JP3904855B2 - 有機塩素芳香族化合物を分解する微生物及びその分解方法 - Google Patents

有機塩素芳香族化合物を分解する微生物及びその分解方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、有機塩素芳香族化合物、特にダイオキシン類を分解する微生物及びその微生物を用いて有機塩素芳香族化合物、特にダイオキシン類を分解する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近代工業の発展により有機塩素化合物が世界的に使用されるようになり、農薬などの生産過程における副産物として、あるいは廃棄物の燃焼、製錬工業、火災など燃焼に伴って、ダイオキシン類の発生量の増加がみられる。
有機塩素芳香族化合物、特にダイオキシン類は毒性が強く、ダイオキシン類の範疇にはポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(PCDDs)、これと類似した構造を持つポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(Co−PCB)等が含まれ、塩素数や塩素の置換位置によってPCDDsには75種、PCDFsには135種の異性体が存在する。これらの中で最も毒性が強いのが2,3,7,8−TCDDである。また、ベトナム戦争の際に枯葉剤として使用されたダイオキシンは催奇形性を持つことなどでも知られ、この他に遺伝毒性、免疫毒性など人体への影響が懸念されている。
【0003】
ダイオキシン類の分解法には、高温溶融法、加熱分解法、化学的分解法、超臨界水分解法、微生物分解法に大きく分類される(川本克也(1999):エネルギー・資源、Vo1.20,p.78−86)。この中で、微生物分解法は他の処理方法に比較して反応時間が遅い欠点を有するが、高温条件や高価な薬品を使用せず、小規模での処理が可能で、安価で環境負荷を低減できる利点を有する。今までに、環境中の炭化水素は細菌、真菌類により分解され、原油を分解するバクテリアは数種類以上の微生物の混合物が有効であることが報告されている(千田拮編著(1996):微生物資源工学、コロナ社(東京)、p.182−191、加藤良樹・林昌宏(1991):用水と廃水、Vo1.33,p.652)。
【0004】
また、有機塩素化合物の微生物による分解は、メタン資化性細菌を用いる方法と芳香属資化性細菌を用いる方法とがあり、Pseudomonas属細菌には、芳香属化合物資化能力のものが多く存在し、フェノール、トルエンなどの添加を行えばより有機塩素系溶剤が分解されることが報告されている(千田拮編著(1996):微生物資源工学、コロナ社(東京)、p.182−191、Wackett,L.R.and Householder,S.R.(1989):App1.Environ.Microbio1.,Vo1.55,p.2223)。
特に、特表平2−503866には遺伝子工学的に作成されたPseudomonas mendocina KR−1を用いてトリクロロエチレンを分解処理する方法が開示されている。
【0005】
ダイオキシン類の分解可能な微生物には土壌細菌である上記のPheudomonas属菌のほかに、A1ca1igenes属菌、Nocardiopsis属菌、Baci11us属菌や木材腐朽菌類の白色腐朽菌などがある(川本克也(1999):エネルギー・資源、Vo1.20,p.78−86)。
ダイオキシン類の分解に関しては、P.Chrysosporium(特開平10−323646)、フザリウム・アベナセウム(コルダ:フライズ)サッカルド65菌株等(特開平11−341978)及びバチラス・スブチルス菌等(特開平11−347533)などによる分解方法が開示されている。特に、P.Chrysosporiumにより、塩素化されていないジベンゾ−p−ダイオキシンが25日以内にほぼ完全に分解されること(Joshi,D.K.eta1(1994)、Biochemistry,Vo1.33,p.10969−10976)、P.SordidaとR.Chrysosporiumを用いて4〜8塩素化ダイオキシン類10種類が2週間で50%以上分解されること(高田智(1988):第23回目本環境化学会講演会予稿集、p.35−40)、P.Chrysosporiumにより30日間で1.25mMでは66%、0.25mMでは80%が分解されたこと(橘ら(1996):紙パ技協誌、Vo1.50,p.1806−1815)などが報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の細菌による有機塩素芳香族化合物、特にダイオキシン類の分解には数週間の日数が必要であり、分解速度は遅い。