JP3918012B1 - バランスウェイト部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】純度の高い亜鉛を材料として鋳造することにより、バランスウェイト部材を所望の形状に成形してタイヤホイールを保護し、耐久性を向上すると共に気泡の混入などの不具合の発生を抑えて重量精度を向上し、また、安価で製造効率に優れたバランスウェイト部材を提供する。
【解決手段】タイヤホイールに固定するためのクリップ11を重錘要素であるウェイト本体10に一体に鋳造して形成したバランスウェイト部材1において、前記ウェイト本体10は、前記クリップ11を中心としてタイヤホイールの周方向に張出した2つの張出部10aを備え、これら2つの張出部10aの外周面をタイヤホイールのリムR内周面と接すると共に、その反力をリムR外周面で前記クリップ11により受けて固定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のタイヤホイールに取り付けてホイールバランスの調整をするためのバランスウェイト部材及びその製造方法に関するものである。
近年、アルミホイール等のデザイン性の高いタイヤホイールが使用されるようになっている。このようなタイヤホイールではセンターディスクによっては隙間からタイヤホイールのリム内周面が見えることもあり、その場合、バランス調整のために取り付けてあるバランスウェイト部材が外側から見えることとなる。そのため、デザイン的に自由度の高い鋳造によるバランスウェイト部材が用いられている。
鋳造ウェイトは、例えば、特許文献1に示すように、所用重量の亜鉛合金によるウェイト本体にクリップ材をインサート成形し、そのクリップをホイールのリムに取り付けることにより、タイヤホイールのデザインを損なうことなく、ホイールに確実に固定されている。
亜鉛は比較的安価なうえに比重も比較的重く(約7.1)、さらに溶融温度も420度程度であって比較的低いが、湯流れが悪いという問題がある。
そのため、亜鉛にアルミニウムなどを数パーセント(3乃至4パーセント程度)混ぜることによって溶湯の流動性を確保した亜鉛−アルミニウム合金がバランスウェイト部材の材料として用いられている。
亜鉛を合金化して一定の流動性を確保することにより、亜鉛合金製のバランスウェイト部材を容易に鋳造することができ、さらに、よく知られた亜鉛の性質である犠牲防食作用により、バランスウェイト部材を取り付けたホイールの腐食を防止することができるという利点を有する。
しかし、亜鉛を合金化したことによりバランスウェイト部材が経時劣化しやすくなるという問題があった。また、比重の軽いアルミニウム(約2.7)を混ぜることで材料の比重が軽くなり、その分だけバランスウェイト部材の寸法が大きくなってしまうという問題があった。
そのため、アルミニウム等を添加して合金化せず、純度の高い亜鉛のみで鋳造したバランスウェイト部材が要望されていた。
しかし、亜鉛はその凝着性により湯流れが悪いという難点があって、少量一定の溶融亜鉛を連続的に供給するのは非常に困難であった。金型に溶融亜鉛を流し込む際に溶融亜鉛が流れ難いために所定の量が供給されないと、決められた所定の重量を有することが重要であるバランスウェイト部材として使い物にならなかった。
圧力をかけて型に溶湯を注入する、いわゆるダイカスト法によって、亜鉛合金を溶融槽の吐出し口から強制的に押し出す製造方法がよく知られているが、純度の高い亜鉛では湯流れが悪いため空気抜きが十分に行われずにバランスウェイト部材の内部に気泡が混入してしまうという問題があった。
バランスウェイト部材に気泡が混入すると製品の重量や重量バランスに大きなばらつきが生じてしまうこととなり、重量精度や重量バランスが重要となるバランスウェイト部材として使い物にならない。さらに、気泡の混入を防ぐために特殊なダイカスト法やガス抜き工程などを用いると製造コストが大幅に増加してしまうという問題があった。
特表2005−538326号公報
