JP3923577B2 - Crane equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレーン装置に関するものであって、例えば、船体の甲板上に設置され、ドックと船体との間でコンテナ等の荷物を搬入出するためのクレーン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、クレーン装置としては、例えば、船舶用に使用されるジブクレーンが知られている。即ち、図15に示すように、ジブクレーン71は船体72の両側部にそれぞれ設けられている。各ジブクレーン71は、基部73と、その基部73上に設けられたアーム部74とから構成され、このアーム部74は船体72の左右両舷よりも外方に突出するように旋回可能となっている。基部73にはウインチ75が設けられ、このウインチ75はワイヤ76が巻き取り可能な回転ドラム77を備えている。ワイヤ76は前記アーム部74に掛装され、このワイヤ76の先端にはコンテナ等の荷物を引っかけるためのフック部78が設けられている。そして、ウインチ75が駆動されると、回転ドラム77がワイヤ76を巻き取ることにより、フック部78が上昇し、逆に、回転ドラム77がワイヤ76を巻き戻すことにより、フック部78が下降するようになっている。
【0003】
又、前記ジブクレーン71以外にも、図14に示すモノレールホイストが知られている。このモノレールホイスト61においては、船体62の甲板63の両側部に一対の構造体64が建てられ、この構造体64間にはガイドレール65が架設されている。このガイドレール65の両端部には延長レール66が回動可能に設けられている。この延長レール66は、図示しないウインチ機構により、船体62の左右両舷よりも外方に位置しかつガイドレール65と同一直線上に位置する延長位置aと、構造体64の側面に沿って延びる折り畳み位置bとを取り得るようになっている。又、ガイドレール65にはその長手方向に沿って移動可能なホイスト67が吊下支持されている。ホイスト67には走行用モータ68が設けられ、この走行用モータ68の回転軸にはピニオン(図示しない)が設けられている。又、前記ガイドレール65及び延長レール66の下面には、両レール65,66の長手方向に沿ってラック(図示しない)が設けられ、このラックには前記ピニオンが噛合されている。そして、走行用モータ68の駆動してピニオンが回転すると、ピニオン及びラックの噛合に基づき、ホイスト67がガイドレール65の長手方向に沿って移動する。更に、前記延長レール66が延長位置aにある場合において、ホイスト67は延長レール66の長手方向に沿って移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記ジブクレーン71では、それぞれのフック部78を昇降させるのに、各ジブクレーン71ごとにウインチ75がそれぞれ必要である。そのため、ジブクレーン71の製造コストが高くなるという問題があった。
【0005】
又、航行中は延長レール66を折り畳み位置bにしておくが、船舶のエンジンから船体62に振動が伝わると、この振動の影響を受けて延長レール66が共振してしまう。従って、延長レール66の共振を防ぐために振動防止機構が余分に必要となるので、その機構を必要とする分、モノレールホイスト61の構造が複雑化するとともに、製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は前記各問題点を解決するためになされたものであり、ウインチの数を減らすことにより、クレーン装置の構造を簡素化するとともに、製造コストの低減を図ることを第1の目的とする。又、振動防止機構を無くすことにより、クレーン装置の構造を簡素化するとともに、製造コストの低減を図ることを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、船体の甲板上に設置され、ドックと船体との間で荷物を搬入出するクレーン装置において、所定の長さを有するガイドレールを設け、前記ガイドレールにはその長手方向に沿って両端にそれぞれ昇降可能なフック部を有する走行体を往復移動可能に設け、前記走行体には通路部を吊り下げ支持し、各フック部には共用連動索を走行可能に掛装し、前記連動索の一端を前記走行体の通路部に設けた単一のウインチに駆動連結するとともに、同連動索の他端を走行体に固定し、更に前記走行体には両フック部のうち任意のフック部を所定の静止位置にロック可能なロック手段を設けたことを要旨とする。従って、請求項1に記載の発明によれば、フック部を昇降させるには、ロック手段にて任意のフック部を静止位置に静止させる。よって、任意のフック部を静止させることにより、各フック部ごとにウインチを設ける必要がない。また、走行体の移動に伴って移動する通路部を吊り下げ支持したため、この通路部をわたり歩けば、ウインチ、各フック部等の保守点検を容易に行うことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記フック部は、同フック部が昇降する昇降経路又はその昇降経路の延長線上で前記ロック手段によりロックされるものであることを要旨とする。従って、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、ロック手段により各フック部をロックするには、各フック部の昇降経路又はその昇降経路の延長線上でロックする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記ロック手段は、前記静止位置にあるフック部の一部に係止することにより、フック部を静止状態にロック可能な係止部材を備えていることを要旨とする。