JP3915625B2 - Structure of nitrogen gas chamber of electron beam irradiation device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電子線照射装置における窒素ガスチャンバの構造に関する。電子線照射装置というのは真空中でフィラメントを加熱して熱電子を発生させ加速管で電子を加速して高速の電子線ビームにしてから照射窓の窓箔を通して大気中に取り出して被処理物に電子線を当てて高分子架橋、塗膜硬化、殺菌などの処理を行う装置である。電子線照射装置は、高圧電源、加速管、フィラメント、照射窓、搬送機構、金属筐体、冷却機構などを含む。
【0002】
加速エネルギーが5MeV〜500keVというように高い場合は背の高い大型の走査型のものを用いる。それは一本のビームを左右前後に走査するので走査型というのである。ビームを走査させるため、加速管の終わりに走査コイルを備え、それに続いて三角形状に広がった走査管を設ける。高いエネルギーに加速した細い電子線ビームを縦横に走査して被処理物に照射する。
【0003】
加速エネルギーが数十keV〜500keVというように低い場合は非走査型のものを用いる。非走査型の場合は多数の平行フィラメントを並列に電極棒に接続して平行フィラメントから面に垂直の方向に電子線が出る。フィラメント領域の実効面積を広くしておき、それをそのまま照射窓の方向へ加速する。初めから大面積の電子流が発生するから走査しなくても被処理物の広い面積に一挙に電子線が照射される。エネルギーが低いのでクーロン斥力の影響でビームが広がりやすく、均一な電子線密度を得るのが容易である。
【0004】
加速電源は、商用電源をトランスによって適当な電圧に変換し、それを多数のコンデンサと整流器を組み合わせた電圧逓倍回路によって所望の高電圧にしている。それらの高電圧を扱うコンデンサ、整流器は高電圧架台の上に搭載され、大地側とは絶縁されている。電圧が高い走査型の場合は電源回路は複雑で容積も大きい。電圧が低い非走査型の場合、電源回路はより簡単化されている。
【0005】
照射窓というのはフィラメントのある真空領域と、被処理物の存する大気圧領域を仕切るための窓でありTi、Alの窓箔が張られている。照射窓は金属製の大きい筐体に取り付けられる。電子線が被処理物に当たるとX線が出る。X線を遮蔽するため厚い金属筐体で搬送機構や被処理物、照射窓を覆うようになっている。金属筐体の中を無端周回コンベヤなどの搬送機構が走行し、被処理物を入口−照射窓直下(処理位置)−出口へと運んで行くようになっている。それもX線が漏洩しないように上下に強く蛇行するような工夫がなされている。
【0006】
【従来の技術】
本発明で問題にするのは照射窓の直下にある被処理物の照射部分である。被処理物に電子線が当たるとX線が発生する。それが外部に漏れないように重厚な金属筐体で照射部分と搬送機構の全体をスッポリと覆う。X線が空気中の酸素に当たると酸素はオゾンになる。オゾンは独特の臭気をもつ。被処理物の種類によってオゾン臭の付くのが望ましくないという場合がある。その場合はオゾンが発生しないように空気を窒素によって置換する。筐体内部において搬送機構の下流側から上流側へと窒素やアルゴンなどの不活性ガスを流す。すると酸素が追い出され不活性ガス雰囲気になるからオゾンは発生しなくなる。
【0007】
筐体の内部全体に窒素ガスを満たすことは不経済であるから、被処理物に電子線を照射する照射部のあたりだけを狭い容器によって囲むようにする。容器によって囲んで、そこだけに窒素ガスを吹き込むようにする。その容器の内部で電子線が被処理物に当たりX線が発生しても酸素がないからオゾンはできない。容器で囲むといっても、それは密封した容器ではない。被処理物は前へ前へと前進しなければならないので被処理物の入口、出口が必要である。完全に密閉できないが、一次的に窒素ガスを高濃度で保有できるような容器である。それを窒素ガスチャンバと呼ぶことにする。本発明はその窒素ガスの閉じ込めのための空間を与える窒素ガスチャンバに関する。
【0008】
窒素ガスチャンバの要件は、照射窓の直下にあること、被処理物がその中を通過すること、筐体内部の大部分の空間からほぼ遮断されていること、などである。図1は従来例にかかる窒素ガスチャンバの構造を示す。これは非走査型(エリヤ型)の電子線照射装置を描いているが走査型の場合も同様である。
【0009】
円筒形の真空チャンバ2は密封されており真空に引かれている。中央部に平行な多数のフィラメント3が給電棒(電極棒)に並列に接続され、そこから熱電子が発生するようになっている。真空チャンバ2の下方は開口部となっており、それが電子線を外部に放出する照射窓4である。照射窓4には窓箔5が張ってある。円筒形の真空チャンバ2の照射窓4は金属製の筐体6の開口部に固着されている。筐体6の内部で照射窓の直下には平たい窒素ガスチャンバ7が設けられる。窒素ガスチャンバ7の中を水平に被処理物8が通過するようになっている。この場合は帯状の連続した被処理物8が両端で巻取り巻戻され自走する様子を示す。が、無端周回コンベヤで被処理物を搬送するようになっていてもよい。
