JP3927500B2 - 生鮮品の流通履歴管理方法及び流通履歴管理用の情報コード作成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生鮮品のトレーサビリティに関し、殊に複数の流通段階を経て提供される生鮮品に好適に適用できる、生鮮品の流通履歴管理方法及び流通履歴管理用の情報コード作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
国内の肉牛が牛海綿状脳症を発症した、いわゆるBSE問題に端を発し、牛肉の偽装ラベル問題等により、生鮮品の安全性や信頼性に対して消費者の関心が高まるとともに、国や自治体においても食品の安全性の確保が急務となっている。
このような中、生鮮品の安全性を確保する手段の一つとして、生鮮品へのトレーサビリティの適用に注目が集まっている。
【0003】
生鮮品のトレーサビリティとは、生鮮品の小売段階の情報から遡及して、生鮮品が加工・流通される各段階での情報、そして情報の出発点である生鮮品の生産段階の情報まで検索できる仕組みのことである。
生鮮品にトレーサビリティを導入することにより、万一の事故において的確で迅速な生鮮品の回収指示が出せることや、生鮮品の流通経路の透明性の確保や、生鮮品の品質の表示に立証性を与えることや、消費者や取扱者への情報提供による食品への不信感の払拭等の効果が期待できる。
【0004】
生鮮品へのトレーサビリティの導入を実現する例として、非特許文献1には、野菜のトレーサビリティの情報を、メモリーカードであるIDタグに記憶して、野菜といっしょに流通させるトレ−サビリティシステムが提案されている。
【0005】
非特許文献1に記載のトレーサビリティシステムによると、まず、生産者から出荷する野菜の情報及び生産者自身の情報をIDタグ(読み書きできるメモリーカード)に書き込み、このIDタグを野菜と一緒に流通経路を通過させる。
この時、生産者、輸送車、集荷場等の流通経路において温度や湿度を計測してこのIDタグに蓄積し、最終到着地のコンピュータで読み込んだ経路データを基に、インターネット経由で各流通経路に野菜が滞留していた時間帯の温度と湿度を収集し、一つのデータに結合する。
次に、この結合されたデータを基に野菜の流通経路と流通管理状態を表示用に加工し、店頭に設置された表示装置に配信して表示することで、消費者がトレーサビリティを利用できる。
【0006】
【非特許文献1】
http://www.yamatake.co.jp/japan/02news/020329.htm
検索日2002年12月10日
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のトレ−サビリティシステムには、以下のような課題があった。
非特許文献1に記載のトレーサビリティシステムでは、製品ごとやロット単位でIDタグを使用し、さらに一つの生鮮品が加工により分割されるような場合では流通の中間加工業者がIDタグを大量に用意して、分割される製品やロットごとにIDタグを複製する必要があり、単体価格の比較的高価なICチップを用いることでIDタグの導入に高いコストが必要となる。
また、消費者と直接の取引がない中間加工業者や、配送業者を含め、加工・流通にかかわるすべての業者がメモリーカードのリーダーライタを用意する必要があり、やはり全体としてトレーサビリティシステムの導入に高いコストが必要となる。
つまり、導入コストの低減が生鮮品のトレーサビリティ普及の鍵となっているのである。
【0008】
従って本発明の課題は、生鮮品のトレーサビリティに関係する取扱者が少ない投資で参加でき、生鮮品が加工の段階で分割される場合においても柔軟に対応できるトレーサビリティシステムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するためになされた、本発明に係る生鮮品の流通履歴管理方法、流通履歴管理用の情報コード、情報コード作成装置、及び流通履の歴照会装置は、複数の流通段階を経て消費者に提供される生鮮品の加工・流通にかかわる情報を、加工・流通の経路の情報であるリレー情報(例えば取扱者情報+インデックス情報)と、加工・流通の各段階での処理状況の情報である取扱情報とに分離し、前記リレー情報を情報コードに付加し、この情報コードを生鮮品に表示して流通させることとした。その他の解決手段は、次の発明の実施の形態で明らかにする。
【0010】
本発明よると、比較的高価なICチップを使ったタグを使う必要がなく、また、生鮮品が加工・流通段階で分割される場合においても、管理対象の生鮮品に表示する情報コードの作成や複製が容易である。このため、生鮮品の加工・流通にかかわる取扱者が低いコストで参加できる、生鮮品のトレーサビリティシステムを提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、生鮮品の流通履歴管理方法、流通履歴管理用の情報コード、情報コード作成装置、及び流通履歴の照会装置の実施形態を、生鮮品である牛肉のトレーサビリティシステムに適用した場合について述べたものである。
【0012】
まず、本実施形態における牛肉のトレーサビリティの考え方について、図1を参照して説明する。牛肉のトレーサビリティの情報は、と畜場4での肉牛のと畜を境界にして大きく2つに分けられる。
【0013】
と畜前の肉牛に関する情報は、以下に述べる生育履歴管理システム7において、牛を繁殖させる繁殖農家1での情報と、繁殖された子牛が売買される家畜市場2での情報と、と畜場4に出荷するまでの間、肉牛を肥育する肥育農家3での情報と、肉牛がと畜され加工業者に引き渡されると畜場4での情報と、が例えば肉牛の耳につけられた耳標番号のような肉牛の個体を識別する番号(以下、個体識別番号という)を、インデックス情報として関連付けられて管理されている。
【0014】
また、肉牛はと畜場4において、と畜後、牛肉となり、加工・流通業者5を経由して最終的に消費者6に販売される。この加工・流通の段階での牛肉に関する情報は、加工・流通履歴管理システム8の中で、加工・流通業者5の製造番号をインデックス情報として取扱者ごとに管理されている。
本実施形態で説明する生鮮品のトレーサビリティシステムは、この加工・流通管理システム8についてなされたものである。
【0015】
前記のように肉牛のトレーサビリティに関する情報(適宜「トレーサビリティの情報」という)は、と畜前は個体識別番号という1つのインデックス情報で管理され、と畜後は、加工・流通業者5の製造番号(インデックス情報)で管理される。すなわち、取扱者たる加工・流通業者5が複数介在することで、複数のインデックス情報でトレーサビリティに関する情報が管理されることになる。
消費者6がトレーサビリティの情報を請求した場合に、これらの情報を機能的に検索する仕組みがトレーサビリティシステムであり、本実施形態では、コンピュータに識別可能な情報コードを管理対象の生鮮品ごとに表示することでトレーサビリティシステムを実現する。
【0016】
◎第1実施形態
以下、図面を用いて、本発明に係る第1実施形態を説明する。なお、以下で説明する図面において、同一の符号は、同様の部品・要素を表すものとする。
【0017】
本実施形態では、説明の都合上、牛肉の流通・加工の段階で加工・流通業者2社と加工・小売業者1社が、かかわったものとして記述する。
具体的には、本実施形態における牛肉のトレーサビリティシステムは、例えば図2に示すように、加工・流通業者A11と、加工・流通業者B12と、加工・小売業者C13と、が参画する。そして、図1に示すように、と畜場4→加工・流通業者A11→加工・流通業者B12→加工・小売業者C13へと取扱者が変遷して消費者6に提供される牛肉、すなわち複数の流通段階を経て消費者6に提供される生鮮品の取扱履歴(流通履歴)を、牛肉に表示する情報コードにより管理する。
また、無人の情報端末であるキオスク端末25を、例えば加工・小売業者C13の店舗14等に準備し、このキオスク端末25を操作する消費者6に対して、トレーサビリティに関する情報(流通履歴)を提供する。
また、ASP(Application Service Provider)会社15を参画させることで、情報関連技術に関する出費やトラブルの少ないトレーサビリティシステムを提供する。
【0018】
ちなみに、図2では、加工・流通業者A11、加工・小売業者C13、ASP会社15、及びキオスク端末25が、ネットワークである例えばインターネット18に接続されている。また、生育履歴データベース16がインターネット18に接続されている。なお、本実施形態のトレーサビリティシステムは、情報コードとしての2次元コード(以下「2次元バーコード」という)を介して実施されるため、加工・流通業者A11等、取扱者全てがインターネット18等の通信網に接続されている必要はない。この点は、図2に示す加工・流通業者B12がインターネット18に接続されていないことからも理解される。
以下、前記した概要を踏まえて、第1実施形態の具体的な構成を説明する。
【0019】
まず、2次元バーコードを説明する。本実施形態において用いる情報コードは2次元バーコードであるが、この2次元バーコードは種々のものが開発されており、何れの2次元コードも本実施形態のトレーサビリティシステムに適用することができる。ちなみに、例えばQRコード(を用いれば、約2Kバイトの情報量を持ち、データとして漢字を用いた場合でも約2000文字を書き込める容量がある。つまり、商品名に加え、取扱者情報等を1つの2次元バーコードにそのままコード化して書き込むことができる。また、2次元バーコードは、1次元バーコードであるJAN(Japanese Article Number)コードに比較して、ラベルに印刷して表示した場合に、表示面積が小さいという特性がある。すなわち、情報を高密度にコード化することができ、このため、牛肉に添付(貼付)するラベルに2次元コードを印刷して表示しても、人間が目視して認識できる文字(商品名、重量…)等を書き込めるスペース(つまり余白)をラベルに多く確保できる。また、2次元バーコードは、読み取り方向の自由度が高く、汚れ等のデータ領域の欠損にも強いという特性を持ち合わせている。
【0020】
このように2次元バーコードは、本実施形態のトレーサビリティシステムに適用するのに充分な情報容量を持ち、かつ牛肉の加工・流通といった厳しい環境にも充分対応できるものである。もちろん、2次元バーコードは一例であり、本発明は、1次元のバーコードやその他の情報コードを適用することもできる。
【0021】
次に、図2に示される本実施形態のトレーサビリティシステムに参加する加工業者等(取扱者)を詳しく説明する。
