【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は直液式筆記具に関する。さらに詳細には、ペン先とインキタンクとの間に多孔質材料よりなるインキ吸蔵体を設けた直液式筆記具に関する。尚、本発明で「前」とはペン先方向を指し、「後」とはインキタンク方向を指す。
【０００２】
【従来の技術】
＜実公昭５６−３３７３９号公報＞ 従来、実公昭５６−３３７３９号公報には、「軸筒の先端に筆記体を止着し、該筆記体の後部と当接する毛管作用を有するインキ吸蔵体を軸筒内面との間に外気と連通する通気路が存しうるよう軸筒内に装着し、該インキ吸蔵体の後端に圧縮部材を取り付けて、該取り付け部におけるインキ吸蔵体の毛管間隙を密になし、このインキ吸蔵体の後端部と軸筒後部内に設けたインキタンクとを連絡孔により連通せしめた筆記具。」が開示されている。
【０００３】
しかし、前記実公昭５６−３３７３９号公報の筆記具は、インキタンクからのインキをインキ吸蔵体に一旦、吸収させ、その吸収したインキをペン先より消費する、いわゆる中綿式筆記具である。そのため、前記公報の筆記具は、インキタンク内のインキがインキ誘導部材等を介してダイレクトにペン先に供給されないことから、ペン先からのインキ吐出量が不足し、筆跡が薄くなったり、筆跡がかすれがちであり、長期にわたって滑らかな書き味が得られない。
【０００４】
＜実公昭３７−１２９３９号公報＞ また、実公昭３７−１２９３９号公報には、インキ筒内に、インキ貯蔵部（本願のインキタンクに相当）と、該インキ貯蔵部前方のフェルト屑または綿が充填された充填室（本願のインキ吸蔵体に相当）と、該充填室とインキ貯蔵部とを区切る、小孔（本願の連通孔に相当）が穿設された座板（本願の隔壁に相当）とを設け、前記座板及び充填室に、樹脂加工を施した細長のフェルト（本願のインキ誘導部材に相当）を貫装させた万年筆型フェルトペンが開示されている。
【０００５】
前記実公昭３７−１２９３９号公報の筆記具は、インキタンクとペン先とをインキ誘導部材によってインキ吸蔵体を介さずダイレクトに接続した直液式筆記具であるため、ペン先からのインキ吐出性は良好であるとしても、インキ吸蔵体全体の毛細管力が均一であるため、ペン先下向き状態で長時間保管しておくと、インキ吸蔵体の前部にインキが集中しがちであり、落下等の衝撃時やキャップの取り外し時にインキが外部に漏出するおそれがある。
【０００６】
その上、前記実公昭３７−１２９３９号公報の筆記具は、インキ吸蔵体前部にインキを集中させやすいことばかりか、インキ誘導部材外面とインキ吸蔵体内面との接触が不安定であるため、温度変化等によってインキタンク内が減圧状態になったとき、インキ吸蔵体前部のインキがインキタンク内にスムーズに戻らず、インキ吸蔵体前部にインキを残留させたまま、インキタンク内に空気を取り込みやすい。その結果、インキタンク内の空気の膨張・収縮が繰り返されると、インキ吸蔵体前部の残留インキが次第に増加し、最後にはペン先側よりインキを漏出させてしまうおそれがある。
【０００７】
＜特表平６−５１０４９１号公報＞ さらに、特表平６−５１０４９１号公報には、毛管状供給管（本願のインキ誘導部材に相当）を毛管状貯液器（本願のインキ吸蔵体に相当）と直接接触させ、該毛管状供給管を隔壁の開口（本願の中心孔に相当）に嵌合させ、該開口を塞ぎ、該開口に嵌合させた毛管状供給管によって、空気とインキの交替作用をさせる空隙（本願の連通孔に相当）を形成した直液式筆記具が開示されている。
【０００８】
一般に、前記空隙（即ち連通孔）は、インキタンクとインキ吸蔵体との間のインキ及び空気の流通を、その大きさにより規制するものであり、空気とインキのやりとりをする上で、高い寸法精度が要求される箇所である。
【０００９】
もし、前記連通孔の大きさが過度に大きい場合、その毛細管力が弱くなり、インキタンク減圧時、インキ吸蔵体からインキタンクへのスムーズなインキの戻りが阻害され、インキ吸蔵体にインキを残留させたまま、外部空気をインキタンク内に取り込み、インキタンク内の減圧状態を解消させてしまう。そして、インキタンクの内圧が上昇すると、インキ保持部では溢出インキを十分保持できず、ペン先側よりインキが漏出するおそれがある。
【００１０】
一方、前記連通孔の大きさが過度に小さい場合、その毛細管力が強くなり、減圧状態のインキタンク内への空気侵入が抑止されて円滑な空気交替性が阻害され、その結果、インキタンク内の減圧状態が解消されず、インキ消費を開始してから次第に、ペン先からのインキ吐出量が不足し、筆跡が薄くなる。
【００１１】
したがって、前記特表平６−５１０４９１号公報の直液式筆記具は、インキ誘導部材が多孔質材や繊維質材からなるため、隔壁の中心孔に嵌合したインキ誘導部材中の複数の空隙サイズが広くばらつき、その中でも最も大きい空隙が、通気作用をする本願の連通孔となる。
【００１２】
そのため、インキ吸蔵体にインキを残留させることにより生じるペン先からのインキ漏出事故のないよう、連通孔となる最も大きい空隙を小さく設定するには、前記空隙サイズのばらつきを考慮すると、予め、中心孔のインキ誘導部材の毛細間隙をかなり密にする必要がある。その結果、連通孔の毛細管力が強くなり過ぎ、減圧状態のインキタンク内に外部空気が容易には取り込まれず、インキ消費開始から次第にペン先からのインキ吐出性を低下させる。
【００１３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであって、ペン先側からのインキ漏出の十分な抑止性と、ペン先からの十分なインキ吐出性とを同時に満足する直液式筆記具を提供しようとするものである。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
