JP3925298B2 - タイムシフト再生時間制御方法および情報再生装置 - Google Patents

タイムシフト再生時間制御方法および情報再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像データや音声データを受信し、受信したデータを記録媒体に一時記録し、記録媒体に記録されているデータから所定時間内に映像や音声を再生することが可能なタイムシフト再生システムにおいて、タイムシフト再生時間を制御するタイムシフト再生時間制御方法、およびタイムシフト再生時間を制御する機能を備えた情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルテレビジョン(ディジタルTV)放送を受信する受信装置として、受信した符号化データをハードディスク(HD)等の記録媒体に一時記録し、制限時間としてのタイムシフト可能時間内であれば記録媒体に記録されている符号化データから映像や音声を再生することが可能なタイムシフト再生機能を備えたものがある。タイムシフト再生機能を使用すれば、符号化データの受信と符号化データの再生とを同時に行う必要がない。従って、例えば、受信装置が符号化データの受信を行いつつ視聴者(ユーザ)が受信装置によってTV番組の視聴を行っている状況において、ユーザが、一時的に受信装置から離れても、受信装置に位置に戻ったときに、受信装置から離れた時点の内容からTV番組を視聴することができる。すなわち、受信装置は、ユーザによる操作によって、一定時間遡った番組再生を可能にする。
【0003】
しかし、記録媒体に符号化データを記録可能な時間を制限しないと、記録媒体に記録された符号化データが再利用されてしまう。例えば、記録媒体に記録された符号化データが、パーソナルコンピュータ等の他の装置に転送されて再利用されたり、ユーザから第三者に提供されて再利用されたりする可能性がある。TV番組提供者は、本来、TV番組の再利用に対して対価を得るべきであるから、ユーザの符号化データの再利用によって、TV番組提供者の利益すなわち著作権にもとづく利益が損なわれる。
【0004】
そこで、記録媒体への符号化データの記録時間を制限するために、タイムシフト再生機能を備えた受信装置において、記録媒体における記憶領域に制限が設けられる。例えば、一定時間分の記憶領域を使い回す、すなわち、一定時間を越えた時間についての新たな符号化データを記憶領域に上書きするといった方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、そのような方法には、新たな符号化データによって上書きされる前の記憶領域内の符号化データを順次他の記憶領域に転送したり他の記録媒体に転送したりすることによって、符号化データの横取りが可能になる。デジタル放送の普及に伴って放送番組の著作権保護が重要になっているが、一定時間分の記憶領域を使い回す方法は、著作権保護のための十分な方法ではない。
【0006】
特開2000−57059公報には、放送番組等の符号化データのコピーを防止するために、番組提供側で電子透かし技術を用いて時刻情報を符号化データに埋め込み、受信装置において、時刻情報を再生し、時刻情報が示す時刻から一定時間を越えた時刻における符号化データの再生を防止する技術が記載されている。しかし、そのような技術では、時刻情報が改竄されると、時刻情報が示す時刻から一定時間を越えた時刻における符号化データの再生が可能になってしまう。
【0007】
また、特開2001−298719公報には、番組提供側で映像データとともに送信時刻情報を併せて送信し、受信装置において、送信時刻情報を再生し、送信時刻情報が示す時刻から一定時間を越えた時刻における映像データの再生を防止する技術が記載されている。しかし、そのような技術でも、送信時刻情報が改竄されると、送信時刻情報が示す時刻から一定時間を越えた時刻における映像データの再生が可能になってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、タイムシフト可能時間を越える時刻におけるデータの再生を確実に防止できるタイムシフト再生時間制御方法および情報再生装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるタイムシフト再生時間制御方法は、記録手段に記録されている記録データにもとづく情報のタイムシフト再生を行うときに、記録データを再生するときに入力された入力データに含まれる時間情報が示す時間と記録データに含まれる時間情報が示す時間との差を算出し、差があらかじめ定められた制限時間以内であればタイムシフト再生を許容し、差が制限時間を越えていればタイムシフト再生を禁止することを特徴とする。
【0010】
入力データおよび記録データに含まれる時間情報として、符号化データを復号するために使用する復号クロック信号の再生に用いられる情報を使用することが好ましい。
【0011】
また、入力データおよび記録データに含まれる時間情報として、ディジタル放送に含まれる時間情報を使用することが好ましい。
【0012】
入力データを暗号化して一時記録し、タイムシフト再生の際に、復号処理を行って入力データを再現するようにしてもよい。その場合には、記録手段に一時記録された符号化データが横取りされても、符号化データにもとづく再生ができないようにすることができる。
【0013】
符号化データを復号するために使用する復号クロック信号の再生に用いられる情報にもとづいて生成したクロック信号を用いて時間情報を作成し、作成した時間情報を符号化データに付加して一時記録される入力データとするようにしてもよい。その場合には、放送番組の切り替わり時などに時間情報の値が不連続になった場合でも、正確な時間情報を符号化データに付加ことができる。
【0014】
入力データはパケットデータで構成され、再生に使用されないパケットデータを除くパケットデータを一時記録するようにしてもよい。その場合には、符号化データを記録する記録手段の容量を削減することができる。
【0015】
入力データに含まれる時間情報が示す時間の不連続を検知し、タイムシフト再生時に、時間情報が示す時間の不連続を修正するようにしてもよい。その場合には、タイムシフト再生時間の誤算出を回避することができる。
【0016】
