JP3902716B2 - Droplet ejection head, inkjet recording apparatus, image forming apparatus, and apparatus for ejecting droplets - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置、画像形成装置、液滴を吐出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置を含む。)に用いられるインクジェット記録装置における液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドとして、インク滴を吐出するノズルと、そのノズルに連通するインク流路(インク室、圧力室、吐出室、加圧室、加圧液室などとも称される。)と、そのインク流路の壁面を形成する第一電極を兼ねる振動板と、これに対向する対向電極(第二電極)とを備え、振動板を静電力で変形変位させてノズルからインク滴を吐出させる静電力型インクジェットヘッドが知られている。
【0003】
ここで、従来の静電力型インクジェットヘッドにおいては、各ノズルから吐出される一回当たりのインク吐出量を一定に安定させ、印字品質を安定化させるために、その振動板と対向電極との間の微小ギャップ(隙間)の寸法精度を高精度にして、振動板の変位量を精度よく一定に制御し保たなければならないが、現状の技術では極めて難しい技術である。
【0004】
また、静電気力を利用して振動板を変形変位させる静電力型では、圧電素子を利用して振動板を変形変位させる圧電型のものに比べて、同じ電圧で発生できる吐出圧力が非常に低く、しかも発生圧力は距離の逆数の二乗に比例するので、圧電型と同等の吐出圧力を得るには圧電型に比べて倍以上の非常に高い駆動電圧が必要となり、ヘッドコストも高くなる。
【0005】
そのため、静電力型インクジェットヘッドにおいて、低電圧駆動を行うためには、振動板と対向電極との間のギャップをより小さくすることが好ましいことではあるが、ギャップをより小さくすると、より強い静電引力が働くため、変形した振動板が対向電極に接触し、ギャップ部において気体の絶縁破壊や電界放出などによる放電の大電流が瞬間的に流れ、対向電極を溶融したり、対向電極と振動板とが短絡を生じたりしてヘッドを破壊するおそれがある。
【0006】
そこで、特開平7−214769号公報に記載されているように、振動板側の対向電極に対向する面側に酸化膜や窒化膜等の絶縁膜を設け、また、対向電極としてITOから成る酸化物導電体を使用し、振動板を絶縁膜を介して対向電極に当接させることにより、振動板の変位量を一定に安定化させ、ギャップ部での短絡によるヘッド破壊を回避するようにしている。
【0007】
ところが、このようなヘッドにおいて、振動板と対向電極との間に電圧を印加し、絶縁膜を介して振動板を対向電極側へ当接させた場合、振動板側の絶縁膜、及び対向電極側の誘電体に電荷が残留し、その残留電荷が作り出す電界により振動板と対向電極との相対変位量が低下する。この相対変位量の低下は、インク滴の吐出量やインク滴の吐出速度の低下等を招き、吐出不良の原因となり、例えば印字濃度や画素ずれ等の印字品質不良や画素抜け等の信頼性の低下を招くという問題を有している。
【0008】
そのため、更に同公報に記載されているように、上記残留電荷を除去しながらインク吐出を行うために、1滴のインク吐出動作毎に極性の異なる駆動電圧を交互に対向電極へ印加するように構成している。すなわち、極性の異なる駆動電圧を交互に対向電極へ印加することにより、各極性の電圧で振動板と対向電極との間に発生した残留電荷を打ち消し合うことが可能となり、その結果、振動板と対向電極との相対変位量を一定に保つことができ、安定したインク滴吐出動作を維持することが可能となるというものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の静電力型インクジェットヘッドにあっては、残留電荷を除去し安定したインク吐出を行うために、極性の異なる駆動電圧源を別に設けなければならないので、装置が大型化する。また、駆動回路に使用される他の素子の耐電圧としても、両極性分の電圧に耐えうる必要性があるため、インクを吐出させる駆動電圧値よりも倍の耐電圧を有した素子を使用しなければならず、駆動回路側のコストが高くなってしまうといった問題を抱えている。
【0010】
さらに、対向電極へ極性の異なる駆動電圧を交互に印加することにより残留電荷を打ち消しあっているだけに過ぎず、本質的に残留電荷が未発生の状態となっているわけではない。
【0011】
したがって、例えば、対向電極へ印加される駆動電圧信号は画像信号に応じて印加されるわけであるが、画像信号に依っては、片方の極性の駆動電圧ばかりで印字されるような画像パターンもあり、その場合には、各極性の電圧での残留電荷の蓄積量が異なり、各電圧極性での振動板と対向電極との相対変位量が徐々に低下して異なってくるため、やはり、前述したように安定したインク吐出動作を行うことが困難となり、印字品質不良が発生するという課題がある。
【0012】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、安定した滴吐出動作を行うことができる液滴吐出ヘッド及び画像品質が安定し装置構成が簡単なインクジェット記録装置、画像形成装置、液滴を吐出する装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、振動板が変形したときに振動板が接する接触対向部を有し、その接触対向部は振動板と同電位である構成としたものである。なお、「振動板」とは振動する部分の意味であり、振動板が第一電極を兼ねる場合のほか、振動板とは別体で振動板に第一電極を形成したものも含む。
【0014】
ここで、接触対向部の表面とその接触対向部に接する振動板の表面とは電気的伝導性を有していることが好ましい。また、振動板と接触対向部との間の距離が振動板と対向電極との間の距離より短いことが好ましい。この場合、接触対向部の高さを対向電極の高さよりも高くすることができる。さらに、接触対向部は振動板短手方向の略中央部に設けることが好ましい。
【0015】
また、対向電極の表面側に絶縁層を設け、この絶縁層上に振動板が接触する接触対向部を設けることができる。この場合、接触対向部は対向電極の振動板短手方向の略中央部に設けることが好ましい。
【0016】
本発明に係るインクジェット記録装置は、液滴を吐出するインクジェットヘッドとして本発明に係る液滴吐出ヘッドを用いたものである。
本発明に係る画像形成装置、液滴を吐出する装置は、本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図、図3は同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面図である。
【0018】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板、SOI基板などのシリコン基板等を用いた第一基板である振動板/液室基板1と、この振動板/液室基板1の下側に設けたシリコン基板、パイレックスガラス基板、セラミックス基板等を用いた第二基板である電極基板2と、振動板/液室基板1の上側に設けた第三基板であるノズル板3とを備え、インク滴を吐出する複数のノズル4、各ノズル4が連通するインク流路である吐出室6、各吐出室6にインク供給路を兼ねた流体抵抗部7を介して連通する共通液室8などを形成している。
【0019】
振動板/液室基板1にはノズル4が連通する複数の吐出室6及びこの吐出室6の壁面である底部をなす振動板10(電極を兼ねている)を形成する凹部を形成し、ノズル板3にはノズル4となる孔及び流体抵抗部7を形成する溝を形成し、また振動板/液室基板1と電極基板2には共通液室8を形成する貫通部を形成している。
【0020】
ここで、振動板/液室基板1は、例えば単結晶シリコン基板を用いた場合、予め振動板厚さにボロンを注入してエッチングストップ層となる高濃度ボロン層を形成し、電極基板2と接合した後、吐出室6となる凹部をKOH水溶液などのエッチング液を用いて異方性エッチングすることにより、このとき高濃度ボロン層がエッチングストップ層となって振動板10が高精度に形成される。また、多結晶シリコン基板で振動板10を形成する場合は、液室基板上に振動板となる多結晶シリコン薄膜を形成する方法、または、予め電極基板2を犠牲材料で平坦化し、その上に多結晶シリコン薄膜を成膜した後、犠牲材料を除去することで形成できる。
