JP3902796B2 - 回折測距システム用可変ピッチ格子 - Google Patents

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Description

発明の技術分野
本発明は回折距離計で使用されるチャープ格子と呼ばれる一種の回折光学要素に関する。
関連出願
本発明は1996年12月30日に出願された優先文献米国暫定特許出願第60/034,112号“Variable Pitch Grating for Diffraction Range Finding System and Concomitant Method and Apparatus”に基づいている。
政府権益の声明
ここに記載されている発明は、米国政府がいかなるローヤルティも支払うことなく政府の目的のために使用することができる。
背景
回折による測距は、さまざまな回折次数の回折像間の変位を格子からその観察された照光源までの距離に相関させることができる、回折格子により観察される現象を利用して距離を測定するために使用される方法、装置およびシステムにより構成される。3世紀前にホイヘンスが主張し1801年にトーマスヤングにより実験的に証明されたように、周期波の形のエネルギが開口に衝突すると、前記開口において新しい波面が生じる。回折格子は、典型的には直線罫線状の多くの隣接開口を有する表面である。回折格子に波面が衝突すると、格子内のすべての開口から新しい波面が生じて建設的および破壊的に相互干渉する。建設的干渉の線に沿って、格子を観察する受像器内に像を形成することができる。この像は回折次数と呼ばれる。
0次回折像は受像器からエネルギ源(以後、“標的”と呼ぶ)までの直線に沿って現れる。標的の高次回折像は受像器において再構成され、0次側に変位して現れる。標的が格子面に向かって移動したりそこから離れると、0次像や他の高次像からの高次像の相対変位を使用して標的距離を測定することができる。
標的距離の関数としての高次回折像の挙動は平面回折、すなわち、罫線間間隔が固定された格子として既に報告されている。平面回折を使用する回折距離計は高次回折像の変位に特徴的な関係を示す。高次像の変位には最大漸近限界があり、標的が格子から非常に長い距離にある時に生じる。標的が格子に近づくと、格子像間の変位が崩れる。格子との接触点において、高次像は互いにかつ中央0次像と結合する。標的距離の関数としての高次像の変位は、有限距離から格子との接触点までの標的の運動に放物線的に依存する。したがって、平面回折による距離計の精度は距離の二乗に逆比例して変動する。
平面回折に基づく回折距離計の挙動を、相関グラフ第1(b)図と共に、第1(a)図に例示する。
第1(a)図は光の光学的、すなわち可視電磁放射、に使用する回折距離計を示す。本装置は平面格子110、カメラ200型の受像器、レーザ300型の照光源からなっている。格子からカメラ150への光束はカメラ内のレンズ210の視野の例を示す。格子の反対側で、光線160は格子の作用により向きが変えられる。これらの光線が明確に構成された照光を表す線320と交差する所には、光束150内の対応する光線がある。矩形でマークしたこれらの交差点330は距離計により取得することができる距離点の例である。それらは方程式(3)および(4)により作られる関連グラフ、第1(b)図に、示される。グラフ410は、焦点面220に沿って1次像の点χを見つけることができることを示し、それは明確に構成された照光の線320に沿った標的距離Dに対応することを示している。図示されているのは焦点距離150mmのレンズを有するカメラに必要な長さ60mmの1ミクロンピッチ平面格子を有する635nm照光を使用する回折距離計である。
標的距離と像変位間の双曲線的および放物線的関係は、平面格子により作られる回折距離計だけでなく従来の三角測量距離計の特徴である。この現象は容易に観察される。例えば、人間の目の立体分離では2次元詳細を知覚する目の能力の限界に近い距離よりも腕の長さの領域内の距離がより正確に解像される。同様に、レーザビーム等のアクティブな照光方法を使用する三角測量距離計では、解像度は距離の二乗に逆比例する。それは平面格子により作られる回折距離計で見られるのと同様な依存性である。
