JP3900881B2 - Optical fiber preform manufacturing method and manufacturing apparatus - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスパイプ内にガラスロッドを挿入し、両者を加熱一体化して光ファイバ母材を製造する方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラスパイプ内にガラスパイプよりも屈折率の高いガラスロッドを挿入した後に両者を加熱して一体化するロッドインコラプス法は、分散補償ファイバ或いは分散シフトファイバといった複雑な構造を有する光ファイバ用の母材を製造するに適した方法として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、ロッドインコラプス法において、ガラスパイプとガラスロッドとの間隙部に大気中の水蒸気等が残留していた場合には、コラプス後の光ファイバ母材内に水分が取り込まれてしまうことになる。このような水分が取り込まれた母材から光ファイバを作製すると、その光ファイバにおいてはOH基に起因する吸収損失(OH損失)が大きくなってしまうという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するため、ガラスロッドとガラスパイプとの間隙部に塩素ガスを流すといったことが行われる。図6は、従来の母材製造装置100を示す概略図である。母材製造装置100を用いた母材製造方法においては、先ず、ガラスパイプ151がパイプ保持部材102に保持され、さらにガラスパイプ151の端部に継手103a,103bが取り付けられる。次に、ガラスパイプ151の内部に所定のエッチングガスが流され、熱源105を用いて、ガラスパイプ151の内面がエッチングされた後に、ガラスロッド150が挿入される。次に、ガス管101から継手103bを介してガラスパイプ151内にCl2ガスが流されるとともに、ガラスパイプ151の内部が真空ポンプ104により減圧される。そして、熱源105を継手103b側から継手103aの方へと移動させながら、ガラスパイプ151とガラスロッド150とを加熱一体化し光ファイバ母材が製造される。母材製造装置100を用いた上記の製造方法においては、ガラスパイプ151とガラスロッド150との間に流される塩素ガスにより、ガラスパイプ151の内面及びガラスロッド150の外周面に吸着する水分が除去される。そのため、OH損失が低減された光ファイバを製造可能な光ファイバ母材が製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下のことが明らかとなった。母材製造装置100においては、継手103bとガラスパイプ151との接続部には通常シール材が用いられるが、シール材によってもガラスパイプ151が完全に気密されるわけではなかった。しかも、上記従来の製造方法では、ガラスパイプ151の内部は真空ポンプ104によって外部よりも低圧に保たれるため、例えば、図6に矢印Aで示すように、シール材とガラスパイプ151との接触部から外気が引き込まれることがあった。そのため、ガラスパイプ151の内面及びガラスロッド150の外周面に、外気中に含まれる水分が吸着されることとなっていた。この状態で加熱一体化を行なうと、水分が光ファイバ母材に取り込まれることとなる。そのため、この光ファイバ母材から製造される光ファイバではOH損失を十分に低減することができなかった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、OH損失が低減された光ファイバの作製を可能とする光ファイバ母材の作製方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、ガラスロッドをガラスパイプ内に挿入し、両者を熱源により加熱一体化して光ファイバ母材を製造する方法であって、(1)ガラスロッドがガラスパイプ内に挿入された状態で、ガス供給部からガラスパイプの一方端へ至る第1流路、この一方端からガラスパイプ内を経てガラスパイプの他方端へ至る第2流路、及び他方端から排気部へ至る第3流路を順次通過するようにハロゲンを含むガスを流してガラスパイプ内の圧力をその外部の圧力よりも高く保つとともに、第1流路から第3流路へ至る第4流路にハロゲンを含むガスを流し、(2)ガラスパイプの他方端側の任意の位置においてガラスロッドとガラスパイプとを加熱一体化し、(3)第4流路を閉止するとともにガラスパイプの一方端からガラスパイプ内のハロゲンを含むガスを排気してガラスパイプ内の圧力をその外部の圧力よりも下げ、(4)任意の位置から一方端へと向かう方向に熱源を移動させてガラスパイプとガラスロッドとを加熱一体化することを特徴とする。
【0010】
上記の製造方法においては、ガラスロッドが挿入されたガラスパイプの内部にハロゲンを含むガスが流され、ガラスパイプの内部の圧力が外気圧よりも高く保たれる。そのため、ガラスパイプ内に外気が侵入するのが防止される。また、ガラスパイプ内の圧力がその外部の圧力よりも高い状態で、ガラスパイプの他方端側の所定の位置においてガラスパイプ及びガラスロッドが加熱一体化される。その後、一方端からガラスパイプ内が減圧される。このときには、加熱一体化された部分によってガラスパイプ内は密閉されているので、ガラスパイプ内が減圧されても、ガラスパイプ内に外気が侵入することはない。すなわち、上記の製造方法によれば、ガラスパイプの内面及びガラスロッドの外周面が外気に含まれる水分に汚染されることはない。また、ガラスパイプ内にハロゲンを含むガスが流されるため、ガラスパイプの内面及びガラスロッドの外周面に当初より吸着していた水分が効果的に除去される。よって、水分が光ファイバ母材に混入されるのが防止される。そのため、OH損失が低減された光ファイバの作製を可能とする光ファイバ母材が製造される。

【0012】
本発明に係る光ファイバ母材の製造装置は、ガラスロッドをガラスパイプ内に挿入し、両者を熱源により加熱一体化して光ファイバ母材を製造する製造装置であって、(1)ガラスロッドが挿入されたガラスパイプ内にハロゲンを含むガスを供給する供給管と、(2)ガラスパイプ内に供給されたハロゲンを含むガスを排気する排気管と、(3)供給管と排気管とに接続されたバイパス管と、(4)一方端が供給管に接続された減圧管と、(5)減圧管の他方端に接続され、ガラスパイプの内部をその外部より低圧にする真空ポンプと、(6)バイパス管及び減圧管の流体通路をそれぞれ開閉するバルブと、を備えることを特徴とする。
【0013】
なお、ここに言う光ファイバ母材とは、線引きして光ファイバを製造するのに用いられる部材、或いは、その側面にジャケット部を合成して所謂光ファイバプリフォームを製造するのに使用される光ファイバ母材中間体又は前駆体といった部材を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバ母材の製造装置及び方法の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による光ファイバ母材の製造装置の構造を示す概略図である。同図において、母材製造装置1は、ガラスパイプを保持するパイプ保持部材2、ガラスパイプの端部に取り付けられるシールボックス3a,3bを有する。また、母材製造装置1は、ガラスパイプの内部を減圧する真空ポンプ4、ガラスパイプとガラスロッドとを加熱一体化する酸水素火炎バーナ5、及びパイプ保持部材2が固定される基台6を備える。また、シールボックス3aにはガス供給管7が接続され、シールボックス3bには排気管10が接続されている。ガス供給管7は図示しないガス供給系から供給されるガスをシールボックス3aに導く。ガス供給系からは、塩素(Cl2)ガスといった脱水効果の高いガスや弗化硫黄(SF6)といったエッチングガスが供給される。ガス供給管7には、ガス供給管7から分岐してシールボックス3bに至るバイパス管8が設けられている。また、ガス供給管7には、ガス供給管7から分岐し真空ポンプ4に繋がる減圧管9が設けられている。バイパス管8にバルブ8vが設けられ、減圧管9にバルブ9vが設けられている。これらのバルブ8v,9vの操作により、ガスの流路を決定できる。
【0016】
パイプ保持部材2は回転可能に設けられており、基台6に備えられた回転駆動装置(図示せず)により回転される。これにより、パイプ保持部材2に保持されたガラスパイプ51を周方向に回転することができる。シールボックス3a,3bは、ガラスパイプの端部と接触する位置においてシール材(図示せず)を有する。このシール材は、例えばバイトン(Viton、商標名)といった材料から作製されてよい。このシール材により、シールボックス3a,3bとガラスパイプ51とが密着される。シールボックス3a,3bは、また、回転可能に設けられている。そのため、シールボックス3a,3bは、パイプ保持部材2により周方向に回転されるガラスパイプ51ととも回転する。
【0017】
続いて、母材製造装置1を用いた第1の実施形態による光ファイバ母材の製造方法について、図2(a),(b)を参照して説明する。図2(a)は、ガラスロッドとガラスパイプとを加熱一体化する前のCl2ガスの流れを示す図である。図2(b)は、ガラスロッドとガラスパイプとの一部が加熱一体化された後のCl2ガスの流れを示す図である。
【0018】
先ず、光ファイバ母材のコア部となるべきガラスロッド50と、光ファイバ母材のクラッド部となるべきガラスパイプ51とを用意する。ガラスロッド50は、例えばVAD法により作製されてよく、Geを含有する石英ガラスからなると好ましい。また、ガラスロッド50の純石英ガラスに対する比屈折率差は例えば1.45%程度とすることができる。ガラスパイプ51は、例えばVAD法で作製されてよく、Fが添加された石英ガラスからなると好ましい。また、ガラスパイプ51の純石英ガラスに対する比屈折率差は例えば−0.45%程度とすることができる。このようなガラスロッド50及びガラスパイプ51が用意された後、ガラスパイプ51をパイプ保持部材2に取り付け、このガラスパイプ51の一方の端部にシールボックス3aを取り付け、他方の端部にシールボックス3bを取り付ける。
【0019】
