JP3921771B2 - ドライエッチング装置およびドライエッチング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造のエッチング技術に用いるドライエッチング装置およびドライエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の製造分野では、ウエハ上に形成された酸化膜や金属膜等の被エッチング物のパターニング、平坦化等を行うために、ドライエッチング技術が採用されている。図4は、ドライエッチング技術を実現するための従来のドライエッチング装置の一例を示したものである。
【0003】
このドライエッチング装置20は平行平板型のもので、密閉容器からなるチャンバ21を備えている。チャンバ21の天板には、エッチングガスの導入口22が形成されて、導入口22よりチャンバ21内にエッチングガスが供給されるようになっている。チャンバ21の天板は上部電極も兼ねており、図示しない高周波電源に接続されている。チャンバ21内には、ウエハ保持用のステージ23が設けられている。ステージ23は下部電極を兼ねたもので、接地されているとともに、そのウエハの保持面がチャンバ21の天板と略平行となるように設けられている。
【0004】
また図示しないが、ステージ23の上面には、例えば不活性なガスからなる冷却ガスを噴き出す孔状あるいは溝状の噴き出し口が形成されている。この噴き出し口は、冷却ガスを噴き出してステージ23の上面に保持されたウエハ30の裏面に吹き付けることにより、ウエハ30の温度を制御するためのものである。よって、ステージ23の上面にウエハ30を保持した状態でウエハ30の裏面全体に配置され、かつウエハ30に覆われるようにステージ23に形成されている。さらにチャンバ21の底板には、チャンバ21内を排気するガス排気口24が形成されている。
【0005】
上記のドライエッチング装置20を用いたドライエッチングでは、チャンバ21内を所定の真空状態に保持するとともに、チャンバ21内にエッチングガスを導入してチャンバ21の天板とステージ23との間に高周波電界を印加することにより、その間にエッチングガスを放電したプラズマ40を生成する。そして、生成したプラズマ40によって、ステージ23の上面に保持されたウエハ30上の被エッチング物をエッチングしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したようなドライエッチング装置を用いたドライエッチングでは、プラズマの生成状態によってウエハ上のエッチャントの分布に偏りが生じることが知られている。特にウエハ面内にて被エッチング物の割合が大きいと、エッチングガスと反応した生成物も多くなり、ウエハ上のエッチャントの偏りも大きくなる。
【0007】
しかも従来のドライエッチング装置では、ステージの上面に冷却ガスの噴き出し口がウエハの裏面全体に配置されるように形成されているものの、ウエハのいずれの箇所においても略同じ圧力で冷却ガスが噴き出されてウエハ全面が略一定の温度に制御されるようになっているため、ウエハ上のエッチャントの偏りがそのままエッチングレートに影響する。その結果、ウエハの中央部と周縁部とでエッチングレートに偏りが生じることになって、エッチングレートのウエハ面内均一性が悪くなる。
【0008】
そこで従来では、エッチングレートのウエハ面内均一性の悪化を抑制するために、ドライエッチングの際、図4に示すようにドライエッチング装置20のステージ23の上面にフォーカスリング25が取り付けられるようになっている。通常、半導体装置製造におけるドライエッチングでは、ウエハの中央部にて反応生成物が多くなるため、ウエハの周縁部でエッチャントの割合が過剰になってエッチングレートが高くなる傾向がある。よって上記のフォーカスリング25は、プラズマ40をウエハ30の中心部側に集中させてウエハ30の周辺部でのエッチングレートを低くするようにステージ23の上面のウエハ30の側周を囲む状態で設けられている。これとともに、プラズマ40をウエハ30の中心部側に集中させるような形状、すなわち、ウエハ30の厚みよりも厚くかつ内周縁がテーパ状に形成されている。
【0009】
ところが、フォーカスリング25を用いてウエハ面内均一性の最適化を図るには、エッチング対象となる被エッチング物が変わる度に、被エッチング物のエッチングプロセスに合わせた形状のフォーカスリング25が必要になる。しかし、従来のフォーカスリング25は、ある被エッチング物のエッチングプロセスに合わせて形成された状態でドライエッチング装置に備えられている。このため、被エッチング物が変わる度にフォーカスリングを変えられないのが現状となっている。