本発明による情報再生装置は、入力データを一時記録する記録手段を有し、録手段に記録された記録データにもとづいて記録時刻とずれた時刻に再生を行うタイムシフト再生機能を有し、記録手段に記録されている記録データにもとづく情報のタイムシフト再生を行うときに、記録データを再生するときに入力された入力データに含まれる時間情報が示す時間と記録データに含まれる時間情報が示す時間との差を算出し、差があらかじめ定められた制限時間以内であればタイムシフト再生を許容し、差が制限時間を越えていればタイムシフト再生を禁止する時間情報制御部を備えたことを特徴とする。
【0017】
時間情報制御部は、入力データおよび記録データに含まれる時間情報として、符号化データを復号するために使用する復号クロック信号の再生に用いられる情報を使用することが好ましい。
【0018】
情報再生装置は、ディジタル放送に含まれる時間情報を抽出して時間情報制御部に出力する入力時間情報抽出部と、記録手段から読み出された符号化データから時間情報を抽出して時間情報制御部に出力する出力時間情報抽出部とを備えていてもよい。
【0019】
情報再生装置は、符号化データを復号するために使用する復号クロック信号の再生に用いられる情報にもとづいて生成したクロック信号を用いて時間情報を作成し、作成した時間情報を符号化データに付加して、一時記録される入力データとする時間情報挿入部を備えていてもよい。
【0020】
入力データはパケットデータで構成され、情報再生装置は、再生に使用されないパケットデータを除く情報削減部と、符号化データに付加されている時間情報にもとづいてパケットデータの時間軸上の位置を再現する間隔再現部とを備えていてもよい。そのように構成されている場合には、放送番組の切り替わり時などに時間情報の値が不連続になった場合でも、正確な時間情報が符号化データに付加される。
【0021】
情報再生装置は、入力データに含まれる時間情報が示す時間の不連続を検知し、タイムシフト再生時に、時間情報が示す時間の不連続を修正する修正手段を備えていてもよい。そのように構成されている場合には、放送番組の切り替わり時などに時間情報の値が不連続になった場合でも、正確な時間情報が符号化データに付加される。
【0022】
修正手段は、新たに入力した入力データに含まれる時間情報が示す時間と前回入力した入力データに含まれる時間情報が示す時間との差分を計算し、差分がしきい値を越えていた場合には差分を記憶する入力側修正手段と、新たに記録手段から読み出したデータに含まれる時間情報が示す時間と前回記録手段から読み出したデータに含まれる時間情報が示す時間との差分を計算し、差分がしきい値を越えていた場合には入力側修正手段が記憶した差分にもとづいて時間情報を修正するタイムシフト再生側修正手段とを含む構成であってもよい。
【0023】
時間情報制御部は、タイムシフト再生の制限時間を示す値を格納する制限時間格納手段と、入力時間情報抽出部が出力した時間情報と出力時間情報抽出部が出力した時間情報との間の減算処理を行う減算器と、制限時間格納手段が格納している値と減算器の減算結果とを比較してタイムシフト再生を許容するか否か判定する比較器とを含む構成であってもよい。
【0024】
情報再生装置は、入力データを暗号化して記録手段に記録する暗号化部と、記録手段から読み出された暗号化データを復号する復号化部とを備えていてもよい。そのように構成されている場合には、記録手段に一時記録された符号化データが横取りされても、符号化データにもとづく再生ができないようにすることができる。
【0025】
情報再生装置は、符号化データを復号して映像データおよび音声データを再生する映像音声デコーダと、時間情報制御部がタイムシフト再生を禁止した場合には符号化データの映像音声デコーダへの出力を停止する再生停止制御部を備えていてもよい。
【0026】
情報再生装置は、符号化データの映像音声デコーダへの出力を停止する期間でも、記録手段から符号化データを読み出すことが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明によるタイムシフト再生時間制御方法を実現することが可能なタイムシフト再生システムにおける符号化データの入出力に関する部分を示す概念図である。
【0028】
図1に示す構成おいて、符号化データ入力部1は、ユーザが指定した任意の映像ソースの符号化データを受信し、入力符号化データ制御部2に出力する。入力符号化データ制御部2は、受信したデータに含まれる時間情報を抽出する。そして、時間情報を時間情報制御部5に出力し、受信した符号化データを符号化データ書込部3に出力する。符号化データ書込部3は、入力された符号化データをHD等の記録メディア(記録手段)4に書き込む。
【0029】
ユーザは、任意のタイムシフト再生時間後に再生開始のための操作を行う。操作されたことを示す情報は、出力符号化データ制御部7に入力される。符号化データ読出部は、ユーザ操作にもとづく出力符号化データ制御部7の読み出し要求に応じて、記録メディア4から符号化データを読み出し、読み出した符号化データを出力符号化データ制御部7に出力する。出力符号化データ制御部7は、読み出した符号化データに含まれる時間情報を抽出し、抽出した時間情報を時間情報制御部5に出力する。時間情報制御部5は、入力符号化データ制御部2から受け取る時間情報を現時刻の時間情報とし、出力符号化データ制御部7から受け取った時間情報をタイムシフト再生時の時間情報とする。そして、双方の時間情報を比較してタイムシフト再生時間の制限時間以内か否かを判断し、出力符号化データ制御部7に対して判断結果を出力する。
【0030】
出力符号化データ制御部7は、時間情報制御部5の判断結果がタイムシフト再生時間の制限時間以内でないという場合には、記録メディア4から読み出した符号化データを読み捨てるか、または、符号化データ出力部8に対する符号化データの出力を停止する制御を行う。また、出力符号化データ制御部7は、時間情報制御部5の判断結果がタイムシフト再生時間の制限時間以内であるという場合には、記録メディア4から読み出した符号化データを符号化データ出力部8に出力する。符号化データ出力部8は、出力符号化データ御部7から受け取った符号化データを、タイムシフト再生システムの後段処理部分例えばデコーダに渡す。
【0031】
実施の形態1.