しかし、本発明で使用する原油中に生息するバクテリアPseudomonas属細菌は数時間から1日程度と、従来よりも早い有機塩素芳香族化合物、特にダイオキシンの分解が可能で、また、増殖方法も容易である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の主題は、有機塩素芳香族化合物を分解するシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)FERM P-18187である。本発明の別の主題は、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)FERM P-18187を用いて有機塩素芳香族化合物を分解処理する方法である。本発明の更に別の主題は、有機塩素芳香族化合物の分解処理におけるシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)FERM P-18187の使用である。前記有機塩素芳香族化合物は、ダイオキシン類であってもよく、更に前記ダイオキシン類は、ポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co−PCB)から成る群から選択される少なくとも1種であってもよく、特に2,3,7,8−TCDDであってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、山形県東田川郡余目町の水田地帯に位置する石油資源開発(株)の余目油田から産出した原油及び水に存在するバクテリアを使用した。
本発明のバクテリアPseudomonas mendosinaのは以下のようにして天然から単離(抽出)された。
同定には、グンゼ産業(株)で販売しているBiOLOG MicroStation Systemを用いた。このシステムでは、対象微生物の各種炭素源に対する代謝パターンを調べ、その結果に基づいて既存の代謝パターンのデータベースと照らし合わせ、微生物の同定を行う。したがって、炭素資化能の無い鉄酸化細菌などは同定できず、当然データベースにない菌も同定できない。純粋培養菌であることが前提になる。
当初、入手した試料をそのまま前培養用の寒天培地に広げ、同定作業を行った。同定は数日間のインターバルで3回行ったが、その都度違うパターンが現れ、しかもいずれの場合も該当菌種なしという結果であった。この結論としては、入手したサンプルの中に複数の菌株が存在し、これが結果を混乱させていたものと思われる。
【0009】
そこで、一度無機塩液体培地にテトラデカンを加えた培地で培養し(サンプル送付後1カ月以上経過していた)、その培養液に対して平板プレートを用いて分離操作を行った。コロニーの形態からこれらの菌株を分離したところ少なくとも4種類の菌株が存在することが分かった。それぞれA、B、C、Dタイプと命名した。コロニーの比率は、Aタイプが圧倒的に多く全体の90%以上、Bは1%未満、C、Dはそれぞれ5%程度であった。いずれも、テトラデカン平板培地での増殖を確認した。それぞれの同定結果を以下に示す。
Aタイプ:Pseudomonas mendocina (類似性0.95)
Bタイプ:Shewanella putrefaciens (類似性0.91)
Cタイプ:Pseudomonas fluorescens (類似性0.60)
Dタイプ:Pseudomonas mendocina (類似性0.94)
類似性が0.75以上あれば、一応同定結果は信頼性がある。
以上の結果から、分解菌の主体はPseudomonas mendocinaと考えられる。
【0010】
本発明のバクテリアPseudomonas mendosinaの菌学的性質を以下に示す。
コロニーは、カロチノイド色素の生産により黄色みを帯び、粘着性やしわ状のコロニーにはならない。至適温度は〜35℃である。
