JP3924474B2 - スイッチボックスの速結端子部構造 - Google Patents

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  • Details Of Indoor Wiring (AREA)
  • Connection Or Junction Boxes (AREA)
  • Connections Arranged To Contact A Plurality Of Conductors (AREA)
  • Switch Cases, Indication, And Locking (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気製品に対する電源ラインをオン/オフする速結式のスイッチボックスの小型化に適した速結端子部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
照明器具等の電気製品に対する電源ラインをオン/オフするスイッチを収納したスイッチボックスとして、電源ラインの導体が挿入される貫通孔及びドライバ等の工具が挿入される解除孔を背面に開放して備え、貫通孔に対する導体の挿入によって結線を完了し、解除孔に対する工具の挿入によって結線を解除するようにした所謂速結式のスイッチボックスがある。
【0003】
このようなスイッチボックスの内部には、貫通孔に対向する位置に端子板及び鎖バネが配置されており、また、解除孔に対向する位置に解除釦が配置されている。鎖バネは、弾性力によって貫通孔に挿入された導体を端子板との間に挟持する。これによって、導体は、貫通孔から引き抜くことができなくなる。端子板はスイッチボックス内において電源回路を構成するプリント基板に実装されており、スイッチボックス内のスイッチのオン/オフにより、電源ラインの導体から端子板を介して電源回路に選択的に電源が供給される。解除釦は、解除孔に挿入された工具によって押圧されると鎖バネをその弾性力に抗して端子板から離間する方向に変形させるように移動する。これによって、電源ラインの導体は、鎖バネと端子板との間に挟持されなくなり、貫通孔から引き抜くことができる状態になる。
【0004】
従来の一般的なスイッチボックスでは、電源ラインを構成する2本の導体のそれぞれが挿入される2個の貫通孔、及び、これらの間に配置された1個の解除孔が形成されており、スイッチボックスの内部には、単一の解除釦を挟んで2組の鎖バネ及び端子板が備えられている。解除孔に挿入された工具によって押圧された解除釦は、両側に位置する鎖バネを同時に変形させる。
【0005】
このため、従来のスイッチボックスの内の速結端子部は、単一の解除釦を所定範囲内において移動自在に収納するとともに2組の鎖バネ及び端子板を間に単一の解除釦を挟んだ状態で収納できる形状にされており、単一の解除釦と2組の鎖バネ及び端子板とを収納する凹部とともに、解除釦の移動方向を規定するガイド壁が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスイッチボックスの速結端子部構造では、単一の解除釦と2組の鎖バネ及び端子板とを収納する形状を1単位として構成されていたため、電源ラインとして3本の導体が接続される3路配線用のスイッチボックスでは図5(A)又は(B)に示すように、ケース300内に2単位分の速結端子部301及び302を形成し、合計4個の貫通孔311〜314のうちの1つを使用せず、残りの3つの貫通孔311〜313に対応する位置のそれぞれに3組の鎖バネ及び端子板を収納するようにしていた。これは、1単位の速結端子部に含まれる単一の解除釦によっては、2組の鎖バネ及び端子板による導体の挟持を解除することしかできず、3本の導体に対する鎖バネ及び端子板の挟持状態を解除するためには少なくとも2個の解除釦が必要であり、1単位の速結端子部には1個の解除釦しか収納できないためである。
【0007】
このように、3路配線用のスイッチボックス内には合計4個の貫通孔を含む2単位分の速結端子部を形成するスペースが必要になり、スイッチボックスの小型化に適用することができない問題があった。例えば、屋内の照明器具に使用されるスイッチボックスは建築物の壁面に取り付けられるために限られたスペースの壁面内にスイッチ回路及びスイッチ機構を構成する部品を収納したスイッチボックスを埋設しなければならず、また、調光機能を備えた照明器具に使用されるスイッチボックスには照明器具に対する電源ラインをオン/オフするためのスイッチのほかに照明器具の光量を調整するためのスイッチを設ける必要があり、さらに、単一の室内において複数の照明器具が配置される場合や照明器具が換気扇等の他の電気製品とともに設置される場合には操作性を考慮して複数の電気製品の電源のそれぞれをオン/オフする複数のスイッチボックスを単一のスイッチモジュールに備える必要があり、いずれにしてもスイッチボックス内における速結端子部の占めるスペースの小型化の要請が強い。
