JP3900881B2 - Optical fiber preform manufacturing method and manufacturing apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスパイプ内にガラスロッドを挿入し、両者を加熱一体化して光ファイバ母材を製造する方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラスパイプ内にガラスパイプよりも屈折率の高いガラスロッドを挿入した後に両者を加熱して一体化するロッドインコラプス法は、分散補償ファイバ或いは分散シフトファイバといった複雑な構造を有する光ファイバ用の母材を製造するに適した方法として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、ロッドインコラプス法において、ガラスパイプとガラスロッドとの間隙部に大気中の水蒸気等が残留していた場合には、コラプス後の光ファイバ母材内に水分が取り込まれてしまうことになる。このような水分が取り込まれた母材から光ファイバを作製すると、その光ファイバにおいてはOH基に起因する吸収損失(OH損失)が大きくなってしまうという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するため、ガラスロッドとガラスパイプとの間隙部に塩素ガスを流すといったことが行われる。図6は、従来の母材製造装置100を示す概略図である。母材製造装置100を用いた母材製造方法においては、先ず、ガラスパイプ151がパイプ保持部材102に保持され、さらにガラスパイプ151の端部に継手103a,103bが取り付けられる。次に、ガラスパイプ151の内部に所定のエッチングガスが流され、熱源105を用いて、ガラスパイプ151の内面がエッチングされた後に、ガラスロッド150が挿入される。次に、ガス管101から継手103bを介してガラスパイプ151内にCl2ガスが流されるとともに、ガラスパイプ151の内部が真空ポンプ104により減圧される。そして、熱源105を継手103b側から継手103aの方へと移動させながら、ガラスパイプ151とガラスロッド150とを加熱一体化し光ファイバ母材が製造される。母材製造装置100を用いた上記の製造方法においては、ガラスパイプ151とガラスロッド150との間に流される塩素ガスにより、ガラスパイプ151の内面及びガラスロッド150の外周面に吸着する水分が除去される。そのため、OH損失が低減された光ファイバを製造可能な光ファイバ母材が製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下のことが明らかとなった。母材製造装置100においては、継手103bとガラスパイプ151との接続部には通常シール材が用いられるが、シール材によってもガラスパイプ151が完全に気密されるわけではなかった。しかも、上記従来の製造方法では、ガラスパイプ151の内部は真空ポンプ104によって外部よりも低圧に保たれるため、例えば、図6に矢印Aで示すように、シール材とガラスパイプ151との接触部から外気が引き込まれることがあった。そのため、ガラスパイプ151の内面及びガラスロッド150の外周面に、外気中に含まれる水分が吸着されることとなっていた。この状態で加熱一体化を行なうと、水分が光ファイバ母材に取り込まれることとなる。そのため、この光ファイバ母材から製造される光ファイバではOH損失を十分に低減することができなかった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、OH損失が低減された光ファイバの作製を可能とする光ファイバ母材の作製方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、ガラスロッドをガラスパイプ内に挿入し、両者を熱源により加熱一体化して光ファイバ母材を製造する方法であって、(1)ガラスロッドがガラスパイプ内に挿入された状態で、ガス供給部からガラスパイプの一方端へ至る第1流路、この一方端からガラスパイプ内を経てガラスパイプの他方端へ至る第2流路、及び他方端から排気部へ至る第3流路を順次通過するようにハロゲンを含むガスを流してガラスパイプ内の圧力をその外部の圧力よりも高く保つとともに、第1流路から第3流路へ至る第4流路にハロゲンを含むガスを流し、(2)ガラスパイプの他方端側の任意の位置においてガラスロッドとガラスパイプとを加熱一体化し、(3)第4流路を閉止するとともにガラスパイプの一方端からガラスパイプ内のハロゲンを含むガスを排気してガラスパイプ内の圧力をその外部の圧力よりも下げ、(4)任意の位置から一方端へと向かう方向に熱源を移動させてガラスパイプとガラスロッドとを加熱一体化することを特徴とする。
【0010】
上記の製造方法においては、ガラスロッドが挿入されたガラスパイプの内部にハロゲンを含むガスが流され、ガラスパイプの内部の圧力が外気圧よりも高く保たれる。そのため、ガラスパイプ内に外気が侵入するのが防止される。また、ガラスパイプ内の圧力がその外部の圧力よりも高い状態で、ガラスパイプの他方端側の所定の位置においてガラスパイプ及びガラスロッドが加熱一体化される。その後、一方端からガラスパイプ内が減圧される。このときには、加熱一体化された部分によってガラスパイプ内は密閉されているので、ガラスパイプ内が減圧されても、ガラスパイプ内に外気が侵入することはない。すなわち、上記の製造方法によれば、ガラスパイプの内面及びガラスロッドの外周面が外気に含まれる水分に汚染されることはない。また、ガラスパイプ内にハロゲンを含むガスが流されるため、ガラスパイプの内面及びガラスロッドの外周面に当初より吸着していた水分が効果的に除去される。よって、水分が光ファイバ母材に混入されるのが防止される。そのため、OH損失が低減された光ファイバの作製を可能とする光ファイバ母材が製造される。
【0012】
本発明に係る光ファイバ母材の製造装置は、ガラスロッドをガラスパイプ内に挿入し、両者を熱源により加熱一体化して光ファイバ母材を製造する製造装置であって、(1)ガラスロッドが挿入されたガラスパイプ内にハロゲンを含むガスを供給する供給管と、(2)ガラスパイプ内に供給されたハロゲンを含むガスを排気する排気管と、(3)供給管と排気管とに接続されたバイパス管と、(4)一方端が供給管に接続された減圧管と、(5)減圧管の他方端に接続され、ガラスパイプの内部をその外部より低圧にする真空ポンプと、(6)バイパス管及び減圧管の流体通路をそれぞれ開閉するバルブと、を備えることを特徴とする。
【0013】