その後、バルブ9vを閉めるとともにバルブ8vを開け、ガス供給系よりSF6ガス及びCl2ガスをそれぞれ所定の流量で供給する。これにより、ガラスパイプ51の内部はこれらのガスで置換される。上記のガスを流したまま、酸水素火炎バーナ5を用いてガラスパイプ51を加熱し、ガラスパイプ51の内面をエッチングする。ここで、ガラスパイプ51の有効部となるべき部分において、酸水素火炎バーナ5をほぼ一定の速度で移動させ、エッチング量がほぼ一定となるようにする。このエッチングによりガラスパイプ51の内径が所定の値となった後、エッチングを終了させる。
【0020】
続けて、シールボックス3bをガラスパイプ51から取り外し、ガラスパイプの内部にガラスロッド50を挿入する。再びシールボックス3bをガラスパイプ51に取り付けた後、ガス供給系からCl2ガスを供給する。このとき、バルブ8vは開いており、バルブ9vは閉まっている。そのため、図2(a)に示す通り、Cl2ガスは2つの経路を流れる。その一方は、ガス供給管7からシールボックス3a及びガラスパイプ51を通ってシールボックス3bに至る経路(以下、経路1)である。他方は、ガス供給管7からバイパス管8を通ってシールボックス3bへ至る経路(以下、経路2)である。これらの経路を流れるCl2ガスの流量は、ガラスロッド50とガラスパイプ51との間隙部の圧力がガラスパイプ51の外側の気圧よりも高くなるように設定される。このようにガラスパイプ50とガラスパイプ51との間隙部の圧力が外気圧よりも高い場合には、シールボックス3bのシール材がガラスパイプ51と接する部分に対しても外圧より高い圧力が加わる。そのため、外気がシールボックス3bの内部に侵入するのが防止される。ここで、Cl2ガスの流量は、使用するガラスパイプの肉厚等に応じて適宜決定されてよい。例えば、この流量は250cm3/min以上1000cm3/min以下であると好適である。250cm3/minより少ない場合は、外気の侵入を十分に防止できない。また、1000cm3/minより多い場合は、加熱部でガラスパイプが変形するといった事態となる。さらに、この流量は500cm3/min以上1000cm3/min以下であると更に好適である。
【0021】
ガラスパイプ51の内部がCl2ガスで十分に置換された後、ガラスパイプ51の内部の圧力をその外部の圧力より高く保ったまま、ガラスパイプ51を酸水素火炎バーナ5で加熱して脱水処理を行なう。これにより、ガラスロッド50の外周面及びガラスパイプ51の内面に付着する水分を除去する。その後、ガラスパイプ51の内部(間隙部)の圧力をその外部の圧力よりも高く保ったまま、ガラスパイプ51のシールボックス3b側の任意の位置(以下、開始位置)でガラスパイプ51とガラスロッド50との一部を加熱一体化する。ここで、ガラスパイプ51をパイプ保持部材2により回転させて、ガラスパイプ51とガラスロッド50とを周方向全体にわたって均一に一体化させる。そして、周方向の全体にわたって一体化された後、ガス供給系からのCl2ガス供給を停止し、バルブ8vを閉めるとともにバルブ9vを開ける。すると、ガラスパイプ51とガラスロッド50との間隙部のCl2ガスは真空ポンプ4により排気され、間隙部の圧力は外気圧よりも低くなる。当該間隙部のCl2ガスが排気される様子を図2(b)に示す。
【0022】
この後、ガラスパイプ51を回転させたまま、上記の開始位置からシールボックス3aの方向へ酸水素火炎バーナ5を移動させながら、ガラスパイプ51とガラスロッド50とを加熱一体化して行く。これにより、両者が所定の長さにわたって加熱一体化されて、光ファイバ母材が完成する。
【0023】
続いて、第1の実施形態による光ファイバ母材の製造方法が奏する効果について説明する。ガラスパイプ51とガラスロッド50と加熱一体化される前に、ガラスパイプ51の内部空間には塩素ガスが流され、その圧力は外気圧よりも高く保たれる。このため、ガラスパイプ51の内部に外気が入り込むのが防止される。また、ガラスパイプ51の内部空間の圧力がその外部の気圧よりも高い状態でガラスパイプ51及びガラスパイプ51の一部が周方向の全体にわたって加熱一体化され、その後、ガラスパイプ51の内部の圧力が外部の圧力より低くされる。このときには、ガラスパイプ51は、加熱一体化により、一方が閉じているため、内部空間を減圧しても外気が侵入することはない。そのため、ガラスパイプ51の内面及びガラスロッド50の外周面が水分で汚染されることはない。よって、光ファイバ母材中への水分の混入が防止される。
【0024】
さらに、ガラスパイプ51の内部の圧力が外部の圧力より低くされた状態で、酸水素火炎バーナ5をシールボックス3aの方へ移動させることにより、ガラスパイプ51とガラスロッド50とが加熱一体化される。仮に、ガラスパイプの内部の圧力を外部の圧力より低くすることなく加熱一体化を行なうと、ガラスパイプとガラスロッドとの間に気泡が多数発生してしまう結果となる。しかし、本実施形態においては、ガラスパイプ51の内部の圧力は外部の圧力より低くしているので、気泡の発生は抑制される。
【0025】
また、母材製造装置1は以下の利点を有している。上記の開始位置においてガラスパイプ51とガラスロッド50とが周方向全体にわたって一体化されると、Cl2ガスは、経路2のみを流れることとなる。経路2が設けられていない場合には、ガラスパイプ51にはCl2ガスによる圧力がかかる。仮に、この圧力が大き過ぎると、ガラスパイプ51が変形してしまうといった事態となり得る。しかし、母材製造装置1では、Cl2ガスは経路2へ流れるのでガラスパイプ51に過大な圧力がかかることはなく、ガラスパイプ51が変形してしまうことはない。さらに、シールボックス3aが外れる、或いはガラスパイプ51が破損するといった事態も防止される。
【0026】
参考例
図3(a)は、参考例による光ファイバ母材製造装置の構造と、ガラスロッドとガラスパイプとが加熱一体化される前のCl2ガスの流れとを示す図である。図3(b)は、当該光ファイバ母材製造装置の構造と、ガラスロッドとガラスパイプとの一部が加熱一体化された後のCl2ガスの流れとを示す図である。図3(a),(b)において、母材製造装置21は、ガラスパイプを保持するパイプ保持部材22、ガラスパイプの端部に取り付けられるシールボックス23a,23b、ガラスパイプの内部の圧力を外部の圧力よりも低くする真空ポンプ24、ガラスパイプとガラスロッドとを加熱一体化する酸水素火炎バーナ25、及びパイプ保持部材22が固定される基台26を備える。また、シールボックス23aにはガス供給管27が接続され、シールボックス23bには補助管31及び排気管32が接続されている。
【0027】
パイプ保持部材22は回転可能に設けられており、基台26に備えられた回転駆動装置(図示せず)により回転される。これにより、パイプ保持部材22に保持されたガラスパイプ51は周方向に回転される。シールボックス23a,23bは、ガラスパイプの端部と接触する位置に例えばバイトン(Viton、商標名)といった材料から成るシール材を有する。シールボックス23a,23bは、また、回転可能に設けられており、パイプ保持部材22により周方向に回転されるガラスパイプ51とともに回転する。
【0028】
ガス供給管27は図示しないガス供給系から供給されるガスをシールボックス23aに導く。ガス供給系からは、塩素(Cl2)ガスといった脱水効果の高いガスや弗化硫黄(SF6)といったエッチングガスが供給される。また、ガス供給管27には、ガス供給管27から分岐し真空ポンプ24に繋がる減圧管29が設けられている。減圧管29にはバルブ29vが設けられている。このバルブ29vを開くことにより、ガラスパイプ51の内部の圧力は外部の圧力よりも低くされ得る。
【0029】
続いて、母材製造装置21を用いた参考例による光ファイバ母材の製造方法について説明する。先ず、光ファイバ母材のコア部となるべきガラスロッド50と、光ファイバ母材のクラッド部となるべきガラスパイプ51とを用意する。これらは、第1の実施形態において用意したのとほぼ同一のものであってよい。次に、ガラスパイプ51をパイプ保持部材22に取り付け、このガラスパイプ51の一方の端部にシールボックス23aを取り付け、他方の端部にシールボックス23bを取り付ける。
【0030】
その後、バルブ29vを閉めた状態で、ガス供給系からSF6ガス及びCl2ガスをそれぞれ所定の流量でガラスパイプ51の内部へ供給する。上記のガスを流したまま、ガラスパイプ51を周方向に回転させるとともに、酸水素火炎バーナ25を用いてガラスパイプ51を加熱する。これにより、ガラスパイプ51の内面がエッチングされる。ここで、ガラスパイプ51の有効部となるべき部分において、酸水素火炎バーナ25をほぼ一定の速度で移動させる。これにより、有効部と成るべき部分ではエッチング量がほぼ一定となる。
【0031】
エッチング終了後、シールボックス23bをガラスパイプ51から取り外し、ガラスパイプの内部にガラスロッド50を挿入する。再びシールボックス23bをガラスパイプ51に取り付けた後、ガス供給系からのCl2ガスをガラスロッド50の内部へと流す。Cl2ガスの流量は、ガラスパイプ51の内圧がガラスパイプ51の外側の気圧よりも高くなるように適宜調整される。例えば、Cl2ガスの流量は250cm3/min以上500cm3/min以下であると好適である。この流量が250cm3/minより少ないと外気の侵入を充分に防止できない。参考例の母材製造装置21は、第1の実施形態における母材製造装置1と異なり、上述の経路2を有していない。そのため、第1の実施形態の場合に比べて少ない流量で外気の侵入を防止できる。よって、最大でも500cm3/min程度の流量でよい。ガス供給系からCl2ガスを流すと同時に、補助管31からCl2ガスをシールボックス23bへと流す。これにより、シールボックス23bの内部の圧力を外部の圧力よりも高くすることが容易となる。したがって、ガラスパイプ51の内部の圧力を外部の圧力よりも容易に高く保つことができる。
【0032】
