JP3921146B2 - Colored film laminate - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、優れた耐紫外線性を有する着色被膜積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コーティング分野においては、様々な着色材料が使用されている。このような着色材料は、その材料の化学的特性、物理的特性等に応じて、それぞれ特有の発色性能を有している。コーティング材においては、これら着色材料を適宜選択し、組合わせることによって種々の色彩を表出することが可能となる。
一般的な着色材料としては、例えば、有機顔料、無機顔料、金属粉顔料、染料等が挙げられる。このような着色材料の1種または2種以上をバインダーに混合分散することによって、均一な発色性能を有するコーティング材を得ることができる。
【0003】
この他の着色材料としては、熱により色相が変化する熱可逆性発消色材料が挙げられる。この熱可逆性発消色材料は、一定の温度範囲でサーモクロミズムを示す材料であり、例えば、普通の温度計では測定し難いような発熱体の表面温度やその分布を知るための示温塗料等として用いられている。
サーモクロミズムを示す材料としては、有機系材料、無機系材料、液晶材料等が知られている。このうち、無機系材料は、水銀等の有害元素を含んでいる場合が多く、人体へ直接害を与える可能性があるため、あまり実用的ではない。これに対し、有機系材料や液晶材料は、安全性が高く、また色種と変色温度が自由に選べる等の利点を有することから、実用的な使用が期待できるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような各種着色材料を含むコーティング材によって被膜を形成すれば、その被膜形成初期段階においては、所望の色彩を表出することができる。
しかし、太陽光が直射される屋外用等のコーティング材として使用した場合は、紫外線等による影響を大きく受けるため、それぞれの着色材料本来の色相が経時的に変化してしまうおそれがある。退色の程度は、着色材料の種類やその混合比率等にもよるが、どのような着色材料であっても、退色を完全に防止することは困難である。特に、着色材料として退色しやすいものを使用する場合は、その適用箇所が紫外線等の影響を受けないような部分に限定されてしまうこととなる。
【0005】
特開平2−120375号公報では、着色コーティング材の耐紫外線性を向上させる技術として、常温硬化型フッソ樹脂クリヤー塗料の樹脂成分に対して紫外線吸収剤を約9%以上添加して第1層を形成し、更に常温硬化型フッソ樹脂クリヤー塗料のみの第2層を積層形成することが提案されている。
しかしながら、該公報の方法では、多量の紫外線吸収剤が必要となるため、形成被膜の透明性が低下したり、あるいは耐水性等の被膜物性が低下する等の問題が生じやすい。また、経時的に紫外線吸収剤がブリードし、被膜表面を軟化させ、耐汚染性等が損われるおそれがある。さらに、該公報で使用している紫外線吸収剤は有機系物質であるため、経時的に紫外線吸収能が低下するおそれもある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、着色材料が紫外線によって劣化し難く、屋外用コーティングとして適用可能な諸性能を有する着色被膜積層体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、着色材料を含むコーティング材に、平均一次粒子径が30nm未満であるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物を含有させ、その形成被膜上に、平均一次粒子径が30〜200nmであるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物を含むコーティング材を積層することが有効であることを見出し、本発明の完成に到った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.(a)バインダー、(b)有機質着色材料、(c)平均一次粒子径が30nm未満であるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物を含有し、各成分の重量固形分比率が、(a)成分100重量部に対し、(b)成分が1〜50重量部、(c)成分が1〜50重量部である着色層の上に、
(a)バインダー、(d)平均一次粒子径が30〜200nmであるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物を含有し、各成分の重量固形分比率が、(a)成分100重量部に対し、(d)成分が1〜50重量部である紫外線遮蔽層が積層されてなることを特徴とする着色被膜積層体。
2.前記(b)有機質着色材料が有機質熱可逆性発消色材料であることを特徴とする1.記載の着色被膜積層体。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0010】
着色層
本発明における着色層は、(a)バインダー、有機質着色材料、(c)平均一次粒子径が30nm未満であるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物、を含有する組成物を乾燥硬化させることによって形成することができる。
【0011】
(a)バインダー(以下「(a)成分」という)は、(b)有機質着色材料(以下「(b)成分」という)の発色性能を著しく阻害しないものであれば、特に限定されず各種のものを使用することができる。このうち、(a)成分としては透明性を有する樹脂バインダーが好適である。樹脂バインダーとしては、例えば、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ふっ素樹脂等、あるいはこれらを複合したもの等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。(a)成分の形態は、特に限定されず、例えば、溶剤可溶型樹脂、非水分散型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂、無溶剤型樹脂等のいずれであってもよい。
【0012】
着色層における(b)成分としては、何らかの色彩を付与できるものであれば、特に限定されず、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、モノアゾレッド、ファーストエロー、パーマネントイエロー、ジスアゾイエロー等のアゾ系顔料、ペリレンレッド等のペリレン系顔料、キナクリドンレッド等のキナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジオキサジン系顔料等の有機質顔料;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物(但し平均一次粒子径が200nmを超えるもの)、その他カーボンブラック、モリブデンレッド、コバルトブルー、マンガンバイオレット、紺青、群青等の無機質顔料;アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属粉顔料;パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等の特殊顔料;塩基性染料、酸性染料、直接染料、建染染料、分散染料、反応染料、けい光染料等の各種染料;電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、有極性有機化合物を含むマイクロカプセル、あるいは液晶等の有機質熱可逆性発消色材料;
等を使用することができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0013】
