JP3903735B2 - 移動体の移動距離及び位置検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は移動体の移動距離及び位置検出装置に関し、特にフォークリフト等の移動体の移動距離、さらにはこの移動距離に基づく位置を検出する場合において、その距離のキャリブレーションを行う場合に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばフォークリフト等の移動体の位置検出装置として、当該移動体に取り付けたセンサ(エンコーダ、ジャイロ等)により当該移動体の短時間での動きを検出し、これを積分することによって位置を推定するものが提案されている。かかる位置検出装置を採用する移動体を図5に示す。同図に示すように、当該移動体においては、エンコーダ1、2の出力信号とジャイロ3の出力信号とに基づき位置演算器3で所定の演算をすることによりその位置を検出している。さらに詳言すると、エンコーダ1、2は車体4に取り付けた車輪5、6の回転数を検出するもので、それぞれの出力パルス信号の数をカウンタ7、8でカウントすることにより車輪5、6の回転数を表す回転数信号を位置演算器9に送出している。一方、ジャイロ3はその出力信号をA/D変換器10でディジタル信号に変換した方向変化信号として位置演算器9に送出している。位置演算器9では、上記回転数信号及び方向変化信号に基づき移動体の位置を演算する。
【0003】
図6は位置演算器9の具体的な構成をエンコーダ1、2及びジャイロ3等のセンサとともに示すブロック図である。同図に示すように、当該位置演算器9では、カウンタ1、2の出力信号である両回転数信号を加算器11で加算し、且つ乗算器12で0.5を掛けて両回転数信号に基づく平均回転数を演算するとともに、係数設定器13に設定したパルス数を距離に変換する係数Kを掛けて移動距離dlに変換する。一方、A/D変換器10の出力信号である方向変化dpを積分器14で時間積分することにより走行方向pを求め、演算器15、16で走行方向pのcos成分及びsin成分をそれぞれ演算する。掛算器17、18で、移動距離dlと前記cos成分及びsin成分とをそれぞれ掛けることにより移動距離dlを直交する二成分(X軸方向成分及びY軸方向成分)に分解し、このようにして求めた各成分を積分器19、20で時間積分することにより移動位置のX軸成分及びY軸成分をそれぞれ求める。最後に両者を合成することにより検出すべき移動位置を求める。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き従来技術においては、摩耗等により車輪5、6の径が減少した場合には走行距離の検出に誤差が生じ、結果として移動位置の検出誤差となる。すなわち、図6における係数Kは、パルスを移動距離に変換する係数であり、車輪5、6の周長Rをエンコーダ1、2の出力パルス数Pp で除したR/Pp であるので、移動距離が車輪5、6の周長に比例して変化しない場合には検出した移動距離が誤差を含むものとなる。
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑み、移動体の車輪の摩耗等によるその周長の変化を補正して正確な走行距離及び移動位置を検出し得る位置検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の構成は、次の点を特徴とする。
【0007】
1) 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき移動距離を検出する移動体の移動距離検出装置であって、
前記左右の車輪の平均回転数に、各車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、前記平均回転数に応じて補正係数を定め、この補正係数に基づき補正した係数で両車輪の平均回転数に基づく移動距離を演算するようにした移動体の移動距離検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数P e と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K 0 ( =D/P e ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数P p とに基づき初期係数K 0 ( =L/P p ) を設定する一方、
前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数P t から演算して求めた補正係数F{=(前回更新時のK 0 −新しいK 0 ) /P t }に基づく補正係数を、前記新しい初期係数K 0 に掛けて、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたこと。
【0008】
2) 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき移動距離を検出する移動体の移動距離検出装置であって、
前記左右の車輪の平均回転数に、各車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、前記平均回転数に応じて補正係数を定め、この補正係数に基づき補正した係数で両車輪の平均回転数に基づく移動距離を演算するようにした移動体の移動距離検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数P e と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K 0 ( =D/P e ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数P p とに基づき初期係数K 0 ( =L/P p ) を設定する一方、
新しい初期係数K 0 を、前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数P t から演算して求めた補正係数A(=[{P e ×(前回更新時のK 0 ) /D}− 1 ]/P t )に基づく補正係数で除して、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたこと。
【0009】
3) 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき移動距離を検出する移動体の移動距離検出装置であって、
前記車輪の回転数に、車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、左右の車輪毎に前記各回転数に応じた補正係数をそれぞれ定め、各補正係数に基づき補正した各係数で各車輪の回転数に基づく移動距離をそれぞれ演算するとともに、このようにして演算した各移動距離を平均して当該移動体の移動距離とする移動体の移動距離検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数Pe と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K0(=D/Pe ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数Pp とに基づき初期係数K0(=L/Pp ) を設定する一方、