と畜場4(図1参照)から牛肉を仕入(取り扱いのために受け入)れる加工・流通業者A11は、牛肉の個体識別番号と、加工・流通業者A11の名称及び製造番号を含んだ情報を、印字出力用の2次元バーコードのデータ(情報コードのデータ)に変換する情報コード作成部である端末装置21aを有している。
また、自己の端末装置21aから送られてくる2次元バーコードのデータ(情報コードのデータ)を、自己が取り扱った牛肉に表示するために2次元バーコードとして印字出力する表示部であるラベルプリンタ22aと、出荷製品(払い出し用の生鮮品)の情報等を蓄積するデータベース機能と、インターネット18を介した外部からのアクセスに対応するWWWサーバの機能を備えたサーバ装置23aと、インターネット18と接続して通信する通信手段24aを有している。
なお、管理対象である生鮮品としての牛肉への2次元バーコードの表示は、例えば、(1)2次元バーコードを後記するリレータグであるラベルや荷札に表示して牛肉に添付する場合、(2)2次元バーコードを牛肉の包装・容器・梱包材に表示する場合、等がある(以下同様である)。
【0022】
加工・流通業者A11から牛肉を仕入れて1次加工する加工・流通業者B12は、仕入れた牛肉に表示された2次元バーコードを読み取るリーダ部であるバーコードリーダ20bと、読み取った2次元バーコードの情報を一時記憶し、読み取った情報に加工・流通業者B12の名称及び製造番号を加えた情報から印字出力用の2次元バーコードのデータを生成する端末装置21bを有する。また、加工・流通業者B12は、この端末装置21bから送られてくる2次元バーコードのデータを、自己が取り扱った牛肉に表示するために印字出力するラベルプリンタ22bを有している。すなわち、加工・流通業者B12は、各流通段階で現在の(その時点の)取扱者情報とインデックス情報を順次付加して書き込んだ印字出力用の新たな2次元バーコードのデータを作成し、この作成した2次元バーコードのデータを印字出力して牛肉に新たに表示して流通させる必要がある。このため、加工・流通業者B12は、管理対象の牛肉に表示された2次元バーコードに書き込まれた情報(取扱者情報等)を読み取るリーダ部と、このリーダ部で読み取った情報コードに、現在この管理対象の牛肉を取り扱っている取扱者の情報(取扱者情報=加工・流通業者B12の名称)等を付加してコード化する情報コード作成部と、この作成した情報コードを管理対象の牛肉に表示するために印字出力する表示部とを備えた情報コード作成装置(バーコードリーダ20b、端末装置21b、ラベルプリンタ22b)を有する。この点は、次の加工・小売業者Cも同じである。
【0023】
加工・流通業者B12から牛肉を仕入れて小売する加工・小売業者C13は、仕入れた牛肉に表示された2次元バーコードを読み取るリーダ部であるバーコードリーダ20cを有する。また、読み取った2次元バーコードの情報を一時記憶し、読み取った情報に加工・小売業者C13の名称及び製造番号を加えた情報から印字出力用の2次元バーコードのデータを生成する端末装置21cを有する。また、加工・小売業者C13は、端末装置21cから送られてくる2次元バーコードのデータを、自己が取り扱った牛肉(小売用の商品)に表示するために印字出力するラベルプリンタ22cと、インターネット18と接続する通信手段24cと、を有している。すなわち、加工・小売業者C13も、請求項の情報コード作成装置(バーコードリーダ20c、端末装置21c、ラベルプリンタ22c)を有する。
【0024】
ASP会社15は、トレーサビリティに参加する取扱者の問合せ先(連絡先)と、契約した取扱者の出荷製品に関する情報(取扱情報)と、を蓄積するデータベース機能と、インターネット18を介した外部からのアクセスに対応するWWWサーバ機能とを備えたサーバ装置26と、インターネット18と接続する通信手段27と、を有している。具体的には、このサーバ装置26は、トレーサビリティに関する情報に対して、2次元バーコードの情報による問い合わせがあると、回答として、各取扱者の取扱情報へのリンクテーブル(取扱情報を取得するための情報、取扱情報に接続する情報)を作成して送信する機能、同じく、回答として、蓄積した取扱情報のなかから対応する取扱情報を検索して送信する機能を有する(WWWサーバ機能+データベース機能)。また、このサーバ装置26は、取扱者の端末装置から送信される前記取扱情報を受信して記憶部に蓄積する機能を有する。このサーバ装置26は、請求項の流通履歴管理装置に相当する。また、このサーバ装置26は、取扱情報を取得するための情報や取扱情報に接続する情報を作成して送信する場合は、後記する第4実施形態のファイル管理装置に相当するともいえる。
【0025】
生育履歴データベース16は、肉牛の生育段階での情報を蓄積するデータベース機能とインターネット18を介した外部からのアクセスに対応するWWWサーバ機能を備えたサーバ装置28と、インターネット18と接続する通信手段29と、を有している。
【0026】
加工・小売業者C13の店舗14には、無人の端末装置であるキオスク端末25が設置されている。
キオスク端末25は、例えば、図3に示すように、2次元バーコードを読み取るバーコードリーダ38と、情報画面とタッチパネルを組み合わせたタッチパネル画面35と、情報を入力するキーボード36と、タッチパネル画面35に表示される内容をプリントアウトする場合に利用する、印刷部37から構成されている。また、キオスク端末25はインターネット18と接続する通信手段を内蔵している。このキオスク端末25は、請求項の流通履歴の照会装置に相当する。
【0027】
次に、本発明を具現化した牛肉のトレーサビリティシステムの動作について、トレーサビリティで要求される情報が発生する時系列に合わせて説明する。
【0028】
牛肉の流通過程は、図1に示したように、繁殖農家1で生まれた肉牛が家畜市場2で肥育農家3に渡り、成牛となりと畜場4でと畜され、加工・流通業者5を経て消費者6に販売されるという経路をたどる。
この際の牛肉のトレーサビリティの情報は、前記のように肉牛のと畜を境界にして大きく2つに分けられる。
と畜前の肉牛に関する情報は、肉牛の個体識別番号をキーワードとする生育履歴管理システム7で管理され、と畜後の牛肉に関する情報は加工・流通履歴管理システム8で管理される。
【0029】
ここで初めに、図4を参照して、生育履歴管理システム7について詳しく説明する。
生育履歴管理システム7で用いられる生育履歴データベース16は、例えば、図4に示すように、肉牛が誕生する繁殖農家1から、肉牛がと畜されると畜場4までの肉牛の生育履歴情報を蓄積している。
肉牛の生育過程について、まず肉牛は繁殖農家1で誕生し、所定期間、繁殖農家1で生育された後、子牛のうちに家畜市場2において肥育農家3に売却される。
そして、肥育農家3において肉牛は成牛まで肥育され、と畜場4に出荷され、と畜された後で、加工・流通業者5に売却されるという経路である。
生育履歴データベース16は、肉牛の生育の各段階での情報を蓄積したものであり、繁殖農家1での情報を蓄積した繁殖農家データベース31と、家畜市場2での情報を蓄積した家畜市場データベース32と、肥育農家3での情報を蓄積した肥育農家データベース33と、と畜場4での情報を蓄積したと畜場データベース34と、から主に構成されている。
【0030】
繁殖農家1での情報は、例えば、図5に示される個体識別番号、生年月日、母牛の個体識別番号、性別、品種、飼養地名、飼養地の住所、生産者名、飼料給与情報、投薬歴、疾病歴、転出年月日及び転出先の情報からなり、これらの情報が1つのファイル40として繁殖農家データベースに蓄積されている。
【0031】
家畜市場2での情報は、例えば図6に示される個体識別番号、生年月日、母牛の個体識別番号、性別、品種、家畜市場名、取引年月日、出品者及び落札者名の情報からなり、これらの情報が1つのファイル41として家畜市場データベース32に蓄積されている。
【0032】
肥育農家3での情報は、例えば図7に示される個体識別番号、生年月日、母牛の個体識別番号、性別、品種、畜場名、畜場の住所、生産者名、飼料給与情報、投薬歴、疾病歴、転入年月日、転出年月日及び転出先の情報からなり、これらの情報が1つのファイル42として肥育農家データベース33に蓄積されている。
【0033】
と畜場4での情報は、例えば図8に示される個体識別番号、生年月日、母牛の個体識別番号、性別、品種、と畜場名、と畜場の住所、と畜年月日、出品者名、落札者名及び検査合格証明書の情報からなり、これらの情報が一つのファイル43として、と畜場データベース34に蓄積されている。
【0034】
以上の4つのデータベースに蓄積された1頭の肉牛に関する生育過程の情報は、肉牛に一意に付けられた個体識別番号をインデックス情報として関連付けられており、4つのデータベースを合わせて生育履歴データベース16として管理されている。
【0035】
また、生育履歴データベース16は、図2に示した消費者6の利用するキオスク端末25等から、生育履歴データベース16のWWWサーバ機能にインターネット18を介して生育履歴の情報の請求があると、請求された肉牛の個体識別番号をインデックス情報として、データベース機能により、その肉牛の情報を前記4つの各データベースから検索して各生育履歴情報へのリンクテーブルを作成し、WWWサーバ機能が通信手段29からインターネット18を介して消費者6の利用するキオスク端末25等に検索された情報を送信する。
【0036】
次に図1を参照して、と畜場4においてと畜された肉牛が、牛肉となって加工・流通業者5(加工・流通業者A11→加工・流通業者B12→加工・小売業者C13)を経由して消費者6に販売されるまでの情報を管理する、本発明のトレーサビリティシステムの中核をなす加工・流通履歴管理システム8の部分について詳しく説明する。
【0037】
本実施形態における加工・流通履歴管理システム8での、牛肉の加工・流通の過程は、例えば図9に示すように、まず加工・流通業者A11がと畜場4から枝肉45を受け入れ、加工・流通業者B12に受け渡す。
加工・流通業者B12は、受け入れた枝肉45を部分肉46に加工し、部位ごとに梱包して加工・小売業者C13に出荷する。
加工・小売業者C13は、入荷した部分肉46を、小売用パッケージ47に加工し、加工・小売業者C13の店舗にてこの小売用パッケージ47を消費者6に販売する。
以上のような加工・流通の経路を経て牛肉は最終的に消費者6まで届けられる。
【0038】
