JP3925629B2 - シリコーンエラストマー球状粉末の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーンエラストマー球状粉末の製造方法に関し、特に体積平均粒径が1〜100μmであり、かつ体積粒径分布及び個数粒径分布のD10/D90がそれぞれ1.0〜1.7であるシリコーンエラストマー球状粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、シリコーンエラストマー球状粉末の製造方法及びシリコーンエラストマー球状粉末水性分散液の製造方法が提案されている。例えば、硬化性オルガノポリシロキサンを噴霧状態で加熱硬化させる方法(特開昭59−68333号公報)、ホモミキサー、ホモジェナイザー、マイクロフルイダイザー又はコロイドミルを用いて硬化性オルガノポリシロキサンを水中に乳化した後、硬化させる方法(特開昭56−36546号公報、特開昭62−243621号公報、特開昭62−257939号公報、特開昭63−77942号公報、特開昭63−202658号公報、特開平1−306471号公報、特開平3−93834号公報、特開平3−95268号公報、特開平11−293111号公報、特開2001−2786号公報、特開2001−113147号公報)、硬化性オルガノポリシロキサンをノズルを通して水中に投入した後、水中で硬化させる方法(特開昭61−223032号公報、特開平1−178523号公報、特開平2−6109号公報)が提案されている。しかし、これらの方法では、粒度分布が狭くかつ平均粒径1〜100μmの球状粒子を得ることはできなかった。
【0003】
そこで、シラン化合物及びポリシロキサンから選ばれる混合物を、含窒素芳香族炭素環化合物を主成分とする溶媒中で縮合触媒下に縮合させて硬化する方法(特開昭63−312324号公報)、シラン化合物及びポリシロキサンから選ばれる混合物をアミン、アミド又はニトリルを主成分とする溶媒中で縮合触媒下に縮合させて硬化する方法(特開昭63−312325号公報)が提案されており、これらの方法によれば非常に粒径分布の狭い球状粒子を得ることができる。しかしながら、分散液の状態で使用する場合には、分散媒が有機溶媒のため安全性及び地球環境の問題があり、溶媒を取り除き粉体化する場合には、有機溶媒の廃棄処理が必要でコスト高になる問題がある。また10μm以上の粒子を得ることが困難であるという欠点も残っている。
【0004】
一方、分散相となる液体を均一な細孔径を有するミクロ多孔膜体を通して連続相に圧入してエマルジョンを調製する方法が提案されている(特開平2−95433号公報、特開平2−293026号公報)。これらの方法によれば粒径分布の狭いエマルジョンを得ることができるが、シリコーンオイルのエマルジョン、更に硬化性シリコーンオイルのエマルジョンから得られるシリコーンエラストマー粉末については報告されていない。また、オルガノアルコキシシランを多孔質膜に通して水相中に圧入し単分散径のエマルジョンとし、その後触媒を添加してポリオルガノシロキサン粒子を製造する方法が提案されているが(特開平9−95534号公報)、このポリオルガノシロキサン粒子は、シリコーンエラストマー粒子ではない。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、粒度分布が狭い体積平均粒径1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粉末の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの混合物を、均一な細孔径を有する多孔膜体を通して界面活性剤水溶液に圧入することによりオルガノポリシロキサンエマルジョンを調製し、次いで、これに白金系触媒を添加してポリシロキサン組成物を硬化させることにより、体積平均粒径が1〜100μmであり、かつ体積粒径分布及び個数粒径分布のD10/D90がそれぞれ1.0〜1.7であるシリコーンエラストマー球状粉末が得られることを見出した。
【0007】
従って、本発明は、1分子中にオレフィン性不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなり、25℃における粘度が50〜500mm2/sであるオルガノポリシロキサン混合物を、均一な細孔径を有する平均細孔径が0.5〜50μmの親水性多孔膜体を通してHLB=12〜16のRO(CH 2 CH 2 O) n H(ここで、Rは炭素数8〜14の1価炭化水素基、nは正数)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルである界面活性剤の水溶液に0.1〜100kPaの圧力で圧入してオルガノポリシロキサンエマルジョンを調製し、次いで、これに白金系触媒を添加して該オルガノポリシロキサンを硬化させることを特徴とする体積平均粒径が1〜100μmであり、かつ体積粒径分布及び個数粒径分布のD10/D90がそれぞれ1.0〜1.7であるシリコーンエラストマー球状粉末の製造方法を提供する。
【0008】