このバクテリアは、土壌や水中に存在し、嫌気条件下、特に40℃で、エタノールやL-酒石酸塩を炭素源とした硝酸を含む培地による集積培養から単離され、尿からも単離される。DNAのG+C含有量は62.8-64.3%である。
【0011】
1)一般的な特徴
細胞の直径:0.7-0.8μm、長さ:1.4-2.8μm
鞭毛の数:1本
フェナジン色素の合成:-
黄色ないしオレンジの細胞色素:+
水素による独立栄養的生育:-
オキシダーゼ活性:+
PHBの蓄積:-
ゼラチンの液化:-
スターチの水和:-
レシチナーゼ活性(卵黄):-
リパーゼ活性(Tween80の水和):+
細胞外PHBの水和:-
4℃での生育:-
41℃での生育:+
脱窒素:+
アルギニンジヒロラーゼ(加水分解酵素)活性:+
スクロースからのレバン(多糖の一種)の合成:-
カテコールのオルト開裂:+
【0012】
2)栄養的な特徴(利用可能な基質)
酢酸、カプリル酸、カプリン酸、こはく酸、フマル酸、乳酸、α-ケトグルタル酸、アラニン、L-グルタミン酸、L-プロリン、グルコース、グリコール酸、グルコン酸、グルタル酸、L-セリン、イソ吉草酸、マロン酸、L-イソロイシン、L-バリン、L-アスパラギン酸、αーアミノブチル酸、プロピオン酸、ペラスゴン酸、スペルミン、ブチル酸、プロピレン、グリコール、エタノール、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、アコニット酸、L-チロシン等
【0013】
【実施例】
本実施例においては以下の試料を用いた。
バクテリア
山形県東田川郡余目町の水田地帯に位置する石油資源開発(株)の余目油田の油水分離相中の水を採取し、この中に生息しているバクテリアを使用した。バクテリアの同定はグンゼ産業(株)のBIOLOG Micro StationSystemを用いた。対象微生物の各種炭素源に対する代謝パターンを調べ、既存の代謝パターンのデータベースと照合した。バクテリアはグラム陰性好気性桿菌、Pseudomonas属mendocinaであることが明らかとなった。
【0014】
合成ダイオキシン類
使用した合成ダイオキシン類の各成分の濃度を表1に示す。
【表1】
Figure 0003904855
【0015】
これらは、400℃、12%酸素気流中、塩化銅と2,4,5−TCP(トリクロロフェノール)の熱塩素化反応により合成した。ダイオキシン(PCDDs)のほうがフラン(PCDFs)よりも約5倍多く合成されており、6塩素化体ダイオキシンの生成量が最も多く、ついで5、7、4、8塩素化体の順に多い。フランは7塩素化体が最も多く、ついで8、6、5、4塩素化体の順である。ダイオキシン類の総量は原液で1400ppm、毒性当量(TEQ)は180μg−TEQ/mlである。
【0016】
実施例1 クロロベンゼンの分解
クロロベンゼンの分解に使用した装置の概略を図1に示す。反応器に空気を25ml/s送入、マグネチックスターラーで撹拌し、蛍光灯の光照射(20W)系と非照射系の2系列で行った。反応液量1000ml(蒸留水700ml、バクテリア含有水溶液300ml)にクロロベンゼン(ナカライテスク株式会社製)を初濃度が300ppmになるよう添加した。この0.5時間経過時間をサンプリング開始時間0[h]とし、1.5、3、6[h]と経時的に観察した。
サンプリング時間毎に3検体(2ml)づつ試料を採取した。検体中クロロベンゼンをn−ヘキサン(和光純薬工業製、残留農薬・PCB試験用)2mlで2回抽出し、ガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)にて分析を行った。D26−ドデカンを内部標準物質としマスフラグメントグラフィーを行った。
【0017】
クロロベンゼン同定のためのGC/MS分析の条件を以下に示す。
GC/カラム充填材及び温度:
TC−1(ガスクロ工業)内径0.2mm×長さ25m×厚さ0.25μm
180℃→270℃、速度7℃/分
GC/インジェクション温度及びキャリアーガス:
270℃、He、60ml/分
MS/イオン源及び温度:Elモード、70eV、250℃
MS/セパレーター温度:270℃
内標準(IS):D26n−ドデカン(200ppm/4mlヘキサン)
モニターイオン:M(m/z=170、196(IS))
GC/インジェクション容積:5μl
【0018】
水溶液中のクロロベンゼン濃度とバクテリアの変化
