JP3901251B2 - 車両用負圧ブースタにおける制動力推定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキペダルの踏力を倍力してマスタシリンダに伝達する車両用負圧ブースタに関し、特にその負圧ブースタにおける制動力推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン及び無段変速機を備えた車両やモータを駆動源とする電動車両では、ブレーキ装置が発生する制動力の大きさに応じてクリープ力を制御している。具体的には、制動力が大きいときにはドライバーがクリープ走行を行う意思がないと判断してクリープ力を減少させ、制動力が小さいときにはドライバーがクリープ走行を行う意思があると判断してクリープ力を増加させることにより、エンジンやモータの駆動力の節減を図っている。
【0003】
従来、ブレーキ装置が発生する制動力の大きさは、マスタシリンダが出力するブレーキ油圧の大きさに基づいて推定するか、ブレーキペダルの踏力やストロークに基づいて推定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、制動力の大きさをブレーキ油圧の大きさに基づいて推定しようとすると、油圧配管系に継手を介して油圧検出手段を装着する必要があるため、油圧配管系の信頼性に影響があるだけでなく、大きく変化するブレーキ油圧を測定するためにレンジの大きい油圧検出手段が必要になってコストの面で不利である。また制動力の大きさをブレーキペダルの踏力やストロークに基づいて推定しようとすると、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間に負圧ブースタが介在するために正確な推定が難しいという問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、制動力の大きさを負圧ブースタにおいて簡単且つ確実に推定することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明では、負圧ブースタがマスタシリンダを作動させる駆動力は、ブースタピストンに設けた相対圧力検出手段で検出した負圧室及び作動室の差圧に基づいて、マスタシリンダを作動させる駆動力、つまりマスタシリンダの作動により発生する制動力を推定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の第1参考例を示すもので、図1は負圧ブースタの縦断面図、図2は図1の要部拡大図、図3は負圧室及び作動室の圧力差と制動力との関係を示すグラフである。
【0008】
図1に示すように、負圧ブースタのブースタシェル1は対向端を相互に結合した前後一対のシェル半体1a,1bを備えており、その内部には後面にダイヤフラム2が重合されたブースタピストン3が前後往復動自在に収容される。ダイヤフラム2の外周は両シェル半体1a,1bの結合部に固定され、該ダイヤフラム2の内周はピストンボス4の前部外周に固定される。ブースタピストン3及びダイヤフラム2によりブースタシェル1内は、ブースタピストン3の前面に臨む前方側の負圧室Aと、ダイヤフラム2の後面に臨む後方側の作動室Bとに区画される。シェル半体1bの後壁中央部には後方側に延びる後方延長筒5が一体に突設されており、この後方延長筒5の後端には大気導入口6が形成される。負圧室Aは負圧源である内燃機関の吸気マニホールド(図示せず)内に常時連通する。ブースタピストン3はシェル半体1aとの間に装着した戻しばね7により後方に付勢される。
【0009】
ピストンボス4は後方延長筒5にシール部材9を介して摺動自在に支持される筒部4aを備えるとともに、筒部4a内の後部には大気導入口6からの導入空気を浄化するとともに入力杆10の作動を妨げないように変形可能なフィルタ11が装着される。ブレーキペダル12に連結された前記入力杆10の先端の球状部に弁ピストン13が連結されており、この弁ピストン13はピストンボス4の中心に摺動可能に支持される。入力杆10の進退作動による弁ピストン13のピストンボス4との相対移動に応じて切換作動する制御弁14が、ピストンボス4の筒部4aの内側に設けられる。
【0010】
次に、図2を併せて参照しながら制御弁14の概略構成について説明する。制御弁14は、ゴムから成る弁体15と、該弁体15の着座を可能としてピストンボス4の内部に形成された環状の第1弁座161 と、弁ピストン13の後端に環状に形成され、前記第1弁座161 に囲まれながら弁体15の着座を可能とした第2弁座162 とを備える。弁体15は筒状に形成されており、後端部がピストンボス4の筒部4a内周に嵌まった弁体保持筒18に固定され、前端部は第1弁座161 及び第2弁座162 への着座を可能として厚肉に形成されるとともに、入力杆10との間に設けた弁ばね19により第1、第2弁座161 ,162 側に弾発付勢される。入力杆10は弁体保持筒18との間に設けた戻しばね8により後退方向に弾発付勢される。
