JP3904939B2 - カード状態検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード状態検出装置に係り、特に、カード配置部に置かれたカードの上下左右方向及び表裏の状態を検出するカード状態検出装置に関する。本発明は、特に、データを記憶する内部メモリと所定位置に配置された内部メモリに対応する無線送受素子を有するカード形状のコンタクトレスメディア(非接触ICメディア)に対して、非接触または無線で情報の送受信を行うリード/ライトシステムを備えたカード状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CPUとメモリとを内部に備えた非接触ICメディア(コンタクトレスメディア)を用い、非接触ICメディアとリーダ/ライタとの間で、非接触または無線によりデータの送受を行い、非接触ICメディアのメモリにデータを書き込み又はメモリからデータを読み取り、各種処理を可能とする技術が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、カード形状の非接触ICメディアがリーダ/ライタに置かれた際に、その方向や表裏を検出することはできなかった。方向や表裏を検出するという付加機能があれば、非接触ICメディアのカードゲームなどへの幅広い応用が期待される。
【0004】
本発明は、以上の点に鑑み、カードの置かれた方向及び表裏を検出するカード状態検出装置を提供することを目的とする。また、本発明は、特に、リード/ライトシステムの送受信素子上または近傍にカード形状のコンタクトレスメディアを置いて情報の送受信を行う場合において、情報の送受信に影響を与えること無く、コンタクトレスメディアの置き方の状態(方向および裏表の区別)を認識可能にすることを目的とする。
【0005】
【課題が解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、
カードが上下左右方向及び表裏の適宜の状態で置かれるカード配置部と、
前記カード配置部の4つの各角に配置された第1乃至第4の角電極と、
前記カード配置部の各角電極の間の4つの各辺に配置された第1乃至第4の辺電極と、
測定信号を供給する電源と、
前記電源からの測定信号を、第1乃至第4の角電極のそれぞれに入力する又は第1乃至第4の辺電極のそれぞれに入力するように切り替える切替部と、
前記第1乃至第4の辺電極又は前記第1乃至第4の角電極から、前記電源により供給された測定信号を検出する検出部と、
ひとつの角電極に対向する領域と、その角電極に隣接するひとつの辺電極に対向する領域とにまたがる領域に配置されたカード電極を有するカードが、前記カード配置部に置かれた場合、
前記第1乃至第4の角電極に順次入力するように又は前記第1乃至第4の辺電極に順次入力するように、前記切替部を切り替え、前記切替部の切り替え状態及び前記検出部による検出状態に基づき、前記カードが置かれた方向及び表裏の状態を検出する判定部と
を備えたカード状態検出装置
が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1に、コンタクトレスメディアの置き方の種類の説明図を示す。カード形状のコンタクトレスメディア(非接触ICメディア)1を、リード/ライトシステムの送受信素子の上または近傍へ置く場合、その置き方は、図1に示すような8通りの置き方がある。本実施の形態では、コンタクトレスメディアへの情報の送受信機能を維持しつつ、このような8通りのコンタクトレスメディアの置き方を認識する手段を提供する。
【0007】
図2に、コンタクトレスメディア・カードの構成図を示す。コンタクトレスメディア・カード1は、内部メモリや送受信素子を絶縁物で覆ったカード状のものとし、その表面および裏面に図2に示すような形状の金属箔電極(カード電極)20を設ける。なお、この例では、カード電極20は、カード1の表裏に対向して2つ設けられているが、片面のみに設けてもよいし、1枚を内蔵してもよい。また、金属箔電極表面は絶縁物で覆ってあってもかまわない。カード電極20の形状は、例えば、L形とすることができるが、これに限られない。また、カード1は、中央部にコンタクトレスメディア21を備える。なお、本発明は、コンタクトレスメディア21を含まないICカード、磁気カード、ゲーム用カード、普通のカード等にも適用可能である。
【0008】
図3に、リード/ライトシステムのカード配置部の構成図を示す。コンタクトレスメディア1はリード/ライトシステム3のカード配置部2に適宜の方向及び裏表で置かれる。一方、リード/ライトシステム3のカード配置部2の送受信素子3の周囲には、図3に示すような4つの金属箔による角電極A〜Dおよび4つの金属箔による辺電極▲1▼〜▲4▼を設ける。例えば、カード配置部20の角電極は鍵形とし、辺電極は長方形とすることができる。カード配置部20は、中央部に非接触ICメディアと情報を送信及び/又は受信するリード/ライトシステムの送受信素子31を備える。
【0009】
図4に、コンタクトレスメディア・カード1の置き方に対応したリード/ライトシステム3のカード配置部2の金属箔電極とコンタクトレスメディア・カード1の金属箔電極の位置関係の説明図を示す。このようにコンタクトレスメディア・カード1およびリード/ライトシステム3のカード配置部2に金属電極箔を設けることにより、リード/ライトシステム3の送受信素子31上または近傍にコンタクトレスメディア・カード1を配置する場合、カード配置部2の金属箔による角電極および検出電極とコンタクトレスメディア・カード1の金属箔電極の相対的な位置関係は、上述の8通りのコンタクトレスメディア・カード1の置き方に対応して、図4に示すそれぞれ異なる位置関係となる。
