JP3927007B2 - 受信メールサーバ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理を実行することにより、メールを配信する受信メールサーバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル方式の移動通信システム(PDC(Personal Digital Cellular telecommunication system),GSM(global system for mobile communication),IS−54,IS−95など)の普及はめざましく、移動通信においてデータ通信のサポートが重要視されるようになっている。このため、パケット交換方式を使用するPDC−P(PDC Packet)方式、GSMに基づくGPRS(General Packet Radio System)方式やIS−95に基づくHDR(High Data Rate)方式等が開発されている。このようなパケットを用いる通信を利用することにより、電子メールの授受やインターネットにアクセスすることが可能とされている。また、現行の回線交換方式を利用して電子メールの授受やインターネットにアクセスすることも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電子メールを配信するプロトコルとしては、POP3(Post Office Protocol Version 3)が一般に用いられている。POP3は、現在、最も普及している電子メール受信用プロトコルであり、RFC(Request for Comments)1939で規定され、ポート110を使用することとされている。このPOP3を搭載した受信メールサーバであるPOP3サーバが移動機に電子メールを配信する際のシーケンスの一例を図7に示す。
図7に示すように、移動機がユーザからメール取得の要求を受け取ると、移動機はPOP3サーバとの間においてポート番号110のTCPポートを使用するTCP(Transmission Control Protocol)接続を確立させる。次いで、POP3のログインシーケンスを行う。このログインシーケンスではユーザの認証が行われる。ログインシーケンスにおけるユーザの認証が終了すると、POPセッションはトランザクション状態となる。
【0004】
ここで、移動機がメールボックスに格納されている自分宛の電子メールの情報を取得するために、図7に示すようにUIDLコマンドをPOP3サーバへ送信すると、POPサーバは肯定応答“+OK”と共に、その電子メールのメッセージ番号とユニークIDとを通知する。このメッセージ番号は1,2,……と、1から始まる連続番号とされ、ユニークIDは、POP3サーバが決定する任意の文字列で0x21ないし0x7Eの範囲の1〜70文字で構成されている。図示する例では、移動機宛の2つの電子メールがメールボックスに格納されている例が示されており、メッセージ番号1,2のユニークIDが移動機に通知されている。これを受けた移動機がメッセージ番号2のメッセージを取得したい場合は、引数を「2」とするRETRコマンドをPOP3サーバに送信する。POP3サーバは、このRETRコマンドを受けると引数で示されているメッセージ番号2に対応するメールデータを移動機に送信する。この電子メールに添付ファイルが添付されている場合は、メールデータは本文と添付ファイルから構成される。移動機がメッセージ番号2に対応するメールデータを受信すると、移動機は電子メールを削除するDELEコマンドをPOP3へ送信する。このDELEコマンドの引数は、配信されたメールデータに対応するメッセージ番号2とされる。
【0005】
引数「2」のDELEコマンドを受けたPOP3サーバは、メッセージ番号2のメールデータを削除するために、当該メールデータに削除フラグを立てて、肯定応答“+OK”を移動機へ送信する。肯定応答“+OK”を受信した移動機は、終了コマンドであるQUITコマンドをPOP3サーバへ送信する。これにより、アップデート状態となりQUITコマンドを受けたPOP3サーバは、削除フラグを立てたメールデータをメールボックスから削除し、肯定応答“+OK”を移動機へ送信する。これによりPOP3がログオフされ、TCP接続が閉じられるようになる。
【0006】
上述したように、POP3においては自分宛の電子メールの情報を要求して、通知された内の任意の電子メールだけを配信してもらうことができる。そのためには、UIDLコマンドを発行して電子メールの情報を通知してもらう必要がある。しかしながら、電子メールの情報として通知されるユニークIDは最大70文字とされ、このユニークIDがメールボックス内に格納されている自機宛の電子メール数だけ通知されることから、大量のデータが通知されることになる。すると、この通知のために限られている無線の周波数資源を圧迫するおそれが生じてしまうようになるという問題点が生じるようになる。
