JP3896820B2 - インク容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタ用のインク容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタはインクジェットプリンタ用のインク容器(以下、単にインク容器ともいう)から直径100μm以下の微小流路を経て、インク滴を10〜100μmの微小ノズルであるインクジェットプリンタヘッドから吐出し、記録紙上に文字、画像等を描くことから、インクが微小ノズルや微小流路を安定して流動できることが要求されている。特に、微小ノズル、微小流路が異物等により閉塞された場合、インクが流れなくなるため白く抜けたり、色が不足する状態になり製品にならなくなる。
【0003】
上記対策としては、インク容器とインクの両方からこれまでにいろいろの対策が採られてきた。例えば、異物発生の原因としては、インクに含まれているナトリウムイオンとインク容器に使用している材料中に添加されている脂肪酸、脂肪酸金属塩等がインク中に溶出し、インクに含まれるナトリウムイオンと反応して脂肪酸ナトリウムになり、これがインク容器中あるいはインク流路中で凝集しインクの流動を悪くしたり、ノズルを詰まらせたりすることが知られている。
【0004】
これらを防止する技術として、例えば特公平7−51687号にはインクに含まれるナトリウムイオンが0.2質量%以下であるインクが記載されている。特開平10−52924号、USP4,973,992号には樹脂に含まれる脂肪酸の量が10〜100ppmである樹脂を使用したインク容器が開示されている。しかしながら、ナトリウムイオン量を規定したインクはナトリウムイオンが過剰に含まれるインクに比べ改善されてはいるが、例えば、インクの長期保存や、温度環境の変化まで考慮した場合、十分な効果が得られるものではなかった。
【0005】
また、最近ではデジタル機器の進歩は著しく、それらの情報を可視化するためのインクジェットプリンタもそれらに合わせますます精緻な再現が望まれており、特に大サイズの画像を作製するインクジェットプリンタに使用されるインクの種類は、色再現を忠実に行うことが要求されることから同じ色でもイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの濃淡インク8色が用意されている。
【0006】
また、精緻化の要求に対応し、これまでより更にノズルは微小化されているため、これまでの技術では安心して長期間使用ができなくなっている。このため、インク容器の容量を小さくして短期間に使い終わる様にしているのが現状である。このためインク容器の交換を頻繁に行わなければならず、交換に伴う煩雑な作業が増えているため長期間使用が可能なインク容器の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、長期保存しても析出がなく安定して吐出できるインク容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記手段により達成される。
【0009】
1.インクジェットプリンタ用のインクを収納したインク容器であって、収納されたインク中のルビジウムイオンの質量濃度が0.1〜10ppmであり、前記インクを収納したインク容器のインクに接する面の材料中のステアリン酸カルシウムの質量濃度が5〜500ppmであることを特徴とするインクを収納したインク容器。
【0010】
2.前記ステアリン酸カルシウムの質量濃度が5〜200ppmであることを特徴とする上記1記載のインクを収納したインク容器。
【0011】
尚、参考として、以下の態様も挙げられる。
3.インクジェットプリンタ用のインクを収納したインク容器であって、収納されたインク中のルビジウムイオンの質量濃度が10ppm以下であり、前記インクを収納したインク容器のインクに接する面の材料中の脂肪酸または脂肪酸誘導体の塩の質量濃度が5〜500ppmであることを特徴とするインクを収納したインク容器。
【0012】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明者は鋭意研究の結果、インク中のルビジウムイオンの質量濃度が10ppm以下であり、インクを収納したインク容器のインクに接する面の材料中の脂肪酸または脂肪酸誘導体の塩としてステアリン酸カルシウムの質量濃度が5〜500ppmであるインク容器により、長期保存しても析出がなく安定して吐出できるインクを収納したインク容器を得ることができた。
【0013】
また、本発明の効果をより発現するためには、ルビジウムイオンの質量濃度が0.1〜10ppmであり、ステアリン酸カルシウムの質量濃度が5〜200ppmであることが好ましい。
【0014】
インク中のルビジウムイオンの質量濃度は、イオンクロマトグラフィー法で測定することができる。また、インク容器の材料中のステアリン酸カルシウム等の脂肪酸または脂肪酸誘導体の塩の質量濃度は、分析化学実験ハンドブック 日本分析化学会編の57〜58ページに記載の抽出方法により抽出し、504〜516ページに記載のガスクロマトグラフィー法に従い測定することができる。
【0015】
図1はインク容器をインクジェットプリンタのインク供給手段に装着した状態を示す模式図である。1はインク容器を示し、101は多層フィルムから作られたインク収納部を示し、102はインク供給部を示す。103はインク供給部102にインク収納部101を取り付けるための接合部を示す。102aはインクジェットプリンタにインク流出が下向きになるようにインク容器1を装着することでインクジェットプリンタのインク供給手段により開口される開口部を示す。尚、インク供給部102の形状は本図に限定されることはない。また、インクジェットプリンタのインク供給手段への装着方法も特に限定はない。2はインク供給管を示し、3はインクジェットプリンタのインクを噴出するノズルを示す。