（概要） 本発明は、ペン先２とインキタンク３との間に多孔質材料よりなるインキ吸蔵体４を設け、前記インキ吸蔵体４と前記インキタンク３との間に、その両者間を連通させる連通孔５１を備える隔壁５を設けた直液式筆記具１であって、前記隔壁５に、インキタンク３からペン先２へインキを供給する棒状のインキ誘導部材６を貫装させると共に、前記インキ吸蔵体４の後端部に毛細管力を増強させる縮径部４１を設けたこと（請求項１）を要件とする。
【００１５】
前記請求項１の直液式筆記具１は、縮径部４１によってインキ吸蔵体４の後端部の毛細管力が増強される。それにより、ペン先２を下向きにしたとしても、インキ吸蔵体４の後端部（即ち縮径部４１）に常にインキを集中させ、そこにインキタンク３減圧時の空気侵入を抑止するインキバリアを形成することができる。
【００１６】
さらに、前記請求項１の直液式筆記具１は、前記縮径部４１及び隔壁５に、インキタンク３からペン先２へインキを供給する棒状のインキ誘導部材６を貫装させた構成によって、インキタンク３内のインキをペン先２へ、インキ吸蔵体４を介さず、毛細管力の強くインキ誘導機能に優れたインキ誘導部材６を介して供給することができ、ペン先２から潤沢なインキが途切れることなく連続的に吐出され、筆跡が薄くなったり筆跡がかすれることがなく、滑らかな筆記感が得られる。
【００１７】
（連通孔） また、前記請求項１の直液式筆記具１において、前記連通孔５１が、０．０３ｍｍ〜０．１５ｍｍの溝幅Ｓを備えた長孔であること（請求項２）が好ましい。
【００１８】
前記連通孔５１は、隔壁５に軸方向に貫通されるものであり、前記連通孔５１を介して縮径部４１とインキタンク３とが連通されている。前記連通孔５１は、インキタンク３とインキ吸蔵体４との間のインキ及び空気を流通させる、インキと空気の交替路であり、その大きさ（即ち毛細管力）によりインキ及び空気の流通を規制するものである。
【００１９】
前記連通孔５１の形状は、横断面が円形状でもよいが、長孔（例えば曲線状又は直線状の細長い溝形状又はスリット形状）にすることによって、毛細管力の確実な設定が可能となり、製造上有利となる。
【００２０】
また、本願では、前記連通孔５１を、空隙ばらつきの大きい多孔質材等からは形成せず、隔壁５（非多孔質体）により形成したことによって、適正な大きさ（即ち適正な毛細管力）に正確に設定できる。
【００２１】
前記連通孔５１の溝幅Ｓが０．０３ｍｍより小さい場合、連通孔５１の毛細管力が過度に強くなるため、減圧状態のインキタンク３内に外部より空気がスムーズに取り込まれず、その結果、インキタンク３内の減圧状態が解消されず、ペン先２からのインキ吐出量が不足し、筆跡がかすれるおそれがある。
【００２２】
一方、連通孔５１の溝幅Ｓが０．１５ｍｍより大きい場合、連通孔５１の毛細管力が過度に弱くなるため、インキ吸蔵体４内の大部分のインキがインキタンク３内に戻る以前に、外部空気が減圧状態のインキタンク３内に抵抗なく容易に入ってしまい、インキ吸蔵体４内にインキを残留させがちである。
【００２３】
さらに、前記溝幅Ｓは、より一層、外部より空気をインキタンク３内へスムーズに取り込むことが可能となり、且つ、インキ吸蔵体４内でのインキ残留の抑止が可能な点で、０．０４ｍｍ〜０．１ｍｍの範囲が好ましく、さらに好ましくは前記作用効果を確実にする点で、０．０４ｍｍ〜０．０７ｍｍの範囲が有効である。
【００２４】
（縮径部） また、前記請求項１又は２の直液式筆記具１において、前記縮径部４１内面と前記インキ誘導部材６外面とを密接させてなること（請求項３）が好ましい。
【００２５】
それにより、インキタンク３減圧時の縮径部４１内のインキを、連通孔５１のみならず、縮径部４１と密接するインキ誘導部材６を通じてインキタンク３内に、空気を巻き込むことなく連続的に戻すことができ、インキ吸蔵体４のペン先２側にインキを多量に残留させず、インキ漏出事故を未然に防ぐことができる。
【００２６】
前記縮径部４１は、インキ吸蔵体４の後端部外周面を径方向（具体的には径方向内方又は外方）に圧縮変形させることにより形成される。それによって、インキ吸蔵体４の後端部（縮径部４１）は、前方の他の部分よりも毛細間隙の間隙幅が小さくなり、前方の他の部分よりも毛細管力が強く設定される。具体的には、前記縮径部４１の平均毛細管力は、連通孔５１の平均毛細管力と同程度に設定されることが好ましい。それにより、より一層、減圧状態のインキタンク３内への空気の取り込みが円滑になると共に、インキ吸蔵体４でのインキの残留を十分抑止できる。
【００２７】
（隔壁） 前記隔壁５は、インキタンク３とインキ吸蔵体４の収容部とを仕切る非多孔質材料よりなるものであり、インキタンク３とインキ吸蔵体４とを連通する連通孔５１と、インキ誘導部材６が貫装される中心孔５２とを備えると共に、その前面はインキ吸蔵体４後端面（即ち縮径部４１）を軸方向に圧接支持する。前記隔壁５前面が縮径部４１と接触しているため、連通孔５１と縮径部４１とがインキ流通可能になるよう接続されている。
【００２８】
また、前記隔壁５の中心孔５２内面に、インキ誘導部材６外面を接触支持させ、前記インキ誘導部材６を安定固定させることもできる。また、前記隔壁５は、インキタンク３や軸筒７と一体に形成されてもよいし、あるいは図１及び図５に示すようにインキタンク３や軸筒７に対して別部材の取り付けによって構成されてもよい。
【００２９】
（インキ吸蔵体） 前記インキ吸蔵体４は、インキタンク３内の圧力変化に応じた溢出インキを一時的に保持する機能を有するものである。インキタンク３内が加圧状態の場合（温度変化等によるインキタンク３の内圧が上昇した場合）、インキタンク３内のインキは連通孔５１及びインキ誘導部材６を通じてインキ吸蔵体４内に一時的に保持される。
【００３０】