図2は、本発明によるタイムシフト再生時間制御方法を実現することが可能な情報再生装置の一構成例を示すブロック図である。図2に示す情報再生装置は、ディジタル放送の電波を受信し、受信したディジタル放送の電波から符号化データを再生し、符号化データにもとづいて映像および音声を再生する情報再生装置である。また、この実施の形態では、符号化データは、MPEG2方式にもとづくデータである。ただし、MPEG2方式にもとづく符号化データを用いることは、本発明において必須ではない。
【0032】
図2に示す情報再生装置において、ディジタル放送対応チューナユニット(以下、チューナユニットという。)21は、ディジタル放送の電波からユーザが選択した番組を含むTransport Stream形式のデータ(以下、TSという。)を再生して出力する。入力TS制御部22は、チューナユニット21からのTSから時間情報を取り出す入力時間情報抽出部としての入力PCR抽出部30を含む。TS書込部23は、記録メディア4へのTSの書き込みを行う。TS読出部26は、出力TS制御部27の要求に応じて記録メディア4からTSを読み出す。出力TS制御部27は、TS読出部26からのTSに含まれる時間情報を取り出す出力時間情報抽出部としての出力PCR抽出部31および映像音声デコーダ28へのTS出力制御を行う再生停止制御部35とを含む。減算器32は、入力TS制御部22が抽出した時間情報が示す時間から出力TS制御部27が抽出した時間情報が示す時間を減算する。制限時間格納手段としての再生時間制御レジスタ33は、制限時間を示す再生時間制御値を格納する。比較器34は、減算器32の出力と再生時間制御レジスタ33の格納値とを比較する。映像音声デコーダ28は、出力TS制御部27からのTSを再生する。そして、TV装置(映像音声出力部)29は、映像音声デコーダ28から出力される映像信号および音声信号をユーザに提供する。なお、減算器32、再生時間制御レジスタ33および比較器34は、時間情報制御部5を構成する。
【0033】
チューナユニット21は、具体的には、受信したディジタル放送の電波を受信して、復調や誤り訂正の処理を行って符号化データを取り出し、符号化データを入力TS制御部22に出力する。取り出したデータは、ディジタル放送で採用されている図3に示すようなMPEG2のTSのディジタルデータとなっている。
【0034】
図3に示すように、TSは、188バイトの固定長のトランスポート・パケットのストリームで構成されている。トランスポート・パケットにおけるヘッダ部分(ペイロード以外の部分)には、アダプテーション・フィールドが定義され、アダプテーション・フィールドには、42+6ビットの時間情報ProgramClock Reference(以下、PCRという。)が含まれている。
【0035】
入力TS制御部22は、図3に示す構造のTSから、ユーザが所望する番組を受信するためのTSの加工や情報分析を行う。また、データ蓄積のためにTS書込部23にTSを出力する。入力TS制御部22に含まれる入力PCR抽出部30は、チューナユニット21から受け取ったTSから、図3に示すPCRの抽出を行い、抽出したPCRを減算器32に出力する。TS書込部23は、入力TS制御部22から受け取ったTSを記録メディア4に出力する。記録メディア4には、TS書込部23からのTSが記録される。
【0036】
TS読出部26は、出力TS制御部27からの要求に応じて、記録メディア4からTSを読み出し、読み出したTSを出力TS制御部27に出力する。出力TS制御部27は、TS読出部26に対してTSの読み出し要求を行うとともに、映像音声デコーダ28に対してTSを出力する制御を行う。また、出力TS制御部27は、一時停止操作のユーザ操作に応じて、TS読出部26への読み出し要求を止める。さらに、出力TS制御部27は、タイムシフト再生の時間制限を越えた場合には、映像音声デコーダ28へのTSの出力を停止する。
【0037】
出力TS制御部27に含まれる出力PCR抽出部31は、TS読出部26から受け取ったTSからPCRの抽出を行い、抽出したPCRを減算器32に出力する。減算器32は、入力PCR抽出部30からの時間情報から出力PCR抽出部31からの時間情報を減算し、減算結果を比較器34に出力する。再生時間制御レジスタ33は、受信する番組毎にタイムシフト許容時間すなわちタイムシフト再生の制限時間を示す値を格納する。比較器34は、減算器32の出力と再生時間制御レジスタ33の出力とを比較し、比較結果を再生停止制御部35に出力する。再生停止制御部35は、比較器34の出力結果に従って、TS読出部26から出力されたTSを映像音声デコーダ28に対して出力する制御を行う。映像音声デコーダ28は、出力TS制御部27から出力されるTSに含まれる映像および音声の符号化データを復号しTV装置29に出力する。TV装置29は、ユーザに映像よび音声を提供する。
【0038】
図4は、例えば映像音声デコーダ28に備えられているTS基準復号器の構成を示すブロック図である。TS基準復号器は、TSに含まれているPCRを入力し、カウンタ(STC:System Time Clock)271にセットする。また、位相比較器272は、入力されたPCRとカウンタ271の設定値とを比較し、位相差をD−A変換器273に出力する。D−A変換器273は、位相差を示すアナログ信号をLPF274を介してVCO275に出力する。VCO275は、位相差を解消するように作用してクロック信号を出力する。このようなPLL構成によって、TS基準復号器は、PCRにもとづいて27MHzのシステムクロック信号(復号クロック信号)を再生することができる。
【0039】