【0010】
窒素ガスチャンバ7の中にはビームキャッチャー9があり、それが電子線の一部を受ける。被処理物8を透過した電子線、被処理物がたまたま存在せず被処理物に当たらずに到達した電子線、その他の部位に反射、散乱された電子線などである。ビームキャッチャー9の下は鉛など金属製の遮蔽材10が張ってある。ビームキャッチャー9に流れる電流を測定することによって電子線の電流を求めることができる。
【0011】
窒素ガスチャンバ7は半ば閉じられた空間であるが、被処理物8が通過するための入口20と出口22が上流側と下流側にある。金属製(例えばステンレス)の前板23、底板24、後板25、上板26、側板29などで区切られた低く広い空間である。底板24はパッキン28を介して前板23、後板25、側板29などに固着される。
【0012】
下流側に窒素ガス入口27がある。それによって窒素ガスチャンバ7内部の空気が置換される。空気を置換した窒素ガスは下流側の出口22、上流側の入口20から筐体6の内部に出る。出口22から出たものは損失になるから、なるべく逆行し照射部を通り、入口20から出るようにする。
【0013】
窒素ガスチャンバ7の下には広い板状の遮蔽体30がある。これはステンレス、鉄、鉛等金属板であり、電子線、X線を遮蔽して外部へ漏れないようにする。筐体6とは別の部材である。遮蔽体30はエアシリンダ、モータなどの力によって上下に昇降できるようになっている。これは電子線、X線を遮断するものだから重厚な金属板であり重いし広いものである。これが上下に昇降できるようになっているのは照射窓の部分のメンテナンスが必要だからである。照射窓を点検、修繕、補修するときは遮蔽板30を下まで降ろす。
【0014】
もしも窒素ガスチャンバのようなものがなければ、下流側から上流側にかけて広い空間を窒素ガスによって満たす必要がある。それは窒素ガスの消費量を押し上げ望ましくない。窒素ガスチャンバ7があると窒素ガスを狭い空間に一時的にせよ局在させることができるため窒素ガスの量を節減することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
窒素ガスチャンバ7を筐体内部に設置すると窒素ガスの使用量を節約できて電子線照射処理コストを低減できる。細い入口、出口を通すことができるシート状の被処理物の場合に有効である。シート状被処理物の上下の揺れを少なくすれば入口20、出口22を狭くでき窒素ガス損失をさらに減らすことができる。
【0016】
そのような窒素ガスチャンバを備えた電子線照射装置はいまだ数少ない。それでも改良の余地があるということが分かってきた。一つは底板と、側板、前後板を連結するために用いるパッキンがX線を浴びて劣化するということである。先述のように電子線が物体に当たるとX線が出る。X線は発生点を囲んで四方八方に放射される。それがパッキンに当たり、それを劣化させてしまう。ゴムや樹脂でできたパッキンが劣化すると窒素ガス漏れが起こるから必要な窒素ガスの量が増えてしまう。
【0017】
もう一つの問題は、照射窓のメンテナンスが困難になるということである。照射窓には窓箔が張ってあり冷却水が通っているから故障が起こり易いし保守点検の必要性も高い。遮蔽板30はモータやエアシリンダの操作で下へ降ろす事ができる。窒素ガスチャンバのない従来の電子線照射装置ならすぐに照射窓の部分が露出したので窓箔を張り替えたり、冷却水パイプなどの補修をすぐに行うことができる。
【0018】
しかし、ここで問題にするような窒素ガスチャンバを設けた電子線照射装置は、遮蔽板30を降ろしても、それだけでは照射窓が露出しない。まだ窒素ガスチャンバがあって照射窓を隠しているからである。さらに窒素ガスチャンバを取り外さないと照射窓のメンテナンスができない。そこで上板26の部分の筐体への取付部分のボルトを取り外して、窒素ガスチャンバの全体を抜き取る必要がある。
【0019】
窒素ガスチャンバは重い金属の箱であるから、それは容易ではない。そうでなくても照射窓は点検、補修の必要が高いので、照射窓が窒素ガスチャンバなどによって幾重にも覆われるようになるのは望ましいことではない。
【0020】
パッキンの急速な劣化を防ぐようにした窒素ガスチャンバ構造を提供することが本発明の第1の目的である。照射窓部分のメンテナンスを容易にした窒素ガスチャンバ構造を提供することが本発明の第2の目的である。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、窒素ガスチャンバを、筐体に固定した固定上半部と、遮蔽板とともに昇降できる可動下半部に分割し、パッキンを下半部の遮蔽底板側板部分でX線から保護した構造とする。上半部は上板、前板、後板よりなり照射窓近傍で筐体に固定されている。下半部は遮蔽板に固定され凹部をもつ遮蔽底板と凹部によってX線被爆から護られるパッキンよりなる。遮蔽底板にビームキャッチャーを戴置する。