従って、請求項3に記載の発明によれば、請求項1に又は請求項2に記載の発明の作用に加え、係止部材によりフック部の一部が係止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をコンテナ船等の船舶におけるクレーン装置に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すように、コンテナ船の船体1の甲板には構造体2が建てられている。この構造体2は、船体1の左右両舷において互いに対向するように立設されたポスト3と、両ポスト3の上端外側面に突設された腕部4と、この腕部4の先端に対して前記両ポスト3間に亘るように架設されたガイドレール5とから構成されている。I型鋼からなるガイドレール5にはその長手方向(図1の左右方向)に沿って移動可能な走行体としてのクレーン装置本体6が設けられている。
【0013】
図2,図3(a)(b)に示すように、クレーン装置本体6には断面四角状をなす走行ビーム7が前記ガイドレール5の長手方向に沿って設けられ、この走行ビーム7の両端には左側走行支持部8aと右側走行支持部8bが設けられている。左右両走行支持部8a,8bにおける支持フレーム9の両側には、前記ガイドレール5の両側に配置された一対のローラ10がそれぞれ軸11により回転可能に支持され、各ローラ10の上下両端はガイドレール5の上下フランジ5a,5b間に配置され、各ローラ10はその上下フランジ5a,5bによりガイドされながら転動するようになっている。
【0014】
そして、図3(a)に示すように、走行ビーム7の長手方向中央部がガイドレール5の左端に位置した際において、走行ビーム7の左側にあるローラ10は、ガイドレール5の左端から離脱可能になっている。又、図3(b)に示すように、走行ビーム7の長手方向中央部がガイドレール5の右端に位置した際において、走行ビーム7の右側にあるローラ10は、ガイドレール5の右端から離脱するようになっている。そして、走行ビーム7の左右両端のうち何れか一端は、船体1の左右両舷側のうち何れか一方側から突出可能となっている。つまり、走行ビーム7の左右両端のうち何れか一端は、図1に実線で示すドックD1又は同図に二点鎖線で示すドックD2の上方位置に延出可能となっている。
【0015】
図2〜図4に示すように、前記走行ビーム7の上部中央には走行部12が設けられている。この走行部12は前記ガイドレール5の両側に対向配置された一対の支持板13a,13bを備えており、走行ビーム7の上部に貫通された連結軸14により、両支持板13a,13bは走行ビーム7に対して取り付けられている。各支持板13a,13bの上端には支軸15を介して走行ローラ16が回転可能に支持され、各走行ローラ16はガイドレール5の下側フランジ部5aの上面に載置されている。そして、各走行ローラ16の外周縁に突設されたフランジ部16aが、前記下側フランジ5aに係合されることにより、ガイドレール5から走行部12が逸脱しないようになっている。
【0016】
前記一方の支持板13aの外側面には正逆方向へ駆動可能な走行駆動モータ17が設けられ、この走行駆動モータ17から両支持板13a,13b間に突設された駆動軸17aは、支持板13aに形成された挿通孔18を介してガイドレール5の下側に配置されている。図12に示すように、駆動軸17aの先端には、同駆動軸17aの回転に伴い回転するピニオン19が設けられ、このピニオン19はガイドレール5の下側フランジ部5a下面に配設されたラック20に噛合されている。そして、走行駆動モータ17の駆動に伴い、ピニオン19が回転すると、走行ビーム7はガイドレール5に沿って移動可能になっている。なお、ラック20の左右両端には図示しないがストッパが設けられ、このストッパによりピニオン19の回転が規制され、走行ローラ16がガイドレール5の左右両端から脱落しないようになっている。
【0017】
図2〜図4に示すように、前記走行ビーム7の中央下面における前記走行部12の真下には、取付板21を介してウインチ22が設けられている。即ち、走行部12及びウインチ22は、走行ビーム7の中央下部に集中配置されている。ウインチ22は、前記取付板21の下面に取り付けられた正逆方向へ駆動可能な駆動モータ23と、同取付板21の下面において駆動モータ23と隣接するように取り付けられた巻き取り部24とから構成されている。巻き取り部24のワイヤケーシング25内には共用連動索としてのワイヤWが巻かれた巻き取りドラム26が回転可能に支持されている。ワイヤケーシング25内には前記駆動モータ23の駆動軸23aが挿入され、同駆動軸23aの先端は前記巻き取りドラム26に駆動連結されている。そして、駆動モータ23の駆動軸23aが回転するのに伴い、巻き取りドラム26は駆動軸23aと同一方向に回転するようになっている。
【0018】