また、ここで加工・流通の経路の各段階において発生するトレーサビリティで要求される処理状況の情報を取扱情報48と呼び、牛肉がどのような経路で加工・流通されたかを表す情報をリレー情報49と呼んで、トレーサビリティに関する情報からリレー情報を分離する。
【0039】
また、リレー情報(取扱者情報)49は、取扱者の名称(加工・流通業者A11等の名称)とすることもできるが、本実施形態ではこのリレー情報49と取扱情報48を関連付けるインデックス情報として、取扱者が付けた加工牛肉の製造番号をリレー情報49と取扱情報48に重複して含める。従って、この製造番号と取扱者の名称をあわせてリレー情報(取扱者情報)49と呼ぶことにする。このようにすることで、リレー情報49から、取扱情報48を参照することができ、その牛肉がどのように取り扱われたのかというような、詳細を知ることが可能になる。
【0040】
なお、リレー情報49には経路を表す情報の他に適宜必要な情報を加えることができるものとし、本実施形態のようにリレー情報49と取扱情報48に重複する情報を持たせてもよいこととする。
【0041】
また、加工・流通の経路の各段階において、発生する取扱情報48は、加工・流通の経路の各段階(複数の流通段階)にかかわる各取扱者(11,12,13)のデータベースに蓄積さている。
【0042】
なお、取扱者のデータベースとは、情報を蓄積する機能を有するものを指しており、その手段としては、コンピュータ等の端末に蓄積する方法や、取扱者が契約したASP会社15のデータベース機能に蓄積する方法や、紙媒体の帳簿に記録する方法等、情報を蓄積する取扱者の環境に合わせて様々な形態が可能である。
本実施形態では、加工・流通業者A11は自前のサーバ装置23aのデータベース機能に加工・流通業者A11の取扱情報48aを蓄積し、加工・流通業者B12は紙媒体の帳簿に加工・流通業者B12の取扱情報48bを記録し、加工・小売業者C13は契約したASP会社15のサーバ装置26のデータベース機能に加工・小売業者C13の取扱情報48cを蓄積している。
【0043】
次に、加工・流通の過程における情報の流れを、図2と図9を参照して、牛肉の加工・流通の過程にあわせて説明する。
加工・流通業者A11は、と畜場4から枝肉45(取り扱いのために受け入れた牛肉)を受け入れる。
その際、受け入れた枝肉45の検査証明書等に記載された個体識別番号と、加工・流通業者A11の名称と、加工・流通業者A11が番号を付けた枝肉45の製造番号と、を含んだ情報をリレー情報49aとして、加工・流通業者A11が有している端末装置21aに入力し、2次元バーコードCaに変換(コード化)し、枝肉45を計量した重量の情報とともに、ラベルとしてラベルプリンタ22aから印刷する。
この印刷されたラベルをリレータグT(Ta)と呼び、リレータグTaは枝肉45に貼付される。リレータグTaを貼付された枝肉45は、加工・流通業者A11から、加工・流通業者B12に受け渡される。
なお、リレータグに用いる符号Tは、リレータグを総称する場合に用い、符号Taや後記する符号Tb等は、特定のリレータグを指し示す場合に用いる。この点は、符号Cを用いる2次元バーコード、符号48を用いる取扱情報、符号49を用いるリレー情報(取扱者情報等)についても同様である。
【0044】
次に、加工・流通業者A11から受け渡された半丸の枝肉45は加工・流通業者B12に受け入れられる(取り扱いのために受け入れられる)。この枝肉45は、加工・流通業者B12により、部位ごとに分割されて部分肉46となって出荷される。
【0045】
まず、加工・流通業者A11から受け入れられた枝肉45に貼付されたリレータグTaに印刷(表示)された2次元バーコードCaは、加工・流通業者B12が有するバーコードリーダ20bで読み取られる。
リレータグTaに表示された2次元バーコードCaの読み取りが終了すると、枝肉45は部位ごとに分割された部分肉46に加工される。
加工・流通業者B12が枝肉45を解体する前にバーコードリーダ20bで読み取った2次元バーコードCaの情報は、加工・流通業者B12の端末装置21bに一時記憶され、この情報に加工・流通業者B12の名称と、加工・流通業者B12が付けた部分肉46の製造番号と、を加えた情報を新たなリレー情報49bとして、2次元バーコードCbに変換され、加工された部分肉46を計量した重量の情報とともに、リレータグTbとしてラベルプリンタ22bから印刷する。
加工・流通業者B12は、この印刷された、例えば、図10に示されるリレータグTbを、加工された部分肉46をラッピングする際に貼付(表示)する。
【0046】
図10に示されたリレータグTbには、リレー情報49bを変換した2次元バーコードCbと、部分肉の重量と、部分肉の部位を表す品名と、加工・流通業者Bが付けた部分肉の製造番号と、部分肉の加工された時間である製造日と、が印刷されている。
【0047】
ところで、1つの枝肉45は、複数部位の部分肉46に分割されることとなるが、分割される前の枝肉45のリレー情報49aにそれぞれの部位の部分肉46の製造番号を付加して印刷することで、容易にリレータグTbを複製することができる。
【0048】
なお、第1実施形態では、加工・流通業者B12が牛肉を加工する際の取扱情報48bは、紙媒体である管理帳簿に記録される。加工・流通業者B12の取扱情報48bは、例えば、図11に示すように部分肉46の製造番号、仕入先、仕入年月日、個体識別番号、加工処理年月日、処理時刻、処理に使われたナイフ番号、ナイフの消毒記録、加工処理場所、処理台番号、個体識別番号と製品番号の照合記録、出荷先、出荷年月日及び出荷トラック番号と、が含まれる。
この取扱情報48bに含まれる部分肉46の製造番号と、リレー情報49bに含まれる部分肉46の製造番号がインデックス情報に該当し、この製造番号により、加工・流通業者B12のリレー情報49bと取扱情報48bが関連付けられている。
【0049】
次に、加工・流通業者B12から出荷された部分肉46は、加工・小売業者C13に入荷される(取り扱いのために受け入れられる)。この部分肉46は、加工・小売業者B13により小売用パッケージ47に加工されて、消費者6に販売される。
【0050】
ここで、加工・小売業者C13での物と情報の流れを図2と図9を参照して詳しく説明すると、まず、入荷した部分肉46は開梱され、部分肉46に貼付されたリレータグTbの2次元バーコードCbは、加工・小売業者C13が有するバーコードリーダ20cで読み取られ、加工・小売業者C13の端末装置21cに一時記憶される。
リレータグTbの読み取りが終了した後で、部分肉46のラッピングを開封し、部分肉46は、小売用パッケージ47に加工される。
加工・小売業者C13は、加工する部分肉46を開封する前にバーコードリーダ20cで読み取った情報に、加工・小売業者C13の名称と、加工・小売業者C13が付けた小売用パッケージ47の製造番号と、を加えた最終的なリレー情報49cを2次元バーコードに変換され、加工された小売用パッケージ47の牛肉を計量した重量の情報とともにラベルプリンタ22cから印刷し、印刷された、例えば、図12に示される商品表示シールTcを、小売用パッケージ47に貼付する。
商品表示シールTcを貼付された小売用パッケージ47は、店頭に並べられ、消費者6は、この小売用パッケージ47の形で牛肉を購入する。
【0051】
加工・小売業者C13が部分肉46を加工・小売する際の取扱情報48cは、加工・小売業者C13が契約したASP会社15のサーバ装置26のデータベース機能に蓄積される。取扱情報48cは、小売用パッケージ47の製造番号、商品名、仕入先、仕入年月日、荷降し記録、個体識別番号、加工処理年月日、処理時刻、処理に使われたナイフ番号、ナイフの消毒記録、加工処理場所、処理台番号、及び個体識別番号と製品番号の照合記録と、を含んでいる。
この取扱情報48cに含まれる小売用パッケージ47の製造番号と、リレー情報49cに含まれる小売用パッケージ47の製造番号がインデックス情報に該当し、この製造番号により加工・小売業者C13のリレー情報49cと取扱情報48cが関連付けられている。
【0052】
本実施形態では、予めトレーサビリティに参加する取扱者の問合せ先をASP会社15のデータベース機能に蓄積することができる。問合せ先には、各取扱者の名称と、取扱者のデータベースのURLや、電子データで取扱情報を保持していない取扱者であれば、例えば、電話番号やEメールアドレスが含まれる。サーバ装置26への問合せ先の蓄積(情報の登録)は、例えばFTP(File Transfer Protocol)を用いて行うことができる。
【0053】
ちなみに、本実施形態における加工・小売業者C13は、ASP会社15と取扱情報48cの蓄積を契約した取扱者である。加工・小売業者C13は、加工段階で発生する小売用パッケージ47の製造番号、商品名、仕入先、仕入れ年月日、荷降し記録、個体識別番号、加工処理年月日、加工処理場所、加工方法、個体識別番号と製品番号の照合記録及び梱包記録を含んだ取扱情報48cを、加工・小売業者C13の通信手段24cからインターネット18を介してASP会社15のサーバ装置26のデータベース機能にアップロードし、蓄積する。なお、この商品(小売用パッケージ47)が加工・流通業者A11→加工・流通業者B12→加工・小売業者C13を経てきたことの流通履歴は、図9に示すように、2次元バーコードCcにコード化して書き込まれている。
【0054】
ASP会社15は、所定の期間、この取扱情報48cを保持し、この牛肉に関するトレーサビリティの情報が消費者6等から請求された場合には、取扱情報48cのうち予め公開することを取り決めておいた情報を、インターネット18を介して請求者に送信する。
【0055】
次に図2、図3、図9、図13を参照して、消費者6が、加工・小売業者C13の店舗14にて販売される小売用パッケージ47の牛肉のトレーサビリティの情報を請求する手順を説明する。ここで、図13は、本実施形態の加工・流通履歴管理システムの情報の問い合わせにかかるフロー図である。
【0056】
まず、消費者6は、小売用パッケージ47に貼付された商品表示シールTc(図12参照)に印刷された2次元バーコードCcを、キオスク端末(照会装置)25のバーコードリーダ38から読み込ませて、キオスク端末25に入力する。ここでキオスク端末25は、入力された2次元バーコードCcの情報をリレー情報49cに変換する。
そして、キオスク端末25によって変換されたリレー情報49cは、キオスク端末25からASP会社15のサーバ装置(流通履歴管理装置)26に送信される(S100)。キオスク端末25から送信されるリレー情報49cのフォーマットの一例を、次の表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
