JP3896319B2 - 盲導犬用水洗便所 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は盲導犬用水洗便所、詳しくは、盲人に連れられた盲導犬が排泄物を排泄するための盲導犬用水洗便所に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、盲人の歩行を助けるため、特別に訓練された盲導犬の頭数が増えている。盲人を導いている盲導犬も、他の犬と同じように排泄行為を行う。しかしながら、盲人の場合、傍に介護者がいなければ盲導犬の排泄物を処理することができなかった。
ところで、市街地には所定距離ごとに公園が点在する。ほとんどの公園には公衆便所が設置されている。ただし、この公衆便所は人間のための施設である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように公園に設置された公衆便所は人間のための施設であるため、盲人に連れられた盲導犬が利用することはできなかった。
【0004】
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、盲導犬が排泄する排泄エリア部に、盲導犬が排泄するまでの間、盲人が盲導犬の傍で待機する立ち位置部を設置し、排泄後、水洗装置を用いて洗浄水により排泄エリア部の外まで排泄物を圧送し、その後、排泄エリア部を水洗するようにすれば、介助者を必要とせず、自動的に盲導犬の排泄物を処理可能な新しい施設を提供することができることを知見し、この発明を完成させた。
【0005】
【発明の目的】
この発明は、介助者を必要とせずに盲導犬の排泄物を処理することができる盲導犬用水洗便所を提供することを、その目的としている。
この発明は、洗浄水の低圧化を図ることができる盲導犬用水洗便所を提供することを、その目的としている。
この発明は、水洗時に排泄物が排泄面に付着しにくく、排泄面上での盲導犬の足の滑りを防ぐことができる盲導犬用水洗便所を提供することを、その目的としている。
この発明は、排泄面上での排泄位置に拘らず、洗浄水により排泄物を効率よく排出することができる盲導犬用水洗便所を提供することを、その目的としている。
【0006】
この発明は、盲人を迷わず立ち位置部まで誘導することができる盲導犬用水洗便所を提供することを、その目的としている。
この発明は、排泄後、自動的に排泄エリア部を水洗することができる盲導犬用水洗便所を提供することを、その目的としている。
この発明は、悪天候の時でも盲導犬が快適に排泄することができる盲導犬用水洗便所を提供することを、その目的としている。
この発明は、盲導犬用水洗便所の利用に際し、自動的にトイレルームの照明および換気を行うことができる盲導犬用水洗便所を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、盲人に連れられた盲導犬が排泄物を排泄する排泄面を有する排泄エリア部と、該排泄エリア部の内部に設けられ、盲人が自分自身で立ち位置を認識可能な立ち位置部と、前記排泄エリア部の排泄面に排泄された排泄物を、洗浄水により排泄エリア部の外まで圧送し、前記排泄エリア部を水洗する水洗装置とを備えた盲導犬用水洗便所である。
盲導犬用水洗便所は、屋外または屋内のいずれに設置してもよい。屋外の場合、屋根の有無は問わない。また、屋内の場合、例えば住居内に設置したり、ビル内に設置したりすることができる。
排泄エリア部の素材、大きさ、形状は限定されない。ただし、盲導犬とこれを連れた盲人とが立ち入れる広さが必要である。例えば、ステンレス製またはコンクリート製の平面視して正方形状のパンなどを採用することができる。
【0008】
立ち位置部の素材、大きさ、形状は限定されない。例えば、平面視して矩形状で、表面に多数個の小突起が突設された盲人立ち位置案内ブロックなどを採用することができる。その他、盲人に立ち位置部を認識させる方法は限定されない。例えば、立ち位置部への到達を音で知らせたり、振動で知らせてもよい。
洗浄水の水圧は、排泄物を排泄エリア部の外まで送り出せる圧力であれば限定されない。