【0021】
なお、振動板10に別途第一電極となる電極膜を形成してもよいが、上述したように不純物の拡散などによって振動板が電極を兼ねるようにしている。また、振動板10の電極基板2側の面に絶縁膜を形成することもできる。この絶縁膜としてはSiO2等の酸化膜系絶縁膜、Si3N4等の窒化膜系絶縁膜などを用いることができる。絶縁膜の成膜は、振動板表面を熱酸化して酸化膜を形成したり、成膜手法を用いたりすることができる。
【0022】
また、電極基板2にはパイレックスガラス(硼珪酸系ガラス)基板を用いて、このパイレックスガラス基板に凹部14を形成して、この凹部14底面に振動板10に対向する対向電極15a、15bを設け、振動板10と対向電極15a、15bとの間にギャップ16を形成し、これらの振動板10と対向電極15a、15bとによってアクチュエータ部(エネルギー発生手段)を構成している。このとき、凹部14の深さはギャップ16の長さを規定することになる。なお、電極基板2にはセラミック基板、シリコン基板なども用いることもでき、導電性を有するシリコン基板を用いた場合には酸化層を形成して、この酸化層に凹部14を形成する。
【0023】
対向電極15a、15b表面にはSiO2膜などの酸化膜系絶縁膜、Si3N4膜などの窒化膜系絶縁膜からなる誘電絶縁膜17を成膜している。なお、上述したように対向電極15a、15b表面に絶縁膜17を形成しないで、振動板10側に絶縁膜を形成することもできる。
【0024】
また、電極基板2の対向電極15a、15bとしては、金、或いは、通常半導体素子の形成プロセスで一般的に用いられるAl、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、TiN、W等の高融点金属、または不純物により低抵抗化した多結晶シリコン材料などを用いることができる。
【0025】
さらに、電極基板2の凹部14内には、図3に示すように、振動板短手方向の略中央部で対向電極15aと電極15bとの間に、振動板10が変形したときに接触する接触対向部18を設けている。この接触対向部18は対向電極15a、15bと同工程で凹部14の底面に形成したものである。この接触対向部18の表面にも誘電絶縁膜17を形成している。
【0026】
さらに、接触対向部18と振動板/液室基板1の振動板10とが当接したときに同電位となるように配線19で相互に接続し、更に振動板10側が電気的にGND(接地)電位となるように配線19は接地している。ただし、接触対向部18と振動板/液室基板1の振動板10とが当接したときに同電位となるのであれば、接地する必要はなく、ある電位に接続されていても良い。
【0027】
これらの振動板/液室基板1と電極基板2との接合は陽極接合で行っている。陽極接合は、基板間に電圧(−300V〜−500V程度)を印加することで比較的低温(300℃〜400℃)で精密な接合を行うことができる。
【0028】
このような陽極接合を確実に行うには、基板の接合界面で基板同士の共有結合が生じるように振動板/液室基板(第1基板1)、或いは電極基板(第2基板)2のどちらかがアルカリイオンを多く含む基板であることが必要があり、また、接合する際、熱応力による基板同士の歪みが少なくなるように基板同士の熱膨張係数が比較的一致している材料を選択することが好ましい。
【0029】
ここでは、上記のように第1基板1に単結晶のシリコン基板を使用し、第2基板2にNa等のアルカリイオンを多く含み、シリコン基板と比較的熱膨張係数が一致するパイレックスガラス(硼珪酸系ガラス)基板を使用するため、基板同士の熱歪みの少ない確実な接合が得られる。
【0030】
なお、電極基板2がシリコンで形成される場合、酸化膜を介した直接接合法を用いることができる。この直接接合は1000℃程度の高温化で実施する。また、電極基板2をシリコンで形成して、陽極接合を行う場合には、電極基板2と振動板/液室基板1との間にパイレックスガラスを成膜し、この膜を介して陽極接合を行うこともできる。さらに、振動板/液室基板1と電極基板2にシリコン基板を使用して金等のバインダーを接合面に介在させた共晶接合で接合することもできる。
【0031】
ノズル板3には、多数のノズル4を形成するとともに、共通液室8と吐出室6を連通するための流体抵抗部7を形成する溝部を形成している。ここでは、インク吐出面(ノズル表面側)には撥水性皮膜を成膜している。このノズル板3にはステンレス基板を用いているが、この他、エレクトロフォーミング(電鋳)工法によるニッケルメッキ膜、ポリイミド等の樹脂にエキシマレーザー加工をしたもの、金属プレートにプレス加工で穴加工をしたもの等でも用いることができる。
【0032】
また、撥水性皮膜は、フッ素系樹脂微粒子であるポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散させた電解又は無電解ニッケル共析メッキ(PTFE−Ni共析メッキ)によるメッキ皮膜で形成することができる。
【0033】
このインクジェットヘッドではノズル4を二列配置し、この各ノズル4に対応して吐出室6、振動板10、対向電極15なども二列配置し、各ノズル列の中央部に共通液室8を配置して、左右の吐出室6にインクを供給する構成を採用している。これにより、簡単なヘッド構成で多数のノズルを有するマルチノズルヘッドを構成することができる。
【0034】
そして、対向電極15aは外部に延設して接続部(電極パッド部)15Aとし、これにヘッド駆動回路であるドライバIC20をFPCケーブル21上へのフリップチップボンドによって実装し,そのFPCケーブル21とインクジェットヘッドとを異方性導電膜などを介して接続している。このとき、電極基板2とノズル板3との間(ギャップ16入口)はエポキシ樹脂等の接着剤を用いたギャップ封止剤22にて気密封止し、ギャップ16内に湿気が侵入して振動板10が変位しなくなるのを防止している。
【0035】
さらに、インクジェットヘッド全体をフレーム部材25上に接着剤で接合している。このフレーム部材25にはインクジェットヘッドの共通液室8に外部からインクを供給するためのインク供給穴26を形成しており、またFPCケーブル21等はフレーム部材25に形成した穴部27に収納される。
【0036】
このフレーム部材25とノズル板3との間はエポキシ樹脂等の接着剤を用いたギャップ封止剤28にて封止し、撥水性を有するノズル板3表面のインクが電極基板2やFPCケーブル21等に回り込むことを防止している。
【0037】
そして、このヘッドのフレーム部材25にはインクカートリッジとのジョイント部材30が連結されて、フレーム部材25に熱融着したフィルタ31を介してインクカートリッジからインク供給穴26を通じて共通液室8にインクが供給される。
【0038】
次に、このように構成したインクジェットヘッドの動作について図4をも参照して説明する。
このインクジェットヘッドの対向電極15a、15bにドライバIC20によって正のパルス電圧(駆動波形)を印加すると、対向電極15a、15bの表面がプラス電位に帯電し、対応する振動板10の下面はマイナス電位に帯電する。したがって、振動板10は静電気の吸引作用により下方(対向電極15a、15b側)へ撓む。
【0039】
ここで、振動板10に発生する静電吸引力の大きさPは、(1)式のように表される。ただし、εは振動板10と対向電極15a、15bとの間に存在する空気の誘電率、Sは振動板10と対向電極15a、15bとの間に働く静電気力の有効面積、Vは対向電極15a、15bに印加する駆動電圧、dは振動板10と対向電極15a、15bとの間の実効的なギャップ距離を表わす。
【0040】
【数1】
【0041】
ここで、実効的なギャップ距離dとは、(2)式のような関係を意味し、振動板10と対向電極15a、15bとの間に空気以外の誘電率を有する物質が介在する場合には、dは(2)式のように表わされる。但し、(2)式において、daは振動板10と対向電極15a、15bとの間に存在する空隙の距離、dεは振動板10と対向電極15a、15bとの間に存在する誘電絶縁層17の厚み、εrは誘電絶縁層17の比誘電率を表わす。
【0042】
【数2】
【0043】
すなわち、振動板10と対向電極15a、15bとの間に、ある誘電率を有する物質を介在させると、(2)式のように、その介在させた誘電物質の厚みdεとその誘電物質が有する比誘電率εrを変化させることによって、振動板10と対向電極15a、15bとの間に発生する電界強度E(すなわちE=V/d)と、それによって生じる静電吸引力Pの大きさが変化するということである。したがって、(1)式に示されるように静電吸引力Pは、振動板10と対向電極15a、15bとの間の実効的なギャップ距離dが小さいほど振動板10に大きな静電引力が働くこととなる。
