JP3924961B2 - 電子天秤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子天秤に係り、特に電子天秤の試料皿の着脱機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子天秤は、荷重に平衡する電磁力発生部の電磁コイルの電流が測定する荷重によって変化する出力電流信号を捕らえ、電圧信号に変え、A/D変換して表示部に表示する電磁自動平衡式のものが広く使われている。
図4にその構成を示す。試料皿1に測定するものを置き、その試料皿1を皿受け2の上にセットする。その荷重が重量測定系の検出部3に感知される。その検出信号は演算部4に入力され、所定の較正がなされ、風袋を除いた正味値が表示部5で表示されるものである。検出部3、演算部4、表示部5はケース6に内蔵されている。ケース6の外部には皿受け2が上部に設けられ、通常、試料皿1を取り上げ、測定試料を試料皿1にのせ、そして、その試料皿1を手で皿受け2に載せるか、又は皿受け2の上に試料皿1を置いた状態で、直接測定試料を試料皿1上に載せる方法が取られる。
直接測定試料を試料皿1上に載せる方法は検出部3に急激な荷重変化を与えるなどのために、試料皿1を皿受け2から離しておいて、その状態で試料皿1に測定試料を載せ、そして、それを緩やかに皿受け2の上に載せる機構を備えた電子天秤が使われている。
図5に試料皿1を皿受け2から離しておいて、それを緩やかに皿受け2の上に載せる機構を備えた電子天秤を示す。皿受け2は重量測定系15に連結され、一方、試料皿1はローラ付リング21の支持棒に支えられている。回転部22の円盤上に上下用突起20が設けられ、ローラ付リング21はこの上下用突起20のカーブに沿って支柱24上を上下にスライドする。回転部22の回転位置は位置センサ17で決められる。そして回転部22の回転はモータ12の駆動により駆動ギア18と従ギア19によってなされる。基台23には支柱24が固定されている。
試料皿1に測定試料を載せ、装置のセットボタン(図示せず)を押せば、モータ12が回転し、回転部22が回転し、ローラ付リング21が上下用突起20のカーブに沿って下がり、位置センサ17が所定回転位置を検出すると、回転部22は停止し、試料皿1は皿受け2の上に載せられる。その荷重を重量測定系15は感知し、測定試料の重さを演算して、表示部5に表示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電子天秤は以上のように構成されているが、試料皿1の上下機構に、ローラ付リング21や、大きな空間を占有する回転部22、従ギア19、支柱24や、高価な位置センサ17等を必要とし、構造が複雑になり、上下の空間を大きく占有してしまい、製造コストも高くつくという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、試料皿を皿受けから離しておいて、それを緩やかに皿受けの上に載せる方法を、簡単な構造で、製造コストも高くつかない方法で実施することができる電子天秤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、重量測定系に皿受けを有し、被測定試料を載せるための試料皿を、皿受け上に載せたり降ろしたりする機構を備えた電子天秤において、モータと、偏芯カムと、前記モータの回転を前記偏芯カムに伝達するウオームギアと、前記偏芯カムの回転に伴って回転するように保持されたバネ性を有する皿支持バネと、前記皿支持バネの回転に伴って、前記皿支持バネを上下方向にたわませるバネ上下用突起とを備え、前記皿支持バネが上下方向にたわむことに伴って、前記試料皿が前記皿受けに着脱されることを特徴とする。
【0006】
本発明の電子天秤は上記のように構成されており、モータの回転を偏芯カムに伝達するためにウオームギアを用いているので、上下の空間占有率は少なく、さらにバネ性を持った皿支持バネを上下にたわませることによって、試料皿を皿受けに着脱する方式であるため、構造が簡単で、製造コストも低減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の電子天秤の一実施例を図1、図2を参照しながら説明する。図1は試料皿1の着脱機構を上面から見た図である。図2は着脱機構を側面(図1のA−O−A’断面)から見た図である。本発明の電子天秤の試料皿1の着脱機構は、試料皿1と、重量測定系15に連結された皿受け2と、試料皿1を下から支持する3本の皿受け棒14と、その皿受け棒14が設けられ、回転及びたわむことができる皿支持バネ7と、その皿支持バネ7を上下させるバネ上下用突起8と、そのバネ上下用突起8が設けられている上ケース16と、皿支持バネ7の一部から円周方向に延びた駆動レバー13と、それに接触したカム11と、その偏芯したカム11の軸に取付けられたウォームギア10と、その相手側のウォームギア10の軸に取付けられたモータ12と、偏芯したカム11の動きに応じて、皿支持バネ7を回転し、バネ上下用突起8の高さに応じて皿支持バネ7をたわませることが出来る引張りバネ9とから構成されたものである。
