JP3899391B2 - 航空交通シミュレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は航空交通シミュレータに関し、特に物理的に離れた場所に設置されている複数のシミュレータ同士をインターネットにより連接し意味論的な手法による情報圧縮技術を適用して、多数の人間の参加する実時間シミュレーションを行うことができる航空交通シミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、上記航空交通シミュレータとしてコンピュータの生成する画像と音響により仮想現実感を利用して、空港管制塔で行われる飛行場管制業務の実時間シミュレーション等を行う仮想現実実験施設(Virtual Reality Simulation Facility)が設けられている。
【0003】
図4は仮想現実実験施設を用いた航空交通シミュレータを説明するブロック図である。本図に示す如く、仮想現実実験施設には飛行場管制シミュレータ1、フライトシミュレータ2、レーダ管制シミュレータ3及びシナリオ処理装置4が設けられる。飛行場管制シミュレータ1は管制塔からの視界及び管制塔における音響環境を実現し、管制官は実際の管制塔を模擬した状況で管制業務を行うことができる。管制官のインタフェースとして、航空機運行票の管理を電子化したシステムが用意されており、管制官は現状の管制業務と同様に、音声入力により航空機パイロットに指示を伝えることが可能になっている。管制される航空機は後述するシナリオ処理装置4により全て管理されており、管制官からの指示に従って運行される。
【0004】
フライトシミュレータ2は航空機コックピットからの視界やエンジン音等を提供し、パイロットは飛行場管制シミュレータ1における管制官からの指示を受けながら操縦業務を行うことができる。フライトシミュレータ2はスティック、ペダル等、航空機とヘリコプタ双方の操縦を模擬する機能を有しており、それぞれの機体の運動計算を行うソフトウエアにより、現実の機体に近い操縦応答が実現されている。また、フライトシミュレータ2は航空機運行管理システム(FMS)を有しており、自動離陸をはじめとする計器飛行を行うことが可能である。
【0005】
レーダ管制シミュレータ3はレーダ管制業務(ターミナル管制業務及び航空路管制業務)の模擬に必要なレーダ・イメージを生成・表示する機能を有する。
シナリオ処理装置4はシミュレーション・シナリオを処理し、飛行場管制シミュレータ1及びフライトシミュレータ2に表示される航空機、車両を移動させ、たり、昼、夜の景色を変える。またシナリオに従い、気象条件(風向、風速、雲量、視程等)制御し、レーダ管制シミュレーションに要するデータを生成する。シナリオによって、空港における事故やニアミス等を発生させることができる。
【0006】
さらに、仮想現実実験施設内の飛行場管制シミュレータ1、フライトシミュレータ2、レーダ管制シミュレータ3及びシナリオ処理装置4間のデータの通信は専用回線を用いて行われている。
このような仮想現実実験施設の構成により、管制塔における管制業務を支援する機器の開発、効率的な空港運用方式の開発、将来設置さえる空港の多角的な検討などを進めることが可能になる。また、事故に遭遇した航空機のブラック・ボックスからその航空機の運航の再現が可能であり、事故原因の解明と今後の運航における安全性向上への貢献が可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記仮想現実実験施設に相当する施設が日本の複数の場所に設けられ、又、世界の多数の場所に設けられ、またこれからも設けられるようとしている。このため、ある仮想現実実験施設のフライトシミュレータ2を他の仮想現実実験施設の飛行場管制シミュレータ1に参加させたり、逆にある仮想現実実験施設の飛行場管制シミュレータ1に他の仮想現実実験施設からフライトシミュレータ2が参加するようにできれば、ある一つの仮想現実実験施設のシミュレーションに多数の仮想現実実験施設から多数の人間を参加させることができる。しかしながら、仮想現実施設内で専用回線を用いて行っているデータの通信量から単に推定すると仮想現実実験施設間のデータの通信量が膨大であり通信回線の容量を越えるため、前述の如く、多数の人間を参加させることは容易に実現できないという問題がある。すなわち、遠隔の分散シミュレーションを統合することは通信量の観点で容易ではない。
【0008】