【0010】
図5に、本発明のカード状態検出装置の構成図を示す。このカード状態検出装置は、角電極A〜D、辺電極▲1▼〜▲4▼、カード配置部2、電源11、切替部14、判定部15、各辺電極▲1▼〜▲4▼に備えられる電圧検出抵抗を有する検出部13を備える。なお、カード1の非接触ICメディア21と、それと情報を送受するリード/ライトシステム3の具体的構成は省略してある。
【0011】
カード配置部2には、カード1が置かれる。角電極A〜Dは、カード配置部2の4つの各角に配置される。辺電極▲1▼〜▲4▼は、カード配置部2の各角電極の間の4つの各辺に配置される。一方、カード1は、ひとつの角電極に対向する領域と、その角電極に隣接するひとつの辺電極に対向する領域とにまたがるように配置されたカード電極20を有する。電源11は、測定信号を供給する。切替部14は、電源11からの測定信号を、角電極A〜Dのそれぞれに入力するように切り替える。検出部13は、辺電極▲1▼〜▲4▼から、電源11により供給された測定信号を検出する。判定部15は、角電極A〜Dに順次入力するように、切替部14を切り替え、また、切替部14の切り替え状態及び検出部13による検出状態に基づき、カード1が置かれた方向及び表裏を検出する。
【0012】
なお、辺電極に信号を入力して、角電極から信号を検出するように、逆にしてもよい。その場合、切替部14は辺電極▲1▼〜▲4▼側に設けられ、電源11からの測定信号を、辺電極▲1▼〜▲4▼のそれぞれに入力するように切り替える。検出部13は角電極A〜D側に設けられ、角電極A〜Dから電源11により供給された測定信号を検出する。判定部15は、辺電極▲1▼〜▲4▼に順次入力するように、切替部14を切り替え、また、切替部14の切り替え状態及び検出部13による検出状態に基づき、カード1が置かれた方向及び表裏を検出する。さらに、切替部を検出側に設けて検出部をひとつとして、検出部を切り替えて各電極の出力を検出するようにしてもよい。
【0013】
図4に示す各位置関係において、リード/ライトシステム側とコンタクトレスメディア側の双方の金属箔電極がある空間距離を有して重なり合う場合、それら2つの金属箔電極は、所定の静電容量を有するコンデンサと考える事ができる。これは、コンタクトレスメディア・カードの前記8通りの置き方の1つ1つに対応して、リード/ライトシステム側の金属箔電極とコンタクトレスメディア側の金属箔電極で構成するコンデンサ回路が構成される事に他ならない。
【0014】
また、リード/ライトシステム側のカード配置部2の角電極の1つに電気信号を印加すると、その角電極と重なり合うコンタクトレスメディア側の金属箔電極との静電結合、さらにコンタクトレスメディア側の金属箔電極と重なり合うリード/ライトシステム側の辺電極との静電結合によって、リード/ライトシステム側の辺電極に電圧信号が(ここでは、電流信号)伝達される。なお、ここで電源11により供給される測定信号は、コンタクトレスメディアとリード/ライトシステムとの間の情報伝達を妨げないタイミング又は周波数の電圧値とするとよい。
【0015】
図6に、コンタクトレスメディア・カードの置き方とリード/ライトシステム側の信号人力箇所および検出箇所の関係図を示す。リード/ライトシステム側の4つの角電極に対する電圧信号の印加位置と電圧信号が伝達される4つの辺電極の位置関係は、コンタクトレスメディア・カードの置き方に対応して、図の通りとなる。したがって、判定部は、リード/ライトシステムにコンタクトレスメディア・カードが置かれた場合、4つの角電極に順次に電圧信号を印加し、その時に静電容量結合による伝達によって電圧信号が検出できる4つの辺電極の位置をこの図と照合する事により、コンタクトレスメディアの置き方を検出する事が可能になる。
【0016】
また、図7に、判定部の処理についてのフローチャートを示す。適当なタイミング又は、カードが置かれたことを適宜検出したとき、又はオペレータの指示等により状態検出処理が開始される。処理が開始されると、判定部15は、切替部14を制御して電圧源11から角電極Aに測定信号を入力する(S101)。判定部15は、ここで、電圧検出部13▲4▼で信号が検出されると(S102)、カードは表向き・上向きであると判定し(S103)、電圧検出部13▲1▼で電圧が検出されると(S104)、カードは裏向き・上向きであると判定する。
【0017】
ステップS104にも該当しない場合、判定部15は、切替部14を制御して電圧源11から角電極Bに測定信号を入力する(S111)。判定部15は、ここで、電圧検出部13▲1▼で信号が検出されると(S112)、カードは表向き・右横向きであると判定し(S113)、電圧検出部13▲2▼で電圧が検出されると(S114)、カードは裏向き・右横向きであると判定する。
【0018】
同様に、ステップS114にも該当しない場合、判定部15は、切替部14を制御して電圧源11から角電極Cに測定信号を入力する(S121)。判定部15は、ここで、電圧検出部13▲2▼で信号が検出されると(S122)、カードは表向き・下向きであると判定し(S123)、電圧検出部13▲3▼で電圧が検出されると(S124)、カードは裏向き・下向きであると判定する。
さらに、ステップS124にも該当しない場合、判定部15は、切替部14を制御して電圧源11から角電極Dに測定信号を入力する(S131)。判定部15は、ここで、電圧検出部13▲3▼で信号が検出されると(S132)、カードは表向き・左横向きであると判定し(S133)、電圧検出部13▲4▼で電圧が検出されると(S134)、カードは裏向き・左横向きであると判定する。