ガラスパイプ51の内部がCl2ガスで置換された後、ガラスパイプ51の内部の圧力を外気圧より高く保ったまま、ガラスパイプ51を周方向に回転させる。そして、ガラスパイプ51を加熱することにより、ガラスパイプ51の内面及びガラスロッド50の外周面に付着する水分を除去する。その後、ガラスパイプ51のシールボックス23b側の任意の位置(以下、開始位置とする)を酸水素火炎バーナ25で加熱する。ガラスパイプ51とガラスロッド50とが周方向の全体にわたって一体化された後、ガス供給系からのCl2ガス供給を停止し、バルブ29vを開ける。すると、ガラスパイプ51内部が真空ポンプ24により減圧され、その圧力がガラスパイプ51外部の圧力より低くなる。この様子を図3(b)に示す。なお、バルブ9vを開けるタイミングがガラスパイプ51とガラスロッド50との一部が一体化された時よりも遅くなってしまった場合にガラスパイプ51に過大な圧力がかかってしまう。これを防ぐため、ガラスパイプ51に印加され得る圧力は適宜調整されるべきことは言うまでもない。
【0033】
この後、ガラスパイプ51を回転させたまま、上記の開始位置からシールボックス23aの方向へ酸水素火炎バーナ25を移動させ、ガラスパイプ51とガラスロッド50とを加熱一体化して行く。これにより、両者が所定の長さにわたって加熱一体化されて、光ファイバ母材が完成する。
【0034】
以上、参考例による光ファイバ母材の製造方法によれば、加熱一体化の前には、ガラスロッド50が挿入されたガラスパイプ51の内部空間に塩素ガスが流される。この塩素ガスと同時に、シールボックス3bへ上記の塩素ガスとは別の経路からCl2ガスが流される。よって、ガラスパイプ51の内部空間の圧力をその外部の気圧よりも高く保つのが容易化される。そして、内部空間の圧力が外部の気圧よりも高く保たれた状態で、シールボックス3b側の任意の位置において、ガラスパイプ51及びガラスロッド50の一部が周方向の全体にわたって加熱一体化される。その後、ガラスパイプ51の内部が減圧され、先に加熱一体化された位置からシールボックス3aの方向へガラスパイプ51とガラスロッド50とが加熱一体化される。したがって、外気がガラスパイプ51の内部に侵入することはなく、外気中に含まれる水分が作製される光ファイバ母材に混入することがない。そのため、OH損失が低減された光ファイバの製造を可能とする光ファイバ母材が製造される。
【0035】
(実施例)
実施例として光ファイバ母材を製造した。本実施例は第1の実施形態に対応する。また、この光ファイバ母材から光ファイバを製造し、その伝送特性を評価した。以下に、これらの結果について述べる。図4は、実施例の光ファイバ母材が有する屈折率分布を示す図である。図示の通り、光ファイバ母材は、コア部と、コア部の周囲に第1クラッド部と、第1クラッド部の周囲に第2クラッド部とを有する。
【0036】
このような光ファイバ母材の製造に当り、先ず、コア部となるべきガラスロッド、第1クラッド部となるべき第1のガラスパイプ、及び第2クラッド部となるべき第2のガラスパイプを用意した。ガラスロッドは、VAD法を用いて作製された石英ガラス製であり、直径10.5mmを有する。また、ガラスロッドにはGeが添加されている。その比屈折率差は、純石英ガラスに対して、中心部で最大値1.45%であり、1.45×[1−(r/a)2](%)で表される関係を満たすよう変化している。ただし、a(mm)は半径であり、r(r≦a)(mm)はガラスロッドの中心軸からの距離である。
【0037】
第1のガラスパイプは、VAD法により得た石英ガラス焼結体から作製されたものである。この焼結体にはFが添加されており、純石英ガラスに対する比屈折率差は−0.45%である。超音波孔開け機などを用いて当該焼結体の中心軸に沿って直径12mmの孔を開け、さらに所定の酸水素火炎バーナを用いて延伸するとともに透明ガラス化した。これにより、第1のガラスパイプを得た。第1のガラスパイプの外径は35mmであり、内径は7mmである。第2のガラスパイプは、Fの添加がなく高純度石英ガラス製である点を除き、第1のガラスパイプと同様に作製された。第2のガラスパイプの外径は30mmであり、内径は5.5mmである。なお、高純度石英ガラスとは、意図的には添加物を添加していない石英ガラスを意味し、純度として具体的には99.9〜100%の石英ガラスを意味する。
【0038】
次に、第1のガラスパイプの内径を調整するために、その内面のエッチングを行なった。すなわち、第1のガラスパイプを母材製造装置1のパイプ保持部材2に取り付けるとともに、シールボックス3a,3bを第1のガラスパイプに取り付けた。ガラスパイプの内部に所定のガス供給系からの六弗化硫黄(SF6)ガス及び塩素(Cl2)ガスを流した。これらの流量は、SF6ガスについては200cm3/minとし、Cl2ガスについては100cm3/minとした。その後、第1のガラスパイプを酸水素火炎バーナ5により加熱した。このとき、第1のガラスパイプを周方向に回転させるとともに、酸水素火炎バーナ5をガラスパイプの長手方向に往復させてエッチング量が均一となるようにした。このエッチングにより第1のガラスパイプの内径を13mm程度とした。
【0039】
続いて、内径が所定の値となった第1のガラスパイプを母材製造装置1に取り付けたまま、その内部にガラスロッドを挿入し、ガス供給系からCl2ガスを供給した。このとき、Cl2ガスの流量は、第1のガラスパイプ内及びバイパス管8共に500cm3/minとした。これにより、ガラスロッドと第1のガラスパイプとの間隙部の圧力を外気圧よりも高くした。続いて、ガラスパイプの表面温度が500℃以上1400℃以下となるように酸水素火炎バーナ5を用いて加熱した。これにより、ガラスロッドを第1のガラスパイプ内に挿入した際にガラスロッドの外周面及び第1のガラスパイプの内面に付着した水分を除去した。
【0040】
次に、ガラスロッド及び第1のガラスパイプの回転速度を30rpmとした。そして、シールボックス3b側の所定の位置において、第1のガラスパイプの表面温度が1400℃〜1600℃といった温度となるよう酸水素火炎バーナ5を用いて加熱し、ガラスロッドと第1のガラスパイプとを加熱一体化した。両者が全周にわたって十分に一体化した後、バルブ8vを閉めるとともにバルブ9vを開け、真空ポンプ4によりガラスロッドと第1のガラスパイプとの間隙部を減圧した。このとき、間隙部の圧力を2.5×103Paとなるよう調整した。その後、酸水素火炎バーナ5をすでに加熱一体化された部分からシールボックス3aに向かう方向へ2mm/分の速度で移動させながら、ガラスロッドと第1のガラスパイプとを加熱一体化した。以上により、ガラスロッドと第1のガラスパイプとが加熱一体化された第1コラプス体を得た。
【0041】
続いて、第1コラプス体をその外径が13.6mmとなるよう所定の酸水素火炎バーナで延伸した。その後、延伸された第1コラプス体の外周を弗化水素酸(HF)水溶液により化学研削し、外径が8mmであるガラス体を得た。これにより、コア部径と第1クラッド部径との比を0.51とした。この値は、最終製造物である光ファイバの分散特性が所望の値となるに適した値である。また、第1コラプス体を酸水素火炎バーナで延伸したため、延伸後の第1コラプス体の表層部にはOH基を多数含む層が形成されている。上記の化学研削はこのOH基を多数含む層を除去するという役割を有する。上述の通り、化学研削による研削量は約5mmであるため、OH基を含む層は十分に除去される。
【0042】
次に、第2のガラスパイプが所望の内径となるように、その内面のエッチングを行なった。このエッチングの手順及び条件は、第1のガラスパイプの内面をエッチングしたときと略同一である。このエッチングにより、第2のガラスパイプの内径を10.5mm程度とした。
【0043】
第2のガラスパイプの内面をエッチングした後、第2のガラスパイプを母材製造装置1に取り付けたまま、上記のガラス体を第2のガラスパイプ内に挿入した。その後、これら両者の間隙部及びバイパス管8共に500cm3/minの流量でCl2ガスを流した。間隙部に残留する空気がCl2ガスで置換された後、酸水素火炎バーナ5により第2のガラスパイプの表面温度が500℃以上1400℃以下となるように加熱し、ガラス体の外周面及び第2のガラスパイプの内面に吸着する水分を除去した。
【0044】
続いて、ガラス体及び第2のガラスパイプの回転速度を30rpmに設定した。シールボックス3b側の所定の位置において、第2のガラスパイプの表面温度が1400℃〜1600℃といった温度となるよう酸水素火炎バーナ5を用いて加熱し、第2のガラスパイプとガラス体とを加熱一体化した。両者が全周にわたって十分に一体化した後、バルブ8vを閉めるとともにバルブ9vを開け、ガラス体と第2のガラスパイプとの間隙部の圧力が2.9×102Paとなるよう真空ポンプ4により減圧した。その後、酸水素火炎バーナ5をすでに加熱一体化された部分からシールボックス3aに向かう方向へ2mm/分の速度で移動させながら、ガラス体と第2のガラスパイプとを加熱一体化した。以上により、ガラス体と第2のガラスパイプとが加熱一体化された第2コラプス体を得た。
【0045】
次に、第2コラプス体の外周に所定の厚さのジャケット部をVAD法により堆積させ、光ファイバ母材を完成した。この光ファイバ母材を所定の線引き装置を用いて線引きし、外径が125μmの光ファイバを製造した。その後、この光ファイバの光伝送特性の波長依存性を調べた。その結果を図5に示す。同図において、波長1.38μmにOH基による0.35dB/km程度の吸収損失が認められる。この程度の損失値は、上述した従来の光ファイバ母材の製造方法による光ファイバ母材から製造した光ファイバの半分程度であり、この結果から、本実施例の光ファイバ母材の効果が理解される。
【0046】
以上、幾つかの実施形態と実施例を示して本発明に係る光ファイバ母材の製造方法及び製造装置を説明したが、本発明はこれらに限定されることなく、様々な変形が可能である。例えば、母材製造装置1においてバルブ8v,9vを用いたが、これらに替わり四方弁を使用しても構わない。また、上記の実施形態及び実施例においてはCl2ガスが使用されたが、ハロゲンを含むガスを使用して良い。また、Cl2ガス及び乾燥N2ガス又は乾燥不活性ガス等の混合ガスを用いても構わない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法によれば、ガラスパイプとガラスロッドとの間隙部にハロゲンを含むガスが流され、ガラスパイプの内部の圧力が外部の圧力よりも高く保たれる。そのため、ガラスパイプ内に外気が侵入するのが防止される。また、ガラスパイプ内の圧力が外気圧より高い状態で、ガラスパイプの一方端側の所定の位置においてガラスパイプ及びガラスロッドが加熱一体化される。その後、他方端からガラスパイプの内部の圧力が外部の圧力よりも低くされる。このとき、加熱一体化された部分によって間隙部が密閉されているので、ガラスパイプの内部が減圧されても、外気が侵入することはない。すなわち、上記の製造方法によれば、ガラスパイプの内面及びガラスロッドの外周面が外気に含まれる水分に汚染されることはない。その結果、OH損失が低減された光ファイバを製造できる光ファイバ母材が製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、第1の実施形態による光ファイバ母材の製造装置の構造を示す概略図である。