次に、図2および図3を参照してこの実施の形態の動作を説明する。ユーザが見たい番組を選択した場合、チューナユニット21は、選択した番組が含まれる電波を受信し、復調およびエラー訂正を行い、TSを入力TS制御部22に出力する。入力TS制御部22は、番組を受信するために必要な情報を解析し、蓄積に必要なTSのみをTS書込部23に出力する。入力TS制御部22に含まれる入力PCR抽出部30は、番組受信に必要なTSの中から、図3に示すPCRを抜き出す。ここでは、PCRのうち下位の33ビットを抜き出して減算器32に送る。減算器32に送られるPCRが示す情報は、放送を受信している現時刻情報である。そして、この実施の形態では、現在受信しているPCRにもとづく現時刻情報とタイムシフト再生時のPCRにもとづく時刻情報とを比較してタイムシフト経過時間が算出される。
【0040】
入力TS制御部22から出力されたTSは、TS書込部23によって記録メディア4に記録される。TS読出部26は、出力TS制御部27からの要求に従って、記録メディア4からTSを読み出し、読み出したTSを出力TS制御部27に出力する。出力TS制御部27は、ユーザの操作によるタイムシフト再生時間後、TS読出部26にTS読み出し要求を出し、再生するTSを受け取る。出力PCR抽出部31は、再生するTSからPCRを抜き出し、PCRを減算器32に送る。減算器32に送られるPCRが示す情報は、入力PCR抽出部30が出力するPCRが示す情報に対して、タイムシフト再生で遅れている時間情報となる。減算器32は、入力PCR抽出部30から送られてくるPCR情報から出力PCR抽出部31から送られてくるPCR情報を減算し、減算結果を比較器34に送る。比較器34に送られる減算結果すなわち時間差分情報は、ユーザ操作によるタイムシフト再生における再生シフト時間に相当する。
【0041】
PCRの33ビットは、放送局が番組を符号化圧縮する際に使用する27MHzのクロックの300クロックで1カウントアップする33ビットのカウンタの値である。従って、233/(27×10/300)秒(=約26時間)のカウントを行うことができる。すなわち、十分に24時間分のカウントを行うことができる。
【0042】
図4に示すように、PCRは、受信システムにおいて、符号化で使われたクロック信号の周波数と位相同期をとった復号クロック信号を作るために使われている。また、この実施の形態では、PCRを用いてタイムシフト再生時間制御が行われている。従って、タイムシフト再生時間制限の解除を目的として、出力TS制御部27の前段等においてPCRの内容が変更されると、復号クロック信号の生成が正常に行なわれなくなる。その結果、後段にある映像音声デコーダ28等において、内部のバッファ等がアンダーフローやオーバーフロー等を起こして、映像や音声の再生が乱れる。つまり、タイムシフト再生時間制限をごまかすための操作が行われると、映像や音声の再生が乱れる問題が発生する。換言すれば、タイムシフト再生時間制限をごまかすための時間情報の改竄を防止することができる。
【0043】
再生時間制御レジスタ33は、タイムシフト再生時間に制限を加えたい場合に、タイムシフト再生時間の制限時間に相当する値が設定される。例えば、90分を越えるタイムシフト再生を禁止する場合は、再生時間制御レジスタ33に、90分に相当する値が設定される。この実施の形態では、27MHzのクロックの300クロック分が1に相当するので、90×60×(27×10/300)=1CF7C580(16進数)を格納する。例えば、放送局などのコンテンツ提供者から、タイムシフト再生時間に制限を加える情報が送られていた場合、再生時間制御レジスタ33に制限時間を設定すればよい。
【0044】
なお、33ビット全部を比較せず、例えば上位16ビットを用いてもよい。上位16ビットを用いる場合には、タイムシフト再生時間の精度は約1.6秒になるが、回路規模を削減することができる。
【0045】
比較器34は、減算器32からの出力と再生時間制御レジスタ33の設定値との比較結果を再生停止制御部35に出力する。再生停止制御部35は、比較器34の比較結果に従って、映像音声デコーダ28に対してTSを出力したり止めたりする制御を行う。すなわち、タイムシフト再生の制限時間以内であれば、TSを出力し、その結果、ユーザはタイムシフト再生を実行できる。また、制限時間を越える場合には、TSの出力を停止する。よって、ユーザはタイムシフト再生を実行できなくなる。なお、比較器34の比較結果は、タイムシフト再生を許容するか否かの判定結果に相当する。
【0046】
TS出力の停止制御中も、出力TS制御部27はTS読出部26に対してTSの読み出し要求を継続する。この結果、タイムシフト再生の時間制限を越えた部分は読み飛ばされ、自動的に時間制限以内の部分のみについてタイムシフト再生が実行される。
【0047】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態を図5のブロック図を参照して説明する。図2に示す第1の実施の形態の情報再生装置ではタイムシフト再生の制限時間を越えた場合には映像や音声を再生することはできないが、記録メディア4に蓄積されたデータを再生するまでに情報再生装置から抜き出すことによって、他の再生システムで再生ができる可能性がある。そこで、この実施の形態の情報再生装置では、図5に示すように、TS書込部23から記録メディア4への経路途中にデータに暗号化を施す暗号化部61が設けられ、記録メディア4からTS読込部26への経路途中に、暗号化されたデータを復号する復号化部62が設けられている。情報再生装置におけるその他の構成要素は、図2に示す構成要素と同じである。
【0048】
この実施の形態では、タイムシフト再生のために記録メディア4にTSを一時記録する直前に、記録するTSに暗号化を施す。また、タイムシフト再生を行う直前に、記録メディア4から読み出したTSを復号化する。従って、記録メディア4に一時記録されたTSが横取りされても、TSにもとづく再生ができないようにすることができる。なお、その他の動作は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0049】
実施の形態3.
