JP3915866B2 - Inkjet recording device - Google Patents

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドの吐出特性を維持するためのヘッド吐出特性維持装置を有するインクジェット式記録装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドと、印刷用紙等の被記録材を副走査方向に間欠的に設定量ずつ送る被記録材送り手段を備え、記録ヘッドを主走査方向に移動させつつ該記録ヘッドからインク滴を対向する前記被記録材に吐出して記録を行うように構成されている。
【０００３】
モノカラーのインクジェット式記録装置では、記録ヘッドは通常１つ搭載されている。フルカラーのインクジェット式記録装置では、ブラックインクを吐出するブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、シアン、マゼンタ等の各色のインクを吐出するカラー用記録ヘッドとの複数が搭載されている（特開平７−１３２６１５号公報等）。
【０００４】
インクジェット式記録装置は、前記記録ヘッドからインクを吐出する原理が、以下のように構成されている。すなわち公知のように圧力発生室でインクを所定圧で加圧し、その圧力に基づいてインクをノズル形成面にあるノズル開口から前記被記録材に向けてコントロールされた大きさのインク滴として吐出する。従って、記録ヘッドのノズル開口からのインク吐出特性は、一定に維持される必要があり、該インク吐出特性が変動すると記録品質の低下に繋がる。
【０００５】
記録ヘッドのインク吐出特性は、ノズル開口におけるインクの蒸発乾燥による粘度上昇や、インク固化、目詰まり、更には塵埃の付着や気泡混入等が原因となって変動する。そのため、インクジェット式記録装置には、記録ヘッドのインク吐出特性を一定に維持するために前記したインク吐出特性の各変動原因を排除し、もって記録ヘッドの吐出特性を維持するヘッド吐出特性維持装置が設けられている。
【０００６】
このヘッド吐出特性維持装置は、先ず第１に、キャッピング装置を備えている。非記録時には、このキャッピング装置でノズル形成面を封止して前記ノズル開口を外部と隔離しておくことにより、インクの乾燥を抑制し、インク粘度の上昇を押さえている。
【０００７】
また、前記キャッピング装置でノズル形成面を封止していてもノズル開口の目詰まりや、インク流路内への気泡の混入等を完全には防止できない。そこで、該ヘッド吐出特性維持装置は、第２として前記ノズル開口の目詰まりや混入した気泡を除去するためにインクをノズル開口から強制的に吸引排出することのできる吸引ポンプを備えている。この吸引ポンプは、前記キャッピング装置で前記ノズル形成面を封止した状態で、該ノズル開口に負圧を作用させ、該ノズル開口からインクを強制的に吸引排出させて前記目詰まりや混入気泡を除去する。この吸引ポンプによるインクの強制的な吸引排出処理は、記録装置の長時間の休止後に記録動作を再開する場合や、ユーザーが記録画像の品質が低下したことを認識して操作パネルにある専用スイッチを操作した場合に通常は実行されるようになっている。
【０００８】
上記のように吸引ポンプによるインクの強制的な吸引排出処理を行うと、記録ヘッドのノズル形成面にインクが飛び散って付着することがあると共に、各ノズル開口におけるインクのメニスカスが乱れる。また、記録ヘッドのノズル形成面には経時的に異物が付着しやすい。そこで、該ヘッド吐出特性維持装置は、第３として必要に応じてノズル形成面を払拭するワイピング装置を備えている。
【０００９】
このワイピング装置は、一面側をゴム等の弾性板からなるワイピング用素材、他面側をフェルト等からなる同形状のラビング用素材で構成した複合材から成る板状のワイピング部材を有し、該ワイピング部材の基端側をホルダーで挟圧支持して成る。そして、ワイピング部材の先端側の縁部分を前記ノズル形成面に弾性的に押し付けつつ相対的に往動および復動させて該ノズル形成面を清掃するようになっている。例えば往動時又は復動時にワイピング用素材の方をノズル形成面に押し付け、復動時又は往動時にラビング用素材の方をノズル形成面に押し付けてノズル形成面を清掃するようになっている。
【００１０】
ワイピング部材の前記ワイピング用素材による前記清掃動作は、「ワイピング動作」と言われている。この「ワイピング動作」は、ノズル形成面に付着したインクの払拭の他に、各ノズル開口におけるインクのメニスカスを一様に整える、即ち安定させるという重要な役割を担っている。そのため、ワイピング用素材の前記縁部分をノズル形成面に弾性的に押し付ける押し付け力は、前記メニスカスを確実に安定させることができる程度にソフトで且つ適切な強さに設定されなければならないという第１の技術的要求がある。
【００１１】
また、ワイピング部材の前記ラビング用素材による前記清掃動作は、「ラビング動作」と言われている。この「ラビング動作」は、ノズル形成面に強固に固着した異物を擦り取る役割を有する。そのため、該ラビング用素材の縁部分をノズル形成面に押し付ける押し付け力は、ノズル形成面に強固に固着した前記異物を擦り取れる程度に大きく設定されなければならないという第２の技術的要求がある。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来は、ワイピング部材に要求される前記第１の技術的要求および第２の技術的要求に、曲がりやすいワイピング用素材と該ワイピング用素材より曲がりにくいラビング用素材との両素材の組み合わせだけで対応していたので、自ずと限界があり、両要求を充分に満たすことは簡単ではなかった。
【００１３】
本発明の目的は、記録ヘッドの吐出特性を維持するためのヘッド吐出特性維持装置を有するインクジェット式記録装置であって、ヘッド吐出特性維持装置の１つであるワイピング装置のワイピング部の材部分に要求される前記第１の技術的要求および第２の技術的要求を、簡単且つ充分に満たすことのできるインクジェット式記録装置を提供することにある。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願請求項１に記載の発明は、インクジェット式の記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング装置とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記ワイピング装置は、前記ノズル形成面に平行に往復移動するスライド部材と、 該スライド部材に支持され、該スライド部材の前記往復移動における一方向への移動時には前記ノズル形成面に対するワイピング動作として、該スライド部材の前記一方向と反対方向への移動時には前記ノズル形成面に対するラビング動作として、その自由端側が該ノズル形成面に押し付けられるワイピング部材と、該ワイピング部材の基端側を前記スライド部材に回動可能に支持する支持部と、前記ワイピング動作時に、ノズル形成面への前記押し付けに伴う反作用を該ノズル形成面から受けてその反作用力の方向に回動された当該ワイピング部材をその状態のまま前記押し付け方向に付勢して支えるバネと、前記ラビング動作時に、前記ワイピング部材の回動を規制して該ワイピング部材を剛的に支持された状態にする回動規制手段とを備えている。
【００１５】
本構成によれば、ワイピング動作時には、ワイピング部材自体と前記バネの両方の弾性力を利用して当該ワイピング部材を記録ヘッドのノズル形成面に押し付けるので、ワイピング部材自体だけの弾性力で押し付ける従来構造に比して、ノズル開口におけるインクのメニスカスを確実に安定させることができる程度にソフトで且つ適切な強さでワイピング部材が前記ノズル形成面に押し付けられなければならないという第１の技術的要求を簡単且つ充分に満たすことができる。
【００１６】
また、ラビング動作時には、前記回動規制手段により前記ワイピング部材の回動を規制して該ワイピング部材を剛的に支持された状態にするので、該ワイピング部材はノズル形成面に強く押し付けられ、もってノズル形成面に強固に固着した異物を確実に擦り取ることができ、第２の技術的要求を簡単且つ充分に満たすことができる。
【００１７】
また、本願請求項２に記載の発明は、請求項１に記載されたインクジェット式記録装置において、前記ワイピング部材は、弾性板から成るワイピング用素材と、該ワイピング用素材よりも曲げに対する抵抗の大きいフェルト等のラビング用素材とが接合された複合材から成る。
本構成によれば、ワイピング動作はワイピングに適したワイピング用素材で行い、ラビング動作はラビングに適したラビング用素材で行うので、当該バネとの併用により前記第１の技術的要求と第２の技術的要求を一層簡単且つ充分に満たすことができる。
【００１８】
また、本願請求項３に記載の発明は、請求項２に記載されたインクジェット式記録装置において、前記ワイピング部材の基端側を挟持すると共に前記スライド部材に前期支持部を介して回動可能に軸支されるホルダ部材と、該ホルダ部材の自由端側を支持すると共に、その他端部において所定ストロークの遊びをもって前記スライド部材に係止されるアーム部材とを備え、前記所定ストロークの遊びの範囲で前記ワイピング部材が前記バネの付勢力を受けるように構成されている。本構成によれば、構造簡単にして、前記第１の技術的要求を満たすことができる。
【００１９】
また、本願請求項４に記載の発明は、請求項３に記載されたインクジェット式記録装置において、前記アーム部材の他端部に形成された長孔と、前記スライド部材に前記長孔に遊嵌するように配置された軸体とを備え、前記軸体に対する前記長孔の移動範囲において前記所定ストロークの遊びを持たせるように構成されている。
本構成によれば、前記軸体に対する前記長孔の移動範囲において前記所定ストロークの遊びを持たせるので、すなわちバネの作用する範囲を限定された範囲としたので当該バネの付勢力を所定の強さで安定して利用することができる。
【００２０】
また、本願請求項５に記載の発明は、請求項１から４のいずれか１項に記載されたインクジェット式記録装置において、前記回動規制手段は、前記ワイピング部材の回動可能範囲の一方の限界位置において前記ラビング動作が行われるように設定することで構成されている。
本構成によれば、ワイピング部材が一方の回動限界位置にあるときにラビング動作を行うので、ラビング動作時にワイピング部材は回動できず、もって強固な押し付け力を機械的に簡単な構造で得ることができる。
【００２１】
また、本願請求項６に記載の発明は、請求項１から４のいずれか１項に記載されたインクジェット式記録装置において、前記スライド部材には、その長手方向に沿ってメインラックが形成され、該メインラックに噛み合うピニオンの正逆方向への回転駆動によりスライド部材が往復移動されるように構成されている。 本構成によれば、ラック−ピニオン機構によりスライド部材を往復移動させるので、構造簡単にして、その往復移動の安定性を高めることができる。
【００２２】
また、本願請求項７に記載の発明は、請求項６に記載されたインクジェット式記録装置において、前記スライド部材の長手方向に摺動可能となるよう配置された差動ラックが更に具備され、前記差動ラックは該差動ラックに噛み合うピニオンの正逆方向への回転駆動により、メインラックと同一歩調をもって往復移動されるように構成されると共に、前記スライド部材の往動方向への移動終端部において、前記ピニオンによって前記差動ラックだけが更に押し出されて往動方向に移動するように構成され、該差動ラックだけの移動によって前記ワイピング部材を往動方向に傾斜させるように構成されている。
【００２３】
更に、本願請求項８に記載の発明は、請求項７に記載されたインクジェット式記録装置において、前記メインラックと差動ラックにおけるラックのピッチがほぼ同一に構成され、且つメインラックに形成されたラックの歯数に比較して差動ラックに形成されたラックの歯数が大きく構成されている。
【００２４】
これらの構成によれば、差動ラックを用いたことで、ワイピング動作の終了後にワイピング部材を往動方向に傾斜させることを簡単に実現することができる。これにより、ワイピング動作の終了後に記録ヘッドのノズル形成面にワイピング部材を接触させずに元の位置に戻すことができる。
【００２５】
また、本願請求項９に記載の発明は、請求項７又は８に記載されたインクジェット式記録装置において、前記ワイピング部材の基端側を挟持すると共に前記スライド部材に回動可能に軸支されるホルダ部材と、該ホルダ部材の自由端側を支持すると共に、その他端部において所定ストロークの遊びをもって前記差動ラックに係止されるアーム部材とを備え、前記所定ストロークの遊びの範囲で前記ワイピング部材が前記バネの付勢力を受けるように構成されている。
本構成によれば、差動ラックを利用した構造においても、構造簡単にして、前記第１の技術的要求を満たすことができる。
【００２６】
また、本願請求項１０に記載の発明は、請求項９に記載されたインクジェット式記録装置において、前記アーム部材の他端部に形成された長孔と、前記差動ラックに前記長孔に遊嵌するように配置された軸体とを備え、前記軸体に対する前記長孔の移動範囲において前記所定ストロークの遊びを持たせるように構成されている。
本構成によれば、差動ラックを利用した構造においても、前記軸体に対する前記長孔の移動範囲において前記所定ストロークの遊びを持たせるので、前記バネの付勢力を安定して利用することができる。
【００２７】
また、本願請求項１１に記載の発明は、請求項７から１０のいずれか１項に記載されたインクジェット式記録装置において、前記回動規制手段は、前記両ラックとピニオンとの同時歯合により構成されている。
本構成によれば、ピニオンと、差動ラックおよびメインラックが同時に歯合している状態では、差動ラックとメインラックは該ピニオンによって、その移動は一体化されているため、ワイピング部材は、その往動方向への回動が規制される。従って、差動ラックを利用した構造においても、ラビング動作時の強固な押し付け力を簡単な構造で得ることができる。
【００２８】
また、本願請求項１２に記載の発明は、請求項１から１１のいずれか１項に記載されたインクジェット式記録装置において、前記ワイピング装置が、記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャッピング装置と共にユニットフレームに配置され、少なくともキャッピング装置が記録ヘッド側に進出してノズル形成面を封止するキャッピング状態およびキャッピング状態から退避して記録ヘッドのノズル形成面の封止を解く非キャッピング状態とを採り得るように構成され、前記キャッピング装置の退避状態における空間部に、前記ワイピング装置を構成するワイピング部材が往復移動されるように構成されている。
【００２９】
本構成によれば、前記キャッピング装置の退避状態における空間部に、前記ワイピング装置を構成するワイピング部材が往復移動されるように構成されているので、装置をコンパクト化できる。
【００３０】
また、本願請求項１３に記載の発明は、請求項１２に記載されたインクジェット式記録装置において、前記ワイピング装置を構成するワイピング部材の往復移動が、スライド部材の長手方向に沿って配置されたメインラックに噛み合うピニオンの正逆方向への回転駆動によりなされ、前記キャッピング装置の進出および退避動作がキャップ駆動カムの回転動作によってなされ、前記ピニオンに噛み合って当該ピニオンを回転駆動する駆動ギアと、前記キャップ駆動カムとが１つの支持軸上に配置されて前記ワイピング部材の往復移動および前記キャッピング装置の進出および退避動作のタイミングを図るように構成されている。
【００３１】
本構成によれば、前記ピニオンに噛み合って当該ピニオンを回転駆動する駆動ギアと、前記キャップ駆動カムとが１つの支持軸上に配置されて前記ワイピング部材の往復移動および前記キャッピング装置の進出および退避動作のタイミングを図るので、制御を単純化することができる。
【００３２】
また、本願請求項１４に記載の発明は、請求項１３に記載されたインクジェット式記録装置において、前記キャップ駆動カムに当接するフォロワが、前記ユニットフレームの一部に片持ち形式で係止されたサブフレーム側に取り付けられ、該サブフレームの回動自由端側に前記キャッピング装置を配置してなる。
本構成によれば、キャッピング装置の前記進出および退避動作を簡単なカム制御によって行うことができる。
【００３３】
また、本願請求項１５に記載の発明は、請求項１３又は１４に記載されたインクジェット式記録装置において、前記キャッピング装置には、キャッピング装置の内部空間を開閉するバルブ部材と、当該バルブ部材の開閉弁動作を司るバルブ作動子が配置され、前記駆動ギアおよびキャップ駆動カムと共に１つの支持軸上に配置されたバルブ駆動カムによって、前記バルブ作動子が駆動されるように構成されている。
本構成によれば、キャッピング装置の内部空間を開閉するバルブ部材の開閉を構造簡単にして簡単なカム制御によって行うことができる。
【００３４】
また、本願請求項１６に記載の発明は、請求項１３から１５のいずれか１項に記載されたインクジェット式記録装置において、前記ユニットフレームには、前記キャッピング装置の内部空間に負圧を与える吸引ポンプがさらに配置され、前記ワイピング装置、キャッピング装置と共にヘッドクリーニングユニットを構成してなる。
本構成によれば、吸引ポンプ、ワイピング装置及びキャッピング装置がヘッドクリーニングユニットを構成して一体化されているので、コンパクト化できると共に、組み付けも容易である。
【００３５】
また、本願請求項１７に記載の発明は、請求項１から１６のいずれか１項に記載されたインクジェット式記録装置において、前記スライド部材の移動方向は、ノズル形成面に配列されているノズル列に平行な方向である。
本構成によれば、ワイピング部材は、主走査方向ではなく副走査方向に移動することになるため、主走査方向にワイピング動作に伴ってインクを飛散させる虞が少なく、またマルチノズルヘッドを採用した記録装置であっても、ワイピング動作によって、インクが混色する虞は少ない。
【００３６】
また、本願請求項１８に記載の発明は、請求項１７に記載されたインクジェット式記録装置において、用紙搬送路は傾斜面に形成され、前記スライド部材の移動方向は、前記傾斜面に平行で且つ往動方向が斜め下方となるように構成されている。
これにより、ワイピング動作を重力に沿う向きの傾斜方向、すなわちワイピング部材を斜め下方に向かってスライドしつつ行えるので、ワイピングによって擦り取られたインク等が、斜め下方に向かって運ばれることになる。従って、ワイピング動作に重力を利用できるので、ワイピング性能を向上することができる。
【００３７】
【発明の実施の形態】
［実施の形態１］
以下、本願発明の実施の形態１を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本発明に係るインクジェット式記録装置を示す斜視図であり、図２は、本発明に係るユニット化されたヘッド吐出特性維持装置を示す斜視図であり、図３は、同ヘッド吐出特性維持装置の内部の一部は断面で示した概略側面図であり、図４は、同ヘッド吐出特性維持装置の内部の一部は断面で示した概略平面図である。
【００３８】
このインクジェット式記録装置は、例えば用紙幅が５９４ｍｍ（ＪＩＳ規格のＡ１判）や７２８ｍｍ（ＪＩＳ規格のＢ１判）といった比較的大型のサイズの用紙にまで印刷できる大型のプリンタである。勿論、このような大型ではなく、標準的なサイズのものであっても本発明を適用できる。
【００３９】
このインクジェット式プリンタは、図１に示したように上から斜め下の手前に向かって給紙部１、記録部２及び排紙部３と配置されている。被記録材である用紙は、前記給紙部１から記録部２、そして排紙部３に送られる過程で所定の印刷が実行され、外部に排出される。印刷時の用紙搬送路８は、水平面に対して６５度の傾斜をもって形成されている。キャリッジ４に搭載され、ガイド軸６に沿って主走査方向に往復移動する記録ヘッド５４のノズル形成面も、前記用紙搬送路８に平行となるように６５度に傾斜して配設されている。なお、本発明は、このような傾斜構造の記録装置に限定されないことは勿論である。
【００４０】
そして、キャリッジ４のホームポジションとなる部分に、記録ヘッド５４の吐出特性を維持するためのヘッド吐出特性維持装置３０が配設されている。そして、キャリッジ４がホームポジションに位置している状態のときに該ヘッド吐出特性維持装置３０によって、記録ヘッド５４の吐出特性を維持する処理が行われるようになっている。図１において、符号７はキャリッジ４を主走査方向に往復移動させるための駆動ベルト、符号９はインクカートリッジホルダ、符号１０は開状態の前蓋を示す。
【００４１】
図２に示したように、ヘッド吐出特性維持装置３０は、両サイドフレーム３２，３３と上フレーム３４等によってほぼ箱形に形成されたユニットフレーム３１によってユニット化されている。即ちこのユニットフレーム３１の中に、必要に応じてノズル形成面を払拭するワイピング装置３５、非記録時に記録ヘッド５４のノズル形成面に押し付けられてノズル開口を封止するためのキャッピング装置３７、これらワイピング装置３５およびキャッピング装置３７を動作させるときの駆動機構部２００、前記ノズル開口の目詰まりや混入した気泡を除去するためにインクを強制的に吸引排出する吸引ポンプ７５、図２には現れていないインク除去部材５５（図３及び図４）、及びセレクト装置３００（図３）等が配設されている。ここで、インク除去部材５５は、ワイピング装置３５の能力を回復させるためのものであり、また、セレクト装置３００は、マルチノズルヘッドの場合に必要なノズル列に対してだけワイピング動作等を行えるようにするためのものである。
【００４２】
サイドフレーム３２には、キャッピング装置３７を作動させるための駆動用モータ４３と、吸引ポンプ７５を作動させるためのポンプ用モータ４４が取り付けられている。符号４５はポンプ用モータ４４の動力を吸引ポンプ７５に伝える歯車を示す。
【００４３】
図３及び図４に基づいて、ユニットフレーム３１の内部の構造を説明する。これらの図に示したように、ワイピング装置３５と、キャッピング装置３７およびインク除去部材５５は、この順番に並んで配設されている。この並びの方向は、ワイピング装置３５のスライド部材４６が往復移動する方向であり、往動の終点部分に前記インク除去部材５５が配置されている。また、本実施の形態におけるスライド部材４６の往復移動の方向は、ノズル形成面９４に対応すべく、斜めに構成されているが、特にスライド部材４６の往動方向が前記ノズル形成面に平行であって、且つ斜め下向きとなるように構成されている。
【００４４】
また、図３に示したように、ワイピング装置３５の下に、吸引ポンプ７５と駆動機構部２００が設けられている。この駆動機構部２００のおよその全体構造は、図２１において、キャッピング装置３７と共に、大きな要素単位に分解した状態で斜視図にて示されている。該駆動機構部２００は、前記駆動用モータ４３を動力源として、前記キャッピング装置３７が記録ヘッド５４側に進出してノズル形成面９４を封止するキャッピング状態（図３の状態）と、キャッピング状態から退避して記録ヘッド５４のノズル形成面９４の封止を解く非キャッピング状態（図１１及び図１２の状態）とを採り得るようにするものである。更に、該駆動機構部２００は、キャッピング装置３７内のバルブ部材５６の開閉の他に、ワイピング装置３５のスライド部材４６の往復移動を行い、また更にセレクト装置３００のセレクト動作を司るようになっている。
【００４５】
図４に示したように、本実施の形態では、マルチノズルヘッドに対応すべく、ワイピング装置３５は、１つのワイピング部材３６と、それに対応するスライド部材４６との組を１つのワイピングユニットとして、３つのワイピングユニットを備えている。これら３つのワイピングユニットは、基端側を支点にしてワイピング部材３６側が上下に揺動可能に配設され、さらに図示しない押さえ板バネにより、ワイピング部材３６側が常時下方に向かって付勢されている。この押さえ板バネにより、該ワイピングユニットの下面に設けられる後述するラックと、ワイピングユニットとは別体のものであって、同じく後述するピニオン支持フレーム１３０に支持されるピニオンとが歯合する定位置に、当該ワイピングユニットは押されて保持されている。また、３つのワイピングユニットに対応してインク除去部材５５も同じく３つ設けられ、さらにキャッピング装置３７の封止用キャップ３８も３つ設けられている。
【００４６】
次に、図５乃至図８に基づいて、ワイピング装置３５の構造を詳しく説明する。図５は、本発明に係るワイピング装置の斜視図であって、ワイピング部材３６がスライド部材４６の往復動方向に対して直交状態に支持されたものを示してある。ワイピング部材３６は、ゴム等の弾性板から成るワイピング用素材４７と、該ワイピング用素材４７よりも曲げに対する抵抗の大きいフェルト等のラビング用素材４８とが接合された複合材から成る。このワイピング部材３６の基端側は、ホルダ部材８０により強固に挟持されると共に該ホルダ部材８０を介して前記スライド部材４６の先端の支持部８１に回動可能に取り付けられている。
【００４７】
該ホルダ部材８０の自由端側は、アーム部材７７で支持され、該アーム部材７７の他端部は、所定ストロークの遊びをもって別体の軸体８２に係止されている。この係止構造は、アーム部材７７の他端部に形成された長孔７８を前記軸体８２に遊嵌することで構成されている。従って、アーム部材７７は、前記軸体８２に対する前記長孔７８の限られた移動範囲において前記所定ストロークの遊びを持ち、これにより、当該ワイピング部材３６は、前記軸体８２に対する前記長孔７８の移動可能量に対応する範囲において回動できるようになっている。尚、該ホルダ部材８０の自由端側は、前記の如くアーム部材７７で支持されているが、その支持部７９は、ワイピング部材３６を回動させて傾斜させることが可能なように、言うまでもなく回動可能に支持されている。
