JP3897398B2 - 湾水振動を考慮した波浪強制力の測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、港内係留船舶の動揺シミュレーション等に用いられる、湾水振動を考慮した波浪強制力の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶係留の安全性評価のためには精度の高いシミュレーションが必要であるから、直接に現地観測を行い、港内波および港外波の時系列データを用い波浪強制力を算定することが行われている。
波の現地観測データを用いて波浪強制力を算出するにあたり、従来、係留船舶近傍で得られる港内波データを用いて波浪強制力データを算出することが行われる。まず、港内波の時系列データの成分分割を高速フーリエ変換(FFT)を用いて行い、成分波の周期、振幅、および位相を算出する。これらのデータにもとづき進行波による波力の分析プログラムを用いて単位振幅当りの波浪強制力を求める。成分波の周期、振幅、および位相データは時系列解析中の波浪強制力データにもなる。波向きについても、同時に観測または目視観測から卓越波向きを設定する。波向きは進行波による波力の分析プログラム使用時に必要になる。
【0003】
進行波による波力の分析プログラムは、与えられた波周期において船体に作用する波力を算定する数値解析シミュレーションである。解析手法としては、境界要素法、有限要素法等が考えられるが、流体内の速度ポテンシャルを算出する形式のものを用いる。それは速度ポテンシャルから圧力、さらには力が、容易に求められるからである。進行波による波力の分析プログラムでの入力データには、海象データと船体諸元データが挙げられる。海象データは、海域の水深と波周期、波向きである。波周期と波向きは、港内波時系列データから抽出した成分波についてのものである。船体諸元データは、船体の長さ、幅、喫水、排水量、船体重心位置、船体境界のメッシュ座標点等、の船体の特性を表わす入力データである。入力データにもとづき進行波による波力の分析を行い、単位振幅当りの波浪強制力を算出する。これをすべての成分波について行い、それらがまとめられて時系列解析中の波浪強制力入力データになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年各地で、風や波のない穏やかな気象、海象にもかかわらず船舶が突然走りだす、底うねりにより船舶が動きだすという、係留船舶に長周期動揺が生じて荷役が中止させられる事例が生じた。この事例においては、荷役中止のみならず、係留索の切断、防舷材の過圧縮、せん断圧縮、および船舶の沖出しを余儀なくされることがある。そのため港内係留船舶の長周期動揺が問題になる。長周期動揺は、港内長周期波と係留船舶の固有周期の共振であることが判明しており、対策工として、防波堤延長により港内への長周期波の侵入を抑制する方法、船舶係留システム、例えば防舷材と係留索、の変更により長周期波と係留システムの共振を防止する方法、等が考慮されている。
【0005】
また、係留船舶の動揺のシミュレーションを用いて船舶の動揺抑制効果、係留システムの安全性、等の評価を行うことが可能である。その場合、一般に、船舶に作用する波浪強制力は、或る波向きからの進行波として取扱われる。しかし、防波堤に包囲された港内においては、港内係留船舶に対しては、港口から直接または回折して侵入する進行波と港内で増幅される湾水振動が作用する。港内係留船舶の長周期動揺は、特に、港内で増幅された湾水振動と係留システムの共振が原因である可能性があるから、波浪強制力の評価は重要である。
【0006】
従来の船舶に作用する波浪強制力を港内波データを用いて所定の波向きからの進行波として扱う場合、港内波データは船舶の岸壁への入出港操航上問題とならない位置等の船体から離れたできる限り近傍に設置される波高計を用いて測定される。波浪強制力算定においては、船体座標原点、一般には船体重心、において行われるため、上記のように測定された港内波データは、本来船体座標原点へ空間的位相差を考慮して変換する必要があるという問題がある。
【0007】
これらの事情にかんがみ、本発明の一つの目的は、港内係留船舶の長周期船体運動において、船体に作用する波浪強制力のうち、長周期波成分については湾水振動として取扱い、係留船舶の動揺シミュレーションの精度を向上させ、船舶の安全な係留の検討に役立つようにすることにある。
【0008】
本発明の他の一つの目的は、船舶に作用する波浪強制力を港内波データを用い所定の波向きからの進行波として取扱うことに関連して、長周期船体運動に大きな影響を与える長周期波成分については湾水振動の分析により求め、港内波の波向き設定の困難性を軽減することができるようにすることにある。