【0022】
遮蔽板が上昇したときには上半部の下開口部を下半部の遮蔽底板が閉ざすようになっている。そのときパッキンは遮蔽底板の側板部によってX線から防護される。ビームキャッチャーに当たった電子線がX線を発生するが、遮蔽底板の側面が邪魔になってX線はパッキンに当たらない。それによってパッキンの劣化が抑制される。
【0023】
遮蔽板が下降したときは、下半部をなす遮蔽底板が下がって、上半部の開口部が開く。開口部から手を差し入れて照射窓の窓箔フランジボルトを取り外すことができる。疲労した窓箔を取り除くことができる。新しい窓箔を開口部から入れて、窓箔フランジと照射窓フランジの間に挟んで再びボルトを締結して、窓箔をフランジ間に固定できる。開口部から手を入れて冷却水系などの補修や点検もできる。窒素ガスチャンバを開くためにボルトを外す必要はなく、遮蔽板を下降させるだけで窒素ガスチャンバは開き、遮蔽板を上昇させるだけで窒素ガスチャンバは閉じる。だから照射窓のメンテナンスもより容易になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図2、図3によって本発明の実施例にかかる電子線照射装置を説明する。図2は窒素ガスチャンバを閉じた状態、図3は窒素ガスチャンバを開いた状態を示す。
【0025】
円筒形の真空チャンバ2の内部に負の高電圧が印加されたフィラメント3が設けられる。フィラメントは平行の金属抵抗体であって10本〜50本が平行並列に接続されている。真空チャンバ2の外殻部は接地電位である。フィラメント3から熱電子eが出て加速電圧によって下方に加速され電子線となる。真空チャンバ2の下方が開口部となっている。それが照射窓4である。照射窓より上は真空に、下は大気圧になっているから、それを仕切るためTi、Alの窓箔5が照射窓4開口部に張られる。電子線はフィラメントから真空中を進み窓箔5を通り大気中に出て、その下を走行する被処理物8に当たり所望の処理を行う。
【0026】
酸素があるとオゾンができてしまって好ましくないから照射窓の直下は、窒素ガス雰囲気とする。そのため窒素ガスチャンバ7を照射窓4の直下において筐体6の内部に設ける。窒素ガスチャンバ7は上下二分割になっている。上半部と下半部に分割できるようにしている。
【0027】
上半部は筐体6に固着する上板26、前板23、後板25、側板29を含む。これらは四角形の枠をなす。前板23には被処理物8を導入するための入口20がある。後板25には被処理物が排出されるための出口22がある。枠をなす前板23、後板25、側板29の下辺は外側へ折り曲げたフランジ38となっている。フランジ38にパッキン36が接着してある。
【0028】
下半部は上昇下降可能でX線を遮蔽するため筐体6の内部にもともと設けてある遮蔽板30に固定される。遮蔽板30の上に脚32を付け、その上に重い金属製(ステンレス、鉛)の遮蔽底板33を載せている。遮蔽底板33の中にビームキャッチャー37が設けられる。ビームキャッチャー37は被処理物を突き抜けた電子線を受けそれを消滅させる。ビームキャッチャーに流れる電流によって電子線電流を測定することもできる。遮蔽底板33は四辺に上に延びる側板部34をもつ。側板部34の外側半ばの高さに水平のリブ35が設けられる。遮蔽板30を上げると、側板部34のリブ35上のパッキン36が上半部の枠のフランジ38を下から抑えるようになる。それによって窒素ガスチャンバ7が閉じられる。下半部と上半部の結合のためにボルト、ネジ、ピン、ラッチなど係合金具は不要である。
【0029】
窒素ガスチャンバ7を閉じた状態で被処理物8(シート状のもの)を走行させ電子線処理を行う。ビームキャッチャー37に電子線が当たりX線が発生する。しかし遮蔽底板33の側板部34がX線を遮るから、パッキン36にX線が当たらない。つまり側板部34によってパッキン36がX線に対して防護される。パッキン36の劣化はX線によって引き起こされるのであるから、本発明の場合はパッキンの劣化が殆ど起こらないということである。
【0030】
可動の遮蔽板30を下げた状態を図3に示す。遮蔽板30とともに遮蔽底板33、ビームキャッチャー37、リブ35、パッキン36が下降する。上半部はそのまま照射窓の直下の位置に留まっている。筐体の内部に入れば、そこから照射窓の窓箔の取付部分とか冷却水系の部分が見えるので点検、補修を行うことができる。窒素ガスチャンバを分解するためボルトを外すというような面倒なことは要らない。
そのような構造をもつので、照射窓部分のメンテナンスが格段に迅速、容易に行える。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、窒素ガスチャンバを照射窓の直下において被処理物の一部を包囲するように設けるから窒素ガスをその部分に一時的に高濃度で滞留させることができる。そのために酸素を嫌うような反応の発生を促進することができる。さらにオゾン発生を有効に防ぐことができる。オゾン臭が付着するのが良くないという被処理物の場合にそれは有用なことである。しかも筐体とは他に照射部分を包囲する窒素ガスチャンバがあるのでX線遮蔽がより完全になり安全性が高揚するという効果もある。