【００４８】
該軸体８２がスライド部材４６に固定されている場合は、ワイピング部材３６の回動できる範囲は、前記軸体８２に対する前記長孔７８の移動範囲に限られる。具体的には、ワイピング部材３６は、図５に示したスライド部材４６との直交状態より往動方向へは回動が機械的に規制されて傾斜できず、この位置が往動方向への回動限界となる。この状態が後述するラビング動作で利用される。
【００４９】
そして、軸体８２が固定されている基体８４と、アーム部材７７側の左右連結部８３との間にコイルバネ４９が縮設され、このコイルバネ４９によって、前記軸体８２に対する前記長孔７８の移動範囲、すなわちワイピング部材３６の回動できる範囲において当該ワイピング部材３６が前記コイルバネ４９の付勢力を受けるように構成されている。該コイルバネ４９の強さは、ワイピング動作時に、ノズル形成面への押し付けに伴う反作用を該ノズル形成面から受けてその反作用力の方向に回動された当該ワイピング部材３６をその状態のまま前記押し付け方向に付勢して、ワイピング部材３６自体の弾性力と前記バネ４９の弾性力の両方によって支えるように設定される。
【００５０】
本実施の形態では、前記軸体８２が取り付けられている基体８４は、スライド部材４６に固定されるのではなく、該スライド部材４６に対して相対的に移動できる差動ラック８６の基体５０（図６）に固定されている。従って、差動ラック８６がスライド部材４６に対して移動できるため、ワイピング部材３６はスライド部材４６の往動方向に更に回動できるようになっている。図７は、軸体８２に対する前記長孔７８の移動範囲に対応するワイピング部材３６の回動範囲を超えて更に大きく回動した状態を示している。すなわち、スライド部材４６を停止したまま差動ラック８６を更に移動させることによって、前記ワイピング部材３６を往動方向に大きく傾斜させることができる。
【００５１】
図６は、図５の状態のワイピング装置３５を裏側から見た状態の平面図である。前記スライド部材４６には、その長手方向に沿ってメインラック８５が形成され、前記メインラック８５に噛み合うピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃ（図９参照）の正逆方向への回転駆動によりスライド部材４６が往復移動されるように構成されている。
【００５２】
そして、前記スライド部材４６の長手方向に摺動可能となるよう前記差動ラック８６を有する基体５０が更に設けられている。該差動ラック８６は、該差動ラック８６に噛み合うピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃの正逆方向への回転駆動により、メインラック８５と同一歩調をもって往復移動されるように構成されている。そして、前記スライド部材４６の往動方向への移動終端部において、メインラック８５と前記ピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃとの噛み合い状態が終わり、該スライド部材４６が停止した後も、該差動ラック８６は前記ピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃとの噛み合い状態を維持し、当該差動ラック８６だけが更に押し出されて往動方向に移動するように構成されている。
【００５３】
具体的には、前記メインラック８５と差動ラック８６におけるラックのピッチは、図６に示したようにほぼ同一に構成され、且つメインラック８５に形成されたラックの歯数に比較して差動ラック８６に形成されたラックの歯数は、３個多く形成されている。図６は、差動ラック８６がメインラック８５に対して押し出されていない状態のものであり、差動ラック８６側の最先端に位置する歯８８は、メインラック８５側の最先端に位置する歯と同じ位置に並んでいる。一方、差動ラック８６側の最後端に位置する歯８７は、メインラック８５側の最後端に位置する歯よりも３ピッチ分だけ後方にはみ出している。これにより、メインラック８５の最後端の歯と前記ピニオンとの噛み合いが外れる位置までスライド部材が移動して停止した後も、差動ラック８６は更に終端部の３個の歯に相当する距離だけ、移動できる。そして、この差動ラック８６だけの移動によりワイピング部材３６は回動し、図７に示したように往動方向に大きく傾斜した状態にすることができる。
【００５４】
図８は、図７の状態のワイピング装置３５のワイピングユニットを裏側から見た状態の平面図である。差動ラック８６がメインラック８５に対して押し出されており、該差動ラック８６側の最先端に位置する歯８８は、メインラック８５側の最先端に位置する歯より先方に３ピッチ分だけはみ出している。一方、差動ラック８６側の最後端に位置する歯８７は、メインラック８５側の最後端に位置する歯と同じ位置で並んでいる。
【００５５】
この状態で、前記ピニオンをメインラック８５及び作動ラック８６に歯合させて逆に回転すると、当該ワイピングユニットは、ワイピング部材３６が図７に示した傾斜状態のまま復動される。そして、メインラック８５の最先端の歯と前記ピニオンとの噛み合いが外れる位置までスライド部材が復動されて停止した後も、差動ラック８６は、更に最先端の歯８８を含む先端側にはみ出ている３個の歯（図８）に相当する距離だけ、移動できる。そして、この差動ラック８６だけの復動によりワイピング部材３６は復動方向に回動し、図５に示したようにワイピング部材３６はスライド部材４６と直交する状態に戻る。
【００５６】
尚、前記軸体８２が固定されている基体８４が、前記差動ラック８６の基体５０に固定されている本実施例の構造において、図５すなわち図６に示した状態で、ピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃが両ラック８５，８６に歯合していれば、ワイピング部材３６は、図５に示した直交状態から更なる往動方向への回動が規制される。その理由は、両ラックとピニオンの同時歯合により、両ラックはその移動が一体化され、差動ラックだけが移動することはないからである。従って、この位置が往動方向への回動限界となる。この状態がラビング動作で利用される。
【００５７】
図９は、ワイピング装置３６がピニオンと歯合している状態を下方から見た斜視図である。３つのピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃは、それぞれ、３つのワイピングユニット（図４参照）に対応している。
【００５８】
次に、図３および図４に戻って、インク除去部材について説明する。ワイピング動作範囲の直後の位置にワイピング部材３６からインクを除去するインク除去部材５５が設けられている。該インク除去部材５５は、ワイピング動作方向にそのままスライド部材４６を移動させた時に、前記ワイピング部材３６が徐々に接触を開始する形状の前面１０７と、該前面１０７に押し付けられることにより前記ワイピング部材３６が移動方向と反対方向に曲げられた後、一気に外れる形状の後面１０８とを有する。
【００５９】
前記インク除去部材５５の前面１０７形状は、図４及び図２２、図２３に示した傾斜面の他に、図２４に示した多数の凹凸を有する面１０９、更には、図２５に示したように、ワイピング部材３６の端縁部分と対向する位置に開口１１０が設けられたもの等が挙げられる。
【００６０】
いずれの場合も後面１０８の形状は、ワイピング部材３６の進行方向に直交する平面形状に形成されている。
【００６１】
本インク除去部材５５によってワイピング部材３６からインク１０６が除去されるため、ワイピング部材３６の能力を回復させることができる。この回復動作は各ワイピング動作毎に行われることが好ましい。また、該インク除去部材５５は、前記ワイピング部材３６が徐々に接触を開始する形状の前面１０７，１０９，１１０を有しているので、インク１０６の付いたワイピング部材３６が衝当してもインク１０６の飛び散りを低減することができる。更に、インク除去部材５５の該前面１０７，１０９，１１０に押し付けられることにより前記ワイピング部材３６が移動方向と反対方向に曲げられ、その後に、一気に外れる形状の後面１０８を有しているので、この外れる瞬間にインク１０６をワイピング部材３６から弾き飛ばすことができ、確実にワイピング部材３６の能力を回復させることができる。
【００６２】
さらに、本実施の形態では、図３及び図４に示したように、前記インク除去部材５５によりワイピング部材３６から弾き飛ばされたインク滴を受けるインク吸収材４１を備えている。該インク吸収材４１はホルダ４０に保持されている。本構成によれば、ワイピング部材３６から瞬間的に弾き飛ばされたインクを他に漏らすことなく確実に捕獲することができる。
【００６３】
次に、図３、図１０乃至図１２並びに図２１を用いて、キャッピング装置３７と、その駆動機構部２００について説明する。
【００６４】
先ずキャッピング装置３７は、キャップ本体部１４１の上面に封止用キャップ３８を備え、左右一対のガイド１４２（図２１）が図２に示したようにサイドフレーム３２，３３に設けられた一対のガイド受け３９にガイドされた状態で、記録ヘッド５４に対して進退できるようになっている。また、キャッピング装置３７はキャップ本体部１４１の内部空間を開閉するバルブ部材５６を備え、キャップ本体部１４１の下面部に配置されたバルブ作動子５７を本体下面から離れる方向に引くことで当該バルブ部材５６が閉弁状態から開弁状態に変わるようになっている。そして、該バルブ作動子５７は、後述するバルブ駆動カム６２によって、駆動されるように構成されている。
【００６５】
キャッピング装置３７の前記記録ヘッド５４への進退移動およびバルブ部材５６の開閉を司る駆動機構部２００は、図２１に示したように、大きく分けてカム体１４３と、該カム体１４３の作用によって基端を支点にして上下に揺動するサブフレーム９２とで構成されている。
【００６６】
カム体１４３は、円筒形状の小径軸６０の外周面６１に、周長の短いバルブ駆動カム６２と周長の長いキャップ駆動カム６４が周方向に隣接して設けられている。バルブ駆動カム６２とキャップ駆動カム６４は、小径軸６０の軸方向には、図２１に示したように位置がずれて設けられている。尚、バルブ駆動カム６２の終わりの位置からキャップ駆動カム６４に連なる突曲面６３も後述する一つの機能を有するカム面になっている。このカム体１４３は、小径軸６０の外周面６１上の位置であってバルブ駆動カム６２の直前の位置が、カム制御の基準位置６５として利用され、該基準位置６５が図３に示した位置にあるときが、該カム体１４３の制御上の初期位置として設定されている。
【００６７】
サブフレーム９２は、その基端１０５において図２に示したユニットフレーム３１の基端下部（矢印５００で指した部分）に、両サイドフレーム３２，３３間に跨って、且つ該基端１０５側を支点として他端側が自由端１４０となって上下に揺動可能となるように取り付けられる。そして該サブフレーム９２は、長尺なコイルスプリング４２によって、図２に示したように自由端１４０が上方に付勢される。
【００６８】
サブフレーム９２の底面部の中央部分に、前記キャップ駆動カム６４のカムフォロア９１が設けられている。このカムフォロア９１は、自由回転するローラ構造に形成されている。また、サブフレーム９２の底面部の基端寄りの位置に支点６７を有し、上下方向に回動自在なレバー６６が設けられている。該レバー６６の前記カムフォロア９１と隣接する位置には前記バルブ駆動カム６２のカムフォロア７１が設けられている。更に、該レバー６６の先端にはハンド部７０が設けられている。
【００６９】
キャッピング装置３７は、その底部においてサブフレーム９２の自由端１４０側に設けられた連結用枠体１４４に一体に連結され、これにより該サブフレーム９２の揺動に追従して一緒に動き、前記記録ヘッド５４に対して進出および退避するようになっている。また、この連結状態で前記レバー６６のハンド部７０をキャッピング装置３７の前記バルブ作動子５７に係止し、この状態で前記レバー６６を押し下げて該バルブ作動子５７の被作用部５８に引き下げる力を作用することで、前記バルブ部材５６が閉弁状態から開弁状態に変わる。符号６８は前記レバー６６の先端部を示し、該先端部６８は基端側と連結部６９により回動可能に連結されている。
【００７０】
次に、ワイピング装置３５とその駆動機構部２００の関係を図３、図１４、図２１および図３２を用いて説明する。該ワイピング装置３５のスライド部材４６は、上述したようにピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃとメインラック８５及び差動ラック８６とのラック−ピニオン機構によって往復移動されるようになっている。本実施の形態では、ピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃが駆動機構部２００によって回転されるように構成されている。
【００７１】
前記ピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃは、駆動ホイール１０１の外周面上の一部に形成された駆動ギア１００から回転動力が伝えられる。駆動ホイール１０１は、図３及び図１４に示したように、前記カム体１４３と同軸にしてユニットフレーム３１に取り付けられている。具体的には、図２１に示したカム体１４３が図３２に示した駆動ホイール１０１の軸１２９に嵌合して一体化され、両者が共通軸の回りに前記モータ４３を動力源として一体的に回転するように形成されている。
【００７２】
図３は駆動ギア１００とピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃとが噛み合っていない状態であり、図１４は駆動ギア１００とピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃとが噛み合っている状態である。駆動ギア１００とピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃとが噛み合っている状態で該駆動ホイール１０１が回転すると、ワイピング装置３５のスライド部材４６が往復移動し、両者が噛み合っていない状態で駆動ホイール１０１が回転してもスライド部材４６は停止している。
【００７３】
本実施の形態では、カム体１４３と駆動ホイール１０１とは、前記の如く両者が一体化された状態における回転方向への位相が、図１４に示したように、前記キャップ駆動カム６４により前記サブフレーム９１が下方に押し下げられ、キャッピング装置３７が記録ヘッドから退避した状態のときに、駆動ギア１００とピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃとが噛み合うように構成されている。従って、キャッピング装置３７が記録ヘッド５４から退避して、記録ヘッド５４のノズル形成面９４の下にできる空間部９３をワイピング動作のための空間として有効に利用することができる。
【００７４】
また、図３２に示したように、前記ピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃは、軸３５を共通にし、該軸３５の両端をピニオン支持フレーム１３０で軸支することによって、当該ピニオン支持フレーム１３０に回転可能に支持されている。さらに該ピニオン支持フレーム１３０は、前記カム体１３４および駆動ホイール１０１と共通の軸の回りに、該カム体１３４および駆動ホイール１０１の回転に接触摩擦によって引きずられて少し回転できるように取り付けられている。ピニオン支持フレーム１３０の一側には、突起１３１が設けられ、該突起１３１がサイドフレーム３３に設けられた図示しない孔に、当該ピニオン支持フレーム１３０の前記回転方向に少しのクリアランスをもって挿入係止されている。
【００７５】
従って、ピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃは、その支持フレーム１３０の少しの回転により、その位置を移動できるように構成されている。このように構成した理由は以下の通りである。前記ピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃを前記メインラック８５及び差動ラック８６と噛み合わせて一方に送り出すときに、前記ラックの最後の歯まで使って送り出すと、送り出し終了時点でピニオンは前記ラックの最後の歯から外れてしまう。従って、そのままピニオンを逆転させてもラックとは噛み合えないため、復動させることができない。そこで、ピニオンを少し移動させて前記ラックの最後の歯部分と歯合できるようにしている。これにより、ラックの最後の歯まで使って送り出しをしても容易に復動させてもとに戻すことができる。
【００７６】
次に、図３および図１０乃至図２０に基づいて、当該インクジェット式記録装置におけるワイピング動作とラビング動作を説明する。図３は、キャッピング装置３７が、記録ヘッド５４に向かって進出してノズル形成面９４を封止した状態である。駆動機構部２００は初期位置の状態にある。駆動用モータ４３を駆動させてカム体１４３と駆動ホイール１０１を一体的に共通軸の回りに回す。
【００７７】
図１０は、最初のカム制御状態を示す。カム体１４３が初期位置から少し回転して、バルブ駆動カム６２がカムフォロア７１を介してレバー６６を押し下げた状態である。これにより、バルブ部材５６が閉弁状態から開弁状態に変わる。このとき、サブフレーム９２は動かないので、キャッピング装置３７は、記録ヘッド５４のノズル形成面９４を封止したままである。
【００７８】
図１１は、カム体１４３が更に少し回転してキャップ駆動カム６４の手前にある突曲面６３がカムフォロア９１に押し当たり、これによりサブフレーム９２を少し下げた状態である。これにより、キャッピング装置３７は記録ヘッド５４のノズル形成面９４から離れる。この状態で記録部２において記録動作が行われる。このとき前記バルブ駆動カム６２は、前記カムフォロア７１を外れているので、バルブ部材５６は閉弁状態に戻っている。
【００７９】
図１２は、カム体１４３が更に少し回転して、キャップ駆動カム６４の先端がカムフォロア９１に押し当たり、これにより、サブフレーム９２を更に押し下げた状態である。これにより、キャッピング装置３７は大きく記録ヘッド５４から退避してノズル形成面９４の下にワイピング動作に利用できる空間部９３ができる。
【００８０】
図１３は、駆動ホイール１０１の駆動ギア１００がピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃと噛み合いを開始し、スライド部材４６が往動方向へ移動を始めた状態を示す。
【００８１】
図１４は、駆動ホイール１０１がさらに回転されて、スライド部材４６が更に移動し、記録ヘッド５４のノズル形成面９４に対してワイピング動作を行っている状態を示す。このとき、既に説明したように（図５乃至図８）、ワイピング部材３６は、該ワイピング部材３６自体と前記バネ４９の両方の弾性力を利用して当該ワイピング部材３６を記録ヘッド５４のノズル形成面９４に押し付けられるので、ワイピング部材自体だけの弾性力で押し付ける従来構造に比して、ノズル開口におけるインクのメニスカスを確実に安定させることができる程度にソフトで且つ適切な強さで該ワイピング部材３６を押し付けることができる。
【００８２】
図１５は、ワイピング動作が終了し、更にワイピング部材３６がインク除去部材５５によって、その能力を回復された状態を示す。インク除去部材５５によるワイピング部材３６の能力回復動作については、図２２乃至図２５に対応する説明部分で既に説明した。
【００８３】
図１６は、図１５に示した状態から駆動ギア１００を逆転させてスライド部材４６を復動させ、ノズル形成面９４に対してラビング動作をしている状態を示す。このとき、既に説明したように（図５乃至図８）、前記回動規制手段により前記ワイピング部材３６の回動を規制して該ワイピング部材３６を剛的に支持された状態にするので、該ワイピング部材３６は垂直状態でその先端縁部分がノズル形成面９４に強く押し付けられ、もってノズル形成面９４に強固に固着した異物を確実に擦り取ることができる。尚、このラビング動作は、ワイピング動作に続いて常に行われるものではなく、必要なときに行えるように構成されている。
【００８４】
図１７は、図１５の状態から更に駆動ギア１００を正転させ、スライド部材４６が、その有するメインラック８５とピニオンとの歯合状態が終わる位置まで送り出されて停止した後も前記差動ラック８６と前記ピニオンとの噛み合いによって該差動ラック８６だけを往動させ、ワイピング部材３６を往動方向に大きく回動させて傾斜させた状態を示す。
【００８５】
図１８は、駆動ホイール１０１を更に少し正転させ、後述するセレクト装置３００のセレクトカムをリセットした状態を示す。
【００８６】
図１９は、図１８の状態から駆動ホイール１０１を逆転させ、駆動ギア１０をピニオンと噛み合わせて更に逆転を続けることで、ワイピング部材３６を図のように傾斜させたままスライド部材４６を復動させている状態を示す。このようにワイピング部材３６を傾斜させた状態のまま復動させることが可能なのは、図６および図８に示したように差動ラック８６の歯数をメインラック８５の歯数より多くしたことに因る。すなわち、図８に示したように、差動ラック８６がメインラック８５より先方に送り出された状態でピニオンを逆転させると、両ラック８６，８５がそのままの関係で共通のピニオンにより一緒に送り戻されるので、前期ワイピング部材３６は、前期傾斜状態を維持したまま復動される。この傾斜状態のまま復動させることにより、ワイピング動作の終了したノズル形成面９４にワイピング部材３６を接触させることなく、当該ワイピング動作を終了させることができる。
【００８７】
図２０は、ワイピング部材３６が記録ヘッド５４の下を通り過ぎ、ワイピング部材３６が再び元の前記スライド部材４６との直交状態に戻りつつある状態を示す。図１９に示したように、スライド部材４６および差動ラック８６は、一緒に復動されるが、スライド部材４６がメインラック８５の全長分だけ移動し、該メインラック８５の終端がピニオンとの歯合を終了すると、スライド部材４６はその移動を停止する。しかし、この時点では図８から明らかなように、差動ラック８６は未だピニオンと歯合状態にある。従って、スライド部材４６は停止したまま差動ラック８６だけが復動を継続する。この差動ラック８６だけの復動により、傾斜状態にあったワイピング部材８６が、支持部８１を支点にして回動して前記直交状態に戻る。ワイピング部材３６が前記直交状態に戻り切る時点で、差動ラック８６は、その終端の歯８８とピニオンとの歯合が終了し、その移動を停止する。また、この時点で駆動ギア１００とピニオンとの歯合状態も終わるようになっており、この後は、駆動ホイール１０１は回転するがピニオンは回転しない状態となる。駆動ホイール１０１と一体にカム体１３４も回転しているため、既に図１０ないし図１３で説明したカム動作の逆をたどり、この後、図１３の状態から図１０の状態へと逆に進んで、最終的に図３に示した初期状態に戻る。
【００８８】
次に、セレクト装置３００と駆動機構部２００の関係を図２６乃至図３１および図３３乃至図３６に基づいて説明する。既に説明したように、本実施の形態では、図４に示したようにマルチノズルヘッドに対応すべく、ワイピング装置３５は、１つのワイピング部材３６と、それに対応するスライド部材４６との組を１つのワイピングユニットとして、３つのワイピングユニットを備えている。この３つのワイピングユニットの吐出特性の変動は、通常一様ではないため、ワイピング動作が必要となるタイミングは異なる。従って、マルチノズルヘッドの内、ワイピング動作が必要なノズル列のヘッドに対応するワイピング部材３６を有するワイピングユニットだけを往復動させて、他は停止させておくようにすれば無駄がない。
【００８９】
当該セレクト装置３００は、このように必要なワイピングユニットだけ選択して駆動させることができるようにするためのものであり、１つ以上から全数の３つまでの、総ての組み合わせで、駆動させるべきワイピングユニットを選択可能に構成されている。
【００９０】
当該セレクト装置３００は、図２８の分解斜視図に示したように、前記した構造の駆動ホイール１０１と、該駆動ホイール１０１の軸１２９（図３２）に回転可能に軸支されるセレクトカム１１１と、該セレクトカム１１１に対応するカムフォロアを有する３つのセレクトレバー７２，１７２，２７２と、該セレクトレバー７２，１７２，２７２をリセットさせるためのリセットレバー１２２を備えている。図２８においては、軸１２９は図示を省略されている。
【００９１】
セレクトカム１１１は、図２９に示したように、円筒形状の外周面が機能的に周方向に３分割された第１カム部１２６、第２カム部１２７及び第３カム部１２８を有している。第１カム部１２６は、図２８に示したように、セレクトレバー７２に対応し、第２カム部１２７はセレクトレバー１７２に対応し、第３カム部１２８はセレクトレバー２７２に対応している。
【００９２】
第１カム部１２６は、３つのカム溝１１２，１１３，１１４を周方向に離間して有している。第２カム部１２７は、カム溝１２４，１２３を周方向に離間して有している。第３カム部１２８はカム溝１２５を有している。カム溝１２４は、カム溝１１２と周方向の一端側を一部同位置にして形成されていると共に、他端側をカム溝１２５の一端側と一部同位置にして形成されている。カム溝１２５の周方向の中央部は、カム溝１１３と同位置に形成され、該カム溝１２５の他端部は、他のカム溝と同一位置にならずに単独で形成されている。カム溝１１４及びカム溝１２３も、図２９に示したように、他のカム溝と同一位置にならずに単独で形成されている。このように各カム溝を配置することにより、後述するカムフォロアとの組み合わせで、ワイピングユニットをどれか１つ、又は任意の組み合わせで２つ、更に全数の３つまで、総ての選択ができ、これにより駆動させるべきワイピングユニットを適宜選択できるように構成されている。
