JP3929413B2 - Pillow - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はまくら木に係り、更に詳細には、列車の通過に伴って生じる振動をまくら木の支承構造へ伝搬することを阻止するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道用軌道は大荷重を頻繁に支承する故に、さまざまな問題が派生する。例えば、鋼桁上にレールを敷設する橋梁軌道においては、鋼桁の共振による騒音問題が生じ、バラスト上にレールを敷設する有道床軌道においては、バラストの細粒化や流動による軌道沈下の問題が生じる。また、路床上にレールを敷設する無道床軌道においては、コンクリートの素粒化やひび割れによる軌道劣化の問題が生じる。
【0003】
これらの各軌道で生じる問題の対策は共通しており、従来から加振部と支承部の間に弾性材を配置する方法が採られてきた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−172901号公報
【0005】
特許文献1に開示されたまくら木の防振装置は、まくら木と路床や鋼桁との間に弾性材を配して列車荷重を弾性支承し、レールとまくら木との間で生じる衝突や、まくら木と路床や鋼桁との間で生じる衝突を緩衝して、路床や鋼桁の共振要因となるまくら木の振動を小さくするものである。また、弾性材を配することにより、まくら木に加わる荷重を分散しつつ1本当たりのまくら木への荷重を低減させ、これによって、路床や鋼桁への振動の伝搬を低減すると共に、支承構造の応力疲労を低減させるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記特許文献1に開示された防振装置は、列車の通過に伴う大きな荷重を、ゴムやウレタンエラストマーなどの軟質弾性材を介して支承することから、劣化し易い弾性材を定期的に交換しなければならず、レールを持ち上げながらの交換作業を強いられるものであった。また、列車の通過に伴う横圧などで弾性材がずれないように、専用の位置ずれ防止器材に弾性材を収容した構造を用いたり、弾性材を取り付けるための特殊な工法が採用されるため、コストが嵩むものであった。
【0007】
本来、橋梁まくら木のように、鋼桁によってまくら木の両端部を支承する構造や、無道床軌道のまくら木のように、路床上の凹凸部によってまくら木の両端部を支承する構造では、まくら木自体が列車荷重を弾性的に支承する機能を有する。しかしながら、まくら木の弾性力によって充分な騒音の抑制効果を発揮するものは開発されておらず、まくら木の弾性力を活かせないままに別に弾性材を設けることが極めて不経済であった。
このように、振動や騒音を抑えるために鉄道会社は多大な労力や費用を費やさざるを得ず、制振性を備えつつ保守性に優れたまくら木の開発が待たれていた。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みて提案されるもので、まくら木の底面に弾性材などを配置することなく、まくら木自身で良好な制振性を発現するまくら木を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために提案される請求項1に記載の発明は、上端面のいずれかに一本又は複数本のレールが載置され、下端面の一または複数の部位が実質的に被支持部となって他の部材に支持されるまくら木において、まくら木に載置された特定のレールと、前記一または複数の被支持部の中で前記特定のレールの荷重を最も大きく負担する最大荷重被支持部に注目し、当該レールの底面を起点として前記最大荷重被支持部に至る投影路を想定し、当該投影路の80%以上が粘性物質によって遮断されているものである。
【0010】
ここで、本発明において、下端面の被支持部が複数であるまくら木とは、例えば、橋梁軌道などにおいて2本の鋼桁に跨って載置されるまくら木のように、鋼桁に直接または間接に当接するまくら木の下端面の2カ所(複数)の部位が被支持部を形成するものを指す。また、下端面の被支持部が一つであるまくら木とは、例えば、有道床軌道などにおいてバラスト上に載置されたまくら木のように、まくら木の下端面全体がバラストと当接して一つの被支持部を形成するものを指す。
【0011】
ところで、合成木材で製されたまくら木やコンクリートまくら木では、内部にガラス繊維や鉄線などの振動励起されやすい材料片が細かく分散して含有されるため、まくら木への荷重印加に伴って振動を誘発し易い。また、まくら木の周囲に撒布されるバラストやコンクリートの素粒なども振動励起され易い。これらの材料片や素粒の振動は、レールが載置されるまくら木の上端面を振動源としてまくら木の内部、表面、および、まくら木の周囲に伝播していくと考えられ、列車荷重による低周波の剛体振動とは別に、鋼桁の共振や路床の微小振動を併発すると考えられる。
【0012】
本発明によれば、橋梁軌道に敷設されるまくら木の場合は、まくら木に載置された特定のレールの底面を起点として、当該特定のレールに最も近接した最大荷重被支持部に至る投影路の80%以上が粘性物質によって遮断される。また、有道床軌道に敷設されるまくら木の場合は、まくら木に載置された特定のレールの底面を起点として、まくら木の下端面全体で形成される被支持部に至る投影路の80%以上が粘性物質によって遮断される。ここで、粘性物質は、振動エネルギーを制動して熱エネルギーに変換する性質を有する物質である。則ち、粘性物質は振動エネルギーを熱エネルギーに変換して振動を減衰させる機能を有する。
【0013】
本発明によれば、振動源から最大荷重支持部に至る振動伝搬の主幹となる投影路の80%以上が粘性物質によって遮断される。従って、レール底面を源として投影路を最大荷重被支持部へ向けて伝搬する振動は粘性物質によって減衰を受け、最大荷重被支持部への振動の伝搬を概ね遮断することができる。これにより、鋼桁の共振や路床の微少振動を抑制することが可能となる。粘性物質によって投影路を遮断する割合は100%に近いほど良い。しかし、80%以上を遮断することにより、まくら木から支承構造へ伝搬する振動を概ね遮断することが可能である。
【0014】
本発明は、レールをまくら木に直接載置する構成に適用しても良く、レールをタイプレートなどの剛体を介して載置する構成に適用しても良い。いずれの場合であっても、投影路の起点はレールの底面となる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、上端面のいずれかに一本又は複数本のレールが剛体を介して載置され、下端面の一又は複数の部位が実質的に被支持部となって他の部材に支持されるまくら木において、まくら木に載置された特定のレールと、前記一または複数の被支持部の中で前記特定のレールの荷重を最も大きく負担する最大荷重被支持部に注目し、当該レールを載置する剛体の底面を起点として前記最大荷重被支持部に至る投影路を想定し、当該投影路の80%以上が粘性物質によって遮断されているものである。
