JP3902765B2 - Mr心臓画像における左心室のセグメンテーションに対する様々なアプローチ - Google Patents

Mr心臓画像における左心室のセグメンテーションに対する様々なアプローチ Download PDF

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Description

関連する明細書に対する相互参照
この明細書は、2001年5月17日に提出された米国特許明細書、暫定シリアル番号第60/292445号に優先権を主張するものである。
技術分野
本発明は、一般的には心臓画像をセグメンティングする方法およびシステムに関する。また殊に本発明は、視覚情報と解剖学的制約とを統合する輪郭伝播モデル(contour propagation model)を使用して、左心室をセグメンティングする方法およびシステムに関する。この視覚情報は、勾配ベクトル流ベース(gradient vector flow-based)の境界成分と、心臓の輪郭/領域を分離する領域成分とを含んでおり、ここでこの分離は、異なる組織特性が反映されたそれらの大域的な輝度特性にしたがって行われる。上記の解剖学的制約により、心臓輪郭の相対的な間隔にしたがって心臓輪郭の伝播が結合される。
背景
医用画像処理は成長し続けている応用分野である。磁気共鳴イメージング(MRI=Magnetic Resonace Imaging)は、時間的に変化する心臓の3次元画像を得るために使用され、この画像は診断目的に使用可能である。心臓画像は、汎用のコンピュータビジョン技法を使用して処理可能である。しかしながらこれらの技法では、生理学、心臓学などの他の分野から得られる利用可能な事前の知識をフルに利用することができないのである。
心臓のセグメンテーションは、医用画像解析において十分に研究がなされているトピックである。これは得られる結果が、極めて強力な診断能力を有するという事実に起因するものである。精確さおよび精度は、医学的な構造のセグメンテーションにおいて重要な2つの要件であり、それゆえに様々な境界ドリブンな方法がセグメンテーションに対して開発されているのである。これらの方法は、境界画像の形成と、境界情報を精確に表す連続的な構造の抽出とに基づいている。
例えば、よく知られた「スネーク」(snake)モデルは、先駆的なフレームワークであり、これは重要な境界ドリブン画像セグメンテーション技法のベースである(例えば、Kass等による"Snakes: Active Contour Models", International Journal of Computer Vision, 1, 第321〜332頁、1988年を参照されたい)。手短にいうと、スネークモデルとはエネルギー最小化技法のことであり、これは曲線ベースの目的関数の最小ポテンシャルを求めるものである。この関数は、境界画像ドリブン吸引項(boundary image-driven attraction term)と、この曲線の所望の内部特性を表す項との間の妥協である。オリジナルのスネークモデルによれば、復元すべき構造とは、2−Dまたは3−D空間におけるつぎような点の集合のことである。すなわち、所定の内部特性にしたがって制約されながら、所望の画像特徴に向かって局所的に変形される点の集合のことである。この原始的なアプローチによってめざましい結果が得られたが、これは、ノイズのあるデータまたは物理的に損なわれたデータに弱いことがあるのである。
ノイズのあるデータにおける能力の低さを克服するため、アクティブシェープおよびBスプラインのようなパラメトライズされたスネークおよび可変テンプレートが、オリジナルのスネークフレームワークに加えて提案されている。そのためにセグメンテーション過程に先立って、所定の個数のトレーニング標本を使用して形状モデルが形成される。このモデルは、わずかなパラメタしか参照せず、また極めて多種の大域的および局所的な変形を表すことができる。これらの手法を使用することにより、つぎのような条件の下でセグメンテーション性能を改善できる。すなわち、この一般的なモデルが、適切なセグメンテーション解のうちの極めて大部分を表すことができるという条件の下で性能を改善できるのである。しかしながら、これらのモデルは初期条件に極めて鋭敏である。
スネークモデルが初期条件に依存することを表すため、「近視眼的」(Myopic)という語がしばしば使用される。スネークモデルは、極めて局所的な情報に基づいており、そのために初期条件は、最適解から十分に接近していなければならないのである。このモデルを初期条件から解放するためにバルーンフォース(Balloon force)が提案されている。その中心的なアイデアは、初期構造を連続的に拡張または収縮させそうな一定の力を導入することである。このコンポーネントが、つぎのような条件の下ではオリジナルのモデルに対して有益な寄与を有し得ることは明らかである。すなわち、初期構造が、復元すべき領域を取り囲んでいるか、またはセグメントすべき領域によってそれが完全に包囲されているかいずれかの条件の下では有益な寄与を有し得ることは明らかである。しかしながら、一般的な医用画像セグメンテーションアプリケーションに対してこの条件を容易に満たすことはできないのである。
これらの制約を克服するため、領域的/大域的な情報の使用も考慮され、広く研究されている。漸進的に変化する輪郭を使用して、2つの領域からなる画像の分割が定められる。内側の領域は、復元すべきエリアであり、外側の領域は、画像の残りの部分(背景)である。つぎに大域的均一性の領域特性(global homogeneity regional property)か使用されて、関心領域と背景とが弁別される。これらの特性は、最新のセグメンテーションマップにしたがってダイナミックに更新される連続確率密度関数を使用してモデル化される。
境界ベースの医用画像セグメンテーション技法の発展により、初期構造(点の集合)を所望の画像特徴に向かって変形する一連のモジュールが得られた。これらの考察に基づくと、セグメンテーションの結果は、初期構造(位置、制御点の数など)のパラメタライゼーションに必然的に依存することが明らかである。さらに、漸進的に変化する構造を再パラメタライズするのに使用される技法は、セグメンテーション過程においても重要な役割を維持する。これらの問題を扱うためにさまざまな技法が提案されたが、この依存性は、画像セグメンテーションアプローチにとって当然のことではない。
漸進的に変化する界面に対する(ラグランジアンの)択一的な技法として、レベルセット表現(Level Set Representation)が提案されている。これらの表現は、コンピュータビジョンにおける様々なフレームワークの実現に対して共通の選択肢である。漸進的に変化する輪郭は、より高い次元の連続0−レベルセット関数(continuous zero-level set function of higher dimension)を使用して表される。このような表現は、陰、内在的であり、またパラメタおよびトポロジに束縛されないようにすることができる。レベルセット法を使用して界面を漸進的に変化させることにより、画像セグメンテーションに対して境界ドリブンな方法の拡張が得られたのである。
当業者には公知のように、測地線アクティブ輪郭(geodesic active contour)とは、オリジナルのスネークモデルに対する幾何学的選択肢として導入された最適化フレームワークのことである。このモデルの主たる強みは、その陰のパラメタライゼーションであり、このパラメタライゼーションにより、トポロジ的な変化(合併/分裂)が自然に処理され得るのである。
つぎのステップは、境界ドリブンな流れと大域的な領域輝度情報との組み合わせおよびレベルセット関数を使用したその実現であった。この場合、セグメンテーションプロシージャは、初期条件からかなり依存しないようになる。トポロジ的な変化はレベルセット表現を介して処理可能であり、これに対して任意の初期条件は大域的領域情報を使用することによって処理可能である。このようなアプローチは、構造が極めて複雑でありかつ複数のコンポーネントからなる医用画像処理において大いに関心を呼んでいる。しかしながら、ノイズを有するデータや不完全なデータを扱わなければならない場合には、なおロバスト性が問題になっている。これに加えて、セグメントすべき医学的な構造体について生理学から得られる事前の形状知識の利点を利用することができないのである。
このような制限に取り組むためにいくつか努力がなされている。例えば、事前の形状知識が、測地線アクティブ輪郭モデルに導入されている。別の方法では、形状影響項(shape influence term)と、境界および領域ドリブン視覚情報とが組み合わされて、ノイズを有するデータと不完全なデータに対するレベルセットベース法のロバスト性がさらに高められる。上記の目標は、スネークおよび可変テンプレートを使用することによって対処可能であるということができる。