なお、ここに言う光ファイバ母材とは、線引きして光ファイバを製造するのに用いられる部材、或いは、その側面にジャケット部を合成して所謂光ファイバプリフォームを製造するのに使用される光ファイバ母材中間体又は前駆体といった部材を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバ母材の製造装置及び方法の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による光ファイバ母材の製造装置の構造を示す概略図である。同図において、母材製造装置1は、ガラスパイプを保持するパイプ保持部材2、ガラスパイプの端部に取り付けられるシールボックス3a,3bを有する。また、母材製造装置1は、ガラスパイプの内部を減圧する真空ポンプ4、ガラスパイプとガラスロッドとを加熱一体化する酸水素火炎バーナ5、及びパイプ保持部材2が固定される基台6を備える。また、シールボックス3aにはガス供給管7が接続され、シールボックス3bには排気管10が接続されている。ガス供給管7は図示しないガス供給系から供給されるガスをシールボックス3aに導く。ガス供給系からは、塩素(Cl2)ガスといった脱水効果の高いガスや弗化硫黄(SF6)といったエッチングガスが供給される。ガス供給管7には、ガス供給管7から分岐してシールボックス3bに至るバイパス管8が設けられている。また、ガス供給管7には、ガス供給管7から分岐し真空ポンプ4に繋がる減圧管9が設けられている。バイパス管8にバルブ8vが設けられ、減圧管9にバルブ9vが設けられている。これらのバルブ8v,9vの操作により、ガスの流路を決定できる。
【0016】
パイプ保持部材2は回転可能に設けられており、基台6に備えられた回転駆動装置(図示せず)により回転される。これにより、パイプ保持部材2に保持されたガラスパイプ51を周方向に回転することができる。シールボックス3a,3bは、ガラスパイプの端部と接触する位置においてシール材(図示せず)を有する。このシール材は、例えばバイトン(Viton、商標名)といった材料から作製されてよい。このシール材により、シールボックス3a,3bとガラスパイプ51とが密着される。シールボックス3a,3bは、また、回転可能に設けられている。そのため、シールボックス3a,3bは、パイプ保持部材2により周方向に回転されるガラスパイプ51ととも回転する。
【0017】
続いて、母材製造装置1を用いた第1の実施形態による光ファイバ母材の製造方法について、図2(a),(b)を参照して説明する。図2(a)は、ガラスロッドとガラスパイプとを加熱一体化する前のCl2ガスの流れを示す図である。図2(b)は、ガラスロッドとガラスパイプとの一部が加熱一体化された後のCl2ガスの流れを示す図である。
【0018】
先ず、光ファイバ母材のコア部となるべきガラスロッド50と、光ファイバ母材のクラッド部となるべきガラスパイプ51とを用意する。ガラスロッド50は、例えばVAD法により作製されてよく、Geを含有する石英ガラスからなると好ましい。また、ガラスロッド50の純石英ガラスに対する比屈折率差は例えば1.45%程度とすることができる。ガラスパイプ51は、例えばVAD法で作製されてよく、Fが添加された石英ガラスからなると好ましい。また、ガラスパイプ51の純石英ガラスに対する比屈折率差は例えば−0.45%程度とすることができる。このようなガラスロッド50及びガラスパイプ51が用意された後、ガラスパイプ51をパイプ保持部材2に取り付け、このガラスパイプ51の一方の端部にシールボックス3aを取り付け、他方の端部にシールボックス3bを取り付ける。
【0019】
その後、バルブ9vを閉めるとともにバルブ8vを開け、ガス供給系よりSF6ガス及びCl2ガスをそれぞれ所定の流量で供給する。これにより、ガラスパイプ51の内部はこれらのガスで置換される。上記のガスを流したまま、酸水素火炎バーナ5を用いてガラスパイプ51を加熱し、ガラスパイプ51の内面をエッチングする。ここで、ガラスパイプ51の有効部となるべき部分において、酸水素火炎バーナ5をほぼ一定の速度で移動させ、エッチング量がほぼ一定となるようにする。このエッチングによりガラスパイプ51の内径が所定の値となった後、エッチングを終了させる。
【0020】
続けて、シールボックス3bをガラスパイプ51から取り外し、ガラスパイプの内部にガラスロッド50を挿入する。再びシールボックス3bをガラスパイプ51に取り付けた後、ガス供給系からCl2ガスを供給する。このとき、バルブ8vは開いており、バルブ9vは閉まっている。そのため、図2(a)に示す通り、Cl2ガスは2つの経路を流れる。その一方は、ガス供給管7からシールボックス3a及びガラスパイプ51を通ってシールボックス3bに至る経路(以下、経路1)である。他方は、ガス供給管7からバイパス管8を通ってシールボックス3bへ至る経路(以下、経路2)である。これらの経路を流れるCl2ガスの流量は、ガラスロッド50とガラスパイプ51との間隙部の圧力がガラスパイプ51の外側の気圧よりも高くなるように設定される。このようにガラスパイプ50とガラスパイプ51との間隙部の圧力が外気圧よりも高い場合には、シールボックス3bのシール材がガラスパイプ51と接する部分に対しても外圧より高い圧力が加わる。そのため、外気がシールボックス3bの内部に侵入するのが防止される。ここで、Cl2ガスの流量は、使用するガラスパイプの肉厚等に応じて適宜決定されてよい。例えば、この流量は250cm3/min以上1000cm3/min以下であると好適である。250cm3/minより少ない場合は、外気の侵入を十分に防止できない。また、1000cm3/minより多い場合は、加熱部でガラスパイプが変形するといった事態となる。さらに、この流量は500cm3/min以上1000cm3/min以下であると更に好適である。
【0021】
ガラスパイプ51の内部がCl2ガスで十分に置換された後、ガラスパイプ51の内部の圧力をその外部の圧力より高く保ったまま、ガラスパイプ51を酸水素火炎バーナ5で加熱して脱水処理を行なう。これにより、ガラスロッド50の外周面及びガラスパイプ51の内面に付着する水分を除去する。その後、ガラスパイプ51の内部(間隙部)の圧力をその外部の圧力よりも高く保ったまま、ガラスパイプ51のシールボックス3b側の任意の位置(以下、開始位置)でガラスパイプ51とガラスロッド50との一部を加熱一体化する。ここで、ガラスパイプ51をパイプ保持部材2により回転させて、ガラスパイプ51とガラスロッド50とを周方向全体にわたって均一に一体化させる。そして、周方向の全体にわたって一体化された後、ガス供給系からのCl2ガス供給を停止し、バルブ8vを閉めるとともにバルブ9vを開ける。すると、ガラスパイプ51とガラスロッド50との間隙部のCl2ガスは真空ポンプ4により排気され、間隙部の圧力は外気圧よりも低くなる。当該間隙部のCl2ガスが排気される様子を図2(b)に示す。
【0022】
この後、ガラスパイプ51を回転させたまま、上記の開始位置からシールボックス3aの方向へ酸水素火炎バーナ5を移動させながら、ガラスパイプ51とガラスロッド50とを加熱一体化して行く。これにより、両者が所定の長さにわたって加熱一体化されて、光ファイバ母材が完成する。
【0023】
続いて、第1の実施形態による光ファイバ母材の製造方法が奏する効果について説明する。ガラスパイプ51とガラスロッド50と加熱一体化される前に、ガラスパイプ51の内部空間には塩素ガスが流され、その圧力は外気圧よりも高く保たれる。このため、ガラスパイプ51の内部に外気が入り込むのが防止される。また、ガラスパイプ51の内部空間の圧力がその外部の気圧よりも高い状態でガラスパイプ51及びガラスパイプ51の一部が周方向の全体にわたって加熱一体化され、その後、ガラスパイプ51の内部の圧力が外部の圧力より低くされる。このときには、ガラスパイプ51は、加熱一体化により、一方が閉じているため、内部空間を減圧しても外気が侵入することはない。そのため、ガラスパイプ51の内面及びガラスロッド50の外周面が水分で汚染されることはない。よって、光ファイバ母材中への水分の混入が防止される。