【００９３】
セレクトカム１１１は、駆動ホイール１０１の軸１２９（図３２）に回転可能に軸支されるが、該駆動ホイール１０１と前記カム体１３４の間に位置する状態で配設されている。図３においては、該セレクトカム１１１はカム体１４３の後方に隠れて見えない位置に在る。
【００９４】
図２８に示したように、該セレクトカム１１１の駆動ホイール１０１と対向する面には、係止用のリブ１１５が突設され、駆動ホイール１０１側には突起１１７が突設されている。そして、該セレクトカム１１１は、駆動ホイール１０１の図２８及び図２６における反時計方向への回転により、その突起１１７が前記リブ１１５に係止して該リブ１１５を押し、これにより駆動ホイール１０１と一緒に回転するように組み付けられている。
【００９５】
また、セレクトカム１１１の外周面上には、係止用突起１１６が突設されている。サイドフレーム３３の内面に固定された図示しないアームの先端部に設けられたストッパ１１９が、図２６に示した位置に設けられている。そして、該セレクトカム１１１が、図２６における時計方向へ回転したときに、前記係止用突起１１６が前記ストッパ１１９に係止し、当該セレクトカム１１１は、時計方向については、このストッパ１１９への係止位置で停止するように組み付けられている。
【００９６】
また、セレクトカム１１１の第１カム部１２６、第２カム部１２７及び第３カム部１２８に設けられた前記各カム溝は、いずれも該セレクトカム１１１が前記反時計方向に回転するときは、後述する各セレクトレバー７２，１７２，２７２の各カムフォロア１２０，２２０，３２０の係止部が、当該セレクトカム１１１のカム溝および外周面に順次当接係合しつつ回転できるが、該セレクトカム１１１が前記時計方向に回転するときは、前記各カムフォロア１２０，２２０，３２０の係止部が前記カム溝に係合している状態では、当該セレクトカム１１１は回転が規制される形状に構成されている。このときは、セレクトカム１１１は停止状態で、駆動ホイール１０１だけが前記時計方向に回転する。
【００９７】
さらに、該セレクトカム１１１は、図示しないリターンバネを具備し、該リターンバネのバネ力により、図２６における時計方向への付勢力を受けた状態で組み付けられている。従って、セレクトカム１１１は、駆動ホール１０１の前記突起１１７からの回転力や、後述するセレクトレバー７２，１７２，２７２側のカムフォロアによって、その回転位置に拘束する力から開放されたとき、前記リターンバネのバネ力により、図２６における時計方向へ回転して、前記係止用突起１１６が前記ストッパ１１９に係止し、その状態に保たれるように構成されている。図２６は、この状態を示しており、セレクトカム１１１が、その係止用突起１１６を前記ストッパ１１９に係止した状態で、且つ駆動ホイール１０１の前記突起１１７がセレクトカム１１１側のリブ１１５に係止している状態は、該セレクトカム１１１の動作制御上の基準位置すなわち初期位置とされている。
【００９８】
図２８ないし図３０に示したように、セレクトレバー７２，１７２，２７２は、前記セレクトカム１１１の第１カム部１２６，第２カム部１２７および第３カム部１２８の各カム溝に、それぞれ対応して係合する第１カムフォロア１２０，第２カムフォロア２２０及び第３カムフォロア３２０を備えている。また、セレクトレバー７２，１７２，２７２は、前記サイドフレーム３２，３３間に架設された支点軸７３の回りに揺動可能に形成され、基端側に設けられたバネ７６の付勢力により先端作用部７４が上方に向かう力を受けるように形成されている。
【００９９】
図２６は、セレクトレバー７２，１７２，２７２の第１カムフォロア１２０，第２カムフォロア２２０及び第３カムフォロア３２０の各係止部の総てが、セレクトカム１１１の前記カム溝から外れて一様な外周面と当接係合している状態である。この状態は、セレクトレバー７２，１７２，２７２の各先端作用部７４を前記バネ７６の付勢力に抗して、下方に退避させた状態である。この退避状態は、前記先端作用部７４が、ワイピング装置３５の各ワイピングユニットの下面、本実施の形態ではスライド部材の下面と非当接状態となることに対応する。
【０１００】
従って、この状態では、各ワイピングユニットは、前記ワイピング部材３６側が図示しない押さえ板バネにより下方の規制位置まで下げられた状態となるため、当該ワイピングユニットの前記メインラック８５および差動ラック８６は、前記ピニオン５２ａ，５２ｂ，５２ｃと歯合状態を維持する。これは、ワイピング動作の観点からは、図４に示した３つのワイピングユニットを全部作動させる状態に対応する。
【０１０１】
図２７は、セレクトレバー７２の第１カムフォロア１２０の係止部１２１およびセレクトレバー１７２の第２カムフォロア２２０の係止部（図２７においては係止部１２１と重なって見えない）を、第１カム部１２６のカム溝１１２および第２カム部１２７の前記カム溝１１２と同位置にあるカム溝１２４にそれぞれ同時に係合させ、これによりセレクトレバー７２，１７２の各先端作用部７４を前記バネ７６の付勢力によって上方に進出移動させた状態を示す。この進出量は、前記係止部１２１がカム溝に入り込む量に対応する。一方、セレクトレバー２７２は、その係止部３２１がセレクトカム１１１のカム溝内ではなく外周面に係合しているため、該セレクトレバー２７２に対応する先端作用部７４は、前記の如く対応するワイピングユニットの下面とは非当接状態にある。
【０１０２】
この状態では、セレクトレバー７２，１７２に対応する各ワイピングユニットの前記メインラック８５および差動ラック８６は、前記ピニオン５２ａ，５２ｂとは噛み合わない状態、すなわち非歯合状態となっているため、ワイピング動作の観点からは、前記セレクトレバー２７２に対応するワイピングユニットだけが動作して往復移動し、他は非作動状態となることに対応する。
【０１０３】
該第１カムフォロア１２０，第２カムフォロア２２０及び第３カムフォロア３２０は、その位置が、各セレクトレバー７２，１７２，２７２の相対位置とは異なって、図３０に示したように、駆動ホイール１０１寄りに局在化されて並設されている。この局在化位置は、セレクトカム１１１の第１カム部１２６，第２カム部１２７および第３カム部１２８の占める幅に相当し、これによりセレクトカム１１１の前記幅を小さく設計することを可能にしている。
【０１０４】
また、最も駆動ホイール１０１側の位置には、図３０に示したように、更にリセットレバー１２２が前記支点軸７３に回動自在に設けられている。このリセットレバー１２２は、前記セレクトレバー７２，１７２，２７２のセレクト状態をリセットするためのものである。この実施の形態では、リセット状態は、第１カムフォロア１２０，第２カムフォロア２２０及び第３カムフォロア３２０が、総てセレクトカム１１１の前記カム溝から外れて一様な外周面と当接係合している前記図２６に示した状態である。従って、このリセット状態は、ワイピング動作の観点からは、３つのワイピングユニットを全部作動させるセレクト状態に対応する。
【０１０５】
当該セレクト装置３００によるセレクト動作の初期位置は、前記の如く、セレクトカム１１１及び駆動ホイール１０１が、図２６に示した状態あるときとして設定されている。すなわち、セレクトカム１１１が、その係止用突起１１６を前記ストッパ１１９に係止した状態で、且つ駆動ホイール１０１の前記突起１１７がセレクトカム１１１側のリブ１１５に係止している状態が、該セレクトカム１１１によるセレクト動作制御上の初期位置とされている。
【０１０６】
そして、図２６に示した初期位置の状態にある当該セレクト装置３００が、図３に示した初期位置の状態にある前記駆動機構部２００の前記カム体１４３の後方に、当該セレクトカム１１１を位置させて、当該駆動機構部２００に組み付けられている。このようにセレクト装置３００を駆動機構部２００に組み付けることにより、図３に示された前記カム体１４３の初期位置から、当該カム体１４３を前記バルブ駆動カム６２およびキャップ駆動カム６４を作動させる正転方向（前記時計方向）とは逆方向に回転させると、当該セレクトカム１１１が前記駆動ホイール１０１の前記突起１１７によって押されて連動回転する。このとき前記バルブ駆動カム６２およびキャップ駆動カム６４は、前記各カムフォロア７１，９１とは当接係合しないため、非作動状態となる。
【０１０７】
従って、１つのカム体１４３の前記バルブ駆動カム６２およびキャップ駆動カム６４が設けられている部分以外の部分を無駄なく利用し、且つ前記バルブ駆動カム６２およびキャップ駆動カム６４を作動させずに、当該セレクトカム１１１だけ作動させてワイピングユニットのセレクト動作を実行することができる。
【０１０８】
具体的には、図３および図２６の初期位置の状態は、３つのワイピングユニットがワイピング動作する状態であり、この状態でカム体１４３を前記時計方向に回転させれば、図３および図１０乃至図２０に基づいて既に説明したように３つのワイピングユニットがキャッピング装置３７の退避動作等に続いてワイピング動作を開始する。一方、図３および図２６の初期位置状態から、先ずカム体１４３を反時計方向に回転させれば、前記ワイピング動作に先だって、セレクト動作が実行されることになる。
【０１０９】
そして、該セレクトカム１１１によって所定のセレクト動作が行われた後、カム体１４３を時計方向に正転させる。このときセレクトカム１１１は、前記セレクトレバー７２，１７２，２７２の各カムフォロア１２０，２２０，３２０のいずれか１つ又は２つとの前記係合によって時計方向への回転は規制されるため、そのセレクト状態が維持される。このようにしてセレクトされたワイピングユニットだけが前記ワイピング動作を実行される。
【０１１０】
次に、図３１および図３２乃至図３６に基づいて、当該セレクト装置３００の作用を説明する。図３１は、図２６と同じ初期位置の状態にある当該セレクト装置３００を示す。当該セレクト装置３００は、前記カム体１４３との関係では、図３に示した前記カム体１４３のワイピング動作に対する初期位置の状態に対応する。
【０１１１】
この状態で、カム体１４３を反時計方向に回転させると、該カム体１４３と一体的に回転する駆動ホイール１０１の突起１１７が、セレクトカム１１１側のリブ１１５を押して、該セレクトカム１１１を、図示しない前記リターンバネの付勢力に抗して反時計方向に回転する。これにより、セレクトカム１１１の前記カム溝に、予め選ばれたセレクトレバー７２，１７２，２７２の各カムフォロア１２０，２２０，３２０のいずれか１つ又は２つが係合する。
【０１１２】
図３３は、セレクトレバー７２，１７２の各カムフォロア１２０，２２０がカム溝１１２およびカム溝１２４に同時に係合し、セレクトレバー２７２のカムフォロア３２０だけ、セレクトカム１１１の外周面に当接係合している状態を示す。このように係合したセレクトレバー７２，１７２の各先端作用部７４は、上昇し、対応するワイピングユニットのワイピング部材３６側を押し上げる。これにより、前記ラック−ピニオンの歯合状態が解除されるため、該ピニオンが回転しても対応するワイピングユニットは非作動状態となる。
【０１１３】
一方、図３３において、セレクトカム１１１の前記カム溝に係合しないカムフォロア３２０を有するセレクトレバー２７２に対応するワイピングユニットだけは、前記ラック−ピニオンの歯合状態を維持されるため、前記ワイピング動作が実行される対象である。
【０１１４】
前記セレクト動作が終わると、カム体１３４および駆動ホイール１０１は時計方向に回転される。図３４は、この状態を示している。これにより、カム体１４３が図３に示した初期位置に戻り、更に時計方向に回転させることにより、図３および図１０乃至図２０に示したバルブ部材５６の開閉、吸引ポンプ７５による吸引動作、キャッピング装置３７の記録ヘッド５４からの退避動作、ワイピング動作、インク除去部材５５によるワイピング部材３６からのインク除去動作、更に必要に応じてラビング動作が実行される。
【０１１５】
この実施の形態では、前記リセットレバー１２２によるセレクトレバー７２，１７２のリセットは、図３５に示したように、以下の構成で行われるようになっている。駆動ホイール１０１には図２８に示したようにリセット用カム１１８が設けられている。該リセット用カム１１８は、ワイピング動作により、ワイピングユニットが往動し、前記ワイピング部材３６を往動方向に傾斜させた前記図１７に示した状態から、更にカム体１４３と一緒に駆動ホイール１０１をそのまま時計方向に回転すると、当該リセット用カム１１８が前記リセットレバー１２２を押して回動するように構成されている。
【０１１６】
このリセット用カム１１８によるリセットレバー１２２の回動により、各カムフォロア１２０，２２０は、前記カム溝との係止状態を解除される。これにより、セレクトカム１１１は、図示しないリターンバネの付勢力１３２によって、その係止用突起１１６が前記ストッパ１１９に当接する位置まで瞬時に戻される。図３５は、この状態を示している。
【０１１７】
この後、駆動ホイール１０１は、反時計方向に回転され、その突起１１７を元の位置に戻っているセレクトカム１１１側のリブ１１５に当接させて停止される。図３６は、この状態を示している。これにより、当該駆動機構部２００およびセレクト装置３００は、図３および図２６に示した初期位置の状態に戻る。
【０１１８】
［実施の形態２］
続いて、本発明の実施の形態２に係るインクジェット式記録装置について、図３７乃至図４８に基づいて説明する。なお、インクジェット式記録装置の基本構成は、前記した実施の形態１に示されたものとほぼ同様であり、したがって、以下においてはワイピング手段（装置）、キャッピング手段（装置）、負圧発生手段（装置）としての吸引ポンプ等をユニット化したクリーニングユニットの全体構成と、前記した各手段（装置）の具体的な構成について説明する。
【０１１９】
図３７はクリーニングユニットの全体構成と、これに対向するキャリッジの構成とを主走査方向と直交する方向から透視状態で示したものである。図３７に示す実施の形態においては、キャリッジに搭載された記録ヘッドのノズル形成面が水平線に対して６５度の傾斜を持って配置されており、これに対応してクリーニングユニットも同角度を持って配置されている。
【０１２０】
まずキャリッジ５０１は、その外郭がほぼ偏平形状に構成され、その二辺にガイド受け部５０２ａ，５０２ｂが形成されている。そして、互いに軸芯が水平方向に対して６５度の関係を持って平行状態に配置された２本キャリッジガイド軸５０３ａ，５０３ｂを前記ガイド受け部５０２ａ，５０２ｂが摺動可能に支承しており、これによりキャリッジ５０１は、２本のガイド軸５０３ａ，５０３ｂに沿って主走査方向に往復移動されるように構成されている。
【０１２１】
キャリッジ５０１のほぼ中央部には記録ヘッド５０４が搭載されており、周知のとおりこの記録ヘッド５０４によって、副走査方向に順次送られる記録用紙（図示せず）に対して印字記録が実行される。なお、図３７は、後述するキャッピング手段によって、記録ヘッド５０４のノズル形成面５０４ａをキャッピングした状態を示している。
【０１２２】
クリーニングユニット５０７の主要部は、鎖線でその一部を示したユニットフレーム５０８によって一体に保持されており、このクリーニングユニット５０７は記録装置の一端部における印字領域外（ホームポジション）に配置されている。
【０１２３】
ユニットフレーム５０８のほぼ中央部には、後述する駆動ギヤ、キャップ駆動カム、バルブ駆動カムなどを備えた駆動部５０９がユニットフレーム５０８に軸支された１つの支持軸５１０上に回転可能に支持されている。そしてこの駆動部５０９は、図には現れていないがユニットフレーム５０８の内側壁に取り付けられた駆動モータの動力を受けて、往復方向に回転駆動されるように構成されている。
【０１２４】
前記ユニットフレーム５０８における上部のガイド軸５０３ａに対向する部分には、後述するワイピング手段５１１が配置されており、また前記駆動部５０９の上部には後述するキャッピング手段５１４の内部空間を吸引して負圧状態を実現する吸引ポンプ５１２が配置されている。そして、これらワイピング手段５１１および吸引ポンプ５１２は、共に前記ユニットフレーム５０８に取り付けられている。
【０１２５】
なお、前記吸引ポンプ５１２は、一対のローラ５１２ａによって円弧状に配置された可撓性チューブ５１２ｂを順次押しつぶす動作をなすことで、ポンプ作用を実現するいわゆるチューブポンプが用いられている。
【０１２６】
一方、ユニットフレーム５０８の上端部には、係止突起５０８ａが形成されており、この係止突起５０８ａには、その端部に鉤状の係止部５１３ａを備えた鎖線で示すサブフレーム５１３が、片持ち形式で回動可能となるように係止されている。そして前記サブフレーム５１３の回動自由端側には、記録ヘッド５０４のノズル形成面５０４ａをキャッピングするキャッピング手段５１４が取り付けられている。
【０１２７】
また、ユニットフレーム５０８に保持された前記駆動部５０９、ワイピング手段５１１および吸引ポンプ５１２に囲まれた空間には、セレクト機構５１５が配置されており、このセレクト機構５１５はフレーム５０８に取り付けられた支軸５１６を介して駆動されるように配置されている。
【０１２８】
さらに、ユニットフレーム５０８には、前記ワイピング手段５１１の動作によりノズル形成面を払拭したワイピング部材より、インクを掻き取るインク除去部材５１７が一体に形成されており、またユニットフレーム５０８の端部には、前記インク除去部材５１７との接触が解かれた際に、ワイピング部材より飛翔するインク滴を受け止めるインク吸収材５１８も配置されている。
【０１２９】
図４８は、前記キャッピング手段５１４の外観構成と、このキャッピング手段５１４を保持してキャッピング手段５１４を記録ヘッド５０４側に進退可能に駆動するサブフレーム５１３を含む駆動機構の構成を示している。前記サブフレーム５１３には、上部に向かって延出された一対の腕状部５２１が形成されており、この腕状部５２１の先端部には、それぞれ牽引バネ５２２の一端が係止され、また牽引バネ５２２のそれぞれの他端は前記ユニットフレーム５０８に係止されている。したがってサブフレーム５１３は鉤状係止部５１３ａを支点として牽引バネ５２２の作用により、サブフレーム５１３の自由端側が記録ヘッド５０４側に付勢されるようになされている。
【０１３０】
サブフレーム５１３の自由端側に形成された一対の窓孔部５２３には、キャッピング手段５１４の両外側に向けて形成された一対の円柱状突起５２４が嵌め込まれ、サブフレーム５１３に対してキャッピング手段５１４が取り付けられている。
【０１３１】
また、ユニットフレーム５０８の内側面には、対向するように一対のガイドレール５２５が取り付けられており、このガイドレール５２５には、凹陥状のガイド部５２５ａがそれぞれ形成されている。また前記キャッピング手段５１４の両外側に向けて函状突起５２６がそれぞれ形成されており、この一対の函状突起５２６が前記ガイドレール５２５に形成されたガイド部５２５ａに入り込んだ形で組み上げられている。
【０１３２】
したがって、前記サブフレーム５１３が鉤状係止部５１３ａを支点として回動した場合において、キャッピング手段５１４はガイドレール５２５に形成されたガイド部５２５ａに沿って移動し、キャッピング手段５１４を記録ヘッド５０４に向かって進退する動作がなされる。
【０１３３】
一方、サブフレーム５１３の内底部のほぼ中央には、図３７にも示すように長手方向に沿ってフォロワホルダ５３１が取り付けられており、このフォロワホルダ５３１には円柱状に形成されたフォロワ５３２が回転可能に取り付けられている。また、前記フォロワホルダ５３１の端部において、支点５３３を介してバルブレバー５３４が回動可能に取り付けられており、このバルブレバー５３４のほぼ中間部には、駆動部５０９に配置された後述するバルブカム５３９によって押し下げられる突起部５３５が形成されている。なお図には示されていないが、前記バルブレバー５３４は、バネ圧によってその自由端側がキャッピング手段５１４側に付勢されるように構成されている。
【０１３４】
また、前記バルブレバー５３４は二つの部材により構成されており、その自由端側の部材５３６における先端部はＬ字状に形成されて、このＬ字状部５３７によって後述するバルブ作動子を牽引できるように構成されている。
【０１３５】
図４８に示すように駆動部５０９には、キャップ駆動カム５３８およびバルブ駆動カム５３９が軸方向に隣接するようにして配置されており、前記キャップ駆動カム５３８は、その回転駆動によってフォロワホルダ５３１に取り付けられたフォロワ５３２に当接し、またバルブ駆動カム５３９は、その回転駆動によってバルブレバー５３４のほぼ中間部に形成された突起部５３５に当接するように構成されている。
【０１３６】
よって、前記駆動部５０９が回転駆動されることで、キャップ駆動カム５３８の外径形状にしたがってフォロワ５３２が押し下げられ、これに伴いサブフレーム５１３も鉤状係止部５１３ａを支点として押し下げられる。これにより、キャッピング手段５１４による記録ヘッド５０４のノズル形成面５０４ａの封止が解かれ、キャッピング手段５１４は退避する動作がなされる。またキャップ駆動カム５３８が回転移動して、そのカム面が小径部の位置に達した場合には、前記した牽引バネ５２２の作用により、サブフレーム５１３の自由端側が記録ヘッド５０４側に戻され、これによりキャッピング手段５１４は記録ヘッド５０４側に進出して、記録ヘッド５０４のノズル形成面５０４ａを封止するように作用する。
【０１３７】
また同様に、前記駆動部５０９が回転駆動されることで、バルブ駆動カム５３９の外径形状にしたがってバルブレバー５３４が押し下げられ、これに伴い前記Ｌ字状部５３７は後述するバルブ作動子を牽引し、キャッピング手段５１４内に配置された後述するバルブ部材を開弁させるように作用する。また、バルブ駆動カム５３９が回転移動して、そのカム面が小径部の位置に達した場合には、バルブレバー５３４は後述するバルブ作動子の牽引を停止し、キャッピング手段５１４内に配置された後述するバルブ部材を閉弁させるように作用する。
【０１３８】
次に、図３９はキャッピング手段５１４の構成を分解状態で示したものである。図３９に示すようにキャッピング手段５１４には、上部が開放された直方体状のキャップフレーム５４１が具備され、このフレーム５４１の両外側に前記した函状突起５２６がそれぞれ一体に形成されている。フレーム５４１内には同様に上部が開放された直方体状のスライダ５４２が、いわゆる入れ籠状態に配置されている。
【０１３９】
そして、フレーム５４１の各四隅近傍にそれぞれ垂直方向に開口された窓孔５４１ａに、スライダ５４２の各四隅近傍にそれぞれ水平方向に突出するように形成された係止体５４２ａが入り込んで、フレーム５４１に対してスライダ５４２が分離されずに、かつ上下方向に移動できるように構成されている。なお、フレーム５４１とスライダ５４２との間には図には示されていないが、若干のバネ力が働かされてフレーム５４１に対してスライダ５４２が突出するように付勢されている。
【０１４０】
また、スライダ５４２内には３つのバルブ保持部材５４３が収納されており、このバルブ保持部材５４３に形成された中空円筒部５４３ａ内に、頭部が偏平状に成形されたバルブ部材５４４がそれぞれ摺動可能となるように収納されている。前記各バルブ部材５４４の下端部にはネック部が形成され、バルブ保持部材５４３の下面側においてリンク部材５４５に形成された狭窄部５４５ａに、このネック部がそれぞれ嵌め込まれて取り付けられている。
【０１４１】
前記リンク部材５４５には、それぞれ対向するようにして三対の支点突部５４５ｂが形成されており、この一対ごとの支点突部５４５ｂが各バルブ保持部材５４３の下面側で回動可能に支承されている。したがって、リンク部材５４５を支点突部５４５ｂにおいて回動動作させることで、バルブ部材５４４は、バルブ保持部材５４３に形成された中空円筒部５４３ａ内を上下に移動するように動作する。
【０１４２】
前記リンク部材５４５の自由端側には、バルブ作動子５４６が支軸５４６ｃを介して取り付けられている。このバルブ作動子５４６は、二段の梯子状に構成されており、上部の水平部材５４６ａおよび下部の水平部材５４６ｂは、前記スライダ５４２およびフレーム５４１を貫通してフレーム５４１の下底部側に突出した状態に構成されている。
【０１４３】
そして図３７に示したように、各水平部材５４６ａ，５４６ｂの間にバルブレバー５３４におけるＬ字状部５３７の先端部が入り込んだ構成とされている。これによりバルブレバー５３４の動作によって、バルブ作動子５４６が牽引され、前記バルブ部材５４４を引き下げることで、後述するようにキャッピング手段の内部空間を大気に開放することができるように構成されている。
【０１４４】
また、前記バルブ保持部材５４３は、それぞれキャップ部材５４７の下底面に嵌め込まれて一体に構成され、各キャップ部材５４７の上部には、そのシール部が方形状に形成された軟質ゴム性のシール部材５４８が嵌め込み手段により取り付けられている。そして、各キャップ部材５４７は、前記シール部材５４８が上部に臨むように窓孔５４９ａが配置され、前記スライダ５４２に嵌め込み手段によって結合されたキャップ保持体５４９によって保持された構成とされている。
【０１４５】
なお、前記各キャップ部材５４７の下底部には、図には現れていないが大気開放口が形成されており、前記バルブ部材５４４の偏平状の頭部が前記大気開放口を閉塞した状態で閉弁状態とされ、また前記したようにバルブレバー５３４の作動によりバルブ作動子５４６が牽引されることによって開弁され、キャッピング手段の内部空間が大気開放される。