図3,図5に示すように、前記走行ビーム7内の左端には中継用定滑車27が設けられ、この中継用定滑車27はピン28により回転可能に支持されている。中継用定滑車27の一部は走行ビーム7から下方に張り出されている。又、図2,図5,図6に示すように、前記左右両走行支持部8a,8bにおける前記各ローラ10よりも外側には、左側定滑車29a,29bと、右側定滑車30a,30bとがそれぞれ対をなして設けられている。左右両定滑車29a,29b,30a,30bは、左右両走行支持部8a,8bの両側に取り付けられた軸36により、それぞれ回転可能に支持されている。そして、図11に示すように、前記巻き取りドラム26からのワイヤWは、中継用定滑車27と、一対の左側定滑車29a,29b及び一対の右側上部定滑車30a,30bに掛装されている。そして、右側走行支持部8bの内側面に設けられた止着部Sが設けられ、この止着部SにはワイヤWの先端が掛止められている。
【0019】
図5,図6に示すように、前記左側定滑車29a,29b間におけるワイヤW上には、左側フック部31が装着されている。又、前記右側定滑車30a,30b間におけるワイヤW上には、右側フック部32が装着されている。左右両フック部31,32は同一構成となっているため、以下に両者31,32をまとめて説明する。
【0020】
図7,図9(a)(b)に示すように、左右両フック部31,32は前後両側面が開口された支持枠33を備えており、この支持枠33内には動滑車34が設けられている。この動滑車34は、その中心部に貫通された軸35により、支持枠33に対して回転可能に支持されている。又、動滑車34の外周縁は支持枠33の開口部33aから外部へ突出されている。そして、動滑車34の下側には前記ワイヤWが掛装され、前記駆動モータ23の駆動に伴うワイヤWの巻き取り又は巻き戻しにより、後述するように、左右両フック部31,32のうち何れか一方が昇降するようになっている。
【0021】
図5,図6に示すように、前記走行ビーム7の左右両端には常用上限及び格納上限リミットスイッチL1,L2が設けられ、両リミットスイッチL1,L2は一つの作動レバーrによりオン動作するようになっている。作動レバーrは前記各フック部31,32の昇降経路と交差するように配置されている。又、作動レバーrは左右両走行支持部8a,8bの内側に架設された規制棒37上に係合可能に支持されている。そして、図13(b)に示すように、作動レバーrが規制棒37から離間し、かつ同作動レバーrの回動中心を含む水平面Pよりも下側に位置する場合において、各フック部31,32は図9(b),図10(a)に示す常用上限位置Aに静止する。又、図13(a)に示すように、作動レバーrが規制棒37から離間し、かつ同作動レバーrの回動中心を含む水平面Pよりも上側に位置する場合において、各フック部31,32は図9(a),図10(b)に示す格納上限位置(静止位置)Bに静止する。つまり、各フック部31,32はそれらの昇降経路の上部延長線上で静止するようになっている。
【0022】
図7,図9(a)(b)に示すように、前記支持枠33の上部は山形状をなす傾斜部33bとなっており、この傾斜部33bの上端には係止片38が鉛直方向に沿って突設されている。この係止片38には円形状をなす挿通孔38aが形成されている。支持枠33の上方における左右両走行支持部8a,8bの下部には、山形状をなすストッパ39が設けられている。又、支持枠33の下面には図示しないコンテナを引っかけるためのフック40が連結されている。そして、図9(a),図10(b)に示すように、各フック部31,32が格納上限位置Bに位置した際に、ストッパ39の下面に支持枠33の傾斜部33bが係合可能になっており、両者33b,39の係合により、支持枠33はその左右方向への振れ止めがなされる。
【0023】
前記ストッパ39の頂部には前記係止片38を上方へ貫通可能な挿入孔41が形成されている。ストッパ39の上端面における前記挿入孔41の両側には一対のガイド片42が鉛直方向に沿って突設され、両ガイド片42は互いに対向配置されている。各ガイド片42には円形状をなす挿通孔42aが形成され、この挿通孔42aは前記係止片38の挿通孔38aと同一径となっている。そして、図9(a),図10(b)に示すように、各フック部31,32が格納上限位置Bに位置する際において、係止片38における挿通孔38aの中心軸線と、各ガイド片42における挿通孔42aの中心軸線とが一致するようになっている。
【0024】
図8(a)(b)に示すように、前記左右両走行支持部8a,8bにおける支持フレーム9の外側面には、ロック手段としてのロック装置43が設けられている。このロック装置43の支持体44には操作レバー45が軸46により水平方向に回動可能に支持されている。操作レバー45の一部は支持フレーム9内に挿入されている。操作レバー45の内端はグリップ45aとなっており、同操作レバー45の外端には係止部材としてのロックピン47が軸48により相対回動可能に支持されている。ストッパ39の上面におけるロックピン47の両側には、一対の案内筒49が固着され、この案内筒49内にロックピン47が挿入されている。
【0025】
そして、前記両孔38a,42aの上下位置が一致した状態において、ロックピン47を両孔38a,42aに対して挿入されているロック位置(図8(a)(b)に二点鎖線で示す位置)と、両孔38a,42aからロックピン47が引き抜き抜かれている非ロック位置(図8(a)(b)に実線で示す位置)とを取り得るようになっている。又、非ロック位置からロック位置への移動時において、ロックピン47の先端は案内筒49によりガイドされながら、前記両孔38a,42a内に確実に挿入されるようになっている。
【0026】