次に、図6のブロック図と図7の信号シーケンス図とを参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。第1の実施の形態および第2の実施の形態では、タイムシフト時間を制御するためにTSに含まれるPCRを用いたが、この実施の形態では、トランスポート・パケットの先頭に、図7に示すようにトランスポート・パケットの間隔(時間軸上の位置)を示す時間情報を挿入する。
【0050】
この実施の形態では、図6に示すように、入力TS制御部42に時間情報挿入部71が設けられている。時間情報挿入部71は、システムカウンタ72からのカウント値を用いて時間情報を生成し、図7に示すように、トランスポート・パケットの先頭に時間情報を付加する。また、出力TS制御部47に時間情報抽出部73が設られている。時間情報抽出部73は、トランスポート・パケットの先頭に付加されている時間情報を抽出し、抽出した時間情報を減算器32に送る。なお、減算器32、再生時間制御レジスタ33、比較器34およびシステムカウンタ72は、時間情報制御部51を構成する。
【0051】
システムカウンタ72は、PCRを元に、放送局で使う映像データおよび音声データの符号化クロックに対して同期制御されている復号クロック信号(27MHz)を用いてカウント値を生成する。また、システムカウンタ72は例えば40ビット構成であり、復号クロック信号を用いてカウントアップを行う。
【0052】
時間情報挿入部71が作成した時間情報は、トランスポート・パケットの間隔を再現するためにも利用される。図7に示すように、放送で使用されるTSには、ユーザが選択した受信番組に関係ないTSも含まれている(図7の1段目参照)。ユーザが選択した受信番組に関係ないTSは、記録メディア4に記録される必要はない。従って、記録メディア4にTSを記録する場合に、ユーザが選択した受信番組に関係ないTSを削除することによって記録容量を削減することができる。
【0053】
しかし、中途のTSを削除して記録メディア4に記録すると、記録メディア4に記録される各TSにおけるPCRによる時間情報の連続性が損なわれる。つまり、放送時のTSの間隔を示す情報が正常でない状態で記録メディア4にTSが記録される。従って、記録メディア4からTSを読み出したときに、トランスポート・パケットを正しい時間間隔で再現することができなくなる。
【0054】
そこで、この実施の形態では、時間情報挿入部71が、トランスポート・パケットの間隔を示す時間情報をトランスポート・パケットの先頭に付加する。なお、図7には示されていないが、時間情報挿入部71は、全てのトランスポート・パケットに対して時間情報を付加する。そして、入力TS制御部42は、図7の3段目に示すように、ユーザが選択した受信番組に関係あるTSのみをTS書込部23に出力する。従って、入力TS制御部42は、再生に使用されないパケットデータを除く情報削減部を実現している。なお、この実施の形態では、入力TS制御部42が出力するデータが、時間情報を含む入力データに相当する。
【0055】
記録メディア4には、ユーザが選択した受信番組に関係あるTSのみが記録される。出力TS制御部47は、記録メディア4から読み出されたTSに付加されている時間情報を元に、トランスポート・パケットの間隔を再現する(図7の2段目参照)。例えば、出力TS制御部47は、あるトランスポート・パケットを映像音声デコーダ28に出力した時点から、そのトランスポート・パケットに付加されている時間情報と次のトランスポート・パケットに付加されている時間情報との差の時間だけ遅らせて、次のトランスポート・パケットを映像音声デコーダ28に出力する。従って、出力TS制御部47は、符号化データに付加されている時間情報にもとづいてパケットデータの間隔(時間軸上の位置)を再現する間隔再現部を実現している。
【0056】
トランスポート・パケットの先頭に付加される時間情報は、トランスポート・パケットの間隔の再現のみに使用する場合には、27MHzのシステムクロックを用いた場合、32ビット程度で十分である。32ビットあれば、232/(27×10)秒(=約159秒)のカウントを行うことができる。しかし、時間情報を40ビットに拡張することによって、タイムシフト再生時間の制御に用いることができる。40ビットあれば、240/(27×10)秒(=約11時間)のカウントを行うことができる。
【0057】
トランスポート・パケットの先頭に付加される時間情報は、再生するトランスポート・パケットの間隔を再現するために使用されるので、時間情報が改竄された場合には、映像音声デコーダ28において、内部バッファのアンダーフローやオーバーフローが発生し、映像や音声が正常に再生されなくなる不具合が発生する。よって、この実施の形態でも、第1および第2の実施の形態と同様に、時間情報の改竄を防止することができる。
【0058】
また、システムカウンタ72は、情報再生装置内で生成される復号クロック信号にもとづいて常時カウントアップしている。従って、放送番組の切り替わり時などにPCR情報の値が不連続になった場合でも、正確な時間情報をトランスポート・パケットの先頭に付加ことができる。なお、ここで説明した動作以外のタイムシフト再生時間制御に関する動作は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0059】
実施の形態4.
次に、図8のブロック図を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。第4の実施の形態では、受信時のPCRすなわち入力TS制御部22が出力するPCRとタイムシフト再生時のPCRすなわち出力TS制御部27が出力するPCRとを比較する時間情報制御部52の構成が、第1および第2の実施の形態における時間情報制御部5の構成と異なっている。
【0060】
番組の切り替わりや集中豪雨等に起因して電波の送出設備の場所を切り替えた場合などに、PCRが示す時間の不連続が発生する可能性がある。第1および第2の実施の形態では、PCRが示す時間の不連続が発生すると、タイムシフト再生時間の誤算出する。しかし、この実施の形態は、そのような誤算出を回避することができる。
【0061】