【０１４６】
また、前記各キャップ部材５４７の下底部には、図には現れていないがそれぞれ吸引口が形成されており、この各吸引口には図１に示した吸引ポンプ５１２に、図示せぬチューブを介して接続されており、前記吸引ポンプ５１２の作動によってキャッピング手段の内部空間が負圧に吸引されるように構成されている。
【０１４７】
次に、図４０および図４１は、ワイピング手段５１１とその駆動構成を、一部分解した状態で斜視図によって示している。このワイピング手段５１１は、外郭が偏平状の直方体形状になされたフレーム５５５内に、それぞれ同一構成になされたワイピングユニット５５６が並列状態に３組配列されている。なお、図４０においては、１つのワイピングユニット５５６をフレーム５５５から抜き出し、一部を分解した状態で示している。
【０１４８】
このワイピングユニット５５６には、キャリッジの移動方向に直交する副走査方向に移動するスライド部材５５７が具備されており、図４１に示すように、このスライド部材５５７には、その長手方向に沿ってメインラック５５８が配置されている。
【０１４９】
スライド部材５５７の長手方向に摺動可能となるように、前記メインラック５５８と同一ピッチに形成された差動ラック５５９が、メインラック５５８に隣接するように配置されており、この差動ラック５５９は、メインラック５５８に形成されたラックの歯数に比較して若干その歯数が多く形成されている。すなわち、前記メインラック５５８に形成された歯数が、例えば１６個であるとすれば、差動ラック５５９の歯数は１９個具備されており、図５に示すように差動ラック５５９には、メインラック５５８のラック歯に比較して３つの歯数が余分に配置されている。
【０１５０】
一方、前記スライド部材５５７の先端部には、一対のホルダ支軸部が５５７ａ，５５７ｂが形成されており、このホルダ支軸部５５７ａ，５５７ｂには、短冊状に形成されたワイピング部材５６０を保持したホルダ部材５６１が回動可能に軸支されている。なお、前記ワイピング部材５６０は、一側面がゴムなどのワイピング用素材５６０ａにより構成され、他側面がフェルトなどのラビング用素材５６０ｂにより構成され、これらが貼り合わせて一体に構成されている。
【０１５１】
そして、前記ホルダ部材５６１の自由端側には、アーム部材５６２の一端が軸支されており、このアーム部材５６２の他端には、アーム部材５６２の長手方向に沿って長孔５６２ａが形成されている。
【０１５２】
図４１に示すように、前記長孔５６２ａ内には、前記差動ラック５５９の先端部に形成された軸体５５９ａが、長孔５６２ａに遊嵌するように挿入されている。また、差動ラック５５９の先端部に形成された前記軸体５５９ａの基部と、アーム部材５６２の長手方向のほぼ中央部に形成されたバネ受け部５６２ｂとの間には、その両端を拡開方向に付勢するコイル状の加重バネ５６３が配置されている。
【０１５３】
すなわち、前記アーム部材５６２は長孔５６２ａの長手方向のストロークの遊びを持って前記差動ラック５５９に係止されており、このストロークの遊びの範囲で前記ワイピング部材５６０が加重バネ５６３の付勢力を受けるように構成されている。
【０１５４】
なお、図４０および図４１に示す状態においては、ホルダ部材５６１の自由端側がアーム部材５６２によって牽引され、ワイピング部材５６０が記録ヘッドのノズル形成面に直交するよう規制されており、前記メインラック５５８、差動ラック５５９、ホルダ部材５６１およびアーム部材５６２の組み合わせにより、ワイパ角度制御機構を構成している。
【０１５５】
また、フレーム５５５の上部には、三ツ又状に形成されたリーフ状の押さえバネ５６４が配置されており、この押さえバネ５６４によって各ワイピングユニット５５６は押し下げられた状態に保持されている。
【０１５６】
一方、図４０に示すように、前記駆動部５０９には、ほぼ９０度の角度の範囲を持って駆動ギヤ５６７が形成された駆動ホイール５６８が具備されており、この駆動ホイール５６８に摺動して摩擦クラッチ機構を構成したピニオン群の支持フレーム５６９が具備されている。すなわち支持フレーム５６９は、摩擦クラッチ機構の作用により駆動ホイール５６８の回転方向に引きずられるように作用し、支持フレーム５６９の一部に設けられたストッパ５６９ａが、前記ユニットフレーム５０８の一部に形成された窓孔（図示せず）内に臨むように配置されている。そして、前記窓孔にストッパ５６９ａが当接してその回動が規制されるわずかな回動範囲において、支持フレーム５６９がホイール５６８の回転方向に引きずられ回動できるように構成されている。これにより、支持フレーム５６９は遊星機構を構成している。
【０１５７】
前記ホイール５６８の回転駆動により、支持フレーム５６９に支持されたピニオンギヤ５７０が駆動ギヤ５６７に噛み合って回転駆動され、このピニオンギヤ５７０と同軸上に配置された３つのピニオンギヤ５７１ａ，５７１ｂ，５７１ｃも同方向に回転駆動される。この場合、３つのピニオンギヤ５７１ａ〜５７１ｃのそれぞれは、３組配列されている前記したそれぞれのワイピングユニット５５６を駆動するものであり、これによりワイピングユニット５５６によって、記録ヘッドのワイピング動作等が実行される。
【０１５８】
なお、図３７に示したセレクト機構５１５には、支軸５１６の長手方向に３組のセレクトレバー５１５ａが配置されており、支軸５１６を介したそれぞれのセレクトレバー５１５ａの回動動作によって、３組のワイピングユニット５５６のいずれかが、前記押さえバネ５６４の付勢力に抗して選択的に押し上げられるように構成されている。
【０１５９】
このセレクトレバー５１５ａによる押し上げ作用を受けたワイピングユニット５５６におけるメインラック５５８および差動ラック５５９は、それぞれに対向するピニオンギヤ５７１ａ，５７１ｂ，５７１ｃとの噛み合いが解かれ、ワイピングユニット５５６の往復動作は実行されないようになされる。換言すれば、セレクト機構５１５における各セレクトレバー５１５ａの状態を選択することにより、３組のワイピングユニット５５６のいずれか１つまたは２つ或いは全部を同時に駆動するように選択することができる。
【０１６０】
図４２乃至図４８は、前記のように構成されたクリーニングユニットにおける主にワイピング手段５１１の作用を順をおって示している。なお図４２乃至図４８は、図３７に示した状態に対して主走査方向において反対方向から視た状態で示している。
【０１６１】
まず図４２は、キャッピング手段５１４によって記録ヘッド５０４のノズル形成面５０４ａをキャッピングしたキャッピング状態を示している。このキャッピング状態においては、サブフレーム５１３の鉤状係止部５１３ａを支点として牽引バネ５２２の作用により、サブフレーム５１３の自由端側に配置されたキャッピング手段５１４が記録ヘッド５０４側に付勢される。これによりキャッピング手段５１４に配置された軟質ゴム性のシール部材５４８が記録ヘッド５０４のノズル形成面５０４ａに密着した状態になされ、キャッピング手段５１４は前記牽引バネ５２２の作用により、図４２にＦとして示した適正な押圧力を受けた状態とされる。
【０１６２】
このキャッピング状態における前記キャッピング手段５１４は、記録装置の休止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、前記吸引ポンプ５１２による負圧を記録ヘッド５０４に作用させて、記録ヘッドからインクを吸引するクリーニング手段としての機能を備えている。
【０１６３】
ここで、例えばクリーニング動作のシーケンスによって、ユニットフレーム５０８に配置された前記駆動部５０９が駆動モータの動力を受けて一方向に回転すると、駆動部５０９に配置されたバルブ駆動カム５３９が、バルブレバー５３４に配置された突起部５３５に当接し、バルブレバー５３４を押し下げる。これによりバルブレバー５３４に取り付けられた部材５３６に形成されたＬ字状部５３７が、図４３に示すようにバルブ作動子５４６を同図中Ｔ方向に牽引する。したがって、キャッピング手段５１４内に配置されたバルブ部材５４４はそれぞれ引下げられて、キャッピング手段５１４の内部空間は大気開放される。
【０１６４】
そして、前記シーケンスに基づいて大気解放後に再び吸引ポンプ５１２を動作させることによって、キャッピング手段内に排出されたインクは、吸引ポンプ５１２を介して排出される。
【０１６５】
前記駆動部５０９が駆動モータの動力を受けてなおも同方向に回転すると、駆動部５０９に配置されたキャップ駆動カム５３８がフォロワホルダ５３１に取り付けられたフォロワ５３２に当接する。この結果、片持ち形式で回動可能となるようにユニットフレーム５０８に係止されたサブフレーム５１３の自由端側を押し出し、したがって、図４４に示すようにキャッピング手段５１４は、記録ヘッド５０４から後退して、前記ワイピングユニット５５６が往復移動できるクリアランスが形成される。
【０１６６】
続いて、前記駆動部５０９が駆動モータの動力を受けてなおも同方向に回転すると、駆動部５０９に備えられた駆動ホイール５６８における駆動ギヤ５６７が、支持フレーム５６９に軸支されたピニオンギヤ５７０に噛み合ってこれを回転駆動する。したがって同軸上に配置された３つのピニオンギヤ５７１ａ，５７１ｂ，５７１ｃも同方向に回転駆動される。
【０１６７】
ここで、前記セレクト機構５１５を構成するセレクトレバー５１５ａにより、ワイピングユニット５５６が動作状態となるように選択されていると、例えば第１のピニオンギヤ５７１ａにおいては、図４０に示す左端に配置されたワイピングユニット５５６における互いに隣接するメインラック５５８および差動ラック５５９に同時に噛み合い、メインラック５５８および差動ラック５５９を同一歩調をもって往動させる。
【０１６８】
この時、メインラック５５８および差動ラック５５９は同一歩調をもって往動するため、差動ラック５５９の先端部に形成された軸体５５９ａが、アーム部材５６２を手前方向に牽引した状態を保持し、この結果、ホルダ部材５６１に保持されたワイピング部材５６０は図４０に示したように、アーム部材５６２の長手方向と直交した状態を保持する。
【０１６９】
そして、アーム部材５６２がなおも往動方向に移動して、図４５に示すようにワイピング部材５６０の先端部が記録ヘッド５０４のノズル形成面５０４ａに接すると、ワイピング部材５６０は前記加重バネ５６３を収縮させた状態で傾斜状態になされる。すなわち、加重バネ５６３によりノズル形成面に対するワイピング部材５６０の押圧力が適正に制御される。
【０１７０】
この状態でアーム部材５６２が往動方向に進行すると、図４１に拡大して示したように、ノズル形成面５０４ａに付着しているインクは、ゴム部材により形成されたワイピング用素材５６０ａにより掻き取られる。
【０１７１】
このワイピング動作の終了後に、前記駆動部５０９が同方向に回転駆動すると、前記メインラック５５８に形成されたラック歯の終端に至る。したがって、ピニオンギヤ５７１ａとメインラック５５８との噛み合いが外れ、同時に図には示されていないがスライド部材５５７がストッパーに当接して往動方向への移動が停止される。
【０１７２】
しかしながら、前記したように差動ラック５５９のラック歯は、メインラック５５８のラック歯に比較して３つの歯数が余分に配置されており、差動ラック５５９はピニオンギヤ５７１ａによってなおも前進して押し出される。
【０１７３】
これにより、差動ラック５５９の先端部に配置された軸体５５９ａは前進し、加重バネ５６３を介してアーム部材５６２も一体になって前進する。このアーム部材５６２の前進により前記ホルダ部材５６１がその下端を支点にして回動する。この回動により、図１０に示したように、ワイピング部材５６０が往動方向に傾斜する。
【０１７４】
ワイピング部材５６０が前記記録ヘッド４のノズル形成面４ａに押し付けられた状態で往動するワイピング動作が終了し、該ワイピング部材５６０が、前記ノズル形成面４ａを通過してそれから離れてから、図１０に示した傾斜状態に至る前の段階で、以下の処理がなされる。すなわち、ユニットフレーム５０８に一体に形成されたリブ状のインク除去部材５１７に、ワイピング部材５６０の先端部が当接し、ワイピング部材５６０に付着しているインクが、このインク除去部材５１７によって掻き取られるが、この時、インク除去部材５１７との接触が解かれる瞬間に当該ワイピング部材５６０の先端部は、加重バネ５６３の作用によって、往動方向へ弾かれる。これにより、ワイピング部材５６０に付着しているインクは、ワイピング部材５６０より弾き飛ばされてインク吸収材５１８に向かって飛翔し、インク吸収材５１８によって吸収される。
【０１７５】
この後、駆動部５０９には逆方向の回転運動が与えられ、各ピニオンギヤ５７１ａ〜５７１ｃを支持する支持フレーム５６９は前記した遊星機構によって、若干回動する。これにより各ピニオンギヤ５７１ａ〜５７１ｃは、前記メインラック５５８と差動ラック５５９におけるラックの端部に噛み合うように前進し、そのまま両ラック５５８、５５９を復動方向に駆動する。この場合、メインラック５５８と差動ラック５５９とは３つの歯数に相当する分のズレを持ったまま、両ラック５５８、５５９は同一歩調をもって復動方向に移動するので、前記ワイピング部材５６０は図４７に示すように往動方向に傾斜した状態で記録ヘッド５０４上を通過する。このため、ワイピング部材５６０の先端部は、そのノズル形成面５０４ａに接触することなく、またはわずかに接触しつつスライド部材５５７はフレーム５５５内に収納される。
【０１７６】
そして、駆動部５０９がなおも同方向に回転駆動することにより、前記メインラック５５８に形成されたラック歯の始端に至る。したがって、ピニオンギヤ５７１ａとメインラック５５８との噛み合いが外れ、同時に図には示されていないがスライド部材５５７がストッパーに当接して復動方向への移動が停止される。しかしながら、前記したように差動ラック５５９のラック歯は、メインラック５５８のラック歯に比較して３つの歯数が余分に配置されており、差動ラック５５９はピニオンギヤ５７１ａによってなおも３つの歯数に相当する分後退する。
【０１７７】
これにより、差動ラック５５９の先端部に配置された軸体５５９ａは後退し、ホルダ５６１はアーム部材５６２によって牽引されるため、ワイピング部材５６０は記録ヘッドのノズル形成面に直交する方向に戻された状態で初期状態とされる。
【０１７８】
なお、以上はワイピング部材５６０の一側面を構成するゴムなどのワイピング用素材５６０ａを用い、ノズル形成面のインクを払拭する一連のワイピング動作について説明したが、ワイピング部材５６０の他側面を構成するフェルトなどのラビング用素材５６０ｂを用いてラビング動作を実行させる場合には、次のようになされる。
【０１７９】
すなわち、前記した図４５に示すワイピング動作の終了時点、換言すればスライド部材５５７が往動方向終端部の若干手前に至った時に、前記駆動部５０９に逆方向の回転運動を与えると、ワイピング部材５６０を取り付けたホルダ部材５６１は、アーム部材５６２により牽引された状態を保持しつつ復動方向に移動する。したがって、ワイピング部材５６０を構成するラビング用素材５６０ｂの端面は、記録ヘッドのノズル形成面に直交した状態で当該ノズル形成面に当接して摺動される。
【０１８０】
この様子を図４８に示しており、前記ラビング用素材５６０ｂは、該ラビング用素材５６０ｂが有するこしの強さによって、記録ヘッド５０４のノズル形成面５０４ａに強く擦り付けられる。このため、ノズル形成面５０４ａに固着した異物等を容易に除去することができる。
【０１８１】
【発明の効果】
本発明によれば、ワイピング動作時には、ワイピング部材自体と前記バネの両方の弾性力を利用して当該ワイピング部材を記録ヘッドのノズル形成面に押し付けるので、ワイピング部材自体だけの弾性力で押し付ける従来構造に比して、ノズル開口におけるインクのメニスカスを確実に安定させることができる程度にソフトで且つ適切な強さでワイピング部材が前記ノズル形成面に押し付けられなければならないという第１の技術的要求を簡単且つ充分に満たすことができる。 また、ラビング動作時には、前記回動規制手段により前記ワイピング部材の回動を規制して該ワイピング部材を剛的に支持された状態にするので、該ワイピング部材はノズル形成面に強く押し付けられ、もってノズル形成面に強固に固着した異物を確実に擦り取ることができ、第２の技術的要求を簡単且つ充分に満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るインクジェット式記録装置を示す斜視図である。
【図２】本発明に係るユニット化されたヘッド吐出特性維持装置を示す斜視図である。
【図３】同ヘッド吐出特性維持装置の内部の概略側面図で一部は断面で示してあり、更にカムがホームポジションの基準位置にある状態を示す。
【図４】同ヘッド吐出特性維持装置の内部の概略平面図で一部は断面で示してある。
【図５】本発明に係るワイピング装置の斜視図であって、ワイピング部材が垂直状態にあるものを示してある。
【図６】図５の状態の同ワイピング装置を裏側から見た状態の平面図である。
【図７】本発明に係るワイピング装置の斜視図であって、ワイピング部材が往動方向に回動して傾斜状態にあるものを示してある。
【図８】図７の状態の同ワイピング装置を裏側から見た状態の平面図である。
【図９】同ワイピング装置がピニオンと歯合している状態を下方から見た斜視図である。
【図１０】図３と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が基準位置から少し回転した状態を示す。
【図１１】図１０と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図１２】図１１と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図１３】図１２と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図１４】図１３と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図１５】図１４と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が更に少し回転した状態を示す。
【図１６】図１５と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が少し逆に回転した状態を示す。
【図１７】図１５と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が終点近くまで回転した状態を示す。
【図１８】図１７と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が終点まで回転した状態を示す。
【図１９】図１８と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が図１８の状態から少し逆に回転した状態を示す。
【図２０】図１９と同じヘッド吐出特性維持装置の内部の側面図で、カム軸が図１９の状態から更に逆に回転した状態を示す。
【図２１】本発明に係る駆動機構部とキャッピング装置の部分の分解斜視図である。
【図２２】本発明に係るインク除去部材の要部側面図である。
【図２３】本発明に係るインク除去部材の要部横断面図である。
【図２４】本発明に係る他のインク除去部材の要部横断面図である。
【図２５】本発明に係る他のインク除去部材の要部側面図である。
【図２６】本発明に係るセレクト装置を示す概略の側面図である。
【図２７】本発明に係るセレクト装置を示し、セレクトカムが更に回転した状態の概略の側面図である。
【図２８】本発明に係るセレクト装置を示す分解斜視図である。
【図２９】本発明に係るセレクトカムの斜視図であって、図２８の矢印方向から見た斜視図である。
【図３０】本発明に係るセレクト装置の背面図である。
【図３１】本発明に係るセレクト装置の要部側面図である。
【図３２】本発明に係る駆動ギアおよびピニオンの部分を示す斜視図である。
【図３３】本発明に係るセレクト装置の要部側面図である。
【図３４】本発明に係るセレクト装置の要部側面図である。
【図３５】本発明に係るセレクト装置の要部側面図である。
【図３６】本発明に係るセレクト装置の要部側面図である。
【図３７】本発明の他の実施の形態に係るインクジェット式記録装置に搭載されたクリーニングユニットの全体構成と、これに対向するキャリッジの構成とを透視状態で示した側面図である。
【図３８】図３７に示すクリーニングユニットに搭載されたキャッピング手段の外観構成と、これを記録ヘッド側に進退可能に駆動する駆動機構の構成を示した分解斜視図である。
【図３９】図３８に示すキャッピング手段の構成を示した分解斜視図である。
【図４０】図３７に示すクリーニングユニットに搭載されたワイピング手段と、その駆動構成を示した分解斜視図である。
【図４１】図４０に示すワイピング手段の詳細な構成を示した側面図である。
【図４２】図４０に示すワイピング手段が退避し、キャッピング状態を示した側面図である。
【図４３】図４２に示すキャッピング手段内に配置されたバルブ部材が開弁された大気開放状態を示した側面図である。
【図４４】図４３に示すキャッピング手段が後退した状態を示した側面図である。
【図４５】図４４に示す記録ヘッドのワイピング動作状態を示した側面図である。
【図４６】図４５に示すワイピング部材よりインクを除去する状態を示した側面図である。
【図４７】図４６に示すワイピング部材の復動動作状態を示した側面図である。
【図４８】図４５の工程に続いて行われた記録ヘッドのラビング動作状態を示した側面図である。
【符号の説明】
３５ ワイピング装置
３６ ワイピング部材
４６ スライド部材
４７ ワイピング用素材
４８ ラビング用素材
４９ バネ
５０ 基体
７７ アーム部材
７８ 長孔
８０ ホルダ部材
８１ 支持部
８２ 軸体
８５ メインラック
８６ 差動ラック[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording apparatus having a head ejection characteristic maintaining device for maintaining the ejection characteristics of a recording head.
[0002]
[Prior art]
The ink jet recording apparatus includes a recording head mounted on a carriage that reciprocates in the main scanning direction, and a recording material feeding unit that intermittently feeds a recording material such as printing paper in the sub-scanning direction by a set amount. Recording is performed by ejecting ink droplets from the recording head onto the opposing recording material while moving the head in the main scanning direction.
[0003]
In a monocolor ink jet recording apparatus, one recording head is usually mounted. In a full-color ink jet recording apparatus, a plurality of black ink recording heads for ejecting black ink and color recording heads for ejecting inks of various colors such as yellow, cyan, magenta, and the like are mounted (Japanese Patent Laid-Open No. Hei 7- 132615).
[0004]
The principle of ejecting ink from the recording head is configured as follows in the ink jet recording apparatus. That is, as is well known, ink is pressurized at a predetermined pressure in a pressure generating chamber, and ink is ejected as controlled-size ink droplets from the nozzle opening on the nozzle forming surface toward the recording material based on the pressure. . Accordingly, the ink ejection characteristics from the nozzle openings of the recording head need to be kept constant, and if the ink ejection characteristics fluctuate, the recording quality will deteriorate.