【0016】
本発明は、前記請求項1に記載のまくら木におけるレールの載置構造を限定したものである。則ち、本発明では、レールを直接まくら木に載置するのではなく、剛体を介してまくら木の上端面に載置される。ここに、剛体とは具体的にはタイプレートなどの固定部材を指す。本発明では、レールを剛体を介してまくら木の上端面に固定するのに伴って、投影路の起点を剛体の底面としている。本発明によれば、前記請求項1に記載のまくら木と同様の制振効果を奏する。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のまくら木において、前記投影路の全てが、粘性物質によって遮断された構成とされている。
【0018】
本発明によれば、投影路の全てが粘性物質によって遮断されるので、レールの底面、または、レールを固定する剛体の底面を振動源として最大荷重支持部へ向けて伝搬する振動は粘性物質で減衰を受けて最大荷重被支持部へ到達することが阻止される。これにより、鋼桁の共振や路床の微少振動を抑制することが可能となる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のまくら木において、前記粘性物質は、レールの載置面から100mm以内の間、または、最大荷重被支持部から100mm以内の間、または、その双方に設けられて前記投影路が遮断された構成とされている。
【0020】
本発明は、まくら木の高さ方向における粘性物質の配置構造を規定したものである。粘性物質は、まくら木のレールの載置面または最大荷重被支持部に近接させて設けるのが良い。粘性物質をこのように設けることにより、粘性物質の配置面積を低減しつつ投影路を効果的に遮断することが可能となる。粘性物質はレールの載置面または最大荷重被支持部から100mm以内の間が良く、50mm以内が最適である。
【0021】
また、粘性物質をレールの載置面と最大荷重被支持部の双方に近接させて設けても良い。双方に設けることにより、投影路における振動伝搬の遮断効果を一層向上させることが可能である。双方に設ける場合も、粘性物質はレールの載置面および最大荷重被支持部から100mm以内の間が良く、50mm以内が最適である。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のまくら木において、前記粘性物質は帯状に分布した構成とされている。
【0023】
ここに、本発明でいう粘性物質を帯状に分布した構成とは、帯のように平面状に粘性物質を配する構成はもとより、適宜の形状に細分化した粘性物質を配列した集合によって形成される帯状の形態を含む。また、粘性物質の配置に際しては、粘性物質そのものを直接まくら木の内部に配置する構成や、粘性物質を積層材へ含浸またはインサートしてまくら木の内部に配置する構成を含む。
本発明によれば、粘性物質を帯状に分布させることにより、粘性物質の必要量を低減しつつ投影路を均一に遮断することが可能となる。
【0024】
粘性物質を帯状に配置する構成例としては、まくら木に帯状の開口を開け、その内部に粘性物質を充填したり、あるいは、その内壁に粘性物質を密着させる構成を採ることができる。この構成によれば、帯状の開口に充填あるいは密着させた粘性物質によって投影路における振動の伝搬を効果的に遮断でき、粘性物質の必要量を低減することができる。
【0025】
粘性物質を積層材へ含浸またはインサートしてまくら木の内部に配置する構成では、粘性物質を含浸またはインサートする積層材として、硬質樹脂、ガラス、金属、硬質ゴム、繊維強化複合材、木材などの適宜の硬い材料を好適に用いることができる。これらの積層材は、粘性物質を含浸またはインサートさせるために、不織布、不陸マット、金網、ガラスマットのような交絡構造をもつ繊維状物や、表面に溝加工または凹凸加工が施されたシート状物などに加工したものが良い。
【0026】
請求項1、2に記載の発明は、まくら木の側面に幅方向に延びる円柱状の孔を帯状に複数配列し、当該孔の内壁に密着させて粘性物質が配される構成である。
【0027】
本発明において、粘性物質は、孔の内壁にだけ密着させて配しても良く、孔の内部に充填しても良い。また、孔は、まくら木の幅方向に貫通する貫通孔であっても良い。この構成によれば、まくら木の素材に応じた応力の許容範囲内において、隣接する孔の間隔を詰めることにより、粘性物質によって投影路の80%以上を容易に遮断することが可能である。また、2列または3列以上の孔を千鳥状に配列しつつ、孔の集合が帯状となるように形成することにより、隣接する孔の間隔を確保して応力を許容範囲に維持しつつ粘性物質による投影路の遮断割合を更に増加させることも可能である。特に、橋梁まくら木のように、まくら木本体にレール荷重を弾性支承する性質が求められる場合は、このような貫通孔を複数配列する構成が、帯状の開口を設ける構成に比べて強度的に有利である。
【0028】
前記した本発明において、粘性物質は単一の物質または分散性の物質として粘性を発現する物質であり、粘性を表す指標、則ち、動的粘弾性を示す損失係数tanδが大きいほど、振動に対して大きな減衰効果が得られる。
粘性物質の損失係数tanδが0.1未満のときは、粘性が少なく、粘性物質を設けることによる振動の減衰効果が発現しない。振動の減衰効果の面から、粘性物質の損失係数tanδは0.1以上が良く、粘性物質の損失係数tanδは1以上が最適である。
【0029】
粘性物質を単一の物質で構成する場合、ゲル材が用いられる。ここに、本発明においてゲルとは、架橋性の高分子材料において、架橋間の分子が軟質なポリマー構造をもつものを指す。例えば、軟質ウレタン、ポリオレフィンなど分岐の少ない直鎖型のポリマーがゲルに該当する。一方、同じ直鎖型でもポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどはゲルに該当しない。一般に、軟質なポリマーであるかどうかの判断は、主鎖の重合単位に炭素数2以上のアルキレン基が含まれるかどうかによってなされる。例えば、エチレンやプロピレンが主鎖に含まれていれば、軟質なポリマーとなる可能性が高い。一方、ベンゼン環のような共役環が含まれていると、その可能性は低くなる。
【0030】
また、これらのゲルは、それぞれのポリマーに相溶性の高い不揮発性の液状物質とともに用いられても良く、これによって粘性が向上する。例えば、軟質ウレタンであれば液体ポリオール、ポリオレフィンであればオイルなどが組み合わせて用いられる。特に、粘性物質にポリオールとイソシアネートを混合し硬化させて得られるゲル材を用いることにより、損失係数tanδが大きく、耐候性、耐薬品性にも優れ、粘性物質として最適である。