多くの医用アプリケーションでは、画像面に(生理学的に)制約されて配置されている複数の構造を同時に抽出する必要がある。これらの高レベルの(抽象的な)制約は、関心構造の相対位置にしたがって低レベルのセグメンテーションモジュールに変換可能である。例えば、皮質セグメンテーションに対する1手法では、脳の所定の特性にしたがって2つの輪郭の制約された(結合された)伝播が考慮される。
上述のように磁気共鳴イメージング(MRI)により、時間的に変化する心臓の3次元イメージが得られる。病気の診断に役立つするようにするため、内科医に関心があるのは、心室と、心内膜と、心外膜とを識別することである。さらに心臓周期のさまざまな段階にわたる壁厚変化特性(wall thickning property)、心室の血液容量、心室壁質量(ventricular wall mass)および心室壁運動の測定は、困難であるが関心をそそる課題である。左心室は殊に関心の対象である。それは左心室により、酸素の送り込まれた血液が心臓から全身の遠くにある組織にポンピングされるからである。
心臓のセグメンテーションに対して複数の手法が提案されている。例えば、Argusは心臓MR解析パッケージであり、これは磁気共鳴"MAGNETOM"システムに接続されるMReaseワークステーションと共にSiemens社から販売されている。このシステムは、3D/4Dデータセット(時間と共に変化する体積のスライス)のセグメンテーションを自動的に実行することができる。セグメンテーションアルゴリズムには、相異なる3つのモジュールが含まれ、M. Jollyによる参考文献"Combining Edge Region and Shape Information to Segment the Left Ventricle in Cardiac MR Images", IEEE International Conference in Computer Vision, Vancouver, Canada, 2001年に記載されている。自動位置決めモジュールは、最大識別(maximum discrimination)に基づき新たな画像において心筋をほぼ位置決めすることができる。このシステムは、心臓のポジティブおよびネガティブな標本の分布間のKullbach距離を最大にすることによって心臓のグレイレベル面(マルコフ連鎖としてモデリングされる)を学習している。局所的な変形過程は、おおまかな輪郭から出発し、Dijkstraの最短経路アルゴリズムを使用してこの大まかな輪郭が変形される。近接した輪郭の周りで、よりサイズの大きなサーチスペースにおいてこのアルゴリズムが複数回繰り返して行われ、これによってより良好なエッジはより一層強くなり、ぼやけたエッジは一層弱くなる。つぎにグラフカットアルゴリズムが使用されて、心内膜の一部である最善のエッジ部分が最終的に選択される。心外膜は、Dijkstraのアルゴリズムによって外形が描かれた端点にスプライン曲線を当てはめることによって得られる。最後に伝播モジュールによって、局所的な変形に対する大まかな開始点が得られる。
Zeng等による論文"Volumetric Layer Segmentation Using Coupled Surfaces Propagation", Proceedings, Computer Vision and Pattern Recognition, 1998, IEEE Computer Society, Santa Barbara, USA, 23-25, June 1998, 第708〜715には、解剖学的制約を組み合わせたセグメンテーションの境界探索方法が開示されている。境界探索方法の一部として、関心対象のボクセルの周りの小さな近傍内における局所的な輝度が考慮されて、このボクセルが境界にあるか否かの確率が決定される。しかしながらこの論文には、境界探索法または解剖学的制約のいずれかとの組み合わせたセグメンテーションの領域ベースの方法は開示されていない。
Xu等による論文"Snakes, Shapes and Gradient Vector Flow", IEEE Transaction on Image Processing (03-1998) 7(3), 359-369には、境界探索に対する勾配ベクトル流が開示されている。
発明の要約
本発明は、独立形式の請求項に定義されており、以下これらを参照する。有利な特徴は従属請求項に記載されている。
本発明は、心臓画像、殊に左心室をセグメンティングするためのシステムおよび方法に関する。有利にはレベルセット法が使用されて、MR心臓画像がセグメンティングされる。ここでこのMR心臓画像は、2つの心臓輪郭の結合された伝播に基づいている。有利なセグメンテーション法により、視覚情報と解剖学的制約とが統合される。有利には、視覚情報は、(i)勾配ベクトル流ベースの境界成分と、(ii)相異なる組織特性を反映する大域的輝度特性にしたがって心臓輪郭/領域を分離する領域項(region term)とによって表される。解剖学的制約は、心臓輪郭の相対的な間隔にしたがってそれらの伝播を結合するために使用される。結果的に得られる運動方程式は、有利にはレベルセットアプローチを使用して実現され、ここでこれは高速かつ安定な数値的近似方式、有利にはAOS(Additive Operator Splitting)にしたがって行われる。
本発明の1様相において、心臓画像をセグメンティングする方法には、心臓画像の受信と、勾配ベクトル流境界法を使用してこの心臓画像において1つ以上の輪郭に対する境界情報を決定することと、この心臓画像において領域を分離するために、それらの大域的な輝度パラメタにしたがい領域情報を決定することとが含まれる。境界および領域情報を組み合わる伝播モデルが適用され、これによって、心臓画像におけるターゲットに各輪郭が伝播される一方で、解剖学的制約が適用されて、輪郭の伝播がそれらの相対的な間隔にしたがって結合される。
本発明の別の様相では、上記のターゲット境界は、左心室の心内膜および心外膜からなる。
本発明のさらに別の様相では、伝播モデルの境界成分は、有利には、勾配ベクトル流を使用した測地線アクティブ輪郭モデルの拡張に基づく。
本発明の別の様相で、伝播モデルは、境界セグメンテーションモデルと、領域モデル(と、結合関数(coupling function)とを重み付けを行って統合することによって構成される。
本発明のさらに別の様相では、解剖学的制約は、アクティブな結合関数からなり、これは漸進的に変化する輪郭に対して所定のトポロジを維持する。
本発明の上記の様相、別の様相、機能および利点は、添付の図面に関連して読むべき有利な実施形態の以下の説明に記載されているか、またはこの説明から明らかになろう。
図面の簡単な説明
図1aおよび図1bは、心臓画像の例示的な図であり、図1aは左心室の一部を示す例示的な心臓画像が、図1bには左心室の関心対象の輪郭が示されている。
図2は、本発明の1実施形態にしたがって心臓画像をセグメンティングするシステムのブロック図である。
図3a,bおよびcは、本発明による境界セグメンテーション法を説明する例示的な図であり、ここで図3aは左心室を示す例示的な心臓画像であり、図3bはこの画像において検出されたエッジ(エッジ検出器によって検出したもの)を示す例示的な図であり、図3cはこの画像の勾配ベクトル流表現を示す例示的な図である。
図4は、確率密度に基づく領域セグメンテーション法を示す例示的な図である。
図5は、本発明に1実施形態にしたがって心臓画像をセグメンティングする方法の流れ図であり、
図6(a)〜6(h)は、本発明によるセグメンテーション過程中に2つの輪郭が伝播する様子を心内膜および心外膜境界において収束するまで示した例示的な図である。
有利な実施形態の詳細な説明
本発明はMRイメージングに対する心臓セグメンテーションに関する。1つの目的は、左心室を復元することであり、殊に心外膜(すなわち心膜の最も内側の層(心臓を包む嚢)と、心内膜(心臓の空洞を内張りする薄い内皮の膜)との間の領域である心筋層を復元することである。本発明によるセグメンテーションアプリケーションのコンテキストが図1に示されている。
図1aは心臓の例示的な2−d画像、殊に左心室の断面を示す心臓の2−dスライスである。図1の暗いリングは、左心室の壁を構成する心筋層(筋肉)を示している。本発明の有利な1実施形態では、セグメンテーション法は、漸進的に変化する2の界面に基づいており、図1bにおいて心内膜[∂R−内側輪郭]または心筋層の内壁(Iで示した)と、心外膜[∂R−外側輪郭]または心筋層の外壁("O"で示した)とが、3つのモードの画像セグメンテーションアプリケーション、すなわち(i)心内膜R、(ii)心筋層R−R、および(iii)背景I−Rとして示されている通りである。Rは、心内膜領域も含む心外膜領域であることを思い起こしておきたい。
MR画像の画質は、他の医学療法(CT,超音波など)よりも優れているが、考慮されるアプリケーションに関連付けられる視覚情報は、紛らわしいことがあり、物理的に損なわれており、しばしば不完全なこともある。したがってアプリケーションに固有の制約を考慮しないで処理した場合には、最適でない結果に結び付いてしまうことがある。これは以下の理由に起因するものである。その1つは心内膜に乳頭筋が存在することである。図1に明瞭に示されているように、乳頭筋は心内膜の一部であるが、これは別の視覚的特性を示している。この結果、(強いエッジによる)境界ドリブンのセグメンテーションモジュールも、(輝度の不均一性による)領域ドリブンのセグメンテーションモジュールも共にこの筋肉を心内膜の一部として復元することができないのである。