【0044】
そこで、このインクジェットヘッドを駆動するときには、図4に示すように、振動板10が対向する対向電極15a、15b方向へ撓み、最終的には振動板10が凹(段)部14内に配置され、振動板10と同電位である接触対向部18に接触するまで変形変位する駆動波形を印加する。
【0045】
従来のインクジェットヘッドにあっては、この振動板が駆動電圧Vの印加されている対向電極へ接触した瞬間に、振動板と対向電極との間に発生している電位差が主たる原因で残留電荷が発生していることが、実験上、判明した。そこで、本発明では、振動板10が凹(段)部14内で主に接触する部分に予め接触対向部18を配置し、その接触対向部18を予め電気的に振動板10側の電位と同電位となるように構成しておくことにより、本質的に残留電荷の発生を未然に防止することができる。
【0046】
次に、対向電極15a、15bへのパルス電圧の印加をOFFすると、上記のようにして撓んだ振動板10が復元し、吐出室6内の圧力が急激に上昇するため、ノズル4よりインク液滴が形成され、記録紙に向けてインク吐出が行われる。そして、さらに、再び、対向電極15a、15bへパルス電圧をONすると、振動板10が再び対向する対向電極15a、15b、及び接触対向部18の方向へ撓むので、インクが共通液室8より流体抵抗部7を通じて吐出室6内に補給されるようになる。
【0047】
このように、振動板10が変形して対向する対向電極15a、15b側へ接触する際、予め第2基板2の凹(段)部14内に振動板10の接触対向部18を配置し、また、その接触対向部18を予め振動板10側の電位と電気的に同電位としておくことにより、残留電荷の発生を未然に防止することができ、また、残留電荷の発生が無いため片方の極性の駆動電圧のみでもインク滴吐出不良の無い安定したインク滴吐出動作を行うことができるようになる。
【0048】
なお、この場合、駆動電圧が印加される対向電極15a、15bと振動板10の接触対向部18との間でも電位差が発生するので、対向電極15a、15bと振動板10の接触対向部18との間で電界放出等による放電や短絡等が生じないよう十分な電気的な絶縁処理を施している。
【0049】
これを確認するため、上記構成のインクジェットヘッドを使用し、第1基板1の上側にステンレス製の第3基板3をエポキシ系接着剤にて接合し、ドライバIC20等を接続して対向電極15a、15bにパルス状のプラス(正)電圧のみの片極性の電圧を印加して、作製したインクジェットヘッドの印字試験を行った。同様に、比較例として、接触対向部18を持たないインクジェットヘッドも製作して同様の印字試験を行った。
【0050】
この試験結果によると、従来の接触対向部18を持たないインクジェットヘッドにあっては、振動板10と対向電極との間で僅か数分の間に徐々に残留電荷が蓄積し、インク滴の吐出不良等が発生して極めてインク滴吐出状態が不安定であったのに対し、上記第1実施形態のインクジェットヘッドでは、片極性のプラス(正)電圧のみで数時間以上もの間、繰り返し安定してインク吐出することが可能となり、印字品質が安定することが確認された。
【0051】
また、片極性のプラス(正)電圧のみでインク滴吐出駆動することが可能となったことから、従来に比較して駆動回路の装置構成がより簡易で小型となり、また、回路コストも30%以上も安価にすることができた。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘッドについて図5を参照して説明する。なお、同図は図4と同様な振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図である。
【0053】
このインクジェットヘッドでは、前述したような振動板10の接触対向部として、第2基板2の凹(段)部14内に二ヵ所に接触対向部18a、18bを配置し、また、駆動電圧を印加するための対向電極として、凹部14内に三ヶ所に接触対向部18a、18bを振動板短手方向で挟んで対向電極15a、15b、15cを配置している。
【0054】
そして、電極を保護するためのSiO2等の誘電絶縁層17の厚みを接触対向部18a、18b上と対向電極15a、15b、15c上とで異ならせて、接触対向部18a、18b上の方が厚くなるように形成している。また、接触対向部18a、18bを予め振動板10側の電位と電気的に同電位としていることは前記実施形態と同様である。
【0055】
この構成のインクジェットヘッドにおいても、上記のとおり接触対向部18a、18bを予め振動板10側の電位と電気的に同電位としているので、振動板10が接触対向部18a、18bに接触することで、本質的に残留電荷の発生を未然に防止することができる。
【0056】
これに加えて、本実施形態の場合、第1実施形態のヘッドに比べて振動板10からの接触対向部18a、18bまでの距離の方が電圧印加される対向電極15a、15b、15cまでの距離よりも、より短くなっているため、振動板10が電圧印加される対向電極15a、15b、15cにより確実に接触し難くなっており、結果としてより確実に残留電荷の発生を防止でき、より信頼性の高い安定したインク滴吐出動作を行うことができる。
【0057】
これを確認するため、このインクジェットヘッドを使用し、第1基板1の上側にステンレス製の第3基板3をエポキシ系接着剤にて接合し、ドライバIC20等を接続して対向電極15a、15b、15cにパルス状のプラス(正)電圧のみの片極性の電圧を印加して、作製したインクジェットヘッドの印字試験を行った。
【0058】
この試験結果によれば、第1実施形態のヘッドにおいては、時折、残留電荷の発生のためにインク滴吐出不良が生じるヘッドがあったのに対し、この第2実施形態のインクジェットヘッドでは、残留電荷によるインク滴吐出不良となるヘッドの発生はなく、歩留まりが向上し、より安定したインク吐出駆動をすることが可能となることを確認できた。
【0059】
次に、本発明の第3実施形態に係るインクジェットヘッドについて図6を参照して説明する。なお、同図も図4と同様な振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図である。
【0060】
このインクジェットヘッドでも、前述したような振動板10の接触対向部として、第2基板2の凹(段)部14内に二ヵ所に接触対向部18a、18bを配置し、また、駆動電圧を印加するための対向電極として、凹部14内に三ヶ所に接触対向部18a、18bを振動板短手方向で挟んで対向電極15a、15b、15cを配置している。
【0061】
そして、第2実施形態と同じく振動板10からの接触対向部18a、18bまでの距離の方を振動板10から電圧印加される対向電極15a、15b、15cまでの距離よりもより短くするために、凹(段)部14内に凸部14a、14bを二ヵ所に形成し、この凸部14a、14b上に上記振動板10が接する接触対向部18a、18bを設けている。ここで、接触対向部18a、18bの表面側の材質としては、電極となるような電気的伝導性を有する材質(金属等)のもので形成している。
【0062】
このインクジェットヘッドでは、前記第1、第2実施形態のヘッドに比べてその接触対向部18a、18bの表面側に前記のような誘電絶縁層17が無く、金属等の電気的伝導性を有する材質のもので形成されている。
【0063】
したがって、例えば、ヘッドの製造途中で何らかの原因により初めから誘電絶縁層17上に電荷が初期帯電するような場合でも、このヘッドであれば、接触対向部18a、18bが予め比較的抵抗の低い電気伝導性を有する材質のもので形成されているので、接触対向部18a、18b上に初めから電荷が帯電しているようなことは発生しない。また、残留電荷に対してもより確実に効果的に発生の防止をすることができる。
【0064】
次に、本発明の第4実施形態に係るインクジェットヘッドについて図7を参照して説明する。なお、同図も図4と同様な振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図である。
【0065】
このインクジェットヘッドでも、前述したような振動板10の接触対向部として、第2基板2の凹(段)部14内に二ヵ所に接触対向部18a、18bを配置し、また、駆動電圧を印加するための対向電極として、凹部14内に三ヶ所に接触対向部18a、18bを振動板短手方向で挟んで対向電極15a、15b、15cを配置している。
