3(R)オーディオデータやMPEGオーディオデータ、データ放送データなどがある。また、直接の再生対象には関係ないが、再生する上で必要なPAT、PMT、SIなどの情報(番組情報等)がデジタル放送された内容中にある。PATには、番組毎のPMTのPID(Packet Identification)が含まれており、さらにPMTにはビデオデータやオーディオデータのPIDが記録されている。
なお、上記ARIBのB15・第2分冊では、階層伝送記述子について説明されている。この階層伝送記述子は、デジタル放送番組を構成するエレメンタリストリーム(ES)を伝送劣化への耐性あるいは情報品質の差違化などのために階層化して伝送する場合に、階層化したストリーム間の相互関係を示すものである。
階層変調するストリームは、サービス情報(SI)の伝送効率や視聴者の選択時のレスポンス性能向上のため、同一TS内で伝送することを前提とし、PMTの第2ループに階層伝送記述子が記載される。ストリームを2階層伝送とした場合、低階層ストリームと高階層ストリームが、互いのPIDを参照し合う。
階層伝送記述子の配置および参照関係を定義する際には、以下の規定に従う:
(a)低階層で伝送するコンポーネントには必ず配置する;
(b)参照先ESのstream_typeは参照元と同じ;
(c)参照先がない場合にはヌルパケットのPID(0x1FFF)とする;
(d)1つのESに複数の参照先を指定しない。
階層伝送記述子を参照するのは、C/Nが低下する、あるいは誤り率が増加するなど、物理伝送レイヤにおいて検知した信号を基に、受信機(STBまたはレコーダ内蔵のデジタルチューナ部)が行う。
STB(Set Top Box)等における通常の再生手順としては、例えば次のようなものがある。すなわち、EPG(Electronic Program Guide)情報等によりユーザが番組を決定すると、目的の番組の開始時間に、PATを読み込み、そのデータを元に、希望の番組に属するPMTのPIDを決定し、そのPIDに従って、目的のPMTを読み出し、そこに含まれる再生すべきビデオ、オーディオパケットのPIDを決定する。そして、PMTやSIによりビデオおよび/またはオーディオの属性を読み出してそれらを各デコーダへセットし、前記ビデオおよび/またはオーディオデータをPIDに従って切り出して、再生を行う。ここで、PAT、PMT、SI等は途中再生にも使用するために、数100ms毎に送信されてくる。
デジタル放送では、受信時の誤り率が高い場合、特許文献1(特開2001−78180号公報)に示されるように、高階層受信から低階層受信へ切り替え、より妨害に強い方式で受信できるようになっている。低階層では、送られる情報が少ないため解像度の低い映像になるが、ノイズには強く、高階層で受信不可能な場合でも低階層では受信可能となる可能性が高い。
デジタル放送の受信信号を録画する場合、通常、受信時のエラー情報(誤り率;エラーレートの情報)が失われ、録画/再生時に現われるエラー情報はディスクの書き込み/読み込みエラーのみとなる。このため、受信時にノイズが含まれていると、ノイズが含まれた信号そのものが正しい情報として再生され、再生時にエラー訂正が正しく行われても、受信時のノイズは検出も除去もされない。
そこで、本願の実施例では、BSデジタルチューナ部より放送受信時の誤り率情報(エラー情報)を受け取り、その情報に基づき階層切り替えのタイミングを作り、そのタイミング情報(難受信切り替え情報、あるいは難受信情報)を、管理情報および/またはオブジェクトに埋め込むことにより、階層切り替えのタイミングを検知することを可能としている。
ここで、その切り替え情報をDVD−VR規格に当てはめて考えた場合、管理情報のエントリポイント情報として保存する方法(例1)と、ESOB(オブジェクトデータ)内のグループヘッダ内に保存する方法(例2)と、管理情報のオブジェクト管理情報に保存する方法(例3)の3つが考えられる。これら3つの方法(例1〜例3)については、後に詳述する。
デジタル放送のデータは、DVD−RAMなどのディスクメディアに記録する場合には、放送されたデータをそのままデジタルデータとして記録する方が有利である。そこで、既存のVR(ビデオレコーディング)フォーマットとは違う、ストリームをそのまま記録するフォーマットとして、この発明では、ESR(エクステンディト・ストリーム・レコーディング)を提案している。このESRは、従前のSR(ストリームレコーディング)をVR(ビデオレコーディング)にマージしたもので、既存のVR資産を生かしつつ、デジタル放送のストリームレコーディングに対応したものとなる。
以下、上記のESRに基づくこの発明の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の一実施例に係るデータ構造を説明する図である。ディスク状情報記録媒体100(図1(a))としては、DVD−RAM、DVD−RW、DVD−R等の記録可能光ディスクや、ハードディスク等の記録可能磁気ディスクがある。以下では、DVD−RAM等の光ディスクを例にとって説明を続ける。
ディスク100は、その内周側から外周側に向かって、リードイン領域110、ボリューム/ファイル構造情報領域111、データ領域112、およびリードアウト領域113を持っている(図1(b))。ボリューム/ファイル構造情報領域111内にはファイルシステムが格納されている。ファイルシステムは、どのファイルがどこに記録されているかを示す情報で構成されている(図3を参照して後述する)。記録コンテンツはデータ領域112に格納される(図1(c))。
データ領域112は、一般のコンピュータデータが記録される領域120と、AVデータを記録する領域121に分けられる。AVデータ記録領域121は、AVデータの管理をするためのファイル(VMG/ESMGファイル)があるAVデータ管理情報領域130と、ビデオレコーディング規格のオブジェクトデータ(VOBS)ファイル(VROファイル)が記録されるVRオブジェクト群記録領域122と、デジタル放送に対応したストリームオブジェクト(ESOBS:Extended Stream OBject Set)が記録されるEStreamオブジェクト群記録領域131で構成されている(図1(d))。つまり、この実施例では、デジタル放送のストリームオブジェクトは、VRオブジェクトとは別のファイルであるEストリームオブジェクト132(ESOBS)として記録される(図1(e))。
各Eストリームオブジェクト132は、ディスク100へのアクセス単位となるデータユニット(ESOBU:Extended Stream OBject Unit)134が1つ以上集まって構成される(図1(f))。ここで、1つのESOBUは、オブジェクト管理情報内の値で指定された一定時間間隔のピクチャ単位で区切られたデータユニットである。あるいは、1つのESOBUは、1以上のGOPで区切られたデータユニットとしてもよい。各データユニット(ESOBU)134は、複数TSパケットの集まりで構成されるパケットグループ(Packet Group)140が1つ以上集まって構成される(図1(g))。
この実施例では、各パケットループ140は、例えば8個のパック(または8個のLB(Logical Block))の集まりで構成される。1個のパックサイズ(あるいは1個のLBサイズ)が2kバイトとすると、各パケットグループ140のサイズは16kバイトとなる。これはビデオレコーディング規格におけるECCブロックサイズの整数分の1となる。
各パケットグループ140は、この発明が提供するストリームレコーディング(ESR)におけるパケット記録領域(DVD−TSパケット記録領域)160を構成している(図1(h))。このDVD−TSパケット記録領域160は、パケットグループヘッダ161および複数(例えば85個)のMPEG−TSパケット162で構成することができる(図1(i))。このパケットグループ140の内容については、図19を参照して後に詳述する。
図2は、この発明の一実施例に係るデータ構造における再生管理情報層とオブジェクト管理情報層とオブジェクト層との関係を説明する図である。図1のAVデータ管理情報記録領域130に記録される管理情報(VMG/ESMGファイル)は、ビデオレコーディング規格に基づく記録コンテンツおよびこの発明に基づくストリーム記録コンテンツの双方の再生手順を管理する再生管理情報層10を持っている。すなわち、ストリーム記録されたオブジェクトの再生単位であるセル13が1以上集まってプログラム12が構成され、ビデオレコーディング記録されたオブジェクトの再生単位であるセル13が1以上集まってプログラム12が構成され、これらのプログラム12の並び(再生手順)が、プログラムチェーン(PGC)11の管理情報(PGCI)で管理される。
ここでは、ストリーム記録側のセル13の途中から再生を開始する場合でも、ビデオレコーディング側のセル13の途中から再生を開始する場合でも、ユーザは再生時間(PTS)で再生場所を指定することができるようになっている。すなわち、ストリーム記録側のセル13の途中から再生時間(PTS)で再生を開始する場合では、ストリームオブジェクト管理情報層20内のストリームオブジェクト情報ESOBI21を介してストリームオブジェクト層30内のストリームオブジェクトESOB132を指定し、ストリームオブジェクト管理情報層20内のストリームオブジェクトユニット情報ESOBUI22を介してストリームオブジェクト層30内のストリームオブジェクトユニットESOBU134を指定する。 ESOB132およびそのESOBU134が指定されると、再生開始場所が特定される。(ここでのESOBUIはグローバル情報22と言い換えてもよい。)
このESOBU134は、1以上のパケットグループ140により構成される。ESOBU134は、例えば1以上のGOPに対応するデータ単位である。あるいは、オブジェクト管理情報内の値で指定された一定の再生時間分のデータ量に相当する単位でESOBU134を区切ってもよい。これにより、各情報フィールドのオーバーフローが防止される。
各パケットグループ140は、8個のパック(あるいは8個のLB)(16384バイト)で構成され、先頭にパケットグループヘッダ161を持ち、その後に、複数のトランスポートストリームパケット(TSパケット)162が配置される。これらのTSパケット162内にストリームレコーディングの記録コンテンツが格納される。
一方、ビデオレコーディング側のセル13の途中から再生時間(PTS)で再生を開始する場合では、ビデオオブジェクト(VOB)管理情報層23内のビデオオブジェクト情報VOBI24を介してビデオオブジェクト層35内のビデオオブジェクトVOB36を指定し、ビデオオブジェクト管理情報層23内のビデオオブジェクトユニット情報VOBUI25を介してビデオオブジェクト層35内のビデオオブジェクトユニットVOBU37を指定する。 VOB36およびそのVOBU37が指定されると、再生開始場所が特定される。 VOBU37は複数パック38により構成され、これらのパック内にビデオレコーディングの記録コンテンツが格納される。
詳細は後述するが、ストリーム記録側のセル13の途中から再生を開始する場合では、ESOBU_PB_TM(図12)により、フィールド数単位の時間で、再生開始場所を指定できるようになっている。また、ビデオレコーディング側のセル13の途中から再生を開始する場合では、ビデオレコーディング規格で規定されているタイムマップ情報(TMAPI)内のVOBU_PB_TM(図示せず)により、再生開始場所を指定できるようになっている。
図2の示すところを纏めると、次のようになる。すなわち、ESOBS(Extended Stream Object Set)の構造は、1以上のESOB(Extend Stream OBject)で構成される。このESOBは、例えば一番組に相当する。ESOBは1以上のESOBU(Extend Stream OBject Unit)で構成され、このESOBUは、一定時間間隔(図9のVOBU/ESOBU_PBT_RNG;VOBU/ESOBU PlayBack Time Rangeの値により変化する)分のオブジェクトデータ、もしくは1以上のGOPデータに相当する。
ただし、転送レートが低い場合、1秒(1s)以内で1GOPが送られない場合が考えられる(アナログビデオ入力を装置内部でMPEGエンコードするDVD−VRでは、内部エンコードであるためデータユニットの構成を自由に設定できるが、デジタル放送の場合ではエンコードが放送局側にあるため、どんなデータがくるか不明な可能性がある)。また、伝送レートが高く、Iピクチャが頻繁に送られる場合なども考えられる。その場合、ESOBUが頻繁に区切られ、それに伴いESOBUの管理情報が増え、全体の管理情報が肥大化する恐れがある。そこで、この発明の一実施例に係るESOBUは、一定時間間隔(最小の制限は、ESOB最後のESOBU以外、区切りがピクチャ単位となること)または1以上GOPで区切るのが適当となる。
1つのESOBUは1以上のパケットグループで構成され、各パケットグループは、基本的には、8つのpack(1Pack=1セクタ:2048バイトサイズ)で構成される。また、パケットグループはパケットグループヘッダとTSパケット(85個)で構成されている。各TSパケットの到着時間は、パケットグループ内の最初のTSパケットについてはパケットグループヘッダ内のATSが到着時間で、次はATSとIPATを足した値で表わされる(ATSおよびIPATについては図19〜図22を参照して後述する)。その次からは、1つ前の到着時間にIPATを足した値で表わされる。このように、2番目以降のTSパケットの到着時間をその前の到着時間からの差分で表すようにしたことにより、IPATを小さなデータ量で表せるようになり、データ量が節約できる。
なお、詳細は図22を参照して後述するが、伝送レートの低下等によりTSパケット間の間隔が長くなり、この間隔を小さなデータ量のIPATで表現し切れなくなる場合(オーバーフローする場合)があり得る。そのような場合は、この間隔を、到着時間の差分で表す代わりに、絶対値(ATS相当)とビットゼロとの組み合わせで表すことができる。