右心室の輝度特性は、心筋層の輝度特性とは異なるため、共通の境界は容易に検出される。しかしながら、心筋層と、心臓でない構成要素との(視覚情報による)分離は、必ずしも行うことができない。乳頭筋の場合とは異なり、ここには心臓のなんらかのエンティティと、心外膜との間に境界はない。したがって境界ドリブンなモジュールも、大域的輝度ドリブンなモジュールも共に適切なセグメンテーションマップを提供することができないのである。
本発明の有利な1実施形態によれば、上記の制限および物理的に損なわれた視覚情報を扱うため、つぎのような仮定を行う。すなわち、(1)心臓の2つの輪郭、すなわち心内膜および心外膜は滑らかである;(2)(乳頭筋を除く)心外膜と、心筋層との輝度特性は、かなり異なっており、強い不連続性(勾配が大きい)がそれらの境界に沿って存在する;(3)内側輪郭(I)と外側輪郭(O)との間の、法線方向(測地線パス)における間隔は、図1bに示したように比較的一定である。
一般的に本発明によるシステムおよび方法は、3モードのセグメンテーションフレームワークからなり、このフレームワークによって2つの輪郭、すなわち心内膜輪郭と心外膜輪郭の伝播が決定される。例示的なアプリケーションでは、関心領域(ROI=region of interest)には、(図1bに示したように)心内膜と心外膜との間のエリア、すなわち心筋層が含まれる。
本発明の有利な実施形態によるセグメンテーション過程は、視覚情報と解剖学的制約とを統合する幾何学的な流れ(geometric flow)に基づく。この視覚情報は、有利には(i)境界ドリブンなコンポーネントと、(ii)大域的な領域ベースセグメンテーションモジュールとによって表される。慣用のセグメンテーション法とは異なり、本発明によるセグメンテーション過程は有利には双方向の流れを使用し、ここでこの双方向の流れは、初期条件に依存せず、また対象物の境界を両側から捕捉することができる。領域成分には、心外膜と、心内膜と、背景との間の輝度特徴を有利に分離するグルーピングモジュールが含まれる。これらの特徴は、EMアルゴリズムによって大域的に推定され、またダイナミックに更新される。
有利には解剖学的な制約が使用されて、関心領域の部分と、紛らわしい視覚情報とが処理される。殊に心臓の解剖学的な事前の知識(a priori knowledge)に基づき、心外膜輪郭と心内膜輪郭との相対位置が、結合モデルを使用して制約される。結果的に得られる運動方程式は、有利にはレベルセット表現を使用して実現され、ここでは高速かつ安定な数値的技法、すわなちAOS(Additive Operator Splitting)が使用される。本発明によるセグメンテーション過程の利点および精確さは、優れた実験結果によって実証されている。
ここに記載した本発明によるシステムおよび方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊用途向けプロセッサまたはこれらの組み合わせなどの種々の形態で実現できることを理解されたい。本発明は有利にはアプリケーションとしてのソフトウェアで実現され、ここでこれはプログラム命令からなり、このプログラム命令は、具体的には1つ以上のプログラム記憶装置(例えば、磁気フロッピィディスク、RAM、CD ROM、ROMなど)において実現され、また有利なアーキテクチャを含む任意のデバイスまたは装置によって実行される。添付の図面に示した構成システムモジュールおよび方法ステップは有利にはソフトウェアで実現されるため、システムコンポーネント(または処理ステップの流れ)間の実際の結合は、本発明がプログラムされる仕方に依存して変わり得ることをさらに理解されたい。ここに示した教示があれば、関連する分野における通常の知識を有するものは、本発明のこれらまたは同様の実現または構成を考察することができよう。
図2は、本発明の1実施形態による、心臓画像のセグメンティングに対するシステム10のブロック図である。ここに記載する有利な実施形態は左心室のセグメンティングに関するものであるが、本発明の原理は、他の解剖学的構成要素に関連する画像セグメンテーション法と共に実現できることを理解されたい。
システム10により、有利にはMRI法を使用して捕捉された心臓画像データ11が処理される。MRIを使用して捕捉された視覚情報は、MRシーケンスにおいて高品質かつ高精度の情報である。システム10は、2つの輪郭、すなわち心内膜輪郭と心外膜輪郭の伝播に基づくマルチモーダルセグメンテーションフレームワークを含む。心臓画像データ11は、境界ドリブンセグメンテーションモジュール12および領域/輝度セグメンテーションモジュール13によって処理される。
有利な1実施形態では、境界ドリブンセグメンテーションモジュール11は、公知の測地線アクティブ輪郭モデルの拡張である境界モデルを実現しており、ここでこの測地線アクティブ輪郭モデルにより、所望の画像特徴が最善に考慮される最小長測地線曲線(minimal length geodesic curve)が決定される。慣用の測地線アクティブ輪郭モデルの重大な制限は、それが初期条件に大きく依存することである。本発明によれば、この制限を克服するために、測地線アクティブ輪郭流と、2−Dの境界場、すなわちGVF(Gradient Vector Flow)とが統合される。この場は、オプティカルフロー(optical flow)に類似した構造を示し、これは心臓の境界に到達するためにしたがうべき方向を向いている。以下に示すように、本発明の境界ドリブンなセグメンテーションモジュール12によって得られる流れにより、漸進的に変化する界面の正則性(regularity)が保証され、両側から心臓境界に到達することができる。
領域/輝度セグメンテーションモジュール13により、大域的/領域的な情報が生成され、これによって境界ドリブンなセグメンテーション過程12の性能がより強固にされる。有利には領域項(region term)(例えば、ここに文献として援用するParagios等による参考文献"Geodesic Active Regions for Supervised Texture Segmentation," IEEE International Conference in Computer Vision, Corfu, Greece、第926−932に記載されている領域項)が使用されて、セグメンテーションマップが得られる。ここでこのセグメンテーションマップにより、所定の事前の知識が使用されて画像特徴が最善にグルーピングされる。有利にはこのような特徴は、観察される画像密度関数(image density function)(ヒストグラム)と、期待値最小化(expectation minimization(EM))アルゴリズムとによって決定される。この領域成分の最小化により、幾何学的な流れが得られ、これはノイズを有するデータ/損なわれたデータを扱うことができ、また初期条件から自由である。
さらにアプリケーションの性質に起因して発生した紛らわしい視覚情報のために(例えば乳頭筋)、システム10はさらに解剖学的モジュール15を含んでおり、このモジュールによって結合機能が実現されて、心内膜および心外膜界面の相対位置が制約される。この制約を実現することによって、心臓の輪郭を法線方向に伝播する双方向の流れが得られる。ここではこの伝播により、所定の制限内でそれらの間隔が維持される。
システムコンポーネント12,13および15はそれぞれ、基礎となる対応モデルコンポーネントに基づいて力を形成することによって、いずれかの輪郭を伝搬する傾向がある。言い換えると、入力心臓画像の関連するピクセル毎に(境界、領域、解剖学的な)各モデルにより、このモデルによって決定される好ましさの計測法(preference measurement)が関連付けられるのであり、ここでこれは最適解に向かって法線方向の伝播を発生させるために使用される。
このシステムは、統合化モジュール14を含んでおり、このモジュールによって、データドリブンな制約(視覚情報)と、解剖学的な制約とが統合されて、左心室のセグメンテーションに対する最終的な幾何学的流れが得られる。さらに具体的にいうと、有利な1実施形態では、結果的に得られる幾何学的流れの解は、共通のプラットホームにおける(境界、領域、解剖学的な)モデルを統合することよって得られ、ここでは解は、これらのモデルを重み付けして結合することによって構成される。
結果的に得られる解は2つの輪郭を含んでおり、1つは内側の輪郭(心内膜)に対するものであり、別の1つのは外側の輪郭(心外膜)に対するものである。画像描画ユニット16は、推定される輪郭を画像データ11に描画するために設けられている。
境界成分
