JP3933741B2 - 2-cycle engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は2サイクルエンジン、特にその始動装置のギヤ支持構造に関する。
【従来の技術】
【0002】
特開平7−119428号には、4サイクルエンジンにおけるスタータードリブンギヤの支持構造が示されており、このスタータードリブンギヤはクランク軸上に軸受けを介して支持されるとともに、クランク軸の端部に取付けられたACGロータとワンウエイクラッチを介して動力伝達し、さらにこのACGロータとクランク軸のジャーナル壁の間に挟まれてスラスト止めされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、2サイクルエンジンはクランク室内で混合気を一次圧縮するため、バランサ軸をクランク室と区画配置し、その駆動系を潤滑する必要があるが、このためのウエット室は、クランク軸片側のスタータードリブンギヤを設けた側にすることが好ましい。
【0004】
しかし、このようにすると、バランサドライブギヤもスタータードリブンギヤと近接配置することとなり、これらを従来例のように、ACGロータとクランク軸を軸受けするベアリングでスラスト止めしようとすれば、スタータードリブンギヤの軸受けを円筒状のカラー等を介して支持し、このカラーを締め上げる構造にしなければならず、カラーの幅だけ軸受けやスタータードリブンギヤの直径を増さなければならない。その結果、ワンウエイクラッチが大径化してしまう。したがって、このようなワンウエイクラッチの大径化を招かないスラスト止め構造が望まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明は、クランク室から突出するクランク軸上に始動装置のスタータードリブンギヤを軸受けを介して回動自在に支持するとともに、このスタータードリブンギヤと隣接してクランク軸の端部にACGロータを取付け、これらACGロータとスタータードリブンギヤとがワンウエイクラッチを介して動力伝達するよう構成した2サイクルエンジンにおいて、前記スタータードリブンギヤのクランク室側端面に対向してスラスト止めプレートをクランクケース側へ取付けたことを特徴とする。
【0006】
このとき、前記スラスト止めプレートの前記スタータードリブンギヤ対向部先端を、前記軸受け端部に近接させ、かつ側面に前記軸受け端部側へ向かって傾斜する斜面を設けたことも特徴とする。
【0007】
さらに、前記クランク室とスタータードリブンギヤの間に、バランサドライブギヤを設け、このバランサドライブギヤの歯面を指向するオイル受け部を前記スラスト止めプレートに設けることもできる。
【0008】
【発明の効果】
スタータードリブンギヤのクランク室側端面に対向してスラスト止めプレートをクランクケース側へ取付けたので、このスラスト止めプレートによりスタータードリブンギヤをスラスト止めできる。したがって、別体カラー等を締め付ける必要が無く、ワンウエイクラッチの大径化も生じないため、重量増加を少なくし、2サイクルエンジンにおいて、スタータードリブンギヤとバランサドライブギヤを隣接配置するのに好適な構造となる。
【0009】
また、スラスト止めプレートのスタータードリブンギヤ対向部先端を、スタータードリブンギヤの軸受け端部に近接させ、側面に前記軸受け端部側へ向かって傾斜する斜面を設けることにより、スラスト止めプレートの先端から軸受け部へ潤滑油を給油できるので、スラスト止めプレートを潤滑油の給油手段に兼用でき、軸受け部に対する効率的な潤滑ができる。。
【0010】
さらに、クランク室とスタータードリブンギヤの間に、バランサドライブギヤを設け、このバランサドライブギヤの歯面を指向するオイル受け部をスラスト止めプレートに設ければ、バランサドライブギヤの掻き上げた潤滑油をオイル受け部で効率よく積極的に捕集できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は雪上車の側面図、図2はこの雪上車の車体カバーを除いた側面図、図3は駆動及び動力伝達系の概略平面展開図、図4は駆動及び動力伝達系の左側面図、図5は駆動及び動力伝達系の右側面図、図6はエンジン部分の平断面図、図7はドリブン側プーリ及びギヤボックス部分の断面図、図8は無限軌道装置のドライブ軸支持構造を示す図である。
【0012】
まず、図1、2に基づいてこの雪上車全体の概略構造を説明する。雪上車の車体前部には、操向スキー1がテレスコピック式の正立型フロントサスペンション2を介して支持され、車体後部には無限軌道装置3が設けられ、後述するエンジンにより動力駆動される。
【0013】
無限軌道装置3の上方にはフロア4が設けられ、乗員はこの上に立ってハンドル5を操作するようになっている。フロア4は横断面が略逆U字状断面をなす部材であり、その左右側面は立壁状になっている。
【0014】
車体を覆う車体カバー6は、車体前部のエンジンルーム上を前方から後方にかけて覆うフロントカバー7と、その両側部を覆うサイドカバー8並びにサイドカバー8からフロア4の左右両側に沿って後方へ長く延びてフロア4上の乗員スペースの側方を囲むリヤカバー9からなっている。