従来のようなバランスウェイト部材は、ウェイト本体がアルミホイールと点状又は線状に接した状態で取り付けられていることから、アルミホイールに傷を付けてしまうことがあった。
したがって、アルミホイールに新たなタイヤを取り付けたり、経時したことによって再度バランス調整をした場合に、それまでバランスウェイト部材が取り付けられていた部分に傷が残ってしまい、アルミホイールを再使用する際にデザインが損なわれるという問題があった。
また、亜鉛は錫や鉄と同程度の比重を有し、アルミニウム等で合金化することによって流動性を確保できるため、亜鉛合金はバランスウェイト部材の材料として製造面、コスト面において優れているが、経時劣化により長期にわたる使用に適しないという問題を内包している。
本発明の目的は、バランスウェイト部材をアルミホイールに取り付けたときにアルミホイールを保護することができ、取付部分に傷を残すことなくアルミホイールの再使用を可能とするバランスウェイト部材を提供することにある。また、経時劣化することなく優れた耐久性を有すると共に、製造面、コスト面において競争力を確保しうるバランスウェイト部材又はその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意研究の結果、ウェイト本体の張出部とタイヤホイールのリムとを面状に接し、その反力をウェイト本体の中央に配置したクリップによってリムの外周面で受けて固定することにより、タイヤホイールの損傷を防ぐことができることを知見した。
また、注湯機の出湯口付近を十分に加熱して所定の温度を保持し、溶湯を出湯口から自重により落下させて金型に充填成型することにより、流動性の低い純亜鉛材において気泡の混入などの不具合の発生を防止してバランスウェイト部材の製品品質を向上できることを知見し本発明に至った。
すなわち、本発明は、請求項1記載のごとく、タイヤホイールに固定するためのクリップを、重錘要素であるウェイト本体に一体に鋳造して形成したバランスウェイト部材において、前記ウェイト本体は、溶融した純亜鉛材を溶湯として注湯機から自重落下することにより金型に充填成形し、前記金型は、漏斗状に形成した注湯口のゲート口を細長のスリット状に形成すると共に、前記注湯口の斜面に、注湯をゲート口まで案内する樋状の溝を中央に設けてなり、前記クリップを中心としてタイヤホイールの周方向に張出した2つの張出部を備えると共に、これら2つの張出部の外周面をタイヤホイールのリム内周面と接して、その反力をリム外周面で前記クリップにより受けて固定したことを特徴とする。
請求項2記載のごとく、前記注湯機は、溶湯加熱手段のほかに、吐出温度制御用の出湯加熱手段を備えることを特徴とする。
請求項記載のごとく、前記注湯機は、底部にテーパ穴部を介して出湯孔を貫通形成した出湯口と、この出湯孔を開閉するニードル状の弁棒からなる開閉弁とを備え、前記テーパ穴部と前記弁棒のテーパ頭部とのテーパ角度差を所定の範囲に形成したことを特徴とする。
請求項1記載のごとく、漏斗状の注湯口のキャビティ側のゲート口を細長のスリット状に形成すると共に、注湯口の斜面に樋状の溝を設け、この注湯口に注湯機から溶湯を自重落下させて金型に充填成形して張出し部を有するウェイト本体を形成したことにより、樋状の溝に沿って溶湯を流して滑らかな流れを確保すると共に、スリット状のゲート口にキャビティの最上部から空気を抜く隙間を確保し、流動性の低い溶湯であっても気泡の混入を防止してバランスウェイト部材の重量精度を向上することができる。
また、注湯口のキャビティ側のゲート口を細長のスリット状に形成したことにより、ゲートカットの際に湯口部をきれいに切断してバランスウェイト部材の表面を滑らかに仕上げて重量精度の向上を図ることができる。