一方、インキタンク３内が減圧状態の場合（温度変化等によるインキタンク３の内圧が減少したり、あるいはペン先２からインキが消費された場合）、インキ吸蔵体４内のインキは、連通孔５１を通じてインキタンク３内に戻され、さらにインキタンク３内が減圧状態にあると、インキ吸蔵体４内の大部分のインキがインキタンク３内に移行し、最後には空気が外部よりインキタンク３内に入り、その減圧状態が解消される。
【００３１】
前記多孔質材料よりなるインキ吸蔵体４としては、例えば、繊維束の熱融着加工体、繊維束の樹脂加工体、フェルトの樹脂加工体、フェルトのニードルパンチ加工体、合成樹脂の連続気泡体等を挙げることができる。
【００３２】
（インキ誘導部材） 前記インキ誘導部材６は、少なくとも、その外周面より径方向外方に開口する軸方向のインキ導出路を備えるものならばよく、例えば繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、軸方向のインキ導出溝を有する合成樹脂の押出成形体又は射出成形体等、適宜採用される。ペン先２へインキを潤沢且つ円滑に供給するには、少なくとも前記インキ誘導部材６の毛細管力は、インキ吸蔵体４の縮径部４１及び連通孔５１の毛細管力より強く設定される。
【００３３】
（ペン先） 前記ペン先２は、インキ誘導部材６とインキ流通可能に接続され、インキ誘導部材６から供給されたインキを紙面等の外部に吐出可能なものであればいずれであってもよく、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成樹脂の連続気泡体、合成樹脂の押出形成体、ボールペンチップ、万年筆型板状ペン体、細管状ペン体等、挙げられる。また、ペン先２とインキ誘導部材６とを一部材で構成し、インキ誘導部材６がペン先２を兼ねる構成であってもよい。
【００３４】
（インキタンク） 前記インキタンク３は、インキ吸蔵体４の縮径部４１とインキ流通可能に接続されていればよく、具体的には、インキ吸蔵体４を収容する筒状体（例えば軸筒７、吸蔵体収容筒８、隔壁５、または縮径部材９等）と一体に形成する構成、あるいは前記筒状体に取り付ける別部材（例えば、着脱自在且つ交換可能なインキカートリッジ）の取り付けによる構成等、挙げることができる。
【００３５】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【００３６】
＜第１実施例＞ 図１〜図４に本発明の第１実施例の直液式筆記具１を示す。本実施例の直液式筆記具１は、主に、インキ吸蔵体４を内部に収容する吸蔵体収容筒８と、該吸蔵体収容筒８を前部に設け且つその後方に隔壁５を介してインキタンク３を形成した軸筒７と、該軸筒７のインキ吸蔵体４内に軸方向に貫装され、後端をインキタンク３内に露出させ且つ前端をペン先２として外部に突出させたインキ誘導部材６とからなる。
【００３７】
（吸蔵体収容筒） 前記吸蔵体収容筒８は、その前部でペン先２を保持し、その内部でインキ吸蔵体４を収容する筒状体である。前記吸蔵体収容筒８の後端部内面には、筒状の縮径部材９が固着され、吸蔵体収容筒８後部の内径が小さく設定されている。
【００３８】
そして、前記吸蔵体収容筒８内に、合成樹脂製繊維束（例えばポリエステル樹脂製の長手方向に引き揃えられた繊維束）の熱融着加工体からなるインキ吸蔵体４がその後端開口部より圧入される。この時、インキ吸蔵体４は、特に、その後端部が、前記縮径部材９によって、径方向内方に圧縮され、そこに縮径部４１が形成される。前記インキ吸蔵体４は、吸蔵体収容筒８に圧入する以前は、直円筒状であり、均一な毛細間隙（即ち均一な毛細管力）を備えている。そのため、インキ吸蔵体４後端部の縮径部４１は、圧縮変形によってインキ吸蔵体４の他の部分より強い毛細管力を有する。
【００３９】
前記吸蔵体収容筒８は、その先細の前部にて空気流通可能にペン先２を保持する。また、前記吸蔵体収容筒８の内面には、リブ８１が設けられ、インキ吸蔵体４の前端を当接支持し、インキ吸蔵体４の脱落を防止している。
【００４０】
（インキ誘導部材） 前記インキ吸蔵体４の軸心には、合成樹脂製繊維（例えばポリエステル繊維、アクリル繊維等）の樹脂加工体からなる棒状のインキ誘導部材６が、インキ吸蔵体４の前方から後方へ突き刺し貫通させることによって取り付けられ、インキ誘導部材６の外周面がインキ吸蔵体４の内周面と直接接触されている。特に、インキ誘導部材６の外面は、インキ吸蔵体４後端部の径方向外方から内方への圧縮変形よりなる縮径部４１によって、インキ吸蔵体４の後端部内面と径方向に強く密接している。それにより、インキ吸蔵体４とインキ誘導部材６のインキ接続を安定させるばかりか、インキ誘導部材６の軸筒７前方からの脱落を防止できる。
【００４１】
また、前記インキ誘導部材６の後端は、硬質な尖頭部材６１が固着され、それにより、インキ吸蔵体４への挿入性を向上させている。また、前記インキ誘導部材６の前端は、適宜形状に形成され、ペン先２として前方外部へ突出している。
【００４２】
（縮径部材） 前記縮径部材９は、筒状の前部９１が、吸蔵体収容筒８内に圧入され、インキ吸蔵体４の後端部を縮径するのに利用され、筒状の後部９２が、インキタンク３内に突出し、インキ誘導部材６の後端の尖頭部材６１を保持している。前記筒状の後部９２には、インキタンク３とインキ誘導部材６を連通させ、且つ、インキタンク３内と隔壁５後面とを連通させる横孔９２ａが設けられている。また、前記筒状の前部９１と、前記筒状の後部９２の間には、フランジ部９３が連設され、それが吸蔵体収容筒８の後端と軸筒７内面の段部７１とにより、軸方向に挟持されている。
【００４３】
（隔壁） 前記隔壁５は、円板状非多孔質体であり、前記縮径部材９内に圧入固着されている。図１及び図３に示すように、前記縮径部材９の内面には複数本（ここでは８本）の軸方向の溝が設けられ、前記縮径部材９内面の溝を有する箇所に、前記隔壁５を圧入させると、隔壁５外面と縮径部材９内面との間にスリット状の連通孔５１が形成される。前記連通孔５１は、横断面形状が、均一な溝幅Ｓを有する円弧状または長方形状の長孔であり、その溝幅Ｓ（即ち径方向の溝幅）は、０．０４ｍｍ〜０．０７ｍｍに設定されている。また、前記隔壁５の軸心には中心孔５２が貫設され、そこにインキ誘導部材６が貫装されている。