【0008】
この発明の目的は、2個の解除釦を3個の貫通孔の設置スペース内に収納することができるようにし、導体の結線に使用されないスペースを排除することにより、他のスイッチボックスと並設されるとともに調光照明器具等に用いられる3路配線用のスイッチボックスの小型化を実現することができる速結端子部構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、この発明は、以下の構成を備えている。
【0010】
(1)単一の解除釦を挟んで互いの内側面が所定の方向に対向する一対の端子板及び一対の鎖バネを備え、貫通孔に挿入された導体を前記鎖バネの弾性力によって前記端子板前記鎖バネとの間に挟持するとともに、解除孔に挿入された工具を介して押圧操作された前記解除釦の移動によって前記鎖バネの弾性力を解除するスイッチボックスの速結端子部構造において、
前記一対の端子板の少なくとも一方の端子板における前記解除釦に対向しない外側面に、前記解除釦と前記所定の方向に並んで配置された他の解除釦に前記所定の方向に対向して前記他の解除釦の前記所定の方向への移動を規制するガイド部を形成したことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、鎖バネの弾性力によって鎖バネとの間に導体を挟持するとともに解除釦の移動によって導体の挟持を解除する端子板に他の解除釦の移動方向を規定するガイド部が形成される。したがって、単一の解除釦を挟んで対向する2組の端子板及び鎖バネを備えた1つの速結端子部に隣接して他の速結端子部を配置した場合に、当該1つの速結端子部に含まれる端子板のガイド部によって他の速結端子部に含まれる解除釦の移動方向が規定され、当該1つの速結端子部と他の速結端子部との間に他の速結端子部に含まれる解除釦の移動方向を規定する部材を設ける必要がない。
【0012】
(2)一定間隔で直線上に配置して形成した3個の貫通孔と、前記3個の貫通孔のそれぞれの間に配置して形成した2個の解除孔と、を設け、前記3個の貫通孔のそれぞれに対向する位置に3の端子板及び3個の鎖バネを収納するとともに、前記2個の解除孔のそれぞれに対向する位置に2個の解除釦を収納し
前記3個の端子板のうち中央及び一方側の端子板を、前記2個の解除釦の一方を挟んで互いの内側面を対向させて配置するとともに、
前記3個の端子板のうち他方側の端子板の内側面と前記中央の端子板の外側面との間に、前記2個の解除釦の他方を挟んで配置したことを特徴とする。
【0013】
この構成においては、3路配線に使用される3本の導体のそれぞれが挿入される3個の貫通孔が直線上に配置され、各貫通孔の間に2個の解除孔が形成される。各貫通孔に対向して導体を挟持する端子板及び鎖バネが配置され、各解除孔に対向して端子板及び鎖バネによる導体の挟持を解除する解除釦が配置される。したがって、中央の貫通孔と何れか一方側の貫通孔とに対向する2組の端子板及び鎖バネによる2本の導体の挟持を一方の解除釦により行い、他方側の残る1つの貫通孔に対向する1組の端子板及び鎖バネによる1本の導体の挟持を他方の解除釦により行う場合に、中央の貫通孔に対向する端子板に形成されたガイド部によって他方の解除釦の移動方向が規定され、中央の貫通孔に対向する端子板及び鎖バネと他方の解除釦との間に他方の解除釦の移動方向を規定する部材を設ける必要がなく、3路配線に必要な3個の貫通孔及び2個の解除孔の配置スペースが狭小化される。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態に係る速結端子部構造を適用したスイッチボックスの組立図である。また、図2は、同スイッチボックスを収納したスイッチの正面図である。図1において、各部品は前面側を上方にし、背面側を下方にして配置されている。この実施形態に係るスイッチボックス10は、図2に示すように、建築物の壁面に密着して配置されるスイッチプレート20における開口部21の長手方向の長さを単位モジュールとして、2/3モジュール内に収納される調光機能を備えた照明器具(以下、調光照明器具という。)用のスイッチボックスである。なお、スイッチプレート20の残る1/3モジュールには、別の電気製品のためのスイッチボックスが収納される。