【0015】
図2に明らかなように、車体前部には、周囲をヘッドパイプ10に固着されたフロントサスペンション2のインナーチューブ11が上下方向へ斜めに配設され、その下端部をアウターチューブ12に対して回動自在に支持されている。
【0016】
インナーチューブ11の上端部外周には、ハンドルボス13がインナーチューブ11をピボット軸として回動自在かつ軸方向移動不能に取付けられ、このハンドルボス13とアウターチューブ12の上端部間はサスペンションリンク14で連結されている。
【0017】
サスペンションリンク14は、アウターチューブ12の上下動によって伸縮し、中間部を前方へ折り曲げて突出させることにより、ヘッドパイプ10前方の車体カバー6で囲まれた空間内に後述するチャンバースペースを十分量確保している。
【0018】
ハンドルボス13の頂部には、ハンドルポスト15の下端部がハンドルポストピボット16を介して上下方向へ揺動自在に連結され、かつハンドルボス13の頂部から斜め上がり後方へ一体に延出するリンクステー17とハンドルポスト15のハンドル5近傍側部分との間にダンパからなるハンドルリンク18が取付けられている。
【0019】
これらのフロントサスペンション2、ヘッドパイプ10及びハンドルボス13は操向スキー1の操向軸をなすとともに、ハンドルポストピボット16の位置は操向スキー1の後端部と無限軌道装置3の前端部との中間に位置している。
【0020】
ヘッドパイプ10から斜め下がりに後方へ延びる左右一対のメインフレーム20には、ヘッドパイプ10近傍部から下方へ延びるダウンチューブ21及び後部から同様に下方へ延びるピボットプレート22がそれぞれ設けられている。
【0021】
これらダウンチューブ21及びピボットプレート22にそれぞれ設けられたエンジンマウント23、24を介して水冷2サイクル式単気筒エンジン25が車体側へ支持され、そのシリンダ部26は左右のメインフレーム20間に位置し、エンジン25もその中心がほぼ車体中心上に位置している。
【0022】
エンジン25を構成するクランクケース27の下部には、水ポンプ28とオイルポンプ29が設けられ、この水ポンプ28により、フロア4の天井部内側に収容されている熱交換機30からの冷却水がシリンダ部26へ供給される。
【0023】
シリンダ部26からの冷却水は、熱交換機30へ送られて効率的に冷却された後、水ポンプ28へ帰される。なお、ヘッドパイプ10の側方に熱交換機30の注水口31が支持されている。
【0024】
熱交換機30は、フロア4の天井部の左右幅とほぼ同様の幅をなすことにより広い表面積を有するとともに、フロア4の天井部と上下方向へ重なることにより、相互の剛性アップに役立っている。
【0025】
オイルポンプ29はフロア4の前部上へバッテリ32とともに支持されたオイルタンク33に接続し、このバッテリ32及びオイルタンク33は、フロア4上の乗員スペースと前方のエンジンルームを前後に区画する隔壁7aに形成されたリッド34を開いてメンテナンス可能になっている。
【0026】
隔壁7aは、フロントカバー7が燃料タンク35の上面を覆って背面へ回り込んだ部分によって形成され、燃料タンク35はバッテリ32及びオイルタンク33の各前方側に位置してメインフレーム20上へ支持されている。符号36はタンクキャップである。
【0027】
エンジン25の排気ポートからは排気チャンバー37が前方へ延出し、エンジン25前方の車体カバー6で囲まれた空間であるチャンバースペース内を、車体カバー6の内面に沿って平面視で略半円状をなすように配設され、この排気チャンバー37が接続するサイレンサー38を排気チャンバー37の上方に沿って配設することにより、略2階建て状に蛇行して配設された排気系配管をなすとともに、排気ガスは最終的にテールパイプ39からエンジン25の前方へ下向きに排気される。
【0028】
エンジン25の駆動出力は、Vベルト式変速機40を介して最終減速機構が収容されたギヤボックス41へ伝達される。このギヤボックス41は、メインフレーム20及びピボットプレート22へ取付けられて支持されるとともに、ここでVベルト式変速機40から伝達された駆動力を最終減速した後にドライブ軸42を回転駆動するようになっている。
【0029】
このドライブ軸42には、駆動ホイール42aが一体回転可能に支持され、この駆動ホイール42aは外周部でトラックベルト43の内面に形成された凹凸とかみ合うことによりトラックベルト43を駆動する。
【0030】
ドライブ軸42の両軸端部は、左側がピボットプレート22及び右側がギヤボックス41へ支持されるとともに、ドライブ軸42の回りに左右一対で斜め下がり後方へ延びるリヤアーム44の前端部が回動自在に支持されている。
【0031】
リヤアーム44の各後端部は、アイドルホイール45のアイドル軸46を介して左右平行に前後方向へ延びるサイドレール47の前端部へ連結されている。
【0032】