時間情報制御部52は、入力TS制御部22から出力されるPCRを格納するとともに既に設定されていたPCRを旧入力PCRレジスタ92に転送する新入力PCRレジスタ91と、前回受信した入力PCRの値を格納する旧入力PCRレジスタ92と、新入力PCRレジスタ91に格納されている値と旧入力PCRレジスタ92に格納されている値との差分を計算する減算器93と、減算器93が計算したPCR差分値を不連続と判断するためのしきい値を格納するPCR差分しきい値レジスタ94と、減算器93の出力としきい値レジスタ94の格納値とを比較する比較器95と、比較器95の出力結果にもとづいてソフトウェアにPCRの不連続が発生したことを通知するとともに不連続時のPCR差分値の格納指示を出力する不連続検出割込発生部96と、不連続検出割込発生部96からの指示に応じて減算器93の出力(PCR差分値)を格納する不連続差分値レジスタ98とを有する。以上の構成要素は、入力データに含まれる時間情報が示す時間の不連続を検知する受信側の修正手段(入力側修正手段)に相当する。また、チューナユニット21から記録メディア4までの構成要素と受信側の構成要素とする。
【0062】
また、時間情報制御部52は、出力TS制御部27から出力されるPCRを格納するとともに既に格納されていたPCRを旧出力PCRレジスタ100に転送する新出力PCRレジスタ99と、前回の出力PCRの値を格納する旧出力PCRレジスタ100と、新出力PCRレジスタ99に格納されている値と旧出力PCRレジスタ100に格納されている値との差分を計算する減算器101と、減算器101の出力とPCR差分しきい値レジスタ94の格納値とを比較する比較器102と、PCRの不連続時の差分修正値があらかじめ設定され、比較器102の結果からPCRの不連続が発生したと判断した場合に、PCR情報を修正するための修正値レジスタ103と、比較器102の比較結果にもとづいて加算器105に修正値レジスタ103の値を出力する不連続修正制御部104と、タイムシフト再生時のPCR情報に修正値を加算する加算器105とを有する。以上の構成要素は、時間情報が示す時間の不連続を修正するタイムシフト再生側の修正手段に相当する。また、記録メディア4から映像音声デコーダ28までの構成要素をタイムシフト再生側の構成要素とする。
【0063】
なお、修正値レジスタ103には、不連続検出割込発生部96から通知を受けた時点の不連続差分値レジスタ98の値がソフトウェアによって設定される。ソフトウェアとは、図8には示されていないCPUを含む制御部を指す。なお、不連続差分値レジスタ98の値がハードウェア的に修正値レジスタ103に転送されるように構成されていてもよい。
【0064】
次に、この実施の形態の動作を説明する。PCRしきい値レジスタ94には、正常な番組を受信しているときのPCRの増減値に比べて十分大きな値が、あらかじめソフトウェアによって設定される。時間情報制御部52において、受信側では、PCRの不連続が発生すると、新入力PCRレジスタ91に不連続が発生した最初のPCRが新PCRとして格納される。このとき、旧入力PCRレジスタ92には、新入力PCRとの差分が、PCR差分しきい値レジスタ94の格納値を越えるような旧PCRが格納されていたとする。
【0065】
従って、減算器93から出力される減算結果は、PCR差分しきい値レジスタ94の格納値を越えるような値になる。比較器95は、PCR差分しきい値レジスタ94の格納値と減算器93の減算結果とを比較し、比較結果を不連続検出割込発生部96に出力する。不連続検出割込発生部96は、比較器95の比較結果にもとづいてPCRが示す時間の不連続が発生したと判断した場合には、不連続差分値レジスタ98に減算器93の出力値を格納する指示を行うとともに、ソフトウェアに対して、PCRが示す時間の不連続が発生したことを通知するための割込通知を行う。ソフトウェアは、不連続検出割込96からの通知に応じて、不連続差分値レジスタ98の格納値を読み出し、読み出した値を修正値レジスタ103に設定する。
【0066】
この場合、タイムシフト再生側において、タイムシフト再生時間後にPCRが示す時間の不連続の発生が発生する。PCRが示す時間の不連続が発生した場合には、まず、新出力PCRレジスタ99に不連続発生の最初のPCR情報が格納される。このとき、旧出力PCRレジスタ100には、新入力PCRとの差分が、PCR差分しきい値レジスタ94の格納値を越えるような旧PCRが格納されている。減算器101は、新出力PCRレジスタ99の格納値と旧出力PCRレジスタ100の格納値との減算結果を比較器102に出力する。
【0067】
比較器102は、PCR差分しきい値レジスタ94の格納値と減算器101の減算結果とを比較し、比較結果を不連続修正制御部104に出力する。不連続修正制御部104は、減算器101の出力値にもとづいてPCRが示す時間の不連続が発生したと判断した場合には、修正値レジスタ103に格納されている値を加算器105に出力する。加算器105は、新出力PCRレジスタ99の格納値に修正値を加算し、加算結果を、タイムシフト再生時のPCR情報として減算器32に出力する。修正値レジスタ103には、放送受信時にPCRが示す時間の不連続が発生した時点の差分値が格納されているので、以上のような制御によって、タイムシフト再生側において、PCRの不連続が解消される。
【0068】
従って、この実施の形態では、放送の番組切り替わり時等に、PCRの値が不連続になっても、正常にタイムシフト再生時間を算出することができる。なお、その他の動作は第1および第2の実施の形態の場合と同様である。
【0069】
実施の形態5.
次に、図9のブロック図および図10,図11の説明図を参照して本発明の第5の実施の形態を説明する。上記の各実施の形態で扱われる時間情報がMPEG2におけるPCRであったのに対して、この実施の形態では、Time Offset Table(以下、TOT)やTime Date Table(以下、TDT)情報を扱う点が異なっている。TOTやTDTは、BS/CSディジタル放送に規定する番組配列情報を規定するARIB STD−B10で定義されている。
【0070】
TOTは、図10に示す構造を有し、24ビットの現在時刻情報を含む。また、TDTは、図11に示す構造を有し、やはり、24ビットの現在時刻情報を含む。従って、TOTやTDTを使用すれば、上記の各実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。ただし、本時間情報(TOT/TDT)は、復号クロック信号の生成等には使われていない。よって、上記の各実施の形態の場合に比べて改竄が容易である。また、PCRの送出間隔が100ms間隔であるのに対して、秒単位の間隔である。よって、時間制御精度が小さくなる。しかし、時間情報が24ビットと少なく、回路規模を小さくできる利点がある。また、扱われている時間情報も秒単位であり、TOTやTDTには日付情報も含まれているので(図10および図11参照)、上記の各実施の形態の場合に比べて、タイムシフト時間制御において長い時間管理ができる利点がある。
【0071】
なお、タイムシフト再生に関する制御の仕方は、第1および第2の実施の形態の場合と同様である。
【0072】
実施の形態6.