三角測量および立体映像測距方法に見られる距離に対する精度の逆二乗関係の説明は、これらの距離計がレンズを使用して標的の像を形成し、レンズが遠近短縮法により像を作り出すということである。レンズが働く機構は、物体がレンズから遠ざかるにつれ同じサイズの物体の像のレンズの焦点面上のサイズを減少するよう指示する。それはルネッサンス以来透視図を特徴づけてきた経験的知識である。
遠近短縮法は任意の焦点距離のレンズで見ることができる。第2(a)および(b)図は2個のレンズを有する焦点面ディメンジョン220のカメラ200の略図である。第2(a)図に示す短い焦点距離230に対する遠近短縮法は、第2(b)図に示す長い焦点距離240に対するものよりも大きいが、両レンズ共かなりの視野角θ,235および245を示している。
第2c図はここでは半インチ焦点面アレイについて典型的な6.5mm焦点面に対する250、焦点距離F、の関数としての255、視野θ、の変化に対する特性グラフ420を示す。角度は次式で知ることができ、
Figure 0003902796
ここに、Xはカメラ焦点面の長さである。
グラフ、第2(c)図、は焦点距離Fが増すにつれて視野角θが狭くなるが、非対称制限角度θは0°に達することはないことを示している。レンズベース距離計の遠視野精度は受像器に使用するレンズの焦点距離を大きくして高めることができる。それにより短縮は低減されるが解消されることはない。しかも、望遠鏡等の長い焦点距離は設計の有用性に重量およびコストの著しい不利益を持ち込むことになる。焦点距離を大きくすると、焦点深度も犠牲にされる。さらに、粗面計のストライプもしくはシート光線等の明確に構成された照光を使用する距離計の場合、長い焦点距離を使用すると、受像器で見ることのできるストライプの長さが減少して得られるプロフィール長が低減される。
回折距離計は高次回折像を形成するレンズを内蔵することもできるが、レンズの遠近効果は回折格子により変えられる。それにもかかわらず、回折距離計の報告した全ての実施例で使用されているように、固定ピッチの平面格子を有する回折距離計について回折像を形成するレンズを有する受像器の使用により遠近法的効果が観察される。ここでも、距離計の精度は標的距離の二乗に逆比例する。事実、高次像偏向変位と標的距離間の関係は、三角測量および立体映像等のレンズの使用に基づく測距システムの特徴である同じ放物線形状に従う。
従来技術
従来技術の調査を行った。本発明を予感させる発明であって、回折格子により距離計を作ることができるものは、
1987年7月7日にトムデウィットに授与された米国特許第4,678,324号“Range Finding by Diffraction”、
1991年12月31日にスミス等に授与された米国特許第5,076,698号“Sensing the Shape of an Object”、である。
前記‘324特許は格子を“等間隔線を有する光学材料”として定義しており[コラム2、61−62行]、そこには“格子アレイ”すなわち“単一基板上の回折格子の多くのピッチ”として記載されている[コラム4、4−11行]、複合格子を除けば可変ピッチ格子を配慮しようとはしていない。前記‘324特許を引用する前記‘698特許は平面格子を想定しておりアルゴン波長に同調される平面格子の例が示されている。
本発明が依拠する可変ピッチすなわちチャープ格子の概念および製作は従来技術で周知である。共通製作方法はホログラフィーである。本発明者が本発明の実際的なプロトタイプを実現するのにホログラフィーが使用された。例証する特許には、
1971年5月18日にブルックス等に公布された米国特許第3,578,845号“Holographic Focusing Diffraction Grating for Spectroscopes and Method of Making Same”、
1981年4月21日にヤオに授与された米国特許第4,262,996号“Chirp−Grating Lens for Guided Wave Optics”、
1993年8月24日にマコンバー等が取得した米国特許第5,238,531号“Apparatus and Method for Fabricatinga Chirped Grating in a Surface Emitting Distributed Feedback Semiconductor Laser Diode Device”、が含まれる。