【0016】
インク容器1のインクが減少した場合、インク容器1をインク供給管2から切り離し、満たんのインクを有するインク容器1をインク供給管2へ連結し、再びノズル3へインクが供給可能となる。インク容器1は単層のフィルムであっても、インクに接するシーラント層フィルムと酸素遮断層フィルムの多層フィルムであってもよい。また、シーラント層フィルムと酸素遮断層フィルムがそれぞれ多層フィルムであってもよい。
【0017】
インク収納部に使用する材料としては、袋状に加工ができ、低コスト、耐インク性の樹脂が必要である。その要件をみたし、一般に入手しやすい材料としてポリオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ABS樹脂、ポリアセタール、ナイロン、不飽和ポリエステル樹脂、PET、アラミド樹脂等の樹脂材料やスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、クロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、EPDM、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムがある。本発明においては、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0018】
本発明者は、インク収納部に使用する樹脂や合成ゴム等の材料中に含まれる添加剤成分がインク中へ溶出し、溶出成分がインクの組成分と反応して不溶物を生成することを発見し本発明に至った。すなわち、インクを含有したインク容器が、長時間使用されなかったり、あるいは、室温より温度の高い条件で置かれたりすることにより、インク収納部に使用する樹脂や合成ゴム等の材料中に含まれる脂肪酸や脂肪酸誘導体の塩がインクへ溶出して室温に戻った時再び析出し不溶物を作ったり、またインクに含まれているルビジウムイオンと溶出物が反応して脂肪酸ルビジウムの不溶物を生成したりしてフィルターやノズルオリフィスを詰まらせ、インクの流れを防げたのである。特に樹脂や合成ゴム中の添加剤がステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩の場合、ステアリン酸ルビジウムを生成し、これはフィルターや細いインク流路に詰まりやすく、インクの流動を防げやすい。この現象は、インクを含むインク容器が40℃以上の高温で1日以上放置した場合、顕著に起こる。この原因としては、樹脂や合成ゴム中のステアリン酸金属塩が高温状態で溶けやすくなるとともに、樹脂や合成ゴム自身のポリマーマトリクスも温度の上昇により分子振動をおこすためマトリクス中に存在するステアリン酸金属塩の溶出が大きくなるためであると考えられる。さらにインクのpHが高くなると、ステアリン酸カルシウムの溶出はいっそう高くなる。
【0019】
インク収納部に使用する樹脂や合成ゴム等の材料中に含まれる脂肪酸やその誘導体の塩の添加されている量は樹脂やゴムの種類、及び同じ種類でもグレードの違い等によって異なる。特に、耐薬品性が高く、コストが安く袋状に加工できる材料としてポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン樹脂がある。この樹脂中には前記脂肪酸やその誘導体の塩が、重合時の安定剤として添加されたり、フィルムに加工する時にローラーへの付着を防止するスリップ剤として添加される。安定剤やスリップ剤に用いられる脂肪酸やその誘導体の塩は、炭素数8〜22のものが一般に使用され、その中でもステアリン酸、Ca、Al、Mg、Znの、ステアリン酸金属塩(以後ステアリン酸(Ca、Al、Mg、Zn)で表す)、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸、ベヘン酸(Ca、Al、Mg、Zn)、オレイン酸、オレイン酸(Ca、Al、Mg、Zn)、オレイン酸アマイド、エルカ酸、エルカ酸(Ca、Al、Mg、Zn)、エルカ酸アマイド等がある。
【0020】
特にポリエチレンフィルムの場合、その重合性により多種類あり、それぞれに添加される脂肪酸やその誘導体の塩の量も異なる。その他インク容器として容器材料中に脂肪酸やその誘導体の塩を含む材料としては塩化ビニルやナイロン、ポリアセタール、エチレン−酢酸ビニル、ABS樹脂等やほとんどの合成ゴムが挙げられる。
【0021】
一方、インクジェットプリンタに用いられるインクは、取り扱い性がよくインク自身の乾燥によるノズルオリフィスの目詰りが起こらないことや、インク噴射ヘッドから高速応答してインク粒を噴出するためインクが低粘性流体といった特性が必要で、一般に水ベースの水性インクが使用されている。そのため、インク中には、水溶性の直接染料、酸性染料、塩基性染料、溶剤分散性の顔料等の色素成分、及び水が蒸発してもインクの乾燥を防ぐ湿潤成分を含んでいる。特に色素成分である直接染料等は、水に対する溶解度を上げるため分子内にスルホン酸ナトリウムを多く有し、さらに染料製造の塩折工程で使用される塩化ナトリウム、ジアゾ化工程での亜硝酸ナトリウム、その他酢酸ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸ナトリウム、硫酸ナトリウムが染料中に含まれる。ルビジウムはナトリウムに随伴して広く分布するため、ナトリウム塩を含むインク中にはルビジウムイオンが含まれ、これが温度等によりインク容器からインク中に溶出した、ステアリン酸カルシウムのような脂肪酸の塩と反応して脂肪酸ルビジウム(ステアリン酸ルビジウム)を作り、インクの流動性を防げる原因となるのである。