前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数Pt から演算して求めた補正係数F{=(前回更新時のK0 −新しいK0)/Pt }に基づく補正係数を、前記新しい初期係数K0 に掛けて、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたことを特徴とする移動距離検出装置。
【0010】
4) 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき移動距離を検出する移動体の移動距離検出装置であって、
前記車輪の回転数に、車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、左右の車輪毎に前記各回転数に応じた補正係数をそれぞれ定め、各補正係数に基づき補正した各係数で各車輪の回転数に基づく移動距離をそれぞれ演算するとともに、このようにして演算した各移動距離を平均して当該移動体の移動距離とする移動体の移動距離検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数Pe と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K0(=D/Pe ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数Pp とに基づき初期係数K0(=L/Pp ) を設定する一方、新しい初期係数K0 を、前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数Pt から演算して求めた補正係数A(=[{Pe ×(前回更新時のK0)/D}−1 ]/Pt )に基づく補正係数で除して、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたこと。
【0011】
5) 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき走行距離を検出するとともに、移動体の移動方向を検出することによりこれら移動距離及び移動方向の情報に基づき移動体の位置を検出する移動体の位置検出装置であって、
前記左右の車輪の平均回転数に、各車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、前記平均回転数に応じて補正係数を定め、この補正係数に基づき補正した係数で両車輪の平均回転数に基づく移動距離を演算するようにした移動体の位置検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数P e と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K 0 ( =D/P e ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数P p とに基づき初期係数K 0 ( =L/P p ) を設定する一方、
前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数P t から演算して求めた補正係数F{=(前回更新時のK 0 −新しいK 0 ) /P t }に基づく補正係数を、前記新しい初期係数K 0 に掛けて、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたこと。
【0012】
6) 右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき走行距離を検出するとともに、移動体の移動方向を検出することによりこれら移動距離及び移動方向の情報に基づき移動体の位置を検出する移動体の位置検出装置であって、
前記左右の車輪の平均回転数に、各車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、前記平均回転数に応じて補正係数を定め、この補正係数に基づき補正した係数で両車輪の平均回転数に基づく移動距離を演算するようにした移動体の位置検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数P e と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K 0 ( =D/P e ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数P p とに基づき初期係数K 0 ( =L/P p ) を設定する一方、
新しい初期係数K 0 を、前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数P t から演算して求めた補正係数A(=[{P e ×(前回更新時のK 0 ) /D}− 1 ]/P t )に基づく補正係数で除して、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたこと。
【0013】
7) 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき走行距離を検出するとともに、移動体の移動方向を検出することによりこれら移動距離及び移動方向の情報に基づき移動体の位置を検出する移動体の位置検出装置であって、
前記車輪の回転数に、車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、左右の車輪毎に前記各回転数に応じた補正係数をそれぞれ定め、各補正係数に基づき補正した各係数で各車輪の回転数に基づく移動距離をそれぞれ演算するとともに、このようにして演算した各移動距離を平均して当該移動体の移動距離とする移動体の位置検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数Pe と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K0(=D/Pe ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数Pp とに基づき初期係数K0(=L/Pp ) を設定する一方、
前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数Pt から演算して求めた補正係数F{=(前回更新時のK0 −新しいK0)/Pt }に基づく補正係数を、前記新しい初期係数K0 に掛けて、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたこと。
【0014】
8) 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき走行距離を検出するとともに、移動体の移動方向を検出することによりこれら移動距離及び移動方向の情報に基づき移動体の位置を検出する移動体の位置検出装置であって、