前記‘845特許はチャープ格子を製作するためのホログラフィープロセスを例示している。ここでは、得られるチャープ格子は分光用である。チャープ格子の他の特許応用には光導波器およびレーザ光学系が含まれる。
三角測量距離計で見つかった遠近短縮の効果により、この限界を保償する光学系が発明されてきている。このような光学系の例は、
1989年10月24日にハーディングに公布された米国特許第4,875,777号“Off−axis High Accuracy Structured Light Profiler”、に記載されている。
前記‘777特許はレンズとミラーの組合せを使用して性能を改善する三角測量測距システムであり、当業者が実施すれば遠近短縮を克服することができる。
出願人は回折格子により回折距離計の受像器内の遠近短縮を克服する特許は公布されていないことを知った。
発明者が作成した従来技術の関連する非特許出版物は、
1)トーマス ディー.デウィットおよびダグラス エイ.リオンの“A Range Finding Method Using Diffraction Gratings”,Applied Optics,1995年5月10日、34巻、14号、2510−2521頁、
2)トーマス ディー.デウィットおよびダグラス エイ.リオンの“Three−dimensional microscope using diffraction gratings”Three−Dimensional and Unconventional Imaging for Industrial Inspection and Metrology,SPIE、2599巻、228−239頁、である。
これらの出版物、特に前記Applied Optics紙、はここに本開示の一部としてあたかも逐語的に組み入れられており、本文に詳しく明記されていない理論のこれらの面をさらに読者に熟知させるように回折距離計に応用される回折理論を教示するものである。
前記した従来技術の特許および他の従来技術の文献は可変ピッチすなわちチャープ格子の一般的概念を開示するものである。従来技術はレンズおよびミラー系を使用して遠近短縮を補償する三角測量による測距方法も開示している。従来技術には固定ピッチ格子による測距も含まれている。最も近い最善の従来技術は共同発明者トーマスディトー(当時トーマスデウィットと呼ばれた)の前記‘324特許である。
残念ながら、回折距離計のこれら発明者により決められた全ての目的を満足させる従来技術の装置は単独でもあるいは組み合せでも存在しない。本発明は可変ピッチ(すなわちチャープ)格子を利用する測距方法、装置およびシステムを最初に開示する発明である。
目的
1)本発明の主要目的は受像器内の遠近短縮を克服できるようにピッチジオメトリを有する回折距離計の回折格子を特定することである。
2)標的距離の変化に対して線形である高次変位を発生する回折距離計の格子を特定することが本発明のもう1つの目的である。
3)標的距離の関数として線形に変化する回折距離計内に高次変位を発生することが本発明のさらにもう1つの目的である。
4)本発明のもう1つの目的はミラーおよびレンズに基づく等価性能の測距システムに較べて重量およびサイズを節減することである。
5)本発明のもう1つの目的は丈夫な構造で保守や手入れをほとんど要しないようにすることである。
6)本発明のもう1つの目的は顕微鏡的測距に対する小規模器具から何メートルもの長距離用大型器具まで応用を拡張できるようにすることである。
本発明の目的および利点は一部前記されており、一部は本発明から自明であり、あるいは実施により知ることができる。本発明はここに図示かつ説明する、あるいは本文献を読めば判る部品、構成、実施例および組合せからなっている。
【図面の簡単な説明】
本発明の目的、特徴および利点とその応用は添付図と共に読めば一層容易に理解することができ、ここに、
1)第1(a)図は明確に構成された光源としてのレーザ、および受像器を完備した平面すなわち固定ピッチ格子を有する従来技術の回折距離計を示す図。
2)第1(b)図は標的の距離Dと受像器の焦点面に沿った変位χ間の放物線状関係を示すグラフ。
3)第2(a)図は短焦点距離レンズを有する広い視野を示す図。
4)第2(b)図は長焦点距離レンズを有する狭い視野を示す図。