又、図2〜図4に示すように、前記支持フレーム9の下面には通路部としての作業通路50が図示しない複数本の吊り部材を介して設けられ、この作業通路50は走行ビーム7の左右両端間に亘って延びている。この作業通路50は、板状をなす足場51と、足場51の外周縁に沿って鉛直方向に立設された手摺り52とから構成されている。前記足場51の中央部には透孔51aが形成され、前記ウインチ22の下部は透孔51aを介して足場51の下面から突出されている。足場51の両端は前記左右両フック部31,32付近まで延びている。
【0027】
更に、図3に示すように、走行ビーム7の中央部側壁には前記走行部12の走行駆動モータ17及びウインチ22の駆動モータ23に電気的に接続された制御部53が設けられており、この制御部53には船体1の甲板上に延びるリード線53aを介してコントローラ54が接続されている。そして、船体1の甲板上でコントローラ54を操作できるようになっている。即ち、コントローラ54の操作に基づいて、前記走行部12の走行駆動モータ17が駆動するようになっている。又、コントローラ54の操作に基づいて、前記ウインチ22の駆動モータ23が駆動するようになっており、各フック部31,32は図9(b),図10(a)に示す常用上限位置Aまで上昇可能になっている。又、前記走行ビーム7の中央部側壁にはスイッチボックス55が設けられ、このスイッチボックス55内には前記ウインチ22の駆動モータ23に接続された操作スイッチ55aが電気的に接続されている。そして、この操作スイッチ55aの操作に基づいて、各フック部31,32は常用上限位置Aから格納上限位置Bへと上昇可能になっている。
【0028】
次に、上記のように構成されたクレーン装置の作用について説明する。
(船体1の左舷に左側フック部31を移動させる場合)
まず、船体1の左舷がドックD1(図1に実線で示す)に隣接されている場合について説明する。なお、既に右側フック部32が格納上限位置Bにあるものとする。この状態で、コントローラ54の操作に基づき、走行部12の走行駆動モータ17が駆動すると、駆動軸17aを介してピニオン19が回転する。すると、左右両走行支持部8a,8bの各ローラ10及び走行部12の走行ローラ16が回転されながら、クレーン装置本体6はガイドレール5上を船体1の左舷に向かって移動し、クレーン装置本体6が所定距離移動すると、図3(a)に示すように、左側走行支持部8aのローラ10がガイドレール5の左端から離脱し、左側フック部31がドックD1の上方に配置される。
【0029】
この状態で、コントローラ54の操作に基づき、ウインチ22の駆動モータ23を駆動させると、駆動軸23aを介して巻き取りドラム26が回転され、これにより、ワイヤWが巻き戻され、左側フック部31が下降する。そして、ドックD1における図示しないコンテナに下降したフック40を掛止める。その後、コントローラ54の操作に基づき、巻き取りドラム26を巻き戻す場合とは逆方向に回転させると、ワイヤWが巻き取られ、左側フック部31が上昇する。左側フック部31にコンテナが吊り下げられている状態では、コンテナの重量により走行ビーム7の先端には下方へ荷重が作用する。しかし、右側フック部32におけるローラ10の上端がガイドレール5の上側フランジ5bに押圧支持されるため、左側フック部31を安定して昇降させることが可能となる。又、左側フック部31の上昇時において、作業者が左側フック部31を上昇させ続けると、支持枠33の上昇により作動レバーrが押し上げられ、同レバーrが規制棒37から僅かに離れる。すると、常用上限リミットスイッチL1がオン動作し、駆動モータ23が駆動停止するため、左側フック部31は常用上限位置Aに静止する。
【0030】
その後、コントローラ54の操作に基づき、走行駆動モータ17が駆動すると、ピニオン19が上述した場合と逆方向へ回転され、クレーン装置本体6はガイドレール5上を船体1の右舷側に移動する。クレーン装置本体6が所定距離移動すると、左側走行支持部8aのローラ10はガイドレール5の上下両フランジ5a,5b間に係入される。そして、左側フック部31を下降させる位置まで移動させた後、コントローラ54を操作して走行駆動モータ17を停止し、クレーン装置本体6の移動を停止させる。この状態で、コントローラ54の操作に基づき、ウインチ22の駆動モータ23を駆動させると、ワイヤWが巻き戻され、左側フック部31が下降する。そして、下降した左側フック部31のフック40から図示しないコンテナを外す。
【0031】
(左側フック部31から右側フック部32に切り替える場合)
次に、左側フック部31を使用可能な状態で、船体1の右舷がドックD2(図1に二点鎖線で示す)に隣接された場合には以下のように行う。常用上限位置Aにある左側フック部31を格納上限位置Bに切り替え、格納上限位置Bにある右側フック部32を常用上限位置Aへ切り替える。即ち、クレーン装置本体6をガイドレール5の中央に予め移動配置しておき、作業通路50へ乗り込む。そして、クレーン装置本体6の右側にある操作レバー45を非ロック位置に回動操作すると、ロックピン47が右側フック部32における係止片38の挿通孔38a及び両ガイド片42の挿通孔42aから引き抜かれ、右側フック部32は昇降可能な状態となる。
【0032】
その後、スイッチボックス55における操作スイッチ55aの操作に基づき、ウインチ22の駆動モータ23を駆動する。すると、巻き取りドラム26が回転してワイヤWが巻き取られ、左側フック部31が常用上限位置Aから更に上昇する。そして、左側フック部31の上昇により、作動レバーrが更に押し上げられると、格納上限リミットスイッチL2がオン動作し、駆動モータ23が駆動停止される。これにより、左側フック部31は図9(a)に示す格納上限位置Bで静止する。格納上限位置Bにおいて、係止片38の挿通孔38a及びガイド片42の挿通孔42aの上下位置が一致する。その後、クレーン装置本体6の左側にある操作レバー45をロック位置に回動操作すると、ロックピン47が両孔38a,42aに挿入され、左側フック部31が格納上限位置Bに静止される。
