JP3919684B2 - 倣い装置およびそれを用いた接合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向配置した加工対象物等を押圧しながら互いの当接面が平行になるように倣わせる倣い装置およびそれを用いた接合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばフリップチップ方式の半導体集積回路(以下、ICという)を構成する際に、チップICの電極パッド上に形成されたバンプを基板電極面に対して加圧して接合する技術が知られている。良好な接合のためには、バンプの表面が基板電極面に平行になるように倣わせることが重要である。
【0003】
面平行度を出すために一般的に用いられている倣い装置を図6に示す。31はワークAをセットする固定側のステージ、32はワークBをセットしワークAに倣わせるための倣いステージ、33は倣いステージ32を保持するホルダである。倣いステージ32は、ワークBをセットするセット面32aに背反する側に球面部32bを有し、この球面部32bでホルダ33の凹部33a内面に点接触で受けられ、ホルダー7に対して板ばね34で結合されている。
【0004】
加工に際しては、ホルダ33を軸心方向に移動させて、倣いステージ32にセットされたワークBを固定ステージ31上のワークAに対して押圧する。このことにより、倣いステージ32が荷重を受けてその球面部32bの点接触部を支点として揺動し、倣いステージ32上のワークBと固定ステージ1上のワークAとが互いに面全体で接触するようになり、双方のワークA,Bが完全に倣う荷重に到達した時には完全に平行度が出た状態となる。固定側のステージ31に対する倣いステージ32の平行度を事前調整するのでなく、実際の加圧動作の度に平行調整を行うのである。
【0005】
図7に他の倣い装置を示す。41はワークAをセットする固定側のステージ、42はワークBをセットしワークAに倣わせるための倣いステージ、43は倣いステージを保持するホルダである。倣いステージ42、ホルダ43の対向面は互いに対応する凹球面部42a、凸球面部43aとして加工されていて、倣いステージ42は、ホルダ43の球面部43aに摺接しつつ、ホルダ43の軸心を基準として揺動可能である。ホルダ43には、その球面部43aで開口する排気路(図示せず)が形成されていて、この排気路を真空引きすることで倣いステージ42を真空吸着しロック可能である。
【0006】
この装置では、倣いステージ42を自由揺動させる状態でホルダ43を軸心方向に移動させて、倣いステージ42にセットされたワークBを固定ステージ41にセットされたワークAに接触させ、所望の荷重まで加圧する。これにより倣いステージ42が揺動してワークBの表面がワークAの表面に平行になるように倣うので、この状態でエア圧を作用させて倣いステージ42をホルダ43に真空吸着させロックする。
【0007】
このようにして固定ステージ41に対する倣いステージ42の平行度を一旦調整した後は、この状態で新たにセットされるワークA,Bに対する加圧動作をすればよく、加圧動作の都度にエアーによる平行度の調整作業をする必要はない。
【0008】
エアーを利用する他の装置に、吸着ホルダを取り付けたボールと凹状のボール受けとの間に加圧エアを噴出して両者間を非接触とし、摺動抵抗を低減した状態で、吸着ホルダの先端面を半導体チップなどのワークの上面に対して平行に倣わせる装置もある(特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−311906号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、IC電極パッド上に形成される電極の高さは年々小さくなる傾向にあり、より高精度の平行度を保証することが必要になってきた。また、実装工法の変化に伴って、超高真空中においても加工対象物等を倣わせる必要が増大してきた。
【0011】
しかしながら、図7に示すタイプのエアーを使用する倣い機構は、Siどうしの加圧接合に要求される1×E−5Pa以下など、通常の工場真空圧である2×E4Paを大きく下回る超高真空下では使用出来ない。
【0012】