5)第2(c)図は焦点距離F(グラフのy軸に沿った)と6.5mm焦点面に対する視野θ°間の関係を示すグラフ。
6)第3(a)図は著しく拡大した平面すなわち固定ピッチ格子を示す図。
7)第3(b)図は著しく拡大したチャープしたすなわち可変ピッチ格子を示す図。
8)第4(a)図は明確に構成された光源としてのレーザ、および受像器を完備したチャープしたすなわち可変ピッチ格子を有する回折距離計を示す図。
9)第4(b)図はその面Lの長さにわたる格子のピッチpの変化を対応する範囲Dを有する回折像の変位χの相関線形化と比較するグラフ。
10)第5(a)図は格子面からトレースされる光線が増大した距離で収束するチャープした格子を有する回折距離計を示す図。
11)第5(b)図は距離点の例を第5(a)図に示す回折距離計に対する格子ピッチと比較するグラフ。
12)第6図は明確に構成された照光およびカメラ等の同軸受像器に対して角度αだけ回転した格子を有する本発明の1実施例。
13)第7図は焦点面位置χに対応するピッチpを格子極値のピッチおよびカメラの位置からどのように求めることができるかを示す図。
14)第8(a)図は回折距離計内の線形チャープ格子を示す図。
15)第8(b)図は第8(a)図に示す線形チャープ格子に対するカメラ焦点面に沿った変位χの関数としての標的距離Dを示すグラフ。
発明の概要
本発明の目的は、回折格子のピッチをその長さにわたって変えることにより実現できることが判っている。第3(a)図に示すような平面格子111の規則正しい罫線とは異なり、チャープ格子121における罫線の分布は、格子の長さにわたってピッチが第3(b)図に示すように変化する。
回折距離計に利用されているように、チャープ格子は、測定距離と受像器における所望の視角によって決まるピッチ仕様でなければならない。したがって、任意所与の測定距離について、受像器内に所望の高次像変位を生じるようにピッチを特定することができる。
既知の格子式から引き出される方程式を使用することにより、所与の標的距離に対して所望の高次像変位を生じる格子を特定することができる。
Figure 0003902796
ここに、γは回折像が再構成される角度、
iは波面の入射角、
nは回折次数、整数
λは入射エネルギの波長
pは格子のピッチ
格子に衝突する波面がほぼ球状である近視野では、角度iおよびγはソースの距離の関数として変動する。それは回折による測距の基本である。格子からの距離がdである受像器における角度γの測定値から、下記の関係に従って標的の距離Dを得ることができる。
Figure 0003902796
可視放射の状況では、1つの軸に沿った変位χを測定することができる焦点面に沿った焦点距離Fのカメラを使用して受像角度γが得られる。
Figure 0003902796
高次回折像の変位の放物線従属特性は格子のピッチをその長さに沿って変えることにより標的距離の関数として変えることができる。方程式(3)および(4)を方程式(2)へ代入し、pについて解けば新しい関係が得られる。
Figure 0003902796
この方程式を使用すれば、カメラの焦点面上の任意の変位χおよびある回折ピッチの標的の任意の距離Dにより適切な回折ピッチpが決定される。
好ましい実施例
回折距離計内に平面格子を使用する際に特徴的な距離と高次像変位間の放物線状の依存関係はチャープ格子を特定化して克服することができる。1つの好ましい関係は標的距離の変化と受像器の焦点面にわたる高次回折像の変位との間に線形従属性を作り出すことである。
第4(a)図は望ましい線形性を作り出す回折距離計を示す。カメラ200からチャープ格子122への光線150はカメラの視野を示す。格子から外向きに照光線へ向かう光線160はカメラによりイメージされる視野を示す。格子からのこれらの光線は平行であり、レーザー300の照光線320との交差点は均一間隔330で生じる。特定化は格子の長さにわたるピッチの変化としてグラフに描くことができる。格子長Lは焦点面χの位置にレンズから格子までの距離dを乗じレンズの焦点距離Fで除算して知ることができる。すなわち、
Figure 0003902796