ASP会社15のサーバ装置26は、受信したリレー情報49cと、サーバ装置26のデータベース機能に予め蓄積されていた問合せ先と照合し(S101)、例えば、図15に示される加工・流通履歴表示画面81を作成し、消費者6の利用するキオスク端末25に送信する(リンクテーブル送信、S102)。
【0059】
ここで、図15に示す、加工・流通履歴表示画面81は、取扱者ごとの取扱情報にリンクされた、取扱情報請求ボタン82(82a,82b)と、電子データで取扱情報48を保持していない取扱者の問合せ先の表示83と、リレー情報49cに含まれる個体識別番号から生育履歴管理データベース16に肉牛の生育履歴情報を請求する生育履歴情報請求ボタン84とを含んで構成される。この加工・流通履歴表示画面81は、請求項の取扱者情報を表示する画面と取扱情報を呼び出す画面に相当する。
【0060】
消費者6は、キオスク端末25のタッチパネル画面35に表示された加工・流通履歴表示画面81を見て、加工・流通業者A11の取扱情報48aを請求するものとする。この場合、消費者6は、加工・流通履歴表示画面81の取扱情報請求ボタン82aをタッチする。すると、加工・流通業者A11のサーバ装置23aに取扱情報請求が送信される(S103)。加工・流通業者A11のサーバ装置23aは、送信された取扱情報請求を受信し、データベースに蓄積された取扱情報のなかから対応する取扱情報48aを検索し、これをキオスク端末25に送信する(S104)。この取扱情報は、キオスク端末25に受信され、タッチパネル画面35に表示される(S105)。これにより、消費者6は、自分が購入しようとしている(或いは購入した)小売用パッケージ47の牛肉が、加工・流通業者A11でどのように取り扱われたかを知ることができる。
【0061】
また、消費者6が、キオスク端末25のタッチパネル画面35に表示された加工・流通履歴表示画面81を見て、流通・加工業者C13の取扱情報48cを請求するとする。この場合、消費者は、加工・流通履歴表示画面81の取扱情報請求ボタン82bをタッチする。すると、取扱情報請求はASP会社15のサーバ装置26に送信される(S106)。サーバ装置26は、送信された取扱情報請求を受信し、データベースに蓄積された取扱情報のなかから対応する取扱情報48cを検索し、これをキオスク端末25に送信する(S107)。この取扱情報は、キオスク端末25に受信されタッチパネル画面35に表示される(S108)。これにより、消費者6は、自分が購入しようとしている小売用パッケージ47の牛肉が、加工・小売業者Cでどのように取り扱われたかを知ることができる。
【0062】
また、例えば、本実施形態の加工・流通業者Bのように、請求された取扱者の取扱情報48が電子データではない場合は、図15の符号83に示すように、問合せ先として、例えば、取扱者の電話番号やEメールアドレス等と、取扱者の製造番号を表示する。この場合、消費者6は、電話やEメール等を使って直接、取扱者に取扱情報48を問い合わせることができる。
つまり、消費者6は、自分が購入しようとしている小売用パッケージ47の牛肉が、と畜後、どのように取り扱われてきたかの履歴を詳細に知ることができる。この点は、取扱者等にとっても同じであり、自己が仕入れた牛肉の履歴を川上から川下に亘って詳細に知ることができる。
【0063】
また、図13のステップS115からS123に示すように、消費者6が生育履歴の情報を請求する場合には、消費者6の利用するキオスク端末のタッチパネル画面35に、加工・流通履歴表示画面81が表示された状態で、生育履歴情報請求ボタン84を押圧する。
すると、この生育履歴情報請求ボタン84は、生育履歴データベース16にリンクされており、2次元バーコードCcの情報からキオスク端末25が変換したリレー情報49cに含まれる個体識別番号は、キオスク端末25からインターネット18を介して、生育履歴データベース16に送信される(S115)。
【0064】
そして、生育履歴データベース16では、受信した個体識別番号から肉牛の生育履歴情報を検索し(S116)、生育履歴データベース16のWWWサーバ機能が、消費者6が利用するキオスク端末25に、例えば、図16に示すような請求された肉牛の各生育段階の生育履歴情報へのリンクテーブルである生育履歴画面85を送信する(S117)。
【0065】
ここで、生育履歴画面85には各生育段階での生育履歴情報へリンクされた生育履歴情報表示ボタン86が含まれ、図4に示した生育履歴データベース16内の各データベースの肉牛の生育履歴情報にリンクされており、消費者6が所望の成育段階での成育履歴情報表示ボタン86を押圧して請求すると(S120)、生育履歴データベース16のWWWサーバ機能は、請求されたリンクの生育履歴情報を検索する(S121)。そして、検索された生育履歴情報を消費者6の利用するキオスク端末25に送信し(S122)、生育履歴情報を受信したキオスク端末25は、タッチパネル画面35に請求された生育履歴情報を表示する(S123)。
【0066】
以上のように、本第1実施形態によると、消費者6は、容易な操作でキオスク端末25を使用して購入する牛肉のトレーサビリティの情報を入手することができる。この牛肉のトレーサビリティの情報には、生育過程と加工・流通過程の詳細な取扱情報が網羅されており、消費者6は必要に応じて、牛肉の各取扱段階における詳細な情報まで請求することができる。また、加工・流通過程においてトレーサビリティに参加する取扱者は、最低限、リレー情報49のみを加工・流通の次の段階にあたる取扱者に伝達できればよい。各取扱者の取扱情報は、自社のサーバに蓄積する方法や、契約したASP会社15のサーバ装置26に蓄積する方法や、管理帳簿を作って手書きで情報を蓄積する方法等、取扱者の環境に合わせて選択することができる。そのため取扱者は、最低限の投資でトレーサビリティの仕組みに参加することができる。
【0067】
また、リレー情報49を伝達する手段に、2次元バーコードCを印刷されたリレータグTを用いることにより、ICチップ等によるリレータグに比べて、その(リレータグTの)複製が容易であり、かつ、複製にかかる費用も極めて低く抑えることができる。このため本実施形態のように生鮮品が加工・流通段階で分割されていくような場合であっても、柔軟に対応することができる。また、2次元バーコードの読み取りの自由度の高さや、データ領域の欠損に強い特性から、加工・流通に関係する取扱者のハンドリングも容易である。
ちなみに、本実施形態では、リレータグTは流通段階ごとに貼り替えられるが、このリレータグTのようなラベルの貼り替えは、取扱対象の牛肉を計量する計量器と連動してラベルを印刷し、牛肉をリパックする作業で一般的に、或いは必然的に行われる行為である。このため、貼り替える作業は、従来の作業の流れに沿っており、取扱者として負担にはならないといえる。それよりも、リレータグTを貼ることにより、安価にトレーサビリティシステムを提供できるメリットの方がはるかに大きいといえる。
【0068】
なお、本実施形態では消費者が利用する端末装置の例として、図3に示すような店舗に独立して設置されるキオスク端末25を示したが、例えば、図17に示すような生鮮品のショーケースにリーダ部73と表示部72備えた端末装置71も考えられる。この場合、消費者6は、小売用パッケージ47を選ぶ際に、ショーケース上部に設置されたリーダ部73に小売用パッケージ47に貼付された商品表示シールTcの2次元バーコードCcをかざしてリレー情報49を読み込ませ、表示部72に表示されるトレーサビリティの情報を確認して商品を選ぶことができる。このように消費者6が利用する端末装置の形態は、本実施形態に限定されるものではない。
例えば、リレー情報49に関連付けて、調理方法等を消費者6が入手できるようにしておいてもよい。この場合は、例えばASP会社15のサーバ装置26に、リレー情報に対応付けて調理方法のデータを登録しておくことで対処することができる。
【0069】
また、本実施形態では消費者6がキオスク端末25を利用してトレーサビリティの情報を請求しているが、例えば、消費者6が牛肉を購入して、家庭等からトレーサビリティに関する情報(取扱情報48及びリレー情報49以外の生育履歴情報)を請求したい場合には、インターネットに接続できる、請求項の照会装置に相当する端末装置(例えばパソコン)を用いて生育履歴データベース16を利用することもできる。
その方法は、まず、図12に示した商品表示シールTcに印刷されたASP会社15のサーバ装置26のURLであるトレーサビリティ問合せ先(アクセス先)URL75を消費者6の端末装置のブラウザに入力する。
すると、消費者6の端末装置には図14に示した製品情報入力画面77が表示される。消費者6は、商品表示シールTcに印字された肉牛の個体識別番号76を個体識別番号入力領域79に入力し、検索開始領域80をクリックする。
ここで、検索開始領域80は、生育履歴データベースにリンクされており、個体識別番号入力領域79に入力された個体識別番号が生育履歴データベース16に送信される。生育履歴データベース16では送信された個体識別番号から、肉牛の生育履歴の情報を検索し、消費者6の端末装置に、図16に示す請求された肉牛の生育履歴画面85を送信する。消費者6は、各生育段階での生育履歴情報へリンクされた生育履歴情報表示ボタン86の中から所望の領域をクリックすることで所望の生育履歴情報を入手することができる。
【0070】
なお、2次元バーコードCは、漢字にして2000文字程度の情報を書き込むことができる。このため、キオスク端末35のように、インターネット(ネットワーク)18を介して問い合わせを行うことは必須ではない。すなわち、2次元バーコードCのリーダを備えていればスタンドアロンの装置でも、2次元バーコードCに記載されている範囲内においてトレーサビリティに関する情報(取扱情報48及びリレー情報49)を消費者6に知らせることができる。なお、リレー情報49は、前記したように、例えば「取扱者情報+インデックス情報」である。
【0071】
◎第2実施形態
次に本発明に係る第2実施形態について、図9、図18、図20等を参照して説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同一性のある部分については同一の番号を付して説明を省略する。
【0072】
