JP3919181B2 - Organoid sheet, its use and production method - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工臓器、移植材料などに用いることができるシート状の細胞組織体(オルガノイド)に関するものである。
より詳細には、本発明は、ハイブリッド型の人工臓器(バイオ人工臓器)や再生医療技術において用いることができるシート状のオルガノイドに関するものである。
本発明は、また、該オルガノイドシートの用途、及び製造方法にも関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、機能不全あるいは欠損に陥った臓器や組織の治療方法として、培養細胞と生体適合性材料を組み合わせるハイブリッド型人工臓器(バイオ人工臓器ともいう)や再生医療技術の開発が注目されている。
【0003】
例えば、現在わが国における肝臓病患者は60万人以上といわれており、年間約5万人の患者が肝臓病のために死亡している。このうち約千人が急性肝不全、残りが肝がんを含めた慢性肝不全による死亡である。肝不全などの肝臓病の根本的な治療法は肝移植であるが、臓器提供者(ドナー)不足が大きな問題であり、人工肝臓の開発が求められている。
しかし、500種類以上もの複雑多岐な肝機能を人工的手段のみで代替することは困難であり、人工肝臓として、最近では肝細胞そのものを利用するバイオ人工肝臓が注目されている。
【0004】
バイオ人工肝臓としては、現在、図1に示されるような体外設置型の治療システムが主流である。図1に示すとおり、人工肝臓は、肝不全患者から血液を引き出し循環させる生体側回路と、人工肝臓モジュール側で血漿を循環させ、代謝・解毒を行う人工肝臓モジュール側回路を、血漿分離器を介して物質交換させることにより治療を行うものである。
【0005】
このような人工臓器モジュールには、分散した細胞を用いるのでは不充分である。すなわち、従来より細胞培養に用いられてきた単層培養法では、細胞の機能の消失や低下が避けられず、生体組織に類似する組織体を構築して用いることが重要である。
【0006】
このような観点から最近細胞の球状凝集体(スフェロイド)や、円柱状組織体(シリンドロイド)のような器官様組織体(オルガノイド)培養法が新しく確立され、培養下での細胞の高機能発現とその長期機能維持が実現できるようになりつつある。
【0007】
例えば、本発明者らは、スフェロイドの培養方法として、ポリウレタンフォーム(PUF)のようなポリマー基材内にスフェロイドを形成する方法を開発した(特開平10−29951号公報、H.Ijima等 “Tissue Engineering” 第4巻、第2号、213−226頁(1998))。PUFは主骨格と薄い膜梁構造を有する多孔質であり、PUF孔間がある程度連通していることから、良好な物質交換環境下で高密度培養が達成できる。PUF孔内で肝細胞を培養すると約200個程度の肝細胞が次第に集合し、粒径100μm程度のスフェロイドを自発的に多数形成する。既に本発明者らは、この培養法を利用したスフェロイドによるヒト臨床スケールの短期適用型(10日程度)バイオ人工肝臓の開発に成功した。
【0008】
さらに本発明者らは、よりコンパクトで長期適用型の人工肝臓を追求していたところ、遠心力によって肝細胞を中空糸に高密度に充填できることを見出し、モジュール当たり2.4×10cells/cmの細胞密度を有する人工モジュールを得た(「平成12年度(第31回)繊維学会夏期セミナー講演要旨集」115〜118頁参照)。
また、人工肝臓のベッドサイドでの操作性の向上、慢性的なドナー不足の解消を考えると、さらにコンパクトで長期機能維持が可能な人工肝臓が必要であり、そのために、本発明者らは、より高密度の肝細胞オルガノイド(細胞組織体)を開発して特許出願した(特願2001−48201号)。
【0009】
しかしながら、これらの従来のオルガノイドは、球状(スフェロイド)や中空糸内の円柱状組織(シリンドロイド)に限られるものであった。
本発明者らは、さらに研究開発を進めた結果、これらの球状や円柱状のオルガノイドのみでなく、シート状のオルガノイドが得られれば、平膜型や積層型の人工臓器への適用範囲が広がることに思い至った。このようなシート状に形成されたオルガノイドの報告は、従来なされていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シート状のオルガノイド(細胞組織体)を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、人工臓器用モジュールに適用できるシート状のオルガノイドを開発することに成功した。
すなわち、本発明者らは、細胞同士の接触頻度を高めることにより細胞組織体が形成されることに着目し、細胞に遠心力又は静水圧のような力学的手法で加圧力を作用させることにより、シート状で細胞組織が本来有する機能を有している高密度に充填されたオルガノイドを得ることができた。
その結果、思いがけず、本発明のオルガノイドシートによって、先に出願した中空糸内の円柱状組織(シリンドロイド)(特願2001−48201号)より、さらに向上した細胞機能を有することを見出した。
【0012】
また、本発明のシート状オルガノイドによって、例えば、心筋パッチ、人工皮膚、肝移植などのような移植材料をも提供することができた。
【0013】
さらに、本発明者らは、肝細胞組織が有する機能のためには、シートにおける肝細胞は少なくとも2層必要であることを見出した。
さらにまた、本発明者らは、シート状肝細胞オルガノイドの厚さが150μmを超えるとき、肝細胞オルガノイドシートの中心部分の細胞が壊死するので、好ましくないことも見出した。
また、本発明は、このようなオルガノイドシートを、遠心力や静水圧を作用させることによって得ることを特徴とする製造方法にも関するものである。
【0014】
より詳細には、本発明は、
(1)細胞凝集体からなるシート状で、シートの厚み方向に細胞が2層以上積層し、細胞組織が本来有する機能を有することを特徴とするオルガノイドシート、
(2)細胞が動物組織由来細胞である上記(1)記載のオルガノイドシート、
(3)細胞がヒト臓器由来細胞である上記(2)記載のオルガノイドシート、
(4)細胞が肝細胞である上記(2)または(3)に記載のオルガノイドシート、
(5)細胞が心筋細胞である上記(2)または(3)に記載のオルガノイドシート、
(6)厚みが150μm以下である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のオルガノイドシート、
(7)さらに、シートの少なくとも一方の面に1層以上の支持層を備えていることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のオルガノイドシート、
(8)支持層がオルガノイドシートの細胞は通過させないが、液性成分は透過させる多孔質層を含むことを特徴とする上記(7)に記載のオルガノイドシート、
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載される人工臓器用オルガノイドシート、
(10)入口及び出口を有する容器の内部に、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のオルガノイドシートを少なくとも1枚封入し、且つ被処理液の通路を設けてなるバイオ人工臓器、
(11)容器内のオルガノイドシートと被処理液の通路とが、細胞は通過しないが液性成分を透過させる多孔質体の隔壁によって完全に隔てられていることを特徴とする上記(10)に記載のバイオ人工臓器、