超高真空下では、図6に示すタイプの板ばね34を使用する倣い機構の使用が必要となるが、板ばね34の取り付け方によって無負荷の状態での平面位置決めが異なってしまうため、たとえばフリップチップ実装における位置合わせのために基板の対向面に付したマークをカメラ認識する際に、対向面どうしの面内平行度が確保されず、焦点が合わず、認識が不可能となってしまうことがある。特にアライメント精度1μm以下を目標とする場合には焦点深度は15μm程度となるため、非接触状態での面内平行度の確保は重要事項であり、平面位置決めを一定にするために板ばね34の取り付けは困難を極める。また吸着機構が無いこの倣い装置では重力に逆らったワークのセットはできず、倣いステージ42の下面にワークBをセットする際には人為的な作業が必要になり、自動搬送を実現できないという問題もある。
【0013】
本発明は上記課題を解決するもので、対象物の常圧状態での搬送,セット,面倣いや、超高真空中での搬送、面倣いを自動装置で行うことができ、かつ、高倍率のカメラ認識に耐えうる平行度を保証できる倣い装置およびそれを用いた接合装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の倣い装置は、第1の対象物を保持するための固定ステージに対向配置される設置面に第2の対象物を保持するための真空吸着穴が開口した対向ステージと、前記対向ステージの設置面に真空吸着された第2の対象物を側方から挟み込んで前記設置面上に保持する保持手段と、前記設置面に背反する対向ステージの背面に球面部でもって点接触し、前記対向ステージを環状弾性体を介して保持し、前記環状弾性体によってシールされた対向ステージとの間隙に臨んで開口した真空排気路を有したホルダーとを備え、前記対向ステージ上に保持された第2の対象物を前記固定ステージ上に保持された第1の対象物の所定面に当接させ、押圧した時に、前記対向ステージ上の第2の対象物の当接面を前記固定ステージ上の第1の対象物の所定面に対して平行となるように倣わせるようにしたものである。
【0015】
また本発明の倣い方法は、固定ステージに第1の対象物を保持するとともに、前記固定ステージに対向配置される対向ステージに第2の対象物を真空吸着し側方から挟み込む保持手段により保持し、前記固定ステージに対して前記対向ステージを前記第1の対象物と第2の対象物とを位置認識して位置決めし、前記対向ステージを、その背面に球面部をもって点接触し環状弾性体を介して保持したホルダーにて移動させることにより、前記対向ステージ上の第2の対象物を前記固定ステージ上の第1の対象物の所定面に当接させ押圧し、前記対向ステージ上の第2の対象物の当接面を前記固定ステージ上の第1の対象物の所定面に対して平行となるように倣わせるようにしたものである。
【0016】
これにより、常圧条件下で第2の対象物を真空吸着により重力に逆らって対向ステージの設置面にセットし、その状態を保持手段によって維持して、固定ステージに対向する位置まで搬送し、前記第2の対象物に対応する固定ステージ上の第1の対象物に対して位置合わせし、この第1の対象物の所定面に対し平行となるよう倣わせる、という一連の動作を、自動装置によって行なうことができる。
【0017】
その際に、真空吸着にて対向ステージの設置面に第2の対象物を完全に密着させた状態を保持手段によって維持することが可能なので、押圧力を付与しない無負荷の状態での第2の対象物(および対向ステージ)の姿勢を一意に定め、その平面位置を一定にすることができる。
【0018】
よって、その状態の第2の対象物、固定ステージが常圧条件下にあるか減圧条件下にあるかにかかわらず、固定ステージに対向する位置まで搬送し、位置合わせし、倣わせることができる。第2の対象物(および対向ステージ)は上述の状態にあることから、固定ステージ上の第1の対象物との間に高倍率の認識カメラを挿入して、認識精度高く位置合わせすることができ、従来にない高精度アライメントでの接合等が可能になる。
【0019】
環状弾性体はたとえば、樹脂材料または炭素ばね鋼からなるものを使用できる。なかでもフッ素系ゴムからなる0リングであれば、高真空条件下でもガスを発することがなく、高真空条件を損なうことなく加工を行なえる。炭素ばね鋼からなる環状弾性体であれば、耐熱性を有する分、比較的低い減圧条件下で対象物を加熱しながら行なう加工にも耐える。
【0020】
好ましくは、樹脂材料からなる環状弾性体が弾性変形して圧接する対向ステージの圧接部に、弾性材との間のエアを外部へリークするリークポートを設ける。これにより、対向ステージと弾性材との間のエアが減圧条件下で膨張して倣いが阻害されるのを防止することができる。
【0021】
本発明の接合装置は、上記したいずれかの倣い装置を備え、固定ステージと対向ステージのそれぞれに設置された2個の部品の金属面どうしを倣わせ、加圧接合するようにしたものである。
【0022】
このような接合装置にはたとえば、半導体チップを配線基板上に配線パターンどうし直接に接合して実装する半導体実装装置がある。