【0024】
さらに、ガラスパイプ51の内部の圧力が外部の圧力より低くされた状態で、酸水素火炎バーナ5をシールボックス3aの方へ移動させることにより、ガラスパイプ51とガラスロッド50とが加熱一体化される。仮に、ガラスパイプの内部の圧力を外部の圧力より低くすることなく加熱一体化を行なうと、ガラスパイプとガラスロッドとの間に気泡が多数発生してしまう結果となる。しかし、本実施形態においては、ガラスパイプ51の内部の圧力は外部の圧力より低くしているので、気泡の発生は抑制される。
【0025】
また、母材製造装置1は以下の利点を有している。上記の開始位置においてガラスパイプ51とガラスロッド50とが周方向全体にわたって一体化されると、Cl2ガスは、経路2のみを流れることとなる。経路2が設けられていない場合には、ガラスパイプ51にはCl2ガスによる圧力がかかる。仮に、この圧力が大き過ぎると、ガラスパイプ51が変形してしまうといった事態となり得る。しかし、母材製造装置1では、Cl2ガスは経路2へ流れるのでガラスパイプ51に過大な圧力がかかることはなく、ガラスパイプ51が変形してしまうことはない。さらに、シールボックス3aが外れる、或いはガラスパイプ51が破損するといった事態も防止される。
【0026】
(参考例)
図3(a)は、参考例による光ファイバ母材製造装置の構造と、ガラスロッドとガラスパイプとが加熱一体化される前のCl2ガスの流れとを示す図である。図3(b)は、当該光ファイバ母材製造装置の構造と、ガラスロッドとガラスパイプとの一部が加熱一体化された後のCl2ガスの流れとを示す図である。図3(a),(b)において、母材製造装置21は、ガラスパイプを保持するパイプ保持部材22、ガラスパイプの端部に取り付けられるシールボックス23a,23b、ガラスパイプの内部の圧力を外部の圧力よりも低くする真空ポンプ24、ガラスパイプとガラスロッドとを加熱一体化する酸水素火炎バーナ25、及びパイプ保持部材22が固定される基台26を備える。また、シールボックス23aにはガス供給管27が接続され、シールボックス23bには補助管31及び排気管32が接続されている。
【0027】
パイプ保持部材22は回転可能に設けられており、基台26に備えられた回転駆動装置(図示せず)により回転される。これにより、パイプ保持部材22に保持されたガラスパイプ51は周方向に回転される。シールボックス23a,23bは、ガラスパイプの端部と接触する位置に例えばバイトン(Viton、商標名)といった材料から成るシール材を有する。シールボックス23a,23bは、また、回転可能に設けられており、パイプ保持部材22により周方向に回転されるガラスパイプ51とともに回転する。
【0028】
ガス供給管27は図示しないガス供給系から供給されるガスをシールボックス23aに導く。ガス供給系からは、塩素(Cl2)ガスといった脱水効果の高いガスや弗化硫黄(SF6)といったエッチングガスが供給される。また、ガス供給管27には、ガス供給管27から分岐し真空ポンプ24に繋がる減圧管29が設けられている。減圧管29にはバルブ29vが設けられている。このバルブ29vを開くことにより、ガラスパイプ51の内部の圧力は外部の圧力よりも低くされ得る。
【0029】
続いて、母材製造装置21を用いた参考例による光ファイバ母材の製造方法について説明する。先ず、光ファイバ母材のコア部となるべきガラスロッド50と、光ファイバ母材のクラッド部となるべきガラスパイプ51とを用意する。これらは、第1の実施形態において用意したのとほぼ同一のものであってよい。次に、ガラスパイプ51をパイプ保持部材22に取り付け、このガラスパイプ51の一方の端部にシールボックス23aを取り付け、他方の端部にシールボックス23bを取り付ける。
【0030】
その後、バルブ29vを閉めた状態で、ガス供給系からSF6ガス及びCl2ガスをそれぞれ所定の流量でガラスパイプ51の内部へ供給する。上記のガスを流したまま、ガラスパイプ51を周方向に回転させるとともに、酸水素火炎バーナ25を用いてガラスパイプ51を加熱する。これにより、ガラスパイプ51の内面がエッチングされる。ここで、ガラスパイプ51の有効部となるべき部分において、酸水素火炎バーナ25をほぼ一定の速度で移動させる。これにより、有効部と成るべき部分ではエッチング量がほぼ一定となる。
【0031】
エッチング終了後、シールボックス23bをガラスパイプ51から取り外し、ガラスパイプの内部にガラスロッド50を挿入する。再びシールボックス23bをガラスパイプ51に取り付けた後、ガス供給系からのCl2ガスをガラスロッド50の内部へと流す。Cl2ガスの流量は、ガラスパイプ51の内圧がガラスパイプ51の外側の気圧よりも高くなるように適宜調整される。例えば、Cl2ガスの流量は250cm3/min以上500cm3/min以下であると好適である。この流量が250cm3/minより少ないと外気の侵入を充分に防止できない。参考例の母材製造装置21は、第1の実施形態における母材製造装置1と異なり、上述の経路2を有していない。そのため、第1の実施形態の場合に比べて少ない流量で外気の侵入を防止できる。よって、最大でも500cm3/min程度の流量でよい。ガス供給系からCl2ガスを流すと同時に、補助管31からCl2ガスをシールボックス23bへと流す。これにより、シールボックス23bの内部の圧力を外部の圧力よりも高くすることが容易となる。したがって、ガラスパイプ51の内部の圧力を外部の圧力よりも容易に高く保つことができる。
【0032】
ガラスパイプ51の内部がCl2ガスで置換された後、ガラスパイプ51の内部の圧力を外気圧より高く保ったまま、ガラスパイプ51を周方向に回転させる。そして、ガラスパイプ51を加熱することにより、ガラスパイプ51の内面及びガラスロッド50の外周面に付着する水分を除去する。その後、ガラスパイプ51のシールボックス23b側の任意の位置(以下、開始位置とする)を酸水素火炎バーナ25で加熱する。ガラスパイプ51とガラスロッド50とが周方向の全体にわたって一体化された後、ガス供給系からのCl2ガス供給を停止し、バルブ29vを開ける。すると、ガラスパイプ51内部が真空ポンプ24により減圧され、その圧力がガラスパイプ51外部の圧力より低くなる。この様子を図3(b)に示す。なお、バルブ9vを開けるタイミングがガラスパイプ51とガラスロッド50との一部が一体化された時よりも遅くなってしまった場合にガラスパイプ51に過大な圧力がかかってしまう。これを防ぐため、ガラスパイプ51に印加され得る圧力は適宜調整されるべきことは言うまでもない。
【0033】
この後、ガラスパイプ51を回転させたまま、上記の開始位置からシールボックス23aの方向へ酸水素火炎バーナ25を移動させ、ガラスパイプ51とガラスロッド50とを加熱一体化して行く。これにより、両者が所定の長さにわたって加熱一体化されて、光ファイバ母材が完成する。