【0032】
さらに本発明の窒素ガスチャンバは上下に分割でき、広く重い遮蔽板を電動、あるいは油圧で下降上昇させると、下半部はそのまま下降上昇する。上昇時には遮蔽板の力によって下半部が上半部に接触し窒素ガスチャンバが閉じる。下降時には下半部が遮蔽板とともに下降し窒素ガスチャンバが開く。だから窒素ガスチャンバを開閉するためにボルトを締めたり緩めたりする必要がない。遮蔽板を降ろすだけで窒素ガスチャンバが開くので、照射窓の窓箔の張り替えがより容易迅速に行えるようになる。
【0033】
また下半部にある遮蔽底板33の側板部34がビームキャッチャーで発生したX線を遮るからパッキンにX線が直接に当たらない。だからX線によるパッキンの劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非走査型電子線照射装置において下流側から導入された窒素ガスを一時的に照射窓の直下に滞留させるための窒素ガスチャンバを設けた従来例の装置の断面図。
【図2】下流側から導入された窒素ガスを一時的に滞留させるため照射窓の直下に被処理物の一部を囲むように上下二分割方式の窒素ガスチャンバを設けた本発明の装置の閉状態の断面図。
【図3】下流側から導入された窒素ガスを一時的に滞留させるため照射窓の直下に被処理物の一部を囲むように上下二分割方式の窒素ガスチャンバを設けた本発明の装置の開状態の断面図。
【符号の説明】
2 真空チャンバ
3 フィラメント
4 照射窓
5 窓箔
6 筐体
7 窒素ガスチャンバ
8 被処理物
9 ビームキャッチャー
10 遮蔽材
20 窒素ガスチャンバ入口
22 窒素ガスチャンバ出口
23 前板
24 底板
25 後板
26 上板
27 窒素ガス入口
28 パッキン
29 側板
30 遮蔽板
32 脚
33 遮蔽底板
34 側板部
35 リブ
36 パッキン
37 ビームキャッチャー
38 フランジ
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a structure of a nitrogen gas chamber in an electron beam irradiation apparatus. An electron beam irradiator uses a filament heated in vacuum to generate thermoelectrons, accelerate electrons with an accelerating tube to form a high-speed electron beam, and then take it out into the atmosphere through the window foil of the irradiation window. This is a device that performs treatments such as polymer crosslinking, coating film curing, and sterilization by irradiating an electron beam. The electron beam irradiation apparatus includes a high-voltage power supply, an acceleration tube, a filament, an irradiation window, a transport mechanism, a metal casing, a cooling mechanism, and the like.
[0002]
When the acceleration energy is as high as 5 MeV to 500 keV, a tall and large scanning type is used. It is a scanning type because it scans one beam back and forth. In order to scan the beam, a scanning coil is provided at the end of the accelerating tube, followed by a scanning tube extending in a triangular shape. A thin electron beam accelerated to high energy is scanned vertically and horizontally to irradiate the workpiece.