上述したように、倣い装置は、対象物を対向ステージに密着させる吸着機構や、対向ステージを無負荷状態で位置決めする機構を有しているため、従来にない高精度アライメントでの加圧接合も可能であり、金属をスパッタあるいは蒸着してなる突出高さ0.2μm以下といったような配線パターンどうしを直接に貼り合わせる接合も可能となるのである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における倣い装置の断面図、図2は同倣い装置を図1とは90度異なる方向から示した断面図である。図中、1はワークAをセットする平板状の固定ステージ、2はワークBをセットしワークAに倣わせるための倣いステージ、3は倣いステージを保持するホルダである。
【0024】
倣いステージ2は、超硬G種材料を用いて概ね円柱状に形成されており、固定ステージ1に対向配置される一側の中央部に平坦な設置面4が形成され、設置面4に対応する他側の中央部に凹部5が形成され、設置面4に開口する真空吸着穴6が貫設されている。設置面4は円柱の軸方向に突出した段部4aに形成されていて、Rmax0.2μm以下までラッピング仕上げされている。
【0025】
ホルダ3は、倣いステージ2の凹部5の底面に点接触して受けられる球面部7を一端に有し、この球面部7の周縁部で開口する真空排気路8を有したSUS303などからなる軸部材9と、この軸部材9の他端を嵌入保持する貫通穴10を有し減圧装置(図示せず)に接続される管状部材11とで構成されている。管状部材11に径方向に突出して形成された取付座12には、倣いステージ2の設置面4に設置されたワークBを側方から挟み込んで設置面4上に保持するチャック13が取り付けられている。
【0026】
軸部材には、倣いステージ2の凹部5の開口端部に対向する外周に鍔部14が形成され、この鍔部14と球面部7との間に縮径部15が形成されている。縮径部15に対向する倣いステージ2の凹部5の内面には周方向に沿う溝部16が形成されている。これら軸部材の縮径部15と倣いステージ2の凹部内面の溝部16との間には、フッ素系ゴム(たとえばデュポンダウ社のバイトン(登録商標))からなるOリング17が圧入されている。このOリング17は、軸部材9と倣いステージ2とを連結し、倣いステージ2を軸部材9上に揺動可能に支持するとともに、軸部材9の外面と倣いステージ2の凹部内面との間隙をシールする機能を担っている。Oリング17が弾性変形して圧接する倣いステージの溝部16には、Oリング17との間のエアを外部へリークするリークポート18が開口している。
【0027】
上記構成における作用を説明する。
常圧条件下で、倣いステージ2の設置面4をワークBの背面に接触させ、管状部材11を通じて軸部材9の真空排気路8、Oリング17によって閉塞された軸部材9,倣いステージ2間の間隙、倣いステージ2の真空吸着穴6を真空排気することにより、図示したように設置面4にワークBを真空吸着させる。そしてこの真空吸着を維持しながら、あらかじめ開放しておいたチャック13を閉じてワークBを挟み込み、設置面4上に保持する。
【0028】
この状態で、倣いステージ2を固定ステージ1に対向する位置に配置し、互いに対向したワークBとワークAとをカメラ認識して位置合わせする。その後に、ホルダ3を軸心方向に移動させてワークBをワークAに当接させ、押圧する。
【0029】
それにより、倣いステージ2が固定ステージ1からの偏荷重を受けて、Oリング17を弾性変形させながら、軸部材9の球面部7に対する点接触部を支点として偏荷重が均等荷重になるまで3次元方向に揺動し、ワークBの表面がワークAの表面(ワークBの当接領域)に対し平行となるように倣う。
【0030】
このときにワークB,ワークAの一方あるいは双方に反りなどの面内バラツキの要素があっても、反りを解消するのに十分な大きな荷重で押圧することで、均等荷重になった後には双方が完全に平行に圧接する状態とできる。よって、ワークB,ワークAの面平行度を確保した状態での加工が可能となる。
【0031】
以上の倣い装置では、倣いステージ2を超硬G種材料で構成しているので、30〜50kgf程度の高荷重が軸部材9の球面部7の点接触によってかかっても、受け部が窪む変形は発生しない。よって、倣いが阻害されるのを防止することができる。
【0032】