本発明は、特に(b)成分が耐紫外線性に劣るものである場合に、大きな効果を発揮することができる。このような(b)成分としては、有機質顔料、染料、有機質熱可逆性発消色材料等の有機質着色材料が挙げられる。このうち、特に(b)成分が有機質熱可逆性発消色材料である場合に、本発明は最大の効果を発揮することができる。
【0014】
通常の顔料や染料は、温度が変化してもその発色性は変わらない。これに対し、発消色材料は、加熱によって顕著に変色する性質を有しており、温度が元に戻っても復色しない不可逆性タイプと、温度が元に戻ると復色する可逆性タイプの2種に分類される。
有機質熱可逆性発消色材料は、後者の可逆性タイプに属する発消色材料であり、変色の精度が高く、色種と変色温度を自由に選定することができる等の利点を有するものである。具体的に、有機質熱可逆性発消色材料としては、(p)電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、有極性有機化合物を含むマイクロカプセル(以下「(p)成分」という)、あるいは(q)液晶が好適である。
【0015】
(p)成分は、電子供与性呈色性有機化合物(色彩成分)と、それとの結合により別の色を出させる電子受容性化合物(発色剤)と、ある温度を境にして色彩成分と発色剤との結合を切って、いずれかの成分を溶解させる能力を有する有極性有機化合物(消色剤)の3成分が封じ込まれたものである。すなわち、低温下では、色彩成分と発色剤との結合による第1の色が表出され、高温下では、消色剤の活性によって色彩成分と発色剤との結合が切れ、第2の色が表出されるものである。
【0016】
具体的に、(p)成分に含まれる電子供与性呈色性有機化合物としては、例えば、ジアリールフタリド類、トリアリールメタンフタリド類、ロイコトリアリールメタン類、ロイコキサンテン類、ロイコフェノチアジン類、ロイコフェノキサジン類、ロイコオキサジン類、ロイコインジゴイド類、ロイコオーラミン類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ジアリールメタン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、インドリン類、インドリルフタリド類、アザフタリド類、フルオラン類、チオフルオラン類、スピロピラン類、ローダミンBラクタム類、クロメノピラゾール類、メチン類、キナゾリン類、ジアザキサンテン類、ビスラクトン類、フルオレン類等が挙げられる。
電子受容性化合物としては、例えば、1,2,3−トリアゾール類、フェノール類、チオ尿素誘導体、オキシ芳香族カルボン酸等が挙げられる。
有極性有機化合物としては、例えば、アルコール類、アルコール・アクリロニトリル付加物、アゾメチン類、エステル類等が挙げられる。
上述の成分の他、(p)成分には、必要に応じて界面活性剤、親水性保護コロイド物質等が含まれていてもよい。
【0017】
(p)成分のマイクロカプセル形成には、通常、熱可塑性樹脂が使用される。このような熱可塑性樹脂としては、従来公知のものを広く使用することができる。この熱可塑性樹脂膜中には、マトリックス状態で有機フォトクロミック化合物が含まれていてもよい。
【0018】
一方、(q)液晶としては、例えば、コレステリック液晶、テルフェニル液晶、ネマチック液晶等を使用することができる。これらをマイクロカプセルに封じ込めたものを使用することもできる。
【0019】
着色層における(c)平均一次粒子径が30nm未満であるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物(以下「(c)成分」という)は、上述の(b)成分が紫外線によって劣化するのを抑制する成分である。
このような(c)成分の表面を、シリカ、アルミナ、シリコーン、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等で被覆したものも使用可能である。これらは1種または2種以上で使用することができる。
(c)成分の平均一次粒子径は30nm未満、好ましくは1〜25nm、より好ましくは5〜20nmである。平均一次粒子径がこの値より大きい場合は、(b)成分の退色を十分に抑制することが困難となる。
なお、本発明における平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いた観察によって算出される値である。
【0020】
着色層を構成する各成分の重量固形分比率は、特に限定されるものではないが、(a)成分100重量部に対し、(b)成分が通常1〜50重量部(好ましくは3〜30重量部)、(c)成分が通常1〜50重量部(好ましくは3〜30重量部)である。
(b)成分の比率が大きい場合は、着色層に割れが生じやすくなり、(b)成分の比率が小さい場合は、着色層の発色性能が不十分となる。
(c)成分の比率が大きい場合は、有機質着色材料の発色性能が阻害されるおそれがあり、(c)成分の比率が小さい場合は、有機質着色材料の劣化を抑制することが困難となる。
【0021】
着色層は上述の成分を必須とするものであるが、必要に応じて、界面活性剤、触媒、消泡剤、分散剤、架橋剤、増粘剤、保湿剤、難燃剤、香料等の添加剤を含むこともできる。
【0022】
紫外線遮蔽層
本発明における紫外線遮蔽層は、上述の着色層上に形成するものである。
紫外線遮蔽層は、(a)バインダー、(d)平均一次粒子径が30〜200nmであるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物(以下「(d)成分」という)、を含有する組成物を乾燥硬化させることによって形成することができる。本発明では、このような積層構造を採用することによって着色層の経時的な退色を十分に抑制することが可能となる。
【0023】
(a)バインダーとしては、着色層における(a)成分として例示したものと同様のものを使用することができる。紫外線遮蔽層におけるバインダーとしても、透明性を有するものが望ましく、樹脂バインダーが好適である。
【0024】
紫外線遮蔽層における(d)成分としては、着色層における(c)成分より平均一次粒子径が大きなものを使用する。具体的に、(d)成分の平均一次粒子径は30〜200nm、好ましくは30〜100nm、さらに好ましくは30〜60nmである。このような粒子径を有するルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物を使用することにより、被膜の透明性を確保しつつ、十分な耐紫外線性を得ることができる。
(d)成分の平均一次粒子径がこの値より大きい場合は、紫外線遮蔽層が白濁し、着色層の色彩を阻害するおそれがある。平均一次粒子径が小さい場合は、着色層における着色材料の劣化を抑制することが困難となる。
(d)成分としては、粒子径が異なる以外は着色層における(c)成分と同種のルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物を使用することができる。これら金属酸化物の表面を、シリカ、アルミナ、シリコーン、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等で被覆したものも使用可能である。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0025】
紫外線遮蔽層を構成する各成分の重量固形分比率は、特に限定されるものではないが、(a)成分100重量部に対し、(d)成分が通常1〜50重量部(好ましくは3〜30重量部)である。
(d)成分の比率が大きい場合は、紫外線遮蔽層が白濁し、着色層の色彩を阻害するおそれがある。(d)成分の比率が小さい場合は、紫外線遮蔽効果が低下し、着色材料の劣化を抑制することが困難となる。
【0026】
