JP3921997B2 - Ion conductive membrane - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体電解質膜に関し、特に燃料電池に好適に使用される固体電解質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は基本的に2つの触媒電極と、電極に挟まれた固体電解質膜から構成される。燃料である水素は一方の電極でイオン化され、この水素イオンは固体電解質膜中を拡散した後に他方の電極で酸素と結合する。このとき2つの電極を外部回路で接続していると、電流が流れ、外部回路に電力を供給する。ここで固体電解質膜は、水素イオンを拡散させると同時に、燃料ガスの水素と酸素を物理的に隔離し且つ電子の流れを遮断する機能を担っている。
【0003】
このような固体電解質膜として、デュポン社のナフィオン膜のようなパーフルオロスルホン酸膜が広く用いられている。ナフィオン膜では、例えば文献 Gierke,T.D.;Munn,G.E.;Wilson,F.C.;J.Polym.Sci.1981,19,1687 に示されるように、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなるマトリックス中に数nm程度のサイズの親水性チャネル(イオン伝導チャネル)が膜を貫通して存在し、前記のチャネルを通して水素イオンが拡散するとされている。PTFEマトリックスは膜を安定に保持するために必要であるといわれている。しかしパーフルオロポリマーは非常に高価であり、より安価で且つ機械的に安定でしかも固体電解質膜として優れたイオン伝導性を示す材料が待望されてきた。
【0004】
イオン伝導に対しては、膜中でイオン伝導性成分が形成するチャネル構造が極めて重要であると考えられている。文献 Edmondson,C.A.;ADReport 2000,18 では、プロトン伝導膜中に分散している水素イオンが拡散可能な部位(イオン伝導部位)のパーコレーションによってイオン伝導が説明されているが、チャネルを通してイオンが伝導するという視点からは、膜中におけるイオン伝導部位の空間配置が重要になる。本発明の目的は、膜中におけるイオン伝導部位の空間配置を制御することによって、優れたイオン伝導性を示す固体電解質膜を得ることである。
【0005】
2種類以上の互いに非相溶なポリマー(ブロック鎖)が共有結合して1つのポリマー鎖を形成しているブロックコポリマーを用いると、ナノメートルスケールのサイズで化学的に異なる成分の配置を制御することができる。ブロックコポリマーにおいては、化学的に異なるブロック鎖間の反発から生じる短距離相互作用により、それぞれのブロック鎖からなる領域(ミクロドメイン)に相分離するが、ブロック鎖がお互いに共有結合していることから生じる長距離相互作用の効果により、各ミクロドメインが特定の秩序を持って配置せしめられる。各ブロック鎖からなるミクロドメインが集合して作り出す構造は、ミクロ相分離構造と呼ばれる。
【0006】
ブロックコポリマーの膜は一般に、有機溶媒に溶かしたブロックコポリマーの溶液を適当な基板の上に展開した後、溶媒を除去して作製される。作製された直後の膜内部には、文献 Hashimoto,T.;Koizumi,S.;Hasegawa,H.;Izumitani,T.;Hyde,S.T.;Macromolecules 1992(25)1433 で示されているような、ミクロドメインがお互いに入り組んでスポンジ状の構造を取っている状態がしばしば見られる。このスポンジ状のミクロ相分離構造は、文献 Sakamoto,N;Hashimoto,T.;Macromolecules 1998,31,3815 に示されているが如く、熱に対して不安定でありブロックコポリマーのガラス転移点以上の温度に曝されると他のミクロ相分離構造へと容易に変化する。
【0007】
特に十分な熱処理の後では、ミクロ相分離構造は極めて秩序性の高いものとなり、文献 Bates,F.S.;Fredrickson,G.H.;Annu.Res.Phys.Chem.1990(41)525 に開示されているように、構成成分の組成や雰囲気によって、球状ミセル構造、シリンダー構造、ラメラ構造などの結晶状構造を示す。このようなミクロ相分離構造を利用すれば、膜中におけるイオン伝導部位の空間配置を制御することができる。
【0008】
ブロックコポリマーを用いたプロトン導電性高分子固体電解質の例が特開平8−20704号公報に開示されているが、この例はブロック鎖として特定の化学構造の組合わせを開示したもので、本願発明が目的とするイオン伝導部位の空間配置の制御によるイオン伝導性改良を開示したものではない。
【0009】
一方、特表平10−503788号公報に、約50000の数平均分子量を有するポリ(スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン)トリブロックコポリマーのスチレンユニットをスルホン化した固体電解質膜の例が開示されている。この例で該トリブロックコポリマーは、スチレンユニットを約30乃至35重量%含んだものであり、ポリスチレンブロックがシリンダー状のミクロドメインを形成するものである。イオン伝導性を担うスルホン酸基はポリスチレンドメイン中に分布するため、前記のシリンダー状構造は非伝導性を示すことが予想されるが、この例では水を取り込んだシリンダー同士が夫々接触することによりイオン伝導性が発現しているとされる。
【0010】
しかしこの例の場合、含水量が変化すると前記のシリンダー同士の接触が保たれる保証はない。本発明人らが上記の例と同種のポリ(スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン)トリブロックコポリマー膜について行った実験によれば、該膜の内部はミクロドメインの界面が鮮明でなくぼんやりと広がった状態であって、ミクロドメインがお互いに入り組んだ構造をしており、先に述べたスポンジ状構造に類似していた。
この膜を80℃にて熱処理すると、ミクロドメインの界面が鮮明となり、スルホン酸基を含むポリスチレンからなるシリンダー状の構造がはっきりと現れ、シリンダー間の接触は低下した。この構造変化に伴って、膜のイオン伝導率は低下した。これはイオン伝導チャネルが熱的に不安定な構造に大きく依存していたことを示唆している。そこでより安定にイオン伝導性を示す安価な材料が望まれてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、膜中におけるイオン伝導部位の配置をより詳細に制御するすることによって、イオン伝導チャネルを安定に確保し、安価なポリマーを用いても優れたイオン伝導性を示す固体電解質膜を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)イオン伝導性成分を有するポリマーセグメント(A)とイオン伝導性成分を有さないポリマーセグメント(B)からなる膜であること、(2)AとBの体積比が30/70〜40/60であること、(3)該膜中でAとBがミクロ相分離構造を形成すること、及び(4)Aからなるチャネルが膜を貫通するように配置せしめられていることを特徴するイオン伝導膜に関する。
【0013】
また、本発明は、AとBが共有結合しているブロック共重合体であることを特徴とする上記のイオン伝導膜に関する。
【0014】
また、本発明は、該ブロック共重合体(C)かつ該Aと同じモノマー成分からなるホモポリマーA’の混合物からなる膜であり、AとA’の体積の和とBの体積の比が30/70〜40/60であり、該膜中でAとBはミクロ相分離構造を形成しており、及びAからなるチャネルが膜を貫通するように配置せしめられていることを特徴とする上記のイオン伝導膜に関する。
【0015】
また、本発明は、該ホモポリマーA’の重合度が、該ブロック共重合体(C)中におけるAブロックの重合度を超えないことを特徴とする上記のイオン伝導膜に関する。
【0016】
また、本発明は、該ブロック共重合体(C)がポリ(スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン)トリブロックコポリマーであり、かつスチレンユニットの30モル%以上がスルホン化されていることを特徴とする上記のイオン伝導膜に関する。
【0017】
また、本発明は、ポリ(スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン)トリブロックコポリマーのスチレンユニットの30モル%以上がスルホン化されてなるブロックコポリマーと、スチレンユニットの30モル%以上がスルホン化されたポリスチレンのブレンドからなる上記のイオン伝導膜に関する。
【0018】
また、本発明は、イオン伝導性成分を有するポリマーセグメントに選択的な溶媒であって沸点が80℃以上の溶媒を成分として含有する溶媒からキャストされたことを特徴とする上記のイオン伝導膜に関する。