前記説明した第1実施形態においては、消費者6は、加工・小売業者C13の店舗に設置された流通履歴の照会装置としてのキオスク端末25を利用して、トレーサビリティの情報を請求していた。一方、この第2実施形態では、このキオスク端末25に替えて、例えば、図18に示される、消費者6が有する端末装置21gを用いてトレーサビリティの情報を請求できるようにした。すなわち、この第2実施形態は、2次元バーコードを介することなく、消費者6がトレーサビリティに関する情報(特にリレー情報49)を、例えば、自宅のパソコン等から得ることができるようにした実施形態である。
【0073】
このため、第2実施形態は、最終的なリレー情報49cをASP会社15のサーバ装置26に蓄積する。また、加工・小売業者C13が、トレーサビリティ問合せ先を、商品表示シール87に表示して牛肉を販売する。
【0074】
以下、前記した概要を踏まえて、第2実施形態を説明する。
この第2実施形態でも、図4に示される生育履歴管理システムと、加工・流通履歴管理システムにおいて、図9に示される加工・小売業者C13が部分肉46を加工して小売用パッケージ47にするステップまでは、第1実施形態と共通のため説明を省略する。
【0075】
この第2実施形態では、加工・流通過程の最終段階にある加工・小売業者C13のリレー情報49を付加された最終的なリレー情報49cは、加工・流通業者C13の端末装置21cに一時記憶され、加工・流通業者C13の通信手段24cからインターネット18を介して、ASP会社15のサーバ装置26のデータベース機能に送信され、蓄積される。すなわち、前記した第1実施形態では、ASP会社15のサーバ装置26のデータベースには、トレーサビリティに参加する事業者の問合せ先と、契約した事業者の取扱情報48を蓄積していたが、この第2実施形態では、加工・流通過程の最終段階にある加工・小売業者C13のリレー情報49を、必須的に登録することとした。なお、サーバ装置26に送信されるリレー情報49cのフォーマットは、第1実施形態に例示したものと同様のものである。
【0076】
また同時に、加工・流通業者C13の端末装置22cは、加工した牛肉の小売用パッケージに貼付する、例えば、図19に示される商品表示シール87をラベルプリンタ22cから出力する。
ここで、商品表示シール87には品名、原料、製造者、製造年月日、価格の情報に加えて、トレーサビリティの問合せ先(アクセス先)のURL88と加工・小売業者C13が番号を付けた製造番号89と、が印字されている。ちなみに、第1実施形態では必須であった2次元バーコードは、この商品表示シール87には表示されていない。その一方で、トレーサビリティの問合せ先のURL88が必須的に表示される。なお、ここでのトレーサビリティの問合せ先のURL88は、取扱情報を取得するためのコンピュータシステムへのアクセス先に相当する。
【0077】
次に、図9、図18と図20を参照して、消費者6がトレーサビリティの情報を検索する手順を説明する。なお、図18に示すように消費者6は、WWWを表示できるブラウザを備えた端末装置21gと、インターネット18と接続する通信手段24gを有しているものとする。
【0078】
まず、消費者6は、加工・小売業者C13から小売用パッケージ47の牛肉を購入する。消費者6が該牛肉のトレーサビリティの情報を知りたい場合は、小売用パッケージ47に貼付された商品表示シール87に印字されたトレーサビリティの問合せ先URL88を消費者6が使用する端末装置21g(例えばパソコン)のブラウザに入力し、ASP会社15のサーバ装置26にアクセスする。
すると消費者6が使用する端末装置21gのブラウザの画面には、例えば、図21に示される製品情報入力画面90が送信される。
【0079】
製品情報入力画面90は、プルダウンメニューやテキストボックスによって、加工・流通過程の最終段階となる小売業者の名称を入力する小売業者名入力領域91と、小売業者の付けた製造番号を入力する製造番号入力領域92と、入力された製造番号を送信する場合にクリックする検索開始ボタン93と、から構成され、消費者6は、購入した商品の小売業者名と製造番号をそれぞれ入力し、検索開始領域93をクリックすることにより、消費者6が牛肉を購入した小売店の情報を送信する(S110)。
【0080】
ASP会社15のサーバ装置26は、この加工・小売業者C13の名称と製造番号からなる情報を受信し、データベース機能が入力された加工・小売業者C13の名称と製造番号をインデックス情報としてリレー情報49を検索する(S111)。
ASP会社15のサーバ装置26は、検索されたリレー情報49に基づいて各取扱情報へのリンクを貼った、例えば、図15に示される加工・流通履歴画面81を作成し、消費者6が使用する端末装置に送信する(S112)。
以下、消費者6は、第1実施形態と同様の操作で所望の取扱情報48を参照することができる。
【0081】
なお、本実施形態において消費者の端末装置21gは、インターネット18に接続でき、WWWを表示できる機能を備えたものであればよいため、つまり、バーコードリーダは必要ではない。このため、店頭に設置されたキオスク端末や、PDA(Personal Digital Assistant)端末、ブラウザ機能を持った携帯電話等、端末の形態を問わない。
【0082】
以上のように本実施形態によると、第1実施形態の効果に加えて、店頭に設置された端末装置等のようにバーコードリーダを備えた端末装置が利用できない場合においても、消費者が容易な操作で家庭等から流通管理履歴システムを利用することができる。
また、ASP会社のサーバ装置にリレー情報49が蓄積されるため、ASP会社は、蓄積されたリレー情報49を基に効率的な物流のアドバイス等を行うことができる。
なお、商品表示シール87に情報コードを表示しない例を示したが(図20参照)、商品の売上管理用等に、該シール87に第1実施形態と同様に2次元バーコードを表示するようにしてもよい。また、2次元バーコードではなく、1次元バーコード(例えばJANコード)を表示するようにしてもよい。
【0083】
◎第3実施形態
次に本発明に係る第3実施形態について、図2、図9等を参照して説明する。なお、本実施形態において第1実施形態や第2実施形態と同一性のある部分については同一の番号を付して説明を省略する。
【0084】
前記した第1実施形態においては、加工品(牛肉)の製造番号と取扱者の名称をリレー情報49として2次元バーコードCを作成し、加工・流通される牛肉に貼付して表示していた。一方、この第3実施形態では、加工品の製造番号と取扱者の名称に加えて、取扱者の問合せ先(連絡先)を含めた情報をリレー情報49として、2次元バーコード(情報コード)を作成し、加工流通される牛肉に貼付することを特徴としている。
【0085】
なお、問合せ先とは、例えば生育履歴データベース16のURL等である。また、加工・流通業者A11のように取扱者が独自に取扱情報を蓄積したデータベースを有している場合には、例えば取扱者のデータベースのURL等(つまり取扱情報を取得するためのコンピュータシステムへのアクセス先)である。また、加工・小売業者C13のように契約したASP会社15に取扱情報が蓄積されている場合は、例えばASP会社15のサーバ装置26のURL等である。また、電子データで取扱情報を持たない加工・流通業者B12のような取扱者であれば、問合せ先は、例えば取扱者の電話番号やファックス番号等である。なお、問合せ先は、生鮮品の識別番号やID等と組み合わせることにより、取扱情報にアクセスするための(取扱情報を呼び出すための)インデックス情報とされることもある(表2参照)。
【0086】
図9に示される加工・流通の段階を経て、各取扱者がリレー情報49を付加した、例えば、図22に示される最終的なリレー情報49c’には各取扱者の問合せ先が付加されている。
そして、最終的なリレー情報49c’は加工・小売業者C13の端末装置21cによって2次元バーコードCcに変換され、ラベルプリンタ22cから図12に示される商品表示シールTcとして印刷され、小売用パッケージ47に貼付されて店頭にて消費者6に販売される。
【0087】
ここで、図2、図3と図9を参照して、消費者6がトレーサビリティの情報を検索する手順を説明する。
【0088】
まず、消費者6は、加工・小売業者C13の店舗14に設置されたキオスク端末25のバーコードリーダ38を使って、トレーサビリティの情報を請求する牛肉の小売用パッケージ47に貼付された商品表示シールTcに印字された2次元バーコードCcを読み取る。
キオスク端末25は読み取った2次元バーコードCcをリレー情報49c’に変換し、変換されたリレー情報49c’に基づいて、リンクテーブルを作成し、例えば、図15に示される加工・流通履歴表示画面81をキオスク端末25のタッチパネル画面35に表示する。
以下、消費者6は第1実施形態と同様の操作で所望の取扱情報を参照することができる。
【0089】
以上のように本実施形態によると、第1実施形態の効果に加えて、ASP会社15に問い合わせることなくトレーサビリティの情報を取得することができる。このため、トレーサビリティシステムを統括して運営する機関の必要がなくトレーサビリティシステムを安価に構築することができる。
【0090】
また、図22の情報を紙に印刷する、或いは、画面に表示するだけで、検索機能等を有しないスタンドアロンの装置、つまりリーダ部と出力部と制御部だけを備える流通履歴の照会装置としてもよい。
【0091】
◎第4実施形態
次に、本発明に係る第4実施形態について、図23等を参照して説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態等と同一性のある部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0092】
この第4実施形態は、図23に示すように、取扱情報を記憶する専用のサーバを有しないピアツーピアの流通履歴照会方法(流通履歴照会システム)の実施形態である。すなわち、図23の流通履歴照会システムは、生鮮品の取扱者が管理対象の生鮮品をどのように取り扱ったかを示す取扱情報を、この取扱情報を呼び出すためのインデックス情報と対応付けて記憶するネットワークを介して接続された複数の取扱情報記憶装置と、この取扱情報を照会する複数の照会装置と、インデックス情報に対応する取扱情報を、当該取扱情報を記憶する前記取扱情報記憶装置から取得するための情報(接続情報)を記憶する1以上のファイル管理装置とにより、構成されている。また、取扱情報記憶装置のうち、少なくとも1つは、複数の取扱業者の取扱情報とインデックス情報を対応付けて記憶している。なお、情報コードには、取扱者情報に加えて、取扱者がこの情報コードが表示された生鮮品をどのように取り扱ったかを示す取扱情報を呼び出すためのインデックス情報が取扱者ごとに付加されている。
【0093】