図3は、この発明の一実施例に係るファイル構造を説明する図である。図1のディスク100内のデータは、ファイルシステムが入っているボリューム/ファイル構造情報領域111と、データファイルを実際に記録するデータ領域112で構成されている。ボリューム/ファイル構造情報領域111に格納されるファイルシステムは、図3に示すように、どのファイルがどこに記録されているかを示す情報で構成されている。また、データ領域112には一般のコンピュータが記録する領域120とAVデータを記録する領域121に分けられている。AVデータ記録領域121は、記録されたAVデータを管理するためのHDVMGファイル(およびそのバックアップファイル)があるAVデータ管理情報領域130と、ビデオレコーディング規格のオブジェクトデータ(VOBS)ファイル(VROファイル)の記録されるVRオブジェクト群記録領域122と、デジタル放送に対応したオブジェクト(ESOBS)が記録されているEStreamオブジェクト群記録領域131で構成されている。
ここで、DVD−Video(ROM Video)はVIDEO−TS、DVD−RTR(録再DVD)はDVD−RTAVと、フォーマット毎にディレクトリを分けており、今回のデジタル放送対応DVD規格も例えばDVD_HDVRというディレクトリに記録される。
つまり、図3に示すように、DVD_HDVRというディレクトリには、データの管理を行うためのVMGファイル(HR_MANGER.IFOおよびそのバックアップ用HR_MANGER.BUP)と、アナログ放送及びアナログライン入力などのアナログAV情報記録用のオブジェクトファイルであるVROファイル(HR_MOVIEOx.VRO;x=0,1,2,…)と、デジタル放送のオブジェクトであるSROファイル(HR_STRMx.SRO;x=0,1,2,…)と、スチルオブジェクト用ファイル(HR_STILL.VRO)と、オーディオオブジェクト用ファイル(HR_AUDIO.VRO)とが記録される。ここで、SROファイルの対象はESOBSとされる。そして、図3に示されるようにSRの管理データはVRと共通のHDVMGファイルに記録されてVRと共通に制御され、図2に示されるようにSRの管理データとVRの管理データはCELL単位でリンクされ、再生場所の指定は再生時間単位で指定される。
なお、DVD_HDVRディレクトリには、図示しないが、チャプタメニューなどに利用できるサムネール(縮小画像)用のファイルとして、HR_THNL.DATを設けることができる。さらに、図示しないが、アイテムテキスト(IT_TXT)とは別の追加テキストファイル:HR_TEXT.DATや、エントリポイント(EP)に追加された情報を保存するためのHR_EXEP.DATを、適宜、DVD_HDVRディレクトリに設けることも可能である。
図4は、 AVデータ管理情報記録領域130に記録される管理情報の1つ(HDVR_VMG)の一部(HDVR_VMGI)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。この実施例におけるストリームレコーディングをESR(Extended Stream Recording)と略記し、ビデオレコーディングをVR(Video Recording)と略記する。すると、ESRデータの管理情報(ESFIT; Extended Stream File Information Table)は、HDVR_VMG130内(図3のHR_MANGER.IFO内)に保存され、VRデータと同列に管理される。
HDVR_VMG130は、ビデオマネージャ情報(HDVR_VMGI)1310と、VRのムービーAVファイル情報テーブル(M_HDAVFIT)1370と、ストリームファイル情報テーブル(ESFIT )1320と、(オリジナルの)プログラムチェーン情報(EX_ORG_PGCI)1330と、プレイリスト情報(EX_PL_SRPT;またはユーザ定義プログラムチェーン情報テーブル:EX_UD_PGCIT)1340と、テキストデータマネージャ(EX_TXTD_MG)1350と、業者情報テーブル(EX_MNFIT)1360を含んで構成されている。
なお、 プレイリストおよびユーザ定義プログラムチェーンは、呼称が異なるが実質的には対等の意味を持ち、ビデオレコーディング規格で用いられているプレイリストおよびユーザ定義プログラムチェーンと同義である。このことから、以下の説明ではプレイリスト関連の情報(PL_SRP等)およびユーザ定義プログラムチェーン関連の情報(UD_PGCIT_SRP等)が、適宜、併記されている。
HDVR_VMGI・1310は、ディスク管理識別情報(VMG_ID )1311と、バージョン情報(VERN)1312と、Eストリームオブジェクト管理情報開始アドレス(ESFIT_SA)1313と、プログラムチェーン情報開始アドレス(ORG_PGCI_SA)1315と、プレイリスト情報開始アドレス(UD_PGCIT_SA)1316を含んで構成されている。ESRストリームの管理情報は、ESFIT1320に保存される。
図5は、この発明の一実施例に係るデータ構造において、管理情報の1つ(HDVR_VMG)の他部(ESFIT)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESFIT1320は、 ESFITの一般情報ESFITI_GI(General Information)1321と、ESOBI_VSTI(Video Status Information)1322と、 ESOBI_ASTI(Audio Status Information)1323と、ESFI(Extended Stream File Information)1324を含んで構成される。ESFITI_GIはESOBの数、VSTIの数、ASTIの数、ESFITのエンドアドレスなどで構成することもできる。
VSTIおよびASTIは、ESOB内のストリームの属性情報であり、ビデオ属性情報はVSTIで表すことができ、オーディオ属性情報はASTIで表すことができる。VR規格では、ストリーム情報STIはVIDEOとAUDIOを一組として1つのSTIを構成していたが、デジタル放送の場合、放送信号内に複数のビデオおよび/またはオーディオが入る可能性がある。このため、VR規格のように必ずしも同じビデオ/オーディオの組でSTIが表されるとは限らない。このことから、ビデオとオーディオは別々の属性情報にして管理した方が全体的なSTIの情報量が少なくて済む。これらビデオの属性情報(V_ATR)およびオーディオの属性情報(A_ATR)の詳細については、図7を参照して後述する。
図6は、図5に示した管理情報(ESFIT)の各構成要素のうち、ESFITI_GIおよびESFIの中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESFITI_GI・1321は、ESOBの数を示す情報13211と、ESOB_VSTIの数を示す情報13212と、 ESOB_ASTIの数を示す情報13213と、ESFITの終了アドレスを示す情報13214を含んで構成されている。また、 ESFI・1324は、一般情報ESFI_GI・13251と、1以上のストリームオブジェクト情報(ESOBI#1〜#K)13253と、これら(ESOBI#1〜#m)に対する1以上のサーチポインタ(ESOBI_SRP#1〜#K)13252を含んで構成されている。
図7は、図5に示した管理情報(ESFIT)の各構成要素のうち、ESOBI_VSTIおよびESOBI_ASTIの中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。
VSTIの属性情報V_ATR・13221Vには2種類考えられ、図7の例01では、(基本的にはVR規格と同じビット構成であるが)HD(High Definition)対応として、圧縮モード(0=MPEG1;1=MPEG2;2=MPEG4/H264)と、TVシステム(0=NTSC525/60;1=PAL625/50)と、アスペクト比(0=4:3;1=16:9)と、I/P(Interlace/Progressive)の識別フラグ(0=インターレース;1=プログレッシブ)と、ビデオ解像度情報(0=720×480;1=704×480;2=352×480;3=352×240;4=544×480;5=480×480;6=1280×720;7=1920×1080)が追加になっている。
一方、例02では、SI(Service Information)を利用するように構成されている。すなわち、SI上のデータを加工せずにV_ATRに設定するもので、ストリームコンテントとコンポーネントタイプの設定に、Component descriptor(記述子)の値をそのまま利用したものである。
また、ASTIの属性情報A_ATR・13223も、 V_ATRと同様に、例11では(基本的にはVRと同じビット構成であるが)HD対応として、圧縮モード(0=AC3(R);1=エクステンションビットストリームなしのMPEG1またはMPEG2;2= MPEG2;3=リニアPCM;4=MPEG2・AAC;5=DTS(R))と、量子化/ダイナミックレンジ制御(0=サンプリング周波数fs48kHz;1= fs96kHz)と、オーディオチャネル数(0〜7=1ch〜8ch;8=2chデュアルモノ)等が追加になり、例12ではSIのComponent記述子の値がそのままA_ATRのストリームコンテントとコンポーネントタイプに設定されている。
図8は、図6に示した管理情報のうち、ESFI_GIおよびESOBIの中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESFI_GIはESOBI_SRPの数と、APP_NAMEと、ESOBファイル名と、ESFIの終了アドレスを含んでいる。また、各ESOBIは、ストリームオブジェクト一般情報ESOBI_GIと、1以上のESOBエレメンタリストリーム情報と、シームレス情報SMLIと、オーディオギャップ情報AGAPIと、タイムマップ一般情報TMAP_GIと、1以上のエレメンタリストリームマップ情報ES_MAPIと、ESグループ数と、1以上のESグループ情報を含んでいる。
図9は、図8に示した管理情報のうち、ストリームオブジェクト一般情報(ESOB_GI)の中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。ストリームオブジェクト一般情報ESOBI_GIには、図9に示されるように、ESOBIタイプESOBI_TY、録画開始時間ESOB_REC_TM/ ESOB_REC_TM_SUB、ESOB開始のPTS(再生タイムスタンプ)又はATS(到着時間)のどちらか、ESOB終了のPTS又はATSのどちらかが含まれる。
さらに、 ESOBI_GIには、PCRパケットの位置シフトを示すPCR_PKT_SHIFTと、受信したストリームパケットの長さAP_PKT_SZ(現在TSパケットであるため、188)、パケットグループ内の受信したストリームパケットの数PKT_GRP_SZ(現在TSパケットであるため、85パケット)、マップグループの数、APP_NAME、PATより、TS_ID、NETWORK_PID、録画したストリームのPMTのPID、PMTからは、SERVICE PID、FORMAT ID、Version(外部入力の場合にデータの種類を示すレジステーション・ディスクリプタの値、内部チューナの場合は、チューナ固有のデータ種別を設定)、ESOB_REP_PID(再生するSOBの代表のストリームのPID、またはコンポーネントグループの番号とも考えられる。代表PIDの場合、ESOBI_GIの録画開始時間、ESOB開始、ESOB終了のPTS又はATSを作る上で使用する)、PCRのPID、ESOBのES数で構成されている。
さらに、 ESOBI_GIには、ESOBの映像のデフォルトのPID(もしくはコンポーネントタグ):ESOB_REP_PID、ESOBの編集した時間:ESOB_EDIT_TIME等が入っている。これにより、もし、セル情報CIなどで再生するPIDが記述されていない場合でも、ESOBI内のESOB_REP_PIDにしたがって再生可能となる。
さらに、 ESOBI_GIには、VOBU/ESOBUの時間間隔を変更するためのVOBU/ESOBU_PBT_RNGが設定されている(VOBU/ESOBU_PBT_RNGの設定はタイムマップ一般情報TMAP_GI(あるいはマップ一般情報MAP_GI)にあっても可能)。
VOBU/ESOBU_PBT_RNGの値が0の場合はVOBU/ESOBUは0.4秒〜1.0秒になり、VOBU/ESOBU_PBT_RNGの値が1の場合はVOBU/ESOBUは1.0秒〜2.0秒になり、VOBU/ESOBU_PBT_RNGの値が2の場合はVOBU/ESOBUは2.0秒〜3.0秒になる。これにより、録画時間が増えても、タイムマップ情報TMAPIが極端に大きくなることを防ぐことが可能となる。(ただし、各エントリの時間間隔が広がると、倍速再生等がスムーズにできない可能性は増える。)
なお、 VOBU/ESOBU_PBT_RNGの値は、図9および図15に示すように、VR系の管理情報(VOBI)とSR系の管理情報(ESOBI)の両方が共通に持ち、両方に対応している。
さらに、ESOBの解析可能かどうかをチェックし、解析可能である場合は、ESOB_COG/NONCOGに0を設定し、解析不能である場合はESOB_COG/NONCOGに1を設定する。ESOB_COG/NONCOGに0で設定した場合は、本願実施例にあるTMAPIを構成し、再生等を行う。しかし、ESOB_COG/NONCOGに1を設定した場合は、メーカ固有の独自な管理情報を持ち、コンテンツを管理することになる。