【0034】
以上、参考例による光ファイバ母材の製造方法によれば、加熱一体化の前には、ガラスロッド50が挿入されたガラスパイプ51の内部空間に塩素ガスが流される。この塩素ガスと同時に、シールボックス3bへ上記の塩素ガスとは別の経路からCl2ガスが流される。よって、ガラスパイプ51の内部空間の圧力をその外部の気圧よりも高く保つのが容易化される。そして、内部空間の圧力が外部の気圧よりも高く保たれた状態で、シールボックス3b側の任意の位置において、ガラスパイプ51及びガラスロッド50の一部が周方向の全体にわたって加熱一体化される。その後、ガラスパイプ51の内部が減圧され、先に加熱一体化された位置からシールボックス3aの方向へガラスパイプ51とガラスロッド50とが加熱一体化される。したがって、外気がガラスパイプ51の内部に侵入することはなく、外気中に含まれる水分が作製される光ファイバ母材に混入することがない。そのため、OH損失が低減された光ファイバの製造を可能とする光ファイバ母材が製造される。
【0035】
(実施例)
実施例として光ファイバ母材を製造した。本実施例は第1の実施形態に対応する。また、この光ファイバ母材から光ファイバを製造し、その伝送特性を評価した。以下に、これらの結果について述べる。図4は、実施例の光ファイバ母材が有する屈折率分布を示す図である。図示の通り、光ファイバ母材は、コア部と、コア部の周囲に第1クラッド部と、第1クラッド部の周囲に第2クラッド部とを有する。
【0036】
このような光ファイバ母材の製造に当り、先ず、コア部となるべきガラスロッド、第1クラッド部となるべき第1のガラスパイプ、及び第2クラッド部となるべき第2のガラスパイプを用意した。ガラスロッドは、VAD法を用いて作製された石英ガラス製であり、直径10.5mmを有する。また、ガラスロッドにはGeが添加されている。その比屈折率差は、純石英ガラスに対して、中心部で最大値1.45%であり、1.45×[1−(r/a)2](%)で表される関係を満たすよう変化している。ただし、a(mm)は半径であり、r(r≦a)(mm)はガラスロッドの中心軸からの距離である。
【0037】
第1のガラスパイプは、VAD法により得た石英ガラス焼結体から作製されたものである。この焼結体にはFが添加されており、純石英ガラスに対する比屈折率差は−0.45%である。超音波孔開け機などを用いて当該焼結体の中心軸に沿って直径12mmの孔を開け、さらに所定の酸水素火炎バーナを用いて延伸するとともに透明ガラス化した。これにより、第1のガラスパイプを得た。第1のガラスパイプの外径は35mmであり、内径は7mmである。第2のガラスパイプは、Fの添加がなく高純度石英ガラス製である点を除き、第1のガラスパイプと同様に作製された。第2のガラスパイプの外径は30mmであり、内径は5.5mmである。なお、高純度石英ガラスとは、意図的には添加物を添加していない石英ガラスを意味し、純度として具体的には99.9〜100%の石英ガラスを意味する。
【0038】
次に、第1のガラスパイプの内径を調整するために、その内面のエッチングを行なった。すなわち、第1のガラスパイプを母材製造装置1のパイプ保持部材2に取り付けるとともに、シールボックス3a,3bを第1のガラスパイプに取り付けた。ガラスパイプの内部に所定のガス供給系からの六弗化硫黄(SF6)ガス及び塩素(Cl2)ガスを流した。これらの流量は、SF6ガスについては200cm3/minとし、Cl2ガスについては100cm3/minとした。その後、第1のガラスパイプを酸水素火炎バーナ5により加熱した。このとき、第1のガラスパイプを周方向に回転させるとともに、酸水素火炎バーナ5をガラスパイプの長手方向に往復させてエッチング量が均一となるようにした。このエッチングにより第1のガラスパイプの内径を13mm程度とした。
【0039】
続いて、内径が所定の値となった第1のガラスパイプを母材製造装置1に取り付けたまま、その内部にガラスロッドを挿入し、ガス供給系からCl2ガスを供給した。このとき、Cl2ガスの流量は、第1のガラスパイプ内及びバイパス管8共に500cm3/minとした。これにより、ガラスロッドと第1のガラスパイプとの間隙部の圧力を外気圧よりも高くした。続いて、ガラスパイプの表面温度が500℃以上1400℃以下となるように酸水素火炎バーナ5を用いて加熱した。これにより、ガラスロッドを第1のガラスパイプ内に挿入した際にガラスロッドの外周面及び第1のガラスパイプの内面に付着した水分を除去した。
【0040】
次に、ガラスロッド及び第1のガラスパイプの回転速度を30rpmとした。そして、シールボックス3b側の所定の位置において、第1のガラスパイプの表面温度が1400℃〜1600℃といった温度となるよう酸水素火炎バーナ5を用いて加熱し、ガラスロッドと第1のガラスパイプとを加熱一体化した。両者が全周にわたって十分に一体化した後、バルブ8vを閉めるとともにバルブ9vを開け、真空ポンプ4によりガラスロッドと第1のガラスパイプとの間隙部を減圧した。このとき、間隙部の圧力を2.5×103Paとなるよう調整した。その後、酸水素火炎バーナ5をすでに加熱一体化された部分からシールボックス3aに向かう方向へ2mm/分の速度で移動させながら、ガラスロッドと第1のガラスパイプとを加熱一体化した。以上により、ガラスロッドと第1のガラスパイプとが加熱一体化された第1コラプス体を得た。
【0041】
続いて、第1コラプス体をその外径が13.6mmとなるよう所定の酸水素火炎バーナで延伸した。その後、延伸された第1コラプス体の外周を弗化水素酸(HF)水溶液により化学研削し、外径が8mmであるガラス体を得た。これにより、コア部径と第1クラッド部径との比を0.51とした。この値は、最終製造物である光ファイバの分散特性が所望の値となるに適した値である。また、第1コラプス体を酸水素火炎バーナで延伸したため、延伸後の第1コラプス体の表層部にはOH基を多数含む層が形成されている。上記の化学研削はこのOH基を多数含む層を除去するという役割を有する。上述の通り、化学研削による研削量は約5mmであるため、OH基を含む層は十分に除去される。
【0042】
次に、第2のガラスパイプが所望の内径となるように、その内面のエッチングを行なった。このエッチングの手順及び条件は、第1のガラスパイプの内面をエッチングしたときと略同一である。このエッチングにより、第2のガラスパイプの内径を10.5mm程度とした。
【0043】
第2のガラスパイプの内面をエッチングした後、第2のガラスパイプを母材製造装置1に取り付けたまま、上記のガラス体を第2のガラスパイプ内に挿入した。その後、これら両者の間隙部及びバイパス管8共に500cm3/minの流量でCl2ガスを流した。間隙部に残留する空気がCl2ガスで置換された後、酸水素火炎バーナ5により第2のガラスパイプの表面温度が500℃以上1400℃以下となるように加熱し、ガラス体の外周面及び第2のガラスパイプの内面に吸着する水分を除去した。
【0044】