【発明の実施の形態】
少なくとも1つのイオン伝導性成分を有するポリマー(A)と、イオン伝導性成分を有さないポリマー(B)からなる膜であって、AとBのミクロドメインが互いに連続相を形成する体積組成(共連続組成)乃至は共連続組成にごく近い組成になるようにAとBの体積比を調整したポリマーを用いる。
【0019】
2成分系ブロックコポリマーでは、文献 Matsen,M.W.;Bates,F.S.;Macromolecules 1996,29,1091 に開示されるように、特定の体積組成でミクロドメインが共連続構造を形成することが予測されている。例えば文献 Khandpur,A.K.;Foerster,S;Bates,F.S.;Hamley,I.W.;Ryan,A.J.;Bras,W.;Almdal,K.;Mortensen,K.;Macromolecules 1995,28,8796 に開示されているポリ(スチレン−イソプレン)ジブロックコポリマーにおいては、ポリスチレンとポリイソプレンの体積比が32/68〜35/65及び61/39〜64/36の範囲で共連続構造が観察されている。
【0020】
本発明人らは、少なくとも1つのイオン伝導性成分を有するポリマー(A)と、イオン伝導性成分を有さないポリマー(B)からなるブロックコポリマーを用い、前記AとBの体積比を、先に示した共連続組成乃至はその周辺の組成である、30/70〜40/60、好ましくは、34/66〜38/62 に調節することにより、イオン伝導チャネルを安定に確保できることを見出した。
【0021】
ポリマーAの体積組成が上記の範囲より小さい場合、イオン伝導性部位の連続性が損なわれるため、上記の体積組成の範囲が好適である。
ポリマーAの体積組成が上記の範囲にあれば、膜の内部構造がスポンジ状のミクロドメイン構造であっても、熱による構造変化に対して膜を貫通するイオン伝導チャネルをより安定に確保することができる。
【0022】
また、上記の範囲以外、例えば、AとBの体積組成が50/50に近くなると、交互に並んだAのラメラ及びBのラメラからなる層状のミクロドメイン構造が膜内部に形成され、特にこの層状構造は膜の表面近傍で膜表面に対して平行に配列する。このような膜内部の構造は、膜を貫通してのイオン伝導チャネルを阻害し望ましくないため、上記の体積組成の範囲が好適である。本発明のミクロドメイン構造は、ネットワーク状に連結し、その構造の長周期は10〜100nmのものが好ましく得られる。
【0023】
更に、AがBより多い体積組成の場合、加湿環境下では膜形状の安定性が損なわれるため、上記のBリッチな組成が好適である。
【0024】
この目的に用いるブロックコポリマーは、ビニルスルホン酸ナトリウム、アルスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸、ビニルベンゼンホスホン酸などスルホン酸基やホスホン酸基のついたビニルモノマーのようなイオン伝導性モノマー(MA)と、スチレン、2−ビニルピリジン、ステアリン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどの非イオン伝導性モノマー(MB)をアニオン重合法などにより、MAからなるブロック鎖とMBからなるブロック鎖の体積比が30/70〜40/60の範囲になるように、ブロック共重合して得ることができる。
【0025】
ブロック共重合体におけるMAとMBの好ましい組合わせとしては、例えば、スチレンスルホン酸−2−ビニルピリジン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−アクリロニトリルなどがある。
【0026】
あるいは、イオン伝導性部位を導入可能なブロック鎖(A0)と、イオン伝導性部位を有さないブロック鎖(B)からなるブロックコポリマーで、A0とBの体積比が30/70〜40/60の範囲にあるものを用い、ブロックコポリマーのA0部分にイオン伝導性部位を後から導入する方法を取ることができる。
この目的に用いられるブロックコポリマーとして、比較的安価に入手できることより、ポリ(スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン)トリブロックコポリマー、ポリ(スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン)トリブロックコポリマー、ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)トリブロックコポリマー、ポリ(スチレン−イソプレン−スチレン)トリブロックコポリマーなどのようなトリブロックコポリマーが好適である。
【0027】
ここで、例えばポリ(スチレン−(エチレン−プロピレン))ジブロックコポリマー、ポリ(スチレン−ブタジエン)ジブロックコポリマーなどの、ジブロックコポリマーも本願発明に用いることができるが、トリブロックコポリマーの方が膜の力学的安定性の面から好適に用いられる。
【0028】
上記のブロックコポリマーは特定のブロック鎖(A0)にイオン伝導部位が導入され供される。例えば、文献 Carretta,N.;et al.;J.Mem.Sci.2000,166,189 の方法を用いて選択的にポリスチレンブロックにスルホン酸基を導入することができる。
【0029】
具体的な方法として、トリブロックコポリマーの溶液を調整し、この溶液にアセチルサルフェートを添加することによって、スルホン酸基が選択的にポリスチレンブロック鎖に導入される。この方法を用いて導入されたスルホン酸基のスチレンユニットに対する量(スルホン化率)は、上記文献によれば概略15モル%とされているが、本発明人らの実験によれば添加するアセチルサルフェートのスチレンユニットに対するモル比を1/1に近付けることによって、スルホン化率を30モル%程度以上にすることができる。
【0030】
或いは、前出の特表平10−503788号公報に開示されている方法を用いてポリスチレンブロックにスルホン酸基を導入することができる。
【0031】
このようにして、イオン伝導性成分を有するポリマー(A)と、イオン伝導性成分を有さないポリマー(B)からなるブロックコポリマー(C)が得られる。ここで、ブロックコポリマー(C)へAと同じモノマー成分からなり且つイオン伝導性成分を有するポリマー(A’)を添加することができる。この場合においては、最終的にイオン伝導性部位を有するポリマーの組成が上記の範囲であれば、A’添加前のブロックコポリマー中におけるAとBの体積比は、上記の30/70〜40/60の範囲に限定されない。
【0032】
ここで、ブロックコポリマーに添加する上記のポリマー(A’)の重合度が大きい場合、ブロックコポリマーとA’がマクロに相分離し易くなり、添加したA’がイオン伝導チャネルの確保に寄与しなくなる。
【0033】
添加するポリマー(A’)の好適な重合度の範囲は、ブロックコポリマー中におけるAブロックの重合度を超えない範囲、更に望ましくはAブロックの重合度の1/2乗乃至はそれ以下の重合度である。但しA’の重合度が低くなると、A’が膜表面に析出してしまう恐れがあるため、A’の重合度としては、Aブロックの重合度の1/2乗乃至はその近傍が望ましい。
ここでCとして両側にAブロックを有するABA型のトリブロックコポリマーを用いる場合、Aブロックの重合度とは両側のブロックの重合度の和ではなく、各ブロックの重合度をいう。
【0034】
ここで開示されたイオン伝導性成分を有し且つAブロックの重合度を越えない重合度のポリマー(A’)を添加する方法は、本願発明に供し得るブロックコポリマーの種類を広げるものである。好適なポリマー(A’)の具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルベンゼンホスホン酸などがある。
【0035】
特定のブロック鎖にイオン伝導部位を有するブロックコポリマー(C)乃至はブロックコポリマー(C)とホモポリマー(A’)のブレンドは、有機溶媒に溶解した後、適当な基板上にキャストされ製膜される。溶液をキャストする方法としては、バーコーター法、基板を溶液に浸漬する方法、スピンキャスト法などを用いることができる。
【0036】
製膜に用いる基板には、イオン伝導性部位を有するブロック鎖(A)に選択的な表面を有する基板を用いる。
【0037】
ここでブロック鎖(A)に選択的な表面を有する基板とは、Aと基板との界面張力が、イオン伝導性部位を有さないブロック鎖(B)と基板との界面張力に比べて小さいことを意味する。例えば、Aとしてスルホン化したポリ(スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン)トリブロックコポリマーに対しては、ガラス基板などが好適に用いられる。
イオン伝導性部位を有さないブロック鎖(B)に選択的な基板を用いた場合、基板と接していた側の膜表面がB成分によって覆われることによって、イオン伝導性が阻害されるため好ましくない。