(12)被処理液が血液、血漿、あるいは培養培地である上記(10)または(11)に記載のバイオ人工臓器、
(13)オルガノイドシートの細胞が肝細胞である上記(10)〜(12)のいずれかに記載のバイオ人工臓器、
(14)上記(1)〜(8)のいずれかに記載のオルガノイドシートを有してなることを特徴とする移植材料、
(15)オルガノイドシートの少なくとも一方の面に、生分解性ポリマーからなる支持層を備えていることを特徴とする上記(14)に記載の移植材料、
(16)生分解性ポリマーがポリ酸からなる合成ポリマーである上記(15)に記載の移植材料、
(17)生分解性ポリマーが生体高分子である上記(15)に記載の移植材料、
(18)細胞は通過させないが、液性成分は透過させるシート状支持材料を微小間隔で並列配置し、シート状支持材料間の微小間隙に細胞を注入し、遠心力あるいは静水圧などの力学的手法により加圧する工程を含むことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のオルガノイドシートの製造方法、及び
(19)加圧工程の後、支持材料を取り外す工程をさらに含むことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のオルガノイドシートの製造方法、
に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明において、オルガノイドとは、細胞が集積した細胞組織体であって、細胞組織が本来有する機能を有する臓器(オルガン)に近似するものをいう。 例えば、本発明で得られた肝細胞が集積した組織体は、肝臓組織が本来有するアンモニア除去効果やアルブミン分泌効果などの肝機能を有するので細胞オルガノイドといえるものである。
【0016】
本発明において用いられる細胞には、肝細胞、心筋細胞、腎臓細胞、皮膚細胞、表皮角化細胞、繊維芽細胞、血管内皮細胞、血管壁細胞、神経細胞、軟骨細胞、あるいはそれらの組み合わせなどがあるが、本発明では、特に肝細胞及び心筋細胞が好ましく用いられる。
肝臓は、ヒトの臓器のうちでも最大のものであり、蛋白質や糖質をはじめとする生体に必要な物質の合成、貯蔵、あるいはアンモニアや薬物などの代謝解毒、外分泌器官として胆汁酸などを放出し脂肪の消化やビタミンの吸収に関与するなど複雑多岐にわたる機能を有している。本発明の肝細胞オルガノイドシートは、アンモニアの分解代謝や、アルブミン合成などの肝臓組織が本来有している機能を有している。
【0017】
本発明の細胞源は、通常、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタ、ヒヒ、ヒト等に由来する正常細胞であるが、これらに限られるものではない。また、樹立された株化細胞も対象となる。
例えば、正常肝細胞の場合、肝臓をコラゲナーゼ溶液などの酵素液で処理する一般的な酵素消化法を用いることによって単離肝細胞を得ることができる。
心筋細胞の場合、心臓をトリプシンやコラーゲンなどの酵素液で処理する一般的な酵素消化法を用いることによって単離心筋細胞を得ることができる。
【0018】
本発明の細胞オルガノイドの厚みは細胞2層分以上である。2層分の厚みを有していれば、オルガノイドとしての機能を発揮できる。
例えば、肝細胞であれば、細胞の大きさは、20μm程度であるから、2層分は、40μm程度の厚さに相当する。厚みが150μmを超えると、中心部分の細胞への酸素の供給ができなくなり、細胞が壊死する可能性があるので好ましくない。
したがって、本発明においてオルガノイドの厚みは細胞2層以上必要であり、150μm以下が好ましい。
ここで、厚みとは、オルガノイドシートの表層から表層までの厚みをいうが、オルガノイドシートの長さ及び幅は、任意に設定できる。
【0019】
本発明のオルガノイドシートにおいて、細胞密度は、1×10cells/cm3以上、より好ましくは5×10cells/cm3以上、さらに好ましくは9×10cells/cm3以上である。
オルガノイドの細胞密度が高いと空隙が少なくなるので、酸素の供給のために厚みをあまり大きくすることができず、一方細胞密度が本発明の範囲であっても比較的小さいときには厚みが大きい方が良い。したがって、本発明のオルガノイドにおいて、細胞密度と厚みとは逆の相関関係を有するのがより好ましい。
【0020】
本発明のオルガノイドでは、その表面を除いて、各細胞が相互に三次元的に接触していることが重要である。生体中で細胞は、隣接する細胞同士がさまざまな細胞間結合を介して情報交換をし、機能発現をしていることが分かっている。本発明では、細胞に遠心力や静水圧のような物理的力を作用させることで高密度に充填し、細胞同士の接触頻度を飛躍的に向上させることにより細胞密度の高い組織体を形成させることができた。
【0021】
本発明のオルガノイドシートでは、シートの少なくとも一方の面に支持層を備えていることが好ましいが、用途によっては、支持層がない方が好ましい。
支持層は、オルガノイドシートを製造・培養する際の担体になるし、オルガノイドシートを人工臓器に適用する際、そのまま被処理液と細胞とを隔てる隔壁としても利用できる。
さらにまた、オルガノイドシートを移植材料として用いるときには、支持層に生分解性ポリマーを用いることによって、移植後に支持層を消失することができる。
【0022】
該支持層は、人工臓器に適用するとき、細胞は通過させないが液性成分は透過させる多孔質層を含むことが好ましい。
多孔質層の材質は、セルロース系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリスルホン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系など、選択分離膜として一般的に利用できる素材であればいずれでも良い。
多孔質層は、細胞を通過させない程度に小さい孔径を有していれば良く、なおかつ物質透過性を損なわない程度に大きい孔径、および厚さを有していれば良い。例えば、孔径としては0.001〜15μm程度であり、厚さとしては10〜200μm程度が望ましいが、これに限定されるものではない。
多孔質層の形状は、上記の透過性が得られるものであればいずれでも良く、平膜、発泡体、織布、不織布等があげられる。
【0023】
移植材料に適用するとき、支持層は、生分解性ポリマーからなることが好ましい。生分解性ポリマーは、合成ポリマーと生体高分子とに大別されるが、移植部位や目的、用途に応じて適宜選択することができる。
生分解性ポリマーとしての合成ポリマーとは、モノマーの重縮合や重付加等の操作によって得られる生分解性の高分子物質のすべてを言い、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリシアノアクリレート系ポリマーなどが挙げられる。なかでもポリ酸が好ましく、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、或いはグリコール酸−乳酸共重合体が特に好ましい。これらのポリ酸は、生体内という緩和な条件下でも加水分解を受けやすく、分解によって一時的に生成する乳酸やグリコール酸はきわめて毒性が低いうえ、生体内で二酸化炭素と水とに分解されるからである。
また、生分解性ポリマーとしての生体高分子とは、生体に存在することが知られている高分子物質のすべてを言い、多糖類、蛋白質、核酸の他、糖蛋白などこれらの複合物をも含む。なかでも、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、エラスチン、テネイシン、ヒアルロン酸、フィブリン、プロテオグリカン等、細胞外マトリックスと言われる物質が、主に細胞骨格形成や細胞間接着に寄与する点で好ましく使用できる。支持層を任意の形状に加工しやすい点で、フィブリンがもっとも好ましい。