光照射系におけるクロロベンゼン(CB)の濃度変化とバクテリアの増殖変化を図2に示す。初濃度300ppmであったクロロベンゼンは6時間後にはGC/MSにて検出されなかった。これに対し、バクテリアは初め0.5×10個/mlであったが6時間後には1.4×10個/mlと増加し続けた。また非照射系におけるクロロベンゼンの濃度変化とバクテリアの増殖変化を図3に示す。初濃度約300ppmであったものが6時間後には十数ppmに減少した。光照射の場合と比較して完全には分解されず、3時間以降でバクテリア濃度の増加はみられなかった。しかし、光照射の有無にかかわらず、クロロベンゼンは3時間までに急速に分解されることが明らかとなった。炭化水素の本バクテリアを用いた分解緒果より、クロロベンゼン中の塩素が水素やOH基に置換してから分解しているものと考えられる。
【0019】
クロロベンゼンの分解率
バクテリア添加による光照射系及び非照射系、ならびにバクテリアの非添加での光照射系におけるクロロベンゼンの分解率を図4に示す。初濃度Co、時間経過後の濃度Cとの比と時間の関係を示す。蒸留水中の光分解は直線を示し、微生物分解では曲線を示している。このことから微生物分解と光分解は明らかに異なる分解性を示した。
また、バクテリア添加による光照射系と非照射系のC/Coの対数と時間の関係を図5に示す。クロロベンゼンの分解反応は擬一次反応とみなすことができ、光照射系は非照射系に比べて若干早い反応速度を示した。クロロベンゼンのバクテリアによる半減期は光照射系で1.8時間、非照射系で2時間であった。
【0020】
実施例2 ダイオキシン類の分解
ダイオキシン類の分解に用いた装置の概略を図6に示す。反応液をマグネチックスターラーで撹拌し、空気を25ml/sで送入した系と、非送入系で試験を行った。初めに、n−ヘキサンを添加し、採取したバクテリアが生息している水中の余分な油分を除去した。処理前およそ1000ppmであった全有機炭素量(TOC)は処理後300ppmになった。処理後の試料に合成ダイオキシン類(1400ppm)を溶解させるため、合成ダイオキシン原液をジメチルスルホキシド(DMSO、和光純薬工業製、生化学用)に転溶して用いた。反応液量100ml(処理後のバクテリア含有水)にダイオキシン類初濃度50ppmになるよう添加し、0.5時間撹拌を行った。この0.5時間経過した時間をサンプリング開始時間0[h]とし、3、6、12、24[h]と経時的に観察を行った。
【0021】
サンプリングは3検体(1ml)ずつ行った。採取試料1mlにn−ヘキサン(和光純薬工業製、残留農薬・PCB試験用)2mlを添加し撹件静置後、n−ヘキサン/バクテリア含有水相を分離し、この2回の操作を繰り返しダイオキシン類をn−ヘキサン相に抽出した。このn−ヘキサン抽出約5mlを多層シリカゲル及びアルミナカラムクロマトグラフィーにより処理した(環境庁大気保全局大気規制課(1977):有害大気汚染物質測定方法マニュアル(ダイオキシン類))。
【0022】
多層シリカゲルカラムクロマトグラフィー
バクテリア含有水溶液中のダイオキシン類の分析フローチャートを図7に示す。図中の多層シリカゲルクロマトグラフィーは、図8に示すように内径15mm、長さ300mmのカラムクロマト管に無水硫酸ナトリウム(和光純薬工業製、PCB・フタル酸エステル試薬)3g、シリカゲル(和光純薬工業製 カラムクロマトグラフ用試薬)0.9g、10%硝酸銀/シリカゲル(和光純薬工業製、ダイオキシン類分析用)3g、シリカゲル0.9g、44%硫酸/シリカゲル(和光純薬工業製、ダイオキシン類分析用)4.5g、シリカゲル0.9gを順次配置しn−ヘキサンにて湿式充填したものである。試料をカラムに静かに注ぎ入れ、滴下流出速度を2.5ml/分になるように調節する。液面がカラムの上端まで低下したとき、滴下分液漏斗をこのクロマト管に装着し、n−ヘキサン100mlを2.5ml/分の速度で滴下する。溶出液はロータリーエバポレーターで数mlまで濃縮し、n−ヘキサンで約5mlにし、アルミナカラムクロマトグラフィーの試料とする。
【0023】
アルミナカラムクロマトグラフイー