したがって、本発明は、上記問題点に鑑み、仮想現実実験施設間の通信情報を圧縮することにより通信量を著しく低減して多数の人間を参加させることができる航空交通シミュレータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解決するために、航空機の発着の実時間シミュレーションを行う航空交通シミュレータにおいて、パイロットの操作に対し航空機のシミュレーションを行う複数のフライトシミュレータと、航空機の飛行管制のシミュレーションを行い、複数のフライトシミュレータとインターネットで連接される飛行場管制シミュレータとを備え、複数のフライトシミュレータはパイロットの操作情報を取得するパイロット操作情報取得部、パイロット操作情報をパラメータとして、どの運航フェーズに該当しているかのデータと、運航フェーズに対応する航空機運動計算を行う計算条件とが格納されている辞書部、得られたパイロット操作情報につき該辞書部を参照してどの運航フェーズにあるかを解釈し、解釈された運航フェーズに対応するパイロット操作を疑似パイロット操作として出力し、かつ解釈結果の運航フェーズを出力する解釈部、該解釈部より出力される疑似パイロット操作を受信し、又、該運航フェーズに対応する計算条件を辞書部より獲得し航空機の運動を計算する航空機運動計算部、該航空機運動計算部で計算された結果に基づいて航空機コックピットからの視界を表示する表示部及び解釈部で解釈された運航フェーズをインターネットを介して飛行場管制シミュレータに送信する送信部を有し、飛行場管制シミュレータは、インターネットを介して送信される運航フェーズを受信する受信部およびフライトシミュレータが有するのと同様の辞書部、解釈部、航空機運動計算部、及び表示部を有し、複数のフライトシミュレータは、パイロット操作情報を解釈部で運航フェーズの情報として解釈し、該運航フェーズ情報をインターネットを介して飛行場管制シミュレータに送信し、かつ解釈された運航フェーズの情報に対して辞書部、航空機運動計算部、及び表示部により航空機のシミュレーションを行い、飛行場管制シミュレータはインターネットを介して受信した各航空機の運航フェーズの情報に基づいて解釈部、辞書部、航空機運動計算部を用いて各航空機の運動計算を行い表示部で計算結果に基づいて航空機の表示、レーダ・イメージ又は管制官からの視界を表示することを特徴とする。
【0010】
この手段により、仮想現実実験施設間のような複数のフライトシミュレータと飛行場管制シミュレータとの間の通信情報を意味論的に圧縮することにより通信量を著しく低減して多数の人間を参加させることができるようになった。
特に、インターネットを使用するので、世界中の人間の参加が可能になる。
前記フライトシミュレータは、前記解釈された運航フェーズの情報に対してシミュレーションを行うに際し、熟練度の高いパイロットの操作情報に基づいてシミュレーションを行ってもよい。この手段により、未熟なパイロットにより無駄操作を低減できこれに伴って無駄なデータの送信が低減できる。
【0011】
前記フライトシミュレータは、パイロットの操作の情報の意味を解釈して運航フェーズの情報を得るに際し、学習機能を持たせて、パイロットの操作の情報の意味を変更可能にするようにしてもよい。この手段により、運航フェーズの切換が明確になり、無駄な送信が少なくなる。
前記フライトシミュレータはパイロットの操作の情報の意味を解釈して運航フェーズの情報を得るに際し、オートパイロットのコマンドの意味を解釈して運航フェーズの情報を得るようにしてもよい。この手段により、運航フェーズの切換が明確になり、無駄な送信が少なくなる。
【0012】
前記インターネットが電話回線であってもよい。人間の多くの参加に寄与可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る航空交通シミュレータを説明する概略ブロック図である。本図に示す如く、航空交通シミュレータは複数の仮想現実実験施設10−1、10−2…10−n、20と、複数の仮想現実実験施設10−1、10−2…10−nと一つの仮想現実実験施設20を連接するインターネット30とから構成される。仮想現実実験施設10−1、10−2…10−n、20の各々には、前述の如く、飛行場管制シミュレータ1、フライトシミュレータ2、レーダ管制シミュレータ、シナリオ処理装置が設けられている。仮想現実実験施設10−1、10−2…10−nの各々のフライトシミュレータ2には意味論的圧縮部2Aが設けられ、仮想現実実験施設20の飛行場管制シミュレータ1には圧縮解凍部1Aが設けられる。各意味論的圧縮部2Aで圧縮された情報がインターネット30を経由して圧縮解凍部1Aに送信される。ここでは、仮想現実実験施設10−1、10−2…10−nからそれぞれ航空機が出発し、仮想現実実験施設20には仮想現実実験施設10−1、10−2…10−nからそれぞれ出発した航空機が到着するものとしている。