【0022】
本発明者は、ポリオレフィン樹脂の中でもよく用いられる低密度ポリエチレンのフィルムで作った袋に、袋からの溶出を加速するため1質量%のKOHを含むルビジウムイオン濃度の異なる水溶液を入れ、密閉した後、70℃の環境下で約10日間放置して、その後常温に5日おいてから溶液中の生成物について観察を行った。条件として60μm厚みの低密度ポリエチレン袋を用い、ルビジウムイオンの質量濃度が5ppm、10ppm、20ppm、50ppmとなるようなRuCl水溶液を、それぞれ袋中に気泡が残らないよう液中ヒートシールを行い、放置した。その結果、20ppm、50ppmのルビジウムイオンを含む袋では、糸状の結晶の生成が認められた。糸状結晶を赤外線分光光度計とX線マイクロアナライザーにより分析した結果、ステアリン酸ルビジウムであることが判明した。従って、インク容器としては、インク収納部に使用する樹脂や合成ゴム等の材料中にステアリン酸カルシウムのような脂肪酸の塩を含んでいても、インクのルビジウムイオン濃度が10ppm以下であればインクの流動性を防げる原因となるステアリン酸ルビジウムを析出せずに済むのである。
【0023】
一方、インク中のルビジウムイオンと共にナトリウムイオン濃度が下がりすぎると、水溶液中で染料が会合しやすくなり、染料の会合性の高いインクは連続インク出射安定性を欠き好ましくない。そのため、インク中のルビジウムイオンの質量濃度としては0.1ppm以上が好ましい。
【0024】
本発明のインクジェットプリンタに係るインクは、水、水溶性の染料、溶剤分散性の顔料、湿潤剤を主成分とするが、各組成物中に含まれるルビジウムイオンの質量濃度の総和がインク全量の10ppm以下でなければならない。
【0025】
水については、ルビジウムイオン濃度を極力下げるために、超純水を用いる。超純水を得るには通常の水道水を逆浸透膜やイオン交換樹脂等、公知の手法により処理することにより得ることができる。
【0026】
水溶性染料は、一般に多くのナトリウムを含んでいる。その原因としては前述のように、染料の塩析工程で使用される塩化ナトリウムや、ジアゾ化工程での亜硝酸ナトリウム、その他の工程中での酢酸ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウムが、製造された染料中に含まれるからである。また水溶性染料自身にも、多くの場合、分子内にスルホン酸ナトリウム基を含んでおり、一般に入手できる水溶性染料のほとんどは、染料中にナトリウムとして5質量%以上は含まれる。ルビジウムはナトリウムに随伴して広く分布するため、染料を本発明に係るインクに用いるためには、これらのナトリウム化合物を製造段階で使用を減らすことによりルビジウムイオンを低減できる。また、前述のナトリウム化合物を使用した場合でも、陽イオン交換樹脂、例えばアンバーライト120系(オルガノ(株)商標)やダウエックス50W(ダウケミカル商標)等の強酸性陽イオン交換樹脂をH型にして、染料水溶液を交換樹脂に通すことによりルビジウムイオンを低減できる。
【0027】
溶剤分散性の顔料についても、これらのナトリウム化合物を製造段階で使用を減らすことによりルビジウムイオンを低減できる。
【0028】
本発明に用いられる水溶性染料としては、カラーインデックスにある直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、あるいは食品用色素等が使用でき、前述の染料のナトリウム化合物を低減する製造法や、精製法で本発明の所望のルビジウムイオン濃度に調整することができる。
【0029】
以下に本発明に用いられる代表的染料を挙げる。
〈直接染料〉
C.I.ダイレクトイエロー1、4、8、11、12、24、26、27、28、33、39、44、50、58、85、86、100、110、120、132、142、144、
C.I.ダイレクトレッド1、2、4、9、11、13、17、20、23、24、28、31、33、37、39、44、47、48、51、62、63、75、79、80、81、83、89、90、94、95、99、220、224、227、243、
C.I.ダイレクトブルー1、2、6、8、15、22、25、71、76、78、80、86、87、90、98、106、108、120、123、163、165、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、236、237、
C.I.ダイレクトブラック2、3、7、17、19、22、32、38、51、56、62、71、74、75、77、105、108、112、117、154、
〈酸性染料〉
C.I.アシッドイエロー2、3、7、17、19、23、25、29、38、42、49、59、61、72、99、
C.I.アシッドオレンジ56、64、
C.I.アシッドレッド1、8、14、18、26、32、37、42、52、57、72、74、80、87、115、119、131、133、134、143、154、186、249、254、256、
C.I.アシッドバイオレット11、34、75、
C.I.アシッドブルー1、7、9、29、87、126、138、171、175、183、234、236、249、
C.I.アシッドグリーン9、12、19、27、41、
C.I.アシッドブラック1、2、7、24、26、48、52、58、60、94、107、109、110、119、131、155、
〈反応性染料〉
C.I.リアクティブイエロー1、2、3、13、14、15、17、37、42、76、95、168、175、