【0015】
このように、単一のスイッチモジュール内に複数のスイッチボックスを収納するのは、単一の室内において、複数の照明器具が配置される場合や照明器具が換気扇等の他の電気製品とともに設置される場合に、これら複数の電気製品をオン/オフするスイッチを壁面の1箇所に集中配置することにより、操作性の向上を図るためである。
【0016】
また、スイッチボックス10は、壁面に固定される取付板30に形成された開口部31から3個の操作ボタン11〜13が形成された補助プレート1の前面側を露出した状態で取付板30の背面側に取り付けられ、壁面の内部に収納される。操作ボタン13は、この発明の操作部材である。スイッチプレート20は、開口部21の位置を開口部31に一致させた状態で飾りプレート40を挟んで取付板30の前面に嵌着する。飾りプレート40には、操作ボタン11〜13に対向する位置に孔部41〜43が形成されている。したがって、取付板30の開口部31から露出した補助プレート1の操作ボタン11〜13は、スイッチプレート20の開口部21内において飾りプレート40の孔部41〜43から壁面の外部に露出する。これによって、操作者が補助プレート1の前面部分に形成された3個の操作ボタン11〜13を押圧操作することができる。
【0017】
スイッチボックス10は、上述の補助プレート1の背面に取り付けられるケース2内に、制御用プリント基板3及び電源用プリント基板4を絶縁シート51、端子押え板52、放熱板53等の他の部品とともに収納している。制御用プリント基板3には、プッシュスイッチ61a,61b及びLED62a〜62eが、図示しないIC等の電子部品とともに実装されている。電源用プリント基板4には、マイクロスイッチ6及びロックスイッチ7が前面側に、チョークコイル71、コンデンサ72,73及びトライアック42が背面側に、それぞれ図示しない他の電子部品とともに実装されている。
【0018】
制御用プリント基板3に構成された制御回路は、プッシュスイッチ61a又は61bの操作に応じてトライアック42を介して調光照明器具に供給する電力量を増加又は減少させて調光照明器具の光量を増減変化させるとともに、調光照明器具に供給している電力量をLED62a〜62eの点灯数によって表示する。制御用プリント基板3に実装されたプッシュスイッチ61a及び61bの上面には、補助プレート1に形成された操作ボタン11及び12のそれぞれの背面が当接する。してたがって、操作ボタン11又は12を操作することにより、調光照明器具の光量が増減変化する。
【0019】
また、補助プレート1においてLED62a〜62eの上面に対向する位置には透光性のLEDカバー14が配置されており、さらに、飾りプレート40においてLEDカバー14に対向する位置に孔部44が形成されている。これによって、調光照明器具に対する電力供給量に応じたLED62a〜62eの点灯状態が、LEDカバー14を介して飾りプレート40の前面から視認される。
【0020】
電源用プリント基板4の前面に構成されたマイクロスイッチ6を含む主電源回路は、調光照明器具に対する電源ラインをオン/オフする。また、電源用プリント基板4の背面に構成されたチョークコイル71及びコンデンサ72,73を含む整流回路は、商用交流電源を直流電源に整流して制御用プリント基板3に供給する。マイクロスイッチ6は、オン/オフ状態を固定的に保持することができない非自己保持型のマイクロスイッチであり、要求される接点容量が同一の自己保持型のマイクロスイッチに比較して十分に小型に形成されている。
【0021】
比較的大型の部品であるチョークコイル71及びコンデンサ72,73が実装される電源用プリント基板4の背面には、トライアック42を保持する放熱板53が装着される。また、電源用プリント基板4の背面には、3路配線を実現するために設けられた3組の端子部品80のそれぞれに含まれる端子板81が実装される。これらのことから、ケース2内には、電源用プリント基板4の背面側に前後方向の比較的広いスペースが必要となる。
【0022】
なお、1組の端子部品80は、端子板81及び鎖バネ82からなる。これらの詳細については後述する。
【0023】