【0066】
そして、第3実施形態と同じく振動板10からの接触対向部18a、18bまでの距離の方を振動板10から電圧印加される対向電極15a、15b、15cまでの距離よりもより短くするために、接触対向部18a、18bそれ自体の全体を金属等の前記電気的伝導性を有する材質のもので構成し、その厚み自体を電圧印加される対向電極15a、15b、15cの厚みよりも厚くするように形成している。
【0067】
したがって、このインクジェットヘッドでは、第3実施形態のヘッドに比べて構成が簡易となり、容易に作製可能な構成で第3実施形態と同様な効果が得られる。
【0068】
このインクジェットヘッドを使用し、第1基板1の上側にステンレス製の第3基板3をエポキシ系接着剤にて接合し、ドライバIC20等を接続して対向電極15a、15b、15cにパルス状のプラス(正)電圧のみの片極性の電圧を印加して、作製したインクジェットヘッドの印字試験を行った。
【0069】
この試験結果によれば、第2実施形態のヘッドにおいては、製造途中での初期帯電によるインク滴吐出不良となるヘッドが発生していたのに対し、この第4実施形態のインクジェットヘッドでは、製造途中での初期帯電によるインク滴吐出不良となるヘッドの発生はなく、歩留まりが向上し、より安定したインクジェットヘッドの製作が可能になることを確認できた。また、ヘッド構成がより簡易となり、容易に作製可能となったので、ヘッドの生産効率が向上するようになった。
【0070】
次に、本発明の第5実施形態に係るインクジェットヘッドについて図8を参照して説明する。なお、同図も図4と同様な振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図である。
【0071】
このインクジェットヘッドでは、前記第1実施形態と同様に、振動板10の接触対向部18を第2基板2の凹(段)部14内で振動板短手方向略中央部に設け、また、駆動電圧を印加するための対向電極として、凹部14内に二ヶ所に接触対向部18を振動板短手方向で挟んで対向電極15a、15bを配置している。
【0072】
さらに、第2実施形態と同様に、振動板10と接触対向部18までの距離の方を振動板10と電圧印加される対向電極15a、15bまでの距離よりも短くするため、接触対向部18を保護するための誘電絶縁層17の厚みを接触対向部18上の方が対向電極15a、15b上の絶縁層17より厚くなるように形成している。
【0073】
このように構成した場合、第2、第3実施形態のヘッドに比べてより簡易な構成で確実に安定して残留電荷の発生を未然に防止する効果が十分得られる。
【0074】
次に、本発明の第6実施形態に係るインクジェットヘッドについて図9を参照して説明する。なお、同図も図4と同様な振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図である。
【0075】
このインクジェットヘッドでも、前記第1実施形態と同様に、振動板10の接触対向部18を第2基板2の凹(段)部14内で振動板短手方向略中央部に設け、また、駆動電圧を印加するための対向電極として、凹部14内に二ヶ所に接触対向部18を振動板短手方向で挟んで対向電極15a、15bを配置している。そして、振動板10の接触対向部18表面側に誘電絶縁層17を形成している。
【0076】
このように構成した場合、第2、第3実施形態のヘッドに比べてより簡易な構成で確実に安定して残留電荷の発生を未然に防止する効果が十分得られる。
【0077】
次に、本発明の第7実施形態に係るインクジェットヘッドについて図10を参照して説明する。なお、同図も図4と同様な振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図である。
【0078】
このインクジェットヘッドでも、前記第1実施形態と同様に、振動板10の接触対向部18を第2基板2の凹(段)部14内で振動板短手方向略中央部に設け、また、駆動電圧を印加するための対向電極として、凹部14内に二ヶ所に接触対向部18を振動板短手方向で挟んで対向電極15a、15bを配置している。
【0079】
さらに、第3実施形態と同様に、振動板10と接触対向部18までの距離の方を振動板10と電圧印加される対向電極15a、15bまでの距離よりも短くするため、振動板10と接触対向部18との間の距離の方を振動板10と電圧印加される対向電極15a、15bとの間の距離よりもより短くするため、凹(段)部14内に凸部14aを一ヵ所設け、その凸部14a上に金属等の電気的伝導性を有する材質の接触対向部18を形成している。
【0080】
このように構成した場合、第2、第3実施形態のヘッドに比べてより簡易な構成で確実に安定して残留電荷の発生を未然に防止する効果が十分得られる。
【0081】
これらの各実施形態において、複数のノズルのヘッドの対向電極15a、15bと振動板10の接触対向部18とを第2基板2上に配置する場合には、図11に示すように各ヘッドの対向電極15a、15bと振動板10の接触対向部18を第2基板2上に図のようにパターン形成し、各接触対向部18を同図に示すようにパターン形成された配線40で結線することにより、複数のノズルにおいても残留電荷の発生を防止しながら、安定したインク吐出駆動を行うことが可能となる。
【0082】
次に、本発明の第8実施形態に係るインクジェットヘッドについて図12を参照して説明する。なお、同図も図4と同様な振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図である。
【0083】
このインクジェットヘッドでは、振動板10が接触する接触対向部18を第2基板2の凹(段)部14内において図示のように駆動電圧を印加するための対向電極15の表面上に誘電絶縁層17を介して設置している。また、前記と同様に接触対向部18は振動板10の振動板短辺方向に対してほぼ中央部に一ヵ所設けている。この場合、振動板10の接触対向部18は対向電極15表面上に誘電絶縁層17を介して形成するので、必然的に振動板10と接触対向部18との間の距離の方が振動板10と電圧印加される対向電極15との間の距離よりも短くなる。
【0084】
このように構成した場合、前記第2、第3実施形態のヘッドに比べてより簡易な構成で容易に作製可能となり、また、より確実に安定して残留電荷の発生を未然に防止する効果が得られる。
【0085】
このインクジェットヘッドを使用し、第1基板1の上側にステンレス製の第3基板3をエポキシ系接着剤にて接合し、ドライバIC20等を接続して対向電極15にパルス状のプラス(正)電圧のみの片極性の電圧を印加して、作製したインクジェットヘッドの印字試験を行った。
【0086】
この試験結果によれば、第2、第3実施形態のヘッドにおいては、製造途中においてヘッド不良によりNGとなるヘッドが発生していたのに対し、この実施形態のヘッドでは、ヘッド不良によるNGが減少し、ヘッドの歩留まりがより向上し、より安定したインクジェットヘッドを得ることができた。また、ヘッド構成がより簡易となり、より容易に作製可能となったため、ヘッドの生産効率が向上するようになった。
【0087】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドから液滴を吐出する装置を含む、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の機構部の概要について図13を参照して簡単に説明する。このインクジェット記録装置は、両側の側板51,52間に主支持ガイドロッド53及び従支持ガイドロッド54を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド53及び従支持ガイドロッド54でキャリッジ55を主走査方向に摺動自在に支持している。
【0088】
キャリッジ8には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個の本発明に係るインクジェットヘッドからなるヘッド56y,56m,56c,56kを、その吐出面(ノズル面)を下方に向けて搭載し、またキャリッジ55にはヘッド56(符号「56」は、「56y,56m,56c,56k」のいずれか又は総称である。)の上側に4個のヘッド56に各々インクを供給するための各色のインク供給体である4個のインクカートリッジ57(符号「57」は、「57y,57m,57c,57k」のいずれか又は総称)を交換可能に搭載している。