【0031】
粘性物質は、単一の物質に限らず、マトリックスとなる物質中に任意の形状の鉱物、無機物、金属、複合材等の物質が分散することにより粘性を発現する分散性の物質であっても良い。例えば、ベアリング、砂、フライアッシュ、アエロジル、鉄粉、マイカ、ガラス繊維、粘土鉱物などが分散材として用いられる。また、分散材は極微小なものであっても良く、例えば粘土鉱物のように、顕微鏡を用いなければ形状が確認できないようなものでも良い。
【0032】
尚、防振材として広く用いられるゴムやウレタンエラストマーなどの軟質弾性材も上記した架橋性の高分子材料に該当するが、安価に入手できるものは粘性が不足しており、粘性物質としては不適当である。仮に、合成段階で直鎖型のポリマー成分を多くしたり、不揮発性の液状物質と組み合わせたりすれば、弾性材としては機能しなくとも、ゲルに相当する粘性が発現する。また、例外的にポリノルボルネン等の極めて分子量の高い直鎖型のポリマーの中には、ゴムでありながら粘性の高いものも存在する。これらは高価であるが、本発明における粘性物質として用いることが可能である
【0033】
また、粘性物質を分散性の物質と複合して用いる場合、マトリックスとなる物質がゲルであれば振動の抑制効果は大きいが、必ずしもゲルである必要はない。これは分散性の物質自身に損失係数tanδを引き上げる効果があるためである。例えば、マイカのような板状結晶をもつ粒子は、マトリックス中に分散すると0.1以上のtanδを発現すると言われており、大きな減衰効果が期待できる。従って、仮にゴムやウレタンエラストマーのような軟質な弾性材であっても、これらの物質を分散できれば、大きな減衰効果が得られる可能性がある。通常は分散性を考慮して、マトリックスに不揮発性の液状物質またはゲルが用いられる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を順次説明する。尚、実施形態の説明に先立って、橋梁軌道と有道床軌道とにおいてレールを敷設した場合に想定される投影路について図1,図2を参照して説明する。図1は、まくら木10を橋梁軌道に敷設した状態を示す説明図、図2は、まくら木10をを有道床軌道に敷設した状態を示す説明図である
【0035】
まくら木10を橋梁軌道に敷設する場合、上端面10aの左右にタイプレートTを介してレールRが固定され、まくら木10の長手両端部側の下端面10cは支持部材16を宛ったI型鋼桁15で支承される。従って、左右のI型鋼桁15に設けた支持部材16と当接する下端面10cの部位が被支持部10dを形成する。
【0036】
ここで、まくら木10の右側に固定されたレールRに着目すると、当該右側のレールRからの印加荷重を最も大きく負担する被支持部10dは、まくら木10の右側に位置する被支持部10dである。則ち、まくら木10の右側に位置する被支持部10dが右側のレールRの最大荷重被支持部10dとなる。
【0037】
従って、まくら木10の上端面10aに固定されたタイプレート(剛体)Tの底面を起点として、右側の最大荷重被支持部10dに至る投影路A(図1において二点鎖線で囲まれる部位)を想定することができる。同様の投影路Aが左側のレールRについても想定可能である。投影路Aは、レールRを固定するタイプレートTの底面を振動源として最大荷重被支持部10dへ向けて伝搬される振動の主幹伝搬路であり、本発明では、当該投影路Aにおける振動の伝搬を遮断するべく、まくら木10の適宜の部位に粘性物質を配置する構造を採用する。
【0038】
一方、まくら木10を有道床軌道に敷設した場合に想定される投影路について説明する。図2の様に、まくら木10を有道床軌道に敷設する場合、上端面10aの左右にタイプレートTを介してレールRが固定され、まくら木10の下端面10cは全面がバラストSと当接する。従って、バラストSと当接する下端面10cの全面が被支持部(10c)となり、まくら木10の右左のレールRの最大荷重被支持部はいずれも下端面10cと同一となる。
【0039】
従って、まくら木10の上端面10aに固定されたタイプレート(剛体)Tの底面を起点として、最大荷重被支持部10cに至る投影路B(図2において二点鎖線で囲まれる部位)が想定される。同様の投影路Bが左側のレールRについても想定される。投影路Bは、レールRを固定するタイプレートTの底面を振動源として最大荷重被支持部10cへ向けて伝搬される振動の主幹伝搬路となる。
尚、図1および図2において、レールRがタイプレートを介してまくら木本体10に固定されている構成であっても、レールRの底面を基点として投影路A,Bを想定することも可能である。
【0040】
次に、本発明の実施形態を図3〜図11を参照して説明する。図3は、第1実施形態のまくら木の構造を示す正面図である。図4は、図3に示すまくら木を橋梁軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。図5は、第2実施形態のまくら木の構造を示す分解斜視図および斜視図である。図6は、図5に示すまくら木を橋梁軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。図7は、図5に示すまくら木を有道床軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。図8は、第3実施形態のまくら木の構造を示す分解斜視図、部分拡大図および斜視図である。図9は、図8に示すまくら木を橋梁軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。図10は、第4実施形態のまくら木の構造を示す斜視図である。図11は、図10に示すまくら木を有道床軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。
【0041】
第1実施形態のまくら木2は、図3の様に、角柱形状のまくら木(まくら木本体)10の側面10bに、幅方向へ貫通する円柱状の貫通孔20を多数配列し、各々の貫通孔20に粘性物質を充填した構造である。
貫通孔20は、図4の様に、まくら木本体10の上端面10aにタイプレートTが固定される部位から、下端面10cにI型鋼桁15の支持部材16が当接する部位にかけての範囲を網羅するように、側面10bの高さ方向の中央部に上下2列に帯状に配列される。各貫通孔20は、隣接する上列の貫通孔20の中心軸の間に下列の貫通孔20の中心軸が位置するようにして、上列と下列の各貫通孔20の中心軸が互いに上下に重ならないように千鳥状に配列されている。
【0042】