生分解性ポリマーからなる支持層の形状は、オルガノイドシートを支えることができればいずれの形状であってもよく、例えば、フィルム、メッシュ、織布、不織布、粒子等があげられる。
【0024】
本発明のオルガノイドシートを製造するには、分散している細胞に遠心力、静水圧のような物理的力を作用させて高密度に充填し培養することが必要である。具体的には、本発明のオルガノイドシートの製造方法は、細胞は通過させないが、液性成分は透過させるシート状支持材料を微小間隔で並列配置し、シート状支持材料間の微小間隙に肝細胞を注入し、遠心力あるいは静水圧などの力学的手法により加圧する工程を含むことを特徴とする。
【0025】
例えば、物質透過性の良好な平膜や不織布などを100μm程度の微小間隙で規則的に配置したスカッフォルド(培養担体構造)を構築し、このスカッフォルド内に力学的手法(遠心力、静水圧などの加圧力)を利用して細胞を充填・高密度化することによって、全ての細胞が生存・機能発現できるオルガノイドシートを製造できる。
形成したオルガノイドシートは、スカッフォルドに固定した状態、あるいはスカッフォルドから取り外した状態で培養あるいは治療に用いることができる。
図2には、このオルガノイドシートの製造方法を概念図で示した。
【0026】
本発明の製造方法で用いる平膜や不織布は、前記の支持層で説明したとおりである。
【0027】
細胞は、細胞懸濁液にしてスカッフォルドに注入するのが細胞に損傷を与えないために好ましい。細胞懸濁液の濃度は細胞に損傷を与えず高密度化するために2×10cells/ml以下が好ましく、0.1〜1×10cells/mlがより好ましい。高密度に充填するためには、膜孔から培養液のみを除去しながら注入を行うことが好ましい。
【0028】
細胞を注入したスカッフォルドに、5〜1500Gの遠心力を30〜600秒程度作用させて細胞の高密度化をはかる。1500Gを超えると細胞は損傷を受けるかあるいは死滅してしまう。細胞をできるだけ死滅させないために遠心力は、60G×90秒程度の負荷が適当である。
静水圧を負荷する場合には、細胞を注入したスカッフォルドに5〜25kPaの静水圧を4〜120時間負荷する。10kPaの一定静水圧を24時間負荷する程度が最も好ましい。
【0029】
培養液としては、ウイリアムE培地(WE)やダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)などの基礎培地にホルモンや無機塩を添加した無血清培地、あるいはWEやDMEMなどの基礎培地に血清を添加した血清添加培地が使用される。
【0030】
以下に肝細胞による実施例を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例及び対照例において、肝細胞は次のようにして調製した。
[肝細胞の調製法]
初代ラット肝細胞を調製するために0.5mg/mlのコラゲナーゼ(和光純薬社)溶液150mlを用意した。7週齢の雄ウイスター系ラット(体重250g)の門脈(肝臓に入る血管)にカニューレを導入し、脱血液を30ml/minで5分間流した後、37℃に加温したコラゲナーゼ溶液を15ml/minで10分間流した。コラゲナーゼによって処理された肝臓を培養液に入れ、メスとピペットを使って肝細胞を分散させた。得られた肝細胞懸濁液を3回洗浄し、肝細胞以外の細胞を取り除いた(95%以上の純度)。肝細胞懸濁液の最終密度は1.0×105cells/mlのものを作製し、培養実験に使用した。
【0031】
以下の実施例及び対照例において、機能活性をはかるためのアンモニア除去速度及びアルブミン分泌速度は次のようにして測定した。
[アンモニア除去速度]
培養培地に1mMの濃度になるようにアンモニアを添加し、アンモニア濃度の経時的な減少量を測定し、アンモニア除去速度(μmol/106cells/hr)を計算した。
【0032】
[アルブミン分泌速度]
培養培地中に分泌されたアルブミンを酵素標識免疫測定法により定量し、アルブミン分泌速度(μg/106cells/day)に換算した。
【0033】
〔実施例〕
本実施例では図2の概念図に準じたオルガノイドシート作製容器を作製したが、本発明はこれに限定されるものではない。培養培地排出用の小孔(1)を有するポリカーボネート製ハウジング(2)の内部に、2枚のポリカーボネート製多孔メンブラン(3)(厚み10μm、開口率23%、孔径1.2μm、ミリポア製)を100μmの間隔で配置させた容器を作製した。この時、ハウジング上部は開口させて細胞播種口とした。また、2枚のポリカーボネート製多孔メンブラン間においてオルガノイドシートが形成される空間は、縦1.5cm、横2.5cm、厚み100μmとした。
【0034】
コラゲナーゼ消化法により上記〔肝細胞調製法〕に調製した1.0×107cells/mlの初代ラット肝細胞懸濁液(4)0.5mlを容器の細胞播種口に注入した。次にこの容器に遠心(60×G、90秒)を負荷することによって、ハウジングの培養培地排出孔から培養培地を排泄しつつ多孔メンブラン間の細胞を高密度化させ、オルガノイドシート形成を誘導した。
【0035】
遠心終了後、ハウジング部分を取り外し、多孔メンブラン間で形成された肝細胞オルガノイドシートを直径100mmの培養ディッシュ(旭テクノグラス製)で培養した。培養培地は、Dulbecco’s modified eagle medium(ギブコ製)13.5g/Lに60mg/Lプロリン、50ng/mL EGF(フナコシ製)、10mg/Lインシュリン(シグマ製)、7.5mg/Lヒドロコルチゾン(和光純薬製)、0.1μM硫酸銅・5水和物(和光純薬製)、3μg/Lセレン酸(和光純薬製)、50pM硫酸亜鉛・7水和物(和光純薬製)、50μg/Lリノール酸(シグマ製)、58.8mg/Lペニシリン(明治製菓製)、100mg/Lストレプトマイシン(明治製菓製)、1.05g/L炭酸水素ナトリウム(和光純薬製)、1.19g/L HEPES(同人堂製)を添加した無血清培地18mLを用いた。培養は5%炭酸ガス、95%大気の雰囲気下で旋回培養(45rpm)を行った。
肝細胞の機能評価として、培養培地に1mMの濃度となるようにアンモニアを添加し、アンモニア濃度の経時的な減少量を測定することでその活性を評価した。また、培養培地中に分泌されたアルブミンを定量することでその活性を評価した。さらに、培養されたオルガノイドシートの割断面をヘマトキシリン・エオジン染色法によって染色し、顕微鏡を用いて観察した。
【0036】
対照として、中空糸/肝細胞オルガノイドを培養し、同様の評価を行うことでそれぞれの機能比較を行った。この対照例の中空糸/肝細胞オルガノイドは、長さ3cmの中空糸6本から構成される中空糸バンドル内において、約1.2×106個の肝細胞から円柱状のオルガノイドが形成されたものである。
【0037】
形成された肝細胞オルガノイドシートの割断面形態を図3に示す。図3は、培養4日目の割断面顕微鏡写真である。肝細胞同士が三次元的に密に接触したオルガノイドシートを形成していることが示されている。図3において、Aは、厚みが110μmの場合を、Bは、厚みが約150μmの場合である。Aにおいて、5がオルガノイドシートの割断面を示し、6は多孔メンブランを示している。Bにおいて、7は、細胞の壊死層を示している。オルガノイドの厚みが細胞5層分(約110μm)の場合(A)ではすべての細胞が生存しているが、約150μmの厚み(B)になると中心部の肝細胞は核が脱落した壊死細胞になっていることが分かる。さらに、形成された肝細胞オルガノイドシートの初期細胞充填密度は約1.2×108cells/cm3であり、細胞が高密度化されたオルガノイド状態であることが示された。