【0014】
なお、仮想現実実験施設10−1、10−2…10−nは、飛行場管制シミュレータ1等の無い、単なるフライトシミュレータであってもよく、仮想現実実験施設20はフライトシミュレータ2等のない単なる飛行場管制シミュレータであってもよい。
図2は図1の意味論的圧縮部2Aと圧縮解凍部1Aとの関係を説明する図である。意味論的圧縮部2Aはパイロット操作情報取得部11を具備する。パイロット操作情報部11はフライトシミュレータ2でパイロットにより操作される操縦桿、スロットルレバー、フラップレバー、ラダーペダル、ブレーキ等のパイロット操作情報を取得する。なお、パイロットは飛行前に管制機関である飛行場管制シミュレータ1(出発側、到着側の双方)から飛行計画(フライトプラン)の承認を得て飛行する。計画の変更を希望する場合には当該機を監視する管制機関である飛行場管制シミュレータ1から承認を得たり、逆に空域を飛行する他の航空機との衝突を防いだり安全性を確保するため、管制機関である飛行場管制シミュレータ1から飛行コース、速度等の変更を要求されたりし、管制官通信情報に従ってパイロットは操縦を行う。
【0015】
解釈部12は、パイロット操作情報取得部11で得られたパイロット操作情報について辞書部13を参照して航空機がどのような運航フェーズを飛行しているかを解釈する。解釈部12では飛行計画、管制官通信情報を含めて解釈される。解釈結果として得た運航フェーズのデータを意味論的圧縮情報データとして送信部14、インターネット30を経由して圧縮解凍部1Aに送信される。ここで、辞書部13にはパイロット操作情報をパラメータとして運航フェーズのデータと、運航フェーズに対応する航空機運動計算を行う計算条件とが格納されている。
【0016】
航空機運動計算部15は解釈部12で解釈された運航フェーズに対応する計算条件を辞書部13より得て航空機の運動を計算する。表示部16は航空運動計算部15で計算された結果に基づいて航空機コックピットからの視界を表示しエンジンの音を提供する。このように意味論的圧縮部2Aでは単に運航フェーズのデータが送信されるだけで航空機の運動計算の結果が送信されないので送信データの圧縮が可能になる。
【0017】
圧縮解凍部1Aは受信部21を経由して得た意味論的圧縮情報データについて複数の仮想現実実験施設10−1、10−2…10−nのうちのどの施設のどの運航フェーズかを解釈する。辞書部23は複数の仮想現実実験施設10−1、10−2…10−nの各々について運航フェーズにおける航空機運動計算の条件が格納されている。航空機運動計算部24は解釈部22の解釈結果を基に辞書部23から得られた条件に基づいて航空機運動計算を、飛行場管制シミュレータ1と同時に行う。表示部25は航空運動計算部24で計算された結果に基づいて、航空機の情報表示、レーダ・イメージ、又は管制塔からの視界を表示し、さらに管制塔における音響環境を実現する。
【0018】
このように、意味論的圧縮部2Aと圧縮解凍部1Aとでは航空機運動計算部15、24で同時刻に同一の計算が行われる。すなわち意味論的圧縮部2Aから圧縮解凍部1Aに航空機の運動計算結果が送信されたと同様の作用が発生する。
図3は図2の辞書部13に格納される運航フェーズの例を説明する図である。本図に示す如く、運航フェーズ(1)は出発空港スポットからのタクシー・アウトを意味する。辞書部13には運航フェーズ(1)のデータは、パイロット操作情報のうちブレーキ解除情報をパラメータとして格納される。なお、ブレーキ解除は飛行計画の承認前には行われるようにする。
【0019】
運航フェーズ(2)は地上走行を意味する。辞書部13には運航フェーズ(2)のデータは、スラストレバー、パワーステアリングの操作をパラメータとして格納される。
運航フェーズ(3)は離陸を意味する。辞書部13には運航フェーズ(3)のデータは操縦桿を引く操作、スロットルバルブの全開操作をパラメータとして格納される。
【0020】
運航フェーズ(4)は上昇を意味する。辞書部13には運航フェーズ(4)のデータは車輪の格納操作をパラメータとして格納される。
運航フェーズ(5)は航空路合流を意味する。辞書部13には運航フェーズ(5)のデータはラダーペダル操作をパラメータとして格納される。