サイドレール47の各後端部は、アイドルホイール48のアイドル軸49が支持されている軸位置調節プレート50を前後移動自在に支持するとともに、この軸位置調節プレート50にはリヤアーム44と平行な後部リンク51の下端部が連結部材51aにより連結されている。
【0033】
後部リンク51の上端部はフロア4の側面から下方へ突出するステー52へアイドル軸53を介して軸着され、このアイドル軸53に支持されているアイドルホイール54及び他のアイドルホイール46、48並びにドライブ軸42上の駆動ホイール42aにトラックベルト43を巻き掛けることにより無限軌道装置3が構成されている。
【0034】
この、無限軌道装置3は、フロア4、リヤアーム44、サイドレール47及び後部リンク51からなる平行四辺形リンクをなし、左右のサイドレール47の中間部に形成されたクロスプレート55から側面視略倒立ハの字状に斜め上下方向へ延びるように配置されたダンパ56及びサスペンションスプリング57によりリヤサスペンションが構成されている。
【0035】
ダンパ56の上端部は、ピボットプレート22の後部から一体にフロア4内を後方へ延出する左右の延出部22a間に支持されたクロスパイプ58に支持され、サスペンションスプリング57の上端部はアイドル軸53へ回動自在に支持されたスプリングホルダ59に支持され、このスプリングホルダ59は前端をダンパ56の上端部と共締めされて後方へ延びるスプリングホルダーロッド59aの後端部でも支持されている。
【0036】
次に、駆動及び動力伝達系の詳細構造を図3以降の図面に基づいて説明する。この駆動及び動力伝達系は、エンジン25、Vベルト式変速機40及びギヤボックス41で構成され、これらが略N字形をなすように配設されている(図5参照)。さらに、図4に明らかなように、エンジン25は気化器19からクランクケース27内へ吸気するクランクケース内予備圧縮式2サイクルエンジンである。
【0037】
図3に駆動及び動力伝達系全体の概要を示すように、エンジン25のクランク軸60は一端にACG61が取付けられ、他端はクランクケース27外へ延出してこの延出部に公知のVベルト式変速機40を構成するドライブ側プーリ62が取付けられている。
【0038】
Vベルト式変速機40は、Vベルト63を、ドライブ側プーリ62とその後方かつ上方に配設されたドリブン側プーリ64に巻き掛けてあり(図3、5参照)、クランク軸60の回転出力を無段階に一次変速してギヤボックス41側へ伝達するようになっている。
【0039】
これら駆動及び動力伝達系構成部品の配置関係は、ギヤボックス41がVベルト式変速機40のドライブ側プーリ62よりも車幅方向右外側かつメインフレーム20の右外側に配設され、一方、エンジン25とVベルト式変速機40が左右のメインフレーム20の内側へ配設され、ギヤボックス41とエンジン25の間にVベルト式変速機40を挟む配置になっている。
【0040】
ギヤボックス41は左右の半体41aと41bからなるケースを備え、その内部に入力ギヤ65、アイドルギヤ66及びファイナルギヤ67からなる3軸直列のギヤ列を収容してあり、入力ギヤ65が取付けられている入力軸68はギヤボックス41の外部へ延出し、この延出部にドリブン側プーリ64が取付けられている。
【0041】
アイドルギヤ66が取付けられているアイドル軸69は入力軸68と反対側のギヤボックス41外へ延出し、ここにブレーキデイスク70が取付けられている。このブレーキデイスク70は、ギヤボックス41の半体ケース41bに設けられているブレーキキャリパ70a((図5参照)で制動される。
【0042】
ファイナルギヤ67が取付けられているファイナル軸71は中空軸であり、ここに、ドライブ軸42の一端が着脱自在に嵌合されている。ギヤボックス41内はギヤ列を油浸するための潤滑油が封入されている。
【0043】
図6に明らかなように、エンジン25のクランク軸60には、ACG61近傍にワンウエイクラッチ72を介してスタータードリブンギヤ73が支持され、スラスト止めプレート74によりスラスト方向移動を規制されている。
【0044】
さらに、クランク軸60上にはナット75で締め付けられたバランサドライブギヤ76が設けられ、これがバランサドリブンギヤ77とかみ合うことにより、クランク軸60と平行に配置されたバランサ軸78を回転駆動するようになっている。
【0045】
バランサ軸78の一端にはボルト79によりポンプ駆動ギヤ80が取付けられ、他端にはバランサウエイト81が一体に設けられている。バランサ軸78の中間部でバランサドリブンギヤ77とバランサウエイト81の各近傍部分は、ベアリング82、83でクランクケース27へ軸受けされ、かつバランサウエイト81側のベアリング83の外側にはシール84が設けられている。
【0046】
バランサ軸78を収容するバランサ室85は、クランク軸60のクランクウエイト60aを収容するクランク室86とジャーナル壁87で区画され、バランサドリブンギヤ77とバランサウエイト81はそれぞれクランク室86の外側に配設されるとともに、バランサ室85内はクランクケース27内の潤滑油で満たされるため、ベアリング82、83は油中配置され、かつシール84によりバランサ室85が外部に対してシールされている。