また、スイッチボックス1は、2/3モジュール内に収納する必要があるため、ケース2内において制御用プリント基板3及び電源用プリント基板4を基板面方向に並べて配置することはできず、制御用プリント基板3は電源用プリント基板4の前面側に所定の間隔を設けて積層した状態で配置されている。ここで、制御用プリント基板3を電源用プリント基板4の前面側に配置しているのは、制御用プリント基板3に実装されたプッシュスイッチ61a及び61bを補助プレート1に形成された操作ボタン11及び12に近接して対向させるためである。
【0024】
したがって、電源用プリント基板4の前面側には制御用プリント基板3が位置しており、電源用プリント基板4の前面において調光照明器具の電源をオン/オフするマイクロスイッチ6を配置するために残されたスペースは僅かである。一方、調光照明器具に供給すべき最大の電力量は、調光機能を備えていない照明器具に比較して大きくなる場合が多く、一例として最大で500Wの電力を供給する必要がある場合には、マイクロスイッチ6は少なくとも5Aの接点容量を備えている必要がある。
【0025】
また、調光照明器具の電源をオン/オフする場合の操作性を考慮すると、操作部材を回転させたりスライドさせる操作よりも、押圧操作の繰り返しによってオン状態とオフ状態とを順次切り換えることが望ましいため、このスイッチボックス10では、補助プレート1に形成されたもう一つの操作ボタン13の押圧操作によって調光照明器具の電源をオン/オフするようにしている。このため、調光照明器具の電源をオン/オフすべく電源用プリント基板4に実装されたマイクロスイッチ6は、補助プレート1の操作ボタン13が押圧操作される毎にオン状態とオフ状態とを交互に保持する必要がある。
【0026】
この場合に、オン状態とオフ状態とを交互に保持する機能を備えた5Aの容量に耐える既存の自己保持型のマイクロスイッチは、電源用プリント基板4に残されたマイクロスイッチ6の配置スペースに比較して大きいため、使用することができない。また、制御用プリント基板3の面積を十分に小さくすることができたとしても、5Aの容量に耐える既存の自己保持型のマイクロスイッチは、前後方向にも長く、ケース2の奥行きが増加して壁面内に収納できなくなる。
【0027】
そこで、この実施形態に係るスイッチボックス10では、電源用プリント基板4の前面に、自己保持型のマイクロスイッチに比較して十分に小さい既存の非自己保持型のマイクロスイッチ6を実装するとともに、このマイクロスイッチ6に並設してロックスイッチ7を実装し、ロックスイッチ7のロック軸7aの上端部に操作ボタン13の背面に当接し、かつ、マイクロスイッチ6のレバー部6aの上面に当接する延出部9aを形成したアダプタ9を係止した。なお、アダプタ9は、電源用プリント基板4の上面に装着されるホルダ8によって前後方向の移動範囲を規定されている。
【0028】
ロックスイッチ7は、市販品であり、ロック軸7aをその軸方向に移動自在にして備えた既存のスイッチであり、ロック軸7aを軸方向に繰り返し押圧操作すると、その押圧操作毎にロック軸7aは押圧操作方向(軸方向)の2位置のそれぞれに交互に停止する。ロックスイッチ7は、ロック軸の押圧操作方向(軸方向)がマイクロスイッチ6のレバー部6aの移動方向に平行になるようにして、マイクロスイッチ6に並設されている。したがって、ロックスイッチ7におけるロック軸7aの移動方向、及び、マイクロスイッチ6におけるレバー部6aの移動方向は、スイッチボックス10の前後方向、即ち、補助プレート1における操作ボタン13の押圧操作方向に一致する。
【0029】
したがって、補助プレート1に形成された操作ボタン13の押圧操作はアダプタ9を介してロックスイッチ7のロック軸7aに伝達され、操作ボタン13が押圧操作される毎にアダプタ9はロックスイッチ7のロック軸7aとともに操作ボタン13の押圧操作方向(スイッチボックス10の前後方向)の2位置のそれぞれに交互に停止し、このアダプタ9の変位が延出部9aからマイクロスイッチ6のレバー部6aに伝達される。
【0030】
図3(A)及び(B)は、この発明の実施形態に係る速結端子部構造の詳細を説明するスイッチボックスの要部の正面図及び背面図である。この実施形態に係る速結端子部100は、3個の貫通孔91(91a〜91c)、2個の解除孔92(92a,92b)、3組の端子部品80(80a〜80c)及び2個の解除釦93(93a,93b)を含む。3個の貫通孔91(91a〜91c)及び2個の解除孔92(92a,92b)は、ケース2の背面に形成されている。3個の貫通孔91(91a〜91c)は図3(A)及び(B)に示す矢印X−X方向において、等間隔に直線上に配列して形成されており、2個の解除孔92(92a,92b)のそれぞれは3個の貫通孔91(91a〜91c)の配列方向における各貫通孔91(91a〜91c)の中間位置に形成されている。各貫通孔91(91a〜91c)には、3路配線に使用される3本の導体のそれぞれが挿入される。各解除孔92(92a,92b)には、導体の抜脱時にドライバ等の工具が挿入される。