以下は、本発明の有利な実施形態による境界ドリブンモジュール12およびその基礎にあるモデルについての詳細な説明である。
境界ドリブンセグメンテーションモジュール12は有利には、測地線アクティブ輪郭モデルの拡張であるモデルを実現している。測地線アクティブ輪郭モデルによって仮定されるのは、何らかの境界情報が存在することである。このモデルによると、考慮するアプリケーションに対する最適なセグメンテーションマップは、つぎの目的関数を最小化する2つの界面(1つは心内膜に対する界面であり、別の1つは心外膜に対する界面)によって決定される。すなわち
Figure 0003902765
ここで∂R(c),∂R(c)はそれぞれ、心内膜境界および心外膜境界の平面パラメタライゼーション(planar parameterization)であり、g( )は、正で単調に減少する関数(例えばガウシアン)である。
上記の関数の最小化に対して勾配降下法および変分法を使用することにより、以下の(位置uにおける)運動方程式を、最適解に向かう心内膜および心外膜の伝播に対して得ることができる。すなわち
Figure 0003902765
ここでKは曲率であり、NおよびNはそれぞれ漸進的に変化する内側界面および外側界面の内側を向いた法線である。
上で得られた運動方程式(2)はつぎのような簡単な解釈を有する。これらは、1つ(2つの)の初期の輪郭を、曲率効果(curvature effect)によって制約される心臓境界に向かって縮めるのである。この流れは、レベルセット表現を使用して実現可能である。結果的に得られる流れを適用してトポロジを変化させることができ、その際に初期条件が最適解の近傍にあることは要求されない(これらは所定の固有の制約を満たしさえすれば離れていてもよい)。これらの制約は、測地線アクティブ輪郭の流れの性質によって課される。データドリブンな項は、界面を心臓境界に向かって縮める(または初期条件が逆である場合には広げる)傾向がある。したがって初期輪郭は、復元すべきエリアの完全に内部になければならないか、またはこれはこのエリアを覆わなければならないかのいずれかである。この要求によって、慣用の測地線アクティブ輪郭モデルの使用が低減されるのである。
評価すべきであるのは、本発明の1実施形態によれば、慣用の測地線アクティブ輪郭モデルのこの制限がGVF(Gradient Vector Flow)を使用することによって処理されることである。GVFはこの明細書と同じ日に提出された"Gradient Vector Flow Fast Geodesic Active Contour"なる名称の米国特許シリアル番号2003/0052883号(代理人文書番号第2001P09086US)に詳細に記載されている。これは共通の代理人に指定されており、またここに文献として引用する。手短にいうと、GVFとは、心臓境界を両側から捕捉することができ、また凹形の領域を扱うことのできる2−Dの場の定義のことである。この流れを導入するため、連続的なエッジベースの情報空間を最初に定める。有利にはガウシアンエッジ検出器(平均0,σの偏差を有する)が、以下の勾配画像に基づいて実現される。すなわち
Figure 0003902765
ここで[Gσ*I]は、入力と、ガウス核と重畳(スムージング)を表す。
GVFとは、2次元の境界ドリブンな場[v(p)=(a(p),b(p)), p=(x,y)]のことであり、これはつぎの目的関数を最小化することによって復元される。すなわち、
E(v) = ∬μ(a +a +b +b )+|∇f||v−∇f|dxdy
(4)
ここでμは配合パラメタ(blending parameter)である。この関数はつぎのように解釈を試みることができる。すなわち、境界情報がない場合[|∇f|≒0]、エネルギーおいて優位を占めるのはこの場の偏微分であり、これによって場の拡散とスムーズなマップが得られる。他方、境界空間において変動が観察される[|∇f|が大きい]場合、このエネルギーにおいて優位を占める項は2つ目の項である。これによって結局v=∇fということになる。このエネルギーの詳細な解釈は、Xu等による"Gradient Vector Flow: A new External Force for Snakes", IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, Puerto Rico, USA, 第66〜71頁に記載されている。
オリジナルのGVF目的関数の1つの制限は、境界情報が直接的に使用されないことである(境界勾配が流れに影響を与える)。この結果、境界情報の拡散に起因して、強いエッジも弱いエッジも共に(それらの勾配が同等であるという仮定の下で)同程度にこの場に寄与し得ることになる。有利にも本発明によれば、この制限を扱うために上記の目的関数(4)をつぎのように変形する。すなわち
E(v) = ∬μ(a +a +b +b )+f|∇f||v−∇f|dxdy
(5)
この変形によって、弱い(ノイズを有する)エッジを克服すると共に境界情報の良好な(fair)拡散を保証する拡散方程式を得ることができ、ここでは弱いエッジによって形成される流れを強いエッジによって補償することができる。
目的関数(5)の最小化は、変分法の使用によって行うことができ、これによってつぎの拡散方程式が得られる。すなわち
Figure 0003902765
式(6)は有利には勾配ベクトルの流れを推定するために使用される。この偏微分方程式(PDE=partial differential equation)によれば、この場はまず重要な境界情報を有する画像位置において定義/推定され、境界から遠く離れたエリアに漸次に伝播される。流れの収束に伴い、この場は、心臓境界に最適に到達するためにたどるべき方向についての情報を含む。つぎにGVF場
Figure 0003902765
を正規化することができる。結果的に得られる2Dの流れは、オプティカルフローと類似であり、新たな境界ドリブンの外力を定めるために使用可能である。このコンポーネントによって得られる情報は、もっぱらコンテキスト依存であり、つねに心臓境界を両側から指し示す。GVFは図3に示されている。殊に図3aは、例示的な入力画像を示しており、図3bは、エッジ検出器によって検出した対応する境界情報を示しており、また図3cは、対応する勾配ベクトル流を示している。
スネークベースの双方向な幾何学的流れにおいて基礎となる場は、上に挙げたXu等による"Gradient Vector Flow: A new External Force for Snakes"に提案されている。彼らのアプローチにはオリジナルのスネークモデルに比較して多くの利点を有するが、同時に重大な制限も共有している。すなわち、ラグランジアンの実装である。しかしながら、このことは与えられたアプリケーションコンテキストによっては重大な制約ではない。実際に本発明によれば、左心室セグメンテーションの問題とは、凹形の単一種子エリア(convex single-seed area)(心外膜、心内膜)の復元であり、したがって(ラグランジアンアプローチの制限である)トポロジの変化を扱うことは、要求されないからである。
評価すべきであるのは、本発明によるセグメンテーション法により、有利にも漸進的に変化する界面のトポロジ変化が可能になることである。有利にも複数の種子(multiple seed)を使用することによって、心内膜および心外膜の大域的/領域的な輝度に対してより良好な初期の推定が可能になる。結果的に精確なセグメンテーション結果が達成されるのである。
さらに、以下により詳しく説明するように解剖学的制約は有利には、心内膜界面と心外膜界面との間の間隔に基づいており、レベルセット表現の使用は、この間隔を推定するのに有利な方法である。これに加えて、心臓輪郭の幾何学的特性は、このようなレベルセット表現から自然に推定することができる。
正規化されたGVFとは、対象物の境界に到達するためにたどるべき方向のことであることを思い起こされたい。したがって漸進的に変化する界面の最新の位置が与えられた場合、心臓境界に到達するための最適の軌跡は、(コンテキストの点から)GVFの方向に沿って移動することである。
上に示したことに基づき、本発明の1実施形態によるセグメンテーション法により、心内膜および心外膜に対する(測地線アクティブ輪郭ベースの)コンテキスト依存の伝播が、正規化されたGVFにしたがって決定される。ここではこの伝播は法線方向に行われ、またこの伝播は、所定の位置[u]におけるGVFベクトルと、界面法線との間の内積に基づいている。すなわち、
Figure 0003902765
である。
運動方程式(7)により、左心室の内側および外側の境界線(すなわち心内膜、心外膜)の輪郭は、輪郭境界の方を向いた方向に移動される。この運動方程式により、境界の位置に基づいて2つの方向のうちの1つに輪郭が移動される。より具体的にいうと、運動方程式(7)は以下のように解釈される。漸進的に変化する界面は、GVFが外側を向きかつ法線ベクトルが同じ方向または逆方向の場合に最大の広がりを示す。逆に心臓輪郭は、GVFが内側を向きかつ単位法線が同じ方向または逆方向の場合に最大の収縮を示す。さらにGVFが法線に接する場合、界面位置は更新されない。