【００４４】
＜第２実施例＞ 図５及び図６に本発明の第２実施例の直液式筆記具１を示す。本実施例の直液式筆記具１は、主に、インキ吸蔵体４を内部に収容する吸蔵体収容筒８と、該吸蔵体収容筒８を前部に設け且つその後方に隔壁５を介してインキタンク３を形成した軸筒７と、該軸筒７のインキ吸蔵体４内に軸方向に貫装され、後端をインキタンク３内に露出させ且つ前端をペン先２として外部に突出させたインキ誘導部材６とからなる。
【００４５】
（吸蔵体収容筒） 前記吸蔵体収容筒８は、その前部でペン先２を保持し、その内部でインキ吸蔵体４を収容する筒状体である。前記吸蔵体収容筒８の後端部内面には、縮径部材９を兼ねる隔壁５が固着され、吸蔵体収容筒８後部の内径が小さく設定されている。
【００４６】
前記吸蔵体収容筒８内に、合成樹脂製繊維束（例えばポリエステル樹脂製の長手方向に引き揃えられた繊維束）の熱融着加工体からなるインキ吸蔵体４がその後端開口部より圧入される。この時、インキ吸蔵体４は、特に、その後端部が、前記縮径部材９の前部９１によって、径方向外方に圧縮され、そこに縮径部４１が形成される。前記インキ吸蔵体４は、吸蔵体収容筒８に圧入する以前は、直円筒状であり、均一な毛細間隙（即ち均一な毛細管力）を備えている。そのため、インキ吸蔵体４後端部の縮径部４１は、圧縮変形によってインキ吸蔵体４の他の部分より強い毛細管力を有する。
【００４７】
また、前記吸蔵体収容筒８は、その先細の前部にて空気流通可能にペン先２を保持する。また、前記吸蔵体収容筒８の内面には、リブ８１が設けられ、インキ吸蔵体４の前端を当接支持し、インキ吸蔵体４の脱落を防止している。
【００４８】
（隔壁） 前記隔壁５は、筒状の前部９１とフランジ部９３とが一体に連設されてなる。一方、前記吸蔵体収容筒８の後端部内面には、図６に示すように複数本（ここでは４本）の軸方向の溝が設けられ、前記溝を有する箇所に、前記隔壁５のフランジ部９３を圧入させると、フランジ部９３外面と吸蔵体収容筒８内面との間にスリット状の連通孔５１が形成される。前記連通孔５１は、横断面形状が、均一な溝幅Ｓを有する円弧状の長孔であり、その溝幅Ｓ（即ち径方向の溝幅）は、０．０４ｍｍ〜０．０７ｍｍに設定されている。また、前記隔壁５の軸心には中心孔５２が貫設され、そこに棒状のインキ誘導部材６（例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の合成樹脂繊維の樹脂加工体）が貫装されている。
【００４９】
（作用） 前記第１，第２実施例の直液式筆記具１において、インキタンク３内のインキは、該インキタンク３の内圧上昇に伴いインキ吸蔵体４に溢出・吸収される。前記溢出インキは、インキ吸蔵体４の後端の縮径部４１から該縮径部４１前方のインキ吸蔵体４に空気を介在させることなく連続的にに保持されている。そのため、インキタンク３内の減圧時、インキ吸蔵体４前部からインキタンク３へのインキのリターンバックを空気の巻き込みを防止した途切れのない円滑なものにできる。
【００５０】
【発明の効果】
本発明の直液式筆記具は、請求項１の構成により、インキ吸蔵体前部のインキ残留を抑え、ペン先側からのインキ漏出を防止すると同時に、ペン先からの十分なインキ吐出量を得ることができる。
【００５１】
本発明の直液式筆記具は、請求項２の構成により、連通孔の毛細管力を所望の強さに設定でき、製造上有利となり、ペン先側からのインキ漏出防止と、ペン先からの十分なインキ吐出性とが、同時に、より一層ばらつきなく満足される。
【００５２】
本発明の直液式筆記具は、請求項３の構成により、インキタンク減圧時の縮径部内のインキを、連通孔のみならず、縮径部と密接するインキ誘導部材を通じてインキタンク内に、空気を巻き込むことなく連続的に戻すことができ、インキ吸蔵体前部にインキを残留させず、インキ漏出事故を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例を示す縦断面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。
【図３】図１のＢ−Ｂ線拡大断面図である。
【図４】図１のＣ−Ｃ線拡大断面図である。
【図５】本発明の第２実施例を示す縦断面図である。
【図６】図５のＤ−Ｄ線拡大断面図である。
【符号の説明】
１ 直液式筆記具
２ ペン先
３ インキタンク
４ インキ吸蔵体
４１ 縮径部
５ 隔壁
５１ 連通孔
５２ 中心孔
６ インキ誘導部材
６１ 尖頭部材
７ 軸筒
７１ 段部
８ 吸蔵体収容筒
８１ リブ
９ 縮径部材
９１ 前部
９２ 後部
９２ａ 横孔
９３ フランジ部
Ｓ 連通孔の溝幅[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a direct liquid writing instrument. More specifically, the present invention relates to a direct liquid writing instrument in which an ink occlusion body made of a porous material is provided between a nib and an ink tank. In the present invention, “front” refers to the pen tip direction, and “rear” refers to the ink tank direction.