また、通知された電子メールの情報は一時的に電子メールに付与されたメッセージ番号と、電子メールのユニークIDだけであるので、電子メールの情報を得ることはできない。従って、移動機のユーザは不要な電子メールであるか否かの判断をすることができず、通常は全ての電子メールを取得しなければならないという問題点があった。このように、POP3サーバから所望の電子メールのみを指定して取得することが困難であるという問題点があった。
また、電子メールに添付ファイルが添付されていた場合に、POP3サーバから本文や添付ファイルのいずれかを指定して取得することができないという問題点があった。
【0007】
また、移動機がPOP3サーバから電子メールを取得している最中に、移動機がトンネル内等に移動してスケルチ断となったり、圏外に移動して切断されることがある。この場合のシーケンスを図8に示す。図8に示すように何らかのシーケンスが行われた後、メッセージ番号msgを引数とするDELEコマンドがPOP3サーバに通知されたとする。この場合、POP3サーバでは引数msgに対応する電子メールに削除フラグを立てると共に、オートログアウトタイマが起動される。ここで、スケルチ断あるいは圏外となって無線回線が切断されたとする。そして、ユーザは切断されたことを知って再度POP3のログイン要求を行ったとする。このログイン要求において、移動機は認証のために与えられているユーザ名usernameを引数とするUSERコマンドをPOP3サーバへ送信する。しかし、オートログアウトタイマが起動中とされているため、USERコマンドは受け付けられずログイン要求はエラーとなる。従って、POP3サーバからは否定応答“−ERR”が移動機へ返されてログインは拒絶されるようになる。この場合は、メッセージ番号msgを引数とするDELEコマンドを送信したにもかかわらず、対応する電子メールがメールボックスから削除されないという問題点があった。
【0008】
また、オートログアウトタイマがタイムアウトした後においては、再ログインすることができるが、この際には既に送信したメッセージ番号msgを引数とするDELEコマンドは無効となっている。したがって、メッセージ番号msgを引数とするDELEコマンドを送信したにもかかわらず、対応する電子メールがメールボックスから削除されないという問題点があった。ここで、電子メールを削除するにはメッセージ番号msgを引数とするDELEコマンドを再度送信し、さらにQUITコマンドを送信しなければならない。
【0009】
さらにまた、移動機がPOP3サーバから電子メールを取得している最中に、移動機がトンネル内等に移動してスケルチ断となったり、圏外に移動して切断された場合に移動機が再ログイン要求を行わない場合もある。この場合のシーケンスを図9に示す。図9に示すように何らかのシーケンスが行われた後、メッセージ番号msgを引数とするDELEコマンドがPOP3サーバに通知されたとする。この場合、POP3サーバでは引数msgに対応する電子メールに削除フラグを立てると共に、オートログアウトタイマが起動される。ここで、スケルチ断あるいは圏外となって無線回線が切断されたとする。そして、移動機は再ログイン要求を行うことなくオートログアウトタイマがタイムアウトしている。この際には既に送信したメッセージ番号msgを引数とするDELEコマンドは無効となっている。したがって、メッセージ番号msgを引数とするDELEコマンドを送信したにもかかわらず、対応する電子メールがメールボックスから削除されないという問題点があった。
【0010】
そこで、本発明は、所望の電子メールや電子メールの内の指定した本文あるいは添付ファイルだけを指定して取得することができる受信メールサーバを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の受信メールサーバは、クライアントからの要求によりメールをメールボックスから読み出して前記クライアントへ配信するポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理を実行する処理手段を備える受信メールサーバであって、前記メールボックスに新たなメールが蓄積された際に、宛先とされるクライアントに当該メールの識別情報が少なくとも通知されており、前記クライアントから、通常のポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理ではエラーとなる特定のメッセージ番号と、前記通知されたいずれかの識別情報が引数とされたコマンドを受信した際に、前記処理手段は、前記引数とされた識別情報に対応するメールデータのみを前記クライアントへ配信するようにしている。
【0012】
また、上記本発明の受信メールサーバにおいて、前記メールボックスに新たなメールが蓄積された際に、当該メールの宛先であるクライアントに当該メールの識別情報に加えて添付ファイル情報も通知され、前記クライアントから、通常のポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理ではエラーとなる特定のメッセージ番号と、前記通知されたいずれかの識別情報、および本文あるいは添付ファイルのいずれかを指定する指定情報とが引数とされたコマンドを受信した際に、前記処理手段は、前記識別情報に対応する指定されたメールの本文あるいは添付ファイルのいずれかのみを前記クライアントへ配信するようにしてもよい。