【0010】
また、上述したようにフォーカスリング25がウエハの厚みよりも厚くかつ内周縁がテーパ状に形成されているため、ウエハ30の周縁部でエッチングガスの対流が起こり易い。よって、ウエハ周縁部の例えばウエハの周縁から3mm程度中心部寄りでは、エッチングガスの対流によりエッチングレートが極端に落ち、狙い通りにウエハ面内のエッチング均一性を最適化することができないという不具合が生じている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで上記課題を解決するために本発明のドライエッチング装置は、チャンバ内にウエハ保持用のステージが設けられ、ステージの上面に第1の不活性なガスの第1噴き出し口が、ステージの上面にウエハを保持した状態でウエハに覆われるように形成されてなるものにおいて、上記ステージの上面でかつ第1噴き出し口よりもステージの周縁側に、第2の不活性なガスの第2噴き出し口が形成され、この第2噴き出し口が、ステージの上面にウエハを保持した状態でウエハの周縁部に沿うように形成されているとともに、ウエハの周縁部に一部が覆われかつ残部が外部に露出するように形成されている構成となっている。
【0012】
上記ドライエッチング装置では、第2噴き出し口が、ステージの上面にウエハを保持した状態でウエハの周縁部に一部が覆われかつ残部が外部に露出するように形成されているため、ステージの上面にウエハを保持して第2噴き出し口から第2の不活性なガスを噴き出させると、この第2の不活性なガスがウエハの周縁部のステージ側の面(裏面)に吹き付けられる。その結果、ウエハの周縁部の温度が低下して被エッチング物とエッチャントとの反応性が低くなる。また、ステージの上面にウエハを保持した状態で外部に露出した第2噴き出し口の残部から上方に第2の不活性なガスが噴き出されるため、この第2の不活性なガスによってウエハの周縁部上に存在するエッチャントの濃度が低下する。よって、ウエハの周縁部にてエッチャントの割合が過剰になる傾向のあるドライエッチングプロセスにおいて、ウエハ周縁部のエッチングレートを低下させることが可能になるため、ウエハの中央部と周縁部とのエッチングレートの差が低減される。さらに第2噴き出し口は、ステージの上面にウエハを保持した状態でウエハの周縁部に沿うように形成されているため、ウエハ全周に亘ってウエハの周縁部におけるエッチングレートの低下を図れる。
【0013】
また第2噴き出し口が、第2噴き出し口からの第2の不活性なガスの噴き出し圧力を調節するための調節バルブを備えた供給部と接続されているものでは、ドライエッチングプロセスのエッチング特性やエッチング条件に応じて第2噴き出し口からの不活性なガスの噴き出し圧力を調節することにより、ウエハの周縁部におけるエッチングレートを調整することが可能になる。
【0014】
また上記課題を解決するために本発明のドライエッチング方法は、ステージの上面に保持したウエハのステージ側の面に第1の不活性なガスを吹き付けるとともに、ウエハの周縁部に、ウエハのステージ側の面からこの面と反対の面側に向かう第2の不活性なガスを吹き付けて、ウエハ上に形成された被エッチング物のドライエッチングを行うようにする。
【0015】
上記のドライエッチング方法では、ウエハの周縁部にウエハのステージ側の面(裏面)からこの面と反対の面(上面)側に向かう第2の不活性なガスを吹き付けてドライエッチングを行うため、ウエハの周縁部の温度が低下して被エッチング物とエッチャントとの反応性が低くなる。また、この第2の不活性なガスによってウエハの周縁部上に存在するエッチャントの濃度が低下する。よって、ウエハの周縁部にてエッチャントの割合が過剰になる傾向のあるドライエッチングプロセスにおいて、ウエハ周縁部のエッチングレートを低下させることが可能になるため、ウエハの中央部と周縁部とのエッチングレートの差が低減される。
【0016】