また、ワークBを設置面4に真空吸着して密着させ、かつチャック13によって無負荷状態でのワークBに一定の静位置を与えているので、倣いステージ2上のワークBと固定ステージ1上のワークAとの間にカメラを挿入して位置合わせする際の位置認識を高精度に行なうことが可能となる。実際に、最大焦点深度が15μmの高倍率のカメラを用いて、焦点誤差10μm以下程度にピント合わせできることが確認できた。これによれば、1μm以下のアライメントでの位置合わせが可能である。この位置合わせは減圧条件下でも実施できる。
【0033】
また、Oリング17が弾性変形して圧接する倣いステージ2の溝部16にリークポート18が開口しているため、Oリング17との間のエアが減圧条件下で膨張して倣いを阻害するのを防止することができる。Oリング17が上記したようなフッ素系ゴムを材料としたものであるため、高真空条件下でもガスを発することがなく、所望の高真空条件を維持できる。
【0034】
よって、ワークB,ワークAのそれぞれに広域に形成された金属膜同士の張り合わせや、微小パターン配線同士の張り合わせ、たとえば突出高さ0.2μm以下の配線パターンどうしの直接貼り合わせを確実に行なうことができる。なおその際には、たとえばCu,Cu接合には1×E−3Pa以下が必要である。Si,Si接合には1×E−5Pa以下が必要である。
【0035】
上記したような倣い装置はたとえば、フリップチップ方式で半導体チップを配線基板に実装する半導体実装装置の一部、つまりボンディング装置、とすることができる。
【0036】
上記した倣い装置を用いて半導体チップと配線基板とをバンプレス接合する工程を図3にしたがって簡略に説明する。上記したワークA,ワークBにはそれぞれ、図4に示したような、チップIC19、配線基板20が対応する。チップIC19において、19aはSiO基板,19bはCuのスパッタ電極(以下、Cu電極という)であり、配線基板20において、20aはSiO基板,20bはCuのスパッタ電極(以下、Cu電極という)である。
【0037】
ステップS1において、上記と同様にして、常圧条件下で、倣いステージ2の設置面4にチップIC19を真空吸着させ、真空吸着を維持しながらチャック13によりチップIC19を挟み込んで設置面4上に保持する。また固定ステージ1上に配線基板20を設置する。
【0038】
ステップS2において、チップIC19,配線基板20の表面をプラズマ雰囲気中、イオンビーム、活性化された元素などでスパッタリングして、Cu電極19a,20aの表面を改質し、活性化する。
【0039】
ステップS3において、倣いステージ2上のチップIC19を固定ステージ1上の配線基板20に対向配置し、両者間に認識カメラ(図示を省略する)を挿入してSiO基板19a,20aに付された位置合わせ用マーク(図示を省略する)を認識し、位置合わせする。
【0040】
ステップS4において、減圧条件下もしくはN雰囲気下で、改質されたCu電極19a,20aの表面同士を当接させ、押圧することにより、倣いステージ2を揺動させて、チップIC19のCu電極19bの表面が配線基板20のCu電極20bの表面に対し平行となるように倣わせ、Cu電極19a,20aの表面同士が均一に圧接する状態として、共有結合を起こさせ、接合させる。
【0041】
ステップS5において、チップIC19が実装された配線基板20を搬出する。
バンプレス接合は、チップ厚みよりも1/1000レベルほど小さい電極の接合が要求されるものである。たとえば、半導体チップ19,配線基板20は、厚み(L1)が0.7mm程度のSiO基板19a,20aにCu電極19b,20bが電極幅(L2)3〜30μm、突出高さ(L3)80nm程度にて形成される。上記のような倣い装置を用いることで、半導体チップ19,配線基板20のCu電極19b,20bどうしが当接する全面を均一に確実に接合可能となる。
【0042】
ただし、接合対象はここに例示したような半導体チップ19,配線基板20の形状、寸法、材料に限定されるものではなく、蒸着による金属面の接合であってもよい。
【0043】
またステップS4は、大気中、チップIC19,配線基板20の双方を加熱して、共有結合と拡散とを起こさせ、接合させるように変更してもよい。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における倣い装置を説明する断面図である。
【0044】
この実施の形態2の倣い装置は実施の形態1の装置とほぼ同様の構成を有しているが、樹脂材料からなるOリングに代えて炭素ばね鋼(たとえばPk材)からなる環状の板ばね22が設けられている点が異なる。軸部材9は球面部7を備えた第1部材23と鍔部14を備えた第1部材24とに分割形成され、第1部材23と第2部材24との間に上記板ばね22が挟み込まれ、倣いステージ2に対して止めネジ25で固定されている。