ここで、体積粒径分布のD10/D90は、体積粒径累積分布における10%を占めるときの粒径を、90%を占めるときの粒径で割った値であり、個数粒径分布のD10/D90は、個数粒径累積分布における10%を占めるときの粒径を、90%を占めるときの粒径で割った値である。これらは粒度分布が狭い程1.0に近づく値となる。
【0009】
以下に、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のシリコーンエラストマー球状粉末の製造方法は、1分子中にオレフィン性不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとのオルガノポリシロキサン混合物を、界面活性剤水溶液中に親水性多孔膜体を通して圧入することにより、オルガノポリシロキサンエマルジョンを調製し、次いで、これに白金系触媒を添加して該オルガノポリシロキサンを硬化させるものである。
【0010】
本発明に使用される1分子中にオレフィン性不飽和基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンは、下記一般式(1)で表されるものである。
R1 aR2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
【0011】
式中、R1は炭素数1〜20の1価炭化水素基であり、R2は炭素数2〜6の1価オレフィン性不飽和炭化水素基である。a,bは0≦a≦2.999、0.0001≦b≦3、0.1≦a+b≦3で示される正数であり、好ましくは0≦a≦2.295、0.005≦b≦2.3、0.5≦a+b≦2.3である。
【0012】
ここで、R1としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどのアルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基、フェニル、トリルなどのアリール基、あるいはこれらの有機基中で水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したものなどが挙げられるが、90モル%以上がメチル基であることが好ましい。
R2は、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどの1価オレフィン性不飽和炭化水素基であるが、工業的にはビニル基であることが好ましい。
【0013】
このオレフィン性不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンの構造としては、直鎖状、環状、分岐状のいずれであっても良いが、特に直鎖状が好ましい。
【0014】
本発明に使用される1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記一般式(2)で表されるものである。
R1 cHdSiO(4-c-d)/2 (2)
【0015】
式中、R1は上記と同じである。c,dは、0≦c≦2.999、0.0001≦d≦3、0.1≦c+d≦3で示される正数であり、好ましくは0≦c≦2.295、0.005≦d≦2.3、0.5≦c+d≦2.3である。
【0016】
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造としては、直鎖状、環状、分岐状のいずれであっても良いが、特に直鎖状が好ましい。
【0017】
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの使用量は、上記オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンのオレフィン性不飽和炭化水素基1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)が0.5個未満となるような量では良好な硬化性を得ることが困難となる場合があり、5個を超えるような量では硬化後のゴムの物理的物性が低下する場合があるので、0.5〜5個となる量が好ましく、より好ましくは0.8〜1.5である。
【0018】
上記オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン、及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンの粘度は、特に限定されないが、オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンの混合物の25℃における粘度が、20mm2/s未満であると分布の狭い粒子を得ることができなくなるし、1,000mm2/sを超えると多孔膜体を通過する速度が遅くなり、生産効率が悪くなることから、50〜500mm2/sである。
【0019】
本発明では、まず上記オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとのオルガノポリシロキサン混合物を、均一な細孔径を有する多孔膜体を通して界面活性剤の水溶液に圧入することにより、エマルジョンを調製する。