C.I.リアクティブレッド2、6、11、21、22、23、24、33、45、111、112、114、180、218、226、228、235、
C.I.リアクティブブルー7、14、15、18、19、21、25、38、49、72、77、176、203、220、230、235、
C.I.リアクティブオレンジ5、12、13、35、95、
C.I.リアクティブブラウン7、11、33、37、46、
C.I.リアクティブグリーン8、19、
C.I.リアクティブバイオレット2、4、6、8、21、22、25、
C.I.リアクティブブラック5、8、31、39
〈塩基性染料〉
C.I.ベーシックイエロー11、14、21、32
C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13
C.I.ベーシックバイオレット3、7、14
C.I.ベーシックブルー3、9、24、25
染料は記録用インクの着色成分であるので、被記録媒体へ印刷された時、十分なコントラストが必要であり、また染料濃度が高すぎるとインクジェットヘッドのノズル部で乾燥析出による目詰りが起こるため、インク総質量あたり0.5〜10質量%が最適である。また、インク総質量あたり10質量%以上の水を含有することが好ましい。
【0030】
湿潤剤は、インクジェットヘッドのノズル部でインクの乾燥を防止するための重要な成分である。本発明のインクでは湿潤剤として水溶性有機溶剤が使用でき、その内でも多価アルコール類、及び多価アルコール類のエーテル誘導体、エステル誘導体、水溶性アミン、含窒素環状化合物等が適している。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール類のアルキルエーテル誘導体類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、グリセリルモノアセテート、グリセルジアセテート等の多価アルコールのエステル誘導体、(モノ、ジ、トリ)エタノールアミン、ポリオキシエチレンアミン等の水溶性アミン、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素環状化合物がある。これら水溶性有機溶剤は、ナトリウムイオンを含まないため特に精製する必要はないが、合成過程でナトリウム化合物を使用しなければならない水溶性有機溶剤については精製すべきである。有機溶剤の添加量としては、記録用インクの乾燥防止のため、量が多い程効果はあがるが、一方記録用インクの粘度も上昇するため多量の添加は好ましくない。一般に、インク粘度はインク粒の噴出サイクルに大きく影響を及ぼし、粘度が高くなると噴出サイクルは上がらず噴出特性も不安定になる。
【0031】
本発明に用いられる顔料としては、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及びカーボンブラック等を好ましく用いることができる。
【0032】
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
【0033】
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0034】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0035】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0036】
これらの顔料には、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよい。顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることができる。
【0037】
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
【0038】
顔料インク中の顔料粒子の平均粒径は、インク中での安定性、画像濃度、光沢感、耐光性などを考慮して選択するが、光沢向上、質感向上の観点からも粒径を適宜選択することが好ましい。
【0039】
顔料インクとして好ましい形態である水系インク組成物は、水溶性有機溶媒を併用することが好ましい。本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。
【0040】
水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併用してもよい。水溶性有機溶媒のインク中の添加量としては、総量で5〜60質量%であり、好ましくは10〜35質量%である。
【0041】
インクには、必要に応じて、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。
【0042】
インク組成物は、その飛翔時の粘度として40mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましい。また、インク組成物はその飛翔時の表面張力として、20mN/m以上が好ましく、30〜45mN/mであることがより好ましい。
【0043】