さらに、気泡等の混入なく所望の形状に形成される張出部はその外周面をリム内周面に面状に接することができ、その反力をウェイト本体の中央に一体形成したクリップによりリム外周面で受けてバランスウェイト部材を固定してウェイト本体とリムとを面で接触させ、両張出部とクリップとのバネ作用により3点の支持力を一定にしてタイヤホイールに傷が付くことを防止すると共に堅固に取り付けることで衝撃等によって取付位置がずれてタイヤホイールが傷つくことを防止することができる。また、鋳造により製造が容易でデザインの自由度も確保することができる。
また、ウェイト本体を純亜鉛材で形成したことにより、バランスウェイト部材の耐久性を向上させることができ、人体や環境等に対する問題がほとんど無く、低コストなバランスウェイト部材を得られる。
請求項記載のごとく、注湯機に、溶湯加熱手段のほかに出湯加熱手段を設けたことにより、出湯口を所要の温度に保持して、出湯口の詰まりを防止すると共に溶湯の滑らかな流れを確保し、簡易な構成で溶湯を自重落下させて気泡の混入を防止し、バランスウェイト部材の重量精度を向上することができる。
請求項記載のごとく、出湯口のテーパ穴部と開閉弁の弁棒頭部とのテーパ角度差を所定の範囲に形成したことにより、出湯の際の溶湯の滑らかな流れを確保すると共に、出湯口を確実に閉鎖して湯切れが良く、一定少量の溶湯を間欠的に出湯して、高速のサイクルピッチによる注湯制御を行うことで、バランスウェイト部材の生産効率を向上することができる。
以下、図1乃至図7を参照して本発明に係るバランスウェイト部材及びその製造方法について説明する。
図1は本発明に係るバランスウェイト部材1をタイヤホイールのリムに取り付けた状態で示す正面図である。また、図2及び図3は、それぞれ図1のA−A断面図及びB−B断面図である。
バランスウェイト部材1は、重錘要素であるウェイト本体10の略中央に、リムRの外周に当接するクリップ11を一体形成して構成されている。
クリップ11は、帯状のばね鋼板により形成され、このばね鋼板の一端側をプレス加工により折り曲げると共に他端側に通孔11aを設ける。図2に示すように、通孔11aを有する他端側をウェイト本体10に埋め込んだ状態で一体形成される。
ウェイト本体10は、純亜鉛材により形成される。本発明のウェイト本体10に用いられる純亜鉛材としては、亜鉛を99.9パーセント以上含むような、例えば、JIS規格(H2107)における普通亜鉛地金や最純亜鉛地金などの純度の高いものを使用することが好ましい。
ウェイト本体10の形状は、クリップ11を中心としてタイヤホイールの周方向に2つの張出部10a、10aを形成し、この張出部10a、10aの外周面をタイヤホイールのリムRの内周面に接する形状に形成する。
上記のごとく形成したバランスウェイト部材1は、両張出部10a、10aをリムRの内周面と面状に接し、その反力をリムRの外周でクリップ11により受けてリムRを挟み込むことにより取り付けられる。
ウェイト本体10とリムRとを面状に接することにより、ウェイト本体10によるタイヤホイールの損傷を防止すると共に、ウェイト本体10とクリップ11とによってリムRを挟み込んで強固に取り付けることにより、衝撃等によってバランスウェイト部材1がずれたりしてタイヤホイールが損傷するのを防ぐことができる。また、バランスウェイト部材1がタイヤホイールのデザイン部分Dと非接触なため傷つけることがない。
また、上記のごとく形成したバランスウェイト部材1は以下に述べる効果を奏する。
純度の高い亜鉛をバランスウェイト部材1の材料として用いたことにより、経時劣化しにくく耐久性に優れたバランスウェイト部材1を得ることができるという効果を奏する。
また、ウェイト本体10は、鋳造して形成することによりデザイン性に優れ、所望の形状が得られるため、図3に示すように、タイヤホイールと干渉しない位置に肉盛り等をしてウェイト本体10の重量を確保し、バランスウェイト部材1をコンパクトに形成することができる。
さらに、流線型に形成するなどしてデザイン性を向上させることにより、意匠を凝らしたセンターディスクを有するタイヤホイールに使用してもバランスウェイト部材1によって見た目が損なわれることがない。