第4(b)図のグラフ440は、その長さLに沿って可変ピッチpを有する格子122をどのように特定して標的距離Dの変化に比例する線形変位を作り出せるかを示す。グラフ430は被測定距離の変化をトレース440内の格子ピッチと比較するものである。両方の変数pおよびDが格子長さL123に対して示されている。重ね合わせたグラフにおいて、格子ピッチは非線形に変化するが格子長さに対する距離の比率は一定である。この比率は距離に対する高次像変位の所望の線形ステップに対応する。
第1の代替実施例
チャープ回折格子は標的距離に対する高次像の変位が距離の増加と共に増加するように特定することができる。このような格子は高次像の変位に対して距離を線形化するチャープ格子をモデル化するのに使用したのと同じ方程式により特定することができる。しかしながら、この実施例ではDに対する非線形関数が指定される。
例えば、Dが高次像変位に対してその平方根だけ増加するように関数を仮定することができる。
第5(a)図に示すように、光束160は格子124からの距離の増加と共に収束してレーザ300で生じる照光線320の交差点が格子からの距離の増加と共に互いに近づくようになる。図5(b)は、格子125の長さLに亘るピッチの変化を示すグラフである。
第2の代替実施例
前記実施例はカメラおよび格子が互いに平行な方位である限り、回析による距離測定(前記米国特許‘324)の基本的方法の好ましい実施例に記載された部品構成に一致する。
回折距離計内の部品のより一般化された構成ではカメラおよびレーザを格子に対して制約なしで配置できなければならない。このような設計選択から引き出される利点にはよりコンパクトな器具パッケージ、向上した測定感度、および多様な距離限界にわたるより高い柔軟性が含まれる。
第6図はカメラ200のレンズの中央光線221への法線に対して角度αだけ格子が回転される実施例を示す。標的322は光線161を発生しそれは格子の作用により光線151となる。焦点距離F260のレンズに対して、焦点面χ225に沿った対応する変位だけでなく標的距離D377に対する格子ピッチpの依存性は次式で表すことができ、
Figure 0003902796
ここに、
α520は受像器および照光源の軸に対する格子の回転角度、
d177は受像器から照光軸に沿った格子との交差点までの距離、である。
連立方程式を使用して、格子長さLに対する、方程式(8)から生成されるピッチ仕様のグラフを描くことができる。
Figure 0003902796
第3の代替実施例
大概の場合、前記したように特定化される格子のピッチは非線形に変化するが、あるチャープ格子ではピッチが格子幅にわたって線形に変化する。第7図ではL,長さ128、および格子長さ極値におけるピッチp1181およびp2182を特定化することによりこのような格子127を特徴ずけている。その長さにわたってピッチpが連続的に線形に変化するチャープ格子に対して、位置236においてカメラ200の焦点面にイメージされるピッチ190は次式により焦点面上の任意の位置χについて決定することができる。
Figure 0003902796
ここに、ρ(rho)530は格子面への法線に対するカメラの回転角度、
d178は格子への法線に沿ったレンズから格子までの距離、
s179はレンズからピッチがp1である格子から延びる法線までの距離、であり、
格子をカメラの視野内とすることができる焦点面に沿った点の上限237および下限238は次式から知ることができる。
Figure 0003902796
第7図に示す線形チャープ格子を利用する回折距離計を第8(a)図に示す。方程式(11a)および(11b)により格子185内の線形チャープに対する極値が確立される。カメラ200の焦点面で得られるχの特定値に対応するpの値を使用して、レーザ300から生じる指定照光線329に沿った距離Dを次式で計算することができ、
Figure 0003902796
ここに、α555は格子からの法線に対するレーザの角度、
ρ556は格子からの法線に対するカメラの角度、である。
標的距離と像変位χ間の関係を第8(b)図に示す。照光線に沿った距離の相関例がトレース445上のマーカ344および照光線329により示されている。