【0047】
クランク軸60もクランクウエイト60aの近傍でベアリング88によりジャーナル壁87に軸受けされるとともに、クランク室86の外側はシール89a、89bによってシールされている。
【0048】
図7に明らかなように、ギヤボックス41の入力軸68は、ベアリング90、91で軸受けされるとともに、ギヤボックス41からドリブン側プーリ64側へ延出する部分にはシール92が設けられている。
【0049】
アイドル軸69も、同様にベアリング93、94で軸受けされるとともに、ギヤボックス41からブレーキデイスク70側へ延出する部分にはシール95が設けられている。また延出部96の外周にはスプライン溝97が形成され、一方、この延出部96の外周に嵌合されるボス98がブレーキデイスク70の中心部に設けられ、ボス98の内周面に形成されたスプライン溝99が同97へ係合することにより、軸方向移動自在になっている。
【0050】
さらに、ファイナル軸71も、同様にベアリング100、101で軸受けされるとともに、ファイナル軸71は中空軸であり、一端102がギヤボックス41の側面に開放され、この一端102の周囲にはシール103が設けられている。またこの一端102の内面には開放端側からスプライン溝104が形成されている。
【0051】
この一端102側には、ドライブ軸42の一端105が嵌合され、この一端105の外周に形成されたスプライン溝106が同104と係合することによりファイナル軸71とドライブ軸42が一体回転可能となり、かつ、ファイナル軸71の他端107にはキャップ108が嵌合されることによりシールされる。
【0052】
図8に明らかなように、ドライブ軸42の両端部は左右のリヤアーム44の前端部に設けられている軸受け部110を貫通して支持され、一端105の反対側となる他端は細径部111をなし、ここでピボットプレート22に支持されたベアリング112により細径部111が軸受けされ、さらにその先端がネジ部113をなして突出し、ここでナット114によりベアリング112へ締結されている。
【0053】
ドライブ軸42の中間部外周は六角部115に形成され、ここが駆動ホイール42aのボス部116の中心に形成されている六角穴117と係合することにより、駆動ホイール42aがドライブ軸42と一体回転可能になっている。
【0054】
次に、スラスト止めプレート74について図9及び図10に基づいてさらに詳細を説明する。図9はクランクケース27の内部を左側より一部切り欠いて示す図であり、図10はクランクケース27の左側部分をクランク軸60の軸方向に沿って示した断面図である。
【0055】
これらの図に明らかなように、スラスト止めプレート74は上端部2ヶ所をボルト120によりクランクケース27内に一体形成されたボス121へ取付けられている。スラスト止めプレート74は舌片状にクランク軸60へ向かって上下方向へ延びている。
【0056】
スラスト止めプレート74の中間部は、スタータードリブンギヤ73へ向かって傾斜するガイド斜面122をなし、かつこのガイド斜面122の上部は一部がそのままの傾斜でバランサドライブギヤ76の歯面を指向して延出するオイル受け部130をなしている。また、クランクケース27の外周部からスラスト止めプレート24のオイル受け部130に向けて集油リブ133が設けられている。
【0057】
スラスト止めプレート74の先端123は、クランク軸60の外周部に近接しているとともに、スタータードリブンギヤ73のボス部124の軸方向端部に近接している。このボス部124は、ニードルベリング125を介してクランク軸60の周囲に転動自在であり、さらにワンウエイクラッチ72を介してACG61のACGロータ131と連結している。
【0058】
また、スタータードリブンギヤ73は、ボス部124と一体回転可能に一体化しているので、スタータードリブンギヤ73とACGロータ131とがワンウエイクラッチ72を介して動力伝達するようになっている。ACGロータ131はボルト132でクランク軸60の軸端部へと常時一体回転するように取付けられている。
【0059】
なお、ジャーナル壁87より左側のクランクケース27内はウエット室をなし、ACG61、始動装置のスタータードリブンギヤ73並びにバランサ駆動系部品が一緒に収容され、スラスト止めプレート74の下方に位置するバランサドリブンギヤ77やこれとかみ合うバランサドライブギヤ76等により、上部の集油リブ133側へ潤滑油を掻き上げ、スラスト止めプレート74及びニードルベアリング125へ給油するようになっている。
【0060】
次に、本実施形態の作用を説明する。図10に明らかなように、ボス部124がニードルベリング125を介してクランク軸60上に支持され、本来はクランクウエイト60a側へスラスト移動自在であるが、このスラスト移動は、スラスト止めプレート74の先端123がボス部124の軸方向端部に近接配置されているので、先端123により規制される。なお、ボス部124のACG61側へのスラスト移動はACGロータ131によって規制されている。
【0061】