また、図9のESOB_GIでは、ESOB中のパケットグループ内のIPATのビット長(ESOB_IPAT_Bit_Length)と、IPATの切捨てビット桁数(シフトビット桁数)(ESOB_round off bit)を設定している。
ところで、各TSパケットの到着時間を表すためには、ATS(Arrival Time Stamp)を6バイトで表す必要がある(図20以降参照)。しかしながら、本願では、記録媒体(ディスク)の容量を節約するために、85パケットを1パケットグループとし、その先頭のみにATSをそのまま使用し、それ以外は、全て前値との差分であるIPATでTSパケットの到着時間を表している。 IPATのビット長(ESOB_IPAT_Bit_Length)は、そのIPATのビット長を設定している。さらに、IPATの内、下位の切り捨てるビット数をESOB_round off bitで指定している。再生する場合、記載されているIPATの値をESOB_round off bit分、左にシフトした(0を付けた)値をIPATとして、処理を行う。
図10は、図8に示した管理情報のうち、ESOBエレメンタリストリーム情報と、タイムマップ一般情報(TMAP_GI)(あるいはマップ一般情報(MAP_GI))と、エレメンタリストリームマップ情報(ES_MAPI)と、ESグループ情報の中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。
ESOB_ESIは、図10に示されるように、ストリームのタイプ、そのストリームのPID、Videoの場合はVSTI番号、Audioの場合はASTI番号、そのほかの場合は0xffffを設定する。ここのストリームタイプはPMT内に書いてあるタイプである。
TMAP_GI(あるいはMAP_GI)は、図10に示されるように、ADR_OFS(SOBの先頭の開始アドレス:Logical Block:LB単位)、ESOB_S_PKT_POS(ESOBのLB内の開始パケット番号)、ESOB_E_PKT_POS(ESOBのLB内の終了パケット番号)、ES_MAP数で構成される。
さらに、BSデジタル放送受信時に雨などのためにエラーレートが高かった場合、受信映像を高階層から低階層に切り替えるための難受信情報を図18に示されるようなフォーマット(例3)で保存する方法を採用できる。このフォーマットを採用する場合は、この難受信情報132439をここ(図10のSOBI末尾)に設定できる。この難受信情報132439として、難受信状態の個数1324391、各難受信開始情報1324392、および各難受信終了情報1324393が含まれる。このとき、難受信期間(低階層に切り替えられている期間)は受信時のエラーレート値によって決定される。その際、難受信開始決定のエラーレートと難受信終了決定のエラーレートについては、開始の方を高くし、終了の方を低くすることで開始/終了の検出にヒステリシスを設け、階層間の切り替えが頻繁に起きるの防いでいる。なお、この難受信情報132439については、図18を参照して後述する。
図11は、図10に示したES_MAP_GIの中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。ES_MAPIは、図11に示されるように、ES_MAP_GI、ESOBUエントリ情報で構成されている。ES_MAP_GI・1324361は、ES_PID(該当エレメンタリストリームのPID)13243611、ESOBUエントリ数13243612、1ST_ESOBU_S_PKT_POS(最初のESOBUの最初のTSパケットのPacket Group内の先頭からのTSパケット番号)13243613、ESOBUの種別13243614、ESOBU内で示されるPCRの間隔13243615を含んで構成されている。
ESOBUはビデオデータがある場合とビデオデータがなくオーディオデータのある場合とその他の情報のみの場合の3つが考えられ、図11の例では、ESOBUの種別はそれぞれ00、01、10としている。
なお、PCR間隔については、それが“00”のときはリファレンスピクチャREF−PIC(Iピクチャ)の直前(1PCR前)のPCR位置をESOB_ENT内で示すことが示され、それが“01”のときはREF−PICの2PCR前のPCR位置をESOB_ENT内で示すことが示され、それが“10”のときはREF−PICの3PCR前のPCR位置をESOB_ENT内で示すことが示され、それが“11”のときはその他の指示状態が示されるようになっている。
図12は、図10に示したESOBU_ENTの中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。また、図13は、図2に示したESOBUが、ビデオデータおよびオーディオデータの有無でどのような内容を持つかの一例を説明する図である。
ESOBUは、図12、図13に示されるように、ビデオのデータがある場合とビデオデータが無くオーディオデータのある場合とその他の情報のみの場合の3つが考えられ、種別はそれぞれ<1>、<2>、<3>とする。すなわち、この種別に従い、ESOBUエントリ情報には、上記3種類がある。
<1>ビデオデータがある場合、 ESOBUエントリ情報は、エントリ内の最初のリファレンスピクチャ(Iピクチャ等)のESOBU先頭からの最終アドレス情報(LB単位)1st_Ref_PIC_SZと、ESOBUの再生時間(フィールド数)ESOBU_PB_TMと、ESOBU_SZ(パケットグループ数で表されるサイズで、後述する図62に示すように、ESOBUに属するパケットグループの数)と、ESOBU_START(ESOBUの先頭が入っているパケットグループの先頭からのパケット数)と、PCR_POSと、 Random_access_flagとで構成される。
なお、PCR_POSは、 PCR間隔で示されるPCRの位置を、ESOBU先頭からのアドレス数で示す。PCRが存在しない場合はPCR_POSは0xffffとなる。また、 PCR_POSのLB数は、PCR_POS×2^PCR_POS_SHIFTで表わすことができる。ここで、PCRはリファレンスピクチャがある位置よりも前のものでPCR間隔で示される数分前のPCRの位置である。また、Random_access_flagはESOBUの先頭にIピクチャがあるかどうかのフラグで、このフラグが1のときはIピクチャが存在し、このフラグが0のときはIピクチャは存在しない。
これにより、タイムサーチの場合(図48)、ESOBU_PB_TMの累積で目的の時間のESOBUを求め、そのESOBUの先頭からのフィールド数で再生開始PTMを換算することができる。ここで、タイムサーチするターゲットのESOBUをKとし、そのターゲットアドレスをAとすると、“ESOBU_SZ(N)をN=1からN=K−1まで累積した値を8倍してそれに1を加えた値”がターゲットアドレスAとなる。すなわち、
A=Σk-1 N=1{ESOBU_SZ(N)}×8 + 1 …(1)
となる。さらに、先頭のパケットはESOBU_STARTの値のパケットとなり、このアドレスにアクセスすることになる。
<2>ビデオデータが無くオーディオデータがある場合は、 エントリ内の最初の音声フレームのESOBU先頭からの最終アドレス情報(上記に同じ)と、ESOBUの再生時間(フィールド数)と、ESOBUのサイズ(上記に同じ)と、PCR_POSとで、 ESOBUエントリ情報が構成される。
<3>その他の情報のみの場合は、エントリ情報が構成されないため、すべてFFで埋める。
図14は、AVデータ管理情報記録領域130に記録される管理情報に含まれるPGC情報(オリジナルPGC情報ORG_PGCI/ユーザ定義情報テーブル情報またはプレイリスト情報)が、どのように構成されるかの一例を説明する図である。ユーザ定義情報テーブル情報UD_PGCITI(プレイリスト情)1340は、UD_EX_PGCIT・1341と、1以上のUD_EX_PGCI_SRP#1〜#r・1342と、1以上のユーザ定義情報UD_EX_PGCI#1〜#s・1343を含んで構成されている。
図15は、AVデータ管理情報記録領域(RTR_HDVMGI;図4のHDVR_VMGに対応)130に記録されるVRのムービーAVファイル情報テーブル(M_HDAVFIT)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。このM_HDAVFITには、図9のESOB_GIと同様、 VOBU/ESOBUの時間間隔を変更するためのVOBU/ESOBU_PBT_RNG(VOBU/ESOBU PlayBack Time Range)が格納される。(図15のVOBU/ESOBU_PBT_RNGと図9のVOBU/ESOBU_PBT_RNGは同じ機能を持っている。)
図16は、図14に示したプログラムチェーン情報(ORG_EX_PGC情報またはUD_EX_PGC情報)の各構成要素の中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。このプログラムチェーン情報(EX_PGC情報;EX_PGCI)は、プログラムチェーン一般情報(EX_PGC_GI)1331と、1以上のプログラム情報(EX_PGI#1〜#p)1332と、1以上のセルサーチポインタ(EX_CELL_SRP#1〜#q)1333と、1以上のセル情報(EX_CI#1〜#q)1334を含んでいる。
プログラムチェーン一般情報1331は、プログラム数13311およびセルサーチポインタ数13312の情報を含んでいる。各プログラム情報1332は、プログラムタイプ13321と、プログラム内セル数13322と、プライマリテキスト情報13323と、アイテムテキストサーチポインタ番号13324と、代表画像情報13325と、編集者ID13326と、プログラムインデックス番号(プログラム絶対番号)13327と、プログラム更新日時13328と、業者情報番号13329を含んでいる。また、各セル情報1334は、セルタイプ13341と、ESFI番号13342と、対応ESOB番号13343と、参照するID13344と、セルエントリポイント情報の数13345と、セル開始PTS/ATS13346と、セル終了PTS/ATS13347と、セルエントリポイント情報(C_EPI)13348を含んでいる。
ここで、プログラム更新日時13328のフィールドには、プログラム管理情報が更新されたときの日時情報(年月日、時分秒)が保存される。また、MNFI番号13329のフィールドには、業者情報サーチポインタの番号が記述される。
ところで、図16のEX_PGC情報は再生情報であり、通常のVRフォーマットと同様に、ORG_EX_PGC情報は、録画時に機器(レコーダ)が自動的に作成するもので、録画順に設定される。一方、UD_EX_PGC情報は、ユーザが自由に追加する再生順番に従って作成されるもので、プレイリスト(PLAY・LIST)と呼ばれている。この2つのフォーマットはPGCレベルで共通であり、図16はそのEX_PGC情報の共通フォーマットを示している。
また、プログラム情報(EX_PGI)には、そのプログラム(PG)が更新された日時情報13328が保存されており、この日時情報により、そのプログラムが何時編集されたのかが分かる。また、テキスト情報として、番組名用にはPRM_TXTが使用され、その他のテキスト情報を保存するためにIT_TXT領域にその他の情報(監督名、主演名、…)を保存し、本PGIにはその保存したIT_TXTのSRP番号を設定して、リンクさせ、さらに、IT_TXTデータの方にもPG番号を設定している。ここで、PG番号はこのディスクに記録し初めてからの絶対番号で、他のPGを削除しても変わらないインデックス番号としている。
また、(レコーダの)メーカー特有の機能を実現させるために設けられたMNFIを利用するために、プログラム情報EX_PGIに業者情報MNFIのサーチポインタ番号(MNFI番号)13329を設定している。つまり、MNFIの情報でもPG番号をさらに設定する事により、MNFI情報内のデータとEX_PGCI内のデータとのリンクを図っている。
さらに、MNFI、IT_TXTの両方にPGの更新日時情報を設定し、メニュー表示時にその時刻の一致をチェックする事により、他社メーカーの編集かどうかを検証できるように構成している。
図16のセル情報1334では、セルタイプにESOBの種別が加わっている。さらに、セル情報1334では、対応するESOB番号を指定し、セルの開始時間(セル開始PTS/ATS)およびセル終了時間(セル終了PTS/ATS)を指定している。ここで、セルの開始時間および終了時間は、PTS単位(再生時間)またはATS単位(到着時間)の2種類で表わすことができる。
ここで、時間指定を再生時間(再生時の実時間)にすると、従来のVRと同じアクセス方法が可能となり、ユーザが再生時間で指定できるため、ユーザ希望が完全に反映されることになる。ただし、この方法は、ストリームの内容が十分に解析可能な場合に指定できる方法であり、十分に内容がわからない場合には到着時間単位で指定せざるを得ない。
なお、再生時間で指定した場合、必ずしもIピクチャの先頭で再生を開始できるとは限らない。再生開始のフレームがIピクチャで無い場合は、その直前のIピクチャよりデコードを開始し、目的のフレームまでデコードした所で、再生映像の表示を開始する。これにより、ユーザには指定されたフレームから再生開始したように見せることができる。
また、図16のセル情報1334に含まれる「参照するID」は、再生するストリームを代表するストリームのPID(またはコンポーネントタグの値)を設定する方法と、マルチビューTVの場合などで、コンポーネントグループのIDを設定する方法が考えられる。また、この設定値が0xffffの場合、子画面でマルチ表示する方法と事前に設定したグループ(もしくはデフォルトのメイングループ)を優先的に表示し、後(再生中)で切り換える方法が考えられる。