また 第2の不活性なガスが、被エッチング物のエッチング特性あるいはエッチング条件に合わせて噴き出し圧力が調節されている場合には、エッチング特性が異なる種々のエッチングプロセスでも、ウエハ周縁部のエッチングレートを低下させてウエハの中央部と周縁部とのエッチングレートの差を低減することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るドライエッチング装置およびドライエッチング方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るドライエッチング装置の一実施形態を説明するための図であり、同図(a)は概略構成図、同図(b)は(a)に備えられたステージ部分の拡大平面図である。また図1(a)は、ステージの上面にウエハを保持した状態を示してある。
【0018】
図1に示すように、このドライエッチング装置1は平行平板型のもので、密閉容器からなるチャンバ2を備えている。チャンバ2の天板2aには、エッチングガスが噴き出されるガス導入口3が複数形成されており、また導入口3を介して図示しないエッチングガスの供給部が接続されている。さらにチャンバ2の天板2aは、図示しない高周波電源(RF電源)と接続されて上部電極を兼ねたものとなっている。一方、チャンバ2の底板2bには、チャンバ2内のガスを排気するためのガス排気口4が形成されている。ガス排気口4には、バルブ5を介して例えばターボポンプからなる負圧源6が接続されている。よって、チャンバ2内は負圧源6により内部が排気されて所定の真空状態に維持されるようになっている。
【0019】
上記のようなチャンバ2内には、上面にウエハ30を保持するためのステージ7が設けられている。このステージ7は、接地されて下部電極を兼ねたものとなっており、チャンバ2内にその天板2aに対してステージ7のウエハ保持面が略平行になるように設けられている。本実施形態では、ステージ7は例えば平面視略円形に形成されており、上面が略平坦に形成されてウエハ保持面となっている。そして、この上面にウエハ30の裏面を接触させた状態でウエハ30を保持するようになっている。
【0020】
ステージ7の上面には、従来と同様に、例えばヘリウム(He)ガスや窒素(N2 )ガス等の第1の不活性なガスを冷却ガスとして噴き出す孔状あるいは溝状の第1噴き出し口8が形成されている。図1(b)では、一例として孔状の第1噴き出し口8が複数形成されている場合を示してある。第1噴き出し口8は、ステージ7の上面にウエハ30を保持した状態で第1の不活性なガスを噴き出してウエハ30の裏面に吹き付けることにより、ウエハ30の温度を制御するためのものである。よって、ステージ7の上面にウエハ30を保持した状態でウエハ30の裏面全体に配置され、かつウエハ30に覆われるようにステージ7に形成されている。
【0021】
さらにこのドライエッチング装置1では、ステージ7の上面でかつ第1噴き出し口8よりもステージ7の周縁側に、第2の不活性なガスを噴き出す第2噴き出し口9が形成されている。第2噴き出し口9は、ステージ7の上面にウエハ30を保持した状態でウエハ30の周縁部に沿うように形成されている。これとともに、図2の要部断面図に示すように一部がウエハ30の周縁部に覆われかつ残部が外部に露出するように形成されている。
【0022】
なお、図1(b)では、一例として孔状の複数の第2噴き出し口9が、ウエハ30の周縁部に沿うように所定の間隔で形成されている。そしてステージ7の上面には、これら複数の第2噴き出し口9をつなぐ溝10が平面視略円形に形成されて、第2噴き出し口9からの第2の不活性なガスがウエハ30の周縁部に略均一に吹き付けられるようになっている。
【0023】
上記の第1噴き出し口8は、第1噴き出し口8に第1の不活性なガスを供給するための第1供給部11と接続されており、また第2噴き出し口9は、第2噴き出し口9に第2の不活性なガスを供給するための第2供給部12と接続されている。具体的には、例えば第1供給部11は、第1供給管11aと噴き出し圧力を調節するための第1圧力調節バルブ11bと第1の不活性なガスの第1供給源11cとから構成されている。そして第1供給管11aの一端側がステージ7の内部に埋設されて第1噴き出し口8に接続され、第1供給管11aの他端側が第1圧力調節バルブ11bを介して第1供給源11cに接続されている。
【0024】