【0011】
第1弁座161 の外側は、ピストンボス4に設けられた通孔20を介して負圧室Aに連通される。また第1、第2弁座161 ,162 の中間部はピストンボス4に設けられた別の通孔21を介して作動室Bに連通され、第2弁座162 の内側は弁体15の内部を介して大気導入口6に連通される。
【0012】
かかる制御弁14において、弁体15が第1、第2弁座161 ,162 に着座しているときには、負圧室A及び作動室B間の連通が遮断されるとともに両室A,Bの大気導入口6との連通も遮断される。すなわち制御弁14は切換中立状態となっている。上記切換中立状態から弁ピストン13がピストンボス4に対して前進作動すると第2弁座162 が弁体15から離反し、通孔21を介して作動室Bが大気導入口6に連通する。また弁ピストン13がピストンボス4に対して後退作動すると、弁体15が第1弁座161 から離反し、通孔20,21を介して負圧室Aと作動室Bとが連通する。
【0013】
図1に示すように、ピストンボス4には前方に延びる出力杆22が突設され、該出力杆22は外形のみ示すマスタシリンダMに接続される。ブースタシェル1を前後に貫通するロッド23により負圧ブースタが車体24に固定されるとともに、マスタシリンダMがブースタシェル1に共締めされる。負圧室Aと作動室Bとが連通しないように、ダイヤフラム2に一体に設けたブーツ2aによりロッド23の外周が覆われる。
【0014】
ブースタシェル1には負圧室Aの絶対圧を検出する負圧室圧力検出手段S1 と、作動室Bの絶対圧を検出する作動室圧力検出手段S2 とが設けられる。負圧室圧力検出手段S1 及び作動室圧力検出手段S2 からの信号はマイクロコンピュータよりなる制動力推定手段25に入力され、制動力推定手段25は負圧室Aの絶対圧と作動室Bの絶対圧との差圧に基づいてブースタピストン3の推力、即ち負圧ブースタがマスタシリンダMを駆動する推力を検出する。
【0015】
次に、上記第1参考例の作用について説明する。
【0016】
車両を制動すべくブレーキペダル12に踏力を加え、入力杆10とそれに結合された弁ピストン13とを前進作動せしめると、当初、ブースタピストン3は不動であるから、弁ピストン13の第2弁座162 が制御弁14の弁体15から離間する。これにより作動室Bは通孔21を介して大気導入口6に連通して大気圧となり、負圧室A及び作動室B間に生じる大きな差圧によりブースタピストン3が前進作動し、出力杆22を介してマスタシリンダMを倍力作動させることができる。ブレーキペダル12の踏力を開放すると、先ず入力杆10が戻しばね8の弾発力により弁ピストン13と共に後退し、第2弁座162 を弁体15に着座させるとともに、第1弁座161 から弁体15を離間させる。その結果、負圧室Aと作動室Bが通孔20を介して連通して気圧差が消滅あるいは減少するので、ブースタピストン3は戻しばね7の弾発力で後退し、マスタシリンダMの作動を解除する。 図3に示すように、マスタシリンダMが発生する制動力、即ち負圧ブースタのブースタピストン3に作用する推力は負圧室Aと作動室Bとの差圧に比例するため、前記差圧に基づいて制動力を推定することができる。このように負圧室Aの圧力と作動室Bの圧力とに基づいて制動力を推定するので、ブレーキ装置の油圧配管系の信頼性に影響を及ぼすことがない。しかも、負圧室A及び作動室Bの圧力変化はブレーキ油圧の圧力変化に比べて小さいため、レンジの狭い安価な圧力検出手段を使用することが可能となってコストが削減される。またブレーキペダル12よりもマスタシリンダMに近い負圧ブースタにおいて制動力を推定しているので、ブレーキペダル12の踏力やストロークに基づいて制動力を推定する場合に比べて推定精度が向上する。
【0017】
次に、図4に基づいて本発明の第2参考例を説明する。第2参考例は負圧室Aと作動室Bとを接続する管路26に、両室A,Bの相対圧を検出する相対圧力検出手段S3 を設けたものである。相対圧力検出手段S3 からの信号は制動力推定手段25に入力され、制動力推定手段25は前記相対圧に基づいてブースタピストン3の推力、即ち負圧ブースタがマスタシリンダMを駆動する推力を検出する。この第2参考例によれば、圧力検出手段の数が1個で済むために構造が簡略化され、コストも削減される。
【0018】