【0015】
このような本発明によれば、クライアントから、通常のポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理ではエラーとなる特定のメッセージ番号と、通知されたいずれかの識別情報が引数とされたコマンドを受信した際に、引数とされた識別情報に対応するメールのみをクライアントへ配信するようにしている。これにより、クライアントは所望の電子メールのみを取得することができるようになる。さらに、通常のポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理ではエラーとなる特定のメッセージ番号と、通知されたいずれかの識別情報、および本文あるいは添付ファイルのいずれかを指定する指定情報とが引数とされたコマンドを受信した際に、識別情報に対応する指定されたメールの本文あるいは添付ファイルのいずれかのみをクライアントへ配信するようにしてもよい。この場合は、クライアントは本文あるいは添付ファイルのいずれかのみを指定して取得することができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における受信メールサーバを備える移動通信網の構成の概要を図1に示す。
移動通信網は本発明にかかる受信メールサーバを拡張POP3サーバ8として備えている。この移動通信網は多数のセルを有しているが、図1ではその内のセルAとセルBとの2つだけを示している。さらに、移動通信網を構成しているノードが示されているが、セルAとセルBに関連するノードだけが示されている。セルAには基地局(BS)2が設けられており、セルAに在圏している移動通信端末である移動機1Aの通信制御は基地局2が行っている。また、セルBには基地局(BS)3が設けられており、セルBに在圏している移動通信端末である移動機1Bの通信制御は基地局3が行っている。
【0018】
基地局2および基地局3は、MSC(Mobile Switching Center)4に接続されている。MSC4Aは、SMSC5、DAS6、PMSC7の各交換機と基地局2,3,・・・とを中継する交換機である。GSN(GPRS(General Packet Radio System)Support Node)4Bは拡張POP3サーバ8とSMTPサーバ9と基地局2,3,・・・とをパケット交換により中継する交換機であり、パケットベアラをサポートしている。なお、GPRSはGSM(global system for mobile communication)をベースとしたワイヤレス・パケット・システムである。SMSC(Short Message Service Center)5はショートメッセージベアラをサポートするショートメッセージ用の交換機であり、SMTPサーバ9がメールを受け取った際に、そのメール着信を通知するためのNotificationを作成する。この際に、メールの宛先が移動機1Bであった場合は、そのNotificationをSMSC5が中継してMSC4Aおよび基地局3を介して移動機1Bに通知する。なお、SMTPサーバ9はメールを転送するメールサーバであり、他の移動機から送られてきたメールデータやインターネットから送られた電子メールのメールデータをメールボックス(Mail Box)10に格納している。DAS(Direct Access System)6は、回線交換ベアラをサポートする交換機であり、例えばセルBに在圏する移動機1Bとの間で回線交換ベアラを使用して通信することができる。この場合、移動機1,基地局3,MSC4AおよびDAS6における回線交換ベアラによりノード間が相互に接続されるようになる。
【0019】
PMSC(Packet Mobile Switching Center)7は、パケットベアラをサポートする交換機であり、例えばセルBに在圏する移動機1Bとの間でパケットベアラを使用してデータ通信することができる。この場合、移動機1B,基地局3,MSC4AおよびPMSC7におけるパケットベアラによりノード間が相互に接続されるようになる。SMSC5,DAS6およびPMSC7が接続されている拡張POP3サーバ8は本発明にかかる受信メールサーバであり、POP3を拡張した拡張POP3プロトコルが搭載されている。拡張POP3サーバ8は、移動機1A,1Bからの拡張POP3を用いたメール要求時に、メールボックス10に格納されているメールデータを移動機1へ配信している。拡張POP3はPOP3を拡張したポストオフィスプロトコルであり、後述するようにクライアントとされる移動機1A,1Bにおいては自機宛の電子メールのうちの所望の電子メールを指定して取得することができると共に、電子メールに添付ファイルが添付されていた場合には、メール本文や添付ファイルのいずれかを指定して取得することができるようにされている。なお、拡張POP3サーバ8はGSN4B、基地局3を介しても移動機1Bと接続することができ、GSN4Bを利用するパケット通信網でも上述したような態様で電子メールを取得することができる。