また、新しい概念として、EX_PGIに「最後に編集を行った機器(レコーダ)のメーカーID(編集者ID・13326)」を入れることにより、どのメーカーの機器が編集を行ったかを示す情報が追加されている。これにより、各メーカーで使用しているMNFIの情報の使用状況が分かる。各機器は、MNFIの領域の書き換えが他社の機器で行われた場合、そのMNFI内の情報の信頼性が無いことを判定できる。そのために、他社の機器で編集された後は、MNFIは新たに構築する必要がある。また、PGに特有のID番号(PG絶対番号)13327を付け、途中のPGを削除しても変わらない番号でPGを指定できるようにしている。
また、PG、CELLに特有のID番号を付け、途中のPG、CELLを削除しても変わらない番号でPG、CELLを指定できるようにしている。
さらに、セルエントリポイント情報C_EPI・13348に難受信状態(後述する図17のHiera_TY)を追加し(例1)、難受信の開始位置と終了位置にEPを打ち、そのステータスをHiera_TYで追加設定可能にしている。
図17は、図16のセル情報に含まれるセルエントリポイント情報(C_EPI)の中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。このC_EPIは2種類(タイプAとタイプB)が用意されている。タイプAのC_EPIは、エントリポイントタイプEP_TYと、難受信情報Hiera_TYと、エントリポイント再生時間EP_PTMで構成される。タイプBのC_EPIは、タイプAにプライマリテキスト情報PRM_TXTIが加わった内容となっている。タイプAとタイプBの識別はEP_TYによりなされる(EP_TY=00でタイプA;EP_TY=00でタイプB)。難受信状態の記録(低階層映像の記録)が開始するエントリポイントは例えばHiera_TY=01で示され、難受信状態の記録(低階層映像の記録)が終了するエントリポイントは例えばHiera_TY=10で示される。
図18は、図10の難受信情報(例3)の中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。この難受信情報132439は、例えば図10のSOBI末尾に設定される。この難受信情報132439は、難受信状態の個数1324391、各難受信開始情報1324392、および各難受信終了情報1324393を含んで構成される。
難受信状態の個数1324391は、デジタル放送受信中(録画中)に電波状況が良くなったり悪くなったりして難受信を起こした箇所が(1度の録画において)1箇所以上になる場合に、その箇所数を記録する。
また、ある難受信のスタートアドレス(またはその再生時間PTM)1324392とエンドアドレス(またはその再生時間PTM)1324393は、その難受信録画箇所の先頭から末尾までの位置(先頭からのパケット数で表すことができる)を示す情報となる。このスタートアドレス/エンドアドレスのペアは、難受信状態の個数1324391と同じ数だけ記録すればよい。
図19は、図1または図2に示したストリームオブジェクト用のデータユニット(ESOBU)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。1個のESOBU134は1以上のパケットグループ140で構成され、各パケットグループ140は、例えば8パック(1パック=1セクタ:2048バイト)で構成される。
各パケットグループ140は、パケットグループヘッダ(404バイト)161と、1以上(ここでは85個)のMPEG−TSパケット(188バイト)162を含んで構成されている。
パケットグループヘッダ161は、同期パターン151と、パケット到着時間情報(ATI)152と、下記のDCIおよびCCIの有効性を示す情報(DCI_CCI_SS;DCI/CCI有効性フラグ0=無効、1=有効)153と、表示コントロール情報(DCI;Display Control Information)154と、コピー世代管理情報(またはコピー制御情報CCI;Copy Control Information)155と、 PCRの位置情報(PCRI;Program Clock Reference Information)156と、難受信切り替え情報(例2)157と、製造者情報(MNI;Manufacturer's information)(または業者情報MNFI)158とを含んで構成されている。図示しないが、さらにPTS(Presentation time stamp)を含んで構成することもできる。
また、各MPEG−TSパケット162は、4バイトのヘッダ170とアダプテーションフィールドおよび/またはペイロード180を含んで構成されている。ここで、ヘッダ170は、同期バイト171と、トランスポート・エラー・インジケータ172と、ペイロードユニット開始インジケータ173と、トランスポート優先度174と、パケット識別子(PID)175と、トランスポート・スクランブル制御176と、アダプテーションフィールド制御177と、連続性指標178を含んで構成されている。
図20は、図19に示したパケットグループヘッダに含まれる到着時間情報(ATI)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。図21は、図19に示したパケットグループヘッダに含まれる到着時間情報(ATI)がどのように構成されるかをさらに説明する図である。また、図22は、伝送レートが小さくなってTSパケット間がIPATで表現できないほど長くなった場合(オーバーフロー時)の処理を説明する図である。
Packet GroupはPacket Group HeaderとTSパケット(85個)で構成されている。各TSパケットの到着時間は、Packet Group Header内のATI(Arrival Time Information)で表わされている。このATIは、図20(b)に示すように、一般情報ATI_GIと、パケットグループ内で1番目のTSパケットの到着絶対時間を表すATS(6バイト)と、2番目以降のTSパケットの到着相対時間を表すIPATを含んでいる。
ATI_GIは、ATS/IPATが存在するか否かを示すATS_Exist/No Exist(1ビット)と、 ATS/IPATが存在する場合にIPATのビット長を示すIPAT_Bit_Length(またはESOB_IPAT_Bit_length;通常、26ビット)と、 ATS/IPATが存在する場合のIPATの切り捨てビット数を示すIPAT_round off Bitとで構成されている。これらのIPAT_Bit_LengthとIPAT_round off Bitは1つのSOB内では一定とされる。
Packet Group内の最初のTSパケットの到着時間はATI内の先頭のATSで絶対時間表示される。Packet Group内で2番目以降のTSパケットの到着時間は、ATSとその次のIPATを足した値で表わされ、さらに、次からは、1つ前の到着時間にIPATを足した値で表わされる(図20(d)参照)。なお、IPAT_Bit_LengthとIPAT_round off Bitの和は、図20(c)に示すように、ATS(6バイト)よりも小さい。このため、全てのTSパケットの到着時間を絶対時間ATSで表す場合と比べ、大多数のTSパケットの到着時間を差分時間IPATで表す図20の構成の方が、到着時間情報ATIのサイズを小さく抑えることができる。
ATS、IPATの表現には、2種類考えられる。第一は、映像系の基本クロックである27MHzをべースとしてカウントする方式(図20)である。また、第二は、再生のベースクロックである90kHz(PTS、SCR等の基本クロック)で大体の所を表現し(IPAT_base)、さらに差分を27MHzで表現する(IPAT_exten)2段クロック表現方式(図21)である。
また、IPATは、データ長を節約するために一つ前のTSパケットの到着時間(ATS)との差分値としているが、そのパケットヘッダ内に記載する場合のデータ長は、IPAT_Bit_lengthで表すことができる。ここで、第一の方式では、下位を丸めるために、IPAT_round off Bitを設定し、その値分、値を切り捨てる。一方、第二の方式では、PAT_extenの下位を丸めるために、IPAT_round off Bitを設定して、データ量の節約を行う。
ここで、図21の構造では、デジタル放送の最高伝送レート(PMT内のデジタルコピー記述子に記載)を調べ、その値に従ってSOB毎に設定する必要があるが、最低レートは決められない。そのため、データが来るのが遅れ、IPATでは表せない(オーバーフローする)場合がある。その場合、2つの処理が考えられる。第一は、図21に示されるように、IPATを0xffで埋め、ATSがIPATで表現できる範囲を超えた事を示す方法であり、第二は、図22に示すように、IPAT分のビット長を00で埋め、次の6バイトに(差分ではなく絶対値の) ATSを配置する方法である。ただし、第二の場合、パケットグループヘッダのデータ長に限りがあるため、ここでは、一パケットグループ中、第二の方法を採るのは4回までとしている。
ここで、録再されるデータの種類によっては、リアルタイム性を必要としないデータの可能性もある。その場合、到着時間等は意味を成さないので、それらの情報を省略可能にするため、ATS_EXIST/No Existのフラグ(図20(b))を設けている。
なお、IPAT_Bit_lengthおよびIPAT_round off Bitは、図19はパケットヘッダに存在する例であるが、図9のようにSOBIにIPAT_Bit_lengthおよびIPAT_round off Bitが存在することも可能である。
図23は、図19に示したパケットグループヘッダに含まれる各種情報がどのように構成されるかの一例をさらに説明する図である。
有効性情報(DCI_CCI_SS)153は1バイトで構成され、その中の1ビットのDCI_SSは、0で無効を示し、1で有効を示している。また、3ビットのCCI_SSは、0で無効を示し、1でAPSのみが有効であることを示し、2でEPNのみが有効であることを示し、3でAPSおよびEPNが有効であることを示し、4でCGMSのみが有効であることを示し、5でCGMSとAPSが有効であることを示し、6でCGMSとEPNが有効であることを示し、7でAPS、EPNおよびCGMSが3つとも有効であることを示している。
表示制御情報(DCI)154には4バイト割り当てられ、ES毎に32ストリーム分のDCIが設定される。ストリームがない場合は、このDCIのフィールドは“0”で埋められる。このDCIの内訳は、先頭から順に、ES1〜ES32のアスペクトフラグ(“0”でアスペクト比4:3を示し、“1”でアスペクト比16:9を示す)が配置される。
CCI・155は、デジタルコピー制御(00=コピー禁止、01=1回コピー許可、11=コピー禁止)とアナログコピー制御(00=APS無し、01=APSタイプ1、10=APSタイプ2、11=APSタイプ3)とEPN(0=コンテンツ保護、1=コンテンツ保護無し)とICT(0:アナログビデオ出力解像度制限、1=制限無し)で構成されている。ここで、APSはAnalog Protection Systemのことで、ここではマクロビジョン(R)を想定している。また、ICTはimage_constraint_tokenのことである。
CCIおよびDCIは、それぞれ、デジタルコピー制御記述子、コンテント利用記述子、コンポーネント記述子の値を反映している。特にEPNは、コンテンツ利用記述子のencryption_modeの値(0:保護する)を反映し、ICTはコンテンツ利用記述子のimage_constraint_tokenの値(0:制限する)を反映している。
これらCCIおよびDCIは、各ES毎に用意され、合計32ES分領域を確保している。なお、同じESで同じパケットグループ内にCCIおよび/またはDCIの変化しそうなところがある場合は、パケットグループを一旦区切り、ダミーデータ(IPAT=0x01、TSパケット=ALL0x00)で残りのパケットグループを埋め、その変化部分で次のパケットグループになる様に設定する。つまり、パケットグループ内でCCIおよびDCIが変化しない様にアライン処理を行っている。
一方、PCR位置情報156は、例えば2バイトで表現される。この2バイトで、PCRパック番号を表現できる。このPCRパック番号は、先頭の基準ピクチャ(例えば先頭のIピクチャ)に一番近いESOBUの先頭から、PCRのあるパックまでのパック数で表すことができる。PCRが存在しない場合は、 PCR位置情報156は、例えば“0xffff”とされる。
図24は、図19に示したパケットグループヘッダに含まれる難受信切り替え情報(例2)157がどのように構成されるかの一例を説明する図である。この難受信切り替え情報は、難受信映像が開始されるのか終了するのかを示すHiera_TY(Hiera_TY=01で開始、Hiera_TY=10で終了)と、該当パケット内におけるその開始または終了のアドレスと、予約ビットで構成されている。
図25は、この発明の一実施例に係るデータ構造を利用して、情報記録媒体(光ディスク、ハードディスク等)にAV情報(デジタルTV放送プログラム等)を記録し再生する装置の一例を説明するブロック図である。
この装置(デジタルビデオレコーダ/ストリーマ)は、図25に示すように、MPU部80、キー入力部103、リモコン103aからのユーザ操作情報を受け取るリモコン受信部103b、表示部104、デコーダ部59、エンコーダ部79、システムタイムカウンタ(STC)部102、データプロセサ(D−PRO)部52、一時記憶部53、DVD−RAM等の記録可能光ディスク100に対して情報の記録/再生を行うディスクドライブ部51、ハードディスクドライブ(HDD)100a、ビデオミキシング(Vミキシング)部66、フレームメモリ部73、アナログTV用D/A変換部67、アナログTVチューナ部82、地上波デジタルチューナ部89、および、衛星アンテナ83aに接続されるSTB(Set Top Box)部83により構成されている。さらに、この装置は、ストリーマとしてデジタル入出力に対応するため、IEEE1394などのデジタルI/F74を備えている。なお、STC部102は、図21のPAT_baseに合わせて、27MHzベースでクロックカウントを行うように構成されている。