したがって、スラスト止めプレート74により、スタータードリブンギヤ73及びボス部124のスラスト移動を確実に規制できる。したがって、バランサドライブギヤ76をスタータードリブンギヤ73に隣接して設けることが可能になり、ワンウエイクラッチ72の大径化も生じないため、クランク軸60片側であるスタータードリブンギヤ73側にウエット室を設けることができ、2サイクルエンジンにおいて好適な構造になる。
【0062】
そのうえ、スラスト止めプレート74はクランクケース27側のボス121へボルト120で取付けるだけであるから、取付が容易になるとともに、プレート状であるから、スタータードリブンギヤ73とバランサドライブギヤ76の間の空間に折り曲げて配設でき、クランク軸60上に特別の配設スペースを要求しないから、スラスト止めプレート74を配設するためにクランク軸60を長くする必要もない。
【0063】
また、クランクケース27は、図9のA矢示方向へ回転するバランサドリブンギヤ77等によって掻き上げ給油されており、この掻き上げられた潤滑油が集油リブ133を介してスラスト止めプレート74のガイド斜面122を伝って流れ、スタータードリブンギヤ73の軸受け端部であるボス部124の軸方向端部に近接しているスラスト止めプレート74の先端123から、ボス部124の軸方向端部近傍へ滴下し、クランク軸60上を流れることによりニードルベリング125を潤滑し、さらにはスタータードリブンギヤ73の裏側になって比較的潤滑されにくいワンウエイクラッチ72も潤滑する。
【0064】
したがって、スラスト止めプレート74を潤滑油の給油手段に兼用でき、このときバランサドライブギヤ76の歯面を指向するオイル受け部130をスラスト止めプレート74に設けたので、このオイル受け部130でバランサドライブギヤの76の掻き上げた潤滑油を効率よく積極的に捕集できる。その後、ガイド斜面122を利用して速やかにニードルベリング125側を潤滑できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 雪上車両の側面図
【図2】 雪上車両車体カバーを除いた側面図
【図3】 駆動及び動力伝達系の概略平面展開図
【図4】 駆動及び動力伝達系の左側面図
【図5】 駆動及び動力伝達系の右側面図
【図6】 エンジン部分の平断面図
【図7】 最終減速機部分の平断面図
【図8】 ドライブ軸の支持構造を示す断面図
【図9】 クランクケースの内部を左側より一部切り欠いて示す図
【図10】 スラスト止めプレート部分の構造を説明するための断面図
【符号の説明】
1:操向スキー、2:フロントサスペンション、3:無限軌道装置、4:フロア、25:エンジン、27:クランクケース、40:Vベルト式変速機、41:ギヤボックス、60:クランク軸、62:ドライブ側プーリ、72:ワンウエイクラッチ、73:スタータードリブンギヤ、74:スラスト止めプレート、76:バランサドライブギヤ、77:バランサドリブンギヤ、78:バランサ軸[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a two-cycle engine, and more particularly to a gear support structure for a starting device thereof.
[Prior art]
[0002]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-119428 shows a support structure for a starter driven gear in a four-cycle engine. The starter driven gear is supported on a crankshaft via a bearing and attached to an end of the crankshaft. Power is transmitted through the ACG rotor and the one-way clutch, and the thrust is stopped between the ACG rotor and the journal wall of the crankshaft.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, since the two-cycle engine primarily compresses the air-fuel mixture in the crank chamber, the balancer shaft must be partitioned from the crank chamber and the drive system must be lubricated. The wet chamber for this purpose is a starter on one side of the crankshaft. It is preferable that the driven gear be provided.
[0004]