続いて、ガラス体及び第2のガラスパイプの回転速度を30rpmに設定した。シールボックス3b側の所定の位置において、第2のガラスパイプの表面温度が1400℃〜1600℃といった温度となるよう酸水素火炎バーナ5を用いて加熱し、第2のガラスパイプとガラス体とを加熱一体化した。両者が全周にわたって十分に一体化した後、バルブ8vを閉めるとともにバルブ9vを開け、ガラス体と第2のガラスパイプとの間隙部の圧力が2.9×102Paとなるよう真空ポンプ4により減圧した。その後、酸水素火炎バーナ5をすでに加熱一体化された部分からシールボックス3aに向かう方向へ2mm/分の速度で移動させながら、ガラス体と第2のガラスパイプとを加熱一体化した。以上により、ガラス体と第2のガラスパイプとが加熱一体化された第2コラプス体を得た。
【0045】
次に、第2コラプス体の外周に所定の厚さのジャケット部をVAD法により堆積させ、光ファイバ母材を完成した。この光ファイバ母材を所定の線引き装置を用いて線引きし、外径が125μmの光ファイバを製造した。その後、この光ファイバの光伝送特性の波長依存性を調べた。その結果を図5に示す。同図において、波長1.38μmにOH基による0.35dB/km程度の吸収損失が認められる。この程度の損失値は、上述した従来の光ファイバ母材の製造方法による光ファイバ母材から製造した光ファイバの半分程度であり、この結果から、本実施例の光ファイバ母材の効果が理解される。
【0046】
以上、幾つかの実施形態と実施例を示して本発明に係る光ファイバ母材の製造方法及び製造装置を説明したが、本発明はこれらに限定されることなく、様々な変形が可能である。例えば、母材製造装置1においてバルブ8v,9vを用いたが、これらに替わり四方弁を使用しても構わない。また、上記の実施形態及び実施例においてはCl2ガスが使用されたが、ハロゲンを含むガスを使用して良い。また、Cl2ガス及び乾燥N2ガス又は乾燥不活性ガス等の混合ガスを用いても構わない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法によれば、ガラスパイプとガラスロッドとの間隙部にハロゲンを含むガスが流され、ガラスパイプの内部の圧力が外部の圧力よりも高く保たれる。そのため、ガラスパイプ内に外気が侵入するのが防止される。また、ガラスパイプ内の圧力が外気圧より高い状態で、ガラスパイプの一方端側の所定の位置においてガラスパイプ及びガラスロッドが加熱一体化される。その後、他方端からガラスパイプの内部の圧力が外部の圧力よりも低くされる。このとき、加熱一体化された部分によって間隙部が密閉されているので、ガラスパイプの内部が減圧されても、外気が侵入することはない。すなわち、上記の製造方法によれば、ガラスパイプの内面及びガラスロッドの外周面が外気に含まれる水分に汚染されることはない。その結果、OH損失が低減された光ファイバを製造できる光ファイバ母材が製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、第1の実施形態による光ファイバ母材の製造装置の構造を示す概略図である。
【図2】 図2(a)は、ガラスロッドとガラスパイプとを加熱一体化する前のCl2ガスの流れを示す図である。図2(b)は、ガラスロッドとガラスパイプとの一部が加熱一体化された後のCl2ガスの流れを示す図である。
【図3】 図3(a)は、参考例による光ファイバ母材製造装置の構造と、ガラスロッドとガラスパイプとが加熱一体化される前のCl2ガスの流れとを示す図である。図3(b)は、当該光ファイバ母材製造装置の構造と、ガラスロッドとガラスパイプとの一部が加熱一体化された後のCl2ガスの流れとを示す図である。
【図4】 図4は、実施例の光ファイバ母材が有する屈折率分布を示す図である。
【図5】 図5は、実施例の光ファイバ母材から製造した光ファイバの光伝送特性の波長依存性を示すグラフである。
【図6】 図6は、従来の母材製造装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1…母材製造装置、2,22…パイプ保持部材、3a,3b,23a,23b…シールボックス、4,24…真空ポンプ、5,25…酸水素火炎バーナ、6,26…基台、7…ガス供給管、8…バイパス管、8v,9v…バルブ、9,29…減圧管、10,32…排気管、21…母材製造装置、27…ガス供給管、29v…バルブ、29…減圧管、31…補助管、50…ガラスロッド、51…ガラスパイプ、100…母材製造装置、101…ガス管、102…パイプ保持部材、103a,103b…継手、104…真空ポンプ、105…熱源、150…ガラスロッド、151…ガラスパイプ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention includes glass in a glass pipe.rodAnd an apparatus for manufacturing the optical fiber preform by heating and integrating the two.
[0002]
[Prior art]
The rod-in collapse method, in which a glass rod having a higher refractive index than that of the glass pipe is inserted into the glass pipe and then heated to integrate them, is a mother for an optical fiber having a complicated structure such as a dispersion compensating fiber or a dispersion shifted fiber. Widely used as a method suitable for manufacturing materials.
[0003]
However, in the rod-in collapse method, if water vapor or the like in the atmosphere remains in the gap between the glass pipe and the glass rod, moisture will be taken into the optical fiber preform after the collapse. . When an optical fiber is manufactured from such a base material in which moisture is taken in, there is a problem in that the optical fiber has a large absorption loss (OH loss) due to OH groups.
[0004]
In order to solve such a problem, chlorine gas is allowed to flow through the gap between the glass rod and the glass pipe. FIG. 6 is a schematic view showing a conventional base