[0005]
The ink ejection characteristics of the recording head fluctuate due to an increase in viscosity due to evaporation and drying of ink at the nozzle opening, ink solidification, clogging, and dust adhesion or bubble mixing. For this reason, the ink jet recording apparatus includes a head discharge characteristic maintaining device that eliminates the above-described causes of fluctuations in the ink discharge characteristics in order to maintain the ink discharge characteristics of the recording head constant, thereby maintaining the discharge characteristics of the recording head. Is provided.
[0006]
First, the head ejection characteristic maintaining device includes a capping device. At the time of non-recording, the capping device seals the nozzle forming surface and isolates the nozzle opening from the outside, thereby suppressing ink drying and suppressing the increase in ink viscosity.
[0007]
Further, even if the nozzle forming surface is sealed with the capping device, clogging of the nozzle opening, mixing of bubbles into the ink flow path, and the like cannot be completely prevented. In view of this, the head discharge characteristic maintaining device includes a suction pump capable of forcibly sucking and discharging ink from the nozzle opening in order to remove clogging of the nozzle opening and mixed bubbles. The suction pump seals the nozzle forming surface with the capping device, applies a negative pressure to the nozzle opening, forcibly sucks and discharges ink from the nozzle opening, and removes the clogging and mixed bubbles. Remove. This forcible suction / discharge processing of ink by the suction pump can be performed when the recording operation is resumed after a long pause of the recording device, or when the user recognizes that the quality of the recorded image has deteriorated and the dedicated switch on the operation panel. It is normally executed when the is operated.
[0008]
As described above, when the ink is forcibly sucked and discharged by the suction pump, the ink may scatter and adhere to the nozzle forming surface of the recording head, and the meniscus of the ink at each nozzle opening may be disturbed. Also, foreign matter tends to adhere to the nozzle formation surface of the recording head over time. In view of this, the head discharge characteristic maintaining device includes a wiping device for wiping the nozzle forming surface as needed.
[0009]
This wiping device has a plate-like wiping member made of a composite material composed of a wiping material made of an elastic plate such as rubber on one side and a rubbing material of the same shape made of felt on the other side, The base end side of the wiping member is supported by pressing with a holder. The nozzle forming surface is cleaned by relatively moving forward and backward while elastically pressing the edge portion on the tip side of the wiping member against the nozzle forming surface. For example, the wiping material is pressed against the nozzle formation surface during forward movement or backward movement, and the rubbing material is pressed against the nozzle formation surface during backward movement or forward movement to clean the nozzle formation surface. .
[0010]
The cleaning operation of the wiping member with the wiping material is referred to as “wiping operation”. This “wiping operation” plays an important role of uniformly adjusting, that is, stabilizing, the ink meniscus at each nozzle opening, in addition to wiping off ink adhering to the nozzle formation surface. Therefore, the pressing force that elastically presses the edge portion of the wiping material against the nozzle forming surface must be set to a soft and appropriate strength to the extent that the meniscus can be reliably stabilized. There are technical requirements.
[0011]
Further, the cleaning operation of the wiping member with the rubbing material is referred to as “rubbing operation”. This “rubbing operation” has a role of scraping off foreign matters firmly fixed to the nozzle forming surface. For this reason, there is a second technical requirement that the pressing force for pressing the edge portion of the rubbing material against the nozzle forming surface must be set large enough to scrape off the foreign matter firmly fixed to the nozzle forming surface.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
Conventionally, however, the first technical requirement and the second technical requirement required for the wiping member are merely a combination of both a wiping material that is easy to bend and a rubbing material that is less likely to bend than the wiping material. Because it was compatible, there was a limit naturally, and meeting both requirements was not easy.
[0013]
An object of the present invention is an ink jet recording apparatus having a head ejection characteristic maintaining device for maintaining the ejection characteristics of a recording head, and is provided in a material portion of a wiping portion of a wiping device which is one of the head ejection characteristic maintaining apparatuses. An object of the present invention is to provide an ink jet recording apparatus that can easily and sufficiently meet the first technical requirement and the second technical requirement.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an invention according to claim 1 of the present application is an ink jet recording apparatus including an ink jet recording head and a wiping device for wiping a nozzle forming surface of the recording head. An apparatus includes: a slide member that reciprocates in parallel with the nozzle forming surface; and the slide member that is supported by the slide member and that performs a wiping operation on the nozzle forming surface when the slide member moves in one direction during the reciprocating movement. As a rubbing operation with respect to the nozzle forming surface when moving in the direction opposite to the one direction, a wiping member whose free end side is pressed against the nozzle forming surface and a base end side of the wiping member can be rotated with respect to the slide member And a supporting portion that supports the nozzle forming surface during the wiping operation. A spring that receives the reaction from the nozzle forming surface and rotates the wiping member rotated in the direction of the reaction force while urging the wiping member in the pressing direction as it is, and the rotation of the wiping member during the rubbing operation And a rotation restricting means that restricts the wiping member so that the wiping member is rigidly supported.
[0015]
According to this configuration, during the wiping operation, the wiping member is pressed against the nozzle forming surface of the recording head using the elastic force of both the wiping member itself and the spring, so that the conventional structure is pressed only by the elastic force of the wiping member itself. The first technical requirement is that the wiping member must be pressed against the nozzle forming surface with a soft and appropriate strength to the extent that the ink meniscus in the nozzle opening can be reliably stabilized. It can be easily and fully satisfied.
[0016]
Further, during the rubbing operation, the rotation restricting means restricts the rotation of the wiping member so that the wiping member is rigidly supported, so that the wiping member is strongly pressed against the nozzle forming surface. The foreign matter firmly fixed to the nozzle forming surface can be reliably scraped off, and the second technical requirement can be satisfied easily and sufficiently.
[0017]
The invention according to claim 2 of the present application is the ink jet recording apparatus according to claim 1, wherein the wiping member includes a wiping material made of an elastic plate, and has a higher resistance to bending than the wiping material. It consists of a composite material joined with a rubbing material such as a felt.
According to this configuration, the wiping operation is performed with a wiping material suitable for wiping, and the rubbing operation is performed with a rubbing material suitable for rubbing. Technical requirements can be met more easily and sufficiently.
[0018]
According to a third aspect of the present invention, in the ink jet recording apparatus according to the second aspect, the proximal end side of the wiping member is sandwiched and the slide member can be rotated via the first support portion. A holder member that is pivotally supported, and an arm member that supports the free end side of the holder member and is engaged with the slide member with play of a predetermined stroke at the other end, and the range of play of the predetermined stroke The wiping member is configured to receive the biasing force of the spring. According to this configuration, the first technical requirement can be satisfied with a simple structure.
[0019]
According to a fourth aspect of the present invention, in the ink jet recording apparatus according to the third aspect, a long hole formed in the other end of the arm member and a loose fit in the long hole in the slide member. And a shaft body arranged to do so, and is configured to have play of the predetermined stroke in a moving range of the long hole with respect to the shaft body.
According to this configuration, since the play of the predetermined stroke is given in the movement range of the long hole with respect to the shaft body, that is, the range in which the spring acts is limited, the biasing force of the spring is set to a predetermined strength. Now it can be used stably.
[0020]
Further, the invention according to claim 5 of the present application is the ink jet recording apparatus according to any one of claims 1 to 4, wherein the rotation restricting means is one of the rotatable ranges of the wiping member. It is configured by setting so that the rubbing operation is performed at the limit position.
According to this configuration, since the rubbing operation is performed when the wiping member is in one of the rotation limit positions, the wiping member cannot rotate during the rubbing operation, and thus a strong pressing force can be obtained with a mechanically simple structure. be able to.
[0021]
The invention according to claim 6 of the present application is the ink jet recording apparatus according to any one of claims 1 to 4, wherein a main rack is formed along the longitudinal direction of the slide member, The slide member is configured to reciprocate by rotating the pinion meshing with the main rack in the forward and reverse directions. According to this configuration, since the slide member is reciprocated by the rack-pinion mechanism, the structure can be simplified and the stability of the reciprocation can be improved.
[0022]
The invention according to claim 7 of the present application is the inkjet recording apparatus according to claim 6, further comprising a differential rack arranged to be slidable in the longitudinal direction of the slide member, The differential rack is configured to reciprocate at the same pace as the main rack by a rotational drive of a pinion meshing with the differential rack in the forward and reverse directions, and a moving terminal portion of the slide member in the forward movement direction. And only the differential rack is further pushed out by the pinion and moved in the forward movement direction, and the wiping member is inclined in the forward movement direction only by movement of the differential rack. .
[0023]
Furthermore, the invention according to claim 8 of the present application is the ink jet recording apparatus according to claim 7, wherein the main rack and the differential rack have substantially the same rack pitch and are formed in the main rack. The number of teeth of the rack formed in the differential rack is larger than the number of teeth of the rack.
[0024]
According to these configurations, by using the differential rack, the wiping member can be easily tilted in the forward movement direction after the wiping operation is completed. Thus, after the wiping operation is completed, the wiping member can be returned to the original position without contacting the nozzle forming surface of the recording head.
[0025]
The invention according to claim 9 of the present application is the inkjet recording apparatus according to claim 7 or 8, wherein the base end side of the wiping member is clamped and pivotally supported by the slide member. A holder member; and an arm member that supports the free end side of the holder member and is engaged with the differential rack with play of a predetermined stroke at the other end, and the wiping within the range of play of the predetermined stroke The member is configured to receive the biasing force of the spring.
According to this configuration, even in a structure using a differential rack, the structure can be simplified and the first technical requirement can be satisfied.
[0026]
According to a tenth aspect of the present invention, in the ink jet recording apparatus according to the ninth aspect, a long hole formed in the other end portion of the arm member, and a play in the long hole in the differential rack. And a shaft body arranged so as to be fitted, and configured to have play of the predetermined stroke in a moving range of the long hole with respect to the shaft body.
According to this configuration, even in a structure using a differential rack, the play of the predetermined stroke is provided in the movement range of the long hole with respect to the shaft body, so that the biasing force of the spring can be stably used. it can.
[0027]
The invention according to claim 11 of the present application is the ink jet recording apparatus according to any one of claims 7 to 10, wherein the rotation restricting means is formed by simultaneous engagement of the racks and the pinion. It is configured.
According to this configuration, in the state where the pinion, the differential rack and the main rack are engaged at the same time, the movement of the differential rack and the main rack is integrated by the pinion. The rotation in the forward movement direction is restricted. Therefore, even in a structure using a differential rack, a strong pressing force during a rubbing operation can be obtained with a simple structure.
[0028]
According to a twelfth aspect of the present invention, in the ink jet recording apparatus according to any one of the first to eleventh aspects, the wiping device includes a capping device that seals a nozzle forming surface of the recording head. The capping device is disposed in the unit frame, and at least the capping device advances to the recording head side to seal the nozzle formation surface, and the capping state is retracted from the capping state and the non-capping state is released to release the sealing of the nozzle formation surface of the recording head. The wiping member constituting the wiping device is reciprocated in the space portion in the retracted state of the capping device.
[0029]
According to this structure, since the wiping member which comprises the said wiping apparatus is reciprocated in the space part in the retracted state of the said capping apparatus, the apparatus can be made compact.
[0030]
The invention according to claim 13 of the present application is the ink jet recording apparatus according to claim 12, wherein the reciprocating movement of the wiping member constituting the wiping device is arranged along the longitudinal direction of the slide member. A drive gear that is driven by rotation of the pinion meshing with the rack in the forward and reverse directions, and that the capping device is advanced and retracted by the rotation of the cap drive cam. The drive gear that meshes with the pinion and rotationally drives the pinion, and the cap A driving cam is arranged on one support shaft so as to time the reciprocating movement of the wiping member and the advance and retreat operations of the capping device.
[0031]
According to this configuration, the drive gear that meshes with the pinion and rotationally drives the pinion, and the cap drive cam are arranged on one support shaft so that the wiping member reciprocates and the capping device advances and retreats. Since the timing of the operation is planned, the control can be simplified.
[0032]
Further, in the invention according to claim 14 of the present application, in the ink jet recording apparatus according to claim 13, a follower that abuts on the cap drive cam is locked to a part of the unit frame in a cantilever manner. It is attached to the subframe side, and the capping device is arranged on the rotation free end side of the subframe.
According to this configuration, the advancing and retracting operations of the capping device can be performed by simple cam control.
[0033]
The invention according to claim 15 of the present application is the ink jet recording apparatus according to claim 13 or 14, wherein the capping device includes a valve member for opening and closing an internal space of the capping device, and opening and closing of the valve member. A valve actuator for controlling the valve operation is disposed, and the valve actuator is driven by a valve drive cam disposed on one support shaft together with the drive gear and the cap drive cam.
According to this configuration, the opening and closing of the valve member that opens and closes the internal space of the capping device can be performed with simple structure and simple cam control.
[0034]
Further, in the invention described in claim 16 of the present application, in the ink jet recording apparatus described in any one of claims 13 to 15, the unit frame is a suction that applies a negative pressure to the internal space of the capping device. A pump is further arranged to constitute a head cleaning unit together with the wiping device and the capping device.
According to this configuration, since the suction pump, the wiping device, and the capping device constitute the head cleaning unit and are integrated, the size can be reduced and the assembly is easy.
[0035]
The invention according to claim 17 is the ink jet recording apparatus according to any one of claims 1 to 16, wherein the moving direction of the slide member is a nozzle array arranged on a nozzle forming surface. Is parallel to the direction.
According to this configuration, since the wiping member moves in the sub-scanning direction instead of the main scanning direction, there is little possibility of ink scattering in the main scanning direction due to the wiping operation, and a multi-nozzle head is adopted. Even in the case of a recording apparatus, there is little risk of ink mixing due to the wiping operation.
[0036]
According to an eighteenth aspect of the present invention, in the ink jet recording apparatus according to the seventeenth aspect, the sheet conveyance path is formed on an inclined surface, and the moving direction of the slide member is parallel to the inclined surface and The forward movement direction is obliquely downward.
As a result, the wiping operation can be performed in a tilt direction in the direction of gravity, that is, while the wiping member slides obliquely downward, so that ink or the like scraped off by wiping is carried obliquely downward. Therefore, since gravity can be used for the wiping operation, the wiping performance can be improved.
[0037]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Embodiment 1]
Hereinafter, Embodiment 1 of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a perspective view showing an ink jet recording apparatus according to the present invention, FIG. 2 is a perspective view showing a unitized head discharge characteristic maintaining apparatus according to the present invention, and FIG. A part of the inside of the characteristic maintaining apparatus is a schematic side view shown in cross section, and FIG. 4 is a schematic plan view of a part of the inside of the head ejection characteristic maintaining apparatus shown in cross section.
[0038]
This ink jet recording apparatus is a large printer capable of printing on a relatively large size paper such as 594 mm (JIS standard A1 size) or 728 mm (JIS standard B1 size). Of course, the present invention can be applied to a standard size instead of such a large size.
[0039]
As shown in FIG. 1, the ink jet printer is arranged with a paper feed unit 1, a recording unit 2, and a paper discharge unit 3 from the top to the front side obliquely below. The paper as the recording material is subjected to predetermined printing in the process of being sent from the paper feeding unit 1 to the recording unit 2 and the paper discharge unit 3, and is discharged to the outside. The paper conveyance path 8 at the time of printing is formed with an inclination of 65 degrees with respect to the horizontal plane. The nozzle forming surface of the recording head 54 that is mounted on the carriage 4 and reciprocates in the main scanning direction along the guide shaft 6 is also inclined at 65 degrees so as to be parallel to the paper transport path 8. . Needless to say, the present invention is not limited to such an inclined recording apparatus.
[0040]
A head discharge characteristic maintaining device 30 for maintaining the discharge characteristics of the recording head 54 is disposed at the home position of the carriage 4. When the carriage 4 is in the home position, the head discharge characteristic maintaining device 30 performs a process for maintaining the discharge characteristics of the recording head 54. In FIG. 1, reference numeral 7 denotes a driving belt for reciprocating the carriage 4 in the main scanning direction, reference numeral 9 denotes an ink cartridge holder, and reference numeral 10 denotes an open front cover.
[0041]
As shown in FIG. 2, the head ejection characteristic maintaining device 30 is unitized by a unit frame 31 formed in a substantially box shape by both side frames 32, 33, an upper frame 34, and the like. That is, in this unit frame 31, a wiping device 35 for wiping the nozzle forming surface as necessary, a capping device 37 for sealing the nozzle opening by being pressed against the nozzle forming surface of the recording head 54 when not recording, The drive mechanism 200 when operating the wiping device 35 and the capping device 37, a suction pump 75 for forcibly sucking and discharging ink to remove clogging of the nozzle openings and mixed bubbles, appear in FIG. A non-ink removing member 55 (FIGS. 3 and 4), a selection device 300 (FIG. 3), and the like are provided. Here, the ink removing member 55 is for recovering the capability of the wiping device 35, and the selection device 300 can perform a wiping operation or the like only for the nozzle rows necessary in the case of a multi-nozzle head. It is for making.
[0042]
A drive motor 43 for operating the capping device 37 and a pump motor 44 for operating the suction pump 75 are attached to the side frame 32. Reference numeral 45 denotes a gear that transmits the power of the pump motor 44 to the suction pump 75.
[0043]
Based on FIG.3 and FIG.4, the internal structure of the unit frame 31 is demonstrated. As shown in these drawings, the wiping device 35, the capping device 37, and the ink removing member 55 are arranged in this order. This arrangement direction is the direction in which the slide member 46 of the wiping device 35 reciprocates, and the ink removing member 55 is disposed at the end point of the forward movement. In addition, the reciprocating direction of the slide member 46 in the present embodiment is configured to be inclined so as to correspond to the nozzle forming surface 94, but in particular, the forward movement direction of the slide member 46 is parallel to the nozzle forming surface. And is configured to be obliquely downward.
[0044]
As shown in FIG. 3, a suction pump 75 and a drive mechanism unit 200 are provided below the wiping device 35. The approximate overall structure of the drive mechanism 200 is shown in a perspective view in FIG. 21 with the capping device 37 disassembled into large elements. The drive mechanism section 200 includes a capping state (state shown in FIG. 3) in which the capping device 37 advances toward the recording head 54 and seals the nozzle forming surface 94 using the drive motor 43 as a power source, and a capping state. Thus, a non-capping state (the state shown in FIGS. 11 and 12) in which the nozzle forming surface 94 of the recording head 54 is unsealed can be taken. Further, the drive mechanism unit 200 reciprocates the slide member 46 of the wiping device 35 in addition to opening and closing the valve member 56 in the capping device 37, and further controls the selection operation of the selection device 300. Yes.
[0045]
As shown in FIG. 4, in this embodiment, in order to correspond to the multi-nozzle head, the wiping device 35 includes a set of one wiping member 36 and a corresponding slide member 46 as one wiping unit. Three wiping units are provided. These three wiping units are arranged so that the wiping member 36 can swing up and down with the base end side as a fulcrum, and further, the wiping member 36 side is always urged downward by a pressing plate spring (not shown). . A fixed position where a later-described rack provided on the lower surface of the wiping unit and a pinion supported by a later-described pinion support frame 130 are engaged with each other by the holding plate spring. In addition, the wiping unit is pushed and held. Similarly, three ink removing members 55 are provided corresponding to the three wiping units, and three sealing caps 38 of the capping device 37 are also provided.
[0046]
Next, the structure of the wiping device 35 will be described in detail with reference to FIGS. FIG. 5 is a perspective view of the wiping device according to the present invention, in which the wiping member 36 is supported in a state orthogonal to the reciprocating direction of the slide member 46. The wiping member 36 is made of a composite material in which a wiping material 47 made of an elastic plate such as rubber and a rubbing material 48 such as a felt having higher resistance to bending than the wiping material 47 are joined. The base end side of the wiping member 36 is firmly held by the holder member 80 and is rotatably attached to the support portion 81 at the distal end of the slide member 46 via the holder member 80.
[0047]
The free end side of the holder member 80 is supported by an arm member 77, and the other end portion of the arm member 77 is locked to a separate shaft body 82 with a play of a predetermined stroke. This locking structure is configured by loosely fitting a long hole 78 formed in the other end of the arm member 77 to the shaft body 82. Therefore, the arm member 77 has a play of the predetermined stroke in a limited movement range of the long hole 78 with respect to the shaft body 82, and thereby the wiping member 36 has the long hole 78 with respect to the shaft body 82. It can be rotated in a range corresponding to the movable amount. Note that the free end side of the holder member 80 is supported by the arm member 77 as described above, but it goes without saying that the support portion 79 can be tilted by rotating the wiping member 36. It is rotatably supported.
[0048]
When the shaft body 82 is fixed to the slide member 46, the range in which the wiping member 36 can rotate is limited to the movement range of the long hole 78 relative to the shaft body 82. Specifically, the wiping member 36 cannot be inclined because the rotation is mechanically restricted in the forward movement direction from the state orthogonal to the slide member 46 shown in FIG. 5, and this position cannot rotate in the forward movement direction. It becomes a dynamic limit. This state is used in the rubbing operation described later.
[0049]
A coil spring 49 is contracted between the base body 84 to which the shaft body 82 is fixed and the left and right connecting portions 83 on the arm member 77 side. The coil spring 49 moves the elongated hole 78 relative to the shaft body 82. The wiping member 36 is configured to receive the urging force of the coil spring 49 in a range, that is, a range in which the wiping member 36 can rotate. The strength of the coil spring 49 is such that, during the wiping operation, the wiping member 36 that has been rotated in the direction of the reaction force in response to the reaction to the nozzle forming surface is pressed against the nozzle forming surface. It is set so as to be biased in the direction and supported by both the elastic force of the wiping member 36 itself and the elastic force of the spring 49.
[0050]
In the present embodiment, the base body 84 to which the shaft body 82 is attached is not fixed to the slide member 46, but the base body 50 (the differential rack 86 is movable relative to the slide member 46 ( It is fixed to FIG. Accordingly, since the differential rack 86 can move with respect to the slide member 46, the wiping member 36 can be further rotated in the forward movement direction of the slide member 46. FIG. 7 shows a state in which the wiping member 36 is further rotated beyond the rotation range of the wiping member 36 corresponding to the movement range of the elongated hole 78 relative to the shaft body 82. That is, by further moving the differential rack 86 while the slide member 46 is stopped, the wiping member 36 can be largely inclined in the forward movement direction.
[0051]
FIG. 6 is a plan view of the wiping device 35 in the state of FIG. 5 as viewed from the back side. A main rack 85 is formed along the longitudinal direction of the slide member 46, and the slide member 46 is driven by rotation of the pinions 52a, 52b, 52c (see FIG. 9) engaged with the main rack 85 in the forward and reverse directions. It is configured to reciprocate.
[0052]
A base 50 having the differential rack 86 is further provided so as to be slidable in the longitudinal direction of the slide member 46. The differential rack 86 is configured to reciprocate at the same pace as the main rack 85 by rotationally driving the pinions 52a, 52b, 52c meshing with the differential rack 86 in the forward and reverse directions. Then, at the end of movement of the slide member 46 in the forward movement direction, the main rack 85 and the pinions 52a, 52b, and 52c are stopped from being engaged, and the differential rack 86 is stopped even after the slide member 46 is stopped. Is maintained in mesh with the pinions 52a, 52b, 52c, and only the differential rack 86 is further pushed out to move in the forward movement direction.
[0053]
Specifically, the rack pitch between the main rack 85 and the differential rack 86 is substantially the same as shown in FIG. 6 and is different from the number of teeth of the rack formed on the main rack 85. The number of teeth of the rack formed on the moving rack 86 is increased by three. FIG. 6 shows a state in which the differential rack 86 is not pushed out with respect to the main rack 85, and the tooth 88 located at the foremost end on the differential rack 86 side is located at the foremost end on the main rack 85 side. Lined up in the same position as the teeth. On the other hand, the tooth 87 located at the rearmost end on the differential rack 86 side protrudes rearward by three pitches from the tooth located at the rearmost end on the main rack 85 side. As a result, even after the slide member moves to a position where the engagement between the rearmost tooth of the main rack 85 and the pinion is disengaged, the differential rack 86 is further moved by a distance corresponding to the three teeth at the end portion. Can move. Then, the wiping member 36 is rotated by the movement of the differential rack 86 alone, and can be in a state of being largely inclined in the forward movement direction as shown in FIG.