水洗装置としては、公知のものを採用することができる。例えば、パン形状を有する排泄エリア部の外周縁に沿って洗浄ノズルが配管され、外設された高圧水発生装置により発生した高圧水を、洗浄管に所定ピッチで穿設された多数のノズルから噴出させるものを採用することができる。
水洗装置は、盲導犬の排泄後、自動的に作動させるようにしてもよい。また、盲人が手や足などの身体の一部またはステッキなどを利用して手動で作動させてもよい。自動洗浄の場合、例えば一定時間が経過した後、自動的に水洗するタイマ制御を行ってもよい。
水洗装置には、排泄面上の排泄物を外部に掻き出すスクレーパを設けてもよい。また、このスクレーパは、移動装置により自動的に移動させてもよい。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記排泄エリア部の排泄面は、前記排泄エリア部の一部分に形成された排泄物排出部に向かって下方傾斜している請求項1に記載の盲導犬用水洗便所である。
排泄面の傾斜角度は0.5〜2.0度、好ましくは1.0〜1.5度である。0.5度未満では、洗浄水の水圧を高めなければ、洗浄後の排泄面に排泄物が若干残るおそれがある。また、2.0度を超えると盲導犬や盲人が立ちにくい。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記排泄エリア部の排泄面には、盲導犬の滑り止め用のゴムシートが敷設された請求項1または請求項2に記載の盲導犬用水洗便所である。
ゴムシートの素材としては、例えば天然ゴムの他、各種の合成ゴムを採用することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記排泄エリア部の一側部分に排泄物排出部が形成され、前記排泄エリア部の周壁のうち、前記排泄物排出部を除く部分から洗浄水が吹き出される請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の盲導犬用水洗便所である。
対向する方向から洗浄水を噴出すれば、排泄物が糞の場合、その両側から吹き付けられた洗浄水によって、糞を細かく砕くことができる。その後、例えば排泄物排出部と対向する方向から洗浄水を流せば、この砕かれた糞を排泄物排出部に押し出すことができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記排泄エリア部の内部には、前記立ち位置部まで盲人を誘導する誘導用ブロックが設けられた請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の盲導犬用水洗便所である。
誘導用ブロックは、排泄エリア部の外部から内部まで敷設される。誘導用ブロックの敷設域のうち、排泄エリア部の外縁の内側と外側とには、盲人に排泄エリア部に出入りするための注意を促す注意喚起ブロックをそれぞれ設けた方が好ましい。これにより、盲人が安全に排泄エリア部に出入りすることができる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記排泄エリア部に入退出する盲導犬およびまたは盲人を感知する感知センサと、該感知センサからの信号に基づき、盲導犬およびまたは盲人の前記排泄エリア部からの退去を検知し、その後、前記水洗装置を作動させる制御部とを有する請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載の盲導犬用水洗便所である。
感知センサの種類は限定されない。例えば、赤外線センサなどの光センサを採用することができる。
感知センサに基づく、盲導犬およびまたは盲人の排泄エリア部からの退去の検知方法としては、例えば、感知センサが盲導犬およびまたは盲人の存在をいったん感知し、その後、その感知が途絶えた時を退去時とみなす方法などが挙げられる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記盲導犬用水洗便所はトイレルームを有し、該トイレルームの床には、前記排泄エリア部が設置された請求項1〜請求項6のうち、何れか1項に記載の盲導犬用水洗便所である。