【図2】 図2(a)は、ガラスロッドとガラスパイプとを加熱一体化する前のCl2ガスの流れを示す図である。図2(b)は、ガラスロッドとガラスパイプとの一部が加熱一体化された後のCl2ガスの流れを示す図である。
【図3】 図3(a)は、参考例による光ファイバ母材製造装置の構造と、ガラスロッドとガラスパイプとが加熱一体化される前のCl2ガスの流れとを示す図である。図3(b)は、当該光ファイバ母材製造装置の構造と、ガラスロッドとガラスパイプとの一部が加熱一体化された後のCl2ガスの流れとを示す図である。
【図4】 図4は、実施例の光ファイバ母材が有する屈折率分布を示す図である。
【図5】 図5は、実施例の光ファイバ母材から製造した光ファイバの光伝送特性の波長依存性を示すグラフである。
【図6】 図6は、従来の母材製造装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1…母材製造装置、2,22…パイプ保持部材、3a,3b,23a,23b…シールボックス、4,24…真空ポンプ、5,25…酸水素火炎バーナ、6,26…基台、7…ガス供給管、8…バイパス管、8v,9v…バルブ、9,29…減圧管、10,32…排気管、21…母材製造装置、27…ガス供給管、29v…バルブ、29…減圧管、31…補助管、50…ガラスロッド、51…ガラスパイプ、100…母材製造装置、101…ガス管、102…パイプ保持部材、103a,103b…継手、104…真空ポンプ、105…熱源、150…ガラスロッド、151…ガラスパイプ。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention includes glass in a glass pipe.rodAnd an apparatus for manufacturing the optical fiber preform by heating and integrating the two.
[0002]
[Prior art]
The rod-in collapse method, in which a glass rod having a higher refractive index than that of the glass pipe is inserted into the glass pipe and then heated to integrate them, is a mother for an optical fiber having a complicated structure such as a dispersion compensating fiber or a dispersion shifted fiber. Widely used as a method suitable for manufacturing materials.
[0003]
However, in the rod-in collapse method, if water vapor or the like in the atmosphere remains in the gap between the glass pipe and the glass rod, moisture will be taken into the optical fiber preform after the collapse. . When an optical fiber is manufactured from such a base material in which moisture is taken in, there is a problem in that the optical fiber has a large absorption loss (OH loss) due to OH groups.
[0004]
In order to solve such a problem, chlorine gas is allowed to flow through the gap between the glass rod and the glass pipe. FIG. 6 is a schematic view showing a conventional base material manufacturing apparatus 100. In the base material manufacturing method using the base material manufacturing apparatus 100, first, the glass pipe 151 is held by the pipe holding member 102, and the joints 103 a and 103 b are attached to the ends of the glass pipe 151. Next, a predetermined etching gas is caused to flow inside the glass pipe 151 and the inner surface of the glass pipe 151 is etched using the heat source 105, and then the glass rod 150 is inserted. Next, Cl is introduced into the glass pipe 151 from the gas pipe 101 through the joint 103b.2As the gas flows, the inside of the glass pipe 151 is depressurized by the vacuum pump 104. Then, while moving the heat source 105 from the joint 103b side toward the joint 103a, the glass pipe 151 and the glass rod 150 are heated and integrated to produce an optical fiber preform. In the above manufacturing method using the base material manufacturing apparatus 100, moisture adsorbed on the inner surface of the glass pipe 151 and the outer peripheral surface of the glass rod 150 is removed by chlorine gas flowing between the glass pipe 151 and the glass rod 150. Is done. Therefore, an optical fiber preform that can manufacture an optical fiber with reduced OH loss is manufactured.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, as a result of extensive studies by the present inventors, the following has become clear. In the base material manufacturing apparatus 100, a sealing material is usually used for the connecting portion between the joint 103b and the glass pipe 151, but the glass pipe 151 is not completely hermetically sealed by the sealing material. Moreover, in the above conventional manufacturing method, the inside of the glass pipe 151 is kept at a lower pressure than the outside by the vacuum pump 104. For example, as shown by an arrow A in FIG. Outside air was sometimes drawn from the club. For this reason, moisture contained in the outside air is adsorbed on the inner surface of the glass pipe 151 and the outer peripheral surface of the glass rod 150. When heat integration is performed in this state, moisture is taken into the optical fiber preform. Therefore, the OH loss cannot be sufficiently reduced in an optical fiber manufactured from this optical fiber preform.