オルガノイドシートの機能評価の結果として、図4に初期固定化細胞数あたりのアンモニア除去速度の経時変化、図5にアルブミン分泌速度の経時変化を示す。図4及び図5から本発明の肝細胞オルガノイドシートは、少なくとも培養1ヶ月の経過後にもなおアンモニア除去活性及びアルブミン分泌活性の機能を維持していることが示された。またこれらの活性は、対照例である中空糸/肝細胞オルガノイド以上の機能を有することが示された。
【0038】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によって、細胞組織本来の機能を有しているオルガノイドシートが得られた。本発明の細胞オルガノイドシートは、そのまま人工臓器、移植材料として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の肝細胞オルガノイドが適用される人工肝臓の概念図を示す。
【図2】本発明の肝細胞オルガノイドシートの製造方法を示す概念図である。
【図3】本発明の肝細胞オルガノイドシートの割断面写真である。
【図4】本発明の肝細胞オルガノイドシートによるアンモニア除去速度の経時変化を中空糸/肝細胞オルガノイドと対比して示した図である。
【図5】本発明の肝細胞オルガノイドシートによるアルブミン分泌除去速度の経時変化を中空糸/肝細胞オルガノイドと対比して示した図である。
【符号の説明】
1:小孔
2:ハウジング
3:膜
4:細胞懸濁液
5:オルガノイドシートの割断面
6:多孔メンブラン
7:壊死層
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sheet-like cell tissue (organoid) that can be used for artificial organs, transplantation materials, and the like.
More specifically, the present invention relates to a sheet-like organoid that can be used in hybrid artificial organs (bioartificial organs) and regenerative medical techniques.
The present invention also relates to the use and production method of the organoid sheet.
[0002]
[Prior art]
In recent years, development of hybrid artificial organs (also referred to as bioartificial organs) that combine cultured cells and biocompatible materials and regenerative medical techniques has attracted attention as a method of treating organs and tissues that have become dysfunctional or defective.
[0003]
For example, there are currently more than 600,000 liver disease patients in Japan, and about 50,000 patients die from liver disease annually. Of these, about 1,000 people die from acute liver failure and the rest from chronic liver failure, including liver cancer. The fundamental treatment for liver diseases such as liver failure is liver transplantation, but a shortage of organ donors (donors) is a major problem, and the development of an artificial liver is required.
However, it is difficult to replace more than 500 types of complicated and diverse liver functions with only artificial means. Recently, bioartificial livers that use hepatocytes themselves have attracted attention as artificial livers.
[0004]
As a bioartificial liver, an in vitro installed treatment system as shown in FIG. 1 is currently mainstream. As shown in FIG. 1, the artificial liver is composed of a biological side circuit that draws and circulates blood from patients with liver failure, an artificial liver module side circuit that circulates plasma on the artificial liver module side and performs metabolism and detoxification, and a plasma separator. The treatment is carried out by exchanging the substance through.
[0005]
It is not sufficient to use dispersed cells for such an artificial organ module. That is, in the monolayer culture method conventionally used for cell culture, it is inevitable that the function of the cell is lost or lowered, and it is important to construct and use a tissue body similar to a living tissue.
[0006]
From this point of view, a new method for culturing organ-like tissues (organoids) such as spherical aggregates (spheroids) and cylindrical structures (cylindroids) has recently been established, and high-functional expression of cells in culture. And its long-term functional maintenance is becoming possible.