【0020】
ここで使用する界面活性剤は、特に限定はされず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン等の非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、N−アシルタウリン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルケニルコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルカルボキシベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両イオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を併用することができるが、アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤とを併用することはできない。
【0021】
これらの界面活性剤のうち、分布の狭い粒子を得るためには、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、更にRO(CH2CH2O)nH(ここで、Rは炭素数8〜14の1価炭化水素基、nは正数)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましい。この時、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの平均HLBは、10未満であると分布の狭い粒子を得ることができなくなるおそれがあるし、18を超えると多孔膜体を通過する速度が遅くなり生産効率が悪くなるおそれがあることから、12〜16の範囲でである。
【0022】
上記界面活性剤は、水溶液として使用するが、界面活性剤水溶液中の界面活性剤量は、0.01重量%未満では分布の狭い粒子を得ることができない場合があるし、5重量%を超えると多孔膜体を通過する速度が遅くなる場合があり、生産効率が悪くなることから、0.01〜5重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜2重量%である。
【0023】
また、上記界面活性剤水溶液に添加するオルガノポリシロキサン混合物の配合量は、5重量%未満であると不経済であるし、40重量%を超えると分布の狭い粒子を得ることができなくなる場合があるため、5〜40重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは10〜25重量%である。
【0024】
本発明では、均一な細孔径を有する多孔膜体を使用するが、均一な細孔径を有する多孔膜体の平均細孔径は、0.5μm未満であると多孔膜体を通過する速度が遅くなり、生産効率が悪くなるし、50μmより大きいと分布の狭い粒子を得ることができなくなるため、平均細孔径は0.5〜50μmである必要があり、好ましくは1〜30μmである。また、本発明のシリコーンエラストマー粉末の粒径分布は、この細孔径の分布に依存するため、細孔径の均一性も重要である。従って、上記細孔の容積粒径分布のD10/D90が1.0〜1.7、特に1.0〜1.5のものが好ましい。更に、多孔膜体の細孔の表面が疎水性であると硬化性ポリシロキサン組成物が細孔を通らなくなるため、細孔の表面は、親水性であることが必要である。
【0025】
多孔膜体の材質は、特に限定はされないが、オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサン混合物の圧入に耐えうる強度を必要とするため、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス又はガラスが適当である。特に、均一な細孔径を持つ多孔質体を得やすいことから、ガラス素材を2相に分離させ、一方の相を酸で除去して得られる多孔質ガラスが好ましい。このような製法によって得られる多孔質ガラスは、例えば、米国のコーニング社のバイコール(商品名)、宮崎県工業試験場が開発したSPG膜と称されるものが挙げられる。
【0026】
多孔膜体の形状は特に限定されないが、表面積を大きくすることができるパイプ状が好ましい。パイプ状の多孔膜体を使用する場合、パイプの一方の端を閉鎖し、界面活性剤の水溶液に浸し、パイプの他方の端からパイプの内側に上記オルガノポリシロキサン混合物を満たし、パイプの他端側から圧力を掛けてパイプの外周より界面活性剤の水溶液中にオルガノポリシロキサン混合物を圧入すればよい。また、逆にパイプの内側に界面活性剤の水溶液を満たし、パイプの外側からオルガノポリシロキサン混合物を圧入してもよい。
【0027】