各々の貫通孔20には、粘性物質12が充填される。本実施形態では、下記に示す処方の2種類の液体を混合して得られるウレタンゲルを粘性物質として採用している。粘性物質12を貫通孔20に充填するには、ポリオールとイソシアネートを混合して各貫通孔20に注入し、貫通孔20の両側に蓋をして数日間熟成させ、反応硬化させる。これにより、ウレタンゲルが貫通孔20の内部に充填され、貫通孔20の内壁にウレタンゲルが密着して一体化される。このときの粘性物質(ウレタンゲル)12の損失係数tanδは略1である。第1実施形態のまくら木2は、以上の製造手順によって完成する。
【0043】
(粘性体の処方例)
住化バイエルウレタン社製ポリオール(品名:STP-00EC07)・・・92重量部
住化バイエルウレタン社製イソシアネート(品名:ST-0397) ・・8重量部
【0044】
完成したまくら木2を橋梁軌道に敷設すると、図4の様に、まくら木本体10の長手両端部側の下端面10cは支持部材16を宛った左右のI型鋼桁15で支承され、左右の支持部材16と当接する下端面10cの部位が被支持部21となる。従って、まくら木本体10の上端面10aに固定されたタイプレートTの底面を起点として、右側の最大荷重被支持部21に至る投影路A(図4において二点鎖線で囲まれる部位)を想定することができる。同様の投影路Aが左側のレールRについても想定可能である。この投影路Aが振動の主幹伝搬路となる。
【0045】
まくら木2では、複数の貫通孔20が投影路Aを横切る部位に帯状に配列されるので、投影路Aが貫通孔20に充填された粘性物質12によって遮断された構造を呈する。従って、タイプレートTの底面を源として投影路Aを最大荷重被支持部21へ向けて伝搬する振動は、粘性物質12によって熱エネルギーに変換されて減衰を受ける。これにより、まくら木2を支承するI型鋼桁15へ伝搬する振動が低減し、共振による騒音の発生を防止することが可能となる。
【0046】
特に、まくら木2では、前記したように貫通孔20を上下2列に千鳥状に配列しているので、投影路Aを伝搬する振動に対して、隣接する貫通孔20同士の間に隙間が生じない。これにより、投影路Aを粘性物質12によってほぼ完全に遮断することができ、I型鋼桁15への振動の伝搬を効果的に防止することが可能となる。尚、本実施形態のまくら木2は、まくら木本体10の素材について特に言及していないが、通常の木材や合成木材を用いて製することが可能である。
【0047】
次に、第2実施形態のまくら木3を説明する。まくら木3は、図5の様に、まくら木本体10の長手両端部近傍の上端面10aに幅方向全長に渡って二段の段部を設けることによって幅狭の凹部32と幅広の凹部33を形成し、凹部32に粘性物質12を含浸させた粘性部材30を配置し、その上から蓋31を嵌め込んだ構造を有する。
【0048】
まくら木本体10および蓋31は、ガラス長繊維強化硬質樹脂発泡体を素材とする合成木材(商品名「エスロンネオランバー FFU」積水化学工業株式会社製、比重0.74)を用いている。また、粘性部材30は、予め、粘性物質(前記第1実施形態で採用した粘性物質と同一)をコンティニュアスマットに含浸させて平板状に整形硬化させた部材である。
粘性部材30は、荷重印加に伴う最密圧縮時の高さが凹部32の深さと略一致するようにコンティニュアスマットの積層数を調整しており、列車荷重が印加されたときに粘性部材30の全面で荷重を支持して、蓋31に局部的に応力が集中することを防止する構造を採っている。
【0049】
まくら木3を橋梁軌道に敷設すると、図6の様に、まくら木本体10の長手両端部側の下端面10cは支持部材16を宛ったI型鋼桁15で支承され、左右の支持部材16と当接する下端面10cの部位が被支持部34を形成する。従って、まくら木本体10の上端面10aに固定されたタイプレートTの底面を起点として、右側の最大荷重被支持部34に至る投影路A(図6において二点鎖線で囲まれる部位)が振動の主幹伝搬路として想定される。同様の投影路Aが左側のレールRについても想定される。
【0050】
まくら木3では、粘性部材30が投影路Aを横切る部位に配置されるので、図6の様に、投影路Aが粘性物質12によって完全に遮断された構造となる。従って、タイプレートTの底面を源として投影路Aを最大荷重被支持部21へ向けて伝搬する振動は、粘性物質12によって減衰され、まくら木3を支承するI型鋼桁15へ伝搬する振動を低減することが可能となる。
【0051】
また、まくら木3を有道床軌道に敷設すると、図7の様に、まくら木本体10の下端面10cの全面がバラストで支承され、下端面10cが被支持部(サイダ加重被支持部)10cとなる。従って、上端面10aに固定されたタイプレートTの底面を起点として、最大荷重被支持部10cに至る投影路B(図7において二点鎖線で囲まれる部位)を振動の主幹伝搬路として想定される。同様の投影路Bが左側のレールRについても想定される。
【0052】
まくら木3は、粘性部材30が投影路Bを横切る部位に配置されるので、投影路Bが概ね粘性物質12によって遮断された構造となる。従って、タイプレートTの底面を源として投影路Bを最大荷重被支持部10cへ向けて伝搬する振動は、粘性物質12によって減衰され、バラストSへ伝搬する振動を低減することができ、振動に伴うバラストSの流出を防止することができる。
【0053】
このように、本実施形態のまくら木3は、橋梁軌道や有道床軌道でも制振効果を発現することができ、しかも、まくら木本体10の上面に同一素材で成る蓋31を嵌め込んでいるので、外観も通常のまくら木と同様である。また、粘性部材30を配することにより、合成木材に含有されるガラス繊維の振動励起を効果的に抑制することができ、制振効果が多大である。
【0054】
次に、第3実施形態のまくら木4を説明する。まくら木4は、図8(a),(c)の様に、まくら木本体10の長手両端部近傍の下端面10cに幅方向全長に渡って上方へ切り欠いた凹部40を形成し、当該凹部40に粘性物質12を内装した粘性部材41と支持部材42を嵌め込んだ構造を有する。
【0055】
まくら木本体10および支持部材42は、ガラス長繊維強化硬質樹脂発泡体を素材とする合成木材で製している。粘性部材42は、図8(b)の様に、硬質ゴムで成る板体41を重ね合わせた部材であり、板体41の内面に半楕円形の断面を有する複数の溝41bを平行に配列し、当該溝41bの内部に粘性物質(前記第1実施形態で採用した粘性物質と同一)を充填した構造を有する。
【0056】
まくら木4を橋梁軌道に敷設すると、図9の様に、まくら木本体10の支持部材42がI型鋼桁15に当接して支承され、当該支持部材42の上面42aが被支持部(最大荷重支持部)42aとなる。従って、まくら木本体10の上端面10aに固定されたタイプレートTの底面を起点として、右側の最大荷重被支持部42aに至る振動の主幹伝搬路として投影路A(図9において二点鎖線で囲まれる部位)が想定される。同様の投影路Aが左側のレールRについても想定される。