次に、亜鉛を溶融して金型に注湯する注湯機について説明する。図4は、注湯機の一実施形態を示す部分断面図である。
注湯機2は、鉄材やステンレス材などにより形成された箱型の溶融槽20に溶湯加熱手段を設けてなる。溶湯加熱手段は、溶融槽20の槽内に複数本の保護管21を配設して、この保護管21の内部に溶融ヒータ(図示せず)を収納して形成される。
保護管21は、鉄材やステンレス材などのうち、溶融亜鉛に対して強固な酸化膜を形成する材質により形成し、この保護管21によって融合性の高い溶融亜鉛による溶融ヒータの損傷を防止し、溶融ヒータによって純亜鉛材を加熱溶融する。
また、保護管21の一端は、溶融槽20の一方の側壁を貫通して槽外で開放され、他端は閉塞されている。この開放端側を覆うようにカバー(図示せず)を取り付け、溶融ヒータの挿抜、交換やメンテナンス等は、このカバーを取り外して行う。
溶融ヒータは、各保護管21ごとにスイッチをオンオフ可能に構成する。
溶融槽20内の溶融亜鉛の温度に応じてそれぞれの溶融ヒータをオンオフして、エネルギー効率を高めると共に溶融ヒータの寿命を延ばすことができる。
この注湯機2で溶融した溶融亜鉛は出湯口22から自重により落下させるため、溶融槽20は一定以上の深さに構成し、出湯口22を溶融槽20の底部に設ける。
本実施形態において、溶融槽20は上下2段に形成され、上段は下段側に向かって傾斜している。その寸法の一例としては、下段の深さが約240mm、上段の平均深さを約200mmに形成する。また紙面方向の奥行きは約250mmで、幅は全幅が約350mm、下段部分の幅は約100mmに形成する。出湯口22は溶融槽20の底部の下段側に形成される。
出湯口22は、溶融槽20の底部にテーパ穴部22aを設け、このテーパ穴部22aを介して出湯孔22bを貫通して形成される。テーパ穴部22aの周囲は一段高く形成されており、完全に溶融していない亜鉛の小塊が出湯口22に流入して詰まらせることのないように構成されている。
また、特に出湯口22の周囲は溶融亜鉛に対して強固な酸化膜を形成するステンレス材などで表面加工して溶融亜鉛の凝着を抑制する。
また、注湯機2には、保護管21と溶融ヒータからなる溶湯加熱手段の他に、出湯口22を加熱して溶湯の吐出し温度を制御する出湯加熱手段を設ける。
本実施形態において出湯加熱手段は、出湯孔22bの近傍に底部ヒータ23を埋設して形成されている。
出湯加熱手段の他の実施形態としては、溶融槽20の外側底面にヒータを取り付けて形成してもよい。
この出湯加熱手段により出湯孔22bの周囲を熱し、所定の温度を保持して細径の出湯孔22bの詰まりを防止すると共に、出湯に際して溶融亜鉛の滑らかな流れを確保して気泡の混入を防止する。
次に、出湯口22の開閉弁について説明する。
溶融槽20の上部に支持台座24を設け、この支持台座24から縦筒26を上下位置調節可能に懸架する。縦筒26は、最下位置で縦筒26の下端がテーパ穴部22aの開口端22cに当接可能に配置する。また、縦筒26の内部にはニードル状の弁棒27が挿通されている。この弁棒27の上端は支持台座24に設けられたアーム25に接続され、このアーム25によって上下に進退動される。
次に、出湯口22の詳細について説明する。図5は出湯口22の拡大断面図である。
縦筒26は開口端22cよりも大径に形成し、下端にテーパ部26aを形成して、このテーパ部26aの下端を開口端22cよりも小径に形成する。
そして、縦筒26の上下位置を調節してテーパ部26aと開口端22cとの間に形成される環状隙間28の断面積を調節して、出湯口22へ流入する溶融亜鉛の流量を調整する。
また、直円管状の縦筒26内に縦筒26と独立に上下動する弁棒27を挿通する。弁棒27は、下端にテーパ頭部27aを有するニードル状で縦筒26よりも長尺に形成され、この弁棒27を上下に進退動作させて出湯孔22bを開閉する。この弁棒27は、ステンレス材などにより形成し、溶融亜鉛の凝着を抑制する。