[0002]
[Prior art]
<Japanese Utility Model Publication No. 56-33739> Conventionally, Japanese Utility Model Publication No. 56-33739 discloses that an ink occlusion body having a capillary action that attaches a writing body to the tip of a shaft tube and comes into contact with the rear portion of the writing body. Installed in the shaft cylinder so that there can be an air passage communicating with the outside air between the inner surface of the shaft cylinder, a compression member is attached to the rear end of the ink storage body, and the capillary gap of the ink storage body in the mounting portion is A writing instrument in which the rear end portion of the ink occlusion body and the ink tank provided in the rear portion of the shaft cylinder are communicated with each other through a communication hole is disclosed.
[0003]
However, the writing instrument of the Japanese Utility Model Publication No. 56-33739 is a so-called batting type writing instrument in which the ink from the ink tank is once absorbed by the ink occlusion body and the absorbed ink is consumed from the pen tip. For this reason, the writing instrument of the above publication does not supply the ink in the ink tank directly to the pen tip via the ink guiding member or the like, so that the ink discharge amount from the pen tip is insufficient, the handwriting becomes thin, or the handwriting is It tends to be faint and smooth writing cannot be obtained over a long period of time.
[0004]
<Japanese Utility Model Publication No. 37-12939> Japanese Utility Model Publication No. 37-12939 discloses an ink storage section (corresponding to an ink tank of the present application) and felt waste or cotton in front of the ink storage section in an ink cylinder. A seat plate (corresponding to the partition wall of the present application) having a filled hole (corresponding to the ink storage body of the present application) and a small hole (corresponding to the communication hole of the present application) that separates the filling chamber and the ink storage part. ), And a long felt felt (corresponding to the ink guide member of the present application) that has been subjected to resin processing is provided in the seat plate and the filling chamber.
[0005]
The writing instrument disclosed in the Japanese Utility Model Publication No. 37-12939 is a direct liquid writing instrument in which an ink tank and a pen tip are directly connected by an ink guiding member without using an ink occlusion body, so that ink discharge from the pen tip is good. However, since the capillary force of the entire ink occlusion body is uniform, if it is stored for a long time with the pen tip facing downward, the ink tends to concentrate on the front part of the ink occlusion body, and impact such as dropping There is a risk of ink leaking outside when removing the cap.
[0006]
Moreover, the writing instrument of the Japanese Utility Model Publication No. 37-12939 is not only easy to concentrate ink on the front part of the ink occlusion body, but also because the contact between the outer surface of the ink guiding member and the inner surface of the ink occlusion body is unstable. When the inside of the ink tank is depressurized due to changes, etc., the ink in the front of the ink occlusion body does not return smoothly into the ink tank, and air remains in the front of the ink occlusion body, leaving air in the ink tank. Easy to capture. As a result, if the expansion and contraction of the air in the ink tank is repeated, the residual ink at the front portion of the ink occlusion body gradually increases, and there is a possibility that ink may leak out from the pen tip side.
[0007]
<Special Table No. 6-510491> Further, Japanese Patent Application No. 6-510491 discloses a capillary supply tube (corresponding to the ink guiding member of the present application) and a capillary reservoir (corresponding to the ink storage body of the present application). The capillary supply tube is fitted into the opening of the partition wall (corresponding to the center hole of the present application), the opening is closed, and the capillary supply tube fitted into the opening is used to supply air and ink. A direct liquid type writing instrument in which a gap (corresponding to the communication hole of the present application) for performing an alternating action is formed is disclosed.
[0008]
In general, the gap (that is, the communication hole) regulates the flow of ink and air between the ink tank and the ink occlusion body according to the size thereof, and has a high dimension for exchanging air and ink. This is where accuracy is required.
[0009]
If the size of the communication hole is excessively large, the capillary force is weakened, and when the ink tank is depressurized, smooth ink return from the ink occlusion body to the ink tank is hindered, and ink remains in the ink occlusion body. As it is, external air is taken into the ink tank, and the decompressed state in the ink tank is eliminated. When the internal pressure of the ink tank increases, the ink holding part cannot hold the overflow ink sufficiently, and the ink may leak out from the pen tip side.
[0010]
On the other hand, when the size of the communication hole is excessively small, the capillary force becomes strong, air intrusion into the ink tank in the reduced pressure state is suppressed, and smooth air changeability is hindered. The reduced pressure state is not resolved, and gradually after the ink consumption is started, the ink discharge amount from the pen tip becomes insufficient and the handwriting becomes thin.
[0011]
Therefore, in the direct liquid writing instrument of the above-mentioned Japanese translation of PCT publication No. 6-510491, since the ink guiding member is made of a porous material or a fibrous material, a plurality of void sizes in the ink guiding member fitted in the central hole of the partition wall. Vary widely, and the largest gap among them is the communication hole of the present application that performs the ventilation function.
[0012]
Therefore, in order to prevent the ink leakage from the pen tip caused by ink remaining in the ink occlusion body, in order to set the largest gap as the communication hole small, in consideration of the gap size variation, It is necessary to make the capillary gap of the ink guide member of the hole fairly close. As a result, the capillary force of the communication hole becomes too strong, the external air is not easily taken into the ink tank in the reduced pressure state, and the ink discharge performance from the pen tip gradually decreases from the start of ink consumption.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-described conventional problems, and provides a direct liquid type writing instrument that satisfies both sufficient deterrence of ink leakage from the pen tip side and sufficient ink discharge performance from the pen tip. It is something to try.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
(Outline) In the present invention, an ink occlusion body 4 made of a porous material is provided between the nib 2 and the ink tank 3, and the ink occlusion body 4 and the ink tank 3 communicate with each other. A direct liquid writing instrument 1 provided with a partition wall 5 having a communication hole 51 to be inserted, and a rod-shaped ink guide member 6 for supplying ink from the ink tank 3 to the nib 2 is inserted through the partition wall 5, and It is a requirement that the reduced diameter portion 41 for enhancing the capillary force is provided at the rear end portion of the ink occlusion body 4 (Claim 1).
[0015]
In the direct liquid writing instrument 1 according to the first aspect, the capillary force of the rear end portion of the ink occlusion body 4 is enhanced by the reduced diameter portion 41. As a result, even if the pen tip 2 is faced downward, the ink is always concentrated on the rear end portion (that is, the diameter-reduced portion 41) of the ink occlusion body 4, and the ink barrier that suppresses air intrusion when the ink tank 3 is depressurized there. Can be formed.