【0033】
又、左側フック部31の格納上限位置Bへの移動に伴い、左側フック部31はその傾斜部33bがストッパ39に係合する。そのため、同左側フック部31が左右方向へ振れなくなり、前記操作レバー45の操作時には、ロックピン47の挿入作業を迅速に行える。
【0034】
左側フック部31の常用上限位置Aから格納上限位置Bへの位置切り替え作業が終了した後、作業通路50から降りて、コントローラ54の操作に基づき、駆動モータ23を駆動させると、巻き取りドラム26の回転により、ワイヤWが巻き戻され、右側フック部32が格納上限位置Bから下降し始める。このとき、下降する右側フック部32が更に常用上限位置Aから下降するか否かを確認する。即ち、右側フック部32が常用上限位置Aから下側に移動したところで、コントローラ54を操作して、ワイヤWを巻き戻す場合とは逆方向に巻き取りドラム26を回転させる。すると、右側フック部32が上昇する。そして、右側フック部32が常用上限位置Aに上昇した際に、常用上限リミットスイッチL1がオン動作することにより駆動モータ23の駆動が停止し、右側フック部32が常用上限位置Aで静止するか否かを確認する。
【0035】
(船体1の右舷に右側フック部32を移動させる場合)
右側フック部32が正常に昇降するか否かを確認した後、コントローラ54の操作に基づき、走行部12の走行駆動モータ17を駆動する。すると、クレーン装置本体6を船体1の左舷に向かって移動させる場合とは逆方向にピニオン19が回転され、クレーン装置本体6はガイドレール5上を船体1の右舷に向かって移動する。クレーン装置本体6が所定距離移動すると、図3(b)に示すように、右側走行支持部8bのローラ10がガイドレール5の右端から離脱し、右側フック部32がドックD2の上方に配置される。
【0036】
この状態で、コントローラ54の操作に基づき、ウインチ22の駆動モータ23を駆動させると、右側フック部32が下降する。そして、ドックD2における図示しないコンテナに下降したフック40を掛止める。その後、コントローラ54の操作に基づき、巻き取りドラム26を巻き戻す場合とは逆方向に回転させると、ワイヤWが巻き取られ、左側フック部32が上昇する。右側フック部32にコンテナが掛けられている状態では、コンテナの重量により走行ビーム7の先端には下方へ荷重が作用する。しかし、左側フック部31におけるローラ10の上端がガイドレール5の上側フランジ5bに押圧支持されるため、右側フック部32を安定して昇降させることが可能となる。又、右側フック部32の上昇時において、作業者が右側フック部32を上昇させ続けた場合は、上述した左側フック部31と同様に、右側フック部32にて作動レバーrが押し上げられ、常用上限リミットスイッチL1がオン動作する。これにより、駆動モータ23が駆動停止し、右側フック部32は常用上限位置Aに静止する。
【0037】
その後、コントローラ54の操作に基づき、走行駆動モータ17が駆動すると、クレーン装置本体6はガイドレール5上を船体1の左舷側に移動する。クレーン装置本体6が所定距離移動すると、右側走行支持部8bのローラ10はガイドレール5の上下両フランジ5a,5b間に係入される。そして、右側フック部32を下降させる位置まで移動させた後、コントローラ54を操作して走行駆動モータ17を停止し、クレーン装置本体6の移動を停止させる。この状態で、コントローラ54の操作に基づき、右側フック部32を下降し、下降した右側フック部32のフック40から図示しないコンテナを外す。
【0038】
次に、本実施形態から見い出せる効果を以下に記載する。
(1)左側フック部31を使用する場合には、右側フック部32をロック装置43により昇降不能となるようにロックし、又右側フック部32を使用する場合には左側フック部31をロック装置43により昇降不能となるようにロックした。即ち、左右両フック部31,32の何れか一つをロックすれば、一つのウインチ22で対応することができる。従って、各フック部31,32につきそれぞれウインチ22を用意する必要がないため、クレーン装置本体6全体の構造を簡素化することができるとともに、クレーン装置本体6の製造コストを低減することができる。又、ウインチ22の数を減らすことができるため、クレーン装置本体6全体の重量を軽量化することができる。よって、クレーン装置本体6の移動速度を上げることができ、コンテナ等の搬入出作業を効率よく行うことができる。
【0039】
(2)支持フレーム9にはクレーン装置本体6の移動に伴って移動する作業通路50を吊り下げ支持したため、この作業通路50をわたり歩けば、走行部12、ウインチ22、各フック部31,33等の保守点検を容易に行うことができる。しかも、走行部12及びウインチ22は集中配置されているため、走行部12からウインチ22に保守点検作業を移行する際、又はウインチ22から走行部12に保守点検作業を移行する際に保守点検用工具等を移動させなくてもよい。よって、保守点検作業をより一層容易に行うことができる。更に、走行部12及びウインチ22はクレーン装置本体6の中央部に配置されているため、クレーン装置本体6の移動安定性が低下するのを防止することができる。