前記車輪の回転数に、車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、左右の車輪毎に前記各回転数に応じた補正係数をそれぞれ定め、各補正係数に基づき補正した各係数で各車輪の回転数に基づく移動距離をそれぞれ演算するとともに、このようにして演算した各移動距離を平均して当該移動体の移動距離とする移動体の位置検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数Pe と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K0(=D/Pe ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数Pp とに基づき初期係数K0(=L/Pp ) を設定する一方、
新しい初期係数K0 を、前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数Pt から演算して求めた補正係数A(=[{Pe ×(前回更新時のK0)/D}−1 ]/Pt )に基づく補正係数で除して、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたこと。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、何れも図6に示す位置演算器9を改良したものである。そこで、各図中、図6と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本形態に係る位置検出装置は、図6に示す位置検出装置の係数設定器13の部分を、係数設定器101、積算器102、補正係数設定器103、定数設定器104、加算器105及び掛算器106で構成したものである。すなわち、乗算器12の出力信号である車輪5、6の平均回転数を表す信号を移動距離dlを表す信号に変換する際の係数の演算方法を改良したものである。
【0017】
ここで、係数設定器101は、初期係数K0 を設定する。この初期係数K0 とは、移動体の車輪5、6の周長の初期値に対応する係数であるが、これは当該移動体(フォークリフト等)の使用を開始する際、又は移動体の点検整備を行う際、一定の直線距離を走らせ、その間にカウントされたエンコーダ1、2の出力パルス数Pe と、このときの移動距離Dとに基づき、K0 =D/Pe の演算により求める値である。また、車輪5 、6 の周長Lを測定するとともに、このときのエンコーダ1、2の出力パルスにより得る車輪5、6の一回転当たりのパルス数Pp を測定し、両者の値に基づき、K0 =L/Pp の演算により求めても良い。
【0018】
積算器102は、使用開始時又は前回更新時からのエンコーダ1、2の出力パルス数(乗算器13の出力パルス数)を積算する。補正係数設定器103は、積算器102の出力信号である積算パルス数Pt を表す信号に基づき次式(1)の演算を行うことにより補正係数Fを演算する。
F=(前回更新時のK0 −新しいK0)/Pt ・・・・・(1)
【0019】
補正係数Fは、加算器105で定数設定器104に設定した「1.0」から差し引かれ、掛算器106で初期係数K0 に掛けて、新たな移動距離dlへの変換係数として出力される。
【0020】
かかる本形態における補正係数Fは、単位パルス当たりの係数の変化率を表すものであり、移動体の移動に伴う車輪5、6の摩耗の程度の係数を表すものとなる。したがって、車輪5、6の回転数を移動体の移動距離dlに変換する際の掛算器106の出力信号として得る係数を、当該移動体の移動距離、すなわち車輪5、6の回転数に応じて適切に変化させることができる。かくして、車輪5、6の回転数に基づき当該移動体の移動距離dlを演算する際の基礎となる車輪5、6の周長を、走行による摩耗を考慮して適切なものとすることができる。
【0021】
<第2の実施の形態>
図2に示すように、本形態に係る位置検出装置は、図1に示す実施の形態における係数演算手段と同様の演算手段を、左右の車輪5、6の回転数をそれぞれ検出するエンコーダ1、2に関してそれぞれ設け、各エンコーダ1、2に関して個別に補正係数Fを求め、これに基づく固有の係数に基づき変換した移動距離dlを乗算器12で平均化するようにしたもので、補正係数Fに基づく補正係数の演算手法を始め他の構成は図1に示す装置と全く同様である。そこで、図1と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0022】
かかる本形態によれば、第1の実施の形態と同様の手法により得る補正係数を左右の車輪5、6に関してそれぞれ独立に求めているので、その分補正精度が向上する。
【0023】
<第3の実施の形態>
図3に示すように、本形態に係る位置検出装置は、図1に示す実施の形態とは、補正係数の演算手段が異なるだけである。すなわち、図6に示す位置検出装置の係数設定器13の部分を、係数設定器301、積算器302、補正係数設定器303、定数設定器304、加算器305及び除算器106で構成したものである。
【0024】
ここで、係数設定器301は、初期係数K0 を設定するものである。この初期係数K0 とは、第1の実施の形態のそれと全く同様である。すなわち、移動体の車輪5、6の周長の初期値に対応する係数であり、当該移動体(フォークリフト等)の使用を開始する際、又は移動体の点検整備を行う際、一定の直線距離を走らせ、その間にカウントされたエンコーダ1、2の出力パルス数Pe と、このときの移動距離Dとに基づき、K0 =D/Pe の演算により求める値である。また、車輪5 、6 の周長Lを測定するとともに、このときのエンコーダ1、2の出力パルスにより得る車輪5、6の一回転当たりのパルス数Pp を測定し、両者の値に基づき、K0 =L/Pp の演算により求めても良い。
【0025】
積算器302は、使用開始時又は前回更新時からのエンコーダ1、2の出力パルス数(係数設定器13の出力パルス数)を積算する。補正係数設定器303は、積算器302の出力信号である積算パルス数Pt を表す信号に基づき次式(2)の演算を行うことにより補正係数Aを演算する。
A=[{Pe ×(前回更新時のK0)/D}−1 ]/Pt ・・・(2)
【0026】
補正係数Aは、加算器305で定数設定器304に設定した「1.0」に加算される。除算器306では、加算器305で加算して得る係数で新しいK0 を除して、新たな移動距離dlへの変換係数として出力する。
【0027】
かかる本形態における補正係数Aは、単位パルス当たりの係数比(前回の係数/今回の係数)の変化率を表すものであり、移動体の移動に伴う車輪5、6の摩耗の程度の係数を表すものとなる。したがって、車輪5、6の回転数を移動体の移動距離dlに変換する際の除算器306の出力信号として得る係数を、当該移動体の移動距離、すなわち車輪5、6の回転数に応じて適切に変化させることができる。かくして、車輪5、6の回転数に基づき当該移動体の移動距離dlを演算する際の基礎となる車輪5、6の周長を、走行による摩耗を考慮して適切なものとすることができる。
【0028】
<第4の実施の形態>