ここで、パイプ状の多孔膜体を使用する場合のオルガノポリシロキサンエマルジョンの調製方法について、具体例を示すと、図1に示すように、パイプ状多孔膜体1の内側に、Oリング2が配設され、一方の端を閉塞し、側面に穴をあけた金属管3を挿着する。これを図2に示すように、シロキサン用容器4と連結させ、該シロキサン用容器4内にポリシロキサン混合物5を仕込む。これを図3に示すように、クランプ6で挟み、スタンド7に固定する。次に、多孔膜体1部分を、界面活性剤水溶液8の入ったビーカー9中に浸漬し、マグネチックスターラー10にて界面活性剤水溶液8を攪拌しながら、シロキサン用容器の上部のガス配管接続口12からガスを導入し、ポリシロキサン混合物5を、圧力を掛けながら多孔膜体1を通して界面活性剤水溶液8中に圧入することにより、オルガノポリシロキサンエマルジョンが得られる。なお、図3中の11は回転子である。
このように、分布の狭いシリコーンエラストマー粒子を得るには、多孔膜体表面の界面活性剤水溶液を流動させておくことが好ましい。
【0028】
また、本発明において、分布の狭いシリコーンエラストマー粒子を得るには、予め多孔膜体の細孔表面を水又は界面活性剤水溶液で濡らしておくことが好ましい。細孔径が小さく、細孔表面が濡れにくい場合には、多孔膜体を水又は界面活性剤水溶液に浸し、超音波をかけてやればよい。
【0029】
上記オルガノポリシロキサン混合物を圧入するときの圧力は、0.1kPa未満であるとオルガノポリシロキサン混合物が多孔膜体を通らなくなるし、100kPaより高いと分布の狭い粒子を得ることができなくなるため、0.1〜100kPaである必要があり、好ましくは1〜50kPaである。
【0030】
オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンのオルガノポリシロキサン混合物のエマルジョンを作製した後、付加反応触媒を加えて攪拌し、ポリシロキサン混合物を硬化させることにより、シリコーンエラストマー粉末を得ることができる。
【0031】
この場合、付加反応触媒が界面活性剤水溶液に対する分散性が悪い場合には、付加反応触媒を界面活性剤に溶解してから添加するか、界面活性剤を用いて水性分散液としたものを添加することが好ましい。
【0032】
本発明に用いられる付加反応触媒としては、特に限定されるものではないが、各種の白金化合物、パラジウム化合物などが使用できる。なかでも白金化合物が好ましく、塩化白金酸、オレフィンとの錯体、ビニルシロキサンとの錯体、アルコール変性体などが挙げられる。白金化合物を用いる場合の添加量としては、上記オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計量に対して白金原子として1ppm未満では付加反応速度が小さくなる場合があるし、100ppmを超えても不経済であるため、1〜100ppmが好ましい。
【0033】
なお、ポリシロキサン混合物を硬化させる際の反応温度は、室温でもよいが、付加反応促進又は付加反応を完結させるために、付加反応触媒添加後、分散液を100℃未満で加熱してもよい。
【0034】
以上のようにして製造された本発明のシリコーンエラストマー粉末の水性分散液は、そのまま或いは適宜水で希釈することにより、水性の材料に添加して使用できる。
また、シリコーンエラストマー粉末とするには、更に、固液分離、洗浄、乾燥すればよい。
【0035】
本発明の方法により得られたシリコーンエラストマー粉末は、球状であり、体積平均粒径が1〜100μm、特に3〜80μmであり、かつ体積粒径分布及び個数粒径分布のD10/D90がそれぞれ1.0〜1.7、特に1.0〜1.5のものである。
【0036】
本発明のシリコーンエラストマー粉末あるいは該粉末の水性分散液は、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂等の耐衝撃吸収剤、液晶パネル等のスペース保持剤、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のブロッキング防止剤、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の光拡散剤、複写機用ゴムロール等の耐摩耗性付与剤、ワックス、洗浄剤、洗顔剤等の研磨剤・滑り性付与剤、塗料、インキ、コーティング剤等の滑り性付与剤、紙、プラスチックシート等の滑り性付与剤、ファンデーション、口紅、シャンプー、リンス等の滑り性付与剤等として応用展開可能である。また、粒径分布が狭いため、特性効果が大きい、特性が安定する、少ない量でも特性が発揮されるなど利点が多い。
【0037】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、粒度分布が狭い体積平均粒径1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粉末が得られる。
【0038】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を示して、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中における粘度は25℃における測定値である。
【0039】
[実施例1]