また第2供給部12は本発明の供給部となるものであり、第2供給管12aと噴き出し圧力を調節するための第2圧力調節バルブ(本発明の圧力調節バルブ)12bと第2の不活性なガスの第2供給源12cとから構成されている。そして第2供給管12aの一端側がステージ7の内部に埋設されて第2噴き出し口9に接続され、第2供給管12aの他端側が第2圧力調節バルブ12bを介して第2供給源12cに接続されている。したがって、第1噴き出し口8に第1の不活性なガスを供給する第1供給部11と、第2噴き出し口9に第2の不活性なガスを供給する第2供給部12とが別系統とされ、それぞれから噴き出される第1,第2の不活性なガスの噴き出し圧力を独立して調節できるようになっている。さらに図示しないが、ステージ7の内部には、ウエハ30を所定の温度に加熱できるようにヒータ(図示省略)が埋設されている。
【0025】
また本実施形態のドライエッチング装置1では、ステージ7の上面に、この上面にウエハ30を保持した状態でウエハ30の側周を第2噴き出し口9を隔てて囲む、すなわちウエハ30の側周をウエハ30の周縁部に吹き付けている第2の不活性なガスより外側から囲むカバーリング13が着脱可能に設けられている。例えば、カバーリング13は、第2噴き出し口9をつなぐ溝10の外径と略同じがそれよりも若干大きな内径を有した環状のものであり、従来のフォーカスリングとは異なり、ステージ7の上面に保持されるウエハ30の厚みと略同じ厚みに形成されている。
【0026】
上記のようにカバーリング13を設けるのは、第2噴き出し口9から第2の不活性なガスを噴き出させた際に、第2噴き出し口9のウエハ30で覆われない残部から噴き出されたガスが外方へとリークしてウエハ30の周辺部に吹き付けられる量が減少し、第2の不活性なガスがウエハ30の周辺部に吹き付けられることによる後述の効果が低減するおそれがあるためである。よって、第2噴き出し口9のウエハ30で覆われない残部からの第2の不活性なガスがウエハ30の裏面から上面側へと側周を効率良く噴き上がるように、ウエハ30と略同じ厚みのカバーリング13をウエハ30の側周を第2噴き出し口9を隔てて囲むように設けているのである。
【0027】
このように構成されたドライエッチング装置1では、チャンバ2内に導入口3からエッチングガスが導入されるともに、チャンバ2の天板2aとステージ7との間にRF電界が印加されることによりエッチングガスのプラズマ40を発生し、ステージ7の上面に保持されたウエハ30上の被エッチング物をエッチングするようになっている。またこの際、第1噴き出し口8から第1の不活性なガス、第2噴き出し口9から第2の不活性なガスをそれぞれ噴き出してウエハ30に吹き付けるようになっている。
【0028】
したがって、第1噴き出し口8から第1の不活性なガスが噴き出されることにより、ステージ7の上面に保持されたウエハ30の裏面にガスが吹き付けられてウエハ30を所定の温度に冷却できる。また第2噴き出し口9から第2の不活性なガスが噴き出されることにより、このガスが吹き付けられたウエハ30の周縁部をさらに冷却できる。この結果、ウエハ30の周縁部にて、ウエハ30の被エッチング物とエッチャントとの反応性を低下させることができる。
【0029】
また、ステージ7の上面にウエハ30を保持した状態で第2噴き出し口の外部に露出した残部から上方に第2の不活性なガスが噴き出されるため、この第2の不活性なガスによってウエハ30の周縁部の上に存在するエッチャントの濃度を低下させることができる。その際、ウエハ30を囲むカバーリング13によって、第2噴き出し口9の残部からの第2の不活性なガスをウエハ30の側周からウエハ30の周辺部の上へと効率良く噴き上げることができる。よって、チャンバ2内に生成されたプラズマ40の状態によりウエハ30の中心部よりも周縁部でエッチャントの割合が過剰になるのを抑制することができる。
【0030】
したがって、ウエハ30の被エッチング物とエッチャントとの反応性の低下およびウエハ30の周縁部の上に存在するエッチャントの濃度の低下により、ウエハ30の周縁部のエッチングレートを低下させることができるため、ウエハ30の中央部と周縁部とのエッチングレートの差を低減できる。さらに第2噴き出し口9が、ステージ7の上面にウエハ30を保持した状態でウエハ30の周縁部に沿うように形成されているため、ウエハ30全周に亘ってウエハ30の周縁部におけるエッチングレートの低下を図ることができる。したがって、ウエハ30面内のエッチング均一性の良いドライエッチングを行うことができる。
【0031】
また、第2噴き出し口9が、第2噴き出し口9からの第2の不活性なガスの噴き出し圧力を調節するための調節バルブ12bを備えた供給部12と接続されているので、ドライエッチングプロセスの反応生成物の蒸気圧やエッチングの進行等のエッチング特性や温度、圧力等のエッチング条件に応じて第2噴き出し口9からの第2の不活性なガスの噴き出し圧力を調節して、ウエハ30の周縁部におけるエッチングレートを調整することができる。