運動方程式(7)により、視覚情報は考慮されない。GVFの正規化により、コンテキスト依存の境界ドリブンな情報が得られる。勾配が大きく強いエッジを有するピクセルは、この情報が存在しないエンティティと類似のエンティティを示す。測地線アクティブ輪郭の流れの例にしたがうと、つぎのように画像ドリブンな境界情報を導入することができる。すなわち
Figure 0003902765
である。
境界情報がない場合、設計した流れは、コンテキスト依存の伝播に反映され、これは両側から心臓境界に達することが可能である。その一方、画像ドリブンな境界情報が存在することによってGVFの寄与が程度が下がる。それは心臓境界が復元されているという仮定が部分的に満たされるからである(強いエッジ)。
内部的な制約は、スネークモデルおよび他の境界ドリブンセグメンテーションの流れの重要なコンポーネントである。これらの制約により、漸進的に変化する界面の正則性と、相応する流れを実現するために使用される数値的方法の安定性とが保証されるのである。
本発明によるGVFベースの境界セグメンテーションの流れでは、このようなタイプの制約を考慮しない。実際に人間の心臓は、時空間にわたってスムーズな構造からなる物理的なエンティティである。異常な条件を観察するのではない場合、この事前の知識は、有利にも低レベルセグメンテーションモジュールに投影され、ここでこのセグメンテーションモジュールは、内部的な制約によって形成されるセグメンテーションモジュールと類似している。測地線アクティブ輪郭の例によると、曲率成分は有利にも内部的な制約を加え、また事前の抽象的な知識を低レベルのセグメンテーションモジュールに変換するために使用される(心臓形状事前モデルの制約を使用することがこの知識を導入するのにより適切であることもある)。つぎの方程式では、輪郭がスムーズであるという仮定に基づいて制約が課される。すなわち、
Figure 0003902765
まとめると、測地線アクティブ輪郭と勾配ベクトル流とを統合することにより、本発明の1実施形態による境界ドリブンな心臓セグメンテーション法によって、有利にも任意の初期条件を扱うことができ、またトポロジの変化を処理することができるのである。
統計的な領域成分
以下は、本発明の有利な実施形態による領域/輝度モジュール13と、その基礎にあるモデルとについての詳細な考察である。一般的に領域/輝度ベースのセグメンテーション法は、空間的に局所化された機能および特性が均一であることに依拠している。本発明によれば、左心室セグメンテーションの問題は、この判定基準を満たしている。領域/輝度モジュール13の背後にある中心的なアイデアは、漸進的に変化する界面を使用して、所定のグルーピング判定基準について最適である画像パーティションを定めることである。医用イメージングにおいて、観察される輝度は、対応付けられる相応の組織の特性に依存する。
さらに左心室のMRシーケンスに対して以下の3つの集団の存在を仮定した。すなわち(i)血液(明るい),(ii)筋肉(灰色)および(iii)空気が充填された肺(暗い灰色)を仮定した。これらの集団の特徴は空間的および時間的に変化するが、その輝度特性は極めて良好に弁別することができる。したがって心外膜領域の観察される分布(ヒストグラム)は、2つの成分の混成モデルと考えることができる(ガウスシアンと仮定する)。pが心内膜密度関数を表し、pが心筋層密度関数を表し、またpが心臓組織の残り(背景)の密度関数を表すとする。この時、つぎように定義する。すなわち、
p(I) = P(I)+P(I)+P(I)
(10)
ここでP,PおよびPは、心内膜、心筋層および背景の仮説に対する事前の確率である。基礎となるモデルの未知のパラメタは期待値最大化原理を使用して推定可能である。図4は、3つの仮説による視覚情報(ヒストグラム)の統計的なモデリングを説明する例示的な図である。心臓画像が与えられた場合、この画像の所望のエリアは、このエリアのヒストグラムを計算することよって処理され、密度が得られる。1実施形態では、心内膜は明るく、筋肉は灰色であり、背景は暗いと仮定する(図4aに示した通りである)。図4bの例示的なヒストグラムでは、曲線C1はこの画像において観察される全体的なデータであり、曲線C4は心内膜に対する仮説を表し、曲線C3は心筋層に対する仮説を表し、曲線C2は背景に対する仮説を表す。
上記の確率密度関数は、領域ベースのパーティションモジュール13の基礎をなすものである。事後のセグメンテーションの確率の最大化は、最適化の判定基準とみなすことができる。すなわち、
Figure 0003902765
ここでr( )は、ガウシアンのような正で単調減少する関数である。式(11)で定義されるモデルは、種々異なる成分を分離するために使用される。定義したこのモデルの解釈は、当該分野の通常の知識を有する者には明らかである。視覚情報は、セグメンテーションマップを最大にサポートしなければならない。何れかの視覚情報に関連した所定のピクセルが目的関数の最小のポテンシャルに寄与するのは、種々異なる仮説[p,p,p]の確率法則にしたがって、最も確率の高いラベルにこのピクセルが割り当てられる場合であり、かつその場合に限られる。このような割り当てにより、目的関数には最小の負荷がかかる。
ストークスの定理、変分法および勾配降下法を使用すると、以下の運動方程式が得られる(これはエネルギー関数(11)を最小化する)。すなわち
Figure 0003902765
である。
流れ(式12)は、漸進的に変化する界面(法線方向に)をセグメンテーションマップに向かって縮めるかまたは広げ、また心外膜および心筋層の予想される輝度特性をより良好に示す。さらにこれは、観察される画像特徴にしたがって、漸進的に変化する界面を膨張または縮ませる適応形のバルーンフォースとみなすことができる。
領域/輝度モジュール13を実装することの利点は明らかである。すなわち、提案されたアプローチは、より一層初期条件に依存しない。それは領域ベースの流れは、データドリブンな応形のバルーンフォースとして作用するからである。しかしながら、紛らわしい視覚情報に起因して(アプリケーションの性質に起因して、心外膜と背景との間の輝度ベースの分離は容易には行えない)、最適以下の結果が達成されることがある。
本発明によれば、領域ドリブンな流れ(図2のモジュール13)の結果は、(図2のモジュール14を介して)境界GVFベースのセグメンテーションモジュール(図2の12)と統合され、これによって以下の運動方程式が得られる。すなわち
Figure 0003902765
であり、ここでβおよびεは配合パラメタである。
これらの式は3つの項からなる。第1の項は、復元すべきエリアの大域的輝度特性にしたがって推定されるグルーピング成分である。この項が表すのは、心筋層の均一性である。第2の項は、漸進的に変化する界面の正則性を維持する内部成分である。最後の項は、心臓輪郭を両側から心筋層境界に向かって伝播する境界吸引成分(boundary attraction component)である。
解剖学的成分
以下は、本発明の有利な実施形態による、図2の解剖学的モデルの詳細な考察である。
心臓組織の特性に起因して、視覚情報により、紛らわしいセグメンテーション結果が得られることがある。画像/データドリブンな技法だけに基づくセグメンテーション法は、関心対象の医学的な構造について事前の知識(例えば、心臓の生理学)を利用していない。本発明の別の様相では解剖学の事前の知識が有利にもセグメンテーション過程の1コンポーネントして使用される。
1実施形態では、解剖学ドリブンな低レベルセグメンテーション過程が使用されて、心外膜と心内膜の相対位置が制約される。実際、漸進的に変化する界面とは、物理的なエンティティの一部である心臓の構成要素、心臓構造なのである。ここで仮定されるのは、それらの位置も、時間および空間にわたるその漸進的変化も共に連続的であり、心臓の運動にしたがうことである。
本発明の1実施形態によれば、解剖学的モデルによって仮定されるのは、心外膜と心内膜との間の間隔が、空間的(スライス)および時間的(心周期の各段階)に変化することである。この間隔の漸進的変化を時間および空間について決定することにより、このモジュールは、漸進的に変化する界面を(測地線上の)最短経路にしたがって結合させる。この制約の導入を容易にするため、心内膜−心外膜間隔の一時的な漸進的変化を無視する。
心内膜または心外膜輪郭からのピクセル(x,y)を考慮する。d(∂R, ∂R)が(x,y)と漸進的に変化する界面との間の最小ユークリッド距離とすると、
−((x,y)∈∂R) → d(∂R(x,y), ∂R) = d((x,y), ∂R),
(14)
−((x,y)∈∂R) → d(∂R∂R(x,y)) = d((x,y), ∂R) (15)
である。