この流通履歴照会システムの動作を説明する。まず、例えば加工・小売業者C13の店頭等で手にした生鮮品がどのように取り扱われたかを知りたい場合は、店頭等に置かれた照会装置(例えばリーダ部と表示部が陳列棚に備えられた照会装置)のリーダ部に生鮮品に表示された情報コードを読み取らせる。すると、読み取った情報コードに書き込まれた取扱者情報を表示する画面が、端末装置が備える表示装置の画面に表示される(図24参照)。取扱者情報を表示とは、図24に示すように、例えば図2の加工・流通業者A11の名前、加工・流通業者B12の名前、加工・小売業者C13の名前を表示することである。なお、例えば加工・小売業者C13の名前だけ等、取扱者情報の一部だけを表示することとしてもよい。また、情報コードを照会装置に読み取らせると、図24に示すように、取扱者の名前に加えて連絡先等(問合せ先)を表示するようにしてもよい(つまり取扱者名とその問合せ先とが画面表示されるようにしてもよい)。連絡先等を表示する場合は、予め情報コードに連絡先等が記憶されているものとする。
【0094】
また、表示装置の同一画面(取扱者情報を表示しているのと同一画面)にインデックス情報に基づいて取扱情報を呼び出す画面が表示される(例えば図24に示すように取扱者ごとに取扱情報表示ボタンが表示される)。なお、この取扱情報を呼び出す画面は、取扱情報を表示する画面とは別画面になっていてもよい。また、照会装置は、読み取った情報コードの内容を全部表示する必要は必ずしもない。また、インデックス情報は、画面に表示するようにしてもよいし、表示するようにしなくてもよい。表示するようにした場合(図24参照)は、例えば紙等に書き留めたり印刷したりすることで、後で再度問合せするとき等に都合がよい。
【0095】
ここで、取扱情報を呼び出す画面の操作を行うと、具体的には図24に示すように、画面に表示された「取扱情報表示ボタン」を選択実行すると、図23に示すようにインデックス情報を含む照会情報がファイル管理装置に送信される(S201)。ファイル管理装置では、インデックス情報と接続情報(インデックス情報に対応する取扱情報を取得するための情報)が関連付けて記憶されているデータベースと照合して、該当する接続情報を照会装置に返信する(S202)。照会装置は、この接続情報を受信すると、この接続情報に基づいて、目的とする取扱情報を記憶する取扱情報記憶装置と通信してインデックス情報を取扱情報取得要求として送信する(S203)。このインデックス情報を送信された取扱情報記憶装置は、データベースと照合してインデックス情報に対応する取扱情報を照会装置に返信する(S204)。これにより、照会装置が備える表示装置には取扱情報が画面表示され、加工・小売業者C13の店頭等で手にした生鮮品がどのように取り扱われたかを、その場で知ることができる。もちろん、加工・小売業者C13で生鮮品がどのように取り扱われたかの情報ばかりでなく、加工・流通業者A11や加工・流通業者B12で生鮮品がどのように取り扱われたかの情報も知ることができる。
【0096】
なお、ここでは、ステップS201のファイル管理装置への照会情報の送信、ステップS203の取扱情報記憶装置へのインデックス情報の送信は、照会装置の問合せ部を介して行われる。また、ステップS202のファイル管理装置から送信される接続情報の受信、ステップS204の取扱情報記憶装置から送信される取扱情報の受信は、照会装置の回答受信部を介して行われる。ちなみに、取扱情報記憶装置は、請求項の流通履歴管理装置にも相当するともいえるものである。この流通履歴管理装置は、例えばASPが業として複数の取扱者の取扱情報を記憶するものであってもよい。また、ファイル管理装置をASPが業として運用等してもよい。また、照会装置が取扱情報記憶装置を兼ねることもできる。
【0097】
このように、順次情報が付加された情報コードを利用することで、トレーサビリティシステムを安価に構築することできる。また、トレーサビリティシステムを自律分散的に、柔軟性を持たせて構築することができる。なお、この効果は他の実施形態についてもいえることである。
【0098】
次に表2を示す。この表2は、問合せ先を含む一意なインデックス情報の例を示している。この表2で、インデックス情報が一意でない場合とは、インデックス情報が流通履歴照会システムでグローバルなものではなく、例えば、ある取扱者だけに通用するローカルなものということである。
【0099】
【表2】
【0100】
ちなみに、インデックス情報を一意にするためには、適宜取扱者名等を元のインデックス情報に付加することとしてもよい。例えば、複数の取扱者が同一製造番号の生鮮品等を取り扱う場合に、取扱者名をインデックス情報に含ませることで、目的とするある取扱者の取扱情報を、他の取扱者の取扱情報と確実に区別して記憶することができる。
【0101】
なお、ファイル管理装置は複数存在してもよい。複数存在する場合は、後記するように、情報コードにアクセス先を記載し、照会装置がこの情報コードを読み取り(照会装置にこの情報コードを読み取らせ)、照会装置が情報コードに記載されたアクセス先のファイル管理装置と通信するようにしてもよい。
【0102】
以上、本発明に係る実施形態を説明してきたが、本実施形態では生鮮品のうち牛肉に本発明を適用した例を記述したが、本発明はもちろん生鮮4品(青果、水産物、食肉、花き)、いずれにも適用可能である。
【0103】
また、本実施形態ではリレー情報を付加したリレータグを生鮮品に一対一で貼付(表示)したが、ロット単位で同一の加工・流通段階を経るものであれば、仕向け先別出荷ロットごとにリレータグを貼付することができる。この場合、小売の段階で小売用パッケージに商品表示シールを貼付する等の方法で、全ての生鮮品に対して、消費者にリレー情報を伝えることになる。
【0104】
また、生鮮品が加工・流通過程で分割されない場合は、生育履歴管理システムの個体識別番号のように、生鮮品に一意な情報をリレー情報として、トレーサビリティシステムを構築できる。この場合、生鮮品に一意な情報が取扱情報のインデックス情報となるため、流通・加工の各段階において、リレー情報に取扱者を特定する情報を付加する必要はない。
【0105】
また、本実施形態では生産者に関する情報まで遡及できるトレーサビリティシステムについて記述したが、輸入牛肉等の輸入生鮮品の場合は、輸出元の業者が本発明に係る加工・流通履歴管理システムの一番上流の取扱者(本実施形態では加工・流通業者Aにあたる)として参加することでトレーサビリティシステムを構築することができる。
その際、輸入生鮮品の生産国が実施する生育履歴管理システムが利用できるならば、本実施例と同様に、生育履歴まで参照できるトレーサビリティシステムを構築できる。
【0106】
また、前記した実施形態では、運輸業者(業務用・宅配用)等の説明は、行わなかったが、運輸業者も含めて生鮮品のトレーサビリティシステムを構築することもできる。
【0107】
また、近年は、カメラ付きの携帯電話等が販売されているが、例えばこのカメラ付き携帯電話やカメラ付きのPDA等の携帯端末装置を流通履歴の照会装置としてもよい。この場合は、カメラをリーダ部とし、表示パネルを出力部とし、CPUを制御部とする。そして、2次元バーコードの内容をカメラで読み取ってCPUで処理し、表示パネルに2次元バーコードの内容(取扱情報48、リレー情報49)を表示する構成とすることができる。これによれば、消費者は、例えば店頭に並んでいる商品(生鮮品)のトレーサビリティの情報を、手軽に知ることができる。また、公的機関による生鮮品の検査にも適用することができる。もちろん、携帯電話等の通信機能を利用して、取扱情報を外部に問い合わせることができるように構成することもできる。
【0108】
また、本実施形態では図2に示すように、生育履歴データベースが独立してインターネットに接続されているが、ASP会社のサーバ装置のデータベース機能に、生育履歴データベースの情報を蓄積して、ASP会社のサーバ装置が生育履歴データベースを兼ねてもよい。また、ASP会社は複数あってもよい。ちなみに、ASP業者が複数あるということは、例えば次の2つのパターンが考えられる。1つは、ASP業者は複数いるが、ある品物の流通にかかわる加工・流通業者は同一のASP業者と契約している場合である。2つ目は、ある品物の流通にかかわる加工・流通業者が、異なるASP事業者と契約している場合である。この何れにも本発明は適用できる。
【0109】
また、第4実施形態では、ファイル管理装置を必要としたが、例えばグヌーテラ(Gnutella)のようなファイル交換ソフトを用いることで、ファイル管理装置を用いないピアツーピアの実施形態としてもよい。この場合、端末同士でファイル(取扱情報)の検索・交換を行えるだけでなく、相手の接続している端末(相手が接続されている端末)の情報を得て、さらに別の端末と自動的に接続することができる。この場合でも、取扱情報の検索等は、情報コードに基づいて行われる。
【0110】
なお、第1実施形態において、取扱情報を取得するためのサーバ装置26が単一の場合の例を説明したが、サーバ装置26が複数の場合は、情報コードにコンピュータシステムたるサーバ装置26へのアクセス先(URL、IPアドレス)をあわせて書き込み、キオスク端末(照会装置)25が通信すべきサーバ装置26を特定できるようにするとよい。この場合は、キオスク端末25は、情報コードに書き込まれたアクセス先に通信する機能を備えることとする。こうすることで、アクセス先のサーバ装置26は、情報コードに書き込まれたインデックス情報に基づいて対応する取扱情報を取得し(或いはリンクテーブルを作成し)、キオスク端末25に回答(キオスク端末25に画面表示)することができる。また、サーバ装置26が単一であっても、例えばキオスク端末25が多用途のもので、通信すべきサーバ装置26のアクセス先が登録されていない場合等は、情報コードにアクセス先を書き込んでおくと、キオスク端末25は、円滑にサーバ装置26にアクセスすることができる。
【0111】
また、サーバ装置26が複数の場合は、情報コードにアクセス先を書き込む代わりに、第4実施形態のようなファイル管理装置を設け、例えばファイル管理装置が表1に示すようなリレー情報49(49c)をキオスク端末25から受信すると、ファイル管理装置が、通信すべきサーバ装置26のアクセス先をキオスク端末25に返信し、キオスク端末25とアクセス先となるサーバ装置26とが通信するようにしてもよい。
また、ファイル管理装置がリレー情報49(49c)を受信すると、キオスク端末25が通信すべきアクセス先のサーバ装置26を設定し、キオスク端末25からのリレー情報49(49c)を設定したアクセス先のサーバ装置26に転送するようにしてもよい。