[0003]
When the acceleration energy is as low as several tens keV to 500 keV, a non-scanning type is used. In the non-scanning type, a large number of parallel filaments are connected in parallel to the electrode rods, and an electron beam is emitted from the parallel filaments in a direction perpendicular to the surface. The effective area of the filament region is widened, and it is accelerated as it is toward the irradiation window. Since an electron flow of a large area is generated from the beginning, an electron beam is irradiated at once to a wide area of the object to be processed without scanning. Since the energy is low, the beam is likely to spread under the influence of Coulomb repulsion, and it is easy to obtain a uniform electron beam density.
[0004]
The accelerating power source converts a commercial power source into an appropriate voltage by a transformer, and converts the commercial power source into a desired high voltage by a voltage multiplying circuit in which a large number of capacitors and rectifiers are combined. The capacitors and rectifiers that handle these high voltages are mounted on a high voltage base and are insulated from the ground side. In the case of a scanning type with a high voltage, the power supply circuit is complicated and has a large volume. In the case of a non-scanning type with a low voltage, the power supply circuit is further simplified.
[0005]
The irradiation window is a window for partitioning the vacuum region with the filament and the atmospheric pressure region where the workpiece is present, and Ti and Al window foils are stretched. The irradiation window is attached to a large metal casing. X-rays are emitted when an electron beam hits the workpiece. In order to shield X-rays, a thick metal casing covers the transport mechanism, the object to be processed, and the irradiation window. A transport mechanism such as an endless circular conveyor travels in the metal casing, and carries the object to be processed from the entrance—immediately below the irradiation window (processing position) —outlet. It has also been devised to meander strongly up and down so that X-rays do not leak.
[0006]
[Prior art]
The problem in the present invention is the irradiated portion of the object to be processed directly under the irradiation window. X-rays are generated when an electron beam hits the workpiece. Cover the entire irradiated part and the entire transport mechanism with a heavy metal casing so that it does not leak outside. When X-rays hit oxygen in the air, the oxygen becomes ozone. Ozone has a unique odor. Depending on the type of object to be treated, it may not be desirable to have an ozone odor. In that case, air is replaced with nitrogen so that ozone is not generated. An inert gas such as nitrogen or argon is allowed to flow from the downstream side to the upstream side of the transport mechanism inside the housing. Then, oxygen is expelled and the atmosphere becomes inert gas, so ozone is not generated.
[0007]
Since filling the entire interior of the housing with nitrogen gas is uneconomical, only the area around the irradiation section that irradiates the object to be processed with an electron beam is surrounded by a narrow container. Surround it with a container and blow nitrogen gas only there. Even if an electron beam hits the object to be processed inside the container and X-rays are generated, there is no oxygen, so ozone cannot be generated. Enclosing with a container is not a sealed container. Since the object to be processed must move forward and forward, an inlet and outlet for the object to be processed are necessary. Although it cannot be completely sealed, it is a container that can primarily hold nitrogen gas at a high concentration. It will be called a nitrogen gas chamber. The present invention relates to a nitrogen gas chamber that provides space for confinement of the nitrogen gas.
[0008]
The requirements for the nitrogen gas chamber are that it is directly under the irradiation window, that the object to be processed passes through it, and that it is substantially blocked from most of the space inside the housing. FIG. 1 shows the structure of a conventional nitrogen gas chamber. This shows a non-scanning type (area type) electron beam irradiation apparatus, but the same applies to the scanning type.
[0009]
The cylindrical vacuum chamber 2 is sealed and evacuated. A large number of filaments 3 parallel to the central portion are connected in parallel to a power feed rod (electrode rod), from which thermoelectrons are generated. Below the vacuum chamber 2 is an opening, which is an irradiation window 4 for emitting an electron beam to the outside. A window foil 5 is stretched on the irradiation window 4. The irradiation window 4 of the cylindrical vacuum chamber 2 is fixed to the opening of a metal housing 6. A flat nitrogen gas chamber 7 is provided in the housing 6 immediately below the irradiation window. A workpiece 8 passes through the nitrogen gas chamber 7 horizontally. In this case, a state where the strip-shaped continuous workpiece 8 is wound and unwound at both ends and self-runs is shown. However, the workpiece may be conveyed by an endless conveyor.
[0010]
Within the nitrogen gas chamber 7 is a beam catcher 9 which receives a portion of the electron beam. An electron beam that has passed through the workpiece 8, an electron beam that has reached the workpiece without happening to be hit, and an electron beam that has been reflected or scattered by other parts. Under the beam catcher 9, a metal shielding material 10 such as lead is stretched. The current of the electron beam can be obtained by measuring the current flowing through the beam catcher 9.