【0020】
次に、本発明の実施の形態にかかる拡張POP3サーバ8の構成例を図2に示す。
図2において、CPU20は拡張POP3プログラムを実行することにより拡張POP3サーバ8におけるメールの配信処理を制御する中央処理装置(Central Processing Unit)であり、タイマ21は動作時の経過時間を示したり、特定の間隔でタイマ割込を発生するタイマである。ROM22は、CPU20が実行する拡張POP3プログラムや、各種データが格納されているROM(Read Only Memory)である。RAM13はメインメモリであり、CPU20のワークエリア等が設定されるRAM(Random Access Memory)である。
【0021】
また、キーボード24には数字、文字(カタカナ、アルファベット)、記号キーやファンクション・キー等の信号入力用の多数のキーが配列されている。ディスプレイ25は、キーボード24やマウスの操作に応じて文字や図形を表示する表示装置である。ネットワークインタフェース26は、例えばイーサネットのインタフェースとされ、ネットワークインタフェース26によりネットワーク上のSMSC5,DAS6,PMSC7,メールボックス10と接続されている。HDD27は大容量のハードディスク記憶装置であり、HDD27には拡張POP3プログラムをはじめとする各種プログラムやデータを格納することができる。HDD27に拡張POP3プログラムを格納すると、拡張POP3プログラムのバージョンアップを容易に行うことができるようになる。各ブロックはバス28を介して相互に接続されている。
【0022】
次に、本発明にかかる拡張POP3サーバ8が実行する拡張POP3によるメールの配信処理を図3に示すシーケンス図を参照して説明する。
図3に示すように、電子メール(Mail)をSMTPサーバ9が受け取ると、メールボックス10にそのメールを格納すると共に、SMTPサーバ9はメール着信があったことをメールの宛先へ通知するために、Notification を作成してSMSC5に送る。この場合、メールの宛先が移動機1Bであったとすると、Notificationは、SMSC5から移動機1Bへ通知される。このSMS Notificationでは、新たにSMTP9が受け取った電子メールを識別できるオリジナルなユニークIDであるJUID、添付ファイル数を示すJATC、および、各添付ファイルの種類情報であるJATFから構成されている。種類情報は、例えばファイルの識別子とされ、添付ファイルが複数ある場合は、JATF−1,JATF−2,……JATF−nと表される。
【0023】
このNotificationを移動機1Bは受信し、移動機1Bが通知された電子メール取得の要求をユーザから受け取ると、移動機1Bは拡張POP3サーバ8との間においてポート番号110のTCPポートを使用するTCP(Transmission Control Protocol)接続を確立させる。次いで、POP3のログインシーケンスを行う。このログインシーケンスではユーザの認証が行われる。ログインシーケンスにおけるユーザの認証が終了すると、POPセッションはトランザクション状態となる。ここで、移動機1Bはメールボックス10に格納されたNotificationで通知された電子メールを取得するために、図3に示すようにメッセージ番号0の第1引数と、Notificationで通知されたJUIDを第2引数とするRETRコマンド("RETR 0,JUID")を拡張POP3サーバ8に送信する。拡張POP3サーバ8は、このRETRコマンドを受けると肯定応答“+OK”を移動機1Bに送信する。さらに、RETRコマンドの第1引数が「0」とされていることから、第2引数のJUIDで特定される電子メールのメールデータを移動機1Bに送信する。この電子メールに添付ファイルが添付されている場合は、メールデータは本文と添付ファイルから構成される。
【0024】
移動機1Bがメールデータを受信すると、移動機1Bは電子メールを削除するDELEコマンドを拡張POP3サーバ8へ送信する。このDELEコマンドの引数は配信されたメールデータに対応しており、第1引数はメッセージ番号0とされ、第2引数はNotificationで通知されたJUIDとされる。第1引数0、第2引数JUIDのDELEコマンド("DELE 0,JUID")を受けた拡張POP3サーバ8は、Notificationで通知されたJUIDで特定されるメールデータを削除するために、当該メールデータに削除フラグを立てて、肯定応答“+OK”を移動機1Bへ送信する。肯定応答“+OK”を受信した移動機1Bは、終了コマンドであるQUITコマンドを拡張POP3サーバ8へ送信する。これにより、セッションはアップデート状態に移行しQUITコマンドを受けた拡張POP3サーバ8は、削除フラグを立てたメールデータをメールボックスから削除し、肯定応答“+OK”を移動機1Bへ送信する。これによりPOP3がログオフされ、TCP接続が閉じられるようになる。