【0040】
(3)ガイドレール5の両端部に折畳み可能な延長レールを用いることなく、船体1の左右両舷からそれぞれクレーン装置本体6の左右両端を各ドックD1,D2の上方位置に延出できるようにした。そのため、振動防止機構等を設ける必要がないため、クレーン装置本体6の構造を簡素化することができるとともに、クレーン装置本体6の製造コストが高くなるのを防止することができる。
【0041】
(4)各フック部31,32をそれぞれの昇降経路の上部延長線上で静止するようにした。そのため、例えば、昇降経路から水平方向へずらした位置で各フック部31,32を静止させる場合には、作業者がわざわざ各フック部31,32を水平方向へずらさなくてはならない。従って、フック部31,32を水平方向へずらす作業を必要としない分、各フック部31,32を迅速に静止させることができる。
【0042】
なお、前記実施形態は次のように構成してもよい。
(ア)前記実施形態では、使用しない各フック部31,32を昇降経路の真上、即ち常用上限位置Aの真上で静止したが、昇降経路の途中又は昇降経路の下方位置で静止させるようにしてもよい。
【0043】
(イ)前記実施形態では、クレーン装置本体6の両端がガイドレール5の両端からドックD1,D2の上方位置に延出するようにしたが、ガイドレール5の両端に折畳み可能な延長レールを設けてもよい。そして、この延長レールを倒してガイドレール5の両端からドックD1,D2の上方位置に延出させて、クレーン装置本体6の両端をドックD1,D2の上方位置に延出するようにしてもよい。
【0044】
(ウ)前記実施形態では、作業通路50をクレーン装置本体6の下側に一体的に設けたが、ガイドレール5全体に亘る作業通路50を設け、その両端をポスト3に固着してもよい。
【0045】
(エ)前記実施形態では、クレーン装置をコンテナ船等の船舶に具体化したが、船舶以外にも、例えば、プラットホームにおいて貨物列車からトラックへコンテナ等を搬送する場合に具体化することも可能である。
【0046】
(オ)前記実施形態では、両挿通孔38a,42a内にロックピン47を挿通するようにして、格納上限位置Bに各フック部31,32をロックするようにしたが、係止片38を鉤状に形成し、その係止片38にロックピン47を係止するようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、各フック部にウインチを設けなくてもよいため、クレーン装置の構造を簡素化することができるとともに、クレーン装置の製造コストを低減することができる。また、通路部をわたり歩けば、ウインチ、各フック部等の保守点検を容易に行うことができる。
【0049】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、静止位置に各フック部のうち任意のフック部を迅速に静止させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、簡単な構成でフック部を静止させることができるため、クレーン装置の製造コストをより一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した船体を示す正面図。
【図2】同じく、クレーン装置を示す平面図。
【図3】同じく、(a)は左側に移動しているクレーン装置を示す正面図、(b)は右側に移動しているクレーン装置を示す正面図。
【図4】同じく、走行部及びウインチを示す側断面図。
【図5】同じく、クレーン装置の左側を示す正面図。
【図6】同じく、クレーン装置の右側を示す正面図。
【図7】同じく、左右両フック部を示す側面図。
【図8】同じく、(a)はクレーン装置の左側にあるロック装置を示す平面図、(b)はクレーン装置の右側にあるロック装置を示す平面図。
【図9】同じく、(a)は格納上限位置にある左側フック部示す正面図、(b)は常用上限位置にある右側フック部を示す正面図。
【図10】同じく、(a)は常用上限位置にある左側フック部示す正面図、(b)は格納上限位置にある右側フック部を示す正面図。
【図11】同じく、各滑車に対するワイヤの掛装関係を示す概略説明図。
【図12】同じく、走行部における駆動機構を示す正面図。
【図13】同じく、(a)〜(b)は各リミットスイッチの作動及び非作動状態を示す概略説明図。
【図14】従来の技術を示すクレーン装置の正面図。
【図15】同じく、クレーン装置の正面図。
【符号の説明】
1…船体、5…ガイドレール、6…クレーン装置本体(走行体)、22…ウインチ、31…左側フック部(フック部)、32…右側フック部(フック部)、43…ロック装置(ロック手段)、47…ロックピン(係止部材)、B…格納上限位置(静止位置)、D1,D2…ドック、W…ワイヤ(共用連動索)。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a crane apparatus, for example, a crane apparatus that is installed on a deck of a hull and for loading and unloading a cargo such as a container between a dock and the hull.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a crane apparatus, the jib crane used for ships, for example is known. That is, as shown in FIG. 15, the