【0038】
上記の製膜に用いる有機溶媒の選択は重要である。例えば、スルホン化したポリ(スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン)トリブロックコポリマーをテトラヒドロフラン(THF)溶液からバーコーター法などによりガラス基板上に製膜した場合、大気中への急激なTHFの蒸発に伴って、膜に多数の欠陥(亀裂など)が生じる。更に膜表面が粗面化する。この故に、THFのような揮発性の高い溶媒を用いる場合には、基板にキャストしたブロックコポリマー溶液を乾燥する際、溶液からの溶媒の蒸発速度を抑制する。
【0039】
ここでいう溶媒の蒸発速度の抑制は、例えば密封槽に調節可能なガス導出路を設けたものを用い、この槽中で該溶液を乾燥することによって行うことができる。槽内部は、溶液から蒸発した溶媒によって概ね溶媒の飽和蒸気下に保たれ、溶媒蒸気はガス導出路を通してゆっくりと排出される。
【0040】
またはTHFのような高揮発性の溶媒の代わりに、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の比較的揮発性の低い溶媒が好適に用いられる。ここで前記揮発性の低い溶媒は、THFなどの揮発性の高い溶媒と混合して用いることができる。
【0041】
溶液から製膜したブロックコポリマーの表面には通常、文献 Hasegawa,H.;Hashimoto,T.;Polymer 1992,33,475 に開示されているように、表面張力の小さいブロック鎖からなる濡れ層が膜の表面に形成される。大気中では通常、イオン伝導性部位の方がイオン伝導性を有さない部位に対して表面張力が大きいため、上記の濡れ層は非イオン伝導層であり、膜の表面でイオン伝導チャネルを阻害し、望ましくない効果を生じる。
しかし本発明人らの実験によれば、イオン伝導性部位を有するブロック鎖(A)に選択的な溶媒(S1)を溶媒とした該ブロックコポリマーの溶液をキャストに用いれば、イオン伝導チャネルに対する望ましくない効果が抑制できることが分かった。
【0042】
ここで、イオン伝導性部位を有するブロック鎖(A)に選択的な溶媒(S1)とは、イオン伝導部位を有さないブロック鎖(B)と比べて、S1がよりAの方に親和的であることをいう。
【0043】
溶媒S1がAの方に親和的とは、S1がキャストされた溶液の膜から蒸発などによって取り除かれる際、Bからなるミクロドメイン中に含まれるS1の量と、Aからなるミクロドメイン中に含まれるS1の量を比較したとき、後者が前者に比べ多くなることを意味する。すなわち、溶媒S1は先ずBのミクロドメイン中から除かれ、最後にAのミクロドメイン中から除かれる。
【0044】
親和性の程度は、例えば各々のブロック鎖成分、溶媒の溶解度パラメータの差を用いて求めることができ、一般に溶解度パラメータの差の絶対値が小さいほど親和性は高い。溶解度パラメータの値は公知の文献 Brandrup,J.;Immergut,E.H.;Grulke,E.A.;Polymer Handbook,4th ed.,John Wiley&Sons,New York,1999 などにより容易に知ることができる。
【0045】
このようなS1として、例えば水、メタノール、エタノール、1−ブタノール、1−プロパノールなどのアルコール類、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられる。
S1として高揮発性の溶媒を用いると、イオン伝導性部位(A)に選択的な溶媒を用いた効果が損なわれ、表面に非伝導性成分(B)が生じやすくなる。このため、比較的揮発性の低い溶媒を用いる。
ここで揮発性が低いとは、乾燥条件にも依存するが、本発明人らが行った実験によれば概略80℃以上、望ましくは90℃以上の沸点を有する1−プロパノールやDMFなどの溶媒が、膜表面におけるイオン伝導部位の確保の点で好適に用いられる。このような低揮発性の溶媒は、先に述べた製膜時に生じる欠陥防止の点からも望ましい。
【0046】
ここでS1は必ずしも単一の溶媒を意味せず、複数の溶媒の混合溶媒を用いることが出来る。例えばスルホン化ポリ(スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン)トリブロックコポリマーにポリスチレンスルホン酸を添加したブレンドをキャストする場合、DMFとアルコール類の混合溶媒などが好適に用いられる。
S1として混合溶媒を用いる場合、全ての溶媒成分が先に述べた80℃以上の沸点を有する必要はなく、最も低揮発性の成分(S1V)についてその沸点が80℃以上の範囲にあればよい。この時S1中のS1Vの量は、溶液中のポリマーに対する重量の比が1/99以上になるように調整する。
【0047】
イオン伝導性部位を有するブロック鎖(A)に選択的な溶媒(S1)のみを溶媒に用いた場合、ブロックコポリマー(C)を均一に溶解させることが必ずしも容易ではない。そこでS1より揮発性の高い溶媒であってCを溶解する溶媒S2を混合して用いることができる。S2として、例えばスルホン化ポリ(スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン)トリブロックコポリマーや、そのポリスチレンスルホン酸とのブレンドに対してTHF、1,2−ジクロロエタンなどが挙げられる。ここでS2は必ずしも単一の溶媒を意味せず、複数の溶媒からなる混合溶媒を用いることができる。
【0048】
このようにして、安定にイオン伝導性を示す膜が得られる。イオン伝導性は、例えば、相対湿度60%の雰囲気で測定して、10−4〜10−1S/cmの好ましく得られる。この膜は、製膜に用いた基板から剥離して、燃料電池用の固体電解質膜として用いることができる。あるいは燃料電池のガス拡散電極を基板として製膜し、燃料電池に組み込むことができる。
【0049】
【実施例】
実施例1
ブロックコポリマーとして、ポリ(スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン)トリブロックコポリマーで、スチレンブロック(A0)と(エチレン−プロピレン)ブロック(B)の体積比が26/74のもの(C0)を用いた。ブロックコポリマーC1において、両側のスチレンブロックの重合度は共に約130であった。
またC1へ添加するため、重合度15のポリスチレン(A0’)を用いた。
無水酢酸14.9mlと濃硫酸5.6mlを0℃で混合攪拌し、アセチルサルフェート溶液(AS)を作製した。
【0050】
トリブロックコポリマーC01の10gを1,2−ジクロロエタン(DCE)100mlに溶解し、50℃に保持した。この溶液(SC0)に、ポリマーC中のスチレンユニットに対してアセチルサルフェートのモル比が1/1になるように、前記アセチルサルフェート溶液ASを加え、溶液温度を50℃に保持したまま、3時間攪拌を行った。
【0051】
溶液SC0にイソプロピルアルコール10mlを注入し、反応を停止させた。溶液SC0を50℃で乾燥させ、固形物を析出させた。前記固形物をメタノールで洗浄した後乾燥させ、スルホン化トリブロックコポリマーCを得た。
ホモポリマーA0’の1gをDCE3mlに溶解し、50℃に保持した。この溶液(SA0’)にポリマーA0’のスチレンユニットに対してアセチルサルフェートのモル比が1/1になるように、前記アセチルサルフェート溶液ASを加え、溶液温度を50℃に保持したまま、3時間攪拌を行った。
【0052】
溶液SA0’にイソプロピルアルコールを注入し、反応を停止させた。
溶液SA0’を50℃で乾燥させ、スルホン化ポリスチレンA’を得た。
ポリマーC1中のポリスチレンブロックA1及びホモポリマーA’のスルホン化率をプロトンNMRにて測定したところ、それぞれスチレンユニットに対して28mol%、55mol%のスルホン酸基が導入されていることが分かった。
スルホン化ポリスチレンA’の重合度は、プレポリマーA0’の重合度15と等しく、スルホン化ブロックコポリマーC中におけるスルホン化ポリスチレンブロックAの重合度を超えていない。更にポリマーA’の重合度は、Aの重合度の1/2乗(11)に近い値となっていた。
【0053】
THFとメタノールを重量比9/1となるように混合し溶媒Sを作製した。トリブロックコポリマーCとポリマーA’を、ブロック鎖AとポリマーA’がポリマー中で占める体積が30%となるように、前記溶媒Sに溶解した。ここでポリマー濃度は5重量%となるように調整した。
【0054】
上記の溶液をガラス基板上にバーコーター法によりキャストし、弁を設けた密閉槽中で、槽内を溶媒の飽和蒸気圧に保ちながら1日かけて乾燥した後、均一且つ透明な固体電解質フィルムF1を得た。このフィルムの膜厚は160μmであった。
フィルムの内部構造は、フィルムの超薄切片を切り出し、該切片を四酸化オスミウムで染色した後、日立製作所製HF−100FA透過型電子顕微鏡(以下TEM)で観察した。
【0055】