【0089】
そして、キャリッジ55は主走査モータ58で回転される駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)59と従動プーリ(アイドラプーリ)60との間に張装したタイミングベルト61に連結して、主走査モータ58を駆動制御することによってキャリッジ55、即ち4個のヘッド56を主走査方向に移動するようにしている。
【0090】
また、側板51,52をつなぐ底板62上にサブフレーム63,64を立設し、このサブフレーム63,64間に用紙66を主走査方向と直交する副走査方向に送るための搬送ローラ65を回転自在に保持している。そして、サブフレーム64側方に副走査モータ67を配設し、この副走査モータ67の回転を搬送ローラ65に伝達するために、副走査モータ67の回転軸に固定したギヤ68と搬送ローラ65の軸に固定したギヤ69とを備えている。
【0091】
さらに、側板51とサブフレーム62との間には、ヘッド56の信頼性維持回復機構(以下、「サブシステム」という。)71を配置している。サブシステム71は、各ヘッド56の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段72をホルダ73で保持し、このホルダ73をリンク部材74で揺動可能に保持して、キャリッジ55の主走査方向の移動でホルダ73に設けた係合部75にキャリッジ55が接触することで、キャリッジ55の移動に従ってホルダ73がリフトアップしてキャップ手段72でヘッド56の吐出面をキャッピングし、キャリッジ55が印写領域側へ移動することで、キャリッジ55の移動に従ってホルダ73がリフトダウンしてキャップ手段72がヘッド56の吐出面から離れるようにしている。
【0092】
なお、キャップ手段72は、それぞれ吸引チューブ76を介して吸引ポンプ77に接続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポンプ77は吸引した廃液(廃インク)をドレインチューブ等を介して廃液貯留槽に排出する。
【0093】
さらに、ホルダ73の側方には、ヘッド56の吐出面56aをワイピングする繊維部材、発泡部材或いはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード80をブレードアーム81に取付け、このブレードアーム81は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
【0094】
このように構成したこの記録装置では、ヘッド56(キャリッジ55)を主走査方向に移動走査させながら、用紙66を副走査方向に搬送して、各ヘッドのノズルから所要の色のインク滴を吐出させることによって、用紙66上に所要のカラー画像(モノクロ画像を含む。)を記録する。
【0095】
このとき、前述したように本発明に係るインクジェットヘッドは、残留電荷の発生がなく、安定したインク滴吐出動作を行うことができるとともに、片極性の駆動波形でインク滴吐出動作を行うことができるので、駆動回路の構成が簡単になり、装置構成が簡易で、小型化を図れる。
【0096】
なお、上記実施例においては、本発明を振動板変位方向とインク滴吐出方向が同じになるサイドシュータ方式のインクジェットヘッドに適用したが、振動板変位方向とインク滴吐出方向と直交するエッジシュータ方式のインクジェットヘッドにも同様に適用することができる。さらに、インクジェットヘッドだけでなく液体レジスト等を吐出させる液滴吐出ヘッドなどにも適用できる。また、前述したようにプリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置及び液滴を吐出する装置にも本発明を適用することができる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、振動板が変形したときに振動板が接する接触対向部を有し、この接触対向部は振動板と同電位であるので、残留電荷が発生せず、安定した滴吐出動作を行うことができる。
【0098】
ここで、接触対向部の表面とその接触対向部に接する振動板の表面とは電気的伝導性を有していることで、片極性の駆動波形でもより確実に残留電荷の発生を防止することができ、ヘッドの歩留まりが向上し、より安定したヘッドの製作が可能になる。
【0099】
また、振動板と接触対向部との間の距離を振動板と対向電極との間の距離より短くすることで、片極性の駆動波形でもより確実に残留電荷の発生を防止することができ、より信頼性を向上できる。この場合、接触対向部の高さを対向電極の高さよりも高くすることで、より容易に残留電荷の発生を防止したヘッドを得ることができる。さらに、接触対向部は振動板短手方向の略中央部に設けることで、より容易に残留電荷の発生を防止したヘッドを得ることができる。
【0100】
また、対向電極の表面側に絶縁層を設け、この絶縁層上に振動板が接する接触対向部を設けることで、より簡易な構成で確実に残留電荷の発生を防止でき、安定したヘッドを効率的に製作することが可能になる。この場合、接触対向部は対向電極の振動板短手方向の略中央部に設けることで、より簡易な構成で確実に残留電荷の発生を防止できる。
【0101】
本発明に係るインクジェット記録装置によれば、インク滴を吐出するインクジェットヘッドに本発明に係る液滴吐出ヘッドを用いたので、安定した画像品質を得ることができ、装置の構成も簡単になる。また、本発明に係る画像形成装置、液滴を吐出する装置によれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドを用いたので、安定した画像品質を得ることができ、装置の構成も簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインク滴吐出ヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図3】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面図
【図4】同ヘッドの振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図
【図5】本発明の第2実施形態に係るインク滴吐出ヘッドの振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図
【図6】本発明の第3実施形態に係るインク滴吐出ヘッドの振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図
【図7】本発明の第3実施形態に係るインク滴吐出ヘッドの振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図
【図8】本発明の第4実施形態に係るインク滴吐出ヘッドの振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図
【図9】本発明の第5実施形態に係るインク滴吐出ヘッドの振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図
【図10】本発明の第5実施形態に係るインク滴吐出ヘッドの振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図
【図11】上記各実施形態における複数のノズル間の配線構造を説明する平面説明図
【図12】本発明の第6実施形態に係るインク滴吐出ヘッドの振動板変形時の振動板短手方向の要部拡大説明図
【図13】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の概略説明図
【符号の説明】
1…振動板/液室基板、2…電極基板、3…ノズル板、4…ノズル、6…吐出室、7…流体抵抗部、8…共通液室、10…振動板、14…凹部、14a、14b…凸部、15、15a、15b、15c…対向電極、17…絶縁膜、18、18a、18b…接触対向部、19…配線、20…ドライバIC、55…キャリッジ、56…ヘッド。[0001]
[Industrial application fields]
The present inventionDropletDischarge head and inkjet recording apparatus, Image forming apparatus, and apparatus for ejecting liquid dropletsAbout.