縦筒26は、長尺の弁棒27の下端を出湯孔22bに案内する必要がある一方、挿通される弁棒27と縦筒26の内周とが溶融亜鉛の凝着作用により融合固定されるおそれがあるため、その内径を弁棒27の径よりも大きくして縦筒26の内周と弁棒27との間に所定の隙間を形成する。
この隙間により、縦筒26の内部に溶融亜鉛が浸入してきても縦筒26の内周と弁棒27との間に溜まらずに落下してこれらが融合固定することがなくなる。
弁棒27は溶融槽2の上部から縦筒26を貫通して出湯孔22bに達しており長尺であるが、縦筒26による案内と、弁棒27のテーパ頭部27aがテーパ穴部22aを滑ることによる調芯作用によって、確実に出湯孔22bを閉塞できる。
弁棒27のテーパ頭部27aはテーパ角Bが小さいと先端が細長になって出湯孔22bに嵌り、融合現象により弁棒27が融合固定されて出湯孔22bを開放できなくなるなどの不具合が発生するおそれがある。
一方、テーパ角Bを大きく形成してテーパ穴部22aのテーパ角Aとのテーパ角度差が小さくなると、密着性が高くなって溶融亜鉛による融合現象が生じやすくなり、テーパ頭部27aとテーパ穴部22aとが融合固定されて出湯孔22bの開閉が行えなくなるなどの不具合が発生するおそれがある。
さらに、テーパ角Bとのテーパ角度差をとるためにテーパ穴部22aのテーパ角Aを大きくしすぎると、流動性の低い溶融亜鉛がテーパ穴部22aを流れていかず、亜鉛溜りが形成されるなどして出湯孔22bが詰まってしまったり、弁棒27が亜鉛溜りに引掛かって出湯孔22bを閉塞できなくなるなどの不具合が発生するおそれがある。
そのため、テーパ穴部4bは、テーパ角Aを20度乃至40度に形成して低流動性の溶融亜鉛の確実な流動を確保すると共に、両テーパ角A、Bの角度差を、テーパ角Aが20度のときは5度乃至10度、テーパ角Aが40度のときは10度乃至30度、テーパ角Aがこれらの間にあるときは両最大値及び最小値をそれぞれ線形に結合した範囲内となるように弁棒27のテーパ角Bを10度乃至30度の範囲から選ぶ。
図例では、テーパ穴部22aのテーパ角Aを30度に形成すると共にテーパ頭部27aのテーパ角Bを15度に形成しており、テーパ角度差は15度になっている。この組合せは、テーパ穴部4bでの溶融亜鉛の流動を確保すると共に、弁棒27のテーパ頭部7bとテーパ穴部4bとの融合を防止して弁棒27による確実な出湯口の開閉が可能な、テーパ角Aとテーパ角Bの好適な組合せの一例である。
出湯孔22bは、所望の出湯量に応じて適宜の大きさに形成されるが、溶融亜鉛はその凝着性のため詰まりやすく、少なくとも直径2mm以上に形成するとよい。また、本発明に係るバランスウェイト部材の大きさなどから、出湯孔22bの直径は3mm以下に形成するとよい。
次に、上記のごとく構成した注湯機の操作について説明する。
出湯を開始する場合には、まず、溶融ヒータを十分に加熱して純亜鉛材を溶融する。同時に、閉鎖されている出湯孔22bの周囲も底部ヒータ23によって十分に加熱する。そして、底部ヒータ23の設定温度を管理することにより、出湯口22を所要の温度に保持しておく。底部ヒータ23の設定温度は500℃乃至550℃程度に保持しておくのが望ましい。
純亜鉛材を溶融し、溶融亜鉛を十分に昇温したら、縦筒26の上下位置を調節して環状隙間28を空け、出湯口22に溶融亜鉛を流入させ、弁棒27を上げて一定時間だけ出湯口22を開放し、出湯孔22bから所要量の溶融亜鉛を出湯する。
そして、上記のごとく構成した注湯機2は、出湯口22を出湯加熱手段で加熱して所要の温度を保持することで出湯の際の溶湯の滑らかな流れを確保できる。そして、上記のごとく構成した開閉弁によって出湯口22を確実に閉鎖できて湯切れが良く、一定少量の溶湯を間欠的に出湯して、高速のサイクルピッチによる注湯制御を行うことができるためバランスウェイト部材1の生産効率に優れている。
次に、本発明に係るバランスウェイト部材の金型の注湯口について説明する。図6は、注湯口の実施形態を示す側面図であり、図7は、注湯口の湯口部の実施形態を示す斜視図である。図6及び図7では、金型を仮想線で示す。