運航フェーズ(6)は航空路運航を意味する。辞書部13には運航フェーズ(6)のデータは操縦桿を戻す操作完了をパラメータとして格納される。
【0021】
運航フェーズ(7)は目的空港ターミナル空域進入を意味する。辞書部13には運航フェーズ(7)のデータはスロットルバルブの微小閉操作をパラメータとして格納される。
運航フェーズ(8)は下降を意味する。辞書部13には運航フェーズ(8)のデータは操縦桿を引く操作、スロットルバルブの微小閉操作をパラメータとして格納される。
【0022】
運航フェーズ(9)は最終進入を意味する。辞書部13には運航フェーズ(9)のデータは車輪の操作をパラメータとして格納される。
運航フェーズ(10)は着陸を意味する。辞書部13には運航フェーズ(10)のデータは操縦桿の引き操作完了、スロットルバルブ全閉操作をパラメータとして格納される。
【0023】
運航フェーズ(11)は滑走路離脱を意味する。辞書部13には運航フェーズ(11)のデータはパワーステアリングの操作をパラメータとして格納される。
運航フェーズ(12)は地上走行を意味する。辞書部13には運航フェーズ(12)のデータはパワーステアリングの操作、スラストレバーの操作をパラメータとして格納される。
【0024】
運航フェーズ(13)はスポット・インを意味する。辞書部13には運航フェーズ(13)のデータはブレーキ操作をパラメータとして格納される。
なお、パイロットの操作実績を学習することにより辞書部13に格納される各運航フェーズに対するパラメータであるパイロット操作情報を変更可能とし、パイロットに対応して各運航フェーズに対するパラメータであるパイロット操作情報を更新するようにしてもよい。
前述した航空機運動計算部15、24では、以上の具体的な運航フェーズで航空機の運動について計算が行われる。
【0025】
したがって、本発明によれば、出発地のフライトシミュレータ2から到着地の飛行場管制シミュレータ1に、フライトシミュレータ2の飛行データを刻々送信せずとも、運航フェーズを意味する意味論的圧縮情報を送るだけで、飛行場管制シミュレータ1では意味論的圧縮情報データを解釈して該当する飛行場管制シミュレータ1の航空機運動計算を行ってその結果を表示することが可能となった。このため、フライトシミュレータ2の飛行データを刻々送信しなくともよくなったので、仮想現実実験施設間の通信情報を意味論的に圧縮することができ通信量を著しく低減して多数の人間を参加させることができるようになった。さらに、インターネット30を経由するので、日本だけでなく世界中の仮想現実実験施設と連接してシミュレーションが容易に可能となる。
【0026】
なお、上記インターネット30に代わり、電話回線等の低速なデータリンクによっても、データの通信量が非常に少ないので仮想現実実験施設間の連接は可能である。
さらに、図2の辞書部13に格納される各運航フェーズの計算条件は、熟練度の高いパイロットが操縦した場合に得られる計算条件が疑似パイロット操作の計算条件として設定される。換言すれば、不慣れなパイロットがパイロット操作を行っても、パイロット操作情報取得部11により取得されたパイロット操作情報を基に、解釈部12でパイロットの意図が解釈されて、航空機運動計算部15に疑似パイロット操作の計算条件が設定される。すなわち、パイロットは表示部16の表示に基づいてパイロット操作を行うが、これらのパイロット操作はパイロット操作情報取得部11に入力され、解釈部12でこれらのパイロット操作は図3で説明される13個の運航フェーズのうちのどの運航フェーズに該当するかが解釈され、該当する運航フェーズにおいて熟練度の高いパイロットが操縦した場合のパイロット操作を疑似パイロット操作として航空機運動計算部15へ入力する。このため未熟なパイロットであっても、航空機運動計算部15に入力されるパイロット操作情報は熟練度の高いパイロットが操縦した場合のパイロット操作である疑似パイロット操作が入力されるため無駄なパイロット操作情報の入力が少なくなる。
【0027】
さらに、オートパイロットが採用されている場合には、パイロットは操縦桿、スロットルレバー、フラップレバー等の操作を行わず、航空機が状況に応じて自動的に各種のコマンドを発行し、コマンドが解釈され操縦桿、スロットルレバー、フラップレバー等の操作を行うが、辞書部13には各運航フェーズのパラメータとして対応するコマンドあるいはコマンドの組を格納する。そしてオートパイロットの際に入力されるコマンドに対し解釈部12で辞書部13を参照してコマンドから運航フェーズを解釈することにより運航フェーズの切換が明確になり、無駄な送信が少なくなる。