STB部83は、受信したデジタル放送データのデコードを行なってAV信号(デジタル)を発生させ、そのAV信号をストリーマ内のエンコーダ部79、デコーダ部59およびD/A変換器67を介してTV68に送り、受信したデジタル放送の内容を表示させることが可能に構成されている。あるいは、STB部83は、デコード後のAV信号(デジタル)を直接Vミキシング部66に送り、そこからD/A変換器67を介してアナログAV信号をTV68に送ることも可能に構成されている。
ところで、図25の装置はビデオレコーディングとストリームレコーディングの両機能を備えたレコーダを構成しているので、ビデオレコーディングでは不要な構成(IEEE1394I/Fなど)やストリームレコーディングでは不要な構成(AV入力用のA/D変換器84、オーディオエンコード部86、ビデオエンコード部87など)を備えている。
エンコーダ部79内は、A/D変換器84、ビデオエンコード部87、ビデオエンコード部87への入力切換セレクタ85、オーディオエンコード部86、(図示しないが必要に応じて)副映像エンコード部、フォーマット部90、バッファメモリ部91を含んで構成されている。
また、デコード部59は、メモリ60aを内蔵する分離部60、メモリ61aおよび縮小画像(サムネールなど)の生成部62を内蔵するビデオデコード部61、副映像(SP)デコード部63、メモリ64aを内蔵するオーディオデコード部64、TSパケット転送部101、ビデオプロセサ(V−PRO)部65、オーディオ用D/A変換器70より構成されている。このD/A変換器70からのアナログ出力(モノラル、ステレオ、あるいはAAC5.1CHサラウンド)は、図示しないAVアンプ等に入力され、必要本数のスピーカ72が駆動される。
ところで、録画中のコンテンツをTV68に表示するために、記録するストリームデータを、D−PRO部52に送るのと同時に、デコーダ部59へも同時に送り、その再生を行うことができる。この場合、MPU部80はデコーダ部59へ再生時の設定を行い、その後はデコーダ部59が自動的に再生処理を行う。
D−PRO部52は、例えば16パック(あるいは32パックもしくは64kバイト)毎にまとめてECCグループとし、ECCをつけてドライブ部51へ送る。ただし、ドライブ部51がディスク100への記録準備が出来ていない場合には、一時記憶部53へ転送し、データを記録する準備が出来るまで待ち、用意が出来た段階で記録を開始する。ここで、一時記憶部53は高速アクセスで数分以上の記録データを保持するため、大容量メモリが想定される。この一時記憶部53は、HDD100aの一部を利用して構築することも可能である。なお、MPU部80は、ファイルの管理領域などを読み書きするために、D−PRO部52へ専用のマイコンバスを通して読み書きできるように構成されている。
図25の装置では、記録媒体として第1にDVD−RAM/−RW/−R/Blueメディア(ブルーレーザを用いる録再可能メディア)等の光ディスク100を想定し、その補助記憶装置としてハードディスクドライブ(HDD)100a(および/または図示しない大容量メモリカード等)を想定している。
これら複数媒体の使い方としては、例えば次のようなものがある。すなわち、HDD100aに図1〜図24のデータ構造(フォーマット)を利用してストリームレコーディングを行う。そして、HDD100aに記録されたストリームレコーディングコンテンツのうち、ユーザが保存したいと希望するプログラムについては、ディスク100にそのままストリームレコーディング(ダイレクトコピーあるいはデジタルダビング)する(コピー制御情報CCIでコピーが禁止されていない場合)。こうすれば、デジタル放送のオリジナルと同等のクォリティを持つ所望プログラムだけをディスク100に纏めることができる。さらに、ディスク100にコピーされたストリームレコーディングコンテンツはこの発明のデータ構造を利用しているので、ストリームレコーディングであるにも拘わらず、タイムサーチ等の特殊再生が容易なものとなる。
以上のような特徴を持つデジタルレコーダ(DVD−RAM/−RW/−R/BlueメディアとHDDとの組み合わせで構成されたストリーマ/ビデオレコーダ)の具体例が、図25の装置である。図25のデジタルレコーダは、大きくいって、チューナ部(82、83、89)と、ディスク部(100、100a)と、エンコーダ部79と、デコーダ部59と、制御部(80)を含んで構成されている。
衛星デジタルTV放送は、放送局より通信衛星を通して放送される。放送されたデジタルデータは、STB部83で受信され再生される。このSTB83は、放送局から配給されるキーコードを元に、スクランブルされたデータを伸張し再生を行う装置である。このとき、放送局からのスクランブルが解除される。ここで、データがスクランブルされているのは、放送局と受信契約を行っていないユーザが放送番組を不正に視聴することを防ぐ意味で行っている。
STB部83内では、図示しないが、放送されたデジタルデータは、チューナシステムにより受信される。受信されたデータは、そのまま再生される場合には、デジタル伸張部でスクランブルが解除され、MPEGデコーダ部で受信データがデコードされ、ビデオエンコーダ部でTV信号に変換され、このTV信号がD/A変換器67を介して外部に送出される。これにより、STB部83で受信されたデジタル放送番組をアナログTV68で表示できるようになる。
地上波デジタル放送は、通信衛星を経由しない(および無料放送ではスクランブルが掛けられない)点を除き、衛星放送と同様に受信され処理される。すなわち、地上波デジタル放送は地上波デジタルチューナ部89で受信され、そのまま再生される場合はデコード後のTV信号がD/A変換器67を介して外部に送出される。これにより、地上波デジタルチューナ部89で受信されたデジタル放送番組をアナログTV68で表示できる。
地上波アナログ放送は、地上波チューナ部82で受信され、そのまま再生される場合は受信されたアナログTV信号が外部に送出される。これにより、地上波チューナ部82で受信されたアナログ放送番組をTV68で表示できる。
外部AV入力81からアナログ入力されたアナログビデオ信号は、そのままストレートにTV68に送出することも可能であるが、A/D変換器84で一旦A/D変換し、その後D/A変換器67でアナログビデオ信号に戻してから、外部TV68側へ送出するように構成することもできる。このように構成すると、ジッタの多いアナログVCR再生信号が外部AV入力81から入力された場合でも、ジッタのない(デジタルタイムベースコレクションされた)アナログビデオ信号をTV68側に出力できる。
デジタルI/F(IEEE1394インターフェイス)74からデジタル入力されたデジタルビデオ信号は、D/A変換器67を介して外部TV68側へ送出される。これにより、デジタルI/F74に入力されたデジタルビデオ信号をTV68で表示できる。
衛星デジタル放送、地上波デジタル放送、あるいはデジタルI/F74から入力されたビットストリーム(MPEG−TS)は、図1(e)のストリームオブジェクト132として、ディスク100(および/またはHDD100a)のストリームオブジェクト群記録領域131(図1(d))にストリームレコーディングできる。また、地上波アナログ放送あるいはA/V入力81からのアナログビデオ信号は、ディスク100(および/またはHDD100a)のVRオブジェクト群記録領域122(図1(d))にビデオレコーディングできる。
なお、地上波アナログ放送あるいはA/V入力81からのアナログビデオ信号は、一旦A/D変換したあと、ビデオレコーディングでなくてストリームレコーディングするように装置を構成することもできる。逆に、衛星デジタル放送、地上波デジタル放送、あるいはデジタルI/F74から入力されたビットストリーム(MPEG−TS)は、(必要なフォーマットコンバートをしてから)ストリームレコーディングでなくてビデオレコーディングするように装置を構成することも可能である。
ストリームレコーディングまたはビデオレコーディングの記録/再生制御は、メインMPU部80のROM80Cに書き込まれたファームウエア(後述する図26〜図50の動作に対応した制御プログラム等)により行われる。MPU部80はストリームレコーディングおよびビデオレコーディングの管理データ作成部80Bを持ち、ワークRAM部80Aを作業エリアとして種々な管理情報を作成し、作成した管理情報を、図1(d)のAVデータ管理情報記録領域130に適宜記録する。また、MPU部80は、AVデータ管理情報記録領域130に記録された管理情報を再生し、再生した管理情報に基づき種々な制御(図26〜図50)を行う。なお、MPU部80のROM80Cには、図25の装置のメーカーID情報等を書き込んでおくことができる。さらに、前述した難受信情報または難受信切り替え情報(例1〜例3)を用いた処理を行なうファームウエアは、メインMPU部80の難受信切替処理部80Dに格納されている。
図25の装置で用いる媒体100(100a)の特徴を簡単に纏めると、次のようになる。すなわち、この媒体は、管理領域130とデータ領域131で構成され、データ領域にはデータが複数のオブジェクトデータ(ESOB)に分かれて記録され、それぞれのオブジェクトデータはデータユニット(ESOBU)の集まりで構成される。そして、1つのデータユニット(ESOBU)は、MPEG−TSに準じたデジタル放送信号をTSパケット毎に複数パケットでパケットグループ化したパケットグループにより構成される(図1、図19参照)。一方、前記管理領域130は再生手順を管理する情報としてPGC情報(PGCI)を持ち、このPGC情報はセル情報(CI)を含んで構成される。さらに、管理領域130内にオブジェクトデータ(ESOB)を管理する情報を持つ。
図25の装置は、上記のようなデータ構造を持つ媒体100(100a)に対して、ビデオレコーディングの他にストリームレコーディングを行うことができる。その際、TSパケットのストリーム内からプログラムマップテーブルPMTやサービス情報SIを取り出すために、MPU部80はサービス情報取り出し部(図示せず;管理データ作成部80Bの一部を構成するファームウエア)を持つように構成される。またこのサービス情報取り出し部で取り出した情報を元に、属性情報(PCR_パック番号あるいはPCR_LB数番号など)を作成する属性情報作成部(図示せず;管理データ作成部80Bの一部を構成するファームウエア)を持つように構成される。
図25の装置において、記録時の信号の流れは、例えば次のようになる。すなわち、STB部(または地上波デジタルチューナ)で受け取ったTSパケットデータは、フォーマッタ部でパケットグループ化されワーク(バッファメモリ部91)へ保存し、一定量たまった時点(1またはその整数倍のCDA分がたまった段階で)でディスクに記録される。この時の動作は、TSパケットを受信すると85パケットづつグルーピング化し、パケットグループヘッダを作成する。
また、地上波チューナやライン入力から入力されたアナログ信号は、A/D部でデジタル変換される。そのデジタル信号は、各エンコーダ部へ入力される。ビデオ信号はビデオエンコード部へ、オーディオ信号はオーディオエンコード部へ、文字放送などの文字データはSPエンコード部(図示せず)へ入力され、ビデオ信号はMPEG圧縮され、オーディオ信号はAC3圧縮またはMPEGオーディオ圧縮がなされ、文字データはランレングス圧縮される。
各エンコーダ部から、圧縮データが、パック化(あるいはブロック化)された場合に2048バイトになるようにパック化(あるいはブロック化)されて、フォーマッタ部へ入力される。フォーマッタ部では、各パケット(あるいは各ブロック)が多重化され、D−PRO部へ送られる。D−PRO部では、16(又は32)のパケット(あるいはブロック)毎にECCブロックを形成し、エラー訂正データを付け、ドライブ部によりディスクに記録する。
ここで、ドライブ部がシーク中やトラックジャンプなどの場合のため、ビジー状態の場合には、HDDバッファ部へ入れられ、RAMドライブ部の準備ができるまで待つこととなる。さらに、フォーマッタ部では、録画中、各切り分け情報を作成し、定期的にMPU部へ送る(GOP先頭割り込みなど)。切り分け情報としては、VOBU(ESOBU)のパック数(あるいはLB数)、VOBU(ESOBU)先頭からのIピクチャのエンドアドレス、VOBU(ESOBU)の再生時間などがある。
記録時の信号の流れは、STB部(または地上波デジタルチューナ)で受け取ったTSパケットデータが、フォーマッタ部でパケットグループ化され、ワークRAMに保存され、一定量たまった時点(1またはその整数倍のCDA分がたまった段階で)でディスクに記録される。
また、再生時の信号の流れは、ディスクからドライブ部よりデータを読み出し、D−PRO部でエラー訂正を行い、デコード部へ入力される。MPU部は入力されるデータがVRデータか、ESRデータかの種別を判定し(セルタイプにより判定できる)、デコーダ部に再生前にその種別を設定する。ESRデータの場合、MPU部は再生するセル情報CIより、再生するPMT_IDを決め、該当するPMTより、再生する各アイテム(ビデオ、オーディオ等)のPIDを決め、デコーダ部へ設定する。デコーダ部は、そのPIDを元に、分離部で各TSパケットを各デコード部へ送る。さらに、TSパケット転送部へ送り、到着時間に従って、STB部(1394I/F部)へTSパケットの形で送信する。各デコード部は、デコードを行い、D/A部でアナログ信号に変換し、TVで表示する。VRデータの場合は、分離部は、固定のIDに従い、各デコード部へ送る。各デコード部は、デコードを行い、D/A部でアナログ信号に変換し、TVで表示する。