[0007]
For example, the present inventors have developed a method for forming spheroids in a polymer substrate such as polyurethane foam (PUF) as a method for culturing spheroids (Japanese Patent Laid-Open No. 10-29951, H. Ijima et al. “Tissue Engineering "Vol. 4, No. 2, pages 213-226 (1998)). PUF is a porous material having a main skeleton and a thin membrane beam structure, and the PUF pores communicate with each other to some extent, so that high-density culture can be achieved in a good material exchange environment. When hepatocytes are cultured in the PUF pores, about 200 hepatocytes gradually gather and spontaneously form many spheroids with a particle size of about 100 μm. The present inventors have already succeeded in developing a human clinical scale short-term application type (about 10 days) bioartificial liver using spheroids utilizing this culture method.
[0008]
Furthermore, the present inventors have sought a more compact and long-term artificial liver, and found that hepatocytes can be filled into the hollow fiber with high density by centrifugal force, and 2.4 × 10 7 cells / module per module. An artificial module having a cell density of cm 3 was obtained (see “Abstracts of the 31st Annual Meeting of the Fiscal Society of Japan Summer Seminar” pages 115-118).
In addition, considering the improvement of the operability at the bedside of the artificial liver and the elimination of chronic donor shortage, an artificial liver that is more compact and capable of maintaining long-term function is required. A higher density hepatocyte organoid (cell tissue) was developed and a patent application was filed (Japanese Patent Application No. 2001-48201).
[0009]
However, these conventional organoids are limited to spherical (spheroids) and cylindrical structures (cylindroids) in hollow fibers.
As a result of further research and development, the present inventors have expanded not only these spherical and columnar organoids but also sheet-like organoids, so that they can be applied to flat membrane and laminated artificial organs. I thought of it. There have been no reports on organoids formed in such a sheet form.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a sheet-like organoid (cell tissue body).
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on the above problems, the present inventors have succeeded in developing a sheet-like organoid that can be applied to an artificial organ module.
That is, the present inventors pay attention to the fact that a cell tissue body is formed by increasing the contact frequency between cells, and by applying pressure to the cells by a mechanical technique such as centrifugal force or hydrostatic pressure. Thus, it was possible to obtain a highly packed organoid having a sheet-like shape and a function inherent to the cell tissue.
As a result, it was unexpectedly found that the organoid sheet of the present invention has a further improved cell function than the previously filed cylindrical structure (cylindroid) in hollow fibers (Japanese Patent Application No. 2001-48201). .
[0012]
In addition, the sheet-like organoid of the present invention can provide a transplant material such as a myocardial patch, artificial skin, and liver transplant.
[0013]
Furthermore, the present inventors have found that at least two layers of hepatocytes in the sheet are necessary for the function of the hepatocyte tissue.
Furthermore, the present inventors have also found that when the thickness of the sheet-like hepatocyte organoid exceeds 150 μm, the cells in the central part of the hepatocyte organoid sheet are necrotized, which is not preferable.
The present invention also relates to a production method characterized in that such an organoid sheet is obtained by applying centrifugal force or hydrostatic pressure.
[0014]
More particularly, the present invention provides:
(1) An organoid sheet characterized in that it is a sheet composed of cell aggregates, wherein two or more layers of cells are laminated in the thickness direction of the sheet, and has a function inherent to cell tissue,
(2) The organoid sheet according to (1), wherein the cell is an animal tissue-derived cell,
(3) The organoid sheet according to (2), wherein the cell is a human organ-derived cell,
(4) The organoid sheet according to (2) or (3), wherein the cell is a hepatocyte,
(5) The organoid sheet according to (2) or (3) above, wherein the cells are cardiomyocytes,
(6) The organoid sheet according to any one of (1) to (5), wherein the thickness is 150 μm or less,
(7) The organoid sheet according to any one of (1) to (6), further comprising one or more support layers on at least one surface of the sheet,
(8) The organoid sheet according to (7) above, wherein the support layer includes a porous layer that does not allow the cells of the organoid sheet to pass through but allows the liquid component to permeate.
(9) The organoid sheet for artificial organs described in any one of (1) to (8) above,
(10) A bioartificial organ in which at least one organoid sheet according to any one of (1) to (8) above is enclosed in a container having an inlet and an outlet, and a passage for the liquid to be treated is provided. ,
(11) The above-mentioned (10), wherein the organoid sheet in the container and the passage of the liquid to be treated are completely separated by a porous partition wall that does not pass cells but allows liquid components to permeate. A bioartificial organ described in
(12) The bioartificial organ according to (10) or (11) above, wherein the liquid to be treated is blood, plasma, or a culture medium,
(13) The bioartificial organ according to any one of (10) to (12), wherein the cells of the organoid sheet are hepatocytes,
(14) A transplant material comprising the organoid sheet according to any one of (1) to (8) above,
(15) The transplant material according to (14) above, wherein a support layer composed of a biodegradable polymer is provided on at least one surface of the organoid sheet.
(16) The transplant material according to (15) above, wherein the biodegradable polymer is a synthetic polymer comprising a polyacid.
(17) The transplant material according to (15) above, wherein the biodegradable polymer is a biopolymer,
(18) Sheet-like support materials that do not allow cells to pass through but permeate liquid components are arranged in parallel at minute intervals, and cells are injected into the minute gaps between the sheet-like support materials, and mechanical forces such as centrifugal force or hydrostatic pressure are applied. The method for producing an organoid sheet according to any one of the above (1) to (8), further comprising a step of pressurizing by a technique, and (19) a step of removing the support material after the pressurizing step The method for producing an organoid sheet according to any one of the above (1) to (7), comprising:
It is about.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
In the present invention, an organoid refers to a cell tissue body in which cells are accumulated and approximates an organ (organ) having a function inherent to the cell tissue. For example, a tissue body in which hepatocytes obtained in the present invention are accumulated is a cell organoid because it has liver functions such as an ammonia removal effect and an albumin secretion effect inherent in the liver tissue.
[0016]
The cells used in the present invention include hepatocytes, cardiomyocytes, kidney cells, skin cells, epidermal keratinocytes, fibroblasts, vascular endothelial cells, vascular wall cells, nerve cells, chondrocytes, or combinations thereof. However, in the present invention, hepatocytes and cardiomyocytes are particularly preferably used.