TEMでは、イオン伝導性部位を有さないB1からなるドメインとイオン伝導性部位を有するA又はA’からなるドメインがミクロ相分離を生じている様子が観察された。Bからなるドメインはマトリックスをなし、その中でA又はA’からなるドメインはネットワーク状に連結し、膜を貫いて連続したドメインを形成していることが観察された。
【0056】
更に、フィルムの小角X線散乱スペクトルを、リガク社製回転対陰極型X線回折装置RINT2500型を用いて測定した。
小角X線散乱スペクトルのピーク位置から求めた前記ネットワーク状の構造の長周期は31nmであった。
膜表面をデジタルインスツルメンツ社製原子間力顕微鏡(以下AFM)で観察した。AFMで測定した膜の局所的な表面粗さは概略4.0nmであった。
AFMチップを共振点近傍で振動させながら膜の表面と接触させると、文献 Zhong,Q.;Innis,D.;Kjoller,K.;Elings,V.B.;Surf.Sci.Lett.1993,290,L688 で指摘されているように、表面がガラス状かゴム状かによって前記のチップ振動に位相のずれが生じる。この位相のずれにより、室温でガラス状態にあるAとゴム状態にあるBの、膜表面における分布を調べることができる。
【0057】
位相像において位相が小さい成分(A)によって占められている面積は全表面積の47%に及んでいた。
フィルムのイオン伝導度は、得られた固体電解質をステンレスシートで挟み込み、電極間に交流を印加して抵抗部分を測定する交流インピーダンス法を用いておこない、コール・コールプロットの実数インピーダンス切片から計算して求めた。測定は50℃で行った。
フィルムF1のイオン伝導度を相対湿度40%、60%、90%の各雰囲気で測定したところ、それぞれ3.5×10−4S/cm、3.5×10−3S/cm、3.1×10−2S/cmであった。
【0058】
実施例2
実施例1のフィルムF1に対して、温度80℃、相対湿度80%の雰囲気下で2週間熱処理を行った。このフィルムをFA1とする。
【0059】
フィルムFA1の長周期を測定すると26nmとなり、熱処理前に比べて少し低下していた。このフィルムの内部構造をTEMで観察すると、Bからなるマトリックスと、A又はA’からなるドメインの界面が熱処理前に比べて鮮明になっており、熱処理前の構造が非平衡状態であったことを示した。しかし、熱処理後においても、A又はA’からなるドメインはネットワーク状の構造を維持していた。
フィルムFA1のイオン伝導度を相対湿度40%、60%、90%の各雰囲気で測定したところ、それぞれ4.8×10−4S/cm、3.9×10−3S/cm、3.1×10−2S/cmであり、熱処理前と同等以上であり、イオン伝導チャネルが安定に維持されていることが示された。
【0060】
実施例3
キャスト溶媒SとしてTHFとメタノール及びDMFを重量比90/10/0.1となるように混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、均一且つ透明な固体電解質フィルムF2を得た。フィルムF2の膜厚は160μmであった。
【0061】
このフィルムの内部構造を観察したところ、間隔25nm程度で分散したA又はA’からなるドメインがネットワーク状の構造を形成していた。
AFMで測定したこのフィルムの局所的な表面粗さは1.7nm程度と良好な平滑性を示した。またAFM位相像において位相が小さい成分(A)によって占められている面積は全表面積の67%程度に達し、DMFを用いない場合(実施例1)に比べて向上した。
このフィルムのイオン伝導度を相対湿度40%、60%、90%の各雰囲気で測定したところ、それぞれ1.3×10−3S/cm、7.8×10−3S/cm、7.1×10−2S/cmと実施例1より向上し、低揮発性且つスルホン化ポリスチレンに選択的な溶媒(DMF)を添加することによってイオン伝導率が向上する効果が見られた。
【0062】
実施例4
スルホン化ポリスチレンブロックAとスルホン化ポリスチレンA’の占める体積の和とポリ(エチレン−プロピレン)ブロックBの体積の比が35/65になるように、A’を添加した以外は実施例1と同様にして、均一な透明フィルムF3を得た。
このフィルムの内部構造を観察すると、イオン伝導性部位を有さないBからなるマトリックス中で、イオン伝導性部位を有するA又はA’からなるドメインがミクロ相分離を生じている様子が観察された。ここでA又はA’からなるドメインは、ネットワーク状に連結し、膜を貫いて連続したドメインを形成していた。小角X線散乱スペクトルのピーク位置から求めた前記のネットワーク状の構造の長周期は33nmであった。
【0063】
比較例1
トリブロックコポリマーCにポリマーA’を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、均一な透明フィルムF4を得た。
このフィルムの内部構造をTEMで観察すると、イオン伝導性部位を有さないBからなるマトリックス中で、イオン伝導性部位を有するAからなるドメインがミクロ相分離を生じている様子が観察された。
またAFM位相像において位相が小さい成分(A)によって占められている面積は全表面積の42%であり、A’を添加した場合(実施例1)に比べて低下した。
フィルムF4のイオン伝導度を相対湿度40%、60%、90%の各雰囲気で測定したところ、それぞれ1.7×10−5S/cm、2.2×10−4S/cm、2.6×10−3S/cmであり、実施例1と比較して著しく低い伝導率を示した。
【0064】
比較例2
ポリマーA’として、重合度380のスルホン化ポリスチレン(A1’)を用いた以外は実施例1と同様にして固体電解質フィルムF5を得た。
フィルムF5の内部を観察すると、所々にポリマーA1’からなると見られる粗大ドメインが形成されており、粗大ドメイン間には比較例1と同様の構造が観察された。
フィルムF4のイオン伝導度を測定したところ、比較例1とほぼ同じ伝導率を示し、ポリマーA1’添加の効果が見られなかった。比較例3
ブロックコポリマーとして、ポリ(スチレン−(エチレン−ブタジエン)−スチレン)トリブロックコポリマーで、スチレンブロック(A0)と(エチレン−プロピレン)ブロック(B)の体積比が26/74のもの(C0)を用いた以外は実施例1と同様にして、均一な透明フィルムF6を得た。このフィルムの内部構造をTEMで観察すると、ミクロドメインがお互いに入り組んだネットワーク状の構造をしていた。またAFM位相像において位相が小さい成分(A)によって占められている面積は全表面積の42%であった。
フィルムF6に対して温度80℃、相対湿度80%の雰囲気下で2週間熱処理を行いフィルムFA6を得た。このフィルムの内部構造をTEMで観察すると、ミクロドメインの界面が鮮明となり、スルホン酸基を含むAドメインからなるシリンダー状の構造がはっきりと現れ、熱処理前に見られたAドメインが互いに連結した構造が損なわれた。
【0065】
【発明の効果】
本発明によりイオン伝導性膜について、そのイオン伝導性能と耐熱安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例1のイオン伝導膜のTEM観察像(300nm×300nm)を示す。イオン伝導性部位を有するA又はA’からなるドメインがミクロ相分離を生じている様子が観察できる。
【図2】図2は本発明の実施例1のイオン伝導膜表面のAFM観察像(位相像、2000nm×2000nm)を示す。ところどころBドメインに覆われた部分がある一方で、イオン伝導性部位を有するA又はA’からなるドメインが表面に現れている様子が観察できる。
【図3】図3は本発明の実施例2のイオン伝導膜のTEM観察像(300nm×300nm)を示す。
【図4】図4は本発明の実施例3のイオン伝導膜のTEM観察像(300nm×300nm)を示す。
【図5】図5は本発明の実施例3のイオン伝導膜表面のAFM観察像(位相像、2000nm×2000nm)を示す。イオン伝導性部位を有するA又はA’からなるドメインがほぼ均一に表面に現れている様子が観察できる。
【図6】図6は比較例2のイオン伝導膜のTEM観察像(1500nm×1500nm)を示す。A’からなるドメインがマクロ相分離を生じている。
【図7】図7は比較例3の熱処理前におけるイオン伝導膜のTEM観察像(300nm×300nm)を示す。イオン伝導性部位を有するA又はA’からなるドメインがミクロ相分離を生じている様子が観察できる。
【図8】図8は比較例3の熱処理後におけるイオン伝導膜のTEM観察像(300nm×300nm)を示す。ドメイン界面が明瞭になると共に、Aドメインが平行に並んだシリンダー状になることにより、Aドメイン相互の連結性が損なわれている様子が観察できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a solid electrolyte membrane, and more particularly to a solid electrolyte membrane suitably used for a fuel cell.