【0009】
また本発明の他の1つの目的は、湾水振動を考慮して波浪強制力を算定する場合、港外波データから、直接港内係留船舶に作用する波浪強制力が求められるようにし、船体近傍で測定された港内波データを船体座標原点へ変換する必要がないようにし、労力を省くことができるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、波周期が一定の値以上のとき、港外波の時系列の分割のデータを用い、海象データ、港湾形状データ、および船体諸元データにもとづき、湾水振動の算出を行い船体境界での圧力を導出し、波浪強制力の算出により単位振幅当りの波浪強制力を導出する湾水振動による波力の分析を行い、
波周期が一定の値未満のとき、港内波の時系列の分割のデータを用い、海象データ、および船体諸元データにもとづき、進行波による波力の算出により、単位振幅当りの波浪強制力を導出する進行波による波力の分析を行い、
前記の湾水振動による波力の分析および前記の進行波による波力の分析の結果にもとづき波浪強制力のデータを形成する、
ことを特徴とする波浪強制力の測定方法、が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明による港内係留船舶の動揺シミュレーション用の、湾水振動を考慮した波浪強制力の測定方法が図1〜図7を参照しつつ以下に記述され、それに対する従来の波浪強制力のデータの処理の過程が図8を参照しつつ以下に記述される。
【0012】
まず本発明による測定方法が適用されるべき船舶係留用の対象バースが設けられた港湾の形状が図1に示される。港内係留船舶に対する波向きの設定が図2に示される。船舶の係留状況と外力条件が図3に示される。スウェイ係留力の特性が図4に示される。
これらの状況を前提として、本発明の一実施例による測定方法における、波浪強制力データの算出の過程が図5および図6に示される。図5(その1)と図6(その2)が結合されて1つの過程を示すことになる。
【0013】
図1に示される港湾においては、港の内外104,100を分かつ防波堤102,103、対象となるバース106、防波堤の末端の近傍に存在する港外用波高計101、対象となるバースに存在する港内用波高計105が設けられる。
【0014】
図2に示される港内係留船舶については、係留船舶107、X座標、Y座標に関して波向きWDを考察することになる。
【0015】
船舶と係留状況および外力条件については、図3に示されるように、X座標、Y座標に関して、質量Mの船舶107、ドルフィン側係留点(ai,bi,ci)151、係留索153、防舷材154、および本船側係留点(di,ei,fi)152が指定される。風161、入射波162、およびラディエイション力(m・d2 x/dt+n・dx/dt)163が考慮される。入射波はX軸に対し角度ωを形成し、風はX軸に対し角度αを形成する。
【0016】
スウェイ係留力K(x)・Xについては、図4に示されるように、係留索についてのバネ定数k1s、定反力型および反力漸増型防舷材についてのバネ定数kfが考慮される。
【0017】
一般に係留船舶の動揺シミュレーションは、係留船舶の運動方程式を逐次時間ステップ毎に解いて行く時系列解析である。係留船舶動揺のシミュレーションの一例が図7を参照しつつ説明される。
【0018】
入力データのブロック200には、船体諸元データ201、係留条件データ202、造波抵抗力データ203、波浪強制力データ204、風圧力データ205、潮流力データ206、計算条件データ207等が含まれる。条件の算出のブロック300には、復元力係数301、各運動方向への分割302、波浪強制力の作成303、風圧力、潮流力の作成304等が含まれる。時系列解析のブロック400からは係留船舶の動揺量、防舷材の反力、係留索の張力、その他の時系列出力等が出力される。
【0019】
船体諸元データは、船体の長さ、幅、喫水、排水量または各軸まわりの慣性モーメント、船体重心位置など船体の特性を表す入力データである。ここに船体は剛体として扱うことが一般的であり、また座標系は船体重心位置を原点としてとられることが多い。
係留条件データは、防舷材と係留索からなる船舶を岸壁等へ係留する係留力に関する入力データである。防舷材に関しては、船体に接触する防舷材の個数、高さ、取り付け位置および変形量と反力の特性データがあげられる。係留索に関しては、係留索の本数、船体側および岸壁側の取り付け位置および伸び率と張力の特性データ・初期張力があげられる。
【0020】