ステップS134にも該当しない場合、判定部15はカード無しと判定し、ステップS101に戻る。
【0019】
図8は、コンタクトレスメディア・カードの状態検出の例を示す電気回路概略図である。この例では、図5のような状態にカードが置かれた場合の例を示す。このときカード電極20と角電極A及び辺電極▲4▼との間で静電容量が形成される。判定部15が切替部14を切り換えて角電極Aに信号を印加した場合、検出電力▲4▼に接続された電圧検出部13▲4▼でのみ電圧が検出され、他の辺電極▲1▼〜▲3▼に接続された電圧検出部12▲1▼〜▲3▼では電圧が検出されない。さらに他の角電極B〜Dに信号印加した場合、どの電圧検出部12▲1▼〜▲4▼からも信号が検出されない。したがって、判定部15は、カード1が上向きで且つ表向きであると判定する。
【0020】
図9に、リード/ライトシステムの他の実施の形態の構成図を示す。
図示のように、カード配置部20の辺電極は長方形であり、角電極は正方形であるようにしてもよい。
図10に、コンタクトレスメディアの他の実施の形態の構成図を示す。
図示のように、カード電極20を長方形であるようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明のカード状態検出装置によると、カードの置かれた方向及び表裏を検出するカード形状検出装置を提供することができる。本発明のカード状態検出装置によると、特に、リード/ライトシステムの送受信素子上または近傍にカード形状のコンタクトレスメディアを置いて情報の送受信を行う場合において、情報の送受信に影響を与えること無く、コンタクトレスメディアの置き方の状態(方向および裏表の区別)を認識可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、コンタクトレスメディアの置き方の種類の説明図。
【図2】図2は、コンタクトレスメディア・カードの構成図。
【図3】図3は、リード/ライトシステムのカード配置部の構成図。
【図4】図4は、コンタクトレスメディア・カード1の置き方に対応したリード/ライトシステム3のカード配置部2の金属箔電極とコンタクトレスメディア・カード1の金属箔電極の位置関係の説明図。
【図5】図5は、本発明のカード状態検出装置の構成図。
【図6】図6は、コンタクトレスメディア・カードの置き方とリード/ライトシステム側の信号人力箇所および検出箇所の関係図。
【図7】図7は、判定部の処理についてのフローチャート。
【図8】図8は、コンタクトレスメディア・カードの状態検出の例を示す電気回路概略図。
【図9】図9は、リード/ライトシステムの他の実施の形態の構成図。
【図10】図10は、コンタクトレスメディアの他の実施の形態の構成図。
【符号の説明】
A〜D 角電極
▲1▼〜▲4▼ 辺電極
1 カード
2 カード配置部
3 リード/ライトシステム
11 電源
14 切替部
15 判定部
13 検出部
21 非接触ICメディア
Claims (6)
- カードが上下左右方向及び表裏の適宜の状態で置かれるカード配置部と、
前記カード配置部の4つの各角に配置された第1乃至第4の角電極と、
前記カード配置部の各角電極の間の4つの各辺に配置された第1乃至第4の辺電極と、
測定信号を供給する電源と、
前記電源からの測定信号を、第1乃至第4の角電極のそれぞれに入力する又は第1乃至第4の辺電極のそれぞれに入力するように切り替える切替部と、
前記第1乃至第4の辺電極又は前記第1乃至第4の角電極から、前記電源により供給された測定信号を検出する検出部と、
ひとつの角電極に対向する領域と、その角電極に隣接するひとつの辺電極に対向する領域とにまたがる領域に配置されたカード電極を有するカードが、前記カード配置部に置かれた場合、前記電源部の測定信号を前記第1乃至第4の角電極に順次入力するように又は前記第1乃至第4の辺電極に順次入力するように、前記切替部を切り替え、前記切替部の切り替え状態及び前記検出部による検出状態に基づき、前記カードが置かれた方向及び表裏の状態を検出する判定部と
を備えたカード状態検出装置。 - 前記カードは、中央部に非接触ICメディアをさらに備え、
前記カード配置部は、中央部に該非接触ICメディアと情報を送信及び/又は受信するリード/ライトシステムをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のカード状態検出装置。 - 前記カードのカード電極は、該カードの表裏に、対向して2つ設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のカード状態検出装置。
- 前記カードのカード電極は、L形であり、
前記カード配置部の前記角電極は鍵形であり、前記辺電極は長方形であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカード状態検出装置。 - 前記カード配置部の前記角電極は正方形であり、前記辺電極は長方形であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカード状態検出装置。
- 前記カード電極は長方形であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカード状態検出装置。
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