[0054]
FIG. 8 is a plan view of the wiping unit of the wiping device 35 in the state of FIG. 7 as viewed from the back side. The differential rack 86 is pushed out with respect to the main rack 85, and the tooth 88 located at the foremost end on the side of the differential rack 86 is 3 pitches ahead of the tooth located at the foremost side on the main rack 85 side. It is sticking out. On the other hand, the teeth 87 located at the rearmost end on the differential rack 86 side are arranged at the same position as the teeth located at the rearmost end on the main rack 85 side.
[0055]
In this state, when the pinion is engaged with the main rack 85 and the working rack 86 and rotated in the reverse direction, the wiping unit is moved backward with the wiping member 36 in the inclined state shown in FIG. Even after the slide member is moved back to a position where the engagement between the most advanced teeth of the main rack 85 and the pinion is disengaged, the differential rack 86 protrudes further to the distal end side including the most advanced teeth 88. It can move by a distance corresponding to the three teeth (FIG. 8). Then, the wiping member 36 is rotated in the backward movement direction only by the backward movement of the differential rack 86, and the wiping member 36 returns to the state orthogonal to the slide member 46 as shown in FIG.
[0056]
In the structure of this embodiment in which the base body 84 to which the shaft body 82 is fixed is fixed to the base body 50 of the differential rack 86, the pinions 52a and 52b in the state shown in FIG. , 52c meshes with the racks 85, 86, the wiping member 36 is restricted from rotating in the forward direction from the orthogonal state shown in FIG. The reason is that, due to the simultaneous meshing of both racks and pinions, the movements of both racks are integrated, and only the differential racks do not move. Therefore, this position becomes the limit of rotation in the forward movement direction. This state is used in the rubbing operation.
[0057]
FIG. 9 is a perspective view of the state in which the wiping device 36 is engaged with the pinion as viewed from below. Each of the three pinions 52a, 52b, and 52c corresponds to three wiping units (see FIG. 4).
[0058]
Next, returning to FIGS. 3 and 4, the ink removing member will be described. An ink removing member 55 for removing ink from the wiping member 36 is provided at a position immediately after the wiping operation range. The ink removing member 55 is configured such that when the slide member 46 is moved in the wiping operation direction as it is, the wiping member 36 starts to come into contact gradually, and the wiping member 36 is pressed against the front surface 107. And the rear surface 108 having a shape that is bent at once after being bent in the direction opposite to the moving direction.
[0059]
The shape of the front surface 107 of the ink removing member 55 is not only the inclined surface shown in FIGS. 4, 22 and 23, but also the surface 109 having a large number of irregularities shown in FIG. 24, as shown in FIG. In addition, those having an opening 110 provided at a position facing the edge portion of the wiping member 36 may be used.
[0060]
In either case, the shape of the rear surface 108 is formed in a planar shape orthogonal to the traveling direction of the wiping member 36.
[0061]
Since the ink 106 is removed from the wiping member 36 by the ink removing member 55, the capability of the wiping member 36 can be recovered. This recovery operation is preferably performed for each wiping operation. Further, since the ink removing member 55 has the front surfaces 107, 109, and 110 in such a shape that the wiping member 36 starts to contact gradually, even if the wiping member 36 with the ink 106 hits the ink, The scattering of 106 can be reduced. Further, the wiping member 36 is bent in a direction opposite to the moving direction by being pressed against the front surfaces 107, 109, and 110 of the ink removing member 55, and thereafter has a rear surface 108 that is shaped to come off at a stroke. The ink 106 can be blown off from the wiping member 36 at the moment of detachment, and the ability of the wiping member 36 can be reliably recovered.
[0062]
Further, in the present embodiment, as shown in FIGS. 3 and 4, an ink absorbing material 41 that receives ink droplets bounced off from the wiping member 36 by the ink removing member 55 is provided. The ink absorbing material 41 is held by a holder 40. According to this configuration, it is possible to reliably capture the ink that has been instantaneously blown off from the wiping member 36 without leaking it to others.
[0063]
Next, the capping device 37 and the drive mechanism unit 200 will be described with reference to FIGS. 3, 10 to 12, and 21.
[0064]
First, the capping device 37 includes a sealing cap 38 on the upper surface of the cap main body 141, and a pair of left and right guides 142 (FIG. 21) are provided on the side frames 32 and 33 as shown in FIG. The recording head 54 can be advanced and retracted while being guided by the receiver 39. The capping device 37 includes a valve member 56 that opens and closes the internal space of the cap main body 141, and pulls the valve actuator 57 disposed on the lower surface of the cap main body 141 in a direction away from the lower surface of the main body 141. 56 changes from the closed state to the open state. The valve actuator 57 is configured to be driven by a valve drive cam 62 described later.
[0065]
As shown in FIG. 21, the drive mechanism unit 200 that controls the forward / backward movement of the capping device 37 to the recording head 54 and the opening / closing of the valve member 56 is roughly divided by the cam body 143 and the action of the cam body 143. The sub-frame 92 swings up and down with the end as a fulcrum.
[0066]
The cam body 143 is provided with a short peripheral valve drive cam 62 and a long peripheral cap drive cam 64 adjacent to each other in the circumferential direction on an outer peripheral surface 61 of a cylindrical small-diameter shaft 60. The valve drive cam 62 and the cap drive cam 64 are provided with their positions shifted in the axial direction of the small-diameter shaft 60 as shown in FIG. Note that the projecting curved surface 63 connected to the cap drive cam 64 from the end position of the valve drive cam 62 is also a cam surface having one function to be described later. In this cam body 143, a position on the outer peripheral surface 61 of the small-diameter shaft 60 and immediately before the valve drive cam 62 is used as a reference position 65 for cam control, and the reference position 65 is the position shown in FIG. Is set as the initial position in the control of the cam body 143.
[0067]
The sub-frame 92 is located at the base end 105 of the unit frame 31 shown in FIG. 2 at the base end lower part (the part indicated by the arrow 500) across the side frames 32 and 33 and the base end 105 side. As the fulcrum, the other end side is attached as a free end 140 so that it can swing up and down. The sub-frame 92 is urged upward by a long coil spring 42 as shown in FIG.
[0068]
A cam follower 91 for the cap drive cam 64 is provided at the center of the bottom surface of the subframe 92. This cam follower 91 is formed in a freely rotating roller structure. In addition, a lever 66 that has a fulcrum 67 at a position near the base end of the bottom surface portion of the subframe 92 and is rotatable in the vertical direction is provided. A cam follower 71 of the valve drive cam 62 is provided at a position adjacent to the cam follower 91 of the lever 66. Further, a hand portion 70 is provided at the tip of the lever 66.
[0069]
The capping device 37 is integrally connected to a connecting frame 144 provided on the free end 140 side of the sub-frame 92 at the bottom thereof, thereby moving together following the swing of the sub-frame 92, and the recording The head 54 is advanced and retracted. Further, in this connected state, the hand portion 70 of the lever 66 is locked to the valve actuator 57 of the capping device 37, and in this state, the lever 66 is pushed down to pull down the operated portion 58 of the valve actuator 57. By acting, the valve member 56 changes from the closed state to the open state. Reference numeral 68 denotes a distal end portion of the lever 66, and the distal end portion 68 is rotatably connected to the proximal end side by a connecting portion 69.
[0070]
Next, the relationship between the wiping device 35 and the drive mechanism unit 200 will be described with reference to FIGS. 3, 14, 21, and 32. The slide member 46 of the wiping device 35 is reciprocated by the rack-pinion mechanism of the pinions 52a, 52b, 52c, the main rack 85 and the differential rack 86 as described above. In the present embodiment, the pinions 52a, 52b, and 52c are configured to be rotated by the drive mechanism unit 200.
[0071]
The pinions 52 a, 52 b, 52 c receive rotational power from a drive gear 100 formed on a part of the outer peripheral surface of the drive wheel 101. As shown in FIGS. 3 and 14, the drive wheel 101 is attached to the unit frame 31 coaxially with the cam body 143. Specifically, the cam body 143 shown in FIG. 21 is fitted and integrated with the shaft 129 of the drive wheel 101 shown in FIG. 32, and both are integrated around the common shaft using the motor 43 as a power source. It is formed to rotate.
[0072]
FIG. 3 shows a state in which the drive gear 100 and the pinions 52a, 52b, and 52c are not engaged with each other, and FIG. 14 shows a state in which the drive gear 100 and the pinions 52a, 52b, and 52c are engaged with each other. When the drive wheel 101 rotates while the drive gear 100 and the pinions 52a, 52b, and 52c are engaged with each other, the slide member 46 of the wiping device 35 reciprocates, and the drive wheel 101 rotates while the both are not engaged. However, the slide member 46 is stopped.
[0073]
In the present embodiment, the cam body 143 and the drive wheel 101 have a phase in the rotational direction in a state where both are integrated as described above, as shown in FIG. The drive gear 100 and the pinions 52a, 52b, and 52c are engaged with each other when the frame 91 is pushed down and the capping device 37 is retracted from the recording head. Accordingly, the capping device 37 is retracted from the recording head 54, and the space portion 93 formed below the nozzle forming surface 94 of the recording head 54 can be effectively used as a space for the wiping operation.
[0074]
Further, as shown in FIG. 32, the pinions 52a, 52b, and 52c share the shaft 35 and can be rotated to the pinion support frame 130 by pivotally supporting both ends of the shaft 35 with the pinion support frame 130. It is supported by. Further, the pinion support frame 130 is mounted around a common axis with the cam body 134 and the drive wheel 101 so that the cam body 134 and the drive wheel 101 can be rotated slightly by being dragged by contact friction. . A protrusion 131 is provided on one side of the pinion support frame 130, and the protrusion 131 is inserted and locked in a hole (not shown) provided in the side frame 33 with a slight clearance in the rotation direction of the pinion support frame 130. ing.
[0075]
Accordingly, the pinions 52a, 52b, and 52c are configured to move their positions by a slight rotation of the support frame 130. The reason for this configuration is as follows. When the pinion 52a, 52b, 52c is engaged with the main rack 85 and the differential rack 86 and is sent out to one side, the pinion is moved to the last tooth of the rack at the end of the delivery. It comes off the teeth. Therefore, even if the pinion is reversely rotated as it is, it cannot be engaged with the rack and cannot be moved backward. Therefore, the pinion is moved slightly so that it can mesh with the last tooth portion of the rack. As a result, it is possible to return to the original position even when the rack is used to feed out or easily return using the last tooth of the rack.
[0076]
Next, a wiping operation and a rubbing operation in the ink jet recording apparatus will be described with reference to FIGS. 3 and 10 to 20. FIG. 3 shows a state in which the capping device 37 advances toward the recording head 54 and seals the nozzle forming surface 94. The drive mechanism unit 200 is in the initial position. The driving motor 43 is driven to rotate the cam body 143 and the driving wheel 101 integrally around the common axis.
[0077]
FIG. 10 shows the initial cam control state. The cam body 143 is slightly rotated from the initial position, and the valve drive cam 62 pushes down the lever 66 via the cam follower 71. As a result, the valve member 56 changes from the closed state to the open state. At this time, since the sub-frame 92 does not move, the capping device 37 keeps the nozzle forming surface 94 of the recording head 54 sealed.
[0078]
FIG. 11 shows a state in which the cam body 143 rotates a little further and the projecting curved surface 63 in front of the cap drive cam 64 hits the cam follower 91, thereby lowering the subframe 92 slightly. As a result, the capping device 37 moves away from the nozzle forming surface 94 of the recording head 54. In this state, the recording unit 2 performs a recording operation. At this time, since the valve drive cam 62 is disengaged from the cam follower 71, the valve member 56 is returned to the closed state.
[0079]
FIG. 12 shows a state in which the cam body 143 rotates a little further and the tip of the cap drive cam 64 presses against the cam follower 91, thereby further pushing down the subframe 92. As a result, the capping device 37 is largely retracted from the recording head 54 to form a space 93 that can be used for the wiping operation under the nozzle forming surface 94.
[0080]
FIG. 13 shows a state in which the drive gear 100 of the drive wheel 101 starts to engage with the pinions 52a, 52b, and 52c, and the slide member 46 starts to move in the forward movement direction.
[0081]
FIG. 14 shows a state in which the drive wheel 101 is further rotated, the slide member 46 is further moved, and the wiping operation is performed on the nozzle forming surface 94 of the recording head 54. At this time, as already described (FIGS. 5 to 8), the wiping member 36 uses the elastic force of both the wiping member 36 itself and the spring 49 to form the nozzle of the recording head 54. Since it is pressed against the surface 94, the wiping member is soft and has an appropriate strength to the extent that the meniscus of the ink at the nozzle opening can be reliably stabilized as compared with the conventional structure in which the pressing force is applied only by the wiping member itself. 36 can be pressed.
[0082]
FIG. 15 shows a state in which the wiping operation has been completed and the wiping member 36 has been restored to its ability by the ink removing member 55. The ability recovery operation of the wiping member 36 by the ink removing member 55 has already been described in the explanation corresponding to FIGS.
[0083]
FIG. 16 shows a state in which the drive gear 100 is reversely rotated from the state shown in FIG. 15 to move the slide member 46 backward so that the nozzle forming surface 94 is rubbed. At this time, as already described (FIGS. 5 to 8), the rotation restricting means restricts the rotation of the wiping member 36 so that the wiping member 36 is rigidly supported. The front edge portion of the wiping member 36 is strongly pressed against the nozzle forming surface 94 in a vertical state, so that the foreign matter firmly fixed to the nozzle forming surface 94 can be reliably scraped off. The rubbing operation is not always performed following the wiping operation, but can be performed when necessary.
[0084]
17 further rotates the drive gear 100 forward from the state shown in FIG. 15, and the slide rack 46 is sent out to a position where the engagement state of the main rack 85 and the pinion is stopped and stopped. 86 shows a state in which only the differential rack 86 is moved forward by meshing of the pinion 86 and the pinion, and the wiping member 36 is largely rotated and tilted in the forward movement direction.
[0085]
FIG. 18 shows a state in which the drive wheel 101 is further rotated forward a little to reset the select cam of the select device 300 described later.
[0086]
In FIG. 19, the drive wheel 101 is reversed from the state of FIG. 18, the drive gear 10 is meshed with the pinion, and the reverse rotation is further continued, so that the slide member 46 is moved backward while the wiping member 36 is inclined as illustrated. Indicates the state of being made. The reason why the wiping member 36 can be moved backward in the inclined state in this way is that the number of teeth of the differential rack 86 is larger than the number of teeth of the main rack 85 as shown in FIGS. It depends. That is, as shown in FIG. 8, when the pinion is reversed while the differential rack 86 is sent forward from the main rack 85, both racks 86 and 85 are sent back together by the common pinion as they are. Therefore, the first wiping member 36 is moved backward while maintaining the first inclined state. By moving backward in this inclined state, the wiping operation can be completed without bringing the wiping member 36 into contact with the nozzle forming surface 94 for which the wiping operation has been completed.
[0087]
FIG. 20 shows a state in which the wiping member 36 passes under the recording head 54 and the wiping member 36 is returning to the orthogonal state with the original slide member 46 again. As shown in FIG. 19, the slide member 46 and the differential rack 86 are moved back together, but the slide member 46 moves by the entire length of the main rack 85, and the end of the main rack 85 is connected to the pinion. When the engagement is finished, the slide member 46 stops moving. However, at this point, as is apparent from FIG. 8, the differential rack 86 is still in mesh with the pinion. Therefore, only the differential rack 86 continues to move backward with the slide member 46 stopped. By the backward movement of the differential rack 86 alone, the wiping member 86 that has been in the inclined state rotates about the support portion 81 as a fulcrum and returns to the orthogonal state. When the wiping member 36 returns to the orthogonal state, the differential rack 86 finishes meshing between the terminal tooth 88 and the pinion, and stops moving. At this time, the engagement state between the drive gear 100 and the pinion is also finished, and thereafter, the drive wheel 101 rotates but the pinion does not rotate. Since the cam body 134 is also rotated integrally with the drive wheel 101, the reverse of the cam operation already described in FIGS. 10 to 13 is followed, and thereafter, the state proceeds from the state of FIG. 13 to the state of FIG. Finally, the process returns to the initial state shown in FIG.
[0088]
Next, the relationship between the selection device 300 and the drive mechanism unit 200 will be described with reference to FIGS. 26 to 31 and FIGS. 33 to 36. As described above, in the present embodiment, as shown in FIG. 4, the wiping device 35 includes one wiping member 36 and one slide member 46 corresponding to the wiping device 36. Three wiping units are provided as one wiping unit. Since the fluctuations in the discharge characteristics of the three wiping units are usually not uniform, the timing at which the wiping operation is required is different. Therefore, it is not wasteful if only the wiping unit having the wiping member 36 corresponding to the head of the nozzle row that requires the wiping operation among the multi-nozzle heads is reciprocated and the others are stopped.
[0089]
The selection device 300 is for selecting and driving only the necessary wiping units as described above. The selection device 300 is driven in all combinations from one or more to all three. The power wiping unit can be selected.
[0090]
As shown in the exploded perspective view of FIG. 28, the selection device 300 includes a drive wheel 101 having the structure described above, and a select cam 111 rotatably supported on a shaft 129 (FIG. 32) of the drive wheel 101. , Three select levers 72, 172, 272 having cam followers corresponding to the select cam 111 and a reset lever 122 for resetting the select levers 72, 172, 272 are provided. In FIG. 28, the shaft 129 is not shown.
[0091]
As shown in FIG. 29, the select cam 111 has a first cam portion 126, a second cam portion 127, and a third cam portion 128 in which a cylindrical outer peripheral surface is functionally divided into three in the circumferential direction. Yes. As shown in FIG. 28, the first cam portion 126 corresponds to the select lever 72, the second cam portion 127 corresponds to the select lever 172, and the third cam portion 128 corresponds to the select lever 272.
[0092]
The first cam portion 126 has three cam grooves 112, 113, and 114 that are spaced apart in the circumferential direction. The second cam portion 127 has cam grooves 124 and 123 spaced apart in the circumferential direction. The third cam portion 128 has a cam groove 125. The cam groove 124 is formed such that one end side in the circumferential direction of the cam groove 112 is partially located at the same position, and the other end side is formed partially at the same position as one end side of the cam groove 125. The central portion of the cam groove 125 in the circumferential direction is formed at the same position as the cam groove 113, and the other end of the cam groove 125 is formed independently without being located at the same position as the other cam grooves. As shown in FIG. 29, the cam groove 114 and the cam groove 123 are also formed independently without being located at the same position as the other cam grooves. By arranging each cam groove in this way, in combination with the cam follower to be described later, any one of the wiping units, or two in any combination, and further all three can be selected, Thus, the wiping unit to be driven can be appropriately selected.
[0093]
The select cam 111 is rotatably supported on a shaft 129 (FIG. 32) of the drive wheel 101, but is disposed in a state of being positioned between the drive wheel 101 and the cam body 134. In FIG. 3, the select cam 111 is hidden behind the cam body 143 and cannot be seen.
[0094]
As shown in FIG. 28, a locking rib 115 projects from the face of the select cam 111 facing the drive wheel 101, and a projection 117 projects from the drive wheel 101 side. The select cam 111 is rotated in the counterclockwise direction in FIG. 28 and FIG. 26 by the drive wheel 101, and its projection 117 is engaged with the rib 115 to push the rib 115. It is assembled to rotate together.
[0095]
A locking projection 116 is provided on the outer peripheral surface of the select cam 111. A stopper 119 provided at the tip of an arm (not shown) fixed to the inner surface of the side frame 33 is provided at the position shown in FIG. When the select cam 111 rotates in the clockwise direction in FIG. 26, the locking projection 116 is locked to the stopper 119, and the select cam 111 moves to the stopper 119 in the clockwise direction. It is assembled to stop at the locking position.
[0096]
Further, the cam grooves provided in the first cam portion 126, the second cam portion 127, and the third cam portion 128 of the select cam 111 are all when the select cam 111 rotates in the counterclockwise direction. The locking portions of the cam followers 120, 220, and 320 of the select levers 72, 172, and 272, which will be described later, can rotate while sequentially abutting and engaging the cam groove and the outer peripheral surface of the select cam 111. Is rotated in the clockwise direction, the select cam 111 is configured so that its rotation is restricted in a state where the locking portions of the cam followers 120, 220, 320 are engaged with the cam grooves. Yes. At this time, the select cam 111 is stopped and only the drive wheel 101 rotates in the clockwise direction.
[0097]
Further, the select cam 111 includes a return spring (not shown), and is assembled in a state where it receives a biasing force in the clockwise direction in FIG. 26 by the spring force of the return spring. Accordingly, when the select cam 111 is released from the rotational force from the protrusion 117 of the drive hole 101 or the force that restrains the rotational position by the cam followers on the side of the select levers 72, 172, and 272 described later, the return spring 26, the locking projection 116 is locked to the stopper 119 and is maintained in that state by rotating clockwise in FIG. FIG. 26 shows this state, in which the select cam 111 has its locking projection 116 locked to the stopper 119, and the projection 117 of the drive wheel 101 is on the rib 115 on the select cam 111 side. The locked state is a reference position for controlling the operation of the select cam 111, that is, an initial position.
[0098]
As shown in FIGS. 28 to 30, the select levers 72, 172, and 272 correspond to the cam grooves of the first cam portion 126, the second cam portion 127, and the third cam portion 128 of the select cam 111, respectively. The first cam follower 120, the second cam follower 220, and the third cam follower 320 that are engaged with each other are provided. The select levers 72, 172, and 272 are formed so as to be swingable around a fulcrum shaft 73 installed between the side frames 32 and 33, and are actuated by the urging force of a spring 76 provided on the base end side. The portion 74 is formed to receive an upward force.
[0099]
FIG. 26 shows a uniform outer periphery in which all the locking portions of the first cam follower 120, the second cam follower 220, and the third cam follower 320 of the select levers 72, 172, and 272 are disengaged from the cam groove of the select cam 111. The surface is in contact with and engaged with the surface. This state is a state in which the distal end working portions 74 of the select levers 72, 172, and 272 are retracted downward against the urging force of the spring 76. This retracted state corresponds to the fact that the distal end working portion 74 is not in contact with the lower surface of each wiping unit of the wiping device 35, in this embodiment, the lower surface of the slide member.
[0100]
Therefore, in this state, each wiping unit is in a state where the wiping member 36 side is lowered to a lower restriction position by a holding plate spring (not shown), and therefore the main rack 85 and the differential rack 86 of the wiping unit are The mesh with the pinions 52a, 52b, 52c is maintained. This corresponds to a state where all the three wiping units shown in FIG. 4 are operated from the viewpoint of the wiping operation.
[0101]
27 shows the locking portion 121 of the first cam follower 120 of the select lever 72 and the locking portion of the second cam follower 220 of the select lever 172 (in FIG. 27, the locking portion 121 does not overlap with the locking portion 121). The cam groove 112 of the portion 126 and the cam groove 124 at the same position as the cam groove 112 of the second cam portion 127 are simultaneously engaged with each other, so that the tip action portions 74 of the select levers 72 and 172 are engaged with the spring 76. The state where it is advanced and moved upward by the urging force is shown. This advance amount corresponds to the amount that the locking portion 121 enters the cam groove. On the other hand, since the engaging portion 321 of the select lever 272 is engaged not with the cam groove of the select cam 111 but with the outer peripheral surface, the tip action portion 74 corresponding to the select lever 272 corresponds as described above. It is in a non-contact state with the lower surface of the wiping unit.