以上の説明では、ヘリコプターを含む航空機について説明したが、これに限らず、船舶、自動車等の移動体のシミュレータにも同様に適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明によれば、仮想現実実験施設間のような複数のフライトシミュレータと飛行場管制シミュレータとの間の通信情報を意味論的に圧縮することにより通信量を著しく低減して多数の人間を参加させることができるようになり、特に、インターネットを使用するので、世界中の人間の参加が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る航空交通シミュレータを説明する概略ブロック図である。
【図2】意味論的圧縮部2Aと圧縮解凍部1Aとの関係を説明する図である。
【図3】辞書部13に格納される運航フェーズの例を説明する図である。
【図4】仮想現実実験施設を用いた航空交通シミュレータを説明するブロック図である。
【符号の説明】
1…飛行場管制シミュレータ
2…フライトシミュレータ
3…レーダ管制シミュレータ
4…シナリオ処理装置
10−1、10−2…10−n、20…仮想現実実験施設
30…インターネット

Claims (4)

  1. 航空機の発着の実時間シミュレーションを行う航空交通シミュレータにおいて、
    パイロットの操作に対し航空機のシミュレーションを行う複数のフライトシミュレータと、
    航空機の飛行管制のシミュレーションを行い、前記複数のフライトシミュレータとインターネットで連接される飛行場管制シミュレータとを備え、
    前記複数のフライトシミュレータは
    パイロットの操作情報を取得するパイロット操作情報取得部、
    パイロット操作情報をパラメータとして、どの運航フェーズに該当しているかのデータと、運航フェーズに対応する航空機運動計算を行う計算条件とが格納されている辞書部、
    得られたパイロット操作情報につき該辞書部を参照してどの運航フェーズにあるかを解釈し、解釈された運航フェーズに対応するパイロット操作を疑似パイロット操作として出力し、かつ解釈結果の運航フェーズを出力する解釈部、
    該解釈部より出力される疑似パイロット操作を受信し、又、該運航フェーズに対応する計算条件を前記辞書部より獲得し航空機の運動を計算する航空機運動計算部、
    該航空機運動計算部で計算された結果に基づいて航空機コックピットからの視界を表示する表示部及び
    前記解釈部で解釈された運航フェーズをインターネットを介して前記飛行場管制シミュレータに送信する送信部を有し、
    前記飛行場管制シミュレータは、
    インターネットを介して送信される運航フェーズを受信する受信部および前記フライトシミュレータが有するのと同様の辞書部、解釈部、航空機運動計算部、及び表示部を有し、
    前記複数のフライトシミュレータは、パイロット操作情報を前記解釈部で運航フェーズの情報として解釈し、該運航フェーズ情報をインターネットを介して前記飛行場管制シミュレータに送信し、かつ解釈された運航フェーズの情報に対して前記辞書部、前記航空機運動計算部、及び前記表示部により航空機のシミュレーションを行い、前記飛行場管制シミュレータはインターネットを介して受信した各航空機の運航フェーズの情報に基づいて前記解釈部、前記辞書部、前記航空機運動計算部を用いて各航空機の運動計算を行い表示部で計算結果に基づいて航空機の表示、レーダ・イメージ又は管制官からの視界を表示することを特徴とする航空交通シミュレータ。
  2. 前記運航フェーズに対応する疑似パイロット操作として熟練度の高いパイロットの該運航フェーズに対応する操作情報を使用することを特徴とする、請求項1に記載の航空交通シミュレータ。
  3. 前記運航フェーズを解釈する情報を格納する前記辞書部において、前記パイロット操作情報と前記運航フェーズの対応関係をパイロットの操作実績を学習することにより変更可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の航空交通シミュレータ。
  4. 前記運航フェーズを解釈する情報を格納する前記辞書部において、オートパイロットのコマンドと運航フェーズの対応関係を格納し、前記解釈部は入力されるオートパイロットのコマンドから前記辞書部を参照して対応する運航フェーズの情報を得ることを特徴とする、請求項1に記載の航空交通シミュレータ。
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