回折距離計内の線形チャープ格子は本発明者の1人が書いたコンピュータプログラムであって、1996年12月30日に米国暫定特許第60/034,112号“Variable Pitch Grating for a DiffractionRange System and Concomitant Method and Apparatus”を出願した後で1997年12月に出版されたコンピュータプログラムを使用してモデル化することができる。DiffCADと呼ばれるコンピュータプログラムが添付されたCD−ROMおよびダグラス エイ.リオンおよびハヤグリバ ブイ.ラオのテキストブック、Java Digital Signal Processing,MIS−Press,New York,NYに記載されている。
発明の関連事項
回折距離計用チャープ格子の本発明により、三角測量距離計および前記した平面格子ベース回折距離計よりも著しく有利な距離計が得られる。当業者ならば、ここで与えられる教示に従って受像器内の像変位と標的距離間の関係を特定化することにより距離計用回折格子をその用途の明確な要求に適応させることができる。限定はしないが距離計の精度および解像度、標的に対する距離計の孤立、全体標的距離、標的の鮮明度および測距器具の許容形状を含む多様なパラメータの性能改善が見られるであろう。さらに、距離計の設計に習熟した人ならば、近視野測距および3−D表面捕捉に最も広く利用されている現存する三角測量距離計の性能を改善するように容易に本発明を適応させることができる。
参照番号
本明細書で使用した部品、要素およびグラフィック要素をその参照番号順に関連図および簡単な説明と共に表記する。
番号 図面 説明
110 1(a) 平面回折格子
111 3(a) 平面格子
121 3(b) チャープ格子
122 4(a) 高次偏向を線形化するチャープ格子
123 4(b) 格子長さ軸
124 5(a) 受像器における遠近短縮を逆にするチャープ格子
125 5(b) 格子長さ軸
126 6 チャープ格子
127 7 線形チャープ格子
128 7 格子長さ
130 5(b) 格子長さに相関された格子ピッチの例
150 1(a) 格子からカメラ焦点面への光線
150 4(a) 格子からカメラ焦点面への光線
150 5(a) 格子からカメラ焦点面への光線
151 6 格子から焦点面への光線
160 1(a) 標的から回折格子への光線
160 4(a) 標的から回折格子への光線
160 5(a) 標的から回折格子への光線
161 6 標的から回折格子への光線
177 6 カメラ中央光線に沿ったレンズから格子までの距離
178 7 レンズから格子までの距離d
179 7 カメラから格子端部までの間隔s
181 7 格子エッジにおけるピッチp1
182 7 反対格子エッジにおけるピッチp2
185 8(a) 線形チャープ格子
190 7 格子長さに沿った格子ピッチp
200 6 カメラ
200 7 カメラ
200 2(a),(b) カメラ
200 4(a) カメラ
200 5(a) カメラ
200 8(a) カメラ
210 1(a) レンズ
210 4(a) レンズ
210 5(a) レンズ
220 1(a),(b) カメラ焦点面に沿った位置χ
220 2(a),(b) カメラ焦点面
221 6 カメラレンズ中央光線
225 6 カメラ焦点面に沿った位置χ
230 2(a) 広角カメラ焦点距離
235 2(a) 広角カメラ視野
236 7 カメラ焦点面に沿った位置χ
237 7 焦点面上の回折像の上限
238 7 焦点面上の回折像の下限
240 2(b) 狭角カメラ焦点距離
245 2(b) 狭角カメラ視野
250 2(c) 焦点距離軸
260 6 カメラ焦点距離
300 1(a) レーザ
300 4(a) レーザ
300 5(a) レーザ
300 8(a) レーザ
320 1(a) 呼び掛け照光線に沿った測定距離D
320 4(a) 呼び掛け照光線に沿った測定距離D
320 5(a) 呼び掛け照光線に沿った測定距離D
322 6 標的
329 8(a) 問合せ照光線に沿った測定距離D
330 1(a),(b) 焦点面上の位置と相関された光線に沿った距離の例
330 4(a),(b) 焦点面上の位置と相関された光線に沿った距離の例
330 5(a),(b) 焦点面上の位置と相関された光線に沿った距離の例
334 8(a),(b) 焦点面上の位置と相関された光線に沿った距離の例
377 6 標的距離D
410 1(b) 距離D対焦点面位置のグラフトレース
420 2(c) 焦点距離を視野に関連づけるグラフトレース
430 4(b) 距離を格子長さに沿った位置に関連づけるグラフトレース