Zeng等による参考文献"Volumetric Layer Segmentation Using Coupled Surfaces Propagation", IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, Santa Barbara, USA, 第708〜715頁には、能動的結合項(passive coupling term)が皮質セグメンテーションに対して提案されており、これによってめざましい結果が得られている。このアプローチの背後にある中心的なアイデアは、結合関数(coupling function)を導入することにあり、ここでこの結合関数は、皮質輪郭の間隔が許容される限界を下回る場合にこの皮質輪郭の伝播を停止する傾向を有する。しかしながらこれは強い制約であり、心臓輪郭を漸進的に変化させず、受動的な振る舞いを表すのである。
本発明の有利な実施形態によれば、アクティブな結合モジュールが使用され、ここでこれは心内膜(内側の輪郭)に対して以下の条件を満たす。すなわち、
(i) 与えられたピクセルに対して心外膜からの間隔が、許容される限界内にある場合[m≦d(∂R(u),∂R)≦M]、制約は満たされており、如何なるアクションもとられない;
(ii) この間隔が、最小許容値未満である場合[d(∂R(u),∂R)<m]、心内膜は心外膜に極めて接近しており、心内膜は、間隔についての制約を守るために縮まらなければならない;
(iii) この間隔が、最大許容値を上回る場合[d(∂R(u),∂R)<M]、心内膜は心外膜から遠く離れており、心内膜は間隔についての制約を守るために広がらなければならない。
このような定式化に基づいて、本発明の1実施形態による心内膜界面に対する結合関数を有利にはつぎのように定義する。すなわち、
Figure 0003902765
類似の条件が、心内膜(外側の輪郭)に対して同じ考え方を使用することによって得られる。すなわち、
(i) [m≦d(∂R,∂R(u))≦M]の場合、制約は満たされており、如何なるアクションもとられない;
(ii) [d(∂R,∂R(u))<m]の場合、心外膜は心内膜に極めて接近しており、心外膜は、間隔についての制約を守るために広がらなければならない;
(iii) [d(∂R,∂R(u))<M]の場合、心外膜は心内膜から遠く離れており、心外膜は間隔についての制約を守るために縮まらなければならない。
これらの条件に基づいて、本発明の別の実施形態による結合関数を、心外膜界面(外側の輪郭)に対してつぎのように定義する。
Figure 0003902765
有利には結合関数(16)および(17)が(図2の解剖学的モジュール15)に実現されて、所定の許容される制限内で心臓輪郭間の間隔を維持するアクティブ解剖学的モデル得られる。このモデルにより、アクティブな伝播力が得られ、この力により、本発明による間隔についての以下の一組の要求を満たす位置に向かって法線方向に心臓輪郭が局所的に漸進的に変化する。すなわち、
Figure 0003902765
である。
結合関数(18)によって多くの利点が得られる。例えば、結合関数は、セグメンテーションアルゴリズムに対して、所望のように強い寄与またはソフトな寄与のいずれかを有することができる。これに加えて、結合関数はつぎのような意味でアクティブな役割を有する。すなわち制約を満たすトポロジを、漸進的に変化する界面に対して復元するという意味でアクティブな役割を有する。このことは強い制約を定めて、許容され得る一連のトポロジ/解決手段を少なくさせてしまう(Zeng等の)慣用の方法とは対照をなすべきものである。
完備なモデル
本発明により、データ−ドリブン(視覚情報)な流れと解剖学的制約とが結合され、左心室のセグメンテーションに対して幾何学的な流れが得られることは評価すべきである。本発明によるセグメンテーションモデルは、最適化の判定基準に関係していないが、このようなモデルにより、アプリケーションフレームワークがフルに利用され、視覚情報の成果が最大化することができる。本発明の1実施形態よれば、セグメンテーションに対する完備なモデルが、有利にもつぎように定められる。すなわち、
Figure 0003902765
ここで( は配合パラメタである。これらの幾何学的な流れは、すべて法線方向に作用する相異なる4つの力からなる。すなわち、
(i) 漸進的に変化する界面の内部特性を表す曲率−ドリブン項(curvature-driven term);
(ii) 心臓輪郭をその実際の境界に向かって伝播する傾向のある境界−ドリブンな双方向の力;
(iii) 心臓領域の均一性を表す輝度−ドリブンな領域的な力;および
(iv) 心内膜および心外膜の位置に関連する解剖学−ドリブンな制約からなる。
実装についての問題
ラグランジアンアプローチは、幾何学的な流れを実現するための共通の技法である。これらの技法は、漸進的に変化する界面を表すために(コントロール)点の小さな集合を採用している(連続する2つの点間の間隔について均一なサンプリングルールを使用可能である)。つぎに上記のコントロール点の位置が、運動方程式にしたがって更新される。
このような技法を実現するための数値的方法について最近10年間に多くの進展がなされている。これらは、スネークベースの多くの医用画像セグメンテーション技法に対するベースであり、優れた性能を有する。しかしながらこのような技法は様々な点で制限される。
例えば、漸進的に変化する界面のトポロジの変化は、ラグランジアン技法の大きな制限である。この制限を克服するためにいくつかの方法が提案されており、曲線および曲面になる流れに対して良好な性能が得られているが、このような方法はより高い次元に対して一般化できない。別の制限は、漸進的に変化する界面の法線および曲率のような幾何学的特性の推定である。漸進的に変化する構造の再パラメタライゼーションもしばしば必要である。この再パラメタライゼーションはサンプリングルールにしたがって行われる。したがって界面特性の推定は、このルールに強く依存してしまうのである。
レベルセット表現は、ラグランジアンアプローチに対する択一的なアプローチである(例えば文献として援用するOsher等による"Fronts Propagating With Curvature-Dependent Speed: Algorithms based on the Hamilton-Jacobi Formulation", Journal of Computational Physics 79, 12-29を参照されたい)。この方法の背景にある中心的なアイデアは、漸進的に変化する界面∂R(u;t),∂R(u;t)を、より次元のつぎのような高い関数[φ,φ]のゼロレベルセットとして表すことである。すなわち、
Figure 0003902765
である。
[∂R(u),∂R(u)]に対するこのような表現は陰であり、パラメタフリーであり、また内在的である。さらにこれらはトポロジフリーである。それはゼロレベルセットのトポロジが異なることは、[φ,φ]のトポロジが異なることを含意しないからである。
つぎに示す幾何学的な流れの最も単純な形態を考察してみよう。すなわち、
Figure 0003902765
を考察する。
この流れは、界面の幾何学的特性(すなわち曲率)に依存し得る所定のスカラー関数Fにしたがって、法線方向に初期輪郭を漸進的に変化させる。(埋め込みembedding)関数φの基本的な微分により、以下のレベルセットの流れが得られる。すなわち、
Figure 0003902765
であり、ここでN = ∇φ/|∇φ|である。このレベルセットの流れの解は、埋め込み関数φの選択には依存しない。漸進的に変化する界面からの符号付きユークリッド距離は、φに対する選択について共通である。
有利にはレベルセット表現が、心臓セグメンテーションの流れの実現に対して使用される。取り扱うべき唯一の問題は、心外膜と心内膜との間の間隔を連続的に推定するためのメカニズムである。この問題は、符号付きユークリッド距離を埋め込み関数とみなすことによって扱うことができる。この選択により、漸進的に変化する界面間の最短経路が反映される。本発明の1実施形態によれば、レベルセット空間への心臓セグメンテーションの流れの投影は、有利にはつぎのようにして行われる。すなわち、
Figure 0003902765
である。
しかしながら結合項の定義は不連続の関数であり、この関数によって、定めた流れを数値的に実現する間に不安定性の問題が引き起されることがある。この問題を扱うため、元々の関数と同じ特性を有するスムーズな関数を考察する。すなわち
Figure 0003902765
を考察する。
注意すべきであるのは、この最終的なモデルがいくつかのパラメタ(α,β,ε,γ,δ,m,M)を含むことである。確かに別の情報−ドリブンなセグメンテーションモジュールを使用することによって、結果的に得られるアルゴリズムの性能を高めることができる。しかしながらそれらを適切に統合することは問題であり、ここでのアプローチに対しても問題である。
実験に基づいて決定されたのは、領域/輝度情報が、最も信頼できる視覚的なソース(β=0.5)であることである。また境界成分も振る舞いが安定している(これは輝度情報の不連続性を表す)(ε=0.2)。さらに漸進的に変化する界面の正則性を強化しなければならない(α=0.25)。解剖学的モジュールは、ソフトからハードへの制約である(γ=0.3)。間隔の制限は、考察するスライスの空間位置にしたがって定められる。中央の心臓スライスは、左心室に対する最大容積に相応し、したがって制限は最大限に広い(m=4,M=8,δ=2)。