図4に示すように、本形態に係る位置検出装置は、図3に示す実施の形態における係数演算手段と同様の演算手段を、左右の車輪5、6の回転数をそれぞれ検出するエンコーダ1、2に関してそれぞれ設け、各エンコーダ1、2に関して個別に補正係数Aを求め、これに基づく固有の係数に基づき変換した移動距離dlを乗算器12で平均化するようにしたもので、補正係数Aに基づく補正係数の演算手法を初め他の構成は図3に示す装置と全く同様である。そこで、図3と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0029】
かかる本形態によれば、第3の実施の形態と同様の手法により得る補正係数を左右の車輪5、6に関してそれぞれ独立に求めているので、その分補正精度が向上する。
【0030】
なお、上述の実施の形態は何れも位置検出装置として説明したが、各係数の補正手法は距離検出の場合のみに特化して使用することもでき、この場合には高精度の走行距離dlの検出を行うことができる。
【0031】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明した通り、本発明によれば、車輪の回転からフォークリフト等の移動体の移動距離を計測する際に、車輪の摩耗を車輪の回転数に関連付け、積算回転数に応じ、回転数から移動距離への変換係数を適宜補正することにより測定距離及び測定位置の精度の向上を図ることができる。また、かかる補正を左右の車輪に関して個別に行った場合には、さらに精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る移動体の位置検出装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る移動体の位置検出装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る移動体の位置検出装置を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る移動体の位置検出装置を示すブロック図である。
【図5】移動体の位置検出装置を搭載する移動体を概念的に示す説明図である。
【図6】図5の移動体に搭載する従来技術に係る移動体の位置検出装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、2 エンコーダ
3 ジャイロ
5、6 車輪
101、301 係数設定器
102、302 積算器
103、303 補正係数設定器
104、304 定数設定器104
105、305 加算器
106、306 掛算器
Claims (8)
- 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき移動距離を検出する移動体の移動距離検出装置であって、
前記左右の車輪の平均回転数に、各車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、前記平均回転数に応じて補正係数を定め、この補正係数に基づき補正した係数で両車輪の平均回転数に基づく移動距離を演算するようにした移動体の移動距離検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数P e と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K 0 ( =D/P e ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数P p とに基づき初期係数K 0 ( =L/P p ) を設定する一方、
前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数P t から演算して求めた補正係数F{=(前回更新時のK 0 −新しいK 0 ) /P t }に基づく補正係数を、前記新しい初期係数K 0 に掛けて、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたことを特徴とする移動距離検出装置。 - 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき移動距離を検出する移動体の移動距離検出装置であって、
前記左右の車輪の平均回転数に、各車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、前記平均回転数に応じて補正係数を定め、この補正係数に基づき補正した係数で両車輪の平均回転数に基づく移動距離を演算するようにした移動体の移動距離検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数P e と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K 0 ( =D/P e ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数P p とに基づき初期係数K 0 ( =L/P p ) を設定する一方、
新しい初期係数K 0 を、前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数P t から演算して求めた補正係数A(=[{P e ×(前回更新時のK 0 ) /D}− 1 ]/P t )に基づく補正係数で除して、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたことを特徴とする移動距離検出装置。 - 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき移動距離を検出する移動体の移動距離検出装置であって、
前記車輪の回転数に、車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、左右の車輪毎に前記各回転数に応じた補正係数をそれぞれ定め、各補正係数に基づき補正した各係数で各車輪の回転数に基づく移動距離をそれぞれ演算するとともに、このようにして演算した各移動距離を平均して当該移動体の移動距離とする移動体の移動距離検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数Pe と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K0(=D/Pe ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数Pp とに基づき初期係数K0(=L/Pp ) を設定する一方、
前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数Pt から演算して求めた補正係数F{=(前回更新時のK0 −新しいK0)/Pt }に基づく補正係数を、前記新しい初期係数K0 に掛けて、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたことを特徴とする移動距離検出装置。 - 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき移動距離を検出する移動体の移動距離検出装置であって、