次に、図12のブロック図と図13の説明図を参照して本発明の第6の実施の形態を説明する。第6の実施の形態は、第1〜第5の実施の形態と異なり、アナログ放送に適用される実施の形態である。図12に示すように、この実施の形態の情報再生装置は、アナログ放送を受信し、映像信号および音声信号を出力するアナログ放送対応チューナユニット(以下、チューナユニットという。)131と、映像信号および音声信号を例えばMPEG2方式によって符号化して、図13に示す構造のProgram Stream(以下、PSという。)を出力する映像音声エンコーダ132と、PS内の時間情報System Clock Reference(以下、SCRという。)を抽出する入力SCR抽出部137を含み映像音声エンコーダ132が出力するPSを分析する入力PS制御部133と、記録メディア4にPSを記録するPS書込部134と、記録メディア4からPSを読み出すPS読出部135と、記録メディア4からから読み出されたPSからSCR時間情報を抽出する出力SCR抽出部138と再生停止制御部35とを含む出力PS制御部136と、減算器32と、再生時間制御レジスタ33と、比較器34と、映像音声デコーダ28と、TV装置29とを含む。
【0073】
次に、この実施の形態の動作について説明する。ユーザが番組を選択した場合、チューナユニット131は、選択された番組の映像信号および音声信号を出力する。映像音声エンコーダ132は、映像信号および音声信号の符号化を行う。映像音声エンコーダ132の出力は、PSとTSのどちらでもよいが、この実施の形態ではPSが用いられる。PSは、図13に示すように、各パックが、パックヘッダと、映像パケットおよび音声パケットとで構成されている構造である。また、映像音声エンコーダ132は、例えば情報再生装置が内蔵している時計機能を用いて時間情報を生成しSCRとする。なお、この実施の形態では、映像音声エンコーダ132が出力する符号化データが、時間情報を含む入力データに相当する。
【0074】
入力PS制御部133は、上記の各実施の形態における入力TS制御部22,42がTSについてするのと同様に、映像音声エンコーダ132から出力されるPSの情報分析を行う。入力SCR抽出部137は、図13に示すSCRをPSから抽出して減算器32に出力する。また、PSをPS書込部134に出力する。PS書込部134は、受け取ったPSを記録メディア4に書き込む。PS読出部135は、出力PS制御部136からの読み出し要求に従って、記録メディア4からPSを読み出して出力PS制御部136に出力する。出力PS制御部136は、上記の各実施の形態における出力TS制御部27,47がTSについてするのと同様に、受け取ったPSの情報分析を行う。出力SCR抽出部138は、PSのSCR時間情報を抽出して減算器32に出力する。なお、減算器32、再生時間制御レジスタ33および比較器34で構成される時間情報制御部5の動作は、第1および第2の実施の形態の場合と同じである。
【0075】
従って、第1および第2の実施の形態における再生停止制御部35と同様に、出力PS制御部136における再生停止制御部35は、比較器34の出力結果に従って映像音声デコーダ28へのPS出力制御を行う。すなわち、タイムシフト再生の制限時間以内であれば、PSを出力し、その結果、ユーザはタイムシフト再生を実行できる。また、制限時間を越える場合には、PSの出力を停止する。よって、ユーザはタイムシフト再生を実行できなくなる。PS出力の停止制御中も、出力PS制御部137はPS読出部136に対してPSの読み出し要求を継続する。この結果、タイムシフト再生の時間制限を越えた部分は読み飛ばされ、自動的に時間制限以内の部分のみタイムシフト再生が実行される。
【0076】
以上のように、この実施の形態によれば、アナログ放送でも、タイムシフト再生の時間制御を行うことができる。
【0077】
上述したように、上記の各実施の形態では、タイムシフト再生の制限時間は確実に守られる。時間情報管理および符号化データの映像音声デコーダ28への出力制御がハードウェアで実行されるので、確実に、タイムシフト再生の制限時間を越えた一時記録ストリームの再生を防止することができる。
【0078】
また、時間情報を改竄すると映像および音声の正常な再生ができなくなる。すなわち、放送局の映像信号および音声信号の符号化時に使用する符号化クロックに同期した復号クロック信号を生成するための時間情報がタイムシフト時間の管理に用いられているので、一時記録ストリームの時間情報を改竄すると再生不具合が発生する。
【0079】
さらに、タイムシフト再生の制限時間が確実に守られる情報再生装置の実現が簡単である。時間情報の保持機能、減算器、比較器、および符号化データの出力制御機能を追加することで実現できるからである。
【0080】
なお、第3〜第6の実施の形態において、第2の実施の形態と同様に、入力データを暗号化して記録メディア4に記録し、記録メディア4から読み出した暗号データを復号して入力データを再現するようにしてもよい。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、タイムシフト再生時間制御方法および情報再生装置が、記録手段に記録されている記録データにもとづく情報のタイムシフト再生を行うときに、記録データを再生するときに入力された入力データに含まれる時間情報が示す時間と記録データに含まれる時間情報が示す時間との差を算出し、差があらかじめ定められた制限時間以内であればタイムシフト再生を許容し、差が制限時間を越えていればタイムシフト再生を禁止するように構成されているので、タイムシフト可能時間を越える時刻におけるデータの再生を確実に防止できる効果がある。
【0082】
特に、記録データに含まれる時間情報が示す時間との差を算出する場合に用いられる入力データの時間情報として、符号化データを復号するために使用する復号クロック信号の再生に用いられる情報を使用する場合には、時間情報を改竄すると映像および音声などのの正常な再生ができなくなるので、タイムシフト可能時間を越える時刻におけるデータの再生は確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるタイムシフト再生システムにおける符号化データの入出力に関する部分を示す概念図である。
【図2】 本発明による情報再生装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】 MPEG2方式のデータストリームを示す説明図である。
【図4】 映像音声デコーダに備えられているTS基準復号器の構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明による情報再生装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】 本発明による情報再生装置の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】 ディジタル放送のデータストリームを示す信号シーケンス図である。
【図8】 本発明による情報再生装置の第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図9】 本発明による情報再生装置の第5の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】 TOTの構造を示す説明図である。