トイレルームの大きさ、形状などは限定されない。また、ドア、窓、照明、換気装置などの設置は任意である。
【0015】
請求項8に記載の発明は、前記盲導犬用水洗便所はトイレルームを有し、該トイレルームには照明および換気装置が設けられ、前記制御部は、前記感知センサからの信号に基づき、前記照明および換気装置を制御する請求項に記載の盲導犬用水洗便所である。
感知センサは、排泄エリア部への立ち入りまたは退去だけではなく、トイレルームへの盲導犬およびまたは盲人の入退室を検知するセンサとしてもよい。
制御部による照明および換気装置の制御は、例えば盲導犬およびまたは盲人の入室直後に照明を点灯するとともに換気装置を作動し、また制御部に接続されたタイマーを利用して、盲導犬およびまたは盲人の退室後、所定時間が経過してから消灯および換気停止を行うようにしてもよい。
【0016】
【作用】
この発明によれば、盲導犬の排泄時、盲人とともに盲導犬が排泄エリア部に入る。このとき、盲人は立ち位置部を確認し、その上で待機する。盲導犬が排泄エリア部の排泄面に排泄物を排泄したならば、水洗装置から高圧の洗浄水を排泄エリア部内に吹き出し、排泄物を排泄エリア部の外まで圧送し、排泄エリア部を水洗する。
これにより、介助者を必要とせずに盲導犬の排泄物を処理することができる。
【0017】
特に、請求項2に記載の発明によれば、排泄エリア部の排泄面が、排泄エリア部の一部分に形成された排泄物排出部に向かって下方傾斜しているので、洗浄水の低圧化が図れる。したがって、水平な排泄面上の排泄物を排出するときより洗浄水の水圧が若干低くても、排泄物を残さず排出することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、排泄エリア部の排泄面に防滑性を有するゴムシートが敷設されているので、排泄面への排泄物の付着を抑えながら、排泄面上での盲導犬の足の滑りを防止することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、水洗時、洗浄水が排泄物排出部を除く排泄エリア部の周壁から吹き出されるので、排泄面上における排泄位置に拘らず、洗浄水により排泄物を効率よく排出することができる。しかも、互いに対峙する方向から洗浄水を噴出すれば、排泄物が糞の場合、この糞を細かく砕くことができる。その後、この砕いた糞に対して、排泄物排出部と対向する側から洗浄水を吹き付ければ、この糞を排泄物排出部まで押し出すことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、排泄エリア部内には、盲人を立ち位置部まで誘導する誘導用ブロックが敷設されているので、盲人が自分自身で迷わず立ち位置部まで歩くことができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、排泄エリア部に立ち入った犬およびまたは盲人を感知センサが感知し、その感知信号に基づき、制御部内で犬およびまたは盲人の排泄エリア部からの退去を検知する。検出後は、制御部から水洗装置に洗浄指令が発せられる。これにより、盲導犬の排泄が終了した後、自動的に排泄面上の排泄物を押し流すことができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、排泄エリア部がトイレルーム内に設置されているので、雨や雪などの悪天候にも拘らず、盲導犬は快適に排泄行為を行うことができる。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、トイレルームに照明および換気装置がそれぞれ設けられ、制御部が感知センサからの信号に基づき、これらの照明および換気装置を制御するので、盲導犬用水洗便所の利用に際し、自動的にトイレルームの照明および換気を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る盲導犬用水洗便所の使用状態を示す模式図である。図2は、この発明の一実施例に係る盲導犬用水洗便所の排泄エリア部の周辺を示す拡大平面図である。