造波抵抗力は、静水中船体が動揺して船体周りの流体から受ける流体力である。この流体力は加速度に比例する付加質量項と速度に比例する減衰力項に分けられ、振動周期に依存する抵抗力である。これらのデータはそれぞれ付加質量係数および減衰係数として入力することもできるが、周期に依存しない形式の不変付加質量、メモリー影響関数として入力することもできる。別途数値シミュレーション等にて求める必要がある。進行波による波力の分析プログラムである。
【0021】
波浪強制力は、固定した船体に作用する入射波による波力である。波を規則波として与える場合(単一波)、1つの周期・振幅および位相、また別途数値シミュレーション等により求めた(進行波による波力の分析プログラム)、その周期(および波向きにも依存する)の単位振幅当たりの波浪強制力だけのデータ入力でよい。一方、海洋波のスペクトルとして一般的に知られているBretschneider−光易型、JONSWAP型スペクトル等または直接的に係留船舶近傍の波の時系列データ(港内波)などを用いて不規則波として波を扱う場合、不規則波を構成する各成分波の周期・振幅および位相、そして成分波の単位振幅当たりの波浪強制力のデータ入力が必要になる。
【0022】
風圧力データは、係留船舶に作用する風による抗力に関する入力データである。一般には抗力係数、受圧面積および平均風速・風向を入力する。変動風として入力するときは、Davenportのスペクトルなどから変動風速の時系列データを作成するか、または直接的に現地観測で得た風速の時系列データを入力する。また風向に関しても時系列データとして入力することもある。
【0023】
潮流力データは、係留船舶に作用する潮流による抗力に関する入力データである。一般には抗力係数、受圧面積および流速・流向を入力する。
計算条件データは、数値シミュレーションを行うに際しての時間ステップ・そのステップ数、その他風圧力を考慮するか否かなどの計算内容を制御する入力データである。
【0024】
本発明の一実施例としての港内係留船舶の動揺シミュレーション用の湾水振動を考慮した波浪強制力の測定方法における波浪強制力データの算出過程が図5および図6を参照しつつ説明される。図5と図6が結合されて波浪強制力データの算出過程を示す。
【0025】
港内波の時系列の分割のデータのブロック10には、港内波の時系列、波向き11、高速フーリエ変換12、および成分波の周期、振幅、位相13を得る過程が含まれる。波周期が一定の値未満(例えば20秒未満)であることを識別する過程20により、この識別に適格である場合のみデータはブロック10から進行波による波力の分析プログラムのブロック50へ進む。
【0026】
港外波の時系列の分割のデータのブロック30には、港外波の時系列、波向き31、高速フーリエ変換32、成分波の周期、振幅、位相33を得る過程が含まれる。波周期が一定の値以上(例えば20秒以上)であることを識別する過程40により、この識別に適格である場合のみ、データはブロック30から、湾水振動による波力の分析プログラム60、および波浪強制力データ70へ進む。
【0027】
進行波による波力の分析プログラムのブロック50には、海象データ51として周期、波向き、水深等、船体諸元データ52として船長L、船幅B、喫水d、排水量W、船体重心、船体境界のメッシュ座標点等、および進行波による波力の分析(周波数領域分析)53が含まれる。
【0028】
湾水振動による波力の分析プログラムのブロック60には、海象データ61として周期、波向き、水深等、港湾形状データ62として港湾境界メッシュ座標点等、船体諸元データ63として船体境界メッシュ座標点等、湾水振動による波力の分析(船体境界での圧力を出力)64、および波浪強制力の算出(単位振幅当りの波浪強制力を出力)65が含まれる。
【0029】
波浪強制力データのブロック70には、成分波の周期、振幅、位相71、および成分波の単位振幅当り波浪強制力72が含まれる。ブロック70から出力される波浪強制力データは時系列解析への入力になる。
【0030】
図5および図6に示される波浪強制力データの算出についてさらに説明すると、本来港内に存在する波には、港口から直接または回折して侵入する進行波と港外波により港内に励起される湾水振動がある。港内係留船舶に作用する波浪強制力を算定する場合これらを適切に評価する必要がある。そこで港内波データを進行波成分と湾水振動成分に分離する。一般に風浪・うねりの周期が10〜15秒程度であることから、成分波の内周期が一定の値未満、例えば20秒未満を進行波、一定の値以上、例えば20秒以上を湾水振動と設定する。進行波成分の波浪強制力は、従来と同様に適切に波向きを設定して、成分波の波浪強制力を重ね合わせることで算定する。