The liver is the largest human organ, which synthesizes and stores substances necessary for the body, including proteins and carbohydrates, or metabolic detoxification of ammonia and drugs, and releases bile acids as an exocrine organ. It has a wide variety of functions such as being involved in digestion of fat and absorption of vitamins. The hepatocyte organoid sheet of the present invention has functions inherent to liver tissues such as ammonia metabolism and albumin synthesis.
[0017]
The cell source of the present invention is usually a normal cell derived from mouse, rat, guinea pig, rabbit, dog, pig, baboon, human and the like, but is not limited thereto. In addition, established cell lines are also targeted.
For example, in the case of normal hepatocytes, isolated hepatocytes can be obtained by using a general enzyme digestion method in which the liver is treated with an enzyme solution such as a collagenase solution.
In the case of cardiomyocytes, isolated cardiomyocytes can be obtained by using a general enzyme digestion method in which the heart is treated with an enzyme solution such as trypsin or collagen.
[0018]
The thickness of the cell organoid of the present invention is at least two cell layers. If it has the thickness for two layers, the function as an organoid can be exhibited.
For example, in the case of hepatocytes, the size of the cells is about 20 μm, so the two layers correspond to a thickness of about 40 μm. If the thickness exceeds 150 μm, oxygen cannot be supplied to the cells in the central portion, and the cells may be necrotic, which is not preferable.
Accordingly, in the present invention, the thickness of the organoid requires two or more layers of cells, and is preferably 150 μm or less.
Here, the thickness refers to the thickness from the surface layer to the surface layer of the organoid sheet, but the length and width of the organoid sheet can be arbitrarily set.
[0019]
In the organoid sheet of the present invention, the cell density is 1 × 10 7 cells / cm 3 or more, more preferably 5 × 10 7 cells / cm 3 or more, and further preferably 9 × 10 7 cells / cm 3 or more.
When the cell density of the organoid is high, voids are reduced, so that the thickness cannot be increased too much for the supply of oxygen. good. Therefore, in the organoid of the present invention, it is more preferable that the cell density and the thickness have an inverse correlation.
[0020]
In the organoid of the present invention, it is important that the cells are in contact with each other three-dimensionally except for the surface. It is known that cells in the living body are expressing functions by exchanging information through various intercellular connections between adjacent cells. In the present invention, cells are filled with high density by applying physical force such as centrifugal force or hydrostatic pressure, and a tissue body with high cell density is formed by dramatically improving the contact frequency between cells. I was able to.
[0021]
In the organoid sheet of the present invention, a support layer is preferably provided on at least one surface of the sheet, but depending on the application, it is preferable that there is no support layer.
The support layer can be used as a carrier for producing and culturing the organoid sheet, and can also be used as a partition wall that separates the liquid to be treated and cells when the organoid sheet is applied to an artificial organ.
Furthermore, when an organoid sheet is used as a transplant material, the support layer can be lost after transplantation by using a biodegradable polymer for the support layer.
[0022]
When applied to an artificial organ, the support layer preferably includes a porous layer that does not allow cells to pass but allows liquid components to permeate.
The material of the porous layer may be any material that can be generally used as a selective separation membrane, such as cellulose, polyolefin, polyester, polysulfone, polyethylene, polypropylene, and polyamide.
The porous layer only needs to have a pore size small enough not to allow cells to pass therethrough, and may have a pore size and thickness large enough not to impair the substance permeability. For example, the hole diameter is about 0.001 to 15 μm and the thickness is preferably about 10 to 200 μm, but is not limited thereto.
The shape of the porous layer may be any as long as the above-described permeability is obtained, and examples thereof include a flat membrane, a foam, a woven fabric, and a nonwoven fabric.
[0023]
When applied to the implant material, the support layer is preferably composed of a biodegradable polymer. Biodegradable polymers are roughly classified into synthetic polymers and biopolymers, and can be appropriately selected depending on the transplant site, purpose, and use.
A synthetic polymer as a biodegradable polymer refers to all biodegradable polymer substances obtained by operations such as monomer polycondensation and polyaddition, and includes polyester polymers, polyamide polymers, polycyanoacrylate polymers, etc. Is mentioned. Of these, polyacids are preferable, and polylactic acid, polyglycolic acid, or glycolic acid-lactic acid copolymer is particularly preferable. These polyacids are susceptible to hydrolysis even under mild conditions in vivo. Lactic acid and glycolic acid that are temporarily generated by decomposition are extremely low in toxicity and are decomposed into carbon dioxide and water in vivo. Because.
The biopolymer as a biodegradable polymer refers to all polymer substances known to exist in the living body, including polysaccharides, proteins, nucleic acids, and composites such as glycoproteins. Including. Among these, substances called extracellular matrix such as collagen, laminin, fibronectin, elastin, tenascin, hyaluronic acid, fibrin, proteoglycan and the like can be preferably used because they mainly contribute to cytoskeleton formation and cell-cell adhesion. Fibrin is most preferable in that the support layer can be easily processed into an arbitrary shape.
The shape of the support layer made of the biodegradable polymer may be any shape as long as it can support the organoid sheet, and examples thereof include films, meshes, woven fabrics, nonwoven fabrics, and particles.
[0024]
In order to produce the organoid sheet of the present invention, it is necessary to apply a physical force such as centrifugal force or hydrostatic pressure to the dispersed cells to fill and culture at high density. Specifically, in the method for producing an organoid sheet of the present invention, sheet-like support materials that do not allow cells to pass through but allow liquid components to permeate are arranged in parallel at minute intervals, and the liver is placed in the minute gaps between the sheet-like support materials. It includes a step of injecting cells and pressurizing them by a mechanical method such as centrifugal force or hydrostatic pressure.
[0025]
For example, a scaffold (culture carrier structure) in which flat membranes and non-woven fabrics with good material permeability are regularly arranged with a minute gap of about 100 μm is constructed, and a mechanical method (centrifugal force, hydrostatic pressure) is built in this scaffold. Etc.) can be used to produce an organoid sheet that allows all cells to survive and function.
The formed organoid sheet can be used for culture or treatment in a state where it is fixed to the scaffold or removed from the scaffold.