[0102]
In this state, the main rack 85 and the differential rack 86 of each wiping unit corresponding to the select levers 72 and 172 are not engaged with the pinions 52a and 52b, that is, in a non-engaged state. From the viewpoint of operation, only the wiping unit corresponding to the select lever 272 operates to reciprocate, and the others correspond to being inactive.
[0103]
The positions of the first cam follower 120, the second cam follower 220, and the third cam follower 320 are different from the relative positions of the select levers 72, 172, and 272, and as shown in FIG. Localized and juxtaposed. This localized position corresponds to the width occupied by the first cam portion 126, the second cam portion 127, and the third cam portion 128 of the select cam 111, whereby the width of the select cam 111 can be designed to be small. I have to.
[0104]
Further, as shown in FIG. 30, a reset lever 122 is further provided on the fulcrum shaft 73 so as to be rotatable at a position closest to the drive wheel 101. The reset lever 122 is used to reset the selected state of the select levers 72, 172, and 272. In this embodiment, in the reset state, the first cam follower 120, the second cam follower 220, and the third cam follower 320 all come out of the cam groove of the select cam 111 and abut on the uniform outer peripheral surface. This is the state shown in FIG. Therefore, this reset state corresponds to a select state in which all three wiping units are operated from the viewpoint of the wiping operation.
[0105]
As described above, the initial position of the selection operation by the selection device 300 is set when the select cam 111 and the drive wheel 101 are in the state shown in FIG. That is, the state in which the select cam 111 has its locking projection 116 locked to the stopper 119 and the projection 117 of the drive wheel 101 is locked to the rib 115 on the select cam 111 side. This is the initial position for controlling the select operation by the select cam 111.
[0106]
Then, the select device 300 in the initial position state shown in FIG. 26 positions the select cam 111 behind the cam body 143 of the drive mechanism unit 200 in the initial position state shown in FIG. The drive mechanism 200 is assembled. By assembling the selection device 300 to the drive mechanism 200 in this way, the cam body 143 can be operated from the initial position of the cam body 143 shown in FIG. 3 to operate the valve drive cam 62 and the cap drive cam 64. When rotating in the direction opposite to the rolling direction (the clockwise direction), the select cam 111 is pushed by the protrusion 117 of the drive wheel 101 and rotates in conjunction with the selected cam 111. At this time, the valve drive cam 62 and the cap drive cam 64 do not come into contact with and engage with the cam followers 71 and 91, and thus are inoperative.
[0107]
Therefore, a portion of the cam body 143 other than the portion where the valve drive cam 62 and the cap drive cam 64 are provided can be used without waste, and the valve drive cam 62 and the cap drive cam 64 can be operated. Only the select cam 111 can be operated to execute the selection operation of the wiping unit.
[0108]
Specifically, the initial position in FIGS. 3 and 26 is a state in which the three wiping units perform wiping operation. If the cam body 143 is rotated in the clockwise direction in this state, FIGS. As described above with reference to FIG. 20, the three wiping units start the wiping operation following the retracting operation of the capping device 37 and the like. On the other hand, if the cam body 143 is first rotated counterclockwise from the initial position state of FIGS. 3 and 26, the select operation is executed prior to the wiping operation.
[0109]
Then, after a predetermined selecting operation is performed by the select cam 111, the cam body 143 is rotated forward in the clockwise direction. At this time, since the select cam 111 is restricted from rotating clockwise by the engagement with any one or two of the cam followers 120, 220, 320 of the select levers 72, 172, 272, Is maintained. Only the wiping unit selected in this way performs the wiping operation.
[0110]
Next, the operation of the selection device 300 will be described based on FIG. 31 and FIGS. 32 to 36. FIG. 31 shows the selection device 300 in the same initial position as FIG. The selection device 300 corresponds to the initial position state with respect to the wiping operation of the cam body 143 shown in FIG. 3 in relation to the cam body 143.
[0111]
When the cam body 143 is rotated counterclockwise in this state, the protrusion 117 of the drive wheel 101 that rotates integrally with the cam body 143 pushes the rib 115 on the select cam 111 side, It rotates counterclockwise against the biasing force of the return spring (not shown). Accordingly, one or two of the cam followers 120, 220, and 320 of the select levers 72, 172, and 272 selected in advance are engaged with the cam groove of the select cam 111.
[0112]
33 shows that the cam followers 120 and 220 of the select levers 72 and 172 are simultaneously engaged with the cam groove 112 and the cam groove 124, and only the cam follower 320 of the select lever 272 is in contact with and engaged with the outer peripheral surface of the select cam 111. Indicates the state. The distal end working portions 74 of the select levers 72 and 172 engaged in this way ascend and push up the wiping member 36 side of the corresponding wiping unit. Thereby, since the meshing state of the rack-pinion is released, even if the pinion rotates, the corresponding wiping unit is inactivated.
[0113]
On the other hand, in FIG. 33, only the wiping unit corresponding to the select lever 272 having the cam follower 320 that does not engage with the cam groove of the select cam 111 maintains the meshing state of the rack-pinion. It is a target to be executed.
[0114]
When the selection operation is finished, the cam body 134 and the drive wheel 101 are rotated clockwise. FIG. 34 shows this state. As a result, the cam body 143 returns to the initial position shown in FIG. 3 and further rotates in the clockwise direction, thereby opening and closing the valve member 56 shown in FIGS. 3 and 10 to 20, and the suction operation by the suction pump 75. The retraction operation from the recording head 54 of the capping device 37, the wiping operation, the ink removing operation from the wiping member 36 by the ink removing member 55, and the rubbing operation as necessary are executed.
[0115]
In this embodiment, the reset levers 72 and 172 are reset by the reset lever 122 as shown in FIG. 35 with the following configuration. The drive wheel 101 is provided with a reset cam 118 as shown in FIG. The reset cam 118 moves the drive wheel 101 together with the cam body 143 from the state shown in FIG. 17 in which the wiping unit is moved forward by the wiping operation and the wiping member 36 is inclined in the forward movement direction. When rotating clockwise as it is, the reset cam 118 presses the reset lever 122 and rotates.
[0116]
By the rotation of the reset lever 122 by the reset cam 118, the cam followers 120 and 220 are released from the locked state with the cam groove. As a result, the select cam 111 is instantaneously returned to a position where the locking projection 116 comes into contact with the stopper 119 by an urging force 132 of a return spring (not shown). FIG. 35 shows this state.
[0117]
Thereafter, the drive wheel 101 is rotated counterclockwise, and the projection 117 is brought into contact with the rib 115 on the side of the select cam 111 returning to the original position and stopped. FIG. 36 shows this state. As a result, the drive mechanism 200 and the selection device 300 return to the initial positions shown in FIGS.
[0118]
[Embodiment 2]
Next, an ink jet recording apparatus according to Embodiment 2 of the present invention will be described with reference to FIGS. The basic configuration of the ink jet recording apparatus is substantially the same as that shown in the first embodiment. Therefore, in the following, wiping means (apparatus), capping means (apparatus), negative pressure generating means ( The overall configuration of the cleaning unit in which a suction pump or the like as a device is unitized and the specific configuration of each means (device) described above will be described.
[0119]
FIG. 37 shows the entire configuration of the cleaning unit and the configuration of the carriage facing the cleaning unit as seen through from the direction orthogonal to the main scanning direction. In the embodiment shown in FIG. 37, the nozzle forming surface of the recording head mounted on the carriage is arranged with an inclination of 65 degrees with respect to the horizontal line, and the cleaning unit also has the same angle corresponding to this. Are arranged.
[0120]
First, the carriage 501 has a substantially flat outer shape, and guide receiving portions 502a and 502b are formed on two sides thereof. The guide receiving portions 502a and 502b slidably support the two carriage guide shafts 503a and 503b in which the shaft cores are arranged in a parallel state with a relationship of 65 degrees with respect to the horizontal direction. Accordingly, the carriage 501 is configured to reciprocate in the main scanning direction along the two guide shafts 503a and 503b.
[0121]
A recording head 504 is mounted almost at the center of the carriage 501, and as is well known, the recording head 504 performs printing and recording on recording sheets (not shown) that are sequentially fed in the sub-scanning direction. FIG. 37 shows a state where the nozzle forming surface 504a of the recording head 504 is capped by a capping unit described later.
[0122]
The main part of the cleaning unit 507 is integrally held by a unit frame 508, a part of which is indicated by a chain line, and the cleaning unit 507 is disposed outside the printing area (home position) at one end of the recording apparatus. .
[0123]
A drive unit 509 having a drive gear, a cap drive cam, a valve drive cam, and the like, which will be described later, is rotatably supported on a single support shaft 510 that is supported by the unit frame 508 at a substantially central portion of the unit frame 508. ing. Although not shown in the drawing, the drive unit 509 is configured to be driven to rotate in the reciprocating direction by receiving the power of the drive motor attached to the inner wall of the unit frame 508.
[0124]
A wiping means 511 described later is disposed in a portion of the unit frame 508 facing the upper guide shaft 503a, and an internal space of a capping means 514 described later is sucked into the upper portion of the drive unit 509 to suck it. A suction pump 512 that realizes a pressure state is arranged. The wiping means 511 and the suction pump 512 are both attached to the unit frame 508.
[0125]
The suction pump 512 uses a so-called tube pump that realizes a pump action by sequentially crushing the flexible tubes 512b arranged in an arc shape by a pair of rollers 512a.
[0126]
On the other hand, a locking projection 508a is formed on the upper end portion of the unit frame 508, and a sub-frame 513 indicated by a chain line having a hook-shaped locking portion 513a at its end is formed on the locking projection 508a. It is locked so that it can rotate in a cantilevered manner. A capping unit 514 for capping the nozzle forming surface 504 a of the recording head 504 is attached to the rotation free end side of the subframe 513.
[0127]
A selection mechanism 515 is disposed in a space surrounded by the drive unit 509, the wiping means 511, and the suction pump 512 held by the unit frame 508. The selection mechanism 515 is supported by the frame 508. It is arranged to be driven through a shaft 516.
[0128]
Further, the unit frame 508 is integrally formed with an ink removing member 517 that scrapes off ink from a wiping member that wipes the nozzle forming surface by the operation of the wiping means 511, and at the end of the unit frame 508. An ink absorbing material 518 that receives ink droplets flying from the wiping member when contact with the ink removing member 517 is released is also disposed.
[0129]
FIG. 48 shows an external configuration of the capping unit 514 and a configuration of a drive mechanism including a subframe 513 that holds the capping unit 514 and drives the capping unit 514 to move forward and backward with respect to the recording head 504. The sub-frame 513 is formed with a pair of arm-like portions 521 extending upward, and one end of a traction spring 522 is locked to the tip of the arm-like portion 521, respectively. The other end of each traction spring 522 is locked to the unit frame 508. Accordingly, the sub frame 513 is configured such that the free end side of the sub frame 513 is biased toward the recording head 504 by the action of the traction spring 522 with the hook-shaped locking portion 513a as a fulcrum.
[0130]
A pair of cylindrical projections 524 formed toward both outer sides of the capping means 514 are fitted into the pair of window hole portions 523 formed on the free end side of the subframe 513, and the capping means is attached to the subframe 513. 514 is attached.
[0131]
A pair of guide rails 525 are attached to the inner side surface of the unit frame 508 so as to face each other, and concave guide portions 525a are formed on the guide rails 525, respectively. Box-like projections 526 are formed on both outer sides of the capping means 514, and the pair of box-like projections 526 are assembled in a manner of entering the guide portion 525a formed on the guide rail 525. .
[0132]
Therefore, when the sub-frame 513 is rotated with the hook-shaped locking portion 513a as a fulcrum, the capping means 514 moves along the guide portion 525a formed on the guide rail 525, and the capping means 514 is moved to the recording head 504. An action of moving forward and backward is made.
[0133]
On the other hand, a follower holder 531 is attached along the longitudinal direction almost at the center of the inner bottom portion of the sub-frame 513, and a follower 532 formed in a cylindrical shape is attached to the follower holder 531. It is mounted for rotation. In addition, a valve lever 534 is rotatably attached to an end portion of the follower holder 531 via a fulcrum 533, and a valve cam (described later) disposed in the drive unit 509 is disposed substantially in the middle of the valve lever 534. A protrusion 535 that is pushed down by 539 is formed. Although not shown in the drawing, the valve lever 534 is configured such that its free end is urged toward the capping means 514 by spring pressure.
[0134]
Further, the valve lever 534 is composed of two members, and the distal end portion of the free end side member 536 is formed in an L-shape, and a valve actuator described later can be pulled by the L-shaped portion 537. It is configured as follows.
[0135]
As shown in FIG. 48, a cap drive cam 538 and a valve drive cam 539 are arranged in the drive unit 509 so as to be adjacent to each other in the axial direction, and the cap drive cam 538 is attached to the follower holder 531 by its rotational drive. The valve drive cam 539 is in contact with the protrusion 535 formed at substantially the middle part of the valve lever 534 by its rotational drive.
[0136]
Therefore, when the drive unit 509 is rotationally driven, the follower 532 is pushed down according to the outer diameter shape of the cap drive cam 538, and the subframe 513 is also pushed down with the hook-like locking part 513a as a fulcrum. As a result, the nozzle forming surface 504a of the recording head 504 is unsealed by the capping unit 514, and the capping unit 514 is retracted. When the cap drive cam 538 rotates and the cam surface reaches the position of the small diameter portion, the free end side of the sub-frame 513 is returned to the recording head 504 side by the action of the traction spring 522 described above. As a result, the capping unit 514 advances to the recording head 504 side and acts to seal the nozzle forming surface 504a of the recording head 504.
[0137]
Similarly, when the drive unit 509 is rotationally driven, the valve lever 534 is pushed down in accordance with the outer diameter shape of the valve drive cam 539, and accordingly, the L-shaped part 537 pulls a valve actuator described later. Then, the valve member (described later) disposed in the capping means 514 operates to open. Further, when the valve drive cam 539 rotates and the cam surface reaches the position of the small diameter portion, the valve lever 534 stops the pulling of the valve actuator described later and is disposed in the capping means 514. It acts to close a valve member to be described later.
[0138]
Next, FIG. 39 shows the structure of the capping means 514 in an exploded state. As shown in FIG. 39, the capping means 514 includes a rectangular parallelepiped cap frame 541 having an open top, and the box-like protrusions 526 are integrally formed on both outer sides of the frame 541, respectively. Similarly, a rectangular parallelepiped slider 542 having an open top is disposed in the frame 541 in a so-called insertion state.
[0139]
Then, locking bodies 542a formed so as to protrude in the horizontal direction near the four corners of the slider 542 enter the window holes 541a opened in the vertical direction near the four corners of the frame 541, respectively. On the other hand, the slider 542 is configured to move in the vertical direction without being separated. Although not shown in the drawing between the frame 541 and the slider 542, a slight spring force is applied to bias the slider 542 so as to protrude from the frame 541.
[0140]
In addition, three valve holding members 543 are accommodated in the slider 542, and valve members 544 each having a flat head portion are slid into the hollow cylindrical portion 543a formed in the valve holding member 543, respectively. It is stored so that it can move. A neck portion is formed at the lower end portion of each valve member 544, and this neck portion is fitted and attached to a narrowed portion 545a formed on the link member 545 on the lower surface side of the valve holding member 543.
[0141]
Three pairs of fulcrum protrusions 545b are formed on the link member 545 so as to face each other, and each pair of fulcrum protrusions 545b is rotatably supported on the lower surface side of each valve holding member 543. ing. Therefore, by rotating the link member 545 at the fulcrum protrusion 545b, the valve member 544 operates to move up and down in the hollow cylindrical portion 543a formed in the valve holding member 543.
[0142]
A valve actuator 546 is attached to the free end side of the link member 545 via a support shaft 546c. The valve actuator 546 has a two-stage ladder shape, and the upper horizontal member 546a and the lower horizontal member 546b project through the slider 542 and the frame 541 to the lower bottom side of the frame 541. Configured to state.
[0143]
And as shown in FIG. 37, it is set as the structure which the front-end | tip part of the L-shaped part 537 in the valve lever 534 entered between each horizontal member 546a, 546b. As a result, the valve lever 534 is pulled by the operation of the valve lever 534, and the valve member 544 is pulled down to open the internal space of the capping means to the atmosphere as will be described later.
[0144]
The valve holding member 543 is integrally formed by being fitted into the lower bottom surface of the cap member 547, and a soft rubber seal member having a seal portion formed in a square shape at the top of each cap member 547. 548 is attached by fitting means. Each cap member 547 is configured such that a window hole 549a is arranged so that the seal member 548 faces the upper portion, and is held by a cap holder 549 coupled to the slider 542 by fitting means.
[0145]
Although not shown in the drawing, an air opening is formed in the lower bottom of each cap member 547, and the flat head of the valve member 544 closes with the air opening closed. As described above, the valve lever 534 is actuated to pull the valve actuator 546, and the internal space of the capping means is opened to the atmosphere.
[0146]
In addition, although not shown in the drawing, suction ports are formed in the lower bottom portions of the cap members 547, and a tube (not shown) is connected to the suction pump 512 shown in FIG. The internal space of the capping means is sucked to a negative pressure by the operation of the suction pump 512.
[0147]
Next, FIG. 40 and FIG. 41 show the wiping means 511 and its driving structure in a perspective view in a partially disassembled state. In the wiping means 511, three sets of wiping units 556 having the same configuration are arranged in parallel in a frame 555 having a flat rectangular outer shape. In FIG. 40, one wiping unit 556 is extracted from the frame 555 and partly disassembled.
[0148]
The wiping unit 556 includes a slide member 557 that moves in the sub-scanning direction orthogonal to the moving direction of the carriage. As shown in FIG. 41, the slide member 557 has a main member along its longitudinal direction. A rack 558 is arranged.
[0149]
A differential rack 559 formed at the same pitch as the main rack 558 is disposed adjacent to the main rack 558 so that the slide member 557 can slide in the longitudinal direction. The number of teeth is slightly larger than the number of teeth of the rack formed on the main rack 558. That is, if the number of teeth formed on the main rack 558 is 16, for example, the differential rack 559 has 19 teeth. As shown in FIG. Compared with the rack teeth of the main rack 558, three extra teeth are arranged.
[0150]
On the other hand, a pair of holder support shaft portions 557a and 557b are formed at the front end portion of the slide member 557. The holder support shaft portions 557a and 557b hold a wiping member 560 formed in a strip shape. The holder member 561 is pivotably supported. The wiping member 560 has one side surface made of a wiping material 560a such as rubber and the other side surface made of a rubbing material 560b such as felt, and these are bonded together to form an integral body.
[0151]
One end of an arm member 562 is pivotally supported on the free end side of the holder member 561, and a long hole 562a is formed at the other end of the arm member 562 along the longitudinal direction of the arm member 562. ing.
[0152]
As shown in FIG. 41, a shaft body 559a formed at the front end of the differential rack 559 is inserted into the long hole 562a so as to loosely fit into the long hole 562a. Further, both ends of the shaft 559a formed at the distal end portion of the differential rack 559 are widened between the base portion of the shaft body 559a and the spring receiving portion 562b formed at the substantially central portion in the longitudinal direction of the arm member 562. A coiled weighted spring 563 that is biased in the direction is arranged.
[0153]
That is, the arm member 562 is locked to the differential rack 559 with a play in the longitudinal direction of the long hole 562a, and the wiping member 560 is biased by the load spring 563 within the play range of the stroke. Is configured to receive.
[0154]
In the state shown in FIGS. 40 and 41, the free end side of the holder member 561 is pulled by the arm member 562, and the wiping member 560 is restricted so as to be orthogonal to the nozzle formation surface of the recording head. The wiper angle control mechanism is configured by a combination of the differential rack 559, the holder member 561, and the arm member 562.
[0155]
In addition, a leaf-shaped pressing spring 564 formed in a three-pronged shape is disposed on the upper portion of the frame 555, and each wiping unit 556 is held in a pressed down state by the pressing spring 564.
[0156]
On the other hand, as shown in FIG. 40, the drive unit 509 is provided with a drive wheel 568 in which a drive gear 567 is formed with an angle range of approximately 90 degrees, and slides on the drive wheel 568. A pinion group supporting frame 569 constituting a friction clutch mechanism is provided. That is, the support frame 569 acts so as to be dragged in the rotational direction of the drive wheel 568 by the action of the friction clutch mechanism, and a stopper 569a provided on a part of the support frame 569 is formed on a part of the unit frame 508. It arrange | positions so that it may face in the open window hole (not shown). The support frame 569 is configured to be able to rotate by being dragged in the rotation direction of the wheel 568 within a slight rotation range in which the stopper 569a comes into contact with the window hole and its rotation is restricted. Thus, the support frame 569 forms a planetary mechanism.
[0157]
By the rotational drive of the wheel 568, the pinion gear 570 supported by the support frame 569 is meshed with the drive gear 567 and is rotationally driven. Driven by rotation. In this case, each of the three pinion gears 571a to 571c drives the above-described respective wiping units 556 arranged in three sets, whereby the wiping operation of the recording head or the like is executed by the wiping unit 556. .
[0158]
37, three sets of select levers 515a are arranged in the longitudinal direction of the support shaft 516, and three select levers 515a via the support shaft 516 are operated to rotate the select mechanisms 515a. Any one of the pair of wiping units 556 is configured to be selectively pushed up against the urging force of the pressing spring 564.
[0159]
The main rack 558 and the differential rack 559 in the wiping unit 556 that have been pushed up by the select lever 515a are disengaged from the pinion gears 571a, 571b, and 571c facing each other, and the reciprocating operation of the wiping unit 556 is not executed. It is made like. In other words, by selecting the state of each select lever 515a in the select mechanism 515, one, two, or all of the three sets of wiping units 556 can be selected to be driven simultaneously.
[0160]
42 to 48 mainly show the operation of the wiping means 511 in the cleaning unit configured as described above. 42 to 48 show the state shown in FIG. 37 as viewed from the opposite direction in the main scanning direction.
[0161]
First, FIG. 42 shows a capping state in which the nozzle forming surface 504a of the recording head 504 is capped by the capping unit 514. In this capping state, the capping means 514 arranged on the free end side of the subframe 513 is biased toward the recording head 504 by the action of the traction spring 522 with the hook-shaped locking portion 513a of the subframe 513 as a fulcrum. . As a result, the soft rubber seal member 548 disposed on the capping means 514 is brought into close contact with the nozzle forming surface 504a of the recording head 504. The capping means 514 is shown as F in FIG. It is in a state of receiving an appropriate pressing force.
[0162]
The capping means 514 in this capping state functions as a lid for preventing drying of the nozzle openings of the recording head during the rest period of the recording apparatus, and causes the negative pressure by the suction pump 512 to act on the recording head 504. It has a function as a cleaning means for sucking ink from the recording head.
[0163]
Here, for example, when the drive unit 509 disposed in the unit frame 508 is rotated in one direction by receiving the power of the drive motor by a cleaning operation sequence, the valve drive cam 539 disposed in the drive unit 509 is moved to the valve lever. The valve lever 534 is pushed down by coming into contact with the protrusion 535 arranged at 534. As a result, the L-shaped portion 537 formed on the member 536 attached to the valve lever 534 pulls the valve actuator 546 in the T direction in FIG. 43. Accordingly, the valve members 544 disposed in the capping unit 514 are respectively lowered, and the internal space of the capping unit 514 is opened to the atmosphere.
[0164]
Then, the ink discharged into the capping unit is discharged through the suction pump 512 by operating the suction pump 512 again after releasing the atmosphere based on the sequence.