[0011]
Although the nitrogen gas chamber 7 is a semi-closed space, an inlet 20 and an outlet 22 for allowing the workpiece 8 to pass therethrough are upstream and downstream. A low and wide space defined by a front plate 23, a bottom plate 24, a rear plate 25, an upper plate 26, a side plate 29, etc. made of metal (for example, stainless steel). The bottom plate 24 is fixed to the front plate 23, the rear plate 25, the side plate 29 and the like via the packing 28.
[0012]
There is a nitrogen gas inlet 27 on the downstream side. Thereby, the air inside the nitrogen gas chamber 7 is replaced. The nitrogen gas that has replaced the air exits from the downstream outlet 22 and the upstream inlet 20 into the housing 6. What exits from the outlet 22 is a loss, so it goes as far as possible to pass through the irradiation section and exit from the entrance 20.
[0013]
Below the nitrogen gas chamber 7 is a wide plate-shaped shield 30. This is a metal plate made of stainless steel, iron, lead or the like, and shields the electron beam and X-ray so as not to leak outside. It is a member different from the housing 6. The shield 30 can be moved up and down by force of an air cylinder, a motor or the like. This is a heavy metal plate because it blocks electron beams and X-rays, and is heavy and wide. This can be moved up and down because maintenance of the irradiation window is necessary. When the irradiation window is inspected, repaired, or repaired, the shielding plate 30 is lowered to the bottom.
[0014]
If there is no such thing as a nitrogen gas chamber, it is necessary to fill a wide space with nitrogen gas from the downstream side to the upstream side. It is undesirable because it boosts the consumption of nitrogen gas. When the nitrogen gas chamber 7 is provided, the amount of nitrogen gas can be reduced because the nitrogen gas can be localized in a narrow space temporarily or not.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
If the nitrogen gas chamber 7 is installed inside the housing, the amount of nitrogen gas used can be saved and the electron beam irradiation processing cost can be reduced. This is effective in the case of a sheet-like workpiece that can pass through a narrow inlet and outlet. If the vertical shaking of the sheet-like workpiece is reduced, the inlet 20 and outlet 22 can be narrowed, and the nitrogen gas loss can be further reduced.
[0016]
Only a few electron beam irradiation apparatuses are equipped with such a nitrogen gas chamber. Nevertheless, it has been found that there is room for improvement. One is that the packing used to connect the bottom plate, the side plates, and the front and rear plates is deteriorated by exposure to X-rays. As described above, X-rays are emitted when an electron beam hits an object. X-rays are emitted in all directions around the origin. It hits the packing and degrades it. When the packing made of rubber or resin is deteriorated, nitrogen gas leaks and the amount of necessary nitrogen gas increases.
[0017]
Another problem is that it is difficult to maintain the irradiation window. Since the irradiation window is covered with window foil and cooling water passes, it is easy to break down and there is a high need for maintenance and inspection. The shielding plate 30 can be lowered by operating a motor or an air cylinder. With a conventional electron beam irradiation apparatus without a nitrogen gas chamber, the irradiation window portion is immediately exposed, so that the window foil can be replaced or the cooling water pipe or the like can be repaired immediately.
[0018]
However, in the electron beam irradiation apparatus provided with the nitrogen gas chamber as a problem here, even if the shielding plate 30 is lowered, the irradiation window is not exposed by itself. This is because there is still a nitrogen gas chamber concealing the irradiation window. Furthermore, the irradiation window cannot be maintained unless the nitrogen gas chamber is removed. Therefore, it is necessary to remove the bolt of the portion where the upper plate 26 is attached to the housing, and to extract the entire nitrogen gas chamber.
[0019]
Since the nitrogen gas chamber is a heavy metal box, it is not easy. Even if this is not the case, the irradiation window needs to be inspected and repaired. Therefore, it is not desirable that the irradiation window be covered several times by a nitrogen gas chamber or the like.
[0020]
It is a first object of the present invention to provide a nitrogen gas chamber structure that prevents rapid deterioration of the packing. It is a second object of the present invention to provide a nitrogen gas chamber structure that facilitates maintenance of the irradiation window portion.
[0021]
[Means for Solving the Problems]
The present invention divides a nitrogen gas chamber into a fixed upper half fixed to a housing and a movable lower half that can be moved up and down together with a shielding plate, and the packing is protected from X-rays by the shielding bottom plate side plate portion of the lower half And The upper half is composed of an upper plate, a front plate, and a rear plate, and is fixed to the casing near the irradiation window. The lower half consists of a shield bottom plate fixed to the shield plate and having a recess and a packing protected from X-ray exposure by the recess. Place the beam catcher on the shielding bottom plate.