【0112】
すなわち、情報コードに、取扱情報を取得するためのコンピュータシステム(サーバ装置26、ファイル管理装置)へのアクセス先をあわせて書き込み(インデックス情報を構成する情報として書き込み)、照会装置(キオスク端末25)がこのインデックス情報に基づいて、インデックス情報に対応する取扱情報を、通信機能を介して呼び出して画面表示するようにしてもよい。一方、情報コードにアクセス先を書き込まない場合は、アクセス先を設定するファイル管理装置を設けることで、照会装置がインデックス情報とアクセス先とに基づいて、インデックス情報(例えば製造番号)に対応する取扱情報を、通信機能を介して呼び出して画面表示するようにしてもよい。なお、ファイル管理装置は、照会装置(キオスク端末25)やサーバ装置26が兼ねるようにして設けてもよいし、独立して設けてもよい。
【0113】
なお、前記各実施形態において、「問合せ先」は、トレーサビリティの情報(取扱情報)を取得する際に用いる、電話番号、ファックス番号、Eメールアドレス、URL、IPアドレス等である。例えば、問合せ先が電話番号であれば、その電話番号に電話をかけ、インデックス情報の一部を構成する製造番号等を告げることでトレーサビリティの情報を取得する。
また、前記実施形態において、「アクセス先」は、トレーサビリティの情報(取扱者情報)を取得するためのコンピュータシステムにアクセスするためのURL、IPアドレス等である。ここで、コンピュータシステムは、第1実施形態等のサーバ装置、第4実施形態のファイル管理装置、取扱情報記憶装置等が該当する。
【0114】
また、インデックス情報と問合せ先(アクセス先)との関係について、インデックス情報が製造番号等と問合せ先を含んで構成されることとしてもよいし(つまりインデックス情報の構成として問合せ先が書き込まれることしてもよいし)、問合せ先がインデックス情報とは独立して取り扱われることとしてもよい。
【0115】
【発明の効果】
本発明によれば、生鮮品の加工・流通に関係する全ての取扱者が、低いコストで参加できる、生鮮品のトレーサビリティシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トレーサビリティシステムの概略を表す説明図である。
【図2】 トレーサビリティシステムの構成を表す説明図である。
【図3】 キオスク端末の例を表す図である。
【図4】 生育履歴管理システムの概略を表す説明図である。
【図5】 繁殖農家での情報を表す図である。
【図6】 家畜市場での情報を表す図である。
【図7】 肥育農家での情報を表す図である。
【図8】 と畜場での情報を表す図である。
【図9】 加工・流通過程を表す説明図である。
【図10】 ラベルプリンタから印刷されたリレータグを表す図である。
【図11】 加工・流通業者Bの取扱情報を表す図である。
【図12】 ラベルプリンタから印刷された商品表示シールを表す図である。
【図13】 消費者の情報取得の手順を示したフロー図である。
【図14】 ASP会社のサーバ装置にアクセスしたブラウザ画面を表す図である。
【図15】 取扱情報へのリンク情報のブラウザ画面を表す図である。
【図16】 生育履歴情報へのリンク情報のブラウザ画面を表す図である。
【図17】 端末を内蔵したショーケースの例を表す図である。
【図18】 トレーサビリティシステムの構成を表す説明図である。
【図19】 ラベルプリンタから印刷された商品表示シールを表す図である。
【図20】 消費者の情報取得の手順を示したフロー図である。
【図21】 ASP会社のサーバ装置にアクセスしたブラウザ画面を表す図である。
【図22】 最終的なリレー情報を表す図である。
【図23】 ファイル管理装置を用いたピアツーピアによる流通履歴照会方法を説明するブロック図である。
【図24】 取扱者情報を表示する画面と、取扱情報を呼び出す画面が同一画面として表示された例を示す図である。
【符号の説明】
1 繁殖農家
2 家畜市場
3 肥育農家
4 と畜場
5 加工・流通業者
6 消費者
7 生育履歴管理システム
8 加工・流通履歴管理システム
11 加工・流通業者A(取扱者)
12 加工・流通業者B(取扱者)
13 加工・小売業者C(取扱者)
14 店舗
15 ASP会社
16 生育履歴データベース
18 インターネット
25 キオスク端末(流通履歴の照会装置)
26 サーバ装置(流通履歴管理装置)
45 枝肉(管理対象の生鮮品)
46 部分肉(管理対象の生鮮品)
47 小売パッケージ(管理対象の生鮮品)
48 取扱情報
49 リレー情報(取扱者情報+インデックス情報)
C 2次元バーコード(情報コード)
Claims (17)
- 複数の流通段階を経て消費者に提供される生鮮品の各流通段階において、前記生鮮品の加工・流通履歴に関するデータが印刷物として前記生鮮品に表示された情報コードを読み取る読み取り部と、新たな情報コードのデータを作成する情報コードデータ作成部と、作成した情報コードのデータを印刷物としての情報コードとして印字出力する表示部とを備えた情報コード作成装置を配備して用い、
各流通段階において、受け取った生鮮品に表示され、その生鮮品を取り扱った上流側の流通段階の取扱者を特定する上流側の取扱者情報が少なくとも書き込まれて印字出力された印刷物としての情報コードを読み取り、この読み取った情報コードのデータに現在その生鮮品を取り扱っている取扱者の所定の情報を付加して新たな情報コードのデータを作成し、この作成した情報コードのデータを情報コードとして払い出し用の生鮮品に新たに印字出力して印刷物として表示すると共に、
生鮮品の加工・流通にかかわる情報を、加工・流通の経路の情報と、加工・流通の各段階での処理状況の情報である取扱情報とに、各流通段階で分離し、各取扱情報には当該取扱情報を特定するためのインデックス情報を付して管理する、生鮮品の流通履歴管理方法であって、
各流通段階に配備された前記情報コード作成装置は、現在その生鮮品を取り扱っている取扱者を特定する「当該流通段階における取扱者情報」及び現在の取扱者による処理の状況である取扱情報を特定する「当該流通段階における当該生鮮品のインデックス情報」を前記読み取った情報コードのデータに付加する機能を有するものであり、
前記情報コード作成装置は、
前記読み取り部を介して、受け入れた生鮮品に印刷物として表示された情報コードを読み取り、この読み取った情報を記憶手段に記憶する手順、
前記機能を有する情報コードデータ作成部を介して、前記記憶された情報コードのデータに含まれる「上流側の取扱者情報」に、前記所定の情報として、前記「当該流通段階における取扱者情報」を付加することで、過去から現在の取扱者情報が順次書き込まれたものとするとともに、前記記憶された情報コードのデータに含まれる「上流側のインデックス情報」に、前記「当該流通段階における当該生鮮品のインデックス情報」を付加することで、前記インデックス情報を各流通段階で前記取扱者情報に対応して過去から現在のインデックス情報が順次書き込まれたものとする新たな情報コードのデータを作成する手順、
前記表示部を介して、前記作成された情報コードのデータを、払い出し用の生鮮品に新たに表示する情報コードとして印字出力する手順、
をそれぞれ実行すること、
を特徴とする生鮮品の流通履歴管理方法。 - 複数の流通段階を経て消費者に提供される生鮮品の流通履歴を、各流通段階において、印字出力された印刷物としての情報コードを読み取る読み取り部と、新たな情報コードのデータを作成する情報コードデータ作成部と、作成した情報コードのデータを印刷物としての情報コードとして印字出力する表示部とを備えた情報コード作成装置を配備して用い、
加工・流通にかかわる情報を、流通の経路の情報と、加工・流通の各段階での処理状況の情報である取扱情報とに、各流通段階で分離し、各取扱情報には当該取扱情報を特定するためのインデックス情報を付して管理する生鮮品の流通履歴管理方法であって、
各流通段階に配備された前記情報コード作成装置は、現在その生鮮品を取り扱っている取扱者を特定する「当該流通段階における取扱者情報」及び現在の取扱者による処理の状況である取扱情報を特定する「当該流通段階における当該生鮮品のインデックス情報」を前記読み取った情報コードのデータに付加する機能を有するものであり、
各流通段階で、生鮮食品を取り扱う取扱者が取扱のために受け入れた管理対象の生鮮品について、
前記情報コード作成装置は、
前記読み取り部を介して、前記受け入れた生鮮品に印刷物として表示され、その生鮮品を取り扱った取扱者を特定する上流側の取扱者情報及び上流側のインデックス情報が書き込まれた情報コードを読み取り、この読み取った情報コードのデータを記憶手段に記憶し、
前記機能を有する情報コードデータ作成部を介して、前記記憶された情報コードのデータに含まれる前記「上流側の取扱者情報」に、前記「当該流通段階における取扱者情報」を付加するとともに、前記記憶された情報コードのデータに含まれる前記「上流側のインデックス情報」に、前記「当該流通段階における当該生鮮品のインデックス情報」を付加することで、過去から現在の取扱者情報及びインデックス情報のペアが順次書き込まれた新たな情報コードのデータを作成し、
前記表示部を介して、前記作成された情報コードのデータを、払い出し用の生鮮品に新たに表示する情報コードとして印字出力すること、
を特徴とする生鮮品の流通履歴管理方法。 - 前記情報コードが2次元的に印字出力して表示された2次元コードであること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生鮮品の流通履歴管理方法。 - 前記管理対象の生鮮品をそれぞれの流通段階で取り扱う際に、当該生鮮品が複数に分割される場合は、
前記情報コード作成装置は、
前記記憶手段に記憶した情報コードのデータを用いて、それぞれインデックス情報が異なる新たな情報コードのデータを作成し、分割後のそれぞれの生鮮品に表示する前記情報コードを印字出力すること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の生鮮品の流通履歴管理方法。 - 前記情報コードには、前記インデックス情報の構成として又は別構成として、前記取扱情報を取得するためのコンピュータシステムと通信する際に必要になるアクセス先が書き込まれていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の生鮮品の流通履歴管理方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の生鮮品の流通履歴管理方法において、