なお、肯定応答“+OK”には任意のメッセージを付加することができ、このことが「any strings」として示されている。
【0025】
ところで、ネットワーク上には拡張POP3サーバに限らず、POP3サーバも存在している。ここで、拡張POP3をサポートしていないPOP3サーバに誤って"RETR 0,JUID"のRETRコマンドを送信したとする。POP3サーバはメッセージ番号の引数を「0」とするRETRコマンドを受けた際には、POP3ではメッセージ番号は「1」から開始されると定義されていることから否定応答“−ERR”を返す。従って、第2引数JUIDに一致するPOP3のユニークIDであるUIDが偶然存在していたとしても、そのメールデータを読み出して配信することはない。また、POP3サーバが、"DELE 0,JUID"のDELEコマンドを受けた際も同様であり、否定応答“−ERR”を返す。従って、第2引数JUIDに一致するUIDが偶然存在していたとしても、そのメールデータが削除されることはない。
このように、本発明の受信メールサーバによれば、POP3サーバに悪影響を与えることなく所望の電子メールのメールデータのみを取得することができるようになる。
【0026】
また、拡張POP3によるメールの配信処理では、メールデータが本文と添付ファイルから構成されている場合に、本文あるいはいずれかの添付ファイルのみを取得することができる。以下、図4に示すシーケンス図を参照して説明する。
図4に示すシーケンスにおいて、POP3のログインシーケンスを行うまでのシーケンスは図3に示すシーケンスと同様であるのでその説明は省略する。POPセッションがトランザクション状態となった際に、移動機1Bはメールボックス10に格納されたNotificationで通知された電子メールを取得するために、図4に示すようにメッセージ番号0の第1引数と、Notificationで通知されたJUIDと拡張ID(ExtID)とを第2引数とするRETRコマンド("RETR 0,JUID.ExtID")を拡張POP3サーバ8に送信する。
【0027】
この拡張IDについて例を上げて説明する。ここでは、NotificationでJATC=2と通知され添付ファイル数が2であったとし、1つ目の添付ファイルはJATF−1=jpegと通知されてJPEG圧縮された画像データであり、2つ目の添付ファイルはJATF−2=gifと通知されてGIF圧縮された画像データであったとする。ユーザは、Notificationを見てJPEG圧縮された画像データであることから1つ目の添付ファイルのみを取得したいと判断した場合は、"RETR 0,JUID.01"とするRETRコマンドを送信する。このRETRコマンドにおける「01」は、JATF−1を指定している。なお、「01」に替えて「00」とすると本文が指定され、「01」に替えて「02」とするとJATF−2が指定される。
【0028】
拡張POP3サーバ8は、このようなRETRコマンドを受けると肯定応答“+OK”を移動機1Bに送信する。さらに、RETRコマンドの第1引数が「0」とされていることから、第2引数のJUIDで特定される電子メールのメールデータのうちの拡張IDで指定されたメールデータの部分のみを移動機1Bに送信する。例えば、RETRコマンドが"RETR 0,JUID.01"であった場合は、1つ目の添付ファイルJATF−1のファイルデータのみを移動機1Bへ配信する。移動機1Bがメールデータを受信すると、移動機1Bは電子メールを削除するDELEコマンドを拡張POP3サーバ8へ送信する。このDELEコマンドの引数は配信されたメールデータに対応しており、メッセージ番号0の第1引数と、Notificationで通知されたJUIDと拡張ID(ExtID)とを第2引数としている。このDELEコマンド("DELE 0,JUID.01")を受けた拡張POP3サーバ8は、第2引数で特定されるメールデータのファイルを削除するために、当該メールデータの該当するファイルに削除フラグを立てて、肯定応答“+OK”を移動機1Bへ送信する。
【0029】
肯定応答“+OK”を受信した移動機1Bは、終了コマンドであるQUITコマンドを拡張POP3サーバ8へ送信する。これにより、セッションはアップデート状態となりQUITコマンドを受けた拡張POP3サーバ8は、削除フラグを立てたメールデータをメールボックス10から論理削除し、肯定応答“+OK”を移動機1Bへ送信する。これによりPOP3がログオフされ、TCP接続が閉じられるようになる。ここで、論理削除はメールデータの部分削除に対応しており、メールデータの全ての部分が論理削除された際に、そのメールデータを物理削除するようにする。ただし、MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)構造を変更することなく、部分的な物理削除が可能な場合は、部分的な論理削除に替えて部分的な物理削除を行うようにする。