【0008】
図3に上ケース16上に設けられたバネ上下用突起8と、皿支持バネ7と皿受け棒14の側面から見た配置を示す。(a)は皿支持バネ7と皿受け棒14が、バネ上下用突起8の最上部に位置した場合で、上部に試料皿1を押し上げた状態を示す。(b)は皿支持バネ7と皿受け棒14が、バネ上下用突起8の最下部に位置した場合で、上部の試料皿1を皿受け2に載せた状態を示す。モータ12の回転によりウォームギア10を介して偏芯したカム11が回転し、駆動レバー13が引張りバネ9により引張られ、皿支持バネ7が回転して、図3の(a)の状態からバネ上下用突起8の高さに沿ってスライドし、(b)の状態になる。
図3に示すように、バネ上下用突起8の高さ形状は、試料皿1の上下動になるので、この形状を正弦波状に製作すれば、試料皿1が緩やかに皿受け2に着地するので重量測定系15にやさしくなる。バネ上下用突起8の形状に合わせて、皿支持バネ7の先端のスライド面の形状は円弧状をしたものを用いる。
そして、モータ12の回転について、偏芯したカム11の長径の位置が、皿受け棒14が最高の位置にあるようにし、一方偏芯したカム11が180度回転し短径の位置が、皿受け棒14が最低の位置にあるように設計され、装置のセットボタン(図示せず)を一回押せば、モータ12は偏芯したカム11を180度回転して停止するように制御されている。
【0009】
次に本発明の電子天秤の試料皿1の着脱機構の動作について説明する。試料皿1に測定試料を載せ、装置のセットボタン(図示せず)を押す。モータ12が回転し、その駆動力はウォームギア10を介して偏芯カム11を回転する。カム11が回転することにより、駆動レバー13が引張りバネ9の力により回転する。駆動レバー13によって皿支持バネ7が回転し、上ケース16上に設けられたバネ上下用突起8の高さに沿って、皿支持バネ7がたわみ、皿支持バネ7に設けられた皿受け棒14が図2に示す状態から下降し、試料皿1が皿受け2の上に載せられる。皿受け棒14が完全に試料皿1から離れると、測定試料を載せた試料皿1の荷重が重量測定系15に伝わり、その重さを感知して電子天秤の演算部にそのデータを送る。そして演算部で測定試料の重さを演算して、所定の較正がなされ、風袋を除いた正味値が表示部で表示される。測定終了後、再び装置のセットボタン(図示せず)を押す。モータ12が回転して偏芯したカム11が回転し、駆動レバー13が元の位置に戻り、皿支持バネ7がバネ上下用突起8の高さに沿ってたわみ、上方に皿受け棒14を上げる。それによって試料皿1は皿受け2から離れる。
皿受け棒14の上に試料皿1がある時は、直接測定試料を強く押して載せてもその力は重量測定系15に影響しないので、測定系にダメージを与えることが無い。また、測定試料を試料皿1に載せてから試料皿ごとセットする場合でも皿受け棒14の上に試料皿1をセットすることで測定系にダメージを与えることが無い。
【0010】
上記の実施例では、皿受け2の形状は図1に示すような3方向の受け形状であるが、この形状に限定されること無く、皿受け棒14が上下できる穴が皿受け2に設けられておれば、同様の機能を果たすことができる。
【0011】
【発明の効果】
本発明の電子天秤は上記のように構成されており、モータとモータ軸に直結されたウオームギアによりカムを駆動して行われるので、上下の空間占有率は少なく、さらにバネ性を持った皿支持バネを上下にたわませることによって、試料皿を皿受けに着脱する方式であるため、構造が簡単で、製造コストも低減することができ、さらに測定試料を載せた試料皿を緩やかに皿受けに載せるので、検出系にやさしく安定して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子天秤の一実施例を示す図である。
【図2】 本発明の電子天秤の断面を示す図である。
【図3】 本発明の電子天秤のバネ上下用突起の側面を示す図である。
【図4】 従来の電子天秤の構成を説明するための図である。
【図5】 従来の電子天秤の断面を示す図である。
【符号の説明】
1…試料皿 2…皿受け
3…検出部 4…演算部
5…表示部 6…ケース
7…皿支持バネ 8…バネ上下用突起
9…引張りバネ 10…ウォームギア
11…カム 12…モータ
13…駆動レバー 14…皿受け棒
15…重量測定系 16…上ケース
17…位置センサ 18…駆動ギア
19…従ギア 20…上下用突起
21…ローラ付リング 22…回転部
23…基台 24…支柱

Claims (1)

  1. 重量測定系に皿受けを有し、被測定試料を載せるための試料皿を、皿受け上に載せたり降ろしたりする機構を備えた電子天秤において、モータと、偏芯カムと、前記モータの回転を前記偏芯カムに伝達するウオームギアと、前記偏芯カムの回転に伴って回転するように保持されたバネ性を有する皿支持バネと、前記皿支持バネの回転に伴って、前記皿支持バネを上下方向にたわませるバネ上下用突起とを備え、前記皿支持バネが上下方向にたわむことに伴って、前記試料皿が前記皿受けに着脱されることを特徴とする電子天秤。
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