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, as a result of extensive studies by the present inventors, the following has become clear. In the base
[0006]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a method of manufacturing an optical fiber preform that enables manufacturing of an optical fiber with reduced OH loss.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
[0009]
Main departureClearlyThe optical fiber preform manufacturing method is a method for manufacturing an optical fiber preform by inserting a glass rod into a glass pipe and heating and integrating them with a heat source. (1) The glass rod is placed in the glass pipe. In the inserted state, a first flow path from the gas supply section to one end of the glass pipe, a second flow path from this one end through the glass pipe to the other end of the glass pipe, and from the other end to the exhaust section A gas containing halogen is flowed so as to sequentially pass through the third flow path to keep the pressure in the glass pipe higher than the external pressure, and the fourth flow path from the first flow path to the third flow path is maintained. A gas containing halogen is allowed to flow, (2) the glass rod and the glass pipe are heated and integrated at an arbitrary position on the other end side of the glass pipe, and (3) the fourth flow path is closed and the glass is introduced from one end of the glass pipe. pipe The gas containing halogen is exhausted to lower the pressure inside the glass pipe below the external pressure. (4) Heat the glass pipe and glass rod by moving the heat source in a direction from one position toward one end. It is characterized by being integrated.
[0010]
In the above manufacturing method, a halogen-containing gas is caused to flow inside the glass pipe in which the glass rod is inserted, and the pressure inside the glass pipe is kept higher than the external pressure. This prevents outside air from entering the glass pipe. Further, the glass pipe and the glass rod are heated and integrated at a predetermined position on the other end side of the glass pipe in a state where the pressure in the glass pipe is higher than the pressure outside the glass pipe. Thereafter, the inside of the glass pipe is depressurized from one end. At this time, since the inside of the glass pipe is hermetically sealed by the heat-integrated portion, even if the inside of the glass pipe is decompressed, the outside air does not enter the glass pipe. That is, according to said manufacturing method, the inner surface of a glass pipe and the outer peripheral surface of a glass rod are not contaminated with the water | moisture content contained in external air. Further, since a gas containing halogen is caused to flow into the glass pipe, the moisture adsorbed on the inner surface of the glass pipe and the outer peripheral surface of the glass rod from the beginning is effectively removed. Therefore, moisture is prevented from being mixed into the optical fiber preform. Therefore, an optical fiber preform that enables the production of an optical fiber with reduced OH loss is manufactured.