[0016]
Further, the direct liquid writing instrument 1 according to claim 1 has a configuration in which a rod-shaped ink guide member 6 that supplies ink from the ink tank 3 to the pen tip 2 is inserted in the reduced diameter portion 41 and the partition wall 5. The ink in the ink tank 3 can be supplied to the nib 2 via the ink guiding member 6 having a strong capillary force and an excellent ink guiding function without going through the ink occlusion body 4. The ink is continuously discharged without interruption, and the handwriting does not become thin or the handwriting does not fade, and a smooth writing feeling can be obtained.
[0017]
(Communication hole) Moreover, in the direct liquid writing instrument 1 according to the first aspect, the communication hole 51 is preferably a long hole having a groove width S of 0.03 mm to 0.15 mm (Claim 2). .
[0018]
The communication hole 51 penetrates the partition wall 5 in the axial direction, and the reduced diameter portion 41 and the ink tank 3 are communicated with each other through the communication hole 51. The communication hole 51 is an alternate path between ink and air that allows the ink and air to flow between the ink tank 3 and the ink storage body 4, and restricts the flow of ink and air by its size (ie, capillary force). To do.
[0019]
The shape of the communication hole 51 may be circular in cross section, but by making it a long hole (for example, a curved or straight elongated groove shape or slit shape), the capillary force can be reliably set and manufactured. This is advantageous.
[0020]
Further, in the present application, the communication hole 51 is not formed from a porous material or the like having a large gap variation but is formed from the partition wall 5 (non-porous body), so that an appropriate size (that is, an appropriate capillary force) is obtained. Can be set accurately.
[0021]
When the groove width S of the communication hole 51 is smaller than 0.03 mm, the capillary force of the communication hole 51 becomes excessively strong, so that air is not smoothly taken in from the outside into the ink tank 3 in a reduced pressure state. The decompressed state in the tank 3 is not eliminated, the ink discharge amount from the pen tip 2 is insufficient, and the handwriting may be faded.
[0022]
On the other hand, when the groove width S of the communication hole 51 is larger than 0.15 mm, the capillary force of the communication hole 51 becomes excessively weak, so that most of the ink in the ink occlusion body 4 returns to the ink tank 3. The external air easily enters the ink tank 3 in a reduced pressure state without resistance, and the ink tends to remain in the ink occlusion body 4.
[0023]
Further, the groove width S is 0.04 mm in that air can be smoothly taken into the ink tank 3 from the outside and ink residual in the ink storage 4 can be suppressed. The range of .about.0.1 mm is preferable, and the range of 0.04 mm to 0.07 mm is effective in terms of ensuring the above-described effects.
[0024]
(Reduced diameter portion) In the direct liquid writing instrument 1 according to claim 1 or 2, it is preferable that the inner surface of the reduced diameter portion 41 and the outer surface of the ink guide member 6 are in close contact (claim 3).
[0025]
Thereby, the ink in the reduced diameter portion 41 when the ink tank 3 is depressurized continuously without involving air in the ink tank 3 not only through the communication hole 51 but also through the ink guide member 6 in close contact with the reduced diameter portion 41. Thus, a large amount of ink does not remain on the pen tip 2 side of the ink occlusion body 4, and an ink leakage accident can be prevented in advance.
[0026]
The reduced diameter portion 41 is formed by compressing and deforming the outer peripheral surface of the rear end portion of the ink storage body 4 in the radial direction (specifically, inward or outward in the radial direction). Accordingly, the gap width of the capillary gap is smaller at the rear end portion (the reduced diameter portion 41) of the ink occlusion body 4 than at the other front portion, and the capillary force is set stronger than the other front portion. Specifically, the average capillary force of the reduced diameter portion 41 is preferably set to be approximately the same as the average capillary force of the communication hole 51. As a result, air can be more smoothly taken into the ink tank 3 under reduced pressure, and ink remaining in the ink occlusion body 4 can be sufficiently suppressed.
[0027]
(Partition Wall) The partition wall 5 is made of a non-porous material that partitions the ink tank 3 and the storage portion of the ink storage body 4, and includes a communication hole 51 that connects the ink tank 3 and the ink storage body 4, and ink. A center hole 52 through which the guide member 6 is inserted is provided, and the front surface thereof press-supports the rear end surface (that is, the reduced diameter portion 41) of the ink storage body 4 in the axial direction. Since the front surface of the partition wall 5 is in contact with the reduced diameter portion 41, the communication hole 51 and the reduced diameter portion 41 are connected so that ink can flow.
[0028]
Further, the outer surface of the ink guide member 6 can be contacted and supported on the inner surface of the center hole 52 of the partition wall 5 so that the ink guide member 6 can be stably fixed. Further, the partition wall 5 may be formed integrally with the ink tank 3 or the shaft cylinder 7, or may be configured by attaching a separate member to the ink tank 3 or the shaft cylinder 7 as shown in FIGS. May be.
[0029]
(Ink Occlusion Body) The ink occlusion body 4 has a function of temporarily holding overflow ink corresponding to a pressure change in the ink tank 3. When the inside of the ink tank 3 is in a pressurized state (when the internal pressure of the ink tank 3 increases due to a temperature change or the like), the ink in the ink tank 3 temporarily enters the ink occlusion body 4 through the communication hole 51 and the ink guide member 6. Retained.
[0030]
On the other hand, when the inside of the ink tank 3 is in a depressurized state (when the internal pressure of the ink tank 3 is reduced due to a temperature change or the ink is consumed from the nib 2), the ink in the ink occlusion body 4 passes through the communication hole. When the ink tank 3 is returned to the ink tank 3 through 51 and the inside of the ink tank 3 is in a reduced pressure state, most of the ink in the ink occlusion body 4 moves into the ink tank 3, and finally air is supplied from the outside to the ink tank. 3 is entered and the reduced pressure state is eliminated.