However, if this is done, the balancer drive gear will also be placed close to the starter-driven gear, and if they are thrust-stopped by bearings that support the ACG rotor and crankshaft as in the conventional example, the bearing of the starter-driven gear will be It must be supported via a cylindrical collar and the collar must be tightened, and the diameter of the bearing and starter-driven gear must be increased by the width of the collar. As a result, the diameter of the one-way clutch is increased. Therefore, a thrust stop structure that does not cause an increase in the diameter of such a one-way clutch is desired.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention supports a starter-driven gear of a starting device on a crankshaft protruding from a crankcase so as to be rotatable through a bearing, and is adjacent to the starter-driven gear at an end of the crankshaft. In a two-cycle engine in which an ACG rotor is mounted and power is transmitted between the ACG rotor and the starter driven gear via a one-way clutch, a thrust stopper plate is mounted on the crankcase side facing the end face of the starter driven gear on the crank chamber side. It is characterized by that.
[0006]
At this time, the starter driven gear facing portion tip of the thrust stop plate is brought close to the bearing end portion , and a side surface is provided with a slope inclined toward the bearing end portion side .
[0007]
Furthermore, a balancer drive gear may be provided between the crank chamber and the starter driven gear, and an oil receiving portion directed to the tooth surface of the balancer drive gear may be provided on the thrust stop plate.
[0008]
【The invention's effect】
Since the thrust stop plate is mounted on the crankcase side so as to face the end face of the starter driven gear on the crank chamber side, the starter driven gear can be thrust stopped by this thrust stop plate. Therefore, there is no need to tighten a separate collar or the like, and the one-way clutch does not have a large diameter, so that the weight increase is reduced, and in a two-cycle engine, a structure suitable for arranging a starter driven gear and a balancer drive gear adjacent to each other. Become.