【0031】
ケース2の内部において各貫通孔91(91a〜91c)に対向する位置には、3組の端子部品80(80a〜80c)のそれぞれが収納される凹部83(83a〜83c)が形成されている。各端子部品80(80a〜80c)は、端子板81(81a〜81c)及び鎖バネ82(82a〜82c)によって構成されている。各端子部品80(80a〜80c)は、各貫通孔91(91a〜91c)に挿入された導体を鎖バネ82の弾性力によって端子板81と鎖バネ82との間に挟持する。
【0032】
ケース2の内部において各解除孔92(92a,92b)に対向する位置には、2個の解除釦93(93a,93b)のそれぞれが収納される凹部84(84a,84b)が形成されている。一方の解除釦93aの一部は、中央の貫通孔91bとその一方側に位置する貫通孔91aとに対向する2組の端子部品80a,80bに含まれる鎖バネ82a,82bに当接している。一方の解除釦93aは、解除孔92aに挿入された工具により押圧された際に、鎖バネ82a,82bの弾性力に抗して図3に示す矢印Y方向(矢印X−X方向に直交する方向)に移動し、端子部品80a,80bにおける導体の挟持状態を解除する。
【0033】
他方の解除釦93bの一部は、中央の貫通孔91bの他方側に位置する貫通孔91cに対向する1組の端子部品80cに含まれる鎖バネ82cに当接している。他方の解除釦93bは、解除孔92に挿入された工具により押圧された際に、鎖バネ82cの弾性力に抗して図3(A)に示す矢印Y方向に移動し、端子部品80cにおける導体の挟持状態を解除する。
【0034】
一方の解除釦93aは、凹部83(83a,83b)内に互いに内側面を対向させて収納された端子板81a,81bに矢印X−X方向に挟まれており、各端子板81a,81bの内側面に形成された係合部81aa及び81baとの係合により凹部84a内における矢印X−X方向の移動を規制されている。これによって、一方の解除釦93aは、解除孔2aに挿入された工具を介して押圧された際に、端子部品80a,80bにおける導体の挟持状態を解除するように、矢印Y方向にのみ確実に移動する。
【0035】
これに対して、他方の解除釦93bは、矢印X−X方向において、凹部83b内に収納された端子板81bと凹部83c内に収納された端子板81cとの間に位置してはいるが、端子板81bの内側面と端子板81cの内側面とは互いに対向していない。このため、他方の解除釦93bは、端子板81cの内側面に形成された係合部81caに係合するが、端子板81bの内側面に形成された係合部81baには係合せず、凹部84b内における矢印X−X方向の移動を規制されない。
【0036】
ここで、解除孔2bに挿入された工具を介して押圧された際に、端子部品80cにおける導体の挟持状態を解除するように、他方の解除釦93bを矢印Y方向にのみ確実に移動させるためには、図4に示すように、ケース2内における凹部83bと凹部84bとの間にガイド用壁200を形成し、他方の解除釦93bにおいて端子板81cの係合部81caに係合する側とは反対側の位置をガイド用壁200との当接によって規定することも考えられる。
【0037】
しかし、図4に示す構成では、少なくとも1.5mm程度の幅を有するガイド用壁200が2個の解除釦93a,93bの間、即ち2個の解除孔92a,92bの間に存在し、矢印X−X方向についてケース2の幅が長くなる。
【0038】
そこで、この実施形態に係るスイッチボックス100では、図3(A)に示すように、少なくとも中央に配置された端子板81bの外側面に解除釦93bの矢印X−X方向の移動を規制するガイド部としての機能を与え、端子板81bの外側面が解除釦93bに当接するように配置している。これによって、ケース2内に解除釦93bのX−X方向の移動を規制するためのガイド用壁200を形成する必要がなく、3路配線に使用される3組の端子部品80a〜80c及び2個の解除釦93a,93bを3個分の貫通孔91(91a〜91c)のスペースに配置することができ、矢印X−X方向についてケース2の幅を短くすることができる。
【0039】