紫外線遮蔽層は上述の成分を必須とするものであるが、必要に応じて、界面活性剤、触媒、消泡剤、分散剤、架橋剤、増粘剤、保湿剤、難燃剤、香料等の添加剤を含むこともできる。
【0027】
積層体の形成方法
本発明の積層体は、耐紫外線性が要求される部位・物品に対し適用することができる。適用可能な部位・物品としては、例えば、建築物、土木構造物、運搬車両、一般車両、航空機、船舶、貯蔵タンク、電化製品等が挙げられる。このうち、本発明は特に建築物の壁面、屋根、屋上等に対して適用することが望ましい。
このような部位・物品を構成する基材としては、例えば、コンクリート、無機成型板、タイル、プラスチック、金属、ガラス等が挙げられる。これら基材は、既に何らかの被膜が形成されたもの等であってもよい。
【0028】
本発明は、上述の部位・物品に対し、着色層、紫外線遮蔽層が順に積層されたものである。最終的にこのような積層体が形成される限り、その積層方法は特に限定されず、各種の方法を採用することができる。具体的な積層方法としては、例えば、上述の(a)、(b)、及び(c)成分を含む塗料を塗装して着色層を形成させた後、(a)及び(d)成分を含む塗料を塗装して紫外線遮蔽層を形成させる方法、あるいは、予め着色層上に紫外線遮蔽層を積層したシート状物を粘接着剤等を用いて貼り付ける方法等が挙げられる。
塗装を行う場合には、例えば、刷毛、コテ、スプレー、ローラー、ロールコーター、フローコーター等を使用することができる。また、必要に応じて水、有機溶剤等で希釈して塗装することもできる。
【0029】
本発明の積層体は、対象となる部位・物品の全面に適用してもよいし、これらの一部に適用することもできる。部分的に適用する場合は、各種の図柄、文字、模様等を形成することも可能である。
積層体の膜厚は、用途に応じて適宜設定することができる。通常、着色層は30〜300μm、紫外線遮蔽層は5〜300μm程度である。
【0030】
本発明では、着色層中の成分として平均一次粒子径が30nm未満であるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物を使用し、その上の紫外線遮蔽層中の成分として平均一次粒子径が30〜200nmであるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物を使用することにより、耐紫外線性に優れた着色被膜積層体を得ることができる。その作用機構については明らかではないが、それぞれの層に含まれる金属酸化物の紫外線吸収能及び紫外線反射能が最大限に発揮されるためと推察される。
また、本発明の積層体では、有機系紫外線吸収剤を使用した場合のようなブリード発生の問題がなく、被膜の耐汚染性低下を招くおそれもない。さらに、経時的に紫外線遮蔽能が低下することがなく、長期にわたり着色材料の退色を抑制することもできる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて本発明をより明らかにする。
【0032】
なお、実施例、比較例における着色層用組成物及び紫外線遮蔽層用組成物は、以下の原料を使用することにより製造した。
・バインダー1:水溶性アクリルシリコン樹脂(固形分30重量%)
・バインダー2:酢酸ビニルエマルション(固形分50重量%)
・着色材料1:有機質熱可逆性発消色材料分散液(固形分50重量%、変色温度14〜23℃、低温域での色相:マゼンダ、高温域での色相:無色透明)
・着色材料2:有機質熱可逆性発消色材料分散液(固形分50重量%、変色温度14〜23℃、低温域での色相:オレンジ、高温域での色相:無色透明)
・金属酸化物1:ルチル型酸化チタン分散液(固形分30重量%、平均一次粒子径8〜10nm)
・金属酸化物2:ウルツ鉱型酸化亜鉛分散液(固形分30重量%、平均一次粒子径6〜10nm)
・金属酸化物3:ルチル型酸化チタン分散液(固形分50重量%、平均一次粒子径30〜50nm)
・金属酸化物4:ルチル型酸化チタン分散液(固形分50重量%、平均一次粒子径300nm)
【0033】
(着色層用組成物の製造)
上述のバインダー1と着色材料1と金属酸化物1とを、その固形分重量比率が100:5:3となるように常法によって混合分散することにより、着色層用組成物1を製造した。
続いて、表1に示す配合を使用した以外は、着色層用組成物1と同様の方法で着色層用組成物2〜5を製造した。
【0034】
【表1】
【0035】
(紫外線遮蔽層用組成物の製造)
上述のバインダー1と金属酸化物3とを、その固形分重量比率が100:3となるように常法によって混合分散することにより、紫外線遮蔽層用組成物Aを製造した。
続いて、表2に示す配合を使用した以外は、紫外線遮蔽層用組成物Aと同様の方法で紫外線遮蔽層用組成物B〜Cを製造した。
【0036】
【表2】
【0037】
(実施例1)
予め白色のアクリル樹脂塗料が塗装されたアルミニウム板(70×150mm)に対し、着色層用組成物1を乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装し、温度50℃、相対湿度50%下で15時間乾燥させた。次いで、紫外線遮蔽層用組成物Aを乾燥膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装し、温度50℃、相対湿度50%下で15時間乾燥させた。
得られた試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を、温度25℃では無色透明となり、熱による発消色を示した。
この試験体について、下記の方法にて耐紫外線性試験を行ったところ、紫外線照射前後の色差は温度25℃で0.8、温度15℃で0.4であった。
【0038】
耐紫外線性試験
試験体の初期色相(L* 1、a* 1、b* 1)を25℃及び15℃下で測定した後、試験体をサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)に取り付け、250時間暴露した。
次いで、暴露後の試験体の色相(L* 2、a* 2、b* 2)を25℃及び15℃下で測定し、それぞれの温度における暴露前後の色差(△E)を下記式に従って算出した。
<式> △E={(L* 2−L* 1)2+(a* 2−a* 1)2+(b* 2−b* 1)2}0.5
【0039】
(実施例2)
着色層として着色層用組成物2を使用した以外は、実施例1と同様にして試験体を得た。得られた試験体は、温度15℃ではマゼンダ色、温度25℃では無色透明となり、熱による発消色を示した。
この試験体について実施例1と同様の耐紫外線性試験を行ったところ、紫外線照射前後の色差は温度25℃で1.0、温度15℃で0.7であった。
【0040】
(実施例3)
着色層として着色層用組成物3を使用した以外は、実施例1と同様にして試験体を得た。得られた試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を、温度25℃では無色透明となり、熱による発消色を示した。
この試験体について実施例1と同様の耐紫外線性試験を行ったところ、紫外線照射前後の色差は温度25℃で0.8、温度15℃で0.5であった。
【0041】
(実施例4)
着色層として着色層用組成物4を使用した以外は、実施例1と同様にして試験体を得た。得られた試験体は、温度15℃ではオレンジ色を、温度25℃では無色透明となり、熱による発消色を示した。
この試験体について実施例1と同様の耐紫外線性試験を行ったところ、紫外線照射前後の色差は温度25℃で0.8、温度15℃で0.6であった。
【0042】
(比較例1)
紫外線遮蔽層として紫外線遮蔽層用組成物Cを使用した以外は、実施例1と同様にして試験体を得た。得られた試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を、温度25℃では無色透明となり、熱による発消色を示した。