[0022]
When the shielding plate rises, the lower half shielding bottom plate closes the lower opening of the upper half. At that time, the packing is protected from X-rays by the side plate portion of the shielding bottom plate. The electron beam hitting the beam catcher generates X-rays, but the side surface of the shielding bottom plate gets in the way and the X-rays do not hit the packing. Thereby, deterioration of packing is suppressed.
[0023]
When the shielding plate is lowered, the shielding bottom plate forming the lower half is lowered and the opening of the upper half is opened. The window foil flange bolt of the irradiation window can be removed by inserting a hand through the opening. The tired window foil can be removed. A new window foil can be inserted through the opening, sandwiched between the window foil flange and the irradiation window flange, and bolted again to secure the window foil between the flanges. You can repair and check the cooling water system by putting your hands through the opening. It is not necessary to remove the bolt to open the nitrogen gas chamber. The nitrogen gas chamber is opened only by lowering the shielding plate, and the nitrogen gas chamber is closed only by raising the shielding plate. Therefore, the maintenance of the irradiation window becomes easier.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An electron beam irradiation apparatus according to an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 2 shows a state in which the nitrogen gas chamber is closed, and FIG. 3 shows a state in which the nitrogen gas chamber is opened.
[0025]
A filament 3 to which a negative high voltage is applied is provided inside a cylindrical vacuum chamber 2. The filament is a parallel metal resistor, and 10 to 50 filaments are connected in parallel and parallel. The outer shell of the vacuum chamber 2 is at ground potential. Thermoelectrons e are emitted from the filament 3 and accelerated downward by an acceleration voltage to become an electron beam. Below the vacuum chamber 2 is an opening. That is the irradiation window 4. Since the vacuum is above the irradiation window and the atmospheric pressure is below, the window foil 5 of Ti and Al is stretched over the opening of the irradiation window 4 in order to partition it. The electron beam travels in a vacuum from the filament, passes through the window foil 5, exits into the atmosphere, and strikes an object to be processed 8 that travels thereunder to perform a desired process.
[0026]
If oxygen is present, ozone is generated, which is not preferable. Therefore, a nitrogen gas atmosphere is provided immediately below the irradiation window. Therefore, a nitrogen gas chamber 7 is provided inside the housing 6 immediately below the irradiation window 4. The nitrogen gas chamber 7 is divided into upper and lower parts. The upper half and the lower half can be divided.
[0027]
The upper half includes an upper plate 26, a front plate 23, a rear plate 25, and a side plate 29 that are fixed to the housing 6. These form a rectangular frame. The front plate 23 has an inlet 20 for introducing the workpiece 8. The rear plate 25 has an outlet 22 for discharging the workpiece. The lower side of the front plate 23, the rear plate 25, and the side plate 29 forming a frame is a flange 38 bent outward. A packing 36 is bonded to the flange 38.
[0028]
The lower half can be raised and lowered and is fixed to a shielding plate 30 originally provided inside the housing 6 in order to shield X-rays. A leg 32 is attached on the shielding plate 30 and a heavy metal (stainless steel, lead) shielding bottom plate 33 is placed thereon. A beam catcher 37 is provided in the shielding bottom plate 33. The beam catcher 37 receives the electron beam that has penetrated the workpiece and extinguishes it. The electron beam current can also be measured by the current flowing through the beam catcher. The shielding bottom plate 33 has side plate portions 34 extending upward on four sides. A horizontal rib 35 is provided at the height of the outer half of the side plate portion 34. When the shielding plate 30 is raised, the packing 36 on the rib 35 of the side plate portion 34 suppresses the flange 38 of the upper half frame from below. Thereby, the nitrogen gas chamber 7 is closed. No engagement fittings such as bolts, screws, pins, and latches are required to connect the lower half and the upper half.
[0029]
With the nitrogen gas chamber 7 closed, the workpiece 8 (sheet-like) is run to perform electron beam processing. An electron beam hits the beam catcher 37 and X-rays are generated. However, since the side plate portion 34 of the shielding bottom plate 33 blocks X-rays, the packing 36 does not hit X-rays. That is, the side plate portion 34 protects the packing 36 against X-rays. Since the deterioration of the packing 36 is caused by X-rays, in the present invention, the packing hardly deteriorates.
[0030]
A state where the movable shielding plate 30 is lowered is shown in FIG. The shielding bottom plate 33, the beam catcher 37, the rib 35, and the packing 36 are lowered together with the shielding plate 30. The upper half remains at the position directly below the irradiation window. If you enter the inside of the case, you can see the installation part of the window foil of the irradiation window and the part of the cooling water system, so you can inspect and repair. There is no need to remove the bolts to disassemble the nitrogen gas chamber.