[0002]
[Prior art]
A fuel cell basically comprises two catalyst electrodes and a solid electrolyte membrane sandwiched between the electrodes. Hydrogen as a fuel is ionized at one electrode, and this hydrogen ion diffuses through the solid electrolyte membrane and then combines with oxygen at the other electrode. At this time, if the two electrodes are connected by an external circuit, a current flows and power is supplied to the external circuit. Here, the solid electrolyte membrane has a function of diffusing hydrogen ions and at the same time physically separating hydrogen and oxygen of the fuel gas and blocking the flow of electrons.
[0003]
As such a solid electrolyte membrane, a perfluorosulfonic acid membrane such as a DuPont Nafion membrane is widely used. For Nafion membranes, see, for example, the literature Gierke, T .; D. Munn, G .; E. Wilson, F .; C. J .; Polym. Sci. As shown in 1981, 19, 1687, in a matrix made of polytetrafluoroethylene (PTFE), a hydrophilic channel (ion conducting channel) having a size of several nanometers exists through the membrane, and passes through the channel. Hydrogen ions are supposed to diffuse. The PTFE matrix is said to be necessary to keep the membrane stable. However, perfluoropolymer is very expensive, and there has been a demand for a material that is cheaper, mechanically stable, and exhibits excellent ionic conductivity as a solid electrolyte membrane.
[0004]
For ion conduction, the channel structure formed by ion-conducting components in the membrane is considered to be extremely important. Reference Edmondson, C.I. A. ; ADReport 2000,18 describes the ion conduction by percolation of the site where the hydrogen ions dispersed in the proton conducting membrane can diffuse (ion conducting site), but from the viewpoint that ions conduct through the channel. The spatial arrangement of ion conduction sites in the membrane is important. An object of the present invention is to obtain a solid electrolyte membrane exhibiting excellent ion conductivity by controlling the spatial arrangement of ion conduction sites in the membrane.
[0005]
Using a block copolymer in which two or more types of mutually incompatible polymers (block chains) are covalently bonded to form one polymer chain controls the arrangement of chemically different components at nanometer scale sizes be able to. In block copolymers, short-range interaction resulting from repulsion between chemically different block chains causes phase separation into regions (microdomains) consisting of each block chain, but the block chains are covalently bonded to each other. Due to the long-range interaction effect resulting from, each microdomain is arranged in a specific order. A structure created by the assembly of microdomains made up of block chains is called a microphase separation structure.
[0006]
A block copolymer film is generally produced by spreading a solution of a block copolymer in an organic solvent on a suitable substrate and then removing the solvent. In the membrane immediately after the fabrication, there is a document Hashimoto, T .; Koizumi, S .; Hasegawa, H .; Izumitani, T .; Hyde, S .; T.A. Often have microdomains intermingled with each other to form a sponge-like structure, as shown in Macromolecules 1992 (25) 1433. This sponge-like microphase-separated structure is described in the literature Sakamoto, N; Hashimoto, T .; As shown in Macromolecules 1998, 31, 3815, which is unstable to heat and readily changes to other microphase-separated structures when exposed to temperatures above the glass transition temperature of the block copolymer.
[0007]
In particular, after sufficient heat treatment, the microphase-separated structure becomes extremely ordered. S. Fredrickson, G .; H. Annu. Res. Phys. Chem. As disclosed in 1990 (41) 525, a crystalline structure such as a spherical micelle structure, a cylinder structure, or a lamellar structure is shown depending on the composition and atmosphere of the constituent components. If such a microphase separation structure is used, the spatial arrangement of ion conduction sites in the membrane can be controlled.
[0008]
An example of a proton conductive polymer solid electrolyte using a block copolymer is disclosed in JP-A-8-20704. This example discloses a combination of specific chemical structures as a block chain. However, it does not disclose an improvement in ion conductivity by controlling the spatial arrangement of ion conduction sites.
[0009]
On the other hand, an example of a solid electrolyte membrane in which a styrene unit of a poly (styrene- (ethylene-butylene) -styrene) triblock copolymer having a number average molecular weight of about 50,000 is sulfonated is disclosed in JP-T-10-503788. ing. In this example, the triblock copolymer contains about 30 to 35% by weight of styrene units, and the polystyrene blocks form cylindrical microdomains. Since the sulfonic acid group responsible for ionic conductivity is distributed in the polystyrene domain, the cylindrical structure is expected to exhibit non-conductivity, but in this example, the cylinders that have taken in water contact each other. It is said that ionic conductivity is expressed.
[0010]
However, in the case of this example, there is no guarantee that the contact between the cylinders is maintained when the water content changes. According to an experiment conducted by the present inventors on a poly (styrene- (ethylene-butylene) -styrene) triblock copolymer film of the same type as the above example, the inside of the film is dull and the microdomain interface is not clear. In a spread state, the microdomains have a structure intermingled with each other, and are similar to the sponge-like structure described above.
When this film was heat-treated at 80 ° C., the microdomain interface became clear, a cylindrical structure made of polystyrene containing sulfonic acid groups appeared clearly, and the contact between the cylinders decreased. With this structural change, the ionic conductivity of the membrane decreased. This suggests that the ion conduction channel was highly dependent on the thermally unstable structure. Therefore, an inexpensive material that exhibits ion conductivity more stably has been desired.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a solid electrolyte membrane that stably secures an ion conduction channel by controlling the arrangement of ion conduction sites in the membrane in a stable manner and exhibits excellent ion conductivity even when an inexpensive polymer is used. For the purpose.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is (1) a film comprising a polymer segment (A) having an ion conductive component and a polymer segment (B) having no ion conductive component, and (2) a volume ratio of A and B is 30. (3) A and B form a microphase-separated structure in the membrane, and (4) the channel composed of A is arranged so as to penetrate the membrane. The present invention relates to an ion conductive membrane characterized by the above.
[0013]
The present invention also relates to the above ion-conducting membrane, which is a block copolymer in which A and B are covalently bonded.
[0014]
Further, the present invention is a film comprising a mixture of the block copolymer (C) and a homopolymer A ′ comprising the same monomer component as the A, and the ratio of the sum of the volumes of A and A ′ to the volume of B is 30/70 to 40/60, wherein A and B form a microphase separation structure in the membrane, and the channel composed of A is arranged so as to penetrate the membrane The present invention relates to the ion conductive membrane.
[0015]
The present invention also relates to the above ion-conductive film, wherein the degree of polymerization of the homopolymer A ′ does not exceed the degree of polymerization of the A block in the block copolymer (C).
[0016]
In the present invention, the block copolymer (C) is a poly (styrene- (ethylene-propylene) -styrene) triblock copolymer, and 30 mol% or more of styrene units are sulfonated. It relates to the above-mentioned ion conductive membrane.
[0017]
The present invention also relates to a block copolymer in which 30 mol% or more of the styrene unit of the poly (styrene- (ethylene-propylene) -styrene) triblock copolymer is sulfonated, and 30 mol% or more of the styrene unit is sulfonated. It relates to the above-mentioned ion conductive membrane made of a blend of polystyrene.
[0018]
The present invention also relates to the above ion-conducting membrane, wherein the ion-conducting membrane is cast from a solvent that is selective to a polymer segment having an ion-conductive component and has a boiling point of 80 ° C. or more as a component. .
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A film composed of a polymer (A) having at least one ion conductive component and a polymer (B) having no ion conductive component, wherein the A and B microdomains form a continuous phase with each other (volume composition) A polymer in which the volume ratio of A and B is adjusted so as to have a composition very close to the co-continuous composition) or the co-continuous composition is used.
[0019]
For binary block copolymers, see the literature Matsen, M .; W. Bates, F .; S. As described in Macromolecules 1996, 29, 1091, it is predicted that microdomains form a co-continuous structure with a specific volume composition. For example, the literature Khandpur, A .; K. Forster, S; Bates, F .; S. Hamley, I .; W. Ryan, A .; J. et al. Bras, W .; Almdal, K .; Mortensen, K .; In the poly (styrene-isoprene) diblock copolymer disclosed in Macromolecules 1995, 28, 8996, the volume ratio of polystyrene to polyisoprene is in the range of 32/68 to 35/65 and 61/39 to 64/36; A co-continuous structure has been observed.