この試験体について実施例1と同様の耐紫外線性試験を行ったところ、紫外線照射前後の色差は温度25℃で6.8、温度15℃で4.6であった。
【0043】
(比較例2)
着色層として着色層用組成物5を使用した以外は、実施例1と同様にして試験体を得た。得られた試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を、温度25℃では無色透明となり、熱による発消色を示した。
この試験体について実施例1と同様の耐紫外線性試験を行ったところ、紫外線照射前後の色差は温度25℃で6.0、温度15℃で5.4であった。
【0044】
(比較例3)
着色層として着色層用組成物5、紫外線遮蔽層として紫外線遮蔽層用組成物Bを使用した以外は、実施例1と同様にして試験体を得た。得られた試験体は、温度15℃では白濁したマゼンダ色、温度25℃では白色となり、彩度に劣る外観となった。
この試験体について実施例1と同様の耐紫外線性試験を行ったところ、紫外線照射前後の色差は温度25℃で3.8、温度15℃で3.2であった。
【0045】
(比較例4)
着色層として着色層用組成物5、紫外線遮蔽層として紫外線遮蔽層用組成物Cを使用した以外は、実施例1と同様にして試験体を得た。得られた試験体は、得られた試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を、温度25℃では無色透明となり、熱による発消色を示した。
この試験体について実施例1と同様の耐紫外線性試験を行ったところ、紫外線照射前後の色差は温度25℃で19.0、温度15℃で18.0であった。また、紫外線照射後においては、熱による発消色性が確認されなかった。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、着色材料が紫外線によって劣化し難く、屋外用コーティングとして適用可能な諸性能を有する着色被膜積層体を得ることができる。[0001]
The present invention relates to a colored coating laminate having excellent ultraviolet resistance.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, various coloring materials are used in the coating field. Such coloring materials have specific color development performances depending on the chemical characteristics, physical characteristics, and the like of the materials. In the coating material, it is possible to express various colors by appropriately selecting and combining these coloring materials.
Examples of general coloring materials include organic pigments, inorganic pigments, metal powder pigments, and dyes. By mixing and dispersing one or more of such coloring materials in a binder, a coating material having uniform color development performance can be obtained.
[0003]
Examples of the other coloring material include a thermoreversible color-decoloring material whose hue changes with heat. This thermoreversible color-decoloring material is a material that exhibits thermochromism in a certain temperature range, for example, a temperature indicating paint for knowing the surface temperature of the heating element and its distribution which is difficult to measure with an ordinary thermometer, etc. It is used as.
Known materials that exhibit thermochromism include organic materials, inorganic materials, liquid crystal materials, and the like. Among these materials, inorganic materials often contain harmful elements such as mercury and are not very practical because they may cause direct harm to the human body. On the other hand, organic materials and liquid crystal materials are expected to be practically used because they have advantages such as high safety and the ability to freely select a color type and a color change temperature.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
If a film is formed with a coating material containing various coloring materials as described above, a desired color can be expressed in the initial stage of the film formation.
However, when used as a coating material for outdoor use or the like where sunlight is directly applied, since it is greatly affected by ultraviolet rays or the like, the original hue of each coloring material may change over time. The degree of fading depends on the type of coloring material and the mixing ratio thereof, but it is difficult to completely prevent fading with any coloring material. In particular, when a material that easily fades is used as a coloring material, the application location is limited to a portion that is not affected by ultraviolet rays or the like.