φ10×10mmで平均細孔径=2.1μmのSPG膜(パイプ状多孔質ガラス膜、エス・ピー・ジーテクノ(株)製商品名)を、図1に示すように一方の端が閉鎖され、側面に穴をあけた金属管に取り付け、更に図2に示すようにシロキサン用容器に取り付けたものを準備した。SPG膜部分をイオン交換水に浸し、超音波を30秒間かけ、SPG膜細孔部に水をしみ込ませた。シロキサン用容器に下記式(3)で示される粘度が100mm2/sのメチルビニルポリシロキサン14.5gと下記式(4)で示される粘度が25mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン1.5g(〔Si−H/ビニル基〕モル比=1.1)からなり、25℃における粘度が90mm2/sであるポリシロキサン混合物を仕込んだ。200mlビーカに0.6%ポリオキシエチレンデシルエーテル(HLB=13.2)水溶液84gを仕込み、図3に示すように、SPG膜部分が界面活性剤水溶液中に浸漬するように、SPG膜/シャフト/シロキサン用容器をセットし、界面活性剤水溶液をマグネチックスターラーで撹拌しながら、シロキサン用容器上部から45kPaの圧力をかけ、ポリシロキサン混合物をSPG膜を通してポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液中に圧入した。圧力をかけると直ぐにポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液は白濁し始め、5時間50分後にシロキサン用容器内のポリシロキサン混合物がなくなったので、SPG膜をビーカから引き上げた。このポリシロキサン混合物の水性分散液は、均一であった。
【0040】
得られたポリシロキサン混合物の水性分散液に、塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(塩化白金酸含有量0.5重量%)0.04gとポリオキシエチレンラウリルエーテル0.04gの混合物を添加し、更に24時間撹拌した後、60メッシュ金網に通し、ポリシロキサン硬化物の水性分散液を得た。
【0041】
粒径測定装置マルチサイザーII(ベックマン・コールター(株)製)で、この分散液中のポリシロキサン硬化物の粒径を測定したところ、体積平均粒径は8.0μm、体積粒径分布のD10/D90は1.4、個数粒径分布のD10/D90は1.4であった。なお、体積粒径分布を図4に、個数粒径分布を図5に示す。
更に、得られたポリシロキサン硬化物の水性分散液を、濾紙を用いて固液分離し、固形分を105℃の乾燥機で乾燥させたところ、弾性のある白色粉末が得られた。この白色粉末を光学顕微鏡で観察したところ、球状の粒子であった。
【0042】
【化1】
【0043】
[実施例2]
φ10×10mmで平均細孔径=5.5μmのSPG膜(パイプ状多孔質ガラス膜、エス・ピー・ジーテクノ(株)製商品名)を、図1に示すように一方の端が閉鎖され、側面に穴をあけた金属管に取り付け、更に図2に示すようにシロキサン用容器に取り付けたものを準備した。SPG膜部分をイオン交換水に浸し、超音波を30秒間かけ、SPG膜細孔部に水をしみ込ませた。シロキサン用容器に上記式(3)で示される粘度が100mm2/sのメチルビニルポリシロキサン14.5gと上記式(4)で示される粘度が25mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン1.5g(〔Si−H/ビニル基〕モル比=1.1)からなり、25℃における粘度が90mm2/sであるポリシロキサン混合物を仕込んだ。200mlビーカに0.6%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=15.6)水溶液84gを仕込み、図3に示すように、SPG膜部分が界面活性剤水溶液中に浸漬するようにSPG膜/シャフト/シロキサン用容器をセットし、界面活性剤水溶液をマグネチックスターラーで撹拌しながら、シロキサン用容器上部から1.8kPaの圧力をかけ、ポリシロキサン混合物をSPG膜を通してポリオキシエチレンラウリルエーテル水溶液中に圧入した。圧力をかけると直ぐにポリオキシエチレンラウリルエーテル水溶液は白濁し始め、3時間20分後にシロキサン用容器内のポリシロキサン混合物がなくなったので、SPG膜をビーカから引き上げた。
【0044】
実施例1と同様にして、得られたポリシロキサン混合物の水性分散液から、ポリシロキサン硬化物の水性分散液、更に弾性のある白色粉末を得た。また、実施例1と同様にして、ポリシロキサン混合物水性分散液の状態、体積平均粒径、体積粒径分布のD10/D90、個数粒径分布のD10/D90、形状を測定した。この測定結果を表1に示す。
【0045】
[実施例3]