[0006]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a method of manufacturing an optical fiber preform that enables manufacturing of an optical fiber with reduced OH loss.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
[0009]
  Main departureClearlyThe optical fiber preform manufacturing method is a method for manufacturing an optical fiber preform by inserting a glass rod into a glass pipe and heating and integrating them with a heat source. (1) The glass rod is placed in the glass pipe. In the inserted state, a first flow path from the gas supply section to one end of the glass pipe, a second flow path from this one end through the glass pipe to the other end of the glass pipe, and from the other end to the exhaust section A gas containing halogen is flowed so as to sequentially pass through the third flow path to keep the pressure in the glass pipe higher than the external pressure, and the fourth flow path from the first flow path to the third flow path is maintained. A gas containing halogen is allowed to flow, (2) the glass rod and the glass pipe are heated and integrated at an arbitrary position on the other end side of the glass pipe, and (3) the fourth flow path is closed and the glass is introduced from one end of the glass pipe. pipe The gas containing halogen is exhausted to lower the pressure inside the glass pipe below the external pressure. (4) Heat the glass pipe and glass rod by moving the heat source in a direction from one position toward one end. It is characterized by being integrated.
[0010]
In the above manufacturing method, a halogen-containing gas is caused to flow inside the glass pipe in which the glass rod is inserted, and the pressure inside the glass pipe is kept higher than the external pressure. This prevents outside air from entering the glass pipe. Further, the glass pipe and the glass rod are heated and integrated at a predetermined position on the other end side of the glass pipe in a state where the pressure in the glass pipe is higher than the pressure outside the glass pipe. Thereafter, the inside of the glass pipe is depressurized from one end. At this time, since the inside of the glass pipe is hermetically sealed by the heat-integrated portion, even if the inside of the glass pipe is decompressed, the outside air does not enter the glass pipe. That is, according to said manufacturing method, the inner surface of a glass pipe and the outer peripheral surface of a glass rod are not contaminated with the water | moisture content contained in external air. Further, since a gas containing halogen is caused to flow into the glass pipe, the moisture adsorbed on the inner surface of the glass pipe and the outer peripheral surface of the glass rod from the beginning is effectively removed. Therefore, moisture is prevented from being mixed into the optical fiber preform. Therefore, an optical fiber preform that enables the production of an optical fiber with reduced OH loss is manufactured.

[0012]
An optical fiber preform manufacturing apparatus according to the present invention is a manufacturing apparatus for manufacturing an optical fiber preform by inserting a glass rod into a glass pipe and heating and integrating them with a heat source. A supply pipe for supplying halogen-containing gas into the inserted glass pipe, (2) an exhaust pipe for exhausting the halogen-containing gas supplied into the glass pipe, and (3) connection to the supply pipe and the exhaust pipe A bypass pipe, (4) a decompression pipe having one end connected to the supply pipe, (5) a vacuum pump connected to the other end of the decompression pipe, and lowering the pressure inside the glass pipe from the outside; 6) A valve that opens and closes the fluid passages of the bypass pipe and the decompression pipe, respectively.
[0013]
The optical fiber preform referred to here is a member used for manufacturing an optical fiber by drawing, or used to manufacture a so-called optical fiber preform by synthesizing a jacket portion on the side surface. It means a member such as an optical fiber preform intermediate or precursor.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of an optical fiber preform manufacturing apparatus and method according to the present invention will be described with reference to the drawings. In the description of the drawings, the same elements are denoted by the same reference numerals, and redundant descriptions are omitted.
[0015]
(First embodiment)
FIG. 1 is a schematic view showing the structure of an optical fiber preform manufacturing apparatus according to the first embodiment. In the figure, a base material manufacturing apparatus 1 includes a pipe holding member 2 that holds a glass pipe, and seal boxes 3a and 3b that are attached to end portions of the glass pipe. Further, the base material manufacturing apparatus 1 includes a vacuum pump 4 for decompressing the inside of the glass pipe, an oxyhydrogen flame burner 5 for heating and integrating the glass pipe and the glass rod, and a base 6 to which the pipe holding member 2 is fixed. Prepare. A gas supply pipe 7 is connected to the seal box 3a, and an exhaust pipe 10 is connected to the seal box 3b. The gas supply pipe 7 guides gas supplied from a gas supply system (not shown) to the seal box 3a. From the gas supply system, chlorine (Cl2) Gas such as gas with high dehydration effect or sulfur fluoride (SF)6Etching gas is supplied. The gas supply pipe 7 is provided with a bypass pipe 8 branched from the gas supply pipe 7 to reach the seal box 3b. The gas supply pipe 7 is provided with a decompression pipe 9 that branches from the gas supply pipe 7 and is connected to the vacuum pump 4. The bypass pipe 8 is provided with a valve 8v, and the decompression pipe 9 is provided with a valve 9v. By operating these valves 8v and 9v, the gas flow path can be determined.
[0016]
The pipe holding member 2 is rotatably provided and is rotated by a rotation driving device (not shown) provided on the base 6. Thereby, the glass pipe 51 hold | maintained at the pipe holding member 2 can be rotated in the circumferential direction. The seal boxes 3a and 3b have a seal material (not shown) at a position in contact with the end of the glass pipe. The sealing material may be made of a material such as Viton (trade name). The seal boxes 3a and 3b and the glass pipe 51 are brought into close contact with each other by this sealing material. The seal boxes 3a and 3b are also rotatably provided. Therefore, the seal boxes 3a and 3b rotate with the glass pipe 51 rotated in the circumferential direction by the pipe holding member 2.
[0017]
Next, a method for manufacturing an optical fiber preform according to the first embodiment using the preform manufacturing apparatus 1 will be described with reference to FIGS. FIG. 2 (a) shows Cl before heating and integrating the glass rod and the glass pipe.2It is a figure which shows the flow of gas. FIG. 2 (b) shows Cl after the glass rod and glass pipe are partially heated and integrated.2It is a figure which shows the flow of gas.
[0018]
First, a glass rod 50 to be a core portion of the optical fiber preform and a glass pipe 51 to be a cladding portion of the optical fiber preform are prepared. The glass rod 50 may be produced, for example, by the VAD method, and is preferably made of quartz glass containing Ge. Further, the relative refractive index difference of the glass rod 50 with respect to pure quartz glass can be set to about 1.45%, for example. The glass pipe 51 may be manufactured by, for example, the VAD method, and is preferably made of quartz glass to which F is added. The relative refractive index difference of the glass pipe 51 with respect to pure quartz glass can be set to, for example, about -0.45%. After the glass rod 50 and the glass pipe 51 are prepared, the glass pipe 51 is attached to the pipe holding member 2, the seal box 3a is attached to one end of the glass pipe 51, and the seal box is attached to the other end. Install 3b.
[0019]
Thereafter, the valve 9v is closed and the valve 8v is opened.6Gas and Cl2Each gas is supplied at a predetermined flow rate. Thereby, the inside of the glass pipe 51 is replaced with these gases. The glass pipe 51 is heated using the oxyhydrogen flame burner 5 with the above gas flowing, and the inner surface of the glass pipe 51 is etched. Here, the oxyhydrogen flame burner 5 is moved at a substantially constant speed in a portion to be an effective portion of the glass pipe 51 so that the etching amount becomes substantially constant. After the inner diameter of the glass pipe 51 reaches a predetermined value by this etching, the etching is terminated.