[0002]
[Prior art]
In general, as an inkjet head that is a droplet ejection head in an inkjet recording apparatus used in an image recording apparatus (including an image forming apparatus) such as a printer, a facsimile machine, a copying apparatus, and a plotter, a nozzle that ejects ink droplets and the nozzle An ink channel (also referred to as an ink chamber, a pressure chamber, a discharge chamber, a pressurizing chamber, a pressurized liquid chamber, etc.) communicating with the diaphragm, and a diaphragm that also serves as a first electrode that forms the wall surface of the ink channel There is known an electrostatic force type ink jet head that includes a counter electrode (second electrode) opposite to this, and deforms and displaces the diaphragm with electrostatic force to eject ink droplets from the nozzle.
[0003]
Here, in the conventional electrostatic force type ink jet head, in order to stabilize the ink discharge amount per one time discharged from each nozzle and to stabilize the print quality, the vibration plate and the counter electrode are disposed between the diaphragm and the counter electrode. Although the dimensional accuracy of the minute gap (gap) must be made high and the displacement of the diaphragm must be controlled accurately and constant, it is extremely difficult with the current technology.
[0004]
In addition, the electrostatic force type that deforms and displaces the diaphragm using electrostatic force has a much lower discharge pressure that can be generated at the same voltage than the piezoelectric type that deforms and displaces the diaphragm using a piezoelectric element. Moreover, since the generated pressure is proportional to the square of the reciprocal of the distance, in order to obtain a discharge pressure equivalent to that of the piezoelectric type, a very high driving voltage that is twice or more that of the piezoelectric type is required, and the head cost increases.
[0005]
Therefore, in the electrostatic force type ink jet head, it is preferable to make the gap between the diaphragm and the counter electrode smaller in order to perform low voltage driving. However, if the gap is made smaller, stronger electrostatic Because the attractive force works, the deformed diaphragm comes into contact with the counter electrode, and a large discharge current due to gas breakdown or field emission flows instantaneously in the gap, causing the counter electrode to melt or the counter electrode and diaphragm May cause a short circuit and destroy the head.
[0006]
Therefore, as described in Japanese Patent Laid-Open No. 7-214769, an insulating film such as an oxide film or a nitride film is provided on the surface side facing the counter electrode on the diaphragm side, and an oxidation film made of ITO is used as the counter electrode. By using a conductive material and bringing the diaphragm into contact with the counter electrode through an insulating film, the displacement of the diaphragm is stabilized to a constant level, and head destruction due to a short circuit at the gap is avoided. Yes.
[0007]
However, in such a head, when a voltage is applied between the diaphragm and the counter electrode and the diaphragm is brought into contact with the counter electrode via the insulating film, the insulating film on the diaphragm side and the counter electrode Electric charges remain in the dielectric on the side, and the relative displacement between the diaphragm and the counter electrode decreases due to the electric field created by the residual charges. This decrease in the relative displacement amount causes a drop in the ink droplet ejection amount and the ink droplet ejection speed, and causes ejection failure. For example, the print quality is poor such as print density and pixel shift, and reliability such as pixel omission is lost. It has the problem of causing a drop.
[0008]
Therefore, as described in the same publication, in order to perform ink ejection while removing the residual charge, drive voltages having different polarities are alternately applied to the counter electrode for each ink ejection operation. It is composed. That is, by alternately applying driving voltages having different polarities to the counter electrode, it is possible to cancel out residual charges generated between the diaphragm and the counter electrode with voltages of each polarity. The amount of relative displacement with the counter electrode can be kept constant, and a stable ink droplet ejection operation can be maintained.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described conventional electrostatic force type ink jet head, in order to remove residual charges and perform stable ink ejection, it is necessary to separately provide driving voltage sources having different polarities, so that the apparatus becomes large. Also, as the withstand voltage of other elements used in the drive circuit, it is necessary to withstand the voltage for both polarities, so use elements with a withstand voltage twice that of the drive voltage for ejecting ink. There is a problem that the cost on the drive circuit side becomes high.
[0010]
Furthermore, the residual charges are merely canceled out by alternately applying drive voltages having different polarities to the counter electrode, and the residual charges are not essentially in a non-generated state.
[0011]
Therefore, for example, the drive voltage signal applied to the counter electrode is applied according to the image signal. However, depending on the image signal, there is an image pattern that can be printed only with the drive voltage of one polarity. In this case, the amount of accumulated residual charge at each polarity voltage is different, and the relative displacement amount between the diaphragm and the counter electrode at each voltage polarity is gradually decreased to be different. As described above, it is difficult to perform a stable ink discharge operation, and there is a problem that a print quality defect occurs.
[0012]
The present invention has been made in view of the above points, and is stable.DropsCan perform discharge operationDropletInk jet recording apparatus having a stable discharge head and image quality and a simple apparatus configuration, Image forming apparatus, and apparatus for ejecting liquid dropletsThe purpose is to provide.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention relates toDropletThe ejection head has a contact facing portion that contacts the diaphragm when the diaphragm is deformed, and the contact facing portion has the same potential as the diaphragm. The “diaphragm” means a vibrating part, and includes a case where the diaphragm also serves as the first electrode, and includes a diaphragm separately formed from the first electrode.