【0057】
まくら木4は、粘性部材41が投影路Aを横切る部位に配置されるので、投影路Aが粘性物質12によって完全に遮断された構造を呈する。従って、タイプレートTの底面を源として投影路Aを最大荷重被支持部21へ向けて伝搬する振動は、粘性物質12によって減衰され、まくら木4を支承するI型鋼桁15へ伝搬する振動を低減することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態のまくら木4は、粘性部材41の硬質ゴムがまくら木本体10に対して弾性材としても機能するので、スパンのとれない鋼桁や路床に配置する木まくら木や合成まくら木に対しても高い制振力を発現する。また、粘性部材41を剪断応力の大きい部位に配置するので、硬質ゴムのばね定数が高い場合でも安定した弾性効果を得ることが可能である。
【0059】
次に、第4実施形態のまくら木5を説明する。まくら木5は、図10の様に、まくら木本体10の下端面10cに、長手方向に沿って全長に渡って上方へ退入した溝50を設け、当該溝50の内部に粘性物質12(前記第1実施形態で採用した粘性物質と同一)を充填した構造を有する。溝50の幅はまくら木本体10の幅よりも僅かに狭い。また、本実施形態では、まくら木本体10にブナ材を採用した。尚、粘性物質12は、ゲル化する前は液体であるが、硬化してまくら木本体10の溝50に一体化されるため、図10のように下向きに置いても流出したり剥がれることはない。
【0060】
まくら木4を有道床軌道に敷設すると、図11の様に、まくら木本体10の下端面10c(粘性物質12)全面がバラストで支承され、下端面10cが被支持部(最大荷重被支持部)10cとなる。従って、上端面10aに固定されたタイプレートTの底面を起点として、最大荷重被支持部10cに至る振動の主幹伝搬路として投影路B(図10において二点鎖線で囲まれる部位)を想定することができる。
【0061】
まくら木4は、粘性物質12がまくら木本体10の下端面10c、則ち、投影路Bを横切る部位に配置されるので、投影路Bが完全に粘性物質12によって遮断された構造である。従って、タイプレートTの底面を振動源として投影路Bを最大荷重被支持部10cへ向けて伝搬する振動は、粘性物質12によって減衰され、バラストSへ伝搬する振動を低減することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態のまくら木4を有道床軌道に敷設すると、下端面10cに設けた粘性物質12にバラストSが食い込んだ状態で載置される。また、コンクリート打設によってまくら木を固定する無道床軌道にまくら木4を敷設すると、コンクリートの素粒が粘性物質12に食い込んだ状態で載置される。これにより、バラストSやコンクリート素粒の微少振動を粘性物質で減衰させて制振化することが可能である。また、粘性物質12にバラストSやコンクリート素粒が食い込むことにより、支承部の凹凸を吸収して荷重を分散することができ、まくら木4の安定性が向上する。
【0063】
以上、本発明の実施形態1〜4を説明したが、本発明のまくら木は前記実施形態の構造に限られるものではない。則ち、まくら木に設ける粘性物質12は、投影路の一部または全部を遮断可能であれば、まくら木本体10の素材に応じた応力の許容範囲内において、まくら木の適宜の部位に適宜の形状で配することが可能である。
【0064】
また、前記実施形態で示したまくら木2,4では、粘性物質12をまくら木本体の貫通孔や凹部に充填した構造としたが、粘性物質12を貫通孔や凹部の内壁に密着させた構造を採ることも可能である。
【0065】
また、前記実施形態の構成に限らず、本発明は、木まくら木や合成まくら木、あるいは、コンクリートまくら木に適用することも可能である。
また、前記実施形態では、制振まくら木を橋梁まくら木として用いる場合を例に挙げて説明したが、路床上の凹凸の支承部に両端部を支承される無道床まくら木に適用する場合にも同様の制振効果を奏する。
【0066】
【発明の効果】
本発明のまくら木によれば、まくら木に加わる荷重によって生じる振動がまくら木の支承構造へ伝搬することを効果的に防止することができ、橋梁軌道における支承構造の共振による騒音の発生や有道床軌道におけるバラストの流出、あるいは、無道床軌道におけるコンクリートの素粒化などを効果的に防止することができる。これにより、保守に要する手間やコストを大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 橋梁軌道における投影路を示す説明図である。
【図2】 有道床軌道における投影路を示す説明図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係るまくら木の正面図である。
【図4】 図3に示すまくら木を橋梁軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。
【図5】 (a)は本発明の第2実施形態に係るまくら木の分解斜視図、(b)は(a)の斜視図である。
【図6】 図5に示すまくら木を橋梁軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。
【図7】 図5に示すまくら木を有道床軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。
【図8】 (a)は本発明の第3実施形態に係るまくら木の分解斜視図、(b)は(a)の部分拡大図、(c)は(a)の斜視図である。
【図9】 図8に示すまくら木を橋梁軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。
【図10】 本発明の第4実施形態に係るまくら木の斜視図である。
【図11】 図10に示すまくら木を有道床軌道に敷設したときの投影路の遮断状況を示す説明図である。
【符号の説明】
2,3,4,5 まくら木
10a 上端面
10c 下端面
10c,10d,21,34,42a 被支持部
10c,10d,21,34,42a 最大荷重被支持部
12 粘性物質
A,B 投影路
R レール
T 剛体(タイプレート)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sleeper, and more particularly, to preventing vibration generated as a train passes from propagating to a sleeper support structure.