[0020]
The present inventors use a block copolymer comprising a polymer (A) having at least one ion conductive component and a polymer (B) not having an ion conductive component, and the volume ratio of A and B is determined in advance. It was found that the ion conduction channel can be stably secured by adjusting to the co-continuous composition shown in Fig. 5 or the surrounding composition, 30/70 to 40/60, preferably 34/66 to 38/62. .
[0021]
When the volume composition of the polymer A is smaller than the above range, since the continuity of the ion conductive site is impaired, the above volume composition range is preferable.
If the volume composition of polymer A is in the above range, even if the internal structure of the film is a sponge-like microdomain structure, it is possible to more stably secure an ion conduction channel that penetrates the film against structural changes due to heat. Can do.
[0022]
In addition to the above ranges, for example, when the volume composition of A and B is close to 50/50, a layered microdomain structure composed of alternating A lamellae and B lamellae is formed inside the film. The layered structure is arranged parallel to the film surface in the vicinity of the film surface. Such a structure inside the membrane is undesirable because it inhibits ion conduction channels penetrating the membrane, so the above volume composition range is preferable. The microdomain structure of the present invention is connected in a network form, and a structure having a long period of 10 to 100 nm is preferably obtained.
[0023]
Furthermore, when A has a volume composition greater than B, the stability of the film shape is impaired in a humidified environment, and thus the above B-rich composition is suitable.
[0024]
The block copolymer used for this purpose is a vinyl monomer having a sulfonic acid group or a phosphonic acid group such as sodium vinyl sulfonate, sodium alsulfonate, 2-acrylamido-2-methylpropane sulfonic acid, vinyl phosphonic acid, and vinylbenzene phosphonic acid. Block chain made of MA and MB by anionic polymerization method of ionic conductive monomer (MA) such as styrene and nonionic conductive monomer (MB) such as styrene, 2-vinylpyridine, vinyl stearate, vinyl laurate, etc. The block chain can be obtained by block copolymerization so that the volume ratio of the block chain is in the range of 30/70 to 40/60.
[0025]
Preferable combinations of MA and MB in the block copolymer include, for example, styrenesulfonic acid-2-vinylpyridine, 2-acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid-acrylonitrile and the like.
[0026]
Alternatively, it is a block copolymer comprising a block chain (A0) capable of introducing an ion conductive site and a block chain (B) having no ion conductive site, and the volume ratio of A0 and B is 30/70 to 40/60. The method which introduce | transduces an ion conductive site | part into the A0 part of a block copolymer later can be taken using what is in the range.
As block copolymers used for this purpose, poly (styrene- (ethylene-propylene) -styrene) triblock copolymer, poly (styrene- (ethylene-butylene) -styrene) triblock copolymer, poly Triblock copolymers such as (styrene-butadiene-styrene) triblock copolymers, poly (styrene-isoprene-styrene) triblock copolymers and the like are suitable.
[0027]
Here, for example, diblock copolymers such as poly (styrene- (ethylene-propylene)) diblock copolymer and poly (styrene-butadiene) diblock copolymer can also be used in the present invention. It is preferably used from the viewpoint of mechanical stability.
[0028]
The block copolymer is provided with an ion conduction site introduced into a specific block chain (A0). For example, the document Carretta, N .; Et al. J .; Mem. Sci. The sulfonic acid group can be selectively introduced into the polystyrene block using the method of 2000, 166, 189.
[0029]
As a specific method, a sulfonic acid group is selectively introduced into a polystyrene block chain by preparing a solution of a triblock copolymer and adding acetyl sulfate to the solution. The amount of sulfonic acid group introduced by this method with respect to the styrene unit (sulfonation rate) is approximately 15 mol% according to the above document, but according to the experiments of the present inventors, acetyl added By bringing the molar ratio of sulfate to styrene unit close to 1/1, the sulfonation rate can be increased to about 30 mol% or more.
[0030]
Or a sulfonic acid group can be introduce | transduced into a polystyrene block using the method currently disclosed by the above-mentioned special table | surface 10-503788 gazette.
[0031]
In this way, a block copolymer (C) comprising a polymer (A) having an ion conductive component and a polymer (B) having no ion conductive component is obtained. Here, a polymer (A ′) comprising the same monomer component as A and having an ion conductive component can be added to the block copolymer (C). In this case, if the composition of the polymer having ion-conducting sites is finally in the above range, the volume ratio of A and B in the block copolymer before addition of A ′ is 30/70 to 40 / The range is not limited to 60.
[0032]
Here, when the degree of polymerization of the polymer (A ′) added to the block copolymer is large, the block copolymer and A ′ are easily phase-separated macroscopically, and the added A ′ does not contribute to securing the ion conduction channel. .
[0033]
The range of a suitable degree of polymerization of the polymer (A ′) to be added is within a range not exceeding the degree of polymerization of the A block in the block copolymer, and more desirably, the degree of polymerization of 1/2 power or less of the degree of polymerization of the A block. It is. However, if the polymerization degree of A ′ is low, A ′ may be deposited on the film surface. Therefore, the polymerization degree of A ′ is preferably 1/2 power of the polymerization degree of the A block or its vicinity.
Here, when an ABA type triblock copolymer having A blocks on both sides is used as C, the polymerization degree of the A block is not the sum of the polymerization degrees of the blocks on both sides, but the polymerization degree of each block.
[0034]
The method of adding a polymer (A ′) having an ion-conductive component and a polymerization degree not exceeding the polymerization degree of the A block disclosed herein expands the types of block copolymers that can be used in the present invention. Specific examples of suitable polymer (A ′) include polystyrene sulfonic acid and polyvinylbenzenephosphonic acid.
[0035]
A block copolymer (C) or a blend of block copolymer (C) and homopolymer (A ′) having an ion conducting site in a specific block chain is dissolved in an organic solvent, and then cast on a suitable substrate to form a film. The As a method of casting the solution, a bar coater method, a method of immersing a substrate in a solution, a spin cast method, or the like can be used.
[0036]
As a substrate used for film formation, a substrate having a surface selective to the block chain (A) having an ion conductive portion is used.
[0037]
Here, the substrate having a surface selective to the block chain (A) is such that the interfacial tension between A and the substrate is smaller than the interfacial tension between the block chain (B) having no ion conductive site and the substrate. Means that. For example, for a poly (styrene- (ethylene-propylene) -styrene) triblock copolymer sulfonated as A, a glass substrate or the like is preferably used.
When a selective substrate is used for the block chain (B) that does not have an ion conductive site, the film surface on the side in contact with the substrate is covered with the B component, which is preferable because the ion conductivity is inhibited. Absent.
[0038]
The selection of the organic solvent used for the film formation is important. For example, when a sulfonated poly (styrene- (ethylene-propylene) -styrene) triblock copolymer is formed on a glass substrate from a tetrahydrofuran (THF) solution by a bar coater method or the like, rapid THF evaporation to the atmosphere As a result, many defects (cracks, etc.) occur in the film. Furthermore, the film surface becomes rough. Therefore, when a highly volatile solvent such as THF is used, the evaporation rate of the solvent from the solution is suppressed when the block copolymer solution cast on the substrate is dried.
[0039]
The suppression of the evaporation rate of the solvent here can be performed, for example, by using a sealed tank provided with an adjustable gas outlet and drying the solution in this tank. The inside of the tank is kept approximately under the saturated vapor of the solvent by the solvent evaporated from the solution, and the solvent vapor is slowly discharged through the gas outlet passage.
[0040]
Alternatively, a relatively low-volatile solvent such as N, N-dimethylformamide (DMF) is preferably used instead of a highly volatile solvent such as THF. Here, the low volatility solvent can be used by mixing with a high volatility solvent such as THF.
[0041]
The surface of a block copolymer formed from a solution is usually on the surface of Hasegawa, H. et al. Hashimoto, T .; A wetting layer consisting of block chains with a low surface tension is formed on the surface of the membrane, as disclosed in Polymer 1992, 33, 475; In the atmosphere, the ion-conducting site usually has a higher surface tension than the non-ion-conducting site, so the above wetting layer is a non-ion conducting layer and inhibits the ion conducting channel at the membrane surface. And produce undesirable effects.