なお、再生時は、ディスクから読み出したパックデータを分離部で解析し、TSパケットが入っているパックの場合には、TSパケット転送部へ送り、さらに、その後、各デコーダへ送って、再生を行う。STBへ転送する場合(あるいはデジタルTV等の外部機器へ送信する場合)は、TSパケット転送部は、そのデータを到着時と同じ時間間隔で、TSパケットのみを転送する。STB部は、デコードを行い、AV信号を発生させ、そのAV信号をストリーマ内ビデオエンコーダ部を通して、TVへ表示する。
図26は、図25の装置の全体の動作の一例(全体動作処理フロー)を説明するフローチャートである。ここでのデータ処理は、番組設定処理、録画処理、再生処理、データ転送処理(デジタル出力処理)、編集処理の5つである。
例えば図25の装置の電源がオンされると、MPU部80は、(工場出荷時またはユーザが設定した後の)初期設定を行い(ステップST10)、表示設定を行って(ステップST12)、ユーザ操作を待つ。ユーザがキー入力部103またはリモコン103aからキー入力を行うと(ステップST14)、MPU部80はそのキー入力の内容を解釈する(ステップST16)。この入力キー解釈の結果に応じて、以下の4つのデータ処理が、適宜実行される。
すなわち、キー入力が例えばタイマ予約録画設定のキー操作であれば、番組設定処理に入る(ステップST20)。キー入力が録画開始のキー操作であれば、録画処理に入る(ステップST22)。キー入力が再生開始のキー操作であれば、再生処理に入る(ステップST24)。キー入力がSTBへデジタル出力させるキー操作であれば、デジタル出力処理に入る(ステップST26)。編集処理のキー操作であれば、編集処理に入る(ステップST28)。
ステップST20〜ST28の処理は、そのタスク毎に適宜並列処理される。例えば、再生処理中(ST24)にSTBへデジタル出力する処理(ST26)が並列に実行される。あるいは、タイマ予約録画でない録画処理中(ST22)に新たな番組設定処理(ST20)を並列に処理するように構成することができる。あるいは、高速アクセス可能なディスク記録の特徴を生かし、録画処理(ST22)中に再生処理(ST24)とデジタル出力処理(ST26)を並列処理するように構成することもできる。HDDへの録画中にディスクの編集処理(ステップST28)を行うように構成することも可能である。
図27は、図26に示した編集処理(ST28)の一例を説明するフローチャートである。編集処理に入ると、編集内容に応じて、4つの処理(A〜Dのいずれか)に入ることができる(ステップST280)。エントリポイント編集処理(ステップST282A)、コピー/移動処理(ステップST282B)、削除処理(ステップST282C)、あるいはプレイリスト作成処理(ステップST282D)が済むと、この編集によるプログラム更新の日時が、各管理情報(EX_PGI、EX_IT_TXT、EX_MNFI)に設定される(ステップST284)。
なお、プログラム情報PGI、セル情報CI、あるいはVOB、ESOBのどれかが変更されたときに、このプログラム更新日時の設定を行うようにしてもよい。ここで、VOBIおよび/またはSOBIが変更された場合は、VOBIおよび/またはSOBIの編集時間(EDIT_TIME)を図9のESOB_EDIT_TIME等に設定できる。
ついでながら、ST284の処理において、ST282A〜ST282Dの何れかの操作を行った機器のメーカーIDを、図16の編集者ID(LAST_MNF_ID)13326に設定してもよい。この編集者IDは、PGI、CI、ESOB(またはVOB)のどれかが変更されると、その都度、その時に用いた機器のID情報により、設定(または更新)できる。
図28および図29は、図25の装置の録画動作の一例を説明するフローチャートである。録画時のデータ処理は、以下のようになる:
[a1]まず、番組設定処理でEPG(Electronic Program Guide)を使用して録画する番組を決めておき、受信を開始し、その決めた番組の録画を行う;
[a2]MPU部がキー入力部より録画命令受けると、ドライブ部から管理データを読み込み、書き込む領域を決定する。このとき、ファイルシステムをチェックし、録画可能かどうかを判断し、録画可能の場合は、記録する位置を決定し、録画可能でない場合は、その旨をユーザに示して,処理を中止する。
[a3]決定された領域を書き込むように管理領域に設定し、ビデオデータの書き込みスタートアドレスをドライブ部に設定し、データを記録する準備を行う;
[a4]STC部に時間のリセットを行う。ここで、STC部はシステムのタイマーでこの値を基準に録画、再生を行う;
[a5]録画する番組のPATを読み込み、目的の番組のPMTを取り込むためのPIDを決定し、目的のPMTを読み込み、デコードすべき(録画すべき)各データ(ビデオ、オーディオ)のPIDを決定する。このとき、MPU部のワークRAM部にPAT、PMTを保存し、管理情報に書き込む。ファイルシステムに、VMGファイルのデータを書き込み、VMGIに必要な情報を書き込む(ステップST110)。
[a6]各部へ録画設定を行う。このとき、フォーマッタ部へ、各データの切り分けの設定や、TSパケットの受け取り設定を行う。また、このとき、記録すべきデータのPIDを設定し、目的のビデオストリームのみ記録するようにする。また、バッファへTSパケットの保持を開始するように設定し、フォーマッタ部は動作を開始する(ステップST116);
[a7]PMTよりVSTI、ASTIを作成する(図29のステップST120);
[a8]バッファ内のデータが一定量たまった場合は(ステップST140イエス)、D−PROを通して、ECC処理を行い、ディスクに記録する(ステップST142)。
[a9]録画中、定期的に(フォーマッタ部のバッファRAMがいっぱいになる前に)、切り分け情報をMPU部のワークRAMに保存する(ステップST146)。ここでの切り分け情報は、ESOBUの切り分け情報であり、例えば、1秒もしくはGOPの切れ目、そのサイズ、Iピクチャの開始/終了アドレス、難視聴(難受信)エラー情報(エラー開始/終了PTM(例1)か、そのアドレス(例2))等である。
[a10]録画終了かどうかをチェックし(録画終了キーを入力したかどうか、または、残り容量が無くなったかどうか)、終了時には、フォーマッタ部より残りの切り分け情報を取り込み、ワークRAMへ追加し、それらのデータを管理データ(VMGI)に記録し、さらに、ファイルシステムに、残りの情報を記録する;
[a11]終了で無い場合は、[a7]に移行し、データの取り込み及び再生を続けて行うようにする。
ここで、録画中の内容をTVに表示するために、取り込んだデータをD−PRO部へと同時にデコーダ部へも送り、その再生を行う。この場合、MPU部はデコーダ部へ再生時の設定を行い、その後はデコーダが自動的に再生を行う。D−PRO部は16パック毎にまとめてECCグループとして、ECCをつけてドライブ部へ送る。ただし、ドライブ部がディスクへの記録準備が出来ていない場合には、一時記憶部へ転送し、データを記録する準備が出来るまで待ち、用意が出来た段階で記録を開始する。ここで、一時記憶部は高速アクセスで数分以上の記録データを保持するため、大容量メモリが想定される。ただし、MPU80は、ファイルの管理領域などを読み書きするために、D−PRO部へ、マイコンバスを通して、読み書きできるように構成されている。
図30は、図29に示したバッファ取り込み処理(ST130)の一例(バッファ取り込み処理フロー)を説明するフローチャートである。記録時の時の動作は、TSパケットを受信すると85パケットづつグルーピング化し、パケットグループヘッダを作成する。
[d1]まず、TSパケットを受信する。図9のESOB_GI中に格納されたCOG/NONCOGをチェックし(ステップST1301A)、ESOBの解析が不能(NONCOG)なら独自のグループ構成に変換し(ステップST1301B)、解析可能(COG)ならPCRのチェックに移る。
[d2]取り込んだTSパケットにPCRがある場合はSTCの修正を行う;
[d3]パケットグループの先頭の場合は、Sync_Pattern:00ffa5a5を設定し、その到着時間をSTCより取り込み、ATSとする。先頭でない場合は、1つ前のTSパケットの到着時間と、本TSパケットの到着時間との差分をIPATとして、そのビット長がESOB_IPAT_Bit_Lenth + IPAT_round off bitを超えるかどうかを判定する。超えた場合は、その超過処理がこのパケットグループ内で4回を超えたかどうかを判定する。4回以内の場合は、ATIの後ろにIPATのビット数と同じ長さ0を設定し、その後ろにATSを6バイト設定する。
4回以上の場合(ステップST1310Cイエス)、本パケットグループを終了し、残りをダミーパケットで埋め、IPAT=01とし、TSパケットはALL“00”に設定する(ステップST1310D)。
ビット長がESOB_IPAT_Bit_Lenthを超えない場合は、 IPAT_Bit_length およびIPAT_round off Bitの値に従ってIPATをビット処理し、IPATをATIの後ろの配置する(ステップST1310G)。そして、TSパケットをパケットグループのデータエリアに追加する(ステップST1310F)。
[d4]DCI、CCIの設定処理(ステップST1311)を行う;
[d5]パケットグループが終わったかどうかを判定し、(85個のTSパケットをグルーピングしたかどうかを判定し)、終わってない場合は、[d1]へ移行し、終わった場合は、グループデータをバッファRAM内に一時保存する。
図31は、図30に示したDCI、CCI設定処理(ST1311)の一例を説明するフローチャートである。DCI、CCIの設定処理をさらに説明する。
[e1]最新のPMT、EIT内にコピー情報があるかどうか調べ、ある場合は、その情報を元に各ストリーム毎に(最大32ES)コピー情報を構成し、設定し、[e3]へ移行する;
[e2]受信したTSパケット内にコピー情報がない場合は、前回のパックと同じ情報をコピー情報として構成する。
[e3]最新のPMT、EIT内にコンテンツ利用記述子があるかどうか調べ、ある場合は、その情報を元に各ES毎に(最大32ES)ICT、EPNを設定し、[e5]へ移行する;
[e4]受信したTSパケット内にコピー情報がない場合は、前回のパックと同じ情報をICT、EPNとして構成する。
[e5]解像度情報があるかどうかを調べ、ない場合は前回のパックと同じ情報を、ある場合はその情報を元に、各ES毎に(最大32ES)解像度情報を構成する;
[e6]85パケット内(パケットグループ内)において、同じES内でCCI、DCIに変化があるかどうかを調べ、ある場合は、本パケットグループを変化前のTSパケットまでとし、パケットグループの残りをダミーデータで埋め、変化後のパケットを新たなパケットグループとして登録する。
ここで、PTSは、ピクチャ先頭がグループ内に含まれている場合に、TSパケットの中をみて保存する。また、ビデオデータが無く、オーディオデータのみの場合は、オーディオ用のコピー情報に従って、CCIを構成する。その後、後述する難受信設定処理(ステップST13124)に入る。
図32は、図31のステップST13123の処理(パケットグループアライン処理)におけるパケットグループのデータ構造を例示する図である。同じESにおいて、同じパケットグループ内でCCIおよび/またはDCIが変化しそうな場合は、パケットグループを一旦区切り、図32に示すようにダミーデータで残りのパックを埋め、次のパケットグループになるように設定する。つまり、パケットグループ内でCCI、DCIが変化しないようにアライン処理を行なう。
図33は、図31のステップST13124の処理(難受信設定処理)の具体例を説明するフローチャートである。この難受信処理では、受信エラー率を調べる(デジタルチューナ部、もしくはSTB部でエラー訂正処理を行い、単位時間当たりのエラーを調べる)。その値がある一定の値(スタート値)以上の場合は(ステップST13124Aイエス)、そのパケットの位置情報(パケットグループ番号、パケット番号もしくはPTM(Presentation Time))とその要因情報を切り分け情報として保存する。ここで、例2の場合はその値をパケットグループヘッダに設定する。
難受信中で受信エラー率がある一定の値(エンド値)以下となった場合は(ステップST13124Dイエス)、そのパケットの位置情報(パケットグループ番号、パケット番号もしくはPTM)とその要因を切り分け情報として保存し、例2の場合はその値をパケットグループヘッダに設定する。
ここで、スタート値とエンド値の関係は、スタート値>エンド値とすることでヒステリシスを持たせて、チャタリングを防いでいる。
図34は、図1に示したディスク状情報記憶媒体(例えばブルーレーザを用いる光ディスク)に録画を開始する前の処理の一例(録画前処理フロー)を説明するフローチャートである。
[b1]DVD_HDVRのディレクトリ(新たなVRの入るディレクトリ)を探し、このディレクトリが無い場合はそのディレクトリを作成し、ある場合は次に移行する;
[b2]ディレクトリ内に録画されているかどうかを調べ、録画されている場合は、その管理情報であるVMGIをワーク内に読み込み、その記録されている放送方式(APP_NAME)より本機器がサポートしている方式かどうかを判定し、サポートしていない場合は、その旨を表示して終了する。
[b3]録画されているデータが無い場合はワーク内にVMGIを作成する;
[b4]これから録画するデータの放送方式を調べる。(内部チューナの場合は、機器内でデフォルトの方式とし、外部デジタル入力の場合は、デジタル入力より送られてくるRegistration_Descriptorの値を調べ、録画する方式を決定する)。
[b5]ディスク内の放送方式と比べ、違っている場合は、その旨を表示して終了する;