[0002]
[Prior art]
Since railroad tracks frequently support heavy loads, various problems arise. For example, in bridge tracks where rails are laid on steel girders, noise problems occur due to steel girder resonance, and in tracked floor tracks where rails are laid on ballast, track subsidence due to ballast refinement and flow Occurs. Moreover, in a non-road floor track in which rails are laid on the road bed, there is a problem of track deterioration due to concrete graining or cracking.
[0003]
Countermeasures for the problems occurring in each of these tracks are common, and conventionally, a method of arranging an elastic material between the vibrating portion and the support portion has been adopted.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2001-172901 A
[0005]
The vibration isolator disclosed in
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the vibration isolator disclosed in
[0007]
Originally, in a structure in which both ends of the sleeper are supported by steel girders, such as a bridge sleeper, or in a structure in which both ends of the sleeper are supported by uneven parts on the road floor, such as a sleeper on a non-road track, the sleeper itself is a train. Has the function of elastically supporting the load. However, no material has been developed that exhibits a sufficient noise suppression effect due to the elasticity of the sleeperwood, and it has been extremely uneconomical to provide a separate elastic material without utilizing the elasticity of the sleeperwood.
Thus, in order to suppress vibration and noise, railway companies have to spend a great deal of labor and cost, and the development of sleepers that have vibration control and excellent maintainability has been awaited.
[0008]
This invention is proposed in view of the said situation, and it aims at providing the sleeper which expresses favorable damping nature by the sleeper itself, without arrange | positioning an elastic material etc. on the bottom face of a sleeper.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In the invention according to
[0010]
Here, in the present invention, a sleeper having a plurality of supported parts at the lower end surface is directly or indirectly on a steel girder, for example, a sleeper placed across two steel girders in a bridge track or the like. The two parts (plurality) of the lower end surface of the sleeper that abuts on the base material form a supported part. A sleeper with a single supported portion at the lower end surface means that the entire lower end surface of the sleeper abuts against the ballast, such as a sleeper placed on the ballast in a bedded track, etc. It refers to what forms the part.
[0011]
By the way, pillows made of synthetic wood or concrete sleepers contain finely dispersed material pieces such as glass fibers and iron wires that are easily dispersed in the inside, so that vibration is induced when a load is applied to the sleepers. easy. In addition, ballasts and concrete particles distributed around the sleeper trees are easily excited by vibration. The vibration of these material pieces and elementary grains is considered to propagate to the interior of the sleeper, the surface, and the periphery of the sleeper with the upper end surface of the sleeper on which the rail is placed as the vibration source. In addition to the rigid body vibration, it is thought that the resonance of the steel girder and the minute vibration of the roadbed occur simultaneously.
[0012]
According to the present invention, in the case of the sleeper laid on the bridge track, the projection path from the bottom surface of the specific rail placed on the sleeper to the maximum load supported portion closest to the specific rail. More than 80% is blocked by viscous material. In addition, in the case of a sleeper laying on a roadbed track, 80% or more of the projected path from the bottom surface of a specific rail placed on the sleeper to the supported part formed by the entire lower end surface of the sleeper is viscous. Blocked by substance. Here, the viscous substance is a substance having a property of damping vibration energy and converting it into heat energy. That is, the viscous substance has a function of damping vibration by converting vibration energy into heat energy.
[0013]
According to the present invention, 80% or more of the projection path serving as a main part of vibration propagation from the vibration source to the maximum load support portion is blocked by the viscous substance. Therefore, the vibration propagating from the rail bottom surface toward the maximum load supported portion through the projection path is attenuated by the viscous material, and the propagation of the vibration to the maximum load supported portion can be substantially blocked. Thereby, it becomes possible to suppress the resonance of the steel girder and the slight vibration of the road bed. The rate at which the projection path is blocked by the viscous material is better as it is closer to 100%. However, by blocking 80% or more, it is possible to generally block vibration propagating from the sleeper to the bearing structure.
[0014]
The present invention may be applied to a configuration in which the rail is directly placed on the sleeper or may be applied to a configuration in which the rail is placed via a rigid body such as a tie plate. In either case, the starting point of the projection path is the bottom surface of the rail.
[0015]
According to the second aspect of the present invention, one or more rails are placed on any one of the upper end surfaces via a rigid body, and one or more portions of the lower end surface are substantially supported portions. In the sleeper supported by the member, the particular rail placed on the sleeper and the maximum load supported part that bears the largest load of the specific rail among the one or more supported parts. Assuming a projection path starting from the bottom surface of the rigid body on which the rail is placed and reaching the maximum load supported portion, 80% or more of the projection path is blocked by the viscous materialIs.
[0016]
This invention limits the mounting structure of the rail in the sleeper of the said
[0017]
According to a third aspect of the present invention, in the sleeper tree according to the first or second aspect, all the projection paths are blocked by a viscous material.
[0018]
According to the present invention, since all of the projection path is blocked by the viscous material, the vibration propagating toward the maximum load support portion using the bottom surface of the rail or the bottom surface of the rigid body fixing the rail as the vibration source is a viscous material. Attenuation is prevented from reaching the maximum load supported part. Thereby, it becomes possible to suppress the resonance of the steel girder and the slight vibration of the road bed.
[0019]
According to a fourth aspect of the present invention, in the sleeper according to any one of the first to third aspects, the viscous substance is within 100 mm from the mounting surface of the rail or 100 mm from the maximum load supported portion. It is set as the structure by which the said projection path was interrupted | blocked by being provided in between or both.