However, according to the experiments by the present inventors, if a block copolymer solution using a solvent (S1) selective to the block chain (A) having an ion conductive site as a solvent is used for casting, it is desirable for the ion conduction channel. It was found that no effect can be suppressed.
[0042]
Here, the solvent (S1) that is selective for the block chain (A) having an ion conductive site means that S1 has more affinity for A than the block chain (B) that does not have an ion conductive site. It means that.
[0043]
Solvent S1 is more compatible with A. When S1 is removed from the film of the solution in which S1 is cast by evaporation or the like, the amount of S1 contained in the microdomain consisting of B and contained in the microdomain consisting of A When the amount of S1 is compared, it means that the latter is larger than the former. That is, the solvent S1 is first removed from the B microdomain and finally from the A microdomain.
[0044]
The degree of affinity can be determined using, for example, the difference between the solubility parameters of each block chain component and the solvent. Generally, the smaller the absolute value of the solubility parameter difference, the higher the affinity. Solubility parameter values can be found in the well-known literature Immergut, E .; H. Grulk, E .; A. Polymer Handbook, 4th ed. , John Wiley & Sons, New York, 1999, etc.
[0045]
Examples of such S1 include water, methanol, ethanol, alcohols such as 1-butanol and 1-propanol, DMF, N, N-dimethylacetamide (DMAc), N-methyl-2-pyrrolidone (NMP), and the like. It is done.
When a highly volatile solvent is used as S1, the effect of using a selective solvent for the ion conductive portion (A) is impaired, and a nonconductive component (B) is likely to be generated on the surface. For this reason, a solvent with relatively low volatility is used.
Here, low volatility depends on the drying conditions, but according to experiments conducted by the present inventors, a solvent such as 1-propanol or DMF having a boiling point of approximately 80 ° C. or higher, preferably 90 ° C. or higher. However, it is preferably used in terms of securing an ion conduction site on the membrane surface. Such a low-volatile solvent is desirable also from the viewpoint of preventing defects that occur during film formation as described above.
[0046]
Here, S1 does not necessarily mean a single solvent, and a mixed solvent of a plurality of solvents can be used. For example, when casting a blend obtained by adding polystyrene sulfonic acid to a sulfonated poly (styrene- (ethylene-propylene) -styrene) triblock copolymer, a mixed solvent of DMF and alcohol is preferably used.
When using a mixed solvent as S1, it is not necessary for all solvent components to have the boiling point of 80 ° C. or higher as described above, and the boiling point of the lowest volatile component (S1V) may be in the range of 80 ° C. or higher. . At this time, the amount of S1V in S1 is adjusted so that the weight ratio to the polymer in the solution is 1/99 or more.
[0047]
When only the solvent (S1) selective to the block chain (A) having an ion conductive site is used as the solvent, it is not always easy to dissolve the block copolymer (C) uniformly. Therefore, a solvent S2 that is more volatile than S1 and dissolves C can be mixed and used. Examples of S2 include sulfonated poly (styrene- (ethylene-propylene) -styrene) triblock copolymer and its blend with polystyrene sulfonic acid such as THF and 1,2-dichloroethane. Here, S2 does not necessarily mean a single solvent, and a mixed solvent composed of a plurality of solvents can be used.
[0048]
In this way, a membrane exhibiting stable ion conductivity can be obtained. Ionic conductivity is preferably obtained, for example, in the range of 10 −4 to 10 −1 S / cm when measured in an atmosphere with a relative humidity of 60%. This film can be peeled off from the substrate used for film formation and used as a solid electrolyte film for a fuel cell. Alternatively, the gas diffusion electrode of the fuel cell can be formed as a substrate and incorporated into the fuel cell.
[0049]
【Example】
Example 1
As a block copolymer, a poly (styrene- (ethylene-propylene) -styrene) triblock copolymer having a volume ratio of styrene block (A0) to (ethylene-propylene) block (B) of 26/74 (C0) is used. It was. In the block copolymer C1, the degree of polymerization of the styrene blocks on both sides was about 130.
Moreover, in order to add to C1, polystyrene (A0 ') with a polymerization degree of 15 was used.
14.9 ml of acetic anhydride and 5.6 ml of concentrated sulfuric acid were mixed and stirred at 0 ° C. to prepare an acetyl sulfate solution (AS).
[0050]
10 g of the triblock copolymer C01 was dissolved in 100 ml of 1,2-dichloroethane (DCE) and kept at 50 ° C. The acetyl sulfate solution AS was added to this solution (SC0) so that the molar ratio of acetyl sulfate to the styrene unit in polymer C was 1/1, and the solution temperature was maintained at 50 ° C. for 3 hours. Stirring was performed.
[0051]
10 ml of isopropyl alcohol was injected into the solution SC0 to stop the reaction. The solution SC0 was dried at 50 ° C. to precipitate a solid. The solid was washed with methanol and dried to obtain a sulfonated triblock copolymer C.
1 g of homopolymer A0 ′ was dissolved in 3 ml of DCE and kept at 50 ° C. The acetyl sulfate solution AS was added to this solution (SA0 ′) so that the molar ratio of acetyl sulfate to the styrene unit of the polymer A0 ′ was 1/1, and the solution temperature was maintained at 50 ° C. for 3 hours. Stirring was performed.
[0052]
Isopropyl alcohol was injected into the solution SA0 ′ to stop the reaction.
Solution SA0 ′ was dried at 50 ° C. to obtain sulfonated polystyrene A ′.
When the sulfonation rate of the polystyrene block A1 and the homopolymer A ′ in the polymer C1 was measured by proton NMR, it was found that 28 mol% and 55 mol% of sulfonic acid groups were introduced to the styrene unit, respectively.
The degree of polymerization of the sulfonated polystyrene A ′ is equal to the degree of polymerization 15 of the prepolymer A0 ′ and does not exceed the degree of polymerization of the sulfonated polystyrene block A in the sulfonated block copolymer C. Furthermore, the polymerization degree of the polymer A ′ was a value close to a half power (11) of the polymerization degree of A.
[0053]
THF and methanol were mixed at a weight ratio of 9/1 to prepare a solvent S. Triblock copolymer C and polymer A ′ were dissolved in the solvent S so that the volume occupied by block chain A and polymer A ′ in the polymer was 30%. Here, the polymer concentration was adjusted to 5% by weight.
[0054]
The above solution is cast on a glass substrate by a bar coater method, dried in one day while keeping the inside of the tank at the saturated vapor pressure of the solvent in a closed tank provided with a valve, and then a uniform and transparent solid electrolyte film F1 was obtained. The film thickness was 160 μm.
The internal structure of the film was observed with an HF-100FA transmission electron microscope (hereinafter referred to as TEM) manufactured by Hitachi, after cutting out an ultrathin section of the film and staining the section with osmium tetroxide.
[0055]
In TEM, it was observed that a domain consisting of B1 having no ion conductive site and a domain consisting of A or A ′ having an ion conductive site caused microphase separation. It was observed that the domain consisting of B forms a matrix, in which the domain consisting of A or A ′ is connected in a network and forms a continuous domain through the membrane.
[0056]
Furthermore, the small-angle X-ray scattering spectrum of the film was measured using a rotating counter-cathode X-ray diffractometer RINT2500 manufactured by Rigaku Corporation.
The long period of the network-like structure obtained from the peak position of the small angle X-ray scattering spectrum was 31 nm.
The film surface was observed with an atomic force microscope (hereinafter AFM) manufactured by Digital Instruments. The local surface roughness of the film measured by AFM was approximately 4.0 nm.
When the AFM tip is brought into contact with the surface of the membrane while vibrating in the vicinity of the resonance point, reference Zhong, Q. et al. Innis, D .; Kjoller, K .; Elings, V .; B. Surf. Sci. Lett. As pointed out in 1993, 290, L688, a phase shift occurs in the chip vibration depending on whether the surface is glassy or rubbery. By this phase shift, it is possible to examine the distribution on the film surface of A in a glass state and B in a rubber state at room temperature.
[0057]
In the phase image, the area occupied by the component (A) having a small phase was 47% of the total surface area.