[0014]
Here, it is preferable that the surface of the contact facing portion and the surface of the diaphragm in contact with the contact facing portion have electrical conductivity. Moreover, it is preferable that the distance between the diaphragm and the contact facing portion is shorter than the distance between the diaphragm and the counter electrode. In this case, the height of the contact facing portion can be made higher than the height of the counter electrode. Furthermore, it is preferable that the contact facing portion is provided at a substantially central portion in the diaphragm lateral direction.
[0015]
Moreover, an insulating layer can be provided on the surface side of the counter electrode, and a contact facing portion with which the diaphragm contacts can be provided on the insulating layer. In this case, it is preferable to provide the contact facing portion at a substantially central portion of the counter electrode in the lateral direction of the diaphragm.
[0016]
An ink jet recording apparatus according to the present invention includes:DropletAccording to the present invention as an inkjet head for discharging inkDropletA discharge head is used.
The image forming apparatus and the apparatus for ejecting droplets according to the present invention include the droplet ejection head according to the present invention.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 relates to a first embodiment of the present invention.DropletFIG. 2 is an exploded perspective view of the inkjet head, which is an ejection head, FIG. 2 is a sectional view of the head in the longitudinal direction of the diaphragm, and FIG. 3 is an enlarged sectional view of the main part of the head in the lateral direction of the diaphragm.
[0018]
The inkjet head includes a diaphragm /
[0019]
The vibration plate /
[0020]
Here, when the diaphragm /
[0021]
In addition, an electrode film serving as a first electrode may be separately formed on the
[0022]
Further, a Pyrex glass (borosilicate glass) substrate is used as the
[0023]
The surface of the
[0024]
Further, as the
[0025]
Further, in the
[0026]
Further, when the
[0027]
The diaphragm /
[0028]
In order to reliably perform such anodic bonding, either the vibration plate / liquid chamber substrate (first substrate 1) or the electrode substrate (second substrate) 2 is used so that the substrates are covalently bonded at the bonding interface of the substrates. Must be a substrate that contains a large amount of alkali ions, and when bonding, select a material whose coefficients of thermal expansion are relatively the same so that distortion between the substrates due to thermal stress is reduced It is preferable to do.
[0029]
Here, as described above, a single crystal silicon substrate is used for the
[0030]
In addition, when the
[0031]
In the
[0032]
The water-repellent film can be formed by a plating film by electrolytic or electroless nickel eutectoid plating (PTFE-Ni eutectoid plating) in which polytetrafluoroethylene fine particles, which are fluororesin fine particles, are dispersed.
[0033]
In this ink jet head, two rows of
[0034]
The
[0035]
Further, the entire inkjet head is bonded onto the
[0036]
The
[0037]
A
[0038]
Next, the operation of the ink jet head configured as described above will be described with reference to FIG.
When a positive pulse voltage (driving waveform) is applied to the
[0039]
Here, the magnitude P of the electrostatic attraction force generated in the
[0040]
[Expression 1]
[0041]
Here, the effective gap distance d means a relationship such as the expression (2), and when a substance having a dielectric constant other than air is interposed between the
[0042]
[Expression 2]
[0043]
That is, when a substance having a certain dielectric constant is interposed between the
[0044]
Therefore, when driving the inkjet head, as shown in FIG. 4, the
[0045]
In the conventional ink jet head, the residual charge is generated mainly due to the potential difference generated between the diaphragm and the counter electrode at the moment when the diaphragm contacts the counter electrode to which the drive voltage V is applied. It has been experimentally found that this occurs. Therefore, in the present invention, the
[0046]
Next, when the application of the pulse voltage to the
[0047]
As described above, when the
[0048]
In this case, since a potential difference also occurs between the
[0049]
In order to confirm this, the inkjet head having the above configuration is used, the
[0050]
According to this test result, in the conventional inkjet head that does not have the
[0051]
In addition, since it is possible to perform ink droplet ejection driving with only a positive (positive) voltage of one polarity, the device configuration of the driving circuit is simpler and smaller than before, and the circuit cost is also 30%. The above could also be made cheaper.
[0052]
Next, an inkjet head according to a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. This figure is an enlarged explanatory view of the main part in the lateral direction of the diaphragm when the diaphragm is deformed, similar to FIG.
[0053]
In this ink jet head, the
[0054]
Then, the thickness of the dielectric insulating
[0055]
Also in the ink jet head having this configuration, the
[0056]
In addition to this, in the case of the present embodiment, the distance from the
[0057]
In order to confirm this, using this inkjet head, the
[0058]
According to this test result, in the head of the first embodiment, there was a head that occasionally caused an ink droplet ejection failure due to the generation of residual charge, whereas in the ink jet head of the second embodiment, the residual was It was confirmed that there was no occurrence of a head that caused ink droplet ejection failure due to electric charge, yield was improved, and more stable ink ejection driving was possible.
[0059]
Next, an inkjet head according to a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. This figure is also an enlarged explanatory view of the main part in the lateral direction of the diaphragm when the diaphragm is deformed, similar to FIG.
[0060]
Also in this ink jet head, the
[0061]
And in order to make the distance from the
[0062]
In this ink jet head, compared to the heads of the first and second embodiments, there is no dielectric insulating
[0063]
Therefore, for example, even when the charge is initially charged on the dielectric insulating
[0064]
Next, an inkjet head according to a fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. This figure is also an enlarged explanatory view of the main part in the lateral direction of the diaphragm when the diaphragm is deformed, similar to FIG.
[0065]
Also in this ink jet head, the
[0066]
And, in order to make the distance from the
[0067]
Therefore, this ink jet head has a simpler configuration than the head of the third embodiment, and the same effects as those of the third embodiment can be obtained with a configuration that can be easily manufactured.
[0068]
Using this inkjet head, a
[0069]
According to the test results, in the head of the second embodiment, there was a head that caused ink droplet ejection failure due to initial charging during the manufacturing, whereas in the inkjet head of the fourth embodiment, the head was manufactured. It was confirmed that there was no generation of a head that would cause ink droplet ejection failure due to initial charging during the process, yield was improved, and a more stable inkjet head could be manufactured. In addition, the head configuration becomes simpler and can be easily manufactured, so that the production efficiency of the head is improved.
[0070]
Next, an inkjet head according to a fifth embodiment of the invention will be described with reference to FIG. This figure is also an enlarged explanatory view of the main part in the lateral direction of the diaphragm when the diaphragm is deformed, similar to FIG.
[0071]
In this ink jet head, as in the first embodiment, the
[0072]
Further, as in the second embodiment, the distance between the
[0073]
When configured in this way, it is possible to obtain a sufficient effect of reliably and stably preventing the generation of residual charges with a simpler configuration than the heads of the second and third embodiments.
[0074]
Next, an inkjet head according to a sixth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. This figure is also an enlarged explanatory view of the main part in the lateral direction of the diaphragm when the diaphragm is deformed, similar to FIG.