[0020]
The present invention defines the arrangement structure of viscous substances in the height direction of sleepers. The viscous material is preferably provided close to the mounting surface of the sleeper rail or the maximum load supported portion. By providing the viscous material in this way, it is possible to effectively block the projection path while reducing the arrangement area of the viscous material. The viscous material is preferably within 100 mm from the mounting surface of the rail or the maximum load supported portion, and optimally within 50 mm.
[0021]
Further, the viscous material may be provided close to both the mounting surface of the rail and the maximum load supported portion. By providing both, it is possible to further improve the effect of blocking vibration propagation in the projection path. In both cases, the viscous material is preferably within 100 mm from the mounting surface of the rail and the maximum load supported portion, and optimally within 50 mm.
[0022]
A fifth aspect of the present invention is the sleeper according to any one of the first to fourth aspects, wherein the viscous substance is distributed in a band shape.
[0023]
Here, the configuration in which the viscous substance is distributed in the form of a band in the present invention is formed by a set of viscous substances subdivided into an appropriate shape as well as a configuration in which the viscous substance is arranged in a plane like a band. Including a band-like form. In addition, the arrangement of the viscous material includes a configuration in which the viscous material itself is disposed directly inside the sleeper, and a configuration in which the viscous material is impregnated or inserted into the laminated material and disposed in the sleeper.
According to the present invention, it is possible to uniformly block the projection path while reducing the necessary amount of the viscous material by distributing the viscous material in a band shape.
[0024]
As a configuration example in which the viscous material is arranged in a strip shape, a configuration in which a strip-like opening is opened in the sleeper and the viscous material is filled therein, or the viscous material is closely attached to the inner wall thereof can be adopted. According to this configuration, the propagation of vibration in the projection path can be effectively blocked by the viscous material filled or closely attached to the band-shaped opening, and the necessary amount of the viscous material can be reduced.
[0025]
In a configuration in which a viscous material is impregnated or inserted into the laminate and placed inside the sleeper, the laminated material to be impregnated or inserted with the viscous material is appropriately selected from hard resin, glass, metal, hard rubber, fiber reinforced composite, wood, etc. The hard material can be suitably used. These laminates are made of fibrous materials having an entangled structure such as non-woven fabrics, flat mats, wire meshes, glass mats, and sheets with grooves or irregularities on the surface in order to impregnate or insert viscous materials. What was processed into the shape etc. is good.
[0026]
The invention described in
[0027]
In the present invention, the viscous substance may be disposed in close contact only with the inner wall of the hole, or may be filled in the hole. The hole may be a through hole penetrating in the width direction of the sleeper. According to this configuration, it is possible to easily block 80% or more of the projection path by the viscous material by narrowing the interval between the adjacent holes within the allowable range of the stress according to the material of the sleeper. In addition, by arranging two or more rows of holes in a zigzag pattern and forming a set of holes in a band shape, the gap between adjacent holes is secured and the stress is maintained within an allowable range. It is also possible to further increase the blocking ratio of the projection path by the substance. In particular, when the sleeper body is required to elastically support the rail load, such as a bridge sleeper, a structure in which a plurality of such through holes are arranged is advantageous in strength compared to a structure in which a strip-shaped opening is provided. is there.
[0028]
In the above-described present invention, the viscous substance is a substance that develops viscosity as a single substance or a dispersible substance, and the larger the index indicating viscosity, that is, the loss coefficient tan δ indicating dynamic viscoelasticity, the more vibration is generated. On the other hand, a great damping effect is obtained.
When the loss factor tan δ of the viscous material is less than 0.1, the viscosity is small and the vibration damping effect due to the provision of the viscous material does not appear. In view of the vibration damping effect, the loss factor tan δ of the viscous material is preferably 0.1 or more, and the loss coefficient tan δ of the viscous material is optimally 1 or more.
[0029]
When the viscous material is composed of a single material, a gel material is used. Here, the gel in the present invention refers to a crosslinkable polymer material in which molecules between crosslinks have a soft polymer structure. For example, a linear polymer with few branches such as soft urethane and polyolefin corresponds to the gel. On the other hand, polystyrene, polyethylene terephthalate and the like do not correspond to gels even in the same linear type. In general, whether or not the polymer is a soft polymer is determined by whether or not an alkylene group having 2 or more carbon atoms is contained in the polymer unit of the main chain. For example, if ethylene or propylene is contained in the main chain, there is a high possibility that the polymer becomes a soft polymer. On the other hand, if a conjugated ring such as a benzene ring is included, the possibility is low.
[0030]
Further, these gels may be used together with a non-volatile liquid substance having high compatibility with each polymer, thereby improving the viscosity. For example, liquid polyol is used in combination with soft urethane, and oil or the like is used in combination with polyolefin. In particular, by using a gel material obtained by mixing and curing a polyol and an isocyanate in a viscous substance, the loss factor tan δ is large, weather resistance and chemical resistance are excellent, and it is optimal as a viscous substance.
[0031]
A viscous substance is not limited to a single substance, but may be a dispersible substance that develops viscosity by dispersing minerals, minerals, metals, composites, etc. of any shape in the matrix substance. good. For example, bearings, sand, fly ash, aerosil, iron powder, mica, glass fiber, clay mineral, etc. are used as the dispersing material. Further, the dispersion material may be extremely small, such as a clay mineral whose shape cannot be confirmed without using a microscope.
[0032]
Soft elastic materials such as rubber and urethane elastomer, which are widely used as anti-vibration materials, also fall under the above-mentioned crosslinkable polymer materials, but those that can be obtained at low cost lack viscosity and are not suitable as viscous materials. Is appropriate. If a linear polymer component is increased in the synthesis stage or combined with a non-volatile liquid substance, a viscosity corresponding to a gel appears even if it does not function as an elastic material. In addition, exceptionally high-molecular-weight linear polymers such as polynorbornene are rubbers and have high viscosity. These are expensive, but can be used as viscous substances in the present invention
[0033]
In addition, when a viscous substance is used in combination with a dispersible substance, if the substance serving as a matrix is a gel, the vibration suppressing effect is great, but it is not necessarily a gel. This is because the dispersible substance itself has an effect of increasing the loss coefficient tan δ. For example, particles having plate-like crystals such as mica are said to express tan δ of 0.1 or more when dispersed in a matrix, and a large damping effect can be expected. Therefore, even if it is a soft elastic material such as rubber or urethane elastomer, if these substances can be dispersed, a large damping effect may be obtained. Usually, in consideration of dispersibility, a non-volatile liquid substance or gel is used for the matrix.