内径10mm、長さ300mmのカラムクロマト管にアルミナ(塩素性、活性度I、和光純薬工業製カラムクロマトグラフ用試薬)5gをn−ヘキサン(和光純薬工業製、残留農薬・PCB試験用)で湿式充填し、これに多層カラム溶出で得た試料を移し入れ、少量のn−ヘキサンで洗いこむ。n−ヘキサン100mlを流し第1画分を得る。さらにn−ヘキサン+ジクロロメタン(和光純薬工業製、残留農薬・PCB試験用)(1+1)100mlで溶出し第2画分を得る。第2画分をロータリーエバポレーターで約5mlに濃縮し、窒素気流により少量に濃縮しn−ノナン(和光純薬工業製、特級)を加えて200μlに調整したものをGC/MS分析試料とする。
【0024】
PCDDs/PCDFs同定のためのGC/MS分析の条件を以下に示す。
GC/MS:島津 GC/MS QP−5050A
GC/カラム充填材:CP−Sil8CB(Chrompack)内径0.25mm×長さ30m
GC/カラム温度:140℃→190℃(速度20℃/分)→310℃(速度3℃/分)
GC/フロー制御、フローレート、サンプリング時間:スプリットレス、20ml/分、1.0分
GC/キャリアーガス、インジェクション温度及び容積:He、290℃、1μl
MS/イオン源及び温度:Elモード、1.3kV、270℃
MS/SIMモード−モニターイオン:M、(M+2)、(M+4)(同位体比;±≦30%)
Tetra- CDDs/DFs: 32O, 322/304, 306
Penta- CDDs/DFs: 354, 356/340, 342
Hexa - CDDs/DFs: 390, 392/374, 376
Hepta- CDDs/DFs: 424, 426/408, 410
Octa - CDDs/DFs: 458, 460/442, 444
MS/SIM−内標準:1312−テトラ〜オクタCCDs/DFsの同位体混合物
【0025】
また、採取した試料中のTOC測定を行った。TOCの分析条件を以下に示す。
サンプル同定のためのTOC条件:
測定成分: TOC (TC-IC)
測定原理: Ignition-non Dispersive infrared gas analysis
点火温度: 680℃
測定範囲: 4 ppb 〜 4000 ppm
測定時間: 2 〜 3 分
繰り返し精度容積: 50 〜 2000 μl
IC previous management : auto sparge
キャリアーガス圧: 6 kg/cm3
サンプル流速: 150 ml/分
【0026】
塩素イオン濃度決定のためのイオンクロマトグラフィーの条件:
イオンクロマト分析器: YOKOGAWA IC200
サンプル名: LAS
分離カラム: SAX-1-251
プレカラム: PAX-1-051
溶出液(EL) : 4 mM Na2C08 / 4mM NaHC03
剥離液(SV) : 15 mM H2S04
EL 流速: 1 ml /分
SV 流速: 2 ml /分
検出器: Detecter of Electric conductivity
範囲: 1 × 10-2 AU
感度: ×100
注入量: 200 μl
分析時間: 5分
組込み時間: 200 mS
【0027】
水溶液中のTOCとバクテリアの濃度変化
実施例1のクロロベンゼンの分解においては光照射の如何に関わらずその分解性に大きな変化は観られなかったため、本実施例のダイオキシン類の分解では光照射は行わなかった。
表1に掲げるダイオキシン類をDMSOに転溶した水溶液中に、バクテリアを添加して反応水溶液中のTOCとバクテリアの増殖変化を図9に示す。バクテリアの初濃度は0.5×10個/mlである。バクテリアの増殖は6時間までは空気送入の有無で差はみられなかったが、12時間以降では空気送入系が、非送入系よりおよそ2倍の増殖を示した。Pseudomonas属のバクテリアは好気性菌が多く、短時間的には嫌気性条件下では空気送入を行わなくとも生息可能であるが、好気性条件下ではよりダイオキシン類の分解を促進するものと思われる。また、図9においてTOCの経時変化がほとんどみられないことは、反応液中のDMSOは約5000ppmと高濃度であってTOC変化はこのDMSO濃度変化に関連することから、同バクテリアによるDMSOの完全な分解がなかったことを示すものと考えられる。
【0028】
空気送入系におけるダイオキシン類の分解率と脱塩素化率