図1および図2において、10はこの発明の一実施例に係る盲導犬用水洗便所で、この盲導犬用水洗便所10は、外壁によって外部から隔離されたトイレルーム11と、トイレルーム11の床に設けられ、盲人に連れられた盲導犬が排泄物を排泄する排泄面12aを有する排泄エリア部12と、排泄エリア部12の内部に設けられ、盲人が自分自身で立ち位置を認識可能な立ち位置部13と、排泄エリア部12の排泄面12aに排泄された排泄物を、高圧の洗浄水により排泄エリア部12の外まで圧送し、排泄エリア部12を水洗する水洗装置14とを備えている。
【0025】
トイレルーム11は、平面視して矩形状の部屋で、4つの側壁と天井板とにより画成されている。一つ側壁には、自動ドア15が据え付けられた出入口が形成されている。天井板には、照明16と、換気装置17と、盲導犬や盲人が排泄エリア部12の付近に存在することを感知する感知センサ(赤外線センサ)18とが、それぞれの所定位置に設けられている。
この出入口付近から排泄エリア部12の内部までの間には、盲人をトイレルーム11の外から立ち位置部13まで誘導する誘導用ブロック19が敷設されている。立ち位置部13は、排泄エリア部12の中央部に配置されている。立ち位置部13は、表面に大きな半球突起が多数形成された平面視して矩形状の立ち位置案内ブロックである。また、誘導用ブロック19は、その表面に誘導方向に長い多数の小突起が形成されている。しかも、排泄エリア部12の外縁の内側と外側とには、盲人に対して排泄エリア部12内への出入り部分まで達したという注意を促すための注意喚起ブロック20,20がそれぞれ設けられている。注意喚起ブロック20,20の表面には、立ち位置案内ブロックの半球突起よりも小型で形成密度が粗い多数の微小突起が形成されている。
【0026】
排泄エリア部12は、横2.5m×奥行き2m、高さ5〜10cmの平面視して矩形状のステンレス製のパンである。この排泄エリア部12の表面には、厚さ3mmのゴムシート12cが接着剤により接着されている。排泄エリア部12の排泄面12aは、トイレルーム11の出入口側の端から奥壁側の端に向かって1.2度の傾斜角度で徐々に下方傾斜している。また、排泄エリア部12の中央部から両側壁側の端に向かっては、それぞれ0.6度の傾斜角度で徐々に上方傾斜している。
【0027】
排泄エリア部12の両側の縁部と、排泄エリア部12の出入口側の縁部とには、合計3本の洗浄管、具体的には排泄エリア部12の一側の縁部に第1の洗浄管21Aが配管され、排泄エリア部12の他側の縁部に第2の洗浄管21Bが配管され、排泄エリア部12の出入口側の縁部に第3の洗浄管21Cが配管されている。各洗浄管21A,21Bの排泄エリア部12側の部分には、長さ方向に向かって一定ピッチで洗浄水用の図示しないノズルが10cm間隔で多数形成されている。また、第3の洗浄管21Cの排泄エリア部12側の部分には、軸線方向に長い大量の洗浄水を流出する吐水口が形成されている。各洗浄管21A,21B,21Cには、外設された高圧水発生装置22から供給された高圧の洗浄水が、対応する配管21a,21b,21cを通してそれぞれ圧送されている。
【0028】
排泄エリア部12の奥壁側の端には、この奥壁に沿って排水側溝(排泄物排出部)23が形成されている。排水側溝23の上面の開口部には、多数の小孔を有するグレーチング23aが嵌合されている。排水側溝23の一端部には、排水側溝23内の排泄物を地下の下水道に向かって排出するための汚水桝24が形成されている。また、排水側溝23の他端部には、排泄面12a上から排水側溝23内に落とされた排泄物を、高圧水発生装置22から配管21dを介して供給された洗浄水によって汚水桝24まで押し流す第4の洗浄管21Dが設けられている。配管21aの途中には第1の電磁弁V1が連結され、配管21bの途中には第2の電磁弁V2が連結されている。また、配管21cの途中には第3の電磁弁V3が連結され、配管21dの途中には第4の電磁弁V4が連結されている。
【0029】
次に、図3に示す制御系のブロック図を参照して、この盲導犬用水洗便所10に配備された電気機器の制御を説明する。