[0005]
In JP-A-2-120375, as a technique for improving the ultraviolet resistance of a colored coating material, an ultraviolet absorber is added in an amount of about 9% or more to the resin component of a room temperature curable fluororesin clear coating, and the first layer is formed. It has been proposed to form a second layer of only a room temperature curable fluororesin clear coating.
However, since the method of this publication requires a large amount of an ultraviolet absorber, problems such as a decrease in the transparency of the formed film and a decrease in film properties such as water resistance are likely to occur. Further, the ultraviolet absorber bleeds with time, softening the coating surface, and there is a risk that the stain resistance and the like are impaired. Furthermore, since the ultraviolet absorber used in this publication is an organic substance, there is a possibility that the ultraviolet absorbing ability may deteriorate with time.
[0006]
This invention is made in view of such a point, and it aims at providing the colored film laminated body which has various performance which a coloring material does not deteriorate easily with an ultraviolet-ray, and can be applied as an outdoor coating. is there.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventor, as a result of intensive studies, selected from rutile type titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide whose average primary particle diameter is less than 30 nm as a coating material containing a coloring material. A metal oxide is contained , and a coating material containing a metal oxide selected from rutile titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide having an average primary particle diameter of 30 to 200 nm is laminated on the formed coating. Has been found to be effective, and the present invention has been completed.
[0008]
That is, the present invention has the following characteristics.
1. (A) a binder, (b) an organic coloring material , (c) a metal oxide selected from rutile titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide and iron oxide having an average primary particle size of less than 30 nm , On the colored layer where the solid weight ratio is 1 to 50 parts by weight of component (b) and 1 to 50 parts by weight of component (c) with respect to 100 parts by weight of component (a) ,
(A) a binder, (d) a metal oxide selected from rutile titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide having an average primary particle size of 30 to 200 nm, and the weight-solid content ratio of each component is (A) A colored coating laminate comprising an ultraviolet shielding layer having 1 to 50 parts by weight of component (d) based on 100 parts by weight of component.
2. (B) The organic coloring material is an organic thermoreversible color-decoloring material . The colored coating laminate according to the description.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail together with embodiments thereof.
[0010]
Colored layer The colored layer in the present invention comprises (a) a binder, an organic coloring material , (c) a metal oxide selected from rutile titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide having an average primary particle size of less than 30 nm, Can be formed by drying and curing a composition containing
[0011]
(A) The binder (hereinafter referred to as “component (a)”) is not particularly limited as long as it does not significantly impair the coloring performance of (b) organic coloring material (hereinafter referred to as “component (b)”). Things can be used. Among these, as the component (a), a resin binder having transparency is preferable. Examples of the resin binder include an ethylene resin, a vinyl acetate resin, a polyester resin, an alkyd resin, a vinyl chloride resin, an epoxy resin, an acrylic resin, a urethane resin, a fluorine resin, or a combination of these. These can be used alone or in combination of two or more. The form of the component (a) is not particularly limited, and may be any of a solvent-soluble resin, a non-aqueous dispersion resin, a water-soluble resin, a water dispersion resin, a solventless resin, and the like. .
[0012]
The component (b) in the colored layer is not particularly limited as long as it can give some color, and examples thereof include phthalocyanine pigments such as phthalocyanine blue and phthalocyanine green, monoazo red, first yellow, permanent yellow, disazo yellow, and the like. Organic pigments such as azo pigments, perylene pigments such as perylene red, quinacridone pigments such as quinacridone red, isoindolinone pigments, methine / azomethine pigments, benzimidazolone pigments, dioxazine pigments; titanium oxide, Metal oxides such as zinc oxide and iron oxide (those whose average primary particle diameter exceeds 200 nm), other inorganic pigments such as carbon black, molybdenum red, cobalt blue, manganese violet, bitumen, ultramarine, etc .; aluminum, nickel, stainless steel Metal powder pigments such as pearls; Special pigments such as pearl pigments, fluorescent pigments and phosphorescent pigments; Various dyes such as basic dyes, acid dyes, direct dyes, vat dyes, disperse dyes, reactive dyes and fluorescent dyes; Organic color reversible organic compound, electron accepting compound, microcapsule containing polar organic compound, or organic thermoreversible color-decoloring material such as liquid crystal;
Etc. can be used. These can be used alone or in combination of two or more.
[0013]
The present invention can exert a great effect particularly when the component (b) is inferior in ultraviolet resistance. Examples of the component (b) include organic coloring materials such as organic pigments, dyes, and organic thermoreversible color-decoloring materials. Among these, especially when (b) component is an organic thermoreversible color-decoloring material, this invention can exhibit the maximum effect.
[0014]
Ordinary pigments and dyes do not change their color developability even when the temperature changes. On the other hand, the color developing and decoloring material has the property of being noticeably discolored by heating, and is an irreversible type that does not recover color even when the temperature returns to the original level, and a reversible type that recovers color when the temperature returns to the original level. It is classified into two types.
Organic thermoreversible color-decoloring materials are color-developing materials belonging to the latter reversible type, and have advantages such as high accuracy of color change and the ability to freely select color type and color change temperature. is there. Specifically, as the organic thermoreversible color-decoloring / decoloring material, (p) an electron-donating color-forming organic compound, an electron-accepting compound, a microcapsule containing a polar organic compound (hereinafter referred to as “(p) component”) Or (q) liquid crystal is preferred.