表1に掲げるダイオキシン類をDMSOに転溶した反応溶液に、余目から採取したバクテリア水溶液を添加し、空気送入した場合のダイオキシン類の分解率を測定した。ダイオキシンの分解率を図10にフランの分解率を図11に示す。高塩素化体のダイオキシン、フランとも高い分解率を示したことが明らかとなった。7あるいは8塩素化体のダイオキシン、フランの分解率は高く、24時間でダイオキシン、フランとも90%以上の分解率を示した。一方、4塩素化体ダイオキシン(2,3,7,8−TCDDなど)の分解率は低く、約20%であった。高塩素化体の塩素が水素に置換して低塩素化体に変化すると考えられ、高塩素化体の初期濃度が高いことを考慮すると低塩素化体の中には高塩素化体が変化したものが含まれているので、低塩素化体の分解率がそれほど高くならなかったものと考えられる
【0029】
図12は表1のダイオキシンおよびフランの分解率をそれぞれ総量変化で示したものである。24時間経過し、ダイオキシンが分解率約70%、フランが分解率60%とダイオキシンがフランよりもやや高い分解率を示す。
図13は下式(1)
【数1】
Figure 0003904855
(式中、各塩素化体ダイオキシンの初濃度Cj,t[ppm]、t時間後の濃度Cj,t[ppm]とし、wは各成分の含塩素率[%]である。)で示されるように、ダイオキシンおよびフラン総量として、分解率から計算した脱塩素化率Zを示したものである。ダイオキシン類の残存率は24時間後でおよそ30%であった。
本試験におけるダイオキシン類の分解性に関しては、表1の用いたダイオキシン類のPCDDsとPCDFsの塩素化体の構成割合と、図10および図11で示される分解率の比較から、同バクテリアによるPCDDsの分解率がPCDFsのそれよりも高分解性を示したものと考えられる。
【0030】
空気非送入系におけるダイオキシン類の分解率と脱塩素化率
前項と同様に、空気非送入系のダイオキシン類分解率のうちPCDDsの分解率を図14にPCDFsの分解率を図15に示す。空気非送入系においてもダイオキシン類を分解できることが示された。空気送入系と同様、高塩素化体ダイオキシン、フランほど高い分解率を示した。しかし、空気送入系に比べ若干低分解性を示し、24時間で約85%の分解率であった。
図16は空気非送入系の表1のPCDDsおよびPCDFsの分解率をそれぞれ総量変化で示したものである。24時間での、PCDDs分解率が約50%、PCDFsが約60%と、図12に示す空気送入系に比べてPCDFsの分解率はほとんど変化しないがPCDDsの分解率は低下した。PCDDsの分解を促進させるには好気性条件が必要であることが明らかである。
図17は脱塩素化率Zを示したものであるが図13と比較してダイオキシン類の残存率は24時間後でおよそ40%と、空気送入系に対して10%程度ダイオキシン類の分解率は低下した。このように空気送入系のほうがやや良好なダイオキシン類の分解率を示したことは本バクテリアが好気性でより生息しやすいものと考えられる。
また、本試験で使用した余目から採取したバクテリア含有水には多くの塩素イオンが含まれており、空気送入系および空気非送入系についてダイオキシン類の分解試験中の塩素イオン濃度変化を図18に示す。水溶液中の塩素イオン濃度はほとんど変化しないが、本試験で使用したバクテリアPseudomonas属mendocinaは2.5〜3%とかなりの高濃度塩素イオン中でも生息できる特徴を有する。
【0031】
本発明では、原油中に生息する油水分離相の水槽から採取されたバクテリア、グラム陰性好気性桿菌Pseudomonas属mendocinaを用いてダイオキシン類分解に関する検討を行い、以下の事項が明らかとなった。
初濃度300ppmのクロロベンゼンのバクテリアによる分解試験では、光照射、空気送入を行った系において、クロロベンゼンは6時間ほどで完全に分解される。
ダイオキシン類の分解のために、ダイオキシン類のダイオキシン(PCDDs)およびフラン(PCDFs)混合物の合成標品をジメチルスルホキシド(DMSO)に転溶した水溶液を用い、バクテリアによる分解試験を試みたところ、空気送入、非送入に関わらず、ダイオキシン類は分解される。空気送入による好気的条件はダイオキシン類をより良好に分解する。高塩素化体になるほどPCDDs、PCDFsとも高い分解率を示す。7あるいは8塩素化体PCDDs、PCDFsの分解率は高く、24時間で双方とも90%以上の分解率を示す。一方、4塩素化体ダイオキシン(2,3,7,8−TCDDを含む)の分解率は、高塩素化体のPCDDsが変化したものが含まれていると考えられ低く、約20%であった。
【0032】