なお、"RETR 0,JUID.01"のRETRコマンド、"DELE 0,JUID.01"のDELEコマンドを、誤ってPOP3サーバが受信しても上述したように否定応答“−ERR”を返すだけであるから、メールデータの誤配信や後削除が生じることはない。このように、本発明の受信メールサーバによれば、POP3サーバに悪影響を与えることなく電子メールを構成している本文あるいはいずれかの添付ファイルのみを取得することができるようになる。
【0030】
次に、移動機1Bが拡張POP3サーバ8から電子メールを取得している最中に、移動機1Bがトンネル内等に移動してスケルチ断となったり、圏外に移動して切断された場合の拡張POP3によるメールの配信処理を、図5に示すシーケンス図を参照して説明する。
図5に示すように何らかのシーケンスが行われた後、第1引数0,第2引数JUIDのDELEコマンドが拡張POP3サーバ8に通知されたとする。この場合、拡張POP3サーバ8では第2引数JUIDで特定されるメールデータに削除フラグを立てると共に、オートログアウトタイマが起動される。
【0031】
ここで、スケルチ断あるいは圏外となって無線回線が切断されたとする。そして、ユーザは切断されたことを知って再度POP3のログイン要求を行ったとする。このログイン要求において、移動機1Bは認証のために与えられているユーザ名usernameを引数とするUSERコマンドを拡張POP3サーバ8へ送信する。この場合、オートログアウトタイマが起動中とされているが、トランザクション状態となっていることから拡張POP3サーバ8はUSERコマンドを受け付けて、QUITコマンドを受けたものとしてアップデート状態に移行させ、みなしQUIT処理を行う。すなわち、第2引数JUIDで特定される前のセッションでフラグが立てられているメールデータが削除されるようになる。次いで、肯定応答“+OK”を移動機1Bへ送信する。この後、通常のログイン処理が行われるようになる。
このように、指定したメールデータの削除が完了する前に無線回線が切断されても、拡張POP3サーバ8においては再ログインした際に指定したメールデータが削除されるようになり、正常にセッションが終了した場合と同様に扱われるようになる。さらに、オートログアウトタイマがタイムアウトする前に再アクセスを可能とすることができる。
【0032】
次に、移動機1Bが拡張POP3サーバ8から電子メールを取得している最中に、移動機1Bがトンネル内等に移動してスケルチ断となったり、圏外に移動して切断された場合におけるオートログアウトタイマがタイムアウトした際の拡張POP3によるメールの配信処理を、図6に示すシーケンス図を参照して説明する。
図6に示すように何らかのシーケンスが行われた後、第1引数0,第2引数JUIDのDELEコマンドが拡張POP3サーバ8に通知されたとする。この場合、拡張POP3サーバ8では第2引数JUIDで特定されるメールデータに削除フラグを立てると共に、オートログアウトタイマが起動される。
【0033】
ここで、スケルチ断あるいは圏外となって無線回線が切断されたとする。そして、移動機1Bが再度POP3のログイン要求を行うことなく、オートログアウトタイマがタイムアウトしたとする。この場合、トランザクション状態から、QUITコマンドを受けたものとしてアップデート状態に移行させ、みなしQUIT処理を行う。すなわち、第2引数JUIDで特定される前のセッションでフラグが立てられているメールデータが削除されるようになる。次いで、肯定応答“+OK”を移動機1Bへ送信する。
このように、指定したメールデータの削除が完了する前に無線回線が切断されても、拡張POP3サーバ8においてはオートログアウトタイマがタイムアウトした際に指定したメールデータが削除されるようになり、正常にセッションが終了した場合と同様に扱われるようになる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、クライアントから、通常のポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理ではエラーとなる特定のメッセージ番号と、通知されたいずれかの識別情報が引数とされたコマンドを受信した際に、引数とされた識別情報に対応するメールのみをクライアントへ配信するようにしている。これにより、クライアントは所望の電子メールのみを取得することができるようになる。さらに、通常のポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理ではエラーとなる特定のメッセージ番号と、通知されたいずれかの識別情報、および本文あるいは添付ファイルのいずれかを指定する指定情報とが引数とされたコマンドを受信した際に、識別情報に対応する指定されたメールの本文あるいは添付ファイルのいずれかのみをクライアントへ配信するようにしてもよい。この場合は、クライアントは本文あるいは添付ファイルのいずれかのみを指定して取得することができるようになる。