[b6]録画するデータの放送方式が本機器がサポートしている方式かどうかを判定し、サポートしていない場合は、その旨を表示して終了する。
[b7]ワーク内に構築しているVMGIのAPP_NAMEに放送方式を設定して、EPの自動設定の場合はその間隔時間をユーザに設定させ、次の処理に移行する;
なお,ディスク内に複数の記録方式(放送方式)の混在が許されている場合は、各ESOBI_GIにAPP_NAMEを記述することが必要であるが,複数の混在が禁止されている場合は、ESFI_GIもしくはVMG_MATにAPP_NAMEを記述してもよい。
[b8]最後に、解析可能なストリームであるか否かをチェックし(ステップST1135)、その結果に応じてESOB_CONG/NONCONGを設定する。
図35は、図29に示したストリーム情報(VSTIとASTI)作成処理(ST120)の一例(STI設定処理フロー)を説明するフローチャートである。
[c1]ディスクに記録されているVSTI、ASTIをワークに読み込む;
[c2]PMTを調べ、設定されているストリーム数を調べる;
[c3]設定されているストリーム数の数だけ[c4]〜[c5]を繰り返す。
[c4]PMTよりストリームタイプを調べ、ビデオ、オーディオのストリームかどうかを判定し、それ以外の場合は、次のストリームチェックに移行する;
[c5]ストリームタイプをMPEG1ビデオ、MPEG2ビデオ、MPEG1オーディオ、MPEG2オーディオ等の種別に分け、それぞれの種別応じて、内部のデータをチェックし、各属性情報を読み出す。
[c6]属性情報より、VSTI、ASTIと比較し、同じ属性情報がある場合は、その番号を該当するESOB_ESIに設定し、次のストリームチェックに移行する;
[c7]属性情報を元に新たにVSTIまたはASTIを設定し、その番号を該当するESOB_ESIに設定し、次のストリームチェックに移行する。
図36は、図29に示した録画終了処理(ST150)におけるストリームファイル情報(SFIまたはESFI)作成処理の一例(ESOB構造設定処理および編集日時設定処理付きのストリームファイル情報作成処理フロー)を説明するフローチャートである。
[f0]まず、 図9のESOB_GI中に格納されたCOG/NONCOGをチェックし(ステップST1500A)、ESOBの解析が不能(NONCOG)なら独自のグループ構成に変換し(ステップST1500B)、解析可能(COG)なら次の処理に移る。
[f1]SOBIを一つ増やすため、サーチポインタ(SRP)を増やし、その領域を確保する(ステップST1500C);
[f2]録画時間をSOB_REC_TMに設定する。ここで、機器(レコーダ)の内部の時計は、TDT(Time Data Table)により、設定、補正が行なわれ、常に正確な時間が得られる。
[f3]スタートPTM、エンドPTMを設定する;
[f4]記録レートに従ってPCR_POS_SHIFTを設定する;
[f5]ストリームの種類がTSストリーム(ARIB、DVB)の場合は、パケットサイズAP_PKT_SZに188を設定し、パケットグループサイズPKT_GRP_SZに8を設定し、そうでない場合は、放送方式にあった値を設定する。
[f6]放送方式をAPP_NAMEに設定する;
[f7]PATより、TS_ID、NETWORK_PID、PMT_ID(本ESOBで使用しているPMTのPID)を設定する;
[f8]PMTより、SERVICE_ID(PMT内のProgram_Number)、PCR_PID、を設定する。さらに、FORMAT_ID、VERSIONについては、内部チューナの場合は、機器内でデフォルトの方式とし、外部デジタル入力の場合は、デジタル入力より送られてくるRegistration_Descriptorの値を設定する。
[f9]さらに、録画したESの数を設定する。(PMTには放送している全てのESの情報;数が設定されているが、録画時に全てのESを記録しているとは限らないため、記録したESの数を設定する。)
[f10]コンポーネントグループ記述子により、どのESとどのESをセットで再生するかの情報が入っているため、その組になるESの情報をグループとする。さらに、そのグループのコンポーネントタグ情報をPMT内のストリーム記述子でPIDに変換し、その情報をグループ情報として保存する。(このEITの情報は放送方式により変わる可能性がある。)
[f11]録画を開始したLBアドレスをADR_OFSに設定し、各切り分け情報を元にストリーム毎にMAPIを作成する。
[f12]デフォルトのPID/コンポーネントタグを設定する。デフォルトのビデオのPIDとは、コンポーネントタグ値が00の値のもの、もしくは、マルチビューTVの場合、メインのコンポーネントグループに記載されているコンポーネントタグに相当するストリームのPIDが、相当する;
[f13]ESOBの構造を設定する処理(ステップST1522;詳細は図37参照)を行い、その後、編集日時を設定する(ステップST1524)。
図37は、図36に示したESOB構造設定処理(ST1522)の一例を説明するフローチャートである。
[g1]まず、録画した録画時間を調べ、録画時間が2時間以下の場合は[g2]に移行し、2から4時間の場合は[g3]へ移行し、4時間以上の場合は[g4]へ移行する;
[g2]図9のESOB_PB_RNG13243118に0を設定し、切り分け情報(0.4〜1sの情報)より、ESOBUが0.4s〜1sになるようにESOBU_ENTを作成し、[g5]へ移行する。
[g3]ESOB_PB_RNGに1を設定し、切り分け情報(0.4〜1.0sの情報)より、ESOBUが1s〜2sになるようにESOBU_ENTを作成し、[g5]へ移行する;
[g4]ESOB_PB_RNGに2を設定し、切り分け情報(0.4〜1.0sの情報)より、ESOBUが2s〜3sになるようにESOBU_ENTを作成する。
[g5]受信したストリームの最大レートをチェックする(PMT内のデジタルコピー記述子の値をチェック)(ステップST15225A)。これが一定値以下の場合、IPAT_bit_length=28、IPAT_round off bit=2に設定する(ステップST15225C)。通常は、IPAT_bit_length=26、IPAT_round off bit=0に設定する(ステップST15225B)。
[g6]続いて、難受信処理を行う(ステップST15229)(例3の場合の処理:詳細は図40を参照して後述する)。ここでは、切り分け情報より難受信情報の有無を調べ、ある場合はその値の場所に難受信情報を設定し、そのステータスを設定する。そして、その情報をSOBIの所定の位置(図18)に所定のフォーマット(図18)で保存し、次のステータスがあるかをチェックし、ある場合はこの難受信情報設定処理を繰り返す。
なお、図示しないが、以下の処理をさらに行なってもよい。すなわち、データが解析可能かどうかをチェックし、解析可能な場合、ESOB_COG/NONCOGを0に設定する。そして、本願のESOB管理処理を行うように設定し、本処理を終了する。解析不可能な場合(暗号化が解けない場合)、ESOB_COG/NONCOGを1に設定し、各メーカーがプライベートに考えたESOB管理処理を行うように設定し、本処理を終了する。
図38は、図29に示した録画終了処理(ST150)におけるプログラムチェーン(PGC)作成処理(プログラム設定処理を含む)の一例(プログラム設定処理フロー)を説明するフローチャートである。
[t1]ディスクの最初の記録かどうかをチェックし、最初の場合はORG_PGCを作成し、最初で無い場合はそのORG_PGCの後にPGを追加するように設定する;
[t2]PG_TYに消去許可:0を設定し、Cell_Nsにセルの数を設定する。
[t3]ARIBの場合、EIT内の短形式イベント記述子のlanguage_codeが"jpn"の場合は、VMG_MATのCHRに0x12を設定し、PRM_TXTIの第2領域にEVENT_NAMEを設定し、REP_PICTIに代表画像の情報を設定する。
[t4]LAST_MNF_IDに本機器のメーカーIDを設定する。この値は、PGI、CI、VOBの変更があった場合にその変更した機器のメーカーIDを設定し、最後に編集、記録したのがどのメーカーであるかをわかるために設定するもので、これにより、違うメーカーが変更した場合の対応が取りやすくなる。
[t5]PG_INDEXにPGの絶対番号を設定し、他のアプリソフトなどから参照する場合にPG単位での参照が可能にしている。さらに、本PG更新日時情報を記録する。この時、本機器で対応している(メーカーのコードが一致した)MNFIやIT_TXTがある場合には、その対応するデータの更新日時情報も設定する。
[t6]MNFIに各メーカー独自の情報を設定する;
[t7]セルタイプにストリーマであることを示す情報を設定する;
[t8]参照するESOB番号を設定し、再生するIDとして代表(ビデオの)PIDまたは、Component_Group_Idを設定し、EPIの数、再生開始PTM、終了PTM、EPを設定それぞれ設定する。
[t9]しかる後、難受信処理を行う(ステップSTX10)(例1の場合の処理: 図39参照)。その際、切り分け情報より難受信情報の有無を調べ、ある場合はその値の場所にエントリポイントを設定し、そのステータスを設定し、次のステータスがあるかをチェックし、ある場合はこの難受信情報設定処理を繰り返す。
図39は、図38に示した難受信設定処理(例1)の具体例を説明するフローチャートである。ここでは、まず切り分け情報を読み出し(ステップSTX111)、難視聴(難受信)エラースタートの情報の有無がチェックされる(ステップSTX112)。このエラースタート情報があるときは、エラー開始時間PTMをエントリポイントEPに設定し、階層切り替え情報としてのHiera_TYに01を設定する(ステップSTX113)。続いて、エラー終了時間PTMをエントリポイントEPに設定し、Hiera_TYに10を設定する(ステップSTX114)。その後、作成したエントリポイントの数を管理情報の1つであるC_EPI_Nsに設定する(ステップSTX116)。
図40は、難受信設定処理の他例(例3)を説明するフローチャートである。ここでは、まず切り分け情報を読み出し(ステップSTX131)、難視聴(難受信)エラースタートの情報の有無がチェックされる(ステップSTX132)。このエラースタート情報があるときは、エラー開始アドレス/PTMを設定し(ステップSTX133)、続いて、エラー終了アドレス/PTMを設定する(ステップSTX134)。その後、作成した難視聴情報(難受信情報)の数を管理情報の1つである難受信エントリ数(図18)に設定する(ステップSTX136)。
図41および図42は、図25の装置の再生動作の一例(全体の再生動作フロー)を説明するフローチャートである。
[n1]ディスクチェックし、rewritable Disc(R、RW、RAM)かどうかをチェックする。rewritable Discで無い場合には、その旨を返して終了する;
[n2]ディスクのファイルシステムを読み出し、録画されたデータがあるかどうかチェックし、無い場合には、“録画されていません”と表示して終了する。
[n3]VMGファイルを読み込み、再生するプログラム、セルを決定し(ユーザに選ばせ)を決定する。ここで、記録順の再生選択した場合には、ORG_PGCIに従って再生を行なう。番組毎の再生を(ユーザが指定した順序で)行う場合には、再生したい番組に相当する番号のUD_PGCに従って再生を行う。
[n4]APP_NAMEの値を読み出し、対応可能な放送方式かどうかチェックし、対応可能で無い場合は、その旨を表示して処理を終了する。(もしくは次のセルへ移行する。)
[n5]再生するセル情報CIより再生するESOB/VOBを決定し、再生開始PTMより、再生を開始するファイルポインタ(論理アドレス)を決定する。さらにSTIの値により、各デコーダ部の設定を行い再生の準備を行う。また、先頭のパケットグループヘッダ内のCCIより、再生するESに対応した各COPYプロテクション処理を行う。まず、APSの設定をビデオデコーダに対して行う。すなわち、APSのON/OFF、APSのタイプ等を設定し、デジタルコピー制御によりCGMSAの設定をビデオデコーダに行う。
さらに、デジタル出力(IEEE1394、インターネット等)がある場合、EPNの値により、「0=スクランブルオン又は出力禁止、1=そのまま出力」を出力ICに設定する。また、ICTが0の場合、画像の解像度に制限を加え、高精細HDを標準解像度SDに変換し、ICTが1の場合は、そのままの解像度を出力ICに設定する。この時、再生を開始するフレームがIピクチャで無い場合、その直前のIピクチャを読み出しそこからデコードを開始し、目的のフレームまできた所で表示を開始し、通常再生を開始する。
[n6]再生開始時の処理を行う;
[n7]各デコーダの初期設定を行う;
[n8]セルの再生処理(後述)を行い、再生終了かどうかをチェックし、終了の場合には、エラーチェックを行い、エラーの場合には、その旨を表示し、エラーでない場合には再生終了処理を行い、本動作を終了する。
[n9]PGCIより次のセルを決定し、デコーダの設定が変更されたかどうかをチェックし、変更された場合には、次のシーケンスエンドコードにデコーダの設定が変更されるようにデコーダに変更属性を設定する;
[n10]再生が終了したかどうかをチェックし、再生終了しない場合は、[n6]へ移行する。
図43は、図42のセル再生時の処理(ST220)の一例を説明するフローチャートである。まず、
[p1]マップ情報(図8のES_MAPIなど)の内容より、セルの開始ファイルポインタFP(論理ブロック番号)および終了ファイルポインタFPを決定する。さらに、図15のセル情報CI内のセル開始時間/終了時間より、開始のESOBU_ENT、終了のESOBU_ENTを決定する。そして、ADR_OFSに目的のESOBU_ENTまでのエントリのデータ長を累積し、開始アドレス(論理ブロックLB=ファイルポインタFP)、終了アドレスを求める。残りセル長は、終了アドレスより開始アドレスを引いた値とし、再生開始時間をSTCへセットする。さらに、再生するPIDを決定してデコーダ(STB、デジタルチューナ)に設定する(ステップST2202A)。