[0009]
Also, the tip of the thrust stop plate facing the starter driven gear is brought close to the bearing end of the starter driven gear, and the side surface is provided with a slope inclined toward the bearing end to move the bearing from the tip of the thrust stop plate to the bearing. Since the lubricating oil can be supplied, the thrust stop plate can also be used as a lubricating oil supply means, and the bearing portion can be efficiently lubricated. .
[0010]
Furthermore, if a balancer drive gear is provided between the crankcase and the starter-driven gear, and an oil receiving portion directed to the tooth surface of the balancer drive gear is provided on the thrust stop plate, the lubricating oil scraped up by the balancer drive gear is oiled. It can be collected efficiently and actively at the receiving part.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1 is a side view of a snow vehicle, FIG. 2 is a side view of the snow vehicle with a body cover removed, FIG. 3 is a schematic plan view of a drive and power transmission system, and FIG. 4 is a left side view of the drive and power transmission system. 5 is a right side view of the drive and power transmission system, FIG. 6 is a plan sectional view of the engine portion, FIG. 7 is a sectional view of the driven pulley and the gear box portion, and FIG. 8 is a drive shaft support structure of the endless track device. FIG.
[0012]
First, the schematic structure of the entire snow vehicle will be described with reference to FIGS. A steered
[0013]
A
[0014]
The
[0015]
As apparent from FIG. 2, the inner tube 11 of the
[0016]
A
[0017]
The suspension link 14 is expanded and contracted by the vertical movement of the
[0018]
A link stay is connected to the top of the
[0019]
The
[0020]
A pair of left and right
[0021]
A water-cooled two-cycle single-
[0022]
A
[0023]
The cooling water from the
[0024]
The
[0025]
The
[0026]
The
[0027]
An
[0028]
The drive output of the
[0029]
A
[0030]
Both end portions of the
[0031]
Each rear end portion of the
[0032]
Each rear end portion of the
[0033]
An upper end portion of the
[0034]
The
[0035]
The upper end portion of the
[0036]
Next, the detailed structure of the drive and power transmission system will be described with reference to FIG. 3 and subsequent drawings. The drive and power transmission system includes an
[0037]
As shown in FIG. 3 as an overview of the entire drive and power transmission system, the
[0038]
The V-
[0039]
These drive and power transmission system components are arranged such that the
[0040]
The
[0041]
The
[0042]
The
[0043]
As apparent from FIG. 6, a starter-driven
[0044]
Further, a
[0045]
A
[0046]
The
[0047]
The
[0048]
As apparent from FIG. 7, the
[0049]
The
[0050]
Further, the
[0051]
One
[0052]
As apparent from FIG. 8, both end portions of the
[0053]
The outer periphery of the intermediate portion of the
[0054]
Next, the thrust stop
[0055]
As is apparent from these drawings, the thrust stop
[0056]
An intermediate portion of the thrust stop
[0057]
The
[0058]
Further, since the starter driven
[0059]
The
[0060]
Next, the operation of this embodiment will be described. As apparent from FIG. 10, the
[0061]
Therefore, the thrust stop
[0062]
In addition, since the thrust stop
[0063]
The
[0064]
Therefore, the thrust stop
[Brief description of the drawings]
[Fig. 1] Side view of snow vehicle [Fig. 2] Side view without snow vehicle body cover [Fig. 3] Schematic plan view of drive and power transmission system [Fig. 4] Left side view of drive and power transmission system [Fig. [Fig. 5] Right side view of the drive and power transmission system [Fig. 6] Plan sectional view of the engine portion [Fig. 7] Plan sectional view of the final reduction gear portion [Fig. 8] Section diagram showing the drive shaft support structure [Fig. ] Figure showing the inside of the crankcase with a part cut away from the left side [Fig. 10] Cross-sectional view for explaining the structure of the thrust stop plate [Description of symbols]
1: Steering ski, 2: Front suspension, 3: Endless track device, 4: Floor, 25: Engine, 27: Crankcase, 40: V-belt transmission, 41: Gear box, 60: Crankshaft, 62: Drive side pulley, 72: One-way clutch, 73: Starter driven gear, 74: Thrust stop plate, 76: Balancer drive gear, 77: Balancer driven gear, 78: Balancer shaft
Claims (2)
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP05378897A JP3933741B2 (en) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 2-cycle engine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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1997
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