[0012]
An optical fiber preform manufacturing apparatus according to the present invention is a manufacturing apparatus for manufacturing an optical fiber preform by inserting a glass rod into a glass pipe and heating and integrating them with a heat source. A supply pipe for supplying halogen-containing gas into the inserted glass pipe, (2) an exhaust pipe for exhausting the halogen-containing gas supplied into the glass pipe, and (3) connection to the supply pipe and the exhaust pipe A bypass pipe, (4) a decompression pipe having one end connected to the supply pipe, (5) a vacuum pump connected to the other end of the decompression pipe, and lowering the pressure inside the glass pipe from the outside; 6) A valve that opens and closes the fluid passages of the bypass pipe and the decompression pipe, respectively.
[0013]
The optical fiber preform referred to here is a member used for manufacturing an optical fiber by drawing, or used to manufacture a so-called optical fiber preform by synthesizing a jacket portion on the side surface. It means a member such as an optical fiber preform intermediate or precursor.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of an optical fiber preform manufacturing apparatus and method according to the present invention will be described with reference to the drawings. In the description of the drawings, the same elements are denoted by the same reference numerals, and redundant descriptions are omitted.
[0015]
(First embodiment)
FIG. 1 is a schematic view showing the structure of an optical fiber preform manufacturing apparatus according to the first embodiment. In the figure, a base
[0016]
The
[0017]
Next, a method for manufacturing an optical fiber preform according to the first embodiment using the
[0018]
First, a
[0019]
Thereafter, the
[0020]
Subsequently, the
[0021]
The inside of the
[0022]
Thereafter, while the
[0023]
Then, the effect which the manufacturing method of the optical fiber preform by a 1st embodiment has is explained. Before being integrated with the
[0024]
Further, the
[0025]
Moreover, the base
[0026]
(Reference example)
FIG. 3 (a)Reference exampleFIG. 3 is a diagram showing the structure of the optical fiber preform manufacturing apparatus according to, and the flow of Cl2 gas before the glass rod and the glass pipe are heated and integrated. FIG. 3B is a diagram showing the structure of the optical fiber preform manufacturing apparatus and the flow of the Cl2 gas after a part of the glass rod and the glass pipe is heated and integrated. 3 (a) and 3 (b), the base
[0027]
The
[0028]
The
[0029]
Subsequently, the base
[0030]
After that, with the
[0031]
After the etching is completed, the
[0032]
The inside of the
[0033]
Thereafter, while the
[0034]
more than,Reference exampleAccording to the method for manufacturing an optical fiber preform, chlorine gas is caused to flow into the internal space of the
[0035]
(Example)
As an example, an optical fiber preform was manufactured. This example corresponds to the first embodiment. Moreover, an optical fiber was manufactured from this optical fiber preform, and its transmission characteristics were evaluated. These results are described below. FIG. 4 is a diagram showing the refractive index distribution of the optical fiber preform of the example. As illustrated, the optical fiber preform has a core portion, a first cladding portion around the core portion, and a second cladding portion around the first cladding portion.
[0036]
In manufacturing such an optical fiber preform, first, a glass rod to be the core portion, a first glass pipe to be the first cladding portion, and a second glass pipe to be the second cladding portion are prepared. did. The glass rod is made of quartz glass produced using the VAD method and has a diameter of 10.5 mm. Further, Ge is added to the glass rod. The relative refractive index difference has a maximum value of 1.45% at the center of pure silica glass, 1.45 × [1− (r / a).2] (%) To meet the relationship. However, a (mm) is a radius and r (r <= a) (mm) is the distance from the central axis of a glass rod.
[0037]
The first glass pipe is made from a quartz glass sintered body obtained by the VAD method. F is added to this sintered body, and the relative refractive index difference with respect to pure quartz glass is −0.45%. A hole having a diameter of 12 mm was formed along the central axis of the sintered body using an ultrasonic punch, etc., and further stretched using a predetermined oxyhydrogen flame burner and made into a transparent glass. This obtained the 1st glass pipe. The first glass pipe has an outer diameter of 35 mm and an inner diameter of 7 mm. The second glass pipe was produced in the same manner as the first glass pipe except that it was made of high-purity quartz glass without addition of F. The second glass pipe has an outer diameter of 30 mm and an inner diameter of 5.5 mm. The high-purity quartz glass means quartz glass to which no additive is intentionally added, and specifically means 99.9 to 100% quartz glass as purity.
[0038]
Next, in order to adjust the inner diameter of the first glass pipe, the inner surface thereof was etched. That is, the first glass pipe was attached to the
[0039]
Subsequently, with the first glass pipe having an inner diameter of a predetermined value attached to the base
[0040]
Next, the rotation speed of the glass rod and the first glass pipe was set to 30 rpm. Then, the glass rod and the first glass pipe are heated by using the
[0041]
Subsequently, the first collapsed body was stretched with a predetermined oxyhydrogen flame burner so that its outer diameter was 13.6 mm. Thereafter, the outer periphery of the stretched first collapsed body was chemically ground with a hydrofluoric acid (HF) aqueous solution to obtain a glass body having an outer diameter of 8 mm. Thereby, the ratio of the core part diameter to the first cladding part diameter was set to 0.51. This value is a value suitable for achieving a desired dispersion characteristic of the optical fiber as the final product. In addition, since the first collapsed body is stretched by the oxyhydrogen flame burner, a layer containing a large number of OH groups is formed on the surface layer portion of the first collapsed body after stretching. The above-mentioned chemical grinding has a role of removing the layer containing many OH groups. As described above, since the amount of grinding by chemical grinding is about 5 mm, the layer containing OH groups is sufficiently removed.
[0042]
Next, the inner surface of the second glass pipe was etched so as to have a desired inner diameter. The etching procedure and conditions are substantially the same as when the inner surface of the first glass pipe is etched. By this etching, the inner diameter of the second glass pipe was set to about 10.5 mm.