さらに本発明者は、この脂肪酸及びその誘導体の塩とインクのルビジウムイオンの反応に着目しインク容器を構成する樹脂や合成ゴムに含まれる脂肪酸及びその誘導体類の塩を減少させることにより、不溶物の生成が抑制できることを確認した。実験として、1質量%のKOHを含みルビジウムイオンの質量濃度が10ppmのRuCl水溶液に、ステアリン酸カルシウムをそれぞれ3、5、10、183、500、1000ppm含むポリエチレン製の袋を用いて、前記RuCl水溶液100mlを気泡が残らないように液中熱シールを行い、70℃の環境下で10日間放置して、その後室温に3日置いてから袋を破り液体を取り出して10μmの孔径をもつ金属製フィルターで濾過した。その結果、1000ppmのステアリン酸カルシウムを含む袋のみ不溶物が発生していた。また3ppmのステアリン酸カルシウムを含む袋は熱シール部から液体がたれており、この濃度ではシール強度が弱いため、5〜500ppmのステアリン酸カルシウム濃度のポリエチレン袋を用いれば、ルビジウムイオンを10ppm含んでいても、不溶物の生成が抑制でき、シール強度も実用的であることがわかった。すなわち、インク容器内のインクの組成やルビジウム濃度によっても不溶物の発生は変化するが、インク容器を構成する樹脂や合成ゴム中のステアリン酸カルシウムのような脂肪酸やその誘導体の塩の総量が5〜500ppmであれば、インクジェットプリンタのインク系の流動を防げる不溶物の生成はなく実用上問題ない。
【0044】
本発明では、インク容器のインクに接する面の材料中の脂肪酸または脂肪酸誘導体の塩として、ステアリン酸カルシウムの質量濃度が5〜500ppmであることが必要で、さらに5〜200ppmであることが好ましい。このために、代表的なポリオレフィン系樹脂について説明すると、安定剤やスリップ剤としてのステアリン酸カルシウムの含有量が少ない樹脂を用いる。または通常の触媒を使用し製造した後、触媒失活剤を濾過しステアリン酸カルシウムの含有量を減らしたポリオレフィン系樹脂、チーグラー型触媒を使用しないで製造されたポリオレフィン系樹脂及びメタロセン触媒を使用し製造されたポリオレフィン系樹脂が用いられる。
【0045】
インク容器のフィルムは単層でもよいし多層構成にしてもよい。但し、多層構成の場合はインクと接する側は、脂肪酸または脂肪酸誘導体の塩であるステアリン酸カルシウムの質量濃度が5〜500ppmであることが必要で、さらに5〜200ppmであることが好ましい。好ましい構成としては中間層に補強層を持ち上層、下層は脂肪酸または脂肪酸誘導体の塩であるステアリン酸カルシウムが少ないポリオレフィン系樹脂からなる構成が挙げられる。
【0046】
フィルムの厚さは30〜120μmが好ましく、より好ましくは50〜90μmである。30μm未満の場合、インク供給管にインク収納部を接合する場合、未接着部ができ接着性が不完全となり好ましくない。120μmを越えた場合、材質は硬くなりインク収納部の形によってはインク残りが多くなったり、シール時間が長くかかり生産速度が上がらなくなり好ましくない。
【0047】
これらポリオレフィン系樹脂の単独重合樹脂としては、ポリエチレン樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂の中でも特に高圧法で製造された低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。
【0048】
共重合樹脂としてはメタロセン触媒を使用して製造した高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び中低圧法の溶液重合、スラリー重合、気相重合で重合した後、触媒失活剤を濾過し製造された、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が挙げられる。その他の共重合体樹脂としては例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−1−ブテン共重合体樹脂、エチレン−ブタジエン共重合体樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂(エチレンと不飽和酸との共重合物を亜鉛等の金属で架橋した樹脂)、エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体樹脂、エチレン−プロピレンエラストマー等が挙げられる。
【0049】
触媒失活剤を濾過する方法としては一般的に知られている方法で行うことが可能である。触媒失活剤とはポリエチレンを触媒(例えばチーグラー触媒、フィリップス触媒)を使用し製造するときに、ポリエチレン中に残存する触媒残渣を無害化するために添加する炭素数8〜22の脂肪酸金属塩を言う。これら一般に使用される脂肪酸金属塩としては例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸Al、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Znの、ステアリン酸金属塩(以後ステアリン酸(Ca、Al、Mg、Zn)で表す)、ベヘン酸(Ca、Al、Mg、Zn)、オレイン酸(Ca、Al、Mg、Zn)、エルカ酸(Ca、Al、Mg、Zn)等である。
【0050】
メタロセン触媒を使用して製造したHDPE、LLDPEは一般に市販されているものであれば充分に使用できる。例えば宇部興産(株)製のユメリット、ダウ・ケミカル日本製のAFFINITY、エリート、日本ポリオレフィン(株)製のハーモレックスLL、日本ポリケム(株)製のカーネル57L、三井化学(株)製エボリュー、積水フィルム西日本(株)製ラミロンスーパー、タマポリ(株)製SEシリーズ、東セロ(株)製トーセロT.U.X−FCS、T.U.X−TCS、二村化学工業(株)製太閤FL、三菱化学興人パックス(株)製メタロエース、和田化学工業(株)製WMX、住友化学(株)製FV202等が挙げられる。
【0051】
ポリオレフィン系樹脂を使用してフィルム成形を行う場合、成形条件によっては成形されたフィルム同士がくっ付くことがあるためアンチブロッキング剤を添加する必要がある。
【0052】