この結果、調光照明器具を3路配線する際に使用されるスイッチボックス100を、他の電気製品のスイッチボックスとともに単一のスイッチモジュール内に収納できる大きさに構成することができる。
【0040】
なお、部品を共通化して製造工程における部品管理の簡略化を図るためには、解除釦93bに外側面が対向しない左側の端子板81cの形状を中央の端子板81bと同一にすることが好ましい。
【0041】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0042】
(1)鎖バネの弾性力によって鎖バネとの間に導体を挟持するとともに解除釦の移動によって導体の挟持を解除する端子板に他の解除釦の移動方向を規定するガイド部を形成することにより、単一の解除釦を挟んで対向する2組の端子板及び鎖バネを備えた1つの速結端子部に隣接して他の部速結端子部を配置した場合に、当該1つの速結端子部に含まれる端子板のガイド部によって他の速結端子部に含まれる解除釦の移動方向を規定することができ、当該1つの速結端子部と他の速結端子部との間に他の速結端子部に含まれる解除釦の移動方向を規定する部材を設ける必要がなく、スイッチボックスを小型化することができる。
【0043】
(2)3路配線に使用される3本の導体のそれぞれが挿入される3個の貫通孔を直線上に配置し、各貫通孔の間に2個の解除孔を形成することにより、中央の貫通孔と何れか一方側の貫通孔とに対向する2組の端子板及び鎖バネによる2本の導体の挟持を一方の解除釦により行い、他方側の残る1つの貫通孔に対向する1組の端子板及び鎖バネによる1本の導体の挟持を他方の解除釦により行う場合に、中央の貫通孔に対向する端子板に形成されたガイド部によって他方の解除釦の移動方向を規定することができ、中央の貫通孔に対向する端子板及び鎖バネと他方の解除釦との間に他方の解除釦の移動方向を規定する部材を設ける必要がなく、3路配線に必要な3個の貫通孔及び2個の解除孔の配置スペースを狭小化してスイッチボックスを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る速結端子部構造を適用したスイッチボックスの組立図である。
【図2】同スイッチボックスを収納したスイッチの正面図である。
【図3】この発明の実施形態に係る速結端子部構造の詳細を説明するスイッチボックスの要部の正面図及び背面図である。
【図4】この発明を適用しない場合の速結端子部構造の詳細を説明するスイッチボックスの要部の正面図である。
【図5】3路配線に用いられる従来のスイッチボックスの要部の構成を示す図である。
【符号の説明】
2−ケース
10−スイッチボックス
80(80a〜80c)−端子部品
81(81a〜81c)−端子板
82(82a〜82c)−鎖バネ
83(83a〜83c)−凹部
84(84a,84b)−凹部
91(91a〜91c)−貫通孔
92(92a,92b)−解除孔
93(93a,93b)−解除釦

Claims (2)

  1. 単一の解除釦を挟んで互いの内側面が所定の方向に対向する一対の端子板及び一対の鎖バネを備え、貫通孔に挿入された導体を前記鎖バネの弾性力によって前記端子板前記鎖バネとの間に挟持するとともに、解除孔に挿入された工具を介して押圧操作された前記解除釦の移動によって前記鎖バネの弾性力を解除するスイッチボックスの速結端子部構造において、
    前記一対の端子板の少なくとも一方の端子板における前記解除釦に対向しない外側面に、前記解除釦と前記所定の方向に並んで配置された他の解除釦に前記所定の方向に対向して前記他の解除釦の前記所定の方向への移動を規制するガイド部を形成したことを特徴とするスイッチボックスの速結端子部構造。
  2. 一定間隔で直線上に配置して形成した3個の貫通孔と、前記3個の貫通孔のそれぞれの間に配置して形成した2個の解除孔と、を設け、前記3個の貫通孔のそれぞれに対向する位置に3の端子板及び3個の鎖バネを収納するとともに、前記2個の解除孔のそれぞれに対向する位置に2個の解除釦を収納し
    前記3個の端子板のうち中央及び一方側の端子板を、前記2個の解除釦の一方を挟んで互いの内側面を対向させて配置するとともに、
    前記3個の端子板のうち他方側の端子板の内側面と前記中央の端子板の外側面との間に、前記2個の解除釦の他方を挟んで配置したことを特徴とする請求項1に記載のスイッチボックスの速結端子部構造。
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