【0035】
また、本発明はオートログアウトタイマがタイムアウトする前に、クライアントが再ログイン要求を行った場合は、みなし終了処理を行ってメールを削除するコマンドで指定されたメールをメールボックスから削除するようにしている。従って、電子メールの取得中において回線が切断されても、電子メールの削除処理を実行することができるようになると共に、オートログアウトタイマがタイムアウトする前に再ログインを可能とすることができる。さらに、オートログアウトタイマがタイムアウトした際は、みなし終了処理を行ってメールを削除するコマンドで指定されたメールをメールボックスから削除するようにしている。従って、再ログイン要求を行わなくても電子メールの取得中において回線が切断された際に、電子メールの削除処理を実行することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における受信メールサーバを備える移動通信網の構成の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる受信メールサーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる受信メールサーバが実行するメールの配信処理を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる受信メールサーバが実行するメールの配信処理を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる受信メールサーバが回線が切断された際に実行するメールの配信処理を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる受信メールサーバが回線が切断された際に実行するメールの配信処理を示すシーケンス図である。
【図7】POP3サーバが実行するメールの配信処理を示すシーケンス図である。
【図8】POP3サーバが回線が切断された際に実行するメールの配信処理を示すシーケンス図である。
【図9】POP3サーバが回線が切断された際に実行するメールの配信処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1A 移動機、1B 移動機、2,3, 基地局、4A MSC、4B GSN、5 SMSC、6 DAS、7 PMSC、8 拡張POP3サーバ、9 SMTPサーバ、10 メールボックス、20 CPU、21 タイマ、22 ROM、23 RAM、24 キーボード、25 ディスプレイ、26 ネットワークインタフェース、27 HDD、28 バス
Claims (2)
- クライアントからの要求によりメールをメールボックスから読み出して前記クライアントへ配信するポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理を実行する処理手段を備える受信メールサーバであって、
前記メールボックスに新たなメールが蓄積された際に、宛先とされるクライアントに当該メールの識別情報が少なくとも通知されており、前記クライアントから、通常のポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理ではエラーとなる特定のメッセージ番号と、前記通知されたいずれかの識別情報が引数とされたコマンドを受信した際に、前記処理手段は、前記引数とされた識別情報に対応するメールデータのみを前記クライアントへ配信するようにしたことを特徴とする受信メールサーバ。 - 前記メールボックスに新たなメールが蓄積された際に、当該メールの宛先であるクライアントに当該メールの識別情報に加えて添付ファイル情報も通知され、
前記クライアントから、通常のポスト・オフィス・プロトコル(POP)処理ではエラーとなる特定のメッセージ番号と、前記通知されたいずれかの識別情報、および本文あるいは添付ファイルのいずれかを指定する指定情報とが引数とされたコマンドを受信した際に、前記処理手段は、前記識別情報に対応する指定されたメールの本文あるいは添付ファイルのいずれかのみを前記クライアントへ配信するようにしたことを特徴とする請求項1記載の受信メールサーバ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001286226A JP3927007B2 (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 受信メールサーバ |
Applications Claiming Priority (1)
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Related Child Applications (1)
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