今ここでは、解剖学的モジュールパラメタを定める自動的な方法を開発している最中である。心筋層は、左心室のほとんどの部分において適切に抽出することができる。したがって乳頭筋および心筋層に類似の視覚特性を有する構造体は、漸進的に変化する心臓輪郭間の間隔について異常値とみなすことができる。ロバスト性の統計に基づく方法を使用して、この間隔の平均および変動を復元することができ、これにより、解剖学的な制約が空間的および時間的に自動で決定されることになる。
数値的な実現
提案したフレームワークを実現するための高速でロバストな数値的アプローチは、有利には公知のAdditive Operator Splitting (AOS)方式に基づいており、この方式は、例えば、Weickert等による"Efficient and Reliable Scheme For Non-Linear Diffusion and Filtering, " IEEE Transaction on Image Processing, 7, 398-410, 1998に記載されている。ここではこれを文献として援用する。この技法は、Goldenberg等による"Fast Geodesic Active Contours" International Conference on Scale-Space Theories In Computer Vision, 第34〜35頁(1999)において、平面曲線の漸進的変化に適用されて成功を収めており、そこではレベルセット法が使用されている。
コンピュータビジョンにおけるPDE(partial differential equation)の使用に伴う制限の1つは、効率が悪いことである。典型的な数値近似は不安定であり、時間を無駄に消費する方法に結び付いてしまう。これは、PDEの収束および安定した漸進的変化を保証する短い時間ステップが必要なためである。この制限を克服するための1つの方法は、上で援用したWeickert等による刊行物に紹介されており、また多種多様なPDEに対して安定した数値的手法を提供するために有効に使用されている。
説明のために以下の形式の拡散方程式を考察することによって1次元の場合を考える。すなわち
u = div(g(|∇u|∇u)
(25)
この場合この拡散方程式はつぎのように打切る(discretize)ことができる。すなわち、
u = ∂ (g(|∂ |)∂ u)
(26)
であり、これによりつぎの反復法が得られる。すなわち、
m+1 = [I+τA(u)]u
(27)
であり、ここでIは恒等行列であり、τは時間ステップである。この系により、前回の反復からの値が使用されてu値が明示的に更新されるが、時間ステップが上界によって制限されていながらこれは安定ではない。準陰型(semi-implicit)な方法の使用を考えることができる。すなわち、
= [I−τA(u)]um+1
(28)
の使用を考えることができるが、これは安定な振る舞いを有するが、計算機の利用からみるとコストがかかる。AOS技法とは、上記の準陰型法のつぎのような修正である。すなわち、
m+1 = [I−τA(u)]−1
(29)
である。
AOS(Additive Operator Splitting)はつぎのような点で有利な特性を有している。すなわち、(i)これは安定である;(ii)離散的非線形拡散に対する判定基準をすべて満たしている;(iii)複雑でない(ピクセルの個数に対して線形である);また(iv)より高い次元に容易に拡張可能であるなどの点で有利な特性を有している。したがってAOS法は、ここで説明したレベルセット運動方程式と共に左心室のセグメンテーションに対して有利に適用されるのである。
レベルセット伝播の所要の計算コストをさらに低減するため、AOS法と、ナロー(Narrow)法(Adalsteinsson等による"A Fast Level Set Method For Propagating Interfaces," Journal of Computational Physics 118, 269-277, (1995)を参照されたい。この刊行物もここに文献として援用する)とを効果的に組み合わせることができる。この方法のエッセンスは、制限されたバンド内だけでレベルセット伝播を行うことである。このバンドは、伝播する輪郭の最新の位置にしたがって定められる。したがって関心対象のエリアは極めて小さくなり、この結果、計算の複雑さが大いに低減されるのである。この方法では、レベルセット表現(距離関数)の頻繁な再初期化が必要であり、これはファーストマーチング(Fast Marching)アルゴリズム(例えば、J. Sethian, "Level Set Methods", Cambridge University Press, 1996を参照されたい。この刊行物もここに文献として援用する)を使用して効果的に行うことができる。自動制御の分野内では類似のアルゴリズムが、J. Tsitsiklisによる参考文献"Efficient Algorithms For Globally Optimal Trajectories", IEEE Transaction on Automatic Control 40, 1528-1538 (1995)に提案されている。
結論、実験結果
まとめると、本発明により、MR心臓画像における左心室のセグメンテーションに対して幾何学的な流れが得られる。ここのアプローチは、正則性、境界、領域および解剖学−ドリブンの力の影響下での2つの曲線(心臓輪郭)の伝播に基づいている。このフレームワークでは、ノンパラメトリックな曲線が使用されており、レベルセット表現を使用して実現されている。ここでのアプローチの妥当性を検証するためにいくつかのMR心臓シーケンスを使用した。これらのシーケンスにより、極めて有望な実験結果が得られた。
図5は、本発明の1実施形態にしたがって心臓画像をセグメンティングする方法の流れ図である。図6(a)〜6(h)は、2つの輪郭、すなわち心内膜(内側の輪郭)および心外膜(外側の輪郭)の伝播を説明する例示的な図であり、ここでは左心室の心筋層における所望の内側および外側境界においてこれらの輪郭が収束するまでが示されている。
図5を参照すると、本発明の1実施形態によるセグメンテーション過程は、画像データの受信によって開始される(ステップ20)。この画像データは、MRI収集中に所定の時間に捕捉されるいくつかの2次元スライスからなる。例えば、図6(a)〜(h)の各々は、3d体積体において所定の時間および深さで捕捉された同じ2−d画像を示している。初期の任意の条件が初期輪郭に対して選択され、これらの初期輪郭が描画される(ステップ21)。例えば、図6aは初期(任意)の内側および外側輪郭を示しており、これらは、(セグメンテーション過程を介して)図6(h)に示した最終的な解に向かって伝播される。初期の内部輪郭は心内膜内にあると有利である。
セグメンテーションに使用する視覚情報を捕捉するため、例えば式(6)を使用して、画像に対して勾配ベクトル流を決定する(ステップ22)。つぎにGVFに基づいて境界項を決定する(ステップ23)。上に示したように、ピクセル毎にGVFの収束によって、(ピクセルから)心臓境界に向かう方向を指し示すベクトルが生成される(図3cを参照されたい)。(並列処理を仮定した場合)同時に画像に関連するヒスグラムデータを使用して確率密度を決定する(ステップ24)。上に示したように、各確率密度は、仮説および関心領域に関連付けられており、これにより、あらかじめ定めた判定基準に基づいて画像のピクセルをグルーピングすることができる。このピクセルのグルーピングを介して領域項を決定し(ステップ25)、この画像に構造体または領域の輪郭が描かれる。例えば、図4に関連して示したように、心筋層、心内膜および背景領域が分離され、ここから輪郭が決定される。
つぎに、統合された伝播モデルを使用して、境界および領域データ(視覚情報)を処理する。ここでこの結合された伝播モデルにより、結合関数(解剖学的制約)が適用され、目下の輪郭境界が反復的に決定される(ステップ27)。例えば、有利には式(19)の伝播モデルが適用されて、左心室の心筋層の内側および外側の壁(心内膜および心外膜)における目下の境界が決定される。言い換えると、初期の任意の輪郭から出発して、輪郭はつぎのように伝播される。すなわち、完了した伝播モデルにおいて適用される解剖学的制約を満たしながら、境界および領域情報を考慮するように伝播されるのである。反復的な過程が実行されると、輪郭の更新された位置を画像に描画することができる。これは図6a〜hに示したとおりである。この過程(ステップ26〜27)を、解が収束する(ステップ28における肯定的な結果が得られる)まで繰り返す。セグメンテーション過程(ステップ21〜28)を、処理すべき画像スライス毎に繰り返す。3−Dにおける実現に対しては、2−Dの手法(図5)をスライス毎に適用して、結果をまとめることによって3−Dセグメンテーションマップを復元することができる。