Since it has such a structure, maintenance of the irradiation window portion can be performed much more quickly and easily.
[0031]
【The invention's effect】
According to the present invention, since the nitrogen gas chamber is provided so as to surround a part of the object to be processed immediately below the irradiation window, the nitrogen gas can be temporarily retained in the part at a high concentration. Therefore, generation | occurrence | production of the reaction which dislikes oxygen can be accelerated | stimulated. Furthermore, ozone generation can be effectively prevented. It is useful in the case of an object to be treated that the ozone odor is not good. In addition, since there is a nitrogen gas chamber surrounding the irradiated part in addition to the housing, there is an effect that X-ray shielding is more complete and safety is enhanced.
[0032]
Furthermore, the nitrogen gas chamber of the present invention can be divided into upper and lower parts, and when a wide and heavy shielding plate is lowered and raised by electric or hydraulic pressure, the lower half part is lowered and raised as it is. When ascending, the lower half part contacts the upper half part by the force of the shielding plate, and the nitrogen gas chamber is closed. When descending, the lower half moves down with the shielding plate and the nitrogen gas chamber opens. So there is no need to tighten or loosen the bolts to open and close the nitrogen gas chamber. Since the nitrogen gas chamber is opened simply by lowering the shielding plate, the window foil of the irradiation window can be replaced more easily and quickly.
[0033]
Moreover, since the side plate part 34 of the shielding bottom plate 33 in the lower half part blocks the X-rays generated by the beam catcher, the X-rays do not directly hit the packing. Therefore, the deterioration of the packing due to X-rays can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a conventional apparatus provided with a nitrogen gas chamber for temporarily retaining nitrogen gas introduced from the downstream side in a non-scanning electron beam irradiation apparatus directly under an irradiation window.
FIG. 2 shows the apparatus of the present invention in which a vertically divided nitrogen gas chamber is provided so as to surround a part of the object to be processed directly under the irradiation window in order to temporarily retain the nitrogen gas introduced from the downstream side. Sectional drawing of a closed state.
FIG. 3 shows an apparatus according to the present invention in which a nitrogen gas chamber of an upper and lower split system is provided so as to surround a part of an object to be processed directly under an irradiation window in order to temporarily retain nitrogen gas introduced from the downstream side. Sectional drawing of an open state.
[Explanation of symbols]
2 Vacuum chamber 3 Filament 4 Irradiation window 5 Window foil 6 Housing 7 Nitrogen gas chamber 8 Object 9 Beam catcher 10 Shielding material 20 Nitrogen gas chamber inlet 22 Nitrogen gas chamber outlet 23 Front plate 24 Bottom plate 25 Rear plate 26 Upper plate 27 Nitrogen gas inlet 28 Packing 29 Side plate 30 Shield plate 32 Leg 33 Shield bottom plate 34 Side plate portion 35 Rib 36 Packing 37 Beam catcher 38 Flange

Claims (1)

上板、前板、後板、側板よりなる枠と、枠の下に形成したフランジとよりなり照射窓直下において筐体に固定した固定上半部と、側板部と外向きリブを持つ遮蔽底板と外向きリブの直上にあるパッキンと遮蔽底板に戴置したビームキャッチャーを含み遮蔽板とともに昇降できる可動下半部とからなり、遮蔽板を上昇させることによって可動下半部のパッキンが上半部のフランジを抑え、上、下半部が合体し、遮蔽板を下降させることによって可動下半部が下がり、照射窓部分が露呈し、ビームキャッチャーから発生するX線を遮蔽底板の側板部によってパッキンに対して遮蔽していることを特徴とする電子線照射装置の窒素ガスチャンバの構造。A frame consisting of an upper plate, a front plate, a rear plate and a side plate, a flange formed under the frame, a fixed upper half fixed to the housing directly under the irradiation window, and a shielding bottom plate having side plates and outward ribs And a packing directly above the outward rib and a movable lower half that includes a beam catcher placed on the shielding bottom plate and can be moved up and down together with the shielding plate. By moving the shielding plate up, the packing of the movable lower half is the upper half The upper and lower halves are united, the lower half of the movable part is lowered by lowering the shielding plate, the irradiation window part is exposed, and X-rays generated from the beam catcher are packed by the side plate of the shielding bottom plate. The structure of the nitrogen gas chamber of the electron beam irradiation apparatus characterized by shielding with respect to.
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