The ionic conductivity of the film is calculated by using the AC impedance method in which the obtained solid electrolyte is sandwiched between stainless steel sheets and AC is applied between the electrodes to measure the resistance, and is calculated from the real impedance intercept of the Cole-Cole plot. Asked. The measurement was performed at 50 ° C.
When the ionic conductivity of the film F1 was measured in each atmosphere having a relative humidity of 40%, 60%, and 90%, 3.5 × 10 5 respectively. -4 S / cm, 3.5 × 10 -3 S / cm, 3.1 × 10 -2 S / cm.
[0058]
Example 2
The film F1 of Example 1 was heat-treated for 2 weeks in an atmosphere at a temperature of 80 ° C. and a relative humidity of 80%. This film is designated as FA1.
[0059]
When the long period of the film FA1 was measured, it was 26 nm, which was a little lower than before the heat treatment. When the internal structure of this film was observed with a TEM, the interface between the matrix composed of B and the domain composed of A or A ′ was clearer than before the heat treatment, and the structure before the heat treatment was in a non-equilibrium state. showed that. However, even after the heat treatment, the domain consisting of A or A ′ maintained a network-like structure.
When the ionic conductivity of the film FA1 was measured in each atmosphere at a relative humidity of 40%, 60%, and 90%, it was 4.8 × 10 4 respectively. -4 S / cm, 3.9 × 10 -3 S / cm, 3.1 × 10 -2 The S / cm was equal to or higher than that before the heat treatment, and it was shown that the ion conduction channel was stably maintained.
[0060]
Example 3
A uniform and transparent solid electrolyte film F2 is obtained in the same manner as in Example 1 except that the casting solvent S is a mixture of THF, methanol, and DMF so that the weight ratio is 90/10 / 0.1. It was. The film thickness of the film F2 was 160 μm.
[0061]
When the internal structure of this film was observed, the domain consisting of A or A ′ dispersed at an interval of about 25 nm formed a network-like structure.
The local surface roughness of this film measured by AFM was about 1.7 nm and showed good smoothness. In addition, the area occupied by the component (A) having a small phase in the AFM phase image reached about 67% of the total surface area, which was improved as compared with the case where DMF was not used (Example 1).
The ionic conductivity of this film was measured in each atmosphere at a relative humidity of 40%, 60% and 90%. -3 S / cm, 7.8 × 10 -3 S / cm, 7.1 × 10 -2 The S / cm was improved from that of Example 1, and the effect of improving the ionic conductivity was observed by adding a solvent (DMF) selective to sulfonated polystyrene having low volatility.
[0062]
Example 4
Same as Example 1 except that A ′ was added so that the ratio of the volume of the sulfonated polystyrene block A and the sulfonated polystyrene A ′ to the volume of the poly (ethylene-propylene) block B was 35/65. Thus, a uniform transparent film F3 was obtained.
When the internal structure of this film was observed, it was observed that a domain consisting of A or A ′ having an ion conductive site caused microphase separation in a matrix consisting of B having no ion conductive site. . Here, the domain consisting of A or A ′ was connected in a network and formed a continuous domain through the membrane. The long period of the network structure determined from the peak position of the small angle X-ray scattering spectrum was 33 nm.
[0063]
Comparative Example 1
A uniform transparent film F4 was obtained in the same manner as in Example 1 except that the polymer A ′ was not added to the triblock copolymer C.
When the internal structure of this film was observed with TEM, it was observed that the domain consisting of A having an ion conductive site caused microphase separation in the matrix consisting of B having no ion conductive site.
In addition, the area occupied by the component (A) having a small phase in the AFM phase image was 42% of the total surface area, which was lower than when A ′ was added (Example 1).
When the ionic conductivity of the film F4 was measured in each atmosphere having a relative humidity of 40%, 60% and 90%, 1.7 × 10 5 respectively. -5 S / cm, 2.2 × 10 -4 S / cm, 2.6 × 10 -3 S / cm, which was significantly lower than that of Example 1.
[0064]
Comparative Example 2
A solid electrolyte film F5 was obtained in the same manner as in Example 1 except that sulfonated polystyrene (A1 ′) having a polymerization degree of 380 was used as the polymer A ′.
When the inside of the film F5 was observed, coarse domains that were thought to be composed of the polymer A1 ′ were formed in some places, and the same structure as in Comparative Example 1 was observed between the coarse domains.
When the ionic conductivity of the film F4 was measured, the conductivity was almost the same as in Comparative Example 1, and the effect of adding the polymer A1 ′ was not observed. Comparative Example 3
As the block copolymer, a poly (styrene- (ethylene-butadiene) -styrene) triblock copolymer having a volume ratio of styrene block (A0) to (ethylene-propylene) block (B) of 26/74 (C0) is used. A uniform transparent film F6 was obtained in the same manner as in Example 1 except that. When the internal structure of this film was observed with a TEM, it had a network structure in which microdomains were interlaced with each other. In the AFM phase image, the area occupied by the component (A) having a small phase was 42% of the total surface area.
Film FA6 was heat-treated for 2 weeks in an atmosphere at a temperature of 80 ° C. and a relative humidity of 80% to obtain film FA6. When the internal structure of this film is observed with a TEM, the interface between microdomains becomes clear, a cylindrical structure composed of A domains containing sulfonic acid groups appears clearly, and the A domains seen before heat treatment are linked to each other. Was damaged.
[0065]
【The invention's effect】
According to the present invention, the ion conductive performance and heat stability of the ion conductive membrane can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a TEM observation image (300 nm × 300 nm) of an ion conductive film of Example 1 of the present invention. It can be observed that a domain composed of A or A ′ having an ion conductive site causes microphase separation.
FIG. 2 shows an AFM observation image (phase image, 2000 nm × 2000 nm) of the surface of the ion conductive film of Example 1 of the present invention. On the other hand, while there is a portion covered with the B domain, it can be observed that a domain composed of A or A ′ having an ion conductive site appears on the surface.
FIG. 3 shows a TEM observation image (300 nm × 300 nm) of the ion conductive film of Example 2 of the present invention.
FIG. 4 shows a TEM observation image (300 nm × 300 nm) of the ion conductive film of Example 3 of the present invention.
FIG. 5 shows an AFM observation image (phase image, 2000 nm × 2000 nm) of the surface of the ion conductive film of Example 3 of the present invention. It can be observed that the domain composed of A or A ′ having an ion conductive site appears almost uniformly on the surface.
6 shows a TEM observation image (1500 nm × 1500 nm) of the ion conductive film of Comparative Example 2. FIG. The domain consisting of A ′ causes macrophase separation.
7 shows a TEM observation image (300 nm × 300 nm) of an ion conductive film before heat treatment of Comparative Example 3. FIG. It can be observed that a domain composed of A or A ′ having an ion conductive site causes microphase separation.
FIG. 8 shows a TEM observation image (300 nm × 300 nm) of the ion conductive film after the heat treatment of Comparative Example 3; It is possible to observe that the connectivity between the A domains is impaired by making the domain interface clear and the cylindrical shape in which the A domains are arranged in parallel.
Claims (5)
AとBが共有結合しているブロック共重合体であり、
該ブロック共重合体(C)かつ該Aと同じモノマー成分からなるホモポリマーA’の混合物からなる膜であり、AとA’の体積の和とBの体積の比が30/70〜40/60であり、該膜中でAとBはミクロ相分離構造を形成しており、及びAからなるチャネルが膜を貫通するように配置せしめられていることを特徴とするイオン伝導膜。(1) The film is composed of a polymer segment (A) having an ion conductive component and a polymer segment (B) having no ion conductive component, and (2) the volume ratio of A and B is 30/70 to 40 / 3, (3) A and B form a microphase-separated structure in the film, and (4) A channel composed of A is arranged to penetrate the film. An ion conducting membrane ,
A block copolymer in which A and B are covalently bonded;
A film comprising a mixture of the block copolymer (C) and a homopolymer A ′ comprising the same monomer component as A, wherein the ratio of the sum of the volume of A and A ′ to the volume of B is 30/70 to 40 / 60. An ion-conducting membrane, wherein A and B form a microphase separation structure in the membrane, and a channel made of A is disposed so as to penetrate the membrane .
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