φ10×10mmで平均細孔径=19.3μmのSPG膜(パイプ状多孔質ガラス膜、エス・ピー・ジーテクノ(株)製商品名)を、図1に示すように一方の端が閉鎖され、側面に穴をあけた金属管に取り付け、更に図2に示すようにシロキサン用容器に取り付けたものを準備した。シロキサン用容器に上記式(3)で示される粘度が100mm2/sのメチルビニルポリシロキサン14.5gと上記式(4)で示される粘度が25mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン1.5g(〔Si−H/ビニル基〕モル比=1.1)からなり、25℃における粘度が90mm2/sであるポリシロキサン混合物を仕込んだ。200mlビーカに0.6%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=13.6)水溶液84gを仕込み、図3に示すように、SPG膜部分が界面活性剤水溶液中に浸漬するようにSPG膜/シャフト/シロキサン用容器をセットし、界面活性剤水溶液をマグネチックスターラーで撹拌しながら、シロキサン用容器上部から3.0kPaの圧力をかけ、ポリシロキサン混合物をSPG膜を通してポリオキシエチレンラウリルエーテル水溶液中に圧入した。圧力をかけると直ぐにポリオキシエチレンラウリルエーテル水溶液は白濁し始め、1時間15分後にシロキサン用容器内のポリシロキサン混合物がなくなったので、SPG膜をビーカから引き上げた。
【0046】
実施例1と同様にして、得られたポリシロキサン混合物の水性分散液から、ポリシロキサン硬化物の水性分散液、更に弾性のある白色粉末を得た。また、実施例1と同様にして、ポリシロキサン混合物水性分散液の状態、体積平均粒径、体積粒径分布のD10/D90、個数粒径分布のD10/D90、形状を測定した。この測定結果を表1に示す。
【0047】
[実施例4]
φ10×10mmで平均細孔径=2.1μmのSPG膜(パイプ状多孔質ガラス膜、エス・ピー・ジーテクノ(株)製商品名)を、図1に示すように一方の端が閉鎖され、側面に穴をあけた金属管に取り付け、更に図2に示すようにシロキサン用容器に取り付けたものを準備した。SPG膜部分をイオン交換水に浸し、超音波を30秒間かけ、SPG膜細孔部に水をしみ込ませた。シロキサン用容器に下記式(5)で示される粘度が400mm2/sのメチルビニルポリシロキサン15.3gと上記式(4)で示される粘度が25mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン0.72g(〔Si−H/ビニル基〕モル比=1.1)からなり、25℃における粘度が360mm2/sであるポリシロキサン混合物を仕込んだ。200mlビーカに0.6%ポリオキシエチレンデシルエーテル(HLB=13.2)水溶液84gを仕込み、図3に示すように、SPG膜部分が界面活性剤水溶液中に浸漬するようにSPG膜/シャフト/シロキサン用容器をセットし、界面活性剤水溶液をマグネチックスターラーで撹拌しながら、シロキサン用容器上部から55kPaの圧力をかけ、ポリシロキサン混合物をSPG膜を通してポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液中に圧入した。圧力をかけると直ぐにポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液は白濁し始め、28時間後にシロキサン用容器内のポリシロキサン混合物がなくなったので、SPG膜をビーカから引き上げた。
【0048】
実施例1と同様にして、得られたポリシロキサン混合物の水性分散液から、ポリシロキサン硬化物の水性分散液、更に弾性のある白色粉末を得た。また、実施例1と同様にして、ポリシロキサン混合物水性分散液の状態、体積平均粒径、体積粒径分布のD10/D90、個数粒径分布のD10/D90、形状を測定した。この測定結果を表1に示す。
【0049】
【化2】
【0050】
[比較例1]
φ10×10mmで平均細孔径=2.1μmのSPG膜(パイプ状多孔質ガラス膜、エス・ピー・ジーテクノ(株)製商品名)を、図1に示すように一方の端が閉鎖され、側面に穴をあけた金属管に取り付け、更に図2に示すようにシロキサン用容器に取り付けたものを準備した。SPG膜部分をイオン交換水に浸し、超音波を30秒間かけ、SPG膜細孔部に水をしみ込ませた。シロキサン用容器に下記式(6)で示される粘度が7mm2/sのメチルビニルポリシロキサン11.7gと下記式(7)で示される粘度が130mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン4.3g(〔Si−H/ビニル基〕モル比=1.1)からなり、25℃における粘度が18mm2/sであるポリシロキサン混合物を仕込んだ。200mlビーカに0.6%ポリオキシエチレンデシルエーテル(HLB=13.2)水溶液84gを仕込み、図3に示すように、SPG膜部分が界面活性剤水溶液中に浸漬するようにSPG膜/シャフト/シロキサン用容器をセットし、界面活性剤水溶液をマグネチックスターラーで撹拌しながら、シロキサン用容器上部から45kPaの圧力をかけ、ポリシロキサン混合物をSPG膜を通してポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液中に圧入した。圧力をかけると直ぐにポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液は白濁し始め、1時間40分後にシロキサン用容器内のポリシロキサン混合物がなくなったので、SPG膜をビーカから引き上げた。
【0051】