[0031]
Examples of the ink occlusion body 4 made of the porous material include a heat-bonded processed body of fiber bundles, a processed resin body of fiber bundles, a processed resin body of felt, a needle punch processed body of felt, and an open cell body of synthetic resin. Etc.
[0032]
(Ink guide member) The ink guide member 6 only needs to have at least an axial ink lead-out path that opens radially outward from the outer peripheral surface thereof. For example, a resin processed body of a fiber bundle, heat of the fiber bundle, and the like. A fusion-bonded body, a synthetic resin extrusion-molded body having an ink outlet groove in the axial direction, an injection-molded body, and the like are appropriately employed. In order to supply ink smoothly and smoothly to the nib 2, at least the capillary force of the ink guiding member 6 is set to be stronger than the capillary force of the reduced diameter portion 41 of the ink occlusion body 4 and the communication hole 51.
[0033]
(Pen Tip) The pen tip 2 may be any one as long as it is connected to the ink guide member 6 so as to be able to distribute ink and can discharge the ink supplied from the ink guide member 6 to the outside such as a paper surface. For example, a resin processed body of a fiber bundle, a heat-bonded processed body of a fiber bundle, a felt processed body, an open cell body of a synthetic resin, an extruded body of a synthetic resin, a ballpoint pen tip, a fountain pen type plate-shaped pen body, a thin tubular pen Such as the body. Alternatively, the pen tip 2 and the ink guide member 6 may be configured as a single member, and the ink guide member 6 may also serve as the pen tip 2.
[0034]
(Ink Tank) The ink tank 3 only needs to be connected to the reduced diameter portion 41 of the ink occlusion body 4 so that ink can be circulated, and specifically, a cylindrical body (for example, a shaft cylinder) that accommodates the ink occlusion body 4. 7, the occlusion body containing cylinder 8, the partition wall 5, the reduced diameter member 9 or the like), or a structure by attaching another member (for example, a removable and replaceable ink cartridge) attached to the cylindrical body. Etc.
[0035]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0036]
First Embodiment FIGS. 1 to 4 show a direct liquid writing instrument 1 according to a first embodiment of the present invention. The direct liquid writing instrument 1 of the present embodiment mainly includes an occlusion body accommodation cylinder 8 that accommodates the ink occlusion body 4 therein, and the occlusion body accommodation cylinder 8 provided in the front portion and behind the partition wall 5 via the partition wall 5. A shaft cylinder 7 in which the ink tank 3 is formed, and an axially penetrating inside of the ink occlusion body 4 of the shaft cylinder 7, the rear end is exposed in the ink tank 3 and the front end is projected to the outside as the pen tip 2. And an ink guiding member 6.
[0037]
(Occlusion body accommodation cylinder) The said occlusion body accommodation cylinder 8 is a cylindrical body which hold | maintains the nib 2 in the front part, and accommodates the ink occlusion body 4 in the inside. A cylindrical diameter-reducing member 9 is fixed to the inner surface of the rear end portion of the occlusion body accommodation cylinder 8 so that the inner diameter of the rear part of the occlusion body accommodation cylinder 8 is set small.
[0038]
An ink occlusion body 4 made of a heat-sealed processed body of synthetic resin fiber bundles (for example, fiber bundles made of polyester resin aligned in the longitudinal direction) is inserted into the occlusion body housing cylinder 8 from the rear end opening. Press fit. At this time, in particular, the rear end portion of the ink occlusion body 4 is compressed radially inward by the reduced diameter member 9, and the reduced diameter portion 41 is formed there. Before the ink occlusion body 4 is press-fitted into the occlusion body accommodation cylinder 8, the ink occlusion body 4 has a straight cylindrical shape and has a uniform capillary gap (that is, a uniform capillary force). Therefore, the reduced diameter portion 41 at the rear end of the ink occlusion body 4 has a stronger capillary force than other portions of the ink occlusion body 4 due to compression deformation.
[0039]
The said occlusion body accommodation cylinder 8 hold | maintains the nib 2 so that airflow is possible in the taper front part. In addition, a rib 81 is provided on the inner surface of the occlusion body housing cylinder 8 to abut and support the front end of the ink occlusion body 4 to prevent the ink occlusion body 4 from falling off.
[0040]
(Ink guiding member) A rod-shaped ink guiding member 6 made of a resin processed body made of synthetic resin fibers (for example, polyester fiber, acrylic fiber, etc.) is attached to the axis of the ink storing body 4 from the front of the ink storing body 4. The ink guide member 6 is attached by being pierced backward and penetrated, and the outer peripheral surface of the ink guiding member 6 is in direct contact with the inner peripheral surface of the ink occlusion body 4. In particular, the outer surface of the ink guiding member 6 is formed radially with the inner surface of the rear end portion of the ink occlusion body 4 by a reduced diameter portion 41 formed by compressive deformation from the radially outer side to the inner side of the rear end portion of the ink occlusion body 4. Strong and close. Thereby, not only the ink connection between the ink occlusion body 4 and the ink guiding member 6 can be stabilized, but also the ink guiding member 6 can be prevented from falling off from the front of the shaft cylinder 7.
[0041]
Further, a hard pointed member 61 is fixed to the rear end of the ink guiding member 6, thereby improving the insertion property into the ink occlusion body 4. Further, the front end of the ink guiding member 6 is formed in an appropriate shape and protrudes forward and outward as the pen tip 2.
[0042]
(Diameter-reducing member) The diameter-reducing member 9 has a cylindrical front portion 91 that is press-fitted into the occlusion body housing cylinder 8 and is used to reduce the diameter of the rear end of the ink occlusion body 4. The rear portion 92 protrudes into the ink tank 3 and holds the pointed member 61 at the rear end of the ink guiding member 6. The cylindrical rear portion 92 is provided with a lateral hole 92a that allows the ink tank 3 and the ink guide member 6 to communicate with each other and allows the inside of the ink tank 3 and the rear surface of the partition wall 5 to communicate with each other. In addition, a flange portion 93 is connected between the cylindrical front portion 91 and the cylindrical rear portion 92, which includes a rear end of the occlusion body housing tube 8 and a step portion 71 on the inner surface of the shaft tube 7. Therefore, it is clamped in the axial direction.