したがって、このドライエッチング装置1によれば、異なるエッチング特性のドライエッチングプロセスでもエッチング条件の最適化の自由度を広げることができるので、異なる種類の被エッチング物をこれ一台で、ウエハ30面内のエッチング均一性良くドライエッチングすることができる。
【0032】
また、異なる種類の被エッチング物を一台のドライエッチング装置1でエッチングできることから、異なる種類の被エッチング物の連続エッチングが可能である。よって、スループットの向上を図ることができる。しかも、ドライエッチングの途中でウエハ30の表面が外気にさられないので、ウエハ30が外気にさらされることによる弊害、例えば酸化反応等の化学反応や、ダストによる汚染等を防止することができ、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。さらに、異なる種類の被エッチング物を一台のドライエッチング装置1でエッチングできるため、設備の規模を縮小化することも可能になる。
【0033】
なお、本実施形態では、平行平板型のドライエッチング装置に本発明のドライエッチング装置を適用したが、この例に限定されず、その他、ECR(Electron Cyclotron Resonance) 型のドライエッチング装置や誘導結合型のドライエッチング装置等に適用できるのはもちろんである。
【0034】
次に、上記のようなドライエッチング装置1を用いたドライエッチング方法に基づき、本発明に係るドライエッチング方法の一実施形態を説明する。
図3(a)〜(c)は実施形態のドライエッチング方法を工程順に示す断面図であり、タングステンプラグ形成プロセスにおいて、タングステン膜とこの下層の密着層とを被エッチング物としたエッチバック工程に本発明のドライエッチング方法を適用した例を示したものである。
【0035】
まずこの実施形態では、タングステン膜および密着層のエッチバックの実施に先立ち、従来と既知の方法によって、図3(a)に示すようにウエハ30上に密着層33とタングステン膜34とを形成する。すなわち、ウエハ30上に絶縁膜31を形成し、絶縁膜31にウエハ30に達する状態にコンタクトホール32を形成する。続いて、絶縁膜31上にコンタクトホール32の内を埋め込むことなくコンタクトホール32の内面を覆うように密着層33を形成する。この際、密着層33を窒化チタン(TiN)膜とチタン(Ti)膜との積層膜で形成する。さらに絶縁膜31上に例えば、密着層33を介してコンタクトホール32内を埋め込むようにしてブランケットタングステン膜34を成膜する。
【0036】
上記のように密着層33およびタングステン膜34を形成した後は、次いでタングステン膜34と密着層33とをドライエッチングするエッチバック工程を行う。このエッチバック工程では、上記ドライエッチング装置1にてまずタングステン膜34のドライエッチングを行う。このドライエッチングは、図3(b)に示すように、絶縁膜31の上面に位置する密着層33の表面が露出するまで行う。また、ステージ7の上面のウエハ30の裏面に第1噴き出し口8からの第1の不活性なガスを吹き付けるとともに、ウエハ30の周縁部に、ウエハ30の裏面から上面側に向かう第2噴き出し口9からの第2の不活性なガスを吹き付けつつ行う。タングステン膜34のエッチング条件の一例を以下に示す。
【0037】
エッチングガスおよびその流量:SF6 /Arの混合ガス;200sccm
RFパワー :600W
雰囲気圧力 :35Pa
ステージ温度 :15℃
第1の不活性なガスの噴き出し圧力:800Pa
第2の不活性なガスの噴き出し圧力:1200Pa
【0038】
タングステン膜34のドライエッチングでは、タングステン膜34とエッチングガスとの反応性が良い。またタングステン膜34とエッチングガスとの反応生成物も蒸気圧が高いため、反応生成物を除去しやすい。よって、ウエハ30上のエッチャントの分布の偏りがエッチング均一性に影響を与えやすい。つまり、ウエハ30の中央部にて反応生成物が多くなることにより、ウエハ30の周縁部でエッチャントの割合が過剰になってエッチングレートが高くなりやすい。
【0039】