添加するアンチブロッキング剤としては特に限定はない。例えば特開平6−256589号に記載されている塩基性炭酸マグネシウム、特開平7−196819号に記載されている架橋アクリル−スチレン系共重合体、特開2000−38455に記載されているアクリル系アンチブロッキング粒子群、その他としてシリカ、タルク、長石、ゼオライトA、ゼオライトAの酸処理物、硫酸バリウムまたはアパタイト等市販されているものが使用できる。
【0053】
これらアンチブロッキング剤の添加量としては、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して0.01〜1.0質量部、好ましくは0.05〜0.5質量部である。0.01質量部未満ではスリップ性、アンチブロッキング性が悪くなり、1.0質量部を越えた場合は透明性が著しく悪くなりインク容器中のインク残量を確認することができなくなり好ましくない。
【0054】
アンチブロッキング剤をポリオレフィン系樹脂に添加する方法としては、プラスチック加工技術ハンドブック 高分子学会編324〜335ページに記載されている、コンパウンド方式または直接着色方式にて添加することができる。必要に応じて何れかの方法を選択して添加すればよいが、アンチブロッキング剤の分散が均一となるコンパウンド方式が好ましい。
【0055】
シーラント層フィルムが多層構成の場合、中間層の補強層に使用する樹脂はフィルム成形ができるものであれば特に限定はない。
【0056】
酸素遮断層フィルムとしては、機能性包装材料の新展開 株式会社東レリサーチセンターに記載されている熱可塑性フィルムを使用し、必要に合わせ積層して作製することが可能である。本発明においては、シリカ蒸着フィルム、無機蒸着フィルム、アルミニウム箔を積層したフィルムも含め酸素遮断層用フィルムと言う。酸素遮断層フィルムの酸素透過率は0〜5ml/m2・atm(24h・20℃)が好ましい。5ml/m2・atm(24h・20℃)を越えた場合はインク収納部に気泡が発生し好ましくない。酸素遮断層フィルムの厚さは20〜50μmが好ましく、より好ましくは25〜45μmである。20μm未満の場合は耐衝撃性が弱く酸素遮断層が破れる危険があるため好ましくない。酸素遮断層フィルムの厚さの設定は20〜50μmの範囲で、シーラント層フィルムの厚さとの組み合わせで適宜選択することが好ましい。
【0057】
単体の酸素遮断層フィルムとしては例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、超低密度ポリエチレン(VLLDPE)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエステル(PET)、セロファン、ポリビニルアルコール(PVA)、延伸ビニロン(OV)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMA)、PP樹脂(プロピレン−α−オレフィンランダムまたはブロック共重合体樹脂を含む。α−オレフィンとしてはエチレン、ブテン−1が特に好ましい)、EAA樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド樹脂、各種熱可塑性エラストマー、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリスチレン(PS)樹脂、スチレン−合成ゴム共重合体樹脂(以下、ハイインパクトポリスチレン樹脂という)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂等が使用できる。
【0058】
また、これらのフィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押し出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて張り合わせて作った多層フィルム等も使用できる。更に必要とする包装材料の物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組み合わせて作ることも当然可能である。
【0059】
これらのフィルムの上には特開平7−323559号に記載してあるシリカ蒸着フィルムを積層してもよいし、特開平6−095302号に記載してある無機蒸着フィルムを積層してもよい。特開平2−235048号、同2−278256号に記載されている如きアルミニウムの箔を積層したフィルムまたはアルミニウムを蒸着したフィルムを使用してもよい。
【0060】
酸素遮断層フィルムとシーラント層フィルムを製造する方法としては、一般的に知られている各種の方法が用いることが可能である。例えば、プラスチック加工技術ハンドブック 高分子学会編 285〜774ページに記載されているウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出しラミネート法、熱ラミネート法、インフレーション法を使用し必要な層構成とすることが可能であり、これらの方法の中でもドライラミネート法、インフレーション法が好ましい。
【0061】