[0043]
(Partition Wall) The partition wall 5 is a disk-like non-porous body, and is press-fitted and fixed in the reduced diameter member 9. As shown in FIGS. 1 and 3, a plurality (eight in this case) of axial grooves are provided on the inner surface of the reduced diameter member 9, and the groove having the inner surface of the reduced diameter member 9 When the partition wall 5 is press-fitted, a slit-shaped communication hole 51 is formed between the outer surface of the partition wall 5 and the inner surface of the reduced diameter member 9. The communication hole 51 is an arc-shaped or rectangular long hole having a uniform groove width S in cross-sectional shape, and the groove width S (that is, the radial groove width) is 0.04 mm to 0.07 mm. Is set to In addition, a central hole 52 is provided in the axial center of the partition wall 5, and the ink guide member 6 is provided therethrough.
[0044]
Second Embodiment FIGS. 5 and 6 show a direct liquid writing instrument 1 according to a second embodiment of the present invention. The direct liquid writing instrument 1 of the present embodiment mainly includes an occlusion body accommodation cylinder 8 that accommodates the ink occlusion body 4 therein, and the occlusion body accommodation cylinder 8 provided in the front portion and behind the partition wall 5 via the partition wall 5. A shaft cylinder 7 in which the ink tank 3 is formed, and an axially penetrating inside of the ink occlusion body 4 of the shaft cylinder 7, the rear end is exposed in the ink tank 3 and the front end is projected to the outside as the pen tip 2. And an ink guiding member 6.
[0045]
(Occlusion body accommodation cylinder) The said occlusion body accommodation cylinder 8 is a cylindrical body which hold | maintains the nib 2 in the front part, and accommodates the ink occlusion body 4 in the inside. A partition wall 5 also serving as a diameter-reducing member 9 is fixed to the inner surface of the rear end portion of the occlusion body housing cylinder 8 so that the inner diameter of the rear portion of the occlusion body housing cylinder 8 is set small.
[0046]
An ink occlusion body 4 made of a heat-sealed processed body of a synthetic resin fiber bundle (for example, a fiber bundle made of polyester resin aligned in the longitudinal direction) is press-fitted into the occlusion body housing cylinder 8 from the rear end opening. The At this time, in particular, the rear end portion of the ink occlusion body 4 is compressed radially outward by the front portion 91 of the reduced diameter member 9, and the reduced diameter portion 41 is formed there. Before the ink occlusion body 4 is press-fitted into the occlusion body accommodation cylinder 8, the ink occlusion body 4 has a straight cylindrical shape and has a uniform capillary gap (that is, a uniform capillary force). Therefore, the reduced diameter portion 41 at the rear end of the ink occlusion body 4 has a stronger capillary force than other portions of the ink occlusion body 4 due to compression deformation.
[0047]
Moreover, the said occlusion body accommodation cylinder 8 hold | maintains the nib 2 so that air circulation is possible in the taper front part. In addition, a rib 81 is provided on the inner surface of the occlusion body housing cylinder 8 to abut and support the front end of the ink occlusion body 4 to prevent the ink occlusion body 4 from falling off.
[0048]
(Partition Wall) The partition wall 5 is formed by integrally connecting a cylindrical front portion 91 and a flange portion 93. On the other hand, a plurality of (here, four) axial grooves are provided on the inner surface of the rear end portion of the occlusion body housing cylinder 8 as shown in FIG. When the flange portion 93 is press-fitted, a slit-shaped communication hole 51 is formed between the outer surface of the flange portion 93 and the inner surface of the occlusion body housing cylinder 8. The communication hole 51 is an arc-shaped long hole having a uniform groove width S in cross-sectional shape, and the groove width S (that is, the radial groove width) is set to 0.04 mm to 0.07 mm. ing. Further, a central hole 52 is provided in the axial center of the partition wall 5, and a rod-shaped ink guiding member 6 (for example, a resin processed body of synthetic resin fibers such as polyester fibers and acrylic fibers) is provided therethrough. .
[0049]
(Operation) In the direct liquid writing instrument 1 of the first and second embodiments, the ink in the ink tank 3 overflows and is absorbed by the ink occlusion body 4 as the internal pressure of the ink tank 3 increases. The overflow ink is continuously held from the reduced diameter portion 41 at the rear end of the ink occlusion body 4 to the ink occlusion body 4 in front of the reduced diameter portion 41 without interposing air. Therefore, when the pressure in the ink tank 3 is reduced, the ink return back from the front portion of the ink occlusion body 4 to the ink tank 3 can be made smooth without interruption of air.
[0050]
【The invention's effect】
The direct liquid writing instrument according to the present invention has the structure of claim 1 to suppress ink remaining at the front portion of the ink occlusion body, prevent ink leakage from the pen tip side, and obtain a sufficient ink discharge amount from the pen tip. be able to.
[0051]
The direct liquid writing instrument according to the present invention can set the capillary force of the communication hole to a desired strength by the configuration of claim 2, which is advantageous in manufacturing, prevents ink leakage from the pen tip side, and is sufficient from the pen tip. Ink ejection performance is satisfied at the same time without further variation.
[0052]
According to the direct liquid writing instrument of the present invention, the ink in the reduced diameter portion when the ink tank is depressurized is not limited to the communication hole, and the air in the ink tank is brought into close contact with the reduced diameter portion. The ink can be returned continuously without being entrained, the ink is not left in the front portion of the ink occlusion body, and an ink leakage accident can be prevented in advance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view taken along line AA of FIG.
FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view taken along line BB in FIG.
4 is an enlarged cross-sectional view taken along the line CC in FIG.
FIG. 5 is a longitudinal sectional view showing a second embodiment of the present invention.
6 is an enlarged sectional view taken along the line DD of FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Direct liquid type writing instrument 2 Pen tip 3 Ink tank 4 Ink occlusion body 41 Reduction diameter part 5 Partition 51 Communication hole 52 Center hole 6 Ink guide member 61 Pointed member 7 Shaft cylinder 71 Step part 8 Occlusion body accommodation cylinder 81 Rib 9 Contraction Diameter member 91 Front part 92 Rear part 92a Side hole 93 Flange part S Groove width of communication hole