まとめると、本発明による幾何学的な流れのモデルおよびセグメンテーション過程の様々な新規の機能にはつぎのようなものが含まれる。すなわち、
(i) 初期条件に依存しない柔軟な新規の外部境界を使用すること;
(ii) 境界ドリブンおよび領域ベースの情報セグメンテーションモジュールを統合すること;
(iii) 物理的に損なわれたデータおよび不完全なデータを扱う伝播制限を定めるためにアプリケーションコンテキストを使用すること;
(iv) PDEに関連する数値的技法についての最新の開発結果を使用して、得られた運動方程式をロバストかつ高い収束速度で実現することが含まれるのである。
セグメンテーションアルゴリズムの拡張には、結合した曲面伝播を使用する3−Dセグメンテーションが含まれる。このような拡張は、レベルセットのフレームワークで容易になし得ると予想される。これらの表現を使用して3−Dの流れを実現することは、ビジョンおよび画像処理の文献においてすでに標準的な技法(技術の現状)である。
本発明の別の実施形態では、シェーププリオー(shape prior)は、レベルセットのエネルギーフレームワーク内の伝播モデルによって実現可能である(例えば、Paragios等による"Shape Priors for Level Set Representation", In European Conference on Computer Vision, Copenhagen, 2002年、第2巻、第78〜92頁を参照されたい。ここにこの刊行物を文献として援用する)。この目的にはいくつかの問題が関連する。第1にシェープ表現の選択、第2にトレーニング標本の登録、また第3にシェーププリオー項それ自体である。
これに加えて画像登録は、医用画像解析において重要な構成要素である。皮質、心室、腎臓などのような構造には極めて大きな興味が持たれる。事前のモデルについて、または以前の状態(過去の画像)についてこれらの構造を登録することは、強大な診断能力を有する興味深い応用である。この目的に向かって登録およびセグメンテーション問題とを結合したい。医学的な構造のセグメンティングと同時にその以前の状態に登録することは、考察すべき取り組み甲斐のある方向である。
上では実施例を添付の図面に基づいて説明して来たが、本発明は上記の実施形態そのものに制限されないことおよび当業者が本発明の範囲を離れることなく上記に対して種々の変更および修正を行い得ることを理解されたい。
左心室の一部(図1a)および左心室の関心対象の輪郭(図1b)を示す心臓画像の例示的な図である 本発明の1実施形態にしたがって心臓画像をセグメンティングするシステムのブロック図である 本発明による境界セグメンテーション法を説明する例示的な図である 確率密度に基づく領域セグメンテーション法を示す例示的な図である 本発明に1実施形態にしたがって心臓画像をセグメンティングする手法の流れ図である 本発明によるセグメンテーション過程中に2つの輪郭が伝播する様子を心内膜および心外膜境界において収束するまで示した例示的な図である。

Claims (24)

  1. 心臓画像をセグメンティングする方法において、
    心臓画像を受信するステップと
    勾配ベクトル流境界法を使用し該心臓画像にて少なくとも2つの輪郭に対して境界情報を決定するステップと
    前記心臓画像にて領域を分離するために、それらの大域的な輝度パラメタにしたがって領域情報を決定するステップと
    前記の境界情報および領域情報を組み合わせる伝播モデルを適用し、前記心臓画像にて前記の少なくとも2つの輪郭をそれぞれのターゲット境界に伝播し、その一方で解剖学的制約を適用し、前記の少なくとも2つの輪郭の間の相対的な間隔にしたがって、心臓画像における前記の少なくとも2つの輪郭のそれぞれのターゲット境界への伝播を結合するステップとを有し、ここで前記の相対的な間隔を時間的空間的に計算することを特徴とする、
    心臓画像をセグメンティングする方法。
  2. 前記輪郭に対して任意の初期条件を選択するステップを含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記ターゲット境界には左心室の心内膜および心外膜が含まれる、
    請求項1に記載の方法。
  4. 前記伝播モデルの境界成分は、前記勾配ベクトル流を使用する測地線アクティブ輪郭モデルの拡張に基づく、
    請求項1に記載の方法。
  5. トポロジの変化を扱うレベルセット表現を使用して前記伝播を実現する、
    請求項1に記載の方法。
  6. AOS(Additive Operator Splitting)法を使用してレベルセット伝播を実現する、
    請求項5に記載の方法。
  7. 境界セグメンテーションモデルと、領域モデルと、結合関数とに重み付けを行って統合することにより、前記伝播モデルを構成する、
    請求項1に記載の方法。
  8. 前記の伝播モデルを適用するステップには、前記ターゲット境界の物理的性質に基づく当該伝播モデルの境界成分に制約を適用することが含まれる、
    請求項1に記載の方法。
  9. 前記の境界成分の制約に、スムーズさについての制約を含める、
    請求項8に記載の方法。
  10. 前記の領域情報を決定するステップには、データドリブンな適応形のバルーンフォースを適用して、前記の漸進的に変化する輪郭を収縮または膨張させることが含まれ、ここで当該収縮または膨張を、観察された画像特徴に基づいて行う、
    請求項1に記載の方法。
  11. 前記の解剖学的制約には、前記の漸進的に変化する輪郭に対して所定のトポロジを維持するアクティブな結合関数が含まれる、
    請求項1に記載の方法。
  12. 前記のセグメンテーション過程中に心臓画像に輪郭の伝播を描画するステップを含む、
    請求項1に記載の方法。
  13. 心臓画像のセグメンティングに対する方法ステップを実施する機械によって実行可能な命令のプログラムが組み込まれた、機械によって読み出し可能なプログラム記憶装置において、
    前記方法ステップには、
    心臓画像を受信するステップと、
    勾配ベクトル流境界法を使用し該心臓画像にて少なくとも2つの輪郭に対して境界情報を決定するステップと、
    前記心臓画像にて領域を分離するために、それらの大域的な輝度パラメタにしたがって領域情報を決定するステップと、
    前記の境界情報および領域情報を組み合わせる伝播モデルを適用し、前記心臓画像にて前記の少なくとも2つの輪郭をそれぞれのターゲット境界に伝播し、その一方で解剖学的な制約を適用し、前記の少なくとも2つの輪郭の相対的な間隔にしたがって、前記の心臓画像における前記の少なくとも2つの輪郭のそれぞれのターゲット境界への輪郭の伝播を結合するステップとが含まれることを特徴とする、
    機械によって読み出し可能なプログラム記憶装置。
  14. 前記輪郭に対して任意の初期条件を選択するステップを実施するための命令が含まれている、
    請求項13に記載のプログラム記憶装置。
  15. 前記ターゲット境界には左心室の心内膜および心外膜が含まれる、
    請求項13に記載のプログラム記憶装置。
  16. 前記伝播モデルの境界成分は、前記勾配ベクトル流を使用する測地線アクティブ輪郭モデルの拡張に基づく、
    請求項13に記載のプログラム記憶装置。
  17. トポロジの変化を扱うレベルセット表現が使用されて前記伝播が実現される、
    請求項13に記載のプログラム記憶装置。
  18. AOS(Additive Operator Splitting)法が使用されてレベルセット伝播が実現される、
    請求項17に記載のプログラム記憶装置。
  19. 前記伝播モデルは、境界セグメンテーションモデルと、領域モデルと、結合関数とに重み付けを行って統合することによって構成される、
    請求項13に記載のプログラム記憶装置。
  20. 前記の伝播モデルを適用する命令には、前記ターゲット境界の物理的性質に基づく当該伝播モデルの境界成分に制約を適用する命令が含まれる、
    請求項13に記載のプログラム記憶装置。
  21. 前記の境界成分の制約には、スムーズさについての制約が含まれる、
    請求項20に記載のプログラム記憶装置。
  22. 前記の領域情報を決定する命令には、データドリブンな適応形のバルーンフォースを適用して、前記の漸進的に変化する輪郭を収縮または膨張させる命令が含まれ、ここで当該収縮または膨張は、観察された画像特性に基づいて行なわれる、
    請求項13に記載のプログラム記憶装置。
  23. 前記の解剖学的制約には、前記の漸進的に変化する輪郭に対して所定のトポロジを維持するアクティブな結合関数が含まれる、
    請求項13に記載のプログラム記憶装置。
  24. 前記のセグメンテーション過程中に心臓画像に輪郭の伝播を描画する命令が含まれる、
    請求項13に記載のプログラム記憶装置。
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