[0075]
Also in this ink jet head, as in the first embodiment, the
[0076]
When configured in this way, it is possible to obtain a sufficient effect of reliably and stably preventing the generation of residual charges with a simpler configuration than the heads of the second and third embodiments.
[0077]
Next, an inkjet head according to a seventh embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. This figure is also an enlarged explanatory view of the main part in the lateral direction of the diaphragm when the diaphragm is deformed, similar to FIG.
[0078]
Also in this ink jet head, as in the first embodiment, the
[0079]
Further, as in the third embodiment, in order to make the distance between the
[0080]
When configured in this way, it is possible to obtain a sufficient effect of reliably and stably preventing the generation of residual charges with a simpler configuration than the heads of the second and third embodiments.
[0081]
In each of these embodiments, when the
[0082]
Next, an inkjet head according to an eighth embodiment of the invention will be described with reference to FIG. This figure is also an enlarged explanatory view of the main part in the lateral direction of the diaphragm when the diaphragm is deformed, similar to FIG.
[0083]
In this ink jet head, a dielectric insulating layer is formed on the surface of the
[0084]
When configured in this manner, the head can be easily manufactured with a simpler configuration than the heads of the second and third embodiments, and the effect of preventing the generation of residual charges in a more reliable and stable manner can be obtained. can get.
[0085]
Using this inkjet head, a
[0086]
According to the test results, in the heads of the second and third embodiments, a head that becomes NG due to a head failure occurred during the manufacturing process, whereas in the head of this embodiment, NG due to the head failure was detected. As a result, the yield of the head was further improved, and a more stable inkjet head could be obtained. In addition, since the head configuration becomes simpler and can be more easily manufactured, the head production efficiency is improved.
[0087]
Next, according to the present inventionAs an image forming apparatus according to the present invention, including an apparatus for discharging droplets from a droplet discharge headThe outline of the mechanism part of the ink jet recording apparatus will be briefly described with reference to FIG. In this ink jet recording apparatus, a main
[0088]
The
[0089]
The
[0090]
Further, sub frames 63 and 64 are erected on a
[0091]
Further, a reliability maintenance / recovery mechanism (hereinafter referred to as “subsystem”) 71 of the head 56 is disposed between the
[0092]
The cap means 72 is connected to the
[0093]
Further, on the side of the
[0094]
In this recording apparatus configured as described above, while the head 56 (carriage 55) is moved and scanned in the main scanning direction, the
[0095]
At this time, as described above, the ink jet head according to the present invention does not generate residual charges, can perform a stable ink droplet ejection operation, and can perform an ink droplet ejection operation with a unipolar drive waveform. Therefore, the configuration of the drive circuit is simplified, the device configuration is simple, and the size can be reduced.
[0096]
In the above-described embodiment, the present invention is applied to the side shooter type inkjet head in which the vibration plate displacement direction and the ink droplet ejection direction are the same, but the edge shooter method orthogonal to the vibration plate displacement direction and the ink droplet ejection direction. The same can be applied to the inkjet head. Furthermore, the present invention can be applied not only to an ink jet head but also to a droplet discharge head that discharges a liquid resist or the like.Further, as described above, the present invention can also be applied to image forming apparatuses such as printers, facsimiles, and plotters, and apparatuses that eject droplets.
[0097]
【The invention's effect】
As described above, according to the present inventionDropletAccording to the ejection head, the diaphragm has a contact facing portion that comes into contact with the diaphragm when the diaphragm is deformed, and the contact facing portion has the same potential as the diaphragm.DropsA discharge operation can be performed.
[0098]
Here, the surface of the contact facing portion and the surface of the diaphragm in contact with the contact facing portion have electrical conductivity, so that the generation of residual charges can be more reliably prevented even with a unipolar drive waveform. The head yield is improved, and a more stable head can be manufactured.
[0099]
In addition, by making the distance between the diaphragm and the contact facing portion shorter than the distance between the diaphragm and the counter electrode, it is possible to more reliably prevent the generation of residual charges even in a unipolar drive waveform, Reliability can be improved. In this case, by making the height of the contact facing portion higher than the height of the counter electrode, it is possible to obtain a head that can more easily prevent the generation of residual charges. Furthermore, by providing the contact facing portion at a substantially central portion in the diaphragm lateral direction, a head in which the generation of residual charges can be more easily prevented can be obtained.
[0100]
In addition, by providing an insulating layer on the surface side of the counter electrode and providing a contact facing portion on which the diaphragm is in contact, the generation of residual charges can be reliably prevented with a simpler structure, and a stable head can be efficiently used. Can be manufactured. In this case, by providing the contact facing portion at a substantially central portion of the counter electrode in the lateral direction of the diaphragm, it is possible to reliably prevent the generation of residual charges with a simpler configuration.
[0101]
According to the ink jet recording apparatus according to the present invention, the ink jet head for ejecting ink droplets according to the present invention.DropletSince the discharge head is used, stable image quality can be obtained and the configuration of the apparatus is simplified.Further, according to the image forming apparatus and the apparatus for ejecting droplets according to the present invention, since the droplet ejection head according to the present invention is used, stable image quality can be obtained and the configuration of the apparatus is simplified. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view of an ink droplet ejection head according to a first embodiment of the invention.
FIG. 2 is a cross-sectional explanatory view of the head in the longitudinal direction of the diaphragm.
FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view of the main part of the head in the lateral direction of the diaphragm.
FIG. 4 is an enlarged explanatory view of the main part in the short direction of the diaphragm when the diaphragm of the head is deformed.
FIG. 5 is an enlarged explanatory view of a main part in a short side direction of the diaphragm when the diaphragm of the ink droplet discharge head according to the second embodiment of the present invention is deformed.
FIG. 6 is an enlarged explanatory view of the main part in the short side direction of the diaphragm when the diaphragm of the ink droplet discharge head according to the third embodiment of the present invention is deformed.
FIG. 7 is an enlarged explanatory view of a main part in the short side direction of the diaphragm when the diaphragm of the ink droplet discharge head according to the third embodiment of the present invention is deformed.
FIG. 8 is an enlarged explanatory view of a main part in the short side direction of the diaphragm when the diaphragm of the ink droplet discharge head according to the fourth embodiment of the present invention is deformed.
FIG. 9 is an enlarged explanatory view of a main part in the short side direction of the diaphragm when the diaphragm of the ink droplet discharge head according to the fifth embodiment of the invention is deformed.
FIG. 10 is an enlarged explanatory view of a main part in a short side direction of the diaphragm when the diaphragm of the ink droplet discharge head according to the fifth embodiment of the invention is deformed.
FIG. 11 is an explanatory plan view illustrating a wiring structure between a plurality of nozzles in each of the embodiments.
FIG. 12 is an enlarged explanatory view of the main part in the short side direction of the diaphragm when the diaphragm of the ink droplet discharge head according to the sixth embodiment of the present invention is deformed.
FIG. 13 is a schematic explanatory diagram of a mechanism portion of the ink jet recording apparatus according to the present invention.
[Explanation of symbols]
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