実施例1と同様にして、得られたポリシロキサン混合物の水性分散液から、ポリシロキサン硬化物の水性分散液、更に弾性のある白色粉末を得た。また、実施例1と同様にして、ポリシロキサン混合物水性分散液の状態、体積平均粒径、体積粒径分布のD10/D90、個数粒径分布のD10/D90、形状を測定した。この測定結果を表1に示す。
【0052】
【化3】
【0053】
[比較例2]
φ10×10mmで平均細孔径=2.1μmのSPG膜(パイプ状多孔質ガラス膜、エス・ピー・ジーテクノ(株)製商品名)を、図1に示すように一方の端が閉鎖され、側面に穴をあけた金属管に取り付け、更に図2に示すようにシロキサン用容器に取り付けたものを準備した。SPG膜部分をイオン交換水に浸し、超音波を30秒間かけ、SPG膜細孔部に水をしみ込ませた。シロキサン用容器に下記式(8)で示される粘度が1,100mm2/sのメチルビニルポリシロキサン15.5gと上記式(4)で示される粘度が25mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン0.49g(〔Si−H/ビニル基〕モル比=1.1)からなり、25℃における粘度が1,090mm2/sであるポリシロキサン混合物を仕込んだ。200mlビーカに0.6%ポリオキシエチレンデシルエーテル(HLB=13.2)水溶液84gを仕込み、図3に示すように、SPG膜部分が界面活性剤水溶液中に浸漬するようにSPG膜/シャフト/シロキサン用容器をセットし、界面活性剤水溶液をマグネチックスターラーで撹拌しながら、シロキサン用容器上部から60kPaの圧力をかけ、ポリシロキサン混合物をSPG膜を通してポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液中に圧入した。圧力をかけると直ぐにポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液は白濁し始めた。30時間後、シロキサン用容器内のポリシロキサン混合物はなくならなかったが、SPG膜をビーカから引き上げ、圧入を中断した。
【0054】
実施例1と同様にして、得られたポリシロキサン混合物の水性分散液から、ポリシロキサン硬化物の水性分散液、更に弾性のある白色粉末を得た。また、実施例1と同様にして、ポリシロキサン混合物水性分散液の状態、体積平均粒径、体積粒径分布のD10/D90、個数粒径分布のD10/D90、形状を測定した。この測定結果を表1に示す。
【0055】
【化4】
【0056】
[比較例3]
φ10×10mmで平均細孔径=2.1μmのSPG膜(パイプ状多孔質ガラス膜、エス・ピー・ジーテクノ(株)製商品名)を、図1に示すように一方の端が閉鎖され、側面に穴をあけた金属管に取り付け、更に図2に示すようにシロキサン用容器に取り付けたものを準備した。SPG膜部分をイオン交換水に浸し、超音波を30秒間かけ、SPG膜細孔部に水をしみ込ませた。シロキサン用容器に上記式(3)で示される粘度が100mm2/sのメチルビニルポリシロキサン14.5gと上記式(4)で示される粘度が25mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン1.5g(〔Si−H/ビニル基〕モル比=1.1)からなり、25℃における粘度が90mm2/sであるポリシロキサン混合物を仕込んだ。200mlビーカに0.6%ポリオキシエチレンデシルエーテル(HLB=13.2)水溶液84gを仕込み、図3に示すように、SPG膜部分が界面活性剤水溶液中に浸漬するようにSPG膜/シャフト/シロキサン用容器をセットし、界面活性剤水溶液をマグネチックスターラーで撹拌しながら、シロキサン用容器上部から110kPaの圧力をかけ、ポリシロキサン混合物をSPG膜を通してポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液中に圧入した。圧力をかけると直ぐにポリオキシエチレンデシルエーテル水溶液は白濁し始め、30分後にシロキサン用容器内のポリシロキサン混合物がなくなったので、SPG膜をビーカから引き上げたが、得られたものはポリシロキサン混合物が多量に浮いているものであった。
【0057】
[比較例4]
上記式(3)で示される粘度が100mm2/sのメチルビニルポリシロキサン453gと上記式(4)で示される粘度が25mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン47g(〔Si−H/ビニル基〕モル比=1.1)からなり、25℃における粘度が90mm2/sであるポリシロキサン混合物、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=13.6)3gと水45gの混合物を1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーで回転数7,000rpmにて15分間撹拌を行い、次いで水452gを加え、回転数2,000rpmにて、更に10分間撹拌した。
【0058】