440 4(b) 格子ピッチを格子長さに沿った位置に関連づけるグラフトレース
445 8(a) 距離D対焦点面位置のグラフトレース
520 6 格子回転角度
530 7 格子回転角度
555 8(a) レーザ回転角度
530 8(a) カメラ回転角度
定義
チャープ(もしくはチャープした)格子−格子の長さにわたって罫線間の可変ピッチ間隔を有する回折格子
注:“チャープ”という用語は音響光学系によりピッチが一時的に変えられる格子の発明により回折格子の語彙に導入された。このように使用される前は、チャープという用語は周波数変調レーダに適用されていた。
複合格子−平面回折格子のアセンブリからなる回折格子
回折格子−入射する周期的波表内の建設的干渉を観察可能とするように近接間隔の多くの隣接罫線を有する構造
回折高次数−格子により形成される建設的干渉線に沿って受像器内に形成される像 焦点距離−レンズから無限遠焦点としたレンズに対する焦点面までの距離
短縮−遠近投影の中心へ向けて点をスケーリングする分割
遠近−ビューボリュームの関数である2−Dへの3−D空間投影であり、かつ相対深度を保存するもの。
平面格子−格子の長さにわたって罫線間の固定ピッチ間隔を有する回折格子
ピッチ−波長の逆数
受像器−回折像のエネルギを相対変位の測定値へ変換するトランスジューサ
立体映像−相当な長さの基線により分離された2個の受像器に形成される2つの像間の相対オフセットの測定値により距離を求める方法
標的−回折距離計内の格子を照光するエネルギ源
三角測量距離計−指定照光源により照光される標的から受像器において形成される像間の相対オフセットの測定値から距離を求める装置
実施例を参照して本発明を説明してきたが、本明細書は制約的意味合いを有するものではない。当業者ならば、本明細書を読めば例示した発明の他の実施例だけでなくそのさまざまな修正や組合せが自明であろう。エネルギが周期波により伝搬されるあらゆる状況において回折は生じ、本発明は光や電磁放射に限定されるものではなく任意のコンプライアントな媒体内のエネルギ伝達を含むことができる。正弦、放物、ガウスその他の数学関数に従う周波数変動を有するチャープ回折格子を使用して所望の結果を達成することができる。無数の個別平面格子構成の中の任意の1つを有する複合格子を指定することができる。実施例は受像器回転、格子もしくは照光源の指定について多くの特定形式をとることができる。したがって、添付請求の範囲は発明の真の範囲内に入るこのようないかなる修正や実施例をも含むものとする。

Claims (9)

  1. 標的から回折格子までの距離を決定するシステムであって、
    可変ピッチを有し、前記標的から受け取ったエネルギーを回折させるように構成される前記回折格子であって、前記エネルギーは周期波によって波面内で伝播するものである回折格子と、
    前記回折格子により回折されたエネルギーを受け取り、高次の回折を含んでいる関連した回折像を形成するように構成された受像器であって、前記回折像から前記距離が決定される受像器と
    を有する、標的から回折格子までの距離を決定するシステム。
  2. 前記可変ピッチは連続的に変化するピッチである、請求項1記載のシステム。
  3. 前記連続的に変化するピッチ線形変化を有する、請求項2記載のシステム。
  4. 記受像器内の遠近短縮を前記回折格子を使用して克服する手段をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記回折格子が可変ピッチ格子である、請求項4記載の受像器内の遠近短縮を克服する手段。
  6. 回折距離計において、可変ピッチ回折格子が、任意の標的距離に対する任意の変位により受像器内の高次回折像がその関連する0次像から分離されるようなピッチの変動を有することを特徴とする回折距離計。
  7. 前記回折格子のピッチの前記変動は連続的に変化する、請求項6に記載の回折距離計。
  8. 前記回折格子のピッチの変動は線形である、請求項7に記載の回折距離計。
  9. 前記回折格子のピッチの変動は、平面回折格子アセンブリからなる複合格子におけるように不連続ステップで生じる、請求項6に記載の回折距離計。
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