[0165]
When the drive unit 509 receives the power of the drive motor and still rotates in the same direction, the cap drive cam 538 disposed in the drive unit 509 contacts the follower 532 attached to the follower holder 531. As a result, the free end side of the sub-frame 513 locked to the unit frame 508 is pushed out so that it can be rotated in a cantilever manner. Therefore, the capping means 514 moves backward from the recording head 504 as shown in FIG. Thus, a clearance that allows the wiping unit 556 to reciprocate is formed.
[0166]
Subsequently, when the drive unit 509 receives the power of the drive motor and still rotates in the same direction, the drive gear 567 in the drive wheel 568 provided in the drive unit 509 is moved to the pinion gear 570 supported by the support frame 569. Engage and rotate this. Accordingly, the three pinion gears 571a, 571b, and 571c arranged on the same axis are also rotationally driven in the same direction.
[0167]
Here, if the wiping unit 556 is selected to be in the operating state by the select lever 515a constituting the select mechanism 515, for example, in the first pinion gear 571a, the wiping disposed at the left end shown in FIG. The main rack 558 and the differential rack 559 adjacent to each other in the unit 556 are simultaneously engaged with each other, and the main rack 558 and the differential rack 559 are moved forward at the same rate.
[0168]
At this time, since the main rack 558 and the differential rack 559 move forward with the same pace, the shaft body 559a formed at the distal end portion of the differential rack 559 maintains a state in which the arm member 562 is pulled forward. As a result, the wiping member 560 held by the holder member 561 holds the state orthogonal to the longitudinal direction of the arm member 562 as shown in FIG.
[0169]
When the arm member 562 still moves in the forward movement direction and the tip of the wiping member 560 comes into contact with the nozzle forming surface 504a of the recording head 504 as shown in FIG. 45, the wiping member 560 causes the load spring 563 to move. It is made into an inclined state in the contracted state. That is, the pressing force of the wiping member 560 against the nozzle forming surface is appropriately controlled by the weighted spring 563.
[0170]
When the arm member 562 advances in the forward movement direction in this state, as shown in an enlarged view in FIG. 41, the ink adhering to the nozzle forming surface 504a is scraped off by the wiping material 560a formed by the rubber member. It is done.
[0171]
After the wiping operation is completed, when the drive unit 509 is rotationally driven in the same direction, the end of the rack teeth formed on the main rack 558 is reached. Accordingly, the engagement between the pinion gear 571a and the main rack 558 is disengaged, and at the same time, although not shown in the drawing, the slide member 557 comes into contact with the stopper and the movement in the forward movement direction is stopped.
[0172]
However, as described above, the rack teeth of the differential rack 559 have an extra three teeth compared to the rack teeth of the main rack 558, and the differential rack 559 is still advanced by the pinion gear 571a. Extruded.
[0173]
As a result, the shaft body 559a disposed at the tip of the differential rack 559 moves forward, and the arm member 562 also moves forward together through the load spring 563. As the arm member 562 advances, the holder member 561 rotates with its lower end as a fulcrum. By this rotation, as shown in FIG. 10, the wiping member 560 is inclined in the forward movement direction.
[0174]
The wiping operation in which the wiping member 560 moves forward in a state where the wiping member 560 is pressed against the nozzle forming surface 4a of the recording head 4 is finished, and the wiping member 560 passes through the nozzle forming surface 4a and leaves the nozzle forming surface 4a. The following processing is performed at the stage before the inclined state shown in FIG. That is, the tip of the wiping member 560 comes into contact with the rib-shaped ink removing member 517 formed integrally with the unit frame 508, and the ink adhering to the wiping member 560 is scraped off by the ink removing member 517. However, at this time, at the moment when the contact with the ink removing member 517 is released, the tip of the wiping member 560 is repelled in the forward movement direction by the action of the load spring 563. As a result, the ink adhering to the wiping member 560 is blown off from the wiping member 560, flies toward the ink absorbing material 518, and is absorbed by the ink absorbing material 518.
[0175]
Thereafter, the drive unit 509 is given a rotational movement in the reverse direction, and the support frame 569 supporting the pinion gears 571a to 571c is slightly rotated by the planetary mechanism described above. As a result, the pinion gears 571a to 571c move forward so as to mesh with the end portions of the main rack 558 and the differential rack 559, and drive both racks 558 and 559 in the backward movement direction. In this case, the main rack 558 and the differential rack 559 move in the backward movement direction at the same pace while the two racks 558 and 559 have a shift corresponding to the number of teeth of three, so that the wiping member 560 As shown in FIG. 47, it passes over the recording head 504 while being inclined in the forward movement direction. For this reason, the slide member 557 is accommodated in the frame 555 while the tip of the wiping member 560 does not contact the nozzle forming surface 504a or slightly contacts.
[0176]
The drive unit 509 is still driven to rotate in the same direction to reach the start end of the rack teeth formed on the main rack 558. Accordingly, the pinion gear 571a and the main rack 558 are disengaged, and at the same time, although not shown in the drawing, the slide member 557 comes into contact with the stopper and the movement in the backward movement direction is stopped. However, as described above, the rack teeth of the differential rack 559 have an extra three teeth compared to the rack teeth of the main rack 558, and the differential rack 559 is still provided with three teeth by the pinion gear 571a. Retreat by the number corresponding to the number.
[0177]
As a result, the shaft body 559a disposed at the tip of the differential rack 559 moves backward, and the holder 561 is pulled by the arm member 562, so that the wiping member 560 is returned in a direction perpendicular to the nozzle formation surface of the recording head. In the initial state.
[0178]
In the above, a series of wiping operations for wiping ink on the nozzle forming surface using the wiping material 560a such as rubber constituting one side surface of the wiping member 560 has been described. However, the felt constituting the other side surface of the wiping member 560 is described. In the case where the rubbing operation is performed using the rubbing material 560b, the following is performed.
[0179]
That is, when the wiping operation shown in FIG. 45 is finished, in other words, when the slide member 557 reaches slightly before the end portion in the forward movement direction, if the drive unit 509 is given a rotational motion in the reverse direction, the wiping member The holder member 561 to which the 560 is attached moves in the backward movement direction while maintaining the state pulled by the arm member 562. Therefore, the end surface of the rubbing material 560b constituting the wiping member 560 is slid in contact with the nozzle forming surface in a state orthogonal to the nozzle forming surface of the recording head.
[0180]
This state is shown in FIG. 48, and the rubbing material 560b is strongly rubbed against the nozzle forming surface 504a of the recording head 504 by the strength of the rubbing material 560b. For this reason, the foreign material adhering to the nozzle formation surface 504a can be easily removed.
[0181]
【The invention's effect】
According to the present invention, during the wiping operation, the wiping member is pressed against the nozzle forming surface of the recording head using the elastic force of both the wiping member itself and the spring. The first technical requirement is that the wiping member must be pressed against the nozzle forming surface with a soft and appropriate strength to the extent that the ink meniscus in the nozzle opening can be reliably stabilized. It can be easily and fully satisfied. Further, during the rubbing operation, the rotation restricting means restricts the rotation of the wiping member so that the wiping member is rigidly supported, so that the wiping member is strongly pressed against the nozzle forming surface. The foreign matter firmly fixed to the nozzle forming surface can be reliably scraped off, and the second technical requirement can be satisfied easily and sufficiently.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an ink jet recording apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing a unitized head ejection characteristic maintaining apparatus according to the present invention.
FIG. 3 is a schematic side view of the inside of the head ejection characteristic maintaining device, a part of which is shown in cross section, and further shows a state in which the cam is at a reference position of the home position.
FIG. 4 is a schematic plan view of the inside of the head ejection characteristic maintaining apparatus, and a part thereof is shown in cross section.
FIG. 5 is a perspective view of a wiping device according to the present invention, in which a wiping member is in a vertical state.
6 is a plan view of the wiping device in the state of FIG. 5 as viewed from the back side.
FIG. 7 is a perspective view of the wiping device according to the present invention, in which the wiping member is tilted by rotating in the forward movement direction.
FIG. 8 is a plan view of the wiping device in the state of FIG. 7 as viewed from the back side.
FIG. 9 is a perspective view of the state where the wiping device is engaged with a pinion as viewed from below.
10 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining apparatus as FIG. 3, showing a state where the camshaft is slightly rotated from the reference position.
11 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining device as in FIG. 10, showing a state where the camshaft has rotated a little further.
12 is a side view of the inside of the head ejection characteristic maintaining device same as that in FIG. 11, showing a state where the camshaft is further rotated.
13 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining device as in FIG. 12, showing a state where the camshaft has been further rotated.
14 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining device as in FIG. 13 and shows a state where the camshaft is further rotated.
15 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining device as in FIG. 14 and shows a state where the camshaft is further rotated a little.
16 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining device as in FIG. 15, showing a state where the camshaft has rotated slightly in reverse.
17 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining device as FIG. 15, showing a state where the camshaft has been rotated to near the end point.
18 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining device as FIG. 17, showing a state where the camshaft has been rotated to the end point.
19 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining device as FIG. 18, showing a state where the camshaft has been rotated slightly in reverse from the state of FIG.
20 is a side view of the inside of the same head ejection characteristic maintaining apparatus as FIG. 19, showing a state where the camshaft is further rotated in the reverse direction from the state of FIG.
FIG. 21 is an exploded perspective view of the drive mechanism and the capping device according to the present invention.
FIG. 22 is a side view of an essential part of an ink removing member according to the present invention.
FIG. 23 is a cross-sectional view of an essential part of an ink removing member according to the present invention.
FIG. 24 is a cross-sectional view of a main part of another ink removing member according to the present invention.
FIG. 25 is a side view of a main part of another ink removing member according to the present invention.
FIG. 26 is a schematic side view showing a selection device according to the present invention.
FIG. 27 is a schematic side view showing a selection device according to the present invention in a state in which the select cam is further rotated.
FIG. 28 is an exploded perspective view showing a selection device according to the present invention.
29 is a perspective view of a select cam according to the present invention, as seen from the direction of the arrow in FIG. 28. FIG.
FIG. 30 is a rear view of the selection device according to the present invention.
FIG. 31 is a side view of an essential part of a selection device according to the present invention.
FIG. 32 is a perspective view showing a drive gear and a pinion portion according to the present invention.
FIG. 33 is a side view of an essential part of a selection device according to the present invention.
FIG. 34 is a side view of an essential part of a selection device according to the present invention.
FIG. 35 is a side view of an essential part of a selection device according to the present invention.
FIG. 36 is a side view of an essential part of the selection device according to the present invention.
FIG. 37 is a side view showing the overall configuration of a cleaning unit mounted on an ink jet recording apparatus according to another embodiment of the present invention and the configuration of a carriage facing the cleaning unit in a see-through state.
38 is an exploded perspective view showing an external configuration of a capping unit mounted on the cleaning unit shown in FIG. 37 and a configuration of a drive mechanism that drives the capping unit to move forward and backward.
39 is an exploded perspective view showing the configuration of the capping means shown in FIG. 38. FIG.
40 is an exploded perspective view showing the wiping means mounted on the cleaning unit shown in FIG. 37 and the drive configuration thereof. FIG.
41 is a side view showing a detailed configuration of the wiping means shown in FIG. 40. FIG.
42 is a side view showing a capping state in which the wiping means shown in FIG. 40 is retracted. FIG.
43 is a side view showing an open state in which the valve member arranged in the capping means shown in FIG. 42 is opened. FIG.
44 is a side view showing a state in which the capping means shown in FIG. 43 is retracted. FIG.
45 is a side view showing a wiping operation state of the recording head shown in FIG. 44. FIG.
46 is a side view showing a state where ink is removed from the wiping member shown in FIG. 45. FIG.
47 is a side view showing a backward operation state of the wiping member shown in FIG. 46. FIG.
FIG. 48 is a side view showing a rubbing operation state of the recording head performed following the process of FIG. 45;
[Explanation of symbols]
35 Wiping device
36 Wiping members
46 Slide member
47 Wiping material
48 Rubbing material
49 Spring
50 base
77 Arm member
78 long hole
80 Holder member
81 Support part
82 Shaft
85 main rack
86 differential rack

Claims (18)

インクジェット式の記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル形成面を払拭するワイピング装置とを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記ワイピング装置は、
前記ノズル形成面に平行に往復移動するスライド部材と、
該スライド部材に支持され、該スライド部材の前記往復移動における一方向への移動時には前記ノズル形成面に対するワイピング動作として、該スライド部材の前記一方向と反対方向への移動時には前記ノズル形成面に対するラビング動作として、その自由端側が該ノズル形成面に押し付けられるワイピング部材と、
該ワイピング部材の基端側を前記スライド部材に回動可能に支持する支持部と、
前記ワイピング動作時に、ノズル形成面への前記押し付けに伴う反作用を該ノズル形成面から受けてその反作用力の方向に回動された当該ワイピング部材をその状態のまま前記押し付け方向に付勢して支えるバネと、
前記ラビング動作時に、前記ワイピング部材の回動を規制して該ワイピング部材を剛的に支持された状態にする回動規制手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット式記録装置。An ink jet recording apparatus comprising an ink jet recording head and a wiping device for wiping the nozzle forming surface of the recording head,
The wiping device is
A slide member that reciprocates parallel to the nozzle forming surface;
When the slide member is moved in one direction in the reciprocating movement, the wiping operation is performed on the nozzle forming surface. When the slide member is moved in the direction opposite to the one direction, rubbing is performed on the nozzle forming surface. As an operation, a wiping member whose free end is pressed against the nozzle forming surface;
A support portion that rotatably supports the base end side of the wiping member on the slide member;
At the time of the wiping operation, the wiping member rotated in the direction of the reaction force that receives the reaction accompanying the pressing to the nozzle forming surface from the nozzle forming surface is urged and supported in the pressing direction as it is. Spring,
A rotation restricting means for restricting the rotation of the wiping member during the rubbing operation so that the wiping member is rigidly supported;
An ink jet recording apparatus comprising: 請求項１において、前記ワイピング部材は、弾性板から成るワイピング用素材と、該ワイピング用素材よりも曲げに対する抵抗の大きいフェルト等のラビング用素材とが接合された複合材から成ることを特徴とするインクジェット式記録装置。  2. The wiping member according to claim 1, wherein the wiping member is made of a composite material in which a wiping material made of an elastic plate and a rubbing material such as felt having a higher resistance to bending than the wiping material are joined. Inkjet recording device. 請求項２において、前記ワイピング部材の基端側を挟持すると共に前記スライド部材に前期支持部を介して回動可能に軸支されるホルダ部材と、
該ホルダ部材の自由端側を支持すると共に、その他端部において所定ストロークの遊びをもって前記スライド部材に係止されるアーム部材とを備え、
前記所定ストロークの遊びの範囲で前記ワイピング部材が前記バネの付勢力を受けるように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。In Claim 2, while holding the base end side of the wiping member, a holder member that is pivotally supported by the slide member via a support portion in the previous period,
An arm member that supports the free end side of the holder member and is locked to the slide member with play of a predetermined stroke at the other end portion;
An ink jet recording apparatus, wherein the wiping member is configured to receive a biasing force of the spring within a range of play of the predetermined stroke. 請求項３において、前記アーム部材の他端部に形成された長孔と、
前記スライド部材に前記長孔に遊嵌するように配置された軸体とを備え、
前記軸体に対する前記長孔の移動範囲において前記所定ストロークの遊びを持たせるように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。In Claim 3, The long hole formed in the other end part of the arm member,
A shaft body arranged so as to loosely fit in the elongated hole on the slide member;
An ink jet recording apparatus configured to allow play of the predetermined stroke in a moving range of the elongated hole with respect to the shaft body. 請求項１から４のいずれか１項において、前記回動規制手段は、前記ワイピング部材の回動可能範囲の一方の限界位置において前記ラビング動作が行われるように設定することで構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。  5. The rotation restricting means according to claim 1, wherein the rotation restricting unit is configured to perform the rubbing operation at one limit position of a rotatable range of the wiping member. An ink jet recording apparatus. 請求項１から４のいずれか１項において、前記スライド部材には、その長手方向に沿ってメインラックが形成され、前記メインラックに噛み合うピニオンの正逆方向への回転駆動によりスライド部材が往復移動されるように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。  5. The slide member according to claim 1, wherein a main rack is formed along a longitudinal direction of the slide member, and the slide member is reciprocated by rotationally driving a pinion meshing with the main rack in the forward and reverse directions. An ink jet recording apparatus configured as described above. 請求項６において、前記スライド部材の長手方向に摺動可能となるよう配置された差動ラックがさらに具備され、前記差動ラックは該差動ラックに噛み合うピニオンの正逆方向への回転駆動により、メインラックと同一歩調をもって往復移動されるように構成されると共に、前記スライド部材の往動方向への移動終端部において、前記ピニオンによって前記差動ラックだけが更に押し出されて往動方向に移動するように構成され、該差動ラックだけの移動によって前記ワイピング部材を往動方向に傾斜させるように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。  7. The differential rack according to claim 6, further comprising a differential rack disposed so as to be slidable in a longitudinal direction of the slide member, and the differential rack is driven by rotation of a pinion meshing with the differential rack in the forward and reverse directions. The slide rack is configured to reciprocate at the same pace as that of the main rack, and at the end of movement of the slide member in the forward movement direction, only the differential rack is further pushed out by the pinion and moved in the forward movement direction. An ink jet recording apparatus, wherein the wiping member is inclined in the forward movement direction only by movement of the differential rack. 請求項７において、前記メインラックと差動ラックにおけるラックのピッチがほぼ同一に構成され、且つメインラックに形成されたラックの歯数に比較して差動ラックに形成されたラックの歯数を大きく構成したことを特徴とするインクジェット式記録装置。  In Claim 7, the rack pitch in the said main rack and a differential rack is comprised substantially the same, and the number of teeth of the rack formed in the differential rack is compared with the number of teeth of the rack formed in the main rack. An ink jet recording apparatus having a large configuration. 請求項７又は８において、前記ワイピング部材の基端側を挟持すると共に前記スライド部材に回動可能に軸支されるホルダ部材と、
該ホルダ部材の自由端側を支持すると共に、その他端部において所定ストロークの遊びをもって前記差動ラックに係止されるアーム部材とを備え、
前記所定ストロークの遊びの範囲で前記ワイピング部材が前記バネの付勢力を受けるように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。In Claim 7 or 8, the holder member that is pivotally supported by the slide member while sandwiching the proximal end side of the wiping member;
An arm member that supports the free end side of the holder member and is locked to the differential rack with play of a predetermined stroke at the other end portion;
An ink jet recording apparatus, wherein the wiping member is configured to receive a biasing force of the spring within a range of play of the predetermined stroke. 請求項９において、前記アーム部材の他端部に形成された長孔と、
前記差動ラックに前記長孔に遊嵌するように配置された軸体とを備え、
前記軸体に対する前記長孔の移動範囲において前記所定ストロークの遊びを持たせるように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。In Claim 9, the long hole formed in the other end part of the arm member,
A shaft body arranged so as to loosely fit into the elongated hole in the differential rack;
An ink jet recording apparatus configured to allow play of the predetermined stroke in a moving range of the elongated hole with respect to the shaft body. 請求項７から１０のいずれか１項において、前記回動規制手段は、前記差動ラックとピニオンとの歯合により構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。  11. The ink jet recording apparatus according to claim 7, wherein the rotation restricting unit is configured by engagement of the differential rack and a pinion. 請求項１から１１のいずれか１項において、前記ワイピング装置が、記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャッピング装置と共にユニットフレームに配置され、少なくともキャッピング装置が記録ヘッド側に進出してノズル形成面を封止するキャッピング状態およびキャッピング状態から退避して記録ヘッドのノズル形成面の封止を解く非キャッピング状態とを採り得るように構成され、前記キャッピング装置の退避状態における空間部に、前記ワイピング装置を構成するワイピング部材が往復移動されるように構成されたことを特徴とするインクジェット式記録装置。  12. The wiping device according to any one of claims 1 to 11, wherein the wiping device is disposed in a unit frame together with a capping device that seals a nozzle forming surface of a recording head, and at least the capping device advances toward the recording head side to form a nozzle forming surface. The capping device is configured to be capable of adopting a capping state in which the recording head is sealed and a non-capping state in which the nozzle forming surface of the recording head is unsealed, and the wiping device in the space portion in the retracted state of the capping device. An ink jet recording apparatus characterized in that the wiping member constituting the slidable member is reciprocally moved. 請求項１２において、前記ワイピング装置を構成するワイピング部材の往復移動が、スライド部材の長手方向に沿って配置されたメインラックに噛み合うピニオンの正逆方向への回転駆動によりなされ、前記キャッピング装置の進出および退避動作がキャップ駆動カムの回転動作によってなされ、前記ピニオンに噛み合って当該ピニオンを回転駆動する駆動ギアと、前記キャップ駆動カムとが１つの支持軸上に配置されて前記ワイピング部材の往復移動および前記キャッピング装置の進出および退避動作のタイミングを図るように構成されたことを特徴とするインクジェット式記録装置。  13. A reciprocating movement of a wiping member constituting the wiping device according to claim 12, wherein the pinion engaged with a main rack disposed along a longitudinal direction of the slide member is driven to rotate in the forward and reverse directions, and the capping device is advanced. And a retraction operation is performed by a rotation operation of the cap drive cam, and a drive gear that meshes with the pinion and rotationally drives the pinion, and the cap drive cam are disposed on one support shaft, and the reciprocating movement of the wiping member and An ink jet recording apparatus configured to make timings for the capping device to advance and retreat. 請求項１３において、前記キャップ駆動カムに当接するフォロワが、前記ユニットフレームの一部に片持ち形式で係止されたサブフレーム側に取り付けられ、該サブフレームの回動自由端側に前記キャッピング装置を配置してなることを特徴とするインクジェット式記録装置。  14. The follower according to claim 13, wherein a follower that abuts on the cap drive cam is attached to a subframe side that is locked to a part of the unit frame in a cantilever manner, and the capping device is disposed on a rotation free end side of the subframe. An ink jet recording apparatus comprising: 請求項１３又は１４において、前記キャッピング装置には、キャッピング装置の内部空間を開閉するバルブ部材と、当該バルブ部材の開閉弁動作を司るバルブ作動子が配置され、前記駆動ギアおよびキャップ駆動カムと共に１つの支持軸上に配置されたバルブ駆動カムによって、前記バルブ作動子が駆動されるように構成されたことを特徴とするインクジェット式記録装置。  15. The capping device according to claim 13 or 14, wherein a valve member that opens and closes an internal space of the capping device and a valve actuator that controls an opening and closing valve operation of the valve member are disposed in the capping device, together with the drive gear and the cap drive cam. An ink jet recording apparatus, wherein the valve actuator is driven by a valve drive cam disposed on one support shaft. 請求項１３から１５のいずれか１項において、前記ユニットフレームには、前記キャッピング装置の内部空間に負圧を与える吸引ポンプがさらに配置され、前記ワイピング装置、キャッピング装置と共にヘッドクリーニングユニットを構成してなることを特徴とするインクジェット式記録装置。  The suction pump for applying a negative pressure to the internal space of the capping device is further disposed in the unit frame, and a head cleaning unit is configured together with the wiping device and the capping device. An ink jet recording apparatus. 請求項１から１６のいずれか１項において、前記スライド部材の移動方向は、ノズル形成面に配列されているノズル列に平行な方向であることを特徴とするインクジェット式記録装置。  17. The ink jet recording apparatus according to claim 1, wherein the moving direction of the slide member is a direction parallel to the nozzle rows arranged on the nozzle forming surface. 請求項１７において、用紙搬送路は傾斜面に形成され、前記スライド部材の移動方向は、前記傾斜面に平行で且つ往動方向が斜め下方となるように構成されている特徴とするインクジェット式記録装置。  18. The ink jet recording according to claim 17, wherein the sheet conveyance path is formed on an inclined surface, and the moving direction of the slide member is parallel to the inclined surface and the forward movement direction is obliquely downward. apparatus.
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