[0034]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be sequentially described below with reference to the drawings. Prior to the description of the embodiment, projection paths assumed when rails are laid on a bridge track and a bedded track will be described with reference to FIGS. FIG. 1 is an explanatory view showing a state in which the
[0035]
When the
[0036]
Here, paying attention to the rail R fixed to the right side of the
[0037]
Accordingly, a projection path A (a part surrounded by a two-dot chain line in FIG. 1) starting from the bottom surface of the tie plate (rigid body) T fixed to the
[0038]
On the other hand, a projection path assumed when the
[0039]
Therefore, a projection path B (part surrounded by a two-dot chain line in FIG. 2) starting from the bottom surface of the tie plate (rigid body) T fixed to the
1 and 2, even if the rail R is fixed to the
[0040]
Next, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 3 is a front view showing the structure of the sleeper according to the first embodiment. FIG. 4 is an explanatory diagram showing a blocking state of the projection path when the sleeper shown in FIG. 3 is laid on the bridge track. FIG. 5 is an exploded perspective view and a perspective view showing the structure of the sleeper according to the second embodiment. FIG. 6 is an explanatory diagram showing a blocking state of the projection path when the sleeper shown in FIG. 5 is laid on the bridge track. FIG. 7 is an explanatory diagram showing a blocking state of the projection path when the sleeper shown in FIG. 5 is laid on a roadbed track. FIG. 8 is an exploded perspective view, a partially enlarged view, and a perspective view showing the structure of the sleeper according to the third embodiment. FIG. 9 is an explanatory diagram showing a blocking state of the projection path when the sleeper shown in FIG. 8 is laid on the bridge track. FIG. 10 is a perspective view showing the structure of the sleeper according to the fourth embodiment. FIG. 11 is an explanatory diagram showing a blocking state of the projection path when the sleeper shown in FIG. 10 is laid on a roadbed track.
[0041]
As shown in FIG. 3, the
As shown in FIG. 4, the through
[0042]
Each through
[0043]
(Prescription example of viscous material)
Sumika Bayer Urethane Co., Ltd. polyol (Product name: STP-00EC07) ... 92 parts by weight
Isocyanate manufactured by Sumika Bayer Urethane Co., Ltd. (Product name: ST-0397) 8 parts by weight
[0044]
When the completed
[0045]
The
[0046]
In particular, in the
[0047]
Next, the
[0048]
The sleeper tree
The
[0049]
When the
[0050]
In the
[0051]
When the
[0052]
The
[0053]
As described above, the
[0054]
Next, the sleeper 4 of the third embodiment will be described. As shown in FIGS. 8A and 8C, the sleeper tree 4 is formed with a
[0055]
The sleeper
[0056]
When the sleeper 4 is laid on the bridge track, as shown in FIG. 9, the
[0057]
The sleeper 4 has a structure in which the projection path A is completely blocked by the
[0058]
In addition, the sleeper 4 of the present embodiment is such that the hard rubber of the
[0059]
Next, the
[0060]
When the sleeper 4 is laid on the roadbed track, as shown in FIG. 11, the entire
[0061]
The sleeper tree 4 has a structure in which the projection path B is completely blocked by the
[0062]
Moreover, when the sleeper tree 4 of the present embodiment is laid on a roadbed track, the ballast S is placed in a state where the ballast S has bitten into the
[0063]
As mentioned above, although Embodiment 1-4 of this invention was demonstrated, the sleeper of this invention is not restricted to the structure of the said embodiment. In other words, the
[0064]
Further, in the
[0065]
Further, the present invention is not limited to the configuration of the above-described embodiment, and the present invention can also be applied to a wooden sleeper, a synthetic sleeper, or a concrete sleeper.
Further, in the above-described embodiment, the case where the vibration-damping sleeper is used as a bridge sleeper has been described as an example, but the same applies to the case where the both ends are supported by the uneven support part on the road floor. There is a vibration control effect.
[0066]
【The invention's effect】
According to the sleeper of the present invention, it is possible to effectively prevent the vibration caused by the load applied to the sleeper from propagating to the support structure of the sleeper, and to generate noise due to resonance of the support structure in the bridge track and in the roadbed track. It is possible to effectively prevent the outflow of the ballast or the concrete granulation in the non-road track. Thereby, it is possible to greatly reduce the labor and cost required for maintenance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing a projection path on a bridge track.
FIG. 2 is an explanatory diagram showing a projection path in a bedded track.
FIG. 3 is a front view of the sleeper tree according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is an explanatory diagram showing a blocking state of a projection path when the sleeper shown in FIG. 3 is laid on a bridge track.
5A is an exploded perspective view of a sleeper according to a second embodiment of the present invention, and FIG. 5B is a perspective view of FIG. 5A.
6 is an explanatory diagram showing a blocking state of a projection path when the sleeper shown in FIG. 5 is laid on a bridge track. FIG.
FIG. 7 is an explanatory diagram showing a blocking state of a projection path when the sleeper shown in FIG. 5 is laid on a bedded track.
8A is an exploded perspective view of a sleeper according to a third embodiment of the present invention, FIG. 8B is a partially enlarged view of FIG. 8A, and FIG. 8C is a perspective view of FIG.
FIG. 9 is an explanatory diagram showing a blocking state of a projection path when the sleeper shown in FIG. 8 is laid on a bridge track.
FIG. 10 is a perspective view of a sleeper tree according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 11 is an explanatory diagram showing a blocking state of a projection path when the sleeper shown in FIG. 10 is laid on a bedded track.
[Explanation of symbols]
2,3,4,5 pillow
10a Upper end surface
10c Lower end surface
10c, 10d, 21, 34, 42a Supported parts
10c, 10d, 21, 34, 42a Maximum load supported part
12 Viscous substances
A, B projection path
R rail
T rigid body (tie plate)
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