[0015]
Component (p) consists of an electron-donating color-forming organic compound (color component), an electron-accepting compound (coloring agent) that produces a different color when combined with it, and a color component and a color developed at a certain temperature. Three components of a polar organic compound (decoloring agent) having the ability to dissolve any component by cutting the bond with the agent are encapsulated. That is, at a low temperature, a first color is displayed due to the combination of the color component and the color former, and at a high temperature, the bond between the color component and the color developer is broken due to the activity of the decoloring agent, and the second color is changed. It is expressed.
[0016]
Specifically, as the electron donating color-forming organic compound contained in the component (p), for example, diaryl phthalides, triaryl methane phthalides, leuco triaryl methanes, leuco xanthenes, leuco phenothiazines, Leucophenoxazines, leucooxazines, leucoin digoids, leucooramines, acyl auramines, aryl auramines, diaryl methanes, diaryl phthalides, polyaryl carbinols, indoline phthalides And azaphthalides, fluorans, thiofluorans, spiropyrans, rhodamine B lactams, chromenopyrazoles, methines, quinazolines, diazaxanthenes, bislactones, fluorenes and the like.
Examples of the electron accepting compound include 1,2,3-triazoles, phenols, thiourea derivatives, oxyaromatic carboxylic acids, and the like.
Examples of the polar organic compound include alcohols, alcohol / acrylonitrile adducts, azomethines, and esters.
In addition to the above-described components, the component (p) may contain a surfactant, a hydrophilic protective colloid substance, and the like as necessary.
[0017]
For forming the microcapsules of the component (p), a thermoplastic resin is usually used. As such a thermoplastic resin, a conventionally well-known thing can be used widely. This thermoplastic resin film may contain an organic photochromic compound in a matrix state.
[0018]
On the other hand, as (q) liquid crystal, for example, cholesteric liquid crystal, terphenyl liquid crystal, nematic liquid crystal, or the like can be used. Those encapsulated in microcapsules can also be used.
[0019]
The metal oxide (hereinafter referred to as “component (c)”) selected from (c) rutile type titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide and iron oxide having an average primary particle diameter of less than 30 nm in the colored layer is the above-mentioned (b ) A component that suppresses deterioration of the component by ultraviolet rays.
It is also possible to use the component (c) whose surface is coated with silica, alumina, silicone, stearate, laurate, hexametaphosphate or the like. These can be used alone or in combination of two or more.
(C) The average primary particle diameter of a component is less than 30 nm, Preferably it is 1-25 nm, More preferably, it is 5-20 nm. When the average primary particle diameter is larger than this value, it is difficult to sufficiently suppress the fading of the component (b).
In addition, the average primary particle diameter in this invention is a value calculated by observation using a transmission electron microscope.
[0020]
The weight solid content ratio of each component constituting the colored layer is not particularly limited, but the component (b) is usually 1 to 50 parts by weight (preferably 3 to 30 parts) with respect to 100 parts by weight of the component (a). Parts by weight) and (c) are usually 1 to 50 parts by weight (preferably 3 to 30 parts by weight).
When the ratio of the component (b) is large, the colored layer is likely to crack, and when the ratio of the component (b) is small, the coloring performance of the colored layer is insufficient.
When the ratio of the component (c) is large, the coloring performance of the organic coloring material may be inhibited. When the ratio of the component (c) is small, it is difficult to suppress deterioration of the organic coloring material .
[0021]
The colored layer essentially contains the above-mentioned components, but if necessary, addition of a surfactant, a catalyst, an antifoaming agent, a dispersing agent, a crosslinking agent, a thickening agent, a moisturizing agent, a flame retardant, a fragrance, etc. Agents can also be included.
[0022]
Ultraviolet shielding layer The ultraviolet shielding layer in the present invention is formed on the above-mentioned colored layer.
The ultraviolet shielding layer is composed of (a) a binder, (d) a metal oxide selected from rutile type titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide having an average primary particle size of 30 to 200 nm (hereinafter referred to as “(d) component”). Can be formed by dry curing. In the present invention, it is possible to sufficiently suppress the fading of the colored layer over time by adopting such a laminated structure.
[0023]
(A) As a binder, the thing similar to what was illustrated as (a) component in a colored layer can be used. As the binder in the ultraviolet shielding layer, a binder having transparency is desirable, and a resin binder is preferable.
[0024]
As the component (d) in the ultraviolet shielding layer, those having an average primary particle size larger than that of the component (c) in the colored layer are used. Specifically, the average primary particle diameter of the component (d) is 30 to 200 nm, preferably 30 to 100 nm, and more preferably 30 to 60 nm. By using a metal oxide selected from rutile-type titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide having such a particle size, sufficient ultraviolet resistance can be obtained while ensuring transparency of the film. it can.
When the average primary particle diameter of the component (d) is larger than this value, the ultraviolet shielding layer may become cloudy, which may impair the color of the colored layer. When the average primary particle size is small, it is difficult to suppress deterioration of the coloring material in the colored layer.
As the component (d), a metal oxide selected from the same type of rutile titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide as the component (c) in the colored layer can be used except that the particle diameter is different. Those whose metal oxide surfaces are coated with silica, alumina, silicone, stearate, laurate, hexametaphosphate or the like can also be used. These can be used alone or in combination of two or more.
[0025]
Although the weight solid content ratio of each component constituting the ultraviolet shielding layer is not particularly limited, the component (d) is usually 1 to 50 parts by weight (preferably 3 to 100 parts by weight) with respect to 100 parts by weight of the component (a). 30 parts by weight).