【図11】 TDTの構造を示す説明図である。
【図12】 本発明による情報再生装置の第6の実施の形態を示すブロック図である。
【図13】 プログラムストリームを示す説明図である。
【符号の説明】
1 符号化データ入力部
2 入力符号化データ制御部
3 符号化データ書込部
4 記録メディア(記録手段)
5 時間情報制御部
6 符号化データ読出部
7 出力符号化データ制御部
8 符号化データ出力部
21 ディジタル放送対応チューナユニット
22 入力TS制御部
23 TS書込部
26 TS読出部
27 出力TS制御部
28 映像音声デコーダ
29 TV装置(映像音声出力部)
30 入力PCR抽出部
31 出力PCR抽出部
32 減算器
33 再生時間制御レジスタ
34 比較器
35 再生停止制御部

Claims (18)

  1. 入力された各々の入力データを記録手段に一時記録し、該記録手段に記録された記録データを読み出して記録データにもとづく情報のタイムシフト再生を行う場合の制限時間を制御するタイムシフト再生時間制御方法において、
    前記記録手段に記録されている記録データにもとづく情報のタイムシフト再生を行うときに、記録データを再生するときに入力された入力データに含まれる時間情報が示す時間と当該記録データに含まれる時間情報が示す時間との差を算出し、
    前記差があらかじめ定められた制限時間以内であればタイムシフト再生を許容し、前記差が前記制限時間を越えていればタイムシフト再生を禁止する
    ことを特徴とするタイムシフト再生時間制御方法。
  2. 入力データは符号化データであり、
    入力データおよび記録データに含まれる時間情報として、符号化データを復号するために使用する復号クロック信号の再生に用いられる情報を使用する
    請求項1記載のタイムシフト再生時間制御方法。
  3. 入力データはディジタル放送の受信データであり、
    入力データおよび記録データに含まれる時間情報として、ディジタル放送に含まれる時間情報を使用する
    請求項2記載のタイムシフト再生時間制御方法。
  4. 入力データを暗号化して一時記録し、
    タイムシフト再生の際に、復号処理を行って入力データを再現する
    請求項2または請求項3記載のタイムシフト再生時間制御方法。
  5. 符号化データを復号するために使用する復号クロック信号の再生に用いられる情報にもとづいて生成したクロック信号を用いて時間情報を作成し、
    作成した前記時間情報を符号化データに付加して、一時記録される入力データとする
    請求項2から請求項4のうちのいずれか1項に記載のタイムシフト再生時間制御方法。
  6. 入力データはパケットデータで構成され、
    再生に使用されないパケットデータを除くパケットデータを一時記録する
    請求項5記載のタイムシフト再生時間制御方法。
  7. 入力データに含まれる時間情報が示す時間の不連続を検知し、
    タイムシフト再生時に、時間情報が示す時間の不連続を修正する
    請求項2または請求項3記載のタイムシフト再生時間制御方法。
  8. 入力された各々の入力データを一時記録する記録手段を有し、前記記録手段に記録された記録データにもとづいて記録時刻とずれた時刻に再生を行うタイムシフト再生機能を有する情報再生装置において、
    前記記録手段に記録されている記録データにもとづく情報のタイムシフト再生を行うときに、記録データを再生するときに入力された入力データに含まれる時間情報が示す時間と当該記録データに含まれる時間情報が示す時間との差を算出し、前記差があらかじめ定められた制限時間以内であればタイムシフト再生を許容し、前記差が前記制限時間を越えていればタイムシフト再生を禁止する時間情報制御部を備えた
    ことを特徴とする情報再生装置。
  9. 入力データは符号化データであり、
    時間情報制御部は、入力データおよび記録データに含まれる時間情報として、符号化データを復号するために使用する復号クロック信号の再生に用いられる情報を使用する
    請求項8記載の情報再生装置。
  10. 入力データはディジタル放送の受信データであり、
    ディジタル放送に含まれる時間情報を抽出して時間情報制御部に出力する入力時間情報抽出部と、記録手段から読み出された符号化データから時間情報を抽出して前記時間情報制御部に出力する出力時間情報抽出部とを備えた
    請求項9記載の情報再生装置。
  11. 符号化データを復号するために使用する復号クロック信号の再生に用いられる情報にもとづいて生成したクロック信号を用いて時間情報を作成し、作成した前記時間情報を符号化データに付加して、一時記録される入力データとする時間情報挿入部を備えた
    請求項9記載の情報再生装置。
  12. 入力データはパケットデータで構成され、
    再生に使用されないパケットデータを除く情報削減部と、
    符号化データに付加されている時間情報にもとづいてパケットデータの時間軸上の位置を再現する間隔再現部とを備えた
    請求項10記載の情報再生装置。
  13. 入力データに含まれる時間情報が示す時間の不連続を検知し、タイムシフト再生時に、時間情報が示す時間の不連続を修正する修正手段を備えた
    請求項9または請求項10記載の情報再生装置。
  14. 修正手段は、
    新たに入力した入力データに含まれる時間情報が示す時間と前回入力した入力データに含まれる時間情報が示す時間との差分を計算し、差分がしきい値を越えていた場合には差分を記憶する入力側修正手段と、
    新たに記録手段から読み出したデータに含まれる時間情報が示す時間と前回記録手段から読み出したデータに含まれる時間情報が示す時間との差分を計算し、差分がしきい値を越えていた場合には前記入力側修正手段が記憶した差分にもとづいて時間情報を修正するタイムシフト再生側修正手段とを含む
    請求項13記載の情報再生装置。
  15. 時間情報制御部は、タイムシフト再生の制限時間を示す値を格納する制限時間格納手段と、入力時間情報抽出部が出力した時間情報と出力時間情報抽出部が出力した時間情報との間の減算処理を行う減算器と、前記制限時間格納手段が格納している値と前記減算器の減算結果とを比較してタイムシフト再生を許容するか否か判定する比較器とを含む
    請求項8から請求項14のうちのいずれか1項に記載の情報再生装置。
  16. 入力データを暗号化して記録手段に記録する暗号化部と、記録手段から読み出された暗号化データを復号する復号化部とを備えた
    請求項8から請求項15のうちのいずれか1項に記載の情報再生装置。
  17. 符号化データを復号して映像データおよび音声データを再生する映像音声デコーダと、
    時間情報制御部がタイムシフト再生を禁止した場合には、符号化データの前記映像音声デコーダへの出力を停止する再生停止制御部とを備えた
    請求項8から請求項16のうちのいずれか1項に記載の情報再生装置。
  18. 符号化データの映像音声デコーダへの出力を停止する期間でも、記録手段から符号化データを読み出す
    請求項17記載の情報再生装置。
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