また、酸素遮断層フィルムへシーラント層フィルムをドライラミネート法で積層する際に使用される接着剤としては一般的に知られている接着剤が使用できる。例えば各種ポリエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系熱溶融接着剤、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等のエチレン共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂熱溶融接着剤、その他熱溶融型ゴム系接着剤等が挙げられる。エマルジョン型接着剤の代表例としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、酢酸ビニルとアクリル酸エステル共重合体樹脂、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合体樹脂、アクリル酸共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物等のエマルジョンが挙げられる。ラテックス型接着剤の代表例としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等のゴムラテックスが挙げられる。また、ドライラミネート用接着剤としてはイソシアネート系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤等が挙げられ、その他、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等をブレンドしたホットメルトラミネート接着剤、感圧接着剤、感熱接着剤等公知の接着剤を用いることもできる。エクストルージョンラミネート用ポリオレフィン系樹脂接着剤はより具体的にいえば、各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂からなる重合物及びエチレン共重合体(EVA、EEA等)樹脂の他、LLDPE樹脂の如く、エチレンと他のモノマー(α−オレフィン)を共重合させたもの、Dupont社のサーリン、三井ポリケミカル社のハイミラン等のアイオノマー樹脂(イオン共重合体樹脂)及び三井石油化学(株)のアドマー(接着性ポリマー)等がある。特にLDPE樹脂とLLDPE樹脂が安価でラミネート適性に優れているので好ましい。また前記記載樹脂を2種以上ブレンドして各樹脂の欠点をカバーした混合樹脂は特に好ましい。例えばLLDPE樹脂とLDPE樹脂をブレンドすると延展性が向上し、ネックインが小さくなるのでラミネート速度が向上し、ピンホールが少なくなる。
【0062】
上記接着剤は酸素遮断層フィルム及びシーラント層フィルムを製造する時にも使用することが可能である。上記接着剤を用いて各層を接着する時、接着強度は200×9.8mN/15mm巾以上になる様に積層することが好ましい。本発明による多層フィルムを使用しインク収納部を作る場合、1重平袋、2重平袋、自立袋、1重ガゼット袋、2重ガゼット袋等の公知のあらゆる形態が可能である。
【0063】
製袋の方法は使用する積層フィルムの性質に応じて、ヒートシール、溶断シール、インパルスシール、超音波シール、高周波シール等、従来公知のプラスチックフィルムのシール法が可能である。製袋時にシーラント層フィルムを重ね合わせ、熱を掛けることで、シーラント層フィルムが溶融し接着が行われる。なお、接着剤を使用して製袋することも可能である。
【0064】
本発明のインク容器を作る方法としては、先ず前記多層フィルムを使用し筒状のインク収納部を作り、開放口の一方にインク供給管を取り付けた後、他の開放口から減圧条件下でインクを充填し熱溶着または接着剤により密封することにより製造することができる。筒状のインク収納部を作る方法としては例えば、1)長方形の2枚の前記多層フィルムのシーラント層フィルムを内側にして重ね合わせ、長辺側を熱溶着または接着剤で接着する方法、2)長方形の1枚の前記多層フィルムの長手中央からシーラント層フィルムを内側にして重ね合わせ半折し、両長辺側を熱溶着または接着剤で接着する方法、3)長方形の1枚の前記多層フィルムの幅手中央からシーラント層フィルムを内側にして重ね合わせ半折し、長辺側を熱溶着または接着剤で接着する方法が考えられるが一番作りやすい方法を適宜選択して作ることが可能である。
【0065】
尚、インクを噴出するノズルにインクを供給するインク供給管にも、本発明のステアリン酸カルシウムの濃度の低いポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。
【0066】
【実施例】
実施例1
〔インクの調製〕
以下に記載の方法に従って、インク1〜7を調製した。
【0067】
〈インク1〉
C.I.アシッドイエロー23 10g
水 90g
上記水溶液100gをH型強酸性用イオン交換樹脂アンバーライト120Bの充填されたイオン交換塔に通し、ルビジウムイオンの除去を行ない、C.I.アシッドイエロー23の精製10質量%水溶液を得た。この水溶液はpHが低く、KOH水溶液でpH10になるように調整した。この液を用いて下記の組成に示すインク1を調製した。このインク1をイオンクロマトで測定した結果、ルビジウムの質量濃度は5ppmであった。
【0068】
C.I.アシッドイエロー23(精製10質量%水溶液) 30g
ジエチレングリコール 25g
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01g
水で100gに仕上げる。
【0069】
〈インク2〜4〉
RuCl水溶液を添加し、下記の組成に示すインク2〜4を調製した。
【0070】
C.I.アシッドイエロー23(精製10質量%水溶液) 30g
RuCl水溶液 ルビジウムイオンが表1になる量
ジエチレングリコール 25g
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01g
水で100gに仕上げる。
【0071】
〈インク5〉
インク1と同様にしてC.I.Direct Red227中のルビジウムイオンの除去、pH調整を行ない、この精製C.I.Direct Red227水溶液を用いて下記の組成に示すインク5を調製した。このインク5をイオンクロマトで測定した結果、ルビジウムの質量濃度は2ppmであった。
【0072】