次に、図5に基づいて本発明の実施例を説明する。この実施例は負圧室Aと作動室Bとを仕切るブースタピストン3に両室A,Bの相対圧を検出する相対圧力検出手段S3 を設けたものである。この実施例によれば、上述した第1参考例と同様に、負圧室Aの圧力と作動室Bの圧力とに基づいて制動力を推定するので、ブレーキ装置の油圧配管系の信頼性に影響を及ぼすことがない。しかも、負圧室A及び作動室Bの圧力変化はブレーキ油圧の圧力変化に比べて小さいため、レンジの狭い安価な圧力検出手段を使用することが可能となってコストが削減される。またブレーキペダル12よりもマスタシリンダMに近い負圧ブースタにおいて制動力を推定しているので、ブレーキペダル12の踏力やストロークに基づいて制動力を推定する場合に比べて推定精度が向上する。また上述した第2参考例と同様に、圧力検出手段の数が1個で済むために構造が簡略化され、コストも削減される。更に、相対圧力検出手段S3 をブースタシェル1の内部に収納して負圧ブースタを小型化することができる。
【0019】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、ブースタピストンに設けられて負圧室及び作動室に臨んで両室間の相対圧を検出する相対圧力検出手段と、マスタシリンダの作動により発生する制動力を前記相対圧に基づいて推定する制動力推定手段とを備えているので、ブレーキ装置の油圧配管系に影響を及ぼすことなく、安価な圧力検出手段を1個だけ用いて制動力を正確に推定することができ、しかも相対圧力検出手段をブースタシェルの内部に収納して負圧ブースタを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1参考例に係る負圧ブースタの縦断面図
【図2】 図1の要部拡大図
【図3】 負圧室及び作動室の圧力差と制動力との関係を示すグラフ
【図4】 第2参考例に係る負圧ブースタの縦断面図
【図5】 本発明の実施例に係る負圧ブースタの縦断面図
【符号の説明】
1 ブースタシェル
3 ブースタピストン
14 制御弁
25 制動力推定手段
A 負圧室
B 作動室
M マスタシリンダ
S1 負圧室圧力検出手段
S2 作動室圧力検出手段
S3 相対圧力検出手段
Claims (1)
- マスタシリンダ(M)を駆動するブースタピストン(3)をブースタシェル(1)内に移動自在に収納し、このブースタピストン(3)の両側に負圧源に連通する負圧室(A)と、制御弁(14)を介して前記負圧室(A)又は大気に選択的に連通する作動室(B)とをそれぞれ形成し、前記負圧室(A)及び作動室(B)間の圧力差でブースタピストン(3)を移動させる車両用負圧ブースタにおいて、
前記ブースタピストン(3)に設けられ、負圧室(A)及び作動室(B)に臨んで両室(A,B)間の相対圧を検出する相対圧力検出手段(S3 )と、
マスタシリンダ(M)の作動により発生する制動力を前記相対圧に基づいて推定する制動力推定手段(25)と、
を備えたことを特徴とする、車両用負圧ブースタにおける制動力推定装置。
Priority Applications (1)
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JP22894596A JP3901251B2 (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | 車両用負圧ブースタにおける制動力推定装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1067316A JPH1067316A (ja) | 1998-03-10 |
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JP22894596A Expired - Fee Related JP3901251B2 (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | 車両用負圧ブースタにおける制動力推定装置 |
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JP (1) | JP3901251B2 (ja) |
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1996
- 1996-08-29 JP JP22894596A patent/JP3901251B2/ja not_active Expired - Fee Related
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