[0020]
Subsequently, the seal box 3b is removed from the glass pipe 51, and the glass rod 50 is inserted into the glass pipe. After the seal box 3b is attached to the glass pipe 51 again, Cl is supplied from the gas supply system.2Supply gas. At this time, the valve 8v is open and the valve 9v is closed. Therefore, as shown in FIG.2Gas flows through two paths. One of them is a path (hereinafter referred to as path 1) from the gas supply pipe 7 through the seal box 3a and the glass pipe 51 to the seal box 3b. The other is a path (hereinafter referred to as path 2) from the gas supply pipe 7 through the bypass pipe 8 to the seal box 3b. Cl flowing through these paths2The gas flow rate is set so that the pressure in the gap between the glass rod 50 and the glass pipe 51 is higher than the atmospheric pressure outside the glass pipe 51. As described above, when the pressure in the gap between the glass pipe 50 and the glass pipe 51 is higher than the external pressure, a pressure higher than the external pressure is also applied to the portion of the seal box 3 b in contact with the glass pipe 51. This prevents outside air from entering the inside of the seal box 3b. Where Cl2The flow rate of the gas may be appropriately determined according to the thickness of the glass pipe used. For example, this flow rate is 250 cmThree/ Min or more 1000cmThree/ Min or less is preferable. 250cmThreeWhen it is less than / min, intrusion of outside air cannot be sufficiently prevented. 1000cmThreeWhen it is more than / min, the glass pipe is deformed in the heating section. Furthermore, this flow rate is 500cmThree/ Min or more 1000cmThree/ Min or less is more preferable.
[0021]
The inside of the glass pipe 51 is Cl2After sufficiently replacing with gas, the glass pipe 51 is heated with the oxyhydrogen flame burner 5 while the pressure inside the glass pipe 51 is kept higher than the pressure outside the glass pipe 51, and dehydration is performed. Thereby, the water | moisture content adhering to the outer peripheral surface of the glass rod 50 and the inner surface of the glass pipe 51 is removed. Thereafter, the glass pipe 51 and the glass rod are placed at an arbitrary position (hereinafter referred to as a start position) of the glass pipe 51 on the seal box 3b side while keeping the pressure inside the gap (gap) higher than the pressure outside the glass pipe 51. 50 and a part are heated and integrated. Here, the glass pipe 51 is rotated by the pipe holding member 2, and the glass pipe 51 and the glass rod 50 are uniformly integrated over the whole circumferential direction. Then, after being integrated over the entire circumferential direction, Cl from the gas supply system2The gas supply is stopped, the valve 8v is closed, and the valve 9v is opened. Then, Cl in the gap between the glass pipe 51 and the glass rod 50 is obtained.2The gas is exhausted by the vacuum pump 4, and the pressure in the gap becomes lower than the external pressure. Cl in the gap2FIG. 2B shows how the gas is exhausted.
[0022]
Thereafter, while the glass pipe 51 is rotated, the glass pipe 51 and the glass rod 50 are heated and integrated while moving the oxyhydrogen flame burner 5 from the start position toward the seal box 3a. Thereby, both are heat-integrated over predetermined length, and an optical fiber preform is completed.
[0023]
Then, the effect which the manufacturing method of the optical fiber preform by a 1st embodiment has is explained. Before being integrated with the glass pipe 51 and the glass rod 50 by heating, chlorine gas is flowed into the internal space of the glass pipe 51, and the pressure thereof is kept higher than the external pressure. For this reason, outside air is prevented from entering the glass pipe 51. Further, the glass pipe 51 and a part of the glass pipe 51 are heated and integrated over the entire circumferential direction in a state where the pressure in the internal space of the glass pipe 51 is higher than the atmospheric pressure outside the glass pipe 51, and then the pressure inside the glass pipe 51 Is made lower than the external pressure. At this time, since one side of the glass pipe 51 is closed by heat integration, the outside air does not enter even if the internal space is decompressed. Therefore, the inner surface of the glass pipe 51 and the outer peripheral surface of the glass rod 50 are not contaminated with moisture. Therefore, the mixing of moisture into the optical fiber preform is prevented.
[0024]
Further, the glass pipe 51 and the glass rod 50 are heated and integrated by moving the oxyhydrogen flame burner 5 toward the seal box 3a in a state where the internal pressure of the glass pipe 51 is lower than the external pressure. The If heat integration is performed without lowering the internal pressure of the glass pipe below the external pressure, a large number of bubbles are generated between the glass pipe and the glass rod. However, in this embodiment, since the internal pressure of the glass pipe 51 is lower than the external pressure, the generation of bubbles is suppressed.
[0025]
Moreover, the base material manufacturing apparatus 1 has the following advantages. When the glass pipe 51 and the glass rod 50 are integrated over the entire circumferential direction at the start position, Cl2The gas will flow only through the path 2. When the path 2 is not provided, the glass pipe 51 has Cl.2Gas pressure is applied. If this pressure is too high, the glass pipe 51 may be deformed. However, in the base material manufacturing apparatus 1, Cl2Since the gas flows to the path 2, an excessive pressure is not applied to the glass pipe 51, and the glass pipe 51 is not deformed. Furthermore, the situation where the seal box 3a is detached or the glass pipe 51 is broken is also prevented.
[0026]
(Reference example)
  FIG. 3 (a)Reference exampleFIG. 3 is a diagram showing the structure of the optical fiber preform manufacturing apparatus according to, and the flow of Cl2 gas before the glass rod and the glass pipe are heated and integrated. FIG. 3B is a diagram showing the structure of the optical fiber preform manufacturing apparatus and the flow of the Cl2 gas after a part of the glass rod and the glass pipe is heated and integrated. 3 (a) and 3 (b), the base material manufacturing apparatus 21 includes a pipe holding member 22 for holding the glass pipe, seal boxes 23a and 23b attached to the end of the glass pipe, and the internal pressure of the glass pipe to the outside. A vacuum pump 24 for lowering the pressure of the oxyhydrogen flame, a oxyhydrogen flame burner 25 for heating and integrating the glass pipe and the glass rod, and a base 26 to which the pipe holding member 22 is fixed. A gas supply pipe 27 is connected to the seal box 23a, and an auxiliary pipe 31 and an exhaust pipe 32 are connected to the seal box 23b.
[0027]
The pipe holding member 22 is rotatably provided and is rotated by a rotation driving device (not shown) provided on the base 26. Thereby, the glass pipe 51 hold | maintained at the pipe holding member 22 rotates in the circumferential direction. The seal boxes 23a and 23b have a seal material made of a material such as Viton (trade name) at a position in contact with the end of the glass pipe. The seal boxes 23 a and 23 b are also rotatably provided and rotate together with the glass pipe 51 that is rotated in the circumferential direction by the pipe holding member 22.
[0028]
The gas supply pipe 27 guides gas supplied from a gas supply system (not shown) to the seal box 23a. From the gas supply system, chlorine (Cl2) Gas such as gas with high dehydration effect or sulfur fluoride (SF6Etching gas is supplied. The gas supply pipe 27 is provided with a decompression pipe 29 branched from the gas supply pipe 27 and connected to the vacuum pump 24. The pressure reducing pipe 29 is provided with a valve 29v. By opening the valve 29v, the pressure inside the glass pipe 51 can be made lower than the outside pressure.
[0029]
  Subsequently, the base material manufacturing apparatus 21 was used.Reference exampleAn optical fiber preform manufacturing method according to the above will be described. First, a glass rod 50 to be a core portion of the optical fiber preform and a glass pipe 51 to be a cladding portion of the optical fiber preform are prepared. These may be substantially the same as those prepared in the first embodiment. Next, the glass pipe 51 is attached to the pipe holding member 22, the seal box 23a is attached to one end of the glass pipe 51, and the seal box 23b is attached to the other end.
[0030]
After that, with the valve 29v closed, the SF from the gas supply system6Gas and Cl2Each gas is supplied into the glass pipe 51 at a predetermined flow rate. While flowing the gas, the glass pipe 51 is rotated in the circumferential direction, and the glass pipe 51 is heated using the oxyhydrogen flame burner 25. Thereby, the inner surface of the glass pipe 51 is etched. Here, the oxyhydrogen flame burner 25 is moved at a substantially constant speed in a portion to be an effective portion of the glass pipe 51. As a result, the etching amount is substantially constant in the portion that is to become the effective portion.
[0031]
  After the etching is completed, the seal box 23b is removed from the glass pipe 51, and the glass rod 50 is inserted into the glass pipe. After the seal box 23 b is attached to the glass pipe 51 again, Cl 2 gas from the gas supply system is caused to flow into the glass rod 50. The flow rate of the Cl2 gas is appropriately adjusted so that the internal pressure of the glass pipe 51 is higher than the atmospheric pressure outside the glass pipe 51. For example, the flow rate of the Cl2 gas is preferably 250 cm3 / min or more and 500 cm3 / min or less. If this flow rate is less than 250 cm <3> / min, intrusion of outside air cannot be sufficiently prevented.Reference exampleUnlike the base material manufacturing apparatus 1 in the first embodiment, the base material manufacturing apparatus 21 does not have the path 2 described above. Therefore, intrusion of outside air can be prevented with a smaller flow rate than in the case of the first embodiment. Therefore, the flow rate may be about 500 cm3 / min at the maximum. At the same time as Cl2 gas is supplied from the gas supply system, Cl2 gas is supplied from the auxiliary pipe 31 to the seal box 23b. Thereby, it becomes easy to make the internal pressure of the seal box 23b higher than the external pressure. Therefore, the internal pressure of the glass pipe 51 can be easily maintained higher than the external pressure.