図3に示すように、盲導犬用水洗便所10の制御は、CPUを内蔵した制御部26により行われる。すなわち、制御部26の入力側には感知センサ18と、タイマ30とが接続される。一方、制御部26の出力側には、照明16、換気装置17、第1の電磁弁V1、第2の電磁弁V2、第3の電磁弁V3および第4の電磁弁V4がそれぞれ接続される。
感知センサ18が盲人や盲導犬を感知すると、その感知信号に基づき、照明16の点灯または消灯と、換気装置17の作動または作動停止とをそれぞれ行う。その他にも、この感知信号に基づき、第1の電磁弁V1の開閉操作による第1の洗浄管21Aからの洗浄水の噴出または噴出停止、第2の電磁弁V2の開閉操作による第2の洗浄管21Bからの洗浄水の噴出または噴出停止、第3の電磁弁V3の開閉操作による第3の洗浄管21Cからの洗浄水の噴出または噴出停止、そして第4の電磁弁V4の開閉操作による第4の洗浄管21Dからの洗浄水の噴出または噴出停止をそれぞれ行う。
水洗装置14は、各洗浄管21A〜21D、各配管21a〜21d、高圧水発生装置22、各電磁弁V1〜V4により構成される。
【0030】
次に、図4のフローシートを参照して、この盲導犬用水洗便所10の利用方法を説明する。
この発明によれば、盲導犬を連れた盲人がトイレルーム11の出入口に近づくと自動ドア15が開く(S401)。盲人は、誘導用ブロック19に沿って盲導犬とともにトイレルーム11に入室し、自動ドア15が閉まる。この入室を感知センサ18が感知すると、その感知信号が制御部26に送られる(S402)。これにより、制御部26からの指令で照明16が点灯し、換気装置17が作動する(S403)。この点灯により、盲導犬がトイレルーム11内の様子を視認することができる。その後、盲人は誘導用ブロック19上を盲導犬とともにトイレルーム11の奥へと歩き、排泄エリア部12内に入る。そして、立ち位置部13まで達したなら、盲人はその上で停止する。
【0031】
ところで、排泄エリア部12内に盲人が立ち入る場合、トイレルーム11の床面と排泄エリア部12の排泄面12aとの間の段差が障害になる。しかしながら、排泄エリア部12の外側の注意喚起ブロック20を、盲人が杖で触ったり靴で踏むことにより、傍に段差付きの排泄エリア部12があることを容易に認識することができる。これにより、盲人は段差につまずくことなく、安全に排泄エリア部12に立ち入ることができる。
【0032】
続いて、排泄面12a上に立つ盲導犬は盲人の合図により、盲人の周りを廻った後、盲人の横でこの排泄面12aの上に排泄する。ところで、犬は硬い床面の上では爪を立てる習性があり、足が滑りやすくなる。反面、表面が軟らかいと排泄物が付着しやすく、洗浄は容易でない。そこで、両方の問題を解消するため、一実施例では排泄エリア部12の表面に平滑なゴムシート12cを接着している。これにより、排泄面12a上で盲導犬の足が滑りにくいと同時に、排泄物が排泄面に付着しにくくなる。
盲導犬の排泄が終わると、盲人は盲導犬を連れて入室時とは反対方向、すなわち出入口に向かって誘導用ブロック19上を歩く。そして、自動ドア15の開閉に伴い、トイレルーム11の外に出る。盲人が排泄エリア部12から退去する際には、入室時と同じようにトイレルーム11の床面と排泄エリア部12の排泄面12aとの段差が障害になる。しかしながら、排泄エリア部12の内側には注意喚起ブロック20があるので、盲人はつまずくことなく、安全に排泄エリア部12から退去することができる。
【0033】
感知センサ18が盲導犬や盲人の退室を感知すると(S404)、タイマ30が作動し、その数秒後に照明16が消灯し、換気装置17が停止する。同時に水洗装置14による排泄エリア部12内の水洗が開始される(S405)。具体的には、まず第1および第2の電磁弁V1,V2を約15〜20秒間だけ開き、高圧水発生装置22からの洗浄水を、対応する多数のノズルを通して第1および第2の洗浄管21A,21Bから、排泄エリア部12の中央に向かって洗浄管1本当たり30リットル/分で噴出させる。このとき、洗浄水は互いに対峙する方向から排泄物に向かって噴出される。これにより、例えば排泄物が固い大きな糞の場合にはそれを細かく砕くことができる。しかも、この糞を排泄面12aから短時間のうちに剥がすことができる。