得られたポリシロキサン混合物の水性分散液を、平板撹拌装置の付いたガラスフラスコに移し、室温で撹拌下に、塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(塩化白金酸含有量0.5重量%)1.2gとポリオキシエチレンラウリルエーテル1.2gの混合物を添加し、24時間反応させ、60メッシュ金網に通し、ポリシロキサン硬化物の水性分散液を得た。
【0059】
更に、実施例1と同様にして、弾性のある白色粉末を得た。また、実施例1と同様にして、ポリシロキサン混合物水性分散液の状態、体積平均粒径、体積粒径分布のD10/D90、個数粒径分布のD10/D90、形状を測定した。この測定結果を表1に示す。また、この体積粒径分布を図6に、個数粒径分布を図7に示す。
【0060】
[比較例5]
上記式(3)で示される粘度が100mm2/sのメチルビニルポリシロキサン453gと上記式(4)で示される粘度が25mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン47g(〔Si−H/ビニル基〕モル比=1.1)からなり、25℃における粘度が90mm2/sであるポリシロキサン混合物、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=13.6)0.4gと水500gの混合物を1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーで回転数2,000rpmにて20分間撹拌した。
【0061】
比較例4と同様にして、得られたポリシロキサン混合物の水性分散液からポリシロキサン硬化物の水性分散液、更に弾性のある白色粉末を得た。また、実施例1と同様にして、ポリシロキサン混合物水性分散液の状態、体積平均粒径、体積粒径分布のD10/D90、個数粒径分布のD10/D90、形状を測定した。この測定結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
※1:ポリシロキサン混合物の水性分散液を作製するときに使用した界面活性剤
界面活性剤A:ポリオキシエチレンデシルエーテル(HLB=13.2)
界面活性剤B:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=15.6)
界面活性剤C:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=13.6)
※2:30時間後、ポリシロキサン混合物が容器内に残っていたため、圧入をそこで中断した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における多孔膜体と金属管との取り付けを示す概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施例における多孔膜体とシロキサン用容器との取り付けを示す概略正面図である。
【図3】本発明の一実施例におけるポリシロキサンエマルジョン作製用の圧入装置の概略正面図である。
【図4】本発明の実施例1で得られたポリシロキサン硬化物の体積粒径分布を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例1で得られたポリシロキサン硬化物の個数粒径分布を示すグラフである。
【図6】本発明の比較例4で得られたポリシロキサン硬化物の体積粒径分布を示すグラフである。
【図7】本発明の比較例4で得られたポリシロキサン硬化物の個数粒径分布を示すグラフである。
【符号の説明】
1 多孔膜体(SPG膜)
3 金属管
4 シロキサン用容器
5 ポリシロキサン混合物
8 界面活性剤水溶液
Claims (3)
- 1分子中にオレフィン性不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなり、25℃における粘度が50〜500mm2/sであるオルガノポリシロキサン混合物を、均一な細孔径を有する平均細孔径が0.5〜50μmの親水性多孔膜体を通してHLB=12〜16のRO(CH 2 CH 2 O) n H(ここで、Rは炭素数8〜14の1価炭化水素基、nは正数)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルである界面活性剤の水溶液に0.1〜100kPaの圧力で圧入してオルガノポリシロキサンエマルジョンを調製し、次いで、これに白金系触媒を添加して該オルガノポリシロキサンを硬化させることを特徴とする体積平均粒径が1〜100μmであり、かつ体積粒径分布及び個数粒径分布のD10/D90がそれぞれ1.0〜1.7であるシリコーンエラストマー球状粉末の製造方法。
- 親水性多孔膜体が、ガラス又はセラミックスにて形成されていることを特徴とする請求項1記載のシリコーンエラストマー球状粉末の製造方法。
- 親水性多孔膜体が、ガラス素材を2相に分離させ、一方の相を酸で除去して得られる多孔質ガラスであることを特徴とする請求項2載のシリコーンエラストマー球状粉末の製造方法。
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