【0031】
上述の波の現地観測データを用いた場合の波浪強制力算出について説明する。係留船舶近傍で得られた港内波および港外波の時系列データを用いて波浪強制力データを算出している。ここに、まずその港内波および港外波の時系列データの成分分割を高速フーリエ変換を用いて行う。高速フーリエ変換により成分波の周期・振幅および位相を算出する。これらのデータのうち波周期20秒未満については、港内波データを用いて、前述の進行波による波力の分析プログラムにより単位振幅当たりの波浪強制力を求める。この港内波の成分波の周期・振幅および位相データは時系列解析中の波浪強制力データにもなる。また波向きについても同時に観測または目視観測から卓越波向きを設定する。この港内波の波向きは前述の進行波による波力の分析プログラム使用時に必要となる。
【0032】
一方波周期20秒以上については、港外波を用いて、後述の湾水振動による波力の分析プログラムにより単位振幅当たりの波浪強制力を求める。この港外波の成分波の周期・振幅および位相データは時系列解析中の波浪強制力データにもなる。また波向きについても同時に観測または目視観測から卓越波向きを設定する。この港外波の波向きは後述の湾水振動による波力の分析プログラム使用時に必要となる。
【0033】
湾水振動解析プログラムとして種々の手法が提案されているが、一般に与えられた波周期において港外波データから港内各地点での振幅増幅率(ζi/ηi、ηi:港外波、ζi:港内波)や水位変動を算出するために用いられている数値シミュレーションである。ここに速度ポテンシャルを求めるタイプの湾水振動計算では、任意の港内水域における振幅増幅率だけでなく速度ポテンシャルや圧力を求めることができる。湾水振動による波力の分析プログラムでの入力データには、海象データ、港湾形状データおよび船体諸元データがあげられる。海象データは、その海域の水深と波周期・波向きである。この波周期および波向きは、港外波時系列データから抽出した成分波についてのものである。港湾形状データは、港湾境界のメッシュ座標点、など港湾の特性を表す入力データである。船体諸元データは、船体境界のメッシュ座標点、など船体の特性を表す入力データである。
【0034】
以上の入力データにもとづき湾水振動による波力の分析を行い、船体境界での圧力を算出する。その後、波浪強制力算出プログラムを用いて単位振幅当たりの波浪強制力を算出する。以上の流れは全ての港外波成分波について行い、それらをまとめて時系列解析中の波浪強制力入力データとする。この場合港外波データから直接船体に作用する波浪強制力を求めることができることから港内波成分における波向き設定の困難さが不要となる。
【0035】
このように、湾水振動を考慮した波浪強制力データの算出は、波周期が一定の値未満、例えば20秒程度未満の短周期波成分を港内波から、一定の値以上、例えば20秒程度以上の長周期波成分を港外波から、その成分波の周期・振幅および位相を算出し、そして単位振幅当たりの波浪強制力を各々進行波による波力の分析プログラムおよび湾水振動による波力の分析プログラム・波浪強制力算出プログラムにより算定する。
【0036】
前記の本発明の一実施例による波浪強制力データの算出の過程と対比させるために、従来の波浪強制力データの算出の過程が図8を参照しつつ説明される。
【0037】
船舶係留の安全性評価に際し、より精度の高いシミュレーションが必要とされるから、従来、直接現地観測を行い、港内波や港外波の時系列データを用いて波浪強制力を算定するようになった。波の現地観測データを用いた場合の波浪強制力算出は下記のように行われる。係留船舶近傍で得られた港内波データを用いて波浪強制力データを算出する。ここに、まずその港内波の時系列データの成分分割500を高速フーリエ変換502を用いて行う。高速フーリエ変換により成分波の周期・振幅および位相503を算出する。これらのデータにもとづき後述する進行波による波力の分析600のプログラムを用いて、単位振幅当たりの波浪強制力603を求めることになる。この成分波の周期・振幅および位相データは時系列解析中の波浪強制力データ700にもなる。また波向きについても同時に観測または目視観測から卓越波向きを設定する。波向きは後述する進行波による波力の分析のプログラム使用時に必要となる。
【0038】
進行波による波力の分析603のプログラムは、与えられた波周期において、その船体に作用する波力を算定する数値解析シミュレーションである。ここに解析手法としては、境界要素法や有限要素法が考えられるが、流体内の速度ポテンシャルを算出するタイプを用いる。これは速度ポテンシャルから圧力さらには、力が容易に求められるためである。進行波による波力の分析603のプログラムでの入力データには、海象データ601と船体諸元データ602があげられる。