したがって、ウエハ30の周縁部でエッチャントの割合が過剰になることによよるエッチング均一性の崩れを防止するために、第2噴き出し口9からの第2の不活性なガスの噴き出し圧力を大きくする。これによって、前述したようにウエハ30の周縁部をさらに冷却しかつその周縁部の上に存在するエッチャントの濃度を低下させて、ウエハ30の周縁部におけるエッチングレートを低下させ、エッチング均一性の安定化を図る。
【0040】
タングステン膜34のエッチングを終了した後は、引き続き、ウエハ30の密着層33を、図3(c)に示すように絶縁膜31の上面が露出するまでドライエッチングする。このドライエッチングは、タングステン膜34のドライエッチングの場合と同様に、ウエハ30の裏面に第1の不活性なガスを吹き付けるとともに、ウエハ30の周縁部に第2の不活性なガスを吹き付けつつ行う。これによって、コンタクトホール32内に密着層33を介してタングステン膜34を残した状態でタングステンプラグ35が形成される。密着層33のエッチング条件の一例を以下に示す。
【0041】
エッチングガスおよびその流量:Cl2 /Arの混合ガス;100sccm
RFパワー :300W
雰囲気圧力 :5Pa
ステージ温度 :35℃
第1の不活性なガスの噴き出し圧力:400Pa
第2の不活性なガスの噴き出し圧力:500Pa
【0042】
チタン系からなる密着層33のドライエッチングでは、反応生成物の蒸気圧が低いため、ウエハ30上にこの反応生成物が残渣として残ることを抑制する目的で、ステージ7の温度を先のタングステン膜34のドライエッチング時よりも高温にする。また低圧のエッチング条件であり、物理的に削るスパッタリング性の強いドライエッチング条件である。このため、タングステン膜34のドライエッチング時のようにウエハ30の中央部と周縁部とで(第1噴き出し口8と第2噴き出し口9とで)噴き出し圧力に差をつけなくても、エッチング均一性はあまり影響を受けない。
【0043】
このように実施形態のドライエッチング方法では、エッチング特性が異なるドライエッチングプロセスを実施できる前述した実施形態のドライエッチング装置1を用いるため、タングステン膜34および密着層33のドライエッチングを外気にさらすことなく連続して行うことができる。よって、前述した実施形態の効果と同様に、スループットの向上を図ることができるとともに、ウエハ30が外気にさらされることによる弊害を防止することができる。
【0044】
また、第2噴き出し口9からの第2の不活性なガスの噴き出し圧力を、タングステン膜34、密着層33のそれぞれのエッチング特性あるいはエッチング条件に合わせて調節してタングステン膜34、密着層33のドライエッチングを行うため、いずれのエッチングでも、ウエハ30の中央部と周縁部とのエッチングレートの差の少ない、ウエハ面内のエッチング均一性の良いドライエッチングを実現できる。
したがって、上記したドライエッチング方法を用いれば、信頼性が高くしかも歩留りの良い半導体装置の製造が可能になる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るドライエッチング装置よれば、ウエハの周縁部に第2の不活性なガスを吹き付ける第2噴き出し口がステージの上面に形成されているので、ウエハの周縁部にてエッチングレートを低下させることができる。よって、ウエハの周縁部にてエッチングレートが高くなりやすいドライエッチングプロセスにおいて、ウエハ面内におけるエッチング均一性を向上させることができる。また、第2噴き出し口が第2の不活性なガスの噴き出し圧力を調節するための調節バルブを備えた供給部と接続されたものによれば、エッチング特性やエッチング条件に合わせて第2噴き出し口からの噴き出し圧力を調整できて、異なる種類の被エッチング物のドライエッチングをこの一台の装置で実施できることになる。したがって、設備の規模の縮小化を図ることができるとともに、外気にさらすことなく連続エッチングを行えることによりスループットの向上と製造される半導体装置の信頼性との向上を図ることができる。
【0046】
また本発明に係るドライエッチング方法によれば、ウエハの周縁部にウエハのステージ側の面からこの面と反対の面側に向かう第2の不活性なガスを吹き付けてドライエッチングを行うので、ウエハの周縁部にてエッチングレートが高くなりやすいドライエッチングプロセスにおいて、ウエハ面内におけるエッチング均一性を向上させることができる。また、被エッチング物のエッチング特性あるいはエッチング条件に合わせて第2の不活性なガスの噴き出し圧力を調節してドライエッチングを行う場合では、種々の被エッチング物に対してウエハ面内のエッチング均一性の良いドライエッチングを行うことができる。また異なる種類の被エッチング物のドライエッチングを外気にさらすことなく連続して行うことができるため、上記の発明と同様にスループットの向上と製造される半導体装置の信頼性との向上を図れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドライエッチング装置の一実施形態を説明するため図であり、(a)は概略構成図、(b)は(a)に備えられたステージ部分の拡大平面図である。