[0032]
The inside of the glass pipe 51 is Cl2After being replaced with gas, the glass pipe 51 is rotated in the circumferential direction while keeping the pressure inside the glass pipe 51 higher than the external pressure. And the water | moisture content adhering to the inner surface of the glass pipe 51 and the outer peripheral surface of the glass rod 50 is removed by heating the glass pipe 51. FIG. Thereafter, an arbitrary position (hereinafter referred to as a start position) of the glass pipe 51 on the seal box 23 b side is heated by the oxyhydrogen flame burner 25. After the glass pipe 51 and the glass rod 50 are integrated over the entire circumferential direction, Cl from the gas supply system2The gas supply is stopped and the valve 29v is opened. Then, the inside of the glass pipe 51 is depressurized by the vacuum pump 24, and the pressure becomes lower than the pressure outside the glass pipe 51. This is shown in FIG. In addition, when the timing which opens valve | bulb 9v becomes later than the time when the glass pipe 51 and a part of glass rod 50 are integrated, an excessive pressure will be applied to the glass pipe 51. FIG. In order to prevent this, it goes without saying that the pressure that can be applied to the glass pipe 51 should be adjusted as appropriate.
[0033]
Thereafter, while the glass pipe 51 is rotated, the oxyhydrogen flame burner 25 is moved from the start position toward the seal box 23a, and the glass pipe 51 and the glass rod 50 are integrated by heating. Thereby, both are heat-integrated over predetermined length, and an optical fiber preform is completed.
[0034]
  more than,Reference exampleAccording to the method for manufacturing an optical fiber preform, chlorine gas is caused to flow into the internal space of the glass pipe 51 into which the glass rod 50 is inserted before the heating integration. Simultaneously with this chlorine gas, Cl2 gas is caused to flow into the seal box 3b from a path different from the above chlorine gas. Therefore, it is facilitated to keep the pressure in the internal space of the glass pipe 51 higher than the external atmospheric pressure. Then, in a state where the pressure in the internal space is kept higher than the external atmospheric pressure, a part of the glass pipe 51 and the glass rod 50 are heated and integrated over the entire circumferential direction at an arbitrary position on the seal box 3b side. . Thereafter, the inside of the glass pipe 51 is depressurized, and the glass pipe 51 and the glass rod 50 are heated and integrated in the direction of the seal box 3a from the position where they are previously heated and integrated. Therefore, the outside air does not enter the inside of the glass pipe 51, and the moisture contained in the outside air is not mixed into the optical fiber preform to be produced. Therefore, an optical fiber preform that can manufacture an optical fiber with reduced OH loss is manufactured.
[0035]
(Example)
As an example, an optical fiber preform was manufactured. This example corresponds to the first embodiment. Moreover, an optical fiber was manufactured from this optical fiber preform, and its transmission characteristics were evaluated. These results are described below. FIG. 4 is a diagram showing the refractive index distribution of the optical fiber preform of the example. As illustrated, the optical fiber preform has a core portion, a first cladding portion around the core portion, and a second cladding portion around the first cladding portion.
[0036]
In manufacturing such an optical fiber preform, first, a glass rod to be the core portion, a first glass pipe to be the first cladding portion, and a second glass pipe to be the second cladding portion are prepared. did. The glass rod is made of quartz glass produced using the VAD method and has a diameter of 10.5 mm. Further, Ge is added to the glass rod. The relative refractive index difference has a maximum value of 1.45% at the center of pure silica glass, 1.45 × [1− (r / a).2] (%) To meet the relationship. However, a (mm) is a radius and r (r <= a) (mm) is the distance from the central axis of a glass rod.
[0037]
The first glass pipe is made from a quartz glass sintered body obtained by the VAD method. F is added to this sintered body, and the relative refractive index difference with respect to pure quartz glass is −0.45%. A hole having a diameter of 12 mm was formed along the central axis of the sintered body using an ultrasonic punch, etc., and further stretched using a predetermined oxyhydrogen flame burner and made into a transparent glass. This obtained the 1st glass pipe. The first glass pipe has an outer diameter of 35 mm and an inner diameter of 7 mm. The second glass pipe was produced in the same manner as the first glass pipe except that it was made of high-purity quartz glass without addition of F. The second glass pipe has an outer diameter of 30 mm and an inner diameter of 5.5 mm. The high-purity quartz glass means quartz glass to which no additive is intentionally added, and specifically means 99.9 to 100% quartz glass as purity.
[0038]
Next, in order to adjust the inner diameter of the first glass pipe, the inner surface thereof was etched. That is, the first glass pipe was attached to the pipe holding member 2 of the base material manufacturing apparatus 1, and the seal boxes 3a and 3b were attached to the first glass pipe. Inside the glass pipe, sulfur hexafluoride (SF) from a specified gas supply system6) Gas and chlorine (Cl2) Flowed gas. These flow rates are SF6About gas 200cmThree/ Min, Cl2About gas 100cmThree/ Min. Thereafter, the first glass pipe was heated by the oxyhydrogen flame burner 5. At this time, the first glass pipe was rotated in the circumferential direction, and the oxyhydrogen flame burner 5 was reciprocated in the longitudinal direction of the glass pipe so that the etching amount became uniform. By this etching, the inner diameter of the first glass pipe was set to about 13 mm.
[0039]
Subsequently, with the first glass pipe having an inner diameter of a predetermined value attached to the base material manufacturing apparatus 1, a glass rod is inserted into the interior, and Cl is supplied from the gas supply system.2Gas was supplied. At this time, Cl2The gas flow rate is 500 cm in both the first glass pipe and the bypass pipe 8.Three/ Min. As a result, the pressure in the gap between the glass rod and the first glass pipe was made higher than the external pressure. Then, it heated using the oxyhydrogen flame burner 5 so that the surface temperature of a glass pipe might be 500 degreeC or more and 1400 degrees C or less. Thereby, when the glass rod was inserted into the first glass pipe, moisture adhered to the outer peripheral surface of the glass rod and the inner surface of the first glass pipe was removed.
[0040]
Next, the rotation speed of the glass rod and the first glass pipe was set to 30 rpm. Then, the glass rod and the first glass pipe are heated by using the oxyhydrogen flame burner 5 so that the surface temperature of the first glass pipe becomes 1400 ° C. to 1600 ° C. at a predetermined position on the seal box 3b side. And integrated with heating. After both were fully integrated over the entire circumference, the valve 8v was closed and the valve 9v was opened, and the vacuum pump 4 decompressed the gap between the glass rod and the first glass pipe. At this time, the pressure in the gap is set to 2.5 × 10ThreeIt adjusted so that it might become Pa. Thereafter, the glass rod and the first glass pipe were heated and integrated while moving the oxyhydrogen flame burner 5 from the already heat-integrated portion toward the seal box 3a at a speed of 2 mm / min. Thus, a first collapsed body in which the glass rod and the first glass pipe were integrated with heat was obtained.
[0041]
Subsequently, the first collapsed body was stretched with a predetermined oxyhydrogen flame burner so that its outer diameter was 13.6 mm. Thereafter, the outer periphery of the stretched first collapsed body was chemically ground with a hydrofluoric acid (HF) aqueous solution to obtain a glass body having an outer diameter of 8 mm. Thereby, the ratio of the core part diameter to the first cladding part diameter was set to 0.51. This value is a value suitable for achieving a desired dispersion characteristic of the optical fiber as the final product. In addition, since the first collapsed body is stretched by the oxyhydrogen flame burner, a layer containing a large number of OH groups is formed on the surface layer portion of the first collapsed body after stretching. The above-mentioned chemical grinding has a role of removing the layer containing many OH groups. As described above, since the amount of grinding by chemical grinding is about 5 mm, the layer containing OH groups is sufficiently removed.
[0042]
Next, the inner surface of the second glass pipe was etched so as to have a desired inner diameter. The etching procedure and conditions are substantially the same as when the inner surface of the first glass pipe is etched. By this etching, the inner diameter of the second glass pipe was set to about 10.5 mm.
[0043]
After etching the inner surface of the second glass pipe, the glass body was inserted into the second glass pipe while the second glass pipe was attached to the base material manufacturing apparatus 1. After that, both the gap portion and the bypass pipe 8 are 500 cm.ThreeCl at a flow rate of / min2Gas was flushed. The air remaining in the gap is Cl2After being replaced with gas, the surface temperature of the second glass pipe is heated by the oxyhydrogen flame burner 5 to 500 ° C. or higher and 1400 ° C. or lower and adsorbed on the outer peripheral surface of the glass body and the inner surface of the second glass pipe. Removed moisture.