【0045】
この倣い装置においても、倣いステージ2が固定ステージ1からの偏荷重を受けて、板ばね22を弾性変形させながら、軸部材9の球面部7に対する点接触部を支点として偏荷重が均等荷重になるまで3次元方向に揺動し、ワークBの表面がワークAの表面(ワークBの当接領域)に対し平行となるように倣う。
【0046】
板ばね22の耐熱性が高いため、双方のワークA,Bを100℃以上に加熱する場合も効果を発揮することが出来る。双方のワークA,Bを加熱すると、金属拡散現象も発生するため、結合力が向上し、大気中での接合も可能になる。これは、実施の形態1の装置のように樹脂材料からなるOリング17を用いた場合に、100℃以上で樹脂からガスが発生し、高真空条件が損なわれるのに比べての利点である。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明の倣い装置は、対象物を対向ステージに密着させる吸着機構や、対向ステージを無負荷状態で位置決めする機構を有しているため、常圧状態で対象物のセット,搬送,面倣い、および、セットされた対象物の超高真空中での搬送、面倣いを自動装置で行うことができ、かつ、高倍率のカメラ認識に耐えうる平行度を保証することができ、従来は不可能であった1μm以下のアライメントでの加圧接合が可能となり、微小パターン配線同士の張り合わせや、広域に形成された金属膜同士の張り合わせ接合を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における倣い装置の断面図
【図2】図1の倣い装置を90度異なる方向から示した断面図
【図3】図1の倣い装置を用いたフリップチップ実装工程を説明するフローチャート
【図4】図3のフリップチップ実装工程の加工対象物であるチップICと配線基板とを示した断面図
【図5】本発明の実施の形態2における倣い装置の断面図
【図6】従来の倣い装置の断面図
【図7】従来の他の倣い装置の断面図
【符号の説明】
1 固定ステージ
2 倣いステージ(対向ステージ)
3 ホルダ
4 設置面
6 真空吸着穴
7 球面部
8 真空排気路
9 軸部材
13 チャック(保持手段)
17 Oリング(環状弾性体)
18 リークポート
22 板ばね(環状弾性体)

Claims (6)

  1. 第1の対象物を保持するための固定ステージに対向配置される設置面に第2の対象物を保持するための真空吸着穴が開口した対向ステージと、前記対向ステージの設置面に真空吸着された第2の対象物を側方から挟み込んで前記設置面上に保持する保持手段と、前記設置面に背反する対向ステージの背面に球面部でもって点接触し、前記対向ステージを環状弾性体を介して保持し、前記環状弾性体によってシールされた対向ステージとの間隙に臨んで開口した真空排気路を有したホルダーとを備え、前記対向ステージ上に保持された第2の対象物を前記固定ステージ上に保持された第1の対象物の所定面に当接させ、押圧した時に、前記対向ステージ上の第2の対象物の当接面を前記固定ステージ上の第1の対象物の所定面に対して平行となるように倣わせる倣い装置。
  2. 環状弾性体が樹脂材料または炭素ばね鋼からなる請求項1記載の倣い装置。
  3. 樹脂材料からなる環状弾性体が弾性変形して圧接する対向ステージの圧接部に、前記環状弾性体との間のエアを外部へリークするリークポートを設けた請求項記載の倣い装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載の倣い装置を備え、固定ステージと対向ステージのそれぞれに設置された2個の部品の金属面どうしを倣わせ、加圧接合する接合装置。
  5. 半導体チップを配線基板上に配線パターンどうし直接に接合して実装する半導体実装装置である請求項記載の接合装置。
  6. 固定ステージに第1の対象物を保持するとともに、前記固定ステージに対向配置される対向ステージに第2の対象物を真空吸着し側方から挟み込む保持手段により保持し、前記固定ステージに対して前記対向ステージを前記第1の対象物と第2の対象物とを位置認識して位置決めし、前記対向ステージを、その背面に球面部をもって点接触し環状弾性体を介して保持したホルダーにて移動させることにより、前記対向ステージ上の第2の対象物を前記固定ステージ上の第1の対象物の所定面に当接させ押圧し、前記対向ステージ上の第2の対象物の当接面を前記固定ステージ上の第1の対象物の所定面に対して平行となるように倣わせる倣い方法。
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