[0003]
In addition to the
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the
[0005]
Further, while sailing, the
[0006]
Accordingly, the present invention has been made to solve the above-described problems, and a first object is to simplify the structure of the crane device and reduce the manufacturing cost by reducing the number of winches. And A second object is to simplify the structure of the crane apparatus and reduce the manufacturing cost by eliminating the vibration preventing mechanism.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The invention described in claim 1In a crane device that is installed on the deck of a hull and carries luggage between the dock and the hull,A guide rail having a predetermined length is provided, and the guide rail has a longitudinal direction along the guide rail.Has hooks that can be raised and lowered at both endsA traveling body is provided so as to be able to reciprocate, and the traveling body includesSuspend and support the passageIn addition, each hook part is hooked so that a common interlocking cable can travel, and one end of the interlocking cable is connected to the traveling body.Passage partThe other end of the interlocking cable is fixed to the traveling body, and the traveling body is further connected to the traveling winch.BothThe gist of the invention is that a lock means is provided which can lock an arbitrary hook portion of the hook portions at a predetermined stationary position. Therefore, according to the first aspect of the present invention, in order to raise and lower the hook portion, the arbitrary hook portion is stopped at the stationary position by the lock means. Therefore, it is not necessary to provide a winch for each hook portion by stopping any hook portion.In addition, since the passage portion that moves with the movement of the traveling body is supported by suspension, maintenance inspection of the winch, each hook portion, and the like can be easily performed by walking across the passage portion.
[0008]
The gist of the invention described in
[0009]
The invention according to
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, an embodiment in which the invention is embodied in a crane device in a ship such as a container ship will be described with reference to the drawings.