前記車輪の回転数に、車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、左右の車輪毎に前記各回転数に応じた補正係数をそれぞれ定め、各補正係数に基づき補正した各係数で各車輪の回転数に基づく移動距離をそれぞれ演算するとともに、このようにして演算した各移動距離を平均して当該移動体の移動距離とする移動体の移動距離検 出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数Pe と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K0(=D/Pe ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数Pp とに基づき初期係数K0(=L/Pp ) を設定する一方、新しい初期係数K0 を、前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数Pt から演算して求めた補正係数A(=[{Pe ×(前回更新時のK0)/D}−1 ]/Pt )に基づく補正係数で除して、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたことを特徴とする移動距離検出装置。 - 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき走行距離を検出するとともに、移動体の移動方向を検出することによりこれら移動距離及び移動方向の情報に基づき移動体の位置を検出する移動体の位置検出装置であって、
前記左右の車輪の平均回転数に、各車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、前記平均回転数に応じて補正係数を定め、この補正係数に基づき補正した係数で両車輪の平均回転数に基づく移動距離を演算するようにした移動体の位置検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数P e と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K 0 ( =D/P e ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数P p とに基づき初期係数K 0 ( =L/P p ) を設定する一方、
前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数P t から演算して求めた補正係数F{=(前回更新時のK 0 −新しいK 0 ) /P t }に基づく補正係数を、前記新しい初期係数K 0 に掛けて、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたことを特徴とする移動体の位置検出装置。 - 右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき走行距離を検出するとともに、移動体の移動方向を検出することによりこれら移動距離及び移動方向の情報に基づき移動体の位置を検出する移動体の位置検出装置であって、
前記左右の車輪の平均回転数に、各車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、前記平均回転数に応じて補正係数を定め、この補正係数に基づき補正した係数で両車輪の平均回転数に基づく移動距離を演算するようにした移動体の位置検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数P e と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K 0 ( =D/P e ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数P p とに基づき初期係数K 0 ( =L/P p ) を設定する一方、
新しい初期係数K 0 を、前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数P t から演算して求めた補正係数A(=[{P e ×(前回更新時のK 0 ) /D}− 1 ]/P t )に基づく補正係数で除して、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたことを特徴とする移動体の位置検出装置。 - 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき走行距離を検出するとともに、移動体の移動方向を検出することによりこれら移動距離及び移動方向の情報に基づき移動体の位置を検出する移動体の位置検出装置であって、
前記車輪の回転数に、車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、左右の車輪毎に前記各回転数に応じた補正係数をそれぞれ定め、各補正係数に基づき補正した各係数で各車輪の回転数に基づく移動距離をそれぞれ演算するとともに、このようにして演算した各移動距離を平均して当該移動体の移動距離とする移動体の位置検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数Pe と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K0(=D/Pe ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数Pp とに基づき初期係数K0(=L/Pp ) を設定する一方、
前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数Pt から演算して求めた補正係数F{=(前回更新時のK0 −新しいK0)/Pt }に基づく補正係数を、前記新しい初期係数K0 に掛けて、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたことを特徴とする移動体の位置検出装置。 - 左右の車輪を介して移動する移動体の各車輪の周長と回転数とに基づき走行距離を検出するとともに、移動体の移動方向を検出することによりこれら移動距離及び移動方向の情報に基づき移動体の位置を検出する移動体の位置検出装置であって、
前記車輪の回転数に、車輪の周長に対応する所定の係数を掛けて移動距離を演算する際に、左右の車輪毎に前記各回転数に応じた補正係数をそれぞれ定め、各補正係数に基づき補正した各係数で各車輪の回転数に基づく移動距離をそれぞれ演算するとともに、このようにして演算した各移動距離を平均して当該移動体の移動距離とする移動体の位置検出装置において、
一定の距離を走行させてその間にカウントされたエンコーダの出力パルス数Pe と、このときの実際の移動距離Dとに基づき初期係数K0(=D/Pe ) を設定するか、又は前記車輪の周長Lと、前記車輪の一回転当たりのパルス数Pp とに基づき初期係数K0(=L/Pp ) を設定する一方、
新しい初期係数K0 を、前回の更新時からのエンコーダの出力パルスの積算パルス数Pt から演算して求めた補正係数A(=[{Pe ×(前回更新時のK0)/D}−1 ]/Pt )に基づく補正係数で除して、両車輪の周長に対応する所定の係数を演算するようにしたことを特徴とする移動体の位置検出装置。
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