[p4]デコーダ部内部でデコード処理を行うように設定する;
[p5]再生中の読み出し処理を実行し、開始ファイルポインタより読み出しアドレス、読み出しサイズを決定する。
[p6]読み出す読み出し単位サイズと残りセル長を比べ、残りセル長が大きい場合には、残りセル長に残りセル長より読み出す読み出し単位サイズを引いた値を設定する。小さい場合には、読み出し長を残りセル長にセットし、残りセル長を0にセットする。
[p7]読み出し長を読み出し単位の長さに設定し、ドライブ部へ読み出しアドレス、読み出し長、読み出し命令を設定する。
[p8]1ESOBU分たまるのを待つ。たまったら、バッファデータデコーダ転送処理を行い、次へ移行する;
[p9]難受信再生処理(例1は図46、例3は図47)を行う(ステップSTY10)。この処理が終わったら、
[p13]読み出しFPと[p5]で設定した読み出し長を足したものを、読み出しFPに代入する。そしてMPEGデコーダを通常モードに設定する(ステップST2224A)。
[p14]転送が終了したかどうかをチェックし、終了した場合には、残りセル長をチェックし、“00”でない場合には、[p2]へ移行し、“00”の場合には、本処理を終了する;
図44は、図43のバッファデコーダ転送処理(ST2217)の一例を説明するフローチャートである。まず、
[q1]バッファRAM内のパケットグループの数をチェックし、1パケットグループ無い場合は本処理を終了する。1以上ある場合は、最初のパケットグループを処理するよう設定する;
[q2]目的のパケットグループをバッファRAM内より読み出す。パケットグループの先頭は、パケットグループ長とSync_Pattern(図19の151)により検出する。
[q3]パケットグループ内のCCIを読み出し、再生すべきESに該当するESにCCIの設定があり、前回と変化しているかどうかをチェックし、変化が無い場合は、[q8]へ移行する;
[q4]APSの値に応じてビデオデコーダにアナログプロテクション(例えばマクロビジョン方式)を設定し、このアナログプロテクションがONの場合、プロテクションのタイプを設定する。
[q5]デジタルコピー制御により、各ES毎にCGMSAにコピー許可/コピー禁止を設定する。その他に1回コピー許可があるが、デジタル放送の場合、録画された時点で1回コピー許可からコピー禁止に変更されているため、1回コピー許可はステータスには無くなっている;
[q6]各ES毎にEPNをチェックし、保護の場合、デジタル出力(IEEE1394もしくはインターネット)へは、スクランブルをかけて出力するよう設定するか、もしくは出力を禁止する。保護でない場合は、そのまま出力する。
[q7]各ES毎にICTをチェックし、画像出力制限の場合は、アナログHD出力(D端子もしくは色差出力)の解像度をHDからSDへダウンコンバートして出力する。制限でない場合は、そのまま出力する;
[q8]パケットグループ内のDCIを読み出し、再生すべきESに該当するESにDCIの設定があり、前回と変化しているかどうかをチェックし、変化が無い場合は、[q10]へ移行する。
[q9]アスペクト情報により、ビデオデコーダに目的のESのアスペクト情報を設定する;
[q00]難受信再生処理(例2:図45)の処理を行う。パケットグループヘッダ内の難受信情報をチェックし、難受信スタートがある場合は、そのパケットより再生するビデオのPIDを階層伝送記述子内の値に従い、低階層を再生するように設定する。難受信エンドである場合は、そのパケットより、再生するビデオのPIDを階層伝送記述子内の値に従い、もとの高階層を再生するように設定する。
[q02]パケットグループヘッダ内のATIを読み出し、ATSが存在するかどうかをチェックする。存在しない場合は、直ちに(時間に関係なく)デコーダ部(STBまたはデジタルチューナ)に1パケットグループを送り、[q11]に移行する。
[q03]ATSが存在する場合、パケットの先頭はATS(6バイト)をそのまま、次からは前回のATSにIPATの値をround offの値分、左にビットシフト(下位に0ビットを追加)した値を足した値とする。IPAT=00の場合、次の6バイトをATSとする。IPAT=01の場合、以下はダミーのため破棄する。
[q10]デコーダ部に1パケットグループ分を転送するよう設定する。
[q11]転送終了まで待ち、パケットグループがバッファRAMに残っているかどうかをチェックし、残っていない場合は本処理を終了する;
[q12]次のパケットグループを処理するよう設定し、[q2]に移行する。
図45は、図44に示した難受信の再生処理(例2)の具体例を説明するフローチャートである。難受信エラー開始であれば(ステップSTY201イエス)、階層伝送記述子のquality_levelが0のESのPIDを再生するように、デコーダ(STB)を設定する(ステップSTY202)。その場合は、例えば「BS受信時に受信エラーが発生しています。低階層に移行します。」といったダイアログを、OSD処理などにより、画面表示する(ステップSTY203)。
難受信エラー開始後それが終了すれば(ステップSTY204イエス)、階層伝送記述子のquality_levelが1のESのPIDを再生するように、デコーダ(STB)を設定する(ステップSTY205)。その場合は、例えば「通常(高階層映像)に移行します。」といったダイアログを、OSD処理などにより、画面表示する(ステップSTY206)。
図46は、難受信の再生処理の他例(例1)を説明するフローチャートである。まず、C_EPIを読み込み、エントリポイントを検索する(ステップSTY101)。続いて、難受信のステータスのあるEPがあるかどうかチェックし、ない場合(ステップSTY102ノー)は、本処理を終了する。
難受信スタートの場合(ステップSTY102イエス)は、そのPTMを読み出し、現在のSTCと比較する(ステップSTY103)。その際、現在のPTMが同じかもしくは大きければ、再生するビデオのPIDを、階層伝送記述子内の値に従い、低階層を再生するように設定する(ステップSTY104)。その場合は、例えば「BS受信時に受信エラーが発生しています。低階層に移行します。」といったダイアログを、OSD処理などにより、画面表示する(ステップSTY105)。
難受信エンドの場合、そのPTMを読み出し、現在のSTCと比較する(ステップSTY106)。その際、現在のPTMが同じかもしくは小さい場合は、再生するビデオのPIDを、階層伝送記述子内の値に従い、高階層を再生するように設定する(ステップSTY107)。その場合は、例えば「通常(高階層映像)に移行します。」といったダイアログを、OSD処理などにより、画面表示する(ステップSTY108)。
図47は、難受信の再生処理の他例(例3)を説明するフローチャートである。まず、SOBI内の難受信情報を読み込む(ステップSTY131)。続いて、難受信情報があるかどうかチェックし、ない場合(ステップSTY132ノー)は、本処理を終了する。
難受信スタートの場合(ステップSTY132イエス)は、そのPTMを読み出し、現在のSTCと比較する(ステップSTY133)。その際、現在のPTMが同じであれれば、再生するビデオのPIDを、階層伝送記述子内の値に従い、低階層を再生するように設定する(ステップSTY134)。その場合は、例えば「BS受信時に受信エラーが発生しています。低階層に移行します。」といったダイアログを、OSD処理などにより、画面表示する(ステップSTY135)。
難受信エンドの場合、そのPTMを読み出し、現在のSTCと比較する(ステップSTY136)。その際、現在のPTMが同じであれれば、再生するビデオのPIDを、階層伝送記述子内の値に従い、高階層を再生するように設定する(ステップSTY137)。その場合は、例えば「通常(高階層映像)に移行します。」といったダイアログを、OSD処理などにより、画面表示する(ステップSTY138)。
図48は、図25の装置におけるタイムサーチ処理の一例を説明するフローチャートである。まず、再生するタイトル再生時間ストリーム番号をユーザに選択させて決定する(ステップST400)。再生するPG、CELLを決定し(ステップST402)、そのPGIとCIを読み込む(ステップST404)。CIより再生するESOBを決定し、そのESOBIを読み込む(ステップST406)。
再生開始時間よりPB_TMを累積し、再生を開始するESOBU(N番目)を決定する(ステップST409X)。目的のESOBU(N番目)までのデータ長(ESOBU_SZ)の累積SUM(1番目〜N-1番目まで)を求め、ESOBUの先頭アドレスを計算する(ステップST411X)。
目的のESOBUの先頭にIピクチャがあるかどうか(Random access flag=1?)をチェックする(ステップST412A)。 Iピクチャが無い場合はその前のESOBUの情報を読み出し(ステップST412B)、 Iピクチャが存在するかどうか(1st_Ref_PIC_SZ≠0?)をチェックする(ステップST412C)。無い場合はさらにその前のESOBUの情報を読み出し、同じ処理を繰り替えす。
そのあと、PCRアドレス情報からPCRの位置を求め(ステップST413)、求めたPCR情報よりPCRを読み出して、STCに設定する(ステップST418)。そして目的のESOBUを読み出し、デコーダへ転送を開始する。再生を開始する目的の再生時間をデコーダへ設定し(ステップST420)、その再生時間までは表示を開始しないように設定する(ステップST422)。そして、通常の再生処理へ移行する。
図49および図50は、図25の装置におけるチャプタメニュー表示処理の一例を説明するフローチャートである。また図51は、図25の装置においてチャプタメニューがどのような形態で画面表示されるかの一例を説明する図である。
[m1]再生するPGを決定し、そのPGに該当するEPIを読み出す。このとき、該当するEPIが無い場合は、本処理を終了して、タイトルのみを表示する;
[m2]表示位置を左端に設定する(図51では例えば左上)。
[m3]最初のEPIのデータを読み込み、サムネールファイルを開く;
[m4]EPに縮小画像が登録されているかどうかを、サムネールファイル内のEPインデックス番号があるかどうかでチェックする。ある場合は、[m7]に移行する。
[m5]EPI内のREP_PICのPTMの場所のフレームを再生し、画像を規定の大きさに縮小し、目的の場所へ表示する(上記例では図51の左上);
[m6]縮小した映像をJPEGに圧縮し、そのデータを読み出し、サムネールファイルに追加記録する。このとき、EPインデックス番号も追加し、記録し、[m8]に移行する。
[m7]縮小画像データを読み込み、目的の座標に表示する;
[m00]目的のEPに難受信情報があるかどうかを調べ、難受信期間中であればその旨(例えば図51の右上サムネール下の「難受信」という文字)を縮小画像の下に表示する。
[m8]他に縮小画像はあるかを調べ、ある場合は、次のEP情報を読み込み、無い場合は、[m12]に移行する。
[m9]次が4枚目の場合、表示位置を左下端に設定し(図51の表示上では改行)、[m4]に移行する;
[m10]6枚目が表示終わっていない場合は、表示位置を右に一段づつずらし、[m4]に移行する。
[m11]ページ送り記号を表示する;
[m12]ユーザが画像を選択するのを待ち、ページ送り記号を選択した場合は(図51の表示上では改頁)、次のEPのデータを読み込み、[m3]へ移行する;
[m13]選択された画像のEPより再生を開始するように設定し、本処理を終了する。
以上により、デジタル放送に対応した木目細かい制御動作が実現できる。すなわち、階層化された映像が送られてくるデジタル放送に対して、放送受信時のエラーレートに応じた最適な録画再生ができる。
例えば、降雨等でエラーレートの高い放送録画がなされたときは、そのような状況で録画されたことを示す難受信情報が媒体に記録される。降雨時に録画した放送番組(高階層の映像はブロックノイズが出易い)を再生する際は、難受信情報を再生することにより、相対的にブロックノイズの出難い低階層の映像を自動的に選んで再生できる。また、晴天時に良好な電波状況で録画した放送番組を再生する際は、難受信情報を再生することにより、高解像度で高画質な高階層の映像を自動的に選んで再生できる。
なお、この発明は上記した実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。
また、上記した実施例に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施例に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
100…情報記録媒体;121…AVデータ記録領域;122…VRオブジェクト群記録領域;130…AVデータ管理情報記録領域;131…エクステンド・ストリームオブジェクト群記録領域;132…エクステンド・ストリームオブジェクト(ESOB);134…エクステンド・ストリームオブジェクトユニット(ESOBU);140…パケットグループ;160…DVDトランスポートストリームパケット記録領域;161…パケットグループヘッダ;162…MPEGトランスポートストリーム(MPEG−TS);51…ディスクドライブ部(波長が例えば650nm〜405nmのレーザを用いた光ディスクドライブ等);59…デコーダ部;74…デジタルインターフェイス(IEEE1394 I/F等);79…エンコーダ部;80…メインMPU部(制御部);83…セットトップボックス部(衛星デジタルチューナ);89…地上波デジタルチューナ;100a…情報記録媒体(ハードディスクドライブ等)。