次に、両電磁弁V1,V2を閉じた後、第3の電磁弁V3を約10秒間だけ開く。これにより、第3の洗浄管21Cの長尺な吐水口から60リットル/分で洗浄水が流出する。その結果、砕かれて排泄面12aの中央部に集められた排泄物が、排水側溝23へと押し流される。その後、第3の電磁弁V3を閉め、第4の電磁弁V4を5秒間だけ開くと、第4の洗浄管21Dの先端から吹き出された60リットル/分の洗浄水により、排泄物は汚水桝24の中に落とされる。こうして、水洗が終了する(S406)。
【0034】
このように、盲導犬が排泄する排泄エリア部12内に盲人用の立ち位置部13を設け、水洗装置14からの洗浄水により排泄面12a上の排泄物を洗い流すようにしたので、介助者を必要とせずに盲導犬の排泄物を自動的に処理することができる。
また、この排泄面12aを、排水側溝23に向かって下方傾斜したので、洗浄水の低圧化が図れる。したがって、水平な排泄面12a上の排泄物を排出する場合より洗浄水の水圧が若干低くても、排泄物を残さず排出することができる。
さらに、水洗時、洗浄水が排水側溝23を除く排泄エリア部12の周壁から吹き出されるので、排泄面12a上での排泄位置に拘らず、洗浄水により排泄物を効率よく排出することができる。
【0035】
しかも、一実施例では、排泄エリア部12の一側部分に排水側溝23が形成され、水洗装置14は、排泄エリア部12の周壁のうち、排水側溝23およびこの排水側溝23と対向する部分を除いた部分から洗浄水を吹き出して排泄物をいったん排泄エリア部12の中央部に集め、その後、排泄エリア部12の周壁の排水側溝23と対向する部分から洗浄水を流し、この集めた排泄物を排水側溝23まで押し流すようにしたので、排泄面12a上での排泄位置に拘らず、少ない水量で排泄物を排泄面12aから残さず排出することができる。
そして、排泄エリア部12の近傍に、立ち位置部13まで盲人を誘導する誘導用ブロック19を敷設したので、盲人が自分自身で迷わず立ち位置部13まで歩くことができる。
【0036】
次に、排泄エリア部12に立ち入った犬およびまたは盲人を感知センサ18が感知し、その信号に基づき、制御部26内で犬およびまたは盲人の排泄エリア部12からの退去を検知し、その後、この制御部26から水洗装置14に洗浄指令を発するようにしたので、盲導犬の排泄後、自動的に排泄エリア部12を水洗することができる。
続いて、排泄エリア部12をトイレルーム11内に設置したので、雨や雪などの悪天候に拘らず、盲導犬が快適に排泄行為を行うことができる。
また、トイレルーム11に照明16や換気装置17をそれぞれ設け、感知センサ18からの信号に基づき、制御部26が照明16や換気装置17を制御するようにしたので、盲導犬用水洗便所10の利用に際し、自動的にトイレルーム11の照明や換気を行うことができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、盲導犬が排泄する排泄エリア部内に盲人用の立ち位置部を設け、しかも水洗装置により排泄エリア部を水洗するように構成したので、介助者を必要とせずに盲導犬の排泄物を処理することができる。
【0038】
特に、請求項2に記載の発明によれば、排泄エリア部の排泄面を、排泄エリア部の一部分に形成された排泄物排出部に向かって下方傾斜させたので、洗浄水の低圧化を図ることができる。
【0039】
請求項3に記載の発明によれば、排泄エリア部の排泄面に防滑性を有するゴムシートを敷設したので、水洗時に排泄物が排泄面に付着しにくく、しかも排泄面上で盲導犬の足が滑りにくくなる。
【0040】
請求項4に記載の発明によれば、水洗時、洗浄水が排泄物排出部を除く排泄エリア部の周壁から吹き出されるので、排泄面上での排泄位置に拘らず、洗浄水により排泄物を効率よく排出することができる。
【0041】
請求項5に記載の発明によれば、排泄エリア部の近傍に、立ち位置部まで盲人を誘導する誘導用ブロックを敷設したので、盲人が自分自身で迷わず立ち位置部まで歩くことができる。