本実施形態において注湯口30は、キャビティ31と、上部を方形に開口した漏斗状で一面を緩やかに傾斜した湯口部34とを、細長のスリット状に形成したゲート口32によって接続してなる。キャビティ31は、金型3の型合せにより形成される。また、クリップ11は、図6に示すように、通孔11aがキャビティ31に配置されるように金型3にセットされる。
湯口部34の緩斜面には、図7に示したように、その上部からゲート口32まで樋状の溝33を形成する。また、スリット状のゲート口32は、製造するバランスウェイト部材1の大きさ(重量)に応じて所定の寸法に形成される。その範囲は、そのスリット幅が1mm乃至3mmで、長さは5mm乃至20mm程度である。
この注湯口30に、注湯機2から溶湯を自重落下させる。注湯機2では、一定時間だけ出湯口22を開放して溶湯を出湯するが、自重落下のため溶融槽20の溶湯高さが低くなってくると出湯量が減る。したがって、鋳造初期状態では、図6に実線で示したように、溶湯が湯口部34いっぱいに充填されるように出湯口22の開放時間等を調整する。
上記のごとく構成した注湯口は、注湯口30の斜面に溝33を形成したことにより、溶融亜鉛をこの溝に沿って流すことで滑らかな流れを確保でき、また、ゲート口32を細長のスリット状に形成したことにより、所定の隙間を確保して注湯口30から確実にキャビティ31の空気を抜くことができる。そのため、バランスウェイト部材1に気泡が混入することを防止して重量精度を向上することができる。
また、ゲート口32を細長のスリット状に形成したことにより、注湯口30の亜鉛を切断する際に、ゲートカッタ(図示せず)によって綺麗に切断することができ、バランスウェイト部材1の表面を滑らかに仕上げて重量精度に優れたバランスウェイト部材1を効率よく得ることができる。
本発明に係るバランスウェイト部材をタイヤホイールに取り付けた状態で示す正面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 注湯機の実施形態を示す部分断面図である。 注湯機の出湯口の付近を拡大して示す断面図である。 注湯口を示す側面断面図である。 注湯口の湯口部を示す斜視図である。
符号の説明
1 バランスウェイト部材
10 ウェイト本体
10a 張出部
11 クリップ
2 注湯機
20 溶融槽
21 保護管
22 出湯口
22a テーパ穴部
22b 出湯孔
22c 開口端
23 底部ヒータ
26 縦筒
26a テーパ部
27 弁棒
27a テーパ頭部
28 環状隙間
3 金型
30 注湯口
31 キャビティ
32 ゲート口
33 溝
34 湯口部
A、B テーパ角

Claims (3)

  1. タイヤホイールに固定するためのクリップを、重錘要素であるウェイト本体に一体に鋳造して形成したバランスウェイト部材において、
    前記ウェイト本体は、溶融した純亜鉛材を溶湯として注湯機から自重落下することにより金型に充填成形し、前記金型は、漏斗状に形成した注湯口のゲート口を細長のスリット状に形成すると共に、前記注湯口の斜面に、注湯をゲート口まで案内する樋状の溝を中央に設けてなり、前記クリップを中心としてタイヤホイールの周方向に張出した2つの張出部を備えると共に、これら2つの張出部の外周面をタイヤホイールのリム内周面と接して、その反力をリム外周面で前記クリップにより受けて固定したことを特徴とするバランスウェイト部材。
  2. 前記注湯機は、溶湯加熱手段のほかに、吐出温度制御用の出湯加熱手段を備えることを特徴とする請求項記載のバランスウェイト部材。
  3. 前記注湯機は、底部にテーパ穴部を介して出湯孔を貫通形成した出湯口と、この出湯孔を開閉するニードル状の弁棒からなる開閉弁とを備え、前記テーパ穴部と前記弁棒のテーパ頭部とのテーパ角度差を所定の範囲に形成したことを特徴とする請求項記載のバランスウェイト部材。
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