[0044]
Subsequently, the rotation speed of the glass body and the second glass pipe was set to 30 rpm. At a predetermined position on the seal box 3b side, the second glass pipe and the glass body are heated by using the oxyhydrogen flame burner 5 so that the surface temperature of the second glass pipe is 1400 ° C. to 1600 ° C. Heat integrated. After both have been sufficiently integrated over the entire circumference, the valve 8v is closed and the valve 9v is opened, and the pressure in the gap between the glass body and the second glass pipe is 2.9 × 10.2The pressure was reduced by the vacuum pump 4 so as to be Pa. Thereafter, the glass body and the second glass pipe were heated and integrated while moving the oxyhydrogen flame burner 5 from the already heat-integrated portion in a direction toward the seal box 3a at a speed of 2 mm / min. As described above, a second collapsed body in which the glass body and the second glass pipe were integrated by heating was obtained.
[0045]
Next, a jacket portion having a predetermined thickness was deposited on the outer periphery of the second collapsed body by the VAD method to complete the optical fiber preform. This optical fiber preform was drawn using a predetermined drawing device to produce an optical fiber having an outer diameter of 125 μm. Then, the wavelength dependence of the optical transmission characteristic of this optical fiber was investigated. The result is shown in FIG. In the figure, an absorption loss of about 0.35 dB / km due to the OH group is observed at a wavelength of 1.38 μm. The loss value of this degree is about half of the optical fiber manufactured from the optical fiber preform by the conventional optical fiber preform manufacturing method described above, and from this result, the effect of the optical fiber preform of this embodiment is understood. Is done.
[0046]
As described above, the optical fiber preform manufacturing method and manufacturing apparatus according to the present invention have been described with reference to some embodiments and examples. However, the present invention is not limited thereto, and various modifications are possible. . For example, although the valves 8v and 9v are used in the base material manufacturing apparatus 1, a four-way valve may be used instead. In the above embodiment and examples, Cl2A gas is used, but a gas containing halogen may be used. In addition, Cl2Gas and dry N2A mixed gas such as gas or dry inert gas may be used.
[0047]
【The invention's effect】
As described above, according to the method of manufacturing an optical fiber preform according to the present invention, a gas containing halogen is caused to flow in the gap between the glass pipe and the glass rod, and the internal pressure of the glass pipe is made higher than the external pressure. Is also kept high. This prevents outside air from entering the glass pipe. Further, the glass pipe and the glass rod are heated and integrated at a predetermined position on one end side of the glass pipe in a state where the pressure in the glass pipe is higher than the external pressure. Thereafter, the pressure inside the glass pipe is made lower than the outside pressure from the other end. At this time, since the gap is sealed by the heat-integrated portion, even if the inside of the glass pipe is decompressed, the outside air does not enter. That is, according to said manufacturing method, the inner surface of a glass pipe and the outer peripheral surface of a glass rod are not contaminated with the water | moisture content contained in external air. As a result, an optical fiber preform that can manufacture an optical fiber with reduced OH loss is manufactured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing the structure of an optical fiber preform manufacturing apparatus according to a first embodiment.
FIG. 2 (a) is a view showing a flow of Cl2 gas before heating and integrating a glass rod and a glass pipe. FIG. 2B is a diagram showing the flow of Cl2 gas after a part of the glass rod and the glass pipe is heated and integrated.
FIG. 3 (a)Reference exampleFIG. 3 is a diagram showing the structure of the optical fiber preform manufacturing apparatus according to, and the flow of Cl2 gas before the glass rod and the glass pipe are heated and integrated. FIG. 3B is a diagram showing the structure of the optical fiber preform manufacturing apparatus and the flow of the Cl2 gas after a part of the glass rod and the glass pipe is heated and integrated.
FIG. 4 is a diagram illustrating a refractive index distribution of the optical fiber preform of the example.
FIG. 5 is a graph showing the wavelength dependence of the optical transmission characteristics of an optical fiber manufactured from the optical fiber preform of the example.
FIG. 6 is a schematic view showing a conventional base material manufacturing apparatus.
[Explanation of symbols]
  DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Base material manufacturing apparatus, 2,22 ... Pipe holding member, 3a, 3b, 23a, 23b ... Seal box, 4,24 ... Vacuum pump, 5,25 ... Oxyhydrogen flame burner, 6,26 ... Base, 7 DESCRIPTION OF SYMBOLS ... Gas supply pipe, 8 ... Bypass pipe, 8v, 9v ... Valve, 9, 29 ... Pressure reduction pipe, 10, 32 ... Exhaust pipe, 21 ... Base material manufacturing apparatus, 27 ... Gas supply pipe, 29v ... Valve, 29 ... Pressure reduction Pipe 31, auxiliary pipe, 50 glass rod, 51 glass pipe, 100 base material manufacturing apparatus, 101 gas pipe, 102 pipe holding member, 103 a, 103 b joint, 104 vacuum pump, 105 heat source, 150 ... Glass rod, 151 ... Glass pipe.

Claims (2)

ガラスロッドをガラスパイプ内に挿入し、両者を熱源により加熱一体化して光ファイバ母材を製造する方法であって、
前記ガラスロッドが前記ガラスパイプ内に挿入された状態で、ガス供給部から前記ガラスパイプの一方端へ至る第1流路、前記一方端から前記ガラスパイプ内を経て前記ガラスパイプの他方端へ至る第2流路、及び前記他方端から排気部へ至る第3流路を順次通過するようにハロゲンを含むガスを流して前記ガラスパイプ内の圧力をその外部の圧力よりも高く保つとともに、前記第1流路から前記第3流路へ至る第4流路にハロゲンを含むガスを流し、
前記ガラスパイプの他方端側の任意の位置において前記ガラスロッドと前記ガラスパイプとを加熱一体化し、
前記第4流路を閉止するとともに前記ガラスパイプの一方端から前記ガラスパイプ内のハロゲンを含むガスを排気して前記ガラスパイプ内の圧力をその外部の圧力よりも下げ、
前記任意の位置から前記一方端へと向かう方向に前記熱源を移動させて前記ガラスパイプと前記ガラスロッドとを加熱一体化することを特徴とする、光ファイバ母材の製造方法。
A method of manufacturing an optical fiber preform by inserting a glass rod into a glass pipe and heating and integrating them with a heat source,
In a state where the glass rod is inserted into the glass pipe, a first flow path from the gas supply unit to one end of the glass pipe, and from the one end to the other end of the glass pipe through the glass pipe. A gas containing halogen is flowed so as to sequentially pass through the second flow path and the third flow path from the other end to the exhaust section, and the pressure in the glass pipe is kept higher than the external pressure. Flowing a halogen-containing gas through a fourth flow path from one flow path to the third flow path;
The glass rod and the glass pipe are heated and integrated at an arbitrary position on the other end side of the glass pipe,
Closing the fourth flow path and exhausting the gas containing halogen in the glass pipe from one end of the glass pipe to lower the pressure in the glass pipe below its external pressure,
A method of manufacturing an optical fiber preform, wherein the heat source is moved in a direction from the arbitrary position toward the one end to heat and integrate the glass pipe and the glass rod.
ガラスロッドをガラスパイプ内に挿入し、両者を熱源により加熱一体化して光ファイバ母材を製造する製造装置であって、
前記ガラスロッドが挿入された前記ガラスパイプ内にハロゲンを含むガスを供給する供給管と、
前記ガラスパイプ内に供給されたハロゲンを含むガスを排気する排気管と、
前記供給管と前記排気管とに接続されたバイパス管と、
一方端が前記供給管に接続された減圧管と、
前記減圧管の他方端に接続され、前記ガラスパイプの内部をその外部より低圧にする真空ポンプと、
前記バイパス管及び前記減圧管の流体通路をそれぞれ開閉するバルブと、
を備えることを特徴とする光ファイバ母材の製造装置。
A manufacturing apparatus for manufacturing an optical fiber preform by inserting a glass rod into a glass pipe and heating and integrating them with a heat source,
A supply pipe for supplying a gas containing halogen into the glass pipe into which the glass rod is inserted;
An exhaust pipe for exhausting a gas containing halogen supplied into the glass pipe;
A bypass pipe connected to the supply pipe and the exhaust pipe;
A decompression pipe having one end connected to the supply pipe;
A vacuum pump connected to the other end of the pressure reducing pipe, and lowering the inside of the glass pipe from the outside thereof;
Valves for opening and closing the fluid passages of the bypass pipe and the pressure reducing pipe, respectively;
An optical fiber preform manufacturing apparatus comprising:
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