【0039】
海象データは、その海域の水深と波周期・波向きである。この波周期および波向きは、港内波時系列データから抽出した成分波についてのものである。船体諸元データは、船体の長さL、幅B、喫水d、排水量W、船体重心位置、また船体境界のメッシュ座標点、など船体の特性を表す入力データである。これらの入力データにもとづき進行波による波力の分析(周波数領域分析)603を行い、単位振幅当たりの波浪強制力を算出する。以上の流れは全ての成分波について行い、それらをまとめて時系列解析中の波浪強制力入力データとなる。
【0040】
本発明による港内係留船舶の動揺シミュレーション用の湾水振動を考慮した波浪強制力の測定方法によれば、港内係留船舶の長周期船体運動において船体に作用する波浪強制力のうち、長周期成分については湾水振動として取扱い、係留船舶の動揺シミュレーションの精度向上への寄与がなされ、船舶の安全な係留の検討に役立つ。また従来、船舶に作用する波浪強制力を港内波データを用い所定の波向きからの進行波として取扱っていたが、本発明の方法のように長周期船体運動に大きな影響を与える長周期波成分については、湾水振動分析により求めるようにすれば港内波の波向き設定の困難性を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】船舶係留用の対象バースが設けられた港湾の形状を示す図である。
【図2】港内係留船舶に対する波向きの設定を示す図である。
【図3】船舶の係留状況と外力条件を示す図である。
【図4】スウェイ係留力の特性を示す図である。
【図5】本発明の一実施例による測定方法における波浪強制力データの算出の過程の一部を示す図である。
【図6】図5と同様な図であり、図5と結合して理解される図である。
【図7】係留船舶動揺のシミュレーションを示す図である。
【図8】従来の波浪強制力のデータの処理過程を示す図である。
【符号の説明】
10…港内波の時系列の分割
20…波周期が一定の値未満である識別
30…港外波の時系列の分割
40…波周期が一定の値以上である識別
50…進行波による波力の分析プログラム
60…湾水振動による波力の分析プログラム
70…波浪強制力データ
100…港外域
101…港外波高計
102,103…防波堤
104…港内域
105…港内波高計
106…対象バース
107…港内係留船舶
151…ドルフィン側係留点
152…本船側係留点
153…係留索
154…防舷材
161…風
162…入射波
163…ラディエイション力
WD…波向き
Claims (9)
- 波周期が一定の値以上のとき、港外波の時系列の分割のデータを用い、海象データ、港湾形状データ、および船体諸元データにもとづき、湾水振動の算出を行い船体境界での圧力を導出し、波浪強制力の算出により単位振幅当りの波浪強制力を導出する湾水振動による波力の分析を行い、
波周期が一定の値未満のとき、港内波の時系列の分割のデータを用い、海象データ、および船体諸元データにもとづき、進行波による波力の算出により、単位振幅当りの波浪強制力を導出する進行波による波力の分析を行い、
前記の湾水振動による波力の分析および前記の進行波による波力の分析の結果にもとづき波浪強制力のデータを形成する、
ことを特徴とする波浪強制力の測定方法。 - 該港外波の時系列の分割のデータは、港外波の時系列と波向きにもとづく高速フーリエ変換による成分波の周期、振幅、および位相を導出することにより形成する、請求項1記載の方法。
- 該港内波の時系列の分割のデータは、港内波の時系列と波向きにもとづく高速フーリエ変換による成分波の周期、振幅、および位相を導出することにより形成する、請求項1記載の方法。
- 該海象データは、周期、波向き、および水深を含む、請求項1記載の方法。
- 該港湾形状データは、港湾境界メッシュ座標点を含む、請求項1記載の方法。
- 該船体諸元データは、船体境界メッシュ座標点を含む、請求項1記載の方法。
- 該船体諸元データは、船長、船幅、喫水、排水量、船体重心、および船体境界のメッシュ座標点を含む、請求項1記載の方法。
- 該湾水振動の分析により導出される船体境界での圧力は、船体諸元データとともに波浪強制力の算出の段階へ供給される、請求項1記載の方法。
- 該単位振幅当りの波浪強制力の算出の段階で形成されるデータは、波浪強制力データとして時系列分析の段階へ供給される、請求項1記載の方法。
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