ダイオキシン類総量としての分解率は24時間経過後、空気送入系でPCDDsが約70%、PCDFsが約60%とPCDDsがPCDFsよりもやや高い分解率を示す。
以上のように、従来のバクテリアと比較して分解速度が早く、1日程度でかなりのダイオキシン類が分解できる。本発明の方法は安価で、装置も簡易で、しかも迅速にダイオキシン類の分解が可能である。更に液相分解系だけでなく、図19に示すような土壌中でのダイオキシン分解へのバクテリアを使用した実用化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロロベンゼン(CB)の分解試験に使用した装置の概略を示す図である。
【図2】光照射系におけるクロロベンゼンの濃度変化とバクテリアの増殖変化を示す図である。
【図3】非照射系におけるクロロベンゼンの濃度変化とバクテリアの増殖変化を示す図である。
【図4】バクテリア添加による光照射系及び非照射系、ならびにバクテリアの非添加での光照射系におけるクロロベンゼンの分解率を示す図である。
【図5】バクテリア添加による光照射系と非照射系のC/Coの対数と時間の関係を示す図である。
【図6】ダイオキシン類の分解試験に用いた装置の概略を示す図である。
【図7】バクテリア含有水溶液中のダイオキシン類の分析フローチャートである。
【図8】多層シリカゲルクロマトグラフィーを示す図である。
【図9】反応水溶液中のTOCとバクテリアの増殖変化を示す図である。
【図10】空気送入系のバクテリアを含む溶液中でのダイオキシンの分解率を示す図である。
【図11】空気送入系のバクテリアを含む溶液中でのフランの分解率を示す図である。
【図12】空気送入系のバクテリアを含む溶液中でのダイオキシンおよびフランの分解率をそれぞれ総量変化で示した図である。
【図13】空気送入系でのダイオキシンおよびフラン総量としての脱塩素化率Zを示した図である。
【図14】空気非送入系のダイオキシン類分解率のうちPCDDsの分解率を示す図である。
【図15】空気非送入系のダイオキシン類分解率のうちPCDFsの分解率を示す図である。
【図16】空気非送入系の表1で示されるPCDDsおよびPCDFsの分解率をそれぞれ総量変化で示した図である。
【図17】空気非送入系でのダイオキシンおよびフラン総量としての脱塩素化率Zを示した図である。
【図18】空気送入系および空気非送入系のダイオキシン類の分解試験における塩素イオン濃度変化を示す図である。
【図19】タワーミルを用いた土壌の除染方法を示す図である。

Claims (8)

  1. 有機塩素芳香族化合物を分解するシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)FERM P−18187。
  2. 前記有機塩素芳香族化合物がダイオキシン類である請求項1に記載のシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)FERM P-18187。
  3. 前記ダイオキシン類がポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co−PCB)から成る群から選択される少なくとも1種である請求項2に記載のシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)FERM P-18187。
  4. シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)FERM P-18187を用いて有機塩素芳香族化合物を分解処理する方法。
  5. 前記有機塩素芳香族化合物がダイオキシン類である請求項4に記載の方法。
  6. 前記ダイオキシン類がポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co−PCB)から成る群から選択される少なくとも1種である請求項5に記載の方法。
  7. ダイオキシン類の分解処理におけるシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)FERM P-18187の使用。
  8. シュードモナス・メンドシナ FERM P-18187を使用してダイオキシン類を含む土壌を除染する方法。
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