In FIG. 2, the manufacturing method of this organoid sheet was shown with the conceptual diagram.
[0026]
The flat membrane and the nonwoven fabric used in the production method of the present invention are as described in the above support layer.
[0027]
It is preferred that the cells be in cell suspension and injected into the scaffold so as not to damage the cells. The concentration of the cell suspension is preferably 2 × 10 7 cells / ml or less, more preferably 0.1 to 1 × 10 7 cells / ml in order to increase the density without damaging the cells. In order to fill with high density, it is preferable to perform injection while removing only the culture solution from the membrane pores.
[0028]
The cell density is increased by applying a centrifugal force of 5 to 1500 G for about 30 to 600 seconds on the scaffold into which the cells are injected. Beyond 1500G, the cells are damaged or die. In order to prevent the cells from being killed as much as possible, a centrifugal force of about 60 G × 90 seconds is appropriate.
When a hydrostatic pressure is applied, a hydrostatic pressure of 5 to 25 kPa is applied to the scaffold into which the cells are injected for 4 to 120 hours. Most preferably, a constant hydrostatic pressure of 10 kPa is loaded for 24 hours.
[0029]
As the culture medium, a serum-free medium in which hormones or inorganic salts are added to a basic medium such as William E medium (WE) or Dulbecco's modified Eagle medium (DMEM), or a serum supplement in which serum is added to a basic medium such as WE or DMEM Medium is used.
[0030]
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples using hepatocytes, but the present invention is not limited thereto.
In the following examples and control examples, hepatocytes were prepared as follows.
[Method for preparing hepatocytes]
In order to prepare primary rat hepatocytes, 150 ml of a 0.5 mg / ml collagenase (Wako Pure Chemical Industries) solution was prepared. A cannula was introduced into the portal vein (blood vessel entering the liver) of a 7-week-old male Wistar rat (body weight 250 g), blood removal was allowed to flow at 30 ml / min for 5 minutes, and then 15 ml of collagenase solution heated to 37 ° C. For 10 minutes. The liver treated with collagenase was placed in the culture medium, and hepatocytes were dispersed using a scalpel and a pipette. The obtained hepatocyte suspension was washed 3 times to remove cells other than hepatocytes (purity of 95% or more). A final density of the hepatocyte suspension of 1.0 × 10 5 cells / ml was prepared and used for culture experiments.
[0031]
In the following Examples and Control Examples, the ammonia removal rate and albumin secretion rate for measuring functional activity were measured as follows.
[Ammonia removal rate]
Ammonia was added to the culture medium to a concentration of 1 mM, the amount of decrease in ammonia concentration with time was measured, and the ammonia removal rate (μmol / 10 6 cells / hr) was calculated.
[0032]
[Albumin secretion rate]
Albumin secreted into the culture medium was quantified by enzyme-labeled immunoassay and converted to albumin secretion rate (μg / 10 6 cells / day).
[0033]
〔Example〕
In this example, an organoid sheet production container according to the conceptual diagram of FIG. 2 was produced, but the present invention is not limited to this. Two polycarbonate porous membranes (3) (thickness 10 μm, open area 23%, pore diameter 1.2 μm, manufactured by Millipore) 100 μm inside a polycarbonate housing (2) having a small hole (1) for discharging culture medium Containers arranged at intervals of were prepared. At this time, the upper part of the housing was opened to form a cell seeding port. The space in which the organoid sheet was formed between the two polycarbonate porous membranes was 1.5 cm long, 2.5 cm wide, and 100 μm thick.
[0034]
0.5 ml of 1.0 × 10 7 cells / ml primary rat hepatocyte suspension (4) prepared in the above [Hepatocyte preparation method] by collagenase digestion was injected into the cell seeding port of the container. Next, by loading the container with centrifuge (60 × G, 90 seconds), cells between the porous membranes are densified while excreting the culture medium from the culture medium discharge hole of the housing, and the organoid sheet formation is induced. did.
[0035]
After completion of the centrifugation, the housing part was removed, and the hepatocyte organoid sheet formed between the porous membranes was cultured in a culture dish (manufactured by Asahi Techno Glass) having a diameter of 100 mm. The culture medium is Dulbecco's modified eagle medium (Gibco) 13.5 g / L, 60 mg / L proline, 50 ng / mL EGF (Funakoshi), 10 mg / L insulin (Sigma), 7.5 mg / L hydrocortisone (Wako Pure Chemicals) ), 0.1 μM copper sulfate pentahydrate (Wako Pure Chemical Industries), 3 μg / L selenate (Wako Pure Chemical Industries), 50 pM zinc sulfate heptahydrate (Wako Pure Chemical Industries), 50 μg / L linoleic acid (Sigma), 58.8mg / L penicillin (Meiji Seika), 100mg / L streptomycin (Meiji Seika), 1.05g / L sodium bicarbonate (Wako Pure Chemical), 1.19g / L HEPES (Dojindo) 18 mL of serum-free medium supplemented with The culture was swirling (45 rpm) in an atmosphere of 5% carbon dioxide and 95% air.
As an evaluation of hepatocyte function, ammonia was added to the culture medium to a concentration of 1 mM, and its activity was evaluated by measuring the amount of decrease in ammonia concentration over time. Moreover, the activity was evaluated by quantifying albumin secreted into the culture medium. Furthermore, the cut section of the cultured organoid sheet was stained by a hematoxylin / eosin staining method and observed using a microscope.
[0036]
As a control, hollow fiber / hepatocyte organoids were cultured, and the respective functions were compared by performing the same evaluation. The hollow fiber / hepatocyte organoid of this control example is a hollow fiber bundle composed of 6 hollow fibers having a length of 3 cm, and a columnar organoid is formed from about 1.2 × 10 6 hepatocytes. is there.
[0037]
FIG. 3 shows a split cross-sectional form of the formed hepatocyte organoid sheet. FIG. 3 is a cross-sectional photomicrograph of the fourth day of culture. It is shown that hepatocytes form an organoid sheet in close contact in three dimensions. In FIG. 3, A is when the thickness is 110 μm, and B is when the thickness is about 150 μm. In A, 5 shows a split section of the organoid sheet, and 6 shows a porous membrane. In B, 7 indicates a necrotic layer of cells. When the organoid thickness is 5 layers (about 110 μm), all cells are alive in (A), but when the thickness is about 150 μm (B), the hepatocytes in the center become necrotic cells whose nuclei have fallen off. You can see that Furthermore, the initial cell packing density of the formed hepatocyte organoid sheet was about 1.2 × 10 8 cells / cm 3 , indicating that the cells were in a densified organoid state.