When the ratio of the component (d) is large, the ultraviolet shielding layer may become cloudy, and the color of the colored layer may be hindered. When the ratio of the component (d) is small, the ultraviolet shielding effect is lowered, and it is difficult to suppress the deterioration of the coloring material.
[0026]
The ultraviolet ray shielding layer essentially contains the above-mentioned components, but if necessary, such as surfactants, catalysts, antifoaming agents, dispersants, crosslinking agents, thickeners, moisturizers, flame retardants, fragrances, etc. Additives can also be included.
[0027]
Method for forming laminate The laminate of the present invention can be applied to parts / articles requiring ultraviolet resistance. Examples of applicable parts / articles include buildings, civil engineering structures, transport vehicles, general vehicles, aircraft, ships, storage tanks, electrical appliances, and the like. Among these, it is desirable to apply the present invention particularly to the wall surface, roof, rooftop, etc. of buildings.
As a base material which comprises such a site | part and goods, concrete, an inorganic molded board, a tile, a plastic, a metal, glass etc. are mentioned, for example. These substrates may be those on which some kind of coating has already been formed.
[0028]
In the present invention, a colored layer and an ultraviolet shielding layer are laminated in order on the above-described site / article. As long as such a laminate is finally formed, the lamination method is not particularly limited, and various methods can be adopted. As a specific laminating method, for example, after the paint containing the components (a), (b), and (c) is applied to form a colored layer, the components (a) and (d) are included. Examples thereof include a method of forming a UV shielding layer by applying a paint, or a method of pasting a sheet-like material obtained by previously laminating a UV shielding layer on a colored layer using an adhesive or the like.
When painting, for example, a brush, a trowel, a spray, a roller, a roll coater, a flow coater, or the like can be used. Moreover, it can also be diluted with water, an organic solvent, etc. as needed.
[0029]
The laminate of the present invention may be applied to the entire surface of the target part / article, or may be applied to a part thereof. In the case of partial application, various designs, characters, patterns and the like can be formed.
The film thickness of a laminated body can be suitably set according to a use. Usually, the colored layer is about 30 to 300 μm, and the ultraviolet shielding layer is about 5 to 300 μm.
[0030]
In the present invention, a metal oxide selected from rutile type titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide having an average primary particle size of less than 30 nm is used as a component in the colored layer, By using a metal oxide selected from rutile-type titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide having an average primary particle size of 30 to 200 nm as a component, a colored film laminate having excellent ultraviolet resistance is obtained. Can do. Although its action mechanism is not clear, it is presumed that the ultraviolet absorption ability and the ultraviolet reflection ability of the metal oxide contained in each layer are maximized.
Moreover, in the laminate of the present invention, there is no problem of bleeding as in the case of using an organic ultraviolet absorber, and there is no possibility of causing a decrease in the stain resistance of the coating. Furthermore, the ultraviolet-shielding ability does not deteriorate with time, and fading of the coloring material can be suppressed over a long period of time.
[0031]
【Example】
The present invention will be further clarified by examples and comparative examples below.
[0032]
In addition, the composition for colored layers and the composition for ultraviolet shielding layers in Examples and Comparative Examples were produced by using the following raw materials.
-Binder 1: Water-soluble acrylic silicone resin (solid content 30% by weight)
-Binder 2: Vinyl acetate emulsion (solid content 50% by weight)
Coloring material 1: Organic thermoreversible color-decoloring material dispersion (solid content 50% by weight, color change temperature 14-23 ° C., hue at low temperature: magenta, hue at high temperature: colorless and transparent)
Coloring material 2: Organic thermoreversible color-decoloring material dispersion (solid content 50% by weight, color change temperature 14-23 ° C., hue at low temperature range: orange, hue at high temperature range: colorless and transparent)
Metal oxide 1: rutile type titanium oxide dispersion (solid content 30% by weight, average primary particle size 8 to 10 nm)
Metal oxide 2: Wurtzite zinc oxide dispersion (solid content 30% by weight, average primary particle size 6 to 10 nm)
Metal oxide 3: Rutile-type titanium oxide dispersion (solid content 50% by weight, average primary particle size 30-50 nm)
Metal oxide 4: Rutile-type titanium oxide dispersion (solid content 50% by weight, average primary particle size 300 nm)
[0033]
(Manufacture of colored layer composition)
The above-mentioned binder 1, coloring material 1, and metal oxide 1 were mixed and dispersed by a conventional method so that the solid content weight ratio thereof was 100: 5: 3, whereby a colored layer composition 1 was produced.
Then, the composition 2-5 for colored layers was manufactured by the method similar to the composition 1 for colored layers except having used the mixing | blending shown in Table 1. FIG.
[0034]
[Table 1]
[0035]
(Manufacture of composition for ultraviolet shielding layer)
The above-mentioned binder 1 and metal oxide 3 were mixed and dispersed by a conventional method so that the solid content weight ratio was 100: 3, thereby producing an ultraviolet shielding layer composition A.
Subsequently, UV shielding layer compositions B to C were produced in the same manner as the UV shielding layer composition A except that the formulations shown in Table 2 were used.
[0036]
[Table 2]
[0037]
Example 1
A colored layer composition 1 is spray-coated on an aluminum plate (70 × 150 mm) previously coated with a white acrylic resin paint so that the dry film thickness is 10 μm, at a temperature of 50 ° C. and a relative humidity of 50%. Dry for 15 hours. Subsequently, the composition A for ultraviolet shielding layer was spray-coated so that the dry film thickness was 10 μm, and dried at a temperature of 50 ° C. and a relative humidity of 50% for 15 hours.
The obtained test body was magenta at a temperature of 15 ° C., colorless and transparent at a temperature of 25 ° C., and exhibited color development and decoloration due to heat.