[0043]
After etching the inner surface of the second glass pipe, the glass body was inserted into the second glass pipe while the second glass pipe was attached to the base
[0044]
Subsequently, the rotation speed of the glass body and the second glass pipe was set to 30 rpm. At a predetermined position on the
[0045]
Next, a jacket portion having a predetermined thickness was deposited on the outer periphery of the second collapsed body by the VAD method to complete the optical fiber preform. This optical fiber preform was drawn using a predetermined drawing device to produce an optical fiber having an outer diameter of 125 μm. Then, the wavelength dependence of the optical transmission characteristic of this optical fiber was investigated. The result is shown in FIG. In the figure, an absorption loss of about 0.35 dB / km due to the OH group is observed at a wavelength of 1.38 μm. The loss value of this degree is about half of the optical fiber manufactured from the optical fiber preform by the conventional optical fiber preform manufacturing method described above, and from this result, the effect of the optical fiber preform of this embodiment is understood. Is done.
[0046]
As described above, the optical fiber preform manufacturing method and manufacturing apparatus according to the present invention have been described with reference to some embodiments and examples. However, the present invention is not limited thereto, and various modifications are possible. . For example, although the
[0047]
【The invention's effect】
As described above, according to the method of manufacturing an optical fiber preform according to the present invention, a gas containing halogen is caused to flow in the gap between the glass pipe and the glass rod, and the internal pressure of the glass pipe is made higher than the external pressure. Is also kept high. This prevents outside air from entering the glass pipe. Further, the glass pipe and the glass rod are heated and integrated at a predetermined position on one end side of the glass pipe in a state where the pressure in the glass pipe is higher than the external pressure. Thereafter, the pressure inside the glass pipe is made lower than the outside pressure from the other end. At this time, since the gap is sealed by the heat-integrated portion, even if the inside of the glass pipe is decompressed, the outside air does not enter. That is, according to said manufacturing method, the inner surface of a glass pipe and the outer peripheral surface of a glass rod are not contaminated with the water | moisture content contained in external air. As a result, an optical fiber preform that can manufacture an optical fiber with reduced OH loss is manufactured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing the structure of an optical fiber preform manufacturing apparatus according to a first embodiment.
FIG. 2 (a) is a view showing a flow of Cl2 gas before heating and integrating a glass rod and a glass pipe. FIG. 2B is a diagram showing the flow of Cl2 gas after a part of the glass rod and the glass pipe is heated and integrated.
FIG. 3 (a)Reference exampleFIG. 3 is a diagram showing the structure of the optical fiber preform manufacturing apparatus according to, and the flow of Cl2 gas before the glass rod and the glass pipe are heated and integrated. FIG. 3B is a diagram showing the structure of the optical fiber preform manufacturing apparatus and the flow of the Cl2 gas after a part of the glass rod and the glass pipe is heated and integrated.
FIG. 4 is a diagram illustrating a refractive index distribution of the optical fiber preform of the example.
FIG. 5 is a graph showing the wavelength dependence of the optical transmission characteristics of an optical fiber manufactured from the optical fiber preform of the example.
FIG. 6 is a schematic view showing a conventional base material manufacturing apparatus.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記ガラスロッドが前記ガラスパイプ内に挿入された状態で、ガス供給部から前記ガラスパイプの一方端へ至る第1流路、前記一方端から前記ガラスパイプ内を経て前記ガラスパイプの他方端へ至る第2流路、及び前記他方端から排気部へ至る第3流路を順次通過するようにハロゲンを含むガスを流して前記ガラスパイプ内の圧力をその外部の圧力よりも高く保つとともに、前記第1流路から前記第3流路へ至る第4流路にハロゲンを含むガスを流し、
前記ガラスパイプの他方端側の任意の位置において前記ガラスロッドと前記ガラスパイプとを加熱一体化し、
前記第4流路を閉止するとともに前記ガラスパイプの一方端から前記ガラスパイプ内のハロゲンを含むガスを排気して前記ガラスパイプ内の圧力をその外部の圧力よりも下げ、
前記任意の位置から前記一方端へと向かう方向に前記熱源を移動させて前記ガラスパイプと前記ガラスロッドとを加熱一体化することを特徴とする、光ファイバ母材の製造方法。A method of manufacturing an optical fiber preform by inserting a glass rod into a glass pipe and heating and integrating them with a heat source,
In a state where the glass rod is inserted into the glass pipe, a first flow path from the gas supply unit to one end of the glass pipe, and from the one end to the other end of the glass pipe through the glass pipe. A gas containing halogen is flowed so as to sequentially pass through the second flow path and the third flow path from the other end to the exhaust section, and the pressure in the glass pipe is kept higher than the external pressure. Flowing a halogen-containing gas through a fourth flow path from one flow path to the third flow path;
The glass rod and the glass pipe are heated and integrated at an arbitrary position on the other end side of the glass pipe,
Closing the fourth flow path and exhausting the gas containing halogen in the glass pipe from one end of the glass pipe to lower the pressure in the glass pipe below its external pressure,
A method of manufacturing an optical fiber preform, wherein the heat source is moved in a direction from the arbitrary position toward the one end to heat and integrate the glass pipe and the glass rod.
前記ガラスロッドが挿入された前記ガラスパイプ内にハロゲンを含むガスを供給する供給管と、
前記ガラスパイプ内に供給されたハロゲンを含むガスを排気する排気管と、
前記供給管と前記排気管とに接続されたバイパス管と、
一方端が前記供給管に接続された減圧管と、
前記減圧管の他方端に接続され、前記ガラスパイプの内部をその外部より低圧にする真空ポンプと、
前記バイパス管及び前記減圧管の流体通路をそれぞれ開閉するバルブと、
を備えることを特徴とする光ファイバ母材の製造装置。A manufacturing apparatus for manufacturing an optical fiber preform by inserting a glass rod into a glass pipe and heating and integrating them with a heat source,
A supply pipe for supplying a gas containing halogen into the glass pipe into which the glass rod is inserted;
An exhaust pipe for exhausting a gas containing halogen supplied into the glass pipe;
A bypass pipe connected to the supply pipe and the exhaust pipe;
A decompression pipe having one end connected to the supply pipe;
A vacuum pump connected to the other end of the pressure reducing pipe, and lowering the inside of the glass pipe from the outside thereof;
Valves for opening and closing the fluid passages of the bypass pipe and the pressure reducing pipe, respectively;
An optical fiber preform manufacturing apparatus comprising:
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