C.I.Direct Red227(精製10質量%水溶液) 30g
ジエチレングリコール 29g
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01g
水で100gに仕上げる。
【0073】
〈インク6〉
染料インク1と同様にしてC.I.Direct Blue199中のルビジウムイオンの除去、pH調整を行ない、この精製C.I.Direct Blue199水溶液を用いて下記の組成に示すインク6を調製した。このインク6をイオンクロマトで測定した結果、ルビジウムの質量濃度は4ppmであった。
【0074】
C.I.Direct Blue199(精製10質量%水溶液) 30g
ジエチレングリコール 25g
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01g
水で100gに仕上げる。
【0075】
〈インク7〉
インク1と同様にしてC.I.Food Black2中のルビジウムイオンの除去、pH調整を行ない、この精製C.I.Food Black2水溶液を用いて下記の組成に示すインク7を調製した。このインク7をイオンクロマトで測定した結果、ルビジウムの質量濃度は2ppmであった。
【0076】
C.I.Food Black2(精製10質量%水溶液) 40g
ジエチレングリコール 25g
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01g
水で100gに仕上げる。
【0077】
次に、以下に示す材料を用いてインク容器1〜6を作製した。
(酸素遮断層フィルムの作製)
以下に示す多層構成の酸素遮断層フィルムを作製した。
【0078】
ONy15μm/アルミナ蒸着(200Å)PET12μm
アルミナ蒸着PET12μmとしては東洋メタライジング(株)製のBARRIALOX1011HGCSを使用した。積層方法はウレタン系接着剤を使用した。尚、作製した酸素遮断層フィルムの酸素透過率はJIS K−7126に従い測定した結果、0.4ml/m2・atm(24h・20℃)であった。
【0079】
(シーラント層フィルム1〜6の作製)
スリップ剤としてステアリン酸カルシウムを表1のように含有する、メタロセン触媒を使用して低圧法で製造したLLPDEを用い、シーラント層フィルム1〜6を作製した。
【0080】
(インク収納部用の多層フィルムの作製)
上記酸素遮断層フィルムへウレタン系接着剤を使用して上記作製したシーラント層フィルム1〜6を積層し、それぞれインク収納部用の多層フィルム1〜6を作製した。
【0081】
(インク供給部の作製)
上層にスラリー重合法で作製したHDPE、下層にメタロセン触媒を使用して製造したHDPEになるように、射出成形法にてインク供給部を作製した。
【0082】
《インク容器の作製》
前記準備したインク収納部用の多層フィルム1〜6を各2枚用意し、シーラント層フィルムを重ね合わせ、長辺側を熱溶着で接着した後、インク供給部の取り付け部を短辺側の未溶着部に挿入し接着剤で接着し、それぞれインク容器1〜6を作製した。
【0083】
表中の脂肪酸含有量の測定は、日本分析化学会編の57〜58ページに記載の抽出方法により抽出し、504〜516ページに記載の方法に従い測定した値である。
【0084】
各インク容器に減圧条件下で上記作製したインクを充填し、熱溶着で密封接着し、インクを充填した試料1〜12とした。
【0085】
試料1〜12につき、下記に示す評価を行い、その結果を表1に示す。
(評価)
〈出射安定性〉
64本の出射ノズルを持つオンデマンド・ピエゾシェアーモード駆動方式のインクジェットプリンタを用い、駆動周波数8.2kHzで出射速度10m/sで出射させ出射状態を目視で2時間観察し、時々出射がなくなる間欠出射及び出射方向が斜めにずれる斜め出射等通常出射状態を維持出来ないノズルの本数を数えた。通常出射出来ないノズルの本数が少ないほど出射安定性がよい。
【0086】
◎:出射出来ないノズル数が0本
○:出射出来ないノズル数が1〜2本
△:出射出来ないノズル数が3〜5本
×:出射出来ないノズル数が6本以上。
【0087】
〈析出性〉
インクを充填した袋を70℃で120時間放置し、更に3日間放置してから、インクジェットプリンタのヘッドと同径のフィルターに通し、同流速の場合の流圧の変化の有無を確認した。流圧の変化があれば×とし、無い場合は○とした。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】
本発明により、長期保存しても析出がなく安定して吐出できる、インクを収納したインク容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク容器をインクジェットプリンタのインク供給手段に装着した状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 インク容器
2 インク供給管
3 ノズル
101 インク収納部
102 インク供給部
101a 酸素遮断層フィルム
101b シーラント層フィルム
Claims (2)
- インクジェットプリンタ用のインクを収納したインク容器であって、収納されたインク中のルビジウムイオンの質量濃度が0.1〜10ppmであり、前記インクを収納したインク容器のインクに接する面の材料中のステアリン酸カルシウムの質量濃度が5〜500ppmであることを特徴とするインクを収納したインク容器。
- 前記ステアリン酸カルシウムの質量濃度が5〜200ppmであることを特徴とする請求項1記載のインクを収納したインク容器。
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