When this specimen was subjected to an ultraviolet resistance test by the following method, the color difference before and after the ultraviolet irradiation was 0.8 at a temperature of 25 ° C. and 0.4 at a temperature of 15 ° C.
[0038]
UV resistance test After the initial hue (L * 1 , a * 1 , b * 1 ) of the test specimen was measured at 25C and 15C, the test specimen was subjected to a sunshine weather meter (Suga Test Instruments Co., Ltd.). And exposed for 250 hours.
Next, the hue (L * 2 , a * 2 , b * 2 ) of the test specimen after exposure was measured at 25 ° C. and 15 ° C., and the color difference (ΔE) before and after exposure at each temperature was calculated according to the following formula. did.
<Equation> △ E = {(L * 2 -L * 1) 2 + (a * 2 -a * 1) 2 + (b * 2 -b * 1) 2} 0.5
[0039]
(Example 2)
A test body was obtained in the same manner as in Example 1 except that the colored layer composition 2 was used as the colored layer. The obtained test body was magenta at a temperature of 15 ° C., colorless and transparent at a temperature of 25 ° C., and showed a color disappearance by heat.
When this specimen was subjected to the same ultraviolet resistance test as in Example 1, the color difference before and after the ultraviolet irradiation was 1.0 at a temperature of 25 ° C. and 0.7 at a temperature of 15 ° C.
[0040]
(Example 3)
A test body was obtained in the same manner as in Example 1 except that the colored layer composition 3 was used as the colored layer. The obtained test body was magenta at a temperature of 15 ° C., colorless and transparent at a temperature of 25 ° C., and exhibited color development and decoloration due to heat.
When this test body was subjected to the same UV resistance test as in Example 1, the color difference before and after UV irradiation was 0.8 at a temperature of 25 ° C. and 0.5 at a temperature of 15 ° C.
[0041]
Example 4
A test body was obtained in the same manner as in Example 1 except that the colored layer composition 4 was used as the colored layer. The obtained test specimen became orange at a temperature of 15 ° C., became colorless and transparent at a temperature of 25 ° C., and exhibited a color disappearance due to heat.
When this test body was subjected to the same UV resistance test as in Example 1, the color difference before and after UV irradiation was 0.8 at 25 ° C. and 0.6 at 15 ° C.
[0042]
(Comparative Example 1)
A test specimen was obtained in the same manner as in Example 1 except that the composition C for ultraviolet shielding layer was used as the ultraviolet shielding layer. The obtained test body was magenta at a temperature of 15 ° C., colorless and transparent at a temperature of 25 ° C., and exhibited color development and decoloration due to heat.
When this test body was subjected to the same UV resistance test as in Example 1, the color difference before and after UV irradiation was 6.8 at a temperature of 25 ° C. and 4.6 at a temperature of 15 ° C.
[0043]
(Comparative Example 2)
A test body was obtained in the same manner as in Example 1 except that the colored layer composition 5 was used as the colored layer. The obtained test body was magenta at a temperature of 15 ° C., colorless and transparent at a temperature of 25 ° C., and exhibited color development and decoloration due to heat.
When this test specimen was subjected to the same UV resistance test as in Example 1, the color difference before and after UV irradiation was 6.0 at a temperature of 25 ° C. and 5.4 at a temperature of 15 ° C.
[0044]
(Comparative Example 3)
A test specimen was obtained in the same manner as in Example 1 except that the colored layer composition 5 was used as the colored layer and the ultraviolet shielding layer composition B was used as the ultraviolet shielding layer. The obtained specimen had a magenta color that became cloudy at a temperature of 15 ° C. and became white at a temperature of 25 ° C., and had an appearance with poor saturation.
When this test specimen was subjected to the same UV resistance test as in Example 1, the color difference before and after UV irradiation was 3.8 at a temperature of 25 ° C. and 3.2 at a temperature of 15 ° C.
[0045]
(Comparative Example 4)
A test specimen was obtained in the same manner as in Example 1 except that the colored layer composition 5 was used as the colored layer and the ultraviolet shielding layer composition C was used as the ultraviolet shielding layer. The obtained specimen was magenta at a temperature of 15 ° C., colorless and transparent at a temperature of 25 ° C., and exhibited color development due to heat.
When this test specimen was subjected to the same UV resistance test as in Example 1, the color difference before and after UV irradiation was 19.0 at a temperature of 25 ° C. and 18.0 at a temperature of 15 ° C. In addition, after the irradiation with ultraviolet rays, the color-decoloring property due to heat was not confirmed.
[0046]
[Table 3]
[0047]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the coloring film laminated body which has the various performance which a coloring material cannot deteriorate easily with an ultraviolet-ray and can be applied as an outdoor coating can be obtained.
Claims (2)
(a)バインダー、(d)平均一次粒子径が30〜200nmであるルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物を含有し、各成分の重量固形分比率が、(a)成分100重量部に対し、(d)成分が1〜50重量部である紫外線遮蔽層が積層されてなることを特徴とする着色被膜積層体。 (A) a binder, (b) an organic coloring material , (c) a metal oxide selected from rutile titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide and iron oxide having an average primary particle size of less than 30 nm , On the colored layer where the solid weight ratio is 1 to 50 parts by weight of component (b) and 1 to 50 parts by weight of component (c) with respect to 100 parts by weight of component (a) ,
(A) a binder, (d) a metal oxide selected from rutile titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, and iron oxide having an average primary particle size of 30 to 200 nm, and the weight-solid content ratio of each component is (A) A colored coating laminate comprising an ultraviolet shielding layer having 1 to 50 parts by weight of component (d) based on 100 parts by weight of component.
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