【0042】
請求項6に記載の発明によれば、排泄エリア部に立ち入った犬およびまたは盲人を感知センサが感知し、その信号に基づき、制御部内で犬およびまたは盲人の排泄エリア部からの退去を検知し、その後、この制御部から水洗装置に洗浄指令を発するようにしたので、盲導犬の排泄後、自動的に排泄エリア部を水洗することができる。
【0043】
請求項7に記載の発明によれば、排泄エリア部をトイレルーム内に設置したので、雨や雪などの悪天候に拘らず、盲導犬は快適に排泄することができる。また、屋外に散在するゴミや枯れ葉など、排泄エリア部の洗浄に邪魔になる物を盲導犬用水洗便所内に入れないようにすることができる。
【0044】
請求項8に記載の発明によれば、トイレルームに照明や換気装置をそれぞれ設け、感知センサからの信号に基づき、制御部が照明や換気装置を制御するようにしたので、盲導犬用水洗便所の利用に際し、自動的にトイレルームの照明や換気を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る盲導犬用水洗便所の使用状態を示す模式図である。
【図2】この発明の一実施例に係る盲導犬用水洗便所の排泄エリア部の周辺を示す拡大平面図である。
【図3】この発明の一実施例に係る盲導犬用水洗便所の制御系を示すブロック図である。
【図4】この発明の一実施例に係る盲導犬用水洗便所の利用方法をしめすフローシートである。
【符号の説明】
10 盲導犬用水洗便所、
11 トイレルーム、
12 排泄エリア部、
12a 排泄面、
12c ゴムシート、
13 立ち位置部、
14 水洗装置、
16 照明、
17 換気装置、
18 感知センサ、
19 誘導用ブロック、
23 排泄側溝(排泄物排出部)、
26 制御部。

Claims (8)

  1. 盲人に連れられた盲導犬が排泄物を排泄する排泄面を有する排泄エリア部と、
    該排泄エリア部の内部に設けられ、盲人が自分自身で立ち位置を認識可能な立ち位置部と、
    前記排泄エリア部の排泄面に排泄された排泄物を、洗浄水により排泄エリア部の外まで圧送し、前記排泄エリア部を水洗する水洗装置とを備えた盲導犬用水洗便所。
  2. 前記排泄エリア部の排泄面は、前記排泄エリア部の一部分に形成された排泄物排出部に向かって下方傾斜している請求項1に記載の盲導犬用水洗便所。
  3. 前記排泄エリア部の排泄面には、盲導犬の滑り止め用のゴムシートが敷設された請求項1または請求項2に記載の盲導犬用水洗便所。
  4. 前記排泄エリア部の一側部分に排泄物排出部が形成され、前記排泄エリア部の周壁のうち、前記排泄物排出部を除く部分から洗浄水が吹き出される請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の盲導犬用水洗便所。
  5. 前記排泄エリア部の内部には、前記立ち位置部まで盲人を誘導する誘導用ブロックが設けられた請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の盲導犬用水洗便所。
  6. 前記排泄エリア部に入退出する盲導犬およびまたは盲人を感知する感知センサと、
    該感知センサからの信号に基づき、盲導犬およびまたは盲人の前記排泄エリア部からの退去を検知し、その後、前記水洗装置を作動させる制御部とを有する請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載の盲導犬用水洗便所。
  7. 前記盲導犬用水洗便所はトイレルームを有し、該トイレルームの床には、前記排泄エリア部が設置された請求項1〜請求項6のうち、何れか1項に記載の盲導犬用水洗便所。
  8. 前記盲導犬用水洗便所はトイレルームを有し、該トイレルームには照明および換気装置が設けられ、
    前記制御部は、前記感知センサからの信号に基づき、前記照明および換気装置を制御する請求項に記載の盲導犬用水洗便所。
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