前記取扱情報のデータベースを記憶する記憶手段を備えた流通履歴管理装置が、
端末装置から送信される少なくとも1対の取扱者情報及びインデックス情報からなるリレー情報を、通信装置を介して受信すると、取扱者情報及びインデックス情報に対応付けて取扱情報を記憶したデータベースから対応する取扱情報を検索し、この検索した取扱情報を含む回答を作成し、通信装置を介して前記端末装置に送信すること、
を特徴とする生鮮品の流通履歴管理方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の生鮮品の流通履歴管理方法において、
前記取扱情報の問い合わせ先のデータベースを記憶する記憶手段を備えた流通履歴管理装置が、
端末装置から送信される少なくとも1対の取扱者情報及びインデックス情報からなるリレー情報を、通信装置を介して受信すると、取扱者情報及びインデックス情報に対応付けて取扱情報の問合せ先を記憶したデータベースから対応する取扱情報の問合せ先を検索し、この検索した取扱情報の問合せ先を含む回答を作成し、通信装置を介して前記端末装置に送信すること、
を特徴とする生鮮品の流通履歴管理方法。 - 前記流通履歴管理装置は、
取扱者の端末装置から送信される前記取扱情報を受信すると、前記記憶手段に蓄積すること、
を特徴とする請求項6または請求項7に記載の生鮮品の流通履歴管理方法。 - 前記流通履歴管理装置が、複数の取扱者の流通履歴に関する情報を記憶していること、
を特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の生鮮品の流通履歴管理方法。 - 管理対象の生鮮品に印刷物として表示された情報コードに書き込まれた内容を読み取るリーダ部と、
前記リーダ部で読み取った情報コードのデータを記憶手段に記憶し、この記憶したデータに、現在この管理対象の生鮮品を取り扱っている取扱者の取扱者情報を前記加工・流通の経路の情報として付加するとともに、当該流通段階における当該生鮮品の取扱情報を特定するためのインデックス情報を付加し、新たな情報コードのデータを作成する情報コードデータ作成部と、
前記情報コードデータ作成部によって作成された新たな情報コードのデータを、表示用の印刷物としての情報コードとして印字出力する表示部と、を備え、
請求項1に記載の生鮮品の流通履歴管理方法に使用される情報コードを作成する情報コード作成装置であって、
前記情報コードデータ作成部は、
現在その生鮮品を取り扱っている取扱者を特定する「当該流通段階における取扱者情報」及び現在の取扱者による処理の状況である取扱情報を特定する「当該流通段階における当該生鮮品のインデックス情報」を前記読み取った情報コードのデータに付加する機能を有するものであり、
前記記憶された情報コードのデータに含まれる「上流側の取扱者情報」に、前記所定の情報として、前記「当該流通段階における取扱者情報」を付加することで、過去から現在の取扱者情報が順次書き込まれたものとするとともに、前記記憶された情報コードのデータに含まれる「上流側のインデックス情報」に、前記「当該流通段階における当該生鮮品のインデックス情報」を付加することで、前記インデックス情報を各流通段階で前記取扱者情報に対応して過去から現在のインデックス情報が順次書き込まれたものとする新たな情報コードのデータを作成すること、
を特徴とする流通履歴管理用の情報コード作成装置。 - 前記管理対象の生鮮品に印刷物として表示された情報コードに書き込まれた内容を読み取るリーダ部と、
前記リーダ部で読み取った情報コードのデータを記憶手段に記憶し、この記憶した情報コードのデータに、現在この管理対象の生鮮品を取り扱っている取扱者の取扱者情報を少なくとも付加するとともに、当該流通段階における当該生鮮品の取扱情報を特定するためのインデックス情報を付加して、過去から現在の取扱者情報及びインデックス情報が順次書き込まれた新たな情報コードのデータを作成する情報コードデータ作成部と、
前記情報コードデータ作成部によって作成された新たな情報コードのデータを、表示用の印刷物としての情報コードとして印字出力する表示部と、を備え、
請求項2に記載の生鮮品の流通履歴管理方法に使用される情報コードを作成する情報コード作成装置であって、
前記情報コードデータ作成部は、
現在その生鮮品を取り扱っている取扱者を特定する「当該流通段階における取扱者情報」及び現在の取扱者による処理の状況である取扱情報を特定する「当該流通段階における 当該生鮮品のインデックス情報」を前記読み取った情報コードのデータに付加する機能を有するものであり、
前記記憶された情報コードのデータに含まれる前記「上流側の取扱者情報」に、前記「当該流通段階における取扱者情報」を付加するとともに、前記記憶された情報コードのデータに含まれる前記「上流側のインデックス情報」に、前記「当該流通段階における当該生鮮品のインデックス情報」を付加することで、過去から現在の取扱者情報及びインデックス情報のペアが順次書き込まれた新たな情報コードのデータを作成すること、
を特徴とする流通履歴管理用の情報コード作成装置。 - 前記表示部は、
前記管理対象の生鮮品に添付する情報表示媒体に、前記情報コードデータ作成部によって作成された情報コードのデータを情報コードとして印字出力する表示機能、及び前記管理対象の生鮮品の包装・容器・梱包材に前記情報コードデータ作成部によって作成された情報コードのデータを情報コードとして印字出力する表示機能の少なくとも一つを含むものであること、
を特徴とする請求項10または請求項11に記載の流通履歴管理用の情報コード作成装置。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の生鮮品の流通履歴管理方法において、
前記印刷物としての情報コードを利用して、生鮮品の流通履歴を照会する照会装置を備え、
前記照会装置は、
前記情報コードを読み取るリーダ部と、前記情報コードのデータを処理する情報処理部と、前記情報コードの内容を表示する表示部とを有し、
前記照会装置は、
前記リーダ部を介して、前記生鮮品の流通履歴管理方法の実施により作成された印刷物としての情報コードを読み取り、この読み取った情報コードのデータを記憶手段に記憶するステップ、
前記情報処理部を介して、前記記憶された情報コードのデータに基づいて、前記表示部に表示するデータを作成するステップ、
前記表示部を介して、前記情報処理部が作成したデータを表示するステップ、
を実行し、
前記表示部に表示するデータを作成するステップでは、過去から現在へと順次書き込まれたものである前記記憶手段に記憶された情報コードのデータに含まれる取扱者情報の順序に従って、当該生鮮品の流通経路を示すものとなる前記表示部に表示するデータを作成すること、
を特徴とする生鮮品の流通履歴管理方法。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の生鮮品の流通履歴管理方法において、
前記印刷物としての情報コードを利用して、生鮮品の流通履歴を照会する照会装置を備え、
前記照会装置は、
前記情報コードを読み取るリーダ部と、前記情報コードのデータを処理する情報処理部と、情報コードの内容を表示する表示部と、流通履歴管理装置と通信を行う通信部とを有し、
前記照会装置は、
前記リーダ部を介して、前記情報コードを読み取り、この読み取った情報コードのデータを記憶手段に記憶し、
前記情報処理部と前記通信部を介して、前記記憶された情報コードのデータのうち、少なくとも1対の取扱者情報及びインデックス情報からなるリレー情報を流通履歴管理装置に送信し、
前記流通履歴管理装置が、取扱者情報及びインデックス情報に対応付けて取扱情報を記憶したデータベースから前記送信されたリレー情報に対応する取扱情報を検索し、その検索結果に基づき作成して送信した取扱情報を含む回答を、前記情報処理部と前記通信部を介して受信し、
前記情報処理部を介して、前記受信した回答に含まれる取扱情報を前記表示部に表示すること、
を特徴とする生鮮品の流通履歴管理方法。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の生鮮品の流通履歴管理方法において、
前記印刷物としての情報コードを利用して、生鮮品の流通履歴を照会する照会装置を備え、
前記照会装置は、
前記情報コードを読み取るリーダ部と、前記情報コードのデータを処理する情報処理部と、情報コードの内容を表示する表示部と、流通履歴管理装置と通信を行う通信部を有し、
前記照会装置は、
前記リーダ部を介して、前記情報コードを読み取り、この読み取った情報コードのデータを記憶手段に記憶し、
前記情報処理部と前記通信部を介して、前記記憶された情報コードのデータのうち、少なくとも1対の取扱者情報及びインデックス情報からなるリレー情報を、流通履歴管理装置に送信し、
前記流通履歴管理装置が、取扱者情報及びインデックス情報に対応付けて取扱情報の問合せ先を記憶したデータベースから、前記送信されたリレー情報に対応する取扱情報の問合せ先を検索し、その検索結果に基づき作成して送信した取扱情報の問合せ先を含む回答を、前記情報処理部と前記通信部を介して受信し、
前記情報処理部を介して、前記受信した回答に含まれる取扱情報の問合せ先を前記表示部に表示すること、
を特徴とする生鮮品の流通履歴管理方法。 - 前記情報コードには、前記取扱者の問合せ先があわせて書き込まれており、
この情報コードを前記照会装置に読み取らせると、前記取扱者情報、問合せ先、及び前記インデックス情報とが前記表示部に表示されること、
を特徴とする請求項13に記載の生鮮品の流通履歴管理方法。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の生鮮品の流通履歴管理方法において、
前記印刷物としての情報コードを利用して、生鮮品の流通履歴を照会する照会装置を備え、
前記照会装置は、前記情報コードを読み取るリーダ部と、前記情報コードのデータを処理する情報処理部と、通信部とを有し、
前記情報コードには、前記取扱情報を取得するためのコンピュータシステムへのアクセス先が書き込まれており、
前記照会装置は、
前記リーダ部を介して、前記情報コードを読み取り、この読み取った情報コードのデータを記憶手段に記憶するステップ、
前記情報処理部と前記通信部を介して、前記記憶された情報コードのデータに含まれる前記コンピュータシステムへのアクセス先へ、接続するステップ、
を実行すること、
を特徴とする生鮮品の流通履歴管理方法。
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