[0012]
As shown in FIG. 1, a
[0013]
As shown in FIGS. 2, 3 (a) and 3 (b), the
[0014]
As shown in FIG. 3A, when the longitudinal center of the
[0015]
As shown in FIGS. 2 to 4, a traveling
[0016]
A
[0017]
As shown in FIGS. 2 to 4, a
[0018]
As shown in FIGS. 3 and 5, a relay fixed
[0019]
As shown in FIGS. 5 and 6, a
[0020]
As shown in FIGS. 7, 9 (a) and 9 (b), the left and
[0021]
As shown in FIGS. 5 and 6, common upper limit and storage upper limit switches L1 and L2 are provided at the left and right ends of the traveling
[0022]
As shown in FIGS. 7, 9 (a) and 9 (b), the upper portion of the
[0023]
The stopper39At the top of
[0024]
As shown in FIGS. 8 (a) and 8 (b), a
[0025]
And in the state which the up-and-down position of both said
[0026]
As shown in FIGS. 2 to 4, a
[0027]
Further, as shown in FIG. 3, a
[0028]
Next, the operation of the crane apparatus configured as described above will be described.
(When moving the
First, the case where the port side of the hull 1 is adjacent to the dock D1 (shown by a solid line in FIG. 1) will be described. It is assumed that the
[0029]
In this state, when the
[0030]
Thereafter, when the
[0031]
(When switching from the
Next, when the starboard of the hull 1 is adjacent to the dock D2 (indicated by a two-dot chain line in FIG. 1) while the
[0032]
Thereafter, the
[0033]
Further, as the
[0034]
After the position switching operation from the normal upper limit position A of the
[0035]
(When moving the
After confirming whether or not the
[0036]
In this state, when the
[0037]
Thereafter, when the traveling
[0038]
Next, effects that can be found from this embodiment will be described below.
(1) When the
[0039]
(2) Since the
[0040]
(3) Without using extension rails that can be folded at both ends of the
[0041]
(4) Each
[0042]
In addition, you may comprise the said embodiment as follows.
(A) In the above-described embodiment, the
[0043]
(A) In the above embodiment, both ends of the
[0044]
(C) In the above-described embodiment, the
[0045]
(D) In the above embodiment, the crane device is embodied in a vessel such as a container ship. However, in addition to a vessel, for example, it may be embodied in the case of transporting a container or the like from a freight train to a truck on a platform. is there.
[0046]
(E) In the above-described embodiment, the lock pins 47 are inserted into the
[0048]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, since it is not necessary to provide a winch at each hook portion, the structure of the crane device can be simplified and the manufacturing cost of the crane device can be reduced.Further, if the user walks across the passage portion, maintenance and inspection of the winch, each hook portion and the like can be easily performed.
[0049]
According to the invention described in
According to the invention described in
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing a hull embodying the present invention.
FIG. 2 is a plan view showing the crane device.
3A is a front view showing the crane apparatus moving to the left side, and FIG. 3B is a front view showing the crane apparatus moving to the right side.
FIG. 4 is a side sectional view showing a traveling unit and a winch, similarly.
FIG. 5 is a front view showing the left side of the crane device.
FIG. 6 is a front view showing the right side of the crane device.
FIG. 7 is a side view showing the left and right hook portions in the same manner.
8A is a plan view showing a locking device on the left side of the crane device, and FIG. 8B is a plan view showing the locking device on the right side of the crane device.
9A is a front view showing the left hook portion at the upper storage position, and FIG. 9B is a front view showing the right hook portion at the upper limit position.
10A is a front view showing the left hook portion in the upper limit position for normal use, and FIG. 10B is a front view showing the right hook portion in the upper limit position for storage.
FIG. 11 is a schematic explanatory view showing a wire-hanging relationship with respect to each pulley.
FIG. 12 is a front view showing a driving mechanism in the traveling unit, similarly;
FIGS. 13A and 13B are schematic explanatory views showing the operation and non-operation states of each limit switch. FIG.
FIG. 14 is a front view of a crane apparatus showing a conventional technique.
FIG. 15 is a front view of the crane device.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Hull, 5 ... Guide rail, 6 ... Crane apparatus main body (traveling body), 22 ... Winch, 31 ... Left hook part (hook part), 32 ... Right hook part (hook part), 43 ... Locking device (locking means) ), 47 ... Lock pin (locking member), B ... Storage upper limit position (stationary position), D1, D2 ... Dock, W ... Wire (common interlocking cable).
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