【図2】実施形態におけるステージの上面付近の要部断面図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明に係るドライエッチング方法の一実施形態を工程順に示す要部断面図である。
【図4】従来のドライエッチング装置の一構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ドライエッチング装置、2…チャンバ、7…ステージ、8…第1噴き出し口、9…第2噴き出し口、12…第2供給部、12b…第2圧力調節バルブ、13…カバーリング、33…密着層、34…タングステン膜
Claims (8)
- チャンバ内にウエハ保持用のステージが設けられ、該ステージの上面に第1の不活性なガスの第1噴き出し口が、ステージの上面にウエハを保持した状態で該ウエハに覆われるように形成されてなるドライエッチング装置において、
前記ステージの上面でかつ前記第1噴き出し口よりもステージの周縁側に、第2の不活性なガスの第2噴き出し口が形成され、
前記第2噴き出し口は、前記ステージの上面にウエハを保持した状態で該ウエハの周縁部に沿うように形成されているとともに、ウエハの周縁部に一部が覆われかつ残部が外部に露出するように形成されている
ことを特徴とするドライエッチング装置。 - 前記第2噴き出し口は、該第2噴き出し口に第2の不活性なガスを供給する供給部と接続され、
前記供給部は、前記第2噴き出し口からの第2の不活性なガスの噴き出し圧力を調節するための調節バルブを備えている
ことを特徴とする請求項1記載のドライエッチング装置。 - 前記ステージの略平坦に形成された上面には、該ステージの上面にウエハを保持した状態で該ウエハの側周を前記第2噴き出し口を隔てて囲むカバーリングが着脱可能に設けられ、
前記カバーリングは、前記ステージの上面に保持されるウエハの厚みと略同じ厚みに形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のドライエッチング装置。 - 前記ステージの略平坦に形成された上面には、該ステージの上面にウエハを保持した状態で該ウエハの側周を前記第2噴き出し口を隔てて囲むカバーリングが着脱可能に設けられ、
前記カバーリングは、前記ステージの上面に保持されるウエハの厚みと略同じ厚みに形成されている
ことを特徴とする請求項2記載のドライエッチング装置。 - ステージの上面にウエハを保持した状態で該ウエハに覆われるように該ステージの上面に形成された第1噴き出し口から該ウエハに第1の不活性なガスを吹き付けるとともに、該ステージの上面にウエハを保持した状態で該ウエハの周縁部に沿うように形成されているとともに、ウエハの周縁部に一部が覆われかつ残部が外部に露出するように形成された第2噴き出し口から該ウエハの周縁部に第2の不活性なガスを吹き付けて、ウエハ上に形成された被エッチング物のドライエッチングを行う
ことを特徴とするドライエッチング方法。 - 前記第2の不活性なガスは、ウエハ上に形成された被エッチング物のエッチング特性あるいはエッチング条件に合わせて圧力が調節されている
ことを特徴とする請求項5記載のドライエッチング方法。 - 前記ステージの略平坦に形成された上面に保持されたウエハの側周を、該ウエハに吹き付けている前記第2の不活性なガスより外側から囲むように該ウエハの厚みと略同じ厚みのカバーリングを設けてドライエッチングを行う
ことを特徴とする請求項5記載のドライエッチング方法。 - 前記ステージの略平坦に形成された上面に保持されたウエハの側周を、該ウエハに吹き付けている前記第2の不活性なガスより外側から囲むように該ウエハの厚みと略同じ厚みのカバーリングを設けてドライエッチングを行う
ことを特徴とする請求項6記載のドライエッチング方法。
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