As a result of the functional evaluation of the organoid sheet, FIG. 4 shows the change over time in the ammonia removal rate per initial number of immobilized cells, and FIG. 5 shows the change over time in the albumin secretion rate. 4 and 5, it was shown that the hepatocyte organoid sheet of the present invention still maintains the functions of ammonia removal activity and albumin secretion activity even after at least one month of culture. In addition, these activities were shown to have more functions than the control hollow fiber / hepatocyte organoid.
[0038]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, an organoid sheet having an original function of a cell tissue was obtained. The cell organoid sheet of the present invention can be directly applied as an artificial organ or a transplant material.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a conceptual diagram of an artificial liver to which the hepatocyte organoid of the present invention is applied.
FIG. 2 is a conceptual diagram showing a method for producing a hepatocyte organoid sheet of the present invention.
FIG. 3 is a photograph of a cut section of the hepatocyte organoid sheet of the present invention.
FIG. 4 is a graph showing the change over time in the ammonia removal rate by the hepatocyte organoid sheet of the present invention in comparison with the hollow fiber / hepatocyte organoid.
FIG. 5 is a graph showing the change over time in the rate of albumin secretion removal by the hepatocyte organoid sheet of the present invention in comparison with the hollow fiber / hepatocyte organoid.
[Explanation of symbols]
1: Small hole 2: Housing 3: Membrane 4: Cell suspension 5: Split surface of organoid sheet 6: Porous membrane 7: Necrotic layer

Claims (16)

細胞は通過させないが、液性成分は透過させるシート状支持材料を微小間隔で並列配置し、シート状支持材料間の微小間隙に細胞を注入し、力学的手法により加圧する工程を含むことを特徴とするオルガノイドシートの製造方法。  It comprises a step of arranging sheet-like supporting materials that do not allow cells to pass through but allow liquid components to permeate in parallel at minute intervals, inject cells into the minute gaps between the sheet-like supporting materials, and pressurize them by a mechanical method. A method for producing an organoid sheet. 力学的手法として、遠心力あるいは静水圧により加圧する請求項1に記載のオルガノイドシートの製造方法。  The method for producing an organoid sheet according to claim 1, wherein as a mechanical technique, pressurization is performed by centrifugal force or hydrostatic pressure. 加圧工程の後、支持材料を取り外す工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のオルガノイドシートの製造方法。  The method for producing an organoid sheet according to claim 1, further comprising a step of removing the support material after the pressurizing step. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により得られるオルガノイドシートであって、細胞凝集体からなるシート状で、シートの厚み方向に細胞が2層以上積層し、厚みが150μm以下であり、細胞組織が本来有する機能を有することを特徴とするオルガノイドシート。An organoid sheet obtained by the method according to any one of claims 1 to 3, wherein the sheet is composed of cell aggregates, wherein two or more cells are laminated in the thickness direction of the sheet, and the thickness is 150 µm or less. , Olga proteinoid sheet characterized by having a function having tissue originally. 細胞が肝細胞である請求項に記載のオルガノイドシート。The organoid sheet according to claim 4 , wherein the cells are hepatocytes. さらに、シートの少なくとも一方の面に支持層を備えていることを特徴とする請求項4または5に記載のオルガノイドシート。Furthermore, Olga proteinoid sheet according to claim 4 or 5, characterized in that it comprises a supporting lifting layer on at least one surface of the sheet. 支持層がオルガノイドシートの細胞は通過させないが、液性成分は透過させる多孔質層を含むことを特徴とする請求項に記載のオルガノイドシート。The organoid sheet according to claim 6 , wherein the support layer includes a porous layer that does not allow the cells of the organoid sheet to pass through but allows the liquid component to pass therethrough. 請求項4〜のいずれかに記載される人工臓器用オルガノイドシート。The organoid sheet for artificial organs according to any one of claims 4 to 7 . 入口及び出口を有する容器の内部に、請求項4〜のいずれかに記載のオルガノイドシートを少なくとも1枚封入し、且つ被処理液の通路を設けてなるバイオ人工臓器。A bioartificial organ in which at least one organoid sheet according to any one of claims 4 to 7 is enclosed in a container having an inlet and an outlet, and a passage for a liquid to be treated is provided. 容器内のオルガノイドシートと被処理液の通路とが、細胞は通過しないが液性成分を透過させる多孔質体の隔壁によって完全に隔てられていることを特徴とする請求項に記載のバイオ人工臓器。The bioid according to claim 9 , wherein the organoid sheet in the container and the passage of the liquid to be treated are completely separated by a porous partition wall that does not allow cells to pass but allows liquid components to permeate. Artificial organ. オルガノイドシートの細胞が肝細胞である請求項9または10に記載のバイオ人工臓器。The bioartificial organ according to claim 9 or 10 , wherein the cells of the organoid sheet are hepatocytes. 被処理液が血液、血漿、あるいは培養培地である請求項11に記載のバイオ人工臓器。The bioartificial organ according to claim 11 , wherein the liquid to be treated is blood, plasma, or a culture medium. 請求項4〜のいずれかに記載のオルガノイドシートを有してなることを特徴とする移植材料。A transplant material comprising the organoid sheet according to any one of claims 4 to 7 . オルガノイドシートの少なくとも一方の面に、生分解性ポリマーからなる支持層を備えていることを特徴とする請求項13に記載の移植材料。The transplant material according to claim 13 , further comprising a support layer made of a biodegradable polymer on at least one surface of the organoid sheet. 生分解性ポリマーがポリ酸からなる合成ポリマーである請求項14に記載の移植材料。The implant material according to claim 14 , wherein the biodegradable polymer is a synthetic polymer comprising a polyacid. 生分解性ポリマーが生体高分子である請求項14に記載の移植材料。The transplant material